(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】3,4-ジヒドロイソキノリン類化合物の塩及びその応用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20241210BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20241210BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241210BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20241210BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/506
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534343
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2022137298
(87)【国際公開番号】W WO2023104107
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111494667.8
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506417359
【氏名又は名称】石薬集団中奇制薬技術(石家庄)有限公司
【氏名又は名称原語表記】CSPC ZHONGQI PHARMACEUTICAL TECHNOLOGY(SHIJIAZHUANG)CO.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.896,Zhongshan East Road,High-Tech Zone,Shijiazhuang,Hebei,050035,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ペン シャオシー
(72)【発明者】
【氏名】リー ペンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジン ゲンゲン
(72)【発明者】
【氏名】リー ツァン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ シャオチェン
(72)【発明者】
【氏名】ツイ チャオリー
(72)【発明者】
【氏名】シー ヤージュアン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、式(A)で表される化合物の塩、その固体形態、結晶形態及びその結晶形、それを含む医薬組成物及びその用途及び製造方法を提供する。式(A)の化合物より、式(A)で表される化合物の塩は、水及び生体溶媒媒体中でより高い溶解度を有し、固体形態を容易に調製して得られ、転移及び秤量が容易であり、良好な応用の将来性を有する。
【化1】
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)で表される化合物の無機酸付加塩又は有機酸付加塩である化合物。
【化1】
【請求項2】
前記無機酸付加塩が、硫酸塩又はリン酸塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記有機酸付加塩が、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩及びゲンチジン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記式(A)で表される化合物の無機酸付加塩又は有機酸付加塩において、前記式(A)で表される化合物と有機酸又は無機酸分子との化学配合比が1:0.5~2であり、好ましくは1:1~1.5であり、更に好ましくは1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4又は1:1.5であり、更に好ましくは1:1、1:1.3、1:1.4又は1:1.5であり、更に好ましくは1:1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が式(B)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
【化2】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、好ましくは1または1.5である。)
【請求項6】
前記化合物が結晶形Iの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.2±0.2°、6.5±0.2°、13.3±0.2°、及び19.1±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が結晶形IIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.9±0.2°、6.6±0.2°、13.2±0.2°、18.7±0.2°、及び19.8±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が結晶形IIIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.3±0.2°、6.9±0.2°、及び20.3±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が結晶形IVの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.4±0.2°、7.6±0.2°、8.9±0.2°、13.9±0.2°、及び20.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が結晶形Vの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:5.0±0.2°、13.6±0.2°、18.6±0.2°、19.6±0.2°、及び20.2±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が結晶形VIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.5±0.2°、7.0±0.2°、9.0±0.2°、12.9±0.2°、20.2±0.2°、及び21.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が結晶形VIIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.3±0.2°、6.9±0.2°、13.2±0.2°、19.1±0.2°、及び20.0±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が式(C)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
【化3】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1または1.5である。)
【請求項14】
前記化合物が結晶形Iの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.7±0.2°、7.1±0.2°、10.7±0.2°、17.4±0.2°、21.2±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が結晶形IIの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、13.0±0.2°、及び21.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が結晶形IIIの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、18.7±0.2°、及び19.4±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が結晶形IVの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、13.7±0.2°、19.5±0.2°、20.0±0.2°、及び22.9±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の化合物を含み、好ましくは薬学的に許容される担体をさらに含む、医薬組成物。
【請求項19】
薬物の製造における請求項1から17のいずれか1項に記載の化合物又は請求項18に記載の医薬組成物の使用。
【請求項20】
前記薬物は細胞増殖性疾患を予防および/または治療するために使用され、好ましくは、前記細胞増殖性疾患が腫瘍またはがんであり、さらに好ましくは、前記腫瘍またはがんが血液腫瘍または固形腫瘍であり、よりさらに好ましくは、悪性血液腫瘍または末期固形腫瘍であり、よりさらに好ましくは、再発・難治性血液腫瘍または末期悪性固形腫瘍である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記薬物が、少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患を予防及び/又は治療するために使用される、請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願日が2021年12月8日の中国特許出願202111494667.8の優先権を主張する。本発明は、上記中国特許出願の全文を援用する。
【0002】
本発明は、医薬技術分野に属し、3,4-ジヒドロイソキノリン類化合物の塩、その結晶形態及び具体的な結晶形、それを含む医薬組成物及びその医薬分野への応用に関する。
【背景技術】
【0003】
タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(protein arginine methyltransferases、PRMTs)は、タンパク質アルギニンメチル化反応を触媒できるS-アデノシルメチオニン(SAM又はAdoMet)依存性メチルトランスフェラーゼであり、具体的には、AdoMetに由来するメチル基をヒストン又はその他のタンパク質のアルギニン残基の末端のグアニジノ窒素原子に転移するとの役目を担う。PRMTsは、例えば選択的スプラシイング、転写後調節、RNAプロセシング、細胞増殖、細胞分化、アポトーシス及び腫瘍形成に関与する等、タンパク質のメチル化において重要な役割を果たす。アルギニンのメチル化を触媒する様々な方法により、PRMTファミリーのメンバーは3種類に分類されることができ、PRMT1-4、PRMT6、PRMT8はI型に属し、モノメチル化及び非対称性ジメチル化を触媒するが、PRMT5及びPRMT9はII型に属し、対称性ジメチル化を触媒し、PRMT7はIII型に属し、モノメチル化を触媒する。
【0004】
PRMT5は、Pollackらによる酵母ツーハイブリッド研究でJak2(Janus tyrosine kinase 2)に結合するタンパク質複合体から最初に分離されたため、JBP1(jak-binding protein 1)とも呼ばれる。PRMT5は、遺伝子転写及びタンパク質修飾のプロセスを調節できるのみならず、腫瘍細胞の成長において、細胞増殖、分化、アポトーシスを調節する作用も果たすものであり、極めてポテンシャルのある腫瘍治療の標的である。こでまでのところ、PRMT5阻害剤の研究開発はすべて初期段階にあり、最も進んでいるものはGSK社より発表されたGSK3326595であり、第I/II相臨床試験に入った。Janssenより初めて発表されたJNJ-64619178、Pfizerより発表されたPF-06939999、及びPrelude Therapeuticsより発表されたPRT-543はすべて第I相臨床試験の段階である。現在、PF-06939999及びPRT-543は、構造式がまだ公開されていない。GSK3326595及びJNJ-64619178の構造式は以下のとおりである。
【化1】
【0005】
現在、PRMT5阻害剤の販売が未だ承認されていないため、良好な治療効果と良好な投与性を両立させた新規PRMT5阻害剤の設計及び合成は重要な臨床応用価値を有する。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、無機酸付加塩又は有機酸付加塩である式(A)で表される化合物の塩を提供する。
【化2】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記無機酸付加塩は、硫酸塩又はリン酸塩である。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記有機酸付加塩は、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩及びゲンチジン酸塩から選択され、好ましくはリンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、L-酒石酸塩、L-乳酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩又はグルコン酸塩であり、好ましくはリンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、L-酒石酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩又はグルコン酸塩であり、更に好ましくはリンゴ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩又はグルコン酸塩であり、より更に好ましくはリンゴ酸塩又はシュウ酸塩であり、より更に好ましくはL-リンゴ酸塩又はシュウ酸塩である。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(A)で表される化合物の塩において、式(A)で表される化合物と有機酸または無機酸分子との化学配合比は、1:0.5~2であり、好ましくは1:1~1.5であり、さらに好ましくは1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4または1:1.5であり、さらに好ましくは1:1、1:1.3、1:1.4または1:1.5であり、さらに好ましくは1:1または1:1.5であり、さらに好ましくは1:1である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(A)で表される化合物の塩は、式(A-1)で表される化合物である。
【化3】
【0011】
(ここで、Xは無機酸または有機酸であり、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1:1または1:1.5であり、よりさらに好ましくは1である。)
本発明のいくつかの実施形態によれば、Xは無機酸であり、硫酸およびリン酸から選択される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、Xは有機酸であり、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸及びゲンチジン酸から選択され、好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、L-酒石酸、L-乳酸、アジピン酸、クエン酸又はグルコン酸であり、好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、L-酒石酸、アジピン酸、クエン酸又はグルコン酸であり、更に好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、クエン酸又はグルコン酸であり、より更に好ましくはリンゴ酸又はシュウ酸であり、より更に好ましくはL-リンゴ酸又はシュウ酸である。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物は、固体形態である。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物は、結晶形態である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(A-1)で表される化合物は、式(B)で表される化合物である。
【化4】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、好ましくは1または1.5である。)
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(B)で表される化合物は、固体形態である。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(B)で表される化合物はKBr錠剤法を用いた赤外スペクトルは以下の位置(±4cm-1):3301、2940、1611、1528、1456、1368、1045にある特徴ピークを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(B)で表される化合物は、結晶形態である。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(B)で表される化合物は、式(B-1)で表される化合物である。
【化5】
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(B-1)で表される化合物は、固体形態である。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(B-1)で表される化合物は、結晶形態である。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形Iであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.2、6.5、13.3、19.1に特徴的な回折ピークを有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.2、6.5、13.3、19.1、20.1、22.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.2、6.5、13.3、18.3、19.1、20.1、22.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、Cu-Kα線を使用する場合、基本的に
図1に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、示差走査熱量曲線が113±5℃に吸熱ピークを有する。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、示差走査熱量曲線が102.15±5℃及び113±5℃に吸熱ピークを有する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Iは、熱重量分析曲線が室温~110±5℃の間に8.6522%±0.2%の重量減少を有する。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形IIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、13.2、18.7、19.8に特徴的な回折ピークを有する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、13.2、18.7、19.8、22.1、26.5に特徴的な回折ピークを有する。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、13.2、18.7、19.8、22.1、23.3、26.5に特徴的な回折ピークを有する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、13.2、18.7、19.8、20.3、22.1、23.3、26.5に特徴的な回折ピークを有する。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、12.3、13.2、18.7、19.8、20.3、22.1、23.3、24.0、26.5に特徴的な回折ピークを有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.9、6.6、12.3、13.2、18.7、19.8、20.3、22.1、23.3、24.0、26.5、28.8に特徴的な回折ピークを有する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図2に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、示差走査熱量曲線が103.58±5℃に吸熱ピークを有する。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、示差走査熱量曲線が89.8±5℃及び103.58±5℃に吸熱ピークを有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIは、熱重量分析曲線が室温~80±5℃の間に2.6358%±0.2%の重量減少を有する。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形IIIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、20.3に特徴的な回折ピークを有する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、8.8、20.3、21.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、8.8、12.8、13.3、20.3、21.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、8.8、12.8、13.3、14.0、15.9、20.3、21.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図3に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、示差走査熱量曲線が117.93±5℃に吸熱ピークを有する。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、示差走査熱量曲線が70.82±5℃及び117.93±5℃に吸熱ピークを有する。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IIIは、熱重量分析曲線が室温~75±5℃の間に3.0001%±0.2%の重量減少を有する。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形IVであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.4、7.6、8.9、13.9、20.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.4、7.6、8.9、12.1、13.9、15.2、20.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.4、7.6、8.9、12.1、13.9、15.2、17.8、18.5、20.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.4、7.6、8.9、12.1、13.9、15.2、17.1、17.8、18.5、20.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図4に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、示差走査熱量曲線が113.27±5℃に吸熱ピークを有する。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、示差走査熱量曲線が77.91±5℃及び113.27±5℃に吸熱ピークを有する。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形IVは、熱重量分析曲線が室温~60±5℃の間に2.6271%±0.2%の重量減少を有する。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形Vであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):5.0、13.6、18.6、19.6、20.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):5.0、6.8、13.1、13.6、18.6、19.6、20.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):5.0、6.8、13.1、13.6、16.7、18.6、19.6、20.2、24.3に特徴的な回折ピークを有する。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):5.0、6.8、13.1、13.6、16.7、18.6、19.6、20.2、23.2、24.3、25.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):5.0、6.8、13.1、13.6、16.7、18.6、19.6、20.2、23.2、24.3、25.0、28.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図5に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、示差走査熱量曲線が104.69±5℃に吸熱ピークを有する。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、示差走査熱量曲線が68.38±5℃及び104.69±5℃に吸熱ピークを有する。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形Vは、熱重量分析曲線が室温~75±5℃の間に3.6041%±0.2%の重量減少を有する。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形VIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.5、7.0、9.0、12.9、20.2、21.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.5、7.0、9.0、12.9、13.3、15.8、20.2、21.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.5、7.0、9.0、12.9、13.3、13.9、15.8、20.2、21.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.5、7.0、9.0、12.9、13.3、13.9、15.8、16.9、20.2、21.6、25.4に特徴的な回折ピークを有する。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図6に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、示差走査熱量曲線が113.29±5℃に吸熱ピークを有する。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIは、熱重量分析曲線が室温~120±5℃の間に0.34%±0.2%の重量減少を有する。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(B)で表される化合物は、結晶形VIIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、13.2、19.1、20.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、8.9、13.2、19.1、20.0、21.7に特徴的な回折ピークを有する。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.3、6.9、8.9、13.2、15.1、19.1、20.0、21.1、21.7に特徴的な回折ピークを有する。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図7に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、示差走査熱量曲線が197.3±5℃に吸熱ピークを有する。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、示差走査熱量曲線が92.4±5℃及び197.3±5℃に吸熱ピークを有する。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形VIIは、熱重量分析曲線が室温~110±5℃の間に7.88%±0.2%の重量減少を有する。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(A-1)で表される化合物は、式(C)で表される化合物である。
【化6】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1または1.5である。)
【0079】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(C)で表される化合物は、固体形態である。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(C)で表される化合物はKBr錠剤法を用いた赤外スペクトルは以下の位置(±4cm-1):3320、2937、1615、1526、1456、1368、1047にある特徴ピークを含む。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(C)で表される化合物は、結晶形態である。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(C)で表される化合物は、式(C-1)又は式(C-2)で表される化合物である。
【化7】
【0083】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物は、固体形態である。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固体形態の式(C-1)で表される化合物、式(C-2)で表される化合物は、結晶形態である。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形Iであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.7、7.1、10.7、17.4、21.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形Iであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.7、7.1、10.7、16.1、17.4、20.1、21.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形Iであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.7、7.1、10.7、16.1、17.4、19.6、20.1、21.2、23.2に特徴的な回折ピークを有する。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形Iであり、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図8に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、13.0、21.6に特徴的な回折ピークを有する。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、13.0、21.6、24.5、25.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、4.8、13.0、18.4、19.4、21.6、24.5、25.0に特徴的な回折ピークを有する。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図9に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、その示差走査熱量曲線は、162.6±5℃に吸熱ピークを有する。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIであり、その熱重量分析曲線は、室温~160±5℃の間に3.2%±0.2%の重量減少を有する。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、18.7、19.4に特徴的な回折ピークを有する。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、4.8、14.0、16.7、18.7、19.4、23.3に特徴的な回折ピークを有する。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図10に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、その示差走査熱量曲線が204.9±5℃に吸熱ピークを有する。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、その示差走査熱量曲線は、139.9±5℃及び204.9±5℃に吸熱ピークを有する。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IIIであり、その熱重量分析曲線は室温~150±5℃の間に6.2%±0.2%の重量減少を有する。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IVであり、Cu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角(±0.2°):4.6、13.7、19.5、20.0、22.9に特徴的な回折ピークを有する。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IVであり、Cu-Kα線を用いた場合、基本的に
図11に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IVであり、その示差走査熱量曲線は137.4±5℃に吸熱ピークを有する。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形IVであり、その熱重量分析曲線は室温~150±5℃の間に4.26±0.2%の重量減少を有する。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶形態の式(C)で表される化合物は、結晶形Vであり、Cu-Kα線を用いて得られた単結晶は三斜晶系、P1空間群であり、その単位胞パラメータは、{a=5.55690 (10) Å,b=16.9102(2) Å,c=18.9473 (2) Å,α=99.1280(10)°,β=90.1780(10)°,γ=95.1340(10)°,V=1750.57 (4) Å3}である。
【0106】
第2の態様によれば、本発明は、式(B)で表される化合物の結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形V、結晶形VI、結晶形VIIのうちの1種または複数種を含む結晶組成物を提供する。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶組成物において、式(B)で表される化合物の結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形V、結晶形VI又は結晶形VIIは、前記結晶組成物の重量の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上を占める。
【0108】
第3の態様によれば、本発明は、式(C)で表される化合物の結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vのうちの1種または複数種を含む結晶組成物を提供する。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記結晶組成物において、式(C)で表される化合物の結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV又は結晶形Vは、前記結晶組成物の重量の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上又は95%以上を占める。
【0110】
第4の態様によれば、本発明は、式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、固体形態の式(A-1)で表される化合物、結晶形態の式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、固体形態の式(B)で表される化合物、結晶形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、固体形態の式(B-1)で表される化合物、結晶形態の式(B-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物の結晶形I、式(B)で表される化合物の結晶形II、式(B)で表される化合物の結晶形III、式(B)で表される化合物の結晶形IV、式(B)で表される化合物の結晶形V、式(B)で表される化合物の結晶形VI、式(B)で表される化合物の結晶形VII、式(C)で表される化合物、固体形態の式(C)で表される化合物、結晶形態の式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物、式(C-2)で表される化合物、固体形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、結晶形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、式(C)で表される化合物の結晶形I、式(C)で表される化合物の結晶形II、式(C)で表される化合物の結晶形III、式(C)で表される化合物の結晶形IV、式(C)で表される化合物の結晶形V又は上記第2の態様又は第3の態様に記載の結晶組成物を含む医薬組成物を提供する。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
【0112】
第5の態様によれば、本発明は、上記の各態様で言う式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、固体形態の式(A-1)で表される化合物、結晶形態の式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、固体形態の式(B)で表される化合物、結晶形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、固体形態の式(B-1)で表される化合物、結晶形態の式(B-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物の結晶形I、式(B)で表される化合物の結晶形II、式(B)で表される化合物の結晶形III、式(B)で表される化合物の結晶形IV、式(B)で表される化合物の結晶形V、式(B)で表される化合物の結晶形VI、式(B)で表される化合物の結晶形VII、式(C)で表される化合物、固体形態の式(C)で表される化合物、結晶形態の式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物、式(C-2)で表される化合物、固体形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、結晶形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、式(C)で表される化合物の結晶形I、式(C)で表される化合物の結晶形II、式(C)で表される化合物の結晶形III、式(C)で表される化合物の結晶形IV、式(C)で表される化合物の結晶形V、上記第2の態様又は第3の態様に記載の結晶組成物、又は上記第4の態様に記載の医薬組成物の薬物としての使用又は薬物の製造における使用を提供する。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記薬物は、細胞増殖性疾患の予防及び/又は治療に用いられる;好ましくは、前記細胞増殖性疾患は、腫瘍又はがんである;更に好ましくは、前記腫瘍又はがんは、血液腫瘍又は固形腫瘍である;より更に好ましくは、悪性血液腫瘍又は末期固形腫瘍である;より更に好ましくは、再発・難治性血液腫瘍又は末期悪性固形腫瘍である。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記薬物は、少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患を予防及び/又は治療するために用いられる。
【0115】
第6の態様によれば、本発明は、上記の各態様で言う式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、固体形態の式(A-1)で表される化合物、結晶形態の式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、固体形態の式(B)で表される化合物、結晶形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、固体形態の式(B-1)で表される化合物、結晶形態の式(B-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物の結晶形I、式(B)で表される化合物の結晶形II、式(B)で表される化合物の結晶形III、式(B)で表される化合物の結晶形IV、式(B)で表される化合物の結晶形V、式(B)で表される化合物の結晶形VI、式(B)で表される化合物の結晶形VII、式(C)で表される化合物、固体形態の式(C)で表される化合物、結晶形態の式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物、式(C-2)で表される化合物、固体形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、結晶形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、式(C)で表される化合物の結晶形I、式(C)で表される化合物の結晶形II、式(C)で表される化合物の結晶形III、式(C)で表される化合物の結晶形IV、式(C)で表される化合物の結晶形V、上記第2の態様又は第3の態様に記載の結晶組成物、又は上記第4の態様に記載の医薬組成物であって、少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患又は細胞増殖性疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物を提供する。
【0116】
第7の態様によれば、本発明は、少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患又は細胞増殖性疾患を予防及び/又は治療するための方法であって、必要とされる個体に対して、治療有効量の上記各態様で言う式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、固体形態の式(A-1)で表される化合物、結晶形態の式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、固体形態の式(B)で表される化合物、結晶形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、固体形態の式(B-1)で表される化合物、結晶形態の式(B-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物の結晶形I、式(B)で表される化合物の結晶形II、式(B)で表される化合物の結晶形III、式(B)で表される化合物の結晶形IV、式(B)で表される化合物の結晶形V、式(B)で表される化合物の結晶形VI、式(B)で表される化合物の結晶形VII、式(C)で表される化合物、固体形態の式(C)で表される化合物、結晶形態の式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物、式(C-2)で表される化合物、固体形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、結晶形態の式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物、式(C)で表される化合物の結晶形I、式(C)で表される化合物の結晶形II、式(C)で表される化合物の結晶形III、式(C)で表される化合物の結晶形IV、式(C)で表される化合物の結晶形V、上記第2の態様又は第3の態様に記載の結晶組成物、又は上記第4の態様に記載の医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記第5の態様、第6の態様又は第7の態様に記載の少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患は、細胞増殖性疾患である。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記第5の態様、第6の態様または第7の態様に記載の細胞増殖性疾患は、腫瘍またはがんであり、好ましくは、前記腫瘍またはがんは、血液腫瘍または固形腫瘍であり、さらに好ましくは悪性血液腫瘍または末期固形腫瘍であり、よりさらに好ましくは再発・難治性血液腫瘍または末期悪性固形腫瘍である。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記第5の態様、第6の態様または第7の態様に記載の腫瘍またはがんは、肺がん、骨がん、胃がん、膵臓がん、腺様嚢胞がん、皮膚がん、頭頸部がん、子宮がん、卵巣がん、精巣がん、輸卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、脳がん、垂体腺腫、メラノーマ、表皮がん扁平上皮癌、および慢性および急性白血病から選択され、好ましくは、前記急性白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。
【0120】
第8の態様によれば、本発明は式(A-1)で表される化合物の製造方法であって、式(A)で表される化合物と酸を好適な溶媒中で反応させ、分離して式(A-1)で表される化合物を得ることを含む製造方法を提供する。
【0121】
【化8】
(ここで、Xは酸であり、好ましくは、無機酸または有機酸である;nは、0.5~2から選択される。)
本発明のいくつかの実施形態によれば、nは1~1.5から選択され、好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1、1.3、1.4または1.5であり、よりさらに好ましくは1である。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態によれば、Xは無機酸であり、硫酸およびリン酸から選択される。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態によれば、Xは有機酸であり、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸及びゲンチジン酸から選択され、好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、L-酒石酸、L-乳酸、アジピン酸、クエン酸又はグルコン酸であり、好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、L-酒石酸、アジピン酸、クエン酸又はグルコン酸であり、更に好ましくはリンゴ酸、シュウ酸、クエン酸又はグルコン酸であり、より更に好ましくはリンゴ酸又はシュウ酸であり、より更に好ましくはL-リンゴ酸又はシュウ酸である。
【0124】
本発明の製造方法によれば、前記式(A)で表される化合物と酸とのモル比は、1~2:0.5~2であり、好ましくは1:1~2であり、さらに好ましくは1:1.1~2である。
【0125】
本発明の製造方法によれば、反応温度は0~90℃、好ましくは5~80℃、好ましくは20~60℃、より好ましくは室温~50℃である。
【0126】
本発明の製造方法によれば、反応溶媒は、アルコール類、エステル類、ニトリル類、ケトン類、水、アルカン類溶媒、エーテル類溶媒又はヘテロシクロアルカン類溶媒から選択される1種又は2種の組み合わせであり、好ましくは、ROH、RCOOR1、RCN、RCOR1、水、ROR1、RH又はヘテロシクロアルカン類溶媒のうちの1種又は2種の組み合わせであり、ここで、R及びR1は、それぞれ独立に、C1-6直鎖又は分岐鎖アルキル基から選択され、好ましくは、R及びR1は、それぞれ独立に、C1-4直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれ、好ましくは、反応溶媒は、イソプロパノール、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ブタノン、アセトニトリル、水、テトラヒドロフラン、n-ヘプタン、2-メチルテトラヒドロフランから選ばれる1種又は2種の組み合わせであり、2種の溶媒からなる混合溶媒である場合、両者の使用量体積比は、1~20:20~1、好ましくは1~19:19~1、好ましくは1~10:10~1である。
【0127】
本発明の製造方法によれば、前記反応が完了したら、選択的に、-15~15℃に降温し、0.5h~5日間静置晶析し、固体を分離し、乾燥し、式(A-1)で表される化合物を得る。好ましくは、晶析温度は5℃であり、晶析時間は1h~3日間である。
【0128】
本発明の製造方法によれば、前記分離工程は、吸着濾過、吸引濾過、濾過、遠心等の適宜な方法により、得られた式(A-1)で表される化合物を結晶液から分離することを含む。
【0129】
本発明の製造方法によれば、前記乾燥方法は、任意の適切な既知の方法を採用することができ、好ましくは、室温乾燥、室温真空乾燥又は50℃条件での乾燥である。具体的な乾燥条件は、例えば、乾燥時間が1h~5日間であることが好ましく、3h~3日間であることがより好ましく、3h~1日間であることが更に好ましい。どの乾燥手段を採用しても、得られた製品における溶媒残留量が品質基準に適合するとよい。
【0130】
定義及び説明
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語およびフレーズは、次の意味を有することを意図する。1つの特定のフレーズまたは用語は、特に定義されていない場合、不確定または不明確と見なされるべきではなく、その一般的な意味に従って理解されるべきである。当本明細書に商品名が現れる場合、その対応する商品名またはその有効成分を指すことを意図する。
【0131】
本発明で言う式(A)で表される化合物は、シス及びトランス異性体、(R)-及び(S)-エナンチオマー、及びそのラセミ体などを含む特定の立体異性体の形態を有してもよく、トランス異性体が好ましい。
【0132】
本発明で言う「固体形態の式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物」、「固体形態の式(B)で表される化合物」又は「固体形態の式(C)で表される化合物」等とは、固体形態である式(A-1)で表される化合物、固体形態である式(B)で表される化合物、固体形態である式(C)で表される化合物等であって、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物の結晶形態及びアモルファス形態等を含む。
【0133】
本発明で言う「結晶形態の式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物」、「結晶形態の式(B)で表される化合物」又は「結晶形態の式(C)で表される化合物」等とは、結晶形態である式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物等であって、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物の無水且つ無溶媒形態、水和物の形態、溶媒和物の形態及び共晶の形態を含む。
【0134】
用語「溶媒化物」又は「溶媒和物」とは、化学量論比又は非化学量論比の溶媒分子と本発明の式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物などで形成される会合体であって、水分子と1種または複数種の他の溶媒分子とを同時に含む会合体、及び1種のみまたは複数種の他の溶媒分子を含む会合体を含む。
【0135】
用語「水和物」とは、化学量論比又は非化学量論比の水分子と、本発明の式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物等との会合体を意味する。
【0136】
前記「無水且つ無溶剤形態」とは、水分子又は溶媒分子を含まない、又は、水分子や溶媒分子が分子間力以外、例えば、吸着方式で結合するように、式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物等と共存することを意味する。
【0137】
用語「結晶組成物」とは、本発明で言う化合物(式(A)で表される化合物の塩、式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物等)の具体的な結晶形のうちの1種又は複数種を含む固体形態であり、例えば、本発明の一実施形態では、本発明で言う式(B)で表される化合物の結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形V、結晶形VI、結晶形VIIのうちの1種、2種または多種類を含む。そして、本発明の結晶形以外に、結晶組成物は、任意選択的に、他の結晶形態、他の結晶形又は他のアモルファス形態の化合物(式(A-1)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物)、又はこれら以外の不純物を含むことができる。当業者であれば、結晶組成物において各成分の含有量の合計が100%であることを理解すべきである。
【0138】
前記「室温」は、当分野の通常の意味での室温の温度であり、一般的には10~30℃であり、好ましくは25℃±5℃である。
【0139】
本発明の文脈において、X線粉末回折パターンにおける2θ値は、いずれも度(°)を単位とする。
【0140】
X線粉末回折パターンにおいて、用語「基本的」又は「基本的に図に示すように」とは、基本的に純粋なある結晶形であり、粉末X線回折パターンにおいて少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%のピークが所定のパターンに現れる。さらに、製品中のある結晶形の含有量が徐々に低下すると、機器の検出感度により、そのX線粉末回折パターンにおける該結晶形に帰属する回折ピークは少なくなる可能性がある。また、任意の結晶形に対して、ピークの位置に多少の誤差が存在することもあり、結晶学分野においても公知である。例えば、サンプルを分析する際の温度の変化、サンプルの移動や機器のキャリブレーションなどにより、ピークの位置が移動でき、2θ値の測定誤差は通常±0.2°である。従って、各結晶形構造を決定する際に、この誤差を考慮すべきであり、用語「基本的」又は「基本的に図に示すように」も、回折ピーク位置におけるこのような相違性を含むことを意図する。
【0141】
DSCチャートまたはTGAチャートにおいて、用語「基本的」または「基本的に図に示すように」とは、同種の化合物の同種の結晶形について、連続的な分析において、熱転移開始温度、吸熱ピーク温度、発熱ピーク温度、融点、重量減少開始温度または重量減少終点温度などの誤差が典型的に約5℃であり、通常約3℃以内であることを意味する。ある化合物がある所定の熱転移開始温度、吸熱ピーク温度、発熱ピーク温度、融点、重量減少開始温度又は重量減少終点温度等を有する場合、該温度±5℃であることを意味する。
【0142】
本明細書で使用される用語「細胞増殖性疾患」とは、その細胞集団の増殖速度が所与の生理学状態及び条件下の予期速度よりも低いか高い病症をいう。
【0143】
用語「腫瘍」は、良性腫瘍、悪性腫瘍及び境界悪性腫瘍を含み、悪性腫瘍はがんと総称される。
【0144】
本明細書で使用される用語「予防」とは、疾患又は病症(例えば、がん)で投与された場合、化合物又は医薬(例えば、本願に係る組合せ製品)が投与されていない被験者と比較して、上記化合物又は医薬は被験者のインビボ医学的病症の頻度を減らすか、発症を遅らせることができることを意味する。
【0145】
本明細書で使用される用語「治療」とは、疾患又は症状の緩和又は改善、潜在的な代謝による症状の改善、疾患又は症状の抑制、例えば、疾患又は症状の進行への抑制、疾患又は症状の軽減、疾患又は症状の消失、疾患又は病症による症状の緩和、又は疾患又は症状の抑制をいう。
【0146】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される助剤」という用語は、生体に対して明らかな刺激効果がなく、活性化合物の生物活性および性能を損なわないそれらの担体を指す。
【0147】
本発明に係る化合物は、以下に挙げられる具体的な実施形態、それを他の化学合成法の組み合わせによって形成される実施形態、ならびに当業者に知られている同等の置換法を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって調製されることができ、好ましい実施形態は、本発明に係る実施例を含むが、これらに限定されない。
【0148】
本発明の具体的な実施形態における化学反応は、適切な溶媒中で完了し、前記溶媒は、本発明に係る化学変化およびそれに必要な試薬または材料に適していなければならない。本発明に係る化合物を得るために、当業者が既存の実施形態に基づいて合成ステップまたは反応プロセスを変更または選択することが時々必要である。
【0149】
以下、実施例により本出願を具体的に説明するが、これらの実施例は、本出願を限定するものではない。
本出願で使用されるすべての溶媒は、すべて市販され、さらに精製せずに使用することができる。
【0150】
本発明の「化学配合比」とは、モル比、すなわちフリーフォーム化合物と酸とのモル比を意味する。
【0151】
インビトロキナーゼ活性抑制試験は、比較化合物に比べて、式(A)で表される化合物のPRMT5及びMV4-11細胞に対する活性抑制がより良好であることを示した。
【0152】
インビボ腫瘍抑制試験結果は、比較化合物に比べて、式(A)で表される化合物が顕著な腫瘍活性抑制を有すること、即ち、腫瘍重量及び腫瘍体積に対する抑制効果が顕著であることを示した。
【0153】
生体内薬物動態試験結果は、式(A)で表される化合物は、より良好な経口投与性能を有し、吸収速度が速く、且つ吸収が良好であることを示した。
【0154】
上記(1)、(2)又は(3)のいずれか1種または複数種の効果に加えて、式(A)の化合物の塩を開発することは、より価値のある応用の将来性を有する。
【0155】
式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物が初めて得られる。
【0156】
固体形態の式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物及び結晶形態の式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物が初めて得られ、分離、移行及び秤量が容易である。
【0157】
式(A)で表される化合物の塩又は式(A-1)で表される化合物は、良好な溶解効果を有する。
【0158】
固体形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、式(C)で表される化合物、式(C-1)又は式(C-2)で表される化合物が得られ、これは良好な性状を有し、分離、移行及び秤量が容易である。
【0159】
固体形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、式(C)で表される化合物、式(C-1)又は式(C-2)で表される化合物は、高い純度(95%超)及び/又は収率(80%超)で調製し、分離することができる。
【0160】
結晶形態の式(B)で表される化合物、式(B-1)で表される化合物、結晶形態の式(C)で表される化合物、式(C-1)で表される化合物又は式(C-2)で表される化合物は、良好な結晶を有する。
【0161】
結晶形態の式(B)で表される化合物及びその具体的な結晶形、結晶形態の式(C)で表される化合物及びその具体的な結晶形は、精製及び分離(例えば、濾過)しやすく、製造が簡便である。
【0162】
結晶形は、良好な物理的安定性と化学的安定性を備え、良好な薬用将来性を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【
図1】実施例1の式(B)の化合物の結晶形IのX線粉末回折パターンである。
【
図2】実施例2の式(B)の化合物の結晶形IIのX線粉末回折パターンである。
【
図3】実施例3の式(B)の化合物の結晶形IIIのX線粉末回折パターンである。
【
図4】実施例4の式(B)の化合物の結晶形IVのX線粉末回折パターンである。
【
図5】実施例5の式(B)の化合物の結晶形VのX線粉末回折パターンである。
【
図6】実施例6の式(B)の化合物の結晶形VIのX線粉末回折パターンである。
【
図7】実施例7の式(B)の化合物の結晶形VIIのX線粉末回折パターンである。
【
図8】実施例8の式(C)の化合物の結晶形IのX線粉末回折パターンである。
【
図9】実施例9の式(C)の化合物の結晶形IIのX線粉末回折パターンである。
【
図10】実施例10の式(C)の化合物の結晶形IIIのX線粉末回折パターンである。
【
図11】実施例11の式(C)の化合物の結晶形IVのX線粉末回折パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0164】
1、X線粉末回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)
【表1】
【0165】
2、示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
【表2】
【0166】
3、熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)
【表3】
【0167】
4、核磁気共鳴パターン(NuclearmAgnetic Resonance Spectroscopy、NMR)
機器型式:Bruker 400M核磁気共鳴装置(Bruker、GER)
内容及びテスト溶媒:1H~NMR、テスト溶媒はDMSO-d6である。
【0168】
5、赤外分光(Infrared Spectroscopy、IR)
検出機器:Perkin Elmer Spectrum 100 FT-IR赤外分光分析装置
テスト方法:サンプルを3mg秤量し、KBrで錠剤を希釈し、室温で検出を行う。具体的なパラメータは、検出範囲:4000~400cm-1波数、分解能:4cm-1である。
【0169】
【0170】
7、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
【表5】
【0171】
【0172】
9、溶解度測定
FaSSIF:人間が食事する前の飢餓状態での小腸内の腸液を模擬する;FeSSIF: 人間が食事した後の飽食状態での小腸内の腸液を模擬する;SGF:人間が飢餓状態である際に、空腹時の胃液を模擬する。
【0173】
試験方法:被測定サンプルを水又は生体溶媒媒体(4mL)に添加し、37℃で回転培養器上で回転混合(~25rpm)し、サンプリングポイント(本発明において、サンプリングポイントが24時間)で約0.8mL溶液又は懸濁液を遠心管に採取し、遠心分離し、上澄み液を濾過膜で濾過し、濾液を溶解度測定に使用する。
【0174】
本発明の内容をより良く理解してもらうために、以下、具体的な実施例を参照して更なる説明を行うが、具体的な実施形態は本発明の内容を限定するものではない。以下の製造例、実施例、測定例または試験例において具体的な条件を明記しない試験方法は、通常の方法および条件に従って、または商品取扱書に従って選択される。
【0175】
【0176】
中間体T-0の調製:100mLの反応フラスコに、6-クロロ-ピリミジン-4-ホルミルクロリド(0.63g、3.56mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、0℃の条件下で、トリエチルアミン(0.72g、7.12mmol)を加えた。その後、(S)-1-アミノ-3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-オール(0.66g、3.20mmol)を加えた。反応液を25℃条件で2時間撹拌した。TLCで反応終了をモニターし、反応液を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン(15mL×2)で抽出した。合併した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して溶媒を除去し、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン/メタノール=10/1、v/v、以下同じ)、中間体化合物T-0(黄色油状、0.68g、61.28%)を得た。
【0177】
中間体T1の調製:(S)-6-クロロ-N-(3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-ヒドロキシプロピル)ピリミジン-4-ホルムアミド(T-0、0.28g、0.81mmol)をイソプロパノール(20mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.25g、2.47mmol)と4-アミノピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.24g、1.2mmol)を順次加え、反応液を85℃に昇温し、8時間反応させた。TLCで反応終了を示した後、反応液を減圧下で乾燥まで濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン/メタノール=30/1)、中間体化合物T-1(0.36g、87.32%)を得た。
【0178】
中間体T-2の調製:(S)-4-((6-((3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル)ピリミジン-4-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(T-1、0.36g、0.71mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、室温で1時間反応させた。減圧下で乾燥まで濃縮し、中間体化合物T-2(0.25g、86.38%)を得た。LC-MS: m/z 411.54 [M+H]+。
【0179】
中間体T-3の調製:2-オキソプロピオン酸(0.69g、7.84mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(20mL)と水(100mL)の混合溶媒に溶解させ、KOH(0.48g、8.62mmol、1.1eq)を加え、清澄まで撹拌した後、氷浴条件下で、メトキシアミン塩酸塩(1.31g、15.68mmol、2.0eq)をバッチで添加し、2時間反応させ、濾過し、中間体化合物T-3(0.91g、77.78%)を得た。1H NMR (600 MHz,DMSO-d6): δ 1.920 (s,3H),3.953 (s,3H),12.985 (s,1H)。
【0180】
化合物Aの調製:中間体T-2(0.25g、0.61mmol)をDMF(20mL)に溶解し、TEA(3mL、pH>10であれば良い)、中間体T-3(0.085g、0.73mmol)及びHATU(0.30g、0.789mmol)を順次加え、室温で2時間反応させた。TLCで反応終了を示した後、水と酢酸エチルを加え、分液した。有機相を水、飽和食塩水でそれぞれ1回洗浄した後、乾燥まで濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより分離し(ジクロロメタン/メタノール=30/1)、目的化合物(0.22g、70.75%)を得た。LC-MS: m/z 510.34 [M+H]+。1H NMR (600 MHz,CD3OD): δ 1.459-1.533 (m,2H),1.996 (s,3H),2.036-2.063 (m,2H),2.645-2.655 (m,2H),2.814-2.848 (m,2H),2.907-2.926 (m,2H),3.014 (m,1H),3.261-3.303 (m,1H),3.466-3.550 (m,2H),3.710 (s,2H),3.909 (s,3H),4.018-4.074 (m,2H),4.210 (s,1H),4.399-4.420 (d,1H),6.987-7.108 (m,5H),8.238(s,1H)。
【0181】
実施例1:式(B)の化合物の調製
製造例1のサンプル(0.5g)を秤量し、イソプロパノール(5mL)に溶解させ、L-リンゴ酸(2eq)を加え、室温で約10h撹拌し、濾過し、50℃±5℃の条件下で8時間乾燥させ、固体を得、収率は92.5%であった。検出を行ったところ、すでに塩が生成されており、且つアルカリ/酸の比が1:1であったことを確認した。IR(KBr,cm-1):3301.35,2939.94,1610.73,1528.35,1455.99,1367.93,1045.03。
【0182】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形I)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図1に示し、XRPD回折ピークのデータは表1に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには102.15℃と113℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~110℃の間に8.6522%の重量減少があることを示した。
【表7】
【0183】
実施例2:式(B)の化合物の結晶形IIの調製
実施例1で得られたサンプル(30mg)を秤量し、テトラヒドロフラン(1.1mL)を加えて溶液とし、n-ヘプタン(0.4mL)を滴下し、室温で7日間撹拌し、濾過し、50℃の温度で2時間真空乾燥させ、固体を得た。サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形II)であることを示した。結晶が良くできており、パターンを
図2に示し、XRPD回折ピークのデータを表2に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには89.8℃及び103.58℃にそれぞれ1つの吸熱ピークを有し、TGAチャートにはサンプルは室温~80℃の間に2.6358%の重量減少があることを示した。
【表8】
【0184】
実施例3:式(B)の化合物の結晶形IIIの調製
実施例1のサンプル(約50mg)をサンプル瓶に秤量し、アセトニトリル(1.5mL)を加え、室温で7日間撹拌し、濾過して固体を得た。サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形III)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図3に示し、XRPD回折ピークのデータは表3に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには70.82℃と117.93℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~75℃の間に3.0001%の重量減少があることを示した。
【表9】
【0185】
実施例4:式(B)の化合物の結晶形IVの調製
実施例1のサンプル(約50mg)をサンプル瓶に秤量し、メタノール/メチル-t-ブチルエーテルの混合溶液(1.5mL、v/v=1/3)を加え、室温で7日間撹拌し、濾過して固体を得た。サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形IV)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図4に示し、XRPD回折ピークのデータは表4に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには77.91℃及び113.27℃に2つの吸熱ピークを有し、TGAチャートにはサンプルは室温~60℃の間の2.6271%の重量減少があることを示した。
【表10】
【0186】
実施例5:式(B)の化合物の結晶形Vの調製
実施例1のサンプル(約50mg)をサンプル瓶に秤量し、アセトン(1.5mL)を加え、室温で7日間撹拌し、濾過して固体を得た。サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形V)であることを示した。結晶が良くできており、パターンを
図5に示し、XRPD回折ピークのデータを表5に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには68.38℃及び104.69℃に2つの吸熱ピークを有し、TGAチャートにはサンプルは室温~75℃の間の3.6041%の重量減少があることを示した。
【表11】
【0187】
実施例6:式(B)の化合物の結晶形VIの調製
実施例4で得られた結晶形IVを適量秤量し、50℃の温度で2日間真空乾燥させ、固体を得た。サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形VI)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図6に示し、XRPD回折ピークのデータは表6に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには113.29℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~120℃の間に0.34%の重量減少があることを示した。
【表12】
【0188】
実施例7:式(B)の化合物の結晶形VIIの調製
製造例1で得られたサンプル(501.3mg)を20mLの反応フラスコに秤量し、エタノール(12mL)を加えて溶液に調製し、L-リンゴ酸(131.6mg)を加え、室温で8日間磁気撹拌し、固体を遠心分離し、室温で1日真空乾燥し、純度98.22%を得た。核磁気検出により、すでに塩が生成されており、且つアルカリ/酸の比が1:1.5であったことを確認した。
【0189】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形VII)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図7に示し、XRPD回折ピークのデータは表7に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには92.4℃と197.3℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~110℃の間に7.88%の重量減少があることを示した。
【表13】
【0190】
実施例8:式(C)の化合物の結晶形Iの調製
製造例1のサンプル(0.5g)を秤量し、イソプロパノール(5mL)に溶解させ、シュウ酸(2eq)を加え、室温で約10h撹拌し、濾過し、50℃±5℃の条件下で6時間乾燥させ、固体を得、収率は90%であった。検出を行ったところ、すでに塩が生成されていることが確認された。IR(KBr,cm-1): 3319.96,2936.96,1615.04,1526.12,1455.78,1368.16,1046.84。
【0191】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形I)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図8に示し、XRPD回折ピークのデータは表8に示す。
【表14】
【0192】
実施例9:式(C)の化合物の結晶形IIの調製
シュウ酸二水和物(6.4mg)を秤量してバイアル瓶に入れ、製造例1のサンプルのエタノール溶液(40mg/mL、0.5mL)を加え、室温で3日間磁気撹拌し、固体を遠心分離し、室温で1日真空乾燥し、純度98.56%を得た。検出したところ、すでに塩が生成されており、且つアルカリ/酸の比は約1:1.5であったことを確認した。
【0193】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形II)であることを示した。結晶が良くできており、パターンは
図9に示し、XRPD回折ピークのデータは表9に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには162.6℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~160℃の間に3.20%の重量減少があることを示した。
【表15】
【0194】
実施例10:式(C)の化合物の結晶形IIIの調製
シュウ酸二水和物(6.3mg)を秤量してバイアル瓶に入れ、製造例1のサンプルの2-メチルテトラヒドロフラン溶液(40mg/mL、0.5mL)を加え、室温で3日間磁気撹拌し、固体を遠心分離し、室温で1日間真空乾燥した。検出したところ、すでに塩が生成されており、且つアルカリ/酸の比は約1:1であったことを確認した。
【0195】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形III)であることを示した。結晶が良くできており、パターンを
図10に示し、XRPD回折ピークのデータを表10に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには139.9℃と204.9℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~150℃の間に6.20%の重量減少があることを示した。
【表16】
【0196】
実施例11:式(C)の化合物の結晶形IVの調製
シュウ酸二水和物(123.9mg)と製造例1のサンプル(503.0mg)を秤量して反応フラスコに入れ、エタノール(10mL)を加え、室温で2日間磁気撹拌し、固体を遠心分離し、室温で3日間真空乾燥させ、純度98.96%を得た。検出したところ、すでに塩が生成されており、且つアルカリ/酸の比は約1:1であったことを確認した。
【0197】
サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、結晶状固体(結晶形IV)であることを示した。結晶が良くできており、パターンを
図11に示し、XRPD回折ピークのデータを表11に示す。サンプルを取ってDSC-TGAテストを行ったところ、DSCチャートには137.4℃に吸熱ピークがあり、TGAチャートにはサンプルは室温~150℃の間に4.26%の重量減少があることを示した。
【表17】
【0198】
実施例12:式(C)の化合物の結晶形Vの調製
製造例1のサンプル(41mg)とシュウ酸二水和物(12.9mg)をガラス瓶に秤量し、アセトン/水混合溶媒(0.5mL、v/v=1/1)を加え、80℃に昇温して12時間撹拌した後、室温まで徐々に降温し、式(C)の化合物単結晶(酸アルカリ比:1:1)を得た。Cu-Kα線を用いて得られた単結晶は三斜晶系、P1空間群であり、その単位胞パラメータは、{a=5.55690 (10) Å,b=16.9102(2) Å,c=18.9473 (2) Å,α=99.1280(10)°,β=90.1780(10)°,γ=95.1340(10)°,V=1750.57 (4) Å3}であった。
【0199】
実施例13:他の式(A)の化合物の有機酸付加塩の調製
製造例1のサンプルをそれぞれ以下の表に示す溶剤に溶解して、濃度40mg/mLの溶液に調製し、それぞれ異なる酸を秤量してバイアル瓶に加え、さらに調製しておいた製造例1のサンプル溶液(0.5mL)を加え、具体的な試験方法は以下の表に示すように、固体を遠心分離し、室温で1日間真空乾燥した。
【0200】
核磁気又はHPLC含有量測定を行ったところ、製造例1のサンプルは下記表に示す酸のいずれとでも塩を生成でき、アルカリ/酸の比はいずれも1:1であり、且つ分離して固体を得ることができた。さらに、サンプルを取ってX線粉末回折を行ったところ、具体的な結果は以下の表に示す。
【表18】
【0201】
実施例14:式(A)の化合物の無機酸付加塩の調製
実施例13と同様の方法により調製して、以下の塩を得た。具体的に下表に示す。
【表19】
【0202】
測定例1:式(B)の化合物の異なる結晶形の異なる湿度条件下での固体安定性実験
実施例2(式(B)の化合物の結晶形II)、実施例3(式(B)の化合物の結晶形III)及び実施例4(式(B)の化合物の結晶形IV)のサンプルを適量秤量してバイアル瓶に入れ、23℃/33%RH及び25℃/60%RHの条件下でそれぞれ7日間放置し、サンプルを取ってそれぞれX線粉末回折を行い、サンプルの異なる条件での安定性を調べた結果を以下の表に示す。
【表20】
結論:実施例2の結晶形II、実施例3の結晶形III及び実施例4の結晶形IVは、異なる湿度条件下で放置されたが、結晶形はいずれも変わらなかった。
【0203】
測定例2:式(B)の化合物の異なる結晶形の固体安定性試験
実施例2(式(B)の化合物の結晶形II)、実施例5(式(B)の化合物の結晶形V)のサンプルを適量秤量してバイアル瓶に入れ、高温(60℃、密封)の条件で7日間放置し、サンプルを取ってそれぞれX線粉末回折を行い、サンプルの異なる条件での安定性を調べた結果を以下の表に示す。
【表21】
結論:実施例2の結晶形II及び実施例5の結晶形Vは、高温条件下で7日間放置されたが、結晶形が安定したままであった。
【0204】
測定例3:式(B)化合物の結晶形Iの長期(3か月間)安定性試験
実施例1(式(B)の化合物の結晶形I)のサンプルを適量秤量してバイアル瓶に入れ、長期安定性の考察を行い、結果を以下の表に示す。
【表22】
結論:実施例1の結晶形Iは、3か月間の長期実験において純度がほぼ変わらず、結晶形が変わらなかった。
【0205】
測定例4:溶解度測定
以上の実施例で得られた式(A)の化合物の塩は、水及び生体溶媒媒体において良好な溶解度を有し、代表的な例を以下に示す。
【0206】
37℃で、実施例7(式(B)の化合物、結晶形VII)、実施例10(式(C)の化合物、結晶形)及び遊離状態のサンプル(製造例1)の水、SGF及びFassIFにおける24時間溶解度をテストし、結果を以下の表に示す。
【0207】
【表23】
式(B)の化合物の結晶形VII及び式(C)の化合物の結晶形IVの水及びFassIF媒体における溶解度が、製造例1で得られた遊離塩基サンプルの溶解度より明らかに高かった。
【0208】
試験例1:インビトロ有効性試験
1.酵素学的実験方法
放射性同位体FlashPlate技術を利用し、PRMT5で被験物質のIC50を検出した。
【0209】
被験化合物をそれぞれジメチルスルホキシドで溶解させた後、Echo384ウェルに加えて所望の濃度までに希釈し、Echo550装置を用いて、希釈したEcho384ウェルから被験物質を384ウェル反応プレートに移し、コントロールウェル及びブランクウェルを共にジメチルスルホキシドに移した。PRMT5を1倍反応緩衝液(1倍反応緩衝液には、10mM Tris-HCl; pH8.0;0.01% Tween-20;1mM DTTが含まれる。)に加え、1.67倍酵素溶液(酵素濃度:5nm)を形成した。ポリペプチド基質及び[3H]-SAMを1倍反応緩衝液に加え、2.5倍基質溶液(基質の最終濃度がそれぞれ100nm及び250nm)を形成した。384ウェル反応プレートに15μL/ウェルの1.67倍酵素溶液を加えた。ブランクウェルは、酵素溶液の代わりに、15μLの1倍反応緩衝液を用いた。1000rpmで1min遠心分離し、室温で15minインキュベートした。384ウェル反応プレートに1ウェルあたり10μLの2.5倍基質溶液を加えた。1000rpmで1min遠心分離した。25℃で60min反応させた。384ウェル反応プレートに1ウェルあたり5μLの反応停止液を加えて反応を停止させた(反応停止液:125μMのcold SAM溶液)。試験ウェルから1ウェルあたり25μLを取ってFlashplateに移し、室温で1h放置した。次に、0.1%のTween-20溶液でFlashplateを3回洗浄した。MicroBeta 2でカウントした。データを阻害率データに変換した。
阻害率=(変換率コントロールウェル-変換率化合物孔)/(変換率コントロールウェル-変換率ブランクウェル)×100%。
XLFit 5.4.0.8でフィッティングしてIC50を得た。
フィッティング式:Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(IC50/X)^HillSlope)
【0210】
2.細胞実験方法
実験用ヒト急性単球性白血病細胞MV4-11(上海細胞バンク)培養に必要な完全培地はIMDM(Cat NO. 12440-053、gibco)に10%血清FBS(Cat NO. SA311.02、cellmax)を添加したものである。細胞を37℃で、5% CO2 インキュベーターで培養した。実験用試薬には、ジメチルスルホキシド(天津市科密欧化学試薬有限公司)、MTT(THIAZOLYL BLUE TETRAZOLIUM BROMIDE、CAS. NO. 298-93-1、VWR)が含まれる。試験用対照物GSK3326595は自ら製造するか市販品から購入する。被験物質を密封し、4℃で保存した。
【0211】
ジメチルスルホキシドを溶媒として、被験物質を十分に溶解させ、濃度が5×10-2mol/Lであるストック液とし、ストック液を-20℃で保存した。完全培地を希釈液として、被験物質を異なる濃度に段階希釈した。96ウェル培養プレートに、ヒト急性単球性白血病細胞MV4-11の完全培地懸濁液を100μL/ウェル(2×103細胞数/ウェル)加え、その後、対応する異なる濃度の被験物質(100μL/ウェル)をそれぞれ加え、各被験物質を8段階の濃度とし、各濃度に3つのダブルウェル試験を設置し、37℃で、5% CO2インキュベーターで培養した。6日目に、MTT(20μL/ウェル)を加え、37℃で、5% CO2インキュベーターで4h培養し、上澄み液を捨て、ジメチルスルホキシド(150μL/ウェル)を加え、均一になるまで振動し、マイクロプレートリーダーを用いて波長550nmでOD値を検出した。被験物質を含まず、細胞懸濁液のみ加えたウェルをコントロールウェルとし、完全培地のみ加えたウェルをブランクウェルとした。下記の式により、細胞増殖阻害率を計算した。
【0212】
阻害率=(OD値
コントロールウェル-OD値
投与ウェル)/(OD値
コントロールウェル-OD値
ブランクウェル)×100%
各濃度の阻害率から、SPSSソフトウェアにより半数阻害濃度IC
50を計算し、結果を表18に示す。
【表24】
【表25】
酵素学的及び細胞スクリーニングの結果、陽性対照薬であるGSK3326595(WO2014100719における208番目の化合物)と比較して、本発明の式(A)の化合物は酵素レベル及び細胞レベルのいずれにおいてもより優れた阻害活性を示した。
【0213】
試験例2:インビボ有効性試験
SPF、4~5週齡、試験用雌NOD-SCIDマウスは、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入した。細胞接種の前日に、マウスにシクロホスファミドを100mg/kgの用量で腹腔内投与した。マウスの前肢腋窩にヒト急性単球性白血病細胞MV4-11(1×107/0.1ml/匹)を皮下注射し、皮下移植腫瘍モデルを構築した。腫瘍体積が約110mM3(接種後10日目)になった時、腫瘍体積に基づいてマウスを5匹ずつ均等に群分けし、それぞれ溶媒対照群(2%DMSO+98%(0.2g/mL)ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン)と被験薬投与群とした。被験薬投与群の投与量が100mg/kgであり、投与容量が10mL/kgであり、投与頻度がBIDであり、腫瘍直径を週2回測定し、データを記録した。11日間の連続投与後に試験が終了し、腫瘍を摘出して腫瘍重量を測定した。
【0214】
数式により体重増加率、腫瘍体積及び腫瘍重量抑制率を計算した。
体重増加率=X
(Wi-W0)/X
W0×100%
式中、W
iは、各実験群のマウスのn日目の体重を表し、W
0は、各実験群のマウスの投与開始時の体重を表す。
腫瘍体積(V)=1/2×a×b
2
式中、a及びbはそれぞれ、腫瘍の長径及び短径を表し、d0はケージに分けて投与される前であり、d9は投与9日目である。
相対腫瘍体積(RTV)=d9腫瘍体積/d0腫瘍体積
腫瘍重量抑制率=(腫瘍重量
溶媒対照群-腫瘍重量
被験薬投与群)/腫瘍重量
溶媒対照群×100%。
結果を表19に示す。
【表26】
【0215】
MV4-11インビボ有効性試験結果は、本発明の式(A)の化合物は有意な抗腫瘍活性を有し、腫瘍体積及び腫瘍重量に対する抑制効果が対照薬であるGSK3326595よりも有意に優れていることを示している。
【0216】
試験例3:薬物動態試験
SDラット(雄、180~200g、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.)に被験化合物(溶媒:2%DMSO+98%(0.2g/mL)ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、投与容量:5mL/kg)を胃内投与し、投与後の異なる時点(0.25、0.5、1、2、4、8、24h)にラットの眼窩から採血し、採取した全血をヘパリンナトリウムで血液凝固を防止し、3000gで遠心分離した後、ラットの血漿サンプルを得た。メタノールによりタンパク質を沈殿させ、HPLC-MS/MS法により投与後のラット血漿における薬物濃度を測定し、薬物-時間曲線を描き、薬物動態パラメータを計算し、ノンコンパートメントモデルの統計モーメントのパラメータにより化合物投与後のラットのインビボ薬物動態挙動を表し、結果を表20に示す。
【表27】
【0217】
薬物動態試験結果によれば、陽性対照薬であるGSK3326595と比較して、本発明の式(A)の化合物はすべてラットの生体内でよく吸収され、ピーク到達時間が短く、ピーク濃度が高く、インビボ暴露量が有意に増加した。
【0218】
より明瞭に理解してもらうために、説明と実例を通じて相当詳細的に前記本発明について説明したが、本発明の教示によれば、当業者は、添付の特許請求の範囲の思想または範囲を逸脱することなく、いくつかの変更および修正を行ってもよいことは自明である。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)で表される化合物の無機酸付加塩又は有機酸付加塩であ
り、
前記無機酸付加塩が、硫酸塩又はリン酸塩であり、
前記有機酸付加塩が、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩及びゲンチジン酸塩からなる群から選択される化合物。
【化1】
【請求項2】
前記式(A)で表される化合物の無機酸付加塩又は有機酸付加塩において、前記式(A)で表される化合物と有機酸又は無機酸分子との化学配合比が1:0.5~2であり、好ましくは1:1~1.5であり、更に好ましくは1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4又は1:1.5であり、更に好ましくは1:1、1:1.3、1:1.4又は1:1.5であり、更に好ましくは1:1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が式(B)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
【化2】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、好ましくは1または1.5である。)
【請求項4】
前記化合物が結晶形Iの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.2±0.2°、6.5±0.2°、13.3±0.2°、及び19.1±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、
或いは、
前記化合物が結晶形IIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.9±0.2°、6.6±0.2°、13.2±0.2°、18.7±0.2°、及び19.8±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形IIIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.3±0.2°、6.9±0.2°、及び20.3±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形IVの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.4±0.2°、7.6±0.2°、8.9±0.2°、13.9±0.2°、及び20.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形Vの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:5.0±0.2°、13.6±0.2°、18.6±0.2°、19.6±0.2°、及び20.2±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形VIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.5±0.2°、7.0±0.2°、9.0±0.2°、12.9±0.2°、20.2±0.2°、及び21.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形VIIの形態の式(B)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.3±0.2°、6.9±0.2°、13.2±0.2°、19.1±0.2°、及び20.0±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項
3に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が式(C)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物。
【化3】
(ここで、nは0.5~2から選択され、好ましくは1~1.5であり、さらに好ましくは1、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5であり、さらに好ましくは1または1.5である。)
【請求項6】
前記化合物が結晶形Iの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.7±0.2°、7.1±0.2°、10.7±0.2°、17.4±0.2°、21.2±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、
或いは、
前記化合物が結晶形IIの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、13.0±0.2°、及び21.6±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形IIIの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、18.7±0.2°、及び19.4±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、或いは、
前記化合物が結晶形IVの形態の式(C)で表される化合物であり、前記化合物のCu-Kα線によるX線粉末回折パターンが以下の2θ角:4.6±0.2°、13.7±0.2°、19.5±0.2°、20.0±0.2°、及び22.9±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、請求項
5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項
1に記載の化合物を含み、好ましくは薬学的に許容される担体をさらに含む、医薬組成物。
【請求項8】
薬物の製造における請求項
1に記載の化合
物の使用。
【請求項9】
前記薬物は細胞増殖性疾患を予防および/または治療するために使用され、好ましくは、前記細胞増殖性疾患が腫瘍またはがんであり、さらに好ましくは、前記腫瘍またはがんが血液腫瘍または固形腫瘍であり、よりさらに好ましくは、悪性血液腫瘍または末期固形腫瘍であり、よりさらに好ましくは、再発・難治性血液腫瘍または末期悪性固形腫瘍である、請求項
8に記載の使用。
【請求項10】
前記薬物が、少なくとも一部がPRMT5によって媒介される疾患を予防及び/又は治療するために使用される、請求項
9に記載の使用。
【国際調査報告】