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特表2024-546286モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス
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  • 特表-モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス 図1
  • 特表-モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス 図2
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  • 特表-モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス 図7
  • 特表-モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】モータデバイスのモータユニットとサーボ駆動ユニットとの間に配置された多機能な中間ユニットを備えるモータデバイス
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/00 20060101AFI20241212BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20241212BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20241212BHJP
【FI】
H02K5/00 B
H02K5/08 A
H02K11/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536495
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 IB2022062215
(87)【国際公開番号】W WO2023119069
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021133952.9
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524090781
【氏名又は名称】シナプティコン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キリアン・ペルツァー
(72)【発明者】
【氏名】シモン・フィッシンガー
(72)【発明者】
【氏名】ナターナエル・ペルツァー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・コック
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA11
5H605AA15
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605DD01
5H605DD09
5H605DD36
5H605EC20
5H605GG18
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB04
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
(57)【要約】
本開示は、モータユニット(2)と、モータユニット(2)に取り付けられたサーボ駆動ユニット(3)とを備えるモータデバイス(1)であって、サーボ駆動ユニット(3)は、サーボ駆動ハウジング(3A)、および1つまたは複数の電子要素(3C)を有する第1のプリント回路板(3B)を備え、モータユニット(2)は、モータハウジング(2A)およびロータを備え、中間ユニット(4)は、モータユニット(2)と、サーボ駆動ユニット(3)の少なくとも第1の部分との間に配置され、ロータの軸方向(A)に対して垂直な主延長面を有し、中間ユニット(4)は、射出成形要素(5)を備える多機能な中間ユニット(4)であり、中間ユニット(4)は、以下の機能、すなわち、i)中間ユニット(4)が、モータデバイスの本体を外部環境に対して封止するように構成される、封止機能、ii)中間ユニット(4)が、モータユニット(2)からサーボ駆動ユニット(3)の少なくとも第1の部分を電磁気的に遮蔽するように構成される、電磁気的な遮蔽機能、iii)中間ユニット(4)が、モータユニット(2)からサーボ駆動ユニット(3)の少なくとも第1の部分を断熱するように構成される、断熱機能、iv)中間ユニット(4)が、モータデバイス(1)の内側で放射された光をモータデバイス(1)の外部環境にガイドするように構成される、光ガイド機能、および、v)簡単かつ失敗のない取付け手順で組み立てることのできる、モータユニット(2)およびモータユニット(2)に取り付けられたサーボ駆動ユニット(3)を備えるモータデバイス(1)を提供するために、中間ユニット(4)が、モータデバイス(1)の耐荷重部分となるように構成される、耐荷重機能、のうちの少なくとも2つを提供するように構成される、モータデバイス(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータユニット(2)と、前記モータユニット(2)に取り付けられたサーボ駆動ユニット(3)と、を備えるモータデバイス(1)であって、
- 前記サーボ駆動ユニット(3)は、サーボ駆動ハウジング(3A)、および1つまたは複数の電子要素(3C)を有する第1のプリント回路板(3B)を備え、
- 前記モータユニット(2)は、モータハウジング(2A)およびロータを備え、
- 中間ユニット(4)は、前記モータユニット(2)と、前記サーボ駆動ユニット(3)の少なくとも第1の部分と、の間に配置され、前記ロータの軸方向(A)に対して垂直な主延長面を有する、モータデバイス(1)において、
前記中間ユニット(4)は、射出成形要素(5)を備える多機能な中間ユニット(4)であり、前記中間ユニット(4)は、以下の様々な機能、すなわち、
i)前記中間ユニット(4)が、前記モータデバイスの本体を外部環境に対して封止するように構成される、封止機能、
ii)前記中間ユニット(4)が、前記モータユニット(2)から前記サーボ駆動ユニット(3)の少なくとも前記第1の部分を電磁気的に遮蔽するように構成される、電磁気的な遮蔽機能、
iii)前記中間ユニット(4)が、前記モータユニット(2)から前記サーボ駆動ユニット(3)の少なくとも前記第1の部分を断熱するように構成される、断熱機能、
iv)前記中間ユニット(4)が、前記モータデバイス(1)の内側で放射された光を前記モータデバイス(1)の前記外部環境にガイドするように構成される、光ガイド機能、および、
v)前記中間ユニット(4)が、前記モータデバイス(1)の耐荷重部分となるように構成される、耐荷重機能、
のうちの少なくとも2つを提供するように構成されることを特徴とする、モータデバイス(1)。
【請求項2】
前記中間ユニット(4)は、前記様々な機能のうちの少なくとも3つを提供するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のモータデバイス(1)。
【請求項3】
前記封止機能を提供するために、前記射出成形要素(5)は、第1の円周方向の封止(4D)の部分である第1の軟質の構成要素(5D)と、第2の円周方向の封止(4D’)の部分である第2の軟質の構成要素(5D’)と、前記モータデバイスの前記本体の円周方向の本体セクションの部分である硬質の構成要素(5A、5C)と、を備えるマルチコンポーネント射出成形要素(5)であり、
- 前記軟質の構成要素(5D、5D’)は、前記硬質の構成要素(5A、5C)よりも柔らかく、
- 前記第1の円周方向の封止(4D)は、前記サーボ駆動ハウジング(3A)と前記円周方向の本体セクションとの間の間隙を封止し、
- 前記第2の円周方向の封止(4D’)は、前記円周方向の本体セクションと前記モータハウジング(2A)との間の間隙を封止する、 ことを特徴とする、請求項1または2に記載のモータデバイス(1)。
【請求項4】
前記電磁気的な遮蔽機能を提供するために、強磁性遮蔽要素(4B)は、好ましくは、前記強磁性遮蔽要素(4B)の主延長面が、前記軸方向(A)に対して垂直に延びる状態で、前記射出成形要素(5)によりオーバモールドされることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項5】
前記断熱機能を提供するために、前記射出成形要素(5)は、前記サーボ駆動ハウジング(3A)および/または前記モータハウジング(2A)よりも低い熱伝導性を有するプラスチックであるか、またはこのプラスチックを含み、特に、前記プラスチックは、前記軸方向(A)に対して垂直な主延長面を有するプラスチック層を形成することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項6】
前記断熱機能を提供するために、前記射出成形要素(5)は、特にハチの巣構造に配置された、複数の盲孔(4F)を備え、その開いた側は、同じ方向に、特に前記モータユニット(2)に向かう方向に、方向付けられ、前記モータハウジング(2A)または第2のプリント回路板(2B)は、前記盲孔(4F)を閉じることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項7】
前記光ガイド機能を提供するために、前記射出成形要素(5)の構成要素(5C)は、半透明の材料、好ましくはプラスチックまたはガラスから作られ、前記第1のプリント回路板(3B)上に配置される少なくとも1つの光源(3D)により放射される光が、前記モータデバイス(1)の外部環境(6)へとガイドされるような形状であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項8】
前記半透明の材料は、前記モータデバイス(1)の周囲で円周方向に、特に180°を超えて、好ましくは270°を超えて、最も好ましくは350°を超えて、または360°にわたり、少なくとも部分的に延びる、前記モータデバイス(1)の外側表面を形成することを特徴とする、請求項7に記載のモータデバイス(1)。
【請求項9】
前記構成要素(5C)は、第1の透明なセクション、および第2のセクション、好ましくは不透明なセクションを備え、前記第1の透明なセクションは、前記光源から前記外部環境への光の経路に沿って、前記光源と前記第2のセクションとの間に配置され、前記第2のセクションは、前記透明なセクションと前記外部環境との間に配置されることを特徴とする、請求項7または8に記載のモータデバイス(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光源(3D)は、複数の光源(3D)であり、前記光源(3D)は、前記軸方向に対して垂直な平面において、円上に配置されず、かつ直線上にも配置されない、または円上に配置されるが、等距離に位置しないことを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの光源(3D)、好ましくは複数の光源は、前記モータデバイス(1)の周りで円周方向に移動する光学的なパターンを示すように構成されることを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項12】
前記射出成形要素(5)は、マルチコンポーネント射出成形要素(5)であり、前記半透明の構成要素(5C)に加えて、前記半透明の構成要素(5C)の前記プラスチックの熱伝導性よりも低い熱伝導性を有するプラスチックから作られる断熱構成要素(5A)を備えることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項13】
半透明のプラスチック製の前記構成要素(5C)は、非円形の外周を、好ましくは、実質的に長方形の外周を有することを特徴とする、請求項7から12のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項14】
前記耐荷重機能を提供するために、前記射出成形要素(5)、好ましくは、前記構成要素(5A、5C)のうちの少なくとも1つは、前記サーボ駆動ユニット(3)、特に前記サーボ駆動ハウジング(3A)および/もしくは前記第1のプリント回路板(3B)、ならびに/または、前記モータユニット(2)、特に前記モータハウジング(2A)および/もしくは前記第2のプリント回路板(2B)との形状嵌めの機械的相互作用により、前記中間ユニット(4)と、前記サーボ駆動ユニット(3)および/または前記モータユニット(2)を位置合せするための位置合せ構造(4E、4E’)を特色とすることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のモータデバイス(1)のための中間ユニット(4)、および/またはサーボ駆動ユニット(3)、および/またはモータユニット(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ駆動ユニットとを備えるモータデバイスであって、サーボ駆動ユニットは、サーボ駆動ハウジング、および1つまたは複数の電子要素を有する第1のプリント回路板を備え、モータユニットは、モータハウジングおよびロータを備え、中間ユニットは、モータユニットとサーボ駆動ユニットの少なくとも第1の部分との間に配置され、中間ユニットは、ロータの軸方向に対して垂直な主延長面を有する、モータデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの知られているインバータモータデバイスでは、すなわち、一体化されたインバータ要素および/または一体化された他のパワーエレクトロニクスを有するモータデバイスでは、サーボ駆動ユニットの電子要素をモータの熱から遮蔽するために、断熱層として中間ユニットを使用する。この断熱層または中間ユニットは、通常、熱的分離を提供するだけの目的で、単一の構成要素としてポリマーから作られる。
【0003】
さらに、知られているインバータモータデバイスは、完全なモータデバイスのハウジングまたは本体を、すなわち、モータデバイスハウジング全体を形成する、いくつかの異なるハウジング部分を有する。完全なモータデバイスの本体は、望ましいレベルの侵入保護を達成するためにかなりの労力を必要とする。インバータ要素のハウジング、特にサーボ駆動ハウジングおよび/またはモータハウジングを封止するために、様々な本体部分(異なるユニットのハウジング)の間に、通常はガスケットが設けられる。これらのガスケットは、概して、エラストマーポリマーの切り抜きシートからなり、ガスケットは、断熱層、すなわち、中間ユニットの上部に、モータデバイスの取付け手順で重ねられる。この取付け手順は、時間がかかり、ガスケットを無効にする取付けの失敗が生じやすい。
【0004】
代替的に、例えば、サーボ駆動ハウジングおよび/またはモータハウジングなどの電子装置ハウジング全体を容器に入れることもできるが、このようなプロセスは、やはり時間がかかり、費用がかかり、また危険な、環境的に有害な物質の使用を伴う。異なる本体部分/ハウジングの間の接着剤または液体ガスケットは、別の選択肢である。しかし、これは、組立て中に、時間のかかる工程を危険にさらす。したがって、低レベルの侵入保護の場合、何らかの特定の対策をやめて、様々な本体部分を単に直接一緒に組み立てるだけである。
【0005】
取付けの失敗が生じやすくなり、侵入保護に支障をきたす時間のかかる取付け手順の問題は、光学的にモータデバイスの状態を示す1つまたはいくつかの発光ダイオード(LED)を通常有するモータデバイスによってさらに悪化する。これらのLEDは、概してインバータ要素の後側に取り付けられ、外側から、すなわち、モータデバイスの外部環境から見ることができ、またデバイスの状態を、光学的なコードにより、ユーザに伝えるのに有用である。しかし、これらのLEDは、封止される必要のあるモータデバイスの本体に別の開口部を必要とし、モータデバイスの取付けプロセスにおいて、追加の部品および労力が必要になる。
【0006】
断熱中間ユニットを備える例示的なインバータモータデバイスは、特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3183800号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明によって当面解決すべき目的の技術的問題は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ駆動ユニットとを備えるモータデバイスであって、モータデバイスが、簡単かつフェールセーフな取付け手順で、すなわち、知られている手法よりも時間がかからず、かつ取付けの失敗が生じにくい取付け手順で組み立てられ得る、モータデバイスを提供することと考えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この問題は、独立請求項の主題により解決される。有利な実施形態は、従属請求項、本明細書、および図から明らかである。
【0010】
一態様は、モータユニットと、モータユニットに取り付けられたサーボ駆動ユニットとを有するモータデバイスに関する。モータデバイスは、パワー電子要素として、1つまたは複数のインバータ要素を備えるので、インバータモータデバイスと呼ぶことができる。サーボ駆動ユニットは、サーボ駆動ハウジング、および1つまたは複数の電子要素を有する第1のプリント回路板を備える。これらの電子要素は、パワー電子要素とは反対に、好ましくは、制御要素だけの制御要素とすることができる。サーボ駆動ハウジングは、モータデバイスの組み立てられた状態において、モータデバイス全体のハウジングの一部である、すなわち、サーボ駆動ユニットおよびモータユニットなどの個々のユニットのハウジングとの混乱を回避するために、以下では、モータデバイスの本体と呼ばれるモータデバイスハウジング全体の一部である。サーボ駆動ユニットは、2つの部分を備えることができる。その場合、1つまたは複数の電子要素を有する当該第1のプリント回路板は、サーボ駆動ユニットの第1の部分に配置される。サーボ駆動ユニットの第2の部分は、インバータ要素などの1つまたは複数のパワー電子要素を有する第2のプリント回路板を備えることができる。サーボ駆動ユニットの第1の部分は、サーボ駆動ユニットの第2の部分よりもモータユニットから遠くにあることが好ましい。
【0011】
モータユニットは、ステータを有するモータハウジング、ならびにロータを備える。任意選択で、モータユニットは、電磁気で作動されるブレーキを備えることができる。サーボ駆動ハウジングと同様に、モータハウジングは、モータデバイスが組み立てられるとき、モータデバイスの本体の一部である。サーボ駆動ユニットの第2の部分にインバータ要素を有する構成に対する代替として、パワーエレクトロニクス、特にインバータ要素を有する第2のプリント回路板を、モータユニットの一部とすることができる。
【0012】
モータユニットと、サーボ駆動ユニット、すなわち、サーボ駆動ユニットの少なくとも第1の部分との間に、中間ユニットが配置される。この中間ユニットは、ロータの軸方向に対して垂直に延びる主延長面を有する。その結果、軸方向に対して垂直なその延びは、軸方向のその延びよりも大幅に大きい。例えば、軸方向に対して垂直な延びは、軸方向の延びの2倍を超える、好ましくは5倍を超えることができる。特に、中間ユニットの軸方向の延び、すなわち、厚さは、3mmを超える、かつ/または20mm未満とすることができる。主延長面において、中間ユニットは、50×50mmを超える面積、かつ/または100×100mm未満の面積を覆うことができる。中間ユニットは、実質的には、長方形、例えば、長方形または正方形の直径を有することができ、結果的に、丸い縁を有し、好ましくは、50mmよりも長い、および/または100mm未満の辺を有する。
【0013】
中間ユニットは、完全なサーボ駆動ユニットとモータユニットの間に配置することができる、すなわち、利用可能な場合、中間ユニットの一方の側に、サーボ駆動ユニットの第1および第2の部分を有し、また中間ユニットの他方の側にモータユニットを有する。代替的に、中間ユニットは、サーボ駆動ユニットの第1の部分が、中間ユニットの一方の側に配置され、サーボ駆動ユニットの第2の部分ならびにモータユニットが、中間ユニットの他方の側に配置されるように配置され得る。したがって、中間ユニットは、モータユニットをサーボ駆動ユニットから分離する、またはサーボ駆動ユニットの第1の部分を、モータユニットおよびサーボ駆動ユニットの第2の部分から分離することができる。
【0014】
それに関して、中間ユニットは、射出成形要素を備える多機能な中間ユニットであり、中間ユニットは、以下で説明する機能のうちの、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくはすべてを提供するように構成される。
- 中間ユニットが、サーボ駆動ユニットの少なくとも第1の部分をモータユニットから断熱するように構成される、断熱機能。その結果、中間ユニットは、サーボ駆動ユニットの第1の部分を、モータユニットとサーボ駆動ユニットの第2の部分の両方から断熱するように、またはサーボ駆動ユニットの第1の部分および第2の部分である、サーボ駆動ユニット全体を、モータユニットから断熱するように構成することができる。このために、中間ユニットの材料および/または機械的な構造は、サーボ駆動ユニットおよび/またはモータユニットの、特にモータハウジングおよび/またはサーボ駆動ハウジングそれぞれの材料および/または機械的な構造よりも低い熱伝導性を有することができる。
- 中間ユニットが、サーボ駆動ユニットの少なくとも第1の部分を、モータユニットから電磁気的に遮蔽するように構成される、電磁気的な遮蔽機能。断熱機能と同様に、中間ユニットの構成に応じて、この機能は、中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットと、中間ユニットの他方の側のモータユニットとの間に、または中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットの第1の部分と、中間ユニットの他方の側のサーボ駆動ユニットの第2の部分およびモータユニットとの間に提供され得る。
- 中間ユニットが、外部環境に対して、特に、その外部環境からのほこり、および/または湿度に対して、モータデバイスの本体を封止するように構成される、封止機能。他の機能と同様に、この機能は、中間ユニットの構成に応じて、中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットと、中間ユニットの他方の側のモータユニットとの間に、または中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットの第1の部分と、中間ユニットの他方の側のサーボ駆動ユニットの第2の部分およびモータユニットとの間に提供され得る。
- 中間ユニットが、モータデバイスの本体の内側の光源から、モータデバイスの外部環境に、光源から放射される光をガイドするように構成される、光ガイド機能。他の機能と同様に。この機能は、中間ユニットの構成に応じて、中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットと、中間ユニットの他方の側のモータユニットとの間に、または中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットの第1の部分と、中間ユニットの他方の側のサーボ駆動ユニットの第2の部分およびモータユニットとの間に提供することができる。
- 耐荷重機能、すなわち、支持機能であり、モータデバイスの本体の構造的な完全性および/または機械的な安定性に寄与する、中間ユニットは、モータデバイスの、特にモータデバイスの本体の負荷を受ける、または支持する部分となるように構成される。他の機能と同様に、この機能は、中間ユニットの構成に応じて、中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットと、中間ユニットの他方の側のモータユニットとの間に、または中間ユニットの一方の側のサーボ駆動ユニットの第1の部分と、中間ユニットの他方の側のサーボ駆動ユニットの第2の部分およびモータユニットとの間に提供することができる。
【0015】
したがって、本発明は、一般に、断熱機能だけを提供する、簡単な、非半透明の、単一の構成要素ポリマー部分だけである中間ユニットが、実際には、同時にいくつかの他の機能を提供するのによく適しており、当該機能は、モータデバイスを製作するとき、わずかな労力で達成し、組み立てる必要がある部品数をさらに低減することができるという洞察に基づいている。多くの様々な構成要素および部品を伴う時間のかかる製作プロセスに代えて、本発明は、製作プロセス中に、何らかの追加部品を必要とせず、追加機能を実施できるようにする。すなわち、すべての追加機能は、取付けプロセスの前における、中間ユニット、ならびに必要に応じて、サーボ駆動ユニットおよびモータユニットの設計および製作に関し、従来のモータデバイスの製作/取付けと比較して、追加の部品または製作工程を必要としない。いくつかの機能に対して、射出成形要素は、マルチコンポーネント射出成形要素である必要があり得るが、射出成形は、十分に開発された技術であるので、これは、何らかの問題を提示するものではない。したがって、提案される解決策は、組立て時間、および製作する人員を訓練するために必要な時間を節約する。結果として、簡単かつ失敗のない取付け手順で組み立てることのできる、モータユニットおよびモータユニットに取り付けられるサーボ駆動ユニットを備えるモータデバイスを提供する。
【0016】
有利な実施形態では、封止機能を提供するために、射出成形要素は、マルチコンポーネント射出成形要素であり、それは、第1の円周方向封止の一部であるか、またはそれを形成する、例えば、エラストマーなどの第1の軟質の構成要素と、第1の円周方向封止とは分離された第2の円周方向封止の一部であるか、またはそれを形成する、例えば、同じまたは別のエラストマーである第2の軟質の構成要素と、モータデバイスの本体の円周方向の本体セクションの一部であるか、またはそれを形成する、例えば、ポリマーまたはガラスなどの硬質の構成要素とを備える。硬質の構成要素は、第1の硬質の構成要素と呼ぶことができ、または1つまたは複数の(第1の、第2の、・・・)硬質の構成要素を含むことができる。射出成形要素の任意の硬質の構成要素は、軟質の構成要素よりも硬くすることができる。本体の円周方向セクションは、例えば、丸められたコーナを有する長方形リングなど、リング状の、またはリングと同様の形状とすることができる。軟質の構成要素は、硬質の構成要素よりも柔らかく、第1の円周方向封止は、サーボ駆動ハウジングと、円周方向本体セクションの間の間隙を封止し、第2の円周方向封止は、円周方向本体セクションと、モータハウジングとの間の間隙を封止する。その結果、本体は、中間ユニットである円周方向本体セクションと、それぞれサーボ駆動ユニットおよびモータユニットであるサーボ駆動ハウジングおよびモータハウジングとの間のそれぞれエリアで封止される。多数の部分のガスケットの問題は、いずれにせよ、いくつかの知られているインバータモータデバイスに存在する中間ユニットにガスケットを統合することにより克服される(通常、断熱を提供する)。可撓性部分、すなわち、軟質の構成要素は、封止を提供し、剛性部分、すなわち、硬質の構成要素は、封止に対するサポートを提供する。硬質の構成要素は、本説明の残りから明らかなように、封止機能を劣化させることなく、1つまたは複数の他の機能を提供することもできる。また、モータデバイスの本体を全体として封止することにより、個々のユニットを、すなわち、サーボ駆動ユニットおよび/またはモータユニットを封止する必要はない。これは、モータシャフトおよび電気コネクタに対するそのすべての開口部を有するモータユニットのB側、すなわち、その「裏板」に対して特に有利であり、モータユニットのこの内側は、ここで封止する必要はなく、モータに面するサーボ駆動ユニットの表面も封止する必要がない。したがって、再度、時間が節約され、かつ複雑さが低減され、取付けをさらに失敗しないようにする。したがって、追加機能は、簡単かつ信頼性のある方法で実施される。
【0017】
別の有利な実施形態では、電磁気的な遮蔽機能を提供するために、金属シートなどの強磁性遮蔽要素が、射出成形要素により、部分的に、または完全にオーバモールドされ、強磁性遮蔽要素は、最後の段落で説明するように、例えば、マルチコンポーネント射出成形要素であり得ることが好ましい。それに関して、強磁性遮蔽要素は、硬質の構成要素または別の硬質の構成要素により、すなわち、射出成形要素の任意の硬質の構成要素部分によりオーバモールドされ得る。適切な(好ましくは、硬質の)構成要素は、ポリマーとすることができる。好ましくは、強磁性遮蔽要素は、ロータの軸方向に対して垂直に延びる主延長面を有する。これは、簡単かつ有効な方法で達成される2つの主な利点を提供する。第一に、モータユニットからの、サーボ駆動ユニットの電子要素の強磁性遮蔽が達成される。インバータモータデバイスが、電磁気的に作動されるブレーキを装備し、サーボ駆動ユニットが、例えば、角度または電流の読み値に対する磁気センサシステムを装備する場合、これは、特に有利である。つまり、これらの2つのシステムは、ブレーキの磁界の漂遊磁場により生ずるセンサの乱れを回避するために、互いに磁気的に遮蔽される必要がある。従来、このような磁場に対する遮蔽のための磁気絶縁層は、ハウジングに別個に取り付けられる必要があるか、または知られている解決策においては、ブレーキのハウジングを完全に覆う必要があり、それは、端子に対して、美的に、また生産コストに悪影響がある。第二に、オーバモールディングは、遮蔽要素が腐食するのを阻止する。したがって、最新技術から知られている保護コーティングもしくは同様のものなどの強磁性遮蔽要素の処理は、時代遅れのものになる。再度、追加機能は、簡単かつ信頼性のある方法で実施される。
【0018】
別の有利な実施形態では、断熱機能を提供するために、射出成形要素は、複数の盲孔を、すなわち、複数の隣接する盲孔を備え、盲孔は、射出成形要素、好ましくは、射出成形要素の硬質の構成要素により形成される壁によって分離された、任意の形状のものとすることができる。さらにこの場合、射出成形要素は、異なる機能の統合を促進する、上記で述べたマルチコンポーネントの射出成形要素であるか、または備えることが好ましい。特に、複数の盲孔は、ハチの巣状の構造で配置することができ、すなわち、盲孔は、ハチの巣状の構造における個々の巣のように、開いた側が同じ方向に向いた、壁により互いに分離された空洞部を形成することができる。しかし。盲孔は、例えば、長方形など、任意の形状とすることができるので、孔を、六角形の構造に配置する必要はない。好ましくは、盲孔は、モータユニットに向けた方向に開いており、モータユニットのハウジング、またはモータユニットもしくはサーボ駆動ユニット(好ましくは、サーボ駆動ユニットが中間ユニットにより2つの部分に分割される場合は、サーボ駆動ユニットの第2の部分)の第2のプリント回路板が、盲孔の間の空気交換を低く保つために、モータデバイスの組み立てられた状態において、当該盲孔を閉じる。これにより、盲孔が、空気に対して分離した区画を提供し、良好な断熱を提供するので、かなりの重量を加えることなく、インバータモータデバイスの熱いゾーンと冷たいゾーンを熱的により効率的に分離する、断熱中間ユニットになる。熱いゾーンは、通常、モータユニットおよびモータ自体を含み、冷たいゾーンは、通常、マイクロコントローラなどの電子(制御)要素、エンコーダ、または通信デバイスを含む。インバータ自体は、熱いゾーンまたは冷たいゾーンのいずれか、好ましくは、モータユニットに、またはモータユニットの一部に、熱的に良好に接続される熱いゾーンに位置することができる。空気は、別の区画に保持されているので、異なる温度ゾーン間で交換されることはなく、大幅に、熱い部分および冷たい部分に沿って、すなわち、熱いゾーンまたは冷たいゾーンに属する部分に沿って、移動することはできない。
【0019】
別の有利な実施形態では、光ガイド機能を提供するために、射出成形要素の構成要素、好ましくは、追加の(好ましくは、硬質の)構成要素、または上記からの硬質の構成要素は、好ましくは、プラスチックもしくはガラスなどの半透明材料から作られ、第1のプリント回路板上に配置された、すなわち、モータデバイスの内側の少なくとも1つの光源により放射される光が、モータデバイスの外部環境へとガイドされるような形状をしている。第一に、これは、サーボ駆動ユニットのハウジングにより、追加の孔を設ける必要がなく、生産および組立てをより簡単化し、効率化する利点を与える。第二に、外部環境への光の放射量を設計する可能性が増加し、それは、例えば、以下で述べるように、光源として、1つのLEDだけを用いる場合であっても、2つ以上の方向に光を放射できるようにする、すなわち、LEDごとに照明されるエリアのサイズが増加され得る。いくつかのLEDが利用される場合、LEDの各々の光を、モータデバイスの異なる側へとガイドすることができ、それは、環境に伝達され得る情報の量と、情報伝達の信頼性の両方を増加させる。後者は、増加した視認性のためであり、それは、最新技術において、モータデバイスの本体の異なる側に配置されるいくつかの余分なLEDによってのみ達成することができる(それは、上記で述べた欠点を伴う)。LEDの利用可能な数の機能的な冗長性としての前者を低減することができ、それは、増加する情報の信号伝達のために、LEDを解放する。その結果、LEDは、デバイスの状態に関するそれぞれの情報を符号化する光動画に使用することができる。例えば、LEDは、デバイスの周りで円周方向に移動する光パターンを示すように構成することができる。LEDは、同じプリント回路板上に取り付けられることが好ましい。
【0020】
それに対応して、半透明な材料、すなわち、半透明なプラスチックまたはガラスから作られた構成要素は、モータデバイスの外側表面を、すなわち、モータデバイスの本体の外側表面の一部を形成することができ、それは、少なくとも部分的に、円周方向に、モータデバイスの周りで延びる。したがって、半透明の材料によって形成された外側表面は、モータデバイスの周りで延び、好ましくは、軸方向に対して垂直な接線平面で延びる。特に半透明な外側表面は、円周方向に、180°を超える、好ましくは270°を超える、最も好ましくは350°を超える、または360°にわたり、モータデバイスの周囲で延びることができる。その結果、光は半径方向に、任意の望ましい組の方向に、すべての半径方向にさえ放射することができる。半透明の材料により形成される外側表面は、軸方向に、モータデバイスの本体のセクションが当該半透明な材料によって形成されるように、リング状の形状のものとすることができる。その結果、リング状の形状は、有利には、モータハウジングおよび/またはサーボ駆動ハウジングの対応する断面形状に適合されるので、第1のプリント回路板の少なくとも1つの光源により点灯されたとき、ハウジングの半透明な表面は、高い信頼性で、当該光によって示された状態情報を送ることができ、それは、単一のLED光源の場合であっても、ほとんどあらゆる角度から見ることができる。
【0021】
特に、好ましくは硬質の構成要素である半透明の構成要素は、第1の透明なセクションおよび第2の好ましくは不透明な(乳白色の)セクションを備え、第1の透明なセクションは、光源と第2の好ましくは不透明なセクションとの間の、光源から外部環境への光の経路に沿って配置され、第2の好ましくは不透明なセクションは、第1の透明なセクションと、外部環境との間に配置される。したがって、半透明な構成要素は、光ガイドおよび反射体として働き、点灯したとき、滑らかであり、かつ均一に分散される外観を与える。第2のセクションは、不透明または透明にすることができる。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの光源は、いくつかの光源であり、光源は、軸方向に対して垂直な平面において、円上に配置されず、かつ、直線上にも配置されない、または円上に配置されるが、円上で等距離に位置しない。これらの構成は、これらのハウジングが軸方向に対して垂直な断面で丸くない場合に、半透明のプラスチックから作られた外側表面の形状が、隣接するサーボ駆動ハウジングおよび/またはモータハウジングの形状に適合されるときは特に、モータデバイスの外側表面上で均一な光分布になる場合には特に有利であることが証明されている。
【0023】
その結果、特に、半透明プラスチックの(好ましくは硬質の)構成要素は、丸められたコーナを有する長方形の周囲など、実質的に長方形の外周であることが好ましい、非円形の外周を有することができる。それに関して、外周は、外部環境に対して、中心的構成要素の半透明プラスチックを制限する。
【0024】
有利な実施形態では、射出成形要素は、マルチコンポーネント射出成形要素であり、(好ましくは、硬質の)半透明な構成要素に加えて、断熱構成要素を備え、それは、別の(好ましくは、硬質の)構成要素であり、半透明な構成要素のプラスチックの熱伝導性よりも低い熱伝導性を有し、かつ/または特に高温において、半透明な構成要素よりもさらに安定した機械的特性を有するプラスチックから作られる。光ガイド機能と断熱機能の両方が、単一の要素内で実現される(または、後者の場合、改善される)ので、これは特に有利である。
【0025】
別の有利な実施形態では、耐荷重または支持機能を提供するために、射出成形要素、好ましくは、上記で述べた(好ましくは、硬質の)構成要素のうちの少なくとも1つは、サーボ駆動ユニット、特にサーボ駆動ハウジングおよび/もしくは第1のプリント回路板、ならびに/または、モータユニット、特にモータハウジングおよび/もしくは第2のプリント回路板との形状嵌めの機械的な相互作用(すなわち、確実な材料接続)により、中間ユニットと、サーボ駆動ユニットおよび/またはモータユニットとを位置合せするための位置合せ構造を特色とする。このような形状嵌めの機械的な相互作用は、他のユニットの孔などのそれぞれの受け口の中へと、ユニットのうちの1つから突き出ているピンなどの1つもしくは複数の突起により、かつ/または他のユニットの対応する溝に形状嵌めをするように構成された1つのユニットの1つまたは複数の縁部により実現され得る。こうすることは、多機能な中間ユニットとさらに一体化されるモータデバイスの利点を与え、ねじなどの接続手段の数を減らすことができる。
【0026】
他の態様は、述べられる実施形態のいずれかのモータデバイスのための中間ユニット、および/またはサーボ駆動ユニットおよび/またはモータユニットに関する。
【0027】
上記で、また全体的な導入部で述べられた特徴、および特徴の組合せ、ならびに図の説明で、または図だけで開示された特徴および特徴の組合せは、単独で使用される、または述べられた組合せで使用され得るだけではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の特徴を用いて、または開示される特徴のいくつかを用いずに使用することができる。したがって、図によって明示的に示され、かつ述べられていないが、図で開示された個々の特徴を別個に組み合わせることにより生成され得る実施形態もまた、本発明の一部である。したがって、もともと策定された独立請求項のすべての特徴を含まない実施形態、および特徴の組合せは、開示されたものと見なされるべきである。さらに、請求項に従属するものにより述べられる特徴の組合せとは異なる、またはそれを超える実施形態および特徴の組合せも、開示されたものと見なされるべきである。
【0028】
例示的な実施形態が、概略的な図面を用いて、以下でさらに述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】モータデバイスの例示的な実施形態の分解図である。
図2】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図3】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図4】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図5】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図6】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図7】モータデバイスの例示的な変形形態の断面図である。
図8】中間ユニットの例示的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図において、同じまたは機能的に同一の特徴には、同じ参照符号が与えられる。
【0031】
図1は、モータユニット2の軸方向Aの分解図において、モータユニット2と、モータユニット2に取り付けられたサーボ駆動ユニット3とを備えるモータデバイス1の例示的な実施形態を示す。それに関して、サーボ駆動ユニット3は、サーボ駆動ハウジング3Aと、1つまたは複数の電子要素3Cを有する第1のプリント回路板3Bとを備える。本例では、第1のプリント回路板3Bはまた、この場合4つのLEDの形で、少なくとも1つの光源3Dを特色とする。
【0032】
モータユニット2は、モータハウジング2Aと、図に示されていない、ハウジング2Aに位置するロータとを備える。さらに、本例では、モータユニット2はまた、パワーエレクトロニクスとして1つまたは複数のインバータ要素2Cを有する第2のプリント回路板2Bを備える。したがって、第2のプリント回路板2Bは、インバータ要素2Cに専用の基板である。加えて、本例では、モータユニット2は、電磁気的に作動するブレーキ2Dを備える。
【0033】
モータユニット2と、サーボ駆動ユニット3の少なくとも第1の部分、本例では、サーボ駆動ユニット3の唯一の部分、すなわち、完全なサーボ駆動ユニット3との間に、中間ユニット4が配置される。この中間ユニット4は、ロータの軸方向Aに、すなわち、モータユニット2の軸方向Aに対して垂直に、主延長面を有する。この中間ユニット4は、多機能な中間ユニット4である。この多機能な中間ユニット4は、射出成形要素5を備え、本例では、実際に当該射出成形要素5から作られる。
【0034】
中間ユニット4は、以下の機能、すなわち、i)封止機能、ii)電磁気的な遮蔽機能、iii)断熱機能、iv)光ガイド機能、v)耐荷重機能のうちの少なくとも2つ、好ましくは3つ、またはそれ以上を提供するように構成される。
【0035】
本例では、構成要素5Aのような熱的に非伝導性のポリマー材料は、断熱機能に寄与する。電磁気的な遮蔽機能は、強磁性遮蔽要素4Bのような金属シート5Bにより提供される。光ガイド機能は、半透明のプラスチック構成要素5Cにより提供される。
【0036】
封止機能は、本例では、第1の円周方向の封止4Dを形成する部分である第1の軟質の構成要素5Dと、本例では、第2の円周方向の封止4D’を形成する部分である第2の軟質の構成要素5D’とにより提供される。軟質の構成要素5D、5D’は、軟質の構成要素5D、5D’よりも硬く、したがって、硬質の構成要素5A、5Cと呼ぶことができる構成要素5A、5Cにより、それぞれ、ハウジング3Aおよびハウジング2Aに押し付けられるので、封止機能に寄与する。
【0037】
耐荷重機能は、ここでは、モータユニット2の溝2E、2E’である、サーボ駆動ユニット3および/またはモータユニット2の対応する構造と機械的に相互作用する中間ユニット4のそれぞれの位置合せ構造4E、4E’により提供される。
【0038】
それに関して、すべてのその構成要素を有する中間ユニット4は、冷たいゾーンCを熱いゾーンHから分離する断熱層Iを形成し、サーボ駆動ユニット3は、冷たいゾーンCに位置し、示された例において、第2のプリント回路板2Bを含むモータユニット2は、熱いゾーンHに位置する。
【0039】
以下では、図1のモータデバイス1のように、またはそれと同様に、モータデバイス1の例示的な細部を示す中間ユニット4の例示的な実施形態が、対応する断面図で示される。
【0040】
図2は、機能i)~機能v)のすべてを提供する例の細部を示しており、射出成形要素5は、硬質の半透明な構成要素5Cから作られた、単一の構成要素の射出成形要素5であり、第2のプリント回路板2Bは、モータユニット2の一部として、熱いゾーンHに存在する。
【0041】
この実施形態では、封止4D、4D’としての軟質の構成要素5D、5D’は、硬質の構成要素5Cにより、それぞれ、サーボ駆動ユニット3のハウジング3A、第1のプリント回路板3B、およびモータユニット2に対して押し付けられる。したがって、モータデバイス1は、外部環境6に対して封止される。硬質の構成要素5Cは、ここでは、プレート状の強磁性遮蔽要素4Bを実装する金属シート5Bの上に成形される。断熱機能は、ここでは、同じく非常に硬質の構成要素5Cにより形成される壁5Fにより分離される硬質の構成要素5Cにおける、この例では、複数の盲孔4Fによってサポートされる。盲孔4Fは、軸方向Aに沿ってモータユニット2の方向に開いていて、現在、第2のプリント回路板2Bによって閉じられている。光ガイド機能は、透明な構成要素5Cにより形成される中間ユニット4の外側表面4Gに、光源3Dから、可能な限り多くの光をガイドするために、透明な構成要素5Cと光源3Dとの間の距離を最小にする、ここでは1つまたは複数の突起部5C’を有する透明な硬質の構成要素である硬質の構成要素5Cにより提供される。
【0042】
図3は、単一の構成要素の射出成形要素5を有し、図1の第2のプリント回路板2Bを有さない、機能i)~機能v)のすべてを提供する例の細部を示す。別の形で述べられない限り、この特徴、または以下の例のいずれも、1つまたは複数の前の例に対応する。
【0043】
第2のプリント回路板2Bを欠いた結果として、盲孔4Fは、ここでは、モータユニット2のハウジング2Aにより閉じられる。
【0044】
図4は、機能i)~機能v)のすべてを提供する例の細部を示しており、射出成形要素5は、マルチコンポーネントの射出成形要素5であり、それは、硬質の半透明な構成要素5C、および硬質の半透明な構成要素5Cよりも低い熱伝導性を有する他の硬質の構成要素5Aを備え、またモータユニット2の一部として、熱いゾーンHに、第2のプリント回路板2Bを備える。
【0045】
それに関して、半透明な構成要素5Cは、光源3Dと外側表面4Gとの間の部分である、射出成形要素5の周辺部に使用されるが、射出成形要素5の残りの中心部には使用されない。その結果、射出成形要素5の残りの中心部は、他の硬質の構成要素5Aから、特に、盲孔4Fを有する部分、および/または金属シート5Bの上に成形される部分から作られる。
【0046】
図5は、電磁気的な遮蔽機能以外の機能i)~機能v)のすべてを提供する例の細部を示しており、単一の構成要素の射出成形要素5を有し、第2のプリント回路板2Bを有する。
【0047】
その結果、モータユニット2は、ブレーキ2Dを備えておらず、また中間ユニット4は、強磁性遮蔽要素4Bとしての金属シート5Bを備えていない。
【0048】
図6は、機能i)~機能v)のすべてを提供する例の細部を示しており、硬質の半透明の構成要素5Cおよび他の硬質の構成要素5Aを備える図4のマルチコンポーネント射出成形要素5、ならびにモータユニット2の一部として、熱いゾーンHに第2のプリント回路板2Bを有する。
【0049】
上記の例とは対照的に、盲孔4Fが設けられておらず、他の硬質の構成要素5Aにより実装される堅牢な断熱層が得られる。したがって、他の硬質の構成要素5Aは、ここではモータユニット2と、本例では、第2のプリント回路板2Bと平面で接触する。
【0050】
図7は、機能i)~機能v)のすべてを提供する別の例の細部を示しており、射出成形要素5は、単一の構成要素の射出成形要素5であり、それは、硬質の半透明な構成要素5Cから作られ、第2のプリント回路板2Bをモータユニット2の一部として、熱いゾーンHに有する。
【0051】
図2と同様に、封止4D、4D’としての軟質の構成要素5D、5D’は、硬質の構成要素5Cにより、それぞれ、サーボ駆動ユニット3のハウジング3A、第1のプリント回路板3B、およびモータユニット2に対して押し付けられる。硬質の構成要素5Cは、ここでは、プレート状の強磁性遮蔽要素4Bを実装する金属シート5Bの上に成形される。ここで示される例の他の特徴もまた、図2のものと同様、または同一であり、その差異は、以下で述べられる。
【0052】
図2の例とは対照的に、断熱機能は、図2の複数の盲孔4Fを有さずにサポートされる。したがって、硬質の構成要素5Cは、孔のない、または大きくて重い硬質の構成要素5Cと呼ぶことができる。したがって、断熱機能は、その熱伝導性が、アルミニウムなどの金属から作ることのできる、サーボ駆動ハウジング3Aの材料および/またはモータハウジング2Aの材料のものよりも低くなるように、適切に選択された硬質な構成要素5Cの材料、ここではプラスチック材料によりサポートされる。ここで、プラスチックは、軸方向Aに対して垂直な主延長面を有するプラスチック層を形成する。
【0053】
図8は、中間ユニット4の例示的な実施形態に対する斜視図を示す。特に、丸められたコーナを有する長方形の周囲を有する外側表面4Gの例示的な形状が示されている。これは、光源3Dからの光を、すべての半径方向に、すなわち、軸方向Aの周りで360°にわたり環境6へとガイドできるようにする。さらに、突起部5C’に対する例示的な形状が示される。
【符号の説明】
【0054】
1 モータデバイス
2 モータユニット
2A モータハウジング
2B 第2のプリント回路板
2C インバータ要素
2D ブレーキ
2E 溝
2E’ 溝
3 サーボ駆動ユニット
3A サーボ駆動ハウジング
3B 第1のプリント回路板
3C 電子要素
3D 光源
4 中間ユニット
4B 強磁性遮蔽要素
4D 第1の円周方向の封止
4D’ 第2の円周方向の封止
4E 位置合せ構造
4E’ 位置合せ構造
4F 盲孔
4G 外側表面
5 射出成形要素
5A 構成要素、硬質の構成要素
5B 金属シート
5C 半透明のプラスチック構成要素、硬質の構成要素
5C’ 突起部
5D 第1の軟質の構成要素
5D’ 第2の軟質の構成要素
5F 壁
6 外部環境
A 軸方向
C 冷たいゾーン
H 熱いゾーン
I 断熱層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】