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特表2024-546274電磁式アクチュエータアセンブリ、圧力調整モジュールおよび電磁式アクチュエータアセンブリを備えた車両ブレーキシステム
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  • 特表-電磁式アクチュエータアセンブリ、圧力調整モジュールおよび電磁式アクチュエータアセンブリを備えた車両ブレーキシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電磁式アクチュエータアセンブリ、圧力調整モジュールおよび電磁式アクチュエータアセンブリを備えた車両ブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 15/08 20060101AFI20241212BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20241212BHJP
   B60T 15/04 20060101ALN20241212BHJP
   B60T 8/38 20060101ALN20241212BHJP
【FI】
B60T15/08
F16K31/06 385A
F16K31/06 310A
B60T15/04 B
B60T8/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535957
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2022085933
(87)【国際公開番号】W WO2023111066
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】102021133221.4
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フリートベアト レーター
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン イェンゼン
【テーマコード(参考)】
3D049
3D246
3H106
【Fターム(参考)】
3D049BB32
3D049CC03
3D049HH05
3D049HH16
3D049HH20
3D049HH48
3D049QQ04
3D246AA13
3D246BA03
3D246DA01
3D246GA14
3D246GB37
3D246GC14
3D246LA28Z
3D246LA32A
3D246LA73Z
3H106DA03
3H106DA23
3H106DB12
3H106DC05
3H106EE48
3H106HH06
3H106KK22
(57)【要約】
電磁式アクチュエータアセンブリ(101)は、少なくとも1つの第1の電磁式アクチュエータ(BV)であって、少なくとも1つの第1のコイルコア(202)と第1のコイル(203,204)とを備えた第1のコイルアセンブリ(201)と、可動の磁気的な第1のアーマチュア本体(208)とを備え、この第1のアーマチュア本体(208)は、第1のコイルアセンブリ(201)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、この第2の位置(149)において、第1のアーマチュア本体(208)は、第1のコイルコア(202)と異なる、第1のアーマチュア本体(208)に向かい合って配置された第1の表面(205)の方向に吸引され、第1のコイルコア(202)に接触している、第1の電磁式アクチュエータ(BV)と、少なくとも1つの第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)であって、少なくとも1つの第2のコイルコア(302)と第2のコイル(303,304)とを備えた第2のコイルアセンブリ(301)と、可動の磁気的な第2のアーマチュア本体(308)とを備え、この第2のアーマチュア本体(308)は、この第2のアーマチュア本体(308)に設けられた減衰装置(309)を有し、第2のコイルアセンブリ(301)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、この第2の位置(149)において、第2のアーマチュア本体(308)は、第2の表面(305)の方向に吸引され、減衰装置(309)によって第2の表面(305)に当接している、第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)とを備える。この場合、第1の表面(205)と第2の表面(305)とは、互いに同じ構造で形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁式アクチュエータアセンブリ(101)であって、
少なくとも1つの第1の電磁式アクチュエータ(BV)であって、少なくとも1つの第1のコイルコア(202)と、該第1のコイルコア(202)の全周にわたって配置された第1のコイル(203,204)とを備えた第1のコイルアセンブリ(201)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第1のアーマチュア本体(208)とを備え、該第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルアセンブリ(201)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルコア(202)と異なる、前記第1のアーマチュア本体(208)に向かい合って配置された第1の表面(205)の方向に吸引され、前記第1のコイルコア(202)に接触している、第1の電磁式アクチュエータ(BV)と、
少なくとも1つの第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)であって、少なくとも1つの第2のコイルコア(302)と、該第2のコイルコア(302)の全周にわたって配置された第2のコイル(303,304)とを備えた第2のコイルアセンブリ(301)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第2のアーマチュア本体(308)とを備え、該第2のアーマチュア本体(308)は、該第2のアーマチュア本体(308)に設けられた第2の減衰装置(309)を有し、前記第2のコイルアセンブリ(301)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第2のアーマチュア本体(308)は、第2の表面(305)の方向に吸引され、前記第2の減衰装置(309)によって前記第2の表面(305)に当接している、第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)と
を備え、
前記第1の表面(205)と前記第2の表面(305)とは、互いに同じ構造で形成されている、
電磁式アクチュエータアセンブリ(101)。
【請求項2】
前記第1の表面(205)は、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)の第1の構成要素(202,203,204)に形成されており、前記第2の表面(305)は、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)の第2の構成要素(302,303,304)に形成されており、前記第1の構成要素(202,203,204)と前記第2の構成要素(302,303,304)とは、互いに同じ構造で形成されている、請求項1記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の構成要素(202,203,204)は、前記第1のコイルアセンブリ(201)の少なくとも1つの部材であり、前記第2の構成要素(302,303,304)は、前記第2のコイルアセンブリ(301)の少なくとも1つの部材である、請求項2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の構成要素(202,203,204)は前記第1のコイル(203,204)を含み、前記第2の構成要素(302,303,304)は前記第2のコイル(303,304)を含む、請求項2または3記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の構成要素(202,203,204)は前記第1のコイルコア(202)を含み、前記第2の構成要素(302,303,304)は前記第2のコイルコア(302)を含む、請求項2から4までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のアーマチュア本体(208)は第1の支持アセンブリ(206)によって支持されており、前記第2のアーマチュア本体(308)は、前記第1の支持アセンブリ(206)と同じ構造で形成された第2の支持アセンブリ(306)によって支持されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)の前記第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルコア(202)の表面に当接する、請求項1から6までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のアーマチュア本体(208)は、まず、前記第1のコイルコア(202)に当接し、該第1のコイルコア(202)および/または前記第1のアーマチュア本体(208)の変形後、前記第1のコイルアセンブリ(201)のコイル巻枠(203)に設けられた別の当接輪郭部(210)が有効になる、請求項7記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項9】
前記第1および前記第2のアーマチュア本体(208,308)はプレート状アーマチュアとして形成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)は、無通電状態で開放しているアクチュエータ、特に無通電状態で開放している弁要素として形成されており、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)は、無通電状態で閉鎖されているアクチュエータ、特に無通電状態で閉鎖されている弁要素として形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項11】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は、各々の弁要素としての前記第1もしくは前記第2のアーマチュア本体(208,308)を備えた電磁式の弁装置、特に各々の電磁弁として形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項12】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は各々の傾動アーマチュア弁として形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項13】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は、車両の圧力調整モジュール(102)用の各々の電磁弁として形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項14】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、少なくとも1つの第3の電磁式アクチュエータ(EV,AV)であって、少なくとも1つの第3のコイルコア(302)と、該第3のコイルコア(302)の全周にわたって配置された第3のコイル(303,304)とを備えた第3のコイルアセンブリ(301)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第3のアーマチュア本体(308)とを備え、該第3のアーマチュア本体(308)は、該第3のアーマチュア本体(308)に設けられた第3の減衰装置(309)を有し、前記第3のコイルアセンブリ(301)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第3のアーマチュア本体(308)は、第3の表面(305)の方向に吸引され、前記第3の減衰装置(309)によって少なくとも前記第3の表面(305)、好ましくは前記第3のコイルアセンブリ(301)のコイル巻枠(303)に当接している、第3の電磁式アクチュエータ(EV,AV)を備え、
前記第3の表面(305)は、前記第1および前記第2の表面(205,305)と同じ構造で形成されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項15】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、車両ブレーキシステム(104)の圧力調整モジュール(102)用に構成されており、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV)は流入弁として構成されており、前記第3の電磁式アクチュエータ(AV)は流出弁として構成されており、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)はバックアップ弁として構成されている、請求項14記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項16】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、
各々の制御および通電および通電遮断のために前記第1ないし前記第3の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)に接続可能である制御装置(SG)
をさらに有し、
前記制御装置(SG)は、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)が、車両(100)の制動の開始時に通電され、前記車両(100)の前記制動の終了時に通電遮断され、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV)と前記第3の電磁式アクチュエータ(AV)とが、前記車両(100)の前記制動の前記開始と前記終了との間の前記制動中の圧力変更のために、それぞれ複数回通電および通電遮断されるように構成されている、
請求項15記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)は3ポート2位置電磁弁として形成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項記載の電磁式アクチュエータアセンブリ(101)を備えた車両ブレーキシステム(104)用の圧力調整モジュール(102)。
【請求項19】
請求項18記載の圧力調整モジュール(102)を備えた車両ブレーキシステム(104)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの第1および第2の電磁式アクチュエータを備えた電磁式アクチュエータアセンブリ、車両ブレーキシステム用の圧力調整モジュールおよびこのような電磁式アクチュエータアセンブリを備えた車両ブレーキシステムに関する。
【0002】
例えば複数の傾動アーマチュア弁を有する電磁式アクチュエータアセンブリは、例えば、例えば商用車または人員輸送用のバスに設けられた、例えば車両ブレーキシステムおよび空気処理システムにおける圧力調整のために使用される。例えば、電子式の常用ブレーキシステムを備えた車両用のブレーキシステムは、例えば圧力調整モジュール用の流入弁および流出弁の形態の圧力調整用の複数の電磁弁を備えている。
【0003】
このような電磁式アクチュエータアセンブリと、この電磁式アクチュエータアセンブリ用に構成された傾動アーマチュア弁とは、例えば独国特許発明第102014115206号明細書に基づき公知である。この公知の傾動アーマチュア弁は、車両の圧力調整モジュール用の改良された制御弁を提供する役割を有している。傾動アーマチュア弁は、特に、少なくとも1つのコイルコアを備えたコイル要素と、コイルコアを半径方向で取り囲むように配置されたコイルと、アーマチュア(いわゆる傾動アーマチュア)であって、その一方の端面で支持体によって支持されていて、コイルの作動によって第1の位置から第2の位置に可動である、アーマチュアと、このアーマチュアを第1の位置に向かって運動させるためにアーマチュアに力を加える、アーマチュアを運動させるためのばねとを備えている。アーマチュアの、コイル要素と反対の側には、封止要素が配置されている。半割シェルには、流体用の出口と入口とを備えた弁座が形成されている。この場合、出口は、アーマチュアの第1の位置で封止要素によって流体密に閉鎖可能である。
【0004】
さらに、別の構造形態のこのような電磁弁が公知であり、例えば独国特許出願公開第102014115207号明細書、独国特許出願公開第102018123997号明細書または独国特許出願公開第102016105532号明細書に記載されている。
【0005】
このような用途においてそれぞれ異なることが多い要求、例えば、電磁式アクチュエータまたは弁に課されるそれぞれ異なる使用条件および機能要求によって、通常では、種々異なる構成、例えば流入弁、流出弁またはバックアップ弁に対して、各々の要求および使用条件に適合させられた種々異なる構造形態のアクチュエータが使用される。したがって、例えば独国特許発明第102014115206号明細書では、アーマチュアが第2の位置に配置されているかまたは第2の位置に運動させられるときに、ダンパ要素用のストッパを提供する孔付きディスクが設けられている。このように形成された孔付きディスクは、同一部材コンセプトを簡単に実現することができるという利点を提供する。したがって、バックアップ弁として構成された傾動アーマチュア弁は、主として、別の孔付きディスクおよび付加的なポートによって区別される。孔付きディスクによって、傾動アーマチュア弁は、バックアップ用途用の常閉弁または切換弁として構成されてもよい。
【0006】
しかしながら、減衰要素は、減じられた騒音発生のプラスの効果のほかに、アーマチュア本体に作用する磁力にマイナスの影響を与えることがある。なぜならば、これによって、アーマチュア本体とコイルコアとの間のエアギャップが増大させられ、ひいては、磁気的な抵抗が高められ、そして、このことが電磁弁の効率を低下させることが多いからである。
【0007】
本発明の課題は、冒頭に記載した形態の電磁式アクチュエータアセンブリを改良して、個々の電磁式アクチュエータにそれぞれ異なる機能要求が課される場合でも、アクチュエータアセンブリの比較的高い効率と、それにもかかわらず、低い製作コストとが可能となるようにすることである。
【0008】
本発明は、添付の独立請求項に記載の、冒頭に記載した形態の電磁式アクチュエータアセンブリ、車両ブレーキシステム用の圧力調整モジュールおよびこのような電磁式アクチュエータアセンブリを備えた圧力調整モジュールを備えた車両ブレーキシステムに関する。本発明の有利な構成および改良形態は、従属請求項および以下の説明に記載してある。
【0009】
特に、本発明の一態様は、電磁式アクチュエータアセンブリに関する。この電磁式アクチュエータアセンブリは、少なくとも1つの第1の電磁式アクチュエータであって、少なくとも1つの第1のコイルコアと、この第1のコイルコアの全周にわたって配置された第1のコイルとを備えた第1のコイルアセンブリと、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第1のアーマチュア本体とを備え、この第1のアーマチュア本体は、第1のコイルアセンブリにより発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置に可動であり、この第2の位置において、第1のアーマチュア本体は、第1のコイルコアと異なる、第1のアーマチュア本体に向かい合って配置された第1の表面の方向に吸引され、第1のコイルコアに接触している、第1の電磁式アクチュエータを有する。さらに、少なくとも1つの第2の電磁式アクチュエータであって、少なくとも1つの第2のコイルコアと、この第2のコイルコアの全周にわたって配置された第2のコイルとを備えた第2のコイルアセンブリと、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第2のアーマチュア本体とを備え、この第2のアーマチュア本体は、この第2のアーマチュア本体に設けられた第2の減衰装置を有し、第2のコイルアセンブリにより発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置に可動であり、この第2の位置において、第2のアーマチュア本体は、第2の表面の方向に吸引され、第2の減衰装置によって第2の表面に当接している、第2の電磁式アクチュエータが設けられている。この場合、少なくとも第1の表面と第2の表面とは、互いに同じ構造で形成されている。
【0010】
本発明の別の態様は、このような電磁式アクチュエータアセンブリを備えた車両ブレーキシステム用の圧力調整モジュールに関する。さらに、本発明は、このような圧力調整モジュールを備えた車両ブレーキシステムに関する。
【0011】
本発明は、個々の電磁式アクチュエータにそれぞれ異なる機能要求が課される場合でも、アクチュエータアセンブリの比較的高い効率と、それにもかかわらず、低い製作コストとが可能となる電磁式アクチュエータアセンブリを提供する。例えば、例えば人員輸送中に車両のブレーキシステムにおいてアクチュエータが頻繁に切り換えられる際に煩わしいことが多い切換動作の騒音発生、例えば、アーマチュアの減衰されない当接が、激しくて大きな固体伝播音に基づき、バスの乗客または通行人によって煩わしいと感じられる場合の騒音発生を、アーマチュア本体に設けられた減衰要素によって減じることが所望されている。これに対して、本発明によれば、それほど頻繁に切り換えられないアクチュエータの場合には、減衰要素を省いてもよいことが多く、これによって、アーマチュア本体とコイルコアとの間のエアギャップが縮小され、ひいては、アクチュエータの効率が高められることが認識された。本発明によれば、それぞれ異なる機能要求のアクチュエータ用の構成部材の数を大幅に増加させることなく、両方の利点をアクチュエータアセンブリ、特に車両ブレーキシステム用の圧力調整モジュールにおいて組み合わせることができる。なぜならば、減衰要素の有無はどうであれ、互いに異なる当接面を備えた形態の両方のアクチュエータに対して、各々のアーマチュア本体に向かい合って位置する同じ構造の第1および第2の表面によって、例えば同じコイル設計を使用することができるからである。これによって、製作コストを削減することができる。したがって、本発明によって、それぞれ異なる構成のアーマチュア本体において、それにもかかわらず、1つの共通のコイル設計を使用することができ、これによって、製作コストを低く保つことが可能となる。
【0012】
一実施形態によれば、第1の表面は、第1の電磁式アクチュエータの第1の構成要素に形成されており、第2の表面は、第2の電磁式アクチュエータの第2の構成要素に形成されている。この場合、第1の構成要素と第2の構成要素とは、互いに同じ構造で形成されている。これによって、各々のアクチュエータ用の互いに異なる構成の構成要素の数を減じることができる。これによって、製作コストを減じることができる。
【0013】
一実施形態によれば、第1の構成要素は、第1のコイルアセンブリの少なくとも1つの部材であり、第2の構成要素は、第2のコイルアセンブリの少なくとも1つの部材である。例えば、第1の構成要素は、1つの部材または第1のコイルアセンブリ全体であり、第2の構成要素は、1つの部材または第2のコイルアセンブリ全体である。これによって、コイルアセンブリの少なくとも部分的に同じ構造の設計を使用することができる。
【0014】
一実施形態によれば、第1の構成要素は第1のコイルを含み、第2の構成要素は第2のコイルを含む。これによって、少なくとも部分的に共通のコイル設計を使用することができる。
【0015】
一実施形態によれば、付加的または代替的に、第1の構成要素は第1のコイルコアを含み、第2の構成要素は第2のコイルコアを含む。これによっても、コイルアセンブリの少なくとも部分的に同じ構造の設計を使用することができる。
【0016】
一実施形態によれば、第1のアーマチュア本体は第1の支持アセンブリによって支持されており、第2のアーマチュア本体は、第1の支持アセンブリと同じ構造で形成された第2の支持アセンブリによって支持されている。これによって、1つの共通の同じ構造の支持コンセプトも使用することができる。
【0017】
一実施形態によれば、第1の電磁式アクチュエータの第1の表面は、第1のアーマチュア本体が第2の位置において接触するように構成された少なくとも1つの当接輪郭部を有する。このことは、第1のコイルコアが当接面において、第1のアーマチュア本体の頻繁な直接的な当接によって場合により摩耗した場合でも、第2の位置において、コイルコアをさらに摩耗させることなしに、第1のアーマチュア本体が同じく当接する当接輪郭部が存在しているという利点を提供する。
【0018】
一実施形態によれば、第1および第2のアーマチュア本体はプレート状アーマチュアとして形成されている。
【0019】
一実施形態によれば、第1の電磁式アクチュエータは、無通電状態で開放しているアクチュエータ、特に無通電状態で開放している弁要素として形成されており、第2の電磁式アクチュエータは、無通電状態で閉鎖されているアクチュエータ、特に無通電状態で閉鎖されている弁要素として形成されている。このことは、本発明に係るアクチュエータアセンブリの有利な適用範囲を成している。
【0020】
一実施形態によれば、第1および第2の電磁式アクチュエータは、各々の弁要素としての第1もしくは第2のアーマチュア本体を備えた電磁式の弁装置として形成されている。特に、第1および第2の電磁式アクチュエータは各々の電磁弁として形成されている。
【0021】
一実施形態によれば、第1および第2の電磁式アクチュエータは各々の傾動アーマチュア弁として形成されている。
【0022】
有利な実施形態では、第1および第2の電磁式アクチュエータは、車両の圧力調整モジュール用の各々の電磁弁として形成されている。
【0023】
本発明に係るアクチュエータアセンブリは、第1および第2のアクチュエータに加えて、さらに、少なくとも1つの第3の電磁式アクチュエータであって、少なくとも1つの第3のコイルコアと、この第3のコイルコアの全周にわたって配置された第3のコイルとを備えた第3のコイルアセンブリと、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第3のアーマチュア本体とを備え、この第3のアーマチュア本体は、この第3のアーマチュア本体に設けられた第3の減衰装置を有し、第3のコイルアセンブリにより発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置に可動であり、この第2の位置において、第3のアーマチュア本体は、第3の表面の方向に吸引され、第3の減衰装置によって少なくとも第3の表面に当接している、第3の電磁式アクチュエータが設けられていると特に有利である。この場合、第3の表面も第1および第2の表面と同じ構造で形成されている。これによって、少なくとも3つのアクチュエータに対して、少なくとも部分的に共通のコイル設計を使用することができる。
【0024】
一実施形態によれば、このような電磁式アクチュエータアセンブリは、車両ブレーキシステムの圧力調整モジュール用に構成されており、第2の電磁式アクチュエータは流入弁として構成されており、第3の電磁式アクチュエータは流出弁として構成されており、第1の電磁式アクチュエータはバックアップ弁として構成されている。一実施形態によれば、電磁式アクチュエータアセンブリは、各々の制御および通電および通電遮断のために第1ないし第3の電磁式アクチュエータに接続可能である制御装置をさらに有し、この制御装置は、第1の電磁式アクチュエータが、車両の制動の開始時に通電され、車両の制動の終了時に通電遮断され、第2および第3の電磁式アクチュエータが、車両の制動の開始と終了との間の制動中の圧力変更のために、それぞれ複数回通電および通電遮断されるように構成されている。各々の使用範囲に適合するように構成されたアクチュエータによって、個々の電磁式アクチュエータにそれぞれ異なる機能要求が課される場合でも、アクチュエータアセンブリの比較的高い効率が可能となり、それにもかかわらず、構成部材の数を、例えば少なくとも部分的に共通のコイル設計によって少なく保つことができる。
【0025】
本明細書に記載した複数の実施形態は同時に使用されてもよいし、互いに任意に組み合わせて使用されてもよい。
【0026】
以下に、本発明を図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例による圧力調整モジュールとアクチュエータアセンブリとを備えた車両ブレーキシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施例によるアクチュエータアセンブリに使用可能である例示的な各々の傾動アーマチュア弁の形態の複数の電磁式アクチュエータの概略的な横断面図である。
図3】本発明の各々の実施形態による図2に示した電磁式アクチュエータの各々のアーマチュア本体の概略図である。
【0028】
「第1の」、「第2の」または「第3の」要素としての個々の要素の呼称は、本開示では、具体的な参照符号がなくても、各々の要素を一義的に識別するために役立ち、規定のアクチュエータに属していることを特徴付け、単に区別可能な呼称と解すべきものであり、要素の付番、列挙または個数の意味で解すべきものではない。つまり、例えば、機能または構造が同じ対応する「第1の」要素が必ずしも存在していなくても、一要素を、例えば「第2の」要素と呼んでいることがある。
【0029】
以下の説明では、同じ要素に同じ参照符号または類似に作用する要素に類似の参照符号を使用している。
【0030】
図1には、車両100の車両ブレーキシステム104の概略図が示してある。この車両ブレーキシステム104は、本発明の一実施例による圧力調整モジュール102を備えている。この圧力調整モジュール102内には、特に複数の電磁弁を備えた本発明の一実施形態によるアクチュエータアセンブリ101が設けられている。図示の形態の圧力調整モジュール102は有利な実施形態である。しかしながら、本発明に係るアクチュエータアセンブリ101は、基本的に別の構成でも有利に使用可能である。
【0031】
図1の図示の実施例では、車両100は、例えば商用車、一例としてトラックまたは人員輸送用のバスである。圧力調整モジュール102は電子式の車両ブレーキシステム104の一部である。この車両ブレーキシステム104は、少なくとも1つのブレーキシリンダ2と、このブレーキシリンダ2に割り当てられた圧力調整モジュール102とを備えている。この圧力調整モジュール102は、流入電磁弁EV、流出電磁弁AVならびにバックアップ弁BVとしてのそれぞれ1つの電磁式アクチュエータを備えている。したがって、流入電磁弁EVと、流出電磁弁AVと、バックアップ弁BVとは、各々の電磁式アクチュエータの実施形態として共に本発明に係るアクチュエータアセンブリ101の一実施形態を成している。
【0032】
流入電磁弁EVはリザーバ空気容器1に接続されている。流入電磁弁EVまたは流出電磁弁AVの操作によって、車両100の制動時に、(制御装置SGの形態で概略的に図示した)電子式のブレーキ制御装置により予め設定された圧力が調整される。さらに、バックアップ電磁弁BVは、バックアップ管路を介して従来のバックアップシステム4(バックアップ回路とも呼ばれる)に接続されている。このバックアップシステム4には、制動時に、例えば空気圧式のフットブレーキ弁を介して圧力が加えられる。バックアップシステム4は、電気的な圧力調整の不全時に、それにもかかわらず、車両100の制動を可能にするために働く。このためには、流入電磁弁EVと流出電磁弁AVとが、通電されていない状態で閉鎖されており(つまり、無通電状態で閉鎖されている各々の弁要素;「常時閉」もしくは「NC」と呼ばれることが多い)、バックアップ電磁弁BVが、通電されていない状態で開放している(つまり、無通電状態で開放している弁要素;「常時開」もしくは「NO」と呼ばれることが多い)。
【0033】
(例えば1つ以上のマイクロプロセッサの形態のまたは1つ以上のマイクロプロセッサを備えた)電子式の制御装置SGは、例えば、車両100のECU(Electronic Control Unit)内に設けられていて、各々の制御および有効にすべき通電および通電遮断のために、電磁弁EV,AV,BVに有線接続されているかまたは無線接続可能である。制御装置SGは、電磁弁BVが車両100の制動の開始時に通電され、車両100の制動の終了時に通電遮断されるように構成されている。これに対して、電磁弁EV,AVは、制御装置SGにより制御される圧力変更に対して、車両100の制動の開始と終了との間の制動中にそれぞれ複数回通電および通電遮断される。
【0034】
これによって、空気入れのために流入電磁弁EVが設けられており、空気抜きのために流出電磁弁AVが設けられている。電子式の制御装置SGによって、一実施形態によれば、圧力が圧力センサを介して測定され、目標設定値に相応して、圧力が、流入電磁弁EVを介して増加させられ、流出電磁弁AVを介して減少させられる。両方の電磁弁EV,AVは、圧力変更によって切り換えられることが多く、したがって、通電および通電遮断されることが多い。切換によって、各々のコイルコアへのアーマチュア本体の衝突時に固体伝播音が発生させられる。この騒音を減じるために、両方の電磁弁が(例えばゴム当接面の形態の)減衰装置を介して減衰されると有利である。
【0035】
これに対して、バックアップ電磁弁BVは、制動の開始時に通電され、制動の終了時に通電遮断される。これによって、この電磁弁は制動動作中に1回しか切り換わらないので、本発明によれば、固体伝播音はたいてい過度に支障とならず、ゴム減衰が不要であるため、アーマチュア本体とコイルコアとの間のエアギャップを減じることによって、同じ励磁で磁力を高めることが可能となることが認識されている。
【0036】
流入電磁弁EVもしくは流出電磁弁AVおよびバックアップ電磁弁BVとして使用可能であるアクチュエータの有利な実施例が、図2および図3に示してある。図2には、NC電磁弁もしくはNO電磁弁として構成されていて、本発明の一実施例によるアクチュエータアセンブリに使用可能である例示的な各々の傾動アーマチュア弁の形態の電磁弁EV,AV,BVの概略的な横断面図が示してある。この場合、電磁弁EV,AVが互いに同じ構造で形成されていて、切断線A-AもしくはC-Cに沿った2つの共通の断面像の横断面図で示してある。電磁弁BVは、単に切断線A-Aに沿った横断面図で示してある(3つ全ての電磁弁に対して同じである、図2の下側の部分に示した電磁弁EV,AV,BVの平面図参照)。
【0037】
図3には、図2に示した電磁弁EV,AV,BVの各々のアーマチュア本体208,308が、本発明の各々の実施形態により概略的な平面図で示してある。また、図2に示した電磁弁EV,AV,BVのコイル巻枠203;303の表面205,305も(アーマチュア本体208,308が組み付けられていない場合に下方から見た)平面図で示してある。
【0038】
まず、本明細書では傾動アーマチュア弁の形態の電磁弁の機能形態を電磁弁EV,AVに基づき詳しく説明する。これに関連して付言しておくと、磁場により可動の弁要素としてのアーマチュア本体を備えたこの種の弁装置のような電磁式アクチュエータの基本的な機能形態は当業者に知られている。本発明に係る電磁式アクチュエータアセンブリは、基本的に、電磁弁だけでなく、電気的な切換装置、例えば電気的なリレーにも使用されてもよい。好ましくは、電磁弁、好ましくは傾動アーマチュア弁を備えた本発明に係る電磁式アクチュエータアセンブリは、車両、特に商用車のブレーキシステムに使用される。
【0039】
本実施例において同じ構造で形成されている電磁弁EV,AVは、それぞれ主として、この事例では円筒形の(例えば磁性の材料から成る)ハウジング307のほかに、少なくとも1つのコイルコア302と、このコイルコア302の全周にわたって配置されたコイルとを備えたコイルアセンブリ301を有している。そして、コイルは、(例えばプラスチックから成る)コイル巻枠303と、コイルコア302によって磁場を発生させるコイル巻線304とを有している。
【0040】
図2には、電磁弁EV,AVの横断面図が示してある。この電磁弁EV,AVでは、アーマチュア本体(または略してアーマチュア)308は、コイルアセンブリ301により発生させられた磁場によってアーマチュア308が吸着された第2の位置149に位置している。アーマチュア308の一方の端面のうちの反対側は、支持アセンブリ306によって支持されている。この支持アセンブリ306は、冒頭に記載した刊行物に種々異なる形態で記載されているように、種々異なる形態で形成されていてもよい。本実施例では、支持アセンブリ306は、例えば、コイル巻枠303に設けられたほぼ半円筒形の支持凸部316と、アーマチュア本体308に設けられた対応する凹部317とを有している。しかしながら、付加的なばね要素の有無にかかわらず、別の形態の支持も可能である。本実施例では、アーマチュア本体308は、支持部において、例えばコイルばねによってコイル巻枠303の方向に押圧される。
【0041】
したがって、アーマチュア308は、(このアーマチュア308がコイル巻枠303から離反させられた)図示していない第1の位置と、図示の吸着された第2の位置149との間で可動となる。コイル巻線304が通電されている場合、アーマチュア308は第2の位置149に運動させられ、この第2の位置149に保持されてもよい。アーマチュア308の、コイル巻枠303と反対側の面には、封止要素311が配置されている。この封止要素311を介して、知られているように、切換弁の形態で流体流れを許容または中断することができる。アーマチュア308が、離反させられた位置に配置されている(無通電状態で閉鎖されている;NC)場合には、電磁弁の出口は、封止要素311によって流体密に閉鎖可能となる。しかしながら、封止要素311による各々の弁機能は別の形態で形成されていてもよい。
【0042】
アーマチュア308には、封止要素311のほかに、1つまたは図示の構成のように複数の減衰体309の形態の少なくとも1つの減衰装置が配置されている。封止要素311は、アーマチュア308の、コイル巻枠303と反対の側に配置されている。さらに、1つ以上の減衰体309は、アーマチュア308の、コイル巻枠303に面した側に配置されている。図示の実施例では、封止要素311と1つ以上の減衰体309とは一体形に形成されている。しかしながら、封止要素311と1つ以上の減衰体309とは互いに別個に形成されていて、アーマチュア308に取り付けられていてもよい。一実施例では、封止要素311も1つ以上の減衰体309もエラストマー、例えばゴムから製作されている。コイルコア302と、ハウジング307と、アーマチュア308とは、導磁性の材料を有している。アーマチュア308が第2の位置149に位置決めされている場合には、流体出口312は開放されており、電磁弁EV,AVが通過もしくは通流に切り換えられている。
【0043】
アーマチュア308が表面305(したがって、コイル巻枠303の、アーマチュア308に向かい合って位置する面)の方向に吸引されると、アーマチュア308は第2の位置149に運動させられる。この第2の位置149では、アーマチュア308が減衰装置309によって表面305に当接している。つまり、第2の位置149では、減衰装置309がアーマチュア308と表面305との間に配置されている。1つ以上の減衰体309の減衰材料は、好ましくは、コイル巻枠303の方向へのアーマチュア308の当接運動に際して、コイル巻枠303の表面305への当接時に膨出部の圧縮によって弾性変形させられ、これによって、衝突がばね弾性的に減衰されるように提供されている。したがって、1つ以上の減衰体309の形態の減衰装置は、図示の構成ではプレート状アーマチュアの形態のアーマチュア308用の弾性変形可能なストッパとして働く。これによって、例えば衝突もしくは揺動によってまたは開放位置へのプレート状アーマチュアの迅速な運動時に発生することがあるような、このプレート状アーマチュアの振動ならびに煩わしい騒音発生、特に固体伝播音を抑圧または阻止することができる。減衰装置もしくは減衰体の別の幾何学的な形状および/またはゴムと異なる材料が使用されてもよい。
【0044】
図1を参照すると、流入電磁弁EVと流出電磁弁AVとは、制動動作中に頻繁に切り換えられるように構成されている。これに対して、電磁弁BVは、確かに、類似のソレノイドアーマチュア原理により構成されているが、しかしながら、電磁弁EV,AVと異なり、無通電状態で開放している電磁弁として構成されていて、減衰装置を有していない。
【0045】
図2には、電磁弁BVの横断面図も同じく示してある。この電磁弁BVでは、アーマチュア208も、コイルアセンブリ201により発生させられた磁場によってアーマチュア208が吸着された第2の位置149に位置している。アーマチュア208の一方の端面のうちの反対側は、支持アセンブリ206によって支持されている。この支持アセンブリ206は、支持アセンブリ306と異なる形態で形成されていてもよいものの、電磁弁EV,AVの支持アセンブリと同じ構造で形成されていると有利であり、これによって、同じコイル設計を使用することが可能となり、種々異なる構成要素または構成部材の数が減じられる。相応して、支持アセンブリ206は、コイル巻枠203に設けられた、支持凸部316に対応する支持凸部216と、アーマチュア208に設けられた、凹部317に対応する凹部217とを有している。
【0046】
アーマチュア208も、(このアーマチュア208がコイル巻枠203から離反させられた)図示していない第1の位置と、図示の吸着された第2の位置149との間で可動となる。コイル巻線204が通電されている場合、アーマチュア208は第2の位置149に運動させられ、この第2の位置149に保持されてもよい。アーマチュア208が、離反させられた位置に配置されている(無通電状態で開放している;NO)場合には、電磁弁の出口は開放している。電磁弁EV,AVと異なり、アーマチュア208は、コイル巻枠203の、アーマチュア208に向かい合って配置された表面205の方向に吸引されるものの、必ずしもこの表面205に当接しない。確かに、アーマチュア208は表面205の方向に吸引されるが、しかしながら、コイルコア202に直接接触し、したがって、コイルコア202の、コイル巻枠203の表面205と異なる接触面212に接触する。このことは、磁束に対して、コイルコア202とアーマチュア208との間に実質的にエアギャップが存在しないという利点を有している。これによって、コイルコア202とアーマチュア208との間の磁気的な抵抗を減じることができ、電磁弁の効率を高めることができる。これによって、電磁式アクチュエータBVのアーマチュア本体208は、コイルコア202の表面に当接する。
【0047】
しかしながら、それにもかかわらず、一実施形態によれば、電磁弁BVの表面205は、有利には、少なくとも1つの別の当接輪郭部210を有している。この当接輪郭部210は、この当接輪郭部210にアーマチュア208が少なくとも耐用年数にわたって当接時に第2の位置149において接触するように構成されている。当接輪郭部210は、例えばコイル巻枠203に形成されている。当接輪郭部210は、例えば突出部として、好ましくはプラスチック材料から形成されている。この突出部は、(例えばアーマチュア208と同様に鋼から製作されている)コイルコア202の接触面212の、アーマチュア208の頻繁な直接的な当接により生じる万が一の徐々の摩耗時に有効になるように位置決めされている。言い換えると、突出部210は、アーマチュア208が第2の位置149にある場合には、接触面212に比べて引っ込められており、これによって、アーマチュア208はコイルコア202の接触面212にのみ当接し、これによって、いわば、鋼が鋼に衝突する。接触面212が、頻繁な当接と、これにより生じる摩耗とによって、ますます削り取られるかあるいは塑性変形させられると、接触面212と突出部210とが、第2の位置149におけるアーマチュア表面の平面内で一直線に位置し、これによって、その後、アーマチュア208が耐用年数にわたって突出部210に当接する。これによって、有利には、コイルコア接触面212の更なる摩耗を回避することができるものの、コイルコア202には、引き続き、アーマチュア208が直接接触する。これによって、まず、アーマチュア208がコイルコア202に当接し、このコイルコア202および/またはアーマチュア208の変形後、コイル巻枠203に設けられた、アーマチュア208のストッパ用の当接輪郭部210が有効になる。
【0048】
図3には、共に各々のアーマチュア208,308に向かい合って位置する、本明細書ではコイル巻枠203の表面205と、本明細書ではコイル巻枠303の表面305とが、互いに同じ構造で形成されていることが詳しく示してある。このことは、図2の断面像A-Aにも認めることができる。これによって、電磁弁EV,AVの表面305も、例えば(当接輪郭部もしくは突出部210と同じに成形された)突出部310を有している。しかしながら、この場合、この突出部310は、前述したような機能を有していない。これに関連して、「同じ構造」とは、特に、表面が、三次元の同じ表面構造および三次元の同じ表面形状を有していることを意味している。
【0049】
特に、「同じ構造」とは、同じ構造の各々の表面が、構造的に互いに同じに構成されており、これによって、これらの表面が、互いに同じ設計の三次元の表面構造および表面形状を有していることを意味するものである。この場合、場合により生じる製作誤差は重要ではない。つまり、言い換えると、互いに同じ構造の表面は、確かに、構造的にかつ形状に関して互いに同じ設計を有しているが、しかしながら、その三次元の形状および/または構造に関して必ずしも同一である必要はない。なぜならば、実際の製作では、多くの場合、例えば、同じ設計の構成部分または構成要素のもと、それぞれ異なる製作ロットの間で製作誤差または別のほんの僅かな偏差が生じることがあるからである。
【0050】
表面205,305は、好ましくは、各々のコイル巻枠に形成されている。表面205,305は、特に各々のアーマチュアに向かい合って位置する表面を成している。この場合、アーマチュアと表面との間には、(アーマチュア308では、少なくとも減衰要素309が存在していない領域に)エアギャップしか存在していない。図3には、念のために、各々のコイル巻枠の製作時に使用されてもよい各々のゲート213,313も示してある。
【0051】
一実施形態によれば、表面205は、電磁弁BVの第1の構成要素、例えばコイル巻枠203に形成されており、表面305は、電磁弁EV,AVの第2の構成要素、例えば相応のコイル巻枠303に形成されている。有利には、第1の構成要素と第2の構成要素とは、互いに同じ構造で形成されている。これによって、各々の電磁弁用の種々異なる形態で構成される構成要素の数を減じることができる。これによって、製作コストを減じることが可能となる。
【0052】
一実施形態によれば、互いに同じ構造の構成要素は、各々のコイルアセンブリの特定の部材または各々の部材である。言い換えると、第1の構成要素は、コイルアセンブリ201の少なくとも1つの部材であり、第2の構成要素は、コイルアセンブリ301の少なくとも1つの部材である。例えば、第1の構成要素は、コイルアセンブリ201の1つの部材(例えばコイル203,204および/またはコイルコア202)であるかまたはコイルアセンブリ201全体であり、第2の構成要素は、相応して、コイルアセンブリ301の1つの部材であるかまたはコイルアセンブリ301全体である。例えば、同じ構造のコイルコア202,302、コイル巻枠203,303およびコイル巻線204,304を有する同じ構造のコイルアセンブリ201,301が使用される。同じ構造のコイルアセンブリは、より少ない同じ構造の部材または構成要素を有していてもよいし、より多くの同じ構造の部材または構成要素を有していてもよい。例えば、同じ構造のコイルアセンブリは、事前に組み立てられた各々のモジュールとして各々の電磁弁に組み付けられる。これによって、各々のコイルアセンブリ201,301の少なくとも部分的に同じ構造の設計を使用することができる。3つの電磁弁に対して同じコイル設計によって、個数を増やすことができ、構成部材の数を減じることができる。コイルアセンブリのこの増量によって、製作コストがより減じられる。
【0053】
特に、「同じ構造」とは、本発明の文脈では、同じ構造の各々の構成部分または構成要素が、構造的に互いに同じに構成されて(おり、これによって、これらの構成部分または構成要素が、互いに同じ設計の三次元の形状および構造を有して)いることを意味するものである。この場合、場合により生じる製作誤差は重要ではない。つまり、言い換えると、互いに同じ構造の構成部分または構成要素は、確かに、構造的にかつ形状に関して互いに同じ設計を有しているが、しかしながら、その三次元の形状および/または構造に関して必ずしも同一である必要はない。なぜならば、実際の製作では、多くの場合、例えば、同じ設計の構成部分または構成要素のもと、それぞれ異なる製作ロットの間で製作誤差または別のほんの僅かな偏差が生じることがあるからである。例えば、同じ構造の構成部分または構成要素は、事前に組み立てられた同じ設計の各々のモジュールまたは構成要素(または構成部分)として存在している。
【0054】
本発明の利点は、NC電磁弁EV,AVおよびNO電磁弁BVに対して1つの共通のコイルアセンブリ設計(または略してコイル設計)を使用することができる点にある。アーマチュア当接面は、各々のコイルアセンブリに種々異なる形態で形成される。電磁弁EV,AVでは表面305において、つまり、アーマチュアが、ゴムダンパを介してコイル巻枠のプラスチック面に当接し、もしくは電磁弁BVではコイルコア202(接触面212)において、つまり、アーマチュアがコイルコアに直接当接する。
【0055】
アーマチュアの種々異なる構成によって、種々異なる当接面を1つのコイル設計において使用することが可能となる。電磁弁BVでは、アーマチュアがコイルコアに直接当接すると有利である。アーマチュアが通電されると、アーマチュアとの直接的な接触によって、エアギャップは全く生じないかまたは極めて僅かなエアギャップが生じる。この僅かなエアギャップは有利である。なぜならば、電磁弁が全制動時間にわたって通電され、加熱を制限するために、吸着後に保持電流を低下させることが求められるからである。小さなエアギャップによって、保持電流を十分に減じることができ、これによって、加熱が最小値に減じられる。別の用途のために、電磁弁BVは、任意選択的には、特に2つの弁座が存在している3ポート2位置電磁弁として形成されてもよい。例えば、孔214に別のポートが接続され、ひいては、3ポート2位置電磁弁の機能が可能となってもよい。
【0056】
電磁弁EV,AVでは、固体伝播音を減じるために、当接が減衰装置を介して抑制されると有利である。この騒音は、車両の車室内にマイナスの結果をもたらす。本明細書では、効果的な減衰を得るために、エネルギーがアーマチュアから減衰装置を介してコイルアセンブリ内に導入される。減衰体設計は、アーマチュアが負の加速度によってコイルコアに当接しないように選択されることが求められる。さもないと、固体伝播音が著しく増大してしまう。
【0057】
3つの電磁弁に対して同じコイル設計によって、個数を増やすことができ、構成部材の数を減じることができる。コイルアセンブリのこの増量によって、製作コストがより減じられる。同時に、本発明によって、個々の電磁弁および種々異なる構造形態の電磁弁、例えばNC電磁弁またはNO電磁弁に課される機能要求がそれぞれ異なっている場合でも、それにもかかわらず、電磁弁アセンブリの全体的に比較的高い効率が可能となる。なぜならば、必要のない箇所で減衰要素が省かれ、ひいては、効率を高めることができるからである。
【符号の説明】
【0058】
EV 流入電磁弁
AV 流出電磁弁
BV バックアップ弁
SG 制御装置
1 リザーバ容器
2 ブレーキシリンダ
4 バックアップシステム/バックアップ回路
100 車両
101 アクチュエータアセンブリ
102 圧力調整モジュール
104 車両ブレーキシステム
149 第2の位置
201,301 コイルアセンブリ
202,302 コイルコア
203,303 コイル巻枠
204,304 コイル巻線
205,305 表面
206,306 支持アセンブリ
207,307 ハウジング
208,308 アーマチュア本体
210,310 当接輪郭部/突出部
212 接触面
213,313 ゲート
214 孔
216,316 支持凸部
217,317 凹部
309 減衰装置
311 封止要素
312 流体出口
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁式アクチュエータアセンブリ(101)であって、
少なくとも1つの第1の電磁式アクチュエータ(BV)であって、少なくとも1つの第1のコイルコア(202)と、該第1のコイルコア(202)の全周にわたって配置された第1のコイル(203,204)とを備えた第1のコイルアセンブリ(201)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第1のアーマチュア本体(208)とを備え、該第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルアセンブリ(201)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルコア(202)と異なる、前記第1のアーマチュア本体(208)に向かい合って配置された第1の表面(205)の方向に吸引され、前記第1のコイルコア(202)に接触している、第1の電磁式アクチュエータ(BV)と、
少なくとも1つの第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)であって、少なくとも1つの第2のコイルコア(302)と、該第2のコイルコア(302)の全周にわたって配置された第2のコイル(303,304)とを備えた第2のコイルアセンブリ(301)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第2のアーマチュア本体(308)とを備え、該第2のアーマチュア本体(308)は、該第2のアーマチュア本体(308)に設けられた第2の減衰装置(309)を有し、前記第2のコイルアセンブリ(301)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第2のアーマチュア本体(308)は、第2の表面(305)の方向に吸引され、前記第2の減衰装置(309)によって前記第2の表面(305)に当接している、第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)と
を備え、
前記第1の表面(205)と前記第2の表面(305)とは、互いに同じ構造で形成されている、
電磁式アクチュエータアセンブリ(101)。
【請求項2】
前記第1の表面(205)は、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)の第1の構成要素(202,203,204)に形成されており、前記第2の表面(305)は、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)の第2の構成要素(302,303,304)に形成されており、前記第1の構成要素(202,203,204)と前記第2の構成要素(302,303,304)とは、互いに同じ構造で形成されている、請求項1記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の構成要素(202,203,204)は、前記第1のコイルアセンブリ(201)の少なくとも1つの部材であり、前記第2の構成要素(302,303,304)は、前記第2のコイルアセンブリ(301)の少なくとも1つの部材である、請求項2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の構成要素(202,203,204)は前記第1のコイル(203,204)を含み、前記第2の構成要素(302,303,304)は前記第2のコイル(303,304)を含む、請求項2または3記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の構成要素(202,203,204)は前記第1のコイルコア(202)を含み、前記第2の構成要素(302,303,304)は前記第2のコイルコア(302)を含む、請求項2または3記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のアーマチュア本体(208)は第1の支持アセンブリ(206)によって支持されており、前記第2のアーマチュア本体(308)は、前記第1の支持アセンブリ(206)と同じ構造で形成された第2の支持アセンブリ(306)によって支持されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)の前記第1のアーマチュア本体(208)は、前記第1のコイルコア(202)の表面に当接する、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のアーマチュア本体(208)は、まず、前記第1のコイルコア(202)に当接し、該第1のコイルコア(202)および/または前記第1のアーマチュア本体(208)の変形後、前記第1のコイルアセンブリ(201)のコイル巻枠(203)に設けられた別の当接輪郭部(210)が有効になる、請求項7記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項9】
前記第1および前記第2のアーマチュア本体(208,308)はプレート状アーマチュアとして形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)は、無通電状態で開放しているアクチュエータ、特に無通電状態で開放している弁要素として形成されており、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV,AV)は、無通電状態で閉鎖されているアクチュエータ、特に無通電状態で閉鎖されている弁要素として形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項11】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は、各々の弁要素としての前記第1もしくは前記第2のアーマチュア本体(208,308)を備えた電磁式の弁装置、特に各々の電磁弁として形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項12】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は各々の傾動アーマチュア弁として形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項13】
前記第1および前記第2の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)は、車両の圧力調整モジュール(102)用の各々の電磁弁として形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項14】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、少なくとも1つの第3の電磁式アクチュエータ(EV,AV)であって、少なくとも1つの第3のコイルコア(302)と、該第3のコイルコア(302)の全周にわたって配置された第3のコイル(303,304)とを備えた第3のコイルアセンブリ(301)と、可動のアクチュエータ要素としての可動の磁気的な第3のアーマチュア本体(308)とを備え、該第3のアーマチュア本体(308)は、該第3のアーマチュア本体(308)に設けられた第3の減衰装置(309)を有し、前記第3のコイルアセンブリ(301)により発生させられた磁場によって第1の位置から第2の位置(149)に可動であり、該第2の位置(149)において、前記第3のアーマチュア本体(308)は、第3の表面(305)の方向に吸引され、前記第3の減衰装置(309)によって少なくとも前記第3の表面(305)、好ましくは前記第3のコイルアセンブリ(301)のコイル巻枠(303)に当接している、第3の電磁式アクチュエータ(EV,AV)を備え、
前記第3の表面(305)は、前記第1および前記第2の表面(205,305)と同じ構造で形成されている、
請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項15】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、車両ブレーキシステム(104)の圧力調整モジュール(102)用に構成されており、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV)は流入弁として構成されており、前記第3の電磁式アクチュエータ(AV)は流出弁として構成されており、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)はバックアップ弁として構成されている、請求項14記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項16】
前記電磁式アクチュエータアセンブリは、
各々の制御および通電および通電遮断のために前記第1ないし前記第3の電磁式アクチュエータ(BV,EV,AV)に接続可能である制御装置(SG)
をさらに有し、
前記制御装置(SG)は、前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)が、車両(100)の制動の開始時に通電され、前記車両(100)の前記制動の終了時に通電遮断され、前記第2の電磁式アクチュエータ(EV)と前記第3の電磁式アクチュエータ(AV)とが、前記車両(100)の前記制動の前記開始と前記終了との間の前記制動中の圧力変更のために、それぞれ複数回通電および通電遮断されるように構成されている、
請求項15記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の電磁式アクチュエータ(BV)は3ポート2位置電磁弁として形成されている、請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ。
【請求項18】
請求項1または2記載の電磁式アクチュエータアセンブリ(101)を備えた車両ブレーキシステム(104)用の圧力調整モジュール(102)。
【請求項19】
請求項18記載の圧力調整モジュール(102)を備えた車両ブレーキシステム(104)。
【国際調査報告】