IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特表2024-546151電磁式のアクチュエータ、特に電磁式の切換装置または弁装置
<>
  • 特表-電磁式のアクチュエータ、特に電磁式の切換装置または弁装置 図1A
  • 特表-電磁式のアクチュエータ、特に電磁式の切換装置または弁装置 図1B
  • 特表-電磁式のアクチュエータ、特に電磁式の切換装置または弁装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電磁式のアクチュエータ、特に電磁式の切換装置または弁装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/14 20060101AFI20241210BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01F7/14 F
F16K31/06 305J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535960
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022085901
(87)【国際公開番号】W WO2023111043
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133238.9
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】フリートベアト レーター
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン イェンゼン
【テーマコード(参考)】
3H106
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DA03
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB26
3H106DB33
3H106EE16
3H106GA01
3H106GA13
3H106GA15
3H106KK04
3H106KK22
5E048AA08
5E048AB01
5E048AC02
5E048AD18
5E048CA00
(57)【要約】
電磁式のアクチュエータ(105)には、少なくとも1つのコイルコア(135)と、コイルコア(135)の周りに周方向に配置されたコイル(140)とを有するコイル要素(110)が含まれており、コイルコア(135)は、対称軸線(137)を備えた回転対称な第1の領域(136)であって、コイルコア(135)が周方向にコイル(140)によって取り囲まれている第1の領域(136)と、アーマチュア本体(115)を作動させる移動のためのコイル要素(110)と協働し、片側が支承装置(106)によってアクチュエータ(105)に支承されており、コイル要素(110)を作動させることによって第1の位置(147)から第2の位置(149)に移動可能である、可動のアクチュエータ要素としての、可動の磁気アーマチュア本体(115)と、を有し、支承装置(106)は、コイルコア(135)の対称軸線(137)に対して半径方向に変位されて配置されており、アーマチュア本体(115)は、支承装置(106)から半径方向にコイルコア(135)を介し、コイルコア(135)の第1の側(131)から第2の側(132)に延在している。コイルコア(135)は、第2の領域(138)を有し、第2の領域(138)は、半径方向に第1の領域(136)を越えて延在し,コイルコア(135)の第2の側(132)では、対称軸線(137)の方向に、コイル(140)とアーマチュア本体(115)との間に配置されており、これにより、アーマチュア本体(115)の第1の位置(147)では、コイルコア(135)とアーマチュア本体(115)との間の、対称軸線(137)の方向の空隙(190)が、コイルコアの第2の側(132)において、第1の側(131)よりも小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁式のアクチュエータ(105)であって、
少なくとも1つのコイルコア(135)と、前記コイルコア(135)の周りに周方向に配置されたコイル(140)とを有するコイル要素(110)を有し、前記コイルコア(135)は、対称軸線(137)を備えた回転対称な第1の領域(136)であって、前記コイルコア(135)が周方向に前記コイル(140)によって取り囲まれている第1の領域(136)と、
アーマチュア本体(115)を作動させる移動のための前記コイル要素(110)と協働し、片側が支承装置(106)によって前記アクチュエータ(105)に支承されており、前記コイル要素(110)を作動させることによって第1の位置(147)から第2の位置(149)に移動可能である、可動のアクチュエータ要素としての、可動の磁気アーマチュア本体(115)と、を有し、前記支承装置(106)は、前記コイルコア(135)の前記対称軸線(137)に対して半径方向に変位されて配置されており、前記アーマチュア本体(115)は、前記支承装置(106)から半径方向に前記コイルコア(135)を介し、前記コイルコア(135)の第1の側(131)から第2の側(132)に延在しており、
前記コイルコア(135)は、第2の領域(138)を有し、前記第2の領域(138)は、半径方向に前記第1の領域(136)を越えて延在し、かつ前記コイルコア(135)の前記第2の側(132)では、前記対称軸線(137)の方向に、前記コイル(140)と前記アーマチュア本体(115)との間に配置されており、これにより、前記アーマチュア本体(115)の前記第1の位置(147)では、前記コイルコア(135)とアーマチュア本体(115)との間の、前記対称軸線(137)の方向の空隙(190)が、前記コイルコアの前記第2の側(132)において、前記第1の側(131)よりも小さい、電磁式のアクチュエータ。
【請求項2】
前記コイルコア(135)の前記対称軸線(137)に沿った横断面で見ると、前記コイルコア(135)の前記第2の領域(138)は、前記第1の領域(136)を起点として、段状に延在している、請求項1記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項3】
前記支承装置(106)は、前記コイルコア(135)の半径方向外側に配置されている、請求項1または2記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイル(140)は、前記コイルコア(135)の周りに周方向に配置されているコイル巻線(141)を有し、前記コイルコア(135)は、前記第2の領域(138)において、前記コイルコア(135)の面重心が、前記対称軸線(137)に対して、前記支承装置(106)とは反対方向に変位されるように構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項5】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)が、前記支承装置(106)によって前記アクチュエータに支承されている第1の領域(116)と、前記コイルコア(135)の前記第2の領域(138)上に延在する第2の領域(117)とを有し、
前記アーマチュア本体(115)は、前記第1の領域(116)において、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)における単位長さあたりの磁気抵抗と比べて増大されている単位長さあたりの磁気抵抗を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項6】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)の横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部(118)を前記第1の領域(116)に有する、請求項5記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項7】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)の側に、前記横断面狭隘部(118)に隣接するアーマチュア本体材料の横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部(118)を前記第1の領域(116)に有する、請求項5記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)における厚さ(d2)と比べて減少された、前記アーマチュア本体(115)の厚さ(d1)を有する、請求項6または7記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項9】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記第1の領域(116)におけるアーマチュア本体材料の減少部(119)によって作製される、請求項6から8までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記第1の領域(116)におけるアーマチュア本体材料のノッチ加工、エンボス加工および/または打ち抜き加工(119)によって作製される、請求項6から9までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記支承装置(106)の支承体回転軸線の上に、かつ/または前記支承装置(106)の支承体回転軸線に隣接して位置している、請求項6から10までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項12】
前記アーマチュア本体(115)は、プレート式アーマチュアとして構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項13】
前記アーマチュア本体(115)は、傾動アーマチュアとして構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項14】
前記電磁式のアクチュエータは、電磁式の切換装置または弁装置(100)として構成されており、可動の前記アーマチュア本体(115)は、切換要素もしくは弁要素として構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項15】
電気機械式リレーまたは電磁弁(100)として構成されている、請求項14記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項16】
車両の圧力制御モジュール用の電磁弁(100)として構成されている、請求項15記載の電磁式のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁式のアクチュエータであって、コイルコア、およびコイルコアの周りに半径方向に配置されたコイルを有するコイル要素と、アクチュエータ要素としての、可動の磁気アーマチュア本体であって、アーマチュア本体を作動させる移動のためのコイル要素と協働し、片側が支承装置によってアクチュエータに支承されているアクチュエータ要素と、を備えており、コイル要素を作動させることによって第1の位置から第2の位置に移動可能な電磁式のアクチュエータに関する。
【0002】
このような電磁式のアクチュエータは、例えば、電磁式の切換装置または弁装置のような形態で、例えば電磁リレーまたは電磁弁等の形態で公知である。例えば傾動アーマチュアの形態の電磁弁は、例えば車両において、例えば商用車においてまたは人員輸送のためのバスにおいて、空気の圧力制御のための制御弁として使用される。例えば、電子式サービスブレーキシステムを備えた車両用のブレーキシステムには、圧力制御のための少なくとも1つの制御弁が含まれている。
【0003】
傾動アーマチュア弁の形態の電磁式のアクチュエータは、例えば、独国特許出願公開第102016105532号明細書から公知である。傾動アーマチュア弁は、コイルコアを備えたコイル要素と、コイルコアの周りに周方向に配置されたコイルと、アーマチュアの端面において支承体によって支承されたアーマチュアとを有し、アーマチュアは、特に、コイルに電流を印加することにより、第1の位置から第2の位置に移動可能である。さらに、流体用の出口および入口を備えた弁座が設けられており、出口は、アーマチュアの第1の位置においてシール要素によって流体密に閉鎖可能であり、出口は、アーマチュアの第2の位置において開放される。1つの実施形態によると、コイル要素または傾動アーマチュア弁のハウジングにアーマチュアを押し付けるためのばねが設けられている。
【0004】
さらに、例えば、独国特許出願公開第102014115207号明細書、独国特許出願公開第102018123997号明細書または独国特許発明第102014115206号明細書等に記載されている電磁弁の別の構成も公知である。
【0005】
電磁式のアクチュエータでは、特に切換装置または弁装置、例えば、例示的に挙げた電磁弁の構成等では一般に、プラスの材料/表面比に起因して、ソレノイドコイルと、磁力を増強させる磁心(コイルコア)とが、例えば横断面で見て丸形もしくは円筒形に構成されている。これにより、磁心内での磁束の均一な分布が実現される。しかしながら、公知のコイルコア形状は、磁心からヨークへの磁束の経過がしばしば不均一に延びてしまうことの原因になる。しかし、ヨークアーマチュア磁石(例えば傾動アーマチュア磁石)において使用される際にこのことが意味するのは、作用する磁力の一部が、傾動アーマチュアの支承部の領域においても、またはそれどころか支承体回転軸線の後方においても作用することである。これにより、有効な磁力が減少されてしまうか、またはそれどころか弱められてしまう。
【0006】
本発明の根底にある課題は、アクチュエータ要素を作動させる移動に利用可能な磁力を増大させることを可能にする、冒頭に述べた形式の電磁式のアクチュエータを提供することである。
【0007】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の、冒頭で述べた形式の電磁式のアクチュエータに関する。本発明の有利な実施形態および発展形態は、従属請求項および以下の説明に示されている。
【0008】
本発明の1つの態様は特に、コイル要素を備えた電磁式のアクチュエータであって、コイル要素が、少なくとも1つのコイルコアと、コイルコアの周りに周方向に配置されたコイルとを有し、コイルコアが、対称軸線を備えた回転対称な第1の領域であって、コイルコアがコイルによって周方向に取り囲まれている第1の領域を有する電磁式のアクチュエータに関する。アクチュエータはさらに、可動のアクチュエータ要素として、可動の磁気アーマチュア本体を有し、可動の磁気アーマチュア本体は、アクチュエータ体を作動させる移動のためのコイル要素と協働し、片側が支承装置によってアクチュエータに支承されており、コイル要素を作動させることによって第1の位置から第2の位置に移動可能であり、支承装置は、コイルコアの対称軸線に対して半径方向に変位されて配置されており、アーマチュア本体は、支承装置から半径方向にコイルコアを介し、コイルコアの第1の側から第2の側に延在している。コイルコアはさらに、半径方向に第1の領域を越えて延在しかつコイルコアの第2の側において、対称軸線の方向に、コイルとアーマチュア本体との間に配置されている第2の領域を有し、これにより、アーマチュア本体の第1の位置では、コイルコアとアーマチュア本体との間の、対称軸線の方向の空隙が、コイル要素の第2の側において、第1の側よりもよりも小さい。
【0009】
本発明により、冒頭に述べた形式の電磁式のアクチュエータにおいて、アクチュエータ要素を作動させる移動に利用可能な磁力を増大させることが可能となり、これは、コイルコアとアーマチュア本体(ヨーク)との間の磁気的な経過を所期のように位置決めしかつ構成することにより、一方では支承部の方向への磁束が弱められるのに対し、アーマチュア本体の他方の端部において利用可能な磁力が増大されることによって行われる。このことは、磁力によってアーマチュア本体に作用するトルクであって、支承部から遠い、コイルコアの第2の側において増大されるトルクに対してプラスの影響も有する。
【0010】
コイルコアとアーマチュア本体との間の磁気的な経過の所期のこの位置決めおよび構成により、基本的には、片側で支承されたヨークアーマチュア磁石、例えば、傾動アーマチュア磁気弁装置および切換装置等に関連して、全ての電磁式のアクチュエータにおいて使用することができる。これにより、例えばリレー、ストローク式アーマチュアおよび電磁弁のための駆動部としてのヨークアーマチュア磁石(例えば傾動アーマチュア磁石)により、電磁式のアクチュエータの最適化を達成することができる。
【0011】
電磁式のアクチュエータの1つの実施形態によると、コイルコアの対称軸線に沿った横断面で見て、コイルコアの第2の領域は、第1の領域を起点として段状に延在している。第2の領域における、コイルコアの端面側の幾何学形状には特に、有利には、コイル巻線の外周の近くまでの最大限に可能な直径で付加的な段が設けられる。このような付加的な段により、磁界の磁力線は、増強されて、コイルコアの第2の側の方向に偏向される。このことにより、一方では、アーマチュア本体に作用するトルクが、この箇所において増大され、他方では、生成した磁力の一部によって支承部の負荷が軽減される。有利には,第2の領域におけるコイルコアにより、例えば付加的な段により、コイルコアの周りに周方向に配置されているコイル巻線の半径方向の延在長さの半分よりも多くを覆っている。
【0012】
コイルコアは特に、第2の領域において、コイルコアの面重心が、対称軸線に対して、支承装置とは反対の方向に変位されているように構成されている。
【0013】
1つの実施形態によると、支承装置はコイルコアの半径方向外側に配置されている。
【0014】
電磁式のアクチュエータの1つの実施形態では、アーマチュア本体は、アーマチュア本体が、支承装置によってアクチュエータに支承されている第1の領域と、コイルコアの第2の領域上に延在する第2の領域とを有し、アーマチュア本体は、第1の領域において、アーマチュア本体の第2の領域における単位長さあたりの磁気抵抗と比べて増大されている単位長さあたりの磁気抵抗を有する、ことが特定される。これにより、支承部が位置する、アーマチュア本体の第1の領域における磁気抵抗を増大させることにより、支承部の方向における磁束を付加的に弱めることができ、これによって、支承箇所の負荷をさらに低減することができる。
【0015】
1つの実施形態によると、アーマチュア本体は、アーマチュア本体の第2の領域における横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部を第1の領域に有することが特定される。アーマチュア本体は特に、アーマチュア本体の第2の領域の側に,横断面狭隘部に隣接するアーマチュア本体材料の横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部を第1の領域に有する。このようにして、比較的簡単な作製技術的な手段により、磁気抵抗を増大させることできる。
【0016】
1つの実施形態によると、少なくとも1つの横断面狭隘部は、アーマチュア本体の第2の領域における厚さと比べて減少された、アーマチュア本体の厚さを有する。
【0017】
1つの実施形態によると特に、少なくとも1つの横断面狭隘部は、第1の領域におけるアーマチュア本体材料の1つまたは複数の減少部によって作製される。
【0018】
例えば、少なくとも1つの横断面狭隘部は、第1の領域におけるアーマチュア本体材料のノッチ加工、エンボス加工および/または打ち抜き加工によって作製される。
【0019】
1つの実施形態によると、少なくとも1つの横断面狭隘部は、支承装置の支承体回転軸線の上に、かつ/または支承装置の支承体回転軸線に隣接して位置している。例えば、ノッチは、支承体回転軸線の領域に設けられている。付加的または択一的には、好ましくは支承体の領域における、アーマチュア材料(ヨーク)の所期の減少は、エンボス加工、打抜き加工または切り取り加工によって実現可能である。
【0020】
1つの実施形態によると、アーマチュア本体は、プレート式アーマチュアとして構成されている。アーマチュア本体は有利には、傾動アーマチュアとして構成されている。
【0021】
1つの実施形態によると、電磁式のアクチュエータは、電磁式の切換装置または弁装置として、また可動のアーマチュア本体は、切換要素もしくは弁要素として構成されている。
【0022】
特に、電磁式のアクチュエータは、電気機械式リレーまたは電磁弁、特に傾動アーマチュア弁として構成されている。
【0023】
1つの実施形態によると、電磁式のアクチュエータは、車両の圧力制御モジュール用の電磁弁として構成されている。
【0024】
本明細書で説明した実施形態は、並列して適用されることも、または互いの任意の組み合わせでも適用されることも可能である。
【0025】
以下では、図面に示した図に基づき、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A図2に示したような、本発明に係る電磁式のアクチュエータが、基本方式に従って使用され得る、例示的な傾動アーマチュア弁の概略横断面図を示している。
図1B図2に示したような、本発明に係る電磁式のアクチュエータが、基本方式に従って使用され得る、例示的な傾動アーマチュア弁を示す別の概略横断面図を示している。
図2】例えば、図1に示した傾動アーマチュア弁において使用することができるような、本発明に係る電磁式のアクチュエータの1つの実施形態の概略横断面図を示している。
【0027】
図1には、図1Aおよび図1Bに基づき、図2に示したような、本発明に係る電磁式のアクチュエータが、基本方式に従って使用可能である、1つの実施例による傾動アーマチュア弁100の簡略化された横断面図が示されている。図1は、傾動アーマチュア弁に基づく電磁式のアクチュエータの例示的で実用的な使用を示すものである。コイルコア、アーマチュア本体および別のコンポーネントの本発明による構成は、図2において、1つの実施例にしたがい、詳しく示されており、当業者により、図1に示した傾動アーマチュア弁に基本的に容易に転用されることが可能である。この関連して、当業者には、電磁式のアクチュエータ、例えば、切換要素もしくは弁要素としての、磁界によって移動可能なアーマチュア本体を備えた切換装置または弁装置等の基本的な動作の仕方は、当業者には公知であることを指摘しておく。
【0028】
傾動アーマチュア弁100は、基本的に、独国特許出願公開第102016105532号明細書に示された傾動アーマチュア弁100の1つの実施例であってよい。傾動アーマチュア弁100は、1つの変形実施形態では、上記の明細書の図1において参照符号100が付された電磁弁であってよい。しかしながら、例えば、上で挙げた別の刊行物に記載されているような電磁弁に関連して、別の実施例も考えられる。独国特許出願公開第102016105532号明細書に記載された電磁弁のこれに関する複数の実施形態と、それらのコンポーネントと、それらの使用とは、参照によって本発明の開示の一部でもある。
【0029】
図1Aには、アーマチュアが第1の位置に位置している1つの実施例による傾動アーマチュア弁100の横断面図が示されている。傾動アーマチュア弁100は、コイル要素110と、アーマチュア本体(または略してアーマチュア)115と、ばね120と、シール要素125と、カバーシェル130とを有する。コイル要素110には、少なくとも1つのコイルコア135と、コイルコア135の周りに周方向に配置されたコイル140であって、(明示的に示していない)コイル巻線から成るパケットを備えたコイル140とが含まれている。アーマチュア115の端面は、支承体145によって支承されている。アーマチュア115は、第1の位置147と第2の位置149との間で移動可能である。ここでは、アーマチュア115は、コイル140を作動させた際に第1の位置147から(吸引された)第2の位置149へ移動されるように構成されている。コイル140が作動されると、アーマチュア115を第2の位置149に保持することができる。アーマチュア115の、コイル要素110とは反対側を向いた面にはさらに、シール要素125が配置されている。カバーシェル130には、出口155を備えた弁座150と、流体158のための入口157とが形成されている。ここでは、アーマチュア115が第1の位置147に配置されている場合、出口155は、シール要素125によって流体密に閉鎖可能である。ここでは、シール要素125はさらに、弁座150へのアーマチュア115の衝突を阻止するために、ダンパ要素としても作用してよい。シール要素125はここでは、ゴムコーティングによってアーマチュア115または支持要素に取り付けられていてよい。さらに、弁座150にアーマチュア115もしくはシール要素125が衝突する際に、斜めのノズル、または斜めに成形されたシール要素125、または湾曲したアーマチュア115によって角度が形成されることが考えられる。図1Aに明示していないこのようなノズルは、必ずしも傾動アーマチュア弁100に組み込まれている必要はなく、外部のハウジング部分から提供されてもよい。
【0030】
さらに、弁座150がコイル要素110に配置されていることも考えられるが、このことは、図1Aでは見易くするために明示していない。この場合、アーマチュア115によって出口の開放を伝える操作部が有利である。
【0031】
アーマチュア115は、この実施例では、支承部分162に、少なくとも部分的に丸形の少なくとも1つの隆起部160を有し、隆起部160は有利には、傾動アーマチュア弁100のハウジング170の、隆起部160に対向する部分に配置されている凹部165または開口部に係合する。これにより、凹部におけるアーマチュア115は、コイル140を通る電流フローがスイッチオンされた後、第1の位置147から第2の位置149に移動する際に滑動可能であり、同時に、ハウジング170における固定位置において、もしくはカバーシェル130に対して保持される。凹部は好適には、台形に形成されており、これにより、隆起部が凹部165の上の面を滑動する際には可能限りに小さな摩擦が生じる。凹部165は、例えばプラスチック材料から作製されていてよく、これによって極めて簡単かつ廉価に作製可能である。
【0032】
ばね120は、この実施例では、板ばねとして構成されており、支承部分において、アーマチュア115の、コイル140とは反対側に配置されている。ばね120はここでは、コイル要素110のハウジング170における(例えば台形の)対向シェルもしくは凹部165に、例えばアーマチュア115に圧入される支承体ボールを遊びなく押圧するために用いられる。アーマチュア115は、ばね120によって固定可能であり、これにより、アーマチュア115は、ばね120によってあらかじめ定められた位置に保持される。このことにより、アーマチュア115に一定の予荷重を加えることができ、ばね120がアーマチュア115に作用させる力は、回転軸線に位置する力作用点の可能な限りに近くにおいて、アーマチュア115に加えることができるという利点が得られる。
【0033】
択一的には、コイル要素110にアーマチュア115を吊り下げることも可能である。この場合、例えば板ばねとして形成されるばね120は省略可能である。
【0034】
図1Bには、アーマチュア115が第2の位置149に位置している、傾動アーマチュア弁100の横断面図が示されている。この場合、コイル140を通る電流がスイッチオンされ、アーマチュア115が吸引され、これにより、磁力線180によって示した磁界が形成される。コイル140を通る電流をスイッチオフした際には、例えば、重力、または図示した戻しばねのばね力により、アーマチュア115は、第1の位置147に元のように落下することができる。
【0035】
しかしながら、図1に示したように、円筒形に成形されたコイルコア135のコア形状は、(例示的に磁力線180により図示した)磁束の経過は、磁心からヨークへと不均一に延びてしまう原因となる。しかしながら、図1に示したようなヨークアーマチュア磁石もしくは傾動アーマチュア磁石において使用する場合、このことは、作用する磁力の重要な部分が、アーマチュア115の支承部分162の領域にも作用することを意味する。これにより、シール要素125の側における有効な磁力は、低減されてしまうか、またはそれどころか弱められてしまい、さらに、支承部分162にも付加的に磁力が加えられてしまい、このことは、アクチュエータの多くの構造形態において望ましくない。
【0036】
図2には、例えば、図1に示した傾動アーマチュア弁において使用可能であるような、本発明に係る電磁式のアクチュエータの1つの実施形態の概略横断面図が示されている。図1および図2では、同じ、同じ作用を有するまたは類似のコンポーネントには、同じの参照符号が付されている。
【0037】
図1による傾動アーマチュア弁100とは異なり、図2に示した電磁式のアクチュエータ105は、コイル要素110を有し、このコイル要素110では、コイルコア135は、対称軸線137を備えた回転対称な第1の領域136であって、コイルコア135がコイル140によって周方向に取り囲まれている第1の領域136と、半径方向において第1の領域136を超えて延在する第2の領域であって、すなわち、コイルコア135の少なくとも片側で、第1の領域136の半径方向延在長さを超える半径方向の延在長さを有する第2の領域138とを有する。これにより、第1の領域136では、コイルコアは、図1に示したコイルコア135に類似して、例えば、対称軸線137の周りに円筒形に構成されているのに対し、第2の領域138ではこのようになっていない。
【0038】
これにより、図1とは異なり、本発明によると、対称軸線137に対して非対称な、コイルコア135の第2の領域138が、磁界に非対称な影響を及ぼすために付加的に設けられている。特に、コイルコア135の対称軸線137に沿った横断面で見ると、コイルコア135の第2の領域138は、第1の領域136を起点として、実質的に、回転対称の(円筒形の)領域136の半部において段状に形成されている。第2の領域138はここでは、平面図で見ると、矩形または部分的に丸形、例えば半円形に構成されているか、または別の幾何学形状で構成されていてよく、例えば、平面図で見て、アーマチュア115の(例えば、領域117において丸み付けられているか、または半円形の)幾何学形状に対応する幾何学形状(例えば半円形)で構成されていてもよい。したがって、第2の領域138におけるコイルコア135の、アーマチュア支承部から遠い側には、第1の領域136の円筒形とは異なる付加的な段が設けられ、この段は、有利には、コイル巻線141の外周まで、または外周の近くまで、最大限に可能な直径まで延在している。
【0039】
アーマチュア115は、片側が支承装置106により、アクチュエータ105において支承されている。この実施形態では、支承装置106は、コイルコア135の対称軸線137に対して半径方向に変位されて配置されており、かつアクチュエータ105に固定されており、好適にはコイルコア135の半径方向外側で、もしくはコイルコア135の外周の外側で、コイル要素110辺りに固定されている。アーマチュア115はここでは、支承装置106から半径方向にコイルコア135を介し、コイルコア135の第1の側131から第2の側132に延在している。第2の側132は、第1の側131に対して半径方向において反対側に位置している。
【0040】
アーマチュア115は、図1に基づいて説明したように、コイル要素110を作動させること(コイル140における電流フロー)により、第1の位置147(水平に、または図1Aに示されているようにわずかに斜めに立てかけられていてもよい)から、吸引された第2の位置(図2には示していない、図1Bにおける類似の位置149)に移動させられ、したがって下方にコイル140に吸引される。
【0041】
第1の領域136を超えて半径方向および非対称に延在する、コイルコア135の第2の領域138は、対称軸線137の方向で見て、コイルコア135の第2の側132において、コイル140とアーマチュア115との間に配置されている。これにより、コイルコア135とアーマチュア115との間には、対称軸線137の方向に(したがってコイルコア135の長手方向に)空隙190が形成され、この空隙190は、コイルコア135の第1の側131と第2の側132との間において非対称に構成されている。特に、アーマチュア115の第1の位置147では、コイルコア135とアーマチュア115との間の、対称軸線137の方向の空隙190は、コイルコアの第2の側132において、第1の側131よりも小さい。これにより、第2の側132における磁力線180についての磁気抵抗(Rm)は、第1の側131と比べて小さくなる。すなわち、
Rm=Rm,鉄+Rm,空気
である。
【0042】
「鉄」にはここでは、アーマチュア材料と、コイルコア135およびハウジング170の材料とがまとめられるものとする。これらのコンポーネントは、同じまたは異なる磁気伝導材料から構成されていてよい。
【0043】
磁気抵抗Rmは、磁力線180が貫通しなければならない長さに比例するため、第2の側132におけるRm,空気は、第2の領域138におけるコイルコア135の段により、また結果的に減少する空隙190により、空隙190が比較において格段に大きい第1の側131よりも格段に小さい。
【0044】
したがって、第2の領域138におけるこのような付加的な段により、磁界の磁力線180は、コイルコア135の第2の側132の方向へ増強されて偏向され、このことにより、一方では、アーマチュア115に作用するトルクが、この箇所において増大し、他方では、発生した磁力の一部によって支承装置106の負荷が軽減される。有利には、第2の領域138におけるコイルコア135により、すなわち、図示した付加的な段により、コイルコア135の周りに周方向に配置されているコイル巻線141の半径方向の延在長さの半分よりも多くが覆われる。基本的には、コイルコア135の付加的な段またはヘッドは、第2の領域138において、ハウジング170まで、またはハウジング170の近くまで構成されてよい。しかしながら、コイル巻線141の半径方向領域に入り込む、段の半径方向の延在長さが、より短くても、すでに磁力線分布を改善させることができる。有利には、コイルコア135は、第2の領域138において、コイルコア135の面重心が、対称軸線137に対して、支承装置106とは反対方向に変位されるように構成されている。
【0045】
これにより、本発明によると、一方では、支承装置106の方向の磁束が、より大きい空隙190によって弱められるのに対し、アーマチュア115の反対側において利用可能の磁力が増大されるように、コイルコア135とアーマチュア115との間の磁気の経過を構成することにより、アーマチュア115を作動させる移動に利用可能な磁力を増大させることが可能となる。このことはまた、磁力によってアーマチュア115に作用するトルクにプラスの影響を及ぼし、ここで、このトルクは、支承装置106から遠い、コイルコア135の第2の側132において増大される。というのは、磁力線180、ひいては力の中心点が、第2の側132の方向に、アーマチュア115のより大きな半径に変位されるからである。このことは、支承装置106に付加的に作用する磁力が低減されるというプラスの作用も有する。
【0046】
コイルコア135の第2の側132の方向への磁力線180の変位は、増強することができ、ここでこの増強は、アーマチュア115が、第1の領域116において、アーマチュア115の第2の領域117における単位長さあたりの磁気抵抗と比べて増大されている単位長さあたりの磁気抵抗を有することによって行われる。第1の領域116では、アーマチュア115は、支承装置106によってアクチュエータ105に支承されており、第2の領域117では、アーマチュア115は、コイルコア135の第2の領域138の上に延在している。したがって、支承体の近くにおける単位長さあたりの磁気抵抗は、コイルコア135の段の領域よりも高い。このようにすることによっても、第2の側132の方向の磁力線180をアーマチュア115のより大きな半径に変位させることができる。
【0047】
アーマチュア115の第1の領域116において、アーマチュア115の第2の領域117における横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部118を設けることにより、長さ単位当たりの磁気抵抗を増大させることができる。磁気抵抗Rmは、磁力線180が貫通しなければならないアーマチュア材料の横断面積に反比例するため、横断面狭隘部118により、アーマチュア115の第1の領域116における長さ単位当たりのRm,鉄は、第2の領域117よりも高い。さらに、図2に示したように、横断面狭隘部118を変位させて配置することにより、このようにして生じた湾曲によって、磁力線180が走行すべき経路を延ばすことができ、このことも、走行すべき長さに比例する磁気抵抗を増大させる。
【0048】
図2に示したように、横断面狭隘部118では、アーマチュア115のそれぞれの横断面が、第2の領域117の側の、横断面狭隘部118に隣接するアーマチュア本体材料の横断面と比べて減少されている。
【0049】
図2による実施形態では、横断面狭隘部118は、アーマチュア115の第2の領域117における厚さd2と比べて、(対称軸線137の方向に)アーマチュア115のより薄い厚さd1を有する。
【0050】
横断面狭隘部118は、第1の領域116におけるアーマチュア本体材料の(図2において符号119で示した)減少部によって作製可能である。(例えば、くり抜き、後退または凹みの形態の)減少部119は、例えば、アーマチュア本体材料のノッチ加工、エンボス加工および/または打ち抜き加工によって作製される。図2に示したように、横断面狭隘部118は有利には、支承装置106の支承体回転軸線の上に、かつ/または支承装置106の支承体回転軸線に隣接して配置される。
【0051】
これにより、磁心とアーマチュア(ヨーク)との間の磁気的な経過を所期のように位置決めして構成することにより、磁束は有利には支承部の方向に減衰される。さらに、利用可能な磁力を増大させ、結果として生じる低い支承摩擦で、支承反力を減少させることができる。
【0052】
図示した実施形態では、アーマチュア115は、図1による実施形態と同様に、例えば図1に示した傾動アーマチュア弁100に使用されているように、プレート式アーマチュアとして形成されている。アーマチュア115は、片側で、この実施例では端面において、支承装置106によってアクチュエータ105、例えば傾動アーマチュア弁100に固定されて支承されており、図1を参照して説明したように、コイル140の作動により、第1の位置と第2の位置との間で移動される。コイルコア135の対称軸線137に垂直な支承体回転軸線を有する支承装置106は、図2では、図1の支承部分162および支承体145とは異なって示されており、単に概略的にアーマチュア115の片側の支承を示そうとするものである。支承には、様々な機構、例えば図1の機構、または上で挙げた刊行物の別の機構が使用可能である。
【0053】
図2に示したアクチュエータ105は、傾動アーマチュア弁100の形態の電磁弁に関連して、図1の概説において説明した。これに対し、電磁式の切換装置に、例えばリレーに使用する場合には、図2に示したアーマチュア115は、例えば、弁開口部と類似して電気コンタクトを閉じるまたは開く電気切換要素として使用可能である。コイルコア135およびアーマチュア115の構成による、磁界再配置の説明した方式は、基本的に、上位概念記載の全ての電磁アーマチュア弁装置および切換装置において使用可能である。
【符号の説明】
【0054】
100 傾動アーマチュア弁
105 電磁式のアクチュエータ
106 支承装置
110 コイル要素
115 アーマチュア本体
116 第1の領域
117 第2の領域
118 横断面狭隘部
119 減少部
120 ばね
125 シール要素
130 ハウジング部分
131 第1の側
132 第2の側
135 コイルコア
136 第1の領域
137 対称軸線
138 第2の領域
140 コイル
141 コイル巻線
145 支承体
147 第1の位置
149 第2の位置
150 弁座
155 出口
157 入口
158 流体
160 隆起部
162 支承部分
165 凹部
170 ハウジング
180 磁力線
図1A
図1B
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁式のアクチュエータ(105)であって、
少なくとも1つのコイルコア(135)と、前記コイルコア(135)の周りに周方向に配置されたコイル(140)とを有するコイル要素(110)を有し、前記コイルコア(135)は、対称軸線(137)を備えた回転対称な第1の領域(136)であって、前記コイルコア(135)が周方向に前記コイル(140)によって取り囲まれている第1の領域(136)と、
アーマチュア本体(115)を作動させる移動のための前記コイル要素(110)と協働し、片側が支承装置(106)によって前記アクチュエータ(105)に支承されており、前記コイル要素(110)を作動させることによって第1の位置(147)から第2の位置(149)に移動可能である、可動のアクチュエータ要素としての、可動の磁気アーマチュア本体(115)と、を有し、前記支承装置(106)は、前記コイルコア(135)の前記対称軸線(137)に対して半径方向に変位されて配置されており、前記アーマチュア本体(115)は、前記支承装置(106)から半径方向に前記コイルコア(135)を介し、前記コイルコア(135)の第1の側(131)から第2の側(132)に延在しており、
前記コイルコア(135)は、第2の領域(138)を有し、前記第2の領域(138)は、半径方向に前記第1の領域(136)を越えて延在し、かつ前記コイルコア(135)の前記第2の側(132)では、前記対称軸線(137)の方向に、前記コイル(140)と前記アーマチュア本体(115)との間に配置されており、これにより、前記アーマチュア本体(115)の前記第1の位置(147)では、前記コイルコア(135)とアーマチュア本体(115)との間の、前記対称軸線(137)の方向の空隙(190)が、前記コイルコアの前記第2の側(132)において、前記第1の側(131)よりも小さい、電磁式のアクチュエータ。
【請求項2】
前記コイルコア(135)の前記対称軸線(137)に沿った横断面で見ると、前記コイルコア(135)の前記第2の領域(138)は、前記第1の領域(136)を起点として、段状に延在している、請求項1記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項3】
前記支承装置(106)は、前記コイルコア(135)の半径方向外側に配置されている、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイル(140)は、前記コイルコア(135)の周りに周方向に配置されているコイル巻線(141)を有し、前記コイルコア(135)は、前記第2の領域(138)において、前記コイルコア(135)の面重心が、前記対称軸線(137)に対して、前記支承装置(106)とは反対方向に変位されるように構成されている、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項5】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)が、前記支承装置(106)によって前記アクチュエータに支承されている第1の領域(116)と、前記コイルコア(135)の前記第2の領域(138)上に延在する第2の領域(117)とを有し、
前記アーマチュア本体(115)は、前記第1の領域(116)において、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)における単位長さあたりの磁気抵抗と比べて増大されている単位長さあたりの磁気抵抗を有する、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項6】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)の横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部(118)を前記第1の領域(116)に有する、請求項5記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項7】
前記アーマチュア本体(115)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)の側に、前記横断面狭隘部(118)に隣接するアーマチュア本体材料の横断面と比べて狭隘された少なくとも1つの横断面狭隘部(118)を前記第1の領域(116)に有する、請求項5記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記アーマチュア本体(115)の前記第2の領域(117)における厚さ(d2)と比べて減少された、前記アーマチュア本体(115)の厚さ(d1)を有する、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項9】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記第1の領域(116)におけるアーマチュア本体材料の減少部(119)によって作製される、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記第1の領域(116)におけるアーマチュア本体材料のノッチ加工、エンボス加工および/または打ち抜き加工(119)によって作製される、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記横断面狭隘部(118)は、前記支承装置(106)の支承体回転軸線の上に、かつ/または前記支承装置(106)の支承体回転軸線に隣接して位置している、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項12】
前記アーマチュア本体(115)は、プレート式アーマチュアとして構成されている、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項13】
前記アーマチュア本体(115)は、傾動アーマチュアとして構成されている、請求項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項14】
前記電磁式のアクチュエータは、電磁式の切換装置または弁装置(100)として構成されており、可動の前記アーマチュア本体(115)は、切換要素もしくは弁要素として構成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項15】
電気機械式リレーまたは電磁弁(100)として構成されている、請求項14記載の電磁式のアクチュエータ。
【請求項16】
車両の圧力制御モジュール用の電磁弁(100)として構成されている、請求項15記載の電磁式のアクチュエータ。
【国際調査報告】