(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電解めっき装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20241212BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20241212BHJP
C25D 7/00 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
F24F7/06 Z
H05K3/18 N
C25D7/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535897
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2022134032
(87)【国際公開番号】W WO2023109459
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111529125.X
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルオフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ジャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホンチャオ
【テーマコード(参考)】
3L058
4K024
5E343
【Fターム(参考)】
3L058BE02
4K024BA15
4K024BB11
5E343FF16
5E343GG20
(57)【要約】
本発明は、処理室、基板保持装置、第1カバー体、第2カバー体、ガス供給部及び排気部を備えた電解めっき装置を開示する。電解めっき溶液は処理室の内室内に収容されており、内室には開口部がある。基板保持装置は基板を保持するために使用され、基板保持装置は開口部を介して内室に出入りする。第1カバー体は、基板保持装置が内室に搬入された後に基板保持装置に接続されて開口部を閉鎖し、内室が閉状態となる。第2カバー体は、基板保持装置が内室から搬出された後、開口部を閉鎖して内室を再び閉状態にするために用いられる。ガス供給部は内室に不活性ガスを導入し、排気部は内室から空気を排出する。したがって、電解めっき装置は、電解めっき液の酸化を防止し、電解めっき液の安定性を維持し、電解めっき液の耐用年数を延ばし、電解めっき液のコストを節約することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解めっき溶液を保持するための内室を有し、前記内室には開口部がある処理室と、
基板を保持し、前記開口部を介して前記内室内外に搬入、搬出される基板保持装置と、
前記基板保持装置に接続され、前記基板保持装置が前記内室に搬入された後に前記開口部を閉じ、前記内室が閉状態になるようにする、第1カバー体と、
前記基板保持装置が前記内室から搬出された後に前記開口部を閉じ、前記内室が閉状態となるようにする、第2カバー体と、
前記内室内に不活性ガスを導入するガス供給部と、
前記内室から空気を排出する排気部と、を備えることを特徴とする電解めっき装置。
【請求項2】
前記第1カバー体は回転駆動装置であり、前記回転駆動装置は、前記基板保持装置を前記内室内で前記回転駆動装置の軸を中心にして回転させるように駆動し、
前記基板保持装置が前記内室内に搬入されると、前記回転駆動装置が前記開口部を閉じるように前記開口部を覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
【請求項3】
前記第1カバー体の下面の周方向に沿って、前記開口部に向かう囲いが設けられており、
前記第1カバー体が前記開口部を覆うとき、前記囲いは前記開口部の縁部に接触する、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
【請求項4】
前記開口部が前記第1カバー体または前記第2カバー体と組み合わされる位置に、シールリングが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
【請求項5】
前記第2カバー体は、互いに連係する2つのカバー体を備え、両カバー体は同一平面上にあり、
前記基板保持装置を前記内室から搬出させると、前記2つのカバー体は前記開口部の中心に向けて移動し、前記開口部を閉じる、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
【請求項6】
前記排気部は第1排気部と第2排気部とを備え、前記第1排気部は前記第1カバー体に設けられ、前記第2排気部は前記第2カバー体に設けられる、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電解めっき装置。
【請求項7】
前記処理室はシールドを備え、前記ガス供給部は前記シールド上に配置され、前記ガス供給部は複数のガス入口チャネルを備え、複数の前記ガス入口チャネルは前記シールドの周方向に沿って間隔をあけて配置され、前記シールドの側壁を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置。
【請求項8】
複数の前記ガス入口チャネルは、前記内室に向かう方向に斜め下方に延びている、ことを特徴とする請求項7に記載の電解めっき装置。
【請求項9】
前記ガス供給部は静圧室をさらに備え、各ガス入口チャネルは入口と出口とを有し、
前記静圧室は前記シールドの周囲に延びており、複数の前記ガス入口チャネルの入口を覆っており、
不活性ガスが前記静圧室内に注入されると、不活性ガスは前記ガス入口チャネルの前記入口と前記出口から順に前記内室内に入る、ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電解めっき装置。
【請求項10】
前記ガス入口チャネルの前記入口に近い部分の直径は、前記静圧室に向かう方向に向かって徐々に大きくなる、ことを特徴とする請求項9に記載の電解めっき装置。
【請求項11】
前記ガス供給部は、前記静圧室に接続され、前記静圧室に流入する不活性ガスの流量および/または圧力を制御する制御要素をさらに備える、ことを特徴とする請求項9に記載の電解めっき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の技術分野に関し、特に電解めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電解めっきプロセスでは、電解めっき液の組成の安定性が電解めっき製品の信頼性にとって特に重要である。
【0003】
電解めっきプロセス中、電解めっき装置内の昇降駆動装置は基板を駆動して下降させ、基板保持装置を介して処理室内の電解めっき液に浸漬し、基板に電解めっきを施す。電解めっき処理後、昇降駆動装置が基板を上昇させ、基板保持装置を介して処理室から搬出させる。
【0004】
しかし、電解めっきを行わない場合や電解めっきを行う場合、処理室内の電解めっき溶液の安定性に問題が生じる可能性がある。例えば、金めっき溶液中の亜硫酸イオンは空気中の酸素によって容易に酸化され、金めっきの技術的パラメータが不安定になり、耐用年数が短くなるため、生産と管理に不便をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来技術における処理室内の電解めっき溶液の安定性の課題を解決することを目的とする。したがって、本発明は、電解めっき液の酸化を防止し、電解めっき液の安定性を維持するという利点を有する電解めっき装置を提供する。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のものを備える電解めっき装置を提案する。
電解めっき溶液を保持するための内室を有し、前記内室には開口部がある処理室と、
基板を保持するための基板保持装置であって、前記開口部を介して前記内室内外に搬入、搬出される、前記基板保持装置と、
前記基板保持装置に接続され、前記基板保持装置が前記内室に搬入された後に前記開口部を閉じ、前記内室が閉状態になるようにする、第1カバー体と、
前記基板保持装置が前記内室から搬出された後に前記開口部を閉じ、前記内室が閉状態となるようにする、第2カバー体と、
前記内室内に不活性ガスを導入するガス供給部と、
前記内室から空気を排出する排気部。
【0007】
本発明の一実施形態では、前記第1カバー体は回転駆動装置であり、前記回転駆動装置は、前記基板保持装置を前記回転駆動装置の軸を中心にして前記内室内で回転させるように駆動する。前記基板保持装置が前記内室内に搬入されると、前記回転駆動装置が前記開口部を閉じるように覆う。
【0008】
本発明の一実施形態では、前記第1カバー体の下面の周方向に沿って、開口部に向かう囲いが設けられている。前記第1カバー体が前記開口部を覆うとき、前記囲いは前記開口部の縁部に接触する。
【0009】
本発明の一実施形態では、前記開口部が前記第1カバー体または前記第2カバー体と組み合わされる位置にシールリングが設けられている。
【0010】
本発明の一実施形態では、前記第2カバー体は、互いに連係する2つのカバー体を備え、両カバー体は同一平面上にある。前記基板保持装置を前記内室から搬出させると、前記2つのカバー体は前記開口部の中心に向けて移動し、前記開口部を閉じる。
【0011】
本発明の一実施形態では、前記排気部は第1排気部と第2排気部とを備え、前記第1排気部は前記第1カバー体に設けられ、前記第2排気部は前記第2カバー体に設けられる。
【0012】
本発明の一実施形態では、前記処理室はシールドを備え、前記ガス供給部は前記シールド上に配置され、前記ガス供給部は複数のガス入口チャネルを備え、複数の前記ガス入口チャネルは前記シールドの周方向に沿って間隔をあけて配置され、前記シールドの側壁を貫通する。
【0013】
本発明の一実施形態では、複数の前記ガス入口チャネルが、前記内室に向かう方向に斜め下方に延びている。
【0014】
本発明の一実施形態では、前記ガス供給部は静圧室をさらに備え、各ガス入口チャネルは入口と出口とを有する。前記静圧室はシールドの周囲に伸びており、複数の前記ガス入口チャネルの前記入口を覆う。前記静圧室内に不活性ガスを注入すると、不活性ガスは前記ガス入口チャネルの前記入口と前記出口から順に前記内室に入る。
【0015】
本発明の一実施形態では、前記ガス入口チャネルの前記入口に近い部分の直径は、前記静圧室に向かう方向に向かって徐々に大きくなる。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記ガス供給部は、前記静圧室に接続され、前記静圧室に流入する不活性ガスの流量および/または圧力を制御する制御要素をさらに備える。
【0017】
上記のように、本発明の電解めっき装置は、以下の利点を有する。
【0018】
第1カバー体と第2カバー体とを配置することにより、基板保持装置と基板とが同時に処理室内に搬入された後に第1カバー体で処理室の開口部を閉鎖することができる。基板保持装置と基板とが同時に処理室から搬出された後に第2カバー体で処理室の開口部を閉鎖することで、閉鎖空間内に不活性ガスが制限され、外気が内室内に侵入するのを確実に防止することができ、電解めっきの非実行時或いは電解めっき中のどちらにおいても、内室内の電解めっき液が酸化されることを効果的に防止することができる。したがって、本発明が提供する電解めっき装置は、電解めっき液の安定性を維持し、電解めっき液の耐用年数を延ばし、電解めっき液のコストを節約し、生産および管理を容易にすることができる。
【0019】
本発明の他の特徴および対応する有益な効果については、本明細書の後半で説明されており、有益な効果の少なくとも一部は、本発明の明細書に記載されている内容から明らかになることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明に係る電解めっき装置の3次元模式図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る電解めっき装置において、第2カバー体が開口部を閉じているときを示す断面模式図である。
【
図3】
図3は、本発明が提供する電解めっき装置において、第1カバー体が開口部を閉じているときを示す断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る電解めっき装置において、第1カバー体が開口部を閉じているときを示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明が提供する電解めっき装置の処理室の開口部が第2カバー体によって閉じられた後の上面構造の模式図である。
【
図6】
図6は、本発明が提供する電解めっき装置の処理室の開口部が開いたときの上面構造の概略図を示し、ガス入口チャネルの上面構造の模式図を示す。
【
図7】
図7は、本発明が提供する電解めっき装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施例を通じて本発明の実施形態を説明するが、当業者であれば、本明細書に開示された内容から本発明の他の利点や効果を容易に理解することができる。本発明の説明は、上記の好ましい実施形態とともに紹介されたが、本発明の特徴は本発明を限定するものとみなされるべきではないことを認識すべきである。逆に、実施形態と組み合わせて本発明を提示する目的は、本発明の請求項に基づいて拡張できる他の選択肢または変更をカバーすることである。本発明を深く理解するために、以下の説明にはいくつかの具体的な詳細事項が含まれる。本発明は、これらの詳細がなくても実施することができる。さらに、本発明の焦点を混乱させたり不明瞭にしたりすることを避けるために、いくつかの具体的な詳細は説明から省略される。本発明の実施形態および実施形態の特徴は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることに留意すべきである。本明細書では、同様の名称および文字は以降の図面でも同様の用語を示しているため、ある図面で項目が定義されると、それ以降の図面でそれをさらに定義および説明する必要はないことに留意する必要がある。
【0022】
本発明の技術的提案は、添付の図面と組み合わせて明確かつ完全に説明される。記載した実施形態は本発明の実施形態の一部であり、すべてではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力をすることなく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0023】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」等の用語は、添付図面に示される向きまたは位置関係に基づく向きまたは位置関係を示すものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化することのみを目的としており、示された装置または要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成および動作されなければならないことを示唆または暗示するものではなく、したがって、本発明の限定として理解されるものではないことに留意すべきである。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は説明目的のみで使用されており、相対的な重要性を示すものや暗示するものと理解されるものではない。
【0024】
本発明の説明において、特に明記し定義しない限り、「設置」、「リンク」、「接続」という用語は広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的に接続されていてもよい。機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよい。直接リンクされていてもよく、中間媒体を介して間接的にリンクされていてもよく、または2つのコンポーネント内でリンクされていてもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を特に理解することができる。
【0025】
本発明の目的、技術的スキームおよび利点をより明確にするために、本発明の実施形態を添付の図面と併せて以下にさらに詳細に説明する。
【0026】
図1~
図3を参照すると、本発明が提供する電解めっき装置10は、処理室100、基板保持装置200、第1カバー体300、第2カバー体400、ガス供給部130、および排気部を含む。
【0027】
処理室100の内室110は、めっき液を保持するために使用され、開口部111を有する。ガス供給部130により内室110内に不活性ガスを注入し、排気部により内室110内の空気を排出することで、不活性ガスにより内室110内に均一な正圧が形成され、空気中の水分や酸素が電解めっき液に接触することが防止される。この実施形態では、排気部は、第1排気部311と第2排気部411とを含む。第1排気部311は第1カバー体300上に配置され、第2排気部411は第2カバー体400上に配置される。本実施形態で使用される不活性ガスは窒素であるが、必要に応じてアルゴン、ヘリウム、ネオンなどの他の不活性ガスも使用することができる。
【0028】
基板保持装置200は基板を保持するために使用され、基板保持装置200は開口部111を介して内室110内または内室110外に搬出される。電解めっきが必要な場合、基板保持装置200は、基板を開口部111を介して内室110内に搬入し、基板を電解めっき液に浸漬する。電解めっき後、基板保持装置200は基板を開口部111を介して内室110から搬出し、基板は次の工程へ移動する。
【0029】
第1カバー体300は、基板保持装置200に接続されており、基板保持装置200が内室110内に搬入された後、基板と同期して移動し、開口部111を閉じて、内室110を閉状態とする。この実施形態では、基板保持装置200が内室110内に搬入されるプロセスは、基板保持装置200が基板を垂直に下方に運び、内室110内に搬出されるまでである。
【0030】
基板保持装置200が内室110から搬出されるプロセスは、電解めっきが完了した後、基板保持装置200が基板を垂直に持ち上げて内室110から搬出されるまでである。同時に、第1カバー体300も開口部111から遠ざかる。このとき、第2カバー体400は開口部111を閉塞するために用いられるため、電解めっきが行われていないときには内室110も閉状態となる。密閉空間内に不活性ガスが閉じ込められ、電解めっき液の酸化が効果的に防止される。
【0031】
したがって、基板保持装置200が内室110内に搬入されるとき、および基板保持装置200が内室110から搬出されるときには、内室110は閉状態となる。内室110内の空気は不活性ガスによって押し出され、内室110内に均一な正圧が形成される。これによって、空気中の水分や酸素が電解めっき液に接触することを防ぎ、電解めっき液の酸化を防ぎ、電解めっき液の安定性を維持し、電解めっき液の耐用年数を延ばし、電解めっき液のコストを節約することができる。
【0032】
第1カバー体300は回転駆動装置であり、回転駆動装置は、基板保持装置200を内室110内で回転駆動装置の軸Oを中心に回転させるように駆動する。電解めっき装置10自体(すなわち回転駆動装置)を利用して第1カバー体300の機能を実現することにより、可動部品が省略され、コストが低減される。
【0033】
他の代替実施形態では、第1カバー体300は、基板保持装置200が内室110内に搬入されて内室110が閉状態になった後に開口部111を閉じることができる代替部材であってもよい。
【0034】
電解めっき装置10は、さらに、回転駆動装置によって基板保持装置200に接続され、基板保持装置200を内室110内または内室110外に駆動する昇降駆動装置500を備える。
【0035】
昇降駆動装置500が基板保持装置200を内室110内に駆動した後、回転駆動装置が開口部111を覆って閉じる。
【0036】
さらに、第1カバー体300が回転駆動装置である場合、開口部111に面する回転駆動装置の下面の周方向に沿って囲い310が設けられる。回転駆動装置が開口部111を覆うと、囲い310は開口部111の縁に接触する。
【0037】
図4を参照すると、内室110への空気の侵入を防止するために、囲い310と処理室100の開口部111の縁との間にシールリング1101が設けられている。
【0038】
図3および
図4を参照すると、囲い310の直径は開口部111の直径と同じである。回転駆動装置が開口部111を覆う場合、シールリング1101は囲い310の底部または開口部111の縁部の上部に設けられる。
【0039】
当業者であれば、他の代替実施形態では、囲い310の直径が開口部111の直径よりも大きくても小さくてもよいことを理解するであろう。
【0040】
囲い310の直径が開口部111の直径よりも大きい場合、シールリング1101は囲い310の内壁または開口部111の縁の外壁に設けられる。囲い310の直径が開口部111の直径よりも小さい場合、シールリング1101は囲い310の外壁または開口部111の縁の内壁に設けられる。シールリング1101が囲い310と開口部111の縁部との間に設けられ、内室110内への空気の侵入を防止できれば、不活性ガスは比較的密閉された空間内に存在する。本発明は、囲い310の直径と開口部111の直径との大小関係を限定するものではない。
【0041】
図2に示すように、昇降駆動装置500が基板保持装置200を内室110から駆動すると、回転駆動装置も開口部111から遠ざかる方向に移動する。このとき、開口部111は第2カバー体400によって閉じられ、内室110は再び閉じられる。
【0042】
第2カバー体400は、2つの連係するカバープレートを含み、2つのカバープレートは同一平面上にあり、2つのカバープレートは開口部111の半径方向において対向または後方に移動され、開口部111が閉じられたり開かれたりする。
【0043】
基板保持装置200が内室110から搬出されると、2つのカバープレートが開口部111の中心に向かって移動され、開口部111が閉じられる。基板保持装置200を内室110内に搬入させる必要がある場合、2つのカバープレートが開口部111の中心から後方に移動し、開口部111が開く。
【0044】
また、2つのカバープレートと開口部111の縁部との間には、シールリング(図示せず)が選択的に設けられたり、または設けられなかったりする。
【0045】
第2カバー体400(すなわち、2つのカバープレート)と開口部111の縁部との間にシールリングが設けられていない場合、第2カバー体400が開口部111を閉じるプロセスは、開口部111の両側にそれぞれ位置する2つのカバープレートが開口部111の半径方向に沿って互いに密着するまで対向して移動し、開口部111を閉じる効果を達成する。
【0046】
第2カバー体400と開口部111の縁部との間にシールリングが設けられる場合、シールリングは、第2カバー体400の底部401または開口部111の縁部の上部に設けられる。この場合、第2カバー体400が開口部111を閉じるプロセスにおいて、シールリングを考慮する必要がある。具体的には、第2カバー体400の底部401にシールリングが設けられている場合、第2カバー体400(すなわち、2つのカバープレート)が開口部111を閉じるプロセスは、開口部111の両側の2つのカバープレートを開口部111に沿って半径方向に移動させることによって行われてもよい。2つのカバープレートのシールリングが開口部111の縁の位置に近づいたら、2つのカバープレートを上昇させ、次にカバープレート同士が結合するまで対向して移動させ続け、最後に2つのカバープレートを下げて開口部111を覆うことで、第2カバー体400が開口部111を閉じる目的が達成される。
【0047】
上記のプロセスは、2つのカバープレートが結合し始める前に、2つのカバープレートを開口部111の上に配置し、次に2つのカバープレートを開口部111の両側から結合するまで対向して移動し、最後に2つのカバープレートを下げて開口部111を覆うという方法でもよい。したがって、カバープレート上のシールリングが2つのカバープレートのスムーズな結合に影響を与えることが防止される。
【0048】
同様に、開口部111の縁の上部にシールリングが設けられている場合、第2カバー体400(すなわち、2つのカバープレート) が開口部111を閉じるプロセス次のとおりである。開口部111の両側から2つのカバープレートを対向して移動させ、開口部111上のシールリングの位置に近づいたときに2つのカバープレートを上昇させ、次に、互いに結合するまで対向して近づき続け、最後に、2つのカバープレートを下げて開口部111を覆うことで、開口部111を閉じる目的を達成することができる。このプロセスには、2つのカバープレートが結合し始める前に、2つのカバープレートを開口部111の上部のシールリングの上に配置し、次に結合するまで互いに向かって移動し、最後に開口部111を覆うように下降させることも含まれる場合がある。これにより、開口部111の縁の上部にあるシールリングが、2つのカバープレートのスムーズな結合に影響を与えることが防止される。
【0049】
図1、
図4、
図5を参照すると、第1排気部311は囲い310に設けられた第1排気孔であり、第2排気部411は第2カバー体400に設けられた第2排気孔である。第2カバー体400の2つのカバー板が互いに接触する各側には、第2排気孔を形成するための切欠き412が設けられている。
【0050】
不活性ガスは、ガス供給部130を通過して内室110内に流入した後、第1排気孔または第2排気孔から処理室100外に空気を排出する。
【0051】
当業者であれば、他の代替実施形態では、第2カバー体400も一体型であってもよく、第2排気孔の位置は、実際の必要に応じて、第2カバー体400の中央または縁部近くに設けられてもよいことを理解できる。
【0052】
図3、
図4及び
図6を参照すると、処理室100は、ガス供給部130が設けられたシールド120を含み、ガス供給部130は、シールド120の円周に沿って等間隔に配置され、シールド120の側壁121を通過する複数のガス入口チャネル131を含む。不活性ガスは、複数のガス入口チャネル131から処理室100の内室110内に流入し、これにより、内室110内の不活性ガスが均一に分布され、電解めっき液と酸素との接触を十分に防止する効果が得られる。
【0053】
図3および
図7を参照すると、電解めっき液は、通常、シールド120の保水リング122の下に位置し、保水リング122は、電解めっき液が下方に飛び散ることを防止することができる。複数のガス入口チャネル131の位置は、電解めっき液の位置よりも高く、複数のガス入口チャネル131は、内室110の方向に向かって斜め下方に延びているため、不活性ガスは、複数のガス入口チャネル131を通過して電解めっき液の方向に向かって内室110に向かい、処理室100から空気を押し出す。
図7の点線は不活性ガスの入口経路の方向を示す。
【0054】
図4、
図6、
図7を参照すると、ガス供給部130は、シールド120の外周に沿って環状に延びる静圧室132をさらに備えている。各ガス入口チャネル131は入口1301と出口1302を有し、静圧室132は複数の入口1301の周囲を囲んでいる。
【0055】
静圧室132内に不活性ガスが注入されると、不活性ガスはガス入口チャネル131の入口1301および出口1302から順に内室110内に入る。静圧室132は、不活性ガスの圧力が複数のガス入口チャネル131を通過して内室110内に均一に流入するように設けられている。
【0056】
ガス入口チャネル131は、穴型、ノズル型、ガスナイフ型等であってもよい。本実施形態では、ガス入口チャネル131は穴構造を採用しており、ガス入口チャネル131の入口1301の位置における直径は静圧室132に向かう方向に徐々に大きくなり、クッションの役割を果たす。
【0057】
ガス供給部130は、静圧室132に接続され、静圧室132に流入する不活性ガスの流量および/または圧力を制御する制御要素133をさらに備える。制御要素133には、手動バルブ、電動バルブ、ソレノイドバルブ、流量制御バルブ、または圧力制御バルブのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0058】
最後に、以下のことを認識すべきである。上記実施形態は、本発明の技術的スキームを例示するためにのみ使用され、本発明を限定するものではない。本発明の内容は、上記好ましい実施形態を通じて詳細に説明されているが、当業者であれば、上記実施形態で説明された技術的スキームは、依然として変更可能であり、またはその技術的特徴の一部または全部が同等に置き換えられることを理解すべきである。これらの変更または置き換えによって、対応する技術的スキームの本質が本発明の範囲から逸脱することはない。
【国際調査報告】