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特表2024-546148電解めっき室のめっき漏れ警告方法および電解めっき室のめっき漏れ警告システム
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  • 特表-電解めっき室のめっき漏れ警告方法および電解めっき室のめっき漏れ警告システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電解めっき室のめっき漏れ警告方法および電解めっき室のめっき漏れ警告システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G01N21/956 A
H01L21/28 C
H01L21/90 Z
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535902
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2022134105
(87)【国際公開番号】W WO2023109463
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111529263.8
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ウー モン
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ジャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ル チェンホア
(72)【発明者】
【氏名】チン リン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ チュェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
【テーマコード(参考)】
2G051
4M104
4M106
5F033
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB07
2G051AC11
2G051CA04
2G051DA08
2G051EB01
4M104DD52
4M104DD53
4M104DD99
4M104HH20
4M106AA01
4M106CA38
4M106DB04
4M106DJ02
4M106DJ06
4M106DJ20
4M106DJ28
5F033PP27
5F033PP28
5F033XX37
(57)【要約】
電解めっき室のめっき漏れ警告方法およびシステムを開示する。この方法は、電解めっきされたウェハ(100)を検出位置(S100)に配置するステップ、ウェハ(100)の検出対象領域(S200)を設定するステップ、画像センサ(400)を動作させてウェハ(100)の検出対象領域(S300)を検出し、ウェハ(100)の検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップ(S400)、判定結果がウェハ(100)の検出対象領域内に不要な金属堆積物があることを示し、ウェハ(100)を処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していることを示している場合、警報指令が発行され、判定結果がウェハ(100)の検出対象領域内に不要な金属堆積物がないことを示し、ウェハ(100)を処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していないことを示している場合、警報指令は発行されないステップ、を含む。検出装置を用いてウェハ(100)上のめっき漏れ検出を自動的に行うことにより、ウェハ(100)の電解めっき状態の手動検査に代替して、ウェハ(100)上のめっき漏れ問題を速やかに検出し、警報を発することができ、人員によるめっき室の取り扱いが容易になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解めっきされたウェハを検出位置の固定具上に配置するステップ、
前記ウェハの検出対象領域を設定するステップ、
画像センサを操作して前記ウェハの前記検出対象領域を検出し、前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップ、
前記判定の結果が、前記ウェハの前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があり、前記ウェハを処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していることを示している場合、警報指令が発行されるステップ、
前記判定の結果が、前記ウェハの前記検出対象領域内に不要な金属堆積物がなく、前記ウェハを処理する前記電解めっき室内でめっき漏れが発生していないことを示している場合、警報指令は発行されないステップを含む、ことを特徴とする電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項2】
前記検出位置の前記固定具は、
別途設置される固定具、または、
ウェハ洗浄工程に使用される洗浄室内のウェハチャックである、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項3】
前記画像センサを操作して前記ウェハの前記検出対象領域を検出し、前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップは、
前記警報指令を発行するための前記画像センサのグレー値閾値を事前に設定するステップ、
前記画像センサは、前記ウェハの前記検出対象領域の画像を収集し、対象画像を生成し、前記対象画像をプロセッサに送信するステップ、
前記プロセッサは、前記対象画像を受信し、前記対象画像に対してグレースケール処理を実行し、前記対象画像のグレー値のデータ情報を生成し、前記グレー値のデータ情報を予め設定された前記グレー値閾値と比較し、比較結果を生成するステップ、
前記比較結果において、前記グレー値が前記グレー値閾値の範囲内にある場合、前記比較結果は、不要な金属堆積物がないことを示すステップ、
前記比較結果において、前記グレー値が前記グレー値閾値を超える場合、前記比較結果は、不要な金属堆積物があることを示すステップ、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項4】
前記ウェハの前記検出対象領域は、前記ウェハの周縁から前記ウェハの中心に向かって1.0~2.0mmの円環領域として設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項5】
前記画像センサが前記ウェハ上の前記検出対象領域を検出する過程中に、前記ウェハと前記画像センサとが互いに相対的に回転する、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項6】
前記ウェハと前記画像センサとの相対的な回転の速度が50rpm以下である、ことを特徴とする請求項5に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項7】
前記画像センサは、対象画像を収集するためのカメラを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項8】
前記判定の結果が、前記電解めっき室でめっき漏れが発生しているということである場合、前記警報指令を発行した後、当該ウェハを処理する前記電解めっき室の動作状態をメンテナンスが必要な状態に切り替え、電解めっきされるウェハが当該電解めっき室に入ることを禁止するステップ、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき室のめっき漏れ警告方法。
【請求項9】
電解めっきされたウェハを検出位置に位置決めするために使用される、ウェハ位置決め装置と、
画像センサを使用してウェハの所定の検出対象領域を検出し、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物があるか否かを判定する、検出装置と、
判定結果がウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物が存在することを示した場合に警報指令を発行するために使用される、警報装置と、を含むことを特徴とする、電解めっき室のめっき漏れ警告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造技術の分野に関し、特に電解めっき室のめっき漏れ警告方法および電解めっき室のめっき漏れ警告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造過程には多くの工程が関わる。その中でも、電解めっき工程はチップ製造過程において欠かせないステップである。電解めっきの過程では、めっき漏れ、電気的な不連続性、めっき高さの異常、液漏れなどの異常が頻繁に発生する。特に、めっき漏れはめっきの高さの低下につながる可能性がある。時間内に検出されない場合、ウェハのバッチ全体、または複数のバッチが再加工または廃棄される可能性がある。ウェハのめっき漏れの問題をタイムリーに検出するには、電解めっきが完了した後にウェハを検査して状態を確認する必要がある。めっき漏れが検出されると、対応する電解めっき室のステータスを製造からメンテナンスに切り替えて処理する必要がある。
【0003】
従来技術における上記問題を解決する手段は、ウェハの全バッチが電解めっきされた後、ウェハの全バッチの電解めっき状態を手動で検査し、電解めっきの工程中に異常があるか否かを判断する方法である。この方法には明らかな欠陥がある。まず、ウェハのバッチ全体が電解めっきされた後にのみ検査を行うことは、異常が発生すると、ウェハのバッチ全体がやり直しまたは廃棄されることになり、大きな損失が発生する可能性があることを意味する。第二に、ウェハ電解めっき異常の検査には詳細なチェックが必要である。手動検査は非効率的でコストがかかる。さらに、手作業による検査ではエラーが発生しやすく、誤った判断や判断ミスにつながる可能性がある。こうしたエラーが発生すると、複数のバッチのウェハがやり直されたり廃棄されたりすることになり、計り知れない結果を招く可能性がある。
【0004】
そのため、手作業による検査に代わる、めっき後の各ウェハの電解めっき状態を、ウェハ端面のシード層を検査することで迅速に確認できる方法が早急に求められている。ウェハの端でめっき漏れが検出された場合は、直ちに警報を発行して、そのウェハを処理する電解めっき室の担当者に通知し、めっき対象のウェハがその電解めっき室に入らないようにする必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、手動検査に代えて、ウェハ上のめっき漏れ問題を迅速に検出し、電解めっき室の問題に対処するために、電解めっき室内のめっき漏れを警告するための警告方法および警告システムを提案する。
【0006】
第一の側面として、本発明は、電解めっき室内のめっき漏れを警告するための警告方法を提供し、この警告方法は以下のステップを含む。
電解めっきされたウェハを検出位置の固定具上に配置するステップ。
前記ウェハの検出対象領域を設定するステップ。
画像センサを操作して前記ウェハの前記検出対象領域を検出し、前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップ。
前記ウェハの前記検出対象領域内に不要な金属堆積物が存在する場合、当該ウェハを処理した前記電解めっき室内でめっき漏れが発生していることを示しており、警報指令が発行されるステップ。
検出対象領域内に不要な金属堆積物がない場合、このウェハを処理した前記電解めっき室内にめっき漏れがないことを示しており、警報指令は発行されないステップ。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記検出位置の前記固定具は、以下を含む。
別途設置される固定具、または、
ウェハ洗浄工程に使用される洗浄室内のウェハチャック。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記画像センサを操作して前記ウェハの前記検出対象領域を検出し、前記ウェハの前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップは、さらに以下のステップを含む。
前記警報指令を発行するための前記画像センサのグレー値閾値を事前に設定するステップ。
前記画像センサは、前記ウェハの前記検出対象領域の画像を収集し、対象画像を生成し、前記対象画像をプロセッサに送信するステップ。
前記プロセッサは、前記対象画像を受信し、前記対象画像に対してグレースケール処理を実行し、前記対象画像のグレー値のデータ情報を生成し、前記グレー値のデータをグレー値閾値と比較し、比較結果を生成するステップ。
前記比較結果において、前記グレー値が前記グレー値閾値の範囲内にある場合、不要な金属堆積物がないことを示すステップ。
前記比較結果において、前記グレー値が前記グレー値閾値を超える場合、不要な金属堆積物が存在することを示すステップ。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記ウェハの前記検出対象領域は、前記ウェハの周縁から前記ウェハの中心に向かって1.0~2.0mmの円環領域として設定される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記画像センサが前記ウェハの前記検出対象領域を検出する過程において、前記ウェハと前記画像センサが互いに相対的に回転する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記ウェハと前記画像センサとの相対的な回転の速度が50rpm以下である。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記画像センサは、対象画像を収集するために使用されるカメラを含む。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記電解めっき室でめっき漏れ現象が発生したと判定された場合、前記警報指令を発行した後、前記ウェハを処理した前記電解めっき室の動作状態をメンテナンスが必要な状態に切り替え、電解めっきされるウェハが当該電解めっき室に入ることを禁止するステップ、をさらに含む。
【0014】
第二の側面として、本発明は、電解めっき室内のめっき漏れを警告するための警告システムを提供し、それは以下を含む。
電解めっきされたウェハを検出位置に位置決めするためのウェハ位置決め装置と、
画像センサを使用して前記ウェハの所定の検出対象領域を検出し、前記検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定する検出装置と、
前記ウェハの前記検出対象領域内で不要な金属堆積物が検出されたときに警報指令を発行する警報装置。
【0015】
本発明の電解めっき室内のめっき漏れを警告する方法およびシステムは、電解めっきされたウェハ上のめっき漏れを自動的に検出し、手動検査に代えて、ウェハ上のめっき漏れの問題を迅速に検出し、警報を発行し、人による電解めっき室の取り扱いを容易にすることを可能にする。
【0016】
本発明の他の特徴および利点については、以降の説明で説明し、そのいくつかは、説明から明らかになるか、または本発明を実施することによって知ることができる。本発明の目的およびその他の利点は、明細書および図面に指摘された構造を通じて実現され、得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施形態または従来技術の説明に必要な図面を以下に簡単に紹介する。以下に記載する図面は、本発明のいくつかの実施形態であることは明らかであり、当業者であれば、創造的な努力なしに、これらの図面に基づいて他の図面も得ることができる。
図1図1は、本発明の一実施形態に係る電解めっき室のめっき漏れ警告方法の概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態におけるめっき漏れ検出装置の構造概略図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る電解めっき室のめっき漏れ警告システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下の説明では、本発明の実施形態の図面を組み合わせて、本発明の実施形態の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載した実施形態は本発明の実施形態の一部にすぎず、すべてではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力をすることなく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内である。
【0019】
本発明は、電解めっき室のめっき漏れ警告方法を提案するものであり、この方法は、電解めっきされたウェハを検出位置に配置するステップと、ウェハの検出対象領域を設定するステップと、画像センサを動作させてウェハの検出対象領域を検出し、ウェハの検出対象領域内に不要な金属堆積物があるか否かを判定するステップと、判定結果に基づいて対応するフィードバック指令を発行するステップとを含む。電解めっきされたウェハを適時に自動的に検査することにより、ウェハの電解めっき状態の手動検査を置き換え、ウェハ上のめっき漏れの問題を適時に発見し、スタッフに電解めっき室の取り扱いを警告することができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る電解めっき室のめっき漏れ警告方法の概略図である。図1に示すように、電解めっき室のめっき漏れ警告方法は次の手順で構成されている。
【0021】
S100では、電解めっきされたウェハを検出位置に配置する。
【0022】
ウェハは電解めっき室内で電解めっきされた後、電解めっき室から取り出され、検出位置の固定具上に配置される。本発明の実施形態における固定具は、ウェハチャックである。ウェハはウェハチャック上に設置されたピンによって水平に固定され、ウェハ上のめっき漏れの検出を容易にする。この実施形態では、固定具は、ウェハを位置決めするだけでなく、ウェハの回転を駆動するためにも使用されるが、これについては後で詳しく説明する。
【0023】
注目すべきは、本出願において、検出位置にウェハを配置するために使用される固定具は、既存のウェハ処理装置とは独立した別個の設置固定具として設置できることである。あるいは、電解めっき工程が完了した後、ウェハ洗浄工程で使用されるウェハチャックをウェハ位置決め用の固定具として使用することもできる。ウェハ洗浄工程のウェハチャックをウェハの検出位置として利用することで、ウェハ処理装置を有効活用し、装置の有効利用率を向上させるだけでなく、検出位置用の治具を別途設置する必要がなくなり、ウェハ搬送手順を省くことができる。ウェハのめっき漏れの有無を確実に検出しながら、ウェハの処理効率を効果的に向上する。
【0024】
S200では、ウェハの検出対象領域を設定する。
【0025】
具体的には、本発明の実施形態では、ウェハの検出対象領域は、ウェハのエッジのシード層上の特定の領域が検出対象領域として選択されるように設定される。さらに、この領域は具体的には、ウェハの周縁からウェハの中心に向かって1.0~2.0mm延長して定義される円形リング領域である。さらに、ウェハの外周からウェハの中心に向かって1.5mm伸びる円形のリング領域である。
【0026】
S300では、画像センサを操作してウェハ上の検出対象領域を検出する。
【0027】
具体的には、画像センサが警報指令を発行するためのグレー値の閾値を事前に設定する。
画像センサは、ウェハの検出対象領域の画像を収集し、対象画像を生成し、対象画像をプロセッサに送信する。
【0028】
画像センサがウェハ上の検出対象領域の画像を収集する過程中、ウェハと画像センサは相対的な回転を維持する。本発明の実施形態では、相対回転過程中のウェハと画像センサとの間の相対回転速度は50rpmを超えない。相対回転速度が速すぎると、画像センサによって収集された対象画像が不鮮明になり、結果の精度に影響する。
【0029】
ウェハの検出対象領域の画像を収集する際、ウェハは静止しており、画像センサがウェハの周囲を回転して検出対象領域の画像を収集する。あるいは、画像センサは固定されており、ウェハチャックはドライバに接続され、ウェハチャックを回転させてウェハを回転させ、その間に画像センサは回転中のウェハの検出対象領域の画像を収集する。あるいは、ウェハと画像センサの両方が同時に移動して相対的な動きを作り出し、検出対象領域の画像を収集する。一例として、本発明の実施形態では、2番目の方法が、検出対象領域の画像収集に用いられる。具体的には、本発明の一実施形態におけるめっき漏れ検出装置の概略図を示す図2を参照されたい。図2に示すように、電解めっきされたウェハ100はウェハチャック200上にピンによって水平に固定され、ウェハチャック200は駆動装置300に接続されている。駆動装置300は、ウェハチャック200を駆動してウェハ100を回転させる。画像センサ400は、ウェハ100の近くに配置され、画像センサ400の角度を調整して、ウェハ100上のさまざまな検出対象領域の画像収集を容易にすることができる。画像センサ400はプロセッサ500に接続される。本発明のこの実施形態では、プロセッサ500はコンピュータである。本実施形態における画像センサ400はカメラである。
【0030】
プロセッサ500は、対象画像を受信し、対象画像に対してグレースケール処理を実行し、対象画像のグレースケール画像を生成し、グレースケール画像のグレー値データ情報を取得し、グレー値データ情報をグレー値閾値と比較し、比較結果を生成する。
【0031】
S400では、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物があるか否かを判定し、判定結果に基づいて対応するフィードバックを提供する。判定結果が、ウェハの検出対象領域内に不要な金属堆積物の存在があり、そのウェハを処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していることを示している場合、警報指令が発行される。判定結果が、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物がなく、そのウェハを処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していないことを示している場合、警報指令は発行されない。
【0032】
判定結果がめっき室にめっき漏れが発生している場合には、警報指令が発行された後、そのウェハを処理しているめっき室の動作状態を要メンテナンス状態に切り替え、めっき対象となるウェハがこのめっき室に入ることを禁止する。
【0033】
一例として、本発明の一実施形態では、前述の電解めっき室のめっき漏れ警告方法を使用して、電解めっきされたウェハ上のSnAgめっき漏れ検出を実行する。まず、SnAg電解めっきが完了したウェハをウェハチャック上に配置する。ウェハの外周からウェハの中心に向かって1.5mmの円形リング領域を、ウェハにSnAgめっき漏れがあるか否かをチェックするための検出対象領域として設定する。次に、カメラを検出対象領域に合わせて調整し、カメラを操作してウェハ上の検出対象領域の画像を収集する。画像収集の過程中、ウェハチャックに接続された駆動装置は、ウェハの回転角度が360°以上になるまで、ウェハチャックを駆動して、ウェハを25rpmの回転速度で回転させる。カメラは収集した対象画像をコンピュータに送信する。コンピュータは、対象画像に対してグレースケール処理を実行し、対象画像のグレースケール画像を生成し、グレースケール画像のグレー値データ情報を取得し、グレー値データ情報をグレー値閾値と比較し、比較結果を生成する。一例として、グレー値閾値の範囲は0~200であり、この実施形態では、グレー値閾値は30に設定されている。グレースケール画像のグレー値がグレー値閾値と比較される。
【0034】
ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物があるか否かを判定し、判定結果に基づいて対応するフィードバックを提供する。対象画像のグレー値がグレー値閾値30以上である場合、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物があると判定され、判定結果がウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物が存在することである場合、そのウェハを処理する電解めっき室でめっき漏れが発生していることを示し、警報指令が発行される。
【0035】
対象画像のグレー値がグレー値閾値30未満の場合、不要な金属堆積物は存在しないと判断される。判定結果が、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物がなく、そのウェハを処理する電解めっき室内でめっき漏れが発生していないことを示している場合、警報指令は発行されない。
【0036】
めっき室内にめっき漏れが発生したとの判定結果が出た場合、警報指令を発行した後、そのウェハを処理しているめっき室の動作状態を要メンテナンス状態に切り替え、めっき処理対象のウェハがそのめっき室に搬入されることを禁止する。
【0037】
本発明はまた、電解めっき室のめっき漏れ警告システムも提供する。図2図3を参照されたい。図2は、本発明の一実施形態におけるめっき漏れ検出装置の概略図である。本実施形態の電解めっき室のめっき漏れ警報システムに対応するめっき漏れ検出装置は図2に示す通りであり、具体的な構造の詳細は図2に示されている。図3は電解めっき室のめっき漏れ警告システムの構造の概略図を示している。図3に示すように、このシステムには以下が含まれる。
電解めっきされたウェハを検出位置に位置決めするために使用されるウェハ位置決め装置。
画像センサを使用してウェハの所定の検出対象領域を検出し、ウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物があるか否かを判定する検出装置。
判定結果がウェハの検出対象領域に不要な金属堆積物が存在することを示した場合に警報指令を発行するために使用される警報装置。
【0038】
本発明は、上記の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、上記の実施形態に記載された技術的解決手段を依然として変更したり、技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができることを理解すべきであり、これらの変更または置き換えは、本発明の実施形態の技術的解決手段の本質および範囲から逸脱するものではない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】