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特表2024-546113一体型レンズディスプレイ用のレンズ着色
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】一体型レンズディスプレイ用のレンズ着色
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20241210BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20241210BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20241210BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20241210BHJP
   G02B 5/23 20060101ALI20241210BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G02B5/22
G02B27/02 Z
G02C11/00
G02C7/10
G02B5/23
G02B5/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534346
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022050547
(87)【国際公開番号】W WO2023107272
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/288,227
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アデマ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ハク,サイード・モエズ
(72)【発明者】
【氏名】グエン,トゥイ・ホン
(72)【発明者】
【氏名】クラントン,ブライアン・ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】ホランド,ロイド・フレデリック
【テーマコード(参考)】
2H006
2H148
2H149
2H199
【Fターム(参考)】
2H006BA06
2H006BE02
2H006CA00
2H148CA01
2H148CA14
2H148CA19
2H148CA20
2H148CA24
2H148DA01
2H148DA12
2H148DA22
2H148DA24
2H149AA01
2H149AB01
2H149BA03
2H149FC08
2H199CA12
2H199CA29
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA62
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA92
2H199CA94
(57)【要約】
本開示は、ウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)用のレンズスタックアセンブリにおける着色技術について説明する。レンズスタックアセンブリは、2つのレンズの間に配置された導波路を含み、2つのレンズは、WHMD内の表示光の量を低減させずに、ユーザに伝達される周囲光の量を選択的に低減させるための着色を含む。さらに、本明細書で説明する着色技術は、導波路からユーザから離れる方にアウトカップリングされた光がユーザに向かって反射することによって生じるゴースト画像の生成を低減する、または排除する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を備え、前記導波路は、表示光をインカップラでインカップリングし、アウトカップラでアウトカップリングするように構成されており、
前記第2のレンズの着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光に対しては第1の光透過レベルを有し、第2の光学特性を有する光に対してはより低い第2の光透過レベルを有する、レンズスタックアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の光学特性は第1の波長範囲を含み、前記第2の光学特性は前記第1の波長範囲外の波長を含む、請求項1に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の光学特性は第1の偏光状態を含み、前記第2の光学特性は前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を含み、
前記着色は、前記第1の偏光状態の光を透過し、かつ、前記第2の偏光状態の光を遮断する偏光選択性を有する、請求項1に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項4】
前記着色は、前記第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項5】
前記着色は、前記第1のレンズの主表面に適用される表面コーティング着色を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項6】
前記着色は、前記第1のレンズの前記主表面上の第1の方向に沿った勾配、または前記第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色を含む、請求項4~5のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項7】
前記着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項8】
前記着色は、1つ以上の環境要因に基づいて変化し、前記第2の光透過レベルを変更する、請求項7に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のレンズは、世界側レンズとして構成され、前記第2のレンズは、前記第1のレンズよりもユーザに近い眼側レンズとして構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の光学特性は、前記レンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)の外部の光源からの周囲光に関連付けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項11】
第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を備え、前記導波路は、表示光をインカップラでインカップリングし、アウトカップラでアウトカップリングするように構成されており、
前記第1のレンズは、世界側レンズであり、前記第2のレンズは、ユーザの眼側レンズであり、
前記第1のレンズは、前記導波路から受け取る光を吸収するための着色を含む、前記レンズスタックアセンブリ。
【請求項12】
前記着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光を吸収する、請求項11に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の光学特性は、第1の波長範囲である、請求項12に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項14】
前記着色は、前記表示光に関連しない第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断する、請求項11~13のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項15】
前記第2の光学特性を有する光の少なくとも部分的な遮断は、反射または吸収を含む、請求項14に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項16】
前記第2の光学特性は、前記第1のレンズを介して前記レンズスタックアセンブリに入射する周囲光に関連付けられている、請求項14~15のいずれか1項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項17】
前記着色は、前記第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項18】
前記着色は、前記第1のレンズの主表面に適用される表面コーティング着色を含む、請求項11~17のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項19】
前記着色は、前記第1のレンズの前記主表面上の第1の方向に沿った勾配、または前記第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色を含む、請求項17~18のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項20】
前記着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含み、前記第2の光透過レベルは、1つ以上の環境要因に基づいて変化する、請求項11~19のいずれか1項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項21】
世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)内の光を制御する方法であって、
前記方法は、
前記導波路のインカップラで表示光をインカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光の第1の部分を前記眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光の第2の部分を前記世界側レンズで吸収することとを含む、方法。
【請求項22】
前記世界側レンズの着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光を吸収する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の光学特性は波長範囲であり、
前記着色は、前記WHMDの外部の光源からの周囲光に関連する第2の波長範囲を含む第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断するようにさらに構成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)内の光を制御する方法であって、
前記方法は、
第1の光学特性を有する表示光をインカップラでインカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光を、前記眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることとを含み、前記眼側レンズの着色は、前記第1の光学特性に対して第1の光透過レベルを有し、前記方法はさらに、
前記WHMDの外部の光源からの周囲光を前記眼側レンズで少なくとも部分的に遮断することを含み、前記眼側レンズの前記着色は、前記周囲光に関連付けられた第2の光学特性に対して、前記第1の光透過レベルより低い第2の光透過レベルを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)は、プロジェクタを使用して光のパターンを放射し、画像やビデオを表示する。例えば、プロジェクタは通常、この光のパターン(表示光と呼ばれる)を導波路に放射し、導波路はインカップラで表示光をインカップリングし、1回以上の全内部反射(TIR)インスタンスを介して表示光を導波路に導き、アウトカップラを介してユーザの方向に表示光をアウトカップリングする。拡張現実(AR)または複合現実(MR)で使用されるようなWHMDでは、ユーザに表示光を投影するだけでなく、ユーザがWHMDの光学シースルーレンズを通して周囲の環境を観察することも可能である。例えば、WHMDの外部の光源からの周囲光(つまり、WHMDのプロジェクタによって生成されない光)は、WHMDのレンズを通過してユーザに到達する。従来のWHMDは、WHMDのレンズに色付けを適用することで、ユーザに到達する周囲光の量を減少させ、周囲光に対する表示光の比率を向上させようとする。しかし、従来の着色技術では、表示光に干渉し、表示される画像の品質が低下し、ユーザエクスペリエンスに悪影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0002】
第1の例示的な実施形態において、レンズスタックアセンブリは、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を含み、導波路は、表示光を入力インカップラでインカップルし、アウトカップラでアウトカップルするように構成されている。着色は、第2のレンズに適用され、表示光に関連する第1の光学特性を有する光に対しては第1光透過レベルを有し、第2の光学特性を有する光に対してはより低い第2光透過レベルを有する。
【0003】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第1の光学特性は第1の波長範囲を含み、第2の光学特性は第1の波長範囲外の波長を含む。
【0004】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第1の光学特性は第1の偏光状態を含み、第2の光学特性は第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を含む。着色は偏光に対し選択性を有し、第1の偏光状態の光を透過し、第2の偏光状態の光を遮断する。
【0005】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様では、着色は、第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色である。
【0006】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様では、着色は、第1のレンズの主表面に塗布された表面コーティング着色である。
【0007】
第1の例示的な実施例のいくつかの態様では、着色は、第1のレンズの主表面上の第1の方向に沿った勾配、または第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色である。
【0008】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様において、着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色である。例えば、いくつかの態様において、着色は1つ以上の環境要因に基づいて変化し、第2の光透過レベルを変更する。
【0009】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第1のレンズは世界側レンズであり、第2のレンズは第1のレンズよりもユーザに近い眼側レンズである。
【0010】
第1の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第2の光学特性は、レンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)の外部の光源からの周囲光に関連付けられている。
【0011】
第2の例示的な実施形態において、レンズスタックアセンブリには、第1レンズと第2レンズの間に配置された導波路が含まれ、導波路は、インカップラで表示光をインカップリングし、アウトカップラで表示光をアウトカップリングするように構成され、第1レンズは世界側レンズであり、第2レンズはユーザの眼側レンズであり、第1レンズには、導波路から受け取った光を吸収する着色が含まれる。
【0012】
第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、着色は、表示光に関連付けられた第1の光学特性を有する光を吸収する。第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第1の光学特性は第1の波長範囲である。
【0013】
第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、着色は、表示光に関連しない第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断する。第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第2の光学特性を有する光の少なくとも部分的な遮断には、反射または吸収が含まれる。第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第2の光学特性は、第1のレンズを介してレンズスタックアセンブリに入射する周囲光に関連付けられる。
【0014】
第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、着色は、第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色を含む。
【0015】
第2の例示的な実施形態のいくつかの態様において、着色は、第1のレンズの主表面に塗布された表面コーティング着色を含む。
【0016】
第2の例示的な実施例のいくつかの態様では、着色は、第1のレンズの主表面上の第1の方向に沿った勾配、または第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色を含む。
【0017】
第2の例示的な実施例のいくつかの態様において、着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含み、第2の光透過レベルは1つ以上の環境要因に基づいて変化する。
【0018】
第3の例示的な実施形態において、世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を含むレンズスタックアセンブリを備えたWHMD内の光を制御する方法を説明する。方法は、導波路のインカップラで表示光をインカップリングすることと、インカップリングされた表示光の第1の部分を眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることと、インカップリングされた表示光の第2の部分を世界側レンズで吸収することを含む。
【0019】
第3の例示的な実施形態のいくつかの態様において、世界側レンズの着色は、表示光に関連付けられた第1の光学特性を有する光を吸収する。
【0020】
第3の例示的な実施形態のいくつかの態様において、第1の光学特性は波長範囲であり、着色はさらに、WHMDの外部の光源からの周囲光に関連する第2の波長範囲を含む第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断するよう構成される。
【0021】
第4の例示的な実施形態において、世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を含むレンズスタックアセンブリを備えたWHMD内の光を制御する方法を説明する。方法は、インカップラで第1の光学特性を有する表示光をインカップリングすることと、インカップリングされた表示光を、眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることとを含み、眼側レンズの着色は第1の光学特性に対して第1の光透過レベルを有し、眼側レンズでWHMDの外部光源からの周囲光を少なくとも部分的に遮断し、眼側レンズの着色は周囲光に関連付けられた第2の光学特性に対して第1の光透過レベルよりも低い第2の光透過レベルを有する。
【0022】
添付図面を参照することによって、本開示は当業者により良く理解され、その多数の特徴及び利点は、明らかになり得る。異なる図面での同じ参照記号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】いくつかの実施形態による、ユーザの眼に向かって画像を投影するように構成された投影システムを収容する支持構造を有する例示的な表示システムの図である。
図2】いくつかの実施形態による、プロジェクタからの表示光と周囲の環境からの周囲光を表示するWHMDの一部分の一例を示す図である。
図3】いくつかの実施形態による、レンズスタックアセンブリの図である。
図4】いくつかの実施形態による、眼側レンズに選択的な着色が適用されたレンズスタックアセンブリの図である。
図5】ゴースト画像の発生を示す図である。
図6】いくつかの実施形態による、ゴースト像を軽減または除去するために、世界側レンズに吸収性着色を適用したレンズスタックアセンブリの図である。
図7】いくつかの実施形態による、ゴースト像を軽減または除去するために、世界側レンズに偏光に対し選択性を有する着色を適用したレンズスタックアセンブリの図である。
図8】いくつかの実施形態による、WHMDが光を制御してWHMDにおけるゴースト画像の生成を排除する方法を示すフローチャートである。
図9】いくつかの実施形態による、WHMDが周囲光を選択的に遮断する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
従来のWHMDのレンズは、ユーザの眼に届く周囲光の量を低減させ、ユーザが観察できる表示光と周囲光を含む全光線に対する表示光の相対的な割合を増大させるために着色される場合がある。ただし、導波路などの統合光学シースルーディスプレイを備えたレンズスタックアセンブリに実装すると、着色レンズの着色が表示光に干渉する可能性がある。例えば、レンズスタックアセンブリの眼側レンズ(例えば、導波路とユーザの間のレンズ)に適用される従来の着色は、周囲光の明るさまたは強度を低下させるだけでなく、表示光の明るさまたは強度も低下させ、表示される画像の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。着色の影響は表示光の明度を増加させることで克服できるが、このアプローチではWHMDの電力消費が増加する。さらに、入射する周囲光を反射するために、世界側レンズ(すなわち、導波路と外界との間のレンズ)に適用される従来の反射着色は、導波路からユーザから離れた方向にアウトカップリングされた表示光の一部をユーザの方向に戻すように反射する可能性がある。その結果、ゴースト画像が発生し、ユーザに提供される画像の品質が低下する。図1~9は、レンズスタックアセンブリに着色を適用して、表示光によって生成される画像の品質に悪影響を与えることなく、周囲光を選択的に遮断し、それによってユーザエクスペリエンスを向上させる技術を図示する。
【0025】
説明のために、いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリは、第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を含む。第1のレンズは、ユーザの外部環境に面する世界側レンズとして構成され、第2のレンズは、ユーザに面する眼側レンズとして構成される。いくつかの実施形態において、眼側レンズには、表示光に関連する第1の光学特性に対する第1の光透過レベルと、表示光に関連しない他の光学特性に対する、より低い第2の光透過レベルとを有する着色が含まれる。例えば、着色は、表示光に関連する第1の波長範囲の光を遮断せず、周囲光に関連する第2の波長範囲の光を少なくとも部分的に遮断する。したがって、表示光の品質(例えば、明るさ)はほとんど影響を受けず、ユーザの眼に届く周囲光が低減され、表示光によって生成される画像の視認性が向上する。いくつかの実施形態において、世界側レンズには、導波路からユーザから離れる方向にアウトカップリングされた光を吸収するための吸収性着色が含まれる。したがって、ゴースト画像の生成が低減または完全に排除され、ユーザに提供される画像の品質が向上する。
【0026】
図1~9は、選択的に周囲光を遮断しゴースト画像を低減するWHMDを提供するための着色レンズスタックアセンブリ及び対応する着色技術の実施形態を示す。本開示において、「着色」という用語または類似の用語は、一般的に、ある種の光減衰方法を指す。これには、例えば、白色に着色剤を追加すること、着色剤に黒色を追加して暗くすること(つまり、陰影をつけること)、偏光状態に基づいて光を選択的にフィルタリングするためにグリッド偏光子などの偏光フィルタを追加することなどが含まれる。しかしながら、本開示の装置および技術は、この特定の表示システムにおける実施形態に限定されるものではなく、本明細書で提供されるガイドラインを使用して、さまざまな表示システムのいずれかで実装できることが理解されるであろう。
【0027】
図1は、支持構造102を有する例示的な表示システム100を示す。支持構造102には、ユーザの眼に向かって画像を投影するように構成された投影システムを収容するアーム104が含まれており、ユーザは、投影された画像が、レンズ要素108、110の一方または両方でディスプレイの視野(FOV)領域106に表示されていると認識する。図示の実施形態において、表示システム100は、ユーザの頭部に装着されるように構成された支持構造102を含み、眼鏡(例えば、サングラスなど)のフレームの一般的な形状及び外観を有するWHMDである。レンズ要素108、110を含む支持構造102は、レーザプロジェクタ、光学スキャナ、導波路などの、ユーザの眼に向けてこのような画像を投影するのを容易にするためのさまざまなコンポーネントを含むか、あるいは包含する。いくつかの実施形態において、支持構造102は、さらに、1つ以上の前面カメラ、背面カメラ、その他の光センサ、モーションセンサ、加速度計などのさまざまなセンサを含む。いくつかの実施形態において、支持構造102は、1つ以上の無線周波数(RF)インターフェイス、またはBluetooth(商標)インターフェイス、WiFiインターフェイスなどの他の無線インターフェイスをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態において、支持構造102は、表示システム100の電気部品に電力を供給するための1つ以上のバッテリその他のポータブル電源も含む。いくつかの実施形態において、表示システム100のこれらのコンポーネントの一部またはすべては、支持構造102の領域112内のアーム104内など、支持構造102の内部容積内に完全にまたは部分的に収容される。なお、例示的なフォームファクタが図示されているが、他の実施形態において、表示システム100は、図1に図示されている眼鏡フレームとは異なる形状および外観を有していてもよいことが理解されるであろうことに留意されたい。
【0028】
レンズ要素108、110の一方または両方は、表示システム100によって使用され、レンダリングされたグラフィックコンテンツを、レンズ要素108、110を通してユーザが知覚する現実世界のビューに重ね、または他の方法で現実世界のビューと組み合わせて提供することができる拡張現実(AR)ディスプレイを提供する。例えば、知覚可能な画像または一連の画像を形成するために使用される投影された光ビーム(すなわち、表示光)は、対応するレンズ要素内に少なくとも部分的に形成された導波路、1つ以上のスキャンミラー、および1つ以上の光リレーなどの一連の光学要素を介して、表示システム100のプロジェクタによってユーザの眼に投影され得る。したがって、レンズ要素108、110の一方または両方には、導波路のインカップラによって受け取った表示光を導波路のアウトカップラにルーティングする導波路の少なくとも一部が含まれ、アウトカップラは、表示光を表示システム100のユーザの眼に向けて出力する。いくつかの実施形態において、アウトカップラはFOV領域106と少なくとも部分的に重なる。表示光は変調され、ユーザの眼の上へ走査され、ユーザは表示光を画像として認識する。さらに、各レンズ要素108、110は十分に透明であるため、ユーザはレンズ要素を通して見ることができ、ユーザの現実世界の環境の視野が提供され、画像が現実世界の環境の少なくとも一部に重ねて表示される。
【0029】
いくつかの実施形態において、レンズ要素108、110の一方または両方は、第1のレンズと第2のレンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含む。例えば、第1のレンズは世界側レンズであり、第2のレンズはユーザに面した眼側レンズである。いくつかの実施形態において、第2の(すなわち、眼側)レンズは、表示光に関連する第1の光学特性に対して第1の光透過レベルを有する着色と、表示光に関連しない他の光学特性、例えば、現実世界の視界からの周囲光に関連する光に対してより低い第2の光透過レベルを有する着色とを含む。このようにして、レンズスタックアセンブリは、ユーザに提供される周囲光の量を低減させるが、表示光(すなわち、投影システムからの)はほとんど影響を受けない。いくつかの実施形態において、第1のレンズ(すなわち、世界側レンズ)は、導波路からユーザから離れる方向にアウトカップリングされた光を吸収するための着色を含む。このようにして、レンズスタックアセンブリはゴースト画像の生成を低減または排除し、それによってユーザに提供される画像の品質を向上させる。
【0030】
いくつかの実施形態において、プロジェクタは、デジタル光処理ベースのプロジェクタ、走査型レーザプロジェクタ、またはレーザもしくは1つ以上のLEDなどの変調光源と、1つ以上の動的スキャナまたはデジタル光プロセッサなどの動的反射機構との任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、プロジェクタは、複数のレーザダイオード(例えば、赤色レーザダイオード、緑色レーザダイオード、及び/または青色レーザダイオード)と、少なくとも1つのスキャンミラー(例えば、マイクロ電気機械システム(MEMS)ベースまたは圧電ベースであってもよい2つの1次元スキャンミラー)を含む。プロジェクタは、コントローラと、コントローラによって実行されたときに、コントローラにプロジェクタの動作を制御させるプロセッサ実行可能命令及びその他のデータを格納する非一時的プロセッサ可読記憶媒体またはメモリとに通信可能に結合される。いくつかの実施形態において、コントローラは、プロジェクタの走査領域のサイズ及び走査領域の位置を制御し、表示システム100に表示されるコンテンツを生成するプロセッサ(図示せず)と通信可能に結合される。プロジェクタは、表示システム100のFOV領域106として指定された可変領域にわたって光を走査する。走査領域のサイズはFOV領域106のサイズに対応し、走査領域の位置は、FOV領域106がユーザに見えるレンズ要素108、110の一方の領域に対応する。一般的に、ディスプレイは、広範囲の角度にわたる光のアウトカップリングに対応するために、広いFOVを有することが望ましい。本明細書では、ディスプレイを見ることができるさまざまなユーザの眼の位置の範囲を、ディスプレイのアイボックスと呼ぶ。
【0031】
図2は、プロジェクタ206と、光結合レンズ218内に配置され、インカップラ214とアウトカップラ216を含む導波路212とを有する投影システムを含む表示システム200の一部を示す。いくつかの実施形態において、表示システム200は、図1の表示システム100を表す。この例では、表示システム200のアーム204には、光学エンジン208(例えば、レーザまたは表示パネル)、1つ以上の光学素子210、インカップラ214、および導波路212の一部を含むプロジェクタ206が収容されている。
【0032】
光結合レンズ218は、眼側レンズ220、世界側レンズ222、および導波路212を含むレンズスタックアセンブリを含む。導波路212は、眼側レンズ220と世界側レンズ222との間に埋め込まれるか、または配置される。表示光228は、インカップラ214で導波路212にインカップリングされ、アウトカップラ216を通って表示光230として出射され、眼側レンズ220(例えば、表示システム100のレンズ要素110の実施形態の一部に対応する)を通過する。使用時には、ESレンズ220から出射された表示光230が、表示システム200を装着したユーザの眼224の瞳孔に入り、ユーザに、光学エンジン208によって出力される光によって搬送される表示画像を知覚させる。光結合レンズ218は実質的に透明であり、表示システム200の周囲の環境に対応する現実世界232からの光(すなわち、周囲光)が、世界側レンズ222、導波路212、及び眼側レンズ220を通過して、ユーザの眼224に到達する。このようにして、プロジェクタ206によって出力される画像またはその他のグラフィックコンテンツは、ユーザの眼224に投影されたときに、ユーザの環境の現実世界の画像と結合(例えば、オーバーレイ)され、ユーザにARエクスペリエンスが提供される。
【0033】
いくつかの実施形態において、1つ以上の着色(例えば、表面コーティング着色またはバルク一定密度着色)が、世界側レンズ222および眼側レンズ220の一方または両方に適用される。いくつかの実施形態において、世界側レンズ222に適用される着色は吸収性であり、導波路212からアウトカップリングされた光がユーザの眼224に向かって反射するのを軽減または防止し、ゴースト画像の生成を低減または排除する。いくつかの実施形態において、眼側レンズ220に適用される着色は選択的に透過性であり、表示システム200で画像を表示するために使用され、表示光230に対応するものなどの光の波長(例えば、緑色、赤色、および青色の光の波長)は着色を介して透過され、一方、周囲光232に対応するものなどの他の光の波長は、着色によって遮断(すなわち、反射または吸収)される。
【0034】
表示システム200の導波路212は、インカップラ214とアウトカップラ216を含む。いくつかの実施形態において、回折格子などの1つ以上の射出瞳拡大器が、インカップラ214とアウトカップラ216との間の中間段階に配置され、インカップラ214によって導波路212に結合された光を受け取り、各射出瞳拡大器で受け取った光を拡大し、その光をアウトカップラ216に向けてリダイレクトし、アウトカップラ216は、導波路212の外に光230を(例えば、ユーザの眼224に向かって)結合する。いくつかの実施形態において、導波路212は、約575nmなどの緑色光の波長でピーク周波数応答を有するように構成されており、これにより、導波路212によって出力される投影画像の知覚性が向上する。
【0035】
ここで使用される「導波路」という用語は、全内部反射(TIR)、特殊フィルタ、または反射面の1つ以上を使用して、光をインカップラ(インカップラ214など)からアウトカップラ(アウトカップラ216など)に転送するコンバイナを意味するものと理解される。一部のディスプレイ用途において、光はコリメートされた画像であり、導波路はコリメートされた画像を眼に転送して複製する。一般に、「インカップラ」および「アウトカップラ」という用語は、回折格子、ホログラム、ホログラフィック光学素子(例えば、1つ以上のホログラムを使用する光学素子)、体積回折格子、体積ホログラム、表面レリーフ回折格子、または表面レリーフホログラムを含むがこれらに限定されない、あらゆるタイプの光格子構造を指すものと理解される。いくつかの実施形態において、所定のインカップラまたはアウトカップラは、インカップラまたはアウトカップラに光を透過させ、透過中に設計された光学機能(複数可)を光に適用させる透過型格子(例えば、透過型回折格子または透過型ホログラフィック格子)として構成される。いくつかの実施形態において、所定のインカップラまたはアウトカップラは、インカップラまたはアウトカップラに光を反射させ、反射中に設計された光学機能(複数可)を光に適用させる反射型格子(例えば、反射型回折格子または反射型ホログラフィック格子)である。この例では、インカップラ214は、導波路212を通る1つ以上の光路を介して受け取った光228をアウトカップラ216に中継する。光はTIRを介して導波路212を伝播する。次に、アウトカップラ216は光230をユーザの眼224に出力する。
【0036】
いくつかの実施形態において、プロジェクタ206は、ドライバまたはその他のコントローラ(図示せず)に接続され、コントローラまたはドライバが、それに接続されたコンピュータプロセッサ(図示せず)から受信した命令に従って、光学エンジン208の光源(例えば、LEDなど)からの光の放出のタイミングを制御し、ユーザの眼224の網膜に出力されるときに画像として知覚されるように出力光を変調する。例えば、表示システム200の動作中、光学エンジン208の光源は選択された波長の光を出力し、出力光は光学素子210および導波路212を介してユーザの眼224に向けられる。光学エンジン208は、出力光が画像のピクセルを表すように、光学エンジン208の各光源のそれぞれの強度を変調する。例えば、光学エンジン208の所定の光源または光源グループの強度は、表示システム200のプロジェクタ206によって投影される画像の対応するピクセルの明るさに対応する。
【0037】
図3は、いくつかの実施形態によるレンズスタックアセンブリ302の上面図300と、世界側レンズ222または眼側レンズ220の世界側または眼側図350とを示す。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ302は、図2の光結合レンズ218または図1のレンズ要素108、110に対応する。
【0038】
レンズスタックアセンブリ302には、第1のレンズ222と第2のレンズ220の間に配置された導波路212が含まれる。第1のレンズ222は、世界側方向304に面した世界側レンズであり、第2のレンズ220は、ユーザ方向306に面した眼側レンズである。第1のレンズ222は、世界側方向304に面する第1の主表面312と、導波路212に面する第2の主表面314とを含む。導波路212は、第1のレンズ222に面する第1の主表面316と、第2のレンズ220に面する第2の主表面318とを含む。第2のレンズ220は、導波路212に面する第1の主表面320と、ユーザ方向306に面する第2の主表面322を含む。本開示の目的上、主表面312、314、316、318、320、322を、それぞれS1、S2、S3、S4、S5、S6と呼ぶ。例えば、第1のレンズ222の第1の主表面312はS1であり、第2のレンズ220の第2の主表面322はS6であり、その間の対応する主表面にはS2からS5まで増加する番号が付けられる。また、第1のレンズ222及び第2のレンズ220のそれぞれの厚さは、それぞれの主面間の距離とも呼ばれる。
【0039】
第2のレンズ220の着色に関して、いくつかの実施形態において、第2のレンズ220は、第1の光学特性に関連付けられた光が第1の光透過レベルを有する(つまり、第1のレベルに対応する第1の量の光を透過する)ように、かつ、他の光学特性に関連付けられた光が第2のより低い光透過レベルを有する(つまり、第2のより低いレベルに対応する第2の量の光を透過する)ように着色される。いくつかの実施形態において、第1の光学特性に関連付けられた光は、表示光に関連付けられた光である。いくつかの実施形態において、第1の光学特性は、表示光に関連する赤色光、緑色光、または青色光の特定の波長などの特定の波長範囲に対応する。例えば、いくつかの実施形態において、着色は、波長選択性を有する灰色、紫色、青色、緑色、琥珀色、黄色、オレンジ色、またはその他の種類の色の着色である。他の実施形態において、第1の光学特性は偏光状態に対応する。例えば、第1の光学特性は垂直偏光状態であり、表示光は垂直偏光される。したがって、いくつかの実施形態において、着色は、例えば表面コーティングとして適用される、偏光状態に選択性を有する着色である。いくつかの実施形態において、第1の光透過レベルは、その光学特性のほぼすべての光が通過することを可能にすることに対応する。たとえば、第1の光透過レベルは、80%以上などの高い可視光透過率(VLT)値に相当する。第2のより低い光透過レベルは、第1の光透過レベルよりも通過する光が少ないことを意味する。言い換えると、第2の光透過レベルは、第1の光透過レベルよりも低いVLT値に対応する。例えば、この低いVLT値は、43%~80%、または18%~43%、または18%未満の値に相当する。いくつかの実施形態において、他の光学特性に関連付けられた光は、周囲光、例えば、世界側方向304からレンズスタックアセンブリに入射する光に対応する。
【0040】
いくつかの実施形態において、第2のレンズ220の着色は、第1の特性に関連する光よりも、他の光学特性に関連する光に対してより吸収性が高い。つまり、着色は、第1の光学特性に関連しない光の吸収率が高い。例えば、着色は、表示光に関連する第1の波長範囲の光を透過し(すなわち、吸収しない)、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の光を少なくとも部分的に吸収する。他の実施形態において、第2のレンズ220の着色は、第1の特性に関連する光よりも、他の光学特性に関連する光に対してより反射性が高い。つまり、着色は、第1の光学特性に関連しない光の反射率が高い。例えば、着色は、表示光に関連する第1の波長範囲の光を透過し(すなわち、反射しない)、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の光を少なくとも部分的に反射する。
【0041】
いくつかの実施形態において、着色は表面コーティングとして第2のレンズ220に適用される。つまり、着色は、第1の主表面320(すなわち、S5)または第2の主表面322(すなわち、S6)のいずれかまたは両方に適用される。他の実施形態において、着色は、バルク密度着色として第2のレンズ220に適用される。つまり、着色は第2のレンズ220の基材に組み込まれる。
【0042】
いくつかの実施形態において、第2のレンズ220の着色は、グラデーション着色として適用される。例えば、表面コーティングの着色の場合、グラデーション着色は、第2のレンズ220の主表面の第1の方向に沿って徐々に変化する。いくつかの実施形態において、第1の方向は、第2のレンズ220の対応する主表面の垂直方向354または水平方向352に対応する。別の実施形態において、第1の方向は、例えば、眼側図350に示される左上隅から右下隅までの対角方向に対応する。例えば、第2のレンズ220の眼側図350に示すように、グラデーション着色は垂直方向354に適用され、上から下に向かって暗くなる。別の例において、バルク密度着色の場合、グラデーション着色は、第2のレンズ220の厚さ方向330に沿って徐々に変化する。この厚さ方向330は、第2のレンズ220の第1の主表面320と第2の主表面322との間の方向に対応する。
【0043】
いくつかの実施形態において、第2のレンズ220の着色はフォトクロミックまたはエレクトロクロミック着色である。いくつかの実施形態において、第2の光透過レベルは、1つ以上の環境要因に基づいて変化する。例えば、フォトクロミック着色の場合、明るい状況では、他の光学特性と関連した光に対して着色が暗くなる(すなわち、透過性が低くなる)。例えば、着色の特性は、晴れた日の屋外ではより高いレベルの周囲光を遮断し、屋内ではより低いレベルの周囲光を遮断するように変化する。
【0044】
第1のレンズ222の着色に関して、いくつかの実施形態において、第1のレンズ222は、導波路212からアウトカップリングされた光が第1のレンズ222によって吸収されるように着色される。動作中、導波路212は、表示光の第1の部分(及び主要部分)をユーザ306の方向にアウトカップリングするが、表示光の第2の部分(及びより小さい部分)をユーザから遠ざかる方向、例えば、世界側方向304に向かってアウトカップリングすることもできる。したがって、第1のレンズ222は、この光を反射するのではなく吸収するように着色される。例えば、表示光は特定の波長または波長範囲を有し、第1のレンズ222の着色は、この特定の波長または波長範囲に関連付けられた光を吸収する。したがって、表示光のこの第2の部分がユーザ306の方向に反射されることは軽減または完全に排除され、それによってユーザに投影されるゴースト画像が低減または排除される。いくつかの実施形態において、第2のレンズ222に適用される着色は、さらに、世界側方向304から入射する周囲光を少なくとも部分的に遮断する。したがって、第1のレンズ222に適用される着色により、ユーザに伝達される周囲光の量もさらに減少する。
【0045】
いくつかの実施形態において、着色は表面コーティングとして第1のレンズ222に適用される。つまり、着色は、第1の主表面312(すなわち、S1)または第2の主表面314(すなわち、S2)のいずれかまたは両方に適用される。他の実施形態において、着色は、バルク密度着色として第1のレンズ222に適用される。つまり、着色は第1のレンズ222の基材に組み込まれる。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1のレンズ222の着色は、グラデーション着色として適用される。例えば、表面コーティングの着色の場合、グラデーション着色は、第1のレンズ222の主表面の第1の方向に沿って徐々に変化する。いくつかの実施形態において、第1の方向は、第1のレンズ222の対応する主表面の垂直方向354または水平方向352に対応する。別の実施形態において、第1の方向は、例えば、眼側図350に示される左上隅から右下隅までの対角方向に対応する。別の例において、バルク密度着色の場合、グラデーション着色は、第1のレンズ222の厚さ方向332に沿って徐々に変化する。この厚さ方向332は、第1のレンズ222の第1の主表面312と第2の主表面314との間の方向に対応する。例えば、着色は、主表面312よりも主表面314の方が、濃度が高い(例えば、それぞれの特性の光に対する透過性が低い)。
【0047】
いくつかの実施形態において、第1のレンズ222に適用される着色はフォトクロミックまたはエレクトロクロミック着色であり、導波路212から受け取る光の光吸収レベルは、1つ以上の環境要因に基づいて変化する。例えば、フォトクロミック着色の場合、ゴースト画像が発生しやすい状況では、着色は表示光に関連する光をより吸収するようになる。例えば、暗い部屋ではディスプレイの光をより吸収するように着色が変化する。
【0048】
図4は、第2のレンズ220の選択的透過着色の効果を示すレンズスタックアセンブリ400の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ400は、図3のレンズスタックアセンブリ302、図2の光結合レンズ218、及び/または図1のレンズ要素108、110の一方または両方に対応する。
【0049】
第2のレンズ220の選択的透過着色は、第2のレンズ220を通過する周囲光232を少なくとも部分的に遮断(例えば、吸収または反射)し、低減された量の周囲光232aがユーザによって観察され、アウトカップラ216からアウトカップリングされた表示光(229から230)が透過する。いくつかの実施形態において、第2のレンズ220の選択的透過性着色は、表示光に関連する第1の光学特性を有する光に対して第1の光透過レベルを有し、他の光学特性を有する光に対してはより低い第2の光透過レベルを有する。例えば、第2のレンズ220の選択的透過性着色は、第1の光の波長セット(例えば、特定の赤、緑、及び/または青の波長など、表示光に関連する波長)に対して実質的に透過性であり、他の波長を少なくとも部分的に遮断する。別の例では、第2のレンズ220の選択的透過性着色は、第1の偏光状態(例えば、垂直偏光)に対して実質的に透過性であり、他の偏光状態(例えば、水平偏光)を遮断する。いずれの場合も、表示光229、230は第2のレンズ220の着色によって実質的に影響を受けず、一方、第2のレンズ220を通過する周囲光は減少する(232a)。
【0050】
いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ400に示される第2のレンズ220の着色は、バルク一定密度着色または表面コーティングである。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ400に示される第2のレンズ220の着色は、グラデーション着色である。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ400に示される第2のレンズ220の着色は、フォトクロミックまたはエレクトロクロミック着色である。
【0051】
レンズスタックアセンブリ400を含むWHMDなどの例示的な表示システム100の動作中、導波路212は、インカップラ214で表示光228を受け取り、1つ以上のTIRインスタンスを介し導波路を通してアウトカップラ216に向かってそれをリダイレクトする。アウトカップラ216は、表示光229を導波路212の外にリダイレクトする。この表示光229は、第2のレンズ220を通過して眼224に向かい、表示光230としてユーザに観察される。周囲光232は、第1のレンズ222、導波路212、および第2のレンズ220を含むレンズスタックアセンブリ400を通過し、周囲光232aとして眼224に向かって進む。第2のレンズ220の着色は、表示光(例えば、228、229)に関連付けられた第1の光学特性(例えば、波長範囲)の光を透過するように構成されているため、レンズの通過前の表示光229と通過後の表示光230の強度は実質的に同じである。しかし、第2のレンズ220の着色により、232aに示すように周囲光の強度が低下する。この強度の減少は、第2のレンズ220を通過した後の232aのより細い破線によって示されている。第2のレンズ220の着色は表示光に対して実質的に透過性があり、周囲光を少なくとも部分的に遮断するため、第2のレンズ220を通過する表示光の強度(すなわち、明るさ)は、周囲光の強度が低減される一方で、ほとんど影響を受けない。したがって、表示光に関連する画像の品質が向上する。
【0052】
図5は、レンズ配置500におけるゴースト画像シナリオの影響を示している。図6は、いくつかの実施形態による、ゴースト画像の生成を軽減または最小限に抑えるレンズスタックアセンブリ600の効果を示している。
【0053】
図5において、レンズスタックアセンブリ500の第1のレンズ522は、第1のレンズ522で周囲光540の少なくとも一部分544を反射するための従来の反射着色を含む。例えば、周囲光540は第1のレンズ522で受け取られ、その第1の部分542は透過され、第2の部分544は反射される。したがって、反射色を有する第1のレンズ522は、ユーザの眼224に伝達される周囲光の量を低減させる。しかしながら、第1のレンズ522の従来の反射着色は、アウトカップラ516からのアウトカップリングされた光の部分502もまた反射アウトカップリング光504として眼224に向けて反射する。
【0054】
レンズ配置500を備えたシステムの動作中、導波路512は、インカップラ514で表示光528を受け取り、アウトカップラ516で光の第1の部分530をユーザ224の方向にアウトカップリングする。しかしながら、アウトカップリングされた光の第2の部分502は、ユーザ224から離れてアウトカップリングされる。第1のレンズ522が反射色を有する従来のシステムの場合、アウトカップリングされた光の第2の部分502は反射アウトカップリング光504としてユーザに向けて反射される。この反射アウトカップリング光504により、ユーザはゴースト画像を知覚することになり、ユーザが知覚する画像の品質に悪影響を及ぼす。図6に示すレンズスタックアセンブリ600は、ゴースト画像の発生を低減または排除する。
【0055】
図6は、導波路212からアウトカップリングされた光を吸収するための第1のレンズ222の着色の効果を示すレンズスタックアセンブリ600の実施形態を示している。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ600は、図3のレンズスタックアセンブリ302、図2の光結合レンズ218、及び/または図1のレンズ要素108、110の一方または両方に対応する。
【0056】
第1のレンズ222の吸収性着色は、表示光228に関連付けられた第1の光学特性を有する光を吸収する。例えば、第1の光学特性は、特定の波長または波長範囲を含む。このように、アウトカップラ216でユーザ224から離れた方向にアウトカップリングされた光の部分602は、第1のレンズ222によって反射されるのではなく吸収される(例えば、図5と比較すると、図5ではアウトカップリングされた光の部分502が反射アウトカップリング光504として反射される)。それにより、ゴースト画像の生成が軽減または完全に排除される。いくつかの実施形態において、第1のレンズ222の吸収性着色は、周囲光640も少なくとも部分的に遮断(例えば、吸収)し、ユーザに伝達される周囲光(642に示す)の強度または明るさを低減する。
【0057】
いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ600の第1のレンズ222の着色は、バルク一定密度着色または表面コーティングである。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ600の第1のレンズ222の着色はグラデーション着色である。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ600の第1のレンズ222の着色は、フォトクロミックまたはエレクトロクロミック着色である。
【0058】
レンズスタックアセンブリ600を含むWHMDなどの例示的な表示システム100の動作中、表示光228は、インカップラ214で導波路212にインカップリングされ、複数のTIRインスタンスを介して導波路212を通ってアウトカップラ216の方向にリダイレクトされる。表示光228は、特定の波長または波長範囲などの第1の光学特性を有する。アウトカップラ216では、表示光の第1の部分230が、ユーザの眼224に向かって直接アウトカップリングされる。しかしながら、表示光の第2の部分602は、間違った方向、つまり、ユーザの眼224から離れた方向にアウトカップリングされる場合がある。このアウトカップリングされた光602を反射する代わりに、第1のレンズ222の吸収性着色は、このアウトカップリングされた光の第2の部分602を吸収する。したがって、第1のレンズ222の吸収性着色によりゴースト画像の発生が排除される。したがって、ゴースト画像によるレンズアセンブリを介して表示される画像の品質の低下が軽減または排除される。
【0059】
図7は、導波路212からアウトカップリングされた光702を透過し、周囲光740の少なくとも一部を遮断するための第1のレンズ222の偏光選択性着色の効果を示すレンズスタックアセンブリ700の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、レンズスタックアセンブリ700は、図3のレンズスタックアセンブリ302、図2の光結合レンズ218、及び/または図1のレンズ要素108、110の一方または両方に対応する。
【0060】
第1のレンズ222の偏光選択性着色は、表示光228に関連付けられた第1の偏光状態の光を透過し、他の偏光状態の光を遮断する。例えば、表示光は垂直偏光であり、第1のレンズ222の偏光選択性着色は垂直偏光を透過し、他の偏光状態、例えば水平偏光の光を遮断する。したがって、アウトカップリングされた光の第2の部分702の反射によって生じるゴースト画像の生成が排除され、一方、第1レンズ222を通過する周囲光740の量も減少する(742)。
【0061】
レンズスタックアセンブリ700を含むWHMDなどの例示的な表示システム100の動作中、表示光228は、第1の偏光状態(例えば、垂直偏光)でインカップラ214で導波路212にインカップリングされ、複数のTIRインスタンスを介して導波路212を通ってアウトカップラ216の方向にリダイレクトされる。アウトカップラ216では、表示光の第1の部分230が、ユーザの眼224に向かって直接アウトカップリングされる。しかしながら、表示光の第2の部分702は、間違った方向、つまり、ユーザの眼224から離れた方向にアウトカップリングされる場合がある。第1のレンズ222の偏光選択性着色は、アウトカップリングされた光の第2の部分702が垂直偏光であるため、このアウトカップリングされた光の第2の部分702を透過させる(すなわち、この光は影響を受けずに通過する)。したがって、このアウトカップリングされた光の第2の部分702がユーザの眼224に向かって反射されることが軽減される、または排除される。しかしながら、第1のレンズ222の偏光選択性着色は、周囲光740の少なくとも一部を遮断し、第1のレンズ222を通過する周囲光742の量が減少する。したがって、第1のレンズ222に偏光選択性着色を組み込むことと、表示光228の選択的な偏光とにより、レンズアセンブリ700を介して表示される画像のゴースト画像による品質の低下が軽減される、または完全に回避される。さらに、ユーザの眼224に伝達される周囲光740の量も減少する。これにより、ユーザに表示される画像の品質が向上する。
【0062】
図8は、いくつかの実施形態による、WHMD内の光を制御する方法の一例を示すフローチャート800である。いくつかの実施形態において、WHMDは、世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含む。802において、本方法は、導波路のインカップラで表示光をインカップリングすることを含む。804において、本方法は、インカップリングされた表示光の第1の部分を、眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることを含む。806において、本方法は、インカップリングされた表示光の第2の部分を世界側レンズで吸収することを含む。例えば、いくつかの実施形態において、世界側レンズの吸収性着色は、表示光に関連する特定の波長に対応するように波長特異的である。したがって、ゴースト画像の生成は低減される、または完全に排除される。いくつかの実施形態において、吸収性着色は、周囲光も少なくとも部分的に遮断(例えば、吸収)する。したがって、ユーザが観察する周囲光の量は減少する。
【0063】
図9は、いくつかの実施形態による、WHMD内の光を制御する方法の一例を示すフローチャート900である。いくつかの実施形態において、WHMDは、世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含む。902において、本方法は、インカップラで第1の光学特性を有する表示光をインカップリングすることを含む。904において、本方法は、インカップリングされた表示光を、眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることを含み、眼側レンズの着色は、第1の光学特性に対する第1の光透過レベルを有する。906において、本方法は、WHMDの外部光源からの周囲光を眼側レンズで部分的に遮断することを含み、眼側レンズの着色は、周囲光に関連付けられた第2の光学特性に対して、より低い第2の光透過レベルを有する。例えば、いくつかの実施形態において、第1の光学特性は、特定の波長または波長範囲である。他の実施形態において、第1の光学特性は偏光状態である。したがって、ユーザに伝達される周囲光の量は減少するが、一方で表示光は影響を受けない。
【0064】
いくつかの実施形態において、本開示に記載される着色は、表面コーティング着色、バルク密度着色、またはそれらの任意の組み合わせとして適用される。いくつかの実施形態において、本開示で説明する着色は、グラデーション着色として適用される。いくつかの実施形態において、本開示で説明する着色は、フォトクロミックまたはエレクトロクロミック着色である。
【0065】
いくつかの実施形態において、上述される技法の特定の態様は、ソフトウェアを実行する処理システムの1つ以上のプロセッサにより実施され得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に、格納される、またはその他の方法により有形に具現化される、実行可能な命令の1つ以上のセットを含む。ソフトウェアは、1つ以上のプロセッサにより実行されるときに、1つ以上のプロセッサが上述される技法の1つ以上の態様を実行するように操作する、命令及び特定のデータを含むことが可能である。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気または光学ディスク記憶デバイスと、フラッシュメモリ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の単一の不揮発性メモリデバイス若しくは複数の不揮発性メモリデバイスなどのソリッドステート記憶デバイスと、同様のものとを含むことが可能である。非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に格納される実行可能な命令は、1つ以上のプロセッサにより、解釈されるか、またはその他の方法により実行可能である、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、または他の命令フォーマットであってもよい。
【0066】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令及び/またはデータをコンピュータシステムに提供するために使用中にコンピュータシステムによってアクセス可能である任意の記憶媒体、または記憶媒体の組み合わせを含み得る。そのような記憶媒体は、光学メディア(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク)、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、磁気テープ、または磁気ハードドライブ)、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはキャッシュ)、不揮発性メモリ(例えば、読取専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリ)、またはマイクロ電気機械システム(MEMS)ベースの記憶媒体を含む場合があるが、これに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステムに埋め込まれ(例えば、システムRAMまたはROM)、コンピューティングシステムに固定式に取り付けられ(例えば、磁気ハードドライブ)、コンピューティングシステムに取り外し可能に取り付けられ(例えば、光学ディスクまたはユニバーサルシリアルバス(USB)ベースフラッシュメモリ)、または有線もしくは無線ネットワークを介してコンピュータシステムに結合される(例えば、ネットワークアクセス可能ストレージ(NAS))場合がある。
【0067】
記述されるそれらに加えて、一般的な説明の中で上述されるすべてのアクティビティまたは要素が必要ではないことに、また特定のアクティビティまたはデバイスの一部が必要ではない可能性があることに、また1つ以上のさらなるアクティビティが実行され得る、または1つ以上のさらなる要素が含まれ得ることに留意されたい。さらに、アクティビティを列挙する順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、当業者は、下記の特許請求の範囲に記載されるように本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更及び変形を行うことが可能であることを理解する。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきであり、すべてのこれらの変更形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0068】
利益、他の利点、および問題に対する解決策を、具体的な実施形態に関して、上記にて説明してきた。しかしながら、利益、利点、および問題に対する解決策、ならびに任意の利益、利点、または解決策を生じさせ得る、またはより顕著にし得る、任意の特徴(複数可)は、任意のまたは全ての請求項の重大、必要、または不可欠な特徴として解釈されないものとする。さらに、開示された発明の主題が本明細書に教示の利益を有する当業者へ明らかである、異なるが均等な方式において変更され、実施されることができるように、上記に開示される特定の実施形態は、例示に過ぎない。下記の特許請求の範囲に記述される以外の、本明細書に示される構成または設計の詳細への制限を意図しない。したがって、上記に開示される特定の実施形態が変更される、または修正されることができ、すべてのこれらのような変形形態が開示された発明の主題の範囲内に考察されることは、明らかである。その結果、本明細書に求められる保護は、下記の特許請求の範囲内に記載されるものについてである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を備え、前記導波路は、表示光をインカップラでインカップリングし、アウトカップラでアウトカップリングするように構成されており、
前記第2のレンズの着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光に対しては第1の光透過レベルを有し、第2の光学特性を有する光に対してはより低い第2の光透過レベルを有する、レンズスタックアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の光学特性は第1の波長範囲を含み、前記第2の光学特性は前記第1の波長範囲外の波長を含む、請求項1に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の光学特性は第1の偏光状態を含み、前記第2の光学特性は前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を含み、
前記着色は、前記第1の偏光状態の光を透過し、かつ、前記第2の偏光状態の光を遮断する偏光選択性を有する、請求項1に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項4】
前記着色は、前記第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色を含む、請求項1に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項5】
前記着色は、前記第1のレンズの主表面に適用される表面コーティング着色を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項6】
前記着色は、前記第1のレンズの前記主表面上の第1の方向に沿った勾配、または前記第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色を含む、請求項5に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項7】
前記着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項8】
前記着色は、1つ以上の環境要因に基づいて変化し、前記第2の光透過レベルを変更する、請求項7に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のレンズは、世界側レンズとして構成され、前記第2のレンズは、前記第1のレンズよりもユーザに近い眼側レンズとして構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の光学特性は、前記レンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)の外部の光源からの周囲光に関連付けられている、請求項1~のいずれか1項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項11】
第1のレンズと第2のレンズとの間に配置された導波路を備え、前記導波路は、表示光をインカップラでインカップリングし、アウトカップラでアウトカップリングするように構成されており、
前記第1のレンズは、世界側レンズであり、前記第2のレンズは、ユーザの眼側レンズであり、
前記第1のレンズは、前記導波路から受け取る光を吸収するための着色を含む、前記レンズスタックアセンブリ。
【請求項12】
前記着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光を吸収する、請求項11に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の光学特性は、第1の波長範囲である、請求項12に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項14】
前記着色は、前記表示光に関連しない第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断する、請求項11~13のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項15】
前記第2の光学特性を有する光の少なくとも部分的な遮断は、反射または吸収を含む、請求項14に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項16】
前記第2の光学特性は、前記第1のレンズを介して前記レンズスタックアセンブリに入射する周囲光に関連付けられている、請求項14に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項17】
前記着色は、前記第1のレンズの基材に組み込まれたバルク着色を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項18】
前記着色は、前記第1のレンズの主表面に適用される表面コーティング着色を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項19】
前記着色は、前記第1のレンズの前記主表面上の第1の方向に沿った勾配、または前記第1のレンズの厚さを横切る第2の方向に沿った勾配を有するグラデーション着色を含む、請求項18に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項20】
前記着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含み、前記導波路から受け取る光の光吸収レベルは、1つ以上の環境要因に基づいて変化する、請求項11~13のいずれか1項に記載のレンズスタックアセンブリ。
【請求項21】
世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)内の光を制御する方法であって、
前記方法は、
前記導波路のインカップラで表示光をインカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光の第1の部分を前記眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光の第2の部分を前記世界側レンズで吸収することとを含む、方法。
【請求項22】
前記世界側レンズの着色は、前記表示光に関連する第1の光学特性を有する光を吸収する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の光学特性は波長範囲であり、
前記着色は、前記WHMDの外部の光源からの周囲光に関連する第2の波長範囲を含む第2の光学特性を有する光を少なくとも部分的に遮断するようにさらに構成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
世界側レンズと眼側レンズの間に配置された導波路を備えたレンズスタックアセンブリを含むウェアラブルヘッドマウントディスプレイ(WHMD)内の光を制御する方法であって、
前記方法は、
第1の光学特性を有する表示光をインカップラでインカップリングすることと、
インカップリングされた前記表示光を、前記眼側レンズを通してユーザにアウトカップリングすることとを含み、前記眼側レンズの着色は、前記第1の光学特性に対して第1の光透過レベルを有し、前記方法はさらに、
前記WHMDの外部の光源からの周囲光を前記眼側レンズで少なくとも部分的に遮断することを含み、前記眼側レンズの前記着色は、前記周囲光に関連付けられた第2の光学特性に対して、前記第1の光透過レベルより低い第2の光透過レベルを有する、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第2の例示的な実施例のいくつかの態様において、着色は、フォトクロミック着色またはエレクトロクロミック着色を含み、導波路から受け取る光の光吸収レベルは1つ以上の環境要因に基づいて変化する。
【国際調査報告】