IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トータルエナジーズ・ワンテック・ベルジャムの特許一覧 ▶ ユニベルシテ・ドゥ・レンヌの特許一覧 ▶ サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィーク(セーエヌエールエス)の特許一覧

<>
  • 特表-二元触媒組成物 図1
  • 特表-二元触媒組成物 図2
  • 特表-二元触媒組成物 図3
  • 特表-二元触媒組成物 図4
  • 特表-二元触媒組成物 図5
  • 特表-二元触媒組成物 図6
  • 特表-二元触媒組成物 図7
  • 特表-二元触媒組成物 図8
  • 特表-二元触媒組成物 図9
  • 特表-二元触媒組成物 図10
  • 特表-二元触媒組成物 図11
  • 特表-二元触媒組成物 図12
  • 特表-二元触媒組成物 図13
  • 特表-二元触媒組成物 図14
  • 特表-二元触媒組成物 図15
  • 特表-二元触媒組成物 図16
  • 特表-二元触媒組成物 図17
  • 特表-二元触媒組成物 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】二元触媒組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20241212BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
C08F4/6592
C08F10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532898
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2022083776
(87)【国際公開番号】W WO2023099525
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21306682.2
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523444899
【氏名又は名称】トータルエナジーズ・ワンテック・ベルジャム
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES ONETECH BELGIUM
(71)【出願人】
【識別番号】524207035
【氏名又は名称】ユニベルシテ・ドゥ・レンヌ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE RENNES
(71)【出願人】
【識別番号】501455677
【氏名又は名称】サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギフィン,ケイティ
(72)【発明者】
【氏名】カルパンティエ,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】キリロフ,エブゲニ
(72)【発明者】
【氏名】ウェル,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】シリエス,ビルジニー
【テーマコード(参考)】
4J100
4J128
【Fターム(参考)】
4J100AA02P
4J100AA16Q
4J100CA04
4J100DA01
4J100DA04
4J100DA09
4J100DA11
4J100DA19
4J100DA24
4J100DA47
4J100FA10
4J100FA19
4J100FA21
4J100FA28
4J100FA29
4J100JA15
4J128AA02
4J128AC28
4J128AD06
4J128AD08
4J128AD11
4J128AD13
4J128BA02A
4J128BB01A
4J128BB01B
4J128BC15B
4J128BC25A
4J128CA28A
4J128EB02
4J128EB09
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA09
4J128GA01
4J128GA05
4J128GA06
4J128GA08
4J128GA16
4J128GA19
4J128GA26
4J128GB01
(57)【要約】
本発明は、2個のインデニル基をもち、各インデニルが1個または複数の置換基で置換されている架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、置換基の少なくとも1個がアリールまたはヘテロアリールであり;触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比が95:5またはそれ以上である、触媒成分A;置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;ならびに任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒を含む触媒組成物に関する。本発明はまた前記組成物を使用する重合方法にも関する。本発明は前記触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたオレフィンポリマーおよび前記オレフィンポリマーを含む物品にさらに関する。本発明はまた:0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMI2であって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI;Mを重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0の範囲の分子量分布M/M;少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo;ならびに好ましくは13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分岐を有するメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている、架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、前記置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリール、好ましくはアリールであり;好ましくは前記置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは1個の置換基を3位に有し、好ましくは各インデニルは1個の置換基を5位に有し、さらにより好ましくは各インデニルは1個の置換基を各インデニルの3位に、1個の置換基を5位に有し、好ましくは前記アリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;触媒成分Aの前記架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比はH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上である、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;ならびに
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項2】
触媒成分A対触媒成分Bの重量比が25/75~35/65、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69の範囲、好ましくは30/70である、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
触媒成分Aが式(I)
【化1】

[式中、
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;m、pは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つは少なくとも1であり;
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、フェニル、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;n、qは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つは少なくとも1であり;
はSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項4】
触媒成分Bが式(II)
【化2】

[式中、
、R、およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
は-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【請求項6】
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~8.5の範囲の分子量分布M/M
少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo;ならびに
13C NMRにより決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって、ただし前記エチル分岐含量はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分岐
を有するメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項7】
をz平均分子量として最大で7.0、好ましくは最大で6.0、好ましくは最大で5.0、好ましくは最大で4.0、好ましくは最大で3.5、好ましくは少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.5の分子量分布M/Mを有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項8】
8.0~25.0、好ましくは10.0~20.0、好ましくは10.5~20.0の範囲の分子量分布M/Mを有する、請求項6~7のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項9】
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定して少なくとも0.910g/cmの密度を有する、請求項6~8のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項10】
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定して最大で0.965g/cmの密度を有する、請求項6~9のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項11】
前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも96.0℃~最高で105℃の温度で現れ、少なくとも20.0%~最大で100.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個のピークを含む、請求項6~10のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項12】
ポリマーの密度が0.938g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で92.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項13】
ポリマーの密度が0.925g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で73.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項14】
前記メタロセンが請求項1~5のいずれか1項に記載のメタロセン触媒組成物である、請求項6~13のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項15】
請求項6~14のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを含む物品。
【請求項16】
前記物品がフィルム用途、射出用途、ブロー成形用途、回転成形用途、押出用途、ヤーン用途向けである、請求項15に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は新しい二元触媒組成物、特に重合反応のための二元部位触媒組成物に関する。この発明はまた新しいエチレンポリマーおよび前記エチレンポリマーを含む物品にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
ポリマーの分野において、機械的特性の絶え間ない改良は必須である。この数年でメタロセン触媒をカスケード反応器と組み合わせて用いてテーラーメードの二峰性樹脂を作製することが達成された。しかしながら、複数の反応器の必要性は建造および操作の両方のコストを増大させ、これは単一の反応器で二元部位触媒組成物を用いて克服することができる。
【0003】
従来技術において、最初の明白な方策は複数の別々の触媒注入であった。この方法は高い柔軟性を示したけれど、いくつかの欠点が際立ち得る:複数の触媒注入はコストの増大を招き、ポリマー均一性を達成するのが困難であった。
【0004】
したがって単一の反応器で二元部位触媒を用いる方策は良い代替手段であるように思われた。しかしながら、この技術は異物化(heterogenization)およびより重要なことには活性化を適切に制御するのに困難さを伴う。これは、通例優勢な構造をもたらす一方で他は不活性に見える、異物化過程中のメタロセンの異なる挙動と関連しているかもしれない。また、文献中のいくつかの例で、ある組合せは反応性を欠くか、または特定の条件もしくは特定のプロセスで機能するだけである。課題は、これらの欠点を回避するためにメタロセンの正しい組合せを見出すことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の概要
したがって本発明の目的は上述の欠点を回避する新しい二元触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、meso立体異性体幾何学を有する架橋したビス-インデニルメタロセンであって、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換され、好ましくは置換基の少なくとも1個が各インデニルの3および/または5位、好ましくは各インデニルの3位にある、架橋したビス-インデニルメタロセン、ならびに置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ第2のメタロセンを含有する二元触媒組成物を提供する。本発明の新しい組成物は1つの反応器構成でユニークな分子構造および高い密度分裂(split)をもつポリエチレン生成物を与える。
【0007】
第1の態様において、本発明は、
2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されており、置換基の少なくとも1個がアリールまたはヘテロアリールである、架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって;触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比がH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上であり;好ましくは置換基の少なくとも1個が各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくはアリールまたはヘテロアリール置換基が各インデニルの3位にある、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;
任意的な活性化剤;任意的な支持体;ならびに任意的な助触媒
を含む触媒組成物を提供する。
【0008】
第2の態様において、本発明は、第1の態様による少なくとも1種の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法を提供する。
【0009】
第3の態様において、本発明は、第1の態様による少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたか、または本発明の第2の態様による方法により生成したオレフィンポリマーを提供する。
【0010】
第4の態様において、本発明は、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー、好ましくは連続法を用いて調製されるかかるエチレンポリマー、および少なくとも1種のメタロセン触媒組成物を提供し、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーは:
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0の範囲の分子量分布M/M
少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数(rheology long chain branching index)grheo;ならびに
13C NMRにより測定して、エチレンポリマーの総重量に対して好ましくは少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって、ただし前記エチル分岐含量はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分岐
を有する。
【0011】
本発明はまた、第3の態様によるオレフィンポリマー、および/または第4の態様によるメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを含む物品も包含する。
【0012】
本発明は前述した方策の欠点を克服する。本発明は、単一の担体上の2つのメタロセン活性部位をもつ触媒粒子を意味する二元触媒組成物を含む組成物を提供する。
【0013】
かかる触媒組成物は、たとえば、広い分子量分布、機械的特性を改良するのに理想的なコモノマー組み込みおよび他のシステムと比較してより高い活性を有するエチレン-コポリマーを生成するのに使用することができる。本組成物に使用される触媒は標的とする分子構造に対する制御をもたらし、逆のコモノマー分布(コモノマーがより高い分子量の鎖に集中する)を可能にする。エチレンとα-オレフィンの共重合の場合、二元触媒組成物は、極めて高い触媒活性に加えて、より低分子量とより高分子量画分との間のより高い密度分裂(より短い鎖対より長い鎖における非常に低いコモノマー組み込み)を提供する。より低分子量の成分は製品加工性を改良することができる一方で、より高分子量の成分は機械的特性を高めることができる。
【0014】
触媒成分Aは非常に低いコモノマー組み込みを有し、低分子量高密度の産物を提供する一方で、触媒成分Bは長鎖分岐の数が少ない低密度高分子量の産物を生じる。
【0015】
二元触媒組成物は新規な広い/二峰性の分子量分布、望ましい逆のコモノマー組み込み、および改良された加工/機械的特性をもつポリエチレン産物を提供することができる。
【0016】
触媒組成物は単一の反応器プロセス(スラリーループおよび/または気相)で、または多様なプロセスでさえ使用することができる。
【0017】
本発明はまた、広い分子量分布、理想的なコモノマー組み込みおよび改良された加工および機械的特性を有するエチレンポリマーも提供する。
【0018】
ポリマーは生成した後、限定されないがフィルム製品、キャップおよびクロージャー、ライナー、回転成形品、グラスヤーン、等を始めとする様々な物品に形成され得る。
【0019】
独立および従属請求項は本発明の特定および好ましい特徴を記載する。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立または他の従属請求項の特徴と組み合わせられ得る。
【0020】
以下本発明をさらに記載する。以下の記載で、本発明のいろいろな態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、明らかに反対に示されない限りいずれか1以上の他の態様と組み合わせられ得る。特に、好ましいまたは有利であると示されるあらゆる特徴または項は、好ましいまたは有利であると示される他のいずれかの特徴または項と組み合わせられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1はメタロセンエチレンポリマーの13C{H}NMRスペクトルをプロットするグラフを表す。
図2図2はmeso-Met1(mMet1)のH NMRスペクトルをプロットするグラフを表す。
図3図3は各触媒の様々な重量比のmMet1/Met2組成物で得られたポリマーのGPCトレース(すなわち、分子量分布(分子量の対数))をプロットグラフを表す。
図4図4は各触媒の様々な重量比のmMet1/Met2組成物で得られたポリマーに対する角周波数(ω、rad/s)の対数の関数として複素粘度(|η|Pa.s)の対数をプロットするグラフを表す。剪断歪み(γ)10%、対数スケールで表した角周波数(ω)-1~2.477(すなわち、0.1~300s-1)。
図5図5は各触媒の様々な重量比のmMet1/Met2組成物で得られたポリマーのvan Gurp-Palmenプロットを表す。
図6図6は樹脂A~Iの生産性をプロットするグラフを表す。
図7図7は樹脂A~Iのメルトインデックスを水素/エチレン供給濃度の関数としてプロットするグラフを表す。
図8図8は樹脂A~Iの密度を1-ヘキセン/エチレン供給濃度の関数としてプロットするグラフを表す。
図9図9は樹脂A~DのGPCトレースをプロットするグラフを表す。
図10図10は樹脂E~IのGPCトレースをプロットするグラフを表す。
図11図11は樹脂E~Iの分子量の対数の関数として比CH/CH(GPC-IR)をプロットするグラフを表す。
図12図12は樹脂A~Dに対する複素粘度(|η|Pa.s)の対数を角周波数(ω、rad/s)の対数の関数としてプロットするグラフを表す。剪断歪み(γ)10%、対数スケールで表した角周波数(ω)-1~2.477(すなわち、0.1~300s-1)。
図13図13は樹脂E~Iに対する複素粘度(|η|Pa.s)の対数を角周波数(ω、rad/s)の対数の関数としてプロットするグラフを表す。剪断歪み(γ)10%、対数スケールで表した角周波数(ω)-1~2.477(すなわち、0.1~300s-1)。
図14図14は樹脂A~Dのvan Gurp-Palmenプロットを表す。
図15図15は樹脂E~Iのvan Gurp-Palmenプロットを表す。
図16図16は樹脂A~Dに対して測定された溶融強度をプロットするグラフを表す。
図17図17は樹脂E~Iに対して測定された溶融強度をプロットするグラフを表す。
図18図18は樹脂E、F、H、IのTREF(昇温溶離分別)プロフィールをプロットするグラフを表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
本発明により包含される本組成物、化合物、ポリマー、方法、物品、および使用について記載する前に、かかる組成物、化合物、ポリマー、方法、物品、および使用は当然変化し得るため、この発明は記載される特定の組成物、化合物、ポリマー、方法、物品、および使用に限定されないと理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるのであるから、本明細書で使用される専門用語は限定することを意図していないことも理解されたい。
【0023】
別途定義されない限り、技術的用語および科学的用語を含めて本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、この発明が属する技術分野の当業者により普通に理解される意味を有する。さらなるガイダンスによって本記載で使用される用語の定義は本発明の教示をより良く理解するために含まれる。本発明の化合物、方法、物品、および使用を記載するとき、使用される用語は状況が他を指図しない限り、以下の定義に従って解釈するべきである。
【0024】
本明細書で使用されるとき、単数形態「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、状況が明らかに他を指図しない限り、単数と複数の両方の指示対象を含む。例として、「1つのポリマー(a polymer)」は1つのポリマーまたは1つより多くのポリマーを意味する。
【0025】
用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」は、本明細書で使用されるとき、「含むこと(including)」、「含む(includes)」または「含有すること(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括的または開放的(open-ended)であり、付加的な、列挙されてない一員、要素または方法ステップを排除しない。用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」はまた、用語「からなること(consisting of)」も含む。
【0026】
端点による数値範囲の列挙は、すべての整数および適当な場合にはその範囲内に含まれる分数を含む(たとえば1~5は、たとえば要素の数を指すときには1、2、3、4を含むことができ、またたとえば測定値を指すときには、1.5、2、2.75および3.80を含むこともできる)。端点の記載はまた端点の値自体も含む(たとえば1.0~5.0は1.0および5.0の両方を含む)。本明細書で列挙されるあらゆる数値範囲は、そこに含まれるすべての部分範囲を含むことが意図されている。
【0027】
この明細書を通じて「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通じて様々な部分での表現「一実施形態において」または「ある実施形態において」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態を意味するものではないが、そうであってもよい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、この開示から当業者には明らかなように1つまたは複数の実施形態においていずれかの適切な方法で組み合わせられ得る。さらに、当業者には理解されるように、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれる特徴のいくつかを含み他は含まないが、異なる実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することが意図されている。たとえば、以下の特許請求の範囲および項であらゆる実施形態をあらゆる組合せで使用することができる。
【0028】
用語「置換された」が本明細書で使用されるとき、それは、「置換された」を用いた表現に示されている原子上の1個または複数の水素原子が示された群からの選択物で置き換えられていることを示すことを意味し、ただし、示されている原子の通常の原子価を超えないこと、および置換の結果化学的に安定な化合物、すなわち反応混合物からの単離を乗り切るのに充分に頑丈な化合物が生じることを条件とする。インデニル基、シクロペンタジエニル基およびフルオレニル基の好ましい置換基はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、ヘテロアルキルを含む群から選択することができ;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである。好ましくは、各インデニルは少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール、より好ましくはアリールで置換され;好ましくは、アリール置換基またはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;インデニルはさらにアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、ヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである。
【0029】
基または基の一部としての用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードの総称である。
【0030】
基または基の一部としての用語「アルキル」は、式C2n+1のヒドロカルビル基をいい、nは1以上の数である。アルキル基は直鎖状でも分岐でもよく、本明細書で示されるように置換されていてもよい。一般に、この発明のアルキル基は1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を含む。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。たとえば、基または基の一部としての用語「C1~20アルキル」は、nが1~20の範囲の数である式-C2n+1のヒドロカルビル基をいう。したがって、たとえば、「C1~8アルキル」は1~8個の炭素原子を有するすべての直鎖状または分岐したアルキル基を含み、したがってメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、ブチルおよびその異性体(たとえばn-ブチル、i-ブチルおよびt-ブチル);ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、等を含む。「置換されたアルキル」はいずれかの利用可能な結合点において1個または複数の置換基(たとえば1~3個の置換基、たとえば1、2、または3個の置換基)で置換されたアルキル基をいう。
【0031】
アルキル基と関連して接尾辞「エン(ene)」が使用されるとき、すなわち「アルキレン」は、他の基への結合点として2つの単結合を有する本明細書で定義されているアルキル基を意味することを意図している。「アルカンジイル」ともいわれる用語「アルキレン」は、それ自体または別の置換基の一部として本明細書で使用されるとき、二価の、すなわち2個の他の基への結合のために2つの単結合を有するアルキル基をいう。アルキレン基は直鎖状でも分岐でもよく、本明細書で示されるように置換されていてもよい。アルキレン基の非限定例にはメチレン(-CH-)、エチレン(-CH-CH-)、メチルメチレン(-CH(CH)-)、1-メチル-エチレン(-CH(CH)-CH-)、n-プロピレン(-CH-CH-CH-)、2-メチルプロピレン(-CH-CH(CH)-CH-)、3-メチルプロピレン(-CH-CH-CH(CH)-)、n-ブチレン(-CH-CH-CH-CH-)、2-メチルブチレン(-CH-CH(CH)-CH-CH-)、4-メチルブチレン(-CH-CH-CH-CH(CH)-)、ペンチレンおよびその連鎖異性体、ヘキシレンおよびその連鎖異性体がある。
【0032】
基または基の一部としての用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含む直鎖状でも分岐でもよい不飽和のヒドロカルビル基をいう。一般に、この発明のアルケニル基は3~20個の炭素原子、好ましくは3~10個の炭素原子、好ましくは3~8個の炭素原子を含む。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されるとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。C3~20アルケニル基の例はエテニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニルおよびその異性体、2-ヘキセニルおよびその異性体、2,4-ペンタジエニル、などである。
【0033】
基または基の一部としての用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、Rが本明細書中で上記のように定義されたアルキルである式-ORを有する基をいう。適切なアルコキシの非限定例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシがある。
【0034】
基または基の一部としての用語「シクロアルキル」は、1つまたは複数の環状構造を有し、3~20個の炭素原子、より好ましくは3~10個の炭素原子、より好ましくは3~8個の炭素原子、より好ましくは3~6個の炭素原子を含む一価の飽和したヒドロカルビル基である環式アルキル基をいう。シクロアルキルは単環式、二環式基または三環式を含めて1つまたは複数の環を含有するすべての飽和炭化水素基を含む。多環式シクロアルキルのさらなる環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を意味する。たとえば、用語「C3~20シクロアルキル」は3~20個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~10シクロアルキル」は3~10個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~8シクロアルキル」は3~8個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~6シクロアルキル」は3~6個の炭素原子を含む環式アルキル基である。C3~12シクロアルキル基の例には、限定されることはないがアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、(1S,4R)-ノルボルナン-2-イル、(1R,4R)-ノルボルナン-2-イル、(1S,4S)-ノルボルナン-2-イル、(1R,4S)-ノルボルナン-2-イルがある。
【0035】
シクロアルキル基と関連して接尾辞「エン(ene)」が使用されているとき、すなわちシクロアルキレンは、他の基への結合点として2つの単結合を有する本明細書で定義されているシクロアルキル基を意味することを意図している。「シクロアルキレン」の非限定例には1,2-シクロプロピレン、1,1-シクロプロピレン、1,1-シクロブチレン、1,2-シクロブチレン、1,3-シクロペンチレン、1,1-シクロペンチレン、および1,4-シクロヘキシレンがある。
【0036】
アルキレンまたはシクロアルキレン基が存在する場合、それが一部を形成する分子構造への接続は共通の炭素原子または異なる炭素原子を介し得る。この発明のアスタリスク命名法(asterisk nomenclature)を適用して図示すると、Cアルキレン基はたとえば*-CHCHCH-*、*-CH(-CHCH)-*または*-CHCH(-CH)-*であり得る。同様に、Cシクロアルキレン基は
【0037】
【化1】
【0038】
であり得る。
基または基の一部としての用語「シクロアルケニル」は少なくとも1つの部位(通常1~3、好ましくは1)の不飽和、すなわち炭素-炭素sp2二重結合があり;好ましくは5~20個の炭素原子、より好ましくは5~10個の炭素原子、より好ましくは5~8個の炭素原子、より好ましくは5~6個の炭素原子を有する非芳香族の環式アルケニル基をいう。シクロアルケニルは単環式、二環式または三環式の基を含めて1つまたは複数の環を含有するすべての不飽和炭化水素基を包含する。さらなる環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。たとえば、用語「C5~20シクロアルケニル」は5~20個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば、用語「C5~10シクロアルケニル」は5~10個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば用語「C5~8シクロアルケニル」は5~8個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば用語「C5~6シクロアルキル」は5~6個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。例としては限定されることはないが、シクロペンテニル(-C)、シクロペンテニルプロピレン、メチルシクロヘキセニレンおよびシクロヘキセニル(-C)がある。二重結合は、cisまたはtrans配置のいずれであってもよい。
【0039】
基または基の一部としての用語「シクロアルケニルアルキル」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているシクロアルケニルにより置き換えられている、本明細書で定義されているアルキルを意味する。
【0040】
基または基の一部としての用語「シクロアルコキシ」は、Rが本明細書中で上記のように定義されたシクロアルキルである式-ORを有する基をいう。
【0041】
基または基の一部としての用語「アリール」は、単一の環(すなわちフェニル)または互いに縮合した(たとえばナフチル)、もしくは共有結合した複数の芳香族環を有し、通例6~20個の原子;好ましくは6~10個を含有し、少なくとも1つの環が芳香族である多価不飽和の芳香族ヒドロカルビル基をいう。芳香族の環は場合によりそれに縮合した1~2つの追加の環(シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールのいずれか)を含んでいてもよい。適切なアリールの例にはC6~20アリール、好ましくはC6~10アリール、より好ましくはC6~8アリールがある。アリールの非限定例はフェニル、ビフェニリル、ビフェニレニル、または1-もしくは2-ナフタレニル(naphthanelyl);1-、2-、3-、4-、5-または6-テトラリニル(「1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン」ともいわれる);1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-アズレニル、4-、5-、6または7-インデニル;4-または5-インダニル;5-、6-、7-または8-テトラヒドロナフチル;1,2,3,4-テトラヒドロナフチル;および1,4-ジヒドロナフチル;1-、2-、3-、4-または5-ピレニルを含む。「置換されたアリール」は、いずれかの利用可能な結合点に1個または複数の置換基(たとえば1、2もしくは3個の置換基、または1~2個の置換基)を有するアリール基をいう。
【0042】
基または基の一部としての用語「アリールオキシ」は、Rが本明細書中で上記のように定義されたアリールである式-ORを有する基をいう。
【0043】
基または基の一部としての用語「アリールアルキル」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているアリールにより置き換えられている、本明細書で定義されているアルキルを意味する。アリールアルキル基の非限定例にはベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3-(2-ナフチル)-ブチル、などがある。
【0044】
基または基の一部としての用語「アルキルアリール」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているアルキルにより置き換えられている、本明細書で定義されているアリールを意味する。アルキルアリール基の非限定例には、Rが本明細書中で上記のように定義されたアリールであるp-CH-R-がある。
【0045】
基または基の一部としての用語「アリールアルキルオキシ」または「アラルコキシ」は、Rがアリールであり、Rが本明細書中で上記のように定義されたアルキレンである式-O-R-Rを有する基をいう。
【0046】
基または基の一部としての用語「ヘテロアルキル」は、1個または複数の炭素原子がO、Si、S、B、およびPを含む群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子により置き換えられている非環式のアルキルをいい、ただし前記鎖は2個の隣接したヘテロ原子を含有し得ない。これは、前記非環式アルキルの1個もしくは複数の-CHがたとえば-OHにより置き換えられていてもよく、ならびに/または前記非環式アルキルの1個もしくは複数の-CR-がO、Si、S、B、およびPにより置き換えられていてもよいということを意味する。
【0047】
基または基の一部としての用語「アミノアルキル」は、Rがアルキレンであり、Rが水素または本明細書で定義されているアルキルであり、Rが水素または本明細書で定義されているアルキルである基-R-NRをいう。
【0048】
基または基の一部としての用語「ヘテロシクリル」は、炭素原子を含有する少なくとも1個の環に少なくとも1個のヘテロ原子を有する好ましくは全部で3~10個の環原子を含有する非芳香族の完全に飽和または一部不飽和の環式基(たとえば、3~7員の単環式基、7~10員の二環式基)をいう。ヘテロ原子を含有するヘテロ環式基の各々の環はN、S、Si、Geから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有し得、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されてもよい。ヘテロ環式基は原子価が許容する場合、環または環系のいずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。多環式のヘテロ環の環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。
【0049】
非限定的な代表的なヘテロ環式基にはアジリジニル、オキシラニル、チイラニル(thiiranyl)、ピペリジニル、アゼチジニル、2-イミダゾリニル、ピラゾリジニル イミダゾリジニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、スクシンイミジル、3H-インドリル、インドリニル、イソインドリニル、2H-ピロリル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、4H-キノリジニル、2-オキソピペラジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、2-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、オキセタニル、チエタニル(thietanyl)、3-ジオキソラニル、1,4-ジオキサニル、2,5-ジオキシミダゾリジニル(dioximidazolidinyl)、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリン-1-イル、テトラヒドロイソキノリン-2-イル、テトラヒドロイソキノリン-3-イル、テトラヒドロイソキノリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イルスルホキシド、チオモルホリン-4-イルスルホン、1,3-ジオキソラニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジチアニル、1,3,5-トリオキサニル、1H-ピロリジニル、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチオフェニル、N-ホルミルピペラジニル、およびモルホリン-4-イルがある。
【0050】
本発明で使用されるとき用語「化合物」または類似の用語は、以下で定義される一般式(I)および/または(II)の化合物ならびにそれらのすべての多形体および晶癖、およびそれらの異性体(光学、幾何および互変異性体を含む)を含めてそのあらゆる部分群(subgroup)を含むことを意味する。
【0051】
式(I)および/または(II)の化合物またはそのあらゆる部分群はアルケニル基を含み得、幾何学的cis/trans(またはZ/E)異性体が本発明に包含される。構造異性体が低いエネルギー障壁を介して相互転換可能である場合、互変の異性(「互変異性」)が起こり得る。これは、たとえば、ケト基を含有する式(I)の化合物においてプロトン互変異性、または芳香族部分を含有する化合物においていわゆる原子価互変異性の形態をとることができる。結果として、単一の化合物が1より多くの種類の異性を示すことがある。
【0052】
Cis/trans異性体は当業者によく知られている慣用の技術、たとえば、クロマトグラフィーおよび分別結晶により分離され得る。
【0053】
この発明の組成物、方法、ポリマー、物品、および使用の好ましい項(特徴)および実施形態を以下に記載する。そのように定義される本発明の各々の項および実施形態は、明らかに反対に示されない限り、あらゆる他の項および/または実施形態と組み合わせ得る。特に、好ましいまたは有利であると示されているいずれの特徴も、好ましいまたは有利であると示されているあらゆる他の特徴または項と組み合わせ得る。これに関して、本発明は特に以下に番号を付けた項および実施形態のいずれか1つまたはその1つもしくは複数と他のいずれかの態様および/または実施形態とのあらゆる組合せにより捉えられる。
【0054】
1.2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリールであり、好ましくは触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比は好ましくはH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上であり;好ましくは置換基の少なくとも1個はアリールであり;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは3位に1個の置換基を有し、好ましくは各インデニルは5位に1個の置換基を有し、さらにより好ましくは各インデニルは各インデニルの3位に1個の置換基を、また5位に1個の置換基を有し、好ましくはアリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にある、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B
任意的な活性化剤;任意的な支持体;ならびに任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【0055】
2.2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリールであり、好ましくは触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比は好ましくはH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上であり;好ましくは置換基の少なくとも1個はアリールであり;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは3位に1個の置換基を有し、好ましくは各インデニルは5位に1個の置換基を有し、さらにより好ましくは各インデニルは各インデニルの3位に1個の置換基を、また5位に1個の置換基を有し、好ましくはアリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にある、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;
活性化剤;支持体;ならびに任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【0056】
3.触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比が好ましくはH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上である、項1~2のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0057】
4.触媒成分A対触媒成分Bの重量比が10/90~90/10の範囲、好ましくは15/85~80/20の範囲、好ましくは20/80~70/30の範囲、好ましくは20/80~60/40の範囲、好ましくは20/80~50/50の範囲、好ましくは20/80~40/60の範囲、より好ましくは25/75~35/65の範囲、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69、好ましくは30/70である、項1~3のいずれか1つに係る組成物。
【0058】
5.触媒成分Bの架橋したメタロセン化合物が少なくとも1個のアルケニル、シクロアルケニル、またはシクロアルケニルアルキル置換基、好ましくは少なくとも1個のC3~20アルケニル、C5~20シクロアルケニル、またはC6~20シクロアルケニルアルキル置換基、より好ましくは少なくとも1個のC3~8アルケニル、C5~8シクロアルケニル、またはC6~8シクロアルケニルアルキル置換基を含む、項1~4のいずれか1つに係る組成物。
【0059】
6.触媒成分Bの架橋したメタロセン化合物が少なくとも1個のアルケニル、シクロアルケニル、またはシクロアルケニルアルキル置換基を架橋上に;好ましくは少なくとも1個のC3~20アルケニル、C5~20シクロアルケニル、またはC6~20シクロアルケニルアルキル置換基を、より好ましくは少なくとも1個のC3~8アルケニル、C5~8シクロアルケニル、またはC6~8シクロアルケニルアルキル置換基を含む、項1~5のいずれか1つに係る組成物。
【0060】
7.触媒成分AがSi、または場合により各々独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはシクロアルケニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよいC架橋原子を含有する、項1~6のいずれか1つに係る組成物。
【0061】
8.触媒成分BがC、Si、BまたはGe架橋原子を含有する、項1~7のいずれか1つに係る組成物。
【0062】
9.活性化剤がアルミノキサン化合物、有機ホウ素もしくは有機ホウ酸(organoborate)化合物、イオン化性イオン性(ionizing ionic)化合物、またはこれらの任意の組合せを含み、好ましくは、活性化剤がアルモキサン化合物を含む、項1~8のいずれか1つに係る組成物。
【0063】
10.活性化剤が式(V)または(VI)
オリゴマー性の直鎖状アルモキサンに対してR-(Al(R)-O)-AlR (V);または
オリゴマー性の環式アルモキサンに対して(-Al(R)-O-) (VI)
[式中、
xは1~40、好ましくは10~20であり;
yは3~40、好ましくは3~20であり;
各Rは独立してC1~8アルキルから選択され、好ましくはメチルである]
の少なくとも1種のアルモキサン化合物を含む、項1~9のいずれか1つに係る組成物。
【0064】
11.活性化剤がメチルアルモキサンである、項1~10のいずれか1つに係る組成物。
【0065】
12.触媒組成物が助触媒を含む、項1~11のいずれか1つに係る組成物。
13.触媒組成物が有機アルミニウム助触媒を含む、項1~12のいずれか1つに係る組成物。
【0066】
14.触媒組成物がトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムクロリド、およびこれらの任意の組合せを含む群から選択される有機アルミニウム助触媒を含む、項1~13のいずれか1つに係る組成物。
【0067】
15.支持体が固体酸化物、好ましくは固体無機酸化物を含み、好ましくは、固体酸化物がチタネート化シリカ(titanated silica)、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、リン酸アルミニウム、アルミノリン酸塩、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、これらの混合酸化物、またはこれらの任意の混合物;好ましくは、シリカ、チタネート化シリカ、フッ化物で処理したシリカ、シリカ-アルミナ、フッ化物で処理したアルミナ、硫酸化アルミナ、フッ化物で処理したシリカ-アルミナ、硫酸化シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、フッ化物で処理したシリカ、硫酸化シリカ被覆アルミナ、またはこれらの任意の組合せを含む、項1~14のいずれか1つに係る組成物。
【0068】
16.支持体が最大で50μm、好ましくは最大で40μm、好ましくは最大で30μmのD50を有し、D50は粒子の50重量パーセントがD50より小さい大きさを有する粒径と定義され、粒径はMalvernタイプの分析装置でレーザー回折分析により測定され得る、項1~15のいずれか1つに係る組成物。
【0069】
17.アルモキサン活性化剤;およびチタネート化シリカまたはシリカ固体支持体;および任意的な助触媒を含む、項1~16のいずれか1つに係る組成物。
【0070】
18.触媒成分Aが式(I)
【0071】
【化2】
【0072】
[式中、
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;m、pは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つは少なくとも1であり;
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、フェニル、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;n、qは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つは少なくとも1であり;
はSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセン触媒のmeso体を含む、項1~17のいずれか1つに係る組成物。
【0073】
19.触媒成分AがSiRまたは-[CR-架橋基;好ましくはSiR架橋基を含有し;hが1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々が独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキル、好ましくはアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRがそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する、項1~18のいずれか1つに係る組成物。
【0074】
20.触媒成分Aが式(I)
【0075】
【化3】
【0076】
[式中、
、Rの各々は独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はC6~20アリール、好ましくはフェニルであり;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルであり;m、pは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つは少なくとも1であり;
、Rの各々は独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はC6~20アリール、好ましくはフェニルであり;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルであり;n、qは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つは少なくとも1であり;
はSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、アミノC1~6アルキル、およびC7~20アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;好ましくはLはSiRであり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、アミノC1~6アルキル、およびC7~20アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;好ましくはRおよびRの各々は独立してC1~6アルキルであり;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、C1~20アルキル、-N(R11、C1~20アルコキシ、C3~20シクロアルコキシ、C7~20アラルコキシ、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C7~20アルキルアリール、C7~20アラルキル、およびヘテロC1~20アルキルからなる群から選択され;R11は水素またはC1~20アルキルである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、項1~19のいずれか1つに係る組成物。
【0077】
21.RおよびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個がC6~10アリール、好ましくはフェニルであり;各R10が独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニルであり;m、pが各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つが少なくとも1であり;
およびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個がC6~10アリール、好ましくはフェニルであり;各R10が独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニル;n、qが各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つが少なくとも1であり;
がSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hが1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々が独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、アミノC1~6アルキル、およびC7~12アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRがそれらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成し;好ましくはLがSiRであり;好ましくはRおよびRの各々が独立して水素、またはC1~8アルキルから選択され;
がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMがジルコニウムであり;
およびQが各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C1~8アルコキシ、C3~8シクロアルコキシ、C7~12アラルコキシ、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C7~12アルキルアリール、C7~12アラルキル、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R11が水素またはC1~8アルキルである、項18~20のいずれか1つに係る組成物。
【0078】
22.RおよびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個がC6~10アリール、好ましくはフェニルであり;m、pが各々独立して0、1、2、3、または4;好ましくは0、1、2、または3、好ましくは0、1、または2;好ましくは0、または1から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つが少なくとも1であり;
およびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個がC6~10アリール、好ましくはフェニルであり;n、qが各々独立して0、1、2、3、または4;好ましくは0、1、2、または3、好ましくは0、1、または2;好ましくは0、または1から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つが少なくとも1であり;
がSiR、または-[CR-であり;hが1、または2から選択される整数であり;RおよびRの各々が独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル;C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくはLがSiRであり;好ましくはRおよびRの各々が独立して水素、またはC1~8アルキルから選択され;
がジルコニウム、またはハフニウムから選択される遷移金属であり;好ましくはMがジルコニウムであり;
およびQが各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C6~10アリール、およびC7~12アラルキルを含む群から選択され;R11が水素またはC1~8アルキルであり、好ましくはQおよびQが各々独立してCl、F、Br、I、メチル、ベンジル、およびフェニルを含む群から選択される、項18~21のいずれか1つに係る組成物。
【0079】
23.触媒成分Aが式(Ia)
【0080】
【化4】
【0081】
[式中、R、R、R、R、L、M、Q、Q、pおよびqは項18~22のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくはRおよびRは各々独立してC6~10アリールである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、項1~22のいずれか1つに係る組成物。
【0082】
24.触媒成分Aが式(Ib)
【0083】
【化5】
【0084】
[式中、R、R、R、R、L、M、Q、およびQは項18~22のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくはRおよびRは各々独立してC6~10アリールである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、項1~23のいずれか1つに係る組成物。
【0085】
25.触媒成分Aが式(Ic)
【0086】
【化6】
【0087】
のmeso架橋したメタロセンを含む、項1~24のいずれか1つに係る組成物。
26.触媒成分Bが式(II)
【0088】
【化7】
【0089】
[式中、
、R、およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
は-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、項1~25のいずれか1つに係る組成物。
【0090】
27.触媒成分Bが式(II)
【0091】
【化8】
【0092】
[式中、
、R、およびRの各々は独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~20アルキルからなる群から選択され;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルであり;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
は-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、アミノC1~6アルキル、およびC7~20アリールアルキルからなる群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、C1~20アルキル、-N(R11、C1~20アルコキシ、C3~20シクロアルコキシ、C7~20アラルコキシ、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C7~20アルキルアリール、C7~20アラルキル、およびヘテロC1~20アルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~20アルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、項1~26のいずれか1つに係る組成物。
【0093】
28.R、R、およびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;各R10が独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニルであり;r、s、tが各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
が-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hが1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々が独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、アミノC1~6アルキル、およびC7~12アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRがそれらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成し;
がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQが各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C1~8アルコキシ、C3~8シクロアルコキシ、C7~12アラルコキシ、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C7~12アルキルアリール、C7~12アラルキル、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R11が水素またはC1~8アルキルである、項26~27のいずれか1つに係る組成物。
【0094】
29.R、R、およびRの各々が独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択され;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4;好ましくは0、1、2、または3、好ましくは0、1、または2;好ましくは0、または1から選択される整数であり;
が-[CR-、またはSiRであり;hが1、または2から選択される整数であり;RおよびRの各々が独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル;C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;
がジルコニウム、またはハフニウム;好ましくはジルコニウムから選択される遷移金属であり;
およびQが各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C6~10アリール、およびC7~12アラルキルを含む群から選択され;R11が水素またはC1~8アルキルであり、好ましくはQおよびQが各々独立してCl、F、Br、I、メチル、ベンジル、およびフェニルを含む群から選択される、項26~28のいずれか1つに係る組成物。
【0095】
30.触媒成分Aが式(IIa)
【0096】
【化9】
【0097】
[式中、R、R、R、L、M、Q、Q、およびrは項26~29のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくは各々のRおよびRはC1~8アルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、項1~29のいずれか1つに係る組成物。
【0098】
31.触媒成分Bが式(IIb)
【0099】
【化10】
【0100】
[式中、R、R、L、M、Q、Qは項26~29のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくは各々のRおよびRはC1~8アルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、項1~30のいずれか1つに係る組成物。
【0101】
32.触媒成分Bが式(IIc)
【0102】
【化11】
【0103】
[式中、R、R、R、R、M、Q、Qは項26~29のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくは各々のRおよびRはC1~8アルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、項1~31のいずれか1つに係る組成物。
【0104】
33.触媒成分Bが式(IId)
【0105】
【化12】
【0106】
の架橋したメタロセンを含む、項1~32のいずれか1つに係る組成物。
34.触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比が95:5またはそれ以上であり、触媒成分A対触媒成分Bの重量比が20/80~50/50の範囲、好ましくは20/80~40/60の範囲、好ましくは25/75~35/65、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69の範囲、好ましくは30/70である、項1~33のいずれか1つに係る組成物。
【0107】
35.触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比が90:10またはそれ以上、好ましくは95:5またはそれ以上であり、触媒成分A対触媒成分Bの重量比が好ましくは25/75~35/65の範囲、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69の範囲、好ましくは30/70である、項1~34のいずれか1つに係る組成物。
【0108】
36.項1~35のいずれか1つに係る触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【0109】
37.方法がスラリー相または気相または液相、好ましくはスラリー相で行なわれる、項36に係る方法。
【0110】
38.方法が1つまたは複数のバッチ反応器、スラリー反応器、気相反応器、溶液反応器、高圧反応器、管状反応器、オートクレーブ反応器、またはこれらの組合せで実施される、項36~37のいずれか1つに係る方法。
【0111】
39.方法が単一の反応ゾーンで実施される、項36~38のいずれか1つに係る方法。
【0112】
40.重合がバッチ式または連続法で行なわれることができる、項36~39のいずれか1つに係る方法。
【0113】
41.重合が連続法で行なわれる、項36~40のいずれか1つに係る方法。
42.オレフィンモノマーがエチレンであり、オレフィンコモノマーがプロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-l-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含み;好ましくはオレフィンコモノマーが1-ヘキセンである、項36~41のいずれか1つに係る方法。
【0114】
43.オレフィンモノマーがプロピレンであり、オレフィンコモノマーがエチレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-l-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む、項36~41のいずれか1つに係る方法。
【0115】
44.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;Mを重量平均分子量、Mを数平均分子量として、4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0、好ましくは4.0~6.5、好ましくは4.0~6.0、好ましくは4.0~5.8の範囲の分子量分布M/Mを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42のいずれか1つに係る方法。
【0116】
45.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;Mをz平均分子量として、最大で7.0、好ましくは最大で6.0、好ましくは最大で5.5、好ましくは最大で4.0、好ましくは最大で3.5、好ましくは少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.5の分子量分布M/Mを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44のいずれか1つに係る方法。
【0117】
46.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;Mをz平均分子量、Mを数平均分子量として、少なくとも8.0、好ましくは少なくとも9.0、好ましくは少なくとも9.5、好ましくは少なくとも10.0、好ましくは少なくとも10.5、好ましくは最大で25.0、好ましくは最大で22.5、好ましくは最大で20.0の分子量分布M/Mを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~45のいずれか1つに係る方法。
【0118】
47.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;13C NMR分析により決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.34重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは最大で0.98重量%のエチル分岐を有するエチレンポリマーを得るステップを含み、ただし前記エチル分岐が1-ブテンコモノマー組み込みからは生じないことを条件とし;および/または方法に使用される任意的なコモノマーが1-ブテンではないことを条件とする、項36~42、44~46のいずれか1つに係る方法。
【0119】
48.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;13C NMR分析により決定して、エチレンポリマーの総重量に対して0.0重量%~15.0重量%、好ましくは0.0重量%~10.0重量%、好ましくは0.0重量%~9.0重量%の範囲の総コモノマー含量、たとえば1-ヘキセン含量を有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~47のいずれか1つに係る方法。
【0120】
49.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;0.1g/10min~12.0g/10min、好ましくは0.2g/10min~11.0g/10min、好ましくは0.3g/10min~10.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIを有するエチレンポリマーを得るステップを含み、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で、2.096mmのダイを用いて決定される、項36~42、44~48のいずれか1つに係る方法。
【0121】
50.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;10.0g/10min~300.0g/10minの範囲のメルトインデックスHLMI、好ましくは11.0g/10min~280.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは12.0g/10min~270.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは12.0g/10min~270.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは13.0g/10min~260.0g/10minの範囲のHLMIを有するエチレンポリマーを得るステップを含み、メルトインデックスHLMIはISO 1133:2005 Method B、条件Gに従って、温度190℃、21.6kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、項36~42、44~49のいずれか1つに係る方法。
【0122】
51.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;0.5g/10min~30.0g/10min、好ましくは0.7g/10min~28.0g/10min、好ましくは1.0g/10min~25.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIを有するエチレンポリマーを得るステップを含み、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Tに従って温度190℃、5kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、項36~42、44~50のいずれか1つに係る方法。
【0123】
52.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;最大で40.0;好ましくは最大で35.0、好ましくは少なくとも15.0、好ましくは少なくとも20.0のメルトインデックス比(melt index ratio)HLMI/MIを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~51のいずれか1つに係る方法。
【0124】
53.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;最大で20.0;好ましくは最大で15.0、好ましくは少なくとも5.0、好ましくは少なくとも7.0のメルトインデックス比HLMI/MIを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~52のいずれか1つに係る方法。
【0125】
54.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.94のレオロジー長鎖分岐指数grheoを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~53のいずれか1つに係る方法。
【0126】
55.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して少なくとも0.910g/cmの密度を有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~54のいずれか1つに係る方法。
【0127】
56.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して最大で0.965g/cm;好ましくは最大で0.963g/cm、好ましくは少なくとも0.910g/cm、好ましくは少なくとも0.915g/cmの密度を有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~55のいずれか1つに係る方法。
【0128】
57.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して0.910g/cm~0.965g/cmの範囲、好ましくは0.915g/cm~0.960g/cmの範囲の密度を有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~56のいずれか1つに係る方法。
【0129】
58.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して0.910g/cm~0.965g/cmの範囲、好ましくは0.915g/cm~0.960g/cmの範囲の密度;および
13C NMR分析により決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30%~最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31、最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31%~最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32%~最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.34%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35%~最大で0.98重量%のエチル分岐
を有するエチレンポリマーを得るステップを含み、好ましくは任意的なコモノマーが1-ブテンでない、項36~42、44~57のいずれか1つに係る方法。
【0130】
59.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;132℃未満、好ましくは100℃~132℃未満の範囲、より好ましくは110℃~132℃の範囲、さらにより好ましくは120℃~132℃の範囲のDSCにより決定される少なくとも1つの融解温度Tを有するエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~58のいずれか1つに係る方法。
【0131】
60.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;エチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも96.0℃~最高で105℃の温度で現れ、かつ少なくとも20.0%~最大で100.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個のピークを含むエチレンポリマーを得るステップを含む、項36~42、44~59のいずれか1つに係る方法。
【0132】
61.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;ポリマーの密度が0.938g/cm未満であるとき、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最高で92.0℃の温度で現れ、かつ少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含むエチレンポリマーを得るステップを含む、項60に係る方法。
【0133】
62.オレフィンモノマーがエチレンであり、エチレンおよび場合によりオレフィンコモノマーを触媒組成物と接触させ;ポリマーの密度が0.925g/cm未満であるとき、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最高で73.0℃の温度で現れ、かつ少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含むエチレンポリマーを得るステップを含む、項60に係る方法。
【0134】
63.項1~35のいずれか1つに係る少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたかまたは項36~62のいずれか1つに係る方法により生産されたオレフィンポリマー。
【0135】
64.前記オレフィンポリマーがエチレンポリマーである、項63に係るオレフィンポリマー。
【0136】
65.0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI;ならびに
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M
を有する、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0137】
66.13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐を有し、前記エチル分岐は1-ブテンをコモノマーとして用いて生じるのでなく;好ましくは前記エチレンポリマーがホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない、項65に係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0138】
67.13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐を有し、前記エチレンポリマーはホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない、項65または66に係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0139】
68.0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M;ならびに
13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって、前記エチル分岐は1-ブテンをコモノマーとして用いて生じるのでなく;好ましくは前記エチレンポリマーはホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない、エチル分岐
を有する、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0140】
69.少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.94のレオロジー長鎖分岐指数grheoを有する、項65~68のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0141】
70.0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~8.5の範囲の分子量分布M/M
少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo;ならびに
13C NMRにより決定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって;好ましくは前記エチレンポリマーはホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない、エチル分岐
を有する、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0142】
71.0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M;ならびに
少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.94、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo
を有する、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0143】
72.13C NMR分析により決定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.31重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.34重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは最大で0.98重量%のエチル分岐を有し、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテンの添加なしであることを条件とし;および/または好ましくは前記エチレンポリマーはホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない、項65~71のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0144】
73.Mをz平均分子量として最大で7.0、好ましくは最大で6.0、好ましくは最大で5.5、好ましくは最大で4.0、好ましくは最大で3.5、好ましくは少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.5の分子量分布M/Mを有する、項65~75のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0145】
74.Mをz平均分子量、Mを数平均分子量として少なくとも8.0、好ましくは少なくとも9.0、好ましくは少なくとも9.5、好ましくは少なくとも10.0、好ましくは少なくとも10.5、好ましくは最大で25.0、好ましくは最大で22.5、好ましくは最大で20.0の分子量分布M/Mを有する、項65~73のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0146】
75.0.2g/10min~11.0g/10min、好ましくは0.3g/10min~10.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIを有する、項65~74のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0147】
76.10.0g/10min~300.0g/10minの範囲のメルトインデックスHLMIであって、メルトインデックスHLMIはISO 1133:2005 Method B、条件Gに従って温度190℃、および21.6kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスHLMI、好ましくは11.0g/10min~280.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは12.0g/10min~270.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは12.0g/10min~270.0g/10minの範囲のHLMI、好ましくは13.0g/10min~260.0g/10minの範囲のHLMIを有する、項65~75のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0148】
77.0.5g/10min~30.0g/10min、好ましくは0.7g/10min~28.0g/10min、好ましくは1.0g/10min~25.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Tに従って温度190℃、5kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定されるメルトインデックスMIを有する、項65~76のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0149】
78.最大で40.0;好ましくは最大で35.0、好ましくは少なくとも15.0、好ましくは少なくとも20.0のメルトインデックス比HLMI/MIを有する、項65~77のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0150】
79.最大で20.0;好ましくは最大で15.0、好ましくは少なくとも5.0、好ましくは少なくとも7.0のメルトインデックス比HLMI/MIを有する、項65~78のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0151】
80.規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して少なくとも0.910g/cmの密度を有する、項65~79のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0152】
81.規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して最大で0.965g/cm;好ましくは最大で0.963g/cm、好ましくは少なくとも0.910g/cm、好ましくは少なくとも0.915g/cmの密度を有する、項65~80のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0153】
82.規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して0.910g/cm~0.965g/cmの範囲、好ましくは0.915g/cm~0.960g/cmの範囲の密度;および
13C NMR分析により決定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30%~最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31、最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31%~最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32%~最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.34%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35%~最大で0.98重量%のエチル分岐
を有する、項65~81のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0154】
83.132℃未満、好ましくは100℃~132℃未満の範囲、より好ましくは110℃~132℃の範囲、さらにより好ましくは120℃~132℃の範囲のDSCにより決定される少なくとも1つの融解温度Tを有する、項65~82のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0155】
84.メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも96.0℃~最高で105℃の温度で現れ、かつ少なくとも20.0%~最大で100.0%の曲線下面積を有する少なくとも1つのピークを含む、項65~83のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0156】
85.前記ポリマーがホモポリマーである、項65~84のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0157】
86.前記ポリマーがエチレンおよび高級アルファオレフィンコモノマー、好ましくは1-ヘキセンのコポリマーである、項65~84のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0158】
87.13C NMR分析により決定してエチレンポリマーの総重量に対して0.0重量%~15.0重量%、好ましくは最大で10.0重量%、好ましくは0.0重量%~9.5重量%、好ましくは0.0重量%~9.0重量%の範囲の総コモノマー含量、たとえば1-ヘキセン含量を有する、項65~86のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0159】
88.ポリマーの密度が0.938g/cm未満であるとき、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で92.0℃の温度で現れ、かつ少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、項65~87のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0160】
89.ポリマーの密度が0.925g/cm未満であるとき、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最高で73.0℃の温度で現れ、かつ少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、項65~87のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0161】
90.メタロセンがジルコニウムをベースとするメタロセンである、項65~89のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0162】
91.ポリマーの重量で0.24ppm未満のFe、好ましくはポリマーの重量で0.10ppm未満のFeを有する、項65~90のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0163】
92.連続法を用いて調製された、項65~91のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0164】
93.前記メタロセンが項1~35のいずれか1つに係るメタロセン触媒組成物である、項65~92のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【0165】
94.項63~93のいずれか1つに係るポリマーを含むか、または項36~62のいずれか1つに係る方法を用いて得られたポリマーを含む物品。
【0166】
95.物品がフィルム用途、射出用途、ブロー成形用途、回転成形用途、押出用途、ヤーン用途向けである、項94に係る物品。
【0167】
96.物品がキャップおよびクロージャー、セリアルライナー(cereal liner)、インフレーションフィルム、ヤーン、回転成形物品、ブロー成形物品、パイプ、ファイバーおよびキャストフィルムを含む群から選択される、項94~95のいずれか1つに係る物品。
【0168】
97.得られるエチレンポリマーが、項65~93のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーである、項36~62のいずれか1つに係る方法。
【0169】
98.項65~93のいずれか1つに係るメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの調製のための方法であって、方法が:項1~35のいずれか1つに係る少なくとも1種のメタロセン触媒組成物を、エチレン、場合により水素、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにエチレン、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーを少なくとも1種のメタロセン触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを得ることを含む、方法。
【0170】
99.項63~93のいずれか1つに係るポリマー、または項36~62、95~96のいずれか1つに係る方法を用いて得られたポリマーの、フィルム用途、射出用途、ブロー成形用途、回転成形用途、押出用途、ヤーン用途、および高温耐性(raised temperature resistance)のポリエチレンにおける;好ましくはキャップおよびクロージャー用途、セリアルライナー用途、インフレーションフィルム用途、またはキャストフィルム用途における使用。
【0171】
本発明は、
2個のインデニル基をもち各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリールであり、好ましくは触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比は95:5またはそれ以上であり;好ましくは置換基の少なくとも1個はアリール、好ましくはフェニルであり、前記アリールおよび/またはフェニルは非置換でもまたは置換されていてもよく;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは1個の置換基を3位に有し、好ましくは各インデニルは1個の置換基を5位に有し、さらにより好ましくは各インデニルは1個の置換基を各インデニルの3位に、1個の置換基を5位に有し、好ましくはアリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位に有する、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;ならびに
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物を提供する。
【0172】
命名のために、以下の番号付け規定をインデニルに使用する。インデニルは縮合したベンゼン環をもつシクロペンタジエニルと考えることができるということに注意すべきである。下の構造が描かれ、アニオンとして名付けられる:
【0173】
【化13】
【0174】
本明細書で使用されるとき、用語「触媒」は、反応の速度に変化を生じさせる物質をいう。本発明においては、殊に重合、好ましくはオレフィンからポリオレフィンへの重合に適した触媒に当てはまる。
【0175】
本明細書で使用されるとき、用語「meso」または「meso体」は、成分Aの架橋メタロセンが金属中心Mを含有する対称面を有することを意味する。
【0176】
用語「メタロセン触媒」は、本明細書で1個または複数のリガンドに結合した金属原子を含む遷移金属錯体を記載するために使用される。メタロセン触媒はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、等のような周期表のIV族遷移金属の化合物であり、金属化合物およびシクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニルまたはそれらの誘導体の1または2個の基からなるリガンドの配位構造を有する。メタロセンはポリマーの枝分かれおよび分子量分布のより良好な制御を可能にする単一の金属部位を含む。モノマーは金属とポリマーの成長する鎖との間に挿入される。
【0177】
特に、この発明の場合、触媒は、2個のインデニル基をもち各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている架橋したメタロセン化合物のmeso体を触媒成分Aとして、また置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を触媒成分Bとして含んでいる必要がある。
【0178】
1つの実施形態において、触媒Aに対して、架橋したメタロセン触媒は式(III)の化合物のmeso体により表すことができ、触媒Bに対しては式(IV)の化合物により表すことができる:
(Ar (III)、
(Ar)(Ar)M (IV)
式中、
各Arは独立してインデニルであり、場合により各々独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである。各インデニルは縮合環のいずれかの1個または複数の位置で同じようにまたは互いに異なって置換されている。各置換基は独立して選ばれることができる。好ましくは、各Arはインデニルであり、各インデニルは独立して1個または複数の置換基で置換され、置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリールであり;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくはアリールまたはヘテロアリールは各インデニルの3位にあり、Arはさらに、各々独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されることができ;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;
Arはシクロペンタジエニルであり、場合により各々独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはシクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;
Arはフルオレニルであり、場合により各々独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはシクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;
およびMの各々はジルコニウム、ハフニウム、チタン、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMおよびMの各々はジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルであり;
は2個のAr基を架橋する二価の基または部分であり、好ましくはSiR、-[CR-、GeR、またはBRから選択され;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成し;好ましくはLはSiRであり;
はArおよびAr基を架橋する二価の基または部分であり、好ましくは-[CR-、SiR、GeR、またはBRから選択され;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する。
【0179】
いくつかの実施形態において、各Arはインデニルであり、各インデニルは独立して1個または複数の置換基で置換され、置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリールであり;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくはアリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;各インデニルはさらに場合により、各々独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルである。好ましくは各Arはインデニルであり、各インデニルは独立して1個または複数の置換基で置換され、置換基の少なくとも1個はC6~10アリールであり;好ましくはC6~10アリール置換基は各インデニルの3位にあり;各インデニルはさらに場合により、各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニルである。好ましくは各Arはインデニルであり、各インデニルは独立して1個または複数の置換基で置換され、置換基の少なくとも1個はC6~10アリールであり;好ましくはC6~10アリール置換基は各インデニルの3位にあり;各インデニルはさらに場合により、各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよい。
【0180】
いくつかの実施形態において、Arはシクロペンタジエニルであり、場合により各々独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルである。好ましくはArはシクロペンタジエニルであり、場合により各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニルである。好ましくはArはシクロペンタジエニルであり、場合により各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよい。
【0181】
いくつかの実施形態において、Arはフルオレニルであり、場合により各々独立してC1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C7~20アルキルアリール、C7~20アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1-12アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~20アルキル、またはC3~20アルケニルである。好ましくはArはフルオレニルであり、場合により各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C7~12アルキルアリール、C7~12アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよく;各R10は独立して水素、C1~8アルキル、またはC3~8アルケニルである。好ましくは、Arはフルオレニルであり、場合により各々独立してC1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、およびハロゲンを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されてもよい。
【0182】
いくつかの実施形態において、Lは-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、およびC~C20アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する。好ましくはLは-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、およびC~C12アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する。好ましくは、Lは-[CR-、またはSiRであり;hは1、または2から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択される。好ましくは、LはSiRであり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、およびC6~10アリールを含む群;好ましくはC1~8アルキルから選択される。
【0183】
いくつかの実施形態において、QおよびQは各々独立してハロゲン、C1~20アルキル、-N(R11、C1~20アルコキシ、C3~20シクロアルコキシ、C7~20アラルコキシ、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C7~20アルキルアリール、C7~20アラルキル、およびヘテロC1~20アルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~20アルキルである。好ましくはQおよびQは各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C1~8アルコキシ、C3~8シクロアルコキシ、C7~12アラルコキシ、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C7~12アルキルアリール、C7~12アラルキル、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~8アルキルである。好ましくは、QおよびQは各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C6~10アリール、およびC7~12アラルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~8アルキルであり、好ましくはQおよびQは各々独立してCl、F、Br、I、メチル、ベンジル、およびフェニルを含む群から選択される。
【0184】
いくつかの実施形態において、Lは-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~20アルキル、C3~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C6~20シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、およびC~C20アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する。好ましくはLは-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、C6~10アリール、およびC~C12アリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルまたはヘテロシクリルを形成する。好ましくは、Lは-[CR-、またはSiRであり;hは1、または2から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、C1~8アルキル、C3~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C6~8シクロアルケニルアルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択される。
【0185】
いくつかの実施形態において、QおよびQは各々独立してハロゲン、C1~20アルキル、-N(R11、C1~20アルコキシ、C3~20シクロアルコキシ、C7~20アラルコキシ、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C7~20アルキルアリール、C7~20アラルキル、およびヘテロC1~20アルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~20アルキルである。好ましくはQおよびQは各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C1~8アルコキシ、C3~8シクロアルコキシ、C7~12アラルコキシ、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C7~12アルキルアリール、C7~12アラルキル、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~8アルキルである。好ましくは、QおよびQは各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R11、C6~10アリール、およびC7~12アラルキルを含む群から選択され;R11は水素またはC1~8アルキルであり、好ましくはQおよびQは各々独立してCl、F、Br、I、メチル、ベンジル、およびフェニルを含む群から選択される。
【0186】
いくつかの好ましい実施形態において、触媒成分Aは式(I);
【0187】
【化14】
【0188】
[式中、R、R、RおよびR、m、n、p、q、L、M、QおよびQの各々は本明細書中上記および項で定義されたものと同じ意味を有する]
の架橋したメタロセン触媒のmeso体を含む。
【0189】
好ましい実施形態において、触媒成分Aの架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比は95:5またはそれ以上である。
【0190】
触媒Aの非限定例は下記に示す触媒のmeso体である:
【0191】
【化15】
【0192】
いくつかの好ましい実施形態において、触媒成分Bは式(II)
【0193】
【化16】
【0194】
[式中、R、R、R、r、s、t、L、M、QおよびQの各々は本明細書中上記および項で定義されたものと同じ意味を有する]
の架橋したメタロセン触媒を含む。
【0195】
いくつかの好ましい実施形態において、触媒成分Bは式(IIa)
【0196】
【化17】
【0197】
[式中、R、R、R、r、L、M、QおよびQの各々は本明細書中上記で定義されたものと同じ意味を有する]
の架橋したメタロセン触媒を含む。
【0198】
触媒Bの非限定例を以下に示す:
【0199】
【化18-1】
【0200】
【化18-2】
【0201】
好ましい実施形態において、触媒成分A対触媒成分Bの重量比は10/90~90/10の範囲、好ましくは15/85~80/20の範囲、好ましくは20/80~70/30の範囲、好ましくは20/80~60/40の範囲、好ましくは20/80~50/50の範囲、好ましくは20/80~40/60の範囲、好ましくは25/75~35/65、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69、好ましくは30/70である。
【0202】
本発明において触媒成分AおよびBは好ましくは固体支持体上に提供され、好ましくは両方の触媒が単一の固体支持体上に提供されることにより二元触媒系を形成する。
【0203】
支持体は不活性な有機または無機の固体であり得、慣用の架橋したメタロセン触媒の成分のいずれとも化学的に非反応性である。担持触媒に適した支持体材料にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化トリウム、ならびにシリカおよび1種または複数の2または13族金属酸化物の混合酸化物、たとえばシリカ-マグネシアおよびシリカ-アルミナ混合酸化物などの固体の無機酸化物がある。シリカ、アルミナ、ならびにシリカおよび1種または複数の2または13族金属酸化物の混合酸化物が好ましい支持体材料である。かかる混合酸化物の好ましい例はシリカ-アルミナである。たとえば固体酸化物はチタネート化シリカ、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、リン酸アルミニウム、アルミノリン酸塩、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、これらの混合酸化物、またはこれらの任意の混合物、好ましくは、シリカ、チタネート化シリカ、フッ化物で処理したシリカ、シリカ-アルミナ、フッ化物で処理したアルミナ、硫酸化アルミナ、フッ化物で処理したシリカ-アルミナ、硫酸化シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、フッ化物で処理したシリカ、硫酸化シリカ被覆アルミナ、またはこれらの任意の組合せを含む。最も好ましいのはチタネート化シリカ、またはシリカ化合物である。好ましい実施形態において、架橋したメタロセン触媒は固体支持体、好ましくはチタネート化シリカ、またはシリカ支持体上に提供される。シリカは粒状、塊状、ヒュームドまたはその他の形態であり得る。
【0204】
いくつかの実施形態において、触媒成分AおよびBの支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または200~900m/gの間に含まれる表面積を有するシリカ支持体である。別の実施形態において、重合触媒の支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または0.5~4ml/gの間に含まれる平均細孔容積を有するシリカ支持体である。さらに別の実施形態において、重合触媒の支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または50~300Å、好ましくは75~220Åの間に含まれる平均細孔径を有するシリカ支持体である。
【0205】
いくつかの実施形態において、支持体は最大で150μm、好ましくは最大で100μm、好ましくは最大で75μm、好ましくは最大で50μm、好ましくは最大で40μm、好ましくは最大で30μmのD50を有する。D50は、粒子の50重量パーセントがD50より小さい大きさを有する粒径と定義される。粒径の測定は国際規格(International Standard)ISO 13320:2009(「Particle size analysis -Laser diffraction methods」)に準じて行うことができる。たとえば、D50は篩い分け、BET表面測定、またはレーザー回折分析により測定することができる。たとえば、Malvern Instrumentsのレーザー回折系は有利に使用され得る。粒径はMalvernタイプの分析装置でレーザー回折分析により測定し得る。粒径は、担持触媒をシクロヘキサン中に懸濁させた後にMalvernタイプの分析装置でレーザー回折分析により測定し得る。適切なMalvern系としてMalvern 2000、Malvern MasterSizer(たとえばMastersizer S)、Malvern 2600およびMalvern 3600シリーズがある。かかる機器はそれらの操作マニュアルと共にISO 13320規格内の要件に合うかまたはそれを超えさえする。Malvern MasterSizer(たとえばMastersizer S)も、Mieの理論を適用することにより、適当な光学的手段を用いて、たとえば平均粒径の8μm未満の範囲の下限に向かってD50をより正確に測定することができるので有用であり得る。
【0206】
好ましくは、触媒成分AおよびBは活性化剤により活性化される。活性化剤はこの目的で知られているあらゆる活性化剤、たとえばアルミニウムを含有する活性化剤、ホウ素を含有する活性化剤、またはフッ素化された活性化剤であり得る。アルミニウムを含有する活性化剤はアルモキサン、アルキルアルミニウム、Lewis酸および/またはフッ素化された触媒支持体を含み得る。
【0207】
いくつかの実施形態において、アルモキサンが触媒成分AおよびBの活性化剤として使用される。アルモキサンは重合反応中、触媒の活性を改良するために触媒と共に使用することができる。
【0208】
本明細書で使用されるとき、用語「アルモキサン」および「アルミノキサン」は、同義で使用され、架橋したメタロセン触媒を活性化することができる物質をいう。いくつかの実施形態において、アルモキサンはオリゴマー性の直鎖状および/または環式アルキルアルモキサンを含む。さらなる実施形態において、アルモキサンは式(V)または(VI)
オリゴマー性の直鎖状アルモキサンに対してR-(Al(R)-O)-AlR (V);または
オリゴマー性の環式アルモキサンに対して(-Al(R)-O-) (VI)
(式中xは1~40、好ましくは10~20であり;
yは3~40、好ましくは3~20であり;
各Rは独立してC1~8アルキルから選択され、好ましくはメチルである)を有する。好ましい実施形態において、アルモキサンはメチルアルモキサン(MAO)である。
【0209】
触媒組成物は助触媒を含み得る。式AIR で表される1種または複数のアルミニウムアルキルを追加の助触媒として使用することができ、式中の各Rは同一または異なり、ハロゲンまたは1~12個の炭素原子を有するアルコキシもしくはアルキル群から選択され、xは1~3である。非限定例はトリーエチルアルミニウム(TEAL)、トリ-イソ-ブチルアルミニウム(TIBAL)、トリ-メチルアルミニウム(TMA)およびメチル-メチル-エチルアルミニウム(MMEAL)である。殊に適切なのはトリアルキルアルミニウムであり、最も好ましいのはトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)およびトリエチルアルミニウム(TEAL)である。
【0210】
触媒組成物は少なくとも1種のモノマーを少なくとも1種の触媒組成物と接触させることを含むポリマーの調製方法で特に有用であり得る。好ましくは、前記ポリマーはポリオレフィンであり、好ましくは、前記モノマーはアルファ-オレフィンである。
【0211】
したがって本発明の触媒組成物はポリオレフィンの調製に使用するのに特に適している。本発明はまたオレフィン重合における触媒組成物の使用にも関する。
【0212】
本発明はまた、本発明による触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法も包含する。
【0213】
用語「オレフィン」は、本明細書で炭素および水素で構成され、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する分子をいう。1つの炭素-炭素二重結合を含有するオレフィンは本明細書でモノ不飽和炭化水素を意味し、化学式C2nを有し、式中nは少なくとも2に等しい。「アルファ-オレフィン」、「α-オレフィン」、「1-アルケン」または「末端オレフィン」は、本明細書で同義語として使用され、一級またはアルファ(α)位に二重結合を有するオレフィンまたはアルケンを意味する。
【0214】
本出願を通じて用語「オレフィンポリマー」、「ポリオレフィン」および「ポリオレフィンポリマー」は同義で使用され得る。
【0215】
適した重合には、限定されることはないが、アルファ-オレフィンの単独重合、またはアルファ-オレフィンおよび少なくとも1種の他のアルファ-オレフィンコモノマーの共重合がある。
【0216】
本明細書で使用されるとき、用語「コモノマー」は、アルファ-オレフィンモノマーと共に重合するのに適したオレフィンコモノマーをいう。コモノマーは、存在する場合、オレフィンモノマーとは異なり、オレフィンモノマーとの共重合に適するように選ばれる。コモノマーは限定されることはないが脂肪族のC~C20アルファ-オレフィンを含み得る。適切な脂肪族のC~C20アルファ-オレフィンの例にはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセンがある。適切なコモノマーのさらなる例は酢酸ビニル(HC-C(=O)O-CH=CH)またはビニルアルコール(「HO-CH=CH」)である。調製することができる適したオレフィンコポリマーの例はプロピレンおよびエチレンのランダムコポリマー、プロピレンおよび1-ブテンのランダムコポリマー、プロピレンおよびエチレンの異相コポリマー、エチレン-ブテンコポリマー、エチレン-ヘキセンコポリマー、エチレン-オクテンコポリマー、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、エチレンおよびビニルアルコールのコポリマー(EVOH)であり得る。
【0217】
いくつかの実施形態において、オレフィンモノマーはエチレンであり、オレフィンコモノマーはプロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、オレフィンモノマーはプロピレンであり、オレフィンコモノマーはエチレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む。
【0219】
ポリオレフィンはバルク、ガス、溶液および/またはスラリー相で調製することができる。方法は1つまたは複数のバッチ反応器、スラリー反応器、気相反応器、溶液反応器、高圧反応器、管状反応器、オートクレーブ反応器、またはこれらの組合せで実施することができる。
【0220】
重合はバッチ式または連続法で行なうことができる。本発明の好ましい実施形態において、重合は連続法で行なわれる。
【0221】
用語「連続」とは、中断または休止することなく作動する系を意味する。たとえば、ポリマーを生産する連続法は、反応物質が1個または複数の反応器に連続的に導入され、ポリマー産物が連続的に引き出される方法であろう。これにより、本明細書では、反応器が作動するとき連続モードで動作する、すなわち、少なくとも1つの供給流が主に連続的に反応器に供給され、一方少なくとも1つの流れが主に連続的に引き出されることを意味する。
【0222】
用語「スラリー」または「重合スラリー」または「ポリマースラリー」は、本明細書で使用されるとき、少なくともポリマー固体および液相を含む実質的に多相の組成物をいい、液相は連続相である。固体は触媒および重合したモノマーを含み得る。
【0223】
いくつかの実施形態において、液相は希釈剤を含む。本明細書で使用されるとき、用語「希釈剤」は、合成されたポリオレフィンを溶解しないあらゆる有機希釈剤をいう。本明細書で使用されるとき、用語「希釈剤」は、ループ反応器において室温で液体、好ましくは圧力条件下で液体である液体状態の希釈剤をいう。適切な希釈剤は限定されることはないが炭化水素希釈剤、たとえば脂肪族、環式脂肪族および芳香族の炭化水素溶媒、またはかかる溶媒のハロゲン化型を含む。好ましい溶媒はC12もしくはより低級の直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭化水素、C~Cの飽和脂環式もしくは芳香族炭化水素またはC~Cのハロゲン化炭化水素である。溶媒の非限定的な実例はブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、テトラクロロエチレン、ジクロロエタンおよびトリクロロエタン、好ましくはイソブタンまたはヘキサンである。
【0224】
重合はまた気相条件下気相で行うこともできる。用語「気相条件」は、本明細書で使用されるとき、1種または複数の気相オレフィンを重合してポリマーを生成するのに適した温度および圧力をいう。
【0225】
重合工程は広い温度範囲で行うことができる。ある特定の実施形態において、重合工程は20℃~125℃、好ましくは60℃~110℃、より好ましくは75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の温度で行ない得る。好ましくは、温度範囲は75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の範囲内であり得る。前記温度はより一般的な重合条件の用語に入り得る。
【0226】
ある特定の実施形態において、スラリー条件で、重合工程は約20バール~約100バール、好ましくは約30バール~約50バール、より好ましくは約37バール~約45バールの圧力で行ない得る。前記圧力はより一般的な重合条件の用語に入り得る。
【0227】
本発明はまた本発明による少なくとも1種の組成物により少なくとも部分的に触媒されたかまたは本発明による方法により生成したポリマーも包含する。
【0228】
本発明はまた本明細書で定義されている方法により生成したポリマー、好ましくはオレフィンポリマーも包含する。いくつかの実施形態において、前記オレフィンポリマーはポリエチレンである。いくつかの実施形態において、前記オレフィンポリマーはポリプロピレンである。
【0229】
本発明はまた、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー、好ましくは単一の支持体上に2つのメタロセン活性部位をもつ触媒粒子を意味する二元触媒を含む少なくとも1種のメタロセン触媒組成物;好ましくは本明細書に記載されている触媒組成物の存在下で調製された前記エチレンポリマーも包含し、前記ポリマーは:
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M
好ましくは少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo
を有し、ならびに
好ましくは、13C NMR分析により決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは0.32%~1.0重量%、好ましくは0.34~0.98重量%、好ましくは0.35~0.98重量%の範囲を有し、ただし、前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みからは生じないことを条件とし;および/または好ましくは前記エチレンポリマーはホモポリマーまたはエチレンおよび少なくとも1種のコモノマーの重合により得られるコポリマーであり、好ましくは前記コモノマーは1-ブテンでない。
【0230】
ある実施形態において、本発明は、
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、好ましくは0.2g/10min~11.0g/10min、好ましくは0.3g/10min~10.0g/10minの範囲のMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M;ならびに
好ましくは13C NMRにより測定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%、好ましくは0.30%~1.20重量%、好ましくは0.30~1.10重量%、好ましくは0.35~1.00重量%の範囲のエチル分岐であって、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分解
を有するメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーに関する。
【0231】
ある実施形態において、本発明は、
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって;MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、好ましくは0.2g/10min~11.0g/10min、好ましくは0.3g/10min~10.0g/10minの範囲のMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して0.910g/cm~0.965g/cmの範囲、好ましくは0.915g/cm~0.960g/cmの範囲の密度;ならびに
13C NMR分析により決定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30%~最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31、最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.31%~最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32%~最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.33%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.34%~最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35%~最大で0.98重量%のエチル分岐
を有するメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーに関する。
【0232】
用語「エチレンポリマー」、「ポリエチレン樹脂」または「ポリエチレン」は、本明細書で使用されるとき、押し出された、および/または溶融した、および/またはペレット化されたエチレンポリマー綿毛(fluff)または粉末で、本明細書に教示されているようにエチレンポリマーのコンパウンディングおよび均質化によって、たとえば、混合および/または押出機で調製することができるものをいう。他に断らない限り、ポリエチレン樹脂を規定するのに使用されるすべてのパラメーターはエチレンポリマーペレットに対して測定されるものである。
【0233】
用語「綿毛」または「粉末」は、本明細書で使用されるとき、各粒子(grain)の芯に固体触媒粒子をもつエチレンポリマー材料をいい、重合反応器(または連続して連結された複数の反応器の場合最後の重合反応器)を出た後のポリマー材料と定義される。用語「ペレット」は、たとえば溶融押出によって、ペレット化されているエチレンポリマーをいう。本明細書で使用されるとき、用語「押出」または「押出法」、「ペレット化」または「ペレット化する」は本明細書で同義語として使用されており、ポリオレフィン樹脂を「ポリオレフィン産物」またはペレット化後「ペレット」に変換するプロセスをいう、ペレット化のプロセスは好ましくは、押出機内の1個または複数の回転するスクリュー、ダイ、および押し出されたフィラメントをペレットに切断するための手段を含む連続して連結されたいくつかのデバイスを含む。
【0234】
ある実施形態において、エチレンポリマーはホモポリマーである。用語「エチレンホモポリマー」は、本明細書で使用されるとき、エチレンに由来する繰返し単位から本質的になるポリマーを包含することが意図されている。ホモポリマーは、たとえば、たとえば13C NMR分光法により決定して少なくとも99.8%、好ましくは99.9重量%のエチレンに由来する繰返し単位を含み得る。
【0235】
別の実施形態において、ポリエチレン樹脂はエチレンコポリマーである。用語「エチレンコポリマー」は本明細書で使用されるとき、エチレンおよび少なくとも1種の他のC~C20アルファオレフィンコモノマーに由来する繰返し単位から本質的になるポリマーを包含することが意図されており、好ましくはコモノマーは1-ヘキセンである。
【0236】
本明細書で使用されるとき、用語「コモノマー」はアルファ-オレフィンモノマーと共に重合するのに適切なオレフィンコモノマーをいう。コモノマーは限定されないが脂肪族のC~C20アルファオレフィン、好ましくはC~C12アルファオレフィンを含み得る。適切な脂肪族C~C20アルファオレフィンの例にはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセンがある。いくつかの好ましい実施形態において、前記コモノマーは1-ヘキセンである。
【0237】
いくつかの実施形態において、前記エチレンポリマーはエチレンおよび高級アルファオレフィンコモノマー、好ましくは1-ヘキセンのコポリマーであり、ここでエチレンポリマーの総重量に対する総コモノマー含量、好ましくは1-ヘキセン(wt%C6)は13C NMR分析により決定して少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも2.0重量%、好ましくは少なくとも2.5重量%、好ましくは少なくとも3.0重量%である。いくつかの実施形態において、前記エチレンポリマーはエチレンおよび高級アルファオレフィンコモノマー、好ましくは1-ヘキセンのコポリマーであり、ここでポリエチレンの総重量に対する総コモノマー含量、好ましくは1-ヘキセン(wt%C6)は13C NMR分析により決定して最大で15.0重量%、好ましくは最大で13.0重量%、好ましくは最大で10.0重量%である。
【0238】
本明細書に記載されているエチレンコポリマーは、いくつかの実施形態において、非従来的な(逆または反対の)コモノマー分布を有することができ、すなわち、ポリマーの高分子量部分が低分子量部分より高いコモノマー組み込みを有する。好ましくは、logMの関数としてのIR5-MCT検出器からのIR信号の面積比(ACH3/ACH2)により示されるように、分子量の増大と共にコモノマー組み込みが増大する。
【0239】
本明細書で使用されるとき、用語「単峰性のエチレンポリマー」または「単峰性の分子量分布をもつエチレンポリマー」は、単峰性の分布曲線としても規定されるその分子量分布曲線に1つの極大値を有するポリエチレンをいう。本明細書で使用されるとき、用語「二峰性の分子量分布をもつポリエチレン」または「二峰性ポリエチレン」とは、2つの単峰性分子量分布曲線の合計である分布曲線を有するポリエチレンを意味し、2つのはっきり異なるがおそらく重複する集団の、各々が異なる重量平均分子量を有するポリエチレン高分子を有するポリエチレン産物をいう。用語「多峰性の分子量分布をもつポリエチレン」または「多峰性のポリエチレン」とは、少なくとも2つ、好ましくは2つより多くの単峰性分布曲線の合計である分布曲線をもつポリエチレンを意味し、2つまたはそれ以上のはっきり異なるがおそらく重複する集団の、各々が異なる重量平均分子量を有するポリエチレン高分子を有するポリエチレン産物をいう。多峰性のポリエチレンは、肩のない単一のピークをもつ分子量分布曲線である「見かけの単峰性」分子量分布を有することができる。それにもかかわらず、ポリエチレンは、上記定義のように2つのはっきり異なる集団の、各々が異なる重量平均分子量を有するポリエチレン高分子を含むのであれば、たとえば2つのはっきり異なる集団が異なる反応器で、および/または異なる条件下で、および/または異なる触媒を用いて調製されたとき、やはり多峰性である。
【0240】
いくつかの実施形態において、エチレンポリマーは少なくとも0.90のレオロジー長鎖分岐指数grheoを有する。いくつかの実施形態において、ポリエチレン樹脂は最大で1.10のレオロジー長鎖分岐指数grheoを有する。いくつかの実施形態において、ポリエチレン樹脂は少なくとも0.90~最大で1.10、好ましくは少なくとも0.93~最大で1.10、好ましくは少なくとも0.94~最大で1.10、好ましくは少なくとも0.95~最大で1.10のレオロジー長鎖分岐指数grheoを有する。
【0241】
ある好ましい実施形態において、エチレンポリマーは:
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M;ならびに
好ましくは、13C NMRにより測定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.00重量%のエチル分岐、好ましくは最大で0.99重量%のエチル分岐、好ましくは最大で0.98重量%のエチル分岐、好ましくは0.30%~1.20重量%、好ましくは0.30~1.10重量%、好ましくは0.30~1.00重量%の範囲の、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分岐;および
好ましくは、0.90~1.10、好ましくは少なくとも0.93~1.10、好ましくは0.95~1.10の範囲のレオロジー長鎖分岐指数grheo
を有する。
【0242】
いくつかの実施形態において、エチレンポリマーは規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して少なくとも0.910g/cm、好ましくは少なくとも0.912g/cm、好ましくは少なくとも0.914g/cm、好ましくは少なくとも0.915g/cm、好ましくは少なくとも0.916g/cmの密度を有する。いくつかの実施形態において、ポリエチレン樹脂は最大で0.964g/cm、好ましくは最大で0.962g/cmの密度を有する。好ましくは、ポリエチレン樹脂は0.910g/cm~0.965g/cm、好ましくは0.915g/cm~0.963g/cm、好ましくは少なくとも0.916g/cm~最大で0.963g/cmの範囲の密度を有する。好ましくは、ポリエチレン樹脂は0.910g/cm~0.965g/cmの範囲の密度、および13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して0.30%~1.20重量%のエチル分岐、好ましくは0.915g/cm~0.963g/cmの範囲の密度および0.32%~1.10重量%のエチル分岐、好ましくは0.916g/cm~最大で0.963g/cmの範囲の密度および0.33%~1.00重量%のエチル分岐、好ましくは0.916g/cm~最大で0.963g/cmの範囲の密度および0.33%~0.98重量%のエチル分岐を有し、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする。
【0243】
好ましくは、エチレンポリマーは、Mを重量平均分子量、Mを数平均分子量として2.0~7.0の範囲、好ましくは2.0~6.0、好ましくは2.5~5.5、好ましくは2.5~4.0、好ましくは2.5~3.5の範囲の分子量分布M/Mを有する。
【0244】
いくつかの好ましい実施形態において、エチレンポリマーは8.0~25.0、好ましくは9.0~22.0、好ましくは9.5~22.0、好ましくは10.0~20.0、好ましくは10.5~20.0の範囲の分子量分布M/Mを有する。
【0245】
いくつかの好ましい実施形態において、エチレンポリマーは15.0~40.0の範囲;好ましくは20.0~35.0の範囲のメルトインデックス比HLMI/MIを有する。
【0246】
いくつかの好ましい実施形態において、エチレンポリマーは5.0~20.0;好ましくは7.0~15.0、好ましくは7.0~13.0、好ましくは7.5~13.0、好ましくは8.0~12.0の範囲のメルトインデックス比HLMI/MIを有する。
【0247】
いくつかの好ましい実施形態において、エチレンポリマーは実験の欄に記載されるようにGoettfert Rheotens Melt Strength Apparatusにより190℃で決定して少なくとも0.010ニュートン、好ましくは少なくとも0.015ニュートンの溶融強度を有する。
【0248】
いくつかの好ましい実施形態において、エチレンポリマーは:
0.1g/10min~12.0g/10min;好ましくは0.2g/10min~11.0g/10min、好ましくは0.3g/10min~10.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~10.0、好ましくは4.0~9.0、好ましくは4.0~8.5、好ましくは4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M/M;ならびに
好ましくは、13C NMRにより測定してエチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.32重量%のエチル分岐、好ましくは少なくとも0.35重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.20重量%のエチル分岐、好ましくは最大で1.10重量%のエチル分岐、好ましくは0.30%~1.0重量%、好ましくは0.30~0.99重量%、好ましくは0.35~0.98重量%の範囲の、ただし前記エチル分岐はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチレン分岐;
好ましくは0.91~1.10、好ましくは0.93~1.10、好ましくは0.95~1.10の範囲のレオロジー長鎖分岐指数grheo
好ましくは規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って温度23℃で測定して少なくとも0.910g/cm、好ましくは少なくとも0.912g/cm、好ましくは少なくとも0.914g/cm、好ましくは少なくとも0.915g/cm、好ましくは少なくとも0.916g/cm、好ましくは最大で0.964g/cm、好ましくは最大で0.962g/cm;好ましくは0.910g/cm~0.965g/cm、好ましくは0.915g/cm~0.963g/cm、好ましくは少なくとも0.916g/cm~最大で0.963g/cmの範囲の密度;
好ましくは2.0~7.0の範囲、好ましくは2.0~6.0、好ましくは2.5~5.5、好ましくは2.5~4.0、好ましくは2.5~3.5の範囲のM/M
好ましくは8.0~25.0、好ましくは9.0~22.0、好ましくは9.5~22.0、好ましくは10.0~20.0、好ましくは10.5~20.0の範囲のM/M
好ましくは15.0~40.0の範囲;好ましくは20.0~35.0の範囲のメルトインデックス比HLMI/MI;および/または
好ましくは5.0~20.0;好ましくは7.0~15.0、好ましくは7.0~13.0、好ましくは7.5~13.0、好ましくは8.0~12.0の範囲のメルトインデックス比HLMI/MI
を有する。
【0249】
本発明はまた本明細書に記載されているメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの調製のための方法、好ましくは連続法も包含し、本方法は:触媒組成物をエチレン、場合により水素、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにエチレン、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーを少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することにより本明細書に記載されているメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを得ることを含む。
【0250】
好ましくは本連続法は:メタロセン触媒組成物をエチレン、場合により水素、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーと接触させ;エチレン、および場合により1種または複数のアルファオレフィンコモノマーを、少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することにより本明細書に記載されているエチレンポリマーを得るステップを含み、
ここで触媒組成物は
2個のインデニル基をもつ架橋したメタロセン化合物のmeso体を含み、各インデニルが1個または複数の置換基で置換されており、置換基の少なくとも1個がアリール、好ましくはフェニルであり;前記アリールは非置換でも置換されてもよく;好ましくは置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくはアリール、好ましくはフェニルは各インデニルの3位にある、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;ならびに
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒;好ましくはアルモキサン活性化剤;支持体;および任意的な助触媒
を含む。
【0251】
エチレンポリマーは、気体、溶液および/またはスラリー相中であることができる方法、好ましくは連続法で調製することができる。方法は1個または複数のスラリーループ反応器、気相反応器、連続撹拌槽反応器またはこれらの組合せで実施することができる。好ましくは方法は1個または複数のスラリーループ反応器で、好ましくは単一のスラリーループ反応器で行なわれる。
【0252】
本明細書で使用されるとき、用語「ループ反応器」および「スラリーループ反応器」は本明細書中同義で使用され得る。一定の実施形態において、各々のループ反応器は反応器経路を画定する相互に連結されたパイプを含み得る。一定の実施形態において、各々のループ反応器は、少なくとも2つの鉛直パイプ、反応器配管の少なくとも1つの上部セグメント、反応器配管の少なくとも1つの下部セグメントを含み、これらは接合部により端と端が接合されて完全なループを形成し、さらに1つまたは複数の供給ライン、1つまたは複数の出口、パイプ毎に1つまたは複数の冷却ジャケット、および1つのポンプを含み得、こうしてポリマースラリーのための連続した流路を画定し得る。パイプセグメントの鉛直部は好ましくは冷却ジャケットを具備する。重合熱は、反応器のこれらのジャケット内を循環する冷却水によって抜き出すことができる。ループ反応器は好ましくは全液体モードで作動する。
【0253】
重合ステップは広い温度範囲にわたって行なうことができる。一定の実施形態において、重合ステップは20℃~125℃、好ましくは60℃~110℃、より好ましくは75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の温度で行ない得る。好ましくは、温度範囲は75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の範囲内であり得る。前記温度はより一般的な重合条件であり得る。
【0254】
本発明はまた本発明のエチレンポリマーおよび1種または複数の添加剤を含むポリエチレン組成物も包含する。
【0255】
添加剤はたとえば酸化防止剤、UV安定剤、顔料、加工助剤、酸捕捉剤、潤滑剤、帯電防止剤、充填剤、核剤、もしくは清澄剤、またはこれらの組合せであることができる。有用な添加剤の概観はPlastics Additives Handbook、H.Zweifel編、第5版、Hanser Publishersにある。これらの添加剤は一般にポリエチレン組成物の重量に対して0.01~10重量%の量で存在し得る。
【0256】
エチレンポリマーは、生成した後、様々な物品に形成され得る。エチレンポリマーはインフレーションまたはキャストフィルム製品、キャップおよびクロージャー、セリアルライナー、グラスヤーン、回転成形物品、ブロー成形物品、パイプ、ファイバー、等のような物品に特に適している。
【0257】
したがって本発明はまた本明細書に規定されているか;または本明細書に規定されている方法に従って得られたエチレンポリマーを含む物品も包含する。いくつかの実施形態において、前記物品はフィルム製品、キャップおよびクロージャー、回転成形物品、ファイバー、パイプ、ブロー成形物品、等であることができる。本発明のエチレンポリマーに対して好ましい実施形態はまた本発明の物品に対しても好ましい実施形態である。
【0258】
本発明はまた本発明による物品を調製する方法も包含する。上に記載された好ましい実施形態はまた本方法に対しても好ましい実施形態である。
【0259】
以下の実施例は単に本発明を例示する役に立つものであり、いかなる意味でもその範囲を限定すると解釈するべきでない。本発明をその形態のいくつかのみについて示してきたが、当業者には明らかなように、本発明がそれに限定されることはなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変化および修正を施すことができる。
【実施例
【0260】
試験方法
本明細書で言及し、以下で言及する特性は次の試験手順に従って決定した。これらの特性のいずれも、添付の特許請求の範囲で参照される場合は規定の試験手順に従って測定される。
【0261】
密度
ポリオレフィンの密度は規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定した(イソプロパノール中23℃で排除された流体の重量(浮力))。
【0262】
メルトフローインデックス(Melt flow index)
エチレンポリマーのメルトフローインデックス(MI)はISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定した。
【0263】
メルトフローレート(MI)は、ISO 1133:2005、Method B、条件Tに従って、190℃および荷重5kgで、2.096mmのダイを用いて測定した。
【0264】
エチレンポリマーの高荷重メルトフローインデックス(HLMI)は、ISO 1133:2005 Method B、条件Gに従って、温度190℃、21.6kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定した。
【0265】
分子量、分子分布
分子量(M(数平均分子量)、M(重量平均分子量)ならびに分子量分布D(M/M)、およびD’(M/M)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、特にIR検出ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により高温(145℃)で決定した。簡単にいうと、Polymer CharのGPC-IR5MCTを使用した:8mgのポリマーサンプルを1000重量ppmのブチルヒドロキシトルエン(BHT)で安定化された8mLのトリクロロベンゼンに160℃で1時間(h)溶かした。射出容積:約400μl、自動サンプル調製および射出温度:160℃。カラム温度:145℃。検出器温度:160℃。カラムセット:2つのShodex AT-806MS(Showa Denko)および1つのStyragel HT6E(Waters)、カラムを1mL/minの流量で使用した。検出器:すべてのC-H結合を集める赤外線検出器(2800~3000cm-1)およびCHおよびCH基に割り当てられる吸収領域に調整した2つの狭帯域フィルター。較正:狭いポリスチレン(PS)標準(市販)。溶離したポリマーの各画分iの分子量Mの計算はMark-Houwink関係式(log10(MPE)=0.965909×log10(MPS)-0.28264)(MPEでの低い分子量端に対するカットオフ=1000)に基づく。
【0266】
分子量/特性関係を確立する際に使用される分子量平均は数平均(M)、重量平均(M)およびz平均(M)分子量である。これらの平均は次の式で定義され、計算されたMから決定される:
【0267】
【数1】
【0268】
式中、NおよびWはそれぞれ分子量Mを有する分子の数および重量である。各々の場合の第3の式(最も右)はこれらの平均をSECクロマトグラムから得る方法を規定している。hiはi番目の溶離画分のSEC曲線の(ベースラインからの)高さであり、Mはこの増分で溶離する種の分子量である。
【0269】
結晶化および溶融温度の決定のための示差走査熱量測定(DSC)
ピーク結晶化温度(T)、ピーク溶融温度(T)および融解熱(ΔH)はインジウムで較正され、Tゼロモードを用いるTA InstrumentsによるDSC Q2000機器を用いて示差走査により測定した。ポリマー分析は2~10mgのポリマーサンプルで行なった。サンプルは最初に30℃で平衡化し、続いて50℃/minの加熱速度を用いて220℃に加熱した(第1の加熱)。サンプルを220℃に5分間保持して先の熱および結晶化履歴を消した。サンプルを続いて10℃/minの一定の冷却速度で0℃に冷却した(第1の冷却)。サンプルを0℃で5分、等温に保持した後10℃/minの一定の加熱速度で220℃に加熱した(第2の加熱)。溶融(第2の加熱)の吸熱ピークをTA Universal Analysisソフトウェアを用いて分析し、10℃/minの加熱速度に対応するピーク溶融温度(T)を決定した。
【0270】
長鎖分岐指数grheo
レオロジー長鎖分岐指数grheoは、国際公開第2008/113680号に記載されている式に従って測定した:
【0271】
【数2】
【0272】
式中、Mw(SEC)はサイズ排除クロマトグラフィーから得られkDaで表される重量平均分子量であり;
Mw(η,MWD,SCB)は次式に従って決定され、同様にkDaで表される:
(η,MWD,SCB)=exp(1.7789+0.199769LnM+0.209026(Lnη)+0.955(lnρ)-0.00756(LnM)(Lnη)+0.02355(lnM
式中、ゼロ剪断粘度η0(Pa.s)は、周波数範囲を10-4-1またはそれ以下の値に拡げるためにクリープ実験と組み合わせた周波数掃引実験で、角周波数(rad/s)および剪断速度の等価の通常の仮定をして得られ;ここでゼロ剪断粘度η0は線形粘弾性領域におけるARES-G2機器(TA Instruments製造)での振動剪断レオロジーにより得られた190℃の温度でのCarreau-Yasuda流れ曲線(η-W)とのフィッティングにより推定され;円振動数(W、rad/s)は0.1rad/s~300rad/sで変化し、剪断歪みは通例10%である。実際、クリープ実験は、190℃の温度窒素雰囲気下1000s後全歪みが25%未満となるような応力レベルで行なった。
【0273】
コモノマー含量
エチレンポリマーの総重量に対するコモノマー含量、殊に1-ヘキセン(wt.%C6-)は、13C{H}NMRスペクトルから決定した。当量wt.%C4-として表されるエチル分岐含量も13C{H}NMRスペクトルから決定した。
【0274】
サンプルは充分な量のポリマーを1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB 99%分光学的グレード)に130℃で溶かし、時折かき混ぜてサンプルを均質化した後ヘキサデューテロベンゼン(C6D6、分光学的グレード)および少量ヘキサメチルジシロキサン(HMDS、99.5+%)を加えることにより調製した。HMDSは内部標準として働く。一例を挙げると、約220mgのポリマーを2.0mLのTCBに溶かした後、0.5mLのC6D6および2~3滴のHMDSを加えた。
【0275】
13C{H}NMR信号は10mmプローブ(または10mmクライオプローブ)を用いて次の条件でBruker 500MHzに記録した:
パルス角:90°
パルス繰返し時間:30s
分光幅:95ppmを中心として25000Hz
データ点:64K
温度:130℃+/-2℃
回転:15Hz
スキャン数:2000~4000(240スキャン、10mmクライオプローブ)
デカップリングシーケンス:逆ゲートデカップリングシーケンス、NOE効果を回避するため
13C{H}NMRスペクトルは軽いGaussian乗算の後131K点に対するフーリエ変換(Fourier Transform)により得た。スペクトルは段階的で(phased)、ベースライン補正され、化学シフトスケールは2.03ppmの内部標準HMDSと比較した。
【0276】
信号の化学シフトはピークピッキングされ、ピークは図1および次の表Aに述べるように積分された。
【0277】
【表1】
【0278】
必要であれば積分限界に対して少しの調整をすることができる。
化学シフトは±0.05ppmで与えられる。
wt.%C6-およびwt.%C4-含量は次の面積(A)の組合せにより得られる:
C3=0.5×ACH2(a)B1
C4=ACH3B2
C6=ACH2(2)B4
C2=0.5×(ATv1+ATv2+ATv3+Aビニリデン1+ビニリデン2+0.5×ACH2(a)B1+ATs3+2×ATs2+ACH2n-AC6+ACH2(b)
wt.%C6-=(84C6)/(28C2+42C3+56C4+84C6)×100
wt.%C4-=(56C6)/(28C2+42C3+56C4+84C6)×100
メタロセン触媒のmeso/Rac比
触媒成分Aのmeso/rac比はH NMRスペクトルから決定した。
【0279】
サンプルは数十mgの固体錯体を0.5mLの無水塩化メチレン(CDCl、分光級)に室温で溶かすことにより調製した。
【0280】
H NMR信号は5mmプローブを用いて次の条件でBruker 400MHzに記録した:
パルス角:90°
パルス繰返し時間:60s
分光幅:5.5ppmを中心として6000Hz
データ点:32K
温度:25℃+/-1℃
回転:20Hz
スキャン数:8
H NMRスペクトルは軽い指数乗算後32K点に対するFourier変換により得た。スペクトルは段階的で、ベースライン補正され、化学シフトスケールは5.33ppmのCHCLピークを参照した。
【0281】
信号の化学シフトをピークピッキングし、ピークを図2および次の表Bに述べるように積分した。
【0282】
【表2】
【0283】
meso/rac比は次の面積(A)組合せにより得られた:
meso/Rac=Ameso/ARac
コモノマー分布
分子量分布にわたるCH/CH比により示されるコモノマー分布も、A.Ortinら(Macromol.Symp.330巻、63~80頁 2013およびT.Frijns-Brulsら Macromol.Symp.356巻、87~94頁 2015)により記載されている積分高感度多重バンドIR検出器(IR5-MCT)を備えた上記SEC装置を用いて決定した。
【0284】
コモノマー分布は、NMRにより予めその名目値が決定されている一連のPEホモ/コポリマー標準で較正されたCHおよびCHチャンネルに対応するIR検出器強度の比により決定することができる。
【0285】
検出器は後半当たり1つの点の固定された取得速度でそのIR選択フィルターCHおよびCHの各々を介して測定された吸光度データの別個の連続した流れを生成した。検出器は13μLの内容積の加熱されたフロースルーセルを備えていた。
【0286】
赤外吸光度バンド比ACH3対ACH2(メチル/メチレン感受性チャンネル)の比はCH/1000TCとして示される1000全炭素(1000TC)当たりのメチル(CH)に分子量の関数として関連付けることができる。
【0287】
ポリマーのIR CH/CH比は濃度クロマトグラムの積分限界間でCHおよびCHチャンネルの全信号を考えることにより得られた:
IR比=積分限界内のCH信号の面積/積分限界内のCH信号の面積。
【0288】
本発明において、面積比CH/CHの増大は短鎖分岐含量の増大を意味する。
動的流体測定分析(RDA)
周波数の関数としての動的剪断粘度(または複素粘度)を小振幅振動剪断(SAOS)レオロジーにより決定した。複素粘度は小振幅振動剪断(SAOS)試験を使用する以下に記載する手法を用いて0.1~300rad/sの角周波数範囲にわたって190℃で測定される。
【0289】
かかる試験により生じたデータから、G’’(損失弾性率)対G’(貯蔵弾性率)の比の逆正接である位相または損失角δを決定することが可能である。典型的な線状ポリマーの場合、低周波数(または長時間)での損失角は90°に近付き、損失弾性率が貯蔵弾性率よりずっと大きくなる。周波数が増大するにつれて、より多くの鎖が非常にゆっくり緩和するので振動中のエネルギーを吸収できなくなり、貯蔵弾性率が損失弾性率に対して大きくなる。最終的に、貯蔵および損失弾性率は等しくなり、損失角は45°に達する。対照的に、分岐鎖ポリマーは非常にゆっくり緩和する。かかる分岐ポリマーは、そのすべての鎖が振動中に緩和することができる状態に到達することは決してなく、損失角が実験の最低の周波数ωでも90°に達することは決してない。損失角はまたSAOS実験において振動の周波数から比較的に独立であり;これは、鎖がこれらのタイムスケールで緩和することができないことの別のしるしである。
【0290】
位相角δ対測定周波数ωのプロットにおいて、長鎖の分岐を有するポリマーはδ(ω)の関数でプラトーを示すが、線状のポリマーはかかるプラトーをもたない。Garcia-Francoら、(34(10)Macromolecules 3115~3117頁(2001))によると、前述のプロットにおけるプラトーはポリマーサンプル中の長鎖分岐の量が増大するとより小さい位相角δにシフトする。
【0291】
Van Gurp-Palmenプロット(vGPプロット)
複素弾性率Gおよび損失角δは190℃の試験温度で決定され、van Gurp-Palmen処理を用いて分析されたレオロジーデータから得られ得る(参照:van Gurp,M.およびPalmen,J.、Rheology Bulletin、1998、67巻(1号)、5~8頁)。vGP曲線は位相角δ(=tan-1[G’’/G’])対複素弾性率の大きさ|G|のプロットである。線状ポリマーにおいて、弾性率値の低下に対して、δは最初低下し、次いで極小を通り、再び上昇し、変曲点を通り抜け、最終的にその90°の限界値に近付く。LCBはvGP曲線を下げる。LCB密度が高いほど、δ値はそれだけ低い。vGP曲線の下に含まれる面積はLCBの程度を評価するためにパラメーターとして使用することができる。加えて、LCBにより起こる見かけのプラトーの低下の大きさはポリマー骨格上の長鎖分岐の相対的長さに関連する。低レベルの長鎖分岐はこの方法論を使用して検出し、相対的に定量することができる。
【0292】
溶融強度
溶融強度(破断強度ともいわれる)は、Rheograph Goettfert RG50と組み合わせたGoettfert Rheotens溶融強度装置、モデル71-97(両方共Goettfert製)を用いて以下の試験条件で測定した:Rheograph Goettfert(RG50)=ダイ形状(L/D):30mm/2mm、180°入口角;バレル+ダイ温度:190℃;ピストン直径12mm、ピストンスピード:0.25mm/s。Rheotens(モデル71-97)Wheels:標準(畝付きホイール);ホイールギャップ:0.4mm;ホイール加速:2mm/s、ストランド長:100.0mm、ホイール初期速度Vo:9.0mm/s。Rheotens試験において、キャピラリーダイを出る押し出された溶融フィラメントの伸長/延伸に必要とされる張力を一定の加速スピードで連続的に増大するホイール巻取速度の関数として測定した。張力は通例ホイール(ローラー)速度が増大すると共に増大し、ある一定の巻取速度を超えるとその力はフィラメント(ストランド)が破断するまで一定のままであった。
【0293】
各材料について、Rheotens曲線を作成してデータ再現性を検証した。ポリマーをバレルにロードし、試験を始める前に190℃で360秒間溶融させた。実際、Rheographのバレル内に存在する材料の全量をダイに通して押し出し、Rheotens装置のホイールによりピックアップした。ストランドを放置して9mm/sで回転するホイール間で安定化させ、ストランドが安定化したら、力を0Nに調節し、ホイールの加速を開始した。試験を開始したら、ホイールのスピードを2.0mm/sの加速で増大し、各々の所与のスピードに対して張力を測定した。各ストランドが破断したかまたはストランドがホイール間で滑った後、測定を止め、材料を新しい測定のためにホイール間に戻した。新しいRheotens曲線を記録した。測定は、バレル内のすべての材料が消費されるまで続けた。この発明においては、各材料に対する張力の平均対延伸比を報告した。
【0294】
TREF
昇温溶離分別分析(TREF分析)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSoaresおよびHamielec、Polymer、36巻(10号)、1995 1639~1654頁に記載されているのと同様な方法を用いて行なった。TREF分析はPolymer Char(Valencia、Spain)の赤外線検出器を備えたTREFモデル200 TFシリーズの機器で行なった。サンプルを1,2-ジクロロベンゼンに150℃で1h溶かした。表Cに示す以下のパラメーターを使用した。
【0295】
【表3】
【0296】
AlおよびZr含量の決定
AlおよびZr含量はサンプルの無機化(mineralization)および酸媒体の残渣の回収の後誘導結合プラズマ発光分析分光法(ICP-AES)を用いて決定した。使用した分光計はSpectroのICP-AES ARCOSであった。
【0297】
元素の決定はアルゴンプラズマ中での溶液の噴霧化、最も敏感で干渉のない発光線の強度の測定およびこれらの強度と較正溶液(外部較正方法)のものとの比較により行なった。
【0298】
分析される溶液(試験溶液)の調製:不活性な雰囲気下(グローブボックス中)で、約0.3gの触媒を白金るつぼに入れ、3~5mlのイソプロピルアルコールを加えて触媒を「失活させた」。混合物を砂浴で加熱乾固した(30分)。白金るつぼを600℃のオーブンに10分間入れた。冷却後、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えてすべての灰に含侵させ、1mLの濃HCl(Merck HCl 32%v/v)および濃HF(Merck HF 48%v/v)を加えた。るつぼを砂浴に入れ、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えて、るつぼの中味を混合した。24h後、1mlの濃HCl、0.5mlの濃HFおよびMilli-Q(登録商標)脱イオン水を加え、加熱下で混合物をかき混ぜて完全な溶解を達成した。冷却後、混合物を50mlのポリプロピレンチューブに移し、Milli-Q(登録商標)脱イオン水で容積を50mlにした。次いで試験溶液を25倍希釈して、2%HCl/HF1%媒体が維持されることを確保した。
【0299】
較正標準および対照溶液の調製:標準溶液は保証された濃度の市販の単一元素溶液の希釈により調製した。標準溶液は所要の容積の保証された溶液を50mlのポリプロピレンチューブに移し、次いでチューブの側面をMilli-Q(登録商標)脱イオン水で濯ぎ、50ml当たり1mlの濃HClおよび0.5mlの濃HFを加えて溶液中サンプル溶液と同じ酸含量を得、最後にMilli-Q(登録商標)脱イオン水で希釈を仕上げることにより調製した。対照溶液は保証された濃度の市販の多元素溶液の希釈により調製した。溶液中の他の元素の存在は可能な干渉の存在/不在の検証を可能にした。
【0300】
Fe含量の決定
Fe含量は、サンプルの無機化および酸媒体の残渣の回収後誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP-AES)を用いて決定した。使用した分光計はSpectroのICP-AES ARCOSであった。
【0301】
Feの含量の決定は、サンプルの焼成および酸媒体の灰分の回収後ICP-AESにより行なった。
【0302】
元素の決定は、アルゴンプラズマ中での溶液の噴霧化、最も敏感で干渉のない発光線の強度の測定およびこれらの強度と較正溶液(外部較正方法)のものとの比較により行なった。
【0303】
分析される溶液(試験溶液)の調製:約10gのサンプルを白金るつぼに入れた。Bunsenバーナーを用いて、サンプルが完全に燃焼するまでサンプルを小さい炎で焼いた。白金るつぼを600℃のオーブンに最低30分入れることにより焼成を仕上げた。冷却後、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えてすべての灰分に含侵させ、1mLの濃HCl(Merck HCl 32%v/v)および濃HF(Merck HF 48%v/v)を加えた。るつぼを砂浴に入れ、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えて、るつぼの中味を混合した。24h後、1mLの濃HCl、およびMilli-Q(登録商標)脱イオン水を加えながら、加熱下で混合物をかき混ぜて完全な溶解を達成した。冷却後混合物を50mLのポリプロピレンチューブに移し、Milli-Q(登録商標)脱イオン水で容積を50mLにした。
【0304】
較正標準および対照溶液の調製:標準溶液は保証された濃度の市販の単一元素溶液の希釈により調製した。標準溶液は、所要の容積の保証された溶液を50mLのポリプロピレンチューブに移し、次いでチューブの側面をMilli-Q(登録商標)脱イオン水で濯ぎ、50mL当たり1mLの濃HClを加えてサンプル溶液と同じ溶液中酸含量を得、Milli-Q(登録商標)脱イオン水で希釈を仕上げることにより調製した。対照溶液は保証された濃度の市販の多元素溶液の希釈により調製した。調製プロトコルは標準溶液と同じである。溶液中の他の元素の存在は可能な干渉の存在/不在の検証を可能にした。
【0305】
Zr、AlおよびFe含量に対する結果の表現:
サンプル中の測定された元素の含量(ppm)は以下の通り計算した:
【0306】
【数3】
【0307】
検出限界(Limit of Quantification)(LOQ)は各元素に対して10のブランク測定から計算した:
溶液中LOQ(mg/l)=ブランクの10の反復の標準偏差×10
【0308】
【数4】
【0309】
触媒
メタロセン1:meso-メタロセン1(mMet1)
【0310】
【化19】
【0311】
meso-メタロセン1(mMet1)を以下に記載しスキーム1に示すようにして調製した。他に述べない限り、すべての手順はグローブボックス内で窒素雰囲気下乾燥溶媒を用いて行なわれる。
【0312】
【化20】
【0313】
ステップ1:
25mLのTHF中3.52g(0.022mol)のマロン酸ジエチルの溶液に、0.88g(油中60%、0.022mol)の水素化ナトリウムを0℃で加えた。この混合物を1h還流し、次いで室温に冷却した。次に、5g(0.022mol)の4-tBu-ベンジルブロミドを加え、得られた混合物を3h還流した。沈殿が生成した(NaBr)。この混合物を室温に冷却し、ガラスフリット(G2)に通してろ過した。沈殿(NaBr)を3×5mLのTHFでさらに洗浄した。合わせたろ液を蒸発乾固させた。
【0314】
残渣を20mLのエタノールおよび2.5mLの水に溶かした後8gの水酸化カリウムを0℃で加えた。得られた混合物を2h還流し、次いで10mLの水を加えた。エタノールを減圧下制御されたT℃(最高30℃)で蒸留した。得られた水溶液をHClでpH1に酸性化し、生成物をエーテル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機画分をHCl 1M(1×25mL)および塩水(1×25mL)で洗浄した後MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。
【0315】
二塩基酸を160℃で2h加熱することにより脱カルボキシル化した(ガス発生が認められる)。得られた生成物を30mLのジクロロメタンに溶かし、30mLのSOClを加えた。混合物を3h還流した後蒸発乾固させた。
【0316】
残渣を12mLの乾燥ジクロロメタンに溶かし、得られた溶液を68mLのジクロロメタン中6.5g(0.05mol)のAlClの懸濁液に0℃で1h滴下して加えながら激しく撹拌した。次に、反応混合物を3h還流し、室温に冷却し、250cmの氷上に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。
【0317】
有機層をHCl 1Mおよび塩水(各1×25mL)で洗浄した。合わせた有機画分をMgSO上で乾燥し、次いで蒸発乾固させた。生成物をシリカ上でろ過により(イソペンタン中1~10%AcOEt)単離した。所望の生成物は黄色の油であった(収率=35%)。
【0318】
ステップ2:
6-tBu-1-インダノン(1eq.、5.078g)を80mLのEtOに溶かした。PhMgBr(1.1eq.、10mL、3M)を0℃で滴下して加え、溶液を2h還流加熱し、次いで一晩室温で撹拌した。一晩撹拌した後、反応を50mLの1M HClでゆっくりクエンチし、1h撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液で中和し、ジエチルエーテル(x2)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去した。生成物をやや黄色の油(6.54g、95%)として単離し、さらに精製することなく(または場合によってn-ペンタンを用いたシリカ上のろ過を行なった)次のステップに直接使用した。
【0319】
ステップ3:
2g(8mmol)の6-tBu-(フェニル)-1-インデンを50mLのジエチルエーテルに導入し、5.3mLのn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)を0℃で滴下して加えた。この添加が完了した後、混合物を室温で一晩撹拌した。触媒量のCuCNを加え、得られた溶液を30分撹拌し、次いで0.49mLの(ジメチル)ジクロロシラン(4mmol)を一度に加えた。この添加の後、反応溶液を一晩室温で撹拌した。反応混合物をアルミナに通してろ過し、溶媒を真空中で除去した。生成物をヘキサン/DCM(9/1)を溶離液としたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製してオレンジ色の粉末を得た。収率=52%。
【0320】
ステップ4:
リガンドビス(5-tert-ブチル-3-フェニル-1H-インデン-1-イル)-ジメチル-シラン(9.7g、552.8g/mol、0.0176mol)の130mLのトルエン中溶液(500mL丸底フラスコ)に、n-BuLi(ヘキサン中1.6M、22.0mL、0.0351mol)を15minにわたって加えた。混合物を室温で24h撹拌し続けた。第2の500mLの丸底フラスコで、ZrCl(4.1g、233.04g/mol、0.0176mol)を50mLトルエンに懸濁させた。撹拌しながら、THF(テトラヒドロフラン、2.7g、72.11g/mol、0.0370mol)を約5分間にわたって滴下して加えた。この反応混合物を室温で2h撹拌し続けた。次いでリガンド/n-BuLi混合物をピペットによって15分にわたってZrCl/THF混合物に加えた。追加の約2mLのTHFを使用して白色の固体をリガンド/n-BuLiフラスコの壁から洗い落とし、完全な移動を確実にした。得られた混合物を室温で18h撹拌し続けた後75mLのセライトを充填したPOR3ガラスフリット(使用前に3日間オーブンで乾燥した)でろ過した。反応フラスコおよびセライトを追加の40mLトルエンで洗浄した。ろ液を真空下約200mLに濃縮した。シリコーングリースおよびガラス製の栓を用いてフラスコを十分に密閉し、グローブボックスから積み出し、-35℃で20h保存した。次いでフラスコを室温で放置して霜を取った後グローブボックスに戻した。混合物を75mLのPOR4ガラスフリットでろ過し、明るいオレンジ色の固体および赤橙色のろ液を収集した。固体を2×3mLのペンタンで洗浄した後フリット上で約1.5h乾燥した。次いで固体を保存のためのバイアルに移した:画分1、2.58g(21%収率)。ろ液を真空中500mLの丸底フラスコで、オレンジ色の沈殿が形成し始めるまで濃縮した。フラスコをグリース付きの栓でシールし、グローブボックスから積み出し、-35℃で20h保存した。室温でフラスコの霜を取り、グローブボックスに戻し、混合物をPOR4ガラスフリットでろ過し、明るいオレンジ色の固体およびオレンジ色のろ液の第2の画分を集めた。固体を2×3mLのペンタンで洗浄し、真空下フリット上で2h乾燥させた。次いで固体を保存のためにバイアルに移した:画分2、446mg(4%収率)。この時点で上に示したのと同じ手順をろ液に対して繰り返し、オレンジ色の固体の第3の(942mg、8%収率)画分が単離できた。
【0321】
各画分のmeso純度をH NMRにより決定した。これらの結果に基づいて、画分1および2が同様なmeso純度を有しており、合わせて25%Met1の全収率、96%のmeso純度となることができると結論した(すなわち、Met1のmeso体のmeso/rac比は96:4である)(触媒のH NMRを図2に示す)。このメタロセンをmMet1といい、さらに精製することなく本明細書に記載されている重合を支持するのに使用される。
【0322】
メタロセン2:(ブテニル)MeC(Cp)(2,7-tBu-Flu)ZrCl(Met2)
メタロセン2をJournal of Organometallic Chemistry 553巻、1998、205~220頁に記載されている合成に従って、以下に記載するようにして調製した:
【0323】
【化21】
【0324】
ステップ1:
【0325】
【化22】
【0326】
ガス注入チューブおよび磁気撹拌バーを備えた200mLの三つ首フラスコに60mLのメタノール中の2.5eqの新たにクラッキングしたシクロペンタジエンおよび1eqの5-ヘキセン-2-オンを窒素下で仕込んだ。次いで、2eqのピロリジンを0℃で滴下して加え、混合物を一晩室温で撹拌した。50mLのHCl 1Mで反応をクエンチし、EtO(3×50mL)で抽出した。有機画分をMgSO上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。フルベンを黄色の油として得、さらに精製することなく使用した(収率=65%)。
【0327】
ステップ2:
【0328】
【化23】
【0329】
三つ首フラスコに、1eqのジ-tert-ブチルフルオレンを窒素流下で加え、70mLのEtOに溶かした。この溶液に1.1eqのn-BuLi(ヘキサン中1.6M)を0℃で滴下して加え、混合物を一晩室温で撹拌した。先のステップで調製し、30mLのEtOに溶かした3.5gのフルベンの溶液を滴下して加えた。反応混合物を一晩撹拌し続けた。反応を水でクエンチし、EtO(3×50mL)で抽出した。合わせた有機画分をMgSO上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をペンタン/MeOH中0℃で結晶化して白色の固体を得た(収率=85%)。
【0330】
ステップ3:
【0331】
【化24】
【0332】
丸底フラスコに、1gのリガンドを導入し、40mLのEtOに溶かした。2.1eq.のnBuLiを滴下して加え、混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を真空中で除去し、40mLの乾燥ペンタンを加えた。次いで1eqのZrClを室温で少しずつ加えた。反応を2日にわたって撹拌し、ろ過した。得られた沈殿をDCMで希釈し、遠心分離して塩化リチウムを除いた。溶媒を真空中で除去して濃いピンク色の粉末を得た(収率=70%)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 1.34 (s, 9 H, CH3 tBu); 1.36 (s, 9 H, CH3 tBu); 2.30 (m, CH2 alk); 2.43 (s, 3 H, CH3); 2.55 (m, 1 H, CH2 alk.); 2.65 (m, 1 H, CH2alk.); 3.25 (m, 1 H, CH2 alk.); 5.13 (m; 1 H, CHビニル); 5.18 (m; 1 H, CHビニル); 5.70 (m, 2 H, CHcp); 6.10 (m; 1 H, CHビニル); 6.29 (m, 2 H, CHcp); 7.55 (s, 1 H, CHflu), 7.63-7.68 (m, 2 H, CHflu); 7.72 (s, 1 H, CHflu); 8.00-8.04 (m, 2 H, CHflu)
メタロセン3:ジクロロ[rac-エチレンビス(4,5,6-テトラヒドロ-1-インデニル)]ジルコニウム(Met3)
【0333】
【化25】
【0334】
ジクロロ[rac-エチレンビス(4,5,6-テトラヒドロ-1-インデニル)]ジルコニウムはKOEI CHEMICAL Co., Ltd.から購入した(CAS 100163-29-9)。
【0335】
担持触媒の合成
すべての触媒および助触媒実験はグローブボックス中窒素雰囲気下で行なった。Albemarleのトルエン中メチルアルミノキサン(30wt.%)(MAO)を活性化剤として使用した。PQのチタネート化シリカ(PD12052)を触媒支持体(D50:25μm)として使用した。
【0336】
担持されたメタロセン触媒を以下の方法を用いて2つのステップで調製した:
1.MAOのシリカへの含侵:
10グラムの乾燥シリカ(窒素下450℃で6h乾燥した)を、メカニカルスターラーを備えた丸底フラスコに導入し、100mLのトルエンを加えることによりスラリーを形成した。MAO(21mL)を滴下漏斗で滴下して加えた。反応混合物を110℃で4h撹拌した。反応混合物をガラスフリット(POR3)に通してろ過し、粉末を乾燥トルエン(3×20mL)および乾燥ペンタン(3×20mL)で洗浄した。粉末を減圧下で一晩乾燥して自由流動性の灰色の粉末を得た。
【0337】
2.メタロセンのシリカ/MAO支持体への堆積:
シリカ/MAO(10g)を窒素下トルエン(100mL)に懸濁させた。メタロセン成分AおよびB(合計A+B:200mg)を導入し、混合物を2h室温で撹拌した。反応混合物をガラスフリットに通してろ過し、粉末を乾燥トルエン(3×20mL)および乾燥ペンタン(3回)で洗浄した。粉末を減圧下で一晩乾燥して自由流動性の灰色の粉末を得た。
【0338】
ICP-AES分光法(誘導結合プラズマ原子発光分光法)を用いてサンプルのジルコニウムおよびアルミニウム含量(wt.%)を分析した。結果を表1に示す。
【0339】
【表4】
【0340】
実施例A:
重合反応を撹拌機、温度調節器ならびにエチレンおよび水素を供給するための入口が付いた132mlのオートクレーブで行なった。反応器を110℃で窒素により1h乾燥し、次いで40℃に冷却した。
【0341】
すべての重合は(他に断らない限り)表2に挙げる不均一な条件下で行なった。反応器に75mlのイソブタン、1.6mlの1-ヘキセン(C6-)を仕込み、800ppmの水素を含むエチレン(C2-)で23.8バールに加圧した。触媒(3.5mg)を加えた。重合は触媒組成物懸濁液の注入の際に始まり、85℃で行なわれ、60分後、反応器の除圧により停止した。反応器を開放する前に窒素でフラッシュした。
【0342】
【表5】
【0343】
二元触媒組成物の存在下でのエチレンと1-ヘキセンコモノマーの共重合の結果を表3に示す。重合条件は表2に挙げたのと同じであった。
【0344】
【表6】
【0345】
図3は、増大するmMet1含量(20/80~50/50のmMet1/Met2重量比)を有する二元触媒組成物mMet1/Met2で得られたポリマーのGPCトレースを示す。
【0346】
下記表4は、各触媒の様々な重量比のmMet1/Met2組成物の存在下におけるエチレンと1-ヘキセンコモノマーの共重合の結果を示す。重合条件は表2に挙げたものと同じであった。
【0347】
【表7】
【0348】
ポリマーを溶融レオロジー(RDA)によりさらに試験した。このために、角周波数(ω)の対数の関数として複素粘度(|η|)の対数の傾向を検討した(図4)。van Gurp-Palmen(vGP)プロットを検討した(図5)。
【0349】
1-ヘキセン応答も触媒組成物mMet1/Met2(30/70重量比)に対して研究した。重合条件は1-ヘキセン濃度を除いて表2に挙げたものと同じであった(800ppmH)。結果を表5に示す。
【0350】
【表8】
【0351】
1-ヘキセン濃度の関数として触媒組成物mMet1/Met2(30/70重量比)で得られたポリマーのNMR研究の結果を表6に示す。
【0352】
【表9】
【0353】
さらなるポリエチレンをいろいろな二元触媒組成物で調製した。すべての重合は表2に示した条件で行なった。結果を表7に示す。
【0354】
【表10】
【0355】
実施例B:
さらなるエチレンポリマーをmMet1/Met2触媒組成物(30/70重量比)で調製した。重合反応はイソブタンを希釈剤として単一のスラリーループ反応器で行なった。すべての重合は表8に示した条件で行なった。ペレットに対する分析結果も表8に示す。生成した樹脂に対する生産性を図6に示す。
【0356】
【表11-1】
【0357】
【表11-2】
【0358】
比較の樹脂も表9に示した操作条件を用いて調製した。
【0359】
【表12】
【0360】
図7は水素応答を示す。生成した樹脂に対する1-ヘキセン含量を表10および図8に示す。
【0361】
【表13】
【0362】
樹脂A~Iに対するGPC、DSC、RDAおよび溶融強度結果を図9、10、11、12、および13ならびに表11に示す。
【0363】
【表14】
【0364】
van Gurp-Palmen(vGP)プロットを検討した(図14および15)。溶融強度結果を図16および17に示す。
【0365】
TREF分析:樹脂H、I、FおよびEを昇温溶離分別(TREF)プロセスにより分画した。結果を図18に示す。試験した樹脂の各々に対して、TREF分布曲線で観察された各々のピークの温度、および前記ピーク下の面積のパーセントを表12に示す。
【0366】
【表15】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている、架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、前記置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリール、好ましくはアリールであり;好ましくは前記置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは1個の置換基を3位に有し、好ましくは各インデニルは1個の置換基を5位に有し、さらにより好ましくは各インデニルは1個の置換基を各インデニルの3位に、1個の置換基を5位に有し、好ましくは前記アリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;触媒成分Aの前記架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比はH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上である、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分Bであって;触媒成分A対触媒成分Bの重量比は10/90~40/60の範囲である、触媒成分B;ならびに
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項2】
触媒成分A対触媒成分Bの重量比が25/75~35/65、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69の範囲、好ましくは30/70である、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
触媒成分Aが式(I)
【化1】

[式中、
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;m、pは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つは少なくとも1であり;
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、フェニル、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;n、qは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つは少なくとも1であり;
はSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項4】
触媒成分Bが式(II)
【化2】

[式中、
、R、およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
は-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【請求項6】
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~8.0の範囲の分子量分布M/M
出願時の出願の第54頁第4~21行に記載されているように測定して少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo;ならびに
出願時の出願の第54頁第22行~第55頁第10行に記載されているように 13C NMRにより決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐
を有し、
前記エチレンポリマーはエチレンおよび1-ヘキセンのコポリマーであり、前記エチレンポリマーの総重量に対する総1-ヘキセン含量は 13 C NMR分析により決定して少なくとも2.0重量%である、メタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項7】
を重量平均分子量、M を数平均分子量として4.1~8.0、好ましくは4.1~7.6、好ましくは4.1~7.0の範囲の分子量分布M /M を有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項8】
をz平均分子量として最大で7.0、好ましくは最大で6.0、好ましくは最大で5.0、好ましくは最大で4.0、好ましくは最大で3.5、好ましくは少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.5の分子量分布M/Mを有する、請求項6~7のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項9】
8.0~25.0、好ましくは10.0~20.0、好ましくは10.5~20.0の範囲の分子量分布M/Mを有する、請求項6~のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項10】
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定して少なくとも0.910g/cmの密度を有する、請求項6~9のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項11】
前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも96.0℃~最高で105℃の温度で現れ、少なくとも20.0%~最大で100.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個のピークを含む、請求項6~10のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項12】
ポリマーの密度が0.938g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で92.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項13】
ポリマーの密度が0.925g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で73.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項14】
前記メタロセンが請求項1~5のいずれか1項に記載のメタロセン触媒組成物である、請求項6~13のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項15】
請求項6~14のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを含む物品。
【請求項16】
前記物品がフィルム用途、射出用途、ブロー成形用途、回転成形用途、押出用途、ヤーン用途向けである、請求項15に記載の物品。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のインデニル基をもち、各インデニルが独立して1個または複数の置換基で置換されている、架橋したメタロセン化合物のmeso体を含む触媒成分Aであって、前記置換基の少なくとも1個はアリールまたはヘテロアリール、好ましくはアリールであり;好ましくは前記置換基の少なくとも1個は各インデニルの3および/または5位にあり、好ましくは各インデニルは1個の置換基を3位に有し、好ましくは各インデニルは1個の置換基を5位に有し、さらにより好ましくは各インデニルは1個の置換基を各インデニルの3位に、1個の置換基を5位に有し、好ましくは前記アリールまたはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;触媒成分Aの前記架橋したメタロセン化合物のmeso体のmeso/rac比はH NMRを用いて決定して95:5またはそれ以上である、触媒成分A;
置換または非置換のシクロペンタジエニル基および置換または非置換のフルオレニル基をもつ架橋したメタロセン化合物を含む触媒成分B;ならびに
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項2】
触媒成分A対触媒成分Bの重量比が25/75~35/65、好ましくは28/72~33/67、好ましくは29/71~32/68、好ましくは29/71~31/69の範囲、好ましくは30/70である、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
触媒成分Aが式(I)
【化1】


[式中、
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;m、pは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、mまたはpの少なくとも1つは少なくとも1であり;
およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、フェニル、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;RまたはRの少なくとも1個はアリールであり、各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;n、qは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり、nまたはqの少なくとも1つは少なくとも1であり;
はSiR、-[CR-、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはMはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンのmeso体を含む、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項4】
触媒成分Bが式(II)
【化2】


[式中、
、R、およびRの各々は独立してアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルであり;r、s、tは各々独立して0、1、2、3、または4から選択される整数であり;
は-[CR-、SiR、GeR、またはBRであり;hは1、2、または3から選択される整数であり;RおよびRの各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはRおよびRはそれらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくはジルコニウムであり;
およびQは各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R11、アルコキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;R11は水素またはアルキルである]
の架橋したメタロセンを含む、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりポリオレフィンを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【請求項6】
0.1g/10min~12.0g/10minの範囲のメルトインデックスMIであって、MIはISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って、温度190℃、および2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定される、メルトインデックスMI
を重量平均分子量、Mを数平均分子量として4.0~12.0、好ましくは4.0~8.5の範囲の分子量分布M/M
少なくとも0.90、好ましくは少なくとも0.93、好ましくは少なくとも0.95のレオロジー長鎖分岐指数grheo;ならびに
13C NMRにより決定して、エチレンポリマーの総重量に対して少なくとも0.30重量%のエチル分岐であって、ただし前記エチル分岐含量はコモノマーとしての1-ブテン組み込みから生じないことを条件とする、エチル分岐
を有するメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項7】
をz平均分子量として最大で7.0、好ましくは最大で6.0、好ましくは最大で5.0、好ましくは最大で4.0、好ましくは最大で3.5、好ましくは少なくとも2.0、好ましくは少なくとも2.5の分子量分布M/Mを有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項8】
8.0~25.0、好ましくは10.0~20.0、好ましくは10.5~20.0の範囲の分子量分布M/Mを有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項9】
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定して少なくとも0.910g/cmの密度を有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項10】
規格ISO 1183-1:2012方法Aに従って23℃の温度で測定して最大で0.965g/cmの密度を有する、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項11】
前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも96.0℃~最高で105℃の温度で現れ、少なくとも20.0%~最大で100.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個のピークを含む、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項12】
ポリマーの密度が0.938g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で92.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項13】
ポリマーの密度が0.925g/cm未満であるとき、前記メタロセンにより触媒されたエチレンポリマーの昇温溶離分別(TREF)分布曲線が、少なくとも65.0℃~最大で73.0℃の温度で現れ、少なくとも60.0%~最大で75.0%の曲線下面積を有する少なくとも1個の第2のピークを含む、請求項11に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項14】
前記メタロセンが請求項1に記載のメタロセン触媒組成物である、請求項6に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマー。
【請求項15】
請求項6~14のいずれか1項に記載のメタロセンにより触媒されたエチレンポリマーを含む物品。
【請求項16】
前記物品がフィルム用途、射出用途、ブロー成形用途、回転成形用途、押出用途、ヤーン用途向けである、請求項15に記載の物品。
【国際調査報告】