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特表2024-546213応答メッセージを送信する為の方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】応答メッセージを送信する為の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/43 20220101AFI20241212BHJP
【FI】
H04L47/43
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557314
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2022077188
(87)【国際公開番号】W WO2023117165
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2030225
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523354244
【氏名又は名称】オプティバー アイピー ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】フルールバイ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】マキャフリー,アンドリュー ジョン アレキサンダー
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA01
5K030HA08
5K030LE11
5K030MA04
(57)【要約】
入来メッセージに応答して応答メッセージ(30)を送信する方法が開示されている。該入来メッセージのヘッダ部が、該応答メッセージのヘッダ部(4)と同一である。該入来メッセージのペイロードは、該応答メッセージのペイロード(28)とは異なる。本方法は、該入来メッセージを表す入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピーと第2のコピーとに分割すること、及び該入来物理信号の該第1のコピーを送信機システム(12)に提供することを含む。更に、該方法は、信号を生成すること、及び、該第2のコピーの少なくとも一部からメッセージが受信されたことを決定することに基づいて、該第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信された後に該生成された信号が送信されるように、該生成された信号を該送信機システムに提供することを含む。ここで、該第1のコピーのヘッダ部分の該送信された少なくとも一部と、該送信された該生成された信号とが一緒になって、該応答メッセージを表す送信された応答信号を生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する方法であって、ここで、
前記入来メッセージが、ヘッダ部とペイロードとを含み、
前記応答メッセージがまた、ヘッダ部とペイロードとを含み、
前記入来メッセージの前記ヘッダ部が、前記応答メッセージの前記ヘッダ部と同一であり、
前記入来メッセージの前記ペイロードが前記応答メッセージの前記ペイロードと異なり、
前記方法が、
前記入来メッセージを表す入来物理信号を受信すること、ここで、該受信することは、前記入来物理信号のヘッダ部分を受信すること、ここで、前記ヘッダ部分は前記入来メッセージの前記ヘッダ部を表す、そしてその後、前記入来物理信号のペイロード部分を受信すること、ここで、前記ペイロード部分は前記入来メッセージの前記ペイロードを表す、を含む、
前記入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピーと該入来物理信号の第2のコピーとに分割すること、
前記第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信されるように、前記入来物理信号の前記第1のコピーを送信機システムに提供すること、
前記入来物理信号の前記第2のコピーのうちの少なくとも一部を解釈して、メッセージが受信されたことを決定すること、
信号を生成すること、及び、
メッセージが受信されたことを決定することに基づいて、前記第1のコピーのヘッダ部分の前記少なくとも一部が送信された後に前記生成された信号が送信されるように、前記生成された信号を前記送信機システムに提供すること、ここで、前記第1のコピーのヘッダ部分の前記送信された少なくとも一部と、前記送信された前記生成された信号とが一緒になって、前記応答メッセージを表す送信された応答信号を生成すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記入来物理信号を前記第1のコピーと前記第2のコピーとに分割する前に、前記入来物理信号が解釈されず、及び、
前記入来物理信号を分割することが、該入来物理信号を解釈することを伴わず、及び、
前記第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部を送信する前に及び前記第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部の送信中にも、前記入来物理信号の前記第1のコピーが解釈されない、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成された信号が、メッセージが受信されたことを決定する前に既に定義されている事前定義された部分を含み、前記生成された信号の前記事前定義された部分は、前記応答メッセージのペイロードの少なくとも一部を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記入来物理信号の前記第2のコピーの少なくとも一部を解釈して、前記入来メッセージの少なくとも一部、好ましくは前記ヘッダの少なくとも一部及び/又は前記入来メッセージの前記ペイロードの少なくとも一部を決定すること、並びに、
前記入来メッセージの前記決定された少なくとも一部に基づいて、好ましくは前記ヘッダの前記決定された少なくとも一部に基づいて、及び/又は好ましくは前記入来メッセージの前記ペイロードの少なくとも一部に基づいて、前記応答メッセージの前記ペイロードの少なくとも一部を決定すること
を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記入来物理信号、前記入来物理信号の前記第1のコピー及び前記第2のコピー、前記生成された信号、及び前記送信された応答信号の各々が、ビットストリームをおそらく表す物理信号である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記生成された信号を、前記入来物理信号の前記第1のコピーに同期させることを更に含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
(i)前記入来物理信号の前記第1のコピーを前記送信機システムに提供することから、(ii)前記生成された信号を前記送信機システムに提供することに、メッセージが受信されたことを決定することに基づいて切り替えることを更に含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記送信された応答信号が受信機によって正しく解釈されることができるように、前記切り替えることが実行される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記送信された応答信号が受信機によって正しく解釈されることができるように、前記生成された信号が、前記入来物理信号と同期化される、例えばビット整列化される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記入来物理信号が電気信号又は光信号である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する為のシステムであって、ここで、
前記入来メッセージが、ヘッダ部とペイロードとを含み、
前記応答メッセージがまた、ヘッダ部とペイロードとを含み、
前記入来メッセージの前記ヘッダ部が、前記応答メッセージの前記ヘッダ部と同一であり、
前記システムが、
前記入来メッセージを表す入来物理信号を受信する為の入力部、ここで、前記入来物理信号は、前記入来メッセージの前記ヘッダ部を表すヘッダ部分と、前記入来メッセージの前記ペイロードを表す前記ペイロード部分とを備えている、及び、
前記応答メッセージを表す送信された応答信号を送信する為の送信機システム
を備えており、
前記システムが、
前記入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピーと該入来物理信号の第2のコピーとに分割し、及び、
前記第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信されるように、前記入来物理信号の前記第1のコピーを送信機システムに提供する
ように構成されており、
前記システムが、
前記入来物理信号の前記第2のコピーのうちの少なくとも一部を解釈して、メッセージが受信されたことを決定するように、
信号を生成するように、及び、
メッセージが受信されたことを決定することに基づいて、前記第1のコピーのヘッダ部分の前記少なくとも一部が送信された後に前記生成された信号が送信されるように、前記生成された信号を前記送信機システムに提供させることを前記システムに行わせるように
構成されているデータ処理システムを更に備えており、ここで、前記第1のコピーのヘッダ部分の前記送信された少なくとも一部と、前記送信された前記生成された信号とが一緒になって、前記応答メッセージを表す送信された応答信号を生成する、
前記システム。
【請求項12】
前記システムが、
前記入来物理信号が前記第1のコピーと前記第2のコピーとに分割される前に、前記入来物理信号を解釈しないように、及び、
前記入来物理信号を解釈すること無しに、前記入来物理信号を分割するように、及び、
前記第1のコピーのヘッダ部の前記少なくとも一部を送信する前に前記入来物理信号の前記第1のコピーを解釈しないように、及び前記第1のコピーのヘッダ部分の前記少なくとも一部を送信中に前記入来物理信号の前記第1のコピーを解釈しないように、
構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記入来物理信号の前記第1のコピーが送信機システムに提供されるか否かを制御する為の、及び前記生成された信号が前記送信機システムに提供されるか否かを制御する為のスイッチを更に備えており、ここで、前記スイッチに制御信号を送信することによって、前記生成された信号を前記送信機に提供することを前記システムに行わせるように、前記データ処理システムが構成されている、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ処理システムがメッセージを受信したことを決定する前に、応答メッセージのペイロードの少なくとも一部を表すデータを記憶した記憶媒体を前記データ処理システムが備えており、ここで、前記データ処理システムは、予め記憶された前記データに基づいて前記信号を生成するように構成されている、請求項11~13のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する為の方法及びシステムに関し、特に、入来物理信号(incoming physical signal)のコピーの少なくとも一部が該応答メッセージを表す応答信号の一部として再利用されるような方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
超高速通信が、多くの分野において、例えばトレーディングの分野において、非常に重要である。トレーディングにおいて、所謂、流動性プロバイダ(liquidity provider)は、逆選択のリスクを有する。市場の商品価格が変動するときに、流動性プロバイダは、損失を引き起こす可能性がある「古い」価格に基づいて取り引きが行われることを防ぐ為に、できるだけ早く市場でのアクティブなビッド及びオファーを更新することを望む。これらを考慮すると、流動性プロバイダが取引所と出来るだけ早く通信をしたいと望むことは驚くべきことではない。
【0003】
国際公開公報WO2017/024361号パンフレットは、ラインエンコードされたデータストリームをソースから受信するシステムを開示する。該システムは、生のパラレルデータストリームを生成する為に、ラインエンコードされたデータストリームをデシリアライズする為のデシリアライザを有する。該システムは、該生のパラレルデータストリームをシリアライズする為のシリアライザを有する。該システムは、別の生のパラレルデータストリームを生成するように構成されたパラレルデータ生成器を有する。該システムは、生のパラレルデータストリームをある構成でシリアライザに通信する為の及び他のパラレルデータストリームを別の構成で通信する為の再構成可能な回路を有する。
【0004】
もちろん、トレーディングは超高速通信の恩恵を受けうる多くの分野の1つに過ぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、当技術分野において、高速通信を可能にする方法及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その為に、入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する方法が開示されている。該入来メッセージは、ヘッダ部(header portion)とペイロードとを含み、及び応答メッセージがまた、ヘッダ部とペイロードとを備えている。該入来メッセージの該ヘッダ部は、該応答メッセージの該ヘッダ部と同一である。該入来メッセージの該ペイロードは、該応答メッセージの該ペイロードと異なる。該方法は、該入来メッセージを表す入来物理信号を受信することを含む。該受信することは、該入来物理信号のヘッダ部分(header part)を受信すること、ここで、該ヘッダ部分は該入来メッセージの該ヘッダ部を表す、そしてその後、該入来物理信号のペイロード部分(payload part)を受信すること、ここで、該ペイロード部分は該入来メッセージの該ペイロードを表す、を含む。該方法はまた、該入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピーと該入来物理信号の第2のコピーとに分割することを含む。該方法は更に、該第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信されるように、該入来物理信号の該第1のコピーを送信機システムに提供することを含む。該方法は更に、該入来物理信号の該第2のコピーのうちの少なくとも一部を解釈して、メッセージが受信されたことを決定することを含む。更に、該方法は、信号を生成すること、及びメッセージが受信されたことを決定することに基づいて、該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部が送信された後に該生成された信号が送信されるように、該生成された信号を該送信機システムに提供することを含む。ここで、該第1のコピーのヘッダ部分の該送信された少なくとも一部と、該送信された該生成された信号とが一緒になって、該応答メッセージを表す送信された応答信号を生成する。
【0007】
本開示の1つの観点は、入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する為のシステムに関する。該入来メッセージは、ヘッダ部とペイロードとを備えている。該応答メッセージがまた、ヘッダ部とペイロードとを含み、該入来メッセージの該ヘッダ部は、該応答メッセージのヘッダ部と同一である。該システムは、該入来メッセージを表す入来物理信号を受信する為の入力部を備えている。該入来物理信号は、ヘッダ部分とペイロード部分とを備えており、該ヘッダ部分は該入来メッセージの該ヘッダ部を表し、及び該ペイロード部分は該入来メッセージの該ペイロードを表す。該システムは、該応答メッセージを表す送信された応答信号を送信する為の送信機システムを更に備えている。更に、該システムは、
該入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピーと該入来物理信号の第2のコピーとに分割し、及び、
該第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信されるように、該入来物理信号の第1のコピーを該送信機システムに提供する
ように構成されている。
更に、該システムは、
該入来物理信号の該第2のコピーのうちの少なくとも一部を解釈して、メッセージが受信されたことを決定するように、
信号を生成するように、及び、
メッセージが受信されたことを決定することに基づいて、該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部が送信された後に該生成された信号が送信されるように、該生成された信号を該送信機システムに提供させる。該第1のコピーのヘッダ部分の該送信された少なくとも一部と、該送信された該生成された信号とが一緒になって、所望の応答メッセージを表す送信された応答信号を生成する。
【0008】
この方法及びシステムにより、入来メッセージに応答して応答メッセージを非常に高速に送信することが可能になる。本発明者等は、該入来メッセージの該ヘッダ部分と該応答メッセージの該ヘッダ部分とが同一である場合に、好ましくは該入来物理信号の該ヘッダ部分を解釈すること無しに、該応答信号のヘッダ分部として該入来物理信号の該ヘッダ部分を直接的に送り返すことができるところの送信機システムに、該入来物理信号の該ヘッダ部分が直接的に送信されることができることに気付いた。このようにして、該システムが、該入来物理信号の該第2のコピーに基づいて、メッセージが受信されたと決定する時点までに、該応答信号の該ヘッダ部分の少なくとも一部(ここで、そのヘッダ部分は該応答メッセージの該ヘッダ部分を表す)は、既に送信されていることになる。ある時点で、該入来物理信号の該第1のコピーがそれ以上送信されるべきではなく、そうでない場合には、該入来メッセージのコピーだけが応答メッセージとして送信されるが、それはこの方法の目的ではない。従って、本方法は、信号を生成すること(ここで、その一部は、該入来メッセージの該ペイロードに基づいて決定されてもよい)、及び、この生成された信号を該送信機システムに提供すること、例えば、該入来物理信号の該第1のコピーの既に送信された部分と該生成された信号とが一緒にされて、該応答メッセージを表す有効な送信された応答信号を生成するようなタイミングでこの生成された信号を該送信機システムに提供すること、を含む。いずれにせよ、該入来物理信号の該ヘッダ部分の少なくとも一部が送信の為に直接的に使用される故に、該応答信号の該ヘッダ部分がシステムそれ自体によって生成された場合よりも早い時点で、該応答メッセージが完全に送信されたことになる。すなわち、信号を生成することには時間がかかる。
【0009】
該応答メッセージの任意の部分と異なるところの該入来メッセージの任意の部分が、該入来メッセージの該ペイロードに属するとして理解されうる。更に、該入来メッセージの任意の部分と異なるところの該応答メッセージの任意の部分が、該応答メッセージの該ペイロードに属するとして理解されうる。
【0010】
該システムは、入来する物理信号及び出力される物理信号又はそのコピーを増幅する及び/又はノイズ除去する為の1以上の要素を備えていてもよい。そのような増幅及び/又はノイズ除去は、該信号が該送信機システムによって送信されるときに該信号の完全性を保証する役割を果たしうる。この目的の為に、フィルタがまた該システムに実装されうる。該増幅器及び該フィルタは、信号方式と物理学に依存する。
【0011】
該入来メッセージは取引所のコンピュータシステムから送信されてもよく、及び該入来メッセージの該ペイロードは市場情報を示してもよい。同様に、該応答メッセージの該ペイロードは取り引き会社のコンピュータシステムから送信されてもよく、その場合に、該応答メッセージの該ペイロードは典型的には、ビッド価格及び/又はオファー価格の更新を含む。
【0012】
該入来物理信号は該入来メッセージの該ヘッダ部を表す該ヘッダ部分を含む故に、該第1のコピーがまたこのヘッダ部分を含むことが理解されるべきである。
【0013】
該入来物理信号は、ビットストリームを表しうる。
【0014】
本明細書において使用される物理信号は、物理量の変動、好ましくは時間的な変動、を云うと理解される場合があり、該変動は情報を伝達する為に使用される。典型的には、伝送媒体は、そのような変動を送信装置から受信装置へ伝送する。物理信号は例えば、電気導体における電圧変動によって生成され、及び/又は光導体、例えば光ファイバケーブル、を通じて伝送する光の光強度の変動によって生成される。本明細書において使用される場合、信号の一部は、該信号を生成する変動が生じる或る期間を云う場合があるが、該信号生じる変動は、この期間外でまた生じる。
【0015】
また、物理信号が物理量の変化を云う場合、この物理信号のコピーは、同じ物理量の同じ変化を云うと理解されうる。
【0016】
本明細書において使用される場合、物理信号を解釈することは、信号を量子化すること及び/又は該信号をサンプリングすることによって実行されてもよい。量子化とサンプリングの両方が実行される場合に、物理信号を解釈することは、該物理信号をデジタル信号に変換することによって実行されると理解されうる。サンプリングは、連続時間信号(continuous-time signal)を離散時間信号(discrete-time signal)に変換することとして理解されうる。量子化は、第1の、典型的には連続的な値の1組からの入力値を、(数えられる)より小さな組の出力値にマッピングすることとして理解されうる。該入来物理信号がビットストリームを表す場合に、量子化は、入力値、例えば光信号の場合の光強度値、を「0」値又は「1」値にマッピングすることを含むと理解されうる。
【0017】
デシリアライゼーション(deserialization)は、データ構造又はオブジェクトをインスタンス化する為に、信号、例えば一連のバイト又は文字列を表す信号、からデータ構造又はオブジェクトを再構築するプロセスとして理解されうる。これは、シリアライゼーション(serialization)の逆のプロセスであり、すなわち、デバイス間で保存又は伝送する為に、データ構造又はオブジェクトを、信号、例えば一連のバイト、に変換することである。シリアルからパラレルへの変換は、該信号によって表される異なる値の知識が必要である為に、該信号をデシリアライズするには該信号を解釈する必要があることが理解されるべきである。また、信号に基づいて実行される任意の論理演算、例えば入来物理信号に基づいて該応答メッセージについてのペイロードを決定すること、には、該入来物理信号の解釈が必要である。
【0018】
従って、信号を解釈することは任意的に、該信号をデシリアライズすることを含んでいてもよい。更に又は代替的には、該信号を解釈することは任意的に、該信号をデコードすることを含んでいてもよい。
【0019】
一旦信号が解釈されると、例えばデジタルフォーマットに変換されると、情報、データ構造又はオブジェクトが、デジタル信号に基づいて再構成されうる。
【0020】
該入来メッセージ並びに該応答メッセージは、例えばIEEE規格802.3-2018及びイーサネットの為のIEEE規格(IEEE Standard for Ethernet)において定義されているように、イーサネットパケットとして具現化されてもよい。そのような場合、該入来メッセージ及び該応答メッセージの該ヘッダ部分は、7オクテットのイーサネットパケットプリアンブルであってもよく、それは、全てのイーサネットパケットについて同じである。好ましくは、該応答メッセージ及び応答信号は、10G-BASE-LRについてのIEEE規格、特にイーサネット802.3セクション4のIEEE規格(IEEE Standard for Ethernet 802.3 section 4)、に準拠する。
【0021】
該生成された信号は任意的に、該応答メッセージの該ヘッダ部の少なくとも一部を表すヘッダ部分を含んでいてもよい。このことは、例えば、第1のコピーのヘッダ部分全体が、該第1のコピーを送信することによって該送信機システムによって送信される前に、該生成された信号が該送信機システムに提供される場合に必要とされうる。該応答メッセージの該ヘッダ部分を表す完全なヘッダ部分がまだ送信されていない場合、まだ残りのヘッダ部分が送信されるべきである。この残りのヘッダ部分は、該生成された信号中に存在するはずである。
【0022】
該生成された信号は典型的には、該応答メッセージの該ペイロードを表すペイロード部分を含む。
【0023】
該方法は、該入来メッセージの該ヘッダ部を表す解釈された信号のヘッダ部分、例えば上記で言及されたイーサネットのプリアンブル、に基づいて、メッセージが受信されたことを決定することを含んでいてもよく、及び該システムのデータ処理システムは、上記の決定をする為に構成されていてもよい。例えば、該データ処理システムは、メッセージが受信されていることを決定する為に、イーサネットのプリアンブルを検出するように構成されていてもよい。
【0024】
もちろん、該入来物理信号は、更なるコピーへと、例えば、第3のコピー、第4のコピー等へと、分割されてもよい。
【0025】
該方法の1つの実施態様において、(i)該入来物理信号は、該入来物理信号を該第1のコピーと該第2のコピーとに分割する前に解釈されず、及び/又は(ii)該入来物理信号を分割することは、該入来物理信号を解釈することを伴わず、及び/又は(iii)該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部を送信する前に及び該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部の送信中にも、該入来物理信号の第1のコピーは解釈されない。
【0026】
システムの1つの実施態様において、該システムは、
該入来物理信号が該第1のコピーと該第2のコピーとに分割される前に、該入来物理信号を解釈しないように、及び/又は、
該入来物理信号を解釈すること無しに、該入来物理信号を分割するように、及び/又は、
該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部を送信する前に該入来物理信号の該第1のコピーを解釈しないように、及び該第1のコピーのヘッダ部分の該少なくとも一部を送信中に該入来物理信号の該第1のコピーを解釈しないように
構成されている。
【0027】
これらの実施態様は、該信号を解釈する為の如何なる時間をも失うこと無しに、該入来物理信号の少なくともヘッダ部を直接的に送り返すことを可能にし、従って、非常に高速な応答を可能にする。そのような解釈は典型的には、該入来物理信号をデジタルフォーマットに変換することを含み、このことは、解釈をしない場合よりも多くの時間を要する。
【0028】
従って、これらの実施態様において、該物理信号は典型的には、量子化されず、及び/又はサンプリングされず、及び/又はデジタル化されず、及び/又はデシリアライズされない。
【0029】
該方法の1つの実施態様において、該生成された信号は、メッセージが受信されたと決定する前に既に定義されている事前定義された部分を含み、ここで、該生成された信号の該事前定義された部分は、応答メッセージのペイロードの少なくとも一部を表す事前に記憶されたデータに基づいて生成される。
【0030】
該システムの1つの実施態様において、メッセージが受信されたことを該データ処理システムが決定する前に既に、該データ処理システムは、応答メッセージのペイロードの少なくとも一部を表すデータがその上に記憶されている記憶媒体を備えている。この実施態様において、該データ処理システムは、事前に記憶されたデータに基づいて信号を生成するように構成されている。
【0031】
これを例示すると、この事前定義された部分は、該応答メッセージの宛先アドレス及び/又は送信元アドレスを示す応答メッセージの一部であってもよい。該宛先アドレスは、例えば、予め知られていてもよい。メッセージが受信されたことを一旦決定すると、該入来メッセージの該ペイロードを検査すること無しに、該システムは、該応答信号の該事前定義された部分、例えば該応答メッセージについての宛先アドレスを示す部分、を既に生成することができる。
【0032】
上記で説明されているように、該応答信号は、該応答メッセージの該ペイロードを表すペイロード部分(payload part)を含んでいてもよい。該生成された応答信号の事前定義された部分は、事前定義されたペイロードメッセージ部分を含んでいてもよく、その事前定義されたペイロード部分は、該応答メッセージの該ペイロード部(payload portion)の事前定義された部分を表す。加えて又は代替的に、該生成された応答信号の該事前定義された部分は、該応答メッセージの該ヘッダ部分の少なくとも一部を表す部分を含んでいてもよい。
【0033】
この実施態様は、生成された信号の該事前定義された部分が、該応答メッセージのペイロード部分の該事前定義された部分を表す事前定義されたペイロード部分、例えば該応答メッセージのデフォルトの宛先アドレスを示すペイロード部分、を含む場合に特に有利である。このことにより、該入来メッセージの該ペイロードがまだ受信、そして処理されている間に、例えば、該応答メッセージのペイロードがまだ決定中である間に、該シリアライズされた信号のこの事前定義された部分を既に送信できることを可能にする。事前定義されたペイロード部分の送信は、該データ処理システムに、該入来メッセージの該ペイロードに基づいて該応答メッセージの為の適切なペイロードを決定する為のより多くの時間を与えると理解されうる。
【0034】
該生成された信号が事前定義された部分を含むことは、それ自体必須ではないことが理解されるべきである。
【0035】
1つの実施態様において、該方法は、該入来メッセージの少なくとも一部を決定する為に、該入来物理信号の該第2のコピーの少なくとも一部を解釈すること、及び該入来メッセージの該決定された少なくとも一部に基づいて、該応答メッセージの該ペイロードの少なくとも一部を決定することを含む。同様に、該システムの1つの実施態様において、該データ処理システムは、該入来メッセージの少なくとも一部を決定するように、及び該入来メッセージの該決定された少なくとも一部に基づいて、該応答メッセージの該ペイロードの少なくとも一部を決定するように構成される。
【0036】
1つの実施態様において、該方法は、該入来物理信号の該第2のコピーの該少なくとも一部を解釈して、該入来メッセージの該ヘッダの少なくとも一部及び/又は該ペイロードの少なくとも一部を決定すること、並びに、該ヘッダの該決定された少なくとも一部及び/又は該ペイロードの決定された少なくとも一部に基づいて、該応答メッセージの該ペイロードの少なくとも一部を決定することを含む。同様に、該システムの1つの実施態様において、該データ処理システムは、該入来物理信号の該第2のコピーの該解釈された部分に基づいて、該応答メッセージの該ペイロードの少なくとも一部を決定するように構成される。
【0037】
これらの実施態様により、該システムは該入来メッセージの該ペイロードのコンテンツに基づいてその応答をすることが可能になる。
【0038】
特に、これらの実施態様において、該生成された信号が、該応答メッセージの決定されたペイロードに基づいて生成されることが理解されるであろう。
【0039】
該入来物理信号、該入来物理信号の該第1のコピー及び該第2のコピー、該生成された信号、及び送信された応答信号の各々は、ビットストリームを表す物理信号であってもよい。
【0040】
1つの実施態様において、該方法は、該生成された信号を、該入来物理信号の該第1のコピーに同期させることを含む。
【0041】
該システムの1つの実施態様において、該システムは、該生成された信号を、該入来物理信号の該第1のコピーに同期するように構成される。この目的の為に、該システムは、送信機システムへの該第1のコピーの提供を遅延させる為の遅延ラインを備えていてもよい。
【0042】
この実施態様は、応答信号(該入来物理信号の該第1のコピーと該生成された信号との組み合わせであると理解されうる)が該受信機に対して適切な信号を表すように、該入来物理信号の第1のコピーと該生成された信号とを正確に並べて応答メッセージを表す応答信号を生成することを可能にする。適切な信号は、該信号の該受信機が、該受信機の仕様に由来する全ての要件を順守して解釈することができる信号を云うと理解されうる。この例は、光ファイバ上のイーサネットであることができる。
【0043】
1つの実施態様において、該方法は、(i)該入来物理信号の該第1のコピーを送信機システムに提供することから、(ii)該生成された信号を該送信機システムに提供することへと、メッセージが受信されたことを決定することに基づいて切り替えることを含む。
【0044】
該システムの1つの実施態様において、該システムは、該入来物理信号の該第1のコピーが該送信機システムに提供されるか否かを制御する為に、及び該生成された信号が該送信機システムに提供されるか否かを制御する為のスイッチを更に備えている。そのような実施態様において、該データ処理システムは、制御信号を該スイッチに送信することによって、該生成された信号を該送信機システムに提供させるように構成されてもよい。
【0045】
該スイッチは、送信の為に第1のコピーを該送信機システムに提供すること又は該生成された信号を該送信機システムに提供することのいずれか1つを選択するように構成されてもよい。
【0046】
これらの実施態様において、該切り替えの後に、該生成された信号が該第1のコピーの代わりに該送信機システムに提供されることが理解されうる。
【0047】
該切り替えは、信号の物理媒体、例えば、シングルエンドの電気信号、平衡電気信号、光学信号、あらゆる物質相状態における圧力信号、ニュートリノ信号、タキオン信号等、である必要がある。該入来物理信号の該第1のコピーが該送信機に提供されるかどうか、及び応答として生成された信号が該送信機システムに提供されるかどうかをスイッチが制御することができる限り、あらゆる種類の切り替えが選択されることができる。
【0048】
該スイッチは、複数のサブスイッチ、例えば、該入来物理信号の該第1のコピーが該送信機システムに提供されるか否かを制御する為の第1のサブスイッチと、該生成された信号が該送信機システムに提供されるか否かを制御する為の第2のサブスイッチ、を備えていてもよいという意味で、スイッチシステムであってもよい。
【0049】
好ましくは、該切り替えは、送信された応答信号が、該応答信号を受信する受信システムにおいて受信エラーを生じる中断を含まないように実行される。従って、好ましくは、該送信された応答信号が受信機によって正しく解釈されることができるように、例えば、該応答信号を受信する受信システムにおいて受信エラーを生じる中断を含まないように、該スイッチが切り替えられるように構成される。
【0050】
好ましくは、該生成された信号は、該送信された応答信号が受信機によって正しく解釈されることができるように、該入来物理信号と同期化される(例えば、ビット整列化される)。この目的の為に、該方法は、該生成された信号を該入来物理信号と同期される(例えば、ビット整列化される)ことを含んでいてもよい。
【0051】
該入来物理信号は、電気信号であってもよい。該入来物理信号は、光信号であってもよい。該入来物理信号は、音信号であってもよい。
【0052】
当業者には理解されるように、本発明の観点は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化されうる。従って、本発明の観点は、完全にハードウェアの実施態様、完全にソフトウェアの実施態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアの観点とハードウェアの観点とを組み合わせた実施態様の形態をとってもよく、これらは全て、本明細書において一般的に、「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ばれる。本開示において記載された機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行されるアルゴリズムとして実装されてもよい。更に、本発明の観点は、1以上のコンピュータ可読媒体上で具現化された、例えば記憶された、コンピュータ可読プログラムコードを有する該1以上のコンピュータ可読媒体上で具現化されたコンピュータプログラム製品の形態であってもよい。
【0053】
1以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されうる。該コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体でありうる。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線式、半導体式のシステム、装置、若しくはデバイス、又はそれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、1以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット(登録商標)、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory)又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル・コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は前述された任意の適切な組み合わせを包含しうるが、これらに限定されない。本発明の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用する為のプログラムを含むか又は該プログラムを記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0054】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて又は搬送波の一部として、伝搬データ信号の中にコンピュータ可読プログラムコードが具現化された該伝搬データ信号を含んでいてもよい。そのような伝搬データ信号は、様々な形態、例えば、電磁気的、光学的、又はそれらの適切な組み合せを包含するがこれらに限定されない上記の様々な形態、のいずれかを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体でなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用する為のプログラムを通信、伝播、又は伝送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0055】
コンピュータ可読媒体上で具現化されたプログラムコードは、任意の適切な媒体、例えば、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF等、又はそれらの適切な任意の組み合わせを包含するがこれらに限定されない上記の任意の適切な媒体、を使用して伝送されてもよい。本発明の観点の為の動作を実行する為のコンピュータプログラムコードは、1以上のプログラミング言語、例えば、オブジェクト指向プログラミング言語、例えば、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等、及び慣用的な手続き型プログラミング言語、例えば「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語、を包含する上記の1以上のプログラミング言語、の任意の組み合わせで記述されてもよい。該プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で完全に実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行されてもよく、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に実行されてもよく、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、任意の種類のネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を包含する上記の任意の種類のネットワーク、を介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてもよい。
【0056】
本発明の観点が、本発明の実施態様に従う方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して以下に記載されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図の複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実行されることができることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータのプロセッサ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置を介して実行される命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実装する為の手段を作成するように、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)、に提供されてマシンを作成してもよい。
【0057】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体内に記憶された命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を作成するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置を特定の様式で機能させることができるコンピュータ可読媒体内に記憶されてもよい。
【0058】
該コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の装置上にロードされて、該コンピュータ、該他のプログラム可能なデータ処理装置、又は該他の装置上で一連の動作工程を実行させ、該コンピュータ又は該他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャート図及び/又はブロック図の1以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実装する為の方法を提供するように、コンピュータに実装されるプロセスを生成してもよい。
【0059】
図面中のフローチャート図及びブロック図は、本発明の様々な実施態様に従うシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の在りうる実装のアーキテクチャ、機能性及び動作を示す。これに関して、フローチャート図又はブロック図の各ブロックは、指定された1以上の論理機能を実装する為の1以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント又は部分を表しうる。幾つかの代替的な実装において、ブロック図に記載された機能は、図面に記載された順序から外れて生じうることがまた留意されるべきである。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は該ブロックは、関与する機能に依存して、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能又は行為を実行する特別な目的のハードウェアベースのシステム、又は特別な目的のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装されることができることにまた留意されたい。
【0060】
1つの観点において、本発明の実施態様は、メッセージが受信されたことを決定する為のコンピュータに実装された方法に関しうる。
【0061】
その上、本明細書において記載された方法を実施する為のコンピュータプログラム、並びにコンピュータプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは例えば、既存のシステムにダウンロード(更新)されてもよく又はそれらのシステムの製造に応じて記憶されてもよい。
【0062】
特定の実施態様について又は特定の実施態様に関連して論じられた要素及び態様は、明示的に別段の記載がない限り、他の実施態様の要素及び態様と好適に組み合わせられうる。本発明の実施態様は、本発明に従う実施態様を概略的に示す添付図面を参照して更に説明される。本発明は、これらの特定の実施態様に何ら限定されないことが理解されるであろう。
【0063】
本発明の観点が、添付の図面に示されている例示的な実施態様を参照してより詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1は、1つの実施態様に従う、システム及び方法を示す。
図2図2は、1つの実施態様に従う、システム及び方法を示す。
図3図3は、1つの実施態様に従う、システム及び方法を示す。
図4図4は、1つの実施態様に従う、システム及び方法を示す。
図5図5は、1つの実施態様に従う、システム及び方法を示す。
図6図6は、物理信号の処理と論理メッセージの処理との違いを明確にしたものである。
図7図7は、1つの実施態様に従うデータ処理システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図面中、同一の参照番号は同一又は類似の要素を示す。
【0066】
図1図5は、1つの実施態様に従う、入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する為のシステムを概略的に示す。図1図5はまた、1つの実施態様に従う方法が実行されている間のシステム1の異なる状態を示すという点で、1つの実施態様に従う、入来メッセージに応答して応答メッセージを送信する為の方法を概略的に示す。
【0067】
図1図5のシステム1は、入来物理信号を受信する為の入力8を備えている。入力8は例えば、入力ポートであってもよい。しかしながら、該入力はまた、単に、入来物理信号がシステム1に入る場所であってもよい。この信号は、電気信号であってもよく、又は電磁信号、例えば光信号、であってもよい。電気信号は、情報を伝達する為に電流及び/又は電圧の変動を使用しうる。電磁信号は、情報を伝達する為に、電磁放射の放射パワーの変動、例えば光強度における変動、を使用してもよい。該入来物理信号は、電気信号の場合には電気導体を介して、電磁信号の場合には光導体、例えば光ファイバケーブル、を介して該システムに提供されてもよい。該入来物理信号は、ビットストリームであってもよい。そのようなビットストリームは、イーサネットパケットを表してもよい。
【0068】
該入来物理信号は、入来メッセージ2を表す。これは、該入来物理信号が、該入来メッセージが再構築されることができることに基づいて情報を伝達すると理解されうる。該入来メッセージ2は、ヘッダ部4とペイロード6とを含む。図1において、該ヘッダ部は、例示の目的で、3つのビットA、B及びCを含み、並びにペイロード6は、6つのビットD、E、F、G、H、Iを含む。従って、該入来物理信号は、ヘッダ部4を表すヘッダ部分と、ペイロード6を表すペイロード部分とを備えていることが理解されるべきである。該入来物理信号のヘッダ部分は、該ペイロード部分の前に受信される。
【0069】
システム1は更に、該入来物理信号を第1のコピーと第2のコピーとに分割する為のスプリッタ9と、応答メッセージを表す送信された応答信号を送信する為の送信機システム12と、スイッチ10と、データ処理システム100とを備えている。送信機システム12は、システム1の出力ポートであってもよい。しかしながら、該送信機システムはまた、例えば、応答信号をシステム1の外部に伝送する光ワイヤ及び/又は電気ワイヤとして単に具現化されてもよい。
【0070】
図示されているシステムにおいて、データ処理システム100は、デシリアライゼーションモジュール14を備えているように示されており、このモジュール14は、該入来物理信号の該第2のコピーの少なくとも一部を解釈するように、特に、該入来物理信号の該第2のコピーをデシリアライズするように、構成されている。デシリアライゼーションモジュール14は好ましくは、ロジック15が処理することができる形式でロジック15に情報を伝達するようにまた構成される。デシリアライゼーションモジュール14は例えば、該入来物理信号の該第2のコピーをデジタル化し、従って、該入来物理信号の該第2のコピーに基づいてデジタル信号を決定し、そして次に、このデジタル信号を、ロジック15が処理することができる形式でロジック15に伝達するように構成されうる。
【0071】
図示されているシステムにおいて、データ処理システム100は、本明細書において「生成された信号」としてまた言及される信号を生成する為に、データ処理システム100によって決定された応答メッセージの一部をシリアライズするように構成されたシリアライゼーションモジュール17を備えていることが示されている。
【0072】
図1は更に、該データ処理システムが、後に説明されているように、該応答メッセージのペイロードの少なくとも一部を表すデータ16を記憶していることを示す。この予め記憶されたデータは任意であってもよいことが理解されるべきである。予め記憶されたデータが無くてもよい。予め記憶されたデータ16は、応答信号の一部を生成する為に使用されてもよい。データ16は、データ処理システム100の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)上に記憶されてもよい。
【0073】
図2は、システム1が、該入来物理信号を、該入来物理信号の第1のコピー18と該入来物理信号の第2のコピー20とに分割するように構成されていることを示す。該入来物理信号の或る種類が与えられることに応じて、該入来物理信号を分割できる任意の適切な要素が使用されることができる。該入来物理信号が電気信号である場合、スプリッタ9は、例えば、該入来電気信号を第1のコピーと第2のコピーとに分割する為のバッファを備えていてもよい。光信号の場合、そのような信号の分割は、当技術分野において知られている光スプリッタを使用することによって実行されてもよい。該入来物理信号の第1のコピーと第2のコピーとは、それらが解釈された後であってもビットストリームを依然として表しうる。また、該分割は、該入来物理信号の解釈を伴わない為に、いかなるデシリアライゼーションも伴わないことが理解されるべきである。
【0074】
図3は、第1のコピー18のヘッダ部分の少なくとも一部が送信されるように、該第1のコピー18が送信機システム12に提供されることを示す。図示されている例において、ビットA、B、Cを表すヘッダ部分全体が送信機システム12に提供され、従って、送信される。図示されている例において、該入来物理信号の該第1のコピーの解釈は実行されず、従って、該入来物理信号の該第1のコピーに対してデシリアライゼーションも実行されない。従って、該入来物理信号が送信されるように、該入来物理信号は送信機システム12に直接フィードバックされる。図示されている例において、第1のコピー18はスイッチ10を介して送信機システム12に提供される。
【0075】
図3は更に、該入来物理信号の第2のコピー20が、データ処理システム100に、特には該入来物理信号を解釈する(特に、デシリアライズする)デシリアライザモジュール14に、提供されることを示す。第2のコピー20の少なくとも一部が解釈された後、ロジック15に提供され、ロジック15は、メッセージが受信されたことを決定するように構成される。ロジック15は例えば、入来メッセージのヘッダ部としてビットパターンを認識するように構成される。ロジック15がメッセージを受信したと決定する為には、該入来物理信号の第2のコピー全体が解釈される必要はないことが理解されるべきである。
【0076】
図4は、モジュール14が該入来物理信号の第2のコピー20をデシリアライズしたことを示す。データ処理システム100は、該入来物理信号の該第2のコピーの解釈に基づいて、メッセージが受信されたことを決定することができる。
【0077】
メッセージが到着していることを決定することに基づいて、データ処理システム100は、信号を生成することを開始してもよい。いずれにせよ、データ処理システム100は、(i)該入来物理信号の該第1のコピーを該送信機システムに提供することから、(ii)該生成された信号を送信機システム12に提供することへの切り替えを、メッセージが受信されたことを決定することに基づいて生じうる。データ処理システム100からスイッチ10への矢印によって示されているように、データ処理システム100はスイッチ10を制御するように構成される。
【0078】
図示されている例における該生成された信号は応答メッセージ30のペイロード28を表す(図5をまた参照)。この例において、該生成された信号は、メッセージが受信されたことを決定する前に既に定義されている事前定義された部分、すなわち、事前に記憶されたデータ16に基づいて生成された部分、を含む。この部分は応答メッセージ30のペイロード28の一部を表す。図示された例において、事前定義されたペイロードのこの部分はビットJ、K、Lからなる。しかしながら、事前に記憶されたデータ16及び事前定義された部分は任意であることが理解されるべきである。
【0079】
図4において、データ処理システム100、特にロジック15、は、該入来物理信号の解釈された第2のコピーに基づいて、応答メッセージ30のペイロード28の部分26を決定する。図示されている例において、データ処理システム100によって決定される該ペイロードのこの部分は、ビットM、N、Oで構成される。この例において、部分28は、該入来メッセージの少なくとも部分的に決定されたヘッダ及び/又は少なくとも部分的に決定されたペイロードに基づいて決定される。しかしながら、該入来メッセージのヘッダ又はペイロード中にどのようなビットがあるかを知ること無しに、該応答メッセージのペイロードの少なくとも一部又はペイロード全体を該データ処理システムがまた決定することができることが理解されるべきである。1つの例において、該データ処理システムが、例えばノイズの故に、該ヘッダ及び/又はペイロードのビットを決定することができない場合に、応答メッセージのデフォルトのペイロード、例えば、メッセージがうまく受信されなかったことを示す応答メッセージのデフォルトのペイロード、を決定する。
【0080】
データ処理システム100は、応答メッセージのペイロード部(payload portion)28(図5)を最初に決定し、そして次に、この決定されたペイロード部28を表す信号を生成することによって信号を生成すると理解されうる。特に、該生成された信号は、図示されているようにシリアライゼーションモジュール17によって生成されてもよい。該データ処理システムは、任意的に該入来メッセージのコンテンツに基づいて、複数の信号を生成してもよく、その後、該データ処理システムは、これらの複数の生成された信号のうちの1つを選択して、該選択された信号を送信機システムに提供することが理解されるべきである。そのような場合、該データ処理システムは複数の並列信号生成器を備えていてもよい。
【0081】
スイッチ10は、ビットA、B、Cを表す応答信号のヘッダ部分が送信された直後に、ビットJ、K、L、M、N、Oを表す生成された信号が送信されるように制御される。この目的の為に、該システムは、該生成された信号を該入来物理信号の第1のコピーに同期させるように構成されてもよい。これらの信号は、受信機にとって解釈可能であるように整列される。明確にする為に、図4はビットLとMを互いに別々に図示しているが、該応答メッセージにおいて、適用可能な伝送プロトコルに準拠した様式で、ビットMがビットLの後に続くように、図5に示されているようにそれらは連続して送信されることが理解されるべきである。
【0082】
スイッチのタイミングと同様に、該生成された信号のタイミングを正しくする為に、データ処理システム100は、送信機システム12から送信された応答信号のコピーを受信しうる(このことは、図1図5に図示されていない)。次に、データ処理システム100は、該送信された応答信号が正しいかどうか、例えば、該送信された応答信号が、所望のメッセージ・プロトコル、例えばイーサネットプロトコル、に準拠しているかどうか、を判断することができる。もしそうでなければ、該スイッチのタイミング及び/又は該生成された信号のタイミングが適合される必要がありうる。
【0083】
タイミングを正しく取得することは、システム1がテスト応答メッセージで応答すべき入来物理信号としてテスト信号を使用して実行されうる。例えば、送信されたテスト応答メッセージを解析することに応じて、該スイッチが入来物理信号の該第1のコピーから該生成された信号に切り替わるのが速すぎて、該テスト応答メッセージにビットが欠落していることが判明した場合に、該データ処理システムは、該スイッチが後の時点で切り替わるようにプログラミングされうる。
【0084】
1つの実施態様において、生成された信号とスイッチの正しいタイミングを決定する為の較正が実行されてもよい。そのような較正において、テストメッセージを表すテスト入来信号が該システムへと入力されてもよい。次に、該入力信号のコピー(本明細書において記載されている第1のコピー又は第2のコピーでなく、第3のコピー)が検出器に提供されてもよく、一方、該入力信号の該第2のコピーは、該信号を解釈する為のデータ処理システムに提供される。次に、該データ処理システムは、メッセージが受信されたことを検出し、テスト応答メッセージのペイロードを決定し、そしてテスト信号を生成し、そしてこの生成されたテスト信号を該検出器に同様に提供する。次に、該検出器はこれらの信号を同期させる(例えば、ビット整列化される)為に、テスト入来物理信号と該生成されたテスト信号とを比較することができる。次に、該データ処理システムは、これらの信号を同期させる為にその時間遅延を調整しうる。次に、この時間遅延はまた、該データ処理システムの動作時に使用される。
【0085】
そのような較正を行った後に、該データ処理システムは、入来メッセージが受信されたことを検出することに応じて、該入来物理信号の該第1のコピーから該生成された信号への切り替えを生じる必要がいつあるかを知る。次に、該データ処理システムはまた、生成された応答信号によってどのビットが最初に提供されるべきかを知りうる。従って、そのような較正の後、該データ処理システムは、入来メッセージが受信されたことを検出した後に、どの特定の時間に、該データ処理システムが該信号を生成することを開始しなければならず、且つ該第1のコピーから該生成された信号への切り替えをいつ生じるかを示す情報を記憶していてもよく、及び好ましくは、該生成された信号によって表される該応答信号の最初のビットが、該応答メッセージのn番目(nは整数である)のビットであることを示す情報をまた記憶していてもよい。
【0086】
図5は、該第1のコピーのヘッダ部分の少なくとも一部が送信された後に該応答信号が送信されるような様式で、且つ、該第1のコピーのヘッダ部分の該送信された少なくとも一部(ビットA、B、C)と該送信された生成された信号とが一緒になって応答メッセージ30を表す送信された応答信号を生成するような様式で、該データ処理システム100が、応答信号(ビットJ、K、L、M、N、O)を、送信機システム12にメッセージが受信されたことを決定することに基づいて提供したことを示す。該送信された応答信号はまた、ビットストリームを表しうる。
【0087】
図1図5との比較から明らかなように、応答メッセージ30はヘッダ部4とペイロード28とを備えており、及び入来メッセージ2のヘッダ部4は応答メッセージ30のヘッダ部4と同一である。この例において、両方のヘッダ部はビットA、B、Cで構成されている。対照的に、応答メッセージ30の該ペイロードは、入来メッセージ2のペイロード6と異なる。
【0088】
しかしながら、システム1はまた、入来メッセージと同一である応答メッセージを送り返すことができることが理解されるべきである。このことが生じる場合、スイッチ10は単に切り替わらない。1つの例において、データ処理システム100は、幾つかの入来物理信号の第2のコピーの少なくとも一部を解釈して、入来メッセージの少なくとも一部、例えばヘッダ及び/又はペイロードの少なくとも一部、を決定してもよく、及び該入来メッセージの該決定された少なくとも一部に基づいてスイッチ10を切り替えさせることを控えてもよい。
【0089】
図6は、物理信号の処理と論理メッセージの処理との違いを明確にしている。図6において、該物理信号は信号のスプリッタ9に到着するように示されており、このスプリッタ9は該物理信号を第1のコピー18と第2のコピー20へと分割する。この分割は物理層で行われてもよいことが理解され、該物理層は線40よりも下の領域として概念的に示されている。物理信号の解釈は、該信号の分割の為に必要ない。
【0090】
図6は、該物理信号の第2のコピー20がデコードされるという意味で解釈されることを示す。これにより、該入来メッセージを判断し、それを処理することを可能にし、且つ応答メッセージのコンテンツを判断することを可能にする。これらの工程は、論理レベルで実行されると理解されうるが、それは線40の上の領域によって概念的に示されている。
【0091】
図示された実施態様において、該応答メッセージの少なくとも一部が決定された後に、スイッチ10に提供されることができる物理信号が再び生成される。スイッチ10は、図示されているように、該応答メッセージの処理中又は処理後に決定された制御信号によって制御されうる。
【0092】
スイッチ10は、本明細書において記載されているように、該第1のコピーを提供することと該第2のコピーを伝送システムに提供することとの間で切り替えられてもよい。図示されているように、該切り替えそれ自体は、物理層において再び生じ、従って、物理信号の解釈を必要としないことが理解されうる。
【0093】
図6の実施態様において、該物理信号の第1のコピー18は物理レベルに留まり、従って、該伝送システムに提供される前に解釈されないことが留意されるべきである。
【0094】
図7は、1つの実施態様に従うデータ処理システムを示すブロック図である。
【0095】
図7に示されているように、データ処理システム100は、システムバス106を介してメモリ素子104に接続された少なくとも1つのプロセッサ102を備えていてもよい。このように、該データ処理システムは、メモリ素子104内にプログラムコードを記憶してもよい。更に、プロセッサ102は、システムバス106を介してメモリ素子104からアクセスされたプログラムコードを実行してもよい。1つの観点において、該データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行する為に適しているコンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム100は、本明細書内で記載されている機能を実行することができるプロセッサ及びメモリを備えている任意のシステムの形態で実装されてもよいことが理解されるべきである。
【0096】
メモリ素子104は、1以上の物理的メモリデバイス、例えば、ローカルメモリ108及び1以上のバルクストレージデバイス110等、を包含しうる。該ローカルメモリは、プログラムコードの実際の実行中に一般的に使用されるランダムアクセスメモリ又は他の1以上の非永続的メモリデバイスを云う場合がある。バルクストレージデバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データストレージデバイスとして実装されうる。データ処理システム100はまた、実行中にプログラムコードをバルクストレージデバイス110から取り出す回数を減らす為に、少なくとも一部のプログラムコードの一時的な記憶を提供する1以上のキャッシュメモリ(図示せず)を備えていてもよい。
【0097】
入力デバイス112及び出力デバイス114として図示されている入出力(I/O)デバイスは任意的に、該データ処理システムに接続されていることができる。入力デバイスの例は、ポインティングデバイス、例えば、キーボード及びマウス、タッチセンシティブディスプレイ、入来物理信号を受信する入力8等を包含しうるが、これらに限定されない。出力デバイスの例は、モニタ又はディスプレイ、スピーカ、本明細書において記載されているスイッチ10、本明細書において記載されている送信機システム12等を包含しうるが、これらに限定されない。該入力デバイス及び/又は該出力デバイスは、直接的に、又は介在するI/Oコントローラを介して、該データ処理システムに接続されてもよい。
【0098】
1つの実施態様において、該入力デバイスと該出力デバイスは、組み合わされた入力/出力デバイス(図7において、入力デバイス112及び出力デバイス114を囲む破線で図示されている)として実装されてもよい。そのような複合デバイスの例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」とも呼ばれるタッチセンシティブディスプレイがある。そのような実施態様において、該デバイスへの入力は、該タッチスクリーンディスプレイ上又はその近傍での物理的物体、例えば、スタイラス又はユーザの指等、の動きによって提供されうる。
【0099】
ネットワークアダプタ116はまた、介在するプライベートネットワーク又はパブリックネットワークを通じて、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモートストレージデバイスにデータ処理システムが接続されることを可能にする為に、該データ処理システムに接続されてもよい。該ネットワークアダプタは、該システム、該デバイス、及び/又は該ネットワークからデータ処理システム100に送信されるデータを受信する為のデータ受信機と、データ処理システム100から該システム、該デバイス、及び/又は該ネットワークにデータを送信する為のデータ送信機とを備えていてもよい。モデム、ケーブルモデム、及びイーサネットカードが、データ処理システム100と共に使用されうる異なるタイプのネットワークアダプタの例である。
【0100】
図7において図示されているように、メモリ素子104はアプリケーション118を記憶しうる。様々な実施態様において、アプリケーション118は、ローカルメモリ108内に、1以上のバルクストレージデバイス110内に、又は該ローカルメモリ及び該バルクストレージデバイスとは別に記憶されてもよい。データ処理システム100は、アプリケーション118の実行を容易にすることができるオペレーティングシステム(図7において図示せず)を更に実行してもよいことが理解されるべきである。実行可能なプログラムコードの形態で実装されるアプリケーション118は、データ処理システム100、例えばプロセッサ102、によって実行されることができる。該アプリケーションの実行に応答して、本明細書において記載されている1以上の操作又は方法の工程を実行するように、データ処理システム100が構成されてもよい。
【0101】
本発明の様々な実施態様は、コンピュータシステムで使用する為のプログラム製品として実装されてもよく、ここで、該プログラム製品の1以上のプログラムは、実施態様(本明細書に記載された方法を包含する)の機能を定義する。1つの実施態様において、1以上のプログラムは、様々な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に含まれる可能性があり、ここで、本明細書において使用される場合、表現「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」は全てのコンピュータ可読媒体を含み、但し、一時的な伝搬信号を唯一の例外とする。別の実施態様において、1以上のプログラムは、様々な一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に含められる可能性がある。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報がその上に恒久的に記憶されるところの書き込み不可能な記憶媒体(例えば、コンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス、例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプのソリッドステート非揮発性半導体メモリ)、及び(ii)変更可能な情報がその上に記憶されるところの書き込み可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ内のフロッピーディスク若しくはハードディスクドライブ、又は任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を包含するが、これらに限定されない。コンピュータプログラムは、本明細書において記載されたプロセッサ102上で実行されうる。
【0102】
本明細書において使用されている用語は、特定の実施態様を説明する目的だけの為であり、本発明を限定することを意図するものでない。本明細書において使用される場合、単数「1つ」(a)、「1つ」(an)、及び「この」(the)は、文脈上明らかにそうでないことが示されていない限り、複数形をまた含むことが意図される。更に、本明細書において使用される場合、語「を含む」(comprises)及び/又は「を含んでいる」(comprising)は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものでないことが理解されるであろう。
【0103】
以下の特許請求の範囲における全ての手段又はステップ・プラス・ファンクション(step plus function)要素の対応する構造、材料、行為、及び等価物は、具体的に特許請求されるように、他の特許請求される要素と組み合わされて機能を実行する為の任意の構造、材料、又は行為を包含することを意図している。本発明の実施態様の説明は、例示を目的として提示されたが、網羅的であること、又は開示された形態での実施に限定されることは意図されていない。本発明の範囲及び精神から逸脱すること無しに、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。該実施態様は、本発明の原理及び幾つかの実際的な応用を最も良く説明する為に、且つ、とりわけ当業者が、企図される特定の使用に適するように様々な変更を加えられた様々な実施態様について本発明を理解することを可能にする為に選択され且つ説明された。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】