(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】家電機器の制御方法、制御装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527274
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2022102310
(87)【国際公開番号】W WO2023077835
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111313832.5
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】陳錦敏
(72)【発明者】
【氏名】王慶仙
(72)【発明者】
【氏名】宋分平
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA16
5E555AA76
5E555BA03
5E555BA04
5E555BA05
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5E555BA19
5E555BB04
5E555BB15
5E555BB19
5E555BC01
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5E555CC03
5E555DA23
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5E555DC13
5E555DD11
5E555EA05
5E555EA14
5E555EA19
5E555FA00
(57)【要約】
家電機器の制御方法、制御装置、電子機器及び記憶媒体が提供されている。家電機器の制御方法には、現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することと、現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することと、比較結果に基づいて、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを判断することと、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて家電機器を制御することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器の制御方法であって、
現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することと、
前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することと、
比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することと、
前記現在ユーザーが前記目標ユーザーである場合、前記目標ユーザーの前記家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて前記家電機器を制御することと、を含む、
家電機器の制御方法。
【請求項2】
前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較する前に、
前記制御方法は、
前記目標ユーザーの識別条件であって、識別時間帯及び識別位置を含む識別条件を取得することと、
活動対象が検出された場合、活動時刻を決定することと、
前記活動時刻が前記識別時間帯にある場合、前記活動対象に対し、前記活動対象が前記目標ユーザーであるかどうかを問い合わせることと、
前記活動対象が前記目標ユーザーである場合、前記活動対象の活動軌跡と前記識別位置との空間的な対応関係を確立することと、
前記空間的な対応関係及び前記識別時間帯に基づいて、前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成することと、を更に含む、請求項1に記載の家電機器の制御方法。
【請求項3】
前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報は、所定時間帯及び所定軌跡を含み、前記現在ユーザーの生活軌跡情報は、現在時刻及び現在軌跡を含み、前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することは、
前記現在ユーザーの現在時刻と前記目標ユーザーの所定時間帯がマッチングしているかどうか、及び前記現在ユーザーの現在軌跡と前記目標ユーザーの所定軌跡がマッチングしているかどうかを判断することを含む、請求項1に記載の家電機器の制御方法。
【請求項4】
比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することは、
前記現在ユーザーの現在時刻が前記目標ユーザーの所定時間帯にあり、前記現在ユーザーの現在軌跡と前記目標ユーザーの所定軌跡との間の一致度が所定閾値以上である場合、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであると決定すること、を含む、請求項3に記載の家電機器の制御方法。
【請求項5】
比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断した後、前記制御方法は、
前記現在ユーザーが前記目標ユーザーでない場合、前記現在ユーザーに対してプロファイリングの指示を行うこと、を更に含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の家電機器の制御方法。
【請求項6】
前記目標ユーザーは複数含み、複数の前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報は互いに異なる、請求項1に記載の家電機器の制御方法。
【請求項7】
家電機器の制御装置であって、
現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することに用いられる監視モジュールと、
前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することに用いられる比較モジュールと、
比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することに用いられる判断モジュールと、
前記現在ユーザーが前記目標ユーザーである場合、前記目標ユーザーの前記家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて前記家電機器を制御することに用いられる学習モジュールと、を含む、家電機器の制御装置。
【請求項8】
1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む電子機器であって、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれか1項に記載の家電機器の制御方法のステップを実現する、電子機器。
【請求項9】
前記電子機器は家電機器又はサーバーである、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれか1項に記載の家電機器の制御方法のステップを実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年11月08日に提出された出願番号が202111313832.5、発明の名称が「家電機器の制御方法、制御装置、電子機器及び記憶媒体」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、家電機器の技術分野に関し、特に家電機器の制御方法、制御装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の急速な発展に伴い、ますます多くのエアコンなどのスマート家電があらゆる家庭に導入され、人々の生活に大きな便利さをもたらしている。関連技術においては、エアコンは自己学習機能を備えており、自己学習モードでは、ユーザーの設定したエアコン運転パラメータを記録し、複数回の記録データに基づきユーザーの設定習慣を決定する。その後、ユーザーがエアコンを使用する際にエアコン運転パラメータを再設定する必要はなくなり、エアコンはユーザーの設定習慣に基づいて対応する運転パラメータを自動で実行することが可能になる。
【0004】
しかし、複数人の家族メンバーが同一のエアコンを共用する場合、各家族メンバーの設定習慣が大きく異なるため、エアコンは異なる家族メンバーを区別できず、それぞれの家族メンバーごとに自己学習モードを確立することができない。また、エアコンは、各家族メンバーの設定習慣に従って、対応するエアコン運転パラメータを自動で実行することもできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、少なくとも関連技術における技術的課題の1つを一定程度解決することを目指している。このため、本願の1つ目の目的は、生活軌跡情報に基づいて異なるユーザーを区別して、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させることができる、家電機器の制御方法を提供することにある。
【0006】
本願の2つ目の目的は、家電機器の制御装置を提供することにある。
【0007】
本願の3つ目の目的は、電子機器を提供することにある。
【0008】
本願の4つ目の目的は、コンピュータ可読記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本願の第一態様の実施例に係る家電機器の制御方法は、現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することと、前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することと、比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することと、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーである場合、前記目標ユーザーの前記家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて前記家電機器を制御することと、を含む。
【0010】
本願の実施例に係る家電機器の制御方法によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを決定できるとともに、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させることができる。
【0011】
本願の一実施例において、前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較する前に、前記制御方法は、前記目標ユーザーの識別条件であって、識別時間帯及び識別位置を含む識別条件を取得することと、活動対象が検出された場合、活動時刻を決定することと、前記活動時刻が前記識別時間帯にある場合、前記活動対象に対し、前記活動対象が前記目標ユーザーであるかどうかを問い合わせることと、前記活動対象が前記目標ユーザーである場合、前記活動対象の活動軌跡と前記識別位置との空間的な対応関係を確立することと、前記空間的な対応関係及び前記識別時間帯に基づいて、前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成することと、を更に含む。
【0012】
本願の一実施例において、前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報は、所定時間帯及び所定軌跡を含み、前記現在ユーザーの生活軌跡情報は、現在時刻及び現在軌跡を含み、前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することは、前記現在ユーザーの現在時刻と前記目標ユーザーの所定時間帯がマッチングしているかどうか、及び前記現在ユーザーの現在軌跡と前記目標ユーザーの所定軌跡がマッチングしているかどうかを判断することを含む。
【0013】
本願の一実施例において、比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することは、前記現在ユーザーの現在時刻が前記目標ユーザーの所定時間帯にあり、前記現在ユーザーの現在軌跡と前記目標ユーザーの所定軌跡との間の一致度が所定閾値以上である場合、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであると決定すること、を含む。
【0014】
本願の一実施例において、比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断した後、前記制御方法は、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーでない場合、前記現在ユーザーに対してプロファイリングの指示を行うこと、を更に含む。
【0015】
本願の一実施例において、前記目標ユーザーは複数含み、複数の前記目標ユーザーの所定生活軌跡情報は互いに異なる。
【0016】
上述の目的を達成するために、本願の第二態様の実施例に係る家電機器の制御装置は、現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することに用いられる監視モジュールと、前記現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することに用いられる比較モジュールと、比較結果に基づいて、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーであるかどうかを判断することに用いられる判断モジュールと、前記現在ユーザーが前記目標ユーザーである場合、前記目標ユーザーの前記家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、前記目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて前記家電機器を制御することに用いられる学習モジュールと、を含む。
【0017】
本願の実施例に係る家電機器の制御装置によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを決定できるとともに、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させることができる。
【0018】
上述の目的を達成するために、本願の第三態様の実施例に係る電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサにより実行されると、上述の実施例のいずれか1つに係る家電機器の制御方法のステップを実現する。
【0019】
本願の実施例に係る電子機器によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを決定できるとともに、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させることができる。
【0020】
本願の一実施例において、前記電子機器は家電機器又はサーバーである。
【0021】
上述の目的を達成するために、本願の第四態様の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上述の実施例のいずれか1つに係る家電機器の制御方法のステップを実現する。
【0022】
本願の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを決定できるとともに、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させることができる。
【0023】
本願の付加的な態様と利点は、その一部が以下の説明で示され、他の一部が以下の説明から明らかになり、又は本願の実践から理解される。
【0024】
本願の上述及び/又は付加的な態様と利点は、以下の図面に基づいた実施例の説明から明らかになり、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本願の一実施例に係る家電機器の制御方法のフローを示す模式図である。
【
図2】本願の一実施例に係る家電機器の制御方法のフローを示す模式図である。
【
図3】本願の一実施例に係る家電機器の制御方法のフローを示す模式図である。
【
図4】本願の一実施例に係る家電機器の制御方法のフローを示す模式図である。
【
図5】本願の一実施例に係る家電機器の制御方法のフローを示す模式図である。
【
図6】本願の一実施例に係る家電機器の制御装置の構造を示すブロック図である。
【
図7】本願の一実施例に係る電子機器の構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願の実施例について詳細に説明する。説明する実施例の例は図面に示されており、始めから終わりまで同じ又は類似の表記は同じもしくは類似の要素又は同じもしくは類似の機能を持つ要素を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なもので、本願を解釈するためにのみ用いられ、本願を限定するものとして理解され得ない。
【0027】
また、本願の実施例についての説明において、「第一」、「第二」という用語は、目的を説明するためにのみ使用され、相対重要性を指示又は示唆したり、技術的特徴の数を暗示したりするものとして理解され得ない。従って、「第一」、「第二」として限定されている特徴は、1つ以上の前記特徴を含むことが明示されたり、暗示されたりすることもある。本願の実施例の説明では、「複数」というのは、特に具体的に限定されていない限り、2つ、又は、2つ以上を意味する。
【0028】
図1を参照されたい。本願の実施例に係る家電機器の制御方法には、
現在ユーザーの生活軌跡情報を監視するS11と、
現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較するS13と、
比較結果に基づいて、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを判断するS15と、
現在ユーザーが目標ユーザーである場合、目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて家電機器を制御するS17と、を含む。
【0029】
本願の実施例に係る家電機器の制御方法によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定でき、それに、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させる。
【0030】
関連技術においては、家電機器が自己学習モードにある際、何人のユーザーが該家電機器を操作しても、家電機器は同一ユーザーによる操作と見なし、同時に複数のユーザーの家電機器に対する設定パラメータを自己学習することが、理解されるであろう。すなわち、関連技術における電子機器は自身を単位として1つの自己学習モデルしか確立できない。しかし、通常、家庭には複数人の家族メンバーを含み、それぞれの家族メンバーの家電機器に対する設定パラメータの制御習慣が異なるため、家電機器が異なるユーザーを区別できない場合、各家族メンバーに対して各自の自己学習モデルを確立することができない。これにより、家電機器は各家族メンバーの制御習慣に応じて個別に自動運転を行うことができず、たとえ同じ家電機器上で各家族メンバーの制御習慣を時間の順序に従って、加重処理し、1つの総合的な自己学習モデルを得たとしても、個々人に合わせた制御を実現することができず、異なる家族メンバーの使用ニーズを満たすことができない。
【0031】
具体的には、家電機器はエアコン、加湿器、空気清浄器、テレビ、スマートスピーカーなどを含むがこれらに限定されない。
【0032】
現在ユーザーは、家電機器の監視範囲内に現れる運動対象として理解され得る。
【0033】
いくつかの実施例において、家電機器は監視装置を含み、監視装置は所定頻度で監視範囲内の音声データ、画像データ、又はレーダー信号データなどを収集することができる。監視装置によって収集されたデータに基づいて、監視範囲内に運動対象が存在するかどうかを決定し、監視範囲内に運動対象が存在する場合、運動対象の運動軌跡を継続的に追跡して生活軌跡情報を生成することが可能である。一例において、検出装置はレーダーを含む。
【0034】
目標ユーザーは、家電機器が個別に自己学習モデルを確立し、制御習慣パラメータを決定するべきであるユーザーとして理解され得る。所定生活軌跡情報は、予め保存された目標ユーザーの家電機器の監視範囲内での生活軌跡情報であってもよい。本願の一実施例において、目標ユーザーは、複数含み、複数の目標ユーザーの所定生活軌跡情報はそれぞれ異なる。このように、所定生活軌跡情報に基づいて異なる目標ユーザーを区別し、目標ユーザーごとに個別に自己学習モデルの確立を実現することができる。
【0035】
いくつかの実施例において、目標ユーザーは主婦、家族内の勤務者、学生などを含んでもよい。
【0036】
一例において、同一の家電機器が5つの自己学習モデルを確立することが可能である。また別の一例において、同一の家電機器が15人の目標ユーザーの制御習慣に関して自己学習を行うことができる。
【0037】
現在ユーザーの生活軌跡情報を取得した後、現在ユーザーの生活軌跡情報と目標ユーザーの所定生活軌跡情報を比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定することができ、それにより現在ユーザーの家電機器に対する操作習慣に関して学習しようかどうかを決定することができる。もし比較結果は現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであることを示していれば、現在ユーザーの家電機器に対する設定パラメータを該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータとして、該目標ユーザーに対応する自己学習モデルを確立する。
【0038】
設定パラメータは、温度パラメータ、風量モードパラメータ、風向パラメータ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。自己学習モデルに基づいて決定された目標ユーザーの制御習慣パラメータは、設定パラメータ中の少なくとも1つを含んでもよい。
【0039】
一実施例において、同一の目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータを合計で7回取得した際に、該目標ユーザーの制御習慣に関する自己学習が完了することになる。取得された7回分の、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに、加重処理を行い、該ユーザーに対応する最終的な自己学習モデルを得て、該目標ユーザーの制御習慣パラメータを決定する。次回該目標ユーザーが監視範囲内に現れることを検出した場合、目標ユーザーが家電機器の設定パラメータを手動で調整する必要はなく、家電機器は該目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づき直接運転することが可能となり、これにより操作が簡素化され、ユーザー体験が向上する。
【0040】
なお、本願の実施例に係る家電機器の制御方法は、家電機器によって、又はサーバーによって、更には家電機器とサーバー両者によって共同で実現され得るものであり、ここに限定されない。
【0041】
図2を参照されたい。本願の一実施例において、ステップS13の前に、前記制御方法は、
目標ユーザーの識別条件であって、識別時間帯及び識別位置を含む識別条件を取得するS21と、
活動対象が検出された場合、活動時刻を決定するS23と、
活動時刻が識別時間帯にある場合、活動対象に対し、活動対象が目標ユーザーであるかどうかを問い合わせるS25と、
活動対象が目標ユーザーである場合、活動対象の活動軌跡と識別位置との空間的な対応関係を確立するS27と、
空間的な対応関係及び識別時間帯に基づいて、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成するS29と、を更に含む。
【0042】
このように、正式に自己学習を始める前に、識別位置と実際の空間との対応関係を確立し、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を決定することができ、それにより目標ユーザーの所定生活軌跡情報と現在ユーザーの生活軌跡情報を比較することが容易になる。識別位置が或る場所の名称であり、すなわち、識別位置その自体は位置の座標、範囲、家電機器までの距離、家電機器に対する方位などの空間情報を含んでいないため、家電機器は、目標ユーザーの識別位置と現在ユーザーの運動軌跡を比較する方式によって、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定することができず、識別位置と実際の空間との対応関係を予め確立しておく必要があり、これにより識別位置についての名称以外の他の空間情報を決定できるようになることが、理解されるであろう。
【0043】
具体的には、ステップS21において、目標ユーザーの識別条件を目標ユーザーが自分でカスタマイズしてもよい。一例において、目標ユーザー又はその他のユーザーが、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、目標ユーザーの識別条件を入力してもよい。
【0044】
識別時間帯には、開始時刻、終了時刻、及び、開始時刻と終了時刻間の他の時刻が含まれてもよい。識別位置にはキッチン、玄関、ソファ、ダイニングテーブル、デスク、バルコニーのうち少なくとも1つが含まれてもよい。なお、本願の実施例の記述において、「時刻」「開始時刻」「終了時刻」「活動時刻」「現在時刻」は、時を含んでもよく、時と分を含んでもよく、また、時、分、及び秒を含んでもよいが、これに限定されない。一例において、目標ユーザーが主婦である場合、識別条件における識別時間帯は6:00-7:00、識別条件における識別位置はキッチンである。別の一例において、目標ユーザーは家族内の勤務者であり、識別条件における識別時間帯は7:30-8:00、識別条件における識別位置はダイニングテーブルである。別の一例において、目標ユーザーは、家族内の学生であり、識別条件における識別時間帯は18:00-19:00、識別条件における識別位置はデスクである。
【0045】
ステップS23において、家電機器がレーダーを含んでもよい。レーダーで活動対象が存在するかどうかを監視することができる。活動対象は、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザー、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべきでない非目標ユーザー、動物、又は、その他の任意の可動物体であってもよい。活動時刻は、レーダーが、活動対象の検出を確認する時刻として理解され得る。すなわち、活動時刻は、レーダーが、監視範囲内に活動対象の現れたことを初めて検出した時刻であったり、所定頻度で監視範囲内の物体を継続的に監視する中で活動対象が監視範囲内にあることを再度検出した時刻であったりしてもよいが、これに限定はない。
【0046】
ステップS25において、活動時刻が識別時間帯にあるとは、活動時刻が識別時間帯の開始時刻に等しく、識別時間帯の終了時刻に等しく、又は、開始時刻と終了時刻間の他の時刻に等しいと理解され得る。なお、いくつかの実施例において、目標ユーザーの実際の現れる時刻が予め設定された識別時間帯からわずかにずれる可能性を勘案し、そのような場合でも目標ユーザーをタイムリーに発見できるように確保するには、第一時間偏差を設定してもよい。すなわち、識別時間帯の開始時刻の前で第一時間偏差以内、又は、識別時間帯の終了時刻の後で第一時間偏差以内にある活動時刻が、いずれも、識別時間帯にあると見なされる。すなわち、活動時刻が識別時間帯にあるとは、活動時刻が識別時間帯の開始時刻の前で第一時間偏差の時刻に等しく、又は、識別時間帯の終了時刻の後で第一時間偏差の時刻に等しく、又は、開始時刻の前で第一時間偏差の時刻と終了時刻の後で第一時間偏差の時刻との間の他の時刻に等しいと更に理解され得る。いくつかの実施例において、第一時間偏差は30分に設定される。いくつかの実施例において、第一時間偏差は20分に設定される。他の実施例において、第一時間偏差は更に他の数値に設定され得るが、これに限定されない。
【0047】
活動時刻が識別時間帯にあると決定した際に、活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを検証するために、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを、活動対象に対して問い合わせてもよい。一例において、携帯電話のAPPで「あなたは、識別条件を入力した目標ユーザーAですか?」といった問い合わせ情報を表示させ、もし「はい」を示す信号を受け取ったら、ステップS27へ進み、もし「いいえ」を示す信号を受け取ったら、又は、信号を一切受け取らなかったら、活動対象を監視するステップに再び進む。
【0048】
いくつかの実施例において、目標ユーザーAの識別時間帯における、第一時間偏差内にある時間帯が、目標ユーザーBの識別時間帯における、第一時間偏差内にある時間帯と重なる可能性があり、その結果どの目標ユーザーに問い合わせるべきかが決定できない場合を勘案して、この場合の問い合わせロジックを予め定義しておいてもよい。一例において、まず識別時間帯が早い目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に識別時間帯が遅い別の目標ユーザーに問い合わせることになる。一例において、まず識別時間帯が遅い目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に識別時間帯が早い別の目標ユーザーに問い合わせることになる。一例において、まず時間偏差が小さい識別時間帯に対応の目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に時間偏差が大きい識別時間帯に対応の別の目標ユーザーに問い合わせることになる。このようにして、問い合わせを正常に行え、目標ユーザーへの問い合わせ漏れを避け、問い合わせの精度を高めることができる。
【0049】
ステップS27において、家電機器のレーダーが活動対象の活動軌跡を追跡することができ、レーダーにより追跡された活動軌跡は、活動対象のレーダーに対しての活動方位と距離を含んでもよい。活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定した場合、該活動対象の活動軌跡を、該目標ユーザーの識別位置の空間情報として、識別位置と活動対象の活動軌跡との空間的な対応関係を確立することで、該空間的な対応関係に基づいて、識別位置の空間情報を決定することができる。
【0050】
ステップS29において、空間的な対応関係、及び目標ユーザーの識別条件の識別時間帯に基づいて、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成する。すなわち、目標ユーザーの所定生活軌跡は、目標ユーザーの識別時間帯と予め指定された目標ユーザーの活動軌跡を含む。
【0051】
一例において、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの識別時間帯が朝6時から朝7時で、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの識別位置がキッチンで、第一時間偏差が30分の場合、活動時刻が朝5時30分から朝7時30分の間の任意の時刻であれば、活動時刻が朝6時から朝7時の識別時間帯にあると決定される。
【0052】
更に、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーBの識別時間帯は朝7時30分から朝8時である。検出された活動対象が監視範囲内に現れた時の活動時刻は7時10分で、検出された活動対象が監視範囲内での活動軌跡は、監視範囲の左側に現れて、家電機器の左前方8.5メートルの位置から、左前方11.5メートルの位置へ移動し、家電機器の左前方11.5メートル付近で停止又は動作微調整を行うことである。
【0053】
活動時刻が、朝6時から朝7時という識別時間帯との時間偏差が小さい一方で、朝7時30分から朝8時という識別時間帯との時間偏差が大きいため、まず、活動対象に対して、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAであるかどうかを、問い合わせてもよい。操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAでないと決定した場合、次に、活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーBであるかどうかを問い合わせる。活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAであると決定した場合、活動対象の活動軌跡を、キッチンの空間情報として、活動対象の活動軌跡とキッチンの空間的な対応関係を確立し、「6:00-7:00、監視範囲の左側に現れ、左前方8.5メートルから11.5メートルの範囲へ移動し、停止又は動作微調整を行う」という内容を、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの所定生活軌跡情報とする。
【0054】
図3を参照されたい。本願の一実施例において、目標ユーザーの所定生活軌跡情報は、所定時間帯及び所定軌跡を含み、現在ユーザーの生活軌跡情報は、現在時刻及び現在軌跡を含み、ステップS13は、
現在ユーザーの現在時刻と目標ユーザーの所定時間帯がマッチングしているかどうか、及び現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡がマッチングしているかどうかを判断するS131を含む。
【0055】
このように、生活軌跡情報と所定生活軌跡情報を比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかをより正確に決定することができる。
【0056】
具体的には、所定時間帯は上述の識別時間帯であってもよい。所定時間帯には、開始時刻、終了時刻、及び、開始時刻と終了時刻間の他の時刻が含まれてもよい。所定軌跡は、上述の予め指定された目標ユーザーの活動対象の活動軌跡であってもよい。
【0057】
現在時刻は、現在ユーザーが検出された時刻と理解され得る。具体的には、現在ユーザーが初めて検出された時刻であったり、現在ユーザーが所定頻度で再度検出された時刻であったりしてもよいが、これに限定されない。
【0058】
ステップS131は、時間帯マッチングのステップと、軌跡マッチングのステップを含むことが理解されるであろう。ここで、まず、時間帯マッチングのステップを実行して、次に軌跡マッチングのステップを実行してもよければ、まず、軌跡マッチングのステップを実行して、次に時間帯マッチングのステップを実行してもよいが、これに限定されない。
【0059】
更に、監視範囲内の現在ユーザーに対する監視は、継続的に行われる過程であり、すなわち、得られる現在時刻は継続的に更新されていくため、現在時刻と所定時間帯との1回目のマッチングの結果は、現在時刻と所定時間帯との2回目のマッチングのステップには影響しない。すなわち、現在ユーザーの現在軌跡と所定軌跡が互いにマッチングしている際に、1回目の時間帯マッチングのステップにおいて、現在ユーザーの現在時刻が目標ユーザーの所定時間帯とマッチングしていないと決定した場合、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーではないと今回で決定される。しかし、2回目の時間帯マッチングのステップにおいて、該現在ユーザーの現在時刻と目標ユーザーの所定時間帯が互いにマッチングしていると決定した場合、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定することができる。
【0060】
図4を参照されたい。本願の一実施例において、ステップS15は、
現在ユーザーの現在時刻が目標ユーザーの所定時間帯にあり、現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡との間の一致度が所定閾値以上である場合、現在ユーザーが目標ユーザーであると決定するS151を、を含む。
【0061】
このように、時間帯の比較結果及び軌跡の比較結果を組み合わせることにより、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかをより正確に決定することができる。
【0062】
具体的には、現在時刻が所定時間帯にあるとは、現在時刻が所定時間帯の開始時刻に等しく、現在時刻が所定時間帯の終了時刻に等しく、又は、現在時刻が開始時刻と終了時刻間の他の時刻に等しいと理解され得る。なお、いくつかの実施例において、目標ユーザーの実際の現れる時刻が予め設定された識別時間帯からわずかにずれる可能性を勘案し、そのような場合でも目標ユーザーをタイムリーに発見できるように確保するには、第二時間偏差を設定してもよい。すなわち、所定時間帯の開始時刻の前で第二時間偏差以内、又は、所定時間帯の終了時刻の後で第二時間偏差以内にある現在時刻が、いずれも、所定時間帯にあると見なされる。すなわち、現在時刻が所定時間帯にあるとは、現在時刻が所定時間帯の開始時刻の前で第二時間偏差の時刻に等しく、又は、所定時間帯の終了時刻の後で第二時間偏差の時刻に等しく、又は、開始時刻の前で第二時間偏差の時刻と終了時刻の後で第二時間偏差の時刻との間の他の時刻に等しいと更に理解され得る。いくつかの実施例において、第二時間偏差は30分に設定される。いくつかの実施例において、第二時間偏差は20分に設定される。他の実施例において、第二時間偏差は更に他の数値に設定され得るが、これに限定されない。
【0063】
いくつかの実施例において、所定閾値が85%である。すなわち、現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡間の一致度が85%に達する又はそれを超える場合(例えば90%、95%、100%の場合)、現在軌跡と所定軌跡とのマッチングが成功したと見なされ得る。現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡間の一致度が85%未満の場合、現在軌跡が所定軌跡とマッチングできないと見なされ得る。
【0064】
一例において、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーの所定時間帯は、朝6時から朝7時である。また、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーの所定軌跡は、監視範囲の左側に現れ、左前方8.5メートルから11.5メートルの範囲へ移動し、停止又は動作微調整を行うことである。現在ユーザーが検出された現在時刻は朝6時20分であり、現在ユーザーの現在軌跡は、監視範囲の左側に現れ、左前方8.4メートルから11.5メートルの範囲に移動し、停止したことである。現在軌跡と所定軌跡の一致度が85%を超えており、かつ現在時刻が所定時間帯に該当しているため、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定できる。
【0065】
図5を参照されたい。本願の一実施例において、ステップS15の後に、制御方法は、現在ユーザーが目標ユーザーでない場合、現在ユーザーに対してプロファイリングの指示を行うS19、を更に含む。
【0066】
このように、現在ユーザーが、プロファイリングの指示に従ってプロファイリングを完了させた場合、家電機器に対する現在ユーザーの制御習慣に関して自己学習を行うことができる。
【0067】
具体的には、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、プロファイリングの指示を行ってもよい。プロファイリングの指示の方式には、テキスト指示及び/又は音声指示が含まれてもよい。プロファイリングの指示の内容には、「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」というものが含まれ得る。
【0068】
いくつかの実施例において、ステップS19の後に、制御方法は、現在ユーザーにプロファイリングが必要であると決定した場合、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを提供することと、インタラクティブなインターフェースへの入力情報に基づいて現在ユーザーの識別条件を決定し、該現在ユーザーを目標ユーザーの一人として、該現在ユーザーの家電機器に対する制御習慣に関して自己学習を行うことと、を更に含む。
【0069】
一例において、携帯電話により、現在ユーザーにプロファイリングを指示する。携帯電話には、表示スクリーンが含まれており、ユーザーへプロファイリングの指示が必要な時、携帯電話の表示スクリーンには、「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」という指示文が表示される。同時に、携帯電話の表示スクリーンには、「はい」を示す選択ボタンと「いいえ」を示すキャンセルボタンが提供される。キャンセルボタンがトリガーされたことを検出した場合、現在ユーザーには、プロファイリングが必要でないと決定し、現在のインターフェースから退出させる。選択ボタンがトリガーされたことを検出した場合、現在ユーザーには、プロファイリングが必要であると決定してから、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを提供する。
【0070】
別の一例において、ユーザーにより、現在ユーザーにプロファイリングを指示する。携帯電話には、音声認識機能を備えており、携帯電話にはスピーカーと表示スクリーンが含まれており、ユーザーへプロファイリングの指示が必要な時、携帯電話のスピーカーから「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」というのを指示音声で伝える。現在ユーザーから発せられた音声に従って、現在ユーザーが、プロファイリングする必要のないという指令を受け取った場合、今回の検出した現在ユーザーを無視する。現在ユーザーから発せられた音声に従って、現在ユーザーが、プロファイリングする必要のあるという指令を受け取った場合、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを表示スクリーンにより提供する。
【0071】
図6を参照されたい。本願の実施例に係る家電機器の制御装置100において、監視モジュール12、比較モジュール14、判断モジュール16、及び、学習モジュール18が含まれる。監視モジュール12は、現在ユーザーの生活軌跡情報を監視することに用いられる。比較モジュール14は、現在ユーザーの生活軌跡情報と、目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することに用いられる。
判断モジュール16は、比較結果に基づいて、現在ユーザーが目標ユーザーであるかどうかを判断することに用いられる。学習モジュール18は、現在ユーザーが目標ユーザーである場合、目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータで確立された自己学習モデルに基づいて、目標ユーザーの制御習慣パラメータを取得し、目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づいて家電機器を制御することに用いられる。
【0072】
本願の実施例に係る家電機器の制御装置100によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定でき、それに、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させる。
【0073】
具体的には、家電機器はエアコン、加湿器、空気清浄器、テレビ、スマートスピーカーなどを含むがこれらに限定されない。
【0074】
現在ユーザーは、家電機器の監視範囲内に現れる運動対象として理解され得る。いくつかの実施例において、家電機器は監視装置を含み、監視装置は所定頻度で監視範囲内の音声データ、画像データ、又はレーダー信号データなどを収集することができる。監視装置によって収集されたデータに基づいて、監視範囲内に運動対象が存在するかどうかを決定し、監視範囲内に運動対象が存在する場合、運動対象の運動軌跡を継続的に追跡して生活軌跡情報を生成することが可能である。一例において、検出装置はレーダーを含む。
【0075】
目標ユーザーは、家電機器が個別に自己学習モデルを確立し、制御習慣パラメータを決定するべきであるユーザーとして理解され得る。所定生活軌跡情報は、予め保存された目標ユーザーの家電機器の監視範囲内での生活軌跡情報であってもよい。本願の一実施例において、目標ユーザーは、複数含み、複数の目標ユーザーの所定生活軌跡情報はそれぞれ異なる。このように、所定生活軌跡情報に基づいて異なる目標ユーザーを区別し、目標ユーザーごとに個別に自己学習モデルの確立を実現することができる。いくつかの実施例において、目標ユーザーは主婦、家族内の勤務者、学生などを含んでもよい。一例において、同一の家電機器が15人の目標ユーザーの制御習慣に関して自己学習を行うことができる。
【0076】
現在ユーザーの生活軌跡情報を取得した後、現在ユーザーの生活軌跡情報と目標ユーザーの所定生活軌跡情報を比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定することができ、それにより現在ユーザーの家電機器に対する操作習慣に関して学習しようかどうかを決定することができる。もし比較結果は現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであることを示していれば、現在ユーザーの家電機器に対する設定パラメータを該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータとして、該目標ユーザーに対応する自己学習モデルを確立する。
【0077】
設定パラメータは、温度パラメータ、風量モードパラメータ、風向パラメータ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。自己学習モデルに基づいて決定された目標ユーザーの制御習慣パラメータは、設定パラメータ中の少なくとも1つを含んでもよい。
【0078】
一実施例において、同一の目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータを合計で7回取得した際に、該目標ユーザーの制御習慣に関する自己学習が完了することになる。取得された7回分の、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに、加重処理を行い、該ユーザーに対応する最終的な自己学習モデルを得て、該目標ユーザーの制御習慣パラメータを決定する。次回該目標ユーザーが監視範囲内に現れることを検出した場合、目標ユーザーが家電機器の設定パラメータを手動で調整する必要はなく、家電機器は該目標ユーザーの制御習慣パラメータに基づき直接運転することが可能となり、これにより操作が簡素化され、ユーザー体験が向上する。
【0079】
本願の一実施例において、制御装置100において、取得モジュールと、決定モジュールと、問い合わせモジュールと、確立モジュールと、生成モジュールと、を含む。ここで、取得モジュールは、目標ユーザーの識別条件であって、識別時間帯及び識別位置を含む識別条件を取得することに用いられる。決定モジュールは、活動対象が検出された場合、活動時刻を決定することに用いられる。問い合わせモジュールは、活動時刻が識別時間帯にある場合、活動対象に対し、活動対象が目標ユーザーであるかどうかを問い合わせることに用いられる。確立モジュールは、活動対象が目標ユーザーである場合、活動対象の活動軌跡と識別位置との空間的な対応関係を確立することに用いられる。生成モジュールは、空間的な対応関係及び識別時間帯に基づいて、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成することに用いられる。
【0080】
このように、正式に自己学習を始める前に、識別位置と実際の空間との対応関係を確立し、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を決定することができ、それにより目標ユーザーの所定生活軌跡情報と現在ユーザーの生活軌跡情報を比較することが容易になる。識別位置が或る場所の名称であり、すなわち、識別位置その自体は位置の座標、範囲、家電機器までの距離、家電機器に対する方位などの空間情報を含んでいないため、家電機器は、目標ユーザーの識別位置と現在ユーザーの運動軌跡を比較する方式によって、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定することができず、識別位置と実際の空間との対応関係を予め確立しておく必要があり、これにより識別位置についての名称以外の他の空間情報を決定できるようになることが、理解されるであろう。
【0081】
具体的には、目標ユーザーの識別条件を目標ユーザーが自分でカスタマイズしてもよい。一例において、目標ユーザー又はその他のユーザーが、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、目標ユーザーの識別条件を入力してもよい。
【0082】
識別時間帯には、開始時刻、終了時刻、及び、開始時刻と終了時刻間の他の時刻が含まれてもよい。識別位置にはキッチン、玄関、ソファ、ダイニングテーブル、デスク、バルコニーのうち少なくとも1つが含まれてもよい。なお、本願の実施例の記述において、「時刻」「開始時刻」「終了時刻」「活動時刻」「現在時刻」は、時を含んでもよく、時と分を含んでもよく、また、時、分、及び秒を含んでもよいが、これに限定されない。一例において、目標ユーザーが主婦である場合、識別条件における識別時間帯は6:00-7:00、識別条件における識別位置はキッチンである。別の一例において、目標ユーザーは家族内の勤務者であり、識別条件における識別時間帯は7:30-8:00、識別条件における識別位置はダイニングテーブルである。別の一例において、目標ユーザーは、家族内の学生であり、識別条件における識別時間帯は18:00-19:00、識別条件における識別位置はデスクである。
【0083】
家電機器がレーダーを含んでもよい。レーダーで活動対象が存在するかどうかを監視することができる。活動対象は、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザー、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべきでない非目標ユーザー、動物、又は、その他の任意の可動物体であってもよい。活動時刻は、レーダーが、活動対象の検出を確認する時刻として理解され得る。すなわち、活動時刻は、レーダーが、監視範囲内に活動対象の現れたことを初めて検出した時刻であったり、所定頻度で監視範囲内の物体を継続的に監視する中で活動対象が監視範囲内にあることを再度検出した時刻であったりしてもよいが、これに限定はない。
【0084】
活動時刻が識別時間帯にあるとは、活動時刻が識別時間帯の開始時刻に等しく、識別時間帯の終了時刻に等しく、又は、開始時刻と終了時刻間の他の時刻に等しいと理解され得る。なお、いくつかの実施例において、目標ユーザーの実際の現れる時刻が予め設定された識別時間帯からわずかにずれる可能性を勘案し、そのような場合でも目標ユーザーをタイムリーに発見できるように確保するには、第一時間偏差を設定してもよい。すなわち、識別時間帯の開始時刻の前で第一時間偏差以内、又は、識別時間帯の終了時刻の後で第一時間偏差以内にある活動時刻が、いずれも、識別時間帯にあると見なされる。すなわち、活動時刻が識別時間帯にあるとは、活動時刻が識別時間帯の開始時刻の前で第一時間偏差の時刻に等しく、又は、識別時間帯の終了時刻の後で第一時間偏差の時刻に等しく、又は、開始時刻の前で第一時間偏差の時刻と終了時刻の後で第一時間偏差の時刻との間の他の時刻に等しいと更に理解され得る。いくつかの実施例において、第一時間偏差は30分に設定される。いくつかの実施例において、第一時間偏差は20分に設定される。他の実施例において、第一時間偏差は更に他の数値に設定され得るが、これに限定されない。
【0085】
活動時刻が識別時間帯にあると決定した際に、活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを検証するために、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを、活動対象に対して問い合わせてもよい。一例において、携帯電話のAPPで「あなたは、識別条件を入力した目標ユーザーAですか?」といった問い合わせ情報を表示させ、もし「はい」を示す信号を受け取ったら、空間的な対応関係を確立するステップへ進み、もし「いいえ」を示す信号を受け取ったら、又は、信号を一切受け取らなかったら、活動対象を監視するステップに再び進む。
【0086】
いくつかの実施例において、目標ユーザーAの識別時間帯における、第一時間偏差内にある時間帯が、目標ユーザーBの識別時間帯における、第一時間偏差内にある時間帯と重なる可能性があり、その結果どの目標ユーザーに問い合わせるべきかが決定できない場合を勘案して、この場合の問い合わせロジックを予め定義しておいてもよい。例えば、まず識別時間帯が早い目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に識別時間帯が遅い別の目標ユーザーに問い合わせることになる。又は、まず識別時間帯が遅い目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に識別時間帯が早い別の目標ユーザーに問い合わせることになる。又は、まず時間偏差が小さい識別時間帯に対応の目標ユーザーに問い合わせて、その目標ユーザーでなければ、次に時間偏差が大きい識別時間帯に対応の別の目標ユーザーに問い合わせることになる。このようにして、問い合わせを正常に行え、目標ユーザーへの問い合わせ漏れを避け、問い合わせの精度を高めることができる。
【0087】
家電機器のレーダーが活動対象の活動軌跡を追跡することができ、レーダーにより追跡された活動軌跡は、活動対象のレーダーに対しての活動方位と距離を含んでもよい。レーダーは、追跡した活動軌跡によって屋内の配置を識別できる。例えば、左前方10メートルがキッチン、正面5メートルがダイニングルーム、右前方3メートルが書斎である。
【0088】
活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定した場合、該活動対象の活動軌跡を、該目標ユーザーの識別位置の空間情報として、活動対象の活動軌跡と識別位置との空間的な対応関係を確立することで、該空間的な対応関係に基づいて、識別位置の空間情報を決定することができる。
【0089】
空間的な対応関係、及び目標ユーザーの識別条件の識別時間帯に基づいて、目標ユーザーの所定生活軌跡情報を生成する。すなわち、目標ユーザーの所定生活軌跡は、目標ユーザーの識別時間帯と予め指定された目標ユーザーの活動軌跡を含む。
【0090】
一例において、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの識別時間帯が朝6時から朝7時で、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの識別位置がキッチンで、第一時間偏差が30分の場合、活動時刻が朝5時30分から朝7時30分の間の任意の時刻であれば、活動時刻が朝6時から朝7時の識別時間帯にあると決定される。
【0091】
更に、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーBの識別時間帯は朝7時30分から朝8時である。検出された活動対象が監視範囲内に現れた時の活動時刻は7時10分で、検出された活動対象が監視範囲内での活動軌跡は、監視範囲の左側に現れて、家電機器の左前方8.5メートルの位置から、左前方11.5メートルの位置へ移動し、家電機器の左前方11.5メートル付近で停止又は動作微調整を行うことである。
【0092】
活動時刻が、朝6時から朝7時という識別時間帯との時間偏差が小さい一方で、朝7時30分から朝8時という識別時間帯との時間偏差が大きいため、まず、活動対象に対して、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAであるかどうかを、問い合わせてもよい。操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAでないと決定した場合、次に、活動対象が、活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーBであるかどうかを問い合わせる。活動対象の操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAであると決定した場合、活動対象の活動軌跡を、キッチンの空間情報として、活動対象の活動軌跡とキッチンの空間的な対応関係を確立し、「6:00-7:00、監視範囲の左側に現れ、左前方8.5メートルから11.5メートルの範囲へ移動し、停止又は動作微調整を行う」という内容を、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーAの所定生活軌跡情報とする。
【0093】
本願の一実施例において、比較モジュール14は、現在ユーザーの現在時刻と目標ユーザーの所定時間帯がマッチングしているかどうか、及び現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡がマッチングしているかどうかを判断することに更に用いられる。
【0094】
このように、生活軌跡情報と所定生活軌跡情報を比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかをより正確に決定することができる。
【0095】
具体的には、所定時間帯は上述の識別時間帯であってもよい。所定時間帯には、開始時刻、終了時刻、及び、開始時刻と終了時刻間の他の時刻が含まれてもよい。所定軌跡は、上述の予め指定された目標ユーザーの活動対象の活動軌跡であってもよい。
【0096】
現在時刻は、現在ユーザーが検出された時刻と理解され得る。具体的には、現在ユーザーが初めて検出された時刻であったり、現在ユーザーが所定頻度で再度検出された時刻であったりしてもよいが、これに限定されない。
【0097】
比較モジュール14は、時間帯マッチングのステップと、軌跡マッチングのステップを実行できることが理解されるであろう。ここで、まず、時間帯マッチングのステップを実行して、次に軌跡マッチングのステップを実行してもよければ、まず、軌跡マッチングのステップを実行して、次に時間帯マッチングのステップを実行してもよいが、これに限定されない。
【0098】
更に、監視範囲内の現在ユーザーに対する監視は、継続的に行われる過程であり、すなわち、得られる現在時刻は継続的に更新されていくため、現在時刻と所定時間帯との1回目のマッチングの結果は、現在時刻と所定時間帯との2回目のマッチングのステップには影響しない。すなわち、現在ユーザーの現在軌跡と所定軌跡が互いにマッチングしている際に、1回目の時間帯マッチングのステップにおいて、現在ユーザーの現在時刻が目標ユーザーの所定時間帯とマッチングしていないと決定した場合、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーではないと今回で決定される。しかし、2回目の時間帯マッチングのステップにおいて、該現在ユーザーの現在時刻と目標ユーザーの所定時間帯が互いにマッチングしていると決定した場合、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定することができる。
【0099】
本願の一実施例において、学習モジュール16は、現在ユーザーの現在時刻が目標ユーザーの所定時間帯にあり、現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡との間の一致度が所定閾値以上である場合、現在ユーザーが目標ユーザーであると決定することに更に用いられる。
【0100】
このように、時間帯の比較結果及び軌跡の比較結果を組み合わせることにより、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかをより正確に決定することができる。
【0101】
具体的には、現在時刻が所定時間帯にあるとは、現在時刻が所定時間帯の開始時刻に等しく、現在時刻が所定時間帯の終了時刻に等しく、又は、現在時刻が開始時刻と終了時刻間の他の時刻に等しいと理解され得る。なお、いくつかの実施例において、目標ユーザーの実際の現れる時刻が予め設定された識別時間帯からわずかにずれる可能性を勘案し、そのような場合でも目標ユーザーをタイムリーに発見できるように確保するには、第二時間偏差を設定してもよい。すなわち、所定時間帯の開始時刻の前で第二時間偏差以内、又は、所定時間帯の終了時刻の後で第二時間偏差以内にある現在時刻が、いずれも、所定時間帯にあると見なされる。すなわち、現在時刻が所定時間帯にあるとは、現在時刻が所定時間帯の開始時刻の前で第二時間偏差の時刻に等しく、又は、所定時間帯の終了時刻の後で第二時間偏差の時刻に等しく、又は、開始時刻の前で第二時間偏差の時刻と終了時刻の後で第二時間偏差の時刻との間の他の時刻に等しいと更に理解され得る。いくつかの実施例において、第二時間偏差は30分に設定される。いくつかの実施例において、第二時間偏差は20分に設定される。他の実施例において、第二時間偏差は更に他の数値に設定され得るが、これに限定されない。
【0102】
いくつかの実施例において、所定閾値が85%である。すなわち、現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡間の一致度が85%に達する又はそれを超える場合(例えば90%、95%、100%の場合)、現在軌跡と所定軌跡とのマッチングが成功したと見なされ得る。現在ユーザーの現在軌跡と目標ユーザーの所定軌跡間の一致度が85%未満の場合、現在軌跡が所定軌跡とマッチングできないと見なされ得る。
【0103】
一例において、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーの所定時間帯は、朝6時から朝7時である。また、操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーの所定軌跡は、監視範囲の左側に現れ、左前方8.5メートルから11.5メートルの範囲へ移動し、停止又は動作微調整を行うことである。現在ユーザーが検出された現在時刻は朝6時20分であり、現在ユーザーの現在軌跡は、監視範囲の左側に現れ、左前方8.4メートルから11.5メートルの範囲に移動し、停止したことである。現在軌跡と所定軌跡の一致度が85%を超えており、かつ現在時刻が所定時間帯に該当しているため、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであると決定できる。
【0104】
本願の一実施例において、制御装置100は、プロファイリングモジュールを更に含む。プロファイリングモジュールは、現在ユーザーが目標ユーザーでない場合、現在ユーザーに対してプロファイリングの指示を行うことに用いられる。
【0105】
このように、現在ユーザーが、プロファイリングの指示に従ってプロファイリングを完了させた場合、家電機器に対する現在ユーザーの制御習慣に関して自己学習を行うことができる。
【0106】
具体的には、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、リモコンなどの端末機器により、プロファイリングの指示を行ってもよい。プロファイリングの指示の方式には、テキスト指示及び/又は音声指示が含まれてもよい。プロファイリングの指示の内容には、「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」というものが含まれ得る。
【0107】
いくつかの実施例において、制御装置100は、入力モジュールを更に含む。入力モジュールは、現在ユーザーにプロファイリングが必要であると決定した場合、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを提供することと、インタラクティブなインターフェースへの入力情報に基づいて現在ユーザーの識別条件を決定し、該現在ユーザーを目標ユーザーの一人として、該現在ユーザーの家電機器に対する制御習慣に関して自己学習を行うこととに用いられる。
【0108】
一例において、携帯電話により、現在ユーザーにプロファイリングを指示する。携帯電話には、表示スクリーンが含まれており、ユーザーへプロファイリングの指示が必要な時、携帯電話の表示スクリーンには、「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」という指示文が表示される。同時に、携帯電話の表示スクリーンには、「はい」を示す選択ボタンと「いいえ」を示すキャンセルボタンが提供される。キャンセルボタンがトリガーされたことを検出した場合、現在ユーザーには、プロファイリングが必要でないと決定し、現在のインターフェースから退出させる。選択ボタンがトリガーされたことを検出した場合、現在ユーザーには、プロファイリングが必要であると決定してから、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを提供する。
【0109】
別の一例において、ユーザーにより、現在ユーザーにプロファイリングを指示する。携帯電話には、音声認識機能を備えており、携帯電話にはスピーカーと表示スクリーンが含まれており、ユーザーへプロファイリングの指示が必要な時、携帯電話のスピーカーから「制御習慣に関して自己学習が必要でしょうか?必要であれば、指示に従って識別条件を入力してください」というのを指示音声で伝える。現在ユーザーから発せられた音声に従って、現在ユーザーには、プロファイリングが必要でないという指令を受け取った場合、今回の検出した現在ユーザーを無視する。現在ユーザーから発せられた音声に従って、現在ユーザーには、プロファイリングが必要であるという指令を受け取った場合、識別条件を入力するためのインタラクティブなインターフェースを表示スクリーンにより提供する。
【0110】
なお、上述の言及した具体的な数値は本願の実施を詳しく説明するための例としてのみ提供されているものであり、本願に対する制限と理解され得ない。他の例、実施形態、実施例においては、本願に基づき、他の数値を選択してもよいが、これに具体的な限定がされない。
【0111】
図7を参照されたい。本願の実施例に係る電子機器200は、1つ又は複数のプロセッサ22及びメモリ24を含み、メモリ24にはコンピュータプログラム26が記憶されており、コンピュータプログラム26がプロセッサ22により実行されると、上述の実施例のいずれか1つに係る家電機器の制御方法のステップを実現する。
【0112】
本願の実施例に係る家電機器によれば、現在ユーザーの生活軌跡情報と予め保存された目標ユーザーの所定生活軌跡情報とを比較することで、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーであるかどうかを決定でき、それに、現在ユーザーが、現在ユーザーの操作習慣に関して自己学習されるべき目標ユーザーである場合、該目標ユーザーの家電機器に対する設定パラメータに関して自己学習を行うことで、異なるユーザーごとに自己学習モデルの確立を実現して、ユーザー体験を向上させる。
【0113】
なお、上述の制御方法の実施例や有益な効果の釈明及び説明は、本実施例の電子機器200にも適用される。冗長を避けるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0114】
本願の一実施例において、プロセッサ22が上述のステップS11、ステップS13、ステップS15、及びステップS17を実行するために用いられる。
【0115】
本願の一実施例において、プロセッサ22が上述のステップS21、ステップS23、ステップS25、ステップS27、及びステップS29を実行するために用いられる。
【0116】
本願の一実施例において、プロセッサ22が上述のステップS131を実行するために用いられる。
【0117】
本願の一実施例において、プロセッサ22が上述のステップS151を実行するために用いられる。
【0118】
本願の一実施例において、プロセッサ22が上述のステップS19を実行するために用いられる。
【0119】
本願の一実施例において、電子機器200が家電機器又はサーバーである。
【0120】
このように、家電機器により上述の家電機器の制御方法を実現してもよければ、サーバーによりも家電機器の制御方法を実現してもよい。
【0121】
具体的には、いくつかの実施例において、1つの家電機器により別の家電機器の制御方法を実現できる。一例において、スマート冷蔵庫により、エアコンの制御方法を実現してもよい。別の一例において、寝室のエアコンによりリビングのエアコンの制御方法を実現してもよい。
【0122】
本願の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、プログラムがプロセッサにより実行された場合、上述の実施例のいずれか1つに係る家電機器の制御方法のステップを実現する。
【0123】
一例において、プログラムがプロセッサにより実行されると、上述の制御方法のステップS11、ステップS13、ステップS15、及びステップS17を実現できる。一例において、プログラムがプロセッサにより実行されると、上述の制御方法のステップS21、ステップS23、ステップS25、ステップS27及びステップS29を実現できる。一例において、プログラムがプロセッサにより実行されると、上述の制御方法のステップS131を実現できる。一例において、プログラムがプロセッサにより実行されると、上述の制御方法のステップS151を実現できる。一例において、プログラムがプロセッサにより実行されると、上述の制御方法のステップS19を実現できる。
【0124】
具体的には、コンピュータ可読記憶媒体はサーバーに設置され得るし、家電機器に設置され得、家電機器はサーバーと通信して、対応するプログラムを取得することができる。
【0125】
コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムコードを含んでいることが、理解されるであろう。コンピュータプログラムコードは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、実行可能なファイルやある種の中間形式などであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムコードをキャリーすることができる任意の実体や装置、記録媒体、USBメモリ、移動式ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)及びソフトウェア配布媒体などが含まれてもよい。
【0126】
プロセッサは中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPUであってもよく、また、他の一般的なプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field- Programmable Gate Array、FPGA)又はその他のプログラマブルなロジックデバイス、ディスクリートロジックやトランジスタ・ロジックデバイス、ディスクリートハードウェア部品などであってもよい。
【0127】
本明細書の説明における「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体例」、或いは「いくつかの例」等の表現は、実施例又は例が説明された具体的特徴、構造、材質又は特性が本願の1つ以上の実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書における上述の用語の示意的表現は、必ずしも同一の実施例又は例を指すわけではない。また、具体的特徴、構造、材質又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることもできる。
【0128】
フローチャートで示されるか、又は、ここで他の方式で述べられる任意の過程又は方法は、ステップは、特定のロジック機能又は過程のステップを実現するための実行可能な指令のコードのモジュール、セグメント、又は部分として理解され得る。そして、本願の好適な実施例の範囲には、図示されたり議論されたりした順序に従わず、関連する機能に基づいて本質的に同時に、あるいは逆の順序で機能を実行する追加の実現も含まれる。これは、本願の技術分野に属する当業者によって理解されるであろう。
【0129】
フローチャートで示されるか、又は、ここで他の方式で述べられるロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な指令の順序リストと見なされ得る。このリストは、指令実行システム、装置、あるいは機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、処理モジュールを含むシステム、又は指令を指令実行システム、装置、あるいは機器から受け取って実行することができるその他のシステム)によって使用されるため、又は、これらの指令実行システム、装置あるいは機器と組み合わせて使用されるために、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現され得る。本明細書について、「コンピュータ可読媒体」とは、指令実行システム、装置、あるいは機器によって、又は、それらと組合せて使用されるプログラムを含む、記憶する、通信する、伝播する、あるいは伝送することができる任意の装置である。「コンピュータ可読媒体」のより具体的な例には、1つ以上の配線を有する電気的接続部、携帯型コンピュータディスクケース(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及び、携帯型CD-ROMが含まれる(非網羅的リスト)。また、コンピュータ可読媒体は、プログラムをプリントすることができる紙やその他の適切な媒体であることすらある。これは、紙やその他の媒体を光学スキャンしてから、編集、解釈、又は必要に応じて他の適当な方式で処理し、電子的方式により前記プログラムを得て、それをコンピュータのメモリに記憶できるからである。
【0130】
本願の各実施例の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせによって実現することができると理解されるであろう。上述の実施例において、複数のステップや方法が、メモリに記憶された適切な指令実行システムによって実行されるソフトウェアやファームウェアにより実現され得る。例えば、ハードウェアで実現される場合、別の実施例と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するロジックゲート回路を持つ離散ロジック回路、適切な組み合わせのロジックゲート回路を持つ特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の、本分野で公知の任意の技術の1つ又はそれらの組み合わせにより実現され得る。
【0131】
当業者であれば、上述の実施例における方法における全て又は一部のステップが、プログラムによって関連するハードウェアへの指令を介して実現可能であることが理解できる。前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、プログラムの実行時には、方法実施例のステップの1つ又はその組み合わせを含む。
【0132】
また、本願の各実施例において、各機能ユニットは1つの処理モジュール内に統合されるか、個々に物理的に存在するか、又は2つ以上のユニットが1つのモジュール内に統合され得る。上述の統合されたモジュールはハードウェアの形式で実現されてもよいか、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。前記統合されたモジュールがソフトウェア機能モジュールの形式で実現された場合、独立した製品として販売や使用される際にもコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0133】
上述の記憶媒体は読み出し専用メモリ、ディスク、光ディスク等であってもよい。
【0134】
本願の実施例が示され、説明されたとはいえ、当業者であれば、上述の実施例は、例示的なもので、本願に対する限定として理解され得ず、本願の範囲において、上述の実施例に対して変更、組み合わせ、修正、置換、及び変型を行えることが、理解されるであろう。
【国際調査報告】