(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた車両
(51)【国際特許分類】
B60G 17/016 20060101AFI20241212BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20241212BHJP
B60W 10/22 20060101ALI20241212BHJP
F16D 63/00 20060101ALI20241212BHJP
B60T 1/14 20060101ALI20241212BHJP
B60G 17/015 20060101ALI20241212BHJP
B60G 17/017 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B60G17/016
B60W10/08
B60W10/22
F16D63/00 Z
B60T1/14
B60G17/015
B60G17/015 B
B60G17/017
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529229
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2022060417
(87)【国際公開番号】W WO2023084352
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤマザキ テッド
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン トニー
【テーマコード(参考)】
3D241
3D301
3J058
【Fターム(参考)】
3D241AA31
3D241AA65
3D241AC04
3D241AC26
3D241AE12
3D241AE41
3D301AA48
3D301BA20
3D301CA01
3D301DA50
3D301EA05
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3D301EB01
3D301EB09
3D301EB20
3D301EB44
3D301EC01
3D301EC05
3D301EC06
3D301EC44
3J058AB39
3J058GA12
3J058GA41
3J058GA92
(57)【要約】
サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた車両が提供される。車両は、車体と、車体のベースに結合されたシャーシとを含む。車両はさらに、シャーシのベース面に結合されている運動抵抗部材と、シャーシに結合された車輪組立体と、車輪組立体及びシャーシに結合されたサスペンションユニットとを含む。作動状態において、サスペンションユニットは、運動抵抗部材の少なくとも一部がシャーシのベース面の下方の地面に接触するまで、シャーシを第1の方向に移動させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体のベースに結合されたシャーシと、
前記シャーシのベース面に結合されている運動抵抗部材と、
前記シャーシに結合された車輪組立体と、
前記車輪組立体及び前記シャーシに結合されたサスペンションユニットと、
を備える車両であって、
作動状態において、前記サスペンションユニットは、前記運動抵抗部材の少なくとも一部が前記シャーシの前記ベース面の下方の地面に接触するまで、前記シャーシを第1の方向に移動させるように構成されている、車両。
【請求項2】
前記運動抵抗部材は、前記シャーシの前記ベース面に結合された1又は2以上のグリップパッドを備え、
前記1又は2以上のグリップパッドは、前記シャーシの長さ方向に沿って互いに同じ間隔を置いて配置されており、前記地面に接触する前記運動抵抗部材の前記一部は、前記1又は2以上のグリップパッドの表面部分で構成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記表面部分は、複数の前記グリップパッドの第1の端部又は複数の前記グリップパッドの第2の端部のうちの少なくとも一方に対応する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記運動抵抗部材は、1又は2以上の車輪を備え、
前記1又は2以上の車輪の各々は、車輪組立体の車輪のサイズよりも小さいサイズを有し、
前記地面と接触する前記運動抵抗部材の前記一部は、1又は2以上の車輪の表面部分に対応する、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記シャーシの前記第1の方向への移動は、前記シャーシの前記ベース面の下方の前記地面に対する前記シャーシの高さ又は前記シャーシの傾きのうちの少なくとも一方の調整に対応する、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記シャーシの前記第1の方向への移動は、枢動軸の周りの前記シャーシの第1の端部の第1の回転運動と、それに続く、前記枢動軸の周りの前記シャーシの第2の端部の第2の回転運動とを含み、
前記枢動軸は、前記車輪組立体の車輪の回転軸に実質的に平行である、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記車輪組立体は、前記車両の前記車体上の車輪取り付け位置のセットに配置された車輪のセットを備え
前記車輪のセットの各車輪は、前記シャーシのそれぞれの部分に取り外し可能に結合されている、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記車体は、前記車輪取り付け位置のセットの各車輪取り付け位置の区域を覆うカバーを備え、
前記車輪のセットの各車輪は、前記カバーを取り外した後、前記運動抵抗部材の一部が地面に接触した後に、取り外し可能である、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記車輪のセットの各車輪の周りにインホイールモータを含む駆動システムをさらに含み、前記車輪のセットの各車輪は、前記インホイールモータによって動力が供給される、請求項7に記載の車両。
【請求項10】
前記シャーシは、前記車輪組立体の1又は2以上の構成要素を保持するように構成されている車軸をさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
前記サスペンションユニットは、アクティブサスペンション機構に対応する、請求項1に記載の車両。
【請求項12】
前記車両は、前記サスペンションユニットに通信可能に接続された電子制御装置をさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項13】
前記電子制御装置は、前記サスペンションユニットの動作状態を、初期状態から、前記初期状態とは異なる作動状態に変更するように構成されている、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
センサのセットと、
前記センサのセットに通信可能に接続された電子制御装置と、
をさらに備え、
前記電子制御装置は、
前記車両を駐車させるために前記シャーシの前記第1の方向への移動を許可する要求に対応する第1の入力を受け取り、
前記センサのセットうちの1又は2以上のセンサから第1の情報を受け取る、
ように構成されており、
前記第1の情報は、前記シャーシの前記ベース面の下方の前記地面に障害物がないことを示し、
前記電子制御装置は、前記サスペンションユニットの動作状態を、初期状態から、前記初期状態とは異なる作動状態に変更するように構成されており、
前記変更は、受け取った前記第1の入力及び受け取った前記第1の情報に基づいて行われる、請求項12に記載の車両。
【請求項15】
前記電子制御装置は、
前記シャーシの前記ベース面の下方の前記地面を、傾斜路面、平坦路面、凹凸路面、又はバンク路面のうちの1つに分類し、
前記分類に基づいて、前記サスペンションユニットの動作状態を初期状態から作動状態に変更する、
ように構成されている、請求項12に記載の車両。
【請求項16】
前記電子制御装置は、
前記車両においてアクセル又はブレーキに加えられる強度を特定し、
特定された前記強度に基づいて、前記サスペンションユニットの動作状態を初期状態から作動状態に変更する、
ようにさらに構成されている、請求項12に記載の車両。
【請求項17】
前記電子制御装置は、
前記センサのセットのうちの1又は2以上のセンサから、前記車両及び前記車両の周囲環境に関連する第2の情報を受け取り、
受け取った前記第2の情報に基づいて、前記車両に関連する緊急事態を示す1又は2以上のパラメータを検出し、
検出された前記1又は2以上のパラメータに基づいて、前記サスペンションユニットの動作状態を初期状態から作動状態に変更する、
ように構成されている、請求項12に記載の車両。
【請求項18】
前記車体の外側部分に設けられた格納トリガをさらに備え、前記電子制御装置は、
前記車体の前記外側部分の前記格納トリガを介して第2の入力を受け取り、
受け取った前記第2の入力に基づいて、前記サスペンションユニットの動作状態を、作動状態から初期状態に変更する、
ようにさらに構成されており、
前記初期状態への変更に基づいて、前記サスペンションユニットは、前記地面と前記運動抵抗部材の前記一部との間の接触を解除するために、前記シャーシを第2の方向に移動させるように構成されている、請求項12に記載の車両。
【請求項19】
車両を配置するステップであって、前記車両は、
車体と
前記車体のベースに結合されたシャーシと、
前記シャーシのベース面に結合されている運動抵抗部材と、
前記シャーシに結合された車輪組立体と、
前記車輪組立体及び前記シャーシに結合されたサスペンションユニットと、
を備える、ステップと、
前記サスペンションユニットの動作状態を、作動状態に変更するステップと、
を含む方法であって、
前記作動状態において、前記サスペンションユニットは、前記運動抵抗部材の少なくとも一部が前記シャーシの前記ベース面の下方の地面に接触するまで、前記シャーシを第1の方向に移動させる、方法。
【請求項20】
前記運動抵抗部材は、前記シャーシの前記ベース面に結合された1又は2以上のグリップパッドを備え、
前記1又は2以上のグリップパッドは、前記シャーシの長さに沿って互いに等しい間隔に置かれており、前記地面と接触する前記運動抵抗部材の前記一部は、前記1又は2以上のグリップパッドの表面部分で構成されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年11月15日出願の米国特許出願番号17/526,892号の優先権を主張するものである。上記出願は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示の様々な実施形態は、車両技術及び高度なサスペンション及びブレーキシステムに関する。より具体的には、本開示の様々な実施形態は、サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた車両に関するものとすることができる。
【背景技術】
【0003】
車両技術の進歩により、様々な地形、気象条件、及び/又は速度要件に対する車両のブレーキ性能を向上させる様々なタイプのブレーキ機構が開発されている。車両の速度を上昇させるためには、前進運動をもたらす力が必要となる場合がある。同様に、停止又は減速するためには、反対方向(後方)への動きをもたらす力が必要となる場合がある。これらの力は、路面と接触することができるタイヤの一部によって、車両のタイヤと路面との間で伝達することができる。路面と接触しているタイヤの部分は、通常、接触面と呼ばれる。接触面は、ブレーキ性能、並びに、車両の走行性能又は乗り心地に関するパラメータに影響を与える場合がある。多くの運転者及び車両製造業者は、車両の乗り心地及びハンドリング性能を最適化するために、接触面のサイズ及び形状、並びに接触面内の圧力分布を考慮に入れている。空気式タイヤを使用する車両は、車両が動いているか又は静止しているかによって、接触面のサイズが異なる可能性がある。加えて、タイヤのサイズ、タイヤにかかる荷重、タイヤの膨張圧など、さまざまな要因によって、接触面のサイズ及び形状が車両ごとに異なる可能性がある。多くの車両、特に最新の電気自動車は、既知のほとんどの燃焼式車両よりも軽量である。このような車両の接触面は、通常よりも小さくなる可能性があり、その結果、車両のブレーキ性能及びハンドリング性能が低下する可能性がある。
【0004】
従来の及び伝統的手法のさらなる制限及び欠点は、本出願の残りの部分に記載され、図面を参照しながら、記載されたシステムと本開示のいくつかの態様との比較を通じて、当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた車両は、特許請求の範囲により完全に規定されるように、図の少なくとも1つに実質的に示され、及び/又はそれに関連して説明されるように提供される。
【0006】
本開示のこれらの及び他の特徴及び利点は、全体を通して同様の参照数字が同様の要素を指す添付図面と共に本開示の以下の詳細な説明を検討することから理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態による、サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた例示的な車両の概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、車両の動きを抑制するために、シャーシと結合された電子制御装置を含む例示的な車両の概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図1の車両の動きを抑制するための第1の例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連するシナリオを示す概略図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連するシナリオを示す概略図である。
【
図4C】本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連するシナリオを示す概略図である。
【
図4D】本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連するシナリオを示す概略図である。
【
図4E】本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連するシナリオを示す概略図である。
【
図5A】本開示の一実施形態による、
図1の車両を駐車させるための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図5B】本開示の一実施形態による、
図1の車両を駐車させるための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図6A】本開示の一実施形態による、
図1の車両の緊急ブレーキのための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図6B】本開示の一実施形態による、
図1の車両の緊急ブレーキのための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図6C】本開示の一実施形態による、
図1の車両の緊急ブレーキのための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、
図1の車両の車輪を取り外すための例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、
図1の車両の動きを抑制するための第2の例示的なシナリオを示す概略図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、シャーシと、シャーシに結合された車軸とを含む例示的な車両の概略図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、
図1の車両のシャーシを介して車両の動きを抑制する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施態様は、自動車などの車両に見出すことができる。車両は、車体と、車両の車体のベースに結合されたシャーシとを含むことができる。車両は、シャーシのベース面に結合することができ運動抵抗部材(1又は2以上のグリップパッド又は車輪など)をさらに含むことができる。随時、車両が減速しようとする場合、緊急ブレーキをかけようとする場合、又は道路などの路面に駐車させようとする場合、シャーシのベース面は、運動抵抗部材又はその一部がベース面の下方の地面に接触するような方向(下方など)に移動することができる。地面との接触により、路面には、車両の車輪によって発生する摩擦に加えて、追加の摩擦が発生する可能性がある。生成された総摩擦に基づいて、車両は、緊急ブレーキ時に制動距離を短縮すること、及び車両を安全に駐車又は減速させるために必要な付加的な力を得ることができる。運動抵抗部材は、車両の典型的な車輪によって提供される接触面と比較して、路面との付加的な接触領域を提供することができる。
【0009】
図1は、本開示の実施形態による、サスペンション制御式運動抵抗部材を備えた例示的な車両の概略図である。
図1を参照すると、車両102が示されている。車両102は、例えば、自動車技術会(SAE)の自動化レベルによって定義されるように、非自律車両、半自律車両、又は完全自律車両であるための条件を備えることができる。推進力の種類に基づいて、車両102は、化石燃料ベースの車両、電気推進力ベースの車両、水素燃料ベースの車両、太陽光発電車両、又はハイブリッド車両(1又は2以上の別個の再生可能又は非再生可能な動力源を使用する車両など)のうちの1つに分類することができる。車両102の例としては、限定されるものではないが、二輪車両、三輪車両、四輪車両、又は任意数の車輪又は車輪に代わる他の何らかのものを使用する推進機構を有する地上輸送車両が挙げられる。
【0010】
車両102は、車体104を含むことができる。車体104は、車両102の第1の部分(上部など)を囲むことができる、少なくとも1つのピラーを有するフレームとすることができる。一実施形態において、少なくとも1つのピラー(Aピラー、Bピラー、Cピラー、又はDピラーなど)は、車両102に関連する車両長さ方向から実質的に垂直な方向に延びることができる。一実施形態では、車体104は、車両102の複数の構成要素を収容するための複数の取り付け位置を含むことができる。例えば、車体104は、車両102の少なくとも1つの車輪を取り付けるための少なくとも1つの車輪取り付け位置を含むことができる。別の例として、車体104は、少なくとも1つの車輪取り付け位置を部分的に囲むために、少なくとも1つの車輪取り付け位置の区域(section)を覆うカバーを含むことができる。別の例として、車体104は、車両102のシャーシ106の上に配置することができるベース104A(すなわち、シャーシ取り付け位置)を含むことができる。一実施形態では、ベース104Aは、車両102のシャーシ106に取り付けられるように構成することができる、少なくとも1つの車輪に隣接して配置することができる。
【0011】
シャーシ106は、一対のサイドメンバ間に少なくとも1つのクロスメンバを有するフレームとすることができ、車両102の荷重を支持するように構成することができる。一実施形態では、少なくとも1つのクロスメンバは、車両102の長さ方向と実質的に平行な方向に延在することができる。一実施形態では、シャーシ106は、車体104のベース104Aに結合することができる。例えば、シャーシ106は、車体104のベース104Aに一体的に溶接すること又は車体104のベース104Aに取り外し可能に固定することができる。一実施形態では、シャーシ106は、ベース面106Aを含むことができ、ベース面106Aは、車両102の運動抵抗部材108と結合されるように構成することができる。
【0012】
運動抵抗部材108は、取り付け具を介して、シャーシ106のベース面106Aに結合することができる。取り付け具の例としては、限定されるものではないが、機械的ファスナ、化学接着剤、磁気ラッチ、溶接ジョイント、又は電磁ラッチを挙げることができる。一実施形態では、運動抵抗部材108は、シャーシ106の長さに沿って配置することができる。例えば、運動抵抗部材108は、シャーシ106の長さに実質的に平行とすることができる方向に配置することができる。
【0013】
運動抵抗部材108は、シャーシ106のベース面106Aの下方の地面と接触するように構成することができる。地面との接触は、車両102を停止、減速、又は駐車させる要求に基づいて制御することができる。一実施形態によれば、運動抵抗部材108は、ゴム材料で作ることができる。ゴム材料(例えば、合成ゴム)は、運動抵抗部材108が地面に接触したときに発生する可能性がある衝撃を弾性的に緩和するように構成することができる。衝撃は、例えば、車両102が停止又は減速のために減速する際に発生する場合がある。別の実施形態では、運動抵抗部材108は金属材料で作ることができる。金属材料(例えば、熱間圧延鋼)は、運動抵抗部材108が地面に接触したときに発生する可能性がある衝撃に対する耐摩耗性を改善するように構成することができる。別の実施形態では、運動抵抗部材108は、複合材料(例えば、炭素繊維)及び/又は強化材料(例えば、炭素繊維強化ポリマー)で作ることができる。複合材料及び/又は強化材料は、運動抵抗部材108が地面に接触したときに発生する可能性がある衝撃の荷重伝達経路を改善するように構成することができる。運動抵抗部材108又は運動抵抗部材108の少なくとも一部(ベース面106aの下方で地面に接触する可能性がある)を作るために使用することができる材料の他の例としては、限定されるものではないが、アスベスト有機物、非アスベスト有機物、半金属、焼結金属、及び炭素複合材を挙げることができる。運動抵抗部材108の詳細は、例えば
図3にさらに記載されている。
【0014】
車両102は、車輪組立体110をさらに含むことができる。車輪組立体110は、シャーシ106に結合することができる。一実施形態によれば、車輪組立体110は、車両102の車体上の車輪取り付け位置のセットに配置され、シャーシ106の対応する部分に結合された車輪112のセットを含むことができる。一例として、第1の車輪112Aは、第1の車輪取り付け位置114Aに配置され、シャーシ106の第1の部分に取り外し可能に結合することができる。第2の車輪112Bは、第2の車輪取り付け位置114Bに配置され、シャーシ106の第2の部分に取り外し可能に結合することができる。車両102は、車両102の車体上のそれぞれの車輪取り付け位置に配置され、シャーシ106のそれぞれの部分に取り外し可能に結合することができる任意数の車輪(例えば、3つの車輪、4つの車輪など)を含むことができることに留意されたい。
【0015】
一実施形態では、車体104は、第1のカバー116A及び第2のカバー116Bを含むことができる。第1のカバー116Aは、第1の車輪取り付け位置114Aの区域を覆って取り外し可能に配置することができる。例えば、第1のカバー116A及び車体104は、第1の解除部材118Aを介して結合することができ、この解除部材118Aは、第1のカバー116Aを車体104から取り外すように構成することができる。第2のカバー116Bは、第2の車輪取り付け位置114Bの区域を覆って取り外し可能に配置することができる。例えば、第2のカバー116B及び車体10とは、第2の解除部材118Bを介して結合することができ、この第2の解除部材118Bは、第2のカバー116Bを車体104から取り外すように構成することができる。
【0016】
第1のカバー116A及び第2のカバー116Bは、ユーザの要求に基づいて、それぞれ第1の解除部材118A及び第2の解除部材118Bを用いて取り外すことができる。一実施形態では、第1の解除部材118A及び第2の解除部材118Bは、対応するカバーを車体104から取り外すように構成することができる機械的に固定された部材(スライド可能なラッチなど)とすることができる。別の実施形態では、第1の解除部材118A及び第2の解除部材118Bは、対応するカバーを車両102の車体104から取り外すように構成することができる電磁解除部材(電磁ラッチなど)とすることができる。
【0017】
車両102は、車輪組立体110及びシャーシ106に結合することができるサスペンションユニット120をさらに含むことができる。例えば、サスペンションユニット120は、車輪組立体110とシャーシ106との間に配置することができる。一実施形態によれば、サスペンションユニット120は、車輪組立体110とシャーシ106との間に配置することができるアクティブサスペンション機構に対応することができる。アクティブ状態において、サスペンションユニット120は、車両102のシャーシ106又は車体104に対する車両102の車輪112のセットの垂直方向の動きを制御する車載制御システムを含むことができる。アクティブサスペンション機構の実施構成としては、限定されるものではないが、油圧駆動、油圧サスペンションの電子駆動、アクティブアンチロールバー、電磁回復式、アクティブホイール、ソレノイド/バルブ駆動、及び磁気粘性ダンパーを挙げることができる。別の実施形態によれば、サスペンションユニット120は、セミアクティブサスペンション機構又はパッシブサスペンション機構に対応することができる。
【0018】
作動状態において、サスペンションユニット120は、運動抵抗部材108の少なくとも一部がシャーシ106のベース面106aの下方の地面に接触するまで、シャーシ106を第1の方向に移動させるように構成することができる。例えば、第1の方向は、シャーシ106のベース面106Aからの下向きの方向に対応することができ、これはシャーシ106のベース面106Aの下方の地面に向けることができる。
【0019】
一実施形態によれば、第1の方向へのシャーシ106の移動は、シャーシ106のベース面106Aの下方の地面に対するシャーシ106の高さ又はシャーシ106の傾きのうちの少なくとも一方の調整に対応することができる。例えば、シャーシ106は、地面に対して直線的に移動させて、地面に対するシャーシ106の高さを調整することができる。このような場合、シャーシ106に平行な運動抵抗部材108の全表面部が地面に接触することができる。いくつかの実施形態では、シャーシ106は、地面に対して非線形に移動させて、地面に対するシャーシ106の傾きを調整することができる。いくつかの他の実施形態では、シャーシ106の移動は、車輪組立体110の車輪(車輪112のセットなど)の回転軸BB’に実質的に平行とすることができる枢動軸AA’の周りとすることができる。運動抵抗部材108の第1の端部(例えば、前端部)又は運動抵抗部材108の第2の端部(例えば、後端部)などの部分は、地面に接触することができる。いくつかの実施形態では、車両102の車体104は、シャーシ106の移動とともに下に移動することができる。運動抵抗部材108の動きの詳細は、例えば
図3にさらに提示されている。
【0020】
一実施形態によれば、車両102は、車輪112のセットの各車輪の周りにインホイールモータを含むことができる駆動システム122をさらに含むことができる。駆動システム122は、車両102の様々な電気的又は電気機械的構成要素への電力の伝送を制御するように構成することができる適切な論理回路、回路、及びインタフェースを含むことができる。
【0021】
第1のインホイールモータ124Aのようなインホイールモータは、車輪組立体110の第1の車輪112Aに結合することができる。第2のインホイールモータ124Bは、車輪組立体110の第2のインホイールモータ124Bに結合することができる。同様に、それぞれのインホイールモータは、車輪112のセットの第3の車輪及び第4の車輪(図示せず)に結合することができる。さらに、第1のインホイールモータ124A及び第2のインホイールモータ124Bなどのインホイールモータは、車両102のそれぞれの車輪に動力を供給するように構成することができる。例えば、第1のインホイールモータ124Aは、第1の車輪112Aに動力を供給するように構成することができ、第2のインホイールモータ124Bは、第2の車輪112Bに動力を供給するように構成することができる。
【0022】
駆動システム122は、車両102の電子制御装置、電気モータ(複数可)、インフォテインメントシステム、表示装置(複数可)、車載コンピュータ(複数可)、通信システム、メモリ、及びセンサのセットなどの様々な構成要素(
図1には図示せず)の機能のために電力を供給することができる。駆動システム122は、車両102の様々な電子構成要素を制御するために、電子制御装置から制御信号を受け取るように構成することができる。また、駆動システム122は、受け取った制御信号に基づいて、車両102のバッテリの充電及び放電を制御するように構成することもできる。
【0023】
一実施形態によれば、車両102は、車両102の車体104の外側部分に設けられた格納トリガ126をさらに含むことができる。例えば、格納トリガ126は、車両102のリモートキー上に存在すること、又は車輪取り付け位置のそれぞれの区域のための第1のカバー116A又は第2のカバー116Bのようなカバーの近くに存在することができる。例示的な実施形態では、格納トリガ126は、シャーシ106を第2の方向に格納するために利用することができるボタン又はレバーとすることができる。第2の方向は、シャーシ106の移動の第1の方向(
図4に示す)とは実質的に反対の方向とすることができる。運動抵抗部材108の少なくとも一部が地面と接触すると、格納トリガ126は、シャーシ106を初期状態に格納するために利用することができる。初期状態は、運動抵抗部材108の一部が第2の方向(第1の方向とは反対方向)に地面から離れるように動かされる構成に対応することができる。
【0024】
一実施形態によれば、車両102は、起動されると格納トリガ126を作動させることができる電子認証ユニットを含むことができる。例えば、地滑り、地震、又は火災の危険のような緊急事態の場合、電子認証ユニットは、格納トリガ126を作動させるために、人間の入力(例えば、車両102の運転者又は緊急事態に対処することができる人からの入力)又は緊急事態の検出に基づいて起動させることができる。この作動は、地面に向かう又は地面から離れるシャーシ106の移動を制御するために行うことができる。電子認証ユニットの例としては、限定されるものではないが、火災及び煙検出用のセンサ、地震波検出用のセンサ、音声ベースの遠隔デバイス、指紋センサ、パスワードベースのデバイス、及び遠隔起動のために防災システムに接続することができるIoTデバイスを挙げることができる。シャーシ106の格納の詳細は、例えば
図4Eにさらに提示されている。
【0025】
動作時、車両102は、車両102を駐車又は減速させるために第1の方向へのシャーシ106の移動を許可する要求に対応することができる第1の入力を受け取ることができる。例えば、第1の入力は、ユーザ(運転者など)又は車両102のコンピュータ化された自律エージェントから受け取ることができる。初期状態では、シャーシ106とシャーシ106の下方の地面との間の接触がない場合がある。第1の入力を受け取った後、サスペンションユニット120を作動させることができる。サスペンションユニット120の作動に基づいて、サスペンションユニット120は、シャーシ106のベース面106aに結合された運動抵抗部材108又は運動抵抗部材108の一部が地面に接触するまで、シャーシ106を第1の方向に移動させることができる。接触することによって、車両102は、特定の方向へのさらなる運動を抑制するための追加の接触面及び摩擦を得ることができる。場合によっては、車両102と地面との間の接触面又は領域が増加する可能性があるため、車両102を地面上に安全に駐車させることができる。車両102の駐車の詳細は、例えば、
図5A及び
図5Bにさらに提示されている。
【0026】
特定のシナリオでは、車両102は、車両102から閾値距離内に安全でない行動をとる人が存在するなどの緊急事態又は危険な状況を検出することができる。緊急事態の検知に基づいて、サスペンションユニット120を作動させることができる。サスペンションユニット120の作動に基づいて、サスペンションユニット120は、シャーシ106のベース面106aに結合された運動抵抗部材108が地面に接触するまで、シャーシ106の少なくとも一部を第1の方向に動かすことができる。運動抵抗部材108と地面との間の接触は、車両102と地面との間の全体的な接触領域又は接触面を増加させ、それによって、緊急事態又は危険な状況において適用されるブレーキの効果を高めることができる。緊急ブレーキの詳細は、例えば、
図6A-6Cにさらに提示されている。
【0027】
一実施形態によれば、シャーシ106のベース面106Aに結合された運動抵抗部材108が地面に接触すると、第1の車輪112Aのような1又は2以上の車輪は、第1のインホイールモータ124Aと共に第1の車輪取り付け位置114Aか取り外すことができる。第1の車輪112Aは、第1のインホイールモータ124Aと共に、セグウェイ(Segway)などの別の移動車両を作り出すために利用することができる。車輪112のセットの車輪の取り外しの詳細は、例えば、
図7にさらに提示されている。
【0028】
図2は、本開示の一実施形態による、車両の動きを抑制するために、シャーシと結合された電子制御装置を含む例示的な車両の概略図である。
図2は、
図1からの要素と併せて説明される。
図1を参照すると、車両102が示されている。
【0029】
車両102は、電子制御装置202及びセンサ204のセットを含むことができる。一実施形態によれば、電子制御装置202は、サスペンションユニット120に通信可能に接続され、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から初期状態とは異なる作動状態に変更するように構成することができる適切な論理回路、回路、インタフェース、及び/又はコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を作動状態から初期状態に変更するようにさらに構成することができる。
【0030】
電子制御装置202は、限定されるものではないが、エンジン動作、通信動作、データ取得動作、及び車両102の他の動作などの様々な機能を制御するための電子制御ユニット(ECU)プロセッサを含むことができる、特殊な電子回路とすることができる。電子制御装置202は、マイクロプロセッサとすることができる。電子制御装置202の他の例としては、限定されるものではないが、車両制御システム、車載インフォテインメント(IVI)システム、車載エンターテインメント(ICE)システム、自動車用ヘッドアップディスプレイ(HUD)、車載コンピュータ、自動車用ダッシュボード、組み込みデバイス、スマートフォン、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、コンピュータワークステーション、ハンドヘルドコンピュータ、セルラー/携帯電話、ポータブル家電(CE)デバイス、サーバ、及び他のコンピューティングデバイスを挙げることができる。
【0031】
センサ204のセットは、車両102上の様々な位置に配置することができる。例えば、センサ204のセットは、車両102の車体104の外側部分だけでなく、車両102の車体104の内側部分にも配置することができる。図示されるように、例えば、センサ204のセットは、第1のセンサ204A及び第2のセンサ204Bを含むことができる。第1のセンサ204Aは、車両102の前端部に配置することができる。第1のセンサ204Aの例としては、限定されるものではないが、画像センサ、光検出及び測距(LiDAR)センサ、ソナーセンサ、マイクロフォン、無線検出及び測距(RADAR)センサ、及び位置センサを挙げることができる。例示的なシナリオでは、第1のセンサ204Aは、車両102の周囲をスキャンするように構成することができるLiDARセンサとすることができる。スキャンされた情報に基づいて、電子制御装置202は、車両102の周囲の地形、近くの危険な挙動、又は緊急事態について車両102に通知することができる1又は2以上のパラメータを検出することができる。
【0032】
第2のセンサ204Bは、車両102のシャーシ106の前端部又はシャーシ106の後端部に配置することができる。第2のセンサ204Bの例としては、限定されるものではないが、画像センサ、LiDARセンサ、ソナーセンサ、マイクロフォン、RADARセンサ、及び位置センサを挙げることができる。例示的なシナリオでは、第2のセンサ204Bは、車両102の周囲の地面及び/又はシャーシ106のベース面106Aの下方の地面をスキャンするように構成することができるカメラなどの画像センサとすることができる。スキャンに基づいて、電子制御装置202は、シャーシ106の下方の地面を含む全ての周囲位置から障害物の存在を特定することができる。
【0033】
当業者であれば、車両102は、本開示の機能及び動作を説明及び解説するために本明細書に例示した構成要素及びセンサのセット204に加えて、他の適切な構成要素及びセンサも含むことができることを理解するであろう。車両102のそのような構成要素及びセンサに関する詳細な説明は、簡潔にするために本開示から省かれている。
【0034】
図3は、本開示の実施形態による、
図1の車両の動きを抑制するための第1の例示的なシナリオを示す概略図である。
図3は、
図1及び2の要素と併せて説明される。
図3を参照すると、車両102が示されている。車両102は、地面302上に位置することができる。
【0035】
運動抵抗部材108は、シャーシ106のベース面106Aに結合された1又は2以上のグリップパッド304を含むことができる。1又は2以上のグリップパッド304は、互いに特定の間隔を置いて、シャーシ106の長さ又は幅に沿って配置することができる。少なくとも1つの実施形態では、運動抵抗部材108は、シャーシ106のベース面106Aに静的に結合することができる。
【0036】
図1で説明したように、運動抵抗部材108は、ゴム材料又は他の適切な材料で作ることができる。例えば、1又は2以上のグリップパッド304は、1又は2以上のグリップパッド304が地面302との接触を生じると、車両102にグリップ及び接触面を提供するように構成することがきる平坦なゴムベースのグリップパッドとすることができる。1又は2以上のグリップパッド304の各グリップパッドの厚さは、数ミリメートルから数センチメートルの範囲とすることができる。
【0037】
図3のグリップパッドの数は、単に例として提示されたものであり、本開示を限定するものとして解釈すべきではない。いくつかの実施形態では、車両102は、本開示の範囲を逸脱することなく、唯一のグリップパッド又は4以上のグリップパッドを含むことができる。
【0038】
一実施形態によれば、地面302と接触する運動抵抗部材108の一部は、1又は2以上のグリップパッド304の表面部分とすることができる。表面部分は、地面302に面し、シャーシ106のベース面106Aの下に横たわる1又は2以上のグリップパッド304のベース部分とすることができる。一実施形態によれば、表面部分は、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A又は1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bのうちの少なくとも一方に対応することができる。
【0039】
サスペンションユニット120は、地面302に対してシャーシ106を直線的に移動させて、地面302に対するシャーシ106の高さを調整することができる。1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A及び第2の端部304Bなどの1又は2以上のグリップパッド304の表面部分全体は、地面302に接触することができる。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット120は、地面302に対するシャーシ106の傾きを調整することによって、地面302に対してシャーシ106を非線形に移動させることができる。
【0040】
一実施形態によれば、第1の方向へのシャーシ106の移動は、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第1の端部304Aの第1の回転運動と、それに続く枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第2の端部304Bの第2の回転運動とを含むことができる。枢動軸AA’は、車輪組立体110の車輪(車輪112のセットなど)の回転軸BB’に実質的に平行とすることができる。例示的なシナリオでは、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第1の端部304Aの第1の回転運動は、シャーシ106の第1の端部304Aがシャーシ106のベース面106Aの下方の地面302に接触することを可能にすることができる。その後、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第2の端部304Bの第2の回転運動は、シャーシ106の第2の端部304Bがシャーシ106のベース面106Aの下方の地面302に接触することを可能にすることができる。
【0041】
図4A、4B、4C、4D、及び4Eは、本開示の実施形態による、
図1の車両のシャーシの移動に関連する複数のシナリオを集合的に示す概略図である。
図4A、4B、4C、4D、及び4Eは、
図1、2、及び3からの要素と併せて説明される。
図4A、4B、4C、4D、及び4Eでは、簡潔にするために、車両102の車体104は示されていない。
【0042】
図4Aを参照すると、地面302を含む第1の概略
図400Aが示されている。初期状態におけるサスペンションユニット120の動作中、1又は2以上のグリップパッド304(シャーシ106のベース面106Aに結合された)と地面302との間の接触はない場合がある。例えば、車両102は、地面302上を移動すること又は静止することができる。このようなシナリオでは、1又は2以上のグリップパッド304と地面302との接触はない場合がある。
【0043】
図4Bを参照すると、概略
図400Bが示されている。
図400Bは、シャーシ106の傾きの調整を示す。任意の時点において、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を、初期状態から、初期状態とは異なることができる作動状態に変更するように構成することができる。初期状態から作動状態へのサスペンションユニット120の動作状態の変更に基づいて、シャーシ106の一部は、第1の方向402に移動することができる。図示されるように、例えば、シャーシ106の第2の端部は、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bが地面302に接触するようになっている。いくつかの実施形態では、シャーシ106の後端部に結合したサスペンションユニット120を作動させることができる。1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bは、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bが地面302に接触するようになっている。このような場合、シャーシ106の移動は、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第2の端部の第2の回転運動を含むことができる。図示されるように、軸CC’(地面302に平行)とシャーシ106との間の傾斜角度はX度である。
【0044】
図4Cを参照すると、シャーシ106の傾きの調整を示す概略
図400Cが示されている。電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更するように構成することができる。サスペンションユニット120の作動状態への動作状態の変更に基づいて、シャーシ106の一部は、第1の方向402に移動することができる。図示されるように、例えば、シャーシ106の第1の端部(又は前端部)は、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304Aが地面302に接触するようになっている。いくつかの実施形態では、シャーシ106の前端部に結合したサスペンションユニット120を作動させることができる。このような場合、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304Aは、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304Aが地面302に接触するようになっている。シャーシ106の移動は、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第1の端部の第1の回転運動を含むことができる。図示されるように、軸CC’(地面302に平行)とシャーシ106との間の傾斜角度はY度である。
【0045】
図4Dを参照すると、シャーシ106の高さ調整を示す概略
図400Dが示されている。一実施形態によれば、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態(
図4Aに示される)から作動状態に変更するように構成することができる。サスペンションユニット120の作動状態への動作状態の変更に基づいて、シャーシ106は、第1の方向402に移動することができる。この移動は、1又は2以上のグリップパッド304の表面部分を地面302に接触させることができる。例示的なシナリオでは、シャーシ106は、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A及び第2の端部304Bの両方が同時に地面302に接触するようになっている。
【0046】
一実施形態によれば、シャーシ106の前端部並びにシャーシ106の後端部に結合したサスペンションユニット120を作動させることができる。この作動に基づいて、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A及び第2の端部304Bは、第1の方向402に移動することができ、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A並びに第2の端部304Bの両方がほぼ同時に地面302に接触するようになっている。シャーシ106の移動は、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第1の端部の第1の回転運動と、それに続く枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第2の端部の第2の回転運動とを含むことができる。1又は2以上の実施形態において、シャーシ106の移動は、地面302に接触するための1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A及び第2の端部304Bの同時の平行運動を含むことができる。
【0047】
図4Eを参照すると、地面302と、地面302と接触している運動抵抗部材108の一部(1又は2以上のグリップパッド304など)との間の接触を解除するための、第2の方向404へのシャーシ106の移動を示す概略
図400Eが示されている。一実施形態によれば、電子制御装置202は、車両102の車体104の外側部分の格納トリガ126を介して第2の入力を受け取るように構成することができる。第2の入力は、運転者、乗客、又は車両102に関連する自律エージェントから受け取ることができる。第2の入力に基づいて、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を作動状態から初期状態に変更することができる。初期状態への変更に基づいて、サスペンションユニット120は、地面302と運動抵抗部材108の一部(1又は2以上のグリップパッド304など)との間の接触を解除するために、第2の方向404にシャーシ106を移動させるように構成することができる。例示的なシナリオでは、車両102を牽引する必要がある場合がある。そのような場合、第2の入力は、第2の方向404にシャーシ106を移動させるために、格納トリガ126を介して受け取ることができる。
【0048】
図5A及び5Bは、本開示の一実施形態による、
図1の車両を駐車させる例示的なシナリオを集合的に示す概略図である。
図5A及び5Bは、
図1、2、3、4A、及び4Bからの要素と併せて説明される。
図5Aを参照すると、地面502を含む概略
図500Aが示されている。地面502は、例えば、傾斜路面とすることができる。任意の時点において、車両102は、人間の運転者又は車両102の自律エージェントによって地面502に駐車させる必要がある場合がある。サスペンションユニット120は初期状態にあり、1又は2以上のグリップパッド304(シャーシ106のベース面106aに結合される)と地面502との間に接触がない場合がある。地面502からの適切な抵抗がなければ、車両102を地面502上に駐車させることが危険な場合がある。
【0049】
図5Bを参照すると、地面502上に車両102を安全に駐車させるプロセスを示す概略
図500Bが示されている。電子制御装置202は、車両102を駐車させるために第1の方向402へのシャーシ106の移動を許可する要求に対応することができる第1の入力を受け取ることができる。例えば、車両102の運転者(人間又は自律エージェント)は、車両102を地面502上に停止させた後に、第1の入力を提供することができる。
【0050】
電子制御装置202は、センサ204のセットの1又は2以上のセンサから第1の情報を受け取ることができる。第1の情報は、シャーシ106のベース面106Aの下方とすることができる地面502上に障害物がないことを示すことができる。例えば、第2のセンサ204Bは、シャーシ106のベース面106Aの下方の地面502をスキャンするために利用することができる。第2のセンサ204Bは、地面502上に障害物がないことの検出に基づいて、第1の情報を電子制御装置202に送ることができる。その後、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を、初期状態から、初期状態とは異なることができる作動状態に変更するように構成することができる。サスペンションユニット120の動作状態の変更は、受け取った第1の入力及び受け取った第1の情報に基づくことができる。作動状態において、サスペンションユニット120は、1又は2以上のグリップパッド304がシャーシ106のベース面106aの下方の地面502に接触するまで、シャーシ106を第1の方向402に移動させることができる。接触の結果、車両102と地面502との間の接触領域が増加して、地面502上に安全に駐車させるための付加的な力を提供することができる。
【0051】
例示的なシナリオでは、シャーシ106のベース面106Aの下方の地面502に障害物が存在する場合がある。このような場合、電子制御装置202は、車両102を障害物から遠くに移動させるように運転者に通知することができる。例えば、電子制御装置202は、ユーザのデバイス又は車両102の表示ユニットを介して通知することができる。車両102が障害物から安全な距離になると、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を作動状態に変更することができる。サスペンションユニット120は、1又は2以上のグリップパッド304が地面502に接触するまで、シャーシ106を第1の方向402に移動させることができる。
【0052】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、シャーシ106のベース面106aの下方の地面502を、傾斜路面、平坦路面、凹凸路面、又はバンク路面のうちの1つとして分類するように構成することができる。例えば、地面502は丘の傾斜路面とすることができる。第2のセンサ204Bなどのセンサを利用して、車両102の周囲の地面502及び/又はシャーシ106のベース面106Aの下方の地面502をスキャンして、地面502を傾斜路面として分類することができる。この分類に基づいて、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更するように構成することができる。
【0053】
図6A、6B、及び6Cは、本開示の実施形態による、
図1の車両の緊急ブレーキのための例示的なシナリオを集合的に示す概略図である。
図6A、6B、及び6Cは、
図1、2、3、4A、4B、5A及び5Bからの要素と併せて説明される。
図6Aを参照すると、概略
図600Aが示されている。
図600Aは、地面302上で移動する車両102を示す。
【0054】
本明細書には緊急ブレーキに関する動作が説明される。電子制御装置202は、車両102の1又は2以上のセンサから第2の情報を受け取るように構成することができる。第2の情報は、車両102及び車両102の周囲環境に関連する場合がある。例えば、第1のセンサ204Aは、車両102の周囲をスキャンして、近くにある車両を特定するように構成することができる。車両102の周囲の環境は、車両102の近くの歩行者、車両102の近くのスピード違反の車、及び地面302上の歩道、バリケード、穴などの障害物を特定するために、さらにスキャンすることができる。1又は2以上のセンサは、車両102及び車両102の周囲に関連する第2の情報を電子制御装置202に送ることができる。図示されるように、例えば、第2の情報は、車両102から閾値距離内に存在する検出された人602に関連する場合がある。
【0055】
電子制御装置202は、受け取った第2の情報に基づいて1又は2以上のパラメータを検出するように構成することができる。そのようなパラメータは、車両102に関連する緊急事態を示す場合がある。例えば、1又は2以上のパラメータは、車両102から閾値距離以内の道路上の人602の検出を示す場合がある。人602が車両102の近くにいることは、人602が道路を横断しようとしているか又は車両102から危険な距離で道路横断歩行をしている可能性があるため、緊急事態に対応する場合がある。このような場合、車両102は、シャーシ106を第1の方向402に移動させることにより、緊急ブレーキを助けることができる。例えば、電子制御装置202は、検出された1又は2以上のパラメータに基づいて、サスペンションユニット120(車両102の後端部に結合されたサスペンションユニット120など)の動作状態を初期状態から作動状態に変更することができる。作動状態にあるサスペンションユニット120は、1又は2以上のグリップパッド304の少なくとも一部(第2の端部304Bなど)がシャーシ106のベース面106Aの下方の地面302に接触するまで、シャーシ106を第1の方向402に移動させるように構成することができる。この接触により、車両102の地面302との接触領域が増加する可能性がある。
【0056】
一実施形態によれば、
図6Cに示すように、1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bが地面302と接触している間に、サスペンションユニット120は、1又は2以上のグリップパッド304の一部(第1の端部304Aなど)がシャーシ106のベース面106Aの下方の地面302と接触するまで、シャーシ106の第1の端部を第1の方向402に移動させることができる。シャーシ106の移動により、1又は2以上のグリップパッド304の全表面部分が地面302に接触することができる。従って、接触領域の増加により、緊急ブレーキ時に車両102の車輪112のセットのスキッドレベルを制御することができる。接触時に、1又は2以上のグリップパッド304の一部は、車両102の制動距離を短縮するために必要となり場合がある付加的な力を提供することができる。第1の方向402へのシャーシ106の適切な操作(maneuver)により、制動距離を短縮して、車両102を人602から安全な距離で停止させることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、シャーシ106の前端部が最初に下方に移動し、続いてシャーシ106の後端部が移動する場合があり、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304Aは、1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bが地面302に接触する前に地面302に接触するようになっている。
【0058】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、車両102のアクセル又はブレーキに加えられる強度を特定するように構成することができる。例えば、人602の検出に基づいて、運転者は車両102のブレーキをかけることができる。電子制御装置202は、特定された強度に基づいて、サスペンションユニット120の作動状態を初期状態から作動状態に変更することができる。例えば、第1の方向402におけるシャーシ106の移動速度は、車両102の運転者によって加えられたブレーキの決定された強度によって決まる場合がある。
【0059】
図7は、本開示の実施形態による、
図1の車両の車輪を取り外すための例示的なシナリオを示す概略図である。
図7は、
図1、2、3、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、6A、6B、及び6Cからの要素と併せて説明される。
図7を参照すると、車両102を示す概略
図700が示されている。ユーザは。車両102の1又は2以上の車輪を取り外すことを望む場合がある。例えば、車輪112のセットの第2の車輪112Bを、車両102の車輪組立体110から取り外す必要がある場合がある。取り外しを容易にするために、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更するように構成することができる。作動状態において、サスペンションユニット120は、1又は2以上のグリップパッド304の表面部分が地面302に接触するまで、シャーシ106を第1の方向402に移動させることができる。
【0060】
車両102の車体が第2の車輪112Bの一部をブロックする場合には、車体は、1又は2以上のグリップパッド304の表面部分が地面302に接触している間に第2の車輪112Bのブロックを解除するための装備を含むことができる。車両102の車体104と共にシャーシ106が第1の方向402に移動することは、第2のカバー116Bのような取り外し可能なカバーに、第2の車輪取り付け位置114Bの区域を覆って移動して第2の車輪112Bをブロックするようにさせる場合がある。第2のカバー116Bは、第2の解除部材118Bを使用することによって取り外すことができる。例えば、第2の解除部材118Bを操作して、第2のカバー116Bを上方向、左方向、又は右方向にスライドさせることができる。このような操作により、ユーザは、第2の車輪112Bを車両102から取り外すのに十分なスペースを確保することができる。同様に、車輪112のセットの他の車輪は、それぞれのカバーを取り外した後に取り外すことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2のインホイールモータ124Bは、車輪組立体110の第2の車輪112Bと共に取り外し可能とすることができる。第2の車輪112Bと共に取り外された第2のインホイールモータ124Bは、セグウェイ又は別の超小型移動車両のような移動車両を作り出すために利用することができる。
【0062】
図8は、本開示の実施形態による、
図1の車両の動きを抑制するための第2の例示的なシナリオを示す概略図である。
図8は、
図1、2、3、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、6A、6B、6C、及び7からの要素と併せて説明される。
図8を参照すると、車両802を含む概略
図800が示されている。車両802の機能は、例えば、
図1及び2で説明した車両102の機能と同じとすることができる。従って、車両802の説明は、簡潔にするために本開示から省かれている。
【0063】
車両802は、運動抵抗部材108を含むことができる。運動抵抗部材108は、1又は2以上の車輪804を含むことができる。1又は2以上の車輪804の各々は、車輪組立体110の第1の車輪112Aなどの車輪のサイズよりも小さいサイズを有する場合がある。例えば、1又は2以上の車輪804は、車両802のシャーシの後端部にある第1の車輪セット804A、車両802のシャーシの中央にある第2の車輪セット804B、及び車両802のシャーシの前端部にある第3の車輪セット804Cを含むことができる。地面302に接触することができる運動抵抗部材108の一部は、1又は2以上の車輪804の表面部分に対応することができる。
【0064】
図8における車輪の位置、向き、及び数は、単に例として提示されたものであり、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの実施形態では、1又は2以上の車輪804は、本開示の範囲から逸脱することなく、6個よりも多いこと又は6個未満とすることができ、他の位置及び向きに配置することができる。いくつかの他の実施形態では、1又は2以上の車輪804は、車両802のブレーキシステムの一部とすることができ、これは、車両802の動きを抑制する運動抵抗部材として機能することができる。
【0065】
図9は、本開示の実施形態による、シャーシと、シャーシに結合された車軸とを含む例示的な車両の概略図である。
図9は、
図1、2、3、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、6A、6B、6C、7、及び8からの要素と併せて説明される。
図9を参照すると、車両902を含む概略
図900が示されている。車両902の機能は、例えば、
図1及び2で説明した車両102の機能と同じとすることができる。従って、車両902の説明は、簡潔にするために本開示から省かれている。車両902のシャーシは、車両902の車輪組立体の1又は2以上の構成要素を保持するように構成することができる車軸904を含むことができる。例えば、車両902は非電気自動車とすることができる。その場合、車軸904は、車両902のシャーシに結合することができる。さらに、車軸904は、車両902の車輪組立体のセットの車輪に結合することができる。
【0066】
図10は、本開示の一実施形態による、
図1の車両のシャーシによって車両の動きを抑制する例示的な方法を示すフローチャートである。
図10は、
図1、2、3、4A、4B、4C、4D、4E、5A、5B、6A、6B、6C、7、8、及び9からの要素と併せて説明される。
図10を参照すると、フローチャート1000が示されている。フローチャート1000の例示的な方法は、何らかのシステム、例えば、
図1の車両102又は
図2の電子制御装置202によって実行することができる。フローチャート1000の例示的な方法は、1002で開始し、1004に進むことができる。
【0067】
ステップ1004では、車両102を配置することができる。車両102は、車体104と、車体104のベース104Aに結合されたシャーシ106と、シャーシ106のベース面106Aに結合することができる運動抵抗部材108とを含むことができる。車両102は、シャーシ106に結合された車輪組立体110と、車輪組立体110及びシャーシ106に結合されたサスペンションユニット120とをさらに含むことができる。
【0068】
ステップ1006では、サスペンションユニット120の動作状態は、作動状態に変更することができる。作動状態において、サスペンションユニット120は、運動抵抗部材108の少なくとも一部がシャーシ106のベース面106aの下方の地面302に接触するまで、シャーシ106を第1の方向402に移動させることができる。制御は、終了に進むことができる。
【0069】
フローチャート1000は、1002、1004、及び1006のような個別の動作を示すが、本開示はそのように限定されない場合がある。特定の実施形態では、そのような個別の動作は、開示された実施形態の本質を損なうことなく、実施構成に応じて、追加の動作にさらに分割すること、より少ない動作に組み合わせること、又は排除することができる。
【0070】
本開示の様々な実施形態は、機械及び/又はコンピュータ(例えば、電子制御装置202)によって実行可能な命令をその上に記憶した、非一時的なコンピュータ可読媒体及び/又は記憶媒体を提供することができる。命令は、機械及び/又はコンピュータ(例えば、電子制御装置202)に、車両(車両102など)における運動抵抗のためのシャーシ(シャーシ106など)の調整のための動作を実行させることができる。この動作は、車両102の配置を含むことができる。車両102は、車体(車体104など)と、車体104に結合されたシャーシ106とを含むことができる。車両102は、シャーシ106のベース面(ベース面106Aなど)に結合することができる運動抵抗部材(運動抵抗部材108など)をさらに含むことができる。車両102は、シャーシ106に結合された車輪組立体(車輪組立体110など)と、車輪組立体110及びシャーシ106に結合されたサスペンションユニット120とをさらに含むことができる。動作は、サスペンションユニット120の動作状態を作動状態に変更することをさらに含むことができる。作動状態において、サスペンションユニット120は、運動抵抗部材108の少なくとも一部がシャーシ106のベース面106Aの下方の地面(地面302など)に接触するまで、シャーシ106を第1の方向(第1の方向402など)に移動させることができる。
【0071】
本開示の例示的な態様は、車両102を含むことができる。車両102は、車体(車体104など)と、車体104に結合されたシャーシ106とを含むことができる。車両102は、シャーシ106のベース面(ベース面106Aなど)に結合することができる運動抵抗部材(運動抵抗部材108など)をさらに含むことができる。車両102は、シャーシ106に結合された車輪組立体(車輪組立体110など)と、車輪組立体110及びシャーシ106に結合されたサスペンションユニット120とをさらに含むことができる。作動状態において、サスペンションユニット120は、運動抵抗部材108の少なくとも一部がシャーシ106のベース面106aの下方の地面(地面302など)に接触することができるまで、シャーシ106を第1の方向(第1の方向402など)に移動させるように構成することができる。
【0072】
一実施形態によれば、運動抵抗部材108は、シャーシ106のベース面106Aに結合された1又は2以上のグリップパッド304を含むことができる。1又は2以上のグリップパッド304は、シャーシ106の長さに沿って互いに等しい間隔に置くことができ、地面302に接触する運動抵抗部材108の一部は、1又は2以上のグリップパッド304の表面部分を含むことができる。
【0073】
一実施形態によれば、表面部分は、1又は2以上のグリップパッド304の第1の端部304A又は1又は2以上のグリップパッド304の第2の端部304Bのうちの少なくとも一方に対応することができる。
【0074】
一実施形態によれば、運動抵抗部材108は、1又は2以上の車輪804を含むことができる。1又は2以上の車輪804の各々は、車輪組立体110の車輪のサイズよりも小さいサイズを有することができる。地面302に接触する運動抵抗部材108の一部は、1又は2以上の車輪804の表面部分に対応することができる。
【0075】
一実施形態によれば、第1の方向402におけるシャーシ106の移動は、シャーシ106のベース面106aの下方の地面302に対するシャーシ106の高さ又はシャーシ106の傾きのうちの少なくとも一方の調整に対応することができる。
【0076】
一実施形態によれば、第1の方向402におけるシャーシ106の移動は、枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第1の端部304Aの第1の回転運動と、それに続く枢動軸AA’の周りのシャーシ106の第2の端部304Bの第2の回転運動とを含むことができる。枢動軸AA’は、車輪組立体110の車輪の回転軸BB’と実質的に平行とすることができる。
【0077】
一実施形態によれば、車輪組立体110は、車両102の車体104上の車輪取り付け位置のセットに配置された車輪112のセットを含むことができる。車輪112のセットの各車輪は、シャーシ106のそれぞれの部分に取り外し可能に結合することができる。
【0078】
一実施形態によれば、車体104は、車輪取り付け位置のセットのうちの第1の車輪取り付け位置114Aのような各車輪取り付け位置の区域を覆う第1のカバー116Aのようなカバーを含むことができる。車輪112のセットの各車輪は、カバーを取り外した後で運動抵抗部材108の一部が地面302に接触した後に、取り外し可能とすることができる。
【0079】
一実施形態によれば、車両102は、車輪112のセットの各車輪の周りに第1のインホイールモータ124Aのようなインホイールモータを含むことができる駆動システム122をさらに含むことができる。車輪112のセットの各車輪は、インホイールモータによって動力を供給することができる。
【0080】
一実施形態によれば、シャーシ106は、車輪組立体110の1又は2以上の構成要素を保持するように構成することができる車軸904をさらに含むことができる。
【0081】
一実施形態によれば、サスペンションユニットは、アクティブサスペンション機構に対応することができる。
【0082】
一実施形態によれば、車両102は、サスペンションユニット120に通信可能に接続された電子制御装置202をさらに含むことができる。
【0083】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、サスペンションユニット120の動作状態を、初期状態から、初期状態とは異なる作動状態に変更するようにさらに構成することができる。
【0084】
一実施形態によれば、車両102は、センサ204のセットをさらに含むことができる。電子制御装置202は、センサ204のセットに通信可能に接続することができる。電子制御装置202は、車両102を駐車させるために第1の方向402へのシャーシ106の移動を許可する要求に対応する第1の入力を受け取るように構成することができる。電子制御装置202は、センサ204のセットの1又は2以上のセンサから第1の情報を受け取ることができる。第1の情報は、シャーシ106のベース面106aの下方とすることができる地面502上に障害物がないことを示すことができる。電子制御装置202は、サスペンションユニット120の作動状態を初期状態から、初期状態とは異なる作動状態に変更するように構成することができる。この変更は、受け取った第1の入力及び受け取った第1の情報に基づくことができる。
【0085】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、シャーシ106のベース面106aの下方の地面302を、傾斜路面、平坦路面、凹凸路面、又はバンク路面のうちの1つとして分類するように構成することができる。さらに、電子制御装置202は、この分類に基づいて、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更することができる。
【0086】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、車両102においてアクセル又はブレーキに加えられる強度を特定するように構成することができる。さらに、電子制御装置202は、特定された強度に基づいて、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更することができる。
【0087】
一実施形態によれば、電子制御装置202は、車両102の1又は2以上のセンサから第2の情報を受け取るように構成することができる。第2の情報は、車両102及び車両102の周囲の環境と関連する場合がある。電子制御装置202は、受け取った第2の情報に基づいて1又は2以上のパラメータを検出することができる。1又は2以上のパラメータは、車両102に関連する緊急事態を示す場合がある。電子制御装置202は、検出された1又は2以上のパラメータに基づいて、サスペンションユニット120の動作状態を初期状態から作動状態に変更することができる。
【0088】
一実施形態によれば、車両102は、車両102の車体104の外側部分に設けられた格納トリガ126をさらに含むことができる。電子制御装置202は、車両102の車体104の外側部分の格納トリガ126を介して第2の入力を受け取るようにさらに構成することができる。電子制御装置202は、受け取った第2の入力に基づいて、サスペンションユニット120の動作状態を作動状態から初期状態に変更することができる。初期状態への変更に基づいて、サスペンションユニット120は、地面302と運動抵抗部材108の一部との間の接触を解除するために、シャーシ106を第2の方向404に移動させるように構成することができる。
【0089】
本開示の目的のために、本開示を説明及びクレームするために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な態様で解釈されることが意図されている、すなわち、明示的に記載されていない物品(item)、構成要素、又は要素が存在することも許容する。単数形への言及は、複数形にも関連すると解釈される。さらに、全ての連結参照(例えば、付着、貼付、結合、連結など)は、読み手の本開示の理解を助けるために使用されるだけであり、特に、本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関する制限をもたらすものではない。従って、連結参照がある場合には、広く解釈される。さらに、このような連結参照は、2つの要素が互いに直接連結されていることを必ずしも暗示しない。
【0090】
上述の実施形態及び実施例の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。網羅的であること又は記載された形態に限定されることは意図されていない。上記の教示を考慮すれば、多数の変更が可能である。そのような変更の一部が説明されているが、当業者であれば他の変更を理解することができるであろう。実施形態は、様々な実施形態を例示するために選択及び説明されている。もちろん、その範囲は、本明細書に記載された実施例又は実施形態に限定されるものではなく、当業者による多くの用途及び同等の装置に用いることができる。むしろ、ここで、その範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって定義されることが意図されている。加えて、様々な実施形態の特徴は、組み合わせてさらなる実施形態を作ることができる。
【0091】
本開示は、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本開示は、少なくとも1つのコンピュータシステムにおいて集中型様式で実現すること、又は異なる要素が複数の相互接続されたコンピュータシステムに散在する分散型様式で実現することができる。本明細書に記載の方法を実施するのに適しているコンピュータシステム又は他の装置が適合する場合がある。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、ロードされ実行されると、本明細書に記載の方法を実行するようにコンピュータシステムを制御するコンピュータプログラムを有する汎用コンピュータシステムとすることができる。本開示は、他の機能も実行する集積回路の一部を備えるハードウェアで実現することができる。実施形態によっては、上述したステップの一部が削除されるが、他の追加ステップが追加される場合、及びステップの順序が変更される場合があることを理解されたい。
【0092】
本開示は、コンピュータプログラム製品に組み込むこともでき、このコンピュータプログラム製品は、本明細書に記載の方法の実施を可能にする全ての機能を含み、コンピュータシステムにロードされると、これらの方法を実行することができる。この関連において、コンピュータプログラムとは、情報処理能力を有するシステムに、直接、又は、a)別の言語、コード、又は表記法への変換、b)異なるマテリアル形態での複製のいずれか又は両方の後に、特定の機能を実行させることが意図された命令セットを任意の言語、コード、又は表記法で表現したものを意味する。本開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えること及び等価物を代用することができることを理解することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、状況又はマテリアルを本開示の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。従って、本開示は、開示された実施形態に限定されるものではなく、本開示は、添付の特許請求の範囲の範疇に入る全ての実施形態を含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0093】
102 車両
104 車体
104A ベース
106 シャーシ
106A ベース面
108 運動抵抗部材
110 車輪組立体
120 サスペンションユニット
【国際調査報告】