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特表2024-546208貯蔵システムと共に使用するためのマイクロインバータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-18
(54)【発明の名称】貯蔵システムと共に使用するためのマイクロインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241211BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20241211BHJP
   H02J 3/32 20060101ALN20241211BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02J3/38 110
H02J3/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540002
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022053485
(87)【国際公開番号】W WO2023129422
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/296,038
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515186323
【氏名又は名称】エンフェーズ エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Enphase Energy, Inc.
【住所又は居所原語表記】1420 North McDowell Boulevard, Petaluma, California 94954, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイ・ハリソン
【テーマコード(参考)】
5G066
5H770
【Fターム(参考)】
5G066HB06
5G066HB08
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G066JB06
5H770AA19
5H770BA11
5H770CA01
5H770CA04
5H770CA05
5H770CA06
5H770DA02
5H770DA10
5H770DA11
5H770DA22
5H770DA41
(57)【要約】
オフグリッド施設のための統合中性点形成機能を備えるマイクロインバータを使用する方法および装置が提供される。例えば、AC貯蔵システムと共に使用するために構成されるマイクロインバータは、マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタとを備え、中性線は、2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点においてマイクロインバータに接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC貯蔵システムと共に使用するために構成されるマイクロインバータであって、
前記マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、
前記AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタと
を備え、
前記中性線が、前記2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点において前記マイクロインバータに接続される、マイクロインバータ。
【請求項2】
第1のインダクタが、前記中性線に接続され、前記第1のインダクタが、動作中に前記第1のインダクタの第2のノードが前記中間電圧に維持されるように前記スイッチング回路網に交互に接続するように構成される第1のノードを備える、請求項1に記載のマイクロインバータ。
【請求項3】
前記第1のインダクタの前記第1のノードが動作中に時間の50%は前記2つの線のうちの第1の線に接続され、前記時間の残りの50%は前記2つの線のうちの第2の線に接続されるように、前記第1のインダクタの前記第1のノードが前記スイッチング回路網に交互に接続するように構成される、請求項2に記載のマイクロインバータ。
【請求項4】
前記中間電圧が前記2つの線の電圧間の平均電圧である、請求項2に記載のマイクロインバータ。
【請求項5】
前記スイッチング回路網が複数のブリッジmosfetを備える、請求項2に記載のマイクロインバータ。
【請求項6】
前記複数のブリッジmosfetが4つのAC側mosfetを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロインバータ。
【請求項7】
1次巻線および2次巻線を備える変圧器を更に備え、第2のインダクタが前記2次巻線と直列に接続される、請求項2に記載のマイクロインバータ。
【請求項8】
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタが互いに同じインダクタンスを有する、請求項1から5、および7のいずれか一項に記載のマイクロインバータ。
【請求項9】
前記中性線が、1次巻線および2次巻線を備える変圧器の中点に接続される、請求項1に記載のマイクロインバータ。
【請求項10】
前記スイッチング回路網が複数のブリッジmosfetを備え、前記複数のブリッジmosfetが8つのAC側mosfetを備える、請求項9に記載のマイクロインバータ。
【請求項11】
互いに直列に接続される一対のインダクタおよびコンデンサを更に備える、請求項1から5、7、9、および10のいずれか一項に記載のマイクロインバータ。
【請求項12】
電力変換システムであって、
一対一の対応または二対一の対応の少なくとも1つで複数のマイクロインバータに結合される複数の光起電力モジュールと、一対一の対応で前記複数のマイクロインバータに結合される複数の貯蔵装置とを備える分散エネルギー資源を備え、
前記複数のマイクロインバータの各マイクロインバータが、
各マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、
前記AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタと
を備え、
前記中性線が、前記2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点において前記マイクロインバータに接続される、電力変換システム。
【請求項13】
第1のインダクタが、前記中性線に接続され、前記第1のインダクタが、動作中に前記第1のインダクタの第2のノードが前記中間電圧に維持されるように前記スイッチング回路網に交互に接続するように構成される第1のノードを備える、請求項12に記載の電力変換システム。
【請求項14】
前記第1のインダクタの前記第1のノードが動作中に時間の50%は前記2つの線のうちの第1の線に接続され、前記時間の残りの50%は前記2つの線のうちの第2の線に接続されるように、前記第1のインダクタの前記第1のノードが前記スイッチング回路網に交互に接続するように構成される、請求項13に記載の電力変換システム。
【請求項15】
前記中間電圧が前記2つの線の電圧間の平均電圧である、請求項13に記載の電力変換システム。
【請求項16】
前記スイッチング回路網が複数のブリッジmosfetを備える、請求項13に記載の電力変換システム。
【請求項17】
前記複数のブリッジmosfetが4つのAC側mosfetを備える、請求項12から16のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項18】
1次巻線および2次巻線を備える変圧器を更に備え、第2のインダクタが前記2次巻線と直列に接続される、請求項13に記載の電力変換システム。
【請求項19】
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタが互いに同じインダクタンスを有する、請求項12から16、および18のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項20】
マイクロインバータと共に使用するために構成されるサイクロコンバータであって、
前記マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、
前記AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタと
を備え、
前記中性線が、前記2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点において前記マイクロインバータに接続される、サイクロコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、分散エネルギー発生システムに関し、例えば、統合中性点形成機能を備えるマイクロインバータを使用する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー管理システムは、例えばメインパネルとは対照的に、スマートスイッチ(マイクログリッド相互接続装置(MID))に追加の光起電力装置(PV)および貯蔵システムを接続することによってメインパネルアップグレード(MPU)に対する革新的な解決策を提供し、したがって全ホームおよびサブパネルバックアップシステムに対するMPUを回避する。全ホームバックアップに関して、例えば、スマートスイッチは、メインパネルに流れることができる電流量を制限する過電流保護装置と共に需給計器とメインパネルとの間に接続され、したがってMPUを回避する。サブパネルバックアップのために、設置者は、メインパネルからサブパネルに同量の負荷回路を移動させることができる。
【0003】
追加的に、AC電力グリッドは、使用地域に基づいて異なることがある。例えば、北米および日本の住宅用接続は、分相(例えば、180°2相)構成-北米には120V/240Vacおよび日本には100V/200Vacに基づき、したがって、住宅地において単相(120Vacまたは100Vac)および二相(240Vacまたは200Vac)機器および負荷の混合が使用されることを可能にする。北米および日本の接続が正しく機能するために、AC幹線中性点電圧は、2つの相電圧間の中間電位である電圧に保たれる必要がある。そのような機能は中性点形成と称され、電力ユーティリティ住宅用配電変圧器によって提供される。
【0004】
その上、貯蔵システムのマイクロインバータは、グリッド非依存である、すなわち、AC電力グリッドが利用可能であるときにはグリッド接続マイクロインバータとして機能する、かつ/または万一AC電力グリッドが非機能的であれば(もしくは存在しなければ)ローカルマイクログリッドを形成するオフグリッドマイクロインバータとして機能するように構成される。オフグリッドモードで動作する間、ユーティリティ配電変圧器への接続が意図的に切断され、それによってユーティリティ配電変圧器によって通常は提供される中性点形成機能を外す。
【0005】
ローカル中性点形成機能を達成するための従来の方法および装置は、線周波数(例えば、50Hzまたは60Hz)中性点形成変圧器に基づき、単相のために構成される。そのような方法および装置は、しかしながら、絶縁銅巻線(マグネットワイヤ)付き単純積層鋼(例えば、ミューメタル-ニッケル鉄軟強磁性合金)磁心を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、オフグリッド施設のための統合中性点形成機能を備えるマイクロインバータを使用する改善された方法および装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される実施形態は、オフグリッド施設のための統合中性点形成機能を備えるマイクロインバータを使用する方法および装置を提供する。例えば、AC貯蔵システムと共に使用するために構成されるマイクロインバータは、マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタとを備え、中性線は、2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点においてマイクロインバータに接続される。
【0008】
本開示の少なくとも一部の態様に従って、電力変換システムは、一対一の対応または二対一の対応の少なくとも1つで複数のマイクロインバータに結合される複数の光起電力モジュールと、一対一の対応で複数のマイクロインバータに結合される複数の貯蔵装置とを備える分散エネルギー資源を備え、複数のマイクロインバータの各マイクロインバータは、各マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタとを備え、中性線は、2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点においてマイクロインバータに接続される。
【0009】
本開示の少なくとも一部の態様に従って、マイクロインバータと共に使用するために構成されるサイクロコンバータは、マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網と、AC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える三線コネクタとを備え、中性線は、2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点においてマイクロインバータに接続される。
【0010】
上に本開示の特徴を詳述した仕方が詳細に理解できるように、開示の詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られてよく、その一部が添付の図面に例示される。しかしながら、添付の図面が本開示の典型的な実施形態だけを例示しており、本開示は他の等しく有効な実施形態の余地があり得るため、したがってその範囲を限定するとみなされるものではないことが留意されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の少なくとも一部の実施形態に従う、電力変換システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも一部の実施形態に従う、図1のエネルギー管理システムと共に使用するために構成される貯蔵システムのマイクロインバータの概要図である。
図3】本開示の少なくとも一部の実施形態に従う、図1のエネルギー管理システムと共に使用するために構成される貯蔵システムのマイクロインバータの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態は、統合中性点形成機能を備える単相マイクロインバータを使用する方法および装置を含む。例えば、AC貯蔵システムと共に使用するために構成されるマイクロインバータが、マイクロインバータのAC出力において接続されるスイッチング回路網を備える。三線コネクタがAC出力において接続され、単相グリッドシステムまたは分相グリッドシステムのうちの少なくとも1つに接続するように構成される2つの線の間に接続される中性線を備える。中性線は、2つの線の電圧間の中間電圧を維持する点においてマイクロインバータに接続される。本明細書に記載される方法および装置は、バッテリ貯蔵マイクロインバータへ統合される北米および日本両方の(例えば、120/240Vac)分相住宅用オフグリッドシステムのための所要の中性点形成変圧器機能を提供する。追加的に、本明細書に記載される方法および装置は、スマートグリッド接続リレーを使用する既存の方法および装置と比較して比較的低いシステム/メンテナンスコストを提供する。
【0013】
図1は、本開示の少なくとも一部の実施形態に従うシステム100(例えば、電力変換システム)のブロック図である。図1の図は、無数の可能なシステム構成のうちの1つの変形列を描くだけである。本開示は、各種の環境およびシステムにおいて機能できる。
【0014】
システム100は、付随するDER118(分散エネルギー資源)を有する、住宅または商業ビルのような、構造物102(例えば、ユーザの構造物)を備える。DER118は、構造物102の外部に位置する。例えば、DER118は、構造物102の屋根に設けられてよく、またはソーラーファームの一部であることができる。構造物102は、構造物102内または外に設けることができる1つまたは複数の負荷および/またはエネルギー貯蔵装置114(例えば、機器、電気温水器、サーモスタット/検出器、ボイラ、水ポンプ等)、ならびにDERコントローラ116を備え、各々負荷センタ112に結合される。エネルギー貯蔵装置114、DERコントローラ116および負荷センタ112が構造物102内に設けられているとして描かれるが、これらの1つまたは複数が構造物102の外部に設けられてよい。
【0015】
負荷センタ112は、ACバス104によってDER118に結合され、更にメータ152およびMID150(マイクログリッド相互接続装置)を介して、グリッド124(例えば、商用/公共パワーグリッド)に結合される。構造物102、エネルギー貯蔵装置114、DERコントローラ116、DER118、負荷センタ112、発電メータ154、メータ152およびMID150は、マイクログリッド180の一部である。図1に図示されない1つまたは複数の追加装置がマイクログリッド180の一部でよいことが留意されるべきである。例えば、パワーメータまたは同様の装置が負荷センタ112に結合されてよい。
【0016】
DER118は、パワーコンディショナ122(マイクロインバータ)に結合される少なくとも1つの再生可能エネルギー源(RES)を備える。例えば、DER118は、一対一の対応(または二対一の対応)で複数のパワーコンディショナ122に結合される複数のRES120を備えてよい。本明細書に記載される実施形態において、複数のRES120の各RESは光起電力モジュール(PV)、例えば1つまたは複数の光起電力モジュールであるが、他の実施形態において複数のRES120は、風力、水力等のような、再生可能な形態のエネルギーからDC電力を発生させるための任意の種類のシステムでよい。DER118は、一対一の対応でパワーコンディショナ122に結合される1つまたは複数のバッテリ(または他の種類のエネルギー貯蔵/供給装置)を更に備えてよく、パワーコンディショナ122および対応するバッテリの各対がACバッテリ130と称されてよい。
【0017】
パワーコンディショナ122は、複数のRES120および/またはバッテリ141からの発電DC電力をグリッド準拠のAC電力に逆変換し、発電AC電力を負荷センタ112を介してグリッド124に結合する。発電AC電力は、追加的または代替的に1つもしくは複数の負荷(例えば、ソーラーポンプ)および/またはエネルギー貯蔵装置114に負荷センタ112を介して結合されてよい。加えて、バッテリ141に結合されるパワーコンディショナ122は、ACバス104からのAC電力を、バッテリ141を充電するためのDC電力に変換する。複数のRES120に結合されるパワーコンディショナ122の出力において、発電電力を測定するために発電メータ154が結合される。
【0018】
一部の代替実施形態において、パワーコンディショナ122は、AC入力を受電し、ある種類のAC電力を別の種類のAC電力に変換するAC-ACコンバータでよい。他の代替実施形態において、パワーコンディショナ122は、ある種類のDC電力を別の種類のDC電力に変換するDC-DCコンバータでよい。実施形態の一部において、DC-DCコンバータは、発電DC出力をAC出力に逆変換するための主DC-ACインバータに結合されてよい。
【0019】
パワーコンディショナ122は、電力線通信(PLC)を使用して互いとおよびDERコントローラ116と通信してよいが、追加的および/または代替的に他の種類の有線および/または無線通信が使用されてよい。DERコントローラ116は、DER118の動作制御を提供し、かつ/またはDER118からデータもしくは情報を受信してよい。例えば、DERコントローラ116は、パワーコンディショナ122からデータ(例えば、警報、メッセージ、動作データ、性能データ等)を受信し、データおよび/または他の情報を通信ネットワーク126を介して、1つまたは複数のアプリケーションソフトウェア、例えばグリッド接続性制御アプリケーションを実行するように構成できる、クラウドベースのコンピューティングプラットフォーム128に、マスタコントローラ(図示せず)のような遠隔装置またはシステムに等、伝達するゲートウェイでよい。DERコントローラ116は、DERコントローラ116によって発生されるまたは遠隔装置もしくはクラウドベースのコンピューティングプラットフォーム128から受信される制御信号のような、制御信号をパワーコンディショナ122に送信してもよい。DERコントローラ116は、有線および/または無線技術を介して通信ネットワーク126に通信可能に結合されてよい。例えば、DERコントローラ116は、市販のルータを介して通信ネットワーク126に無線結合されてよい。1つまたは複数の実施形態において、DERコントローラ116は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはマイクロプロセッサと共に、本明細書に記載される機能の1つまたは複数を行うための適切なソフトウェア(例えば、グリッド接続性制御アプリケーション、スイッチング制御回路網等)を備える。例えば、DERコントローラ116は、以下に更に詳細に記載されるように、プロセッサによって実行されるとグリッド接続性制御のための方法を行う命令を記憶したメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)を含むことができる。
【0020】
発電メータ154(生産メータとも称されてよい)は、DER118によって(例えば、複数のRES120に結合されるパワーコンディショナ122によって)発生されるエネルギーを測定する任意の適切なエネルギーメータでよい。発電メータ154は、実電力潮流(kWh)および、一部の実施形態において、無効電力潮流(kVAR)を測定する。発電メータ154は、例えばPLC、他の種類の有線通信または無線通信を使用して、DERコントローラ116に測定値を伝達してよい。追加的に、バッテリ充電/放電値がACバッテリ130自体から他のネットワーキングプロトコルを通じて受信される。
【0021】
メータ152は、ネットメータリングメータ、グリッド124から取り込まれるエネルギー、ならびにグリッド124に送り出されるエネルギーを測定する双方向メータ、エネルギー進入および送出を測定するための2つの別々のメータを備えるデュアルメータ等のような、マイクログリッド180によって消費されるエネルギーを測定する任意の適切なエネルギーメータでよい。一部の実施形態において、メータ152は、MID150またはその一部分を備える。メータ152は、実電力潮流(kWh)、無効電力潮流(kVAR)、グリッド周波数およびグリッド電圧の1つまたは複数を測定する。
【0022】
MID150は、アイランド相互接続装置(IID)とも称されてよく、マイクログリッド180をグリッド124に/から接続/切断する。MID150は、マイクログリッド180をグリッド124に/から物理的に接続/切断するための切断部品(例えば、接触器等)を備える。例えば、DERコントローラ116は、パワーコンディショナ122からシステムの現状に関する情報を受信し、メータ152から(例えばPLC、他の種類の有線通信および無線通信の1つまたは複数を介して)マイクログリッド180のエネルギー消費値も受信し、そして受信情報(入力)に基づいて、DERコントローラ116は、いつオングリッドまたはオフグリッドになるべきかを決定し、それに応じてMID150に命令する。一部の代替実施形態において、MID150は、ASICまたはCPUと共に、いつグリッド124から切断する/に接続するべきかを決定するための適切なソフトウェア(例えば、単独運転モジュール)を備える。例えば、MID150は、グリッド124を監視してグリッド変動、外乱または停電を検出し、結果として、グリッド124からマイクログリッド180を切断してよい。一旦グリッド124から切断されると、マイクログリッド180は、例えばグリッド124で作業しているかもしれないいかなるライン作業者にも、安全性リスクを課すことなく意図的なアイランドとして電力を発生させ続けることができる。
【0023】
一部の代替実施形態において、MID150またはMID150の一部分は、DERコントローラ116の一部である。例えば、DERコントローラ116は、CPUならびに、グリッド124を監視し、グリッド故障および外乱を検出し、いつグリッド124から切断する/に接続するべきかを決定し、それに応じて切断部品を駆動するための単独運転モジュールを備えてよく、切断部品は、DERコントローラ116の一部でも、または代替的に、DERコントローラ116と別でもよい。一部の実施形態において、MID150は、グリッド124に対する接続/切断を調整するためにDERコントローラ116と(例えば電力線通信のような有線技術を使用して、または無線通信を使用して)通信してよい。
【0024】
ユーザ140が、通信ネットワーク126に無線手段によって通信可能に結合されるモバイルデバイス142(例えば、スマートフォン、タブレット等)のような、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを使用できる。モバイルデバイス142は、CPU、支持回路およびメモリを有し、本明細書に記載されるようにグリッド124との接続性を制御するためにその上にインストールされる(グリッド接続性制御アプリケーションであり得るアプリケーション146)1つまたは複数のアプリケーションを有する。アプリケーション146は、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のような、市販のオペレーティングシステム上で動作してよい。
【0025】
グリッド124との接続性を制御するために、ユーザ140は、モバイルデバイス142に表示されるアイコン、例えば本明細書においてトグルボタンと称される、グリッドオン-オフトグルコントロールまたはスライドと対話する。トグルボタンは、様々な検証、確認および警告のために、ライブステータス画面(図示せず)のような、マイクログリッド180に関連する1つまたは複数のステータス画面に提示されてよい。初めてユーザ140がトグルボタンと対話すると、ユーザ140は、設定中の、グリッド接続性同意ページのような、同意ページに飛ばされ、自身が同意を与えた後にだけトグルボタンと対話するのを可能にされることになる。
【0026】
一旦同意が受けられると、優先順に挙げられた以下のシナリオは、異なって処理されるであろう。ユーザ140によって入力されるような所望のアクションに基づいて、対応する命令が、HTTP(S)、MQTT(S)、WebSockets等のような、任意の適切なプロトコルを使用して通信ネットワーク126を介してDERコントローラ116に伝達される。DERコントローラ116は、必要に応じて受信した命令を記憶してよく、適宜グリッド124に接続するまたはグリッド124から切断するようにMID150に命令する。
【0027】
図2は、本開示の少なくとも一部の実施形態に従う、図1のシステム100と共に使用するために構成されるマイクロインバータ200(例えば、パワーコンディショナ122)のブロック図である。上記したように、DERコントローラ116は、マイクロインバータ200の動作を制御する。例えば、電圧および電流サンプリング回路網(図示せず)を備えることに加えて、三相AC出力を生成するサイクロコンバータ205を制御するために使用されるデータを受信するためのラインサイクル監視モジュール(図示せず)に制御回路網117を通信的に結合できる。サイクロコンバータ205は、4つのAC側MOSFET204を備える(サイクロコンバータがマイクロインバータ200の出力側においてスイッチおよび関連部品を備える)。制御回路網117は、例えばパルス幅変調(PWM)を使用して、電圧および電流サンプリング回路網からの測定に基づいてAC側MOSFET204のタイミングを調整する。
【0028】
制御回路網117は、AC出力ポート210に結合される単相AC出力を発生させるためにAC側MOSFET204を制御する。制御回路網117はまた、ラインサイクルエネルギー貯蔵コンデンサ(DC側入力コンデンサ216)を通して電力をサイクルさせて(すなわち、充電および放電して)AC出力ポート210にかつ/またはAC幹線に正弦波である電力を出力するためにもマイクロインバータ200を制御する。
【0029】
制御回路網117は、DC入力206から電力を導出するハウスキーピング電源からの電力を使用して4つのDC側MOSFET202(マイクロインバータの入力側)および4つのAC側MOSFET204を駆動する。例えば、ハウスキーピング電源は、DC側入力コンデンサ216にわたって存在するDC電圧から給電される。主絶縁変圧器212のDC側にわたって発生する100kHz電圧をDC側MOSFET202のボディダイオード214によって整流できる。DC側MOSFET202のボディダイオード214は、100kHz電圧を整流し、DC側入力コンデンサ216を充電する。主制御ASIC(例えば、DERコントローラ116内)に給電でき、主制御ASICは、DC側MOSFET202もAC側MOSFET204も駆動する有効なゲートドライバ信号を発生させる。AC側MOSFET204のスイッチングゲートドライバは、主絶縁変圧器212のAC側へ電圧を送り込むように構成される。インダクタLrが主絶縁変圧器212の2次巻線と直列に接続され、一対のコンデンサCrがAC側MOSFET204の対応する一対と直列に接続されてAC側MOSFET204の対応する一対のドレインに所定の電圧を維持する。
【0030】
マイクロインバータ200は、電力変換観点から双方向、すなわちDC→ACかつAC→DCであり、バッテリエネルギー貯蔵マイクロインバータに使用されているマイクロインバータ200にとって重要である。追加的に、マイクロインバータ200の双方向機能性は、一旦太陽が沈むとマイクロインバータが動作し続けることができるという点でPV応用を可能にする。すなわち、PVモジュールからの電力出力が(例えば、夜間に)ゼロに下がれば、マイクロインバータ200はAC→DCモードで動作し始め、したがって、ハウスキーピング電源がマイクロインバータ200のAC側から導出される電力から供給されるのを可能にする。このように、マイクロインバータ200は、夜間の間に無期限に動作することができる。
【0031】
マイクロインバータ200は、AC出力ポート210において、230Vac/240Vac単相グリッドおよび/または分相グリッドへの接続のために構成される。少なくとも一部の実施形態(例えば、北米住宅用途)においてマイクロインバータ200のAC出力は、住宅用120/240Vac分相システムの線1(L1)および線2(L2)接続に接続するように構成される。少なくとも一部の実施形態(例えば、世界の他の地域(RoW)用途)においてマイクロインバータ200のAC出力は、230Vac単相住宅用システムのL1およびL2接続(例えば、ライブおよびニュートラル)に接続するように構成される。
【0032】
発明者は、追加のインダクタ(Ln)を追加することによってマイクロインバータ200のAC出力ポート210に第3の中性接続部(N)を提供することを見出した。第3の中性接続部Nは、AC側MOSFET204(例えば、ACブリッジMOSFET)の高周波スイッチングに基づいて、EMC/サージフィルタ(例えば、三入力および三出力接続フィルタ)を提供する。例えば、制御回路網117の制御下で、インダクタLnが時間の約50%はL1接続部に接続され、時間の約50%はL2接続部に接続されるようにインダクタLnの第1の(上)ノードがAC側MOSFET204によって交互に接続される。少なくとも一部の実施形態において、インダクタLnの第2の(下)ノードが所定の電圧に維持されるようにインダクタLnはAC側MOSFET204(ACブリッジスイッチング)を平均化する。少なくとも一部の実施形態において、所定の電圧は、L1接続部およびL2接続部の電位間のおよそ中間(例えば、2つの線の電圧間の平均電圧)であることができる。すなわち、追加のインダクタLnは、中性点形成変圧器として機能し、少なくとも一部の実施形態において、インダクタLrと同じインダクタンスを有することができる。
【0033】
図3は、本開示の少なくとも一部の実施形態に従う、図1のエネルギー管理システムと共に使用するために構成される貯蔵システムのマイクロインバータ300の概要図である。マイクロインバータ300は、マイクロインバータ200と実質的に同一である。したがって、マイクロインバータに特有である特徴だけが本明細書に記載される。例えば、マイクロインバータ200とは異なり、マイクロインバータ300はフルブリッジマイクロインバータである。すなわち、マイクロインバータ300は、8つのAC側MOSFET304を備え、マイクロインバータ300の出力側の各レッグに4つのAC側MOSFET304が直列に接続される、サイクロコンバータ305を備える。追加的に、変圧器212の2次巻線の各側に一対のインダクタLrおよびコンデンサCrが互いに直列に接続される。その上、インダクタLnを使用する代わりに、第3の中性接続部(N)は、変圧器(例えば、センタタップ中性点形成変圧器)の2次巻線の中点に直接接続される。更には、制御回路網117は、上記したような方式でAC側MOSFET304を制御して、4つの追加のMOSFETに対処するのに必要な調節を行う。4つの追加のMOSFETは、同じゲート信号で駆動されるが、左から右に移行される。
【0034】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他の更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。
【符号の説明】
【0035】
100 システム
102 構造物
104 ACバス
112 負荷センタ
114 エネルギー貯蔵装置
116 分散エネルギー資源(DER)コントローラ
117 制御回路網
118 分散エネルギー資源(DER)
120 再生可能エネルギー源(RES)
122 パワーコンディショナ
124 グリッド
126 通信ネットワーク
128 クラウドベースのコンピューティングプラットフォーム
130 ACバッテリ
140 ユーザ
141 バッテリ
142 モバイルデバイス
146 アプリケーション
150 マイクログリッド相互接続装置(MID)
152 メータ
154 発電メータ
180 マイクログリッド
202 DC側MOSFET
204 AC側MOSFET
205 サイクロコンバータ
206 DC入力
210 AC出力ポート
212 主絶縁変圧器
214 ボディダイオード
216 DC側入力コンデンサ
300 マイクロインバータ
304 AC側MOSFET
305 サイクロコンバータ
図1
図2
図3
【国際調査報告】