(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸誘導体又はその塩、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
C08B 37/08 20060101AFI20241210BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C08B37/08 Z
A61L27/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540851
(86)(22)【出願日】2023-01-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 CN2023071208
(87)【国際公開番号】W WO2023134613
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210042774.5
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519230628
【氏名又は名称】天津鍵凱科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】林美娜
(72)【発明者】
【氏名】陳暁萌
(72)【発明者】
【氏名】孫宇
(72)【発明者】
【氏名】趙宣
【テーマコード(参考)】
4C081
4C090
【Fターム(参考)】
4C081AB11
4C081CD081
4C090AA02
4C090AA05
4C090AA09
4C090BA67
4C090CA36
4C090DA22
(57)【要約】
ヒアルロン酸誘導体又はその塩、その製造方法及び使用を提供し、ヒアルロン酸をマトリ
ックス骨格として、ヒアルロン酸をメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体で修
飾し、ポリエチレングリコール化されたヒアルロン酸誘導体を製造する。ポリエチレング
リコール直鎖状高分子を利用してヒアルロン酸の骨格を包み込むことで、酵素分解されや
すいグリコシド結合をマスクし、ヒアルロン酸ナトリウムの体内での循環時間を延長し、
保水作用をより発揮する。また、ポリエチレングリコールとヒアルロン酸ナトリウムは、
合成高分子材料及び天然高分子材料として優れた生体適合性と生分解性を有しており、両
者を組み合わせることで高分子材料の特性をより生かすことができるという利点がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される構造を有するヒアルロン酸誘導体又はその塩。
(ここで、Xは、-(CR
1R
2)
m-、-(CH
2)
mNH-、-NHCO(CH
2)
m-、-(CH
2)
mCONH-、及び-CO(CH
2)
m-から選択される1種又は複
数種の組み合わせであり、mは、1~10の整数であり、
R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、
アルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-CO
R
3、-C(O)OR
3、-C(O)NR
3R
4、-CH=NR
3、-CN、-OR
3、
-OC(O)R
3、-S(O)
n-R
3、-NR
3R
4、-NR
3C(O)R
4、及びハ
ロゲンから選択され、
nは、0、1、及び2から選択され、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア
リール、ヘテロシクリル、及びハロゲンから選択され、
kは、ポリエチレングリコール残基の重合度であり、kは、40~4600の整数であり
、
tは、ヒアルロン酸残基の重合度であり、tは、100~8000の整数である。)
【請求項2】
前記kは、45~4545の整数、好ましくは、75~4545の整数、より好ましくは
、100~4545の整数であり、
前記tは、120~7500の整数、好ましくは、700~6000の整数、より好まし
くは、1000~4000の整数である、ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン
酸誘導体又はその塩。
【請求項3】
前記Xは、-(CR
1R
2)
m-であり、前記mは、1~5の整数、好ましくは、1であ
る、ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項4】
前記R
1及びR
2は、独立して、H、C
1~C
6のアルキル、C
3~C
6のシクロアルキ
ル、-OR
3、-NR
3R
4、及びハロゲンから選択され、前記R
3及びR
4は、独立し
て、水素、及びC
1~C
3のアルキルから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載
のヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項5】
前記R
1及びR
2は、いずれもHである、ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン
酸誘導体又はその塩。
【請求項6】
前記塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、コバル
ト塩、及びテトラブチルアンモニウム塩から選択される1種又は複数種であり、好ましく
は、式(II)の構造を有するナトリウム塩である、ことを特徴とする請求項1に記載の
ヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項7】
ヒアルロン酸を秤量し、ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤とを混合して撹拌するステップ(
1)と、
ステップ(1)で得られた溶液にメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体を加え
て反応させるステップ(2)と、を含み、
前記メトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体は、式(III)の構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法。
【請求項8】
生成物を精製するステップをさらに含み、
生成物を精製する前記ステップは、
酸性試薬を加えてステップ(2)で得られた溶液を中性に調整するステップ、及び/又は
、沈殿剤を加えて生成物を沈殿するステップ、及び/又は、洗浄剤を加えて沈殿を洗浄す
るステップを含む、ことを特徴とする請求項7に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の
製造方法。
【請求項9】
前記ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤との質量比が、1:5~30、好ましくは、前記ヒア
ルロン酸とアルカリ性溶剤との質量比が1:10である、ことを特徴とする請求項7に記
載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法。
【請求項10】
前記ヒアルロン酸とメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体中の重合体単位のモ
ル比が0.1~10:1である、ことを特徴とする請求項7に記載のヒアルロン酸誘導体
又はその塩の製造方法。
【請求項11】
ステップ(2)では、前記反応時間は、10~24h、好ましくは、13~21h、より
好ましくは、17~19hである、ことを特徴とする請求項7に記載のヒアルロン酸誘導
体又はその塩の製造方法。
【請求項12】
薬物、医療美容、及び化粧品用の製品の製造における請求項1に記載のヒアルロン酸誘導
体又はその塩の使用であって、
好ましくは、前記使用は、医療美容用の製品の製造における前記ヒアルロン酸誘導体又は
その塩の使用であり、
より好ましくは、前記医療美容用の製品は、軟組織充填剤である、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子の技術分野に関し、特に、ヒアルロン酸誘導体又はその塩、その製造方
法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸(HA:hyaluronic acid)は、動物やヒトの関節滑液、眼
球の硝子体、皮膚、細胞間隙、鶏冠などの結合組織に広く存在する、天然に存在する生体
高分子材料であり、関節滑液、硝子体、皮膚や軟骨組織を構成する重要な成分であり、独
特の物理的及び化学的特性と広範な生物学的機能を備えている。ヒアルロン酸は、優れた
生体適合性、独特の粘弾性、及び優れた保湿性と保水性を備えているため、美容分野で多
くの美容愛好家に愛されており、現在、しわを減らし、肌の外観を改善し、肌の老化を防
ぐために顔の皮膚に注射することができる。
【0003】
ヒアルロン酸は、生産中及び使用中にほとんどがヒアルロン酸ナトリウムの形で存在し、
天然のヒアルロン酸ナトリウムは、生分解されやすく、生体内での滞留時間が短く、硬度
や機械的強度が不十分なため、用途が限られている。そのため、ヒアルロン酸ナトリウム
をゲル化するには架橋剤を使用するのが一般的であるが、ヒアルロン酸ナトリウム本来の
生体適合性を維持し、酵素分解耐性を大幅に向上させた架橋変性ゲルが開発され、その応
用がさらに広がる。しかし、従来技術では、架橋剤の残留物を完全に除去することは不可
能であり、架橋剤はほとんどが化学試薬であり、過剰な架橋剤は生体適合性の低下につな
がり、人体に注射されると、免疫反応を引き起こしやすく、皮膚を刺激し、さらには細胞
毒性を引き起こす可能性がある。
【0004】
非架橋ヒアルロン酸ナトリウムの研究においては、文献Adrian Ranga,etc.Hyaluronic ac
id hydrogels formed in situ by transglutaminase-catalyzed reaction[J].Biomacromo
lecules、及びKazuteru Moriyama,etc.Hyaluronic acid grafted with poly(ethylene gl
ycol)as a novel peptide formulation.Journal of Controlled Releaseは、ヒアルロン
酸ナトリウム分子のカルボキシルを反応させてポリエチレングリコールを結合するために
使用することが報告された。
【0005】
文献Irina M.Le-Deygen,etc.Poly(Ethylene Glycol)Interacts with Hyaluronan in Aque
ous Media.Biomacromoleculesには、ヒアルロン酸ナトリウム分子内のヒドロキシルとポ
リエチレングリコール間の水素結合を利用してポリエチレングリコールを結合することが
報告された。
【0006】
従来技術において、ヒアルロン酸ナトリウム分子のアミノ、カルボキシ、ヒドロキシをポ
リエチレングリコールと反応させて、性質の異なるポリエチレングリコール化ヒアルロン
酸ナトリウムを製造している。しかしながら、現在、ヒアルロン酸ナトリウム分子のヒド
ロキシをメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体と反応させて、ヒアルロン酸ナ
トリウム分子をエーテル結合で修飾することにより、ポリエチレングリコール化ヒアルロ
ン酸ナトリウムを製造する方法は存在しない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、本発明の第1態様では、式(I)で示される構造を
有するヒアルロン酸の誘導体又はその塩を提供する。
【0008】
(ここで、Xは、-(CR
1R
2)
m-、-(CH
2)
mNH-、-NHCO(CH
2)
m-、-(CH
2)
mCONH-、及び-CO(CH
2)
m-から選択される1種又は複
数種の組み合わせであり、mは、1~10の整数であり、
R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、
アルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-CO
R
3、-C(O)OR
3、-C(O)NR
3R
4、-CH=NR
3、-CN、-OR
3、
-OC(O)R
3、-S(O)
n-R
3、-NR
3R
4、-NR
3C(O)R
4、及びハ
ロゲンから選択され、
nは、0、1、及び2から選択され、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア
リール、ヘテロシクリル、及びハロゲンから選択され、
kは、ポリエチレングリコール残基の重合度であり、kは、40~4600の整数(例え
ば、40、41、42、43、45、46、47、48、49、50、55、60、65
、70、75、80、85、90、95、100、105、110、111、112、1
13、114、115、116、117、118、119、120、150、200、4
00、500、800、1000、2000、3000、4000、4500)、好まし
くは、45~4545の整数、より好ましくは、75~4545の整数、特に好ましくは
、100~4545の整数であり、
tは、ヒアルロン酸残基の重合度であり、tは、100~8000の整数(例えば、10
0、105、110、115、120、125、130、135、140、145、15
0、200、300、400、500、1000、2000、3000、4000、50
00、5500、6000、5500、7000、7100、7200、7300、74
00)、好ましくは、120~7500の整数、より好ましくは、700~6000の整
数、特に好ましくは、1000~4000の整数であり、
好ましくは、前記Xは、-(CR
1R
2)
m-であり、
好ましくは、前記mは、1~5の整数、例えば1、2、3、4、又は5である。)
【0009】
本発明の一実施形態では、前記m=1である。
【0010】
好ましくは、前記R1及びR2は、独立して、H、C1~C6のアルキル、C3~C6の
シクロアルキル、-OR3、-NR3R4、及びハロゲンから選択される。
【0011】
好ましくは、前記R3及びR4は、独立して、水素、及びC1~C3のアルキルから選択
される。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記R1及びR2は、いずれもHである。
【0013】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記Xは、-CH2-である。
【0014】
前記塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、コバル
ト塩、及びテトラブチルアンモニウム塩から選択される1種又は複数種であり、好ましく
は、ナトリウム塩である。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記ヒアルロン酸誘導体は、以下の構造を有する。
【0016】
本発明の第2態様では、
ヒアルロン酸を秤量し、ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤とを混合して撹拌するステップ(
1)と、
ステップ(1)で得られた溶液にメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体を加え
て反応させるステップ(2)と、を含み、
前記メトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体は、式(III)の構造を有する、
式(II)の前記ヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法を提供する。
【0017】
好ましくは、ステップ(1)の前記アルカリ性溶剤は、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、及び重炭酸カリウムのうちの1
種又は複数種である。
【0018】
本発明の1つの好ましい実施形態では、前記アルカリ性溶剤は、質量濃度が0.25%~
0.8%の水素化ナトリウム溶液(例えば、0.25%、0.35%、0.5%、0.8
%)、好ましくは、質量濃度が0.35%~0.5%の水素化ナトリウム溶液である。
【0019】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの分子量は、4万~320万ダルトン、好ましくは、5万~
300万ダルトン、より好ましくは、28万~240万ダルトン、特に好ましくは、40
万~160万ダルトンである。
【0020】
前記ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤との質量比が、1:5~30(具体的には、例えば1
:5、1:10、1:15、1:20、1:25又は1:30)、好ましくは、1:10
である。
【0021】
前記ヒアルロン酸とメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体中の重合体単位のモ
ル比が、0.1~10:1(具体的には、例えば、0.1:1、0.2:1、0.3:1
、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1
、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1
、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、8.5:1、9:1
、9.5:1、10:1)である。
【0022】
ステップ(1)では、前記撹拌の時間は、5~50min、好ましくは、10~30mi
n(例えば、15min、16min、17min、18min、19min、20mi
n)、より好ましくは、10~20minである。
【0023】
ステップ(2)では、前記ポリエチレングリコールエポキシ誘導体は、モノメトキシポリ
エチレングリコールエチレンオキシドであり、好ましくは、前記モノメトキシポリエチレ
ングリコールエチレンオキシドの分子量は、2000~200000、例えば、2000
、3000、4000、5000、10000、20000、30000、50000、
100000である。
【0024】
ステップ(2)では、前記反応は、撹拌混合後に放置することを含む。
【0025】
好ましくは、ステップ(2)では、前記反応時間は、10~24h、好ましくは、13~
21h、より好ましくは、17~19hである。
【0026】
好ましくは、前記ヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法は、生成物を精製するステッ
プをさらに含み、生成物を精製する前記ステップは、酸性試薬を加えてステップ(2)で
得られた溶液を中性に調整するステップ、及び/又は、沈殿剤を加えて生成物を沈殿する
ステップ、及び/又は、洗浄剤を加えて沈殿を洗浄するステップをさらに含む。
【0027】
前記酸性試薬は、希塩酸溶液、希硫酸溶液、希酢酸溶液、希次亜塩素酸溶液から選択され
る1種又は複数種である。
【0028】
本発明の一実施形態では、前記酸性試薬は、希塩酸溶液である。
【0029】
前記沈殿剤は、アセトニトリル又はエタノールである。
【0030】
本発明の一実施形態では、前記沈殿剤は、アセトニトリルである。
【0031】
前記洗浄剤は、エタノール又は水である。
【0032】
本発明の一実施形態では、前記洗浄剤は、エタノールである。
【0033】
本発明の一実施形態では、前記ヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法は、ヒアルロン
酸を秤量し、アルカリ性溶剤で溶解し、均一になるまで10~30min撹拌し、その後
、メトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体を加え、さらに材料が均一に混合する
まで10~24h撹拌し、室温で15~18時間放置し、酸性試薬を加えて系のPHを中
性に調整し、次いで、沈殿剤を加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、
遠心分離して静置し、上清液を除去し、沈殿剤を用いて沈殿を2~5回持続し、さらに得
られた沈殿を洗浄剤で1~3回洗浄し、最後に得られた沈殿生成物を真空乾燥オーブンに
入れて乾燥する。
【0034】
本発明の第3態様では、薬物、医療美容、及び化粧品用の製品の製造における式(I)又
は(II)前記ヒアルロン酸誘導体、又はその塩の使用を提供する。
【0035】
好ましくは、前記使用は、医療美容用の製品の製造における式(I)又は(II)前記ヒア
ルロン酸誘導体又はその塩の使用である。
【0036】
好ましくは、前記医療美容用の製品は、軟組織充填剤である。
【0037】
本発明は、本発明の式(I)又は(II)前記ヒアルロン酸誘導体又はその塩を含む、軟組
織充填剤をさらに提供する。
【0038】
本発明では、ポリエチレングリコール誘導体とヒアルロン酸又はその塩とをエーテル結合
で修飾し、反応生成物は架橋ゲル状態ではなく、水溶液に可溶な複合型高分子材料であり
、製造されたヒアルロン酸誘導体又はその塩は、ヒアルロン酸の保水性と保湿性を維持す
るだけでなく、生体内でのヒアルロニダーゼ分解に対する耐性を高め、顔や首の小じわの
修復に使用すると、注射の頻度を減少させ、体験者の快適さを向上させ、コストを低減す
る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】対照サンプルの酵素分解分子量-時間関係図を示す。
【
図2】サンプル8の酵素分解分子量-時間関係図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
別段の定義がない限り、本発明に使用されるすべての科学用語及び技術用語は、本発明に
関する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、「ア
ルキル」とは、不飽和結合を含まない直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指し、本発
明において、C1~C6のアルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、
n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどのような1~6
個の炭素原子を含むアルキル、好ましくは、C1~C3のアルキル(メチル、エチル、n
-プロピル、イソプロピル等)を指す。「シクロアルキル」とは、脂環式炭化水素を指し
、代表的なシクロアルキルは、1~4個の単環及び/又は縮合環を含み、3~約18個の
炭素原子を含み、本発明において、C3~C6のシクロアルキルとは、シクロプロピル、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどの3~6個の炭素原子を含むシクロアルキルを指す
。
【0041】
以下、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施
例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明
の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を払うことなく取得した他のすべての実施例
は、本発明の保護範囲に属する。
実施例1
【0042】
HA(60万)380mgを秤量し、0.25%水素化ナトリウム水溶液3.8mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX(
、北京鍵凱科技股フェン有限公司より、下同)1gを加え、さらに材料が均一に混合する
まで激しく撹拌し、室温で18時間放置した。翌日、0.25N HCl 1mlを加え
て系のPHを約7に調整し、その後、アセトニトリル20mlを加えて沈殿し、激しく撹
拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリ
ル20mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに無水エタノール20mlで2回洗浄し、生
成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サンプル1(0.25%NaOH)を得た。サ
ンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気検出を行った。
実施例2
【0043】
HA(60万)570mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX
1.5gを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放置し
た。翌日、0.35N HCl 1.5mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、
アセトニトリル30mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心
分離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリル30mlを用いて沈殿を4回持続し
、さらに無水エタノール30mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥
し、サンプル2(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及
び核磁気検出を行った。
実施例3
【0044】
HA(60万)380mgを秤量し、0.5%水素化ナトリウム水溶液3.8mlで溶解
し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX 1
gを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放置した。翌
日、0.5N HCl 1mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、アセトニトリ
ル20mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して静置
し、上清液を除去した。アセトニトリル20mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに無水
エタノール20mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サンプル
3(0.5%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気検出を
行った。
実施例4
【0045】
HA(60万)380mgを秤量し、0.8%水素化ナトリウム水溶液3.8mlで溶解
し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX 1
gを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放置した。翌
日、0.8N HCl 1mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、アセトニトリ
ル20mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して静置
し、上清液を除去した。アセトニトリル20mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに無水
エタノール20mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サンプル
4(0.8%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気検出を
行った。
実施例5
【0046】
HA(60万)190mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX
500mgを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放置
した。翌日、0.35N HCl 1mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、ア
セトニトリル10mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分
離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリル10mlを用いて沈殿を4回持続し、
さらに無水エタノール10mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し
、サンプル5(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び
核磁気検出を行った。
実施例6
【0047】
HA(60万)760mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液7.6mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX
2gを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で15時間放置した。
翌日、0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、アセトニ
トリル40mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して
静置し、上清液を除去した。アセトニトリル40mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに
無水エタノール40mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サン
プル6(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気
検出を行った。
実施例7
【0048】
HA(60万)760mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液7.6mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG2000-EPOX
2gを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で21時間放置した。
翌日、0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、アセトニ
トリル40mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して
静置し、上清液を除去した。アセトニトリル40mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに
無水エタノール40mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サン
プル6(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気
検出を行った。
実施例8
【0049】
HA(60万)570mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG5000-EPOX
2750mgを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放
置した。翌日、0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、
アセトニトリル30mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心
分離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリル30mlを用いて沈殿を4回持続し
、さらに無水エタノール30mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥
し、サンプル8(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及
び核磁気検出を行った。
実施例9
【0050】
HA(60万)570mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG5000-EPOX
1875mgを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放
置した。翌日、0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、
アセトニトリル30mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心
分離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリル30mlを用いて沈殿を4回持続し
、さらに無水エタノール30mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥
し、サンプル9(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及
び核磁気検出を行った。
実施例10
【0051】
HA(60万)570mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、M-PEG5000-EPOX
7500mgを加え、さらに材料が均一に混合するまで激しく撹拌し、室温で18時間放
置した。翌日、0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、
アセトニトリル30mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心
分離して静置し、上清液を除去した。アセトニトリル30mlを用いて沈殿を4回持続し
、さらに無水エタノール30mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥
し、サンプル10(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及
び核磁気検出を行った。
実施例11
【0052】
HA(60万)570mgを秤量し、0.35%水素化ナトリウム水溶液5.7mlで溶
解し、均一になるまで10~30min激しく撹拌し、室温で18時間放置した。翌日、
0.35N HCl 2mlを加えて系のPHを約7に調整し、その後、アセトニトリル
30mlを加えて沈殿し、激しく撹拌して生成物の粒子を均一にし、遠心分離して静置し
、上清液を除去した。アセトニトリル30mlを用いて沈殿を4回持続し、さらに無水エ
タノール30mlで2回洗浄し、生成物を真空乾燥オーブンに入れて乾燥し、サンプル1
1(0.35%NaOH)を得た。サンプリングして多角度光-示差検出及び核磁気検出
を行った。多角光検出では、分子量は6.366×105Daであり、サンプル11は、
ヒアルロン酸ナトリウム骨格上に結合されるポリエチレングリコールの数を計算するため
の比較サンプルとした。
実施例12
【0053】
実施例1~4における生成物について多角光-示差検出を行って得られた分子量の情報を
表1に示す。
【0054】
【0055】
表1の分子量データから分かるように、反応溶液のアルカリ濃度は低すぎても高すぎても
いけない。アルカリ溶液の濃度が低すぎると、原料の反応性が高くなくなり、アルカリ溶
液の濃度が高すぎると、原料のヒアルロン酸ナトリウムがアルカリ分解してしまうことが
多くなった。
【0056】
実施例2及び実施例5における生成物について多角光-示差検出を行って得られた分子量
の情報を表2に示す。
【0057】
【0058】
表2の分子量データから分かるように、溶剤が多すぎると系の濃度が薄すぎ、また原料の
ヒアルロン酸ナトリウムのアルカリ加水分解が促進される。
【0059】
実施例2、実施例6、及び実施例7における生成物について多角光-示差検出を行って得
られた分子量の情報を表3に示す。
【0060】
【0061】
表3の分子量データからわかるように、反応時間も製品の性能を制限する要因であり、反
応時間が長すぎると、原料のヒアルロン酸ナトリウムが劣化するリスクが高くなる。
【0062】
実施例8、実施例9、及び実施例10における生成物について多角光-示差検出を行って
得られた分子量の情報を表4に示す。
【0063】
【0064】
表4の分子量データから分かるように、HAとメトキシポリエチレングリコールエポキシ
誘導体の供給比も製品の性能に一定の影響を与える。
実施例13
【0065】
サンプル2及びサンプル11を例にして、ポリエチレングリコール化ヒアルロン酸ナトリ
ウム製品中のヒアルロン酸ナトリウム二糖の数とPEGの数との比の計算方法を以下に示
す(1つの二糖単位の分子量は380)。
【0066】
サンプル11の二糖単位の平均数は、6.366×105/380=1675である。
【0067】
サンプル2に含まれるPEG2000の数は、(12.02-6.366)105/20
00=283である。
【0068】
サンプル2中の二糖数とPEG2000の数との比は、1675/283=6:1である
。
【0069】
in vitro 酵素加水分解実験
【0070】
酵素加水分解の実験操作のステップ
サンプル8を例にすると、サンプル8を3.4mg秤量し、注射用滅菌水242μlを加
え、20minボルテックス振とうさせ、10U/mlヒアルロニダーゼを含有する注射
用滅菌水溶液242μlを加え、サンプルを均一に混合し、37℃の恒温水浴環境に置き
、1時間おきにサンプリングして、多角光-示差検出方法によって分子量の変化をテスト
した。
【0071】
酵素加水分解実験をテストするためのサンプル情報は次のとおりである。
【0072】
対照サンプル:HA 120万Da、酵素分解分子量-時間関係図を
図1に示す。
【0073】
サンプル2:HA二糖の数とPEG2000の数との比は6:1である。
【0074】
サンプル12:HA二糖の数とPEG2000の数との比は17:1である。
【0075】
サンプル8:HA二糖の数とPEG5000の数との比は13:1であり、酵素分解分子
量-時間関係図は
図2に示される。
【0076】
サンプル9:HA二糖の数とPEG5000の数との比は22:1である。
【0077】
サンプル13:HA二糖の数とPEG5000の数との比は42:1である。
【0078】
PEG5000-HAサンプルの酵素分解データ
【0079】
【0080】
[表6]
PEG2000-HAサンプルの酵素分解データ
【0081】
表5及び表6のデータから分かるように、PEGの分子量が5000で、HAとPEGと
の比が13:1~42:1である場合、PEGは、HAの酵素分解に対する耐性に影響を
与え、比が大きいほど効果が顕著であり、PEGの分子量が2000の場合、PEGは、
HAの酵素分解に対する耐性に大きな影響を与える。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される構造を有するヒアルロン酸誘導体又はその塩。
(ここで、Xは、-(CR
1R
2)
m-、-(CH
2)
mNH-、-NHCO(CH
2)
m-、-(CH
2)
mCONH-、及び-CO(CH
2)
m-から選択される1種又は複
数種の組み合わせであり、mは、1~10の整数であり、
R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、
アルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-CO
R
3、-C(O)OR
3、-C(O)NR
3R
4、-CH=NR
3、-CN、-OR
3、
-OC(O)R
3、-S(O)
n-R
3、-NR
3R
4、-NR
3C(O)R
4、及びハ
ロゲンから選択され、
nは、0、1、及び2から選択され、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア
リール、ヘテロシクリル、及びハロゲンから選択され、
kは、ポリエチレングリコール残基の重合度であり、kは、40~4600の整数であり
、
tは、ヒアルロン酸残基の重合度であり、tは、100~8000の整数である。)
【請求項2】
前記kは、45~4545の整
数であり、
前記tは、120~7500の整
数である、ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロ
ン酸誘導体又はその塩。
【請求項3】
前記Xは、-(CR
1R
2)
m-であり、前記mは、1~5の整
数である、ことを特徴と
する請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項4】
前記R
1及びR
2は、独立して、H、C
1~C
6のアルキル、C
3~C
6のシクロアルキ
ル、-OR
3、-NR
3R
4、及びハロゲンから選択され、前記R
3及びR
4は、独立し
て、水素、及びC
1~C
3のアルキルから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載
のヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項5】
前記R
1及びR
2は、いずれもHである、ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン
酸誘導体又はその塩。
【請求項6】
前記塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、コバル
ト塩、及びテトラブチルアンモニウム塩から選択される1種又は複数種である、ことを特
徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩。
【請求項7】
前記塩は、式(II)の構造を有するナトリウム塩である、請求項1~6のいずれか1項
に記載のヒアルロン酸誘導物又はその塩。
(II)
【請求項8】
ヒアルロン酸を秤量し、ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤とを混合して撹拌するステップ(
1)と、
ステップ(1)で得られた溶液にメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体を加え
て反応させるステップ(2)と、を含み、
前記メトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体は、式(III)の構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法。
【請求項9】
生成物を精製するステップをさらに含み、
生成物を精製する前記ステップは、
酸性試薬を加えてステップ(2)で得られた溶液を中性に調整するステップ、及び/又は
、沈殿剤を加えて生成物を沈殿するステップ、及び/又は、洗浄剤を加えて沈殿を洗浄す
るステップを含む、ことを特徴とする請求項
8に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の
製造方法。
【請求項10】
前記ヒアルロン酸とアルカリ性溶剤との質量比が、1:5~3
0である、ことを特徴とす
る請求項
8に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法。
【請求項11】
前記ヒアルロン酸とメトキシポリエチレングリコールエポキシ誘導体中の重合体単位のモ
ル比が0.1~10:1である、ことを特徴とする請求項
8に記載のヒアルロン酸誘導体
又はその塩の製造方法。
【請求項12】
ステップ(2)では、前記反応時間は、10~24
hである、ことを特徴とする請求項8
に記載のヒアルロン酸誘導体又はその塩の製造方法。
【請求項13】
薬物、医療美容、及び化粧品用の製品の製造における請求項1に記載のヒアルロン酸誘導
体又はその塩の使用であって、
好ましくは、前記使用は、医療美容用の製品の製造における前記ヒアルロン酸誘導体又は
その塩の使用であり、
より好ましくは、前記医療美容用の製品は、軟組織充填剤である、使用。
【請求項14】
前記製品は軟組織充填剤である、請求項13に記載の使用。
【国際調査報告】