(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ブランク形成装置
(51)【国際特許分類】
B29C 43/58 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B29C43/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537117
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 AU2022051494
(87)【国際公開番号】W WO2023115105
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520505951
【氏名又は名称】クール グローバル ソリューションズ ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOOL GLOBAL SOLUTIONS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】8 Andrews Street, Kurrimine Beach, Queensland, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロング,トム ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4F204
【Fターム(参考)】
4F204AC03
4F204AG21
4F204AJ08
4F204AR02
4F204AR06
4F204FA01
4F204FB01
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ02
(57)【要約】
プラテンプレスで2層またはそれ以上のシート状材料からブランクを形成するためのプロファイル加工プレス板であって、表面に第1プロファイル部を含むプロファイル加工プレス板を備え、第1プロファイル部は、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して、ブランクの周縁部の少なくとも一部の付近に封止を形成するように構成され、プレート部はさらに、その表面に第2プロファイル部を備え、第2プロファイル部は、第1プロファイル部の内側に位置して、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成され、プロファイル加工プレス板は、流体の供給源と流体連通する1つまたは複数の入口と、第1プロファイル部内および/または第2プロファイル部内の流体流路を介して1つまたは複数の入口と流体連通する1つまたは複数の出口とを含み、流体流路を通る流体の流れが、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の温度を変化させるように構成されている、プロファイル加工プレス板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンプレスで2層またはそれ以上のシート状材料からブランクを形成するためのプロファイル加工プレス板であって、
その表面に第1プロファイル部を含むプレート部を備え、前記第1プロファイル部は、前記2層または2層以上のシート状材料を圧縮して、前記ブランクの周縁部の少なくとも一部の付近に封止を形成するように構成され、前記プレート部はさらに、その表面に第2プロファイル部を備え、前記第2プロファイル部は、前記第1プロファイル部の内側に位置して、前記2層または2層以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成され、
前記プロファイル加工プレス板は、流体の供給源と流体連通する1つまたは複数の入口と、前記第1プロファイル部内および/または前記第2プロファイル部内の流体流路を介して前記1つまたは複数の入口と流体連通する1つまたは複数の出口とを含み、
前記流体流路を通る流体の流れが、前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部の温度を変化させるように構成されている、
プロファイル加工プレス板。
【請求項2】
前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部によって区切られた前記シート状材料の1つまたは複数の領域が、前記流体によって加圧および/または冷却される、
請求項1に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項3】
前記プレート部は、前記第1プロファイル部および前記第2プロファイル部が延出する実質的に平面状の表面を含む、
請求項1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項4】
前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部が、前記実質的に平面状の表面から、該実質的に平面状の表面に対して実質的に垂直な角度に延出する、
請求項3に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項5】
前記第1プロファイル部が、その長さの少なくとも一部に沿って、前記実質的に平面状の表面の周縁から内側に離隔している、
請求項3または請求項4に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項6】
前記第1プロファイル部が、前記第1プロファイル部が前記ブランクの実質的に前記全周縁に予備圧縮領域を形成するように前記ブランクの実質的に周縁部付近に延在する、
前記請求項のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項7】
前記予備圧縮領域が、前記第1プロファイル部によって前記シート状材料に加えられる圧力と、前記第1プロファイル部の比較的高い温度との組み合わせによって形成される、
請求項6に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項8】
前記第1プロファイル部は、前記ブランクの前記周縁の形状に前記第1プロファイル部を形成するために互いに関連付けられた1つまたは複数の第1プロファイル部材を含む、
請求項7に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項9】
前記第1プロファイル部が、前記プレス板の前記実質的に平面状の表面から、前記第2プロファイル部よりも大きい距離だけ外向きに延出している、
請求項3から5のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項10】
前記第2プロファイル部が、前記シート状材料に折り線を形成するように構成された1つまたは複数の第2プロファイル部材を含む、
前記請求項のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項11】
前記第2プロファイル部が、前記第2プロファイル部によって前記シート状材料に加えられる圧力と、前記第2プロファイル部の比較的高い温度との組み合わせによって、前記シート状材料に折り線を形成するように構成されている、
請求項10に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項12】
前記流体が圧縮空気を含む、
前記請求項のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項13】
前記流体流路がその内部に1つまたは複数の閉鎖部材を含み、前記1つまたは複数の閉鎖部材が開閉して、そこを通る流体の流れを通すまたは妨げるように構成されている、
前記請求項のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項14】
前記流体が、1つまたは複数の封止部材を用いて前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部内に封じ込められている、
前記請求項のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のプロファイル加工プレス板を用いて形成されたブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブランク形成装置に関するものである。特に、本発明はプラテンプレスを用いてブランクを形成する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴム、プラスチック、紙、木製品などのシート状材料を加工するために、複数の可動プラテンを有するプレス機が一般的に使用されている。いくつかの種類のプラテンプレスでは、加工サイクル中にプラテンが加熱される。
【0003】
複数の層からなるラミネート材料を製造するために使用されるプラテンプレスでは、加熱されたプラテンで層を加熱することにより、層間(または発泡材料が使用されている場合は層内)に閉じ込められた空気やその他の気体が膨張することがある。これにより、ラミネート材料の表面層に気泡が形成されることがあり、これは見た目が悪いだけでなく、ラミネート材料の性能や耐久性を損なう恐れもある。
【0004】
いくつかの製造プロセスでは、プラテンプレスを使用して形成された材料(例えばラミネート材料)を、異なる種類のプレス機の間を移動させる必要がある。例えば、いくつかの材料は加熱されたプラテンプレスから冷却されたプラテンプレスへ、または別の製造プロセスに移行することがある。現状、材料をプラテンプレス(特に多段プレス)に出し入れする際の効率が悪く、製造コストと時間の増加を招いている。
【0005】
したがって、ラミネート材料の気泡形成を減少または除去できるプラテンプレス用の装置を提供することが可能であれば有利であろう。さらに、製造コストおよび/または時間を削減するために、プラテンプレス(多段プレスなど)へ、またはプラテンプレスから、またはプラテンプレス間で、材料が移送される効率を向上させるプラテンプレス用の装置を提供することが可能であれば有利であろう。
【0006】
先行技術文献が参照される場合、オーストラリアや他のいかなる国においても、その参照行為は、当該文献が当該技術分野における公知の一般的知識の一部を形成することを認めるものではないことを明確に理解されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、ブランクを形成するための方法および装置を提供し、これは、上述の問題または欠陥の1つまたは複数に少なくとも部分的に応え得て、あるいは、有用なまたは商用の選択肢を公衆に提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記を念頭に置き、第1の態様において本発明は、プラテンプレスにおいて2層またはそれ以上のシート状材料からブランクを形成するためのプロファイル加工プレス板に広く関するものであって、そのプロファイル加工プレス板は、表面に第1プロファイル部を有するプレート部を備え、第1プロファイル部は、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して、ブランクの周縁部の少なくとも一部に封止を形成するように構成され、プレート部は、その表面に第2プロファイル部をさらに有し、第2プロファイル部は、第1プロファイル部の内側に位置し、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成されており、プロファイル加工プレス板は、流体の供給源と流体連通する1つまたは複数の入口と、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の流体流路を介して1つまたは複数の入口と流体連通する1つまたは複数の出口とを備え、流体流路を通る流体の流れが、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の温度および/または圧力を変化させるように構成されている。
【0009】
プロファイル加工プレス板は任意の適切な形式であってよい。しかしながら、本発明の好適な実施形態において、プロファイル加工プレス板は加圧プラテンまたは他の熱源を介して加熱されてよい。プラテンの加熱は従来技術であり、これ以上の説明は不要であることを理解されたい。
【0010】
プロファイル加工プレス板は任意の適切なサイズと形状であってよい。しかしながら、通常、プロファイル加工プレス板は実質的に長方形である。プロファイル加工プレス板の大きさは製造されるブランクの大きさ次第であり、プロファイル加工プレス板の厚さと接触面の幅は製造されるブランクの特質に応じて変わってよいことを理解されたい。
【0011】
プロファイル加工プレス板は任意の適切な材料から作製されてよい。しかしながら、好ましくは、プラテンは少なくとも部分的に金属または金属の組み合わせから作製されてよい。本発明の好適な実施形態において、プロファイル加工プレス板は少なくとも部分的にアルミニウムから作製されてよい。
【0012】
本発明の好適な実施形態において、プロファイル加工プレス板は、第1プロファイル部および第2プロファイル部が延出する実質的に平面状の表面を含んでよい。好ましくは、第1プロファイル部および第2プロファイル部はプラテンの平面状の表面から外向きに延出する。本発明の一実施形態において、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部は、実質的に平面状の表面から実質的に垂直な角度に延出してよい。
【0013】
第1プロファイル部は任意の適切な形状であってよい。前述のように、第1プロファイル部は2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して、ブランクの周縁部の少なくとも一部の付近でそれらの間に予備圧縮領域を形成するように構成される。第1プロファイル部はプラテンの実質的に平面状の表面の周縁部またはその近くに位置してよい。代替形態として、第1プロファイル部は、その長さの少なくとも一部に沿って、プラテンの実質的に平面状の表面の周縁部から内側に離隔してよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、ブランクは正多角形の形で提供されてよい。それらの実施形態では、第1プロファイル部の形状も正多角形の形であってよい。しかし代替形態として、ブランクの周縁部は、不規則な多角形の形であってよい。したがって、この実施形態では、第1プロファイル部の形状も不規則な多角形の形であってよい。したがって、第1プロファイル部の一部は、第1プロファイル部の他の部分とは異なる向きに配置されてよい。さらに、第1プロファイル部の一部は、プラテンの実質的に平面状の表面の周縁部から、第1プロファイル部の他の部分とは異なる距離で離隔してよい。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、第1プロファイル部はブランクの周縁部の実質的に全体の付近にわたって延在してよい。このようにして、第1プロファイル部はブランクの周縁部の実質的に全体の付近にわたって予備圧縮を形成してよい。
【0016】
第1プロファイル部は、ブランクの周縁部の形状で第1プロファイル部を形成するために、互いに関連付けられた1つまたは複数の第1プロファイル部材を備えてよい。任意の適切な数の第1プロファイル部材が提供されてよく、第1プロファイル部材の数、およびそれらの相互間の配向は、製造されるブランクの周縁部の所望の形状によって決定されてよいことを理解されたい。
【0017】
2つまたはそれ以上の第1プロファイル部材が提供される本発明の実施形態において、第1プロファイル部材同士は任意の適切な技術を用いて互いに関連付けられてよい。例えば、第1プロファイル部は一体構造として形成されてよい。他の実施形態において、2つまたはそれ以上の第1プロファイル部材は互いに個別に形成され、互いに固定的にまたは取り外し可能に接続されるように構成されてよい。好適な実施形態において、2つまたはそれ以上の第1プロファイル部材は、溶接などにより互いに固定接続されるように構成されてよい。
【0018】
第1プロファイル部は、プラテンの実質的に平面状の表面に任意の適切な技術を用いて接続されてよい。例えば、第1プロファイル部は、プラテンの実質的に平面状の表面と一体に形成されてよい。他の実施形態において、第1プロファイル部は、プラテンの実質的に平面状の表面とは別に作製され、それと固定的にまたは取り外し可能に接続されるように構成されてよい。第1プロファイル部は、1つまたは複数の機械的締結具、接着剤、または溶接もしくは類似のプロセスを使用するなど、任意の適切な技術を用いてプラテンに接続されてよい。
【0019】
第1プロファイル部の少なくとも一部は、プラテンの実質的に平面状の表面の周縁部から内側に離隔してよいことを理解されたい。この実施形態において、シート状材料は、ブランクの周縁部がシート状材料の周縁部から内側に離隔するように、プラテンによって形成されるブランクの面積よりも大きな面積を有してよい。このような状況では、プラテンによって形成されたブランクは、切断、打ち抜き、または他の方法でシート状材料から取り外されてよいと考えられる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、第1プロファイル部は第2プロファイル部と同じ距離だけプラテンの実質的に平面状の表面から外向きに延出してよい。他の実施形態において、第1プロファイル部は第2プロファイル部よりも多い距離だけプラテンの実質的に平面状の表面から外向きに延出してよい。この実施形態において、プラテンがシート状材料と当接してブランクを形成する際、第1プロファイル部が第2プロファイル部よりも先にシート状材料に当接し、これによりシート状材料の追加の圧縮(および、したがって予備圧縮領域の形成の向上)が第1プロファイル部によって可能になる。
【0021】
プラテンが加熱される本発明の実施形態において、第1プロファイル部によってブランクの少なくとも一部の付近に予備圧縮領域を形成することは、第1プロファイル部によってシート状材料に加えられる圧力と、第1プロファイル部の比較的高い温度の組み合わせによって達成されてよいと考えられる。
【0022】
第2プロファイル部は、任意の適切なサイズ、形状、または構成であってよい。前述のように、第2プロファイル部は、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成されている。したがって、第2プロファイル部は、シート状材料上の所望の位置に折り線を形成するように構成された1つまたは複数の第2プロファイル部材を備えてよい。任意の適切な数の第2プロファイル部材が設けられてよく、第2プロファイル部材の数量とそれらの相互間の配向は、シート状材料に形成される折り線の数と位置によって決定されることを理解されたい。
【0023】
2つまたはそれ以上の第2プロファイル部材が設けられる本発明の実施形態において、第2プロファイル部材は任意の適切な技術を用いて互いに関連付けられてよい。例えば、第2プロファイル部は一体構造として形成されてよい。他の実施形態において、2つまたはそれ以上の第2プロファイル部材は互いに個別に形成され、互いに固定的にまたは取り外し可能に接続されるように構成されてよい。好適な実施形態において、2つまたはそれ以上の第2プロファイル部材は、溶接などによって互いに固定接続されるように構成されてよい。
【0024】
第2プロファイル部は、任意の適切な技術を用いてプラテンの実質的に平面状の表面に接続してよい。例えば、第2プロファイル部は、プラテンの実質的に平面状の表面と一体的に形成されてよい。他の実施形態において、第2プロファイル部は、プラテンの実質的に平面状の表面に対して個別に作製され、それと固定的にまたは取り外し可能に接続されるように構成されてよい。第2プロファイル部は、1つまたは複数の機械的締結具、接着剤、または溶接または類似のプロセスを使用するなど、任意の適切な技術を用いてプラテンに接続されてよい。
【0025】
本発明の他の実施形態において、第2プロファイル部は第1プロファイル部に接続されてよい。第2プロファイル部は、第1プロファイル部と一体的に形成されてよく、またはそれとは個別に形成され、任意の適切な技術を使用して(例えば、1つまたは複数の機械的締結具、接着剤、または溶接、もしくは類似のプロセスにより)、それと固定的にまたは取り外し可能に接続されるように構成されてよい。したがって、第2プロファイル部の少なくとも一部は、第1プロファイル部と当接するように配置されてよいと考えられる。
【0026】
好適な実施形態において、第1および第2プロファイル部材は、1枚のシート状材料などからプロファイルを切り出すことによって互いに固定接続されるように構成してよい。このプロファイルは、「プロファイル加工プレス板」と呼ばれることがあり、独立したユニットとしてプラテンに取り付けられてよい。
【0027】
前述のように、第2プロファイル部は、第1プロファイル部の内側に位置している。これは、第2プロファイル部が、第1プロファイル部よりプラテンの実質的に平面状の表面の中心に近く位置することを意味する。このようにして、第1プロファイル部は、ブランクの周縁部を画定するように構成され、第2プロファイル部は、シート状材料のブランクの周縁部の内側に折り線を形成するように構成される。
【0028】
プラテンが加熱される本発明の実施形態において、第2プロファイル部による折り線の形成は、第2プロファイル部によってシート状材料に加えられる圧力と、第2プロファイル部の比較的高い温度によって伝達される熱との組み合わせによって達成されてよいと考えられる。
【0029】
前述のように、プロファイル加工プレス板は、流体の供給源と流体連通する1つまたは複数の入口を含む。1つまたは複数の入口は、任意の適切な形態であってよく、1つまたは複数の入口の厳密な特質は本発明にとって重要ではない。流体の供給源は、槽、瓶(ガスボンベを含む)、タンク、ブロワーなど、任意の適切な形態であってよい。1つまたは複数の入口は、第1プロファイル部、第2部分、またはその両方に設けてよい。
【0030】
流体は液体であっても気体であってよいが、本発明の好適な実施形態において、液体は気体であってよい。任意の適切な気体を使用してよいが、本発明の好適な実施形態において、気体は空気であってよい。本発明の具体的な実施形態において、気体は圧縮空気であってよい。
【0031】
第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の流体流路は、任意の適切な形態であってよい。本発明のいくつかの実施形態において、流体流路は、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部のすべての部分を通って延在してよい。他の実施形態において、流体流路は、第1プロファイル部のみの一部および/または第2プロファイル部のみの一部を通って延在してよい。
【0032】
好ましくは、流体流路は、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の内部に形成されてよい。本発明のこの実施形態において、第1プロファイル部を形成する第1プロファイル部材および/または第2プロファイル部を形成する1つまたは複数の第2プロファイル部材の少なくとも一部は、実質的に中空であってよいと考えられる。この実施形態において、第1プロファイル部材および/または1つまたは複数の第2プロファイル部材の中空内部は、流体流路を形成してよい。
【0033】
流体流路は、1つまたは複数の入口から1つまたは複数の出口まで実質的に直線状であってよい。代替形態として、流体流路は蛇行した経路を有してよい。本発明のいくつかの実施形態において、流体流路は、その中に1つまたは複数の閉鎖部材を含んでよい。この実施形態において、1つまたは複数の閉鎖部材は、そこを通る流体の流れを通すまたは妨げるために、開閉されてよいと考えられる。したがって、流体流路の長さおよび経路は、所望する結果に応じて変更されてよいと考えられる。1つまたは複数の閉鎖部材は、任意の適切な形態であってよく、1つまたは複数のゲート、バルブなどを含んでよい。
【0034】
1つまたは複数の出口は、任意の適切な形態であってよく、1つまたは複数の出口の厳密な特質は、本発明にとって重要ではない。1つまたは複数の出口は、第1プロファイル部、第2プロファイル部、または両方に配置してよい。本発明のいくつかの実施形態において、1つまたは複数の出口を通って第1プロファイル部および/または第2プロファイル部から出る流体は、容器(槽、タンク、瓶など)内に捕捉されてよい。これらの実施形態において、流体は、再使用、別の用途での使用、または廃棄のために捕捉されてよい。他の実施形態において、流体は、1つまたは複数の出口を通じて大気に放出されてよい。
【0035】
好適な実施形態において、流体は、1つまたは複数の封止部材を使用して、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部に封じ込められてよい。任意の適切な封止部材が使用されてよく、例えば、1つまたは複数のバッキングプレートおよび/またはシールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の好適な実施形態において、流体流路を流れる流体は、プロファイル加工プレス板の温度に比べて比較的低温である。さらに、プロファイル加工プレス板に出入りする流体の流量は制御されてよい。このようにして、流体は、流体流路が位置する第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の部分を冷却するために使用してよい。さらに、流体流路を通る流体の流れが、ブランクの形成中にシート状材料に追加の圧力を生じさせ得ると考えられる。流体流路に大気圧を超える圧力の流体を供給することで、ブランクの形成中にシート状材料に気泡が形成されるのを抑制し得ると考えられる。ガスケット材料を用いてバッキングシートをプロファイル加工プレス板に取り付けることにより、プレス圧縮サイクル中にプロファイル加工プレス板がシート状材料(積層発泡シートなど)を押す際に気密封止を形成することができる。ガスケット材料をプロファイル加工プレス板に取り付けることにより、シート状材料に1つまたは複数の封止区域を形成してよく、1つまたは複数の封止区域は、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の少なくとも一部によって区切られると考えられる。好ましくは、シート状材料は、流体によって加圧および/または冷却されてよい。より具体的には、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部によって区切られたシート状材料の1つまたは複数の領域(1つまたは複数の封止された部分などであるが、これに限定されない)は、流体によって加圧および/または冷却されてよい。好ましくは、第1プロファイル部および第2プロファイル部の各々は、入口を通る流体の流れによって加圧される。1つまたは複数の封止区域内に比較的高い圧力(特に、大気圧よりも高い圧力)を発生させることは、1つまたは複数の封止区域内のシート状材料における気泡の形成を低減または排除することを補助してよいと考えられる。
【0037】
本発明の好適な実施形態において、プロファイル間に、プロファイル加工プレス板のバッキングプレートに固定される低熱伝導性材料(ポリオキシベンジルメチレングリコールアンハイドライド(通称、ベークライト)から作製されたものなど、または類似のもの)を含めることにより、処理される材料に熱遮蔽を提供してよく、流体流路を通って流れる流体が、加熱されたプラテンの温度と比べて比較的低温のままであることを補助してよい。熱遮蔽と流体による冷却の組み合わせにより、プロファイル部の間のシート状材料に気泡が形成されることがさらに低減または排除されてよいと考えられる。
【0038】
好ましくは、第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の選択的な冷却、および/または流体(特に、流体が加圧流体である場合)によって生じる追加の圧力(すなわち、大気圧を超える圧力)は、ブランク内のシート状材料の層の剥離の低減、ならびに形成されたブランクの表面に形成される気泡の低減をもたらしてよい。したがって、本発明は大きな利点を提供する。
【0039】
第2の態様において本発明は、プラテンプレス用の移送機構に広く関するものであり、該移送機構は、第1端部において第1プラテンに枢動可能に連結され、対向する第2端部においてベース部材に枢動可能に連結された第1接続部材と、第1端部において第2プラテンに枢動可能に連結され、対向する第2端部においてベース部材に枢動可能に連結された第2接続部材と、ベース部材に関連付けられ、それと相対的に可動な移送部材とを備え、該移送部材は、さらに、その上に1枚または複数枚のシート状材料を搬送するように構成された材料搬送部材に関連付けられ、ベース部材との相対的な移送部材の移動は、材料搬送部材が第1プラテンと第2プラテンとの間に実質的に位置する使用状態と、材料搬送部材が第1プラテンおよび第2プラテンから離れるように移動される解放状態との間で、材料搬送部材を移動させる。
【0040】
プラテンプレスは、任意の適切な形態であってよい。しかし、好ましくは、プラテンプレスは、製品を形成するために近接させる第1プラテンと第2プラテンを備える。この具体例には、複数のプラテンを備える多段プレスが挙げられる。本発明では、材料搬送部材によって搬送される1枚または複数枚のシート状材料から製品が作製されると考えられる。これらの実施形態において、第1プラテンおよび第2プラテン(および存在する場合には更なるプラテン)は、製品を形成するために、使用状態において1枚または複数枚のシート状材料に熱および/または圧力を加えてよいと考えられる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態において、第1プラテンおよび第2プラテンは、従来型のものであってよい。他の実施形態において、第1プラテンおよび/または第2プラテンは、本発明の第1の態様のプロファイル加工プレス板であるか、または、それを含んでよい。
【0042】
第1接続部材は、任意の適切な形態であってよい。しかし、好ましくは、第1接続部材は、第1プラテンに対して第1接続部材が枢動できる種類のものであってよい。本発明の好適な実施形態において、第1接続部材はまた、ベース部材に枢動可能に接続されてよい。本発明のいくつかの実施形態において、第1接続部材は、枢動ジョイントまたはボールジョイントを備えてよい。より好ましくは、しかし、第1接続部材は、ロッドエンドベアリング(ハイムジョイントまたはローズジョイントとも呼ばれる)を備えてよい。いくつかの実施形態において、これらはジャックスクリューによって連結されてよい。より具体的には、第1接続部材は、第1プラテンに接続されたロッドエンドベアリングと、ロッドエンドベアリングからベース部材に延出するシャフトを備えてよく、このシャフトは、リニアベアリングキャリッジと関連するシャフトをさらに支持してよい。
【0043】
第2接続部材は、任意の適切な形態であってよい。しかし、好ましくは、第2接続部材は、第1プラテンに対して第2接続部材が枢動できる種類のものであってよい。本発明の好適な実施形態において、第2接続部材はまた、ベース部材に枢動可能に接続されてよい。本発明のいくつかの実施形態において、第2接続部材は、枢動ジョイントまたはボールジョイントを備えてよい。より好ましくは、しかし、第2接続部材は、ロッドエンドベアリング(ハイムジョイントまたはローズジョイントとも呼ばれる)を備えてよい。いくつかの実施形態において、これらはジャックスクリューによって連結されてよい。より具体的には、第2接続部材は、第2プラテンに接続されたロッドエンドベアリングと、ロッドエンドベアリングからベース部材に延出するシャフトを備えてよく、このシャフトは、リニアベアリングキャリッジと関連するシャフトをさらに支持してよい。
【0044】
第1接続部材および第2接続部材が同時に枢動してよいと考えられる。好ましくは、第1接続部材および第2接続部材は、互いに逆方向に同時に枢動してよい。好ましくは、第1接続部材と第2接続が第1の互いに逆方向に枢動すると、第1プラテンと第2プラテンは、互いに、当接するか、または少なくとも比較的近接してよい。第1接続部材と第2接続部材が第2の互いに逆方向に枢動すると、第1プラテン部材と第2プラテン部材は、互いに離隔する方向に移動してよい。
【0045】
本発明の好適な実施形態において、第1接続部材はまた、ベース部材に枢動可能に接続されてよい。本発明のいくつかの実施形態において、第1接続部材は、枢動ジョイントまたはボールジョイントを備えてよい。しかし、より好ましくは、第1接続部材は、ロッドエンドベアリング(ハイムジョイントまたはローズジョイントとしても知られている)を備えてよい。より具体的には、第1接続部材は、第1プラテンに接続されたロッドエンドベアリングと、ロッドエンドベアリングから第2接続部材まで延出し、ベース部材を介してリニアベアリングキャリッジを支持する調節可能な連結部(好ましくは、左右のジャックスクリュー)とを備えてよい。リニアベアリングキャリッジは、先に説明したように、別の第1および第2接続部材の組と関連するベアリングキャリッジ部材とによって接続され支持され得るシャフトを支持してよい。例えば、ベース部材における第1組および第2組のロッドエンドベアリング接続部は、ベアリングチャネルを介して材料移送プレートに接続される支持ブラケット、又はその一部に接続された端部取付けプレートを備えた水平シャフトを支持するベアリングブロックに接続してよい。支持ブラケットには、駆動シャフトなどを支持するための追加の水平ベアリングブロック、および、加圧プラテンおよび付属のプロファイル加工プレス板に対する横方向の位置決めを維持するための移送プレートの両端に追加の垂直ベアリングブロックが取り付けられてよい。1つまたは複数の駆動シャフトは、その端部に駆動ラックと係合し得るピニオンのような円形ギアを備えてよく、それにより、材料移送プレートが、任意の適切な技術を用いた制御下で、プラテンプレスの両側で完全に外向きに延出することが可能となる。
【0046】
移送部材は、任意の適切な形態であってよく、任意の適切な方法でベース部材と関連してよい。例えば、移送部材はベース部材に対して伸縮式に動いてよい。同様に、移送部材はベース部材に対して枢動運動、ヒンジ運動又は回転運動するように構成されてよい。
【0047】
しかし、より好ましくは、移送部材は、ベース部材に対してスライド式又はラチェット式に移動するように構成されてよい。好ましくは、移送部材は、使用状態と解放状態との間で実質的に直線的に移動してよい。
【0048】
移送部材がベース部材に対して実質的に直線的に移動する本発明の実施形態において、移送部材が1つまたは複数のベアリングチャネルと1つまたは複数のベアリングキャリッジとを備えてよいと考えられる。これらの実施形態において、ベース部材はベアリングチャネルを備えてよく、移送部材は少なくとも部分的にベース部材を通過してよい。本発明の特定の実施形態において、ベース部材は、ベアリングキャリッジがそのいずれかの端から出ることができるベアリングチャネルを備えてよい。この実施形態において、移送部材は実質的に正方形の断面形状を有してよい。
【0049】
好適な実施形態において、移送部材の使用状態への移動は、第1プラテンおよび第2プラテンの互いへ向けた移動を作動させてよい。同様に、移送部材の解放状態への移動は、第1プラテンおよび第2プラテンの互いに離隔する移動を作動させてよい。
【0050】
移送部材の移動は、(特に多段プレスにおいて)任意の適切な方法で、真下のプラテンおよび真上のプラテンの移動を作動させてよい。例えば、移送部材は、ベアリングチャネル、ベアリングキャリッジおよび/またはラックアンドピニオン駆動装置と相互作用する1つまたは複数の作動部材を備えてよい。
【0051】
材料搬送部材は、任意の適切な形態であってよい。しかし、前述のように、材料搬送部材は、その上に1枚または複数枚のシート状材料を搬送するように構成される。材料搬送部材が使用状態にあるとき、1枚または複数枚のシート状材料がプラテンプレスで製品を形成するために使用されてよいと考えられる。使用状態において、第1プラテンおよび第2プラテンが、材料搬送部材の対向する面と当接され、それによって、1枚または複数枚のシート状材料がその間で圧縮されて、製品が形成されてよいと考えられる。
【0052】
本発明の好適な実施形態において、材料搬送部材は、対向する第1および第2の実質的に平面状の面を有する板状部材の形態で提供されてよい。本発明のいくつかの実施形態において、材料搬送部材の第1面および第2面の各々に、1枚または複数枚のシート状材料が搬送されてよい。このようにして、使用状態のプラテンプレスで、2つの製品を同時に形成してよい。第1の製品は、第1プラテンと材料搬送部材の第1面との間に形成され、第2の製品は、第2プラテンと材料搬送部材の第2面との間に形成される。
【0053】
1枚または複数枚のシート状材料は、任意の適切な技術を用いて、材料搬送部材が解放状態から使用状態(およびその逆)に移動する際に、その上に保持されてよい。例えば、シート状材料の各シートを材料搬送部材上に保持するために、1つまたは複数の機械的締結具(クリップ、ピンなど)が提供されてよい。
【0054】
本発明の幾つかの実施形態において、材料搬送部材の第1面および/または第2面は、それに1つまたは複数の開口を備えてよい。この実施形態において、1つまたは複数の開口を通る吸引力は、任意の適切な技術を用いて得てよい。例えば、材料搬送部材が、1つまたは複数の開口部を通って材料搬送部材内に空気を吸引するように構成された1つまたは複数の吸引装置と関連付けられてよいと考えられ、それによって、材料搬送部材と当接された1枚または複数枚のシート状材料を保持する吸引力が生じる。ポンプ、真空発生器など、任意の適切な吸引装置を使用してよい。
【0055】
解放状態において、1枚または複数枚のシート状材料が材料搬送部材上に配置されてよいと考えられる。次いで、材料搬送部材は、材料搬送部材が第1プラテンと第2プラテンとの間に位置する(好ましくは、第1プラテンと第2プラテンとの間の実質的に中央に位置する)使用状態に移動され、第1プレートおよび/または第2プラテンによって、材料搬送部材の第1面および/または第2面上に位置する1枚または複数枚のシート状材料に圧力が加えられ、製品が形成される。製品が形成されると、材料搬送部材は解放状態に戻されてよい。
【0056】
幾つかの実施形態において、単一の材料搬送部材がプラテンプレスと関連付けられてよい。この実施形態において、プラテンプレスで形成された製品又は複数の製品が、解放状態で材料搬送部材から取り外されてよく、材料搬送部材が使用状態に戻される前に、シート状材料の新しいシートが材料搬送部材上に配置されてよいと考えられる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、複数のプラテンプレスが(多段プレスなどのように)スタック構成で提供されてよいと考えられる。この実施形態において、1つまたは複数のさらなるプラテンが、第1プラテンおよび/または第2プラテンのいずれかの側に配置されてよい。この実施形態において、スタック内の各プラテン(スタックの外側の端のプラテンを除く)は両面であってよい。複数の製品が同時に形成され得るように、材料搬送部材が各隣接するプラテン間で使用状態に移動されてよいと考えられる。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1接続部材、第2接続部材、ベース部材および移送部材は、該スタックに関連する各材料搬送部材に関連してよい。他の実施形態において、第1接続部材、第2接続部材、ベース部材および移送部材は、スタック内のプラテンの一部と関連付けられてよい。更なる実施形態において、第1接続部材、第2接続部材、ベース部材、および移送部材は、スタック内のプラテンの1つの組に関連付けられてよい。
【0059】
第3の態様において、本発明は、プラテンプレスで使用するための材料搬送部材に関するものであり、その材料搬送部材は、第1の実質的に平面状の面と、それに対向する第2の実質的に平面状の面を備え、第1の実質的に平面状の面と、第2の実質的に平面状の面の各々は、その上に1枚または複数枚のシート状材料を搬送するように構成され、また、材料搬送部材は、第1の実質的に平面状の面と、第2の実質的に平面状の面の各々に1つまたは複数の開口を備え、吸引力が材料搬送部材に加えられるように構成され、該吸引力は、1枚または複数枚のシート状材料が、第1の実質的に平面状の面と、第2の実質的に平面状の面に保持されるように、1つまたは複数の開口を通して空気を材料搬送部材に引き込むように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態において、材料搬送部材の第1の実質的に平面状の面および/または第2の実質的に平面状の面は、予備圧縮および折り線の出来栄えを向上させるため、アルミニウム、シリコンゴム、およびPTFEテープなどの複合材料のシートを搬送するように構成されてよいと考えられる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、加熱されたプロファイル加工プレス板から材料搬送部材への熱損失を制限するために、シリコンゴムの上にアルミニウムプロファイルが取り付けられてよいと考えられる。
【0062】
本発明の別の実施形態において、より高いレベルの予備圧縮、および、より短いサイクル時間を促進するために、アルミニウムプロファイルに追加の熱源(インパルス加熱バンドなどがあるが、これに限定しない)を取り付けてよいと考えられる。
【0063】
本発明の第4の態様では、本発明は、第1の態様のプロファイル加工プレス板を使用して形成されたブランクに関する。
【0064】
本明細書に記載の特徴はいずれも、本発明の範囲内で、本明細書に記載の他の1つまたは複数の特徴と任意の組み合わせで組み合わせてよい。
【0065】
本明細書における先行技術への言及は、先行技術が通常の一般的知識の一部を形成することを認めたり、何らかの形で示唆したりするものではなく、またそう解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本発明の好ましい特徴、実施形態および変形は、当業者が本発明を実施するために十分な情報を提供する以下の詳細な説明から理解してよい。詳細な説明は、いかなる意味においても前述の発明の概要の範囲を制限するものとみなされるべきではない。詳細な説明では、以下のいくつかの図面を参照する。
【
図1】従来技術のプロセスによって形成されたブランクの詳細図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板を示す。
【
図3】本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板の詳細図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板を使用して形成されたブランクを示す。
【
図5】本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による材料搬送部材を示す。
【
図7】本発明の一実施形態によるプラテンプレスの搬送機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、従来技術のプロセスによって形成されたシート状材料1の詳細図である。この図で、シート状材料1の予備圧縮領域3の近くに気泡2が形成される場合があることがわかるかも知れない。これらの気泡2は見た目が悪いだけでなく、シート状材料1から形成された製品の耐用寿命および/または性能を低下させるかも知れない。
【0068】
図2は、本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板10を示す。プロファイル加工プレス板10は、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮してブランクの周縁部の少なくとも一部の付近に封止を形成するように構成された第1プロファイル部12を有するプレート部11を備え、プレート部11はさらにその表面に第2プロファイル部13を備え、第2プロファイル部13は第1プロファイル部12の内側に位置し、2層またはそれ以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成されている。プロファイル加工プレス板10には、流体の供給源(図示せず)と流体連通する複数の入口14と、第1プロファイル部12および/または第2プロファイル部13内の流体流路(明示せず)を介して1つまたは複数の入口14と流体連通する1つまたは複数の出口(図示せず)とが含まれる。
【0069】
プロファイル加工プレス板10はアルミニウムから作製される。第1プロファイル部12はプレート部11の実質的に周縁部付近に延在しており、第2プロファイル部13は、第1プロファイル部12によって画定されるプレート部11の周縁部の内側に位置する複数の第2プロファイル部の部材を含むことがわかる。
【0070】
第1プロファイル部12および第2プロファイル部13に入る流体は、流体流路(明示せず)内の流体圧力を大気圧よりも高くする。このようにして、ブランク(図示せず)内のシート状材料の層(図示せず)の剥離を低減し得るとともに、形成されたブランク(図示せず)の表面に形成される気泡を低減し得る。
【0071】
図3は、本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板10の詳細図である。プロファイル加工プレス板10は、
図2に示すものと同一である。
【0072】
図3では、第1プロファイル部12はシート状材料(図示せず)に予備圧縮領域を形成するために使用され、第2プロファイル部13はシート状材料(図示せず)に折り線を形成するために使用される。第2プロファイル部13には、使用時にシート状材料(図示せず)と当接して配置される接触面16が含まれることがわかる。接触面16の幅は、形成されるブランクの設計、およびブランクを形成するために使用されるシート状材料の厚さに応じて変更してよい。
【0073】
図3では、第2プロファイル部13の入口14がより明確に見える。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板を使用して形成されたブランク17を示している。ブランク17は、その周縁部付近に、プロファイル加工プレス板の第1プロファイル部によって形成された予備圧縮領域18を含むことがわかる。ブランク17は、プロファイル加工プレス板の第2プロファイル部によって形成された折り線19を更に含む。
【0075】
ブランク17の製造中、その表面に気泡が形成されていないことが分かるであろう。これは、プロファイル加工プレス板の第1プロファイル部および/または第2プロファイル部の流体流路内の流体の、熱および/または大気圧よりも高い圧力によるものである。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態によるプロファイル加工プレス板10を示す。
図5のプロファイル加工プレス板10は、複数の取り付け部材20が
図5のプロファイル加工プレス板10に取り付けられていることを除いて、
図2に示されるものと類似している。したがって、
図5のプロファイル加工プレス板10は、プラテン(図示せず)に取り付けられるように構成されている。
【0077】
図5では、比較的低い熱伝導率を有する材料21が、プロファイル加工プレス板10のプレート部11に適用されている。材料21は、第1プロファイル部12と第2プロファイル部13の部材間のプレート部11に適用される。材料21の使用により、ブランクを形成するために使用されるシート状材料(図示せず)に熱遮蔽性が与えられる。本発明のこの実施形態において、材料21は、シート状材料または布状の形で提供されるポリオキシベンジルメチレングリコールアンハイドライド(通称、ベークライト)である。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態による材料搬送部材22を示す。材料搬送部材22は、第1の実質的に平面状の面23と、反対側の第2の実質的に平面状の面(明示せず)とを備え、第1の実質的に平面状の面23と第2の実質的に平面状の面(明示せず)のそれぞれは、1枚または複数枚のシート状材料(図示せず)をその上に搬送するように構成されている。
【0079】
材料搬送部材22は、第1の実質的に平面状の面23と第2の実質的に平面状の面(明示せず)のそれぞれに配置された開口部(図示せず)をさらに備える。1つまたは複数の開口部を介して材料搬送部材22に吸引力が加えられ、1つまたは複数の開口部(図示せず)を介して空気が材料搬送部材22内に引き込まれ、1枚または複数枚のシート状材料が第1の実質的に平面状の面23と第2の実質的に平面状の面(明示せず)上に保持される。
【0080】
図6に示す本発明の実施形態において、平面状の面(明示せず)にシリコーンシートを含むベース層24が設けられ、ベース層24は、シート状材料が押し付けられる実質的に平面状の表面を提供するように構成されている。アルミニウムのプロファイル25がベース層24の一部に取り付けられている。プロファイル25は、形成されるブランクの周縁部を画定し、ブランクの形成中にプロファイル加工プレス板(
図2のプロファイル加工プレス板など)の予備圧縮プロファイル部が圧力を加え得るプレス面を提供するように構成されている。
【0081】
図7は、本発明の実施形態によるプラテンプレス用の移送機構30を示している。移送機構30は、その第1端部に第1プラテン32に枢動接続され、その反対側の第2端部にベース部材33が枢動接続された第1接続部材31を備える。移送機構30は、さらに、第1端部で第2プラテン35に枢動接続され、その反対側の第2端部でベース部材33に枢動接続された第2接続部材34を備える。
【0082】
移送機構30は、ベース部材33に関連付けられて、それと相対的に可動な移送部材36をさらに含み、該移送部材36は、1枚または複数枚のシート状材料を搬送するように構成された材料搬送部材22にさらに関連付けられている。
【0083】
使用時には、移送部材36は、材料搬送部材22が実質的に第1プラテン32と第2プラテン35の間に配置された使用状態(
図7に示す)と、材料搬送部材22が第1プラテン32と第2プラテン35から離隔された解放状態との間で材料搬送部材22を移動させるために、ベース部材33と相対的に可動に構成されている。
【0084】
本明細書および請求項(存在する場合)において、「含む」およびその派生語である「含め」および「含んだ」を含む語は、付記されている個数を含めた意味となるが、1つまたは複数のそれ以上の個数の場合も該当することを排除するものではない。
【0085】
本明細書全体を通じて「1つの実施形態」または「一実施形態」と言及する場合、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書のさまざまな場所で「1つの実施形態」または「一実施形態」という語句が出現しても、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の組み合わせで、任意の適切な方法で組み合わせてよい。
【0086】
法令に従って、本発明は、構造的または方法的な特徴に多かれ少なかれ特有の言葉で説明されている。本明細書で説明される手段は、本発明を実施するための好適な形態を含むため、本発明は、提示され、または説明される特定の形態に限定されないことを理解されたい。したがって、本発明は、当業者によって適切に解釈された付随する請求項(存在する場合)の適切な範囲内で、その形式または修正のいずれかにおいて請求される。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンプレスで2層またはそれ以上のシート状材料からブランクを形成するためのプロファイル加工プレス板であって、
その表面に第1プロファイル部を含むプレート部を備え、前記第1プロファイル部は、前記2層または2層以上のシート状材料を圧縮して、前記ブランクの周縁部の少なくとも一部の付近に封止を形成するように構成され、前記プレート部はさらに、その表面に第2プロファイル部を備え、前記第2プロファイル部は、前記第1プロファイル部の内側に位置して、前記2層または2層以上のシート状材料を圧縮して折り線を形成するように構成され、
前記プロファイル加工プレス板は、流体の供給源と流体連通する1つまたは複数の入口と、前記第1プロファイル部内および/または前記第2プロファイル部内の流体流路を介して前記1つまたは複数の入口と流体連通する1つまたは複数の出口とを含み、
前記流体流路を通る流体の流れが、前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部の温度を変化させるように構成されている、
プロファイル加工プレス板。
【請求項2】
前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部によって区切られた前記シート状材料の1つまたは複数の領域が、前記流体によって加圧および/または冷却される、
請求項1に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項3】
前記プレート部は、前記第1プロファイル部および前記第2プロファイル部が延出する実質的に平面状の表面を含む、
請求項1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項4】
前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部が、前記実質的に平面状の表面から、該実質的に平面状の表面に対して実質的に垂直な角度に延出する、
請求項3に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項5】
前記第1プロファイル部が、その長さの少なくとも一部に沿って、前記実質的に平面状の表面の周縁から内側に離隔している、
請求項
3に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項6】
前記第1プロファイル部が、前記第1プロファイル部が前記ブランクの実質的に前記全周縁に予備圧縮領域を形成するように前記ブランクの実質的に周縁部付近に延在する、
請求項
1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項7】
前記予備圧縮領域が、前記第1プロファイル部によって前記シート状材料に加えられる圧力と、前記第1プロファイル部の比較的高い温度との組み合わせによって形成される、
請求項6に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項8】
前記第1プロファイル部は、前記ブランクの前記周縁の形状に前記第1プロファイル部を形成するために互いに関連付けられた1つまたは複数の第1プロファイル部材を含む、
請求項7に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項9】
前記第1プロファイル部が、前記プレス板の前記実質的に平面状の表面から、前記第2プロファイル部よりも大きい距離だけ外向きに延出している、
請求項
3に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項10】
前記第2プロファイル部が、前記シート状材料に折り線を形成するように構成された1つまたは複数の第2プロファイル部材を含む、
請求項
1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項11】
前記第2プロファイル部が、前記第2プロファイル部によって前記シート状材料に加えられる圧力と、前記第2プロファイル部の比較的高い温度との組み合わせによって、前記シート状材料に折り線を形成するように構成されている、
請求項10に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項12】
前記流体が圧縮空気を含む、
請求項
1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項13】
前記流体流路がその内部に1つまたは複数の閉鎖部材を含み、前記1つまたは複数の閉鎖部材が開閉して、そこを通る流体の流れを通すまたは妨げるように構成されている、
請求項
1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項14】
前記流体が、1つまたは複数の封止部材を用いて前記第1プロファイル部および/または前記第2プロファイル部内に封じ込められている、
請求項
1または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板。
【請求項15】
請求項1
または請求項2に記載のプロファイル加工プレス板を用いて形成されたブランク。
【国際調査報告】