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特表2024-546292ピストン、クランク駆動装置及び往復動内燃機関
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ピストン、クランク駆動装置及び往復動内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02F 3/02 20060101AFI20241212BHJP
   F02F 3/00 20060101ALI20241212BHJP
   F16J 1/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F02F3/02
F02F3/00 L
F16J1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537119
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022087653
(87)【国際公開番号】W WO2023118533
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021134520.0
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524228650
【氏名又は名称】ニューグリーン エージー
(71)【出願人】
【識別番号】524228661
【氏名又は名称】ニューグリーン アメリカン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲシキ,ステファン
【テーマコード(参考)】
3J044
【Fターム(参考)】
3J044AA20
3J044BA03
3J044BA04
3J044CA03
3J044CA04
3J044CA13
3J044CA25
3J044DA09
(57)【要約】
本発明は、頂部と、底部と、周囲に沿って延在する周面と、周面の輪郭と実質的に平行に、及び頂部と底部とを通して延在する移動軸とを有する、特にエンジンのためのピストンであって、周面は、シリンダのシリンダボア内のピストンを移動軸に沿って案内するように設計され、頂部は、ガスの圧縮力を吸収するように設計され、及び底部は、コネクティングロッド受け部を有し、コネクティングロッド受け部は、引張及び圧縮方向に1つのアンダカット又は複数のアンダカットを有し、それにより、コネクティングロッド受け部は、コネクティングロッド受け部に対応するコネクティングロッドの肉厚部を形状嵌合的に受けるように設定され、それにより、前記部分は、枢軸を中心に枢動可能であり、ピストンは、移動軸を通して延在する任意の数の半径方向に配置された実質的に平坦な断面を有する、ピストンに関する。本発明は、クランク駆動装置及び内燃機関にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側(203)と、下側(207)と、周囲に沿って延びる周面(205)と、前記周面(205)の接線と本質的に平行に、及び前記上側(203)と前記下側(207)とを通して延びる移動軸(281)とを有する、特にエンジンのためのピストン(201)であって、前記周面(205)は、シリンダのシリンダボア内の前記ピストン(201)を前記移動軸(281)に沿って案内するために使用され、前記上側(203)は、ガスの圧縮力を吸収するように設計され、及び前記下側(207)は、コネクティングロッドホルダ(210)を有し、前記コネクティングロッドホルダ(210)は、引張及び圧縮方向にアンダカット(211)又は複数のアンダカットを有し、それにより、前記コネクティングロッドホルダ(210)は、前記コネクティングロッドホルダ(210)に対応するコネクティングロッド(301)の頭部(303)を形状係止的に受けるように構成され、前記ピストンは、枢軸(183)を中心に前記コネクティングロッド頭部に対して枢動することができ、前記ピストン(201)は、前記移動軸(281)を通して半径方向に配置された任意の数の実質的に平坦な断面(271、273、275)を有し、実質的に平面状の断面(271、273、275)は、前記移動軸(281)を通して半径方向に延在する、ピストン(201)において、前記移動軸(281)を通して延在する半径方向に配置された実質的に平面状の第1の断面(271、273、275)及び前記移動軸(281)を通して延在する半径方向に配置された実質的に平面状の第2の断面(271、273、275)が、互いに10%未満だけ異なる断面積を有するような形状にされることを特徴とするピストン(201)。
【請求項2】
前記移動軸(281)を通して延在する半径方向に配置された実質的に平面状の第1の断面(271、273、275)及び前記移動軸(281)を通して半径方向に配置された実質的に平面状の第2の断面積(271、273、275)が、互いに7%未満、5%未満及び/又は2%未満だけ異なる断面積を有するような形状にされることを特徴とする、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
前記周面(205)上において、内面(205)は、前記上側(203)から延在し、前記下側(207)まで及び/又は前記下側(207)を越えて延在し、ピストンスカート(219)は、特に前記ピストン(201)の半径(284)の10%未満、5%未満及び/又は2%未満の半径方向厚さを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のピストン。
【請求項4】
肉厚部(231、235)が前記上側(203)及び/又は前記下側(207)に設けられ、及び/又はいくつかの肉厚部(231、235)が配置され、前記肉厚部231、235)及び/又は補償容積(231、235)により、前記それぞれの断面積(271、273、275)において凹状である前記ピストンの容積セクションの補償が実現されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項5】
ポケット(233)及び/又は複数のポケット(233)は、前記頂部側(203)及び/又は前記底部側(207)で凹状であり、前記ポケット(233)及び/又は前記解放ポケット(233)により、前記それぞれの断面積(271、273、275)上に配置された前記ピストン(201)の容積セクションのための補償がもたらされることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項6】
複数の肉厚部(231)及び/又はいくつかのポケット(233)は、前記移動軸(281)に対して対称に配置されることを特徴とする、請求項4又は5に記載のピストン。
【請求項7】
前記周面の表面の平均値と、前記移動軸(281)を通して延在し、及び前記移動軸に対して半径方向に配置された任意の数のさらなる半径(284)とによって画定される平均半径を有し、及び前記移動軸(281)から横方向に延在する半径が前記平均半径から1%未満、0.5%未満、特に1‰未満だけ逸脱するような形状にされることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項8】
アルミニウム、鋳造アルミニウム合金、鋼、鋳鋼合金及び/又は金属を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のピストン(201)と、特に前記ピストン(201)の前記コネクティングロッドホルダ(210)に対応する頭部領域(303)を有するコネクティングロッド(301)とを有するクランクユニット(101)。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載のピストン(201)及び/又は請求項9に記載のクランク機構(101)を含む往復動ピストン内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上側、下側、周囲に沿って延在し、及びピストンの移動軸に実質的に平行な周面を有する、特に原動機のためのピストンに関する。周面は、ピストンの上側から下側まで延在し、周面は、シリンダボア内のピストンを移動軸に沿って案内するように設計され、及び上側は、ガスの加圧力を受けるように設計される。ピストンの下側は、コネクティングロッドホルダを有し、コネクティングロッドホルダは、1つ又は複数のアンダカットを有する。アンダカットは、コネクティングロッド頭部に係合し、及びコネクティングロッドがピストンを引っ張っているとき、コネクティングロッド頭部がピストンから引き抜かれることを防ぐように位置付けられ、それにより、コネクティングロッドホルダは、枢軸を中心に枢動可能な配置においてコネクティングロッド及びピストンを確実に接続するために使用され得る。ピストンは、移動軸を通して延在し、及び半径方向に配置された任意の数の実質的に平坦な断面を有し、そのそれぞれは、略同じ断面積を有する。本発明は、ピストンを有するクランク駆動装置、特にコネクティングロッド及び往復動ピストン内燃機関にも関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン及び他のエンジンなど、往復動ピストン原理に従って機能するこれまでのエンジンは、通常、ピストンが往復運動するシリンダのボアと位置合わせされた中心軸を中心とする円筒外周面を有するピストンを有する。ピストンは、旋回軸上でコネクティングロッドに枢動可能に接続される。従来技術の設計では、ピストン及びコネクティングロッドは、いわゆるピストンピンで互いに枢動可能に接続される。ピストンピンは、エンジンの往復質量に加わり、それは、エンジンの効率に対する負の影響を有し、そのため、エンジンの汚染物質排出に対する負の影響も有するか又は別の言い方をすれば汚染物質排出の減少を妨げる。
【0003】
ピストンが、下側に配置されたコネクティングロッドホルダを備え、及びコネクティングロッドが、コネクティングロッドホルダに取り付けることができる頭部を備える場合、結果としてアセンブリの往復質量の減少(ピストンピンがないため)及び摩擦損失の減少をもたらす。しかしながら、そのようなピストンの温度管理は、多くの場合に難しく、特に、エンジンの燃焼プロセスで発生する熱に関する温度管理は、難しい。さらに、いかなる場合にも、ピストンの設計に関係なく、熱膨張によって引き起こされるピストンの幾何学的形状の変化に対処しなければならない。ピストンは、加熱されると、当然のことながら膨張する。従来技術のピストンは、特にディーゼルエンジンでは、暖まった運転状態での好適な丸い幾何学的形状を想定するために楕円形の周面で製作されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、上側と、下側と、周囲に沿って延在する周面とを有する、特に原動機のためのピストンによって解決される。ピストンは、周面の接線と実質的に平行に延在する往復動移動軸に沿って移動する。周面は、一般に、ピストンが作動するシリンダボアに沿ってピストンを案内する。ピストンの上側は、ガスの圧縮力を吸収するように設計され、及び下側は、コネクティングロッド受け部を有し、コネクティングロッド受け部は、取り付けられたコネクティングロッドによって及ぼされる力に耐えるように配置される。アンダカット又はいくつかのアンダカットは、コネクティングロッドホルダが、嵌め合いによって及び枢軸を中心に枢動可能にコネクティングロッド頭部を受けて保持するように配置され、ピストンは、任意の所望の形状を有する。ピストンは、ピストンの移動軸を通して取られる任意の数の断面が実質的に均一な断面積を有するような形状にされる。この移動軸を通して取られる断面の差異は、望ましくは、断面積の10%未満である。
【0006】
ピストンのこの幾何学設計は、特に移動軸を通して取られるすべての断面について実質的に均一な断面積を提供することにより、ピストンの周囲の均一な熱膨張挙動がもたらされ、それにより、例えば、ピストンは、それが作動したシリンダボアの直径に非常に正確に幾何学的に適合される。これは、例えば、(従来技術で見られる楕円形状よりも)ピストンの均一な周囲の幾何学的形状を実現することができるため、シリンダの壁に対するシール挙動を改善し、ピストンの製造を非常に簡略化する。
【0007】
以下の用語は、これに関連して説明される。
【0008】
「ピストン」は、移動可能な構成要素であり、周囲のハウジングと共に、エンジン及び関連する機械の場合には「シリンダ」を含む。シリンダの容積は、シリンダ内のピストンの往復移動のために変わる。このような主要物、本発明の場合には特にシリンダ内で上下に移動することができる往復動ピストンは、様々な設計の様々な方法で実現することができる。
【0009】
そのようなピストンの「上側」(頂部側)は、例えば、ピストンクラウンとして知られているピストンの範囲であり、それは、内燃機関において例えば燃焼室容積に割り当てられる。次いで、この上側は、内燃機関の例を使用すると、膨脹する点火されたガス混合物からの加圧力を吸収し、それによりクランクシャフト駆動装置を作動させるために必要な力をコネクティングロッドに、及びコネクティングロッドからクランクシャフトに伝達する。
【0010】
「下側」は、コネクティングロッドに面するピストンの側部、すなわち特にコネクティングロッドホルダを有するピストンの側部である。
【0011】
「周面」は、ピストンの表面であり、それは、例えば、内燃機関の場合、シリンダボアに面する。与えられる例示的な詳細は、略円筒形状を有するピストンの通常の設計に言及する。同様に、ピストンのそれに応じて異なる形状及びシリンダボアの異なる形状も、技術的に可能である場合に実現され得る。周面は、通常、いわゆるピストンスカートとしても使用され得る。
【0012】
「移動軸」は、ピストンがクランクシャフトの回転中に移動する軸を説明し、例えば、特に、この移動軸は、シリンダボアの中心軸と平行であり、それにより、いずれの場合にも、数学的に正確な軸を意図するものではないが、むしろ妥当な技術的偏差を有する対応する方向が意図される。
【0013】
「シリンダボア」は、例えば、内燃機関のエンジンブロック内の鋳造及び/又は穿孔されたキャビティであり得、それは、次いで、例えばホーニングによってさらに磨かれる。しかしながら、そのようなシリンダボアは、蒸気機関、蒸気発生器伸縮駆動装置又は原動機の別の形態の丸い又は本質的に丸いキャビティであり得る。ピストンは、シリンダボア内の加圧力をピストンに伝達することができるように、最後の開いた側に対してシリンダボアを閉鎖する。次いで、力がシリンダボア内部のピストンに作用する。
【0014】
圧縮力を及ぼす「ガス」は、圧縮された空気などの単純な圧縮されたガス又は過熱蒸気などの相転移から生じるガス或いはさらに例えば周囲の空気とガソリン若しくはディーゼル又は別の燃料とのガス混合物であり得、それらは、点火を通して例えばガソリン又はディーゼルエンジンにおいてエンジン部品に圧縮力を及ぼす。
【0015】
ピストンの下面上の「コネクティングロッドホルダ」は、耐引張的に及び枢動可能にコネクティングロッドをピストンに取り付けるために使用され、そのため、ピストンは、コネクティングロッドと共に、いわゆるクランク駆動装置、例えばピストンをクランクシャフトに連結するコネクティングロッドで連結される。コネクティングロッドへのピストンの枢動する接続は、ピストンがコネクティングロッドに対して自由に枢動するが、別の方法で固定されるように確立される。
【0016】
「アンダカット」は、力の方向の構成要素又は範囲若しくは部分的な範囲が引き抜きを確実に防ぐか又は力の伝達を確実に可能にするような取り付けの設計又は取り付けの部分を指す。そのようなアンダカットは、力を伝達するために、アンダカットを介して吊り下げられるか又は取り付けられる構成要素によって使用され得る。
【0017】
コネクティングロッドの「肉厚部」(例えば、頭部)は、肉厚部に隣接して位置するコネクティングロッドの一部よりも大きい若しくは広い断面を有するか、又は大きい若しくは広い直径を有するような範囲である。特に、そのような肉厚部は、アンダカットと共に、特にアンダカットによって形成された表面により、嵌合引張又は捩り接続を作成して耐力接続を形成する役割を果たし得る。
【0018】
対応する「断面積」は、本質的に平坦な平面を指し、それは、ピストンの移動軸を通過する切断面によるピストンの仮想の切断からもたらされる。この断面積は、範囲の尺度として指定され、本発明の望ましい特徴は、この断面積が移動軸を中心としたある回転角で回転する別の断面に対して同じ又は実質的に同じであることである。
【0019】
熱膨張をさらにより正確に制御することを可能にするために、ピストンは、移動軸を通過する複数の平面の断面積が互いに好ましくは7%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満の差を有するような形状にされる。
【0020】
これに関連して、第1の断面積及び第2の断面積のそれぞれは、任意の断面積を示し、例えば、ある場合には、例えば第1の断面積に対して垂直な異なる基準軸における2つの断面積が同一又は類似の設計であり、そのため、例えばピストンの熱変形挙動が2つの主方向において制御されることに留意されたい。それぞれの断面積は、互いに任意の角度で広げることもでき、そのため、特に、ピストンの周囲の任意の断面積の比較は、実質的な均一性基準に耐える。
【0021】
1つの実施形態では、周面は、頂部から底部に及び/又はピストンの下側の底部にわたって保護カバーを設けられ、それにより、ピストンスカートは、ピストンの直径の10%未満、5%未満及び/又は2%未満の半径方向厚さを有する。
【0022】
一般に、下側の方向、すなわちクランクシャフトの方向へのピストンの管状延長部である「ピストンスカート」は、特に薄肉である。この範囲の熱膨張は、非常に減少する。
【0023】
例えば、ピストンの必要な表面積及び/又は必要な部分、例えばアンダカットの部分と比較して、それぞれの断面積に関するバランスを取るために、均等化容積及び/又はいくつかの均等化容積は、1つ又は複数の容積を均等化することによって上側及び/又は下側に配置される。
【0024】
結果的に、1つ又は複数の対応する補償容積を、ピストンの材料が1つの点で加えられるか又は取り除かれるように適用することができ、これは、技術的に必要ではなく、互いに対する異なる断面積の均一性の基準が満たされる。
【0025】
1つの実施形態では、除去容積及び/又は複数の除去容積は、上側及び/又は下側でさらに凹状であり得、それにより、それぞれの断面積上に配置されたピストンの容積セクションの補償は、1つ又は複数の減少した容積によって作成される。
【0026】
これは、対応する追加された容積(補償容積)とも組み合わせて、対応する範囲サイズを補償するために除去容積を使用できることを意味する。
【0027】
「補償容積」は、特定の範囲で増加した容積、すなわち加えられた追加の材料を説明する一方、「除去容積」は、存在しないか又は取り除かれた材料を説明する。例えば、ピストンを鋳造するとき、追加のツール容積は、対応する除去容積について成形ツールに設けることができ、それにより、対応する容積は、補償容積に関して成形ツールから取り除かれる。一方、ピストンが金属切削プロセスによって作成される場合、CNCミリングプログラムで対応する補償容積又は除去容積を生成することが可能である。
【0028】
ピストンの熱膨張挙動が均一であることを保証するために、いくつかの補償容積及び/又はいくつかの除去容積は、移動軸に対称に配置される。
【0029】
1つの実施形態では、ピストンは、周面の平均値によって画定される直径を有する。中心半径及び移動軸を通り、周面に対して半径方向に配置される任意の数の半径は、好ましくは、1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらにより好ましくは1‰未満だけ平均半径と異なる半径を示す。
【0030】
結果は、特に高い真円度を有するピストンであり、それにより、この真円度は、例えば、対応する半径によって画定される。類似のサイズ又はさらに同じサイズであるようにそれぞれの断面積を設計することにより、楕円形で製造することは、ピストンピンを有するように製造された従来のピストンなどのピストンのためにもはや必要でない。したがって、熱膨張は、事前に考慮される。そのため、そのようなピストンは、本発明に従って製造することができるとき、特に丸くすることができ、したがって単純な製造工程において例えば旋盤上で製造することができる。同様に、ピストンリングも共に使用されるとき、そのような特に丸いピストンは、丸いシリンダボアに対して適切にシールし、そのため、特にエンジンのコールドスタート中、さらなるオイル損失、ブローバイ損失又は意図しないオイル漏れが生じない。
【0031】
「表面の平均値」は、例えば、周囲の範囲の表面のすべての可能な測定点又は表面のすべての計算された点からの平均値を説明する。この定義から「平均半径」を決定することができ、それは、例えば、任意の数の半径の算術平均であり得る。この平均半径は、他の半径に対する基準として使用され、それは、半径の対応する局所的な偏差、したがってピストンの真円度からの偏差を引き起こすことができる。
【0032】
特に簡単に及び軽くピストンを製造し、同時に高強度をもたらすことを可能にするために、ピストンは、好ましくは、鋳造アルミニウム合金などのアルミニウム、鋼又は合金鋼から作られる。
【0033】
さらなる態様では、本発明は、前の態様の1つによるピストンを有するクランクシャフト駆動装置、特にピストンのコネクティングロッドホルダに対応する肉厚部(コネクティングロッド頭部)を有するコネクティングロッドを採用する。
【0034】
そのようなクランク機構は、予め組み立てて、本発明が提供する利点と共に内燃機関に搭載することができる。
【0035】
さらなる態様では、問題は、上述の実施形態の1つによるピストンを有し、及び/又は上記のようなクランク駆動装置を有する往復動ピストン内燃機関によって解決される。
【0036】
そのような往復動ピストン内燃機関は、本発明のすべての利点を有し、例えば、本発明によるピストンは、ピストンとシリンダボアとの間の対応する許容差を改善するために使用され得、そのため、摩耗、コールドスタート中のオイル消費及び排気を改善することができる。これは、コネクティングロッドホルダを介してピストンに接続されたコネクティングロッドを有するピストンに関連して特に適用される。
【0037】
本発明は、例示的な実施形態に関して以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】隠れ線を含む斜視図であり、ピストン及びコネクティングロッドを含むクランク機構を示す。
図2a図1のアセンブリからのピストンの側面図である。
図2b図1のアセンブリからのピストンを示す底面図である。
図2c図1のアセンブリからピストンを示す側面断面図である。
図2d図1のアセンブリからのピストンを示す底面図であり、断面コールアウトを有する。
図3a】側面図であり、図1のアセンブリからのコネクティングロッドを示す。
図3b】斜視図であり、図1のアセンブリからのコネクティングロッドを示す。
図4】部分的に示された断面を有する側面図であり、本発明に従って作られるクランク駆動装置の実施形態を示す。
図5】部分的に切り取られた斜視図であり、本発明で提供されるクランクアセンブリを使用する内燃機関を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
クランクユニット101は、ピストン201と、コネクティングロッド301とを有する。クランクユニット101は、ディーゼルエンジン(図示せず)の一部であり、それにより、対応するディーゼルエンジンは、例えば、4つのこれらのクランクユニット、6つのこれらのクランクユニット又はさらに8つのこれらのクランクユニットを有することができ、それにより、それぞれのピストン201は、対応するシリンダ内に移動軸281に沿って移動可能に収容される。コネクティングロッド301は、シリンダ数に対応するクランクシャフトのそれぞれのクランクピン上のクランク軸185を中心に動くことができる。ディーゼルエンジンは、例えば、直列4気筒、直列6気筒又はV8エンジンとして設計される。いずれの場合にも、それは、ディーゼル燃料のための高圧噴射システム並びにターボ及び/又は過給を有するディーゼルエンジンであり、その結果、それぞれのシリンダ内で高い燃焼温度になる。当然のことながら、クランクユニット101を使用して他の設計も実現することができる。ピストン201は、本例では、アルミ合金からなる。
【0040】
それぞれのコネクティングロッド301は、鋼から鍛造される。コネクティングロッドは、旋回軸183を中心にピストン201に枢動可能に接続され、そのため、クランクシャフトが完全に回転するとき(図示せず)、クランク軸185は、円形の動きを通して案内され、ピストン201は、コネクティングロッド301によってシリンダで上下に移動する。それにより、クランクシャフトの完全な回転が機械的な障害なしに実行される。ピストン201の上側203で噴射されたディーゼルの燃焼によって発生したガス圧は、例えば、エンジンがディーゼル原理に従って作動するようにピストン201を駆動する。噴射されたディーゼル燃料の点火は、シリンダ内で吸気を圧縮することによって実現される。吸気の圧縮温度は、700℃超に達し、結果として得られる燃焼温度は、1,200℃を超える。ピストン201に対する熱の影響は、それに応じて高い。
【0041】
シリンダ内の燃焼室の方に向けられる上側(冠部)203に加えて、ピストン201は、周面205と下面207を有する(図2aを参照されたい)。円錐形ドーム243を有する燃焼キャビティ241(図2cを参照されたい)は、上側内に移動軸281と同心状に配置される。円錐形ドーム243は、燃焼キャビティ241内で表面積を拡大する。
【0042】
周面205の主構成要素は、下側207の方向に下がるピストンスカート219を形成する(図2cを参照されたい)。ピストンスカートは、円筒形であり、薄壁を有する。上側203から始まり、ピストン201は、上側203から第1の環状リング溝223までの距離を形成する細い周囲カラー221を有する。シリンダに対するシーリングのためのピストンリングは、この第1の環状溝223内に配置される。さらに、下側207の方向に第2の環状リング溝225及び第3の環状リング溝227が配置され、それにより環状溝225でピストンリングがシールリングとして挿入され、環状溝227で油かきリングの機能のピストンリングが挿入される(ピストンリングは、いずれの場合にも示されていない)。追加のボア229が環状溝227上に配置され、それは、エンジンオイルの排出を促進する。
【0043】
周囲カラー221は、いわゆる「ファイアウォール」としてディーゼルエンジンの従来技術で知られており、これらのエンジンでは、ピストンの周面20よりかなり小さい直径で従来技術において設計される。しかしながら、図2aの本発明の実施形態の周囲カラー221は、半径282を有し、この半径282は、技術的許容差内で周面205の半径284と同一である。したがって、ピストン201は、単一のクランプ動作及び旋盤上での均一な直径への単一の旋削作業でその円筒形状に対して機械加工することができる。
【0044】
本発明は熱膨張を制限するために追加の冷却を提供するため、周囲カラー221は、この形態で設計され得る。カラー221は、従来技術では、このエリアのかなりの膨張を引き起こすピストンクラウンの加熱の増加の主な原因となるため、直径を縮小して製作しなければならない。本発明のピストンの放熱は、この必要性を排除する。
【0045】
下側207では、ピストン201は、コネクティングロッド301を係合するためのコネクティングロッドホルダ210を有する。ホルダ210は、形成されるアンダカット211(図2cを参照されたい)に本質的に含まれ、アンダカット211は、旋回軸183の周りで同心であり、材料の端におけるそれぞれの縁部217によって特徴付けられる。アンダカット211を枢軸183に沿ってアクセス可能のままとし、アンダカット211がコネクティングロッドホルダの内面213で終わることを可能にするために、ピストンスカート219は、枢軸183に沿って両側にカットアウト220を有する。このカットアウト220は、コネクティングロッド頭部303(図3aを参照されたい)が、コネクティングロッドホルダに横方向に摺動し、内面213(図2aを参照されたい)に枢動可能に係合することを可能にする。さらに、カットアウト220の存在により、内面213の微細な機械加工のためのツールを挿入することができる。
【0046】
ピストン201の下側から分かるように(図2bも参照されたい)、ピストン201は、半径方向に対称ではない。ピストン201の直接技術的容積、すなわちアンダカット211と共にコネクティングロッドホルダ210を形成するための容積に加えて、ピストンスカート219の容積並びに他の特徴の対応する容積が変化する。ピストン201は、肉厚部231、235のエリアを有する。ピストンは、多くのポケット233も含む。肉厚部及びポケットは、旋回軸183に対して対称に配置される。肉厚部231、ポケット233及び肉厚部235の対応する容積は、ポケット233及び肉厚部235の両方を、移動軸281を介した交差面、すなわち例えば切断面271、切断面273又は切断面275(図2dも参照されたい)に沿って形成されるそのような切断面であり得るように選択され、それぞれは、切断面271に関して、例えばそれぞれの比較する交差する面で最小のものに対して例えば2%の許容差内の同じ断面積を有する。この幾何学的設計は、ピストン201の熱膨張挙動が、移動軸281の周りの異なる極位置でほとんど同一であるか又はさらに同一であることを保証する。この目的のために、材料が肉厚部231に加えられ、材料がポケット233から取り去られ、材料が肉厚部235に加えられる。このように、例えばそれぞれの切断面で加えられる、例えばピックアップ210に対して技術的に必要な容積は、それに応じて、バランスが取られる。同様に、例えば、それぞれの肉厚部235は、カットアウト220のエリア上の断面積の減少及びピストンスカート219で欠けている材料を少なくとも部分的に相殺するために設けられる。同様に、他の構成要素も、ピストンのバランスを保つために、ピストン201の材料の対応する容積を取り去るか又は加えることによって補償される。
【0047】
アンダカット211の内面213内に、環状保持リング溝215が、移動軸281に対して対称的に、枢軸183(図2bを参照されたい)に沿って両側に設けられ、これらの環状溝は、アンダカット211の形状のための部分的な環状溝215として形成される。それぞれの環状保持リング溝215は、内面213の直径216から内面213の直径218まで延在する断面を有する(図2cを参照されたい)。
【0048】
コネクティングロッド301(図3aを参照されたい)は、コネクティングロッド頭部303、中間領域305及びクランクシャフト接続部307を有する。コネクティングロッド頭部は、円筒形の外面311を有するふくらみとして設計される。外面311は、ピストンの内面213内の密な摺動及び枢動嵌めであるように機械加工される。さらに、面取り部312が、頭部303の端部領域で枢軸183の方向に配置される。したがって、コネクティングロッド頭部303は、旋回接合が枢軸183を中心にコネクティングロッドとピストンとの間で作られるように、枢軸183に沿ってピストンに横方向に挿入され得る。
【0049】
中間領域305は、コネクティングロッド頭部303をクランクシャフト接続部307と接続し、コネクティングロッド頭部303とクランクシャフト接続部307との間に中立面を有する。中間領域305は、両側に凹部306も有し、それにより、全体として、中間領域305の剛性断面は、二重のT形梁として形成される。さらに、中間領域305に関して向かい合って形成された凹部316を有するウェブ315は、中間領域及びクランクシャフト接続部307が剛性であり、さらに可能な限り軽いように配置される。
【0050】
クランクシャフト接続部307の約半分は、コネクティングロッド301の一部からなる。残りの半分は、コネクティングロッドキャップ308からなり、2つの構成要素は、クランクシャフト軸185の周りで同心状に配置される。クランクシャフトへの低摩擦性、耐磨耗性及び緊急動作可能接続を生成するために、軸受シェル321がクランクシャフト穴309の内面上に設けられる。軸受シェルは、コネクティングロッド301及びロッドキャップ308に対するその位置を回転可能に固定する特徴を設けられる。
【0051】
さらに、コネクティングロッド301は、コネクティングロッド頭部303の外面エリア311上に、より小さい直径のバルブ溝341を有する(図3bを参照されたい)。バルブ溝341は、出口開口343に接続される(図3aを参照されたい)。出口開口343は、オイルチャネル345の一部であり、オイルチャネル345は、出口開口343とクランクシャフト穴309の内部に配置された入口開口347との間に位置する。オイルチャネル345は、中間領域305の中立面(通常動作で金属粒子が圧縮も引張もされない平面)に沿って位置し、それにより、中間領域305は、特に屈曲に対してオイルチャネル345によって可能な限りわずかにのみ弱められる。
【0052】
コネクティングロッド301をピストン201に嵌合するために、コネクティングロッド頭部303は、枢軸183に沿ってピストンのアンダカット211(図2aを参照されたい)に横方向に押し込まれる。環状保持リング溝215内に、保持リング(図示せず)の一部が内面213によって形成されたアンダカット211の断面に挿入されるように、丸いワイヤ断面を有する弾性の保持リングが挿入される。次いで、この保持リングは、コネクティングロッド頭部303上の面取り部312によって環状溝215に押し戻され、それにより、保持リングの断面は、直径216と直径218との間に完全に位置付けることができるように選択される。
【0053】
したがって、面取り部312は、コネクティングロッド頭部303のピストン201への挿入を容易にする。保持リング溝215における保持リングの使用により、枢軸183に沿ったピストンからの意図的ではない取り外しに対して、コネクティングロッド頭部303を固定する。
【0054】
アンダカット211におけるコネクティングロッド頭部とピストン201との間の接続の潤滑に関するクランクユニット101の機能は、以下のように説明される。
【0055】
示されていないクランクシャフトの内部には、クランクシャフトの対応する支持点を潤滑するために延びるオイルチャネルがある。クランクシャフトオイル出口穴は、支持点に設けられる。クランクシャフトは、クランク軸185の周りでそれぞれのコネクティングロッド301を受けるクランクピンジャーナル上に加圧されたエンジンオイルのための対応する出口穴も有する。次いで、エンジンオイルは、クランクシャフト上の周囲の環状溝に供給され、入口開口347(図3aを参照されたい)を通してオイルチャネル345内を出口開口343まで流れる。出口開口343及びバルブ溝341で、加圧されたエンジンオイルが(コネクティングロッド上の)円筒面311と(ピストン上の)円筒内面213との間の枢動するインタフェースの潤滑のために集められるオイルリザーバが作られる。
【0056】
さらに、バルブ溝341は、クランクシャフトの位置及びピストン201に対するコネクティングロッド301の結果としての位置に応じてオイルフローを制御するために使用される。ピストン201が上死点又は下死点に着いたとき、コネクティングロッド301は、移動軸281に沿ってシリンダボア内で本質的に垂直である。その状態では、バルブ溝341は、オイルがバルブ溝341を通して流出できないように、アンダカット211の内面213に対して完全にシールされる。そのとき、例えばシリンダ内の燃料の点火が起こるとき、確実な潤滑及び理想的な潤滑が保証され、ピストン201とコネクティングロッド301との間の熱伝達が保証される。同様に、オイルリザーバのオイルクッションも直接的な材料接触を阻止する。
【0057】
動力行程時、ピストン201は、燃焼ガスによって加熱され、下向きに押される。最初に、クランクシャフトはTDCから約90°枢動し、コネクティングロッド301はピストンに対して枢動する。ここで、バルブ溝341の一部がアンダカット211の縁部217で解放されるように、バルブ溝341は寸法を決めされる(図2cを参照されたい)。このとき、エンジン圧力下でオイルチャネル345を通して供給されるオイルは、バルブ溝341の開いた部分から放出される。このオイルは、同様に加熱され、その放出は、コネクティングロッド/ピストン接続から離れるように熱を伝達する。この状態では、コネクティングロッド頭部303とアンダカット211との間の接続は、比較的軽い負荷をかけられ、それにより、これが、潤滑に利用できるオイルが少ないことを意味するとしても、エンジンオイルの流出は、ここで効果的に使用され得る。
【0058】
次いで、クランクシャフトが下死点(TDCから180°)に接近する場合、アンダカット211はバルブ溝341を閉じる。したがって、このとき、クランクシャフトの慣性力が作用し得る。さらなるクランクシャフトの回転は、排気行程を開始し、これは、閉じたバルブ溝341内に最大油圧を含んで開始される。この時点で、エンジンオイルへのさらなる熱伝達もある。次いで、270°のクランクシャフトの位置で、バルブのバルブ溝341は、縁部217を過ぎて枢動するバルブ溝341の一部によって開けられるため、油圧は、再びエンジンオイルから熱を伝達するために使用される。次いで、360°(0°又はTDCに対応する全角度)のクランクシャフトの位置まで、バルブ溝341は、縁部217によって再び閉じられ、それにより最大油圧が上死点で接続部に再び存在し、オイル放散に対する新たな熱伝達の利用可能性に到達する。このサイクルは、当然のことながら、クランクシャフトの回転ごとに繰り返され、それにより、結果は、枢軸183の周りの運動の十分な潤滑並びにコネクティングロッド301及びピストン201からの最適化された放熱である。
【0059】
図4は、本発明によるクランク機構の実施形態例の部分断面側面図を示し、クランク機構は、上述の実施形態例の1つによるピストン201及び上述の実施形態例の1つによるピストン201内部に位置する潤滑剤ガイドを有する対応するコネクティングロッド301、すなわちクランクユニット101と、クランクシャフト401とを含む。コネクティングロッド301は、通常の方法でクランクシャフト401に結合される。ピストン201は、軸281に沿って移動可能な移動に沿ってシリンダ装置501内に配置される。
【0060】
図5は、往復動ピストン内燃機関601の実施形態例の詳細な斜視部分断面図を示し、直列4気筒エンジンのシリンダバンクを形成する4つのシリンダを有するシリンダ装置501並びに上記の実施形態の1つによるピストン201及びコネクティングロッド301を有する。いずれの場合にも、ピストン201及びコネクティングロッド301は、クランクユニット101を形成する。コネクティングロッド301は、クランクシャフト401に結合される。
【0061】
図4及び5に示される設計例では、ピストン201及びコネクティングロッド301の「内部機構」は、明瞭さのために示されていない。
【0062】
これに関連して、すべての実施形態では、上で説明されたように、ピストン201の幾何学的設計は、放熱も最適化することに留意されたい。ピストン201の受け部210へのコネクティングロッド301の中心接続は、より良好な熱伝導を可能にし、それにより従来技術から知られている「火格子棒」も省くことができる。ピストン201の単純な幾何学的形状及び均一な真円度と共に、これは、製造が容易であり、さらに非常に効率的なディーゼルエンジンをもたらすことを可能にする。
【0063】
結果として、ディーゼルエンジンは、高い燃焼温度において、したがって排出物を削減して効果的な燃焼で動作させることができ、ピストン201の幾何学的形状として、コンパクトなデザイン及び中心に集められた燃焼室により、エンジンを高い燃焼温度で動作させることができる。余分な熱は、コネクティングロッド301に、エンジンの残りの部分を通る制御されたオイルフローによって放散される。循環するオイルは、良好な温度管理を提供する。したがって、全体として、本発明によるピストン201及びコネクティングロッド301の組合せは、往復質量を減少させた。このタイプのピストン201及びコネクティングロッド301が高圧噴射及びターボチャージャを有するディーゼルエンジンに関して本実施例で示されたが、同じ装置は、ガソリンエンジン及び圧縮機を含む他のタイプのエンジン及び機械に好適であることに留意されたい。
【符号の説明】
【0064】
101 クランクユニット
183 旋回軸
185 クランク軸(クランクピン軸)
201 ピストン
203 頂部側(ピストンクラウン)
205 周面
207 下側(下面)
210 コネクティングロッドホルダ
211 アンダカット
213 内面
215 保持リング溝
216 直径
217 縁部
218 直径
219 ピストンスカート
220 カットアウト
221 外周カラー(周囲カラー)
223 リング溝(頂部圧縮リング溝)
225 リング溝(第2の圧縮リング溝)
227 リング溝(オイルコントロールリング溝)
229 ドリル穴
231 肉厚部
233 ポケット
235 肉厚部
241 燃焼キャビティ
243 円錐形ドーム
261 幅
271 切断面
273 切断面
275 切断面
281 移動軸
282 半径
284 半径
301 コネクティングロッド
303 コネクティングロッド頭部
305 中間範囲
306 深み(凹部)
307 クランクシャフト接続部
308 コネクティングロッドキャップ
309 クランクシャフト穴
311 外面
312 面取り部
315 バー(ウェブ)
316 凹部
321 軸受シェル
341 バルブ溝
343 出口開口
345 オイルチャネル
347 入口開口
401 クランクシャフト
501 シリンダ装置
601 往復動内燃機関
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4
図5
【国際調査報告】