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特表2024-546219封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置
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  • 特表-封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20241212BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241212BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241212BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20241212BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
H01L33/54
G09F9/30 309
G09F9/00 338
H01L21/56 R
H01L23/30 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579837
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2022121453
(87)【国際公開番号】W WO2023071663
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111254074.4
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】521555029
【氏名又は名称】京東方晶芯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE MLED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Xihuanzhong RD.,BDA,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 金▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャイ▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 志富
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲樹▼柏
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】李 健
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲賀▼玲
(72)【発明者】
【氏名】秦 沛
【テーマコード(参考)】
4M109
5C094
5F061
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
4M109AA02
4M109BA03
4M109BA05
4M109CA10
4M109DA07
4M109DB17
4M109EA02
4M109EA20
4M109EB08
4M109EC11
4M109EE05
4M109EE12
4M109GA01
5C094AA31
5C094DA07
5C094DA13
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094HA05
5C094HA08
5C094JA01
5F061AA02
5F061BA07
5F061CA11
5F061CA26
5F061CB02
5F061CB04
5F142AA31
5F142BA32
5F142CB11
5F142CD02
5F142CG25
5F142CG32
5F142CG43
5F142DB17
5F142GA01
5F142GA11
5G435AA14
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL17
(57)【要約】
本発明によって提供される封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置のうち、封止構造は、部品を封止するように構成され、前記部品を覆うために使用される第1の封止層と、前記第1の封止層と積層される第2の封止層とを含み、前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記部品から離れた側に位置し、前記第2の封止層の前記第1の封止層に面する側の表面は、前記第1の封止層の前記第2の封止層に面する側の表面と接触し、前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面と前記封止構造が位置する平面とほぼ平行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を封止するための封止構造であって、
前記部品を覆うために使用される第1の封止層と、
前記第1の封止層と積層される第2の封止層とを含み、
前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記部品から離れた側に位置し、前記第2の封止層の前記第1の封止層に面する側の表面は、前記第1の封止層の前記第2の封止層に面する側の表面と接触し、前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面と前記封止構造が位置する平面とほぼ平行する、部品を封止するための封止構造。
【請求項2】
前記第1の封止層は、前記部品から離れる方向に積層された少なくとも2つのサブ封止層を含み、前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、可変粘度のコンポーネントを含む、請求項1に記載の封止構造。
【請求項3】
前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、第1の透明コロイドをさらに含み、前記可変粘度のコンポーネントは接着剤を含む、請求項2に記載の封止構造。
【請求項4】
前記接着剤と前記第1の透明コロイドとの質量比は、1:2以上2:1以下である、請求項3に記載の封止構造。
【請求項5】
前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、第1の透明コロイドをさらに含み、前記可変粘度のコンポーネントは膨張粒子を含む、請求項2に記載の封止構造。
【請求項6】
前記第1の透明コロイド中の膨張粒子の質量分率は、0.5%以上3%以下である、請求項5に記載の封止構造。
【請求項7】
ベース基板と、
ベース基板の片面に配置され複数の部品と、
封止構造とを含み、
前記封止構造は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の封止構造であり、前記第1の封止層は、覆前記複数部品を覆い、前記ベース基板に垂直な方向に前記第1の封止層の厚さは、前記部品の高さ以上であり、前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記複数部品から離れた側に位置し、前記第2の封止層の前記第1の封止層に面する側の表面は、前記第1の封止層の前記第2の封止層に面する側の表面と接触し、前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面は前記ベース基板とほぼ平行である、表示基板。
【請求項8】
前記第2の封止層の硬度は前記第1の封止層の硬度よりも大きい、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1の封止層は、積層された第1のサブ封止層と第2のサブ封止層を含む、請求項7に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層と前記第2の封止層のうちの少なくとも1つは、拡散粒子および/またはカーボンブラック粒子を含む、請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第2のサブ封止層は、前記部品の前記第1のサブ封止層から離れた側に位置し、前記第1のサブ封止層は拡散粒子を含む、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第2のサブ封止層は、カーボンブラック粒子を含む、請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第1のサブ封止層と前記第2のサブ封止層は、前記発光部品から離れる方向に突出しており、前記突出部の前記ベース基板上の正投影と、前記発光部品の前記ベース基板上の正投影とは重なる、請求項12に記載の表示基板。
【請求項14】
前記突出部は、前記第1のサブ封止層に位置する第1の突出部を含み、
前記発光部品の前記ベース基板上の正投影は、前記第1の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置する、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記突出部は、前記第1のサブ封止層に位置する第1の突出部を含み、前記第1の突出部は、前記発光部品を取り囲み、前記ベース基板の表面対して垂直である、請求項13に記載の表示基板。
【請求項16】
隣接する前記第1の突出部の間に位置する前記第1のサブ封止層の部分は、前記ベース基板とほぼ平行である、請求項14または請求項15に記載の表示基板。
【請求項17】
前記突出部は、前記第2のサブ封止層に位置する第2の突出部を含み、
前記第1の突出部の前記ベース基板上の正投影は、前記第2の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置し、前記発光部品の前記ベース基板上の正投影は、前記第2の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置する、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項18】
隣接する前記第2の突出部の間に位置する前記第2のサブ封止層の部分は、前記ベース基板とほぼ平行である、請求項17に記載の表示基板。
【請求項19】
前記第1のサブ封止層は第1の透明コロイドを含み、前記第2のサブ封止層は、第2の透明コロイドを含み、前記第2の封止層は第3の透明コロイドを含み、
前記第1の透明コロイドの屈折率および前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第3の透明コロイドの屈折率とほぼ同じである、請求項9から請求項18のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項20】
前記第1のサブ封止層は第1の透明コロイドを含み、前記第2のサブ封止層は、第2の透明コロイドを含み、前記第2の封止層は第3の透明コロイドを含み、
前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第1の透明コロイドの屈折率と異なり、前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第3の透明コロイドの屈折率と異なる、請求項9に記載の表示基板。
【請求項21】
前記第1のサブ封止層の色は黒色であり、前記第2のサブ封止層の色は、前記第1のサブ封止層の色と異なる、請求項20に記載の表示基板。
【請求項22】
前記第2の封止層の色は、前記第1のサブ封止層の色と異なる、請求項21に記載の表示基板。
【請求項23】
前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向において、前記第1のサブ封止層の厚さ、前記第2のサブ封止層の厚さおよび前記第2の封止層の厚さの合計は前記発光部品の高さよりも大きい、請求項22に記載の表示基板。
【請求項24】
前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層と前記第2の封止層のうちの少なくとも1つのいずれかの方法上の正投影は前記発光部品の正投影を覆う、請求項23に記載の表示基板。
【請求項25】
前記発光ダイオードの前記ベース基板から離れる方向に、前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層および前記第2の封止層は順番に積み重ねられ、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を部分的に覆う、請求項24に記載の表示基板。
【請求項26】
前記第1のサブ封止層は、各2つの隣接する前記発光部品の間に位置し、または、前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を完全に覆う、請求項25に記載の表示基板。
【請求項27】
前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向において、前記第2のサブ封止層、前記第1のサブ封止層および前記第2の封止層は順番に積み重ねられ、
前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を部分的に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を完全に覆う、請求項24に記載の表示基板。
【請求項28】
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板から離れた側の表面は前記ベース基板とほぼ平行である、請求項25から請求項27のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項29】
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板から離れた側の表面は、隣接する2つの前記発光部品の間の隙間において、前記ベース基板とほぼ平行であり、各前記発光部品が位置する領域は、前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向に向かって突出する、請求項25から請求項27のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項30】
前記第1の透明コロイドの屈折率、前記第2の透明コロイドの屈折率と前記第3の透明コロイドの屈折率が増加、減少、または交互に設定される、請求項18から請求項29のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項31】
前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイドと前記第3の透明コロイドのうちの最大屈折率は1.6以上であり、最小屈折率は約1.41である、請求項30に記載の表示基板。
【請求項32】
透明基材層がさらに含まれ、前記透明基材層は、前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイドおよび前記第3の透明コロイドを含む積層体の前記ベース基板から離れた側に設けられ、
前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイド、前記第3の透明コロイドおよび前記透明基材層を含む積層体屈折率は増加、減少、または交互に配置される、請求項30または請求項31に記載の表示基板。
【請求項33】
前記透明基材層の前記ベース基板から離れた側に位置する少なくとも1層の補助機能層がさらに含まれ、
第1の透明コロイドの屈折率、前記第2の透明コロイドの屈折率、前記第3の透明コロイドの屈折率および少なくとも1層の前記補助機能層の屈折率は、増加、減少、または交互に設定される、請求項32に記載の表示基板。
【請求項34】
前記少なくとも1層の補助機能層は、積層された硬化層および耐指紋層を含み、前記硬化層は、前記透明基材層と前記耐指紋層との間に位置する、請求項33に記載の表示基板。
【請求項35】
前記耐指紋層および/または前記硬化層は、霧化粒子を含む、請求項34に記載の表示基板。
【請求項36】
前記第2の透明コロイドと前記第3の透明コロイド中とのうちの少なくとも一方に拡散粒子が分散される、請求項21から請求項33のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項37】
前記第2の透明コロイドに拡散粒子が分散されている請求項36に記載の表示基板。
【請求項38】
前記拡散粒子の粒径はミクロンスケールであり、前記第2の透明コロイド中の前記拡散粒子質量分率は10%~15%である請求項37に記載の表示基板。
【請求項39】
前記拡散粒子の粒径はナノスケールであり、前記第2の透明コロイド中の前記拡散粒子質量分率は1.5%~3.5%である、請求項37に記載の表示基板。
【請求項40】
前記拡散粒子は、透明粒子または白色粒子である、請求項37から請求項39のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項41】
前記透明粒子の材料は二酸化ケイ素またはポリメチルメタクリレートを含み、前記白色粒子の材料は二酸化チタンを含む、請求項40に記載の表示基板。
【請求項42】
前記第1のサブ封止層は黒色であり、前記第2のサブ封止層は白色であり、前記第2の封止層は透明である、請求項21から請求項41のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項43】
前記第1のサブ封止層は、カーボンブラック粒子を含み、前記カーボンブラック粒子は、前記第1の透明コロイド中に分散される、請求項21から請求項42のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項44】
前記部品は、発光部品である、請求項7から請求項43のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項45】
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に複数の部品を形成するステップと、
前記複数部品に封止構造を貼り付けるステップと、
前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面が前記ベース基板とほぼ平行になるように、前記第2の封止層を硬化するステップと、を含み、
前記封止構造は、積層された第1の封止層および第2の封止層を含み、前記第1の封止層は、覆前記複数部品を覆い、前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記複数部品から離れた側に位置する、請求項7から請求項44のいずれか一項に記載の表示基板の製造方法。
【請求項46】
請求項7から請求項44のいずれか一項に記載の表示基板を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月27日に中国特許局に提出し、出願番号が202111254074.4であり、発明名称が「封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、ディスプレイ技術の分野に関し、特に、封止構造、表示基板及びその製造方法、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)と同様に、マイクロ発光ダイオード(Mini LEDおよびMicro LEDを含む)は自発光ダイオードであり、高輝度、超低遅延、超大視野角などの一連の利点を備えている。マイクロ発光ダイオードは、特性がより安定し、発光抵抗が低い金属半導体をベースとしているため、有機材料をベースとした有機発光ダイオードよりも消費電力が低く、高温および低温に対する耐性が優れ、耐用年数が長いという特徴がある。
【0004】
マイクロ発光ダイオードをバックライト光源として使用すると、より正確な動的バックライト効果を実現でき、画面の明るさとコントラストを効果的に向上させると同時に、画面の明るい領域と暗い領域の間で従来の動的バックライトによって引き起こされるグレア現象も解決し、視覚的な体験を最適化することができる。また、マイクロ発光ダイオードを表示パネルとして使用すると、自発光、高速応答、低消費電力、高コントラスト、長寿命、高彩度などの利点があり、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイに続くディスプレイである次世代の発光ダイオードとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、既存技術の封止構造では、接着剤フリープロセスエッジと耐圧性能の両方を備えていないという問題を解決するために、封止構造、表示基板およびその製造方法、並びに表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の実施例は、部品をパッケージングするための封止構造を提供し、前記封止構造は、前記部品を覆うために使用される第1の封止層と、前記第1の封止層と積層される第2の封止層と、を含み、
【0007】
前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記部品から離れた側に位置し、前記第2の封止層の前記第1の封止層に面する側の表面は、前記第1の封止層の前記第2の封止層に面する側の表面と接触し、前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面と前記封止構造が位置する平面とほぼ平行する。
【0008】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造において、前記第1の封止層は、前記部品から離れる方向に積層された少なくとも2つのサブ封止層を含み、ここで、前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、可変粘度のコンポーネントを含む。
【0009】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造において、前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、第1の透明コロイドをさらに含み、前記可変粘度のコンポーネントは接着剤を含む。
【0010】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造において、前記接着剤と前記第1の透明コロイドとの質量比は、1:2以上2:1以下である。
【0011】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造において、前記部品から離れる方向に前記部品に最も近い前記サブ封止層は、第1の透明コロイドをさらに含み、前記可変粘度のコンポーネントは膨張粒子を含む。
【0012】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造において、前記第1の透明コロイド中の膨張粒子の質量分率は0.5%以上3%以下である。
【0013】
一方、本発明の実施例は、本発明の実施例によって提供される表示基板は、
ベース基板と、
ベース基板の片面に配置され複数の部品と、
封止構造と、を含み、
前記封止構造は、本発明の実施例により提供される上記の封止構造であり、ここで、前記第1の封止層は、覆前記複数部品を覆い、前記ベース基板に垂直な方向に前記第1の封止層の厚さは、前記部品の高さ以上であり、前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記複数部品から離れた側に位置し、前記第2の封止層の前記第1の封止層に面する側の表面は、前記第1の封止層の前記第2の封止層に面する側の表面と接触し、前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面は前記ベース基板とほぼ平行である。
【0014】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2の封止層の硬度は前記第1の封止層の硬度よりも大きい。
【0015】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1の封止層は、積層された第1のサブ封止層と第2のサブ封止層を含む。
【0016】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層と前記第2の封止層のうちの少なくとも1つは、拡散粒子および/またはカーボンブラック粒子を含む。
【0017】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2のサブ封止層は、前記部品の前記第1のサブ封止層から離れた側に位置し、前記第1のサブ封止層は拡散粒子を含む。
【0018】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2のサブ封止層は、カーボンブラック粒子を含む。任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層と前記第2のサブ封止層は、前記発光部品から離れる方向に突出しており、前記突出部の前記ベース基板上の正投影と、前記発光部品の前記ベース基板上の正投影とは重なる。
【0019】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記突出部は、前記第1のサブ封止層に位置する第1の突出部を含み、
前記発光部品の前記ベース基板上の正投影は、前記第1の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置する。
【0020】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記突出部は、前記第1のサブ封止層に位置する第1の突出部を含み、前記第1の突出部は、前記発光部品を取り囲み、前記ベース基板の表面対して垂直である。
【0021】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、隣接する前記第1の突出部の間に位置する前記第1のサブ封止層の部分は、前記ベース基板とほぼ平行である。
【0022】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記突出部は、前記第2のサブ封止層に位置する第2の突出部を含み、
前記第1の突出部の前記ベース基板上の正投影は、前記第2の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置し、前記発光部品の前記ベース基板上の正投影は、前記第2の突出部の前記ベース基板上の正投影に位置する。
【0023】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、隣接する前記第2の突出部の間に位置する前記第2のサブ封止層の部分は、前記ベース基板とほぼ平行である。
【0024】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層は第1の透明コロイドを含み、前記第2のサブ封止層は、第2の透明コロイドを含み、前記第2の封止層は第3の透明コロイドを含み、
前記第1の透明コロイドの屈折率、前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第3の透明コロイドの屈折率とほぼ同じである。
【0025】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層は第1の透明コロイドを含み、前記第2のサブ封止層は、第2の透明コロイドを含み、前記第2の封止層は第3の透明コロイドを含み、
前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第1の透明コロイドの屈折率と異なり、前記第2の透明コロイドの屈折率は、前記第3の透明コロイドの屈折率と異なる。
【0026】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層の色は黒色であり、前記第2のサブ封止層の色は、前記第1のサブ封止層の色と異なる。
【0027】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2の封止層の色は、前記第1のサブ封止層の色と異なる。
【0028】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向において、前記第1のサブ封止層の厚さ、前記第2のサブ封止層の厚さおよび前記第2の封止層の厚さの合計は前記発光部品の高さよりも大きい。
【0029】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層と前記第2の封止層のうちの少なくとも1つのいずれかの方法上の正投影は前記発光部品の正投影を覆う。
【0030】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記発光ダイオードの前記ベース基板から離れる方向に、前記第1のサブ封止層、前記第2のサブ封止層および前記第2の封止層は順番に積み重ねられ、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を部分的に覆う。
【0031】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層は、各2つの隣接する前記発光部品の間に位置し、または、前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を完全に覆う。
【0032】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向において、前記第2のサブ封止層、前記第1のサブ封止層および前記第2の封止層は順番に積み重ねられ、
前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第1のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を部分的に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の正投影は、各前記発光部品の前記ベース基板上の正投影、および隣接する2つの前記発光部品の間の隙間の前記ベース基板上の正投影を完全に覆い、
前記第2のサブ封止層の前記ベース基板上の前記発光部品に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各前記発光部品の前記垂直面上の正投影を完全に覆う。
【0033】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2のサブ封止層の前記ベース基板から離れた側の表面は前記ベース基板とほぼ平行である。
【0034】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2のサブ封止層の前記ベース基板から離れた側の表面は、隣接する2つの前記発光部品の間の隙間において、前記ベース基板とほぼ平行であり、各前記発光部品が位置する領域は、前記発光部品の前記ベース基板から離れる方向に向かって突出する。
【0035】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1の透明コロイドの屈折率、前記第2の透明コロイドの屈折率と前記第3の透明コロイドの屈折率が増加、減少、または交互に設定される。
【0036】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイドと前記第3の透明コロイドのうちの最大屈折率は1.6以上であり、最小屈折率は約1.41である。
【0037】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、透明基材層がさらに含まれ、前記透明基材層は、前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイドおよび前記第3の透明コロイドを含む積層体の前記ベース基板から離れた側に設けられ、
前記第1の透明コロイド、前記第2の透明コロイド、前記第3の透明コロイドおよび前記透明基材層を含む積層体屈折率は増加、減少、または交互に配置される。
【0038】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記透明基材層の前記ベース基板から離れた側に位置する少なくとも1層の補助機能層がさらに含まれ、ここで、
前記第1の透明コロイドの屈折率、前記第2の透明コロイドの屈折率、前記第3の透明コロイドの屈折率および少なくとも1層の前記補助機能層の屈折率は、増加、減少、または交互に設定される。
【0039】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記少なくとも1層の補助機能層は、積層された硬化層および耐指紋層をさらに含み、ここで、前記硬化層は、前記透明基材層と前記耐指紋層との間に位置する。
【0040】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記耐指紋層および/または前記硬化層は、霧化粒子を含む。
【0041】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2の透明コロイドと前記第3の透明コロイド中とのうちの少なくとも一方に拡散粒子が分散されている。
【0042】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第2の透明コロイドに拡散粒子が分散されている。
【0043】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記拡散粒子の粒径はミクロンスケールであり、前記第2の透明コロイド中の前記拡散粒子質量分率は10%~15%である。
【0044】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記拡散粒子の粒径はナノスケールであり、前記第2の透明コロイド中の前記拡散粒子質量分率は1.5%~3.5%である。
【0045】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記拡散粒子は、透明粒子または白色粒子である。
【0046】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記透明粒子の材料は二酸化ケイ素またはポリメチルメタクリレートを含み、前記白色粒子の材料は二酸化チタンを含む。
【0047】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層は黒色であり、前記第2のサブ封止層は白色であり、前記第2の封止層は透明である。
【0048】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記第1のサブ封止層は、カーボンブラック粒子を含み、前記カーボンブラック粒子は、前記第1の透明コロイド中に分散される。
【0049】
任意選択で、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、前記部品は、発光部品である。
【0050】
一方、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板の製造方法は、
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に複数の部品を形成するステップと、
前記複数部品に封止構造を貼り付けるステップと、
前記第2の封止層の前記第1の封止層から離れた側の表面が前記ベース基板とほぼ平行になるように、前記第2の封止層を硬化するステップと、を含み、
前記封止構造は、積層された第1の封止層および第2の封止層を含み、ここで、前記第1の封止層は、覆前記複数部品を覆い、前記第2の封止層は、前記第1の封止層の前記複数部品から離れた側に位置する。
【0051】
一方、本発明の実施例は、本発明の一実施例によって提供される上記の表示基板を含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の実施例によって提供される封止構造の構造概略図である。
図2】本発明の実施例によって提供される第1のサブ封止層の剥離力と温度との間の相関図である。
図3】本発明の実施例によって提供される封止構造の別の構造概略図である。
図4図3に示す封止構造の剥離模式図である。
図5】本発明の実施例によって提供される表示基板の構造概略図である。
図6】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図7】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図8】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図9】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図10】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図11】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図12】本発明の実施例によって提供される表示基板の別の構造概略図である。
図13】本発明の実施例によって提供される表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の実施例の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、本発明の実施例の技術的解決策を、本発明の実施例の図面と併せて以下に明確かつ完全に説明する。図面内の図のサイズおよび形状は実際の比率を反映しておらず、本発明を説明することのみを目的としていることに留意されたい。また、全体を通じて同一または類似の参照番号は、同一または類似の要素、または同一または類似の機能を有する要素を表す。
【0054】
他に定義されていない限り、本明細書で使用される技術用語または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解される通常の意味を有するものとする。本発明および特許請求の範囲で使用される「第1」、「第2」および同様の用語は、順序、量、または重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。「含む」または「含有」などの言葉は、その言葉の前に現れる要素または物が、他の要素または物を排除することなく、その言葉の後に列挙される要素または物およびそれらの等価物を含むことを意味する。「内側」、「外側」、「上」、「下」などは相対的な位置関係を表現するために用いられているだけであり、記述された物体の絶対的な位置が変化すると、それに伴って相対的な位置関係も変化する場合がある。
【0055】
マイクロ発光ダイオードの既存の封止方法には、モールド成形(Molding)、ハードフィルムラミネート、ソフトフィルムラミネートなどがあるが、これら3つのソリューションにはそれぞれ独自のプロセス制限がある。このうち、モールド封止工程では、マイクロ発光ダイオード基板上に接着剤を塗布する必要があるが、接着剤は流動性が良いため、工程中に接着剤のオーバーフローが発生する。ラミネートハードフィルムソリューションでは、ハードフィルムが黒色ハードフィルムと透明ハードフィルムの二層構造となっており、通常、黒色ハードフィルムを加熱溶融状態にしてマイクロ発光ダイオード基板に圧着する。溶融状態の黒色ハードフィルムは流動性があるため、加工端で接着剤のはみ出しが発生する。ソフトフィルムラミネートソリューションでは、ソフトフィルムに複数層の軟質接着剤が含まれており、マイクロ発光ダイオード基板に直接接着することができる。軟質接着剤は流動性が低いため、接着剤のオーバーフロープロセスエッジは発生しないが、ソフトフィルム耐圧性能が悪い。
【0056】
上記の問題を解決するために、本発明の実施例は、図1に示すように、部品Eを封止するための封止構造を提供する。
【0057】
前記封止構造は、第1の封止層101と、第2の封止層102とを含む。
【0058】
前記第1の封止層101は、部品Eを覆うために使用される。覆われた部品Eをよりよく適合させるために、第1の封止層101は柔軟であってもよい。
【0059】
前記第2封止層102は、第1の封止層101と積層される。第2封止層102は、第1の封止層101の部品Eから離れた側に位置する。第2封止層102の第1の封止層101に面する側の表面は、第1の封止層101の第2封止層102に面する側の表面と接しており、第2封止層102の第1の封止層101から離れた側の表面は、封止構造が位置する面と略平行である。本明細書における「略平行」の関係は、完全に平行である場合もあれば、製造工程や測定等の影響により若干の誤差が生じる場合もある(例えば、夾角が0°~5°の範囲であるなど))。任意選択で、部品Eが封止構造内に封止される前は、第1の封止層101および第2の封止層102は両方とも、封止構造が位置する平面に平行なフィルム層であってもよく、部品Eが封止構造内に封止された後は、第1の封止層101は、部品Eの位置で突出部であってもよく、その結果、部品Eから離れた第1の封止層101の表面は、凹凸のある表面となる。これに応じて、第2の封止層102の第1の封止層101と接する表面ものある表面である。封止構造の耐圧性を向上させるために、封止後に第2の封止層102を硬化させることができ、硬化処理後に第2の封止層102の。第1の封止層101から離れた側の表面は、平坦度はより良くなる必要があり、封止構造が位置する平面とほぼ平行になるようにする。これにより、部品Eが発光部品である場合に、均一な発光が得られることを保証する。これにより、本発明における第2封止層102は、硬度を調整可能、すなわち、封止前は柔軟であり、封止後は剛性を有することができる。必要に応じて、第2の封止層102が剛性を有するように、照明または加熱などの処理を通じて第2の封止層102の硬度を変化させることができる。
【0060】
本発明の実施例によって提供される上記封止構造では、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造では、第1の封止層101は部品Eを直接覆うために使用され、接着剤のオーバーフロープロセスエッジは発生せず、加えて、第2の封止層102の硬度は、第2の封止層102の硬度を増大することにより封止構造がより良好な耐電圧性能を有することを保証するため、調整可能である。
【0061】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記封止構造では、図1に示すように、第1の封止層101は、部品Eから離れる方向Yに積層された少なくとも2つのサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101aおよび第2のサブ封止層101b)を含むことができる。ここで、部品Eから離れる方向Yにおいて、部品Eに最も近いサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)は可変粘度のコンポーネントを含み、特定の条件下では、当該コンポーネントの粘度が変化する可能性がある。たとえば、コンポーネントは熱硬化性、ホットメルト、室温硬化、感圧性などである。これにより、部品Eに最も近いサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)の粘度は調整可能となる。
【0062】
部品Eに最も近いサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)は、部品Eを直接覆う。前記サブ封止層の粘度が調整可能である場合、封止不良が見つかると、部品Eは、当該サブ封止層の粘度を下げることで、この粘度を下げることができる。サブ封止層の粘性により、部品Eに損傷を与えることなく、封止構造全体を簡単に引き剥がすことができる。これにより、部品Eの再加工(rework)が可能になり、製品の歩留まりが向上する。
【0063】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記封止構造では、部品Eから離れる方向Yにおいて、部品Eに最も近いサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)は、第1の透明コロイドをさらに含んでもよく、上記可変粘度のコンポーネントには、接着剤が含まれてもよい。任意選択で、接着剤の粘度は温度またはその他の要因に関係する可能性がある。いくつかの実施例では、図2に示すように、接着剤の粘度は温度に関係する。0℃~20℃の温度範囲では、温度が上昇するにつれて引き裂くのに必要な剥離力は徐々に増加する(接着剤の粘度が徐々に増加することに相当する)。20℃~80℃の範囲内では温度が上昇するにつれて引き裂くのに必要な剥離力は徐々に減少し(接着剤の粘度が徐々に低下することに相当)、20℃~60℃の温度範囲内では剥離力が低下する速度が、60℃~80℃の温度範囲内では剥離力が低下する速度より大きい。80℃~100℃の範囲内では温度が上昇するにつれて引き裂くのに必要な剥離力は徐々に減少(接着剤の粘度が徐々に低下することに相当)、この温度範囲での剥離力値は小さいため、部品Eを損傷することなく封止構造を引き剥がすという技術的効果を達成できる。高温は部品Eの性能に影響を与える可能性があることを考慮し、実際の生産ラインの操作では粘度を下げるために80℃~90℃を使用できる。
【0064】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上述の封止構造において、接着剤と第1の透明コロイドとの質量比は、1:2以上2:1以下であってもよく、例えば、1:1など。この割合の範囲内では、通常の使用環境(室温など)下で、接着剤および第1の透明コロイドを含むサブ封止層(第1のサブ封止層101aなど)は、より良好な粘度を有し、接着効果を確保することができる。さらに、一定の温度(例えば、80℃~90℃)に加熱されると、接着剤および第1の透明コロイドを含むサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)の粘度が大幅に低下する。剥がす必要なときに、剥がすときに部品Eから簡単に剥がすことができ、糊残りや部品Eの脱落がない。
【0065】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記封止構造では、図3に示すように、部品Eから離れる方向Yにおいて、部品Eに最も近いサブ封止層(例えば、第1のサブ封止層101a)は、第1の透明コロイドを含んでもよく、上記可変粘度のコンポーネントは膨張粒子を含んでもよい。膨張粒子は粒状であり、その材料は樹脂などの高分子材料であり、特定の条件下(高温など)では、膨張粒子の体積が急激に増加し、少なくとも一部の膨張粒子が第1の透明コロイドの外側に膨張することがある。膨張粒子自体は非粘着性であるため、膨張後、封止構造を部品Eから分離することができ(図4に示す)、再加工が可能であるという効果が得られる。
【0066】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上述のカプセル化構造において、第1の透明コロイド中の膨張粒子の質量分率は、0.5%以上3%以下(例えば、1.5%)であってもよい。この割合の範囲内では、通常の使用環境(室温など)下で、膨張粒子および第1の透明コロイドを含むサブ封止層(第1のサブ封止層101aなど)は、より良好な粘度を有し、結合効果を確実にすることができる。加熱により膨張粒子の体積が増加するため、封止不良が発生した場合に封止構造を部品Eから引き剥がしやすくなり、糊残りや部品Eの脱落がない。
【0067】
同じ発明思想に基づいて、本発明の実施例は、本発明の実施例によって提供される上記の封止構造を含む表示基板を提供する。問題を解決するための表示基板の原理は、問題を解決するための上述の封止構造の原理と同様であるため、表示基板の実装については、上述の封止構造の実施例を参照することができ、繰り返される詳細は繰り返されない。
【0068】
具体的には、本発明の実施例は、図5に示すように、ベース基板103と、複数部品Eと、封止構造とを含む表示基板を提供する。
【0069】
前記ベース基板103は、プリント回路基板(PCB)またはガラス基板(Glass)であってもよい。
【0070】
前記ベース基板103の片面には複数の部品Eが設けられている。
【0071】
前記封止構造は、本発明の実施例により提供される上記の封止構造であり、ここで、第1の封止層101は、複数部品Eを覆う。ベース基板103に対して垂直な方向(部品から離れる方向に相当)において、第1の封止層101の厚さhは部品Eの高さh以上である。第2の封止層102は、第1の封止層101の複数部品Eから離れた側に位置する。第2の封止層102の第1の封止層101に面する側の表面は、第1の封止層101の第2の封止層102に面する側の表面と接しており、第2の封止層102の第1の封止層101から離れた側の表面は、ベース基板101と略平行である。第2の封止層102の硬度は第1の封止層101の硬度よりも大きい。いくつかの実施例では、第2の封止層102の硬度は、4H(ロックウェル硬度)以上であってもよく、第1の封止層101は柔軟な軟質接着層を有してもよい。
【0072】
柔らかい第1の封止層101の厚さhは、部品Eの高さh以上であり、これにより、部品Eが第1の封止層101によって完全に包まれることが可能となり、それにより、より大きい硬度の第2の封止層102による部品Eへの損傷を回避することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5に示すように、第1の封止層101は、積層された第1のサブ封止層101aおよび第2のサブ封止層101bを含むことができる。任意選択で、第2のサブ封止層101bは、部品Eの第1のサブ封止層101aから離れた側に位置する。第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102のうちの少なくとも1つは、拡散粒子および/またはカーボンブラック粒子を含んでもよい。部品Eが発光部品104である場合、拡散粒子は、発光部品104によって放出された光を拡散粒子上で散乱させることができ、それにより、全方向の発光の均一性が向上し、カラーシフト差が効果的に改善される。発光部品104が発光していないとき、カーボンブラック粒子は表示基板の内部に差し込む周囲光を吸収することができ、それによって黒状態の輝度を低下させ、コントラストを改善する。
【0074】
本発明において、「第1の封止層が部品を覆う」とは、第1の封止層が部品の各側面と直接接触していること、または第1の封止層が部品の各側面および上面と直接接触していることを意味する場合があることに留意されたい。
【0075】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5に示すように、第1のサブ封止層101aは拡散粒子を含む。第1のサブ封止層101aは、発光部品104を直接覆うため、発光部品104の放射光は第1のサブ封止層101a内の拡散粒子上で直接散乱され、より良好な光混合効果を達成することができ、色の改善に役立つ。
【0076】
いくつかの実施例では、拡散粒子の粒径はミクロンスケールまたはナノスケールであってもよい。拡散粒子は光を拡散させる際に光の透過率にある程度の影響を与えることを考慮し、拡散粒子の濃度を適切に設定する必要がある。任意選択で、光の混合および透過率を考慮して、第1の透明コロイド中のミクロンスケールの拡散粒子の質量分率(すなわち、濃度)を10%~15%に設定することができる。ナノスケールの拡散粒子は透過率に大きな影響を与えるため、第1の透明コロイド中のナノスケールの拡散粒子の質量分率は、第1の透明コロイド中のミクロンスケールの拡散粒子の質量分率より小さくてもよい。例えば、第1の透明コロイド中のナノスケール拡散粒子の質量分率を1.5%~3.5%に設定する。
【0077】
いくつかの実施例において、拡散粒子は透明粒子または白色粒子であってもよいが、拡散粒子が透明粒子である場合、拡散粒子を有する第1のサブ封止層101aは無色透明であることを理解されたい。拡散粒子が白色粒子の場合、拡散粒子を有する第1のサブ封止層101aは白色であり、透明または白色状態の第1のサブ封止層101aはより良好な透過率を有することができ、光効率の改善に有利である。
【0078】
いくつかの実施例では、透明粒子の材料は、二酸化ケイ素(SiO)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)を含み得、白色粒子の材料は二酸化チタン(TiO)を含む。もちろん、特定の実施中、透明粒子および白色粒子の材料は、当業者に知られている他の材料であってもよく、ここでは特に限定されない。
【0079】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5に示すように、第2のサブ封止層101bはカーボンブラック粒子を含む。図5に示すように、カーボンブラック粒子を含む第2のサブ封止層101bは、拡散粒子を含む第1のサブ封止層101a上に位置している。したがって、発光部品104が発光していないとき、第2のサブ封止層101bは周囲光を効果的に吸収して、下部の第1のサブ封止層101a内の拡散粒子によって周囲光が散乱されるのを防ぐことができ、それにより、コントラストを大幅に向上させることができる。もちろん、いくつかの実施例では、コントラストを改善するためにカーボンブラック粒子を第2の封止層102にドーピングすることもできるが、これは特に限定されない。
【0080】
発光部品104が発光状態にある場合、カーボンブラック粒子は発光部品104が発する光をある程度吸収することを考慮すると、白色状態の明るさがわずかに失われることになる。したがって、黒状態の輝度と光抽出効率の両方を考慮するために、本発明では、第2の透明コロイド中のカーボンブラック粒子のドーピング質量百分率(濃度とも呼ばれる)は、2%から4%の範囲とすることができる。好ましくは3%にする。
【0081】
いくつかの実施例では、第1のサブ封止層101aは、拡散粒子(白色粒子など)がドーピングされているため白く見え、第2のサブ封止層101bは、カーボンブラック粒子がドーピングされているため黒く見える。拡散粒子やカーボンブラック粒子がドーピングされていないため、第2の封止層102は透明である。
【0082】
いくつかの実施例では、発光部品104は、Mini LEDまたはMicro LEDなどの小型発光ダイオードであってもよい。Mini LEDのサイズは100μm~200μmの範囲にあり、Micro LEDのサイズは100μm以下であるため、Mini LEDおよびMicro LED製品の解像度はより高く、表示画面はより繊細になる。また、Mini LEDとMicro LEDの大きな利点は接続可能なことであり、複数の小型製品を接続して大型の製品を作成することができる。
【0083】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5に示すように、封止構造が表示基板に貼り付けられた後、発光部品104の存在により、柔らかい第1のサブ封止層101aおよび第2のサブ封止層101bは、発光部品104の位置で発光部品104によって持ち上げられるため、第1のサブ封止層101aの少なくとも一部は、第2サブ封止層101b及び第2サブ封止層101bの少なくとも一部は、発光部品101から離れる方向(すなわち、図5のY方向)に向かって突出部Mを形成し、ベース基板103上の突出部Mの正投影と、ベース基板103上の発光部品104の正投影とは重なる。第1のサブ封止層101aが薄い場合、第1のサブ封止層101aが発光部品104によって穴を開けることも起こり得ることを理解されたい。これにより、図6に示すように、発光部品104の上部に開口部を形成する。
【0084】
いくつかの実施例では、図5に示すように、突出部Mは、第1サブ封止層101a上に位置する第1突出部M1を含んでもよい。ベース基板103上の発光部品104の正投影は、ベース基板103上の第1の突出部M1の正投影内に位置する。この場合、第1のサブ封止層101aは発光部品104によって穿孔されない。あるいは、図6に示すように、第1突出部Mは、発光部品104を取り囲み、ベース基板103の表面(発光部品104の側面)に対して垂直に配置される。第1のサブ封止層101aが発光部品104の上部に開口部を形成するように、発光部品104穿孔される。任意選択で、図5および図6に示すように、隣接する第1の突出部Mの間に位置する第1のサブ封止層101aの部分は、ベース基板103に対してほぼ平行である。すなわち、隣り合う第1突出部M1の間の第1のサブ封止層の部分は、ベース基板103に対してほぼ平行であるが、製造プロセスや測定等の影響により若干のずれが生じる可能性がある(例えば、夾角が0°~5°の範囲)。
【0085】
いくつかの実施例では、図5および図6に示すように、突出部Mは、第2のサブ封止層101bに位置する第2の突出部Mをさらに含む。第1の突出部Mのベース基板103上の正投影は、第2の突出部Mのベース基板103上の正投影内に位置する。発光部品104のベース基板103上の正投影は、第2の突出部Mのベース基板103上の正投影内に位置する。任意選択で、図5および図6に示すように、隣接する第2の突出部M2の間に位置する第2のサブ封止層101bの部分は、ベース基板103、すなわち、第2のサブ封止層の部分に対してほぼ平行である。隣り合う第2突出部M2の間の部分101bは、ベース基板103とほぼ平行であり、隣り合う第2突出部M2の間の部分は、ベース基板103に対して正確に平行であるが、製造プロセスや測定およびその他の要因の影響により若干のずれを有する場合がある。(たとえば、夾角は0°~5°の範囲内)
【0086】
なお、本明細書において、第1の封止層101の厚さhは、貼り付け前の厚さであり、貼り付け後の、発光部品104隙間における平坦性が良好な第1の封止層101の厚さと同等であり得る。発光部品104の位置で持ち上がる第1の封止層101の厚さではない。
【0087】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第1のサブ封止層101aは、第1の透明コロイドを含む。第2のサブ封止層101bは第2の透明コロイドを含む。第2の封止層102は第3の透明コロイドを含む。第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率は、ほぼ等しくてもよく、すなわち、それらは正確に等しくてもよく、そして、屈折率がゼロであってもよく、測定や技術に起因する誤差も考えられる。たとえば、屈折率の差が0.1未満であるなどの誤差がある。同じ屈折率を有する第1の透明コロイド、第2の透明コロイドおよび第3の透明コロイドを使用することにより、異なる封止層を作製するときに異なる体間パラメータを準備する必要がなくなり、コストが節約される。
【0088】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第2の透明コロイドの屈折率は第1の透明コロイドの屈折率と異なっていてもよく、第2の透明コロイドの屈折率は第3の透明コロイドの屈折率と異なっていてもよい。言い換えれば、透明コロイドの隣接する2つの層の屈折率は異なる。異なる屈折率を有する複数の透明コロイドの積層は、発光部品104によって放出された光を透明コロイドの2つの隣接する層の間の界面で屈折させ、それによって光の伝播方向を変化させ、屈折した光が発散になるため、光混合の効果が得られ、大きな視角収差が軽減され、画質が大幅に向上する。
【0089】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第1のサブ封止層101aに含まれる第1の透明コロイドの屈折率と、第2のサブ封止層101bに含まれる第2の透明コロイドの屈折率とは、異なる状況下では、第1のサブ封止層101aの色は黒色であり、第2のサブ封止層101bの色は第1のサブ封止層101aの色と異なる。複数の発光部品104の光出射側に、屈折率の異なる第1サブ封止層101aおよび第2サブ封止層101bを配置することにより、発光部品104から出射される光が第1のサブ封止層101aと第2のサブ封止層101bの界面で屈折が発生し、出射光の伝播方向が変化され、屈折光がより発散し、混合光効果が達成され、大きな視角収差を低減し、大きな視角偏差の問題を効果的に解決し、画質を大幅に向上させる。同時に、黒色の第1のサブ封止層101aは、周囲光を効果的に吸収して黒色状態の輝度を低下させることができる。また、は発光部品104の放射光の一部をある程度吸収するため、本発明では、黒色と異なる色の第2のサブ封止層101bを設けることにより、第2のサブ封止層101bと第1のサブ封止層101aが協働してカラーシフトの問題を改善し、同時に、光の吸収を低減することを確実にすることができる。光抽出効率を効果的に向上させ、それによって表示輝度を向上させる。上記2つの要素を組み合わせることで、製品のコントラストと外観品質を大幅に向上させることができる。
【0090】
いくつかの実施例では、黒色の第1のサブ封止層101aは、カーボンブラック粒子などのメラニンを第1の透明コロイドにドーピングすることによって得ることができる。任意選択で、黒色状態の輝度および光抽出効率を考慮するために、本発明では、第1の透明コロイド中のカーボンブラック粒子のドーピング質量百分率(濃度とも呼ばれる)は、2%~4%の範囲であり得、好ましくは3%にする。
【0091】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第2の封止層102に含まれる3の透明コロイドの屈折率、第1のサブ封止層101aに含まれる1の透明コロイドの屈折率、および第2のサブ封止層101bに含まれる2の透明コロイドの屈折率は異なる。第2の封止層102の色は第1のサブ封止層101aの色と異なる。第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102の配置により、発光部品104から放射された光が任意の2つの隣接する封止層の界面で屈折することができ、それにより、出射光の伝播方向をさらに変えると、屈折光がより大きく発散し、より優れた光混合効果が得られ、大きな視野角のカラーシフトの問題が効果的に解決され、画質が大幅に向上する。
【0092】
本発明は、カラーシフトを改善する問題を説明するために、一例として本発明は、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102を3つの光変調層として取り上げているだけであることに留意されたい。特定の実施中に、2つの隣接する光調整層に含まれる透明コロイドの屈折率が異なる限り、カラーシフトの問題を改善するためにより多くの光調整層を設けることができる。さらに、特定の実施中、各光調整層は、発光部品104の上方に段階的に作製することができ、または、各光調整層を積層された複合フィルム層として作製し、その後、当該複合フィルム層を表示基板の発光部品104を有する側に直接接着する。
【0093】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5図10に示すように、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102は、複数発光部品104のベース基板103から離れた側に位置するか、および各発光部品104間の隙間に位置することにより、発光部品104の上面および側面から放射される光が屈折率が、異なる2つの隣接する封止層の界面で発光部品104で屈折が発生し、それによって発光部品104の上面および側面からの放射光の発散が同時に増大し、カラーシフト問題をよりよく解決することができる。そして、この場合、発光部品104が、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102により完全に包まれているので、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102が、発光部品104を封止し保護する役割を果たすことができ、これは発光部品104の寿命を延ばすのに有益である。
【0094】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図7図10に示すように、発光部品104のベース基板103から離れる方向Yにおいて、第1のサブ封止層101aの厚さh、第2のサブ封止層101bの厚さh、および第2の封止層102の厚さhの合計(すなわちh+h+h)は発光部品104の高さhよりも大きいため、製品の外観を良くする。さらに、図7図10から分かるように、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102からなる積層体の、ベース基板103から離れる表面は、相対的に平らであり、後続のフィルム層の作製に役立つ。
【0095】
本発明において、封止層の厚さおよびサブ封止層の厚さは両方ともコーティングの厚さを指すことに留意されたい。発光部品104の存在により、発光部品104が位置する領域の封止層またはサブ封止層の厚さ、および発光部品104間の隙間における封止層またはサブ封止層の厚さは異なる。また、発光部品104が位置する領域の封止層またはサブ封止層の厚さの均一性がよくない。したがって、上記のコーティング厚さは、実際の製品の場合、発光部品104間の隙間における封止層またはサブ封止層の厚さとほぼ同等であり得る。
【0096】
任意選択で、発光部品104の高さhは約85μmであり、第1のサブ封止層101aの厚さh、第2のサブ封止層101bの厚さh、および第2の封止層102の厚さhの合計(すなわちh+h+h)は、発光部品104の高さhより少なくとも50μm~100μm大きい。いくつかの実施例では、第1のサブ封止層101aの厚さhを25μm~50μmにすることにより、第1のサブ封止層101aのより高い透過率を維持しながら、第1のサブ封止層101aを利用してコントラストを効果的に改善する。第2のサブ封止層101bの厚さh、および第2の封止層102の厚さhは、コーティング工程により第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102を作製するためのフィルム層の歩留まりを高くできるように、50μm~100μmとすることができる。
【0097】
もちろん、具体的な実装中に、実際の状況に応じてh、h、hおよびhの値を適切に調整することができ、ここでは特に限定されない。
【0098】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、カラーシフトを改善し、発光部品104を効果的に封止するために、図7図10に示すように、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102のうちの少なくとも1つの任意の方向の正投影は、発光部品104の正投影を覆う。言い換えれば、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102のうちの少なくとも1つは、発光部品104を部分的または完全に取り囲むことができる。
【0099】
例えば、図7に示すように、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102のうちの1つは、各2つの隣接する発光部品104の間に位置する。この場合、発光部品104の間に位置するフィルム層(例えば、図7に示す第1のサブ封止層101a)は、塗布により作製することができる。引き続き図7を参照すると、発光部品104のベース基板103から離れる方向Yにおいて、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102が順に積層される。第1のサブ封止層101aは、各2つの隣接する発光部品104の間に位置する。第2のサブ封止層101bのベース基板103上の正投影は、複数発光部品104のベース基板103上の正投影および各2つの隣接する発光部品10の間の隙間のベース基板103上の正投影を完全に覆う。また、第2のサブ封止層101bのベース基板103上の、発光部品104に面する側の表面(すなわち、ベース基板103の上面)に垂直な面(すなわち、紙面に垂直な2つの平面および紙面に平行な2つの平面)の正投影は、各発光部品104の垂直面上の正投影を部分的に覆う。この場合、第1のサブ封止層101aは、発光部品104の側面と部分的に接触し、第2のサブ封止層101bは、発光部品104の上面と完全に接触し、発光部品104のうち、第1のサブ封止層101aと接触しない残りの側面に接触する。つまり、第2のサブ封止層101bは、発光部品104の上面と、上面に隣接する一部の側面にを包み込んでいる。図7から、コーティング法によって製造された第1のサブ封止層101aの厚さhは、発光部品104の高さhより小さいことが分かる。第1のサブ封止層101aの厚さhと第2のサブ封止層101bの厚さhの合計(即ち第1の封止層101の厚さh)が発光部品104の高さhより大きいため、第2のサブ封止層101bの上面は、ベース基板103に対してほぼ平行である。
【0100】
図8に示すように、発光部品104のベース基板103から離れる方向Yにおいて、第1のサブ封止層101a、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102は順に積層される。第1のサブ封止層101aのベース基板103上の正投影は、複数発光部品104のベース基板103上の正投影および各2つの隣接する発光部品104との間の隙間のベース基板103上の正投影を完全に覆う。第1のサブ封止層101aのベース基板103上の、発光部品104に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各発光部品104の垂直面上の正投影を完全に覆う。第2のサブ封止層101bのベース基板103上の正投影は、複数発光部品104のベース基板103上の正投影および各2つの隣接する発光部品104の間の隙間のベース基板103上の正投影を完全に覆う。第2のサブ封止層101bのベース基板103上の、発光部品104に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各発光部品104の垂直面上の正投影を部分的に覆う。この場合、第1のサブ封止層101aは、各発光部品104の側面と完全に接触し、各発光部品104の全方位包み込みを実現する。第2のサブ封止層101bと発光部品104の上面および側面は、いずれも第1のサブ封止層101aによって隔てられている。図8に示すように、第1のサブ封止層101aの厚さhは、発光部品104の高さhより小さく、第1のサブ封止層101aは、発光部品104の上部位置において、突出部を有し、これは成膜を行うことによって引き起こされる。もちろん、いくつかの実施例では、第1のサブ封止層101aは、成膜時に発光部品104によって突き刺されて、第1のサブ封止層101aは、発光部品104の上部に開口部を形成することも可能である。また、図8に示すように、第1のサブ封止層101aの厚さhと第2のサブ封止層101bの厚さhの合計(即第1の封止層101の厚さh)は、第2のサブ封止層101bの上面がベース基板103と略平行となるように、発光部品104の高さhよりも大きくなっている。
【0101】
図9に示すように、発光部品104のベース基板103から離れる方向Yにおいて、第2のサブ封止層101b、第1のサブ封止層101aおよび第2の封止層102は順に積層される。第1のサブ封止層101aのベース基板103上の正投影は、複数発光部品104のベース基板103上の正投影および各2つの隣接する発光部品104の間の隙間のベース基板103上の正投影を完全に覆う。第1のサブ封止層101aのベース基板103上の、発光部品104に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各発光部品104の垂直面上の正投影を部分的に覆う。第2のサブ封止層101bのベース基板103上の正投影は、複数発光部品104のベース基板103上の正投影および各2つの隣接する発光部品104の間の隙間のベース基板103上の正投影を完全に覆う。第2のサブ封止層101bのベース基板103上の、発光部品104に面する側の表面の垂直面上の正投影は、各発光部品104の垂直面上の正投影を完全に覆う。この場合、第2のサブ封止層101bは、各発光部品104の上面および側面に完全に接触し、各発光部品104の全方位包み込みを実現する。第1のサブ封止層101aと発光部品104の上面および側面は、いずれも第2のサブ封止層101bによって隔てられている。図9に示すように、第2のサブ封止層101bの厚さhは発光部品104の高さhより小さく、第1のサブ封止層101aは、発光部品104の上部位置において、突出部を有し、発光部品104の隙間において、窪みを有する。対応的に、第1のサブ封止層101aは、発光部品104の上部位置において、突出部を有し、発光部品104の隙間において、窪みを有する。これは成膜を行うことによって引き起こされる。もちろん、いくつかの実施例では、第2のサブ封止層101bは、成膜時に発光部品104突き刺され,第2のサブ封止層101bは、発光部品104の上部に開口部を形成することも可能である。また、図9に示すように、第1のサブ封止層101aの厚さhと第2のサブ封止層101bの厚さhの合計(即第1の封止層101の厚さh)は、第1のサブ封止層101aの上面がベース基板103と略平行となるように、発光部品104の高さhよりも大きくなっている。
【0102】
よって、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第2のサブ封止層101bが各発光部品104を直接的または間接的に包み込むことができることが分かる。したがって、第2サブ封止層101bの上面が発光部品104の上部から遠く離れている場合、図7および図8に示すように、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は、ベース基板103とほぼ平行になることができる。第2のサブ封止層101bの上面が発光部品104の上部に近づくと、図10に示すように、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は、各2つの隣接する発光部品104の間の隙間において、ベース基板103とほぼ平行になることができ、また、各発光部品104の上部において、発光部品104から離れる方向Yに向かって、突出する。または、図9に示すように、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は、各発光部品104の上部位置において、発光部品104から離れる方向Yに向かって、突出し、また、各2つの隣接する発光部品104の間の隙間において、ベース基板103に向かって凹んでいる。
【0103】
また、図7および図8から分かるように、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は発光部品104の上面よりも高い。図9から分かるように、各2つの隣接する発光部品104の間の隙間において、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は発光部品104の上面よりも低い。図10からわかるように、各2つの隣接する発光部品104の間の隙間において、第2のサブ封止層101bのベース基板103から離れた側の表面(即ち、上面)は、発光部品104の上面と面一であってもよい。
【0104】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率と第3の透明コロイドの屈折率は、増加、減少、または交互に設定される。例えば、第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率が徐々に増加する(すなわち、低い方から高い方へ)場合、第1の透明コロイドの屈折率は1.41であり、第2の透明コロイドの屈折率は1.54であり、第3の透明コロイドの屈折率は1.6である。第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率は徐々に減少する(つまり、高い方から低い方へ)場合、第1の透明コロイドの屈折率は1.6であり、第2の透明コロイドの屈折率は1.54であり、第3の透明コロイドの屈折率は1.41である。第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率が交互になる(つまり、高いと低い)場合、第2の透明コロイドの屈折率は1.41であり、第1の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率は1.54である。または、第2の透明コロイドの屈折率は1.54であり、第1の透明コロイドの屈折率および第3の透明コロイドの屈折率は両方とも1.41であり得る。
【0105】
いくつかの実施例では、第1の透明コロイド、第2の透明コロイドおよび第3の透明コロイドの材料は、シリカゲル、アクリルおよびエポキシ樹脂などの透明性の良い材料を含むことができるが、これらに限定されず、シリカゲル、アクリルおよびエポキシ樹脂等の成分を調整することによって、第1の透明コロイド、第2の透明コロイドおよび第3の透明コロイドの屈折率は同一または異なっている。任意選択で、光抽出効率を向上させるために、第1の透明コロイド、第2の透明コロイドおよび第3の透明コロイドの光透過率を95%以上に制限してもよい。
【0106】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5および図6に示すように、透明基材層105をさらに含んでもよい。透明基材層105は、第1の透明コロイド、第2の透明コロイドおよび第3の透明コロイドを含む積層体のベース基板103から離れた側に設けられ、透明基材層105を通して各透明コロイドの積層体を保護する。任意選択で、第1の透明コロイド、第2の透明コロイド、第3の透明コロイドおよび透明基材層105を含む積層体屈折率は、徐々に増加したり、減少したり、大きさを交互に設定することができ、透明基材層105と各透明コロイドの積層体との組み合わせにより、混光効果をさらに高め、カラーシフト不良を改善する。
【0107】
いくつかの実施例では、透明基材層105の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネート(PC)であってもよい。ここで、PETの屈折率は1.61であり、PCの屈折率は1.51である。関連データによると、PET素材を配合した透明基材層105の製品では、視野角カラーシフトはH0.019、V0.034であり、黒状態の輝度は0.048nitである。PC素材を配合した透明基材層105の製品では、視野角カラーシフトはH0.019、V0.023であり、黒状態の輝度は0.044nitである。よって、PC素材を配合した透明基材層105の製品では、視野角カラーシフトおよびコントラストは、いずれもPET素材を配合した透明基材層105の製品より優れる。
【0108】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図5および図6に示すように、透明基材層105のベース基板103から離れた側に位置する少なくとも1層の補助機能層(例えば、耐指紋層107および硬化層106が含まれる)も含み得る。ここで、第1の透明コロイドの屈折率、第2の透明コロイドの屈折率、第3の透明コロイドの屈折率、透明基材層105の屈折率、および1つ以上の補助機能層の屈折率が増加、減少、または交互に設定される。例えば、補助機能層が硬化層106と耐指紋層107とを含み、硬化層106が透明基材層105と耐指紋層107との間に位置する場合、第1の透明コロイド、第2の透明コロイド、第3の透明コロイド、透明基材層105、硬化層106および耐指紋層107を含む積層体の屈折率は、徐々に増加したり、減少したり、大きさを交互に設定することができ、耐指紋層107、硬化層106が透明基材層105と各透明粘着層とを組み合わせることで、混光効果をさらに高め、カラーシフト不良を改善する。さらに、耐指紋層107および硬化層106は、製品の耐指紋性および耐傷性を高めることもできる。
【0109】
いくつかの実施例では図1および図3に示すように、封止構造体は、上述の透明基材層105を含むことができ、輸送および他のプロセス中に封止層101および透明基材層105を保護するために、第1の封止層101が位置する側には剥離フィルム100が設けられ、透明基材層105が位置する側には保護フィルム108が設けられる。特定の実施中、剥離フィルム100を剥がして、第1の封止層101と表示基板とを貼り合わせてもよく、保護フィルム108も剥がして、透明基材層105の上に耐指紋層107および硬化層106を形成してもよい。
【0110】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、硬化層106および/または耐指紋層107は、霧化粒子を含み得る。霧化された粒子は、耐指紋層107および硬化層106に霧面効果を示す可能性がある。さらに、耐指紋層107および硬化層106に霧化粒子がドーピングされていない場合、耐指紋層107および硬化層106はミラー効果を発揮できることにも留意する必要がある。いくつかの実施例では、霧化粒子の材料は、二酸化ケイ素(SiO)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)であってもよい。
【0111】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、図11及び図12に示すように、拡散粒子は、第2のサブ封止層101bに含まれる2の透明コロイドおよび第2の封止層102に含まれる3の透明コロイドのうちの少なくとも1つに分散されており、光に対する拡散粒子の散乱効果により光混合効果をさらに改善し、カラーシフト不良を改善する。
【0112】
図11及び図12から、第2のサブ封止層101bが各発光部品104を直接包み込むことが分かる。したがって、よりよい光混合効果を達成するため、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、第2のサブ封止層101bの第2の透明コロイドに拡散粒子を分散することが好ましい。いくつかの実施例では、第1のサブ封止層101aは、カーボンブラック粒子がドーピングされているため黒く見え、第2のサブ封止層101bは、拡散粒子(白色粒子など)がドーピングされているため白く見え、第2の封止層102は拡散粒子がドーピングされていないため、透明である。
【0113】
図11からわかるように、第2のサブ封止層101bおよび第2の封止層102と比較して、黒色の第1のサブ封止層101aがベース基板103に最も近い最下層に位置していることはご留意された。図12から分かるように、第2のサブ封止層101bと第2の封止層102、黒色の第1のサブ封止層101aは、ベースから最も遠い最上層、およびベース基板103に最も近い最下層の外側の中間層に位置する。したがって、図12に示すように、製品が暗い状態にあるとき、黒色の第1のサブ封止層101aは周囲光を効果的に吸収して、その下の第2のサブ封止層101b内の拡散粒子によって周囲光が散乱されるのを防ぐことができる。しかしながら、図11では、周囲光の一部は、第2のサブ封止層101b内の拡散粒子を照射して散乱され、残りの周囲光は、第2のサブ封止層101bを通して黒色の第1のサブ封止層101aを照射することにより吸収される。黒色の第1のサブ封止層101aは周囲光を吸収してコントラストを高め、拡散粒子は周囲光を散乱させてコントラストを低下させるため、図12と比較して、図11はコントラストを向上させる効果がより優れている。
【0114】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、拡散粒子の粒径はミクロンスケールまたはナノスケールであってもよい。拡散粒子は光を拡散させる際に光の透過率にある程度の影響を与えることを考慮し、拡散粒子の濃度を適切に設定する必要がある。任意選択で、光の混合と透過率の両方を考慮して、第2の透明コロイド中のミクロンスケールの拡散粒子の質量分率(すなわち、濃度)を10%~15%に設定することができる。ナノスケールの拡散粒子は透過率に大きな影響を与えるため、第2の透明コロイド中のナノスケールの拡散粒子の質量分率は、第2の透明コロイド中のミクロンスケールの拡散粒子の質量分率より小さくてもよい。第2の透明コロイドのナノスケール拡散粒子の質量分率を1.5%~3.5%に設定する。
【0115】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、拡散粒子は透明粒子または白色粒子であってもよい。拡散粒子が透明粒子である場合、拡散粒子を有する第2のサブ封止層101bは無色透明であり、拡散粒子が白色粒子である場合、拡散粒子を有する第2のサブ封止層101bは白色である。透明または白色の状態の第2のサブ封止層101bは、優れる透過率を有し、光効率の向上に役立つ。
【0116】
いくつかの実施例では、本発明の実施例によって提供される上記の表示基板において、透明粒子の材料は、二酸化ケイ素(SiO)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などの霧化粒子を含み、白色粒子の材料は二酸化チタン(TiO)を含む。もちろん、特定の実施中、透明粒子および白色粒子の材料は、当業者に知られている他の材料であってもよく、ここでは特に限定されない。
【0117】
本発明の実施例によって提供される上記表示基板の他の必須の構成要素(駆動回路など)はすべて当業者には理解されており、ここでは詳細に説明しないことに留意されたい。また、これらは本発明の制限として理解されるべきではない。
【0118】
同じ発明思想に基づいて、本発明の実施例は、上記表示基板の製造方法も提供する。この製造方法による問題解決の原理は、上記表示基板による問題解決の原理と同様であるため、この製造方法の実施については、上記表示基板の実施例を参照し、詳細は繰り返さない。
【0119】
具体的には、本発明の実施例によって提供される上記表示基板の製造方法は、図13に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0120】
S1301:ベース基板を提供する。
【0121】
S1302:ベース基板上に複数の部品を形成する。
【0122】
S1303:複数部品に封止構造を貼り合わせ、当該封止構造は、積層された第1の封止層および第2の封止層を含み、ここで、第1の封止層は、複数部品を覆い、第2の封止層は、第1の封止層の複数部品から離れた側に位置する。
【0123】
S1304:第2封止層の第1の封止層から離れた側の表面がベース基板とほぼ平行になるように、第2封止層に硬化処理(加熱または照明など)を施す。任意選択で、第2の封止層の硬度は第1の封止層の硬度よりも大きい。
【0124】
本発明の実施例によって提供される上述の製造方法において、各層構造の形成に含まれるパターニング工程は、蒸着、フォトレジストコーティング、マスキング、露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離などの一部または全部を含むだけでなく、その一部または全部を含むことができることに留意されたい。なお、他の工程が含まれる場合もあり、詳細は実際の製造工程で必要なパターン形成に応じて異なるが、ここで限定するものではない。例えば、現像後、エッチング前にポストベークプロセスが含まれてもよい。
【0125】
ここで、蒸着工程は、化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法、または物理気相成長法であることができるが、ここでは限定されない。マスク工程使用されるマスクは、ハーフトーンマスク(Half Tone Mask)、シングルスリットマスク(Single Slit Mask)またはグレートーンマスク(Gray Tone Mask)などであってもよく、ここで限定されない。エッチングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングであり得るが、ここでは限定されない。
【0126】
同じ発明思想に基づいて、本発明の実施例は、本発明の実施例によって提供される上記表示基板を含む表示装置も提供する。当該表示装置の問題を解決するための表示装置の原理は、上記表示基板問題を解決するための原理と同様であるため、当該表示装置の実施については、記表示基板の実施例を参照し、詳細は繰り返さない。
【0127】
いくつかの実施例では、当該表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートブックコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲータ、スマートウォッチ、フィットネスリストバンド、携帯情報端末、または表示機能を備えたその他の製品または部品であってもよい。当該表示装置には、無線周波数ユニット、ネットワークモジュール、音声出力および入力ユニット、センサー、表示ユニット、ユーザー入力ユニット、インターフェースユニット、メモリ、プロセッサ、電源などの部品が含まれるが、これらに限定されない。また、当業者であれば、上記の構造が本発明の実施例により提供される上記表示装置を限定するものではないことを理解することができる。言い換えれば、本発明の実施例によって提供される上記表示装置は、より多くのまたは少ない上記の部品、または特定の部品の組み合わせ、または部品の異なる配置を含む。
【0128】
当業者は、本発明の実施形態の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更および変形が可能であることは明らかである。このように、本発明の実施形態におけるこれらの変形および変形が、本発明の請求項およびそれと同等の技術的範囲内にある場合には、本発明もこれらの変形および変形を含むことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
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【国際調査報告】