(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】人工知能/機械学習(AI/ML)モデルを管理する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20241210BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20241210BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20241210BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20241210BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W8/22
H04W28/18
G06N20/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539022
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2023014938
(87)【国際公開番号】W WO2023211572
(87)【国際公開日】2023-11-02
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2022/026646
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド,アウン
(72)【発明者】
【氏名】北川 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】李 泰雨
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
通信システムにおいて人工知能/機械学習(AI/ML)を管理するための方法及びシステムが提供される。実施形態によれば、通信システムにおけるエアインターフェース最適化のためのAI/MLを実装する方法が提供される。当該方法は、第1のノードによって、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定することと、第2のノードによって、決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関してエアインターフェース最適化を実行することと、を含んでよい。複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装する方法であって、前記方法は、
第1のノードによって、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定することと、
第2のノードによって、前記決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用して前記UEに関してエアインターフェース最適化を実行することと、を有し、
前記複数の所定の協調レベルは、
前記ネットワークと前記UEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、
モデル転送なしの前記ネットワークと前記UEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、
モデル転送を伴う前記ネットワークと前記UEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含む、方法。
【請求項2】
前記第2のレベルに従って、前記ネットワークと前記UEの両方でAI/MLモデル訓練が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のレベルに従って、前記ネットワークがAI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータを前記UEに提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のレベルは、複数の分割レベルを含み、
前記複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応し、
前記複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のレベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応し、
前記第3のレベルは、前記UEと前記ネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記モデル転送が、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、又はパラメータを有する新しいAI/MLモデルの転送のうちの少なくとも1つを含み、前記新しいAI/MLモデルがフルモデル又は部分モデルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記協調レベルを前記決定することは、
前記第1のノードによって、前記UEのAI/ML能力を問い合わせるAI/ML能力要求を前記UEに送信することと、
前記第1のノードによって、前記AI/ML能力要求に応答してAI/ML能力報告を前記UEから受信することであって、前記AI/ML能力報告が前記UEの前記AI/ML能力を示す、ことと、
前記受信したAI/ML能力報告に基づいて、前記複数の所定の協調レベルの中から、前記協調レベルを決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のノードによって、前記UEに記憶されたAI/MLモデル又は前記UEによって使用されるAI/MLモデルのうちの少なくとも1つに関する情報を求める要求を前記UEに送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エアインターフェース最適化が、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、及び測位精度強化のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のレベルに従って、フルスケールAI/MLモデル訓練が前記UEにおいて行われ、
前記第3のレベルに従って、軽量AI/MLモデル訓練が前記UEにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装するシステムであって、前記システムは、
命令を記憶するメモリと、前記命令を実行して、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える第1のノードと、
命令を記憶するメモリと、前記命令を実行して、前記決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用して前記UEに関してエアインターフェース最適化を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える第2のノードと、を含み、
前記複数の所定の協調レベルは、
前記ネットワークと前記UEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、
モデル転送なしの前記ネットワークと前記UEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、
モデル転送を伴う前記ネットワークと前記UEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含む、システム。
【請求項12】
前記第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練が前記ネットワークと前記UEの両方で行われる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のレベルに従って、前記ネットワークがAI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータを前記UEに提供する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のレベルは、複数の分割レベルを含み、
前記複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応し、
前記複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のレベルは、前記UEと前記ネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応し、
前記第3のレベルは、前記UE及び前記ネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記モデル転送が、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、又はパラメータを有する新しいAI/MLモデルの転送のうちの少なくとも1つを含み、前記新しいAI/MLモデルがフルモデル又は部分モデルである、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のノードの前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令を実行して、
前記第1のノードによって、前記UEのAI/ML能力を問い合わせるAI/ML能力要求を前記UEに送信することと、
前記第1のノードによって、前記AI/ML能力要求に応答してAI/ML能力報告を前記UEから受信することであって、前記AI/ML能力報告が前記UEの前記AI/ML能力を示す、ことと、
前記受信したAI/ML能力報告に基づいて、前記複数の所定の協調レベルの中から、前記協調レベルを決定することと、
により、前記協調レベルを決定するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のノードの前記少なくとも1つのプロセッサは、前記命令を実行して、前記UEに記憶されたAI/MLモデル又は前記UEが使用するAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求を前記UEに送信するように更に構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記エアインターフェース最適化が、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、及び測位精度強化のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2のレベルに従って、フルスケールAI/MLモデル訓練が前記UEにおいて行われ、及び
前記第3のレベルに従って、軽量AI/MLモデル訓練が前記UEにおいて行われる、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年4月28日に米国特許商標局(USPTO)に出願された「AI/ML MODEL LIFE CYCLE MANAGEMENT」と題する米国仮特許出願第63/335,916号の利益を主張するものであり、2022年4月28日に出願された国際出願第PCT/US2022/026646号の国内段階として2022年7月26日に出願された米国特許出願第17/795,400号の利益を主張するものであり、上記した出願の開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の例示的な実施形態と一致する方法及びシステムは、人工知能(AI:Artificial Intelligence)/機械学習(ML:Machine Learning)モデルを管理することに関し、より具体的には、通信システムにおけるノード間の協調を管理すること、及びそのためのAI/MLモデルライフサイクル管理に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、通信システムにおいてAI/MLを実装することに対する関心が高まっている。それにもかかわらず、通信システムにおいてAI/MLモデルを管理及び/又は利用するためのフレームワーク及び手法は、今日まで不明確かつ不明なままである。特に、AI/MLモデルを管理及び/又は利用する際の通信システム内のノード(例えば、ユーザ機器、基地局、ネットワーク機能など)間の協調、ならびにAI/MLモデルのライフサイクル管理を提供するための手法は、不明確かつ未定義のままである。
【0004】
上記を考慮して、通信システムにおけるノード間の協調又は連携に関連するフレームワーク及び手順を定義する必要がある。例えば、モデル情報交換、モデル訓練、モデル性能フィードバックの提供、ノード間でのモデルの開始又は転送などのためのフレームワーク及び手順を定義する必要がある。
【0005】
更に、ノード間の協調又は連携を実現するために、ノードのAI/ML能力に従って手順及びシグナリングプロトコル又はフローを定義する必要がある。同様に、AI/ML能力を定義又は分類すること、ならびにAI/MLモデル訓練を分類することが必要である。
【発明の概要】
【0006】
実施形態によれば、通信システムにおけるノード間の協調(collaboration)を容易にするためのシステム及び方法が提供される。具体的には、実施形態によれば、エアインターフェース(air interfaces)の最適化のためのAI/MLを実装するための通信システム内のノード間の協調、及びそのためのAI/MLモデルのライフサイクル管理を容易にするためのシステム及び方法が提供される。実施形態によれば、AI/MLモデル/推論を連携させて使用する(usage in a cooperative manner)ためのシステム及び方法が提供され、より具体的には、通信システムのエアインターフェースを最適化するためのAI/MLモデル/推論を使用するためのシステム及び方法が提供される。
【0007】
実施形態によれば、モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装する方法を提供することができる。本方法は、第1のノードによって、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定することと、第2のノードによって、決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関してエアインターフェース最適化を実行することを含み得る。複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベース(signaling-based)のAI/ML協調に対応する第2のレベルと、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含み得る。
【0008】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練(training)は、ネットワークとUEの両方で行われてもよい。
【0009】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデル及び/又は推論調整(inference tuning)パラメータをUEに提供することができる。
【0010】
実施形態によれば、第2のレベルは、複数の分割レベル(split levels、スプリットレベル)を含むことができる。複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論(joint inference performed jointly)なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、UE及びネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0011】
代替的に(上記の構成の代わりに)又は追加的に(上記の構成に加えて)、第2のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0012】
実施形態によれば、モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送又はパラメータを有する新しいAI/MLモデルの転送のうちの少なくとも1つを含んでもよく、新しいAI/MLモデルは、フルモデル又は部分モデルであってもよい。
【0013】
実施形態によれば、協調レベルを決定することは、第1のノードによって、UEのAI/ML能力について問い合わせるAI/ML能力要求(capability request、能力についての問い合わせ・リクエスト)をUEに送信することと、第1のノードによって、AI/ML能力要求に応答してAI/ML能力報告をUEから受信することを含み得る。AI/ML能力報告はUEのAI/ML能力を示す。協調レベルを決定することはさらに、受信したAI/ML能力報告に基づいて、複数の所定の協調レベルの中から協調レベルを決定することを含み得る。
【0014】
実施形態によれば、本方法は、第1のノードによって、UEに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求(問い合わせ、リクエスト)をUEに送信することを更に含むことができる。
【0015】
実施形態によれば、エアインターフェース最適化は、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)フィードバック強化、ビーム管理(beam management)、及び測位精度強化(positioning accuracy enhancement)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0016】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、フルスケールAI/MLモデル訓練がUEで行われてもよい。また、第3のレベルに従って、軽量AI/MLモデル訓練がUEで行われてもよい。
【0017】
実施形態によれば、モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装するシステムを提供することができる。システムは、命令(instructions)を記憶するメモリと、命令を実行して、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える第1のノードと、命令を記憶するメモリと、命令を実行して、決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関してエアインターフェース最適化を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える第2のノードと、を含み得る。複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルと、を含み得る。
【0018】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練は、ネットワークとUEの両方で行われてもよい。
【0019】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータ(AI/ML model and/or inference tuning parameters)をUEに提供することができる。
【0020】
実施形態によれば、第2のレベルは、複数の分割レベルを含むことができる。複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、UE及びネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0021】
代替的又は追加的に、第2のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0022】
実施形態によれば、モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送又はパラメータを有する新しいAI/MLモデルの転送のうちの少なくとも1つを含んでもよく、新しいAI/MLモデルは、フルモデル又は部分モデルであってもよい。
【0023】
実施形態によれば、第1のノードの少なくとも1つのプロセッサは、第1のノードによって、UEのAI/ML能力を問い合わせるAI/ML能力要求をUEに送信すること、第1のノードによって、AI/ML能力要求に応答してAI/ML能力報告をUEから受信することであって、AI/ML能力報告は、UEのAI/ML能力を示すことができる、ことと、受信したAI/ML能力報告に基づいて、複数の所定の協調レベルの中から協調レベルを決定することにより、協調レベルを決定するための命令を実行するように構成され得る。
【0024】
実施形態によれば、第1のノードの少なくとも1つのプロセッサは、命令を実行して、UEに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求をUEに送信するように更に構成され得る。
【0025】
実施形態によれば、エアインターフェース最適化は、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、及び測位精度強化のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0026】
実施形態によれば、第2のレベルによれば、フルスケールAI/MLモデル訓練がUEで行われてもよく、第3のレベルによれば、軽量AI/MLモデル訓練がUEで行われてもよい。
【0027】
更なる態様は、以下の説明に部分的に記載され、部分的には、以下の説明から明らかになるか、又は本開示の提示された実施形態の実施によって実現され得る。
【0028】
添付の図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態の特徴、利点(効果)、及び重要性を以下に説明する。図面において、同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】1つ又は複数の実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)におけるAI/MLアプリケーションのための機能システムアーキテクチャ又はフレームワークを示す図である。
【
図2】1つ又は複数の実施形態による、モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のためのAI/MLを実装する例示的な方法のフロー図である。
【
図3】1つ又は複数の実施形態による、協調レベルを決定する例示的な方法のフロー図である。
【
図4】1つ又は複数の実施形態による、1つ又は複数のAI/MLモデルのライフサイクル管理に関連する(ライフサイクル管理で実行される)手順の例を示す図である。
【
図5】1つ又は複数の実施形態による、協調AI/MLモデル使用のための第1のノードと第2のノードとの間のシグナリングフローを示す図である。
【
図6】1つ又は複数の実施形態による、AI/MLモデル訓練のカテゴリの内訳を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
更なる態様は、以下の説明に部分的に記載され、部分的には、以下の説明から明らかになるか、又は本開示の提示された実施形態の実施によって実現され得る。
【0031】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を識別し得る。
【0032】
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であることを意図するものではなく、又は実装形態(実施)を開示された構成(形態)そのものに限定することを意図するものではない。変更及び変形は、上記の開示に照らして可能であり、又は実装形態の実施から成し得る。更に、一実施形態の1つ若しくは複数の特徴又は1つ若しくは複数のコンポーネントは、別の実施形態(又は別の実施形態の1つ又は複数の特徴)に組み込まれてもよく、又は別の実施形態(又は別の実施形態の1つ又は複数の特徴)と組み合わせられてもよい。加えて、以下に提供される動作(operations)の説明では、1つ又は複数の動作が省略されてもよく、1つ又は複数の動作が追加されてもよく、1つ又は複数の動作が(少なくとも部分的に)同時に実行されてもよく、1つ又は複数の動作の順序が差し替えられても(変更されても)よいことが理解される。
【0033】
本明細書に記載のシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せの様々な形態で実装されてもよいことは明らかであろう。これらのシステム及び/又は方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェア又はソフトウェアコードは、実装形態を限定するものではない。したがって、本明細書では特定のソフトウェアコードを参照せずにシステム及び/又は方法の動作及び挙動を説明した。本明細書の説明に基づいてシステム及び/又は方法を実装するようにソフトウェアとハードウェアが設計され得ることは理解される。
【0034】
特徴の特定の組合せが、本明細書で開示されるとしても、当該組合せは、可能な実装形態の開示を限定することを意図していない。実際、これら特徴の多くは、本明細書に具体的に開示されていない方法・構成・手順で組み合わされてもよい。
【0035】
本明細書で使用されている要素、動作、又は命令は、明示的に説明されていない限り、重要又は必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用されている冠詞「a」及び「an」は、1つ又は複数の項目(要素、動作、命令、ノード、モジュール、機能、エンティティ、部品、部、構成、工程)を含むことを意図しており、「1つ又は複数」と同義に使用され得る。1つの項目のみが意図される場合は、「1つ」という用語又は同様の文言を使用する。また、本明細書で使用されている「有する(has)」、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの用語は、非限定的な用語(記載されているもの以外も有し得るまたは含み得るという意味)であることを意図している。更に、「に基づいて」という語句は、特に別段明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。更に、「[A]及び[B]のうちの少なくとも1つ」や「[A]又は[B]のうちの少なくとも1つ」などの表現は、Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方を含むと理解されるべきである。
【0036】
更に、本明細書で使用される「AI/MLモデル」などの用語は、人工知能(AI)/機械学習(ML)技術を適用して1つ又は複数の入力に基づいて1つ又は複数の出力を生成するデータ駆動(data driven)アルゴリズムを指すことができる。
【0037】
一般的なシステムアーキテクチャ
図1は、1つ又は複数の実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN)におけるAI/MLアプリケーションのための機能システムアーキテクチャ又はフレームワークを示す。
図1を参照すると、システム100は、データ収集モジュール110、モデル訓練(training)モジュール120、モデル推論モジュール130、及びアクタ(actor)モジュール140を含むことができる。
【0038】
実施形態によれば、データ収集モジュール110は、データを収集し、データをモデル訓練モジュール120及びモデル推論モジュール130に提供する機能(又は機能を実行するように構成された要素/エンティティ)であってもよい。
【0039】
例えば、データ収集モジュール110は、(これらに限定されないが)ユーザ機器(UE:User Equipment)、基地局(例えば、gNB)、位置管理機能(LMF:Location Management Function)、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)、ならびに運用及び管理(OAM:Operation And Management)機能又はエンティティなどのシステム内の1つ又は複数のノード及び/又は1つ又は複数のネットワーク機能からデータを収集することができる。収集されたデータは、1つ又は複数のノード及び/又は1つ又は複数のネットワーク機能からの測定データ(例えば、状態測定データ・結果、性能測定データ・結果など)、アクタモジュール140からのフィードバックデータ、AI/MLモデルからの出力データ、及び任意の他の適切なデータを含むことができる。
【0040】
更に、データ収集モジュール110は、収集されたデータをモデル訓練モジュール120に提供することができ、その結果、前記データはAI/MLモデルを訓練するために利用することができる(この点に関して、モデル訓練モジュール120に提供されるデータは、本明細書では「訓練データ」と呼ぶことができる)。実施形態によれば、訓練データは、オフラインフィールドデータ(例えば、フィールド(現場)から収集され、AI/MLモデルのオフライン訓練に使用されるデータ)及びオンラインフィールドデータ(例えば、フィールドから収集され、AI/MLモデルのオンライン訓練に使用されるデータ)を含むことができる。
【0041】
更に、データ収集モジュール110は、収集されたデータをモデル推論モジュール130に提供することができ、その結果、当該データは推論動作・推論演算に利用することができる(この点に関して、モデル推論モジュール130に提供されるデータは、本明細書では「推論データ」と呼ぶことができる)。
【0042】
実施形態によれば、データ収集モジュール110は、(限定はしないが)データ前処理、データクリーニング、データフォーマット処理(data formatting)、及びデータ変換などの1つ又は複数のデータ準備動作(data preparation operations、データ準備処理・演算)を実行するように構成された1つ又は複数の追加モジュールに通信可能に結合することができ、当該1つ又は複数の追加モジュールからデータを収集するように構成することができる。他の実施形態によれば、データ収集モジュール110は、当該1つ又は複数のデータ準備動作を実行するように構成されてもよい。
【0043】
更に、実施形態によれば、モデル訓練モジュール120は、1つ又は複数のAI/MLモデルの訓練動作を実行する機能(又は機能を実行するように構成された要素/エンティティ)であってもよい(本明細書では「AI/MLモデル訓練」と呼ぶことができる)。AI/MLモデル訓練は、データ駆動方式(data driven manner)で入出力関係を学習することによって1つ又は複数のAI/MLモデルを訓練し、そこから訓練されたAI/MLモデルを取得するプロセスを指すことができる。更に、AI/MLモデル訓練は、オンライン及び/又はオフラインで実行されてもよく、UE及び/又はネットワークで実行されてもよい。
【0044】
実施形態によれば、AI/MLモデル訓練は、AI/MLモデル検証(validation)及び/又はAI/MLモデル試験を含み得る。AI/MLモデル検証は、モデル訓練に使用されるデータセットとは異なるデータセットを使用してAI/MLモデルの品質を評価するプロセスであり得、AI/MLモデル試験は、モデル訓練及び検証に使用されるデータセットとは異なるデータセットを使用して最終的なAI/MLモデルの性能を評価するプロセスであり得る。
【0045】
例えば、モデル訓練モジュール120は、データ(例えば、訓練データなど)又は情報(データ収集モジュール110からなど)を取得又は要求し、要求されたデータ又は情報を受信し、モデル訓練、モデル検証、及びモデル試験のうちの1つ又は複数を実行するために(受信したデータ又は情報に基づいて)1つ又は複数のAI/MLアルゴリズムを実行するように構成され得る。更に、モデル訓練モジュール120は、モデル推論モジュール130に、1つ又は複数の訓練されたモデル(訓練済みモデル)、検証されたモデル(検証済みモデル)、及び/又は試験されたモデル(試験済みモデル)を提供又は展開するように構成することができる。
【0046】
実施形態によれば、モデル訓練モジュール120は、モデル試験動作(model testing operation)を介してモデル性能測定基準(model performance metrics)を生成するように構成することができる。また、モデル訓練モジュール120は、データ収集モジュール110によって提供された訓練データに基づいて、1つ又は複数のデータ準備動作を実行するように構成することができる。更に、モデル訓練モジュール120は、(他のモジュール又はエンティティから)1つ又は複数の訓練済みモデル、1つ又は複数の検証済みモデル、及び/又は1つ又は複数の試験済みモデルを受信し、当該1つ又は複数の訓練済みモデル、当該1つ又は複数の検証済みモデル、及び/又は当該1つ又は複数の試験済みモデルを更新(updata)、アップグレード、及び/又はロールバックするように構成することができる。
【0047】
一方、実施形態によれば、モデル推論モジュール130は、AI/MLモデルに関連付けられた1つ又は複数の推論動作を実行する機能(又はその機能を実行するように構成された要素/エンティティ)であってもよい(本明細書では「AI/MLモデル推論」と呼ぶことがある)。AI/MLモデル推論は、訓練されたAI/MLモデルを使用して、1つ又は複数の入力に基づいて1つ又は複数の出力を生成するプロセスであり得る。例えば、AI/MLモデル推論は、訓練されたAI/MLモデル及び推論データを利用して、訓練されたAI/MLモデルの1つ又は複数の出力を予測又は決定する1つ又は複数の動作を含み得る。
【0048】
一例として、モデル推論モジュール130は、データ(例えば、推論データ、AI/MLモデルなど)又は情報(データ収集モジュール110から、モデル訓練モジュール120からなど)を取得又は要求し、要求されたデータ又は情報を受信し、受信されたデータ又は情報に基づいて1つ又は複数のAI/MLモデル推論を実行するように構成されてもよい。実施形態によれば、モデル推論モジュール130は、データ収集モジュール110によって提供された推論データに基づいて、(例えば、モデル訓練モジュール120などによって提供される)1つ又は複数の訓練されたモデル、1つ又は複数の検証されたモデル、及び/又は1つ又は複数の試験されたモデルに対して前記1つ又は複数の推論動作を実行するように構成することができる。
【0049】
更に、モデル推論モジュール130は、1つ又は複数の推論出力をアクタモジュール140に提供するように構成することができる。実施形態によれば、モデル推論モジュール130は、AI/MLモデルの性能を監視し、AI/MLモデルの性能(本明細書では「モデル性能フィードバック(データ、情報)」と呼ぶことができる)をモデル訓練モジュール120に提供するように構成することができ、その結果、モデル訓練モジュール120は、モデル訓練、モデル検証、及びモデル試験のうちの1つ又は複数を実行する際にモデル性能フィードバック(データ、情報)を利用することができる。
【0050】
実施形態によれば、モデル推論モジュール130は、データ収集モジュール110によって提供された推論データに基づいて、1つ又は複数のデータ準備動作を実行するように構成することができる。更に、モデル推論モジュール130は、モデルの推論出力を、推論出力を要求したノード、及び/又は推論出力に基づいて動作を行うノードにシグナリングするように構成することができる。
【0051】
更に、実施形態によれば、アクタモジュール140は、モデル推論モジュール130によって提供される推論出力に基づいて1つ又は複数の動作(actions)を実行する機能(又は機能を実行するように構成された要素/エンティティ)であってもよい。例えば、アクタモジュール140は、他のエンティティ(例えば、他のモジュール、他のノード、他の機能など)及び/又はそれ自体(アクタモジュール140)に向けられた1つ又は複数の動作をトリガ又は実行するように構成することができる。更に、アクタモジュール140は、フィードバックデータ又は情報をデータ収集モジュール110に提供するように構成されてもよい。フィードバックデータ又は情報は、訓練データ、推論データを導出する際、及び/又はAI/MLモデルの性能及びネットワークへの影響を監視する際に利用され得る任意の適切なデータを含み得る。
【0052】
上述の例示的な実施形態は可能な実施形態にすぎず、本開示の範囲はそれらに限定されるべきではないと考えられる。更に、システム100内のモジュール110~140のうちの1つ又は複数は、ソフトウェア形態、ハードウェア形態、又はそれらの組合せで実装又は展開することができると考えられる。実施形態によれば、モジュール110~140のうちの1つ又は複数は、少なくとも1つのプロセッサによって読み取られるか又は実行されると、当該少なくとも1つのプロセッサに、前記モジュールに関連する1つ又は複数の動作を実行させるコンピュータ可読命令及び/又はコンピュータ実行可能命令の形態で実装又は展開され得る。
【0053】
この目的のために、システム100は、RAN内の1つ又は複数のAI/MLモデルのインテリジェンス及びデータを管理するためのフレームワークを提供する。したがって、システム100(及び関連するアーキテクチャ)は、通信システムにおける様々な目的のために利用することができる。例えば、1つ又は複数の例示的な実施形態は、通信システム内のエアインターフェースのAI/ML最適化のためにシステム100を適用することができる。1つ又は複数の実施形態では、エアインターフェースは5G New Radio(NR)エアインターフェースであり、エアインターフェースの最適化は、チャネル状態情報(CSI)フィードバックの強化、ビーム管理、測位精度の強化、及び任意の他の適切なエアインターフェース関連の動作及び機能・特徴の最適化を含み得る。更に、システム100は、任意の他の可能なユースケース(例えば、ネットワークのエネルギー節約、負荷分散(load balancing)、モビリティ最適化など)で利用されてもよいことも考えられる。
【0054】
AI/ML利用の連携レベルの分類
例示的な実施形態によれば、ユーザ機器(UE)、基地局(例えば、gNB)、位置管理機能(LMF)、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、ならびに運用及び管理(OAM)機能などの通信システムにおけるネットワークノード及び/又はネットワーク機能間のAI/ML協調(collaboration)又は連携(cooperation)の複数の所定のレベル又はカテゴリが提供される(例えば、通信システムがこれらを適用したり又は標準化する)。
【0055】
以下の表1は、一実施形態による、AI/ML標準化及びgNB/UE能力に関する複数の所定のレベルのAI/ML協調又は連携の一例を示す。
【表1】
【0056】
表1は、UEとgNBとの間の例示的な協調及び例示的な協調における関連するロールを示しているが、同様の開示(協調及びロール)は、本開示の範囲から逸脱することなく、UEと任意の適切なネットワーク(例えば、gNB、及び、LMF、AMF、OAMなどのネットワーク機能)との間の協調などに適用可能であり得ることが企図されている。
【0057】
表1に示すように、複数の所定のレベルのAI/ML連携(又は協調)は、3つのレベル又はカテゴリ、すなわちレベル#0、レベル#1、及びレベル#2(ただし、1つ又は複数の他の実施形態はこれに限定されず、2つのレベルもしくはカテゴリ又は3つを超えるレベルもしくはカテゴリを含むことができることが理解される)を含み得る。
【0058】
第1のレベル#0では、実装ベース(implementation-based)のAI/MLアルゴリズムが使用される。すなわち、第1のレベル#0では、UE及び/又はネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)は、互いに情報交換することなく、1つ又は複数の特定の組み込みAI/MLモデル(built-in AI/ML models)を利用することができる。特定の組み込みAI/MLモデルは、UEのベンダー、ネットワークオペレータなどの任意の適切な人員によって提供されてもよい。実施形態によれば、一方の側で利用されているAI/MLモデルの1つ又は複数は、他方の側に対して透過的(transparent to the other side)である。また、1つ又は複数のAI/MLモデルは、複数の側(例えば、UE及びネットワークは、同様のベースモデル等を有し得る)に同様に組み込まれたベースモデル(base model)であってもよい。
【0059】
第2のレベル#1では、情報交換が行われ得る。すなわち、第2のレベル#1では、UE及び/又はネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)は、1つ又は複数のAI/MLモデルを互いに転送することなく、情報が交換された1つ又は複数のAI/MLモデルを利用する。例えば、協調がUEとgNBとの間である場合、UE及びgNBは、AI/ML使用のための情報を交換することができるが、AI/MLモデルに関連する特定の動作(例えば、訓練、検証、試験、推論など)は、UE及び/又はgNBで別々に実行されてもよい。
【0060】
実施形態によれば、UEとネットワークとの間で交換される情報は、AI/MLモデル及び/又は推論調整(inference tuning)パラメータを含むことができる。これに関して、UE及び/又はネットワークは、1つ又は複数のAI/MLモデルを訓練し、1つ又は複数のAI/MLモデル及び/又は関連パラメータ(例えば、交換された情報などに基づいて、)を更新し、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータを互いに提供するように構成され得る。例えば、アップリンクのユースケースでは、UEは、gNBが提供されたパラメータ又は情報に基づいてそのAI/MLモデルを調整できるように、gNBにパラメータ又は情報を提供することができる。別の例として、UEは、UEが利用したい特定の組み込みパラメータ(例えば、UEベンダーなどによって提供される)を有することができ、したがって、UEは、gNBが前記パラメータを利用することができるように、前記パラメータをgNBに提供することができる。
【0061】
更に、実施形態によれば、第2のレベル#1は、第1の分割レベル#1A及び第2の分割レベル#1Bなどの複数の分割レベル(split levels)を含むことができる。第1の分割レベル#1Aは、共同動作あり/なしの片側モデル(one-sided model(s))のシグナリングベース(signaling-based)のAI/ML協調に対応することができ、第2の分割レベル#1Bは、共同動作あり/なしの両側モデル(two-sided model(s))のシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0062】
「片側モデル」という用語は、一方で(例えば、訓練された、検証された、試験された、推論されたなど)利用され、他方から独立しているAI/MLモデルを指すことができる。例えば、片側モデルは、UE側AI/MLモデル(例えば、UEで推論が実行されるAI/MLモデル)、ネットワーク側モデル(例えば、ネットワークで推論が実行されるAI/MLモデル)などであってもよい。
【0063】
「両側モデル」という用語は、両側で利用される(例えば、訓練された、検証された、試験された、推論されたなど)AI/MLモデルを指すことができる。例えば、両側モデルは、最初にUEで利用され、次にgNBで利用されるAI/MLモデル、又はその逆のAI/MLモデルであってもよい。
【0064】
「共同動作(joint operation)」という用語は、ノード及び/又はネットワークにわたって共同で実行される1つ又は複数の動作(例えば、訓練、検証、試験、推論動作など)を指すことができる。例えば、共同動作は、1つ又は複数の推論動作(例えば、予測、決定など)がノード及び/又はネットワークにわたって共同で実行される共同推論(joint inference)を含むことができる(例えば、UEとgNBとにわたって共同推論を実行することができ、推論の第1の部分はUEによって実行され、推論の第2の部分はgNBなどによって実行される)。
【0065】
上記を考慮して、第1の分割レベル#1Aは、UE及びネットワーク(例えば、gNB、及び、LMF、AMF、OAMなどのネットワーク機能)にわたって共同で実行される共同推論の有無にかかわらず片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第2の分割レベル#1Bは、UE及びネットワークにわたって共同で実行される共同推論の有無にかかわらず両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0066】
この目的のために、第2のレベル#1(及びそれに関連付けられた分割レベル)は、UEとネットワークとの間のモデル支援情報交換(model assistance information exchange)及びモード/推論パラメータ交換又は更新を定義する。更に、第2のレベル#1(及びそれに関連する分割レベル)は、UEとネットワークとの間のモデル性能に関するフィードバック又は情報を提供するためのフレームワークを定義する。更に、第2のレベル#1(及びそれに関連する分割レベル)は、モデル訓練のためのフレームワークを定義する(例えば、UE等に基づく)。
【0067】
第3のレベル#2では、モデル交換又はモデル転送が行われ得る。すなわち、第3のレベル#2では、UE及び/又はネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)は、1つ又は複数のAI/MLモデルを交換することができる。例えば、ネットワークは、1つ又は複数のAI/MLモデルをUEに転送することができ、UEは、1つ又は複数のAI/MLモデルをネットワークに転送することができ、UEは、ネットワークから1つ又は複数のAI/MLモデルをダウンロードすることができるなどである。モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、パラメータ付きの新しいAI/MLモデル(例えば、新しいフルAI/MLモデル、新しい部分AI/MLモデル(new partial AI/ML model)など)の転送などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0068】
実施形態によれば、第3のレベル#2で、UE及び/又はネットワークは、1つ又は複数の外部リポジトリから1つ又は複数のAI/MLモデルの更新を取得することができる。例えば、UE及び/又はネットワークは、外部リポジトリなどから更新されたモデル又は新しいモデルをダウンロードすることができる。更に、第3のレベル#2では、軽量AI/MLモデル訓練がUE及び/又はネットワークで行われ得る。
【0069】
この目的のために、第3のレベル#2は、UEとネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)との間で1つ又は複数のAI/MLモデルを開始、転送、及び検証するためのフレームワークを定義する。
【0070】
実施形態によれば、情報交換は、関連付けられたAI/MLモデルのIDに基づいて実行されてもよい。例えば、ネットワークは、モデルIDなどに基づいてAI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる。更に、実施形態によれば、第2のレベル#1では、フルスケールAI/MLモデル訓練がUE及び/又はネットワークで行われ得る。
【0071】
更に、一実施形態によれば、複数の所定のレベル(又はカテゴリ)のうちの協調の特定のレベル(又はカテゴリ)の実装又は選択に基づいて、1つ又は複数のAI/MLモデルをエアインターフェース最適化に適用することができる。例えば、エアインターフェース最適化は、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、測位精度強化、及び任意の他の適切なエアインターフェース関連の動作及び特徴の最適化を含み得る。更に、1つ又は複数のAI/MLモデルはまた、複数の所定のレベル(又はカテゴリ)のうちの協調の特定のレベル(又はカテゴリ)の実装又は選択に基づいて、任意の他の可能なユースケース(例えば、ネットワークのエネルギー節約、負荷分散、モビリティ最適化など)で利用されてもよいことが考えられる。
【0072】
AI/ML能力の分類
AI/ML能力は、1つ又は複数のAI/ML関連タスク(AI/ML related tasks)を実行するためのUE及び/又はネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)の能力を指すことができる。
【0073】
実施形態によれば、UEのAI/ML能力は、クラス0、クラス1、クラス2、及びクラス3のクラスに分割され得る。
【0074】
クラス0に分類されるUEは、AI/ML能力を有していなくてもよい。クラス1に分類されるUEは、情報交換のみをサポートし得る。クラス2に分類されるUEは、情報交換及びモデル転送をサポートすることができる。クラス3に分類されるUEは、情報交換、モデル転送、及びモデル訓練をサポートすることができる。
【0075】
上記を考慮して、クラス0のUEは、上記の第1のレベル#0の協調に基づいて1つ又は複数のAI/MLタスクを実行することができ、クラス1のUEは、上記の第2のレベル#1の協調に基づいて1つ又は複数のAI/MLタスクを実行することができ、クラス2のUE及びクラス3のUEは、上記の第3のレベル#2の協調に基づいて1つ又は複数のAI/MLタスクを実行することができる。
【0076】
上記の説明は、UEのAI/ML能力の分類を参照して説明されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の分類が任意のノード又はネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)に適用可能であり得ることが理解されよう。
【0077】
この目的のために、本開示の例示的な実施形態は、ノードのAI/ML能力の分類を定義する。
【0078】
例示的なユースケース:エアインターフェース最適化のためのAI/ML実装
上述したように、一実施形態によれば、AI/MLは、モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のために実装されてもよい。
【0079】
図2は、1つ又は複数の実施形態による、モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のためのAI/MLを実装する例示的な方法200のフロー図を示す。
【0080】
図2を参照すると、動作(operation:処理)S210において、協調レベルが決定される。具体的には、第1のノードは、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定するように構成され得る。
【0081】
実施形態によれば、第1のノードは、UE、ネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)、又はモバイル通信システム内の任意の他の適切なノードもしくは要素であってもよい。
【0082】
更に、複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベル、ネットワークとUEとの間の第1のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベル、及びネットワークとUEとの間の第2のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルを含み得る。
【0083】
実施形態によれば、第1のレベル、第2のレベル、及び第3のレベルは、それぞれ上述の第1のレベル#0、上述の第2のレベル#1、及び上述の第3のレベル#2に対応することができる。例えば、第2のレベルは、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0084】
これに関して、第2のレベルは複数の分割レベルを含むことができ、例えば、第1の分割レベル(例えば、上述の第1の分割レベル#1A)は、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応し、第2の分割レベル(例えば、上述の第2の分割レベル#1B)は、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応する。更に、モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、又はパラメータを有する新しいAI/MLモデルの転送のうちの少なくとも1つを含んでもよく、新しいAI/MLモデルは、フルモデル又は部分モデルであってもよい。
【0085】
あるいは、第2のレベル及び第3のレベルは、それぞれ上述の第1の分割レベル及び上述の第2の分割レベルに対応してもよい。例えば、第2のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論あり/なしの両側モデルのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる。
【0086】
実施形態によれば、第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練は、ネットワークとUEの両方で行われてもよい。追加的又は代替的に、第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる。
【0087】
実施形態によれば、第2のレベルによれば、フルスケールAI/ML訓練がUEで行われてもよく、第3のレベルによれば、軽量AI/MLモデル訓練がUEで行われてもよい。
【0088】
引き続き
図2を参照すると、動作(処理)S220において、1つ又は複数のエアインターフェース最適化が実行される。具体的には、第2のノードは、決定された協調レベル(例えば、動作S210で決定された協調レベル)に基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関して1つ又は複数のエアインターフェース最適化を実行するように構成されてもよい。第2のノードは、UEもしくはネットワーク(例えば、gNB、LMF、AMF、OAMなど)、又はモバイル通信システム内の任意の他の適切なノードもしくは要素であってもよい。1つ又は複数のエアインターフェース最適化は、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、測位精度強化、及び任意の他の適切なエアインターフェース関連の動作及び特徴の最適化を含み得る。
【0089】
方法200は、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の追加の又は代替の動作(処理)を含むことができると考えられる。
【0090】
例えば、実施形態によれば、方法200は、第1のノードが、UEに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求(リクエスト)をUEに送信し、UEから前記情報を受信するように構成され得る動作を含み得る。代替的又は追加的に、実施形態によれば、方法200は、第1のノードが、外部リポジトリに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求を外部リポジトリに送信し、外部リポジトリから前記情報を受信するように構成され得る動作を含み得る。
【0091】
同様に、方法200の動作のうちの1つ又は複数は、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の追加の動作を含むことができる。例えば、
図3は、1つ又は複数の実施形態による、協調レベルを決定する例示的な方法300(すなわち、方法200における動作S210)のフロー図を示す。
【0092】
図3を参照すると、動作(処理)S310において、1つ又は複数のAI/ML能力要求(capability request、能力についての問い合わせ)が送信される。具体的には、第1のノードは、UEのAI/ML能力について問い合わせる1つ又は複数のAI/ML能力要求をUEに送信するように構成され得る。実施形態によれば、1つ又は複数のAI/ML能力要求は、UEのAI/ML能力の分類(例えば、上記のクラス0~クラス3)を定義する情報の要求を含み得る。
【0093】
動作(処理)S320において、1つ又は複数のAI/ML能力報告が受信される。具体的には、第1のノードは、AI/ML能力要求に応答して、UEから1つ又は複数のAI/ML能力報告を受信するように構成されてもよく、1つ又は複数のAI/ML能力報告は、UEのAI/ML能力を示してもよい。実施形態によれば、1つ又は複数のAI/ML能力報告は、UEのAI/ML能力の分類を定義する情報を含み得る。
【0094】
動作(処理)S330において、協調レベルが決定される。具体的には、第1のノードは、受信したAI/ML能力報告に基づいて、複数の所定の協調レベルの中から協調レベルを決定するように構成され得る。実施形態によれば、第1のノードは、UEのAI/ML能力の分類を決定することによって協調レベルを決定するように構成され得る。
【0095】
AI/MLモデルのライフサイクル管理
実施形態によれば、ノード(例えば、UE、及びgNB、LMF、AMF、OAMなどのネットワーク)は、互いに協調して、1つ又は複数のAI/MLモデルのライフサイクル管理を実行することができる。
【0096】
図4は、1つ又は複数の実施形態による、1つ又は複数のAI/MLモデルのライフサイクル管理に関与する(involved)手順の例を示す。
【0097】
図4を参照すると、AI/MLモデルライフサイクル管理400は、以下の手順(procedures)、すなわち、AI/ML能力報告手順410、AI/MLモデル同期手順420、AI/MLモデル更新/アップグレード手順430、AI/MLモデル性能監視手順440、AI/MLモデル訓練/生成手順450、AI/MLモデル展開手順460、及びAI/MLモデルロールバック手順470を含むことができる(ただし、これらに限定されない)。
【0098】
前記手順410~470は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の順序で行われ得ることが理解され得る。更に、前記手順410~470の1つ又は複数は、互いに組み合わせて別の手順を形成してもよく(例えば、AI/ML能力報告及びAI/MLモデル同期を組み合わせて、AI/ML能力発見などの手順を形成することができる)、及び/又は互いに含まれてもよい(例えば、AI/MLモデルの訓練/生成は、AI/MLモデルの更新などに含まれてもよい)と考えられる。
【0099】
更に、実施形態によれば、前記手順410~470の少なくとも1つ又はすべては、「情報交換」、「モデル交換」、及び「モデル訓練」のうちの1つ又は複数がUE又はネットワークによってサポートされる場合に適用可能であり得る。
【0100】
実施形態によれば、AI/ML能力報告手順410は、UEのAI/ML能力及び/又はネットワークのAI/ML能力を報告するための1つ又は複数の動作を含むことができる。例えば、ネットワーク(例えば、gNB)は、上述したように、1つ又は複数のAI/ML能力要求をUEに送信し、UEから1つ又は複数のAI/ML能力報告又は応答を取得することによって、UEのAI/ML能力を問い合わせることができる。
【0101】
実施形態によれば、AI/MLモデル同期手順420は、1つ又は複数のAI/MLモデル及びそれに関連する情報を記憶する1つ又は複数のリポジトリを発見し(discover)、発見されたリポジトリから1つ又は複数のAI/MLモデル又は関連する情報を取得し、取得されたAI/MLモデル又は情報で現在のAI/MLモデル(UE及び/又はgNBなどのネットワークによって記憶又は利用されている)を更新するための1つ又は複数の動作を含み得る。例えば、ネットワーク(例えば、gNB)は、1つ又は複数の要件(例えば、AI/ML能力、最適化要件など)に基づいて、すべての記憶されたAI/MLモデルの情報又は特定のAI/MLモデルの情報を要求することができる。
【0102】
実施形態によれば、AI/MLモデル更新/アップグレード手順430は、以下の動作(処理)、すなわち、モデル更新トリガ、新しいモデル更新(例えば、モデルのダウンロード又はモデルの交換などによって)、モデル訓練/生成、既存モデルの更新/アップグレード(例えば、情報交換などによって)、AI/ML推論更新/転送、モデル/推論選択手順、モデル又は推論検証、及び1つ又は複数のAI/MLモデルの再訓練又は微調整のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0103】
実施形態によれば、AI/MLモデル性能監視手順440は、1つ又は複数のAI/MLモデルの性能を監視するための1つ又は複数の動作(処理)を含み得る。例えば、手順440は、1つ又は複数のAI/MLモデルが展開、訓練/生成、及び/又は更新/アップグレードされた後に、(例えば、フィードバックなどを受信することによって)1つ又は複数のAI/MLモデルの推論性能を監視するための動作を含むことができる。
【0104】
実施形態によれば、AI/MLモデル訓練/生成手順450は、1つ又は複数のAI/MLモデルを訓練又は生成するための1つ又は複数の動作(処理)を含み得る。当該1つ又は複数の動作は、データ駆動方式(data driven manner)で入出力関係を学習し、そこから訓練されたAL/MLモデルを生成/取得するための任意の適切な動作であってもよい。例えば、1つ又は複数の動作は、オンライン訓練、オフライン訓練、又はそれらの組合せを含むことができる。更に、1つ又は複数の動作は、UE、ネットワーク(例えば、gNBなど)、又はこれらの組合せにおいて行われてよい。更に、1つ又は複数の動作は、連合学習/訓練(federated learning/training)(1つ又は複数のAI/MLモデルが、UE、gNBなどのような複数のノードにわたって訓練され、各ノードは、ローカルデータサンプルを使用してローカルモデル訓練を実行する)、教師あり学習(supervised learning)(1つ又は複数のAI/MLモデルが入力データ及び対応する所定のパラメータに基づいて訓練される)、教師なし学習(1つ又は複数のAI/MLモデルが所定のパラメータなしで訓練される)、半教師あり学習(semi-supervised learning)(1つ又は複数のAI/MLモデルが所定のデータ/パラメータと非所定のデータ/パラメータとの混合で訓練される)、及び強化学習(reinforcement learning)(1つ又は複数のAI/MLモデルが、モデルが相互作用している環境におけるモデルの出力から生じる入力データ及びフィードバック信号に基づいて訓練される)(限定はしないが)などの任意の適切なタイプの学習動作を含むことができる。
【0105】
実施形態によれば、AI/MLモデル展開手順460は、1つ又は複数の推論動作が実行されるターゲットUE又はターゲットネットワーク(例えば、ターゲットgNB)に、1つ又は複数のAI/MLモデル(例えば、訓練されたモデル、検証されたモデル、試験されたモデルなど)及び関連情報(例えば、ランタイム画像、アルゴリズムなど)を配信するための1つ又は複数の動作を含み得る。当該1つ又は複数の動作は、1つ又は複数のAI/MLモデルがエアインターフェースを介して配信されるモデル転送動作を含んでもよい。
【0106】
実施形態によれば、AI/MLモデルロールバック手順470は、1つ又は複数の現在のAI/MLモデルをAI/MLモデルの以前のバージョンにロールバック又は復元するための1つ又は複数の動作(処理)を含み得る。例えば、当該1つ又は複数の動作は、1つ又は複数の現在のAI/MLモデルをそれぞれの以前のバージョンのAI/MLモデルで置換又は更新すること、1つ又は複数の現在のAI/MLモデルをその以前のバージョンに微調整(fine tuning)又は調節(adjusting)することなどを含み得る。
【0107】
複数のノード(例えば、UE、gNBなど)は、上述した手順410~470のうちの1つ又は複数を実行する際に互いに連携又は協調することができる。例えば、
図5は、1つ又は複数の実施形態による、協調AI/MLモデルの使用のための第1のノード(例えば、gNB)と第2のノード(例えば、UE)との間のシグナリング(信号伝達)フローを示す。
【0108】
図5を参照すると、シグナリングフローは、AI/MLモデル能力報告手順410、AI/MLモデル同期420、AI/MLモデル更新/アップグレード手順430、AI/MLモデル性能監視手順440、AI/ML訓練/生成手順450などの
図4の手順を含み得る。
【0109】
具体的には、動作S501において、第1のノードは、第2のノードに1つ又は複数のAI/ML能力要求を送信することができる。それに応答して、動作S502において、第2のノードは、第1のノードに、1つ又は複数のAI/ML能力報告を提供することができる。動作S501及びS502は、
図4を参照して上述したAI/MLモデル能力報告手順410の一部であってもよく、
図2~
図4を参照して上述した1つ又は複数のAI/ML能力要求及び1つ又は複数のAI/ML能力報告に関連する説明は、同様に
図5の説明に適用可能であり得る。
【0110】
動作S503において、第1のノードは、AI/MLモデル及び/又は関連する情報もしくはパラメータに対する1つ又は複数の要求を第2のノードに送信することができる。それに応答して、動作S504において、第2のノードは、第1のノードに、要求されたAI/MLモデル及び/又は関連する情報もしくはパラメータを含む1つ又は複数の報告を提供することができる。動作S503及びS504は、
図4を参照して上述したAI/MLモデル同期手順420の一部であってもよく、情報交換及びモデル転送のプロセス及び特徴は、
図2~
図4を参照して上述したものと同様であってもよい。したがって、同様の説明が同様の内容・態様で
図5の説明に適用可能であり得ることが理解され得る。
【0111】
動作S505において、第1のノードは、モデル推論及び/又はモデル更新を実行するための1つ又は複数の要求(リクエスト)を第2のノードに送信することができる。それに応答して、第2のノードは、要求されたモデル推論及び/又はモデル更新を実行することができ、(例えば、完了、失敗、推論値/出力など)その1つ又は複数の結果を第1のノードに提供することができる(動作S506)。動作S505及びS506は、AI/MLモデル更新/アップグレード手順430の一部であってもよいし、
図4を参照して上述したAI/MLモデル展開手順460の一部であってもよい。したがって、同様の説明が同様の内容・態様で
図5の説明に適用可能であり得ることが理解され得る。
【0112】
動作S507において、第1のノードは、第2のノードでAI/MLモデル性能を監視することができる。例えば、第1のノードは、AI/MLモデルに関連付けられた性能データに対する1つ又は複数の要求を第2のノードに送信することができ、その後、動作S508において、第2のノードは、AI/MLモデルの性能を定義する1つ又は複数のフィードバックを提供することができる。1つ又は複数のAI/MLモデルが第1のノードでも利用されている(例えば、推論、更新など)実施形態によれば、第2のノードはまた、同様の方法で第1のノードのAI/MLモデル性能を監視することができる。動作S507及びS508は、
図4を参照して上述したAI/MLモデル性能監視手順440の一部であってもよい。したがって、同様の説明が同様の内容・態様で
図5の説明に適用可能であり得ることが理解され得る。
【0113】
動作S509において、第1のノードは、モデルロールバック、推論更新、及びモデル訓練のうちの1つ又は複数が第2のノードで必要であると決定することができる(例えば、AI/ML性能フィードバックなどに基づいて決定することができる)。したがって、第1のノードは、モデルロールバック、推論更新、及び/又はモデル訓練を実行するための1つ又は複数の要求を第2のノードに送信することができる。動作S509は、
図4を参照して上述したAI/MLモデル更新/アップグレード手順430、AI/MLモデル訓練/生成手順450、及びAI/MLモデルロールバック手順470のうちの1つ又は複数を含むことができる。したがって、同様の説明が同様の内容・態様で
図5の説明に適用可能であり得ることが理解され得る。
【0114】
この目的のために、本開示の例示的な実施形態は、1つ又は複数のAI/MLモデルを利用及び管理する際の協調及び連携のためのノード間の手順及びシグナリングフローを定義する。
【0115】
AI/MLモデル訓練の分類
実施形態によれば、ユースケース要件(use case requirements)及びAI/ML能力に基づいて、AI/MLモデル訓練のカテゴリを定義することができる。
【0116】
例えば、1つ又は複数の実施形態によれば、1つ又は複数のAI/MLモデルの訓練は、複数の所定のレベル(又はカテゴリ)のうちの協調の特定のレベル(又はカテゴリ)に基づいて実行され得る。
【0117】
図6は、1つ又は複数の実施形態による、AI/MLモデル訓練のカテゴリの内訳を示す図である。
【0118】
図6を参照すると、AI/MLモデル訓練は、UEで実行されてもよく(例えば、UE上の訓練(on-UE training)など)、及び/又はgNBなどのネットワークで実行されてもよい(例えば、ネットワーク上の訓練(on-network training)など)。
【0119】
UEにおけるモデル訓練は、フルスケールAI/MLモデル訓練と軽量(light weight)AI/MLモデル訓練とに更に分類することができる。フルスケールAI/MLモデル訓練は、データ又はパラメータのすべて(又は大部分、過半数)が訓練に利用される大規模訓練(large scale training)であり得る。逆に、軽量AI/MLモデル訓練は、データ又はパラメータの一部が訓練に利用される小規模訓練であってもよい。フルスケールAI/MLモデル訓練及び/又は軽量AI/MLモデル訓練は、連合学習/訓練、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、及び強化学習(先に
図4を参照して説明した)のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0120】
実施形態によれば、UEとネットワーク(例えば、gNB)との間の第2のレベル(例えば、上述の第2のレベル#1)の協調に従って、1つ又は複数のフルスケールAI/MLモデル訓練をUEで実行することができる。一方、UEとネットワークとの間の第3のレベル(例えば、上述の第3のレベル#2)の協調に従って、1つ又は複数の軽量AI/MLモデル訓練をUEで実行することができる。
【0121】
一方、ネットワーク(例えば、gNB)でのモデル訓練は、転送AI/MLモデル訓練又は学習、フルスケールAI/MLモデル訓練、及び軽量AI/MLモデル訓練に更に分類され得る。転送AI/MLモデル訓練は、AI/MLモデルに関する一般化(generalization about AI/ML model)を改善するために前のタスクから得られた知識又は出力を利用する1つ又は複数の訓練動作を含むことができる。例えば、転送AI/MLモデル訓練は、新しいタスクで1つ又は複数の事前訓練されたモデルを再使用することを含み得る。フルスケール及び軽量AI/MLモデル訓練は、UEにおけるモデル訓練を参照して上述した通りである。
【0122】
実施形態によれば、転送AI/MLモデル訓練及び/又は軽量AI/MLモデル訓練は、ネットワークが1つ又は複数のAI/MLモデルをUEに転送することを命令(強制)される又は要求されるときはいつでも、ネットワークで実行することができる。更に、軽量AI/MLモデル訓練がUEで実行されたとネットワークが判断するたびに、ネットワークでフルスケールAI/MLモデル訓練が実行されてもよい。
【0123】
この目的のために、本開示の例示的な実施形態は、様々な条件(conditions)及び要件(requirements)に従って、AI/MLモデル訓練のカテゴリを定義する。
【0124】
実施形態の様々な態様
前述の開示は、例示及び説明を提供するが、網羅的であることを意図するものではなく、又は実装形態を開示した形態そのものに限定することを意図するものではない。上記の開示に対する変更及び変形は、上記の開示に照らして可能であり、又は実装形態の実施から取得され得る。
【0125】
いくつかの実施形態は、実施についての任意の可能な技術的詳細レベルにおいて、システム、方法、及び/又はコンピュータ可読媒体に関し得る。更に、上述した上記コンポーネントのうち1つ又は複数は、コンピュータ可読媒体に記憶され、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令として実装されてもよい(及び/又は少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい)。コンピュータ可読媒体は、プロセッサに動作を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有する(1つ又は複数の)コンピュータ可読非一時的記憶媒体(non-transitory storage medium)を含み得る。
【0126】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持及び記憶することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又はこれらの任意の適切な組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、以下のものが含まれる。すなわち、当該非網羅的リストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、その中に記録された命令を有するパンチカード又は溝の隆起構造など、機械的に符号化されたデバイス、及びこれらの任意の適切な組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の送信メディアを通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って(有線で)送信される電気信号などの、一時的な信号(transitory signals)そのものであると解釈されるべきではない。
【0127】
本明細書に記載されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスに、又はネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又は無線ネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶デバイスにダウンロードされることが可能である。ネットワークは、銅送信ケーブル(copper transmission cables)、光送信ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各計算/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0128】
動作を実行するためのコンピュータ可読プログラムコード/命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction-Set-Architecture)命令、機械命令、機械依存命令(machine dependent instructions)、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ(state-setting data)、集積回路の構成データ(configuration data)、又はSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語(procedural programming languages)を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに接続してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、態様又は動作を実行するために、電子回路をパーソナライズするためのコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0129】
これらコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。これらコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、その結果、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含む。
【0130】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ実装プロセスを生成するために一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行させるために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされてもよく、その結果、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作を実施する。
【0131】
添付図面のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータ可読媒体の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の一部を表すことができる。方法、コンピュータシステム、及びコンピュータ可読媒体は、図に示されたものよりも追加のブロック、少ないブロック、異なるブロック、又は異なる配置のブロックを含み得る。いくつかの代替実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されたのとは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には同時に、又は実質的に同時に実行されてもよく、又はブロックは、関係する機能に応じて時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行するか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0132】
本明細書に記載のシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せの様々な形態で実装されてもよいことは明らかであろう。これらのシステム及び/又は方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェア又はソフトウェアコードは、実装形態を限定するものではない。したがって、システム及び/又は方法の動作及び挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書に記載されており、ソフトウェア及びハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステム及び/又は方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0133】
上記を考慮して、本開示の実施形態の様々な更なるそれぞれの態様及び特徴は、以下の項目によって定義することができる。
項目[1]:モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装する方法であって、当該方法は、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを第1のノードによって決定することと、第2のノードによって、決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関してエアインターフェース最適化を実行することを含み、前記複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含む。
項目[2]:第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練がネットワークとUEの両方で行われ得る、項目[1]に記載の方法。
項目[3]:第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる、項目[1]~[2]のいずれかに記載の方法。
項目[4]:第2のレベルは、複数の分割レベルを含んでもよく、当該複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる、項目[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
項目[5]:第2のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、UE及びネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる、項目[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
項目[6]:モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、又はパラメータを伴う新しいAI/MLモデルの転送の少なくとも1つを含んでもよく、新しいAI/MLモデルは、フルモデル又は部分モデルであってもよい、項目[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
項目[7]:協調レベルを決定することが、第1のノードによって、UEのAI/ML能力を問い合わせるAI/ML能力要求をUEに送信することと、第1のノードによって、AI/ML能力要求に応答してAI/ML能力報告をUEから受信することを含み、AI/ML能力報告がUEのAI/ML能力を示し、協調レベルを決定することが、さらに、受信したAI/ML能力報告に基づいて、複数の所定の協調レベルの中から協調レベルを決定することとを含み得る、項目[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
項目[8]:前記方法は、第1のノードによって、UEに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求(リクエスト)をUEに送信することを更に含み得る、項目[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
項目[9]:エアインターフェース最適化が、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、及び測位精度強化のうちの少なくとも1つを含み得る、項目[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
項目[10]:第2のレベルに従って、UEにおいてフルスケールAI/MLモデル訓練を行うことができ、第3のレベルに従って、UEにおいて軽量AI/MLモデル訓練を行うことができる、項目[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
項目[11]:モバイル通信システムにおけるエアインターフェース最適化のための人工知能/機械学習(AI/ML)を実装するシステムであって、当該システムは、命令を記憶するメモリと、命令を実行して、複数の所定の協調レベルの中から、ネットワークとユーザ機器(UE)との間のAI/ML協調のための協調レベルを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える第1のノードと、命令を記憶するメモリと、命令を実行して、決定された協調レベルに基づいて、少なくとも1つのAI/MLモデルを使用してUEに関してエアインターフェース最適化を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える第2のノードと、を含み、前記複数の所定の協調レベルは、ネットワークとUEとの間のAI/ML協調に対応する第1のレベルと、モデル転送を伴わないネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第2のレベルと、モデル転送を伴うネットワークとUEとの間のシグナリングベースのAI/ML協調に対応する第3のレベルとを含む、システム。
項目[12]:第2のレベルに従って、AI/MLモデル訓練がネットワークとUEの両方で行われ得る、項目[11]に記載のシステム。
項目[13]:第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる、項目[11]~[12]のいずれかに記載のシステム。
項目[14]:第2のレベルは複数の分割レベルを含んでもよく、当該複数の分割レベルのうちの第1の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、前記複数の分割レベルのうちの第2の分割レベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる、項目[11]~[13]のいずれかに記載のシステム。
項目[15]:第2のレベルは、UEとネットワークとにわたって共同で実行される共同推論なしの片側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができ、第3のレベルは、UE及びネットワークにわたって共同で実行される共同推論を伴う/伴わない両側モデルのためのシグナリングベースのAI/ML協調に対応することができる、項目[11]~[13]のいずれかに記載のシステム。
項目[16]:モデル転送は、AI/MLモデル構造のパラメータの転送、又はパラメータを伴う新しいAI/MLモデルの転送の少なくとも1つを含んでもよく、新しいAI/MLモデルは、フルモデル又は部分的なモデルであってもよい、項目[11]~[15]のいずれかに記載のシステム。
項目[17]:第1のノードの少なくとも1つのプロセッサは、第1のノードによって、UEのAI/ML能力について問い合わせるAI/ML能力要求をUEに送信することと、AI/ML能力要求に応答して、第1のノードによって、UEのAI/ML能力を示すAI/ML能力報告をUEから受信することと、受信したAI/ML能力報告に基づいて、複数の所定の協調レベルの中から協調レベルを決定することとによって、協調レベルを決定するための命令を実行するように構成され得る、項目[11]~[16]のいずれかに記載の方法。
項目[18]:第1のノードの少なくとも1つのプロセッサは、命令を実行して、UEに記憶されたAI/MLモデル又はUEによって使用されるAI/MLモデルの少なくとも1つに関する情報の要求をUEに送信するように更に構成され得る、項目[11]~[17]のいずれかに記載のシステム。
項目[19]:エアインターフェース最適化が、チャネル状態情報(CSI)フィードバック強化、ビーム管理、及び測位精度強化のうちの少なくとも1つを含み得る、項目[11]~[18]のいずれかに記載のシステム。
項目[20]:第2のレベルに従って、フルスケールAI/MLモデル訓練をUEで行うことができ、第3のレベルに従って、軽量AI/MLモデル訓練をUEで行うことができる、項目[11]~[19]のいずれかに記載のシステム。
項目[21]:第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデルのアイデンティティ(ID)に基づいて、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる、項目[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
項目[22]:第2のレベルに従って、ネットワークは、AI/MLモデルのアイデンティティ(ID)に基づいて、AI/MLモデル及び/又は推論調整パラメータをUEに提供することができる、項目[11]~[20]のいずれかに記載のシステム。
【0134】
上記の教示に照らして、本開示の多くの変更及び変形が可能であることが理解され得る。添付の条項の範囲内で、本開示は、本明細書に具体的に記載されている以外の形態・態様・方法で実施されてもよいことは明らかであろう。
【国際調査報告】