(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】活動センサー装置を有する昆虫幼虫飼育装置
(51)【国際特許分類】
A01K 67/033 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A01K67/033 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538367
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 EP2022087375
(87)【国際公開番号】W WO2023118386
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021134239.2
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524236839
【氏名又は名称】ファームインセクト・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング・ヴェスターマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・キューン
(57)【要約】
本発明は、昆虫幼虫飼育装置(78)、特にアメリカミズアブの昆虫幼虫のための飼育装置に関し、肥育のための第1の昆虫幼虫コホートと、活動センサー装置(54)と、処理ユニット(80)とを収容するように構成された第1の昆虫肥育容器(6.1)を備える。活動センサー装置(54)は、昆虫肥育容器湿度測定点(58)において湿度測定値を検出し、前記値を前記処理ユニット(80)に提供するように構成され、昆虫肥育容器湿度測定点(58)は、昆虫肥育容器(6.1)の中心セクション(82)にある。活動センサー装置(54)は、昆虫肥育容器温度測定点(56)において温度測定値を検出し、前記値を処理ユニット(80)に提供するようにさらに構成され、昆虫肥育容器温度測定点(56)は、第1の昆虫肥育容器(6.1)の中心部分(82)にある。処理ユニット(80)は、測定湿度値および測定温度値を処理し、処理結果に基づき昆虫幼虫の活動を決定するように設計される。本発明は、方法およびコンピュータプログラムにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫幼虫飼育装置(78)、特にアメリカミズアブの幼虫の飼育装置であって、
肥育のための昆虫幼虫の第1のコホートを収容するように構成された第1の昆虫肥育容器(6.1)と、
活動センサー装置(54)と、
処理ユニット(80)と、を備え、
前記活動センサー装置(54)は、少なくとも1つの第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)において少なくとも1つの第1の湿度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)は、前記第1の昆虫肥育容器(6.1)の中心部分(82)に配設され、
前記活動センサー装置(54)は、少なくとも1つの第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)において少なくとも1つの第1の温度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)は、前記第1の昆虫肥育容器(6.1)の前記中心部分(82)に配設され、
前記処理ユニット(80)は、前記検出された第1の湿度測定値および前記検出された第1の温度測定値を処理し、前記処理結果に基づき前記昆虫幼虫の活動を決定するように設計される、昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項2】
前記活動センサー装置(54)は、第2の昆虫肥育容器湿度測定点(84)において少なくとも1つの第2の湿度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点(84)は、前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)から横方向に離間して配設され、
前記活動センサー装置(54)は、第2の昆虫肥育容器温度測定点(88)において少なくとも1つの第2の温度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器温度測定点(88)は、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)から横方向に離間して配設される、請求項1に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項3】
前記活動センサー装置(54)は、第3の昆虫肥育容器湿度測定点(86)において少なくとも1つの第3の湿度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第3の昆虫肥育容器湿度測定点(86)は、前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)および前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点(84)の両方から横方向に離間して配設され、
前記活動センサー装置(54)は、第3の昆虫肥育容器温度測定点(90)において少なくとも1つの第3の温度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第3の昆虫肥育容器温度測定点(90)は、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)および前記第2の昆虫肥育容器温度測定点(88)の両方から横方向に離間して配設される、請求項2に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項4】
前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)は、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)に隣接して配設され、前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点(84)は、前記第2の昆虫肥育容器温度測定点(88)に隣接して配設され、および/または前記第3の昆虫肥育容器湿度測定点(86)は、前記第3の昆虫肥育容器温度測定点(90)に隣接して配設される、請求項1から3のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項5】
第1の湿度センサー(92.1)が、前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点(58)に配設され、第2の湿度センサー(92.2)が、前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点(84)に配設され、および/または第3の湿度センサー(92.3)が、前記第3の昆虫肥育容器湿度測定点(86)に配設される、請求項1から4のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項6】
第1の温度センサー(94.1)が、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点(56)に配設され、第2の温度センサー(94.2)が、前記第2の昆虫肥育容器温度測定点(88)に配設され、および/または第3の温度センサー(94.3)が、前記第3の昆虫肥育容器温度測定点(90)に配設される、請求項1から5のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項7】
肥育のための第2の昆虫幼虫コホートを収容するように構成された第2の昆虫肥育容器(6.2)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項8】
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の少なくとも1つの第1の昆虫肥育容器湿度測定点において少なくとも1つの第1の湿度測定値を検出し、前記値を前記処理ユニット(80)に提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の中心部分に配設され、
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の少なくとも1つの第1の昆虫肥育容器温度測定点において少なくとも1つの第1の温度測定値を検出し、前記値を前記処理ユニット(80)に提供するように構成され、前記第1の昆虫肥育容器温度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記中心部分に配設され、
前記処理ユニット(80)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記検出された第1の湿度測定値および前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記検出された第1の温度測定値を処理し、前記処理結果に基づき前記第2の昆虫肥育容器(6.2)内の前記昆虫幼虫の活動を決定するように設計される、請求項7に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項9】
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の第2の昆虫肥育容器湿度測定点において少なくとも1つの第2の湿度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点から横方向に離間して配設され、
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の第2の昆虫肥育容器温度測定点において少なくとも1つの第2の温度測定値を検出し、前記値を前記処理ユニット(80)に提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第2の昆虫肥育容器温度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第1の昆虫肥育容器温度測定点から横方向に離間して配設される、請求項8に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項10】
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の第3の昆虫肥育容器湿度測定点において少なくとも1つの第3の湿度測定値を検出し、前記処理ユニット(80)にそれを提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第3の昆虫肥育容器湿度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第1の昆虫肥育容器湿度測定点および前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第2の昆虫肥育容器湿度測定点の両方から横方向に離間して配設され、
前記活動センサー装置(54)は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の第3の昆虫肥育容器温度測定点において少なくとも1つの第3の温度測定値を検出し、前記値を前記処理ユニット(80)に提供するように構成され、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第3の昆虫肥育容器温度測定点は、前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第1の昆虫肥育容器温度測定点および前記第2の昆虫肥育容器(6.2)の前記第2の昆虫肥育容器温度測定点の両方から横方向に離間して配設される、請求項9に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)。
【請求項11】
好ましくは請求項1から10のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)を用いて、昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)であって、
- 肥育フェーズの開始時に前記第1の昆虫肥育容器(6.1)に、肥育基材を添加して昆虫幼虫を充填するステップ(SI)と、
- 第1の時刻t1に前記処理ユニット(80)を用いて前記検出された第1の湿度測定値および前記検出された第1の温度測定値を処理するステップ(SII.1)であって、
- A1)時刻t1における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t1における第1の湿度参照値と比較し、時刻t1における前記検出された第1の温度測定値を時刻t1における第1の温度参照値と比較するステップと、
- B1)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t1において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C1)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t1において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D1)時刻t1における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t1において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E1)時刻t1における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t1における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F1)時刻t1における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t1における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t1における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G1)時刻t1における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t1における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t1における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H1)時刻t1における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t1において出力するステップと、
を含む、ステップ(SII.1)と、
を含む、方法(300)。
【請求項12】
前記第1の時刻t1において前記処理ユニット(80)を用いて、検出された第2の湿度測定値および検出された第2の温度測定値を処理するステップ(SII.1)を含み、
前記ステップA1)は、
- 時刻t1における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t1における第2の湿度参照値と比較し、時刻t1における前記検出された第2の温度測定値を時刻t1における第2の温度参照値と比較するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項13】
前記第1の時刻t1において前記処理ユニット(80)を用いて、検出された第3の湿度測定値および検出された第3の温度測定値を処理するステップ(SII.1)を含み、
前記ステップA1)は、
- 時刻t1における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t1における第3の湿度参照値と比較し、時刻t1における前記検出された第3の温度測定値を時刻t1における第3の温度参照値と比較するステップ
をさらに含む、請求項12に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項14】
第2の時刻t2(SII.2)、第3の時刻t3(SII.3)、第4の時刻t4(SII.4)、第5の時刻t5(SII.5)、第6の時刻t6(SII.6)、および/または第7の時刻t7(SII.7)において前記処理ユニット(80)を用いて前記検出された第1、第2、および/または第3の湿度測定値ならびに前記検出された第1、第2、および/または第3の温度測定値を処理するステップであって、
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の時間期間が、時刻t1から時刻t2の間にあり、
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間が、時刻t2から時刻t3の間にあり、
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間が、時刻t3から時刻t4の間にあり、
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間が、時刻t4から時刻t5の間にあり、
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間が、時刻t5から時刻t6の間にあり、および/または
1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間が、時刻t6から時刻t7の間にあり、
- A2)時刻t2における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t2における第1の湿度参照値と比較し、時刻t2における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t2における第2の湿度参照値と比較し、時刻t2における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t2における第3の湿度参照値と比較し、時刻t2における前記検出された第1の温度測定値を時刻t2における第1の温度参照値と比較し、時刻t2における前記検出された第2の温度測定値を時刻t2における第2の温度参照値と比較し、時刻t2における前記検出された第3の温度測定値を時刻t2における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B2)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t2において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C2)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t2において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D2)時刻t2における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t2において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが識別された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E2)時刻t2における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t2における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F2)時刻t2における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t2における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t2における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G2)時刻t2における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t2における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t2における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H2)時刻t2における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t2において出力するステップと、
- A3)時刻t3における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t3における第1の湿度参照値と比較し、時刻t3における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t3における第2の湿度参照値と比較し、時刻t3における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t3における第3の湿度参照値と比較し、時刻t3における前記検出された第1の温度測定値を時刻t3における第1の温度参照値と比較し、時刻t3における前記検出された第2の温度測定値を時刻t3における第2の温度参照値と比較し、時刻t3における前記検出された第3の温度測定値を時刻t3における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B3)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t3において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C3)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t3において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D3)時刻t3における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t3において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E3)時刻t3における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t3における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F3)時刻t3における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t3における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t3における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G3)時刻t3における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t3における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t3における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H3)時刻t3における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t3において出力するステップと、
- A4)時刻t4における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t4における第1の湿度参照値と比較し、時刻t4における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t4における第2の湿度参照値と比較し、時刻t4における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t4における第3の湿度参照値と比較し、時刻t4における前記検出された第1の温度測定値を時刻t4における第1の温度参照値と比較し、時刻t4における前記検出された第2の温度測定値を時刻t4における第2の温度参照値と比較し、時刻t4における前記検出された第3の温度測定値を時刻t4における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B4)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t4において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C4)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t4において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D4)時刻t4における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t4において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E4)時刻t4における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t4における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F4)時刻t4における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t4における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t4における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G4)時刻t4における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t4における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t4における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H4)時刻t4における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t4において出力するステップと、
- A5)時刻t5における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t5における第1の湿度参照値と比較し、時刻t5における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t5における第2の湿度参照値と比較し、時刻t5における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t5における第3の湿度参照値と比較し、時刻t5における前記検出された第1の温度測定値を時刻t5における第1の温度参照値と比較し、時刻t5における前記検出された第2の温度測定値を時刻t5における第2の温度参照値と比較し、時刻t5における前記検出された第3の温度測定値を時刻t5における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B5)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t5において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C5)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t5において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D5)時刻t5における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t5において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E5)時刻t5における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t5における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F5)時刻t5における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t5における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t5における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G5)時刻t5における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t5における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t5における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H5)時刻t5における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t5において出力するステップと、
- A6)時刻t6における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t6における第1の湿度参照値と比較し、時刻t6における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t6における第2の湿度参照値と比較し、時刻t6における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t6における第3の湿度参照値と比較し、時刻t6における前記検出された第1の温度測定値を時刻t6における第1の温度参照値と比較し、時刻t6における前記検出された第2の温度測定値を時刻t6における第2の温度参照値と比較し、時刻t6における前記検出された第3の温度測定値を時刻t6における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B6)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t6において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C6)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t6において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D6)時刻t6における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t6において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E6)時刻t6における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t6における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F6)時刻t6における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t6における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t6における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G6)時刻t6における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t6における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t6における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H6)時刻t6における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t6において出力するステップと、および/または
- A7)時刻t7における前記検出された第1の湿度測定値を時刻t7における第1の湿度参照値と比較し、時刻t7における前記検出された第2の湿度測定値を時刻t7における第2の湿度参照値と比較し、時刻t7における前記検出された第3の湿度測定値を時刻t7における第3の湿度参照値と比較し、時刻t7における前記検出された第1の温度測定値を時刻t7における第1の温度参照値と比較し、時刻t7における前記検出された第2の温度測定値を時刻t7における第2の温度参照値と比較し、時刻t7における前記検出された第3の温度測定値を時刻t7における第3の温度参照値と比較するステップと、
- B7)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を下回った場合に時刻t7において参照値のアンダーシュートを決定するステップと、
- C7)前記検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの前記参照値を超えた場合に時刻t7において参照値のオーバーシュートを決定するステップと、
- D7)時刻t7における前記昆虫幼虫のクラスター形成を、時刻t7において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に前記湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において決定するステップと、
- E7)時刻t7における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成を、時刻t7における前記昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較するステップと、
- F7)時刻t7における前記昆虫幼虫の規則的な活動を、時刻t7における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t7における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成に対応する場合に決定するステップと、
- G7)時刻t7における前記昆虫幼虫の不規則な活動を、時刻t7における前記昆虫幼虫の前記決定されたクラスター形成が時刻t7における前記昆虫幼虫の前記参照クラスター形成から逸脱する場合に決定するステップと、
- H7)時刻t7における前記昆虫幼虫の前記決定された活動に応じて発育状況信号を時刻t7において出力するステップと、を含む、ステップと、
をさらに含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項15】
- 前記発育状況信号が前記昆虫幼虫の規則的な活動を示す場合に前記肥育フェーズを継続するステップ
をさらに含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項16】
- 前記発育状況信号が前記昆虫幼虫の不規則な活動を示す場合に前記肥育フェーズを中断するステップ
をさらに含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項17】
- 時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、および/またはt7における第1、第2、および/または第3の温度測定値に基づき平均温度を決定するステップ、
前記決定された平均温度および所定の湿度に基づき肥育基材蒸発率を決定するステップ、および/または
前記決定された肥育基材蒸発量に基づき前記肥育基材の乾物含量を決定するステップ、
をさらに含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の昆虫幼虫の活動を決定するための方法(300)。
【請求項18】
請求項1から10のいずれか一項に記載の昆虫幼虫飼育装置(78)の処理ユニット上で実行されたときに、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法を前記処理ユニット(80)に実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫幼虫飼育装置(insect larvae rearing device)に関し、特にアメリカミズアブの幼虫のための飼育装置に関する。
【背景技術】
【0002】
畜産業向けの、および世界人口の増加に伴う、タンパク質の需要増大に対して、代替タンパク源が必要となる。昆虫幼虫は、タンパク質含有量が高く、有機性廃棄物を飼料とすることができ、飼育する上で、従来のタンパク質源に比べて著しく気候に優しい。したがって、昆虫幼虫は、魚粉などの、タンパク質が豊富な畜産用飼料を補うか、または完全に置き換えるのに適している。
【0003】
家畜に代替タンパク源を供給することに加えて、畜産農家は、昆虫幼虫を使用することによってそれら自らの有機廃棄物を利用する機会も有する。したがって、飼育の大部分を農家の敷地内で直接的に行うことは理にかなっており、農家は、昆虫幼虫から、タンパク質が豊富な飼料の形態だけでなく、自然の廃棄物処理機構の形態でも利益を得ることができる。
【0004】
これまで、昆虫幼虫の飼育は、大半が手作業で行われてきた。飼育とは、ここでは、特に卵から幼虫を取り出すことを意味すると理解される。孵化率が高いこと、健康な幼虫が大量にあること、次いでこれらが動物飼料に加工できることが、常に望ましい。いくつかの場合において、幼虫の状態を評価するために幼虫監視機能が設置される。幼虫の状態を評価することから、最適な収穫時期に関する結論が引き出され、給餌または昆虫幼虫飼育施設内の環境の調整などの、活動に対する推奨事項が導き出され得る。
【0005】
分散化が高まる中、収穫高を最適化し、昆虫幼虫から取得される動物飼料の改善された飼料品質を達成するために、システムによる幼虫状態の評価をサポートすることが望ましい。
【0006】
たとえば、特許文献1に記載のモジュール式システムは、幼虫の遠隔監視を可能にするセンサーおよびカメラを備える。カメラおよびBluetooth対応熱電対が、各々飼育トレイ内に配設され、それによって、カメラは、幼虫の状態を視覚的に評価するように構成され、熱電対は、昆虫幼虫の温度を測定するように構成される。この解決法の主な欠点は、機器のセットアップが複雑であること、および幼虫の状態が依然として視覚的に評価されるという事実にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、幼虫の状態を評価するための昆虫幼虫の活動の評価に関して改善された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、上で述べたタイプの昆虫幼虫飼育装置において、肥育のための第1の昆虫幼虫コホート(insect larvae cohort)を収容するように構成された第1の昆虫肥育容器と、活動センサー装置と、処理ユニットとによって達成される。活動センサー装置は、少なくとも1つの第1の湿度測定点において少なくとも1つの第1の湿度測定値を検出し、処理ユニットにそれを提供するように構成される。第1の湿度測定点は、好ましくは、昆虫肥育容器の中心部分に配設される。
【0010】
それに加えて、活動センサー装置は、少なくとも1つの第1の温度測定点において少なくとも1つの第1の温度測定値を検出し、処理ユニットにそれを提供するように構成される。第1の温度測定点は、好ましくは、昆虫肥育容器の中心部分に配設される。
【0011】
処理ユニットは、検出された第1の湿度測定値および検出された第1の温度測定値を処理し、処理結果に基づき昆虫幼虫の活動を決定するように設計される。
【0012】
第1の昆虫肥育容器内の昆虫幼虫コホートの活動は、発育段階が進むにつれて高まる。第1の昆虫肥育容器内の第1の昆虫幼虫コホートの分布は、昆虫幼虫コホートの活動、ひいては発育状態に依存する。観察を繰り返し行ったところ、アメリカミズアブの幼虫は、肥育プロセスの開始時に昆虫肥育容器内で本質的に均等に分布し、活動が高まるにつれて昆虫肥育容器の中心部分に群がり、その後昆虫肥育容器の縁にも群がることがわかった。長方形の底面を有する立方形の昆虫肥育容器の場合、昆虫幼虫は昆虫肥育容器のコーナーに好んで群がる。その結果、昆虫幼虫の発育中の異なる時期に、昆虫肥育容器の特定のセクションが、昆虫幼虫によって占有されるか、または占有されない。活動センサー装置は、昆虫幼虫コホートの活動を、好ましくは光学的検出なしに決定する。これは、活動センサー装置が、好ましくは、光学的検出のための光学センサー、カメラ、または類似の装置を有していないことを意味している。
【0013】
本発明による活動センサー装置および1つまたは複数の測定点の関連付けられた配置構成を用いて、昆虫肥育容器の関連するセクションが、活動決定を目的として測定され得、その結果、昆虫幼虫コホートの活動を決定することが可能である。測定値は、好ましくは、昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。好ましくは、活動センサー装置を用いてさらなる温度および/または湿度測定点を検出することも可能である。測定値に基づき、昆虫肥育容器内の昆虫幼虫の位置が決定される。
【0014】
特に好ましい改良では、活動センサー装置は、第2の湿度測定点における少なくとも1つの第2の湿度測定値および/または第3の湿度測定点における少なくとも1つの第3の湿度測定値を検出し、これらを処理ユニットに提供するように構成される。第2の湿度測定点は、好ましくは、第1の湿度測定点から横方向に離間され、第3の湿度測定点は、好ましくは、第1の湿度測定点および第2の湿度測定点の両方から横方向に離間される。
【0015】
活動センサー装置は、また、好ましくは、第2の温度測定点における少なくとも1つの第2の温度測定値および/または第3の温度測定点における少なくとも1つの第3の温度測定値を検出し、処理ユニットに提供するように構成される。第2の温度測定点は、好ましくは、第1の温度測定点から横方向に離間され、第3の温度測定点は、好ましくは、第1の温度測定点および第2の温度測定点の両方から横方向に離間される。
【0016】
活動センサー装置のこの好ましい配置構成を用いて、幼虫の活動を決定することを目的として昆虫肥育容器の関連するセクションをより良好に測定することが可能である。測定点の横方向に間隔をおく位置決めは、昆虫幼虫が昆虫肥育容器内に確実に配置され得ることを意味する。
【0017】
好ましい改良において、第2の湿度測定点は、第1の昆虫肥育容器の側壁上または側壁に隣接して配設される。第2の温度測定点は、好ましくは、第1の昆虫肥育容器の側壁上または側壁に隣接して配設される。第3の湿度測定点は、第1の昆虫肥育容器の縁、特に好ましくはコーナーに配設されることが好ましい。第3の温度測定点も、好ましくは、第1の昆虫肥育容器の縁、特に好ましくはコーナーに配設される。第1の昆虫肥育容器の中心部分に、側壁およびコーナーに、ならびに/またはそれらに隣接して測定点を位置決めすることによって、昆虫幼虫は、第1の昆虫肥育容器のこれらのセクションにおいて特に確実に配置され得る。これらは、繰り返される観察によって示されているように、昆虫幼虫が肥育プロセス中に群がる第1の昆虫肥育容器のセクションでもある。さらなる湿度測定点および/または温度測定点が、第1の昆虫肥育容器内に配設されることが好ましい。さらなる湿度測定点および/または温度測定点は、好ましくは、昆虫肥育容器の側壁および/またはコーナーに、またはそれらに隣接して配設される。好ましい改良において、湿度測定点および/または温度測定点は、昆虫肥育容器のすべての側壁に配設される。好ましい改良において、湿度測定点および/または温度測定点は、昆虫肥育容器のすべてのコーナーに配設される。
【0018】
第1の湿度測定点は第1の温度測定点に隣接して配設され、第2の湿度測定点は第2の温度測定点に隣接して配設され、および/または第3の湿度測定点は第3の温度測定点に隣接して配設されることが好ましい。この実施形態では、温度測定値および湿度測定値は両方とも、活動を決定することに関連するセクションにおいて検出される。
【0019】
好ましくは、第1の湿度センサーが第1の湿度測定点に配設され、第2の湿度センサーが第2の湿度測定点に配設され、および/または第3の湿度センサーが第3の湿度測定点に配設される。第1、第2、および/または第3の湿度センサーは、静電容量式湿度センサーであることが特に好ましい。
【0020】
好ましい改良において、第1の温度センサーが第1の温度測定点に配設され、第2の温度センサーが第2の温度測定点に配設され、および/または第3の温度センサーが第3の温度測定点に配設される。
【0021】
昆虫幼虫飼育装置は、肥育のための第2の昆虫幼虫コホートを収容するように構成された第2の昆虫肥育容器を備えることがさらに好ましい。この実施形態において、活動センサー装置が、第1の昆虫肥育容器内の測定値の検出に類似する方式で測定値を検出することが好ましい。それに加えて、さらなる昆虫幼虫コホートを肥育のために収容するように構成されている、さらなる昆虫肥育容器には、類似の測定装置が設けられ得る。第1、第2、および他の昆虫肥育容器内の測定値に関する位置決めについては、第1の昆虫肥育容器に関する上記の説明を参照されたい。
【0022】
第1、第2、および任意選択のさらなる昆虫肥育容器は、昆虫幼虫飼育装置内で、たとえば、垂直方向に互いの上に配設されるだけでなく、水平方向に互いに隣り合って、または垂直方向および水平方向の両方の方向に互いに隣り合って配設される。これは、昆虫幼虫飼育装置が、環境から孤立した飼育区域を有する場合に有利であり、そこでは、第1、第2、および他の昆虫肥育容器は、その領域内に配設され、飼育領域内の空気状態は知られており、たとえばセンサーによって決定される。
【0023】
センサー装置は、また、アメリカミズアブ以外の種の昆虫幼虫の飼育装置内にも設置され得る。この目的のために、対応する昆虫幼虫属が活動の高さにより昆虫肥育容器内にどのように分布し、群がるかが観察され得る。測定点の配置構成は、対応する昆虫幼虫種の活動を決定するために好適なセクションが測定されるようなものであるべきである。
【0024】
第2の発明は、昆虫幼虫飼育装置を用いて昆虫幼虫の活動を決定するための方法であって肥育フェーズの開始時に肥育基材を添加して昆虫幼虫を昆虫肥育容器に充填するステップと、検出された第1、第2、および第3の湿度測定値ならびに検出された第1、第2、および第3の温度測定値を、第1の時点t1において処理ユニットを用いて処理するステップとを含む方法をさらに含む。添加される肥育基材が一定割合の水を含むことが特に好ましい。添加される肥育基材は、好ましくは、一定割合の水結合物質を含む。添加される肥育基材は、好ましくは、一定割合の栄養物を含む。添加される肥育基材中の水の割合は、好ましくは0%から90%の範囲内である。添加される肥育基材中の水結合物質の割合は、好ましくは10%から100%の範囲内である。添加される肥育基材中の栄養物の割合は、好ましくは0%から100%の範囲内である。水結合基材は、たとえば、ふすま、水結合ゲル、または他の水結合要素である。肥育基材の粘稠度は、好ましくは、添加時に粥状の粘稠度である。肥育プロセス中に、肥育基材内の水の割合は減少する。その結果、肥育基材の粘稠度が変化し、自由流動性を有するようになり、分割可能になる。
【0025】
検出された測定値の処理は、いくつかのサブステップからなる。第1のサブステップにおいて、時刻t1における検出された第1の湿度測定値は時刻t1における第1の湿度参照値と比較され、時刻t1における検出された第2の湿度測定値は時刻t1における第2の湿度参照値と比較され、時刻t1における検出された第3の湿度測定値は時刻t1における第3の湿度参照値と比較され、時刻t1における検出された第1の温度測定値は時刻t1における第1の温度参照値と比較され、時刻t1における検出された第2の温度測定値は時刻t1における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t1における検出された第3の温度測定値は時刻t1における第3の温度参照値と比較される。
【0026】
時刻t1における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t1におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t1における肥育基材の湿度測定値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそこから取り出され得る。肥育基材の粘稠度は、好ましくは、添加時に粥状の粘稠度である。肥育プロセス中に、肥育基材内の水の割合は減少する。その結果、肥育基材の粘稠度が変化し、自由流動性を有するようになり、分割可能になる。
【0027】
同様に、時刻t1における第1、第2、および第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t1におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t1における肥育基材の温度測定値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそこから取り出され得る。
【0028】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t1において決定される。検出された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t1で第3のサブステップにおいて決定される。
【0029】
好ましくは、参照値のアンダーシュートまたは参照値と検出された測定値との間の相関が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t1で昆虫幼虫のクラスター形成がないことが認識される。
【0030】
第4の好ましいサブステップにおいて、時刻t1における昆虫幼虫のクラスター形成は、時刻t1において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数で決定される。
【0031】
湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスター形成に起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も検出されることを意味している。ある測定点で昆虫幼虫が群がった場合、これは測定値に影響を及ぼす。対照的に、昆虫幼虫が群がっていない測定点で検出された測定値は、さらに影響を受けることはない。このような理由から、クラスター形成が、対応する地点で決定され得る。これらの測定値は、時刻t1における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。昆虫肥育容器内の昆虫幼虫の位置決めを評価するための昆虫幼虫の視覚的観察は、必要ない。
【0032】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t1における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成は、時刻t1における昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較される。時刻t1における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t1における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t1における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t1における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t1における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t1における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t1における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t1において出力される。
【0033】
時刻t1における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t1における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。観察の結果、肥育フェーズの開始時に、昆虫幼虫は、昆虫肥育容器内に本質的に均等に分布していることがわかった。活動が高まるにつれて、昆虫幼虫は、最初に、昆虫肥育容器の中心部分に群がり、次いで昆虫肥育容器の縁またはコーナーにも群がる。
【0034】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の相関が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t1で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、規則的な活動を示す。
【0035】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t1でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が決定される。これは、病気、不適切な気候、または栄養不良を指し得る。これは、適切な対策を講じることを可能にする。
【0036】
この方法は、好ましくは、第2の時刻t2、第3の時刻t3、第4の時刻t4、第5の時刻t5、第6の時刻t6、および/または第7の時刻t7において、処理ユニットを用いて、検出された第1、第2、および/もしくは第3の測定湿度値ならびに/または検出された第1、第2、および/もしくは第3の測定温度値を処理することをさらに含む。原理的に、プロセスにおいて任意の数の時点が設けられてよく、したがって個数1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または他の任意の数が設けられ得る。これらの測定値は、異なる時刻において昆虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。その結果、昆虫肥育容器内の昆虫幼虫の移動は、一定期間にわたって追跡され得る。
【0037】
時刻t1と時刻t2との間には、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間前後の期間があるのが好ましい。好ましくは、比較可能性を高めるために、時点と時点との間におおよそ同じ長さの時間がある。
【0038】
時刻t2と時刻t3との間にも、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間前後の期間があるのが好ましい。
【0039】
時刻t3と時刻t4との間にも、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは約24時間の期間があるのが好ましい。
【0040】
時刻t4と時刻t5との間にも、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは約24時間の期間があるのが好ましく、時刻t5と時刻t6との間にも、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間の期間があるのが好ましい。
【0041】
時刻t6と時刻t7との間にも、1時間から48時間、好ましくは12時間から24時間、特に好ましくは24時間前後からの期間があるのが好ましい。
【0042】
時刻t2で記録された測定値の処理は、いくつかのサブステップを含む。第1のサブステップにおいて、時刻t2における検出された第1の測定湿度値は、最初に時刻t2における第1の湿度参照値と比較され、時刻t2における検出された第2の測定湿度値は、時刻t2における第2の湿度限界値と比較され、時刻t2における検出された第3の測定湿度値は、時刻t2における第3の湿度参照値と比較され、時刻t2における検出された第1の測定温度値は、時刻t2における第1の温度参照値と比較され、時刻t2における検出された第2の測定温度値は、時刻t2における第2の温度参照値と比較され、時刻t2における検出された第3の測定温度値は、時刻t2における第3の温度参照値と比較される。
【0043】
時刻t2における第1、第2、および第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t2におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t2における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれから取り出され得る。
【0044】
同様に、時刻t2における第1、第2、および第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t2におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t2における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれから取り出され得る。
【0045】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t2において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t2で第3のサブステップにおいて決定される。
【0046】
好ましくは、参照値のアンダーシュートまたは参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t2で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが認識される。
【0047】
第4の好ましいサブステップにおいて、時刻t2における昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t2において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で参照値のオーバーシュートが検出された場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数で決定される。
【0048】
時刻t2における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t2において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。これらの測定値は、時刻t2における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0049】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t2における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成は、時刻t2における昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較される。時刻t2における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t2における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t2における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t2における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t2における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t2における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t2における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t2において出力される。
【0050】
時刻t2における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t2における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0051】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t2で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t2における規則的な活動を示す。
【0052】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t2でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t2において決定される。
【0053】
時刻t3で記録された測定値の処理も、好ましくは、いくつかのサブステップを含む。これらのサブステップは、好ましくは、時刻t1および時刻t2における記録された測定値の処理の一部として実行されたサブステップと類似している。第1のサブステップにおいて、好ましくは、最初に時刻t3における検出された第1の湿度測定値は、時刻t3における第1の湿度参照値と比較され、時刻t3における検出された第2の測定湿度値は、時刻t3における第2の湿度限界値と比較され、時刻t3における検出された第3の測定湿度値は、時刻t3における第3の湿度参照値と比較され、時刻t3における検出された第1の測定温度値は、時刻t3における第1の温度参照値と比較され、時刻t3における検出された第2の測定温度値は、時刻t3における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t3における検出された第3の測定温度値は、時刻t3における第3の温度参照値と比較される。
【0054】
時刻t3における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t3におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t3における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0055】
同様に、時刻t3における第1、第2、および/または第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t3におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t3における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれから取り出され得る。
【0056】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t3において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t3で第3のサブステップにおいて決定される。
【0057】
好ましくは、参照値のアンダーシュートまたは参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の間の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t3で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが検出される。
【0058】
第4の好ましいサブステップにおいて、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数における時刻t3での昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t3における参照値のオーバーシュートが、前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で検出された場合に、決定される。
【0059】
時刻t3における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t3において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。これらの測定値は、時刻t3における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0060】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t3における昆虫幼虫の決定されたクラスタリングは、時刻t3における昆虫幼虫の参照クラスタリングと比較される。時刻t3における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t3における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t3における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t3における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t3における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t3における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t3における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t3において出力される。
【0061】
時刻t3における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t3における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0062】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちのこれら1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t3で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t3における規則的な活動を示す。
【0063】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t3でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t3において決定される。
【0064】
時刻t4で記録された測定値の処理は、好ましくは、いくつかのサブステップも含む。これらのサブステップは、好ましくは、時刻t1、時刻t2、および時刻t3における記録された測定値の処理の一部として実行されたサブステップと類似している。第1のサブステップにおいて、好ましくは、最初に時刻t4における検出された第1の湿度測定値は、時刻t4における第1の湿度参照値と比較され、時刻t4における検出された第2の測定湿度値は、時刻t4における第2の湿度限界値と比較され、時刻t4における検出された第3の測定湿度値は、時刻t4における第3の湿度参照値と比較され、時刻t4における検出された第1の測定温度値は、時刻t4における第1の温度参照値と比較され、時刻t4における検出された第2の測定温度値は、時刻t4における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t4における検出された第3の測定温度値は、時刻t4における第3の温度参照値と比較される。
【0065】
時刻t4における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t4におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t4における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0066】
同様に、時刻t4における第1、第2、および/または第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t4におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t4における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれから取り出され得る。
【0067】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t4において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t4で第3のサブステップにおいて決定される。
【0068】
好ましくは、参照値のアンダーシュートまたは参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t4で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが認識される。
【0069】
第4の好ましいサブステップにおいて、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数における時刻t4での昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t4における参照値のオーバーシュートが、前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で検出された場合に、決定される。これらの測定値は、時刻t4における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0070】
時刻t4における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t4において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。
【0071】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t4における昆虫幼虫の決定されたクラスタリングは、時刻t4における昆虫幼虫の参照クラスタリングと比較される。時刻t4における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t4における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t4における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t4における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t4における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t4における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t4における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t4において出力される。
【0072】
時刻t4における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t4における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0073】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t4で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t4における規則的な活動を示す。
【0074】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t4でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t4において決定される。
【0075】
時刻t5で記録された測定値の処理は、好ましくは、いくつかのサブステップも含む。これらのサブステップは、好ましくは、時刻t1、時刻t2、時刻t3、および時刻t4における記録された測定値の処理の一部として実行されたサブステップと類似している。第1のサブステップにおいて、好ましくは、最初に時刻t5における検出された第1の測定湿度値は、時刻t5における第1の湿度参照値と比較され、時刻t5における検出された第2の測定湿度値は、時刻t5における第2の湿度限界値と比較され、時刻t5における検出された第3の測定湿度値は、時刻t5における第3の湿度参照値と比較され、時刻t5における検出された第1の温度測定値は、時刻t5における第1の温度参照値と比較され、時刻t5における検出された第2の温度測定値は、時刻t5における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t5における検出された第3の温度測定値は、時刻t5における第3の温度参照値と比較される。
【0076】
時刻t5における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t5におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t5における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0077】
同様に、時刻t5における第1、第2、および/または第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t5におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t5における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0078】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t5において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t5で第3のサブステップにおいて決定される。
【0079】
好ましくは、参照値がアンダーシュートするか、または参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t5で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが認識される。
【0080】
第4の好ましいサブステップにおいて、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数における時刻t5の昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t5において前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点において参照値のオーバーシュートが検出された場合に、決定される。
【0081】
時刻t5における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t5において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。これらの測定値は、時刻t5における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0082】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t5における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成は、時刻t5における昆虫幼虫の参照クラスター形成と比較される。時刻t5における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t5における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t5における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t5における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t5における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t5における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t5における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t5において出力される。
【0083】
時刻t5における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t5における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0084】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t5で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t5における規則的な活動を示す。
【0085】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t5でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t5において決定される。
【0086】
時刻t6で記録された測定値の処理は、好ましくは、いくつかのサブステップも含む。これらのサブステップは、好ましくは、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、および時刻t5における記録された測定値の処理の一部として実行されたサブステップと類似している。第1のサブステップにおいて、好ましくは、最初に時刻t6における検出された第1の湿度測定値は、時刻t6における第1の湿度参照値と比較され、時刻t6における検出された第2の測定湿度値は、時刻t6における第2の湿度限界値と比較され、時刻t6における検出された第3の測定湿度値は、時刻t6における第3の湿度参照値と比較され、時刻t6における検出された第1の測定温度値は、時刻t6における第1の温度参照値と比較され、時刻t6における検出された第2の測定温度値は、時刻t6における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t6における検出された第3の測定温度値は、時刻t6における第3の温度参照値と比較される。
【0087】
時刻t6における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t6におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t6における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0088】
同様に、時刻t6における第1、第2、および/または第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t6におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t6における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0089】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t6において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t6で第3のサブステップにおいて決定される。
【0090】
好ましくは、参照値に達しないか、または参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t6で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが認識される。
【0091】
第4の好ましいサブステップにおいて、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数における時刻t6での昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t6における参照値のオーバーシュートが、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つもしくは複数で検出された場合に、決定される。
【0092】
時刻t6における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t6において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。これらの測定値は、時刻t6における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0093】
好ましい第5のサブステップでは、時刻t6における昆虫幼虫の決定されたクラスタリングは、時刻t6における昆虫幼虫の参照クラスタリングと比較される。時刻t6における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t6における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t6における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t6における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t6における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t6における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t6における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t6において出力される。
【0094】
時刻t6における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t6における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0095】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が、時刻t6で存在していることが経験から知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t6における規則的な活動を示す。
【0096】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t6でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t6において決定される。
【0097】
時刻t7で記録された測定値の処理は、好ましくは、いくつかのサブステップも含む。これらのサブステップは、好ましくは、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4、時刻t5、および時刻t6における記録された測定値の処理の一部として実行されたサブステップと類似している。第1のサブステップにおいて、好ましくは、最初に時刻t7における記録された第1の測定湿度値は、時刻t7における第1の湿度参照値と比較され、時刻t7における記録された第2の測定湿度値は、時刻t7における第2の湿度限界値と比較され、時刻t7における記録された第3の測定湿度値は、時刻t7における第3の湿度参照値と比較され、時刻t7における検出された第1の温度測定値は、時刻t7における第1の温度参照値と比較され、時刻t7における検出された第2の温度測定値は、時刻t7における第2の温度参照値と比較され、および/または時刻t7における検出された第3の温度測定値は、時刻t7における第3の温度参照値と比較される。
【0098】
時刻t7における第1、第2、および/または第3の湿度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t7におけるそれぞれの湿度参照値は、好ましくは、時刻t7における肥育基材の測定湿度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0099】
同様に、時刻t7における第1、第2、および/または第3の温度参照値は、異なる参照値であるか、または同一の参照値であり得る。時刻t7におけるそれぞれの温度参照値は、好ましくは、時刻t7における肥育基材の測定温度値の繰り返された観察から取得され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれから取り出され得る。
【0100】
第2のサブステップでは、参照値のアンダーシュートは、好ましくは、記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を下回った場合に時刻t7において決定される。記録された測定値の1つまたは複数がそれぞれの参照値を超える場合には、参照値のオーバーシュートは、好ましくは、時刻t7で第3のサブステップにおいて決定される。
【0101】
好ましくは、参照値に達しないか、または参照値と記録された測定値との間の一致が±2%、好ましくは±5%、より好ましくは±10%の範囲内にある湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において、時刻t7で昆虫幼虫のクラスタリングがないことが認識される。
【0102】
第4の好ましいサブステップにおいて、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数における時刻t7での昆虫幼虫のクラスタリングは、時刻t7における参照値のオーバーシュートが、前記1つまたは複数の湿度および/または温度測定点で検出された場合に、決定される。
【0103】
時刻t7における湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において参照値を超えた場合に、湿度および/または温度測定点のうちの1つまたは複数において昆虫幼虫のクラスタリングに起因して測定値が改ざんされたことが想定され得る。これは、時刻t7において肥育基材の湿度または温度だけでなく、群れている昆虫幼虫の湿度または温度の上昇も記録されることを意味している。これらの測定値は、時刻t7における昆虫幼虫を昆虫肥育容器内に配置するために使用される。
【0104】
第5の好ましいサブステップでは、時刻t7における昆虫幼虫の決定されたクラスタリングは、時刻t7における昆虫幼虫の参照クラスタリングと比較される。時刻t7における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t7における昆虫幼虫の参照クラスター形成に対応する場合、好ましくは、第6のサブステップにおいて、時刻t7における昆虫幼虫の規則的な活動が決定される。しかしながら、時刻t7における昆虫幼虫の決定されたクラスター形成が、時刻t7における昆虫幼虫の参照クラスター形成から逸脱する場合、時刻t7における昆虫幼虫の不規則な活動は、好ましくは、第7のサブステップにおいて決定される。最後に、好ましくは第8のサブステップにおいて、時刻t7における昆虫幼虫の決定された活動に応じて、発育状況信号が時刻t7において出力される。
【0105】
時刻t7における参照クラスター形成は、好ましくは、時刻t7における肥育プロセス中の昆虫幼虫のクラスター形成または分布パターンの繰り返された観察から決定され、処理ユニットに記憶されるか、またはそれによって取り出され得る。
【0106】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間の一致が存在するのは、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、クラスター形成が時刻t7で存在していることが知られている場合である。したがって、昆虫幼虫は、繰り返された観察から知られているように、時刻t7における規則的な活動を示す。
【0107】
決定されたクラスター形成と参照クラスター形成との間で逸脱が存在するのは、特に、観察結果から、昆虫幼虫のクラスター形成が認識された、湿度および/または温度測定点のうちの前記1つまたは複数において、通常、時刻t7でクラスター形成がないことが知られている場合である。その結果、昆虫幼虫の不規則な活動が時刻t7において決定される。
【0108】
昆虫幼虫を輸送する方法は、好ましくは、発育状況信号が昆虫幼虫の規則的な活動を示す場合には肥育フェーズを継続するステップと、発育状況信号が昆虫幼虫の不規則な活動を示す場合には肥育フェーズを中断するステップとを含む。
【0109】
したがって、肥育フェーズは、t1、t2、t3、t4、t5、t6、またはt7のいずれの時刻に中断され得、昆虫幼虫飼育装置の使用者は、肥育プロセスに介入することができる。これは、昆虫幼虫の不規則な活動が認識された場合に、早い段階で肥育プロセスに介入することを可能にする。
【0110】
肥育プロセスが中断なく継続される場合、昆虫幼虫は、時刻t7または時刻t7の後の定められた時刻に収穫され得る。また、測定点が適切に配設されていれば、収穫された昆虫幼虫の量を予測することも可能であり、これは、クラスターの形成だけでなく、クラスターのサイズも決定することを可能にする。
【0111】
好ましい改良において、この方法は、時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6および/またはt7における第1、第2および/または第3の測定温度値に基づき平均温度を決定するステップと、決定された平均温度および所定の空気湿度に基づき基材蒸発量を決定するステップと、決定された肥育基材蒸発量に基づき肥育基材の乾物含量を決定するステップとをさらに含む。
【0112】
乾物含量の推定は、湿度および/または温度測定点の1つまたは複数における昆虫幼虫のクラスタリングに起因する測定値の改ざんを補正するために使用され得る。
【0113】
本発明は、また、昆虫幼虫飼育装置の処理ユニット上で実行されたときに、処理ユニットが本発明の第4の考察による方法の上述された好ましい実施形態のうちの1つによる方法を処理ユニットに実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラムを用いて上記の目的を達成する。
【0114】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して以下で説明する。前記図面は、必ずしも実施形態を縮尺通りに描写することを意図されず、むしろ、図面は、概略であり、および/または、より良い説明のために必要に応じてわずかに歪められている。図面から直接明らかな教示の追加に関しては、関連する従来技術が参照される。実施形態の形状および詳細に関係する様々な修正および変更は、本発明の一般的な考え方から逸脱することなく行うことができることは考慮されなければならない。明細書、図面、および特許請求の範囲において開示されている本発明の特徴は、個別および任意の組合せの両方で、本発明の改良に本質的であり得る。明細書、図面、および/または特許請求の範囲において開示されている特徴の2つまたはそれ以上の組合せもすべて本発明の範囲内に収まる。本発明の一般的な考え方は、以下に示され、説明されている好ましい実施形態の正確な形態または詳細に限定されるものではなく、また、特許請求の範囲において請求されている主題と比較して限定される主題に限定されるものでもない。特定された測定範囲の場合、規定された限界値内にある値もまた、限界値として開示され、必要に応じて使用され、請求され得るべきである。簡略化のため、以下では、同一のもしくは類似の部分、または同一のもしくは類似の機能を有する部分に対して、同じ参照番号が使用される。
【0115】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、好ましい実施形態の次の説明および図面に起因し、前記図面には以下が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【
図1】可動式輸送装置の第1の実施形態の例の断面図である。
【
図2】
図1の断面に対して垂直な、
図1による可動式輸送装置の断面図である。
【
図3】ハウジングの断熱カバープレートを備えた可動式輸送装置の上面図である。
【
図5】時間の経過に伴うコンパートメントの発熱を示す図である。
【
図6】時間の経過に伴うコンパートメントの必要換気量を示す図である。
【
図7】可動式輸送装置の第2の実施形態の例の断面図である。
【
図8】昆虫幼虫を輸送するための方法の第1の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図9】昆虫幼虫を輸送するための方法の第1の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫を輸送するための方法の第2の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図10】昆虫幼虫を輸送するための方法の第2の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫を輸送するための方法の第3の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図11】昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、または第3の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫を輸送するための方法の第4の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図12】昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、第3、または第4の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫を輸送するための方法の第5の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図13】昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、第3、第4、または第5の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫を輸送するための方法の第6の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図14A】肥育フェーズの開始時の幼虫分布の概略的表現の等角上面図である。
【
図14B】肥育フェーズの開始時の肥育基材の概略的表現の側面図である。
【
図14C】肥育フェーズの中心における幼虫分布の概略的表現の等角上面図である。
【
図14D】肥育フェーズの中心における肥育基材の概略的表現の側面図である。
【
図14E】肥育フェーズの終了時の幼虫分布の概略的表現の等角上面図である。
【
図14F】肥育フェーズの終了時の幼虫分布の概略的表現の側面図である。
【
図16】昆虫幼虫飼育装置用の活動センサー装置を備えた昆虫肥育容器の等角表現図である。
【
図17】昆虫幼虫飼育装置用の活動センサー装置を備えた昆虫肥育容器のさらなる等角表現図である。
【
図18】湿度および温度センサーによって記録される測定値の時間曲線を示す図である。
【
図19】昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第1の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図20】昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第1の実施形態の例の可能な改良である、昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第2の好ましい実施形態の例の概略フローチャートである。
【
図21】可動式昆虫幼虫飼育装置の第2の実施形態の例を示す図である。
【
図22】可動式昆虫幼虫飼育装置の第3の実施形態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
第1の考察による可動式輸送装置1は、断熱材52、空気取入セクション40、および空気排出セクション42を備えたハウジング2を有する(
図1)。可動式輸送装置1は、ここでは可動式、すなわち輸送可能であり、輸送を意図されているものとして説明されているとしても、その機能および特徴は、昆虫幼虫の飼育し繁殖させるための固定装置においても有用であり、これらの機能および特徴は、固定装置においても有利に使用され得ることは理解されるべきである。可動式輸送装置1が、活動センサー装置54なしで最初に説明されているとしても、特に
図21および
図22を参照しつつ、より詳細に説明されるように、可動式輸送装置は、1つまたは複数の活動センサー装置54を備え得ることは理解されるべきである。
【0118】
受け入れセクション4が、ハウジング内に設けられ、4つの昆虫肥育容器6.1~6.4が、
図1の実施形態の例において配設されている。受け入れセクション4は、4つの昆虫肥育容器6.1~6.4を受け入れるための4つのコンパートメント22.1~22.4(
図2参照)に分割され、これらは、垂直方向に、本質的に可動式輸送装置1の断面全体にわたって配設されている(
図2および
図4参照)。この実施形態の例では、昆虫肥育容器6.1~6.4は、コンパートメント22.1~22.4内に選択的に挿入され、取り出され得る。好ましくは、昆虫肥育容器6.1~6.4は、コンパートメント22.1~22.4に輸送される前に、昆虫幼虫および肥育基材を充填される。これは、たとえば従業員によって手動で行われ得る。昆虫肥育容器6.1~6.4の肥育面積は、好ましくは0.5m
2から0.7m
2の範囲内にある。昆虫肥育容器6.1~6.4に最初に添加される、肥育基材は、一定割合の水を含む。添加される肥育基材は、好ましくは、一定割合の水結合物質を含む。添加される肥育基材は、好ましくは、一定割合の栄養物を含む。肥育基材は、肥育プロセス中に湿度を失う。昆虫幼虫、水結合物質、および/または換気/空気調整は、肥育基材から湿度を取り除く。その結果、肥育基材の粘稠度が変化する。
【0119】
輸送後、個別の昆虫肥育容器6.1~6.4は、次いで、コンパートメント22.1~22.4から取り出される。次いで、たとえば、さらなる飼育および給餌のために受取人によって送り先の既存の施設に輸送されるか、または成熟したときに直接的に収穫され得る。本発明の可動式輸送装置1は、輸送中であってもさらなる給餌および飼育を可能にし、これは繁殖の効率、さらには幼虫の品質をも改善することができる。
【0120】
受け入れセクション4は、ハウジング2の内部24を排気セクション28と換気セクション26とに分割しており、その機能については以下でより詳細に説明される。4つのコンパートメント22.1~22.4は、各々、空気調節装置12.1~12.4を有し、空気調節装置12.1~12.4は、各々、換気セクション14.1~14.4および排気セクション16.1~16.4を有する。
図1の実施形態の例では、換気セクション14.1~14.4は、各々、コンパートメントの第1の側壁を形成し、排気セクション16.1~16.4は、各々、コンパートメントの第2の側壁を形成する。第1および第2の側壁は、互いに対向して配設される。換気セクション14.1~14.4は、フロー断面20.1~20.4(
図2参照)も備え、これは、可動式輸送装置1の下側セクションに配設された換気制御ユニット18を用いて調整可能である。
【0121】
再循環ファン8は、ハウジング2の内側の可動式輸送装置1の上側セクションに配設されている。運転中、再循環ファン8は、排気セクション28から換気セクション26に空気を搬送し、それにより排気セクション28と換気セクション26との間に空気伝導接続部を形成する。第1、第2、第3、および第4の空気調節装置12.1~12.4は、バーキング換気セクション(barking ventilation part)26と通気部28との間にさらなる空気伝導接続部を形成する。再循環ファン8は、可動式トラミング装置(tramming device)1の下側セクションに配設された電子制御ユニット10によって制御される。再循環ファン8は、ハウジング2の内壁と残りの受け入れセクション4との間の明確な断面全体を閉鎖する仕切り壁内に挿入され、換気セクション26および通気部28は、一方では再循環ファン8を介してのみ、他方では空気調節装置12.1~12.4を介してのみ接続されている。これは、再循環ファン8によって搬送される空気が実際に個別の昆虫肥育容器6.1~6.4に到達し、その中に収容されている昆虫幼虫を曝気することを確実にする。
【0122】
貯蔵容器30も、ハウジング2内に配設されており、これも、この実施形態の例では、受け入れセクション4に収容される。他の実施形態例では、別の場所に設けることもできる。貯蔵タンク30は、4つのコンパートメント22.1~22.4と一緒に垂直配置構成で設けられ、配置構成の下側端部を形成する。
図1の実施形態の例では、貯蔵タンク30は、追加の断熱材52を備える。空気除湿用のゼオライトなどの、空気調整材料31が、貯蔵容器30内に可逆的に収容されている。
【0123】
貯蔵タンク30は、第1の側部に貯蔵タンク換気セクション32を有し、第1の側部と対向する第2の側部に貯蔵タンク排気セクション34を有する。貯蔵タンク換気セクション32は、また、貯蔵タンク制御ユニット36(
図2参照)を用いて調整可能な貯蔵タンクフロー断面38を備える。
【0124】
貯蔵タンクフロー断面38は、
図1および
図2の実施形態の例では、完全に閉じられており、したがって換気セクション26からの空気は貯蔵タンク30に入ることができない。内部の空気の湿度が高すぎると決定された場合、貯蔵タンク換気セクション32は、部分的にまたは完全に開放され、空気はまた貯蔵タンク30内を循環することができ、したがって空気の湿度を下げることができる。空気調整材料31としてのゼオライトの代わりに、他の材料も、たとえば冷却材料も企図可能であり、空気の温度は、貯蔵タンク換気セクション32と再循環ファン8の対応する作動によって影響を受け得る。
【0125】
電子制御ユニット10および換気制御ユニット18と同様に、貯蔵容器制御ユニット36は、可動式輸送装置1の下側セクションに配設される。
図1の実施形態の例では、貯蔵容器制御ユニット36および換気制御ユニット18は、別々の制御ユニットとして設けられている。他の実施形態では、これらは、部分的にまたは完全に単一の電子制御ユニットに統合され得、次いで、制御ユニットのいくつかまたはすべての機能を実行する。下側セクションは、また、可動式輸送装置1の電気および電子コンポーネントに供給するためのエネルギー貯蔵ユニット74を収容する。エネルギー貯蔵装置74は、好ましくは、充電式電池として設計され、好ましくは、電気および電子コンポーネントには輸送の持続時間全体にわたって電気エネルギーが供給され得るような容量を有する。可動式輸送装置1は、可動式輸送装置1がローカル電源に接続される際に経由する電気接続部(図示せず)を有することが好ましい。したがって、可動式輸送装置1は、また、エネルギー貯蔵ユニット74が追加のエネルギーを供給することなく固定モードで運転され得る。
【0126】
外気ファン46は、ハウジング2の空気取入セクション40内に配設され、環境44からの空気を内部24へと換気する。
図1の実施形態の例では、空気取入セクション40は、内部24の換気セクション26内へ開いており、環境44からの空気は、換気セクション26内に換気される。加熱装置50が、換気セクション26内に配設され、これは流入空気を加熱する。加熱装置50は、再循環ファン8によって再循環される空気も同時に加熱できるように配設されている。
【0127】
排気ファン48は、ハウジング2の空気排出セクション42内に配設されており、これは内部24の排気セクション28からの空気を環境44に導く。外気ファン46および排気ファン48は両方とも、電子制御ユニット10によって制御され得る。
【0128】
図1の実施形態の例では、第1の昆虫肥育容器温度測定点56が、4つの昆虫肥育容器6.1~6.4の各々に配設されている。昆虫肥育容器6.1~6.4が収容される、コンパートメント22.1~22.4の各々には、第1の昆虫肥育容器湿度測定点58も設けられており、これは、いわば、さらなる昆虫肥育容器温度測定点となっている。
【0129】
貯蔵タンク温度測定点62が、貯蔵タンク30内に配設されている。貯蔵タンク排気セクション34に隣接する第1の室内湿度測定点64.1および第1の室内温度測定点66.1、さらには循環ファン8に隣接する第2の室内湿度測定点64.2および第2の室内温度測定点66.2が、排気セクション28に設けられている。同様に、さらなる内部温度測定点である、CO2測定点72が、排気ファン48に隣接する排気セクション28に配設されている。
【0130】
第3の内部温度測定点66.3および第3の内部湿度測定点64.3は、換気セクション26に配設される。屋外湿度測定点68と屋外温度測定点70は、周辺44においてハウジング2の外側に配設される。
【0131】
すべての測定点は、電子制御ユニットに接続されており、したがって電子制御ユニットは、測定点からの対応する測定信号を分析することができる。
【0132】
可動式輸送装置1は、パレット106上に位置決めされている。これは、輸送を簡素化し、可動式輸送装置1は、従来の物流機器を使用して取り扱われ、輸送され得る。
【0133】
図2は、可動式輸送装置1のさらなるセクションの側面図を示しており、換気セクション14.1~14.4はフロー断面20.1~20.4と一緒に、また貯蔵容器換気セクションは貯蔵容器フロー断面38と一緒に見ることができる。
図2の実施形態の例では、フロー断面20.1~20.4および貯蔵タンクフロー断面38は、アクチュエータ21.1~21.4または貯蔵タンクアクチュエータ39によって移動され得るディスクを備える。
図2の実施形態の例では、アクチュエータ21.1~21.4は、換気制御ユニット18によって制御され、貯蔵タンクアクチュエータ39は、貯蔵タンク制御ユニット36によって制御される。
【0134】
貯蔵タンクフロー断面38は、完全に閉じられている。第1、第2、および第4のフロー断面20.1、20.2、20.4は、換気セクション26からの空気が昆虫肥育容器6.1、6.2、6.4内に部分的に流入できるように部分的に開いている。他方で、第3のフロー断面20.3は、完全に開いており、空気は完全に開いたフロー断面20.3を介して第3の昆虫肥育容器6.3内に流入することができる。換気セクション26における矢印によって
図1にも示されているように、第1、第2、および第4のコンパートメント22.1、22.2、22.4にはほぼ等しい空気流が入り、第3のコンパートメント22.3にはわずかに高い割合の空気流が入る。繁殖フェーズ中では、より詳しく説明されるように、幼虫によって生成される熱量が変化する。典型的には、始めは低く、次いで、数日後には上昇し、結局成熟の終盤に向かって再び低下する。これは、特に、幼虫同士が擦れ合うことによって引き起こされる摩擦熱によって説明され得る。個別のコンパートメント22.1~22.4は、個別に換気され得るので、それぞれのコンパートメント22.1~22.4内に存在する対応する昆虫幼虫コホートは、各ケースで環境を最適に調整することができるように個別の、成熟度に応じて、適切な空気流を供給され得る。
【0135】
図3は、ハウジングの一部である、断熱カバープレート43を備える可動式輸送装置1の上面図を示している。選択的に開閉可能な開口部3は、
図3では閉じられている。空気取入セクション40および空気排出セクション42は、断熱カバープレート43上に配設されている。屋外湿度測定点68および屋外温度測定点70は、空気取入セクション40に空間的に近接して設けられており、空気取入セクション40を介して流入する空気の湿度および温度が検出され得る。
【0136】
図4は、ハウジング2のカバープレートなしの可動式輸送装置の上面図を示している。受け入れセクション4は、内部24を排気セクション28と換気セクション26とに分割する。矢印の方向は、再循環ファン8が排気セクション28から換気セクション26へと空気を換気し、これは加熱装置50によって加熱され得ることを示している。CO2測定点60およびさらに屋外温測定点も、周囲に配設され、したがって流入する空気の湿度および温度に加えてCO2濃度も記録され得る。
【0137】
図5は、異なるコンパートメント22.1~22.4における発熱量、ひいては異なる時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、およびt7においてそこで記録された昆虫幼虫コホートの曲線を示し、これらは横軸にプロットされている。これらの時点は、可動式輸送装置1とのこれらのコンパートメント22.1~22.4の共同輸送の1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、および7日目を表す。昆虫幼虫コホートは、年齢が異なっており、したがってコンパートメント22.1~22.4内の個別の発熱曲線はシフトされる。
【0138】
縦軸において、発熱量は0から350Wの範囲内のワット単位でプロットされる。
【0139】
第1のコンパートメント22.1、ひいてはそこに収容された第1の昆虫幼虫コホート内の発熱量は、時刻t1、すなわち輸送の最初の日に約25ワットであり、時刻t3までほぼ一定のままである。発熱量は、時刻t3から増加し、時刻t6の少し前に最大約120ワットに達する。次いで、発熱量は、時間t7までに約20ワットに再び低下する。この発熱プロセスは、第1のコンパートメント22.2でピックアップされた昆虫幼虫が、輸送の開始時点では比較的若い昆虫幼虫であることを示している。
【0140】
第2のコンパートメント22.2内、ひいてはそこに収納されている昆虫幼虫の第2のコホート内の発熱量は、時刻t1において約10ワットであり、時刻t3までに約45ワットに上昇し、次いで時刻t4からt5の間に約120ワットに上昇する。その後、発熱量は、時間t6までに約10ワットに低下する。発熱曲線は、第2のコンパートメント22.2でピックアップされた昆虫幼虫が、輸送の開始時に第1のコンパートメント22.1でピックアップされた昆虫幼虫よりも比較的年長であることを示している。
【0141】
第3のコンパートメント22.3、ひいてはそこに収容されている第3の昆虫幼虫コホート内の発熱量は、時刻t1において約20ワットであり、時刻t2までに発熱量はすでに約50ワットに増加し、次いで時刻t3からt4の間に最大約120ワットに達する。その後、発熱量は、時刻t5まで約10ワットに低下し、時刻t7まで一定のままとなる。発熱曲線は、第3のコンパートメント22.3に集められた昆虫幼虫が、輸送の開始時に、第1のコンパートメント22.1に集められた昆虫幼虫および第2のコンパートメント22.2に集められた昆虫幼虫よりも比較的年長であることを示している。
【0142】
第4のコンパートメント22.4内では、発熱量は、時刻t1においてすでに約45ワットである。時刻t2からt3の間に、発熱量はすでに最大約120ワットに達する。その後、発熱量は、時刻t4まで約10ワットに低下し、時刻t7まで約10ワットで一定のままとなる。この経過から、第4のコンパートメント22.4において記録されている昆虫幼虫は、輸送の開始時の比較的最年長の昆虫幼虫であることがわかる。
【0143】
本質的に、個別のコンパートメントの曲線は、したがって、1日のフェーズシフトを示している。
【0144】
昆虫幼虫によって発生する熱は、循環空気を加熱するために使用され得るエネルギーも発生する。これは、エネルギー貯蔵ユニット74のエネルギー消費を大幅に削減することができる。
【0145】
図5は、再循環ファン8を介して達成される、再循環がある場合の平均発熱量96の経過も示している。時刻t1では、再循環がある場合の平均発熱量96は、約20ワットであり、時刻t2においてすでに50ワットである。時刻t3からt4の間で、平均発熱量96は、約75ワットの最大値に達し、その後時刻t5まで約75ワットでほぼ一定に保たれる。次いで、再循環がある場合の平均発熱量の曲線は平坦になり、時刻t7までに約10ワットに低下する。
【0146】
図5は、再循環なしのコンパートメント22.1~22.4の発熱量の合計の経過も示している。再循環なしの総発熱量98は、時刻t1で100ワット弱であり、時刻t2で200ワット、次いで時刻t3で最大約290ワットである。再循環なしの総発熱量98の経過は、時刻t5まで約260ワットに低下し、その後時刻t7まで50ワット強に低下する。
【0147】
再循環がある場合の平均発熱量96と再循環がない場合の総発熱量98との比較を見ると、再循環ファン8を用いた再循環の結果、可動式輸送装置1において発熱量が低下することがわかる。
【0148】
図6は、コンパートメント22.1~22.4の需要換気量の曲線、再循環がある場合の平均需要換気量100、および再循環がない場合のコンパートメント22.1~22.4の需要換気量102の合計を示している。横軸に、時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、およびt7を取り、
図5のように、これらの時刻は、可動式輸送装置1とのこれらのコンパートメント22.1~22.4の共同輸送の1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、および7日目を表す。縦軸には、0m
3/hから20m
3/hまでの範囲内の必要換気量がm
3/h単位で記載されている。
図6による計算された必要換気量と、
図5による計算された発熱量は、一緒に考慮されなければならない。
【0149】
第1のコンパートメント22.1、ひいてはそこに収容される昆虫幼虫の必要換気量は、時刻t1で1m
3/hをわずかに上回り、時刻t3まで1m
3/hでほぼ一定のままである。第1のコンパートメント22.1の必要換気量は、最初に、時刻t4まで2m
3/hに増大し、次いで時刻t5とt6との間に7m
3/hに増大する。その後、必要換気量は、再び約1m
3/hに低下する。第1のコンパートメント22.1の必要換気量は、
図6に示されているように、第1のコンパートメント22.1の発熱量によって決定される。
【0150】
第2のコンパートメント22.2の必要換気量は、時刻t1で約0.5m
3/hであり、時刻t3までに2m
3/hに増大する。時刻t4からt5の間に、第2のコンパートメント22.2、ひいてはそこに収容された昆虫幼虫の必要換気量は、最大7m
3/hに達する。時刻t6までに、必要換気量は、再び約0.5m
3/hに低下し、時刻t7まで一定のままである。第2のコンパートメント22.2の必要換気量は、
図6に示されているように、第2のコンパートメント22.2の発熱量によって決定される。
【0151】
第3のコンパートメント22.3の必要換気量は、時刻t1で1m
3/h強であり、時刻t2までに2m
3/hに増大する。7m
3/hの最大必要換気量が、時刻t3からt5の間に必要である。時刻t7まで、第3のコンパートメント22.3、ひいてはそこに収容される昆虫幼虫の必要換気量は、約0.5m
3/hに落ちる。第3のコンパートメント22.3の必要換気量は、
図6に示されているように、第3のコンパートメント22.3の発熱量によって決定される。
【0152】
第4のコンパートメント22.4は、時刻t1ですでに2m
3/hを超える必要換気量を必要としている。必要換気量は、時刻t2とt3との間にすでに最大7m
3/hに達している。次いで、必要換気量は、時刻t4まで約0.5m
3/hに低下し、時刻t7まで一定のままである。第4のコンパートメント22.4の必要換気量は、
図6に示されているように、第4のコンパートメント22.4の発熱量によって決定される。
【0153】
ここでもまた、個別のコンパートメントの曲線は、本質的に、1日のフェーズシフトを示している。
【0154】
再循環がある場合のコンパートメント22.1~22.4の平均必要換気量100は、時刻t1において1m3/h強である。時刻t3からt4の間に、平均必要換気量100は、4m3/h強の最大値に達し、次いで時刻t5まで4m3/h前後でほとんど一定のままである。次いで、再循環がある場合の平均需要換気量100の曲線は平らになり、時刻t7までに約0.5m3/hに低下する。
【0155】
再循環がない場合のコンパートメント22.1~22.4の必要換気量102の合計は、時刻t1で約6m3/hであり、時刻t2で約10m3/hであり、次いで時刻t3で最大約17m3/hである。時間t5まで、再循環がない場合の総必要換気量102は、最初に、16m3/hに落ち、次いで時刻t7まで約3m3/hに落ちる。
【0156】
再循環がある場合の平均必要換気量100と再循環がない場合の必要換気量102の合計との比較を見ると、再循環ファン8を用いた再循環では結果として可動式輸送装置1の必要換気量が低下することがわかる。
【0157】
本発明の第2の実施形態の例による可動式輸送装置1が、
図7に示されている。可動式輸送装置1の第2の実施形態の例は、冷却ユニット51が貯蔵容器30内に収容されている点で、可動式輸送装置1の第1の実施形態の例(
図1参照)と異なる。可動式輸送装置1の第2の実施形態の例の他の特徴は、可動式輸送装置1の第1の実施形態の例の特徴に対応し、したがって、同一および類似の要素は、同じ参照記号を付されている。この点に関して、上記の説明が完全に参照される。
【0158】
冷却ユニット51は、氷(水)、液体窒素(窒素氷)、固体CO2(ドライアイス)、たとえばクールパックなどの冷湿布、冷却パッド、ペルチェ素子、金属および/もしくはセラミックおよび/もしくは鉱物材料、または他の冷却要素である冷却体であり、ならびに/または冷却体を含み、昆虫肥育容器6.1~6.4内に保持された昆虫幼虫を冷却するように構成されている。昆虫幼虫は、もはや活動しない、すなわち、もはや動けないほどに冷却され得る。昆虫幼虫が冷却状態で保持される限り、加熱装置50は、好ましくはオフにされる。しかしながら、加熱装置50を用いることで、昆虫幼虫をいつでも加熱することが可能であり、その結果、それらを活動状態に戻すことができる。冷却ユニットは、また、能動冷却のための冷却ユニットであるか、または含むことができる。能動冷却のための冷却ユニットは、好ましくは、ファン、ポンプ、および/またはコンプレッサを備える。能動冷却用の冷却ユニットは、好ましくは、冷却剤を導くための冷却剤供給管路、および冷却剤を導くための冷却剤放出管路を備える。好ましくは、冷却剤供給管路および冷却剤放出管路は、少なくともファン、ポンプ、またはコンプレッサを介して接続されており、冷却剤供給管路は好ましくは冷却剤をファン、ポンプ、またはコンプレッサに供給し、冷却剤放出管路は好ましくは冷却剤をファン、ポンプ、またはコンプレッサから放出する。好ましくは、冷却剤は、能動冷却のために冷却ユニット内を流れる。
【0159】
第1の昆虫肥育容器温度測定点56において、昆虫肥育容器温度測定値が検出され得る。したがって、昆虫肥育容器6.1~6.4内の温度が昆虫幼虫を冷却状態に保つ範囲内にあるかどうかがチェックされ得る。
【0160】
図8は、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第1の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示しており、第1の昆虫肥育容器6.1に、肥育基材を添加して昆虫幼虫を充填すること(ステップS1)と、充填された第1の昆虫肥育容器6.1を可動式輸送装置1の受け入れセクション4内に挿入すること(ステップS2)と、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を第1の場所から第2の場所まで輸送すること(ステップS3)と、第2の場所で第1の昆虫肥育容器6.1を受け入れセクション4から取り出すこと(ステップS4)とを含む。
【0161】
図9は、昆虫幼虫を輸送するための方法の第1の実施形態の例の可能な改良である(
図8)、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第2の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示している。輸送(ステップS3)中に、これは、活動センサー装置54から電子制御ユニット10に信号を供給すること(ステップS3.1.1)と、昆虫幼虫の活動を決定すること(ステップS3.1.2)と、ステップS3.1.2の決定に基づき電子制御ユニット10から再循環ファン8に制御信号を出力すること(ステップS3.1.3)とを含む。
【0162】
図10は、昆虫幼虫を輸送するための方法の第2の実施形態の例の可能な改良である(
図9)、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第3の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示している。ステップS3.1.3の作動に加えて、これはステップS3.1.2の決定に基づく換気制御ユニットへの制御信号のさらなる出力(ステップ3.1.4)を含む。
【0163】
図11は、昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、または第3の実施形態の例の可能な改良である(
図8、
図9、
図10)、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第4の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示している。ステップS3における輸送中に、これは、空気センサー装置60から電子制御ユニット10に信号を供給すること(ステップS3.2.1)と、ハウジング2内を循環する空気の空気状態を決定すること(ステップS3.2.2)と、電子制御ユニット10から貯蔵容器制御ユニット36に制御信号を出力すること(ステップS3.2.3)とを含む。
図10にも示されている、ステップS3.1.1、S3.1.2、S3.1.3、およびS3.1.4は任意選択である。
【0164】
図12は、昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、第3、または第4の実施形態の例の可能な改良である(
図8、
図9、
図10、
図11)、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第5の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示している。ステップS3における輸送中に、これは、空気センサー装置60から電子制御ユニット10に信号を供給すること(ステップS3.3.1)と、周囲空気の空気状態を決定すること(ステップS3.3.2)と、電子制御ユニット10から加熱装置50に制御信号を出力すること(ステップS3.3.3)とを含む。
図10にも例示されている、ステップS3.1.1、S3.1.2、S3.1.3、S3.1.4、S3.2.1、S3.2.2、およびS3.2.3は任意選択である。
【0165】
図13は、昆虫幼虫を輸送するための方法の第1、第2、第3、第4、または第5の実施形態の例の可能な改良である(
図8、
図9、
図10、
図11、
図12)、可動式輸送装置1を使って昆虫幼虫を輸送するための方法の第6の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示している。ステップS3における輸送中に、これは、空気センサー装置60から電子制御ユニット10に信号を供給すること(ステップS3.4.1)と、CO2濃度測定値のオーバーシュートを決定すること(ステップS3.4.2)と、CO2濃度測定値のオーバーシュートが決定された場合に、電子制御ユニット10から外気ファン46への制御信号を出力すること(ステップS3.4.3)と、電子制御ユニット10から排気ファン48への制御信号を出力すること(ステップS3.4.4)とを含む。
図10にも例示されている、ステップS3.1.1、S3.1.2、S3.1.3、S3.1.4、S3.2.1、S3.2.2、S3.2.3、S3.3.1、S3.3.2、およびS3.3.3は任意選択である。
【0166】
図14A~
図14Bは、昆虫幼虫の繰り返された観察から知られるように、昆虫幼虫が発育する際の、昆虫幼虫、特にアメリカミズアブの昆虫幼虫の活動を示している。肥育フェーズの開始時に、昆虫幼虫は、第1の昆虫肥育容器6.1内に均等に分配される(
図14A参照)。昆虫肥育容器は、肥育基材で完全に満たされる(
図14B参照)。
【0167】
発育が進み活動が活発になると、昆虫幼虫は、昆虫肥育容器6.1の中心セクション82内に群がる(
図14C参照)。肥育基材は、次第に乾燥し、この時点では、本質的に昆虫肥育容器6.1の底部を覆うのみである(
図14D参照)。
【0168】
図14Eおよび
図14Fは、発育後期の昆虫幼虫の分布を示している。昆虫幼虫は、立方体の昆虫肥育容器6.1のコーナーにも群がる(
図14E参照)。
図14Fに示されているような側面図を見ると、昆虫幼虫は床面に平らに群がっているではなく、本質的に昆虫肥育容器6.1の高さ全体にわたって群がっていることがわかる。
【0169】
図15は、固定昆虫幼虫飼育装置78を示している。第1の昆虫肥育容器6.1、第2の昆虫肥育容器6.2、さらに昆虫肥育容器が飼育装置内に配設される。昆虫肥育容器は、
図15に示されているように、縦3列で積み重ねられている。
【0170】
活動センサー装置54が、昆虫肥育容器6.1、6.2の各々に設けられ、それによりそれぞれの昆虫肥育容器6.1、6.2内に保持されている昆虫幼虫の活動を検出する。活動センサー装置54によって記録される測定値は、電子制御ユニット10に供給され、ひいては電子制御ユニット10に一体化された処理ユニット80に供給される。さらに、空気センサー装置60の測定データが、電子制御ユニット10に供給され、空気センサー装置60は、昆虫幼虫飼育装置78の内側および外側の両方の空気状態を検出することができる。電子制御ユニット10は、コンピュータ108にも接続されており、それにより処理ユニット80によって処理される測定値は、使用者に対して表示され得る。
【0171】
それに加えて、電子制御ユニット10によって制御され得る、循環ファン8、加熱装置50、および加湿器76が、昆虫幼虫飼育装置78内に配設されている。
【0172】
図16は、第1の昆虫肥育容器6.1内の活動センサー装置54の配置構成を示している。第1の昆虫肥育容器温度測定点56および第1の昆虫肥育容器湿度測定点58は、第1の昆虫肥育容器6.1の中心セクション82内に配設されている。第2の昆虫肥育容器温度測定点88および第2の昆虫肥育容器湿度測定点84は、第1の昆虫肥育容器6.1の側壁に互いに近接して配設されている。第3の昆虫肥育容器温度測定値90および第3の昆虫肥育容器湿度測定値86は、昆虫肥育容器6.1のコーナーに配設されている。
図16によれば、第2および第3の昆虫肥育容器湿度測定値84、86も、昆虫肥育容器6.1の高さにわたって延在する。
【0173】
図14A~
図14Fによる観察された活動に基づくと、昆虫幼虫はその発育中に、まず中心セクション82、すなわち第1の昆虫肥育容器温度測定点56および第1の昆虫肥育容器湿度測定点58に群がり、次いでそれに加えて第3の昆虫肥育容器温度測定点90および第3の昆虫肥育容器湿度測定点86に群がることが想定され得る。しかしながら、第2の昆虫肥育容器温度測定点88および第2の昆虫肥育容器湿度測定点では、
図14A~
図14Fによる昆虫幼虫は群がらない。
【0174】
図17は、また、第1の昆虫肥育容器6.1内の活動センサー装置54の配置構成を示しているが、ここでは、測定点の代わりにセンサーを有している。第1の湿度センサー92.1が、第1の昆虫肥育容器湿度測定点58(
図16参照)に配設され、第2の湿度センサー92.2が、第2の昆虫肥育容器湿度測定点84(
図16参照)に配設され、第3の湿度センサー92.3が、第3の昆虫肥育容器湿度測定点86(
図16参照)に配設される。
【0175】
さらに、第1の温度センサー94.1が、第1の昆虫肥育容器温度測定点56(
図16参照)に配設され、第2の温度センサー94.2が、第2の昆虫肥育容器温度測定点88(
図16参照)に配設され、第3の温度センサー94.3が、第3の昆虫肥育容器温度測定点90(
図16参照)に配設される。
【0176】
センサー92.1~92.4、94.1~94.4は、検出された測定値56、58、84、86、88、90を表す信号を電子制御ユニット10に供給し、その結果として、処理ユニット80に供給する。
【0177】
図18は、時刻t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8における、湿度センサーおよび温度センサーによって記録された測定値、さらには肥育基材湿度104の曲線を示している。時点は、横軸にプロットされている。左側の縦軸は、湿度を0%~120%の範囲内のパーセント単位で示している。温度は、20℃から40℃の範囲内の℃単位で右側の縦軸にプロットされている。
【0178】
湿度センサーによって記録された測定湿度値に対する参照値とみなされ得る、肥育基材湿度104は、時刻t1で80%、時刻t4で約70%、時刻t7で40%である。したがって、時刻t1からt7までの間に肥育基材湿度は40%減少する。
【0179】
中心セクション82に配設された第1の湿度センサー92.1(
図17参照)は、時刻t4まで肥育基材湿度104に実質的に対応する湿度を検出する。時刻t4から、第1の湿度センサー92.1によって検出される湿度は、肥育基材湿度104から逸脱し始め、時刻t7までに湿度100%に上昇する。したがって、昆虫幼虫が時刻t4から第1の湿度センサー92.1に群がったと仮定することができ、これは記録された測定値が肥育基材湿度だけでなく、昆虫幼虫の追加湿度も表すことを意味する。
【0180】
図17による配置構成を有する第2の湿度センサー92.2は、実質的に肥育基材湿度104に対応する湿度を検出する。したがって、昆虫幼虫は、第2の湿度センサー92.2に群がらないと仮定され得る。
【0181】
図17による配置構成を有する第3の湿度センサー92.3は、本質的に時刻t5まで肥育基材湿度104に対応する湿度を検出する。時刻t6まで、湿度は、最初に、約65%に上昇し、次いで時刻t7まで90%に上昇する。したがって、昆虫幼虫が時刻t5から第3の湿度センサー92.3に群がったと仮定することができ、これは記録された測定値が肥育基材湿度だけでなく、昆虫幼虫の追加湿度も表すことを意味する。
【0182】
第2の温度センサー94.2は、本質的に、時刻t1~t7にわたって28℃の一定温度を記録する。時刻t4においてのみ、第2の温度センサー94.2は、30℃の温度を検出する。
【0183】
第1の温度センサー94.1も、時間t3まで実質的に約28℃の一定温度を検出する。次いで、記録された温度は、時刻t4までに約33℃に上昇し、最終的に時刻t5までに38℃に上昇する。温度のこの上昇は、第1の温度センサー94.1に群がる、昆虫幼虫の活動の増加と、熱放射の関連する増加に起因する。記録された温度は、次いで、時刻t6およびt7に約32℃に低下する。
【0184】
第3の温度センサー94.3も、時間t3まで実質的に約28℃の一定温度を検出する。次いで、記録された温度は、時刻t4までに約33℃に上昇し、最終的に時刻t5までに38℃に上昇する。温度のこの上昇は、第3の温度センサー94.3に群がる、昆虫幼虫の活動の増加と、熱放射の関連する増加に起因する。記録された温度は、時刻t6において約34℃に低下し、次いで時刻t7までに35℃とわずかに上昇する。
【0185】
図19は、昆虫幼虫飼育装置78を使って昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第1の好ましい実施形態の例に対する概略フローチャートを示しており、これは肥育フェーズの開始時に第1の昆虫肥育容器6.1に、肥育基材を添加して昆虫幼虫を充填すること(ステップSI)と、第1の時刻t1において、処理ユニット80とともに活性センサー装置54を用いて記録された測定値を処理すること(ステップSII.1)とを含む。ステップSII.1における時刻t1での処理は、好ましくは、記録された測定値と時刻t1における参照値とを比較するステップ(ステップA1)と、時刻t1における参照値の不足を決定するステップ(ステップB1)と、時刻t1における参照値のオーバーシュートを決定するステップ(ステップC1)と、時刻t1におけるクラスター形成を決定するステップ(ステップD1)と、ステップD1で決定されたクラスター形成と時刻t1における参照クラスター形成とを比較するステップ(ステップE1)と、時刻t1における昆虫幼虫の規則的な活動を決定するステップ(ステップF1)と、時刻t1における昆虫幼虫の不規則な活動を決定するステップ(ステップG1)と、時刻t1における発育状態信号を出力するステップ(ステップH1)とを含む。
【0186】
図20は、昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第1の実施形態の例の可能な改良である(
図19)、昆虫幼虫の活動を決定するための方法の第2の好ましい実施形態の例の概略フローチャートを示している。
【0187】
この第2の好ましい実施形態の方法において、ステップSII.1における時刻t1での処理の後に、ステップSII.2における第2の時刻t2で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t2における処理(ステップSII.2)は、ステップA1~H1に対応するが、時刻t2に対して実行されるステップA2~H2を含む。
【0188】
ステップSII.2における時刻t2での処理の後に、ステップSII.2における第3の時刻t3で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t3における処理(ステップSII.3)は、ステップA1~H1およびA2~H2に対応するが、時刻t3に実行されるステップA3~H3を含む。
【0189】
ステップSII.2における時刻t2での処理の後に、ステップSII.3における第3の時刻t3で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t3における処理(ステップSII.3)は、ステップA1~H1およびA2~H2に対応するが、時刻t3に実行されるステップA3~H3を含む。
【0190】
ステップSII.3における時刻t3での処理の後に、ステップSII.4における第3の時刻t4で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t4における処理(ステップSII.4)は、ステップA1~H1、A2~H2、およびA3~H3に対応するが、時刻t4に実行されるステップA4~H4を含む。
【0191】
ステップSII.4における時刻t4での処理の後に、ステップSII.5における第3の時刻t5で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t5における処理(ステップSII.5)は、ステップA1~H1、A2~H2、A3~H3、およびA4~H4に対応するが、時刻t5に実行されるステップA5~H5を含む。
【0192】
ステップSII.5における時刻t5での処理の後に、ステップSII.6における第3の時刻t6で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t6における処理(ステップSII.6)は、ステップA1~H1、A2~H2、A3~H3、A4~H4、およびA5~H5に対応するが、時刻t6に実行されるステップA6~H6を含む。
【0193】
ステップSII.6における時刻t6での処理の後に、ステップSII.7における第3の時刻t7で、活動センサー装置54によって記録された測定値を処理ユニット80で処理することが続く。時刻t7における処理(ステップSII.7)は、ステップA1~H1、A2~H2、A3~H3、A4~H4、A5~H5、A6~H6に対応するが、時刻t7に実行されるステップA7~H7を含む。
【0194】
図21は、可動式輸送装置1としても使用され得る可動式昆虫幼虫飼育装置110の実施形態の例を示している。この実施形態の例は、可動式昆虫輸送装置1の実施形態の例に基づくものであり、第1の実施形態の例と同じおよび類似の要素は同じの参照記号を付されている。この点に関して、上記の説明が完全に参照される。第1の昆虫肥育容器6.1、第2の昆虫肥育容器6.2、さらに昆虫肥育容器が、可動式昆虫幼虫飼育装置110内に収容される。昆虫肥育容器は、
図21に示されているように、2列で積み重ねられている。活動センサー装置54が、昆虫肥育容器6.1、6.2の各々に設けられている。活動センサー装置54によって記録される測定値は、電子制御ユニット10に供給され、それに一体化された処理ユニット10に供給され得る。
【0195】
エネルギー貯蔵ユニット74は、電子制御ユニット10に接続されており、それに電気エネルギーを供給する。
図21による実施形態の例では、加熱装置50が、昆虫肥育容器6.1、6.2が加熱装置50の上方に位置決めされ得るように可動式昆虫幼虫飼育装置110の下側セクションに配設される。可動式昆虫幼虫飼育装置110では、可動式昆虫幼虫飼育装置110内の空気を再循環させるための2つの再循環ファン8も設けられている。
【0196】
図22は、可動式昆虫幼虫飼育装置110のさらなる実施形態の例を示す。
図20に示されている実施形態の例とは対照的に、可動式昆虫幼虫飼育装置110内の空気を再循環させるために4つの再循環ファン8が設けられている。それに加えて、活動センサー装置54によって記録される測定値は、電子制御ユニット10にワイヤレス方式で供給され、ひいては処理ユニット80にもワイヤレス方式で供給され得る。
【符号の説明】
【0197】
1 可動式輸送装置
2 ハウジング
3 選択的に開閉可能な開口部
4 受け入れセクション
6.1~6.4 昆虫肥育容器
8 再循環ファン
10 電子制御ユニット
12.1~12.4 空気調節装置
14.1~14.4 換気セクション
16.1~16.4 排気セクション
18 換気制御ユニット
20.1~20.4 フロー断面
21.1~21.4 アクチュエータ
22.1~22.4 コンパートメント
24 内部
26 換気セクション
28 排気セクション
30 貯蔵容器
31 空気調整材料
32 貯蔵タンク換気セクション
34 貯蔵タンク排気セクション
36 貯蔵タンク制御ユニット
38 貯蔵タンクフロー断面
39 貯蔵タンクアクチュエータ
40 空気取入セクション
42 空気排出セクション
43 断熱カバープレート
44 環境
44 周辺
46 外気ファン
48 排気ファン
50 加熱装置
51 冷却ユニット
52 断熱材
54 活動センサー装置
56 第1の昆虫肥育容器温度測定点
58 第1の昆虫肥育容器湿度測定点
60 空気センサー装置
62 貯蔵タンク温度測定点
64.1 第1の室内湿度測定点
64.2 第2の室内湿度測定点
64.3 第3の内部湿度測定点
66.1 第1の室内温度測定点
66.2 第2の室内温度測定点
66.3 第3の内部温度測定点
68 屋外湿度測定点
70 屋外温度測定点
72 CO2測定点
74 エネルギー貯蔵ユニット
76 加湿器
78 固定昆虫幼虫飼育装置
80 処理ユニット
82 中心セクション
84 第2の昆虫肥育容器湿度測定点
86 第3の昆虫肥育容器湿度測定値
88 第2の昆虫肥育容器温度測定点
90 第3の昆虫肥育容器温度測定点
92.1 第1の湿度センサー
92.2 第2の湿度センサー
92.3 第3の湿度センサー
94.1 第1の温度センサー
94.2 第2の温度センサー
94.3 第3の温度センサー
96 再循環がある場合の平均発熱量
98 再循環がない場合の総発熱量
100 平均換気需要
102 換気需要
104 肥育基材湿度
106 パレット
108 コンピュータ
110 可動式昆虫幼虫飼育装置
【国際調査報告】