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特表2024-546127電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20241210BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241210BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20241210BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/211
H01M50/284
H01M50/507
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534660
(86)(22)【出願日】2023-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 KR2023014393
(87)【国際公開番号】W WO2024063563
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0120201
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】オ,ギュファン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォンテ
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ソンテック
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA34
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY06
5H040DD03
5H040DD10
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA05
5H043BA11
5H043BA17
5H043BA20
5H043CA08
5H043FA04
5H043JA03F
5H043LA22F
(57)【要約】
本発明は、電池モジュール又は電池パックの内部に配置され、電池セルから漏液する電解液を感知する感知部、及び前記感知部を含む電池モジュール又は電池パックに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルから漏液した電解液を検出することができる感知部を含む電池モジュールであって、
前記電池セルはパウチ型電池であり、
前記感知部は、前記電池セルの電極が電気的に結合されるバスバーを含む垂直板の周囲の下端部に配置される、電池モジュール。
【請求項2】
前記垂直板は、
垂直に配置されるべき板状の垂直支持部と、
前記電池セルの電極が通過すべき電極溝であって、前記垂直支持部の一部が垂直方向に切開された複数のスリット形態を有する、電極溝と、
前記電極溝を通過した前記電池セルの電極と電気的に接続されるバスバーと、
前記垂直支持部の下部周囲に沿って結合され、水平の帯状を有する下端支持部と、
を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記感知部は、前記下端支持部の上面及び/又は下面に配置される、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記感知部が前記下端支持部の下面に配置されている場合には、前記下端支持部には前記感知部と連通する溝が備えられる、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記感知部は、絶縁された2本の導線が配置され、前記2本の導線のそれぞれの少なくとも一部が外部に露出された形態を有する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記感知部は、フレキシブルフラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)又はフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuit)を含む、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記感知部は、前記電池セルの電極が配置される位置において2本の導線が外部に露出されている、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記感知部の一端は抵抗によって連結される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記感知部の抵抗又は電圧を測定するための測定部を含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池モジュールを使用して電池セルから漏液した電解液を検出する方法であって、
前記感知部の抵抗又は電圧を測定し、前記測定した抵抗又は電圧が基準範囲を外れる場合、電解液が漏液したと判断する、電解液を検出する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュールに関し、具体的には、電池モジュール又は電池パックの内部に配置され、電池セルから漏液する電解液を感知する感知部及び前記感知部を含む電池モジュール又は電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、要求される出力電圧又は充放電容量によって複数の電池セルを直列及び/又は並列に連結して電池モジュールにし、これらをさらに連結した電池パックで構成される。
【0003】
スタック型又はスタック/フォルディング型電極組立体をラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵したパウチ型電池は、低い製造費用及び高いエネルギー密度などの利点により電池モジュール又は電池パックにも多く使用されている。
【0004】
パウチ型電池は、通常外部被覆層、金属遮断層、及び内部接着層を含むラミネートシートを成形して電池ケースとして使用する。前記ラミネートシートに形成された収容部に電極組立体及び電解液を内蔵してシーリングすることでパウチ型電池を製造する。
【0005】
図1に示すように、パウチ型電池50は、パウチ型下部11及びパウチ型上部12で構成された電池ケース10の収容部13に電極組立体20が内蔵される。電極組立体20は、正極タブ及び負極タブ21、22が二つの電極リード31、32にそれぞれ溶接され、これらは電池ケース10の外部に露出される。そして、電極リード31、32の上部及び下部には一対の絶縁フィルム41、42を介在した状態で電池ケース10の外周辺をシーリングする。
【0006】
図1は正極タブ及び負極タブ21、22が同じ方向に位置している場合を例示として示している。すなわち、図1では、正極タブ及び負極タブ21、22が電極組立体20のyz平面に平行な面において+x方向にのみ位置している。正極タブ及び負極タブ21、22がそれぞれ電極組立体20の相異なる方向に位置している場合、すなわち、図1で、電極組立体20のyz平面に平行な面において+x方向及び-x方向にそれぞれ位置する場合、電池ケースの折られるエッジ、すなわち、図1でy軸に位置する折曲エッジが反時計方向に回転してx軸に位置する面に位置することになる。
【0007】
電極タブが電極組立体の両側にそれぞれ位置するパウチ型電池は電池モジュール又は電池パックに多く使用される。一側のそれぞれに正極タブ及び負極タブを有するパウチ型電池が垂直に複数配置された電池セルアセンブリーを構成し、前記電池セルアセンブリーの両端には前記正極タブ及び負極タブ、正確には正極リード及び負極リードを電気的に連結するバスバーが配置される。前記電池セルアセンブリーの両端に配置されるバスバーは互いに電気的に連結され得る。
【0008】
図2は従来技術による電池モジュール100の構造を概略的に示す分解斜視図である。図2を参照すると、電池モジュール100は、電極リード112が両方向に配置される電池セル111を積層して構成した電池セルアセンブリー110と、前記電池セル111の電極リード112の位置に対応して前記電池セルアセンブリー110の両側面にそれぞれ配置される第1垂直板121及び第2垂直板122、および前記第1垂直板121及び第2垂直板122に連結されて前記電池セルアセンブリー110の上部に配置される上板123で構成されたバスバーフレーム120と、前記バスバーフレーム120が装着された前記電池セルアセンブリー110が内部空間に挿入配置されるように角管状に形成されたモノフレーム130と、を含む。さらに、側面フレーム140がモノフレームに結合されることで、電池モジュール100が完成される。
【0009】
バスバー126は第1垂直板121及び第2垂直板122に配置される。バスバー126は複数の電池セル111を直列又は並列に連結するためのものである。バスバー126は低いインピーダンス及び高い電流容量を有する導体であり、複数の電池セル111が積層される方向に複数のバスバー126が並んで配置されることにより、電池セル111を直列に連結するか又は並列に連結する。
【0010】
バスバー126は厚さの一様な板状構造を有するものを例示しているが、これに限定されず、電気的連結の可能な多様な構造に変更して実施することができる。
【0011】
パウチ型電池の他に、円筒型電池又は角型電池も電池モジュール又は電池パックを構成することができる。円筒型電池又は角型電池は複数が垂直に配置された後、電極が配置された上面及び/又は下面にバスバーが配置され得る。
【0012】
電池セルとバスバーとが連結された後、外部にはこれを固定するためのケースが別に備えられ得る。
【0013】
パウチ型電池、円筒型電池、及び角型電池はいずれも電池モジュール又は電池パックに使用されるとき、電池セル内部の電解液の漏液は様々な問題となり得る。電解液が漏液する場合、電池モジュール又は電池パックの電気的性能の低下はもちろんのこと、漏液した電解液による腐食、短絡、火災の危険性がある。多数の電池セルを内蔵した電池モジュールの場合、安全性の問題のため、これらを早期に感知することが非常に重要である。
【0014】
特許文献1は電池セル電解液の漏液を感知して電池パックを保護する装置及び方法に関するものである。特許文献1は、電池セルの外部に付着され、電池セルから漏液する電解液を吸収し、このような電解液吸収によって導体特性を有するようになる電解液吸収部材10と、電解液吸収部材の両端に連結され、電源を印加する電源供給部20と、電解液吸収部材と電源供給部との間に連結された抵抗部30と、抵抗部に電流が流れるかをセンシングするセンシング部40と、センシング部が抵抗部に電流が流れることをセンシングした場合、電池パックの充放電経路上のヒューズを融断させて充放電電流を遮断する制御部50と、を含む。
【0015】
特許文献1は漏液した電解液を検出することによって電池モジュール又は電池パックを保護することができる特徴があるが、電解液を吸収し、電流が流れるかをセンシングするなど、全体的な構造が非常に複雑である。特に、電解液吸収部材を個別電池セルの外部に別に付着しなければならず、多数の部材をさらに備えて空間を占めるので、これによるエネルギー密度も低くなるという問題点がある。
【0016】
特許文献2は電池モジュール及びこれを含む電池パックに関するものであり、バスバーフレームスリットの両側に電解液の漏液を感知するフィルム型センサーが付着されている。前記フィルム型センサーの外部には絶縁コーティング層が備えられており、これは有機溶剤、すなわち電解液と反応して溶ける材質である。
【0017】
特許文献2の場合、電解液が漏液する場合、重力によって下端部に電解液が移動するので、ある程度多量に発生しない限り、電解液の漏液を感知しにくい。むしろ、漏液する電解液がスリットの間に流出するため、早期検出が難しいという問題点がある。
【0018】
また、センサーが付着される個別位置ごとに電気的接続が必要であるが、このための構造が複雑であり、電気的接続によってバスバーとの干渉問題が発生し得る。
【0019】
特許文献3は電池モジュール/パックにおいて電解液の漏液を検出する装置に関するものであり、配線部を含む帯状体に平行な導線を電池モジュール/パックの下部に埋設し、ワイヤウィンドウを構成して毛細管効果を誘発して、電解液の漏液の際に両導線を短絡させ、電気抵抗の検針によって電池の漏液の存在を判断している。
【0020】
特許文献3の場合、電解液を検出する配線部が別途の底板に埋設されているが、漏液した電解液の量が所定量以上になるときにのみ検出が可能である。特許文献3には、漏液する量が8mlを超える場合にのみ検出が可能であると記載されている。
【0021】
パウチ型電池を使用する電池モジュール又はパックの場合、特許文献3は適用が困難である。パウチ型電池の下面は別途のシーリングなしに連結されている部分であるので、電解液が漏液し得る部分は側面又は上面のみである。上面に電解液が漏液する場合、電池セルが垂直にスタッキングされており、これらの間隔が非常に狭く、さらにこれらの間にパッドが備えられる場合もあるので、実質的に上面に漏液する電解液は、大量ではない場合、底板まで流れることができず、その前に乾燥する。
【0022】
特許文献3は、底板に別に埋め込まなければならず、また毛細管のような構成が備えられなければならない。特許文献3のように長手方向に埋め込む場合には、パウチ型電池の漏液を早期に検出することが実質的に不可能である。
【0023】
パウチ型電池の両側面、すなわち電極タブが突出した部位で電解液が漏液する場合、バスバーフレームの下端部まで漏液し、これが別途の底板まで流れるためには相当量の漏液がなければならない。
【0024】
特許文献3では、ストリップ形検出溝が底板の中央に設けられるか又は電池モジュール内の電池電極に沿って配置されて電極の直下に位置する場合も言及しており、複数の場合も言及している。ただし、特許文献3はストリップ形検出溝の形態をまず限定している。パウチ型電池の場合には、両側電極がバスバーフレームとまず結合されなければならないので、特許文献3のストリップ形検出溝もバスバーフレームの下部にのみ存在することができる。この場合、微量を早期に検出することは不可能である。特許文献3でも検出可能な最小量を8ml超過の場合に限定している。
【0025】
パウチ型電池に対して、特許文献3の実施例又はこれを電極の下に配置する場合、いずれも早期検出が不可能であることが分かる。特許文献3のストリップ形検出溝が長手方向に配置されるか、電極の直上に位置するか、又は多数が配置されることが記載されたことを見ると、これは円筒型電池セルを使用する場合を考慮したものと思われる。
【0026】
このように、i)微量の電解液の漏液に対して早期に検出することができ、ii)構造が簡単であり、iii)従来の装置の構成との干渉なしに適用することができる技術はいまだに提供されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1383599号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2021-0108269号公報
【特許文献3】中国公開特許第111337201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は前記のような問題点を解決するためのものであり、i)微量の電解液の漏液に対して早期に検出することができ、ii)構造が簡単であり、iii)従来の装置の構成との干渉なしに適用することができる電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は前記のような問題点を解決するために、電池セルから漏液した電解液を検出することができる感知部を含む電池モジュールであって、電池セルはパウチ型電池であり、感知部は、電池セルの電極が電気的に結合されるバスバーを含む垂直板の周囲の下端部に配置される、電池モジュールを提供する。
【0030】
垂直板は、垂直に配置されるべき板状の垂直支持部と、電池セルの電極が通過する電極溝であって、垂直支持部の一部が垂直方向に多数に切開されたスリット形態を有する電極溝と、電極溝を通過した電池セルの電極と電気的に接続されるバスバーと、垂直支持部の下部周囲に沿って結合され、水平の帯状を有する下端支持部と、を含むことができる。
【0031】
感知部は、下端支持部の上面及び/又は下面に配置され、感知部が下端支持部の下面に配置されている場合には、下端支持部には感知部と連通する溝が備えられ得る。
【0032】
感知部は、絶縁された2本の導線が配置され、2本の導線のそれぞれの少なくとも一部が外部に露出された形態を有する。その例示としては、フレキシブルフラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)又はフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuit)を挙げることができるが、これに限定されない。空間節約及び設置の便宜性のために、薄いか又は柔軟な材質の導線を使用することが好ましい。
【0033】
一方、感知部は、電池セルの電極が配置される位置に2本の導線が外部に露出され得る。また、感知部の一端は抵抗によって連結され得る。
【0034】
感知部の抵抗又は電圧を測定するための測定部を含むことができる。
【0035】
また、本発明は、電池モジュールを使用して電池セルから漏液した電解液を検出する方法であって、前記感知部の抵抗又は電圧を測定し、前記測定した抵抗又は電圧が基準範囲を外れる場合、電解液が漏液したと判断する、電解液検出方法を提供する。
【0036】
ここで、漏液した電解液は最少1/20ml以上であれば検出可能である。
【0037】
本発明は前記解決しようとする課題を任意に組み合わせた構成としても提供することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明は、i)微量の電解液の漏液に対して早期に検出することができ、ii)構造が簡単であり、iii)従来の装置の構成との干渉なしに適用することができる電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュールを提供することができる。
【0039】
特に、本発明は、一滴、通常1/20mlの電解液の漏液もすぐ検出することができるので、従来の技術では提供することができない非常に卓越した効果を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来技術によるパウチ型電池の分解斜視図である。
図2】従来技術による電池モジュールの構造を概略的に示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例による電池モジュールに装着される電池セルの斜視図である。
図4】本発明による電池モジュールにおいて電解液の漏液が発生する部分についての資料を示す図である。
図5】本発明による電池モジュールの垂直板の内側模式図である。
図6】本発明による電池モジュールの垂直板の外側模式図である。
図7】本発明の第1実施例による感知部の平面模式図である。
図8】本発明の第2実施例による感知部であるFPCの模式図である。
図9】本発明の第3実施例による電池モジュールの垂直板の内側模式図である。
図10】電解液量による抵抗値を測定した結果を示す図である。
図11】電解液量による抵抗値を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連する公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判定される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0042】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使用する。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結、結合又は接続されていると言うとき、これは直接的に連結、結合又は接続されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結、結合又は接続されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0043】
以下、本発明による電解液漏液感知部及びこれを含む電池モジュールを添付図面に基づいて説明する。
【0044】
本発明による電池モジュールの基本的な構成は、従来のパウチ型電池を使用した電池モジュールと同様である。図2は従来技術による電池モジュールの構造を概略的に示す分解斜視図である。図2の場合に比べて、パウチ型電池を図1のように一側にのみ電極が配置される形態に変形可能であり、バスバーフレーム120は上端が互いに連結されなくてもよい。電極が両側に配置されたパウチ型電池の場合であっても、バスバーフレーム120のような形態に限定されず、両側のバスバーが電気的に連結されたものであればどの形態にも適用可能である。また、モノフレーム及び側面フレーム140は一例示であり、電池モジュールを取り囲む外部ケースの役割を果たすことができる限り、どの形態にも変形可能である。
【0045】
図3は本発明の一実施例による電池モジュールに装着される電池セルの斜視図である。
【0046】
図3に示すように、パウチ型電池又は電池セル60は、セルケース上部62と、セルケース下部61と、セルケース上部及び下部の内部に収容された電極組立体(図示せず)と、セルケース上部及び下部端のシーリング部65と、一対の電極タブ(図示せず)と、一側は電極タブと電気的に連結され、他側はセルケースの外側に突出した正極リード66及び負極リード67で構成される一対の電極リードと、絶縁フィルム(図示せず)と、を含む。
【0047】
詳細には、セルケース上部62及びセルケース下部61は電極組立体を収容するようにポケット状の空間部を備えている。
【0048】
このセルケースは、外部被覆層、金属層、及び内部被覆層からなるラミネートシートを使用して、電極組立体を収容することができる空間部を形成する。
【0049】
内部被覆層は、電極組立体と直接的に接触するので、絶縁性及び耐電解性を有しなければならず、また外部に対する密閉のために、シーリング性を有しなければならず、すなわち、内部層同士熱接着されたシーリング部位は優れた接着強度を有しなければならない。
【0050】
このような内部被覆層の材料としては、耐化学性に優れながらもシーリング性が良いポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンアクリル酸、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイミド樹脂から選択することができるが、これに限定されず、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性及び耐化学性に優れたポリプロピレンが好ましい。
【0051】
内部被覆層と接する金属層は外部から水分や各種のガスが電池の内部で浸透することを防止するバリア層に相当し、このような金属層の好適な材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使用することができる。
【0052】
金属層の外側面には外部被覆層を備える。このような外部被覆層は電極組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保することができるように、引張強度、透湿防止性、及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使用することができ、一例としてナイロン又はポリエチレンテレフタレートを使用することができるが、これに限定されない。
【0053】
セルケース上部62及びセルケース下部6lの内部に収容される電極組立体は、複数の電極が積層された形態のスタック型電極組立体と、正極及び負極の間に分離膜が介在された状態で巻き取られた形態のゼリーロール型電極組立体と、複数の単位セルが積層される形態のラミネーション/スタック型電極組立体と、単位セルが分離膜シートに位置する状態で巻き取られる形態のスタック/フォルディング型電極組立体とに分類することができる。
【0054】
前記ラミネーション/スタック型電極組立体やスタック/フォルディング型電極組立体を製造するために、単位セルを製造する。前記単位セルは、正極及び負極の間に分離膜が介在された形態のモノセル(mono-cell)、及び正極、負極及び正極、又は負極、正極及び負極が積層され、前記正極及び負極の間に分離膜が介在されるバイセル(bi-cell)の形態であり得る。
【0055】
本発明による電極組立体は、負極/分離膜/正極/分離膜/負極が積層された構造であり得る。その他にも、電極組立体を構成する正極及び負極の個数を自由に設定して使用することができるというのは言うまでもない。また、複数の単位セルをラミネーションするラミネーション/スタック型電極組立体を使用することもできる。前記電極組立体の構造は本明細書に記載するすべての電極組立体に適用することができる。
【0056】
電極組立体の正極及び負極にはそれぞれ正極タブ及び負極タブが備えられ、この一対のタブはそれぞれ正極リード66及び負極リード67とスポット(Spot)溶接などによって連結されたままで、セルケースの外側に所定の長さだけ突出するように配置される。
【0057】
そして、絶縁フィルムは、一対の電極リードの上面及び下面、より詳細には、セルケース上部62とセルケース下部61とが熱融着するシーリング部65に位置する。絶縁フィルムは、電極組立体で生成される電気が電極リードを介してセルケースに流れることを防止し、電極リードとセルケースとの間のシーリング状態を維持する。絶縁フィルムは電気がよく通じない非伝導性材質であることが好ましく、一般的に電極リードに付着しやすく厚さが比較的薄い絶縁テープを多く使用しているが、これに限定されない。
【0058】
図面では、正極リード66及び負極リード67が両端に位置する両方向電池セルとして表現しているが、この一対の電極リードが同じ方向に向かって配置された偏方向電池セルにも本発明を適用することができる。
【0059】
電池モジュールを使用する過程では、充電及び放電が繰り返されることによるパウチ型電池の熱融着シーリング部の分離、すなわち非可逆的反応によって生成されたガスによる膨張圧力や急速充電などのような高電流を使用する環境が繰り返されることにより、熱融着部が劣化して電解液が漏液することがある。
【0060】
この他にも、外部衝撃などによってケースが破れるか又は化学的腐食などの多様な原因によって電解液が漏れることもある。
【0061】
電池モジュールの内部に垂直に配置されるパウチ型電池の下面は別途のシーリングなしに連結されている部分であるので、電解液が漏液し得る部分はパウチ型電池の側面又は上面のみである。上面に電解液が漏液する場合、電池セルが垂直にスタッキングされており、これらの間隔が非常に狭く、かつこれらの間にパッドが備えられる場合もあるので、実質的に上面に漏液する電解液は、大量ではない場合、底板まで流れることができず、その前に乾燥する。
【0062】
パウチ型電池の両側面、すなわち電極タブが突出した部位で電解液が漏液する場合、バスバーフレームの下端部まで漏液し、これが別途の底板まで流れるためには相当量の漏液がなければならない。
【0063】
本発明による電解液は二次電池に使用可能な電解液であれば、水系であるか又は非水系であるに限定されない。リチウム塩含有非水系電解液は電解液及びリチウム塩からなっており、前記電解液としては、非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などを使用する。
【0064】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチレンカーボネート(DEC)、ガンマ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステール、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非量子性有機溶媒を使用することができる。
【0065】
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリアジテーションリシン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合剤などを使用することができる。
【0066】
前記無機固体電解質としては、例えば、LiN、LiI、LiNI、LiN-LiI-LiOH、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、LiSiS、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、LiPO-LiS-SiSなどのLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などを使用することができる。
【0067】
前記リチウム塩は前記非水系電解質に溶解しやすい物質であり、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、(CFSONLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルホウ酸リチウム、イミドなどを使用することができる。
【0068】
また、電解液には、充放電特性、難燃性などの改善を目的で、例えば、ピリジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどを添加することもできる。場合によっては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含むこともでき、高温保存特性を向上させるために、二酸化炭酸ガスをさらに含むこともでき、フルオロ-エチレンカーボネート(FEC;Fluoro-Ethylene Carbonate)、プロペンスルトン(PRS;Propene sultone)などをさらに含むことができる。
【0069】
電解質として、LiPF、LiClO、LiBF、LiN(SOCFなどのリチウム塩を、固誘電性溶媒であるエチレンカーボネート(EC)又はプロピレンカーボネート(PC)の環状カーボネートと、低粘度溶媒であるジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)又はエチレンメチルカーボネート(EMC)の線状カーボネートとの混合溶媒に添加することで、リチウム塩含有非水系電解質を製造することができる。
【0070】
図4は本発明による電池モジュールにおいて電解液の漏液が発生し得る部分についての資料である。図4を参照すると、パウチ型電池の場合、漏液が発生し得る部分は側面シーリング部であることが明確に分かる。
【0071】
図5は本発明による電池モジュールの垂直板の内側模式図であり、図6は本発明による電池モジュールの垂直板の外側模式図である。
【0072】
図5及び図6を参照すると、電池モジュールにおいて電池セルアセンブリーの左右側には垂直板200が配置される。図5及び図6の垂直板200において電気的連結のためのバスバーを含む回路部分は省略した。
【0073】
垂直板200は、垂直に配置された板状の垂直支持部220と、垂直支持部220の一部が垂直方向に切開された複数のスリット形態を有し、電池セルの電極が通過する電極溝240と、電極溝240を通過した前記電池セルの電極と電気的に連結されるバスバー(図示せず、省略)と、垂直支持部220の下部周縁に沿って結合し、水平帯状を有する下端支持部260と、を含むことができる。
【0074】
本発明による感知部265は下端支持部260の上面及び/又は下面に配置される。図5で、感知部265を単純化して黒線のみで表示した。また、感知部265は、感知部265の抵抗又は電圧を測定するための測定部であって、垂直支持部220の側面に沿って延在するか、又は側面に沿って別に配置された測定部と電気的に連結され得る。前記測定部は電池モジュールのBMSに含まれ得る。
【0075】
図7は本発明の第1実施例による感知部265の平面模式図である。感知部265は、絶縁された2本の導線が配置され、2本の導線のそれぞれの少なくとも一部が外部に露出された露出部267を有する。
【0076】
感知部265は、前記電池セルの電極が配置される位置に露出部267が配置され得る。図7で、露出部267の間の間隔はDで表示した。パウチ型電池の厚さが同一又は類似であるので、パウチ型電池を垂直に立てた状態で、さらに水平方向に積層する場合、これらのパウチ型電池の間の間隔も同一であり、よって露出部267の間の間隔Dも同一であり得る。
【0077】
感知部265の一端は抵抗269によって接続され得る。感知部の他の部分には感知部全体の抵抗又は電圧を測定する測定部Rが備えられ得る。
【0078】
導線の抵抗は非常に低いので、電解液が漏液しない場合、感知部265の抵抗は抵抗269の抵抗値を示す。抵抗269が接続されておらず、導線も接続されていない場合、抵抗は無限大値に相当する。
【0079】
図7のように、電解液270が漏液して2本の導線の間に落ち、この部分が露出部267の場合、このときの抵抗は電解液によって連結される分だけ低下する。抵抗269が接続されているか又は導線が接続されていない場合、いずれも電解液の漏液による抵抗減少が非常に大きいので、実質的に電解液による抵抗が測定される。
【0080】
電解液によって接続される部分が多くなると、その分だけの並列接続が増えるので、抵抗はさらに低下する。これらの電解液によって低下する抵抗は並列接続によって抵抗が低下する式と同様に、抵抗の逆数を全部足した後、その逆数を取った値となる。
【0081】
感知部265をフレキシブルフラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)、フレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuit)で製造する場合、厚さが薄いだけでなく、フレキシブルであるという利点がある。
【0082】
図8は本発明の第2実施例による感知部465であるフレキシブルプリント基板(FPC)の模式図である。図8は露出部467が露出された感知部465の上面に対する模式図である。図7及び図8は感知部の一例示であり、絶縁された2本の導線が配置され、2本の導線のそれぞれの少なくとも一部が外部に露出された露出部を構成すれば可能であり、具体的な形態は多様な形態に変形可能である。
【0083】
感知部465は、外部に露出される露出部467が反復的に備えられている。図8の右側上端のような薄膜銅パターン466が反復的に連結されて配置されており、その一部が外部に露出されて露出部467を形成する。薄膜銅パターン466は、露出部467のみを除き、絶縁物質であるFPCカバー層468によって絶縁される。
【0084】
図9は本発明の第3実施例による電池モジュールの垂直板の内側模式図である。垂直板300は、垂直に配置された板状の垂直支持部320と、垂直支持部320の一部が垂直方向に切開された複数のスリット形態を有し、前記電池セルの電極が通過する電極溝340と、電極溝340を通過した前記電池セルの電極と電気的に接続されるバスバー(図示せず、省略)と、垂直支持部320の下部周囲に沿って結合され、水平帯状を有する下端支持部360と、を含むことができる。
【0085】
本発明による感知部365は下端支持部360の下面に配置され得る。図9で、感知部365は下端支持部360の下面に位置するので、点線で表示した。また、感知部365は、感知部365の抵抗又は電圧を測定するための測定部と電気的に接続され得、測定部は垂直支持部320の側面に沿って延在するか、又は側面に沿って別に配置され得る。前記測定部は電池モジュールのBMSに含まれ得る。
【0086】
感知部365が下端支持部360の下面に配置される場合、下端支持部360には感知部365と連通することができる溝366が備えられ得る。溝366はパウチ型電池の電極が配置される位置にあることが好ましい。下端支持部360を貫通して感知部365と連通する溝366の断面は、上部と下部とが同じ大きさを有するか、又は上部から下部に行くほど大きくなるか又は小さくなり得る。
【0087】
また、本発明は、電池モジュールを使用して電池セルから漏液した電解液を検出する方法であって、感知部の抵抗又は電圧を測定し、前記測定した抵抗又は電圧が基準範囲を外れる場合、電解液が漏液したと判断する電解液検出方法を提供する。
【0088】
図10及び図11は電解液量による抵抗値を測定した結果である。
【0089】
<実験1>
図8の第2実施例による感知部をもって電解液露出による抵抗を測定した。フレキシブルプリント基板(FPC)のカバー層はポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)である。感知部は5個の露出部を備えた。それぞれの電解液に対して別個の感知部を使用した。使用した電解液は固誘電性溶媒であるエチレンカーボネート(EC)及び低粘度溶媒であるエチレンメチルカーボネート(EMC)を基本として追加の添加材を含んでいる。
【0090】
図10及び図11で、左側の2個のデータである細実線及び太点線はポリイミドカバー層を使用したものであり、右側の2個のデータである太実線及び細点線はポリエチレンナフタレートカバー層を使用したものである。y軸は測定した抵抗であり、単位がMOhmであり、x軸は時間であり、単位が秒である。データ観測のために、それぞれに対して少しの時間差を置いて実験を実施した。
【0091】
図10の上側グラフを見ると、電解液に露出される前には抵抗が約10MOhmを維持している。図10の下側グラフを見ると、電解液一滴(約1/20ml)を1ヶ所の露出部467に滴下した場合、抵抗が瞬時に0.07MΩ以下に落ちることが分かる。5個の露出部のそれぞれに電解液を一滴(約1/20ml)ずつ順次滴下した場合、抵抗が順次低下し、最終に0.03MOhm以下に低下することが分かる。
【0092】
本発明による感知部は非常に敏感であって少量の電解液を感知することができることが分かり、また少量の場合でも漏液量を定量的にも判断することができることが分かる。
【0093】
<実験2>
実験1と同様に、5個の露出部を有する感知部を約250mlの水道水に浸した後(浸水)抵抗を測定した結果、0.1MΩに低下することが分かる(図11で、x軸の時間500秒)。細実線及び太点線、並びに太実線及び細点線は図10と同様である。これに電解液約20滴に相当する1mlをさらに滴下した。この場合にも、すべての抵抗が0.03MOhm以下に低下することが分かる(図11で、600~900秒参照)。10分が経過した後には、いずれも0.07MOhm以上に抵抗が増加した(図11で、1200秒参照)。これに、時間を置いて電解液を1mlさらに滴下した総量が2ml、3ml、4mlになるようにした。総量が2ml、3ml、4mlに増加する都度、抵抗は低下した。電解液の漏液量が4ml以上の場合には、長時間を置いて観測しても抵抗が増加しなかった。
【0094】
実験1及び実験2から、微量の電解液が漏液する場合でも、本発明による感知部は明確にこれを把握することができる優れた効果があることが分かる。また、漏液量に対しても定量的に区分することができる。一方、水に浸る場合、浸水による問題であるか又は電解液による問題であるかも区別することができる。
【0095】
前記実験によって、本発明はごく微量の電解液もすぐ検出することができるだけでなく、複数の箇所で漏液が発生する場合も区別して把握することができることが分かる。
【0096】
以上で本発明の内容の特定の部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単に好適な実施様態であるだけであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属するというは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
10 電池ケース
11、61 下部
12、62 上部
13 収容部
20 電極組立体
21、22 電極タブ
31、32、66、67 電極リード
41、42 絶縁フィルム
50、60 パウチ型電池
65 シーリング部
100 電池モジュール
110 セルアセンブリー
111 パウチ型電池
112 電極リード
120 バスバーフレーム
121、122、200 垂直板
123 上板
126 バスバー
130 モノフレーム
140 側面フレーム
200、300 垂直板
220、320 垂直支持部
240、340 電極溝
260、360 下端支持部
265、365、465 感知部
366 溝
466 薄膜銅パターン
267、467 露出部
468 FPCカバー層
269 抵抗
270 電解液
D 露出部の間の間隔
R 測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】