(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】移送設備、処理設備及び工作物を処理する方法
(51)【国際特許分類】
B05C 13/02 20060101AFI20241212BHJP
C25D 13/00 20060101ALI20241212BHJP
B05C 3/09 20060101ALI20241212BHJP
B65G 47/95 20060101ALI20241212BHJP
C25D 13/14 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
B05C13/02
C25D13/00 304
C25D13/00 303A
B05C3/09
B65G47/95 Z
C25D13/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530451
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 DE2022100960
(87)【国際公開番号】W WO2023116975
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021214914.6
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ラウアー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ハインゾーン
(72)【発明者】
【氏名】トビアス イェーガー
【テーマコード(参考)】
3F072
4F040
4F042
【Fターム(参考)】
3F072AA17
3F072GG02
3F072KE04
4F040AA13
4F040AB04
4F040CC02
4F040CC15
4F040CC18
4F040CC19
4F042AA09
4F042AB00
4F042BA08
4F042CA01
4F042DF05
4F042DF18
4F042DF19
4F042DF25
4F042DF28
4F042DF29
4F042DF30
4F042DF34
(57)【要約】
構造が簡単であって、特に最適に工作物を処理するために、効率的な工作物移送を可能にする、工作物、特に車両ボディを移送する移送設備を提供するために、移送設備がメイン移送装置、リフト装置及び引渡し装置を有することが提案される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物(104)、特に車両ボディ(106)を移送するための移送設備(142)であって、
前記移送設備(142)が以下のものを有する:
-前記工作物(104)をメイン移送方向(110)に沿って移送するためのメイン移送装置(108);
-リフト装置(116)であって、このリフト装置を用いて前記工作物(104)を、側方に変位して前記メイン移送装置(108)の隣に配置されている位置へ上昇させ、かつ/又は下降させることが可能であり、特に処理位置へ下降させることができる、前記リフト装置;
-引渡し装置(104)であって、この引渡し装置を用いて前記工作物(104)が前記メイン移送方向(110)に対して横に延びる引渡し方向(136)において、前記メイン移送装置(108)から前記リフト装置(116)へ、かつ/又は前記リフト装置(116)から前記メイン移送装置(108)へ引渡し可能である、前記引渡し装置;
を有する、移送設備。
【請求項2】
前記メイン移送装置(108)が横移送装置(134)であって、前記横移送装置を用いて前記工作物(104)が横の向きで移送可能であり、前記工作物(104)が前記横の向きにおいて次のように、すなわち前記工作物(104)の長手方向(132)、特に長手軸線が、前記メイン移送方向(110)に対して横、特に少なくともほぼ垂直かつ/又は少なくともほぼ水平に方向づけされるように、方位づけされている、ことを特徴とする請求項1に記載の移送設備(142)。
【請求項3】
a)前記メイン移送装置(108)がチェーン移送装置(158)又はローラ移送装置(128)であり、あるいは前記メイン移送装置(108)がチェーン移送装置(158)及び/又はローラ移送装置(128)を有し、
b)前記引渡し装置(140)がチェーン移送装置(158)又はローラ移送装置(128)であり、あるいは前記引渡し装置(140)がチェーン移送装置(158)及び/又はローラ移送装置(128)を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の移送設備(142)。
【請求項4】
前記移送設備(142)が前記メイン移送方向(110)に沿って互いに連続して配置された複数のリフト装置(116)を有し、前記リフト装置を用いて前記工作物(104)が、側方に変位して前記メイン移送装置(108)の隣に配置された複数の位置へ上昇及び/又は下降可能であって、特に互いに異なる複数の処理位置へ下降可能である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の移送設備(142)。
【請求項5】
前記引渡し装置(140)が1つ又は複数の支持ユニット(146)を有し、前記支持ユニット上に前記工作物(104)が直接又は間接的に、特に工作物支持体(124)を用いて、たとえばトラバース及び/又はスキッド(126)を用いて、たとえば前記メイン移送装置(108)から出て前記工作物(104)が水平に摺動することによって、載置可能である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移送設備(142)。
【請求項6】
前記支持ユニット(146)の1つ又は複数が、移動可能であり、特に前記引渡し方向(136)に対して横に延びる方向に、線形に摺動可能である、ことを特徴とする請求項5に記載の移送設備(142)。
【請求項7】
前記引渡し装置(140)が複数の支持ユニット(146)、特に2つの列(148)の支持ユニット(146)を有し、前記列が前記支持ユニット(146)の支持位置へ達するために互いに近づくように移動可能であり、かつ前記列が解放位置へ達するために互いに離れるように移動可能である、ことを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の移送設備(142)。
【請求項8】
前記工作物(104)が前記リフト装置(116)によって下降することができる、前記処理位置が、重力方向に関して前記引渡し装置(140)の前記1つ又は複数の支持ユニット(146)の下方に配置されている、ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の移送設備(142)。
【請求項9】
工作物(104)、特に車両ボディ(106)を処理する処理設備(100)であって、前記処理設備(100)が請求項1から8のいずれか1項に記載の移送設備(142)を有している、処理設備。
【請求項10】
前記処理設備(100)が1つ又は複数の処理ステーション(102)を有し、各処理ステーション(102)に浸漬槽(114)が配置されており、前記浸漬槽内へ前記工作物(104)が前記移送設備(142)の1つ又は複数のリフト装置(116)を用いて浸漬可能である、ことを特徴とする請求項9に記載の処理設備(100)。
【請求項11】
前記1つ又は複数の浸漬槽(114)、特にすべての浸漬槽(114)が、移送水準の下方に配置されており、前記工作物(104)が前記メイン移送装置(108)を用いて前記メイン移送方向(110)に沿って前記移送水準上へ移送可能である、ことを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項12】
a)前記処理ステーション(102)の1つ又は複数、特にすべての処理ステーション(102)が、電気浸漬コーティング(電着)ステーションであって、かつ/又は
b)前記処理ステーション(102)の1つ又は複数、特にすべての処理ステーション(102)が、工作物(104)を供給し、かつ搬出するために、片側、かつ/又は前記メイン移送装置(108)からのみ、接近できる、
ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項13】
工作物(104)、特に車両ボディ(106)を処理する方法であって、前記方法が以下のことを有する:
-メイン移送方向(110)に沿ってメイン移送装置(108)を用いて前記工作物(104)を移送し;
-前記工作物(104)を引渡し装置(140)を用いて、前記メイン移送方向(110)に対して横に延びる引渡し方向(136)において、前記メイン移送装置(108)からリフト装置(116)へ、かつ/又は前記リフト装置(116)から前記メイン移送装置(108)へ引き渡し;
-前記工作物(104)をリフト装置(116)を用いて側方に変位して前記メイン移送装置(108)の隣に配置された位置に上昇及び/又は下降させ、前記工作物(104)が特に処理位置へ下降される、
ことを有する方法。
【請求項14】
前記工作物(104)を引き渡すために、前記工作物が前記引渡し装置(140)の1つ又は複数の支持ユニット(146)を用いて直接又は間接的に収容され、かつ前記リフト装置(116)へ提供され、かつ
前記1つ又は複数の支持ユニット(146)が前記工作物(104)のそれぞれの収容に続いて前記リフト装置(116)によって離れるように移動され、特に直接前記工作物(104)の下方に配置されている、前記工作物(104)のそれぞれの昇降路から出るように移動される、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記工作物(104)が、横の向きで前記メイン移送方向に沿って、かつ縦の向きで前記引き渡し方向(136)に沿って、移動される、ことを特徴とする請求項13又は14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を移送する移送設備に関する。特にこの移送設備は、車両、特に自動車、たとえば乗用自動車を形成する際に車両ボディを移送するのに適している。
【背景技術】
【0002】
車両ボディは、通常、たとえば浸漬塗装プロセスにおいて、コーティングされる。その場合に従来の方法によれば、線形に配置された連続プロセスが設けられている。たとえば、コーティングプロセスを実施するために、車両ボディは移送方向に沿って処理容器を通して案内される。しかしこのような線形処理は、工作物処理においてしばしば望まれる柔軟性に関して欠点となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって本発明の課題は、簡単な構造であって、かつ特に最適化された工作物処理のために効率的な工作物移送を可能にする、移送設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有する移送設備によって解決される。
【0005】
この移送設備は、工作物、特に、たとえば自動車、特に乗用自動車の、車両ボディを移送するために用いられる。
【0006】
移送設備は、好ましくは以下のものを有している:
メイン移送方向に沿って工作物を移送するためのメイン移送装置;
リフト装置;これを用いて工作物を側方に変位してメイン移送装置の隣に配置された位置へ上昇させることができ、かつ/又は下降させることができる;
引渡し装置;これを用いて工作物をメイン移送方向に対して横に延びる引渡し方向に、メイン移送装置からリフト装置へ、かつ/又はリフト装置からメイン移送装置へ、引き渡すことができる。
【0007】
移送設備がリフト装置を有し、それを用いて工作物が、メイン移送装置の隣で側方に変位して上昇及び/又は下降可能であることによって、工作物は好ましくはそのメイン移送方向に沿った移送に関係なく、処理することができる。特にそれによって、好ましくはメイン移送方向に沿った移送とリフト装置を用いて接近できる位置における処理との分離を行うことができる。
【0008】
工作物がリフト装置を用いて処理位置へ下降可能であると、好ましい場合がある。好ましくは工作物はリフト装置を用いて流体容器、特に浸漬槽内へ下降可能であり、それによって流体容器内、特に浸漬槽内に配置された液体内へ浸漬可能である。
【0009】
処理位置は、特に側方に変位してメイン移送装置の隣に配置されている。
【0010】
リフト装置は、好ましくは1つ又は複数の、たとえば2又は4の、リフトユニットを有しており、そのリフトユニットに好ましくはそれぞれ1つ又は複数のリフト部材が設けられている。
【0011】
リフトユニットは、特にリフトコラム装置であって、それを用いて工作物を上昇及び/又は下降させるための垂直移動が実現可能である。
【0012】
各リフト部材は、好ましくは工作物を移動させるために直接又は間接的に工作物に作用する。たとえば、1つ又は複数の実質的にL字形状に形成されたリフト部材が設けられており、それらが工作物の下を把持し、かつリフトユニットに沿ってリフト部材が摺動することによって、特に垂直方向に移動可能である。
【0013】
1つ又は複数のリフト部材、特にすべてのリフト部材がそれぞれ2つの電極の間の間隙領域の内部で案内され、あるいは案内可能であると、好ましい場合がある。たとえば、複数の電極を流体容器内に配置して、流体容器の側壁から離れるように張り出させることができる。その場合に、各リフト部材の実質的に垂直の方向に延びる少なくとも1つのセクションは、隣接して配置されている電極よりも多く、側壁から流体容器の内部空間へ張り出すことがない。
【0014】
ある形態において、リフト装置は2つのリフトユニットのみを有することができ、それらは特に流体容器の同じ1つの側に配置されている。
【0015】
それとは異なり、リフト装置が4つのリフトユニットを有することができ、その場合にそれぞれ2つのリフトユニットが流体容器の互いに対向する側に配置されている。
【0016】
さらにそれとは異なり、正確に2つのリフトユニットを設けることができ、それらが流体容器の互いに対向する側に配置されており、かつ流体容器に関して互いに対角線方向に対向している。
他の形態において、リフト装置が懸架装置を有することができる。
【0017】
懸架装置は、特に収容フレームを有しており、その収容フレームがリフト装置のリフト部材を形成する。
【0018】
さらに、懸架装置は好ましくは1つ又は複数の押し及び/又は引っ張り部材、たとえばベルト、プッシュシリンダ及び/又はプルシリンダ、特にプッシュチェーンを有し、そのプッシュチェーンは特に、収容フレームをそれに配置されている工作物と共に持ち上げ及び/又は下ろすために、電動駆動可能である。
【0019】
メイン移送装置が横移送装置であって、それを用いて工作物が横向きで移送可能であると、好ましい場合がある。
【0020】
工作物は、横向きで次のように、すなわち工作物の長手方向、特に長手軸線が、メイン移送方向に対して横、特に少なくともほぼ垂直、かつ/又は少なくともほぼ水平に方向づけされるように、方位づけされている。
【0021】
特に工作物が車両ボディとして形成されている場合に、車両ボディとして形成された工作物が横向きで配置されている場合に、車両ボディの車両長手軸線はメイン移送方向に対して横、特に少なくともほぼ垂直かつ/又は少なくともほぼ水平に方向づけすることができる。
【0022】
メイン移送装置は、チェーン移送装置又はローラ移送装置又は懸架移送装置とすることができる。さらに、メイン移送装置がチェーン移送装置及び/又はローラ移送装置及び/又は懸架移送装置を有することができる。
【0023】
工作物が工作物支持体を用いてそれぞれの移送装置、特にメイン移送装置、リフト装置及び/又は引渡し装置に配置されていると、効果的であり得る。
【0024】
たとえば、メイン移送装置は、工作物支持体及び/又は工作物を収容するための複数の走行キャリッジを有することができる。各走行キャリッジは、たとえば、滴り落ちる流体、特に清掃液及び/又は処理液を捕捉するためのキャッチトレイを有することができる。
【0025】
メイン移送装置がレール移送装置であって、走行キャリッジがレール移送装置のレール上でメイン移送方向に沿って走行可能であると、効果的であり得る。
【0026】
引渡し装置は、1つ又は複数のチェーン移送装置及び/又は1つ又は複数のローラ移送装置によって形成することができる。さらに引渡し装置が、1つ又は複数のチェーン移送装置及び/又は1つ又は複数のローラ移送装置を有することができる。
【0027】
引渡し装置は、いくつかに分けて形成することができ、特に複数の移送装置セクションを有することができる。移送装置セクションは、たとえばメイン移送装置に配置することができ、あるいはそれに対応づけることができる。移送装置セクションは、特に伸縮装置であり、かつ/又は駆動可能なローラ及び/又はチェーンによって形成されている。
【0028】
特に他の、移送装置セクションは、たとえばリフト装置に配置することができ、あるいはそれに対応づけることができる。その場合にたとえば、駆動されるローラ及び/又はチェーンの形式の形態を設けることができる。
【0029】
引渡し装置の、メイン移送装置に対応づけられた移送装置セクションは、特にメイン移送装置に沿って移動可能に配置されており、かつ/又はメイン移送装置のそれぞれの走行キャリッジに対応づけられ、あるいはそれに配置されている。
【0030】
引渡し装置の、走行装置に対応づけれた移送装置セクションは、好ましくはそれぞれのリフト装置に固定的に配置され、かつ/又は形成されている。その場合に固定的というのは特に、この移送装置セクションがそれぞれのリフト装置から他のリフト装置へ移動されないことである。
【0031】
移送設備が、メイン移送方向に沿って互いに連続して配置された複数のリフト装置を有し、それを用いて工作物が複数の側方に変位してメイン移送装置の隣に配置されている位置へ上昇可能及び/又は下降可能であり、特に複数の互いに異なる処理位置へ下降可能であると、効果的であり得る。
【0032】
各リフト装置に、好ましくは1つのこの種の位置、特に1つのこの種の処理位置が対応づけられている。好ましくは各リフト装置に正確に1つのこの種の位置、特に正確に1つのこの種の処理位置が対応づけられている。
【0033】
本発明の1つの形態において、引渡し装置が1つ又は複数の支持ユニットを有することができ、その上に工作物を直接又は間接的に、特に工作物支持体を用いて、たとえばトラバース及び/又はスキッドを用いて、載置することができる。
【0034】
工作物は、特にそれを水平に摺動させることによってメイン移送装置から引渡し装置の1つ又は複数の支持ユニット上へ引き渡し可能、たとえば載置可能である。
【0035】
支持ユニットの1つ又は複数が移動可能であると、効果的であり得る。特に支持ユニットの1つ又は複数、特にすべての支持ユニットは、引渡し方向に対して横に延びる方向に線形に摺動可能とすることができる。
【0036】
引渡し装置は、好ましくは複数の支持ユニット、特に2列の支持ユニットを有しており、それらの列が支持ユニットの支持位置を達成するために互いに近づくように移動可能であり、かつ/又は解放位置を達成するために互いから離れるように移動することができる。
【0037】
支持ユニットの支持位置において、支持ユニットは好ましくは次のように、すなわち工作物が、場合によっては工作物支持体と共に、その上に配置可能かつ/又はメイン移送装置から、あるいはメイン移送装置へ引き渡し可能であるように、配置されている。
【0038】
支持ユニットの解放位置においては、支持ユニットは好ましくは次のように、すなわち支持ユニットがリフト装置による工作物の昇降運動、特にその上昇及び/又は下降のじゃまにならないように、配置されている。
【0039】
支持ユニットの支持位置において、支持ユニットは好ましくは工作物の昇降路内へ張り出す。
【0040】
支持ユニットは、その支持位置において、好ましくは工作物の下側及び/又は工作物支持体の下側で、工作物に作用する。
【0041】
工作物は、好ましくはリフト装置によって、特にリフト装置の1つ又は複数のリフト部材によって、1つ又は複数の支持ユニットから持ち上げることができ、それによって支持ユニット自体を解放し、それに伴って支持ユニットを支持位置から解放位置へ移動させることができる。
【0042】
工作物がリフト装置によって下降することができる、その処理位置は、重力方向に関して引渡し装置の1つ又は複数の支持ユニットの下方に配置することができる。
【0043】
特に、工作物は、位置、特に処理位置に達するために、1つ又は複数の支持ユニットの下方に配置されている領域内へ完全に下降することができる。
【0044】
移送設備は特に、たとえば自動車、特に乗用自動車を形成する場合に、工作物、特に車両ボディを処理するための処理設備内で使用するのに適している。
【0045】
したがって本発明は、工作物を処理するための処理設備に関するものでもあって、その場合に処理設備は、たとえば1つ又は複数の本発明に係る移送設備を有している。
【0046】
処理設備を用いて、特に浸漬処理を実施することができる。
【0047】
したがって処理設備は、好ましくは1つ又は複数の処理ステーションを有しており、その場合に各処理ステーションに好ましくは1つの浸漬槽が配置されている。
【0048】
工作物は、好ましくは移送設備の1つ又は複数のリフト装置を用いてそれぞれの浸漬槽内へ漬けることができる。
【0049】
好ましくは各処理ステーションに、別体の浸漬槽、特に個別浸漬槽が対応づけられている。
【0050】
しかし、複数の処理ステーションにわたって延びる浸漬槽を設けることもでき、その場合には特に、工作物を浸漬槽内の様々な位置へ配置することができ、特に異なる箇所において浸漬槽内へ下降させることができるようにするために、複数のリフト装置が設けられている。
【0051】
各処理ステーションのリフト装置を用いて、それぞれの工作物が好ましくは線形に重力方向に沿って下降可能であり、かつ重力方向に抗して上昇可能である。
【0052】
1つ又は複数の処理ステーションの1つ又は複数の浸漬槽、特にすべての浸漬槽は、好ましくは、工作物がメイン移送装置によってメイン移送方向に沿って移送可能である、その移送水準の下方に配置されている。
【0053】
したがって処理設備を用いて処理ステップを実施するために、好ましくはメイン移送装置からリフト装置への少なくともほぼ水平の移動と-好ましくは工作物のわずかな持ち上げを除いて-それぞれの浸漬槽内への工作物の垂直の下降のみが、必要である。
【0054】
好ましくは、たとえば浸漬する際の泡の形成を回避するために、工作物の部分回転を設けることができる。しかし、工作物の完全な回転は、好ましくは省かれている。
処理ステーションの1つ又は複数、特にすべての処理ステーションは、好ましくは電気浸漬コーティング(電着)ステーションである。その代わりに、あるいはそれに加えて、処理ステーションの1つ又は複数、特にすべての処理ステーションが清掃ステーション及び/又は前処理ステーションであってもよい。
【0055】
好ましくは、処理ステーションの1つ又は複数、特にすべての処理ステーションは、特に工作物を供給及び/又は搬出するために、片側のみ、かつ/又はメイン移送装置からのみ接近できるようにすることができる。
【0056】
その場合に処理ステーション、特にリフト装置は、好ましくは通過ステーションではなく、むしろボックスとして形成されている。
【0057】
本発明の課題は、さらに、工作物を処理する方法を提供することであって、それにおいて効率的な工作物移送が行われる。
【0058】
この課題は、本発明によれば、独立した方法請求項に記載の方法によって解決される。
【0059】
工作物を処理する方法は、以下のことを有する:
メイン移送装置を用いてメイン移送方向に沿って工作物を移送し;
引渡し装置を用いて、メイン移送方向に対して横に延びる引渡し方向において工作物をメイン移送装置からリフト装置へ、かつ/又はリフト装置からメイン移送装置へ引き渡し;
側方に変位してメイン移送装置の隣に配置されている位置において、リフト装置を用いて工作物を持ち上げかつ/又は下降させ、その場合に工作物は特に処理位置へ下降される。
【0060】
本発明に係る方法は、好ましくは、本発明に係る移送設備及び/又は本発明に係る処理設備に関連して記述された特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0061】
さらに、好ましくは、本発明に係る処理設備及び/又は本発明に係る移送設備は、本発明に係る方法に関連して記述された特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0062】
工作物を引き渡すために、その工作物が引渡し装置の1つ又は複数の支持ユニットによって直接又は間接的に収容されて、リフト装置へ提供されると、効果的であり得る。1つ又は複数の支持ユニットは、好ましくはそれぞれの工作物の収容に続いて、リフト装置によって離れるように移動され、特に工作物のすぐ下に配置されている、工作物のそれぞれの昇降路から出るように、移動される。
【0063】
さらに、工作物が横の向きでメイン移送方向に沿って、かつ縦の向きで引渡し方向に沿って移送されると、効果的であり得る。
【0064】
メイン移送方向に沿った移動方向は、特に引き渡し方向に沿った移動方向に対して少なくともほぼ垂直であるので、好ましくはメイン移送装置及び/又は引渡し装置及び/又はリフト装置による全移送の間、工作物の方向づけ変更、特にその回転は行われない(浸漬及び/又は引上げを容易にするため、かつ/又は泡形成を回避するために考えられる斜め位置を除いて)。
【0065】
さらに、移送設備、処理設備及び/又は方法は、以下の特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有することができる:
【0066】
互いに隣接する処理ステーションの支持ユニットは、好ましくは次のように、すなわちそれらがそれぞれの運動においてブロックされることがなく、したがって流体容器間の間隔を最小限に抑えることができるように、互いに対して変位して配置されている。
【0067】
支持ユニットの上方に、人が接近できる領域、特に保守領域が形成されていると、効果的であり得る。
【0068】
処理を最適化するために、特にそれぞれの流体容器から引き上げる際に、工作物を洗浄し、あるいはスプレイ清掃することができる。そのためにたとえば流体容器の上方の槽端縁に、あるいは流体容器の上方の槽端縁の領域内に、ノズルを設けることができる。洗浄又はスプレイ媒体として、特に処理媒体の限外濾液を使用することができる。
【0069】
リフト装置が、特に浸漬プロセス又は引上げプロセスを最適化するために、工作物を揺動させる揺動装置を有していると、効果的であり得る。揺動装置は、特に複数の振り子アームを有する振り子装置を有することができ、それらの振り子アームは、好ましくは所望の揺動運動を得るため、かつ/又は最大の揺動運動を制限するために、機械的又は電気的に互いに結合されている。
【0070】
振り子アームの1つ又は複数が、特に工作物の揺動の間又は揺動位置を維持する間も、少なくとも部分的にそれぞれ2つの電極の間に延びていると、効果的であり得る。それによって好ましくは電極の間の間隙は、1つ又は複数の振り子アームを少なくとも部分的に収容するために利用され、それによって好ましくは流体容器のより小さい幅が実現可能である。
【0071】
その場合に工作物の揺動運動は、好ましくは振り子アームが電極と接触することがないように、制限される。
【0072】
本発明の他の好ましい特徴及び/又は利点が、実施例についての後続の説明と図面表示の対象である。
【0073】
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、処理設備の第1の実施例を図式的に斜視図で示しており、それにおいてメイン移送装置とリフト装置へ引き渡すための引渡し装置とを有する移送設備が設けられており、リフト装置は片側に2つのリフトユニットを有している。
【
図2】
図2は、メイン移送装置の一部をそれに配置されている工作物と共に拡大して示している。
【
図3】
図3は、
図1の処理設備の浸漬槽を通る垂直の縦断面を図式的に示しており、工作物がリフト装置によってこの浸漬槽内へ浸漬されている。
【
図4】
図4は、処理設備の第1の実施形態の、
図1に相当する図式的な斜視図であって、それにおいて両側にそれぞれ2つのリフトユニットを有するリフト装置が設けられている。
【
図5】
図5は、処理設備の第3の実施形態を図式的に示す斜視図であって、それにおいて互いに直径方向に対向して配置された2つのリフトユニットを有するリフト装置が設けられている。
【
図6】
図6は、処理設備の第4の実施形態を図式的に斜視図で示しており、それにおいてリフト装置の懸架装置として形成されたリフトユニットが設けられている。
【
図7】
図7は、処理設備の第5の実施形態を図式的に斜視図で示しており、それにおいて引渡し装置はチェーンコンベアとして形成されており、工作物がまさにメイン移送装置からリフト装置へ引き渡されている。
【
図8】
図8は、処理設備の第5の実施形態の、
図7に相当する図式的な表示であって、工作物はリフト装置によって浸漬槽内へ下降されている。
【
図9】
図9は、
図7に示す処理設備の第5の実施形態のメイン移送装置を拡大して示しており、工作物はメイン移送装置上のある位置に配置されており、その位置においてメイン移送方向に沿って工作物の移送が行われる。
【
図10】
図10は、メイン移送装置と工作物の、
図9に相当する図式的な斜視図であって、工作物は、工作物をメイン移送装置からリフト装置へ引き渡すために、伸縮装置によってリフト装置の方向へ移動されている。
【発明を実施するための形態】
【0075】
すべての図において、等しい部材又は機能的に等価の部材には、同一の参照符号が付されている。
【0076】
図1から3に示す、全体を符号100で示す処理設備の第1の実施形態は、工作物104、特に車両ボディ106を処理するための1つ又は複数の処理ステーション102を有している。
【0077】
処理設備100は、特に工作物104上にコーティングを設けるために用いられる。
【0078】
そのために特に複数の処理ステーション102が設けられており、それらは特に電気浸漬コーティング(電着)ステーションとして形成されている。
【0079】
図においては、各処理設備100について常に唯一の処理ステーション102が示されている。実際には、処理設備100は好ましくは複数の、特に少なくともほぼ等しく形成された処理ステーション102を有している。
【0080】
処理設備100は、メイン移送装置108を有しており、それを用いて工作物104がメイン移送方向110に沿って移送可能である。
【0081】
処理ステーション102は、側方に変位して、メイン移送装置108の隣に配置されており、特にメイン移送方向110に沿って連続して配置されている。
【0082】
次に、図に基づいて処理ステーション102の1つについて詳細に説明する。なお、当業者にとっては、他の処理ステーション102が機能的に同様に形成されており、かつメイン移送装置108が特に、工作物104を選択的に処理ステーション102の1つに、あるいは次々と複数のものに投入するために、メイン移送方向110に沿って工作物104を移送するために用いられることは、自明である。
【0083】
処理ステーション102は、流体容器112、特に浸漬槽114を有し、その中に工作物104を投入することができる。そのために処理ステーション102は、それぞれの工作物104を上昇又は下降させるためのリフト装置116を有している。
【0084】
リフト装置116は、1つ又は複数の、たとえば2つの、リフトユニット118を有しており、そのリフトユニットにそれぞれ1つ又は複数のリフト部材120が設けられている。
【0085】
リフトユニット118は、特にリフトコラム装置であって、それを用いて工作物104を上昇及び/又は下降させるための垂直の移動が実現可能である。
【0086】
各リフト部材120は、工作物104を移動させるために、工作物104に直接又は間接的に作用する。たとえば、実質的にL字状に形成されたリフト部材120が設けられており、そのリフト部材が工作物104の下を把持し、かつリフトユニット118に沿ってリフト部材120が摺動することによって、垂直方向に移動可能である。
【0087】
メイン移送装置108は、特にチェーンコンベア又はレールコンベア又はローラコンベアである。
図1から3に示す実施形態において、メイン移送装置108はレールコンベアである。
【0088】
メイン移送装置108は、それぞれ1つ又は複数の工作物104を収容するための1つ又は複数の走行キャリッジ122を有している。
【0089】
各走行キャリッジ122は、工作物104から滴る流体をキャッチして、周囲の汚れを最小限に抑えるために、たとえばキャッチトレイ125を有することができる。
【0090】
走行キャリッジ122は、工作物104を直接収容することができる。その代わりに、たとえば、走行キャリッジ122を工作物支持体124、たとえばスキッド126を収容するために用いることができる。その場合に工作物支持体124上に工作物104が配置されている。
【0091】
メイン移送装置108の走行キャリッジ122は、特に
図2に見られるローラ移送装置128を有している。
【0092】
このローラ移送装置128上に、工作物支持体124又は直接工作物104が支承されている。その場合にローラ移送装置128は、工作物104がメイン移送方向110に対して横に方向づけされた、メイン移送装置108の横方向130に移動可能であるように、方向づけされている。
【0093】
この横方向130は、特にメイン移送方向110に対して垂直かつ少なくとも近似的に水平に方向づけされている。
【0094】
メイン移送装置108の横方向130は、好ましくは工作物104の長手方向132に対して実質的に平行に方向づけされている。
【0095】
したがって工作物104は、メイン移送装置108上に横の向きで配置されており、かつこの横の向きおいてメイン移送方向110に沿って移送可能である。
【0096】
したがってメイン移送装置108は、横移送装置134である。
【0097】
横方向130は、同時に引渡し方向136であって、工作物をメイン移送装置108からリフト装置116上へ引き渡すために、この引渡し方向に沿って工作物104が移動可能である。
【0098】
処理設備100は、好ましくは引渡し装置140を有しており、それを用いてメイン移送装置108からリフト装置116への、かつリフト装置116からメイン移送装置108への引渡しが行われる。
【0099】
したがって処理設備100内で工作物104を移送するために、メイン移送装置108、引渡し装置140及びリフト装置116が協働する。
【0100】
メイン移送装置108、引渡し装置140及びリフト装置116が一緒になって、処理設備100の移送設備142を形成している。
【0101】
引渡し装置140は、2つに分けて形成されており、その場合に引渡し装置140の1つの移送装置セクション144がメイン移送装置108に、そして他の移送装置セクション144がリフト装置116に対応づけられている。
【0102】
引渡し装置140の、メイン移送装置108に対応づけられた移送装置セクション144は、特にローラ移送装置128によって、メイン移送装置108のそれぞれの走行キャリッジ122に形成されている。
リフト装置116に対応づけられた移送装置セクション144は、たとえば他のローラ移送装置128によって形成されており、それが特に処理ステーション102に実質的に固定して配置されている。
【0103】
リフト装置116に対応づけられたこのローラ移送装置128は、特に複数の支持ユニット146を有し、あるいは形成し、それらの支持ユニットがたとえばローラを有し、かつ工作物104及び/又は工作物支持体124を摺動可能に収容するために用いられる。
【0104】
支持ユニット146は、特に支持ユニット146の互いに対向する2つの列148の形式で形成されている。
【0105】
支持ユニット146の2つの列148は、互いに対して移動可能、特に互いに近づくように移動可能かつ互いに離れるように移動可能である。
【0106】
図1に示す、支持ユニット146の列148の位置において、これらの列は解放位置に配置されており、その場合に特に互いに対して最大に離隔して位置決めされている。
【0107】
この解放位置は、特に工作物104を浸漬槽114内へ沈めるための昇降路を解放するために用いられる。
【0108】
工作物104をメイン移送装置108から引き取り、かつ工作物104をメイン移送装置108へ引き渡すために、支持ユニット146の列148が互いに近づくように移動可能であるので、工作物104は場合によっては工作物支持体124を用いて支持ユニット146上へ載置することができ、したがって、特に支持ユニット146に配置されているローラを適切に駆動することによって、引渡し可能である。ローラ移送装置128のローラの駆動は、好ましくは、特に処理ステーション102及び/又はメイン移送装置108の、場合によっては液体を供給される領域内に電気コンポーネントを配置することを回避するために、1つ又は複数の機械的なカップリングを介して、行われる。
【0109】
図1と3から明らかなように、流体容器112内、特に浸漬槽114内に、複数の電極150が配置されている。これらは、工作物104に電流を供給するために用いられ、それによって特に工作物104をコーティングするための電着プロセスが実施可能である。
【0110】
特に
図3から明らかなように、電極150は好ましくは流体容器112内に次のように、すなわち電極150によって形成される電場をできる限り乱さないようにするために、それぞれ2つの電極150の間においてリフト部材120を流体容器112内へ挿入可能であるように、分配して配置されている。
【0111】
図1から3に示す、処理設備100の実施形態において、リフト装置116は2つのリフトユニット118のみを有しており、それらは流体容器112の同じ側に配置されている。
【0112】
図4に示す、処理設備100の第2の実施形態は、
図1から3に示す第1の実施形態から、リフト装置116が4つのリフトユニット118を有することによって実質的に区別され、その場合にそれぞれ2つのリフトユニット118が流体容器112の互いに対向する側に配置されている。
【0113】
そのほかにおいては、
図4に示すリフト装置116の実施形態は、構造と機能に関して
図1から3に示す実施形態と一致するので、その限りにおいてその上述した説明が参照される。
【0114】
図5に示す処理設備100の第3の実施形態は、
図1から3に示す実施形態から実質的に、2つのリフトユニット118が流体容器112の互いに対向する側に配置されていることによって、区別される。さらにリフトユニット118は、横方向130に関して互いに変位して配置されている。
【0115】
リフトユニット118は、特に流体容器112に関して互いに対角線方向に対向して配置されている。
【0116】
そのほかにおいては、
図5に示す第3の実施形態は、構造と機能に関して、
図1から3に示す第1の実施形態と一致するので、その限りにおいてその上述した説明が参照される。
【0117】
図6に示す、処理設備100の第4の実施形態は、
図1から3に示す第1の実施形態から、実質的に、リフト装置116がリフトコラムユニットとして形成されたリフトユニット118の代わりに、懸架装置152を有することによって、区別される。
【0118】
懸架装置152は、特に収容フレーム154を有しており、その収容フレームがリフト装置116のリフト部材120を形成している。
【0119】
さらに懸架装置152は、1つ又は複数のベルト156を有しており、そのベルトが、収容フレーム154をそれに配置されている工作物104と共に上昇及び/又は下降させることができるようにするために、特に電動で駆動可能である。
【0120】
ベルト156の代わりに、さらに、チェーン又はその他の牽引部材も考えられる。
【0121】
そのほかにおいて、
図6に示す処理設備100の第4の実施形態は、構造と機能に関して
図1から3に示す実施形態と一致するので、その限りにおいてその上述した説明が参照される。
【0122】
図7から10に示す処理設備100の第5の実施形態は、
図1から3に示す実施形態から、実質的に、引渡し装置140が2つのチェーン移送装置158によって形成されていることによって、区別される。
【0123】
その場合に1つのチェーン移送装置158はメイン移送装置108に対応づけられており、特にメイン移送装置108のそれぞれの走行キャリッジ122に配置されている。他のチェーン移送装置158は、リフト装置116に対応づけられている。
【0124】
特に
図7と8の比較から明らかなように、リフト装置116に対応づけられたチェーン移送装置158は、2つに分けて形成されており、その場合に各々チェーン移送装置158のチェーンを有する2つの部分は、互いに対して摺動可能であり、特に互いから離れるように移動することができ、かつ互いに近づくように移動することができる。
【0125】
したがってチェーン移送装置158の2つの部分は、
図1から3に示す処理設備100の第3の実施形態の支持ユニット146の列148に代わるものである。
【0126】
特にチェーン移送装置158の、リフト装置116に対応づけられた2つの部分は、解放位置(
図8を参照)と支持位置(
図7を参照)へ移動可能である。
【0127】
特に
図9と
図10の比較から明らかなように、メイン移送装置108に対応づけられたチェーン移送装置158は、走行キャリッジ122に対して移動可能である。
走行キャリッジ122は、特に伸縮装置160を有しており、それを用いてチェーン移送装置158が出るように走行可能である。
【0128】
伸縮装置160を用いて、特に、引渡し装置140の2つのチェーン移送装置158の間に最初に存在する間隙又は間隔を克服して、最終的にメイン移送装置108からリフト装置116への、もしくはリフト装置116からメイン移送装置108への工作物104のじゃまされない引渡しを保証することができる。
【0129】
図8からさらに明らかなように、揺動装置162を用いてリフト部材120をそれぞれのリフトユニット118へ配置することができる。
【0130】
それによって特に、工作物104を流体容器112内へ挿入し、あるいは引き出す際に工作物の傾きを可能にして、たとえばコーティングプロセスの泡形成とそれにともなう悪影響を回避することができる。
【0131】
その他において、
図7から10に示す処理設備100の第5の実施形態は、構造と機能に関して
図1から3に示す実施形態と一致するので、その限りにおいてその上述した説明が参照される。
【0132】
処理設備100の他の(図示されない)実施形態においては、上述した実施形態の種々の部材を組み合わせることができる。たとえば、
図7から10に示す第5の実施形態の2つの昇降ユニニット118の代わりに、
図6に示す第4の実施形態の懸架装置152を設けることができる。
【0133】
さらに、当業者にとっては、上述した形態から、処理設備100に関連して説明した多数の特徴が、特に工作物104の本来の処理に関係なく、移送設備142のためにも重要であることは、明らかである。
【符号の説明】
【0134】
100 処理設備
102 処理ステーション
104 工作物
106 車両ボディ
108 メイン移送装置
110 メイン移送方向
112 流体容器
114 浸漬槽
116 リフト装置
118 リフトユニット
120 リフト部材
122 走行キャリッジ
124 工作物支持体
125 キャッチトレイ
126 スキッド
128 ローラ移送装置
130 横方向
132 長手方向
134 横移送装置
136 引渡し方向
140 引渡し装置
142 移送設備
144 移送装置セクション
146 支持ユニット
148 列
150 電極
152 懸架装置
154 収容フレーム
156 ベルト
158 チェーン移送装置
160 伸縮装置
162 揺動装置
【国際調査報告】