(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】発光トランザクション・カード
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20241212BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G06K19/077 108
G06K19/07 090
G06K19/07 230
G06K19/077 144
G06K19/077 264
G06K19/077 212
G06K19/077 244
G06K19/077 216
G06K19/077 296
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527231
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022082114
(87)【国際公開番号】W WO2023129847
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520107951
【氏名又は名称】アメリカン エキスプレス トラヴェル リレイテッド サーヴィシーズ カンパニー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMERICAN EXPRESS TRAVEL RELATED SERVICES COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】200 Vesey Street, New York, NY 10285-4900 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【氏名又は名称】増田 重之
(72)【発明者】
【氏名】コールマン, ジェイムズ ブルース
(57)【要約】
第1のプリント層、第2のプリント層、アンテナはめ込み層、及び発光素子を含むトランザクション・カードが説明される。前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方が、光が透過する透明部分を有する。アンテナはめ込み層は、その上に配設されたループ・アンテナを有する。発光素子は、2次元の形状因子を有し、アンテナはめ込み層と、第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの一方との間に配置される。トランザクション・カードは、ループ・アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、発光素子の端子間に電圧を誘導し、発光素子を発光させ、透明部分を通じて光を放射させるワイヤレス電力受信機回路を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプリント層及び第2のプリント層であって、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方が、光が透過する透明部分を有する、第1のプリント層及び第2のプリント層と、
ループ・アンテナがその上に配設されたアンテナはめ込み層と、
前記アンテナはめ込み層と、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの一方との間に配置された2次元形状因子を有する発光素子であって、前記透明部分に近接して配置される発光素子と、
前記発光素子及び前記ループ・アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、前記ループ・アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させ、前記透明部分を通じて光を放射させるように構成されるワイヤレス電力回路と、
を備える、トランザクション・カード。
【請求項2】
前記ワイヤレス電力受信機回路が、前記ループ・アンテナから受信した交流回路(AC)信号を直流(DC)信号に変換し、前記DC信号を前記発光素子の前記端子に供給するブリッジ整流器を備える、請求項1に記載のトランザクション・カード。
【請求項3】
前記発光素子が、
単一の発光ダイオード(LED)、
複数の発光ダイオード(LEDs)、及び
有機発光ダイオード(OLED)パネル、
のうちの一つである、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項4】
前記発光素子がプリント・マイクロ発光ダイオード(microLED)であり、前記プリントmicroLEDが、複数の発光素子がその中に配設されたインク・スラリーで形成される、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項5】
前記発光素子が、第1の発光領域及び第2の発光領域を備え、
前記第1の発光領域が第1の複数のプリント・マイクロ発光ダイオード(microLEDs)を備え、
前記第2の発光領域が、第2の複数のプリントmicroLEDsを備え、前記第2の複数のプリントmicroLEDsが、前記第1のプリントされた複数のmicroLEDsとは別々であり、独立している、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項6】
透明である第1のラミネート・オーバーレイ層と、
透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層と、
を更に備え、
前記第1のプリント層、前記アンテナはめ込み層、及び前記第2のプリント層が、前記第1のラミネート・オーバーレイ層と前記第2のラミネート・オーバーレイ層との間に順次配設される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトランザクション・カード。
【請求項7】
光が透過する透明部分と不透明部分とを有するプリント層と、
前記プリント層の前記透明部分に近接して配置された発光素子と、
アンテナを有するアンテナはめ込み層と、
前記発光素子及び前記アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、前記アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させ、前記透明部分を通じて光を放射させるように構成される、ワイヤレス電力回路と、
を備える、トランザクション・カード。
【請求項8】
前記発光素子が、複数のマイクロ発光ダイオード(microLEDs)がその中に配設された発光領域を備える、請求項7に記載のトランザクション・カード。
【請求項9】
前記発光領域が、前記複数のmicroLEDsがその中に配設された複数の発光領域のうちの一つであり、
前記発光領域のうちのそれぞれが、第1の導電層及び第2の導電層に対して配置される、請求項8に記載のトランザクション・カード。
【請求項10】
前記アンテナがループ・アンテナであり、
前記トランザクション・カードが、前記発光領域内の前記複数のmicroLEDsを発光させる、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を通る電流を誘導する誘導発光アンテナを備える、請求項9に記載のトランザクション・カード。
【請求項11】
前記発光素子が、前記アンテナはめ込み層と一体的に形成された発光ダイオード(LED)である、請求項7に記載のトランザクション・カード。
【請求項12】
前記発光ダイオード(LED)が、所定の構成の複数の発光ダイオードのうちの一つである、請求項11に記載のトランザクション・カード。
【請求項13】
前記アンテナがループ・アンテナであり、
前記トランザクション・カードが、前記発光素子に誘導的に結合された誘導発光アンテナを更に備え、前記誘導発光アンテナが、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させるように構成された、請求項7乃至9、11、又は12のいずれか一項に記載のトランザクション・カード。
【請求項14】
処理チップと、
前記処理チップの端子間に電圧を誘導するように構成された、前記処理チップに誘導的に結合された処理チップ・アンテナと、
を更に備える、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のトランザクション・カード。
【請求項15】
第1のプリント層及び第2のプリント層を形成することであって、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方が透明部分を備える、形成することと、
2次元の形状因子を有する発光素子を設けることと、
アンテナがその中に配設されたアンテナはめ込み層を形成することと、
前記第1のプリント層と前記第2のプリント層との間に前記発光素子及び前記アンテナはめ込み層を配置し、それによって前記発光素子が、前記透明部分に近接して配置されることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方に少なくとも一つのラミネート・オーバーレイ層を付着させることと、
前記アンテナはめ込み層に処理チップを貼付することと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発光素子の端子間の電圧を誘導して、前記発光素子を発光させること、を更に含む、請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記発光素子を設けることが、複数の発光ダイオード(LEDs)がその中に分散されたダイオード・インクを使用して前記発光素子をプリントすることを含む、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記発光素子を設けることが、前記アンテナはめ込み層と一体的に少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を形成することを含む、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
透明である第1のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、
透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、
前記第1のラミネート・オーバーレイ層と前記第2のラミネート・オーバーレイ層との間に、前記第1のプリント層、前記アンテナはめ込み層、及び前記第2のプリント層を順次配設することと、
を更に含む、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「ILLUMINATING TRANSACTION CARD」という名称の2021年12月30日に出願された米国特許出願第17/565,542号の特典及び優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
トランザクション・カードは多種多様な状況で支払いのために使用される。技術指向の市場や高級品市場などの様々な消費者市場を対象とする取引口座では、会社は、非伝統的なデザインを有するトランザクション・カードを提供することがある。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、広く入手可能で標準的なリーダ・デバイスを使用してトランザクション・カードを利用することができるように、トランザクション・カードはサイズ制限、磁気ストライプ配置制限、規格要件などの様々な制限を有するので、非伝統的なデザインは限定される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発光トランザクション・カードを作成するための様々な手法が開示される。いくつかの手法では、トランザクション・カードは、第1のプリント層及び第2のプリント層を含む。第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの少なくとも一方は、光が透過することのできる透明又は半透明部分を含む。トランザクション・カードは、一つ又は複数のアンテナがその上に配設されたアンテナはめ込み層を更に含む。いくつかの実施形態では、アンテナはループ・アンテナを含む。発光素子が、アンテナはめ込み層と、第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの一方との間に配設され、或いは配置され、それによって発光素子が、透明部分に近接して配置される。
【0005】
トランザクション・カードは、発光素子及びループ・アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路を更に含む。いくつかの手法では、ワイヤレス電力回路は、ループ・アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、発光素子の端子間に電圧を誘導し、それによって発光素子を発光させ、透明部分を通じて光を放射させるように構成される。ワイヤレス信号は、トランザクション・カード・リーダ・デバイスによって放射される振動磁場、又は類似のワイヤレス信号であり得る。
【0006】
様々な手法によれば、発光素子は、単一の発光ダイオード(LED)、複数の発光ダイオード(LEDs)、有機発光ダイオード(OLED)パネル、LEDのプリント分散、又はそれらの任意の組合せである。いくつかの例では、発光素子は、一つ又は複数のプリント・マイクロ発光ダイオード(microLED)領域である。更に、これから説明するように、発光素子は2次元の形状因子を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照するとより良く理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも原寸に比例せず、代わりに本開示の原理をはっきりと示すことに重点が置かれる。更に、図面では、同様の参照番号が、いくつかの図全体にわたって対応する部分を示す。
【
図1】本開示の様々な実施形態による非発光状態のトランザクション・カードの一例を示す図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態による発光状態のトランザクション・カードの一例を示す図である。
【
図3】トランザクション・カードの一つの例示的構成の分解図である。
【
図4】トランザクション・カードの一部の一つの例示的構成の分解図である。
【
図5】トランザクション・カードの一つの例示的構成の概略図である。
【
図6】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成を示す図である。
【
図7】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成の正面図である。
【
図8】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成の背面図である。
【
図9】トランザクション・カードの発光素子を形成するための様々な手法を示す図である。
【
図10】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成を示す図である。
【
図11】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成を示す図である。
【
図12】トランザクション・カードのアンテナ及び発光素子の一つの例示的構成を示す図である。
【
図13】トランザクション・カードのアンテナ及び処理チップの一つの例示的構成を示す図である。
【
図14】本開示の様々な実施形態による、トランザクション・カードを製造するためのプロセスの一例を与えるフローチャートである。
【
図15】
図13のフローチャートによって説明されるプロセスを製造する際に使用されるシートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の議論では、発光トランザクション・カードと、発光トランザクション・カードを製造するための方法の全体的な説明が与えられる。以下の議論は、本開示の様々な実施形態の例示的な例を与えるが、以下の例示的な例の使用は、開示される原理に適合する他の実装を除外しない。
【0009】
図1及び2は、本開示の様々な実施形態に従って組み立てられるトランザクション・カード100の一例を示す。トランザクション・カード100は、本明細書では説明のために単数形で発光素子と呼ばれる、トランザクション・カード100の一つ又は複数の発光素子に電力供給することができる十分なワイヤレス信号をトランザクション・カード100が受信したときに発光する発光領域103を含み得る。
【0010】
特に、
図1は非発光状態のトランザクション・カード100を示し、
図2は発光状態のトランザクション・カード100を示す。いくつかの例では、トランザクション・カード100がリーダ・デバイス106に近接して配置されたとき、リーダ・デバイス106は、発光ダイオードを発光させるのに十分なワイヤレス電力信号を放射し得る。たとえば、リーダ・デバイス106は振動磁場を生成し得る。たとえば、リーダ・デバイス106は無接点支払い端末を含み得る。
【0011】
したがって、ワイヤレス電力信号が近距離場通信(NFC)及び/又は無線周波数識別(RFID)技術を介して放射され得ることを理解されたい。追加の手法では、トランザクション・カード100が、ワイヤレス電力送信機を有するスマートフォン又は他の電気デバイスに対して配置されたとき、又はワイヤレス電力送信機によって生み出されたワイヤレス電力領域内に配置されたとき、トランザクション・カード100は、発光素子を発光させ、他の取引関連機能を実施するのに十分なワイヤレス電力信号を受信し得る。
【0012】
図3は、トランザクション・カード100の一つの例示的構成の分解図を示す。全体的に、トランザクション・カード100は、第1のプリント層109、第2のプリント層112、アンテナはめ込み層115、第1のラミネート・オーバーレイ層118、第2のラミネート・オーバーレイ層121、及び発光素子124を含み得る。理解できるように、発光素子124は一つ又は複数の発光素子124を含み得、一つ又は複数の発光素子124は、本明細書では説明のために単数形で発光素子124と呼ばれる。いくつかの手法では、トランザクション・カード100は、積層後ワニス層127及び処理チップ130を更に含む。積層後ワニス層127、第1のラミネート・オーバーレイ層118、及び/又は第2のラミネート・オーバーレイ層121は、透明又は半透明であり得る。
【0013】
第1のプリント層109及び第2のプリント層112は、層上にインク又は他の着色品目をプリント或いは配設することによって形成され得、それによって一定の外観を有するトランザクション・カード100が生み出される。第1のプリント層109及び第2のプリント層112のうちの少なくとも一方は、光が透過する一つ又は複数の透明部分133を含み得、一つ又は複数の透明部分133は、本明細書では説明のために単数形で透明部分133と呼ばれる。光が透明部分133を通じて透過され得るように、透明部分133は、インクがプリントされていないエリア、或いは薄く、又はその他の方法でインクが塗布されたエリアを含み得る。いくつかの手法では、透明部分133は、それぞれの層の残りの部分とは異なる材料で形成される。透明ではない第1のプリント層109及び/又は第2のプリント層112の部分は不透明であり得ることを理解されたい。不透明な性質と透明な性質の組合せは、所望の美的外観を有するトランザクション・カード100を生み出すように構成され得る。
【0014】
図3では透明部分133が第1のプリント層109上にあるように示されているが、透明部分133は第2のプリント層112上にも配置され得ることを理解されたい。いくつかの手法では、透明部分133は、第2のプリント層112上のみに配置され得る。更に、
図3は、透明部分133が卵形を有するように示す。しかしながら、透明部分133は円形、正方形、長方形であり得、数、文字、リボン、バナーなどを形成するような形状であり得る、と理解されたい。
【0015】
アンテナはめ込み層115は、その上に配設された、ループ・アンテナ120や、他の適切なタイプのアンテナなどの様々なアンテナを含み得る。薄い厚さを有するトランザクション・カード100を提供することを容易にするために、ループ・アンテナ120などのアンテナは2次元の形状因子を有し得る。この目的で、銅又は他の導電性材料が、基板内のアンテナはめ込み層115の縁部又は縁部付近に配設された一つ又は複数の巻線を有するコイルで構成されるとき、ループ・アンテナ120又は他のアンテナが設けられ得る。基板が概して平坦な表面を有するように、ループ・アンテナ120は基板内にネストされ得る。第1のプリント層109及び第2のプリント層112の所望の特性に応じて、トランザクション・カード100が組み立てられるとき、ループ・アンテナ120は可視であり、又は可視ではないことがあることを理解されたい。
【0016】
様々な手法によれば、発光素子124は2次元の形状因子を有し得、アンテナはめ込み層115と、第1のプリント層109及び第2のプリント層112のうちの一方との間に配置され得る。更に、発光素子124は透明部分133に近接して配置され得る。発光素子124は、第1のプリント層109、第2のプリント層112、及びアンテナはめ込み層115とは別々の構成要素であり得るが、いくつかの実施形態では、発光素子124は、発光素子124が透明部分133に近接して配置されるように、層のうちの一つのそれぞれの面に一体的に形成され得る。様々な実施形態では、発光素子124は2次元の形状因子を有し、それによって、トランザクション・カード100が、トランザクション・カードに関連する国際標準化機構(ISO)規格を有し、又は満たすことが可能となる。たとえば、トランザクション・カード100は、幅85.6ミリメートル(mm)、高さ53.98mm、厚さ0.76mmであり得る。
【0017】
第2のラミネート・オーバーレイ層121は磁気ストライプ136を含み得る。磁気ストライプ136は、データを記憶することのできる磁気材料の任意のバンドを含み得る。磁気ストライプ136上に記憶されたデータは、トランザクション・カード100に関連付けられる支払い口座の口座番号、支払い口座の有効期限、カード検証値(CVV)又はカード検証コード(CSC)、サービス・コードなどの様々な情報を含み得る。
【0018】
トランザクション・カード100は、発光素子124及びループ・アンテナ120に結合され得るワイヤレス電力受信機回路(図示せず)を更に含み得る。ワイヤレス電力受信機回路は、ループ・アンテナ120を介してワイヤレス信号を受信し、発光素子124の端子間に電圧を誘導し、それによって発光素子124を発光させ、透明部分133を通じて光を放射させるように構成され得る。
【0019】
処理チップ130が、アンテナはめ込み層115の外面のポケット139内に配置されるように示されている。いくつかの手法では、処理チップ130は、適切な接着剤を使用してポケット139内に固定され得る。更に、いくつかの手法では、
図3に示されるように、積層後ワニス層127、第1のラミネート・オーバーレイ層118、及び/又は第1のプリント層109が、処理チップ130と同様のサイズ及び形状を有するウィンドウ142を含み得、それによって、トランザクション・カード100が完全に組み立てられたとき、処理チップ130の頂面がウィンドウを貫いて配置され、積層後ワニス層127の頂面と同一平面又はほぼ同一平面となり得る。
【0020】
更に、処理チップ130と無接点支払い端末又は他のリーダ・デバイス106との間のワイヤレス通信を実現するために、ループ・アンテナ120が使用され得る。ループ・アンテナ120はまた、支払い端末から受信したワイヤレス信号を介して処理チップ130に電力を供給するために使用され得る。いくつかの手法では、ループ・アンテナ120は処理チップ130に物理的に結合され得、別の実装では、ループ・アンテナ120は処理チップ130に誘導的に結合され得る。処理チップ130とは別々に示されているが、いくつかの実装では、ループ・アンテナ120又はその一部が、処理チップ130内に含められ、又は一体化され得る。
【0021】
処理チップ130は、トランザクション・カード100を使用して支払いを保護又は処理するために使用され得る任意の集積回路チップを表し得る。処理チップ130の例には、スマート・ペイメント・カードについての様々なバージョンのEuropay、Mastercard、VISA(EMV)規格を実装する集積回路チップが含まれる。いくつかの実装では、処理チップ130は、近距離場通信(NFC)、超広帯域(UWB)又は類似の低電力、近距離ワイヤレス通信規格を使用して無接点支払いを実現するために、ループ・アンテナ120に結合される。しかしながら、別の実装では、処理チップ130は一体型アンテナを含み得る。
【0022】
図4は、トランザクション・カード100の別の例示的構成の部分分解図を示す。
図4では、処理チップ130が、アンテナはめ込み層115又は他の適切な層の外面のポケット139内に配置されるように示されている。処理チップ130は、任意の適切な接着剤を使用してポケット139内に固定され得る。アンテナはめ込み層115のポケット139の底部は、複数の穴145を有し得る。ループ・アンテナ120は、アンテナはめ込み層115とは別々に示されているが、アンテナはめ込み層115内に埋め込まれ得、アンテナはめ込み層115のそれぞれの面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、ループ・アンテナ120は、ワイヤ158(たとえば、第1のワイヤ及び第2のワイヤ158)をポケット139の底部に位置する穴145のそれぞれに通すことにより、処理チップ130に物理的に結合され得る。たとえば、第1のワイヤ及び第2のワイヤ158は、処理チップ130の端子に結合され得る。
【0023】
図5は、トランザクション・カード100の例示的構成の概略図を示す。トランザクション・カード100はワイヤレス電力受信機回路161を含み得、いくつかの手法では、ワイヤレス電力受信機回路161は、発光素子124及びループ・アンテナ120に結合され得る。ワイヤレス電力受信機回路161は、ループ・アンテナ120を介してワイヤレス信号を受信し、発光素子124の端子164間に電圧を誘導し、それによって発光素子124を発光させ、透明部分133を通じて光を放射させるように構成され得る。ワイヤレス信号は、たとえば、トランザクション・カード100が振動磁場と共に配置されるときに受信され得る。
【0024】
いくつかの手法では、ワイヤレス電力受信機回路161は、ループ・アンテナ120から受信した交流回路(AC)信号を直流(DC)信号に変換するブリッジ整流器167を含む。したがって、ワイヤレス電力受信機回路161は、DC信号を発光素子124の端子164に送り、言い換えれば、発光素子124の端子164間に電位(すなわち、電圧)を誘導する。様々な実施形態では、トランザクション・カード100は、1m2、1.5m2、2.0m2、2.5m2、3.0m2、3.5m2、4.0m2などの、1m2から4m2の発光素子を発光させることができる。
【0025】
図5の例は、透明部分133よりも大きいサイズを有し、正方形又は長方形の形状を有する発光素子124を示す。たとえば、発光素子124は、透明部分133を有する層の後ろに配設されたOLEDパネルを含み得、それによって、トランザクション・カード100が十分なワイヤレス信号を受信したときに、光が透明部分133を通じて放射される。発光素子124は正方形であるが、透明部分133が卵形であるため、透明部分133の外側のトランザクション・カード100の他の部分は不透明であるので、トランザクション・カード100上の発光領域は卵形となることを理解されたい。
図5は、発光素子124が透明部分133と位置合せされることを示すが、いくつかの手法では、発光素子124(たとえば、OLEDパネル)が所定(たとえば、45度)に偏位され得る。
【0026】
しかしながら、いくつかの手法では、発光素子124は透明部分133よりも小さいものであり得る。たとえば、発光素子124が単一のLEDである手法では、単一のLEDが、透明部分133の右上又は左上のエリア、又は別の適切な場所に配置され得る。いずれにしても、トランザクション・カード100は、発光中心領域又は他の領域、カード番号、有効期限、「member since」バナー、カード所有者名、処理チップ130を取り囲む境界領域などを有し得る。
【0027】
図6は、発光素子124に対して示されるトランザクション・カード100のアンテナの一例を示す。トランザクション・カード100のアンテナは、前述のループ・アンテナ120、並びに他のアンテナの中でも、誘導発光アンテナ170及び処理チップ・アンテナ173を含み得る。処理チップ・アンテナ173は処理チップ130に結合され得る。
図6に示される手法は、処理チップ130に物理的又は直接的に結合され得るワイヤ158を含む。しかしながら、別の手法では、処理チップ130は、誘導結合を介して電力供給され得る。
【0028】
誘導発光アンテナ170は発光素子124に電力供給し得、発光素子124を発光させる。この目的で、いくつかの手法では、ループ・アンテナ120は、処理チップ130に電力供給するために使用され得、一方で誘導発光アンテナ170は、発光素子124に電力供給するために使用され得る。アンテナと電力供給を受ける素子の他の組合せも利用され得る。前述のように、発光素子124は多数の発光素子124を含み得る。いくつかの手法では、トランザクション・カード100の発光素子124は、複数のマイクロ発光ダイオード(microLEDs)から形成された第1の発光領域176a及び第2の発光領域176b(集合的に「発光領域176」)を提供し得る。
【0029】
いくつかの手法では、発光領域176は、ダイオード・インクを使用して所定の形状をプリントすることによって基板上に形成され得る。ダイオード・インクは、プリントすることのできるLEDの分散をその中に有する液体又はゲル懸濁液を含み得る。基板(たとえば、トランザクション・カード100の層)上にmicroLEDsをプリントすることは、たとえばスクリーン・プリントを含み得る。発光領域176内のLEDsの密度は、プリント前のインク組成中のLEDsの濃度、並びに乾燥したときにプリント・エリア内で得られる平均LED数に基づいて求められ得る。
【0030】
懸濁液中のLEDsは、電力供給されたときに発光する半導体デバイスを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、発光領域176は、誘導発光アンテナ170によって電力供給され得る。発光領域176内のLEDsは、二つの導体層間に配置され得、導体層のうちの少なくとも一方が透明であり得、それによって、透明な導体層を通じて光が可視に放射される。LEDsは、発光領域176を形成するようにプリントされ、互いに並列に接続される。発光領域176内のLEDsは、導体層間に所定の電圧を誘導することによって通電され得る。したがって、誘導発光アンテナ170は、ループを形成する導電性金属又は他の材料を含み得、ループは、電流及び振動磁場を誘導して発光領域176内のmicroLEDsを発光させ、それによってトランザクション・カード100の一部が発光する。
【0031】
振動磁場を誘導するコイルを使用して示されたが、別の手法では、ワイヤが導体層に結合され、適切な電圧が誘導され得る。いくつかの手法では、誘導発光アンテナ170は、ループ・アンテナ120及び/又は処理チップ・アンテナ173に結合され、或いはそれらと一体である。発光領域176は、トランザクション・カード100の透明部分133の後ろに、透明部分133に近接して、或いは透明部分133に対して配置され得る。したがって、適切な電圧が発光領域176の導体層に印加されるとき、LEDsが発光する。
【0032】
次に
図7及び8を参照すると、
図7は、トランザクション・カード100の正面図を示し、
図8は、トランザクション・カード100の背面図を示す。いくつかの手法では、トランザクション・カード100の発光素子124は端子179を含み得る。たとえば、端子179は、負端子179a及び正端子179bを含み得る。
図6に示される手法は誘導結合を使用するが、
図7及び8に示される手法は、誘導発光アンテナ170が発光素子124に物理的又は直接的に結合されることを示す。トランザクション・カード100が振動磁場内に配置されるとき、ループ・アンテナ120は、誘導発光アンテナ170内の電流を誘導する。電流が誘導発光アンテナ170内で誘導されるとき、電圧が、発光素子124の端子179間に印加される。
【0033】
いくつかの手法では、発光素子124は、第1の導電層181aと第2の導電層181bとの間に配置されたmicroLEDsを含む。第1の端子179aは第1の導電層181aに結合され、第2の端子179bは第2の導電層181bに結合され、microLEDs内の電圧を誘導する。誘導発光アンテナ170のワイヤ184が、それぞれの端子179に直接的に結合され得る。
【0034】
図9は、発光素子124を形成するための様々な代替手法を示す。第1に、トランザクション・カード100の透明部分133と同一のサイズ及び寸法を有する単一の発光領域176aで形成された第1の発光素子124aが示されている。たとえば、透明部分133は、発光領域176aと同一の形状を有し得る。第2に、発光効果の向上を与える為の、発光領域が、トランザクション・カード100の透明部分133よりもわずかに大きいサイズ及び寸法を有し得る、オーバーサイズ発光領域176と呼ばれる、単一の発光領域176bで形成された第2の発光素子124bが示されている。
【0035】
第3の発光素子124cが二つの発光領域176c、176dを含み、第4の発光素子124dが三つの発光領域176e...176gを含み、第5の発光素子124eが四つの発光領域176h...176kを含み、以下同様である。認識できるように、トランザクション・カード100は別の数の発光素子124及び発光領域176を含み得ることを理解されたい。更に、発光素子124は、
図9に示されるもの以外の様々な代替構成で配置され得る。発光素子124の発光領域176は、
図9に示される手法に従ってトランザクション・カード100の層上にダイオード・インクをプリントすることによって形成され得る。
【0036】
図10、11、及び12に沿って移動すると、
図10、11、及び12は、トランザクション・カード100の別の例示的構成を示す。具体的には、
図10は、単一の発光ダイオード185を有する発光素子回路182を有するトランザクション・カード100を示し、一方で
図11は、多数の発光ダイオード185を有する発光素子回路182を有するトランザクション・カード100を示す。
図10及び11の発光素子回路182は、2次元の形状因子を有し得、アンテナはめ込み層115(又は他の適切な層)と一体的に形成され得る。たとえば、
図10及び11の発光素子回路182は、それぞれの層に顕著な厚さを加えることなく、アンテナはめ込み層115内にエッチングされ得る。
【0037】
特に
図11を参照すると、卵形の透明部分133を照射するための発光ダイオード185の構成が示されている。たとえば、発光ダイオード185の第1の行が単一の発光ダイオード185を有し、発光ダイオード185の第2の行が三つの発光ダイオード185を有し、発光ダイオード185の第3の行が三つの発光ダイオード185を有し、発光ダイオード185の第4の行が単一の発光ダイオード185を有する。第2の行と第3の行の発光ダイオード185は位置合せされ、又は偏位され得、
図11では偏位された構成が示されている。同様に、第1の行と第4の行内の発光ダイオード185が偏位され、又は位置合せされ得、
図11では位置合せされた構成が示されている。透明部分133の形状、又は言い換えれば、照射すべき領域の形状に応じて、発光ダイオード185の他の構成が利用され得ることを理解されたい。
【0038】
特に
図12を参照すると、百人隊長形状の透明部分133を照射するための発光ダイオード185の構成が示されている。言い換えれば、発光ダイオード185は、所定の形状(たとえば、百人隊長形状)の境界又は周囲にわたって分散する。したがって、透明部分133の形状、又は言い換えれば、照射すべき領域の形状に応じて、発光ダイオード185の他の構成が利用され得ることを理解されたい。別の実施形態では、LEDバンド又は発光ダイオード185の別の集合が、照射すべき境界又は形状に沿って分散し得る。いくつかの実施形態では、発光ダイオード185の数は八つであり得、その数は、適切な照射を与えると共に、誘導発光アンテナ170及び/又はループ・アンテナ120を介して供給される十分な電力を有する。
【0039】
図13は、トランザクション・カード100の別の例示的構成を示す。処理チップ130の底面及び頂面が、例示のために示されている。
図13に示される手法では、トランザクション・カード100のアンテナは、ループ・アンテナ120及び処理チップ・アンテナ173を含む。処理チップ・アンテナ173は、処理チップ130a、130bの底面に配置及び/又は露出される誘導アンテナ188に誘導的に結合される。アンテナは、リーダ・デバイス106によって生成された振動磁場中のワイヤレス信号の受信を更に促進する、処理チップ130のアンテナと反対側のトランザクション・カード100の遠位端に配置された遠位アンテナ・ループ191を更に含み得る。
【0040】
次に
図14を参照すると、本開示の様々な実施形態による、トランザクション・カード100を製造するためのプロセスの一例を与えるフローチャート300が示されている。
図14のフローチャートは例示的な動作のシーケンスを示すが、動作の順序は、図示されるものとは異なり得ることを理解されたい。たとえば、連続して示される二つ以上のボックスで示される動作が、同時に、又は部分的に同時に実施され得る。別の例として、二つ以上のボックスで示される動作が、図示されるものと比べて代替のシーケンスで実施され得る。更に、いくつかの実施形態では、
図14のフローチャートに示されるボックスのうちの一つ又は複数が、スキップ又は省略され得る。すべてのそのような変形形態が本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0041】
ボックス303から始めて、第1のプリント層109及び第2のプリント層112がプリントされ得る。第1のプリント層109及び第2のプリント層112は、第1のプリント層109及び第2のプリント層112のうちの一方が透明部分133を含むようにプリントされ得る。光が透明部分133を通じて透過され得るように、透明部分133は、インクがプリントされないエリア、或いは薄く、又はその他の方法でインクが塗布されたエリアを含み得る。透明ではない第1のプリント層109及び/又は第2のプリント層112の部分は不透明であり、光の透過をブロックすることを理解されたい。
【0042】
次に、ボックス306では、トランザクション・カード100の発光素子124が形成され、又は設けられ得る。形成され、又は設けられた発光素子124は2次元の形状因子を有し得、組み立てられるときに、発光素子124によってトランザクション・カード100の厚さは大幅に増大せず、ISO規格にもはや準拠しなくなることはない。いくつかの手法では、発光素子124は、第1のプリント層109と第2のプリント層112との間に配置すべき、アンテナはめ込み層115や他の層などの基板上にプリントされることによって設けられ得る。発光素子124のプリントは、LEDsがその中で分散した液体又はゲル懸濁液を含むダイオード・インクの使用を含み得る。基板上にmicroLEDsをプリントすることは、たとえばスクリーン・プリントを含み得る。発光素子124のプリントは、LEDsの所定の望ましい濃度を達成するように実施され得、LEDsの濃度は、プリント前のインク組成中のLEDsの密度の関数として求められ得る。
【0043】
いくつかの手法では、発光素子124を設けることは、基板(たとえば、アンテナはめ込み層115)と一体の、一つ又は複数の発光ダイオード185を有する発光素子回路182をその中に有する基板を形成することを含み得る。発光ダイオード185の構成は、透明部分133及び/又は照射すべきトランザクション・カード100の領域の形状及びサイズに基づいて求められ得る。
【0044】
いくつかの手法では、発光素子124を形成することは、OLEDパネルを形成し、或いは設けることと、基板上にOLEDパネルを配設することとを含み得る。いくつかの手法では、OLEDパネルは基板と一体的に形成され、別の手法では、OLEDパネルは基板とは異なり、別々である。上記の手法のいずれかについて説明した基板は、第1のプリント層109と第2のプリント層112との間に配置すべきアンテナはめ込み層115又は他の適切な層であり得る。
【0045】
その後で、ボックス309では、アンテナはめ込み層115及びその中のアンテナが、たとえばループ・アンテナ120、処理チップ・アンテナ173、遠位アンテナ・ループ191、他の所望のアンテナ、及び/又はそれらの組合せを形成することによって形成され得る。アンテナは、先行する図に示される構成内に銅又は他の導電性材料を配設し、それによって2次元の形状因子を有するアンテナを形成することによって形成され得る。いくつかの手法では、ボックス309はボックス306の前に実施される。
【0046】
ボックス312では、発光素子124及びアンテナはめ込み層115が、第1のプリント層109と第2のプリント層112との間に配置され得る。第1のプリント層109及び第2のプリント層112のうちの少なくとも一方の上の透明部分133が、発光素子124と位置合せされ得、或いは発光素子124に対して配置され得、それによって、発光素子124によって放射された光が、透明部分133を通じて放射されることを理解されたい。
【0047】
いくつかの例では、任意の数の手法を使用して堆積される結合媒体が利用され得る。たとえば、にかわ又は類似の接着剤が、層のそれぞれ又は選択的なものの上に噴霧され得る。別の例として、接着シートが、第1のプリント層109とアンテナはめ込み層115との間、且つ/又は第2のプリント層112とアンテナはめ込み層115との間に置かれ得る。
【0048】
ボックス315では、第1のラミネート・オーバーレイ層118が、第1のプリント層109の最も外側の面(又は言い換えれば、上面)に付着され得、第2のラミネート・オーバーレイ層121が、第2のプリント層112の最も外側の面(又は言い換えれば、底面)に付着され得る。いくつかの手法では、そのように行う前に、磁気ストライプ136が、トランザクション・カード100の第2のラミネート・オーバーレイ層121の上端に配置され得る。
【0049】
いくつかの実装では、磁気ストライプ131が、接着剤を使用して第2のラミネート・オーバーレイ層121に貼付され得る。別の実装では、磁気ストライプ136は接着裏当てを有し得、第2のラミネート・オーバーレイ層121と接触して配置されたとき、磁気ストライプ136が自己接着性となる。いくつかの実装では、(たとえば、磁気ストライプ136を含むように製造されないトランザクション・カード100の実施形態では)磁気ストライプ136の配置が省略され得る。
【0050】
次いで、ボックス318では、処理チップ130が、アンテナはめ込み層115に貼付され得る。たとえば、接着剤が、アンテナはめ込み層115のポケット139内に堆積し得る。次いで、処理チップ130がポケット139内に配置され得る。次いで、ポケット139内の接着剤により、処理チップ130がアンテナはめ込み層115に貼付され得る。その後で、プロセスは完了に進み得る。
【0051】
図15は、
図14のフローチャートによって説明される製造プロセスで使用される様々なシートの一例を示す。図示されるように、第1のシートが、第1のプリント層109、第2のプリント層112、アンテナはめ込み層115、積層後ワニス層127(たとえば、フロント・ラミネート)、第2のラミネート・オーバーレイ層121(たとえば、リア・ラミネート及び磁気ストライプ136)などのうちの複数を含み得る。言い換えれば、切断され、組み立てられる前に、層のうちの複数を設けるためにシートが形成され得る。
【0052】
それぞれの層についてのシートが形成された後、シートが照合され、シートの位置合せが登録され、シートが互いに接合される。特に、アンテナはめ込み層115のアンテナが圧延され、0.5mm以下の厳格な公差が得られるために、シートの位置合せは重要であり得る。様々な層が互いに積み重ねられると、積層のために層が互いにスポット溶接され得る。
【0053】
前述の特徴、構造、又は特性は、一つ又は複数の実施形態では任意の適切な方式で組み合わされ得、可能なら、様々な実施形態で論じた特徴は相互交換可能である。以下の説明では、本開示の実施形態を完全に理解するために、多数の特定の詳細が与えられる。しかしながら、特定の詳細のうちの一つ又は複数を用いずに本開示の技術的解決策が実施され得、他の方法、構成要素、材料などが利用され得ることを当業者は理解されよう。別の例では、本開示の態様を不明瞭にするのを避けるために、周知の構造、材料、又は動作が詳細には図示又は説明されない。
【0054】
ある構成要素の、別の構成要素に対する相対的関係を説明するために、本明細書では「上(on)」、「下(below)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」などの相対的な用語が使用されるが、こうした用語は、本明細書では、たとえば図面で示される例の方向として、便宜上使用されるに過ぎない。デバイスが逆さまにされる場合、前述の「上側」構成要素が「下側」構成要素となることを理解されたい。構造が別の構造「上」にあるとき、構造が別の構造上に一体的に形成されること、又は構造が別の構造上に「直接的に」配設されること、又は構造が他の構造を通じて別の構造上に「間接的に」配設されることが可能である。
【0055】
本明細書では、「a」、「an」、「the」、「前記」などの用語は、一つ又は複数の要素及び構成要素の存在を示すために使用される。添付の特許請求の範囲に別段に指定されていない限り、「備える」、「含む」、「有する」、「包含する」という用語及びその変形は、非限定的に使用され、列挙される要素、構成要素などに加えて、追加の要素、構成要素などを含むことを意味する。構成要素が構成要素の「一つ又は複数の」を有するように説明される場合、構成要素が、「少なくとも一つの」構成要素と呼ばれることがあることを理解されたい。
【0056】
「第1」、「第2」などの用語は、対象の数についての制限ではなく、説明のラベルとして使用されるに過ぎない。複数の構成要素が示される場合、適用可能な範囲で、構成要素が「第1の」構成要素、「第2の」構成要素などと呼ばれることがあることを理解されたい。
【0057】
別段に具体的に述べられていない限り、「X、Y、又はZのうちの少なくとも一つ」という語句などの選言的言い回しは、文脈と共に、項目、用語などが、X、Y、又はZ、或いはそれらの任意の組合せ(たとえば、X;Y;Z;X又はY;X又はZ;Y又はZ;X、Y、又はZなど)であり得ることを提示するために一般に使用されると別の形で理解されたい。したがって、そのような選言的言い回しは一般に、Xの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、又はZの少なくとも一つがそれぞれ存在することをある実施形態が必要とすることを示唆するように意図するわけではなく、示唆すべきではない。
【0058】
本開示の前述の実施形態は、本開示の原理の明快な理解のために述べられる実装の可能な例に過ぎないことを強調しておく。本開示の趣旨及び原理から大幅に逸脱することなく、前述の実施形態に対して多くの変形形態及び修正形態が作成され得る。すべてのそのような修正形態及び変形形態が、本明細書では本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【0059】
本開示の様々な実施形態が以下の条項で記述される。以下の条項は本開示のいくつかの実施形態を記述するが、本開示の他の実施形態も上記で述べられる。
【0060】
条項1-第1のプリント層及び第2のプリント層であって、第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの少なくとも一方が、光が透過する透明部分を有する、第1のプリント層及び第2のプリント層と、ループ・アンテナがその上に配設されたアンテナはめ込み層と、第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの一方との間に配置された2次元形状因子を有する発光素子であって、透明部分に近接して配置される発光素子と、発光素子及びループ・アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、ループ・アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、発光素子の端子間に電圧を誘導し、発光素子を発光させ、透明部分を通じて光を放射させるように構成されるワイヤレス電力回路とを備える、トランザクション・カード。
【0061】
条項2-ワイヤレス電力受信機回路が、ループ・アンテナから受信した交流回路(AC)信号を直流(DC)信号に変換し、DC信号を発光素子の端子に供給するブリッジ整流器を備える、条項1のトランザクション・カード。
【0062】
条項3-発光素子が、単一の発光ダイオード(LED)、複数の発光ダイオード(LEDs)、及び有機発光ダイオード(OLED)パネルのうちの一つである、条項1又は条項2のトランザクション・カード。
【0063】
条項4-発光素子がプリント・マイクロ発光ダイオード(microLED)であり、プリントmicroLEDが、複数の発光素子がその中に配設されたインク・スラリーで形成される、条項1又は条項2のトランザクション・カード。
【0064】
条項5-発光素子が、第1の発光領域及び第2の発光領域を備え、第1の発光領域が第1の複数のプリント・マイクロ発光ダイオード(microLEDs)を備え、第2の発光領域が、第2の複数のプリントmicroLEDsを備え、第2の複数のプリントmicroLEDsが、第1のプリントされた複数のmicroLEDsとは別々であり、独立している、条項1又は条項2のトランザクション・カード。
【0065】
条項6-透明である第1のラミネート・オーバーレイ層と、透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層とを更に備え、第1のプリント層、アンテナはめ込み層、及び第2のプリント層が、第1のラミネート・オーバーレイ層と第2のラミネート・オーバーレイ層との間に順次配設される、条項1~5のいずれかのトランザクション・カード。
【0066】
条項7-光が透過する透明部分と不透明部分とを有するプリント層と、プリント層の透明部分に近接して配置された発光素子と、アンテナを有するアンテナはめ込み層と、発光素子及びアンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、発光素子の端子間に電圧を誘導し、それによって発光素子を発光させ、透明部分を通じて光を放射させるように構成される、ワイヤレス電力回路とを備える、トランザクション・カード。
【0067】
条項8-発光素子が、複数のマイクロ発光ダイオード(microLEDs)がその中に配設された発光領域を備える、条項7のトランザクション・カード。
【0068】
条項9-発光領域が、複数のmicroLEDがその中に配設された複数の発光領域のうちの一つであり、発光領域のうちのそれぞれが、第1の導電層及び第2の導電層に対して配置される、条項8のトランザクション・カード。
【0069】
条項1-アンテナがループ・アンテナであり、トランザクション・カードが、発光領域内の複数のmicroLEDsを発光させる、第1の導電層及び第2の導電層を通る電流を誘導する誘導発光アンテナを備える、条項9のトランザクション・カード。
【0070】
条項2-発光素子が、アンテナはめ込み層と一体的に形成された発光ダイオード(LED)である、条項7のトランザクション・カード。
【0071】
条項12-発光ダイオード(LED)が、所定の構成の複数の発光ダイオードのうちの一つである、条項11のトランザクション・カード。
【0072】
条項13-アンテナがループ・アンテナであり、トランザクション・カードが、発光素子に誘導的に結合された誘導発光アンテナを更に備え、誘導発光アンテナが、発光素子の端子間に電圧を誘導し、発光素子を発光させるように構成された、条項7~9、11、又は12のいずれかのトランザクション・カード。
【0073】
条項14-処理チップと、処理チップの端子間に電圧を誘導するように構成された、処理チップに誘導的に結合された処理チップ・アンテナとを更に備える、条項7~13のいずれかのトランザクション・カード。
【0074】
条項15-第1のプリント層及び第2のプリント層を形成することであって、第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの少なくとも一方が透明部分を備えて、形成することと、2次元の形状因子を有する発光素子を設けることと、アンテナがその中に配設されたアンテナはめ込み層を形成することと、第1のプリント層と第2のプリント層との間に発光素子及びアンテナはめ込み層を配置し、それによって発光素子が、透明部分に近接して配置されることとを含む、方法。
【0075】
条項16-第1のプリント層及び第2のプリント層のうちの少なくとも一方に少なくとも一つのラミネート・オーバーレイ層を付着させることと、アンテナはめ込み層に処理チップを貼付することとを更に含む、条項15の方法。
【0076】
条項17-発光素子の端子間の電圧を誘導して、発光素子を発光させることを更に含む、条項15又は条項16の方法。
【0077】
条項18-発光素子を設けることが、複数の発光ダイオード(LEDs)がその中に分散されたダイオード・インクを使用して発光素子をプリントすることを含む、条項15~17のいずれかの方法。
【0078】
条項19-発光素子を設けることが、アンテナはめ込み層と一体的に少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を形成することを含む、条項15~17のいずれかの方法。
【0079】
条項20-透明である第1のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、第1のラミネート・オーバーレイ層と第2のラミネート・オーバーレイ層との間に、第1のプリント層、アンテナはめ込み層、及び第2のプリント層を順次配設することとを更に含む、条項15~19のいずれかの方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプリント層及び第2のプリント層であって、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方が、光が透過する透明部分を有する、第1のプリント層及び第2のプリント層と、
ループ・アンテナがその上に配設されたアンテナはめ込み層と、
前記アンテナはめ込み層と、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの一方との間に配置された2次元形状因子を有する発光素子であって、前記透明部分に近接して配置される発光素子と、
前記発光素子及び前記ループ・アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、前記ループ・アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させ、前記透明部分を通じて光を放射させるように構成されるワイヤレス電力回路と、
を備える、トランザクション・カード。
【請求項2】
前記ワイヤレス電力受信機回路が、前記ループ・アンテナから受信した交流回路(AC)信号を直流(DC)信号に変換し、前記DC信号を前記発光素子の前記端子に供給するブリッジ整流器を備える、請求項1に記載のトランザクション・カード。
【請求項3】
前記発光素子が、
単一の発光ダイオード(LED)、
複数の発光ダイオード(LEDs)、及び
有機発光ダイオード(OLED)パネル、
のうちの一つである、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項4】
前記発光素子がプリント・マイクロ発光ダイオード(microLED)であり、前記プリントmicroLEDが、複数の発光素子がその中に配設されたインク・スラリーで形成される、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項5】
前記発光素子が、第1の発光領域及び第2の発光領域を備え、
前記第1の発光領域が第1の複数のプリント・マイクロ発光ダイオード(microLEDs)を備え、
前記第2の発光領域が、第2の複数のプリントmicroLEDsを備え、前記第2の複数のプリントmicroLEDsが、前記第1のプリントされた複数のmicroLEDsとは別々であり、独立している、請求項1又は請求項2に記載のトランザクション・カード。
【請求項6】
透明である第1のラミネート・オーバーレイ層と、
透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層と、
を更に備え、
前記第1のプリント層、前記アンテナはめ込み層、及び前記第2のプリント層が、前記第1のラミネート・オーバーレイ層と前記第2のラミネート・オーバーレイ層との間に順次配設される、請求項
1に記載のトランザクション・カード。
【請求項7】
光が透過する透明部分と不透明部分とを有するプリント層と、
前記プリント層の前記透明部分に近接して配置された発光素子と、
アンテナを有するアンテナはめ込み層と、
前記発光素子及び前記アンテナに結合されたワイヤレス電力受信機回路であって、前記アンテナを介してワイヤレス信号を受信し、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させ、前記透明部分を通じて光を放射させるように構成される、ワイヤレス電力回路と、
を備える、トランザクション・カード。
【請求項8】
前記発光素子が、複数のマイクロ発光ダイオード(microLEDs)がその中に配設された発光領域を備える、請求項7に記載のトランザクション・カード。
【請求項9】
前記発光領域が、前記複数のmicroLEDsがその中に配設された複数の発光領域のうちの一つであり、
前記発光領域のうちのそれぞれが、第1の導電層及び第2の導電層に対して配置される、請求項8に記載のトランザクション・カード。
【請求項10】
前記アンテナがループ・アンテナであり、
前記トランザクション・カードが、前記発光領域内の前記複数のmicroLEDsを発光させる、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を通る電流を誘導する誘導発光アンテナを備える、請求項9に記載のトランザクション・カード。
【請求項11】
前記発光素子が、前記アンテナはめ込み層と一体的に形成された発光ダイオード(LED)である、請求項7に記載のトランザクション・カード。
【請求項12】
前記発光ダイオード(LED)が、所定の構成の複数の発光ダイオードのうちの一つである、請求項11に記載のトランザクション・カード。
【請求項13】
前記アンテナがループ・アンテナであり、
前記トランザクション・カードが、前記発光素子に誘導的に結合された誘導発光アンテナを更に備え、前記誘導発光アンテナが、前記発光素子の端子間に電圧を誘導し、前記発光素子を発光させるように構成された、請求項7乃至9、11、
及び12のいずれか一項に記載のトランザクション・カード。
【請求項14】
処理チップと、
前記処理チップの端子間に電圧を誘導するように構成された、前記処理チップに誘導的に結合された処理チップ・アンテナと、
を更に備える、請求項
7に記載のトランザクション・カード。
【請求項15】
第1のプリント層及び第2のプリント層を形成することであって、前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方が透明部分を備える、形成することと、
2次元の形状因子を有する発光素子を設けることと、
アンテナがその中に配設されたアンテナはめ込み層を形成することと、
前記第1のプリント層と前記第2のプリント層との間に前記発光素子及び前記アンテナはめ込み層を配置し、それによって前記発光素子が、前記透明部分に近接して配置されることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のプリント層及び前記第2のプリント層のうちの少なくとも一方に少なくとも一つのラミネート・オーバーレイ層を付着させることと、
前記アンテナはめ込み層に処理チップを貼付することと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発光素子の端子間の電圧を誘導して、前記発光素子を発光させること、を更に含む、請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記発光素子を設けることが、複数の発光ダイオード(LEDs)がその中に分散されたダイオード・インクを使用して前記発光素子をプリントすることを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
前記発光素子を設けることが、前記アンテナはめ込み層と一体的に少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を形成することを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項20】
透明である第1のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、
透明であり、磁気ストライプを備える第2のラミネート・オーバーレイ層を設けることと、
前記第1のラミネート・オーバーレイ層と前記第2のラミネート・オーバーレイ層との間に、前記第1のプリント層、前記アンテナはめ込み層、及び前記第2のプリント層を順次配設することと、
を更に含む、請求項
15に記載の方法。
【国際調査報告】