IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特表2024-546304無線機器、リソース管理方法、及び通信システム
<>
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図1A
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図1B
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図2A
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図2B
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図3
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図4
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図5
  • 特表-無線機器、リソース管理方法、及び通信システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】無線機器、リソース管理方法、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20241212BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20241212BHJP
   H04W 16/10 20090101ALI20241212BHJP
   H04W 92/02 20090101ALN20241212BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W72/04
H04W16/10
H04W92/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537566
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 CN2022136770
(87)【国際公開番号】W WO2023124815
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111661748.2
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン、シャオウェイ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067AA21
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
無線機器、リソース管理方法、及び通信システムが提供される。通信システム内の無線機器は、複数の無線機器コントローラに接続され得、無線機器は、複数の無線機器コントローラのうちの1つからキャリア確立要求を取得し、当該キャリア確立要求に基づき、キャリアを確立するために使用される物理リソースを決定し得る。少なくとも2つの無線機器コントローラは無線機器内の異なる物理リソースに対応しているため、無線機器は、キャリア確立要求に基づき決定された物理リソース、及び無線機器内の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、キャリアを確立するかどうかを決定し得る。従って、複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有する場合、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線機器であって、前記無線機器は、フロントホールインタフェースを通じて少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されており:
第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されたインタフェースモジュール、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;及び
前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定するように構成された処理モジュール、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示し、
前記処理モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように更に構成されており、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、無線機器。
【請求項2】
前記無線機器は、記憶モジュールを更に備え;
前記記憶モジュールは、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されており、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む
請求項1に記載の無線機器。
【請求項3】
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会するように更に構成されている
請求項1又は2に記載の無線機器。
【請求項4】
前記処理モジュールは、1つの中央制御モジュール及び少なくとも2つのサービス処理モジュールを有し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールと1対1で対応付けられている;
前記中央制御モジュールは:前記キャリア確立要求内の前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールから、前記第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールを決定し、前記第1のサービス処理モジュールに前記キャリア確立要求を送信するように構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは:前記キャリア確立要求に基づき、前記第1の物理リソース情報を決定し、前記中央制御モジュールに前記第1の物理リソース情報を送信するように構成されている;及び
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている
請求項3に記載の無線機器。
【請求項5】
前記無線機器は、キャリア確立モジュールを更に備え;
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、前記第1のキャリアの確立を許可することを決定し、前記第1の物理リソース情報を前記キャリア確立モジュールに送信する
ように特に構成されている;及び
前記キャリア確立モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される前記物理リソースを使用することにより、前記第1のキャリアを確立するように構成されている
請求項4に記載の無線機器。
【請求項6】
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースの前記リソース量に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの前記リソース量を更新するように更に構成されている
請求項5に記載の無線機器。
【請求項7】
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、前記第1のサービス処理モジュールに第1の通知メッセージを送信する、ここで、前記第1の通知メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースが、前記第1のキャリアを確立するには不十分であることを示す
ように特に構成されている;及び
前記第1のサービス処理モジュールは、前記インタフェースモジュールを制御して、前記第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信するように更に構成されており、ここで、前記キャリア確立応答は、前記第1のキャリアの前記確立が失敗したことを示す
請求項4に記載の無線機器。
【請求項8】
前記キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含み、前記第1のキャリアパラメータは、前記第1のキャリアの特性を示す;及び
前記第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、前記第1のキャリアパラメータに基づき前記第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されており、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なり、前記第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む
請求項3~7のいずれか一項に記載の無線機器。
【請求項9】
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信するように更に構成されており、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの使用情報を照会するために使用され、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子を含む;
前記中央制御モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記第1のサービス処理モジュールに前記リソース照会メッセージを送信するように更に構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を照会するように更に構成されている;及び
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を前記第1の無線機器コントローラに送信するように更に構成されている
請求項4~8のいずれか一項に記載の無線機器。
【請求項10】
前記中央制御モジュールは:
障害情報を取得する、ここで、前記障害情報は、前記無線機器内の障害のある物理リソースを示す;
前記少なくとも2つの無線機器コントローラから少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する、ここで、前記第2の無線機器コントローラは、前記障害情報によって示される前記物理リソースを使用する無線機器コントローラである;及び
前記インタフェースモジュールを制御して、前記第2の無線機器コントローラに前記障害情報を送信する
ように更に構成されている、請求項4~9のいずれか一項に記載の無線機器。
【請求項11】
前記インタフェースモジュールは、リソース構成メッセージを取得するように更に構成されており、前記リソース構成メッセージは、前記第1のリソーステーブルを含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の無線機器。
【請求項12】
第1の無線機器コントローラであって、前記第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちのいずれか1つであり:
キャリア確立要求を生成するように構成された処理モジュール、ここで、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用され、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している;及び
前記無線機器に前記キャリア確立要求を送信するように構成されたインタフェースモジュール
を備える、第1の無線機器コントローラ。
【請求項13】
リソース管理方法であって、
無線機器が、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得する段階、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;
前記無線機器が、前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定する段階、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定する段階、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、方法。
【請求項14】
前記無線機器は第1のリソーステーブルを記憶し、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを前記決定する段階の前に、前記方法は:
前記無線機器が、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会する段階
を更に備える、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを前記決定する段階は:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合に、前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報によって示される前記物理リソースを使用することにより、前記第1のキャリアを確立する段階
を有する、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は:
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースの前記リソース量に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの前記リソース量を更新する段階
を更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含み、前記第1のキャリアパラメータは、前記第1のキャリアの特性を示す;及び
前記無線機器が、前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を前記決定する段階は:
前記無線機器が、前記第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、前記第1のキャリアパラメータに基づき前記第1の物理リソース情報を生成する段階、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なり、前記第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む
を有する、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
プロセッサ及びメモリを備える通信装置であって、
前記メモリはコンピュータプログラムを記憶する;及び
前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出して、前記通信装置が請求項13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする
通信装置。
【請求項20】
請求項1~11のいずれか一項に記載の無線機器、及び、請求項12に記載の無線機器コントローラ
を備える、通信システム。
【請求項21】
命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、前記コンピュータは、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、前記コンピュータは、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月30日に中国国家知識産権局に出願された、「RADIO EQUIPMENT,RESOURCE MANAGEMENT METHOD,AND COMMUNICATION SYSTEM」と題した中国特許出願第202111661748.2号に対する優先権を主張するものであり、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の実施形態は通信分野に関し、特に、無線機器、リソース管理方法、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
共有ネットワークとは、ネットワークインフラストラクチャの構築コストを削減すべく、複数の事業者が同じインフラストラクチャ又はネットワークリソース(例えば、一事業者によって構築されたインフラストラクチャ機器又はネットワークリソース)のセットを使用して端末デバイスと通信することを意味する。
【0004】
現在、事業者間におけるネットワーク共有の主要な方式は、アクセスネットワーク共有(radio access network sharing,RAN Sharing)である。具体的には、図1Aにおいて示される通り、主たる事業者は、基地局システム内で無線機器コントローラ及び無線機器を提供し、他の事業者は、それぞれのコアネットワークデバイスを介して主たる事業者の基地局システム内の無線機器コントローラに接続されている。他の事業者は、主たる事業者に接続されたネットワーク管理デバイスを使用して共有無線機器内のリソースを管理する必要がある。
【0005】
基地局システム内の無線機器コントローラは、主たる事業者のネットワーク管理デバイスによってのみ管理され得、他の事業者は、基地局システムを管理する権利を有しない。他の事業者が、リソース申請、キャリア確立、ネットワーク監視、障害対処、及び構成変更などの操作を実行する必要がある場合、対応する操作は、主たる事業者のネットワーク管理デバイスに依存する必要がある。具体的には、主たる事業者のネットワーク管理デバイスは主たる事業者の無線機器コントローラにメッセージを送信し、次に、主たる事業者の無線機器コントローラは無線機器にメッセージを送信して、無線リソースを申請又は管理する。従って、従来技術におけるアクセスネットワーク共有方式は、リソース申請、キャリア確立、ネットワーク監視、障害対処、及び他の事業者の無線機器コントローラの構成変更などの一連の操作の処理効率に重大な影響を与えている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、複数の無線機器コントローラが、無線機器内の物理リソースを独立して管理しつつ、同じ無線機器内の物理リソースを共有するような、無線機器、リソース管理方法、及び通信システムを提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本願は、無線機器を提供する。無線機器は、フロントホールインタフェースを通じて少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されている。無線機器は、主に、インタフェースモジュール及び処理モジュールを含む。
【0008】
インタフェースモジュールは、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されている。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。
【0009】
加えて、本処理モジュールは、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定し、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている。第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。
【0010】
従来技術における無線機器のインタフェースモジュールは、1つの無線機器コントローラ(すなわち、主たる事業者の無線機器コントローラ)にのみ接続されることに留意されたい。従って、従来技術における無線機器のインタフェースモジュールは、別の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得することができない。
【0011】
加えて、本願において、無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されるのみならず、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを把握することもでき、少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。従って、キャリア確立要求を受信した後、無線機器は、第1の無線機器コントローラ(すなわち、キャリア確立要求を送信する無線機器コントローラ)に対応する物理リソースに基づき、第1の物理リソース情報によって示されるリソースが第1のキャリアを確立するのに十分であるかどうかを、他の無線機器コントローラに対応する物理リソースを使用することなく判定し得る。従って、複数の無線機器コントローラは、無線機器内の物理リソースを独立して管理し得る。加えて、複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有する場合、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0012】
可能な実装において、無線機器は、記憶モジュールを更に備える。記憶モジュールは、処理モジュールに結合され得る、又は、処理モジュールとは独立し得る。記憶モジュールは、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されている。第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。
【0013】
例えば、無線機器は、第1の無線機器コントローラ及び第2の無線機器コントローラに接続されている。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。第2の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちのもう1つである。この場合、記憶モジュールに記憶された第1のリソーステーブルは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソース、及び第2の無線機器コントローラに対応する物理リソースを含む。第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。第2の無線機器コントローラに対応する物理リソースも、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。
【0014】
任意選択的に、第1のリソーステーブルは、各無線機器コントローラによって使用されることを許可された物理リソースのタイプ、及び、各タイプの物理リソースのリソース量又は各タイプの物理リソースのリソース属性を更に含む。
【0015】
第1のリソーステーブル内の各無線機器コントローラに対応する物理リソースは、手動で予め割り当てられ得る、又は、無線機器によって動的に割り当てられ得ることを理解されたい。例えば、第1のリソーステーブルは、無線機器の記憶モジュールに手動で入力され得る、又は、第1のリソーステーブルは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つに手動で入力され得、無線機器コントローラは、無線機器に第1のリソーステーブルを送信し、次に、無線機器は、記憶モジュールに第1のリソーステーブルを記憶する。無線機器が第1のリソーステーブルを取得する実装は、本願において限定されない。上述の実装のうちのいずれのものであるかにかかわらず、異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースが決定され、無線機器の処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのみを、使用のために第1の無線機器コントローラに割り当て得ることを理解されたい。
【0016】
従来技術において、主たる事業者の無線機器コントローラが無線機器からのリソースを申請するため、無線機器は、主たる事業者の無線機器コントローラによって申請された物理リソースがどの事業者のキャリアを確立するために使用されるかを感知しない。従って、従来技術における無線機器は、上述の第1のリソーステーブルを有しない。本願において、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを記録する第1のリソーステーブルは無線機器に記憶されており、それにより、無線機器内の物理リソースは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ得、キャリア確立フェーズにおいて各無線機器コントローラに対応する物理リソースを無線機器が使用することを可能にし、かつ、無線機器内のリソース割り当てが競合しないことを確実にする。
【0017】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。処理モジュールは、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会するように更に構成されている。
【0018】
本実装において、処理モジュールが、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会し、無線機器による、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの照会の正確度を確保するのに役立ち得ることが提案される。
【0019】
任意選択的に、第1のリソーステーブル内の異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースに関する情報が異なる記憶位置に記憶されている場合、処理モジュールは、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル全体の記憶位置をトラバースすることなく、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの記憶ページのみを照会し得る。
【0020】
可能な実装において、処理モジュールは、1つの中央制御モジュール及び少なくとも2つのサービス処理モジュールを含む。少なくとも2つの無線機器コントローラは、少なくとも2つのサービス処理モジュールと1対1で対応付けられている。
【0021】
中央制御モジュールは、キャリア確立要求内の第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、少なくとも2つのサービス処理モジュールから、第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールを決定し、第1のサービス処理モジュールにキャリア確立要求を送信するように構成されている。
【0022】
第1のサービス処理モジュールは:キャリア確立要求に基づき第1の物理リソース情報を決定し、中央制御モジュールに第1の物理リソース情報を送信するように構成されている。次に、中央制御モジュールは、第1の物理リソース情報、及び第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する。
【0023】
本実装において、処理モジュールは、制御タイプモジュール(すなわち、中央制御モジュール)及びサービスタイプモジュール(すなわち、少なくとも2つのサービス処理モジュール)の、2つのタイプのモジュールを含む。少なくとも2つのサービス処理モジュールは互いに独立しており、各サービス処理モジュールは無線機器コントローラに対応しているため、各サービス処理モジュールは、対応する無線機器コントローラ向けのメッセージ(例えば、キャリア確立要求)を独立して処理し得る。1つのサービス処理モジュールのみが異なる無線機器コントローラからのメッセージを処理する解決手段と比較すると、本解決手段は、サービス処理効率を向上させるのに役立つのみならず、1つの無線機器内でサービス処理多様性を実装するのにも役立ち、かつ、各サービス処理モジュールの独立した更新及び保守を実装するのにも役立つ。加えて、無線機器に接続された複数の無線機器コントローラが異なる事業者に属する場合、異なる事業者のサービス処理モジュール(これは、サービス処理ソフトウェアとしても理解され得る)が無線機器内で実行されて、異なるサービス処理モジュールに基づき、1つの無線機器内で、事業者の要件を満たす異なるキャリアを生成するのに役立ち得る。
【0024】
可能な実装において、無線機器は、キャリア確立モジュールを更に備える。中央制御モジュールは、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、第1のキャリアの確立を許可することを決定し、第1の物理リソース情報をキャリア確立モジュールに送信するように特に構成されている。キャリア確立モジュールは、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立するように構成されている。
【0025】
可能な実装において、中央制御モジュールは、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更新するように更に構成されている。
【0026】
可能な実装において、中央制御モジュールは:第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、第1のサービス処理モジュールに第1の通知メッセージを送信する、ここで、第1の通知メッセージは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースが、第1のキャリアを確立するには不十分であることを示す、ように特に構成されている。
【0027】
第1のサービス処理モジュールは、インタフェースモジュールを制御して、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信するように更に構成されている。キャリア確立応答は、第1のキャリアの確立が失敗したことを示す。
【0028】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含む。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。
【0029】
第1のサービス処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、第1のキャリアパラメータに基づき第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されている。少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なる。第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0030】
可能な実装において、無線機器は、無線機器コントローラの粒度に基づき、少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つに対応する物理リソースの使用情報を更に照会し得る。照会プロセスでは、インタフェースモジュール、中央制御モジュール、及び第1のサービス処理モジュール(すなわち、照会される必要がある無線機器コントローラに対応するサービス処理モジュール)を使用する。
【0031】
具体的には、インタフェースモジュールは、第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信するように更に構成されている。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会するために使用される。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。次に、中央制御モジュールは、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールにリソース照会メッセージを送信するように更に構成されている。次に、第1のサービス処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会するように更に構成されている。次に、インタフェースモジュールは、第1の無線機器コントローラに、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を送信するように更に構成されている。
【0032】
本実装において、各サービス処理モジュールが、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会して、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を無線機器コントローラにフィードバックし得ることが提案される。本解決手段は、無線機器が、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用について、他の無線機器コントローラに誤って報告することを防止するのに役立ち、かつ、無線機器による、各無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報の照会の正確度を向上させるのに役立つ。
【0033】
可能な実装において、無線機器は、無線機器コントローラの粒度に基づき、障害情報を更にフィードバックし得、換言すれば、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラ内の幾つかの無線機器コントローラに障害情報をフィードバックし得る。障害フィードバックプロセスでは、インタフェースモジュール及び中央制御モジュールを使用する。
【0034】
中央制御モジュールは、障害情報を取得するように構成されている。障害情報は、無線機器内の障害のある物理リソースを示す。次に、中央制御モジュールは、少なくとも2つの無線機器コントローラから、少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する。第2の無線機器コントローラは、障害情報によって示される物理リソースを使用する無線機器コントローラである。次に、インタフェースモジュールは、第2の無線機器コントローラに障害情報を送信するように制御される。
【0035】
本実装において、無線機器が、無線機器コントローラの粒度に基づき障害フィードバックを更に実行し得ることが提案される。具体的には、無線機器は、どの無線機器コントローラが障害のある物理リソースによって影響を受けるかを決定し得、次に、無線機器は、無線機器に接続された全ての無線機器コントローラに障害情報をフィードバックする代わりに、影響を受けた無線機器コントローラにのみ障害情報をフィードバックし得る。
【0036】
可能な実装において、インタフェースモジュールは、リソース構成メッセージを取得するように更に構成されている。リソース構成メッセージは、第1のリソーステーブルを含む。
【0037】
本実装において、無線機器及び無線機器コントローラは必ずしも同じ地理的位置に配置されていない(例えば、無線機器は、通常、信号塔上に配置され、無線機器コントローラは、基地局の機器室内に配置される)ため、第1のリソーステーブルは、無線機器に接続された無線機器コントローラを介して無線機器に送信されて、リソース構成効率を向上させ、信号塔上での手動構成を回避するのに役立ち、かつ、操作及び保守管理の複雑さを軽減させるのに役立つ。
【0038】
第2の態様によれば、本願は、第1の無線機器コントローラを提供する。第1の無線機器コントローラは、1つの無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。第1の無線機器コントローラは、処理モジュール及びインタフェースモジュールを含む。
【0039】
処理モジュールは、キャリア確立要求を生成するように構成されている。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。インタフェースモジュールは、無線機器にキャリア確立要求を送信するように構成されている。
【0040】
任意選択的に、キャリア確立要求において搬送される第1の無線機器コントローラの識別子は、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを識別及び照会するために無線機器によって使用される。
【0041】
本実施形態において、無線機器に接続された複数の無線機器コントローラのうちのいずれか1つが、無線機器にキャリア確立要求を送信し、無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立することを要求し得る。従って、複数の無線機器コントローラは、無線機器内の物理リソースを独立して管理し得る。複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有する場合、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0042】
第3の態様によれば、本願は、リソース管理方法を提供する。リソース管理方法は、少なくとも2つの無線機器コントローラに接続された無線機器によって実行される。本方法において、無線機器は、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得し得る。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。次に、無線機器は、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定する。第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。次に、無線機器は、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。
【0043】
本願において、無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されるのみならず、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを把握することもでき、少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。従って、キャリア確立要求を受信した後、無線機器は、第1の無線機器コントローラ(すなわち、キャリア確立要求を送信する無線機器コントローラ)に対応する物理リソースに基づき、第1の物理リソース情報によって示されるリソースが第1のキャリアを確立するのに十分であるかどうかを、他の無線機器コントローラに対応する物理リソースを使用することなく判定し得る。従って、複数の無線機器コントローラは、無線機器内の物理リソースを独立して管理し得る。複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有する場合、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0044】
可能な実装において、無線機器は、第1のリソーステーブルを記憶する。第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。
【0045】
任意選択的に、第1のリソーステーブルは、各無線機器コントローラによって使用されることを許可された物理リソースのタイプ、及び、各タイプの物理リソースのリソース量又は各タイプの物理リソースのリソース属性を更に含む。
【0046】
第1のリソーステーブル内の各無線機器コントローラに対応する物理リソースは、手動で予め割り当てられ得る、又は、無線機器によって動的に割り当てられ得ることを理解されたい。例えば、第1のリソーステーブルは、無線機器の記憶モジュールに手動で入力され得る、又は、第1のリソーステーブルは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つに手動で入力され得、無線機器コントローラは、無線機器に第1のリソーステーブルを送信し、次に、無線機器は、記憶モジュールに第1のリソーステーブルを記憶する。無線機器が第1のリソーステーブルを取得する実装は、本願において限定されない。上述の実装のうちのいずれのものであるかにかかわらず、異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースが決定され、無線機器の処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのみを、使用のために第1の無線機器コントローラに割り当て得ることを理解されたい。
【0047】
従来技術において、主たる事業者の無線機器コントローラが無線機器からのリソースを申請するため、無線機器は、主たる事業者の無線機器コントローラによって申請された物理リソースがどの事業者のキャリアを確立するために使用されるかを感知しない。従って、従来技術における無線機器は、上述の第1のリソーステーブルを有しない。本願において、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを記録する第1のリソーステーブルは無線機器に記憶されており、それにより、無線機器内の物理リソースは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ得、キャリア確立フェーズにおいて各無線機器コントローラに対応する物理リソースを無線機器が使用することを可能にし、かつ、無線機器内のリソース割り当てが競合しないことを確実にする。
【0048】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。
【0049】
無線機器が、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する前に、本方法は、更に以下を備える。
【0050】
無線機器は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会する。
【0051】
本実装において、無線機器が、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会し、無線機器による、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの照会の正確度を確保するのに役立ち得ることが提案される。
【0052】
可能な実装において、無線機器が、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定することは、以下のことを有する。
【0053】
第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立する。
【0054】
可能な実装において、本方法は、以下を更に備える。
【0055】
無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更新する。
【0056】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含む。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。
【0057】
無線機器が、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定することは、以下のことを有する。
【0058】
無線機器は、第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、第1のキャリアパラメータに基づき第1の物理リソース情報を生成する。少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なる。第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0059】
可能な実装において、無線機器が第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより第1のキャリアを確立した後に、本方法は、以下のことを更に備える。
【0060】
無線機器は、第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信する。リソース照会メッセージは、無線機器の第1の無線機器に対応する物理リソースの使用情報を照会するために使用される。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。
【0061】
無線機器は、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会する。
【0062】
無線機器は、第1の無線機器コントローラに、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を送信する。
【0063】
本実装において、無線機器が、無線機器コントローラの粒度に基づき、少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つに対応する物理リソースの使用情報を更に照会して、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を無線機器コントローラにフィードバックし得ることが提案される。本解決手段は、無線機器が、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用について、他の無線機器コントローラに誤って報告することを防止するのに役立ち、かつ、無線機器による、各無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報の照会の正確度を向上させるのに役立つ。
【0064】
可能な実装において、本方法は、以下を更に備える。
【0065】
無線機器は、障害情報を取得する。障害情報は、無線機器内の少なくとも1つのタイプの障害のある物理リソースを示す。
【0066】
無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラから、少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する。第2の無線機器コントローラは、障害情報によって示される物理リソースを使用する無線機器コントローラである。
【0067】
無線機器は、第2の無線機器コントローラに障害情報を送信する。
【0068】
本実装において、無線機器が、無線機器コントローラの粒度に基づき障害フィードバックを更に実行し得ることが提案される。具体的には、無線機器は、どの無線機器コントローラが障害のある物理リソースによって影響を受けるかを決定し得、次に、無線機器は、無線機器に接続された全ての無線機器コントローラに障害情報をフィードバックする代わりに、影響を受けた無線機器コントローラにのみ障害情報をフィードバックし得る。
【0069】
可能な実装において、無線機器が第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を受信する前に、本方法は、以下を更に備える。
【0070】
無線機器は、リソース構成メッセージを取得する。リソース構成メッセージは、第1のリソーステーブルを含む。無線機器は、リソース構成メッセージを構文解析し、記憶モジュールにリソース構成メッセージを記憶する。
【0071】
例えば、無線機器は、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つから、リソース構成メッセージを受信する。リソース構成メッセージは、第1のリソーステーブルを含む。
【0072】
本態様においては複数の他の実装が存在することに留意されたい。詳細については、第1の態様の実装及び有益な効果を参照されたい。本明細書では、詳細を再び説明しない。
【0073】
第4の態様によれば、本願の実施形態は、通信装置を提供する。通信装置は、上述の実装における無線機器であり得、又は、無線機器内のチップ又は機能モジュールであり得る。通信装置は、処理モジュール及び送受信機モジュールを含み得る。通信装置が無線機器である場合、処理モジュールはプロセッサであり得、送受信機モジュールは送受信機であり得る。無線機器は、記憶モジュールを更に含み得る。記憶モジュールは、メモリであり得る。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成されている。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行し、第3の態様、又は第3の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を無線機器が実行することを可能にする。通信装置が無線機器内のチップである場合、処理モジュールはプロセッサであり得、送受信機モジュールは、入力/出力インタフェース、ピン、又は回路等であり得る。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行し、第3の態様、又は第3の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を無線機器が実行することを可能にする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えば、レジスタ又はキャッシュ)であり得、又は、無線機器内の、チップの外部に配置された記憶モジュール(例えば、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ)であり得る。
【0074】
第5の態様によれば、本願の実施形態が通信装置を提供する。通信装置は、上述の実装における無線機器コントローラであり得、又は、無線機器コントローラ内のチップ又は機能モジュールであり得る。通信装置は、処理モジュール及び送受信機モジュールを含み得る。通信装置が無線機器コントローラである場合、処理モジュールはプロセッサであり得、送受信機モジュールは送受信機であり得る。無線機器コントローラは、記憶モジュールを更に含み得る。記憶モジュールは、メモリであり得る。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成されている。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行し、無線機器コントローラが第2の態様において説明された機能を実行することを可能にする。通信装置が無線機器コントローラ内のチップである場合、処理モジュールはプロセッサであり得、送受信機モジュールは、入力/出力インタフェース、ピン、又は回路等であり得る。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行し、無線機器コントローラが第2の態様において説明された機能を実行することを可能にする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えば、レジスタ又はキャッシュ)であり得、又は、無線機器コントローラ内の、チップの外部に配置された記憶モジュール(例えば、リードオンリメモリ又はランダムアクセスメモリ)であり得る。
【0075】
第6の態様によれば、本願は、通信装置を提供する。本装置は、集積回路チップであり得る。集積回路チップは、プロセッサを含む。プロセッサは、メモリに結合されている。メモリは、プログラム又は命令を記憶するように構成されている。プログラム又は命令がプロセッサによって実行された場合、通信装置は、第3の態様、又は第3の態様及び上述の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0076】
第7の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第3の態様、又は第3の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0077】
第8の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第3の態様、又は第3の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行することが可能になる。
【0078】
第9の態様によれば、本願の実施形態は、通信システムを提供する。通信システムは、第1の態様、又は第1の態様の実装のうちのいずれか1つによる無線機器、及び、第2の態様、又は第2の態様の実装のうちのいずれか1つによる無線機器コントローラを含む。例えば、通信システムは、基地局システムであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
本願の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するための添付図面を簡単に説明する。以下の説明において、添付図面は本願の幾つかの実施形態を示しているに過ぎないことが明らかである。
【0080】
図1A】基地局システムの構成構造の例示的な図である。
【0081】
図1B】本願による通信システムの構成構造の例示的な図である。
【0082】
図2A】本願による無線機器の内部構造の実施形態の概略図である。
【0083】
図2B】本願による無線機器の内部構造の別の実施形態の概略図である。
【0084】
図3】本願による通信装置の実施形態の概略図である。
【0085】
図4】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【0086】
図5】本願による無線機器コントローラの内部構造の実施形態の概略図である。
【0087】
図6】本願によるリソース管理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0088】
以下では、本願の実施形態における添付図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は、本願の実施形態の全てではなく一部に過ぎないことが明らかである。
【0089】
本願の明細書、特許請求の範囲及び添付図面において、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等の用語(存在する場合)は、同様の対象間を区別することを意図しているが、必ずしも特定の順序又は順番を示すわけではない。そのような方法で使用される用語は、適切な状況において交換可能であり、そのため、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で図示される、又は説明される順序以外の順序で実装され得ることを理解されたい。加えて、「含む」及び「有する」という用語、及びあらゆる他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、段階又はユニットの列挙を含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、それらの明示的に列挙されている段階又はユニットに必ずしも限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他の段階又はユニットを含み得る。
【0090】
本願において、複数の無線機器コントローラが同じ無線機器内の物理リソースを共有することを可能にするために、図1Bに示される通信システムが提供される。通信システムは、1つの無線機器及び少なくとも2つの無線機器コントローラを含む基地局システムであり得る。各無線機器コントローラは、ネットワーク管理デバイスに接続され得、ユーザは、ネットワーク管理デバイスを介して、ネットワーク管理デバイスに接続された無線機器コントローラを管理し、無線機器コントローラを介して無線機器内の物理リソースの使用を申請し得る。
【0091】
無線機器コントローラは、ネットワーク要素、又は、ベースバンド信号処理機能を有するデバイス、又は、アクセスネットワーク(radio access network,RAN)を管理するための無線信号処理機能を有するデバイスであり得る。無線機器コントローラは、符号化、多重化、変調、及び拡散などのベースバンド信号処理機能を完成させ、無線機器からの信号を処理する機能を完成させ、無線機器に対するローカル管理及びリモート操作及び保守を実行する機能を実装し、かつ、送信デバイス又は無線機器についてのクロック同期の機能を提供し得る。例えば、無線機器コントローラは、アクセスネットワークデバイス(例えば、基地局)内のベースバンド処理ユニット(baseband unit,BBU)(これは、ビルディングベースバンドユニット(building baseband unit,BBU)とも称される)であり得る。例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution advanced,LTE)システム又はロングタームエボリューションアドバンスト(long term evolution advanced,LTE-A)システムにおいて、無線機器コントローラは、進化型NodeB(evolved NodeB、eNB又はe-NodeB)内のベースバンド処理ユニットBBUであり得る。別の例として、5G NRシステムにおいて、無線機器コントローラは、次世代NodeB(next generation NodeB,gNB)におけるベースバンド処理ユニットBBUであり得る。例えば、第5世代移動情報技術(5th generation mobile communication technology,5G)新無線(new radio,NR)システムにおいて、無線機器コントローラは、代替的に、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network,Cloud RAN)又はオープン無線アクセスネットワーク(open radio access network,ORAN)システムにおける分散ユニット(distributed unit,DU)、又は中央ユニット(central unit,CU)(これは、制御ユニットとも称される)であり得、又は中央ユニットCU及び分散ユニットDUの組み合わせ構造であり得る。実際の応用及び以後のネットワーク進化において、無線機器コントローラは、代替的に、ベースバンド信号処理機能を有する別のデバイス又は装置、又は、アクセスネットワークRANを管理するための無線信号処理機能を有する別のデバイス又は装置であり得る。
【0092】
加えて、上記で説明された無線機器は、アクセスネットワークRANデバイス(例えば、基地局)内の無線ユニット(radio unit,RU)(これは、無線周波数ユニットとも称される)であり得る、又は、無線信号(例えば、中間周波数信号又は無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であり得る。例えば、無線機器は、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit,RRU)(これは、リモート無線モジュールとも称される)又はリモート無線ヘッド(remote radio head,RRH)であり得る。RRUは、概して、マクロ基地局の従来の屋外カバレッジのために使用される。RRHは、概して、屋内分散システムの屋内カバレッジのために使用される。例えば、無線機器は、代替的に、アクティブアンテナユニット(active antenna unit,AAU)、すなわち、RRU(又はRRH)及びアンテナを統合した処理ユニットであり得る。実際の応用及び以後のネットワーク進化において、無線機器は、代替的に、無線周波数信号を受信及び送信し、無線周波数信号又は中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイス又は装置であり得る。
【0093】
任意選択的に、例えば、ベースバンドユニットの一部の物理層機能が、無線周波数ユニットによって実装され得る。この場合、無線機器は、BBUの一部の物理層機能、例えば、変調、復調、層マッピング、高速フーリエ変換(fast Fourier transform,FFT)、及びチャネル推定/均等化などの機能を有し得る。
【0094】
任意選択的に、無線機器及び無線機器コントローラは、送信媒体(例えば、光ファイバ又はケーブルなどの送信媒体)を使用することにより直接接続され得、又は、1つ又は複数の送信デバイスを含むフロントホールネットワーク(fronthaul transport network,FTN)を使用することにより接続され得る。フロントホールネットワークは、LTEシステムにおけるフロントホールネットワーク、5G NRにおけるフロントホールネットワーク、第6世代移動情報技術(6th generation mobile communication technology,6G)システムにおけるフロントホールネットワーク、及び更には以後の進化規格におけるフロントホールネットワークを含むが、これらに限定されない。送信デバイスは、フロントホールネットワーク内でデータを送信するように構成されたネットワークデバイスである。例えば、送信デバイスは、パケットトランスポートネットワーク(packet transport network,PTN)デバイス、ルータ、スイッチ、マイクロ波デバイス、及び光トランスポートネットワーク(optical transport network,OTN)デバイスなどのパケット処理及びデータ送信を実装し得るネットワークデバイスであり得る。加えて、送信デバイスは、上述の1つ又は複数のデバイスの機能を統合したネットワークデバイスであり得る。これは、本明細書において特に限定されない。
【0095】
加えて、本願において提供される通信システムにおける無線機器及び無線機器コントローラは、フロントホールインタフェースを通じて接続されている。フロントホールインタフェースは、通信システムを介して物理層を分割するための従来技術において定義されるインタフェース、例えば、拡張型共有公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface,eCPRI)、共有公衆無線インタフェース(common public radio interface,CPRI)、オープン基地局アーキテクチャ(open base station architecture initiative,OBASI)、又は、無線機器及び無線機器コントローラを接続し得る別のインタフェースであり得る。
【0096】
無線機器コントローラ及び無線機器の間で使用される通信プロトコルが異なる場合、換言すれば、無線機器コントローラ及び無線機器の間で使用されるフロントホールインタフェースが異なる場合、無線機器コントローラは異なる名称を有し得、無線機器も異なる名称を有し得ることを更に理解されたい。例えば、共通公衆無線インタフェース(common public radio interface,CPRI)プロトコルにおいて、無線機器コントローラは、無線機器コントローラ(radio equipment controller,REC)と称され、無線機器は、無線機器(radio equipment,RE)と称される。拡張型共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface,eCPRI)プロトコルにおいて、無線機器コントローラは、eCPRI無線機器コントローラ(eCPRI radio equipment controller,eREC)と称され、無線機器は、eCPRI無線機器(eCPRI radio equipment,eRE)と称される。ベースバンドユニット及び無線周波数ユニット向けの通信を提供する他のプロトコルにおいて、無線機器コントローラは他の名称をも有し得ることを理解されたい。具体的には、無線機器コントローラの特定の実装形態及び特定の名称は本願において限定されず、「無線機器コントローラ」という名称が、以下で説明のために使用される。同様に、ベースバンドユニット及び無線周波数ユニット向けの通信を提供する他のプロトコルにおいて、無線機器は他の名称をも有し得る。具体的には、無線機器の特定の実装形態及び特定の名称は本願において限定されず、「無線機器」という名称が、以下で説明のために使用される。
【0097】
以下では、図2Aを参照して無線機器の内部構造を説明する。図2Aは、本願による無線機器20の実装を示す。無線機器20は、インタフェースモジュール201及び処理モジュール202を含む。任意選択的に、無線機器20は、記憶モジュール203及びキャリア確立モジュール204を更に含む。
【0098】
インタフェースモジュール201は、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されている。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。例えば、図2Aにおいて、無線機器20は、無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2を含むn個の無線機器コントローラに接続されており、ここで、nは1よりも大きい整数である。この場合、第1の無線機器コントローラは、図2Aにおけるn個の無線機器コントローラのうちの1つである。
【0099】
任意選択的に、少なくとも2つの無線機器コントローラは、異なる事業者に属する無線機器コントローラであり得る。例えば、無線機器コントローラ1は事業者1に属し、無線機器コントローラ2は事業者2に属し、ここで、事業者1及び事業者2は異なる事業者である。概して、2つの無線機器コントローラが異なる事業者に属する場合、当該2つの無線機器コントローラは異なる管理ロジックを有し、無線機器内の異なる物理リソースを使用し得る。
【0100】
加えて、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。また、キャリア確立要求は、幾つかの物理リソースを使用するように無線機器に申請するために使用され、それにより、当該無線機器は、物理リソースを使用して、第1の無線機器コントローラのための第1のキャリアを確立するものとして理解され得る。当然ながら、キャリア確立要求は、第1のキャリアを確立するために必要とされる幾つかの情報を搬送し、詳細は以下で説明される。
【0101】
加えて、処理モジュール202は、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定し、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている。
【0102】
第1の物理リソース情報は、キャリア確立要求において搬送されるコンテンツに基づき処理モジュール202により決定され、第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。第1の物理リソース情報は、1つのタイプの物理リソースを示し得る、又は、複数のタイプの物理リソースを示し得ることを理解されたい。物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースを含むが、これらに限定されない。従って、第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0103】
周波数帯域リソースとは、キャリアが確立されるときに使用される周波数帯域又は周波数領域範囲を指す。概して、周波数帯域リソースは、事業者に関連するリソースである。各事業者は、固定された周波数帯域を有し、異なる事業者は、異なる周波数帯域を使用することを許可されている。例えば、周波数帯域リソースは事業者のライセンスされた(licensed)周波数帯域であり、異なる事業者は異なるライセンスされた(licensed)周波数帯域を有する。無線機器コントローラは、当該無線機器コントローラが属する事業者の周波数帯域のみを使用することを許可されている。例えば、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)が事業者1に属する場合、事業者2の無線機器コントローラは、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)の周波数帯域リソースを使用することができず、事業者1の無線機器コントローラのみが、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)の周波数帯域リソースの使用を申請することができる。加えて、周波数帯域リソースは、送信周波数及び受信周波数を含む。概して、周波数分割複信(frequency division duplex,FDD)モードにおいて、送信周波数は、受信周波数とは異なる。例えば、1.8GHzにおいて、1765MHz~1785MHzが送信周波数(これは、アップリンク周波数とも称され得る)として設定され得、1860MHz~1880MHzが受信周波数(これは、ダウンリンク周波数とも称され得る)として設定され得る。別の例として、2.1GHzにおいて、1920MHz~1960MHzが送信周波数として設定され得、2110MHz~2150MHzが受信周波数として設定され得る。概して、時分割複信(time division duplex,TDD)モードにおいて、送信周波数は、受信周波数と同じであり得る。例えば、3.5GHzにおいて、3580MHz~3600MHzが送信周波数及び受信周波数帯域として設定され得る。
【0104】
周波数帯域リソースについてFDDモード又はTDDモードのいずれを使用するかは、無線機器コントローラによって確立される必要があるキャリアに関連していることを理解されたい。周波数帯域リソースの複信モードは、本願において限定されない。
【0105】
加えて、電力リソースとは、電力増幅器によって増幅される確立されたキャリアの電力の倍数を指す。概して、異なる周波数帯域リソースを使用するキャリアによって使用され得る電力リソースは、独立している。電力リソースは周波数帯域レベルにあり、無線機器は同じ周波数帯域内の全てのキャリアと電力リソースを共有することを理解されたい。例えば、1.8GHzにおける全てのキャリアが20Wの電力リソースを共有し、2.1GHzにおける全てのキャリアが40Wの電力リソースを共有する。従って、周波数帯域のうちの1つにおけるキャリアが大量の電力リソースを占有する(例えば、送信電力が高い)場合、当該周波数帯域内の他のキャリアは少量の電力リソースを占有し得る(例えば、送信電力が低い)。キャリアの送信電力がより高いことは、当該キャリアの送信距離がより長いこと、及び当該キャリアによって提供され得るサービスの範囲がより広いことを示すことを理解されたい。しかしながら、送信電力がより高いことは、最適な選択肢ではない場合がある。端末デバイスの送信電力は固定されているため、送信距離が極めて長い場合、当該端末デバイスは、無線機器からの信号のみを受信し得るが、当該無線機器は、当該端末デバイスによって送信される信号を受信することができない。概して、事業者は、同じカバレッジを確保するために、スペクトル帯域幅に基づき電力を均等に割り当てる。例えば、2.1GHzの電力が20Wであり、2.1GHzにおいて2つのキャリアが存在し、当該2つのキャリアの帯域幅がそれぞれ20M及び5Mである場合、20Mのキャリアによって占有される電力リソースは16Wであり、5Mのキャリアによって占有される電力リソースは4Wである。
【0106】
加えて、チャネルリソースの量とは、占有されている無線周波数リンクチャネルの量を指す。概して、チャネルリソースは周波数帯域に関連する。例えば、無線機器において、2.1GHz周波数帯域におけるチャネルリソースの量が2Tであり、1.8GHz周波数帯域におけるチャネルリソース量が3Tである場合、それは、無線機器が2.1GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに最大で2つのチャネルを使用し得、1.8GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに最大で3つのチャネルを使用し得ることを示す。幾つかの可能な実装において、チャネルリソースは、占有されているチャネルの識別子又は番号を更に示し得る、すなわち、どのチャネルが占有されているかを示し得る。例えば、無線機器において、2.1GHz周波数帯域におけるチャネルリソースの量がT1及びT2である場合、それは、無線機器が2.1GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに、「T1」及び「T2」と番号が付された2つのチャネルを使用し得ることを示す。
【0107】
無線機器内のチャネルの送信デバイスは独立しているため、当該無線機器内のチャネルの電力も互いに独立していることに留意されたい。チャネルが複数の無線機器コントローラによって共有されている場合、当該チャネルの電力も当該複数の無線機器コントローラによって共有される必要がある。従って、実際の応用においては、概して、チャネルリソース及び電力リソースを組み合わせることによる共有が検討される。可能な実装において、チャネルリソース及び電力リソースがチャネル電力リソースへと組み合わされる。例えば、チャネルA上で、1.8GHzに割り当てられる電力は20Wであり、2.1GHzに割り当てられる電力は40Wである。
【0108】
加えて、キャリアリソースの量とは、無線機器によって処理され得るキャリアの量を指す。キャリアリソースは、主に、中間周波数デジタルリソースであり、各キャリアに対して周波数変換/クリッピング/プリディストーションなどの処理を実行するために使用される。例えば、無線機器のキャリアリソースの最大量は4である(換言すれば、無線機器は、最大で4つのキャリアを処理し得る)。無線機器コントローラに対応する周波数帯域リソースは、2.1GHz(2130MHz~2150MHz)20M及び1.8GHz(1830MHz~1850MHz)20Mであると仮定される。無線機器コントローラが1つの2.1GHz 20Mキャリア及び1つの1.8GHz 20Mキャリアを確立することを選択した場合、無線機器によって消費される必要のあるキャリアリソースの量は2である。無線機器コントローラが2つの2.1GHz 10Mキャリア及び2つの1.8GHz 10Mキャリアを確立することを選択した場合、無線機器によって消費される必要のあるキャリアリソースの量は4である。複数の無線機器コントローラがキャリアリソースを共有する場合、無線機器コントローラがより多くのキャリアリソースを使用するほど、他の無線機器コントローラにとって利用可能であるキャリアリソースはより少なくなり、他の無線機器コントローラは、スペクトル/電力リソースが存在する場合であっても、キャリアリソースの欠如に起因して、キャリアを首尾よく確立することができない。
【0109】
加えて、フロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのサービスフローの量を指す。フロー量リソースは、アップリンクフロー量リソース及びダウンリンクフロー量リソースを含む。アップリンクフロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのアップリンクサービスフローの量を指す。ダウンリンクフロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのダウンリンクサービスフローの量を指す。
【0110】
フロー量リソースは、ベースバンド処理リソースのタイプであることを理解されたい。無線機器がベースバンド処理機能を有する場合、例えば、無線機器コントローラがAAUである場合、無線機器は、複数の無線機器コントローラとフロー量リソースを共有し得る。概して、無線機器コントローラに割り当てられるフロー量リソースがより多いことは、無線機器が当該無線機器コントローラについてより多くの端末ユーザのデータを処理し得、従って、より良い通信体験がユーザのために提供され得ることを示す。
【0111】
物理リソースは、読者による理解を容易にするために列挙された例に過ぎないことを理解されたい。実際の応用において、無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラのために他のタイプの物理リソースを更に提供し得る。本願は、無線機器によって提供される特定の物理リソースを限定しない。
【0112】
具体的には、第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースのタイプを示し得るのみならず、各タイプの物理リソースのリソース量をも示し得る。例えば、第1の物理リソース情報は、チャネルリソースが第1のキャリアを確立するために必要とされることを示し得るのみならず、2つのチャネルのチャネルリソースが第1のキャリアを確立するために必要とされること、換言すれば、チャネルリソースのリソース量が、2つのチャネルのチャネルリソースを含むことをも明確に示し得る。別の例として、第1の物理リソース情報は、電力リソースが第1のキャリアを確立するために必要とされることを示し得るのみならず、第1のキャリアを確立するために必要とされる電力リソースが20Wであること、換言すれば、第1のキャリアの送信電力が20Wであることをも明確に示し得る。別の例として、チャネルリソース及び電力リソースがチャネル電力リソースへと組み合わされたとき、第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされるチャネル電力リソースがチャネルAの20Wであることを示し得る。具体的には、第1のキャリアはチャネルAを使用し、第1のキャリアの送信電力は20Wである。
【0113】
第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースのタイプ、及び各タイプの物理リソースのリソース量を示し得るのみならず、各タイプの物理リソースの属性をも示し得ることを理解されたい。例えば、第1の物理リソース情報は、そのタイプが周波数帯域リソースである物理リソースが第1のキャリアを確立するために必要とされ、当該周波数帯域リソースのリソース量は5MHzであり、当該周波数帯域リソースの属性は1.8GHz(1890MHz~1895MHz)であることを示し得る。別の例として、第1の物理リソース情報は、そのタイプがチャネルリソースである物理リソースが第1のキャリアを確立するために必要とされ、周波数帯域リソースのリソース量は2つのチャネルのチャネルリソースを含み、当該周波数帯域リソースの属性は、そのチャネル番号がT1である無線周波数チャネル及びそのチャネル番号がT2である無線周波数チャネルであることを示し得る。
【0114】
異なる無線機器コントローラは、無線機器内に配置された異なる物理リソースを使用し得、換言すれば、無線機器20内の物理リソースは、少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ、当該少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器20内の異なる物理リソースに対応することを理解されたい。換言すれば、無線機器20内の物理リソースが割り当てられている無線機器コントローラ、及び各無線機器コントローラによって使用されることを許可されている物理リソースなどの情報が決定される。従って、処理モジュール202が、第1の物理リソース情報に基づき、第1の無線機器コントローラが第1のキャリアを確立することを申請するときに使用される必要がある物理リソースを把握した場合、処理モジュール202は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソース、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの間の関係を決定して、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する必要がある。
【0115】
具体的には、処理モジュール202は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースが、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに属するかどうかを判定する必要がある。第1の物理リソース情報によって示される物理リソースが第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに属する場合、処理モジュール202は、第1のキャリアの確立を許可することを決定する。第1の物理リソース情報によって示される物理リソースが第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに属しない場合、処理モジュール202は、第1のキャリアの確立を許可しないことを決定する。
【0116】
また、処理モジュール202が、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量、及び第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量の間の関係に基づき、第1のキャリアの確立を許可するかどうかを決定するものとして理解され得る。例えば、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、処理モジュール202は、第1のキャリアの確立を許可することを決定する。次に、処理モジュール202は、キャリア確立モジュール204に第1の物理リソース情報を送信し、キャリア確立モジュール204は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立する。第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、処理モジュール202は、第1のキャリアの確立を許可しないことを決定し、インタフェースモジュール201を制御して、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信する。キャリア確立応答は、第1のキャリアの確立が失敗したことを示す。
【0117】
本実施形態において、無線機器20は、複数の無線機器コントローラに接続され得、無線機器20は、複数の無線機器コントローラのうちの1つからキャリア確立要求を取得し得、キャリア確立要求に基づき、キャリアを確立するために使用される物理リソースを決定し、次に、当該物理リソース、及び無線機器内の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、キャリアを確立するかどうかを決定する。従って、複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有し得、それにより、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0118】
無線機器20は、記憶モジュール203を更に含む。記憶モジュール203は、処理モジュール202に結合され得る、又は、処理モジュール202とは独立し得る。記憶モジュール203は、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されている。第1のリソーステーブルは、無線機器20に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。
【0119】
任意選択的に、第1のリソーステーブルは、各無線機器コントローラによって使用されることを許可された物理リソースのタイプ、及び、各タイプの物理リソースのリソース量又は各タイプの物理リソースのリソース属性を更に含む。
【0120】
理解を容易にするために、例えば、無線機器20は、無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2に接続されている。この場合、無線機器20の記憶モジュール203に記憶された第1のリソーステーブルは、無線機器コントローラ1に対応する物理リソース、及び無線機器コントローラ2に対応する物理リソースを含む。無線機器コントローラ1に対応する物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。無線機器コントローラ2に対応する物理リソースも、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。この場合、無線機器20内の第1のリソーステーブルが、以下の表1-1に示され得る。
表1-1
【表1】
【0121】
表1-1に示される例において、無線機器20は、無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2に物理リソースを割り当てる。無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2は、異なる物理リソースに対応している。表1-1内のキャリアリソースから、無線機器は、無線機器コントローラ1が最大で4つのキャリアを確立することを許可し、無線機器コントローラ2が最大で2つのキャリアを確立することを許可していることが把握され得る。無線機器コントローラ1について、無線機器は、最大で6つのアップリンクサービスフロー及び8つのダウンリンクサービスフローを処理し、最大で2つのアップリンクサービスフロー及び8つのダウンリンクサービスフローを処理する。
【0122】
例えば、無線機器コントローラ1は、4つの周波数帯域である、送信周波数帯域「1.8GHz(1765MHz~1785MHz)」、受信周波数帯域「1.8GHz(1860MHz~1880MHz)」、送信周波数帯域「2.1GHz(1920MHz~1960MHz)」、及び受信周波数帯域「2.1GHz(2110MHz~2150MHz)」の周波数帯域リソースを使用することを許可される。無線機器コントローラ2は、2つの周波数帯域である、送信周波数帯域「1.8GHz(1745MHz~1765MHz)」及び受信周波数帯域「1.8GHz(1840MHz~1860MHz)」の周波数帯域リソースを使用することを許可される。
【0123】
別の例として、無線機器コントローラ1が2.1GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が40Wの電力を使用することを許可する。無線機器コントローラ1が1.8GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が20Wの電力を使用することを許可する。
【0124】
別の例として、無線機器コントローラ1が2.1GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が、合計2つのチャネルである、チャネル1(すなわち、表1-1内でその識別子が「T1」であるチャネル)及びチャネル2(すなわち、表1-1内でその識別子が「T2」であるチャネル)のチャネルリソースを使用することを許可する。無線機器コントローラ1が1.8GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が、別の2つのチャネルである、チャネル5(すなわち、表1-1内でその識別子が「T5」であるチャネル)及びチャネル6(すなわち、表1-1内でその識別子が「T6」であるチャネル)のチャネルリソースを使用することを許可する。
【0125】
別の可能な例において、電力リソース及びチャネルリソースが組み合わされている場合、無線機器コントローラ1に対応する物理リソースは、周波数帯域リソース、チャネル電力リソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含み、無線機器コントローラ2に対応する物理リソースも、周波数帯域リソース、チャネル電力リソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。この場合、無線機器20内の第1のリソーステーブルが、以下の表1-2に示され得る。
表1-2
【表2】
【0126】
表1-2に示される例において、無線機器20は、無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2に物理リソースを割り当てる。無線機器コントローラ1及び無線機器コントローラ2は、異なる物理リソースに対応している。例えば、無線機器コントローラ1が2.1GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が、合計2つのチャネルであるチャネルA及びチャネルBを使用することを許可し、ここで、チャネルAの最大電力及びチャネルBの最大電力はいずれも40Wである。無線機器コントローラ1が1.8GHz周波数帯域を使用してキャリアを生成する場合、無線機器20は、無線機器コントローラ1が、合計2つのチャネルであるチャネルA及びチャネルBを使用することを許可し、ここで、チャネルAの最大電力及びチャネルBの最大電力はいずれも20Wである。加えて、表1-2内の他の物理リソースの説明については、表1-1に対応する関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0127】
表1-1に示される例及び表1-2に示される例は、本願において提供されるFDDモードにおける第1のリソーステーブルの2つの可能な例に過ぎないことを理解されたい。実際の応用において、第1のリソーステーブル内の周波数帯域リソースについてTDDモードが代替的に使用され得る。従って、第1のリソーステーブルの別の例が存在し得る。本願において、具体的な例は1つずつ列挙されない。
【0128】
第1のリソーステーブル内の各無線機器コントローラに対応する物理リソースは、手動で予め割り当てられ得る、又は、無線機器20によって動的に割り当てられ得ることを理解されたい。例えば、第1のリソーステーブルは、無線機器20の記憶モジュール203に手動で入力され得る、又は、第1のリソーステーブルは、無線機器20に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つに手動で入力され得、無線機器コントローラは、無線機器20に第1のリソーステーブルを送信し、次に、無線機器20は、記憶モジュール203に第1のリソーステーブルを記憶する。無線機器20が第1のリソーステーブルを取得する実装は、本願において限定されない。上述の実装のうちのいずれのものであるかにかかわらず、異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースが決定され、無線機器20の処理モジュール202は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのみを、使用のために第1の無線機器コントローラに割り当て得ることを理解されたい。
【0129】
従来技術において、主たる事業者の無線機器コントローラが無線機器からのリソースを申請するため、無線機器は、主たる事業者の無線機器コントローラによって申請された物理リソースがどの事業者のキャリアを確立するために使用されるかを感知しない。従って、従来技術における無線機器は、上述の第1のリソーステーブルを有しない。本願において、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを記録する第1のリソーステーブルは無線機器20に記憶されており、それにより、無線機器20内の物理リソースは、無線機器20に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ得、キャリア確立フェーズにおいて各無線機器コントローラに対応する物理リソースを無線機器20が使用することを可能にし、かつ、無線機器20内のリソース割り当てが競合しないことを確実にする。
【0130】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。処理モジュール202は、第1のリソーステーブルの記憶位置を把握し得るため、処理モジュール202は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会するように更に構成されている。
【0131】
任意選択的に、第1のリソーステーブル内の異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースに関する情報が異なる記憶位置に記憶されている場合、処理モジュール202は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル全体の記憶位置をトラバースすることなく、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの記憶ページのみを照会し得る。
【0132】
任意選択的に、処理モジュール202は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、キャリア確立要求に対する有効性チェックを更に実行し得る。例えば、処理モジュール202は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、キャリア確立要求が第1の無線機器コントローラの識別子によって示される無線機器コントローラからのものであるかどうかを判定する。本解決手段は、他の無線機器コントローラが悪意をもって第1の無線機器コントローラのキャリア確立要求を偽造し、第1の無線機器コントローラのキャリア確立に影響を与えることを防止するのに役立つ。
【0133】
本実装では、従来技術における無線機器が第1のリソーステーブルを有しないため、従来技術における無線機器は、無線機器コントローラの識別子に基づき、無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会することができない。
【0134】
上記をもって、無線機器20の主要構造を説明した。以下では、図2Bを参照して無線機器20内部の各機能モジュールを更に説明する。図2Bは、本願による無線機器20の別の実装を示す。無線機器20は、インタフェースモジュール201、処理モジュール202、記憶モジュール203、及びキャリア確立モジュール204を含む。
【0135】
処理モジュール202は、1つの中央制御モジュール2021及び少なくとも2つのサービス処理モジュール2022を含む。少なくとも2つの無線機器コントローラは、少なくとも2つのサービス処理モジュール2022と1対1で対応付けられており、各サービス処理モジュール2022は、対応する無線機器コントローラからのメッセージ(例えば、キャリア確立要求)のみを処理する。例えば、図2Bにおける中央制御モジュール2021は、サービス処理モジュール1及びサービス処理モジュール2を含むn個のサービス処理モジュール2022に接続されており、ここで、nは1よりも大きい整数である。無線機器コントローラ1がサービス処理モジュール1に対応する場合、サービス処理モジュール1は、無線機器コントローラ1からのメッセージのみを処理し得る。無線機器コントローラ2がサービス処理モジュール2に対応する場合、サービス処理モジュール2は、無線機器コントローラ2からのメッセージのみを処理し得る。残りは類推によって推測され得、本明細書において詳細は説明されない。
【0136】
第1の無線機器コントローラは第1のサービス処理モジュールに対応しており、第1のサービス処理モジュールは図2Bにおいて明示的に示されていないことを理解されたい。第1の無線機器コントローラの識別子が無線機器コントローラ1を示す場合、第1のサービス処理モジュールは、図2Bにおけるサービス処理モジュール1である。残りは類推によって推測され得、本明細書において詳細は説明されない。
【0137】
具体的には、処理モジュール202内の中央制御モジュール2021は、キャリア確立要求内の第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、少なくとも2つのサービス処理モジュール2022から、第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールを決定し、第1のサービス処理モジュールにキャリア確立要求を送信するように構成されている。第1のサービス処理モジュールは、キャリア確立要求に基づき第1の物理リソース情報を決定し、中央制御モジュール2021に第1の物理リソース情報を送信するように構成されている。中央制御モジュール2021は、第1の物理リソース情報、及び第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている。
【0138】
サービス処理モジュールは、対応する無線機器コントローラに関連するサービスを処理するように構成されている。第1のサービス処理モジュールは、例として使用される。第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールは、第1の無線機器コントローラからのキャリア確立要求に基づき第1の物理リソース情報を決定するように構成されている。第1のサービス処理モジュールは、以下の2つの実装において第1の物理リソース情報を決定し得る。
【0139】
或る実装において、キャリア確立要求が第1の物理リソース情報を直接搬送する場合、第1のサービス処理モジュールは、キャリア確立要求から第1の物理リソース情報を直接取得する。
【0140】
別の実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを搬送する。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。この場合、第1のサービス処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、第1のキャリアパラメータに基づき第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されている。少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なる。第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0141】
予め設定されたルールは、サービス処理モジュールの処理ロジックとして理解され得、異なるサービス処理モジュールは、異なる無線機器コントローラに対応する。異なるサービス処理モジュールが異なるサービス処理ロジックを有する場合、異なるサービス処理モジュールは、異なる予め設定されたルールに対応する。本実施形態において、予め設定されたルールは、第1のキャリアパラメータを第1の無線リソース情報に変換するためのルールとして理解され得る。第1のキャリアパラメータが、別の無線機器コントローラに対応するサービス処理モジュール(例えば、第2の無線機器コントローラに対応する第2のサービス処理モジュール)に入力された場合、第2のサービス処理モジュールは、第1のキャリアパラメータを識別できなくてよい、又は、第1のキャリアパラメータを第1の物理リソース情報に変換できなくてよい。
【0142】
例えば、事業者1がネットワーク管理デバイスを介して第1の無線機器コントローラ上で20Mの帯域幅を有するFDD LTE 2T2Rキャリアを構成する場合、送信周波数2110MHz~2130MHz及び受信周波数1920MHz~1940MHzが使用される。この場合、キャリア確立要求内の第1のキャリアパラメータは、「帯域幅=20M、複信モード=FDD、規格=LTE、送信モード=2T、受信モード=2R、及び周波数帯域=2.1GHz」である。次に、第1のサービス処理モジュールは、第1のキャリアパラメータ、及び第1のサービス処理モジュールに対応する予め設定されたルールに基づき、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースに関する情報(すなわち、第1の物理リソース情報)が、周波数帯域リソース「2.1GHz(受信周波数1920MHz~1940MHz及び送信周波数2110MHz~2130MHz)」、電力リソース「2.1GHz 20W/チャネル」、チャネルリソース「2.1GHz 2T」、アップリンクフロー量リソース「4フロー」、及びダウンリンクフロー量リソース「4フロー」を含むと決定する。
【0143】
中央制御モジュール2021は、以下の2つの実装において第1のキャリアを確立するかどうかを決定し得る。
【0144】
或る実装において、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、中央制御モジュール2022は、第1のキャリアの確立を許可することを決定し、第1の物理リソース情報をキャリア確立モジュール204に送信する。次に、キャリア確立モジュール204は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立するように構成されている。キャリア確立モジュール204は、デジタル処理モジュール2041及びアナログ処理モジュール2042を含む。デジタル処理モジュール2041は、アップコンバータ、ダウンコンバータ、及びデジタル-アナログコンバータなどのデジタル信号処理機能を有する回路又はデバイスを含む。アナログ処理モジュール2042は、中間周波数増幅器、フィルタ、周波数ミキサ、又は電力増幅器などのアナログ信号処理機能を有する回路又はデバイスを含む。
【0145】
任意選択的に、中央制御モジュール2022が、第1の物理リソース情報に基づく第1のキャリアの確立を許可することを決定した後に、中央制御モジュール2022は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更新する。例えば、中央制御モジュール2022は、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量から、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量を減算し、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの更新されたリソース量を取得する。例えば、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースは、周波数帯域リソース「2.1GHz(1920MHz~1940MHz/2110MHz~2130MHz)」及びチャネル電力リソース「2.1GHz 20W」を含み、第1のリソーステーブルに元々記録されている、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースは、周波数帯域リソース「2.1GHz(1920MHz~1960MHz/2110MHz~2150MHz)」、チャネル電力リソース「2.1GHz 40W」、及びキャリアリソース「4」を含む。更新後、第1のリソーステーブルに記録されている、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースは、周波数帯域リソース「2.1GHz(1940MHz~1960MHz/2130MHz~2150MHz)」、チャネル電力リソース「2.1GHz 20W」、及びキャリアリソース「3」を含む。任意選択的に、中央制御モジュール2022は、第1のキャリアを確立するために使用された物理リソース、例えば、第1のキャリアを確立するためにキャリア確立モジュール204によって使用された物理リソースのタイプ、及び各タイプの物理リソースのリソース量を記録するために、記憶モジュール203に第1の物理リソース情報を更に記憶する。
【0146】
別の実装において、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、中央制御モジュール2022は、第1の通知メッセージを第1のサービス処理モジュールに送信する。第1の通知メッセージは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースが、第1のキャリアを確立するには不十分であることを示す。第1のサービス処理モジュールは、インタフェースモジュール201を制御して、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信する。キャリア確立応答は、第1のキャリアの確立が失敗したことを示す。
【0147】
本実装において、処理モジュール202は、制御タイプモジュール(すなわち、中央制御モジュール2021)及びサービスタイプモジュール(すなわち、少なくとも2つのサービス処理モジュール2022)の、2つのタイプのモジュールを含む。少なくとも2つのサービス処理モジュールは互いに独立しており、各サービス処理モジュールは無線機器コントローラに対応しているため、各サービス処理モジュールは、対応する無線機器コントローラ向けのメッセージ(例えば、キャリア確立要求)を独立して処理し得る。1つのサービス処理モジュールのみが異なる無線機器コントローラからのメッセージを処理する解決手段と比較すると、本解決手段は、サービス処理効率を向上させるのに役立つのみならず、1つの無線機器内でサービス処理多様性を実装するのにも役立ち、かつ、各サービス処理モジュールの独立した更新及び保守を実装するのにも役立つ。加えて、無線機器20に接続された複数の無線機器コントローラが異なる事業者に属する場合、異なる事業者のサービス処理モジュール(これは、サービス処理ソフトウェアとしても理解され得る)が無線機器20内で実行されて、異なるサービス処理モジュールに基づき、1つの無線機器内で、事業者の要件を満たす異なるキャリアを生成するのに役立ち得る。
【0148】
更に、任意選択的な実装において、インタフェースモジュール201は、リソース構成メッセージを取得するように更に構成されている。リソース構成メッセージは、第1のリソーステーブルを含む。本実装において、無線機器及び無線機器コントローラは必ずしも同じ地理的位置に配置されていない(例えば、無線機器は、通常、信号塔上に配置され、無線機器コントローラは、基地局の機器室内に配置される)ため、第1のリソーステーブルは、無線機器20に接続された無線機器コントローラを介して無線機器20に送信されて、リソース構成効率を向上させ、信号塔上での手動構成を回避するのに役立ち、かつ、操作及び保守管理の複雑さを軽減させるのに役立つ。
【0149】
加えて、任意選択的な実装において、インタフェースモジュール201は、第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信するように更に構成されている。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会するために使用される。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。無線機器20は、照会メッセージ内の第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、別の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会する代わりに、第1の無線機器コントローラのリソース使用を照会することを決定し得る。これに応じて、無線機器20は、第1の無線機器コントローラにのみ、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報をフィードバックする。
【0150】
具体的には、中央制御モジュール2021は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールにリソース照会メッセージを送信する。第1のサービス処理モジュールは、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会する。インタフェースモジュール201は、第1の無線機器コントローラに、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を送信する。
【0151】
本実装において、各サービス処理モジュールが、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会して、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を無線機器コントローラにフィードバックし得ることが提案される。本解決手段は、無線機器20が、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用を、無線機器コントローラに誤って報告することを防止するのに役立つ。
【0152】
加えて、任意選択的な実装において、中央制御モジュール2021は、障害情報を取得するように更に構成されている。障害情報は、無線機器20内の障害のある物理リソースを示す。次に、中央制御モジュール2021は、少なくとも2つの無線機器コントローラから、少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する。第2の無線機器コントローラは、障害情報によって示される物理リソースを使用する無線機器コントローラである。次に、インタフェースモジュール201は、第2の無線機器コントローラに障害情報を送信するように制御される。
【0153】
本実装において、無線機器20の中央制御モジュール2021が、物理リソースの障害を検出し、当該物理リソースの障害に基づき、障害影響範囲、すなわち、どの無線機器コントローラ(これは、本実装において第2の無線機器コントローラと称される)が当該障害のある物理リソースによって影響を受けるかを決定し得ることが提案される。次に、中央制御モジュール2021は、別の無線機器コントローラに障害情報を送信する代わりに、インタフェースモジュール201のみを制御して、第2の無線機器コントローラに障害情報を送信する。本実装において、無線機器20は、無線機器コントローラに障害を正確にフィードバックすることができ、無線機器20が、無線機器20に接続された全ての無線機器コントローラに障害をフィードバックすることが防止される。
【0154】
加えて、図3に示される通り、本願は、通信装置30を更に提供する。図2A又は図2Bに対応する本実施形態における無線機器20は、本実施形態における図3に示される通信装置30の構造に基づき得る。通信装置30は、アクセスネットワークRANデバイス(例えば、基地局)内の無線ユニット(radio unit,RU)(これは、無線周波数ユニットとも称される)であり得る、又は、無線信号(例えば、中間周波数信号又は無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であり得ることを理解されたい。例えば、通信装置30は、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit,RRU)(これは、リモート無線モジュールとも称される)又はリモート無線ヘッド(remote radio head,RRH)であり得る。RRUは、概して、マクロ基地局の従来の屋外カバレッジのために使用される。RRHは、概して、屋内分散システムの屋内カバレッジのために使用される。例えば、通信装置30は、代替的に、アクティブアンテナユニット(active antenna unit,AAU)、すなわち、RRU(又はRRH)及びアンテナを統合した処理ユニットであり得る。実際の応用及び以後のネットワーク進化において、無線機器は、代替的に、無線周波数信号を受信及び送信し、無線周波数信号又は中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイス又は装置であり得る。
【0155】
通信装置30は、少なくとも1つのプロセッサ301、少なくとも1つのメモリ302、少なくとも1つの送受信機303、及び1つ又は複数のアンテナ304を含む。プロセッサ301、メモリ302、及び送受信機303は、接続装置を介して接続されており、アンテナ304は、送受信機303に接続されている。接続装置は、様々なタイプのインタフェース、送信ケーブル、又はバス等を含み得る。これは、本実施形態において限定されない。
【0156】
メモリ302は、ソフトウェアプログラム及びデータ、例えば、上述の第1のリソーステーブルを記憶するように主に構成されており、ここで、第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。任意選択的に、第1のリソーステーブルは、各無線機器コントローラによって使用されることを許可された物理リソースのタイプ、及び、各タイプの物理リソースのリソース量又は各タイプの物理リソースのリソース属性を更に含む。
【0157】
メモリ302は独立して存在し得、プロセッサ301に接続されることを理解されたい。任意選択的に、メモリ302は、プロセッサ301に統合され得、例えば、1つ又は複数のチップに統合され得る。メモリ302は、本願の実施形態における技術的解決手段を実行するためのプログラムコードを記憶し得、プロセッサ301は、実行を制御する。様々なタイプの実行されるコンピュータプログラムコードは、プロセッサ301のドライバともみなされ得る。本実施形態における図3は、1つのメモリ及び1つのプロセッサのみを示すことを理解されたい。しかしながら、実際の応用において、通信装置30は、複数のプロセッサ又は複数のメモリを含み得る。これは、本明細書において特に限定されない。加えて、メモリ302は、記憶媒体又は記憶デバイス等とも称され得る。メモリ302は、プロセッサと同じチップ上に配置された記憶素子(すなわち、オンチップ記憶素子)、又は独立した記憶素子であり得る。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0158】
本実施形態において、送受信機303は、通信装置30及び端末デバイスの間の無線周波数信号の受信又は送信をサポートするように構成され得、送受信機303は、アンテナ304に接続され得る。送受信機303は、送信機Tx及び受信機Rxを含む。具体的には、1つ又は複数のアンテナ304は、無線周波数信号を受信し得る。送受信機303の受信機Rxは、アンテナ304から無線周波数信号を受信し、当該無線周波数信号をデジタルベースバンド信号又はデジタル中間周波数信号に変換し、それにより、デジタルベースバンド信号又はデジタル中間周波数信号が無線機器コントローラに送信されて、無線機器コントローラが更なる処理、例えば、デジタルベースバンド信号又はデジタル中間周波数信号に対する復調処理及び復号処理を実行することを可能にするように構成されている。加えて、送受信機303の送信機Txは、無線機器コントローラから変調デジタルベースバンド信号又は変調デジタル中間周波数信号を受信し、変調デジタルベースバンド信号又は変調デジタル中間周波数信号を無線周波数信号に変換し、1つ又は複数のアンテナ304を介して無線周波数信号を送信するように更に構成されている。具体的には、受信機Rxは、無線周波数信号に対して1レベル又は複数レベルの周波数ダウンミックス処理又はアナログ-デジタル変換処理を選択的に実行して、デジタルベースバンド信号又はデジタル中間周波数信号を取得し得る。周波数ダウンミックス処理及びアナログ-デジタル変換処理の順番は調整可能である。送信機Txは、変調デジタルベースバンド信号又は変調デジタル中間周波数信号に対して1レベル又は複数レベルの周波数アップミックス処理又はデジタル-アナログ変換を選択的に実行して、無線周波数信号を取得し得る。周波数アップミックス処理及びデジタル-アナログ変換の順番は調整可能である。デジタルベースバンド信号及びデジタル中間周波数信号は、総称的にデジタル信号と称され得る。
【0159】
送受信機303は、送受信ユニット、送受信マシン、又は送受信装置等とも称され得ることを理解されたい。任意選択的に、送受信ユニット内で受信機能を実装するように構成されたデバイスは受信ユニットとみなされ得、送受信ユニット内で送信機能を実装するように構成されたデバイスは送信ユニットとみなされ得る。換言すれば、送受信ユニットは、受信ユニット及び送信ユニットを含む。受信ユニットは、受信マシン、入力インタフェース、又は受信回路等とも称され得る。送信ユニットは、送信マシン、送信機、又は送信回路等と称され得る。
【0160】
加えて、プロセッサ301は、通信プロトコル及び通信データを処理し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように主に構成されており、例えば、上述の実施形態において説明された作用を実行する際に通信装置30をサポートするように構成されている。可能な実装において、通信装置30は、以下で説明される図6に対応する実施形態における方法を実行するように構成されている。
【0161】
具体的には、通信装置30のプロセッサ301は、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されている。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。プロセッサ301は、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定するように更に構成されている。第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。プロセッサ301は、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように更に構成されている。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。
【0162】
本実施形態において、通信装置30は、少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されるのみならず、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを把握することもでき、少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。従って、キャリア確立要求を受信した後、通信装置30は、第1の無線機器コントローラ(すなわち、キャリア確立要求を送信する無線機器コントローラ)に対応する物理リソースに基づき、第1の物理リソース情報によって示されるリソースが第1のキャリアを確立するのに十分であるかどうかを、他の無線機器コントローラに対応する物理リソースを使用することなく判定し得る。従って、複数の無線機器コントローラは、通信装置30内の物理リソースを独立して管理し得る。複数の無線機器コントローラが同じ通信装置30を共有する場合、無線機器コントローラによる通信装置30の管理の柔軟性が向上し得る。
【0163】
可能な実装において、通信装置30は、第1のリソーステーブルを記憶する。第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。任意選択的に、第1のリソーステーブルは、各無線機器コントローラによって使用されることを許可された物理リソースのタイプ、及び、各タイプの物理リソースのリソース量又は各タイプの物理リソースのリソース属性を更に含む。
【0164】
加えて、通信装置30によって受信されたキャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、及びキャリアリソースなどの複数のタイプの物理リソースを含む。
【0165】
プロセッサ301は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会するように特に構成されている。
【0166】
従来技術において、主たる事業者の無線機器コントローラが無線機器からのリソースを申請するため、無線機器は、主たる事業者の無線機器コントローラによって申請された物理リソースがどの事業者のキャリアを確立するために使用されるかを感知しない。従って、従来技術における無線機器は、上述の第1のリソーステーブルを有しない。本願において、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを記録する第1のリソーステーブルは無線機器に記憶されており、それにより、無線機器内の物理リソースは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ得、キャリア確立フェーズにおいて各無線機器コントローラに対応する物理リソースを無線機器が使用することを可能にし、かつ、無線機器内のリソース割り当てが競合しないことを確実にする。
【0167】
可能な実装において、プロセッサ301は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより第1のキャリアを確立するように特に構成されている。
【0168】
可能な実装において、プロセッサ301は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、無線機器によって、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更新するように更に構成されている。
【0169】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含む。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。プロセッサ301は、第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、第1のキャリアパラメータに基づき第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されている。少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なる。第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0170】
具体的には、図2A及び図2Bにおける無線機器20の機能を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0171】
加えて、図4に示される通り、本願は、通信装置40を更に提供する。通信装置40はチップであり、図2A又は図2Bにおいて説明される無線機器20の一部又は全部の機能を実装するように構成されている。本実装において、通信装置40、及び、上記で説明されたキャリア確立モジュール204及びアンテナ等の構造が、無線機器20を構成し得ることを理解されたい。
【0172】
通信装置40は、インタフェースモジュール401、処理モジュール402、及び記憶モジュール403を含む。
【0173】
インタフェースモジュール401は、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されている。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。
【0174】
処理モジュール402は、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定し、第1の物理リソース情報、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている。第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。
【0175】
記憶モジュール403は、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されている。第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。
【0176】
任意選択的に、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。処理モジュール402は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会するように更に構成されている。
【0177】
具体的には、本実装におけるインタフェースモジュール401、処理モジュール402、及び記憶モジュール403は、図2Aにおけるインタフェースモジュール201、処理モジュール202、及び記憶モジュール203と同様である。詳細については、上述の関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0178】
加えて、図5において示されている通り、本願は、無線機器コントローラ50を更に提供する。上記で説明された第1の無線機器コントローラについては、図5に示される構造を参照されたい。無線機器コントローラ50は、処理モジュール501及びインタフェースモジュール502を含む。処理モジュール501は、キャリア確立要求を生成するように構成されている。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちのいずれか1つである。キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。加えて、インタフェースモジュール502は、無線機器にキャリア確立要求を送信するように構成されている。
【0179】
本実施形態において、無線機器に接続された複数の無線機器コントローラのうちのいずれか1つが、無線機器にキャリア確立要求を送信し、無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立することを要求し得る。従って、複数の無線機器コントローラは、無線機器内の物理リソースを独立して管理し得る。複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有する場合、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0180】
以下では、図6を参照して、本願において提供されるリソース管理方法の主な手順を説明する。無線機器コントローラ及び無線機器は、以下の段階を実行する。
【0181】
段階601:第1の無線機器コントローラは、無線機器にキャリア確立要求を送信する。これに応じて、無線機器は、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得する。
【0182】
第1の無線機器コントローラは、無線機器コントローラに接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つである。具体的には、第1の無線機器コントローラ及び無線機器の間の接続方式については、図2A又は図2Bに対応する関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0183】
加えて、キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される。また、キャリア確立要求は、幾つかの物理リソースを使用するように無線機器に申請するために使用され、それにより、当該無線機器は、物理リソースを使用して、第1の無線機器コントローラのための第1のキャリアを確立するものとして理解され得る。
【0184】
物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースを含むが、これらに限定されない。
【0185】
以下では、物理リソースについて別個に説明する。
【0186】
第1の物理リソース情報は、キャリア確立要求において搬送されるコンテンツに基づき決定され、第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。第1の物理リソース情報は、1つのタイプの物理リソースを示し得る、又は、複数のタイプの物理リソースを示し得ることを理解されたい。物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースを含むが、これらに限定されない。従って、第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0187】
周波数帯域リソースとは、キャリアが確立されるときに使用される周波数帯域又は周波数領域範囲を指す。概して、周波数帯域リソースは、事業者に関連するリソースである。各事業者は、固定された周波数帯域を有し、異なる事業者は、異なる周波数帯域を使用することを許可されている。例えば、周波数帯域リソースは事業者のライセンスされた(licensed)周波数帯域であり、異なる事業者は異なるライセンスされた(licensed)周波数帯域を有する。無線機器コントローラは、当該無線機器コントローラが属する事業者の周波数帯域のみを使用することを許可されている。例えば、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)が事業者1に属する場合、事業者2の無線機器コントローラは、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)の周波数帯域リソースを使用することができず、事業者1の無線機器コントローラのみが、1.8GHz(1890MHz~1895MHz)の周波数帯域リソースの使用を申請することができる。加えて、周波数帯域リソースは、送信周波数及び受信周波数を含む。概して、周波数分割複信(frequency division duplex,FDD)モードにおいて、送信周波数は、受信周波数とは異なる。例えば、1.8GHzにおいて、1765MHz~1785MHzが送信周波数(これは、アップリンク周波数とも称され得る)として設定され得、1860MHz~1880MHzが受信周波数(これは、ダウンリンク周波数とも称され得る)として設定され得る。別の例として、2.1GHzにおいて、1920MHz~1960MHzが送信周波数として設定され得、2110MHz~2150MHzが受信周波数として設定され得る。概して、時分割複信(time division duplex,TDD)モードにおいて、送信周波数は、受信周波数と同じであり得る。例えば、3.5GHzにおいて、3580MHz~3600MHzが送信周波数及び受信周波数帯域として設定され得る。
【0188】
周波数帯域リソースについてFDDモード又はTDDモードのいずれを使用するかは、無線機器コントローラによって確立される必要があるキャリアに関連していることを理解されたい。周波数帯域リソースの複信モードは、本願において限定されない。
【0189】
加えて、電力リソースとは、電力増幅器によって増幅される確立されたキャリアの電力の倍数を指す。概して、異なる周波数帯域リソースを使用するキャリアによって使用され得る電力リソースは、独立している。電力リソースは周波数帯域レベルにあり、無線機器は同じ周波数帯域内の全てのキャリアと電力リソースを共有することを理解されたい。例えば、1.8GHzにおける全てのキャリアが20Wの電力リソースを共有し、2.1GHzにおける全てのキャリアが40Wの電力リソースを共有する。従って、周波数帯域のうちの1つにおけるキャリアが大量の電力リソースを占有する(例えば、送信電力が高い)場合、当該周波数帯域内の他のキャリアは少量の電力リソースを占有し得る(例えば、送信電力が低い)。キャリアの送信電力がより高いことは、当該キャリアの送信距離がより長いこと、及び当該キャリアによって提供され得るサービスの範囲がより広いことを示すことを理解されたい。しかしながら、送信電力がより高いことは、最適な選択肢ではない場合がある。端末デバイスの送信電力は固定されているため、送信距離が極めて長い場合、当該端末デバイスは、無線機器からの信号のみを受信し得るが、当該無線機器は、当該端末デバイスによって送信される信号を受信することができない。概して、事業者は、同じカバレッジを確保するために、スペクトル帯域幅に基づき電力を均等に割り当てる。例えば、2.1GHzの電力が20Wであり、2.1GHzにおいて2つのキャリアが存在し、当該2つのキャリアの帯域幅がそれぞれ20M及び5Mである場合、20Mのキャリアによって占有される電力リソースは16Wであり、5Mのキャリアによって占有される電力リソースは4Wである。
【0190】
加えて、チャネルリソースの量とは、占有されている無線周波数リンクチャネルの量を指す。概して、チャネルリソースは周波数帯域に関連する。例えば、無線機器において、2.1GHz周波数帯域におけるチャネルリソースの量が2Tであり、1.8GHz周波数帯域におけるチャネルリソース量が3Tである場合、それは、無線機器が2.1GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに最大で2つのチャネルを使用し得、1.8GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに最大で3つのチャネルを使用し得ることを示す。幾つかの可能な実装において、チャネルリソースは、占有されているチャネルの識別子又は番号を更に示し得る、すなわち、どのチャネルが占有されているかを示し得る。例えば、無線機器において、2.1GHz周波数帯域におけるチャネルリソースの量がT1及びT2である場合、それは、無線機器が2.1GHz周波数帯域においてキャリアを確立するときに、「T1」及び「T2」と番号が付された2つのチャネルを使用し得ることを示す。
【0191】
無線機器内のチャネルの送信デバイスは独立しているため、当該無線機器内のチャネルの電力も互いに独立していることに留意されたい。チャネルが複数の無線機器コントローラによって共有されている場合、当該チャネルの電力も当該複数の無線機器コントローラによって共有される必要がある。従って、実際の応用においては、概して、チャネルリソース及び電力リソースを組み合わせることによる共有が検討される。可能な実装において、チャネルリソース及び電力リソースがチャネル電力リソースへと組み合わされる。例えば、チャネルA上で、1.8GHzに割り当てられる電力は20Wであり、2.1GHzに割り当てられる電力は40Wである。
【0192】
加えて、キャリアリソースの量とは、無線機器によって処理され得るキャリアの量を指す。キャリアリソースは、主に、中間周波数デジタルリソースであり、各キャリアに対して周波数変換/クリッピング/プリディストーションなどの処理を実行するために使用される。例えば、無線機器のキャリアリソースの最大量は4である(換言すれば、無線機器は、最大で4つのキャリアを処理し得る)。無線機器コントローラに対応する周波数帯域リソースは、2.1GHz(2130MHz~2150MHz)20M及び1.8GHz(1830MHz~1850MHz)20Mであると仮定される。無線機器コントローラが1つの2.1GHz 20Mキャリア及び1つの1.8GHz 20Mキャリアを確立することを選択した場合、無線機器によって消費される必要のあるキャリアリソースの量は2である。無線機器コントローラが2つの2.1GHz 10Mキャリア及び2つの1.8GHz 10Mキャリアを確立することを選択した場合、無線機器によって消費される必要のあるキャリアリソースの量は4である。複数の無線機器コントローラがキャリアリソースを共有する場合、無線機器コントローラがより多くのキャリアリソースを使用するほど、他の無線機器コントローラにとって利用可能であるキャリアリソースはより少なくなり、他の無線機器コントローラは、スペクトル/電力リソースが存在する場合であっても、キャリアリソースの欠如に起因して、キャリアを首尾よく確立することができない。
【0193】
加えて、フロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのサービスフローの量を指す。フロー量リソースは、アップリンクフロー量リソース及びダウンリンクフロー量リソースを含む。アップリンクフロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのアップリンクサービスフローの量を指す。ダウンリンクフロー量リソースの量とは、同じ瞬間に無線機器によって処理され得る、端末ユーザのダウンリンクサービスフローの量を指す。
【0194】
フロー量リソースは、ベースバンド処理リソースのタイプであることを理解されたい。無線機器がベースバンド処理機能を有する場合、例えば、無線機器コントローラがAAUである場合、無線機器は、複数の無線機器コントローラとフロー量リソースを共有し得る。概して、無線機器コントローラに割り当てられるフロー量リソースがより多いことは、無線機器が当該無線機器コントローラについてより多くの端末ユーザのデータを処理し得、従って、より良い通信体験がユーザのために提供され得ることを示す。
【0195】
物理リソースは、読者による理解を容易にするために列挙された例に過ぎないことを理解されたい。実際の応用において、無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラのために他のタイプの物理リソースを更に提供し得る。本願は、無線機器によって提供される特定の物理リソースを限定しない。
【0196】
加えて、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースの例については、図2Aに対応する上述の実施形態における関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0197】
キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。
【0198】
任意選択的に、第1のリソーステーブル内の異なる無線機器コントローラに対応する物理リソースに関する情報が異なる記憶位置に記憶されている場合、無線機器は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル全体の記憶位置をトラバースすることなく、記憶モジュール内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの記憶ページのみを照会し得る。
【0199】
任意選択的に、無線機器は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、キャリア確立要求に対する有効性チェックを更に実行し得る。例えば、無線機器は、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、キャリア確立要求が第1の無線機器コントローラの識別子によって示される無線機器コントローラからのものであるかどうかを判定する。本解決手段は、他の無線機器コントローラが悪意をもって第1の無線機器コントローラのキャリア確立要求を偽造し、第1の無線機器コントローラのキャリア確立に影響を与えることを防止するのに役立つ。
【0200】
加えて、キャリア確立要求は、第1のキャリアを確立するために必要とされる幾つかの情報を更に搬送する。
【0201】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含む。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。
【0202】
例えば、事業者1がネットワーク管理デバイスを介して第1の無線機器コントローラ上で20Mの帯域幅を有するFDD LTE 2T2Rキャリアを構成する場合、送信周波数2110MHz~2130MHz及び受信周波数1920MHz~1940MHzが使用される。この場合、キャリア確立要求内の第1のキャリアパラメータは、「帯域幅=20M、複信モード=FDD、規格=LTE、送信モード=2T、受信モード=2R、及び周波数帯域=2.1GHz」である。
【0203】
無線機器は、概して、第1のキャリアを確立するために第1のキャリアパラメータを直接使用しないことを理解されたい。概して、無線機器は、最初に、第1のキャリアパラメータを第1の物理リソース情報に変換する必要があり、次に、無線機器は、第1の物理リソース情報に基づき第1のキャリアを生成する。詳細については、以下の段階602における関連説明を参照されたい。
【0204】
別の可能な実装において、キャリア確立要求は、第1の物理リソース情報を更に含む。
【0205】
例えば、事業者1がネットワーク管理デバイスを介して第1の無線機器コントローラ上で20Mの帯域幅を有するFDD LTE 2T2Rキャリアを構成する場合、送信周波数2110MHz~2130MHz及び受信周波数1920MHz~1940MHzが使用される。この場合、キャリア確立要求が第1の物理リソース情報を直接搬送する場合、本例における第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース「2.1GHz(送信周波数1950MHz~1970MHz及び受信周波数2140MHz~2160MHz)」、電力リソース「2.1GHz 20W/チャネル」、チャネルリソース「2.1GHz 2T」、アップリンクフロー量リソース「4フロー」、及びダウンリンクフロー量リソース「4フロー」を含む。
【0206】
具体的には、第1のキャリアパラメータ及び第1の物理リソース情報の説明については、図2A及び図2Bにおける関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0207】
段階602:無線機器は、キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定する。
【0208】
第1の物理リソース情報は、第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す。第1の物理リソース情報は、1つのタイプの物理リソースを示し得る、又は、複数のタイプの物理リソースを示し得ることを理解されたい。物理リソースは、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースを含むが、これらに限定されない。従って、第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む。
【0209】
加えて、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースの説明については、段階601における関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0210】
本実施形態において、無線機器は、キャリア確立要求において搬送される異なるコンテンツに基づき、異なる方式で第1の物理リソース情報を決定する。
【0211】
可能な実装において、キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを搬送する。第1のキャリアパラメータは、第1のキャリアの特性を示す。この場合、無線機器は、第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、第1のキャリアパラメータに基づき第1の物理リソース情報を生成する。少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なる。
【0212】
予め設定されたルールは、無線機器内のサービス処理モジュール(これは、サービス処理ソフトウェアとしても理解され得る)の処理ロジックとして理解され得、異なるサービス処理モジュールは、異なる無線機器コントローラに対応する。異なるサービス処理モジュールが異なるサービス処理ロジックを有する場合、異なるサービス処理モジュールは、異なる予め設定されたルールに対応する。本実施形態において、予め設定されたルールは、第1のキャリアパラメータを第1の無線リソース情報に変換するためのルールとして理解され得る。第1のキャリアパラメータが、別の無線機器コントローラに対応するサービス処理モジュール(例えば、第2の無線機器コントローラに対応する第2のサービス処理モジュール)に入力された場合、第2のサービス処理モジュールは、第1のキャリアパラメータを識別できなくてよい、又は、第1のキャリアパラメータを第1の物理リソース情報に変換できなくてよい。
【0213】
別の可能な実装において、キャリア確立要求は、第1の物理リソース情報を直接搬送する。この場合、無線機器は、キャリア確立要求から第1の物理リソース情報を直接取得する。
【0214】
本実施形態において、キャリア確立要求の2つの実装が提供され、第1の物理リソース情報を決定する2つの実装も、これに応じて提供される。実際の応用において、無線機器は、上述の実装のうちのいずれか1つを使用し得る。これは、本明細書において特に限定されない。
【0215】
段階603:無線機器は、第1の物理リソース情報、及び第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する。
【0216】
少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。具体的には、異なる無線機器コントローラは、無線機器内に配置された異なる物理リソースを使用し得、換言すれば、無線機器内の物理リソースは、少なくとも2つの無線機器コントローラに割り当てられ、当該少なくとも2つの無線機器コントローラは、無線機器内の異なる物理リソースに対応する。換言すれば、無線機器内の物理リソースが割り当てられている無線機器コントローラ、及び各無線機器コントローラによって使用されることを許可されている物理リソースなどの情報が決定される。従って、無線機器が、第1の物理リソース情報に基づき、第1の無線機器コントローラが第1のキャリアを確立することを申請するときに使用される必要がある物理リソースを把握した場合、無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソース、及び無線機器内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの間の関係を決定して、第1のキャリアを確立するかどうかを決定する必要がある。
【0217】
本実施形態において、無線機器は、第1のリソーステーブルを記憶する。第1のリソーステーブルは、少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する物理リソースを含む。具体的には、無線機器は、第1のリソーステーブルに基づき、各無線機器コントローラに対応する物理リソースを決定し、換言すれば、無線機器は、各無線機器コントローラによって使用され得る物理リソースを第1のリソーステーブルに記録する。第1のリソーステーブルについては、表1-1の関連説明を参照されたい。詳細は、本明細書において説明されない。
【0218】
例えば、第1のリソーステーブルは、ユーザによって事前選択及び構成される、又は、無線機器によって動的に生成され得る。例えば、無線機器が第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を受信する前に、無線機器は、リソース構成メッセージを取得する。リソース構成メッセージは、第1のリソーステーブルを含む。
【0219】
キャリア確立要求は、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。第1の無線機器コントローラの識別子は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示す。従って、無線機器は、最初に、第1の無線機器コントローラの識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを照会する。次に、無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量、及び第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量に基づき、第1のキャリアの確立を許可するかどうかを決定する。
【0220】
無線機器は、以下の2つの実装において第1のキャリアを確立するかどうかを決定し得る。
【0221】
或る実装において、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、無線機器は、第1のキャリアの確立を許可することを決定し、無線機器は、段階604及び段階605を実行する。
【0222】
別の実装において、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、無線機器は、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースが、第1のキャリアを確立するには不十分であると判定し、無線機器は、段階604及び段階605の代わりに段階606のみを実行する。
【0223】
段階604:無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースを使用することにより、第1のキャリアを確立する。
【0224】
この段階において、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、無線機器は、第1のキャリアの確立を許可することを決定し、無線機器内のデジタル処理モジュール及びアナログ処理モジュールを介して第1のキャリアを確立する。デジタル処理モジュールは、アップコンバータ、ダウンコンバータ、及びデジタル-アナログコンバータなどのデジタル信号処理機能を有する回路又はデバイスを含む。アナログ処理モジュールは、中間周波数増幅器、フィルタ、周波数ミキサ、又は電力増幅器などのアナログ信号処理機能を有する回路又はデバイスを含む。
【0225】
無線機器が物理リソースを使用することによって第1のキャリアを確立する実装は、本願において限定されない。無線機器内のデジタル処理モジュール及びアナログ処理モジュールが第1のキャリアを確立する方式については、従来技術における方式を参照されたい。
【0226】
段階605:無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更新する。
【0227】
本実施形態において、第1の物理リソース情報に基づく第1のキャリアの確立を許可することを決定した後に、無線機器は、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量に基づき、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量を更に更新する。具体的には、無線機器は、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量から、第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量を減算し、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの更新されたリソース量を取得する。
【0228】
任意選択的に、無線機器は、第1の物理リソース情報を更に記憶して、第1のキャリアを確立するために使用された物理リソースを記録する。
【0229】
段階606:無線機器は、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信する。
【0230】
可能な実装において、無線機器が、段階603で、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースが第1のキャリアを確立するには不十分であると判定した場合、無線機器は、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信する。キャリア確立応答において搬送されるコンテンツは、第1のキャリアの確立が失敗したことを示す。本実装において、段階606及び段階604及び段階605の間の特定の時間系列は限定されず、段階606は段階603の後に実行され得る。
【0231】
別の可能な実装において、無線機器が、段階603で、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースが第1のキャリアを確立するには不十分であると判定し、無線機器が、段階604で第1のキャリアを首尾よく確立した場合、無線機器は、第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信する。キャリア確立応答において搬送されるコンテンツは、第1のキャリアの確立が成功したことを示す。本実装において、段階606及び段階605の間の特定の時間系列は限定されず、段階606は段階604の後に実行され得る。
【0232】
本実施形態において、無線機器は、複数の無線機器コントローラに接続され得、無線機器は、複数の無線機器コントローラのうちの1つからキャリア確立要求を取得し、キャリア確立要求に基づき、キャリアを確立するために使用される物理リソースを決定し、次に、当該物理リソース、及び無線機器内の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、キャリアを確立するかどうかを決定し得る。従って、複数の無線機器コントローラが同じ無線機器を共有し得、それにより、無線機器コントローラによる無線機器の管理の柔軟性が向上し得る。
【0233】
可能な実装において、無線機器コントローラは、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用を照会し得る。具体的には、無線機器は、第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信する。リソース照会メッセージは、無線機器の第1の無線機器に対応する物理リソースの使用情報を照会するために使用される。リソース照会メッセージは、第1の無線機器コントローラの識別子を含む。無線機器は、第1のリソーステーブル内の第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会する。無線機器は、第1の無線機器コントローラに、第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を送信する。
【0234】
本実装において、各サービス処理モジュールが、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を照会して、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用情報を無線機器コントローラにフィードバックし得ることが提案される。本解決手段は、無線機器が、無線機器コントローラに対応する物理リソースの使用を、無線機器コントローラに誤って報告することを防止するのに役立つ。
【0235】
可能な実装において、無線機器は、無線機器コントローラの粒度で障害情報を更に報告し得る。具体的には、無線機器は、障害情報を取得する。障害情報は、無線機器内の少なくとも1つのタイプの障害のある物理リソースを示す。無線機器は、少なくとも2つの無線機器コントローラから、少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する。第2の無線機器コントローラは、障害情報によって示される物理リソースを使用する無線機器コントローラである。無線機器は、第2の無線機器コントローラに障害情報を送信する。
【0236】
本実装において、無線機器が物理リソースの障害を検出し、当該物理リソースの障害に基づき、障害影響範囲、すなわち、どの無線機器コントローラ(これは、本実装において第2の無線機器コントローラと称される)が当該障害のある物理リソースによって影響を受けるかを決定し得ることが提案される。次に、無線機器は、別の無線機器コントローラに障害情報を送信する代わりに、第2の無線機器コントローラにのみ障害情報を送信する。本実装において、無線機器は、無線機器コントローラに障害を正確にフィードバックすることができ、無線機器が、当該無線機器に接続された全ての無線機器コントローラに障害をフィードバックすることが防止される。
【0237】
加えて、本願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされてコンピュータ上で実行されるとき、本願の実施形態による手順又は機能の全部又は一部が生成される。例えば、図6における無線機器に関連する方法が実装される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、又は、1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信されてよい。例えば、コンピュータ命令は、1つのウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波)方式で送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体であってよく、又は、1つ又は複数の使用可能な媒体を統合するデータ記憶デバイス、例えば、サーバ又はデータセンタであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピディスク、ハードディスクドライブ、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク)(digital versatile disc,DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid-state drive,SSD)(又は、ソリッドステートドライバと称される)等であり得る。
【0238】
加えて、本願は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行され、図6における無線機器に関する方法を実装する。
【0239】
本明細書における「及び/又は」という用語は、関連付けられた物体間の関連関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを表すことを理解されたい。例えば、A及び/又はBは、以下:Aのみが存在する場合、A及びBの両方が存在する場合、及び、Bのみが存在する場合、という3つの場合を表し得る。加えて、本明細書における「/」という記号は、概して、関連付けられた物体間における「又は」の関係を示している。
【0240】
上述のプロセスのシーケンス番号は、本願の様々な実施形態における実行シーケンスを意味するものではないことを理解されたい。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能及び内部ロジックに基づき決定されるべきであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる制限としても解釈されるべきでない。
【0241】
簡便かつ簡単な説明を目的に、上述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上述の方法の実施形態において対応するプロセスを参照することとし、本明細書では詳細を再び説明しないことが当業者によって明確に理解され得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線機器であって、前記無線機器は、フロントホールインタフェースを通じて少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されており:
第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されたインタフェースモジュール、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;及び
前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定するように構成された処理モジュール、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示し、
前記処理モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように更に構成されており、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、無線機器。
【請求項2】
前記無線機器は、記憶モジュールを更に備え;
前記記憶モジュールは、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されており、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む
請求項1に記載の無線機器。
【請求項3】
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会するように更に構成されている
請求項1に記載の無線機器。
【請求項4】
前記処理モジュールは、1つの中央制御モジュール及び少なくとも2つのサービス処理モジュールを有し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールと1対1で対応付けられている;
前記中央制御モジュールは:前記キャリア確立要求内の前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールから、前記第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールを決定し、前記第1のサービス処理モジュールに前記キャリア確立要求を送信するように構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは:前記キャリア確立要求に基づき、前記第1の物理リソース情報を決定し、前記中央制御モジュールに前記第1の物理リソース情報を送信するように構成されている;及び
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている
請求項3に記載の無線機器。
【請求項5】
前記無線機器は、キャリア確立モジュールを更に備え;
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、前記第1のキャリアの確立を許可することを決定し、前記第1の物理リソース情報を前記キャリア確立モジュールに送信する
ように特に構成されている;及び
前記キャリア確立モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される前記物理リソースを使用することにより、前記第1のキャリアを確立するように構成されている
請求項4に記載の無線機器。
【請求項6】
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースの前記リソース量に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの前記リソース量を更新するように更に構成されている
請求項5に記載の無線機器。
【請求項7】
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、前記第1のサービス処理モジュールに第1の通知メッセージを送信する、ここで、前記第1の通知メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースが、前記第1のキャリアを確立するには不十分であることを示す
ように特に構成されている;及び
前記第1のサービス処理モジュールは、前記インタフェースモジュールを制御して、前記第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信するように更に構成されており、ここで、前記キャリア確立応答は、前記第1のキャリアの前記確立が失敗したことを示す
請求項4に記載の無線機器。
【請求項8】
前記キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含み、前記第1のキャリアパラメータは、前記第1のキャリアの特性を示す;及
前記第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、前記第1のキャリアパラメータに基づき前記第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されており、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なり、前記第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む
請求項3に記載の無線機器。
【請求項9】
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信するように更に構成されており、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの使用情報を照会するために使用され、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子を含む;
前記中央制御モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記第1のサービス処理モジュールに前記リソース照会メッセージを送信するように更に構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を照会するように更に構成されている;及び
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を前記第1の無線機器コントローラに送信するように更に構成されている
請求項4に記載の無線機器。
【請求項10】
第1の無線機器コントローラであって、前記第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちのいずれか1つであり:
キャリア確立要求を生成するように構成された処理モジュール、ここで、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用され、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している;及び
前記無線機器に前記キャリア確立要求を送信するように構成されたインタフェースモジュール
を備える、第1の無線機器コントローラ。
【請求項11】
リソース管理方法であって、
無線機器が、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得する段階、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;
前記無線機器が、前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定する段階、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定する段階、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、方法。
【請求項12】
前記無線機器は第1のリソーステーブルを記憶し、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを前記決定する段階の前に、前記方法は:
前記無線機器が、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会する段階
を更に備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか一項に記載の無線機器、及び、請求項10に記載の無線機器コントローラ
を備える、通信システム。
【請求項15】
ンピュータに、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
無線機器コントローラは、ネットワーク要素、又は、ベースバンド信号処理機能を有するデバイス、又は、アクセスネットワーク(radio access network,RAN)を管理するための無線信号処理機能を有するデバイスであり得る。無線機器コントローラは、符号化、多重化、変調、及び拡散などのベースバンド信号処理機能を完成させ、無線機器からの信号を処理する機能を完成させ、無線機器に対するローカル管理及びリモート操作及び保守を実行する機能を実装し、かつ、送信デバイス又は無線機器についてのクロック同期の機能を提供し得る。例えば、無線機器コントローラは、アクセスネットワークデバイス(例えば、基地局)内のベースバンド処理ユニット(baseband unit,BBU)(これは、ビルディングベースバンドユニット(building baseband unit,BBU)とも称される)であり得る。例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)システム又はロングタームエボリューションアドバンスト(long term evolution advanced,LTE-A)システムにおいて、無線機器コントローラは、進化型NodeB(evolved NodeB、eNB又はe-NodeB)内のベースバンド処理ユニットBBUであり得る。別の例として、5G NRシステムにおいて、無線機器コントローラは、次世代NodeB(next generation NodeB,gNB)におけるベースバンド処理ユニットBBUであり得る。例えば、第5世代移動情報技術(5th generation mobile communication technology,5G)新無線(new radio,NR)システムにおいて、無線機器コントローラは、代替的に、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network,Cloud RAN)又はオープン無線アクセスネットワーク(open radio access network,ORAN)システムにおける分散ユニット(distributed unit,DU)、又は中央ユニット(central unit,CU)(これは、制御ユニットとも称される)であり得、又は中央ユニットCU及び分散ユニットDUの組み合わせ構造であり得る。実際の応用及び以後のネットワーク進化において、無線機器コントローラは、代替的に、ベースバンド信号処理機能を有する別のデバイス又は装置、又は、アクセスネットワークRANを管理するための無線信号処理機能を有する別のデバイス又は装置であり得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0241
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0241】
簡便かつ簡単な説明を目的に、上述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上述の方法の実施形態において対応するプロセスを参照することとし、本明細書では詳細を再び説明しないことが当業者によって明確に理解され得る
[他の可能な項目]
[項目1]
無線機器であって、前記無線機器は、フロントホールインタフェースを通じて少なくとも2つの無線機器コントローラに接続されており:
第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得するように構成されたインタフェースモジュール、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;及び
前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定するように構成された処理モジュール、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示し、
前記処理モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように更に構成されており、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、無線機器。
[項目2]
前記無線機器は、記憶モジュールを更に備え;
前記記憶モジュールは、第1のリソーステーブルを記憶するように構成されており、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む
項目1に記載の無線機器。
[項目3]
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会するように更に構成されている
項目1又は2に記載の無線機器。
[項目4]
前記処理モジュールは、1つの中央制御モジュール及び少なくとも2つのサービス処理モジュールを有し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールと1対1で対応付けられている;
前記中央制御モジュールは:前記キャリア確立要求内の前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記少なくとも2つのサービス処理モジュールから、前記第1の無線機器コントローラに対応する第1のサービス処理モジュールを決定し、前記第1のサービス処理モジュールに前記キャリア確立要求を送信するように構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは:前記キャリア確立要求に基づき、前記第1の物理リソース情報を決定し、前記中央制御モジュールに前記第1の物理リソース情報を送信するように構成されている;及び
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報、及び前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定するように構成されている
項目3に記載の無線機器。
[項目5]
前記無線機器は、キャリア確立モジュールを更に備え;
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合、前記第1のキャリアの確立を許可することを決定し、前記第1の物理リソース情報を前記キャリア確立モジュールに送信する
ように特に構成されている;及び
前記キャリア確立モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される前記物理リソースを使用することにより、前記第1のキャリアを確立するように構成されている
項目4に記載の無線機器。
[項目6]
前記中央制御モジュールは、前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースの前記リソース量に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの前記リソース量を更新するように更に構成されている
項目5に記載の無線機器。
[項目7]
前記中央制御モジュールは:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも多い場合、前記第1のサービス処理モジュールに第1の通知メッセージを送信する、ここで、前記第1の通知メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースが、前記第1のキャリアを確立するには不十分であることを示す
ように特に構成されている;及び
前記第1のサービス処理モジュールは、前記インタフェースモジュールを制御して、前記第1の無線機器コントローラにキャリア確立応答を送信するように更に構成されており、ここで、前記キャリア確立応答は、前記第1のキャリアの前記確立が失敗したことを示す
項目4に記載の無線機器。
[項目8]
前記キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含み、前記第1のキャリアパラメータは、前記第1のキャリアの特性を示す;及び
前記第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、前記第1のキャリアパラメータに基づき前記第1の物理リソース情報を生成するように特に構成されており、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なり、前記第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む
項目3~7のいずれか一項に記載の無線機器。
[項目9]
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラからリソース照会メッセージを受信するように更に構成されており、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの使用情報を照会するために使用され、前記リソース照会メッセージは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子を含む;
前記中央制御モジュールは、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記第1のサービス処理モジュールに前記リソース照会メッセージを送信するように更に構成されている;
前記第1のサービス処理モジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を照会するように更に構成されている;及び
前記インタフェースモジュールは、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースの前記使用情報を前記第1の無線機器コントローラに送信するように更に構成されている
項目4~8のいずれか一項に記載の無線機器。
[項目10]
前記中央制御モジュールは:
障害情報を取得する、ここで、前記障害情報は、前記無線機器内の障害のある物理リソースを示す;
前記少なくとも2つの無線機器コントローラから少なくとも1つの第2の無線機器コントローラを決定する、ここで、前記第2の無線機器コントローラは、前記障害情報によって示される前記物理リソースを使用する無線機器コントローラである;及び
前記インタフェースモジュールを制御して、前記第2の無線機器コントローラに前記障害情報を送信する
ように更に構成されている、項目4~9のいずれか一項に記載の無線機器。
[項目11]
前記インタフェースモジュールは、リソース構成メッセージを取得するように更に構成されており、前記リソース構成メッセージは、前記第1のリソーステーブルを含む、項目2~10のいずれか一項に記載の無線機器。
[項目12]
第1の無線機器コントローラであって、前記第1の無線機器コントローラは、無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちのいずれか1つであり:
キャリア確立要求を生成するように構成された処理モジュール、ここで、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用され、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースを申請することを示し、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している;及び
前記無線機器に前記キャリア確立要求を送信するように構成されたインタフェースモジュール
を備える、第1の無線機器コントローラ。
[項目13]
リソース管理方法であって、
無線機器が、第1の無線機器コントローラからキャリア確立要求を取得する段階、ここで、前記第1の無線機器コントローラは、前記無線機器に接続された少なくとも2つの無線機器コントローラのうちの1つであり、前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの第1のキャリアを確立することを要求するために使用される;
前記無線機器が、前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を決定する段階、ここで、前記第1の物理リソース情報は、前記第1のキャリアを確立するために必要とされる物理リソースを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを決定する段階、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラは、前記無線機器内の異なる物理リソースに対応している
を備える、方法。
[項目14]
前記無線機器は第1のリソーステーブルを記憶し、前記第1のリソーステーブルは、前記少なくとも2つの無線機器コントローラの各々に対応する前記物理リソースを含む、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記キャリア確立要求は、前記第1の無線機器コントローラの識別子を含み、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子は、前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを申請することを示す;及び
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを前記決定する段階の前に、前記方法は:
前記無線機器が、前記第1の無線機器コントローラの前記識別子に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する前記物理リソースを照会する段階
を更に備える、項目13又は14に記載の方法。
[項目16]
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報、及び前記無線機器内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースに基づき、前記第1のキャリアを確立するかどうかを前記決定する段階は:
前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースのリソース量が、前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースのリソース量よりも少ない場合に、前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報によって示される前記物理リソースを使用することにより、前記第1のキャリアを確立する段階
を有する、項目13~15のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]
前記方法は:
前記無線機器が、前記第1の物理リソース情報によって示される物理リソースの前記リソース量に基づき、前記第1のリソーステーブル内の前記第1の無線機器コントローラに対応する物理リソースの前記リソース量を更新する段階
を更に備える、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記キャリア確立要求は、第1のキャリアパラメータを更に含み、前記第1のキャリアパラメータは、前記第1のキャリアの特性を示す;及び
前記無線機器が、前記キャリア確立要求に基づき、第1の物理リソース情報を前記決定する段階は:
前記無線機器が、前記第1の無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールに従い、前記第1のキャリアパラメータに基づき前記第1の物理リソース情報を生成する段階、ここで、前記少なくとも2つの無線機器コントローラ内の異なる無線機器コントローラに対応する予め設定されたルールは異なり、前記第1の物理リソース情報は、周波数帯域リソース、電力リソース、チャネルリソース、キャリアリソース、及びフロー量リソースのうちの少なくとも1つに関する情報を含む
を有する、項目13~17のいずれか一項に記載の方法。
[項目19]
プロセッサ及びメモリを備える通信装置であって、
前記メモリはコンピュータプログラムを記憶する;及び
前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出して、前記通信装置が項目13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することを可能にする
通信装置。
[項目20]
項目1~11のいずれか一項に記載の無線機器、及び、項目12に記載の無線機器コントローラ
を備える、通信システム。
[項目21]
命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、前記コンピュータは、項目13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
[項目22]
命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令がコンピュータ上で実行された場合、前記コンピュータは、項目13~18のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】