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  • 特表-補助プリントヘッド支持体 図1A
  • 特表-補助プリントヘッド支持体 図1B
  • 特表-補助プリントヘッド支持体 図2A
  • 特表-補助プリントヘッド支持体 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】補助プリントヘッド支持体
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241212BHJP
   B41J 2/18 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 401
B41J2/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537587
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022080375
(87)【国際公開番号】W WO2023122411
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/265,866
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ルイス
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA07
2C056EB11
2C056EB36
2C056EC11
2C056EC12
2C056EC31
2C056FA10
2C056JC17
2C056KB16
(57)【要約】
【課題】
産業用インクジェット印刷を用いた製造では、精度および規模の向上に対する要求が高まっている。
【解決手段】
基材支持体と、基材支持体をまたいで第1高さに配置され、印刷支持体および印刷支持体に結合されたプリントヘッドアセンブリとを備えた印刷アセンブリと、印刷アセンブリから離隔して配置され、印刷アセンブリに接続され、第2高さに配置された供給アセンブリとを備え、第2高さは、第1高さと同じか、または供給アセンブリのポンプ性能に合うように選択された差分だけ前記第1高さと異なる、インクジェットプリンタを提供する。

【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタであって、前記インクジェットプリンタは、
基材支持体と、
前記基材支持体をまたいで第1高さに配置された印刷アセンブリであって、印刷支持体と、前記印刷支持体に結合されたプリントヘッドアセンブリとを備えた印刷アセンブリと、
前記印刷アセンブリから離隔して配置され、前記印刷アセンブリに接続され、第2高さに配置された供給アセンブリとを備え、前記第2高さは、前記第1高さと同じか、または前記供給アセンブリのポンプ性能に合うように選択された差分だけ前記第1高さと異なり、
前記供給アセンブリは、供給支持体と、前記供給支持体に結合された供給ユニットとを備える、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記供給アセンブリは、前記基材支持体をまたいで配置される、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記供給アセンブリは、振動を最小限に抑えるように選択された不規則多面体形状の支持構造体をさらに備える、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記供給アセンブリは、ブリッジによって支持された複数の導管によって前記印刷アセンブリに接続される、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記印刷支持体はビームを備え、
前記プリントヘッドアセンブリは前記ビームに移動可能に結合され、前記供給ユニットは前記供給支持体に移動可能に結合され、
前記プリントヘッドアセンブリと前記供給ユニットとは固定接続されておらず、互いに平行な方向に移動可能であり、
前記インクジェットプリンタは、前記プリントヘッドアセンブリおよび前記供給ユニットの移動を、前記プリントヘッドアセンブリと前記供給ユニットとの間の距離の変動が所定の許容範囲内となるように制御するように構成された制御部をさらに備える、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記複数の導管は、印刷材料供給導管および印刷材料戻り導管を含む、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記供給アセンブリは、前記供給ユニットに結合された排気ハンドラを含む、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記ブリッジは、前記供給ユニットに接続され、前記供給ユニットとともに移動する、請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記複数の導管は、電力供給導管、ガス供給導管、印刷材料供給導管、および印刷材料戻り導管を含む、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記印刷材料供給導管および前記印刷材料戻り導管は、前記供給ユニットの印刷材料供給システムを前記プリントヘッドアセンブリの印刷材料供給システムに接続する、請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
インクジェットプリンタであって、前記インクジェットプリンタは、
投入区画および印刷区画を有する基材支持体と、
支持構造体と、前記基材支持体の前記印刷区画に近接して配置された堆積部と、前記基材支持体の前記投入区画に向かう方向に前記堆積部から離隔して配置された供給部とを含む処理ユニットとを備え、
前記処理ユニットは、前記堆積部から前記供給部まで延在する処理ヘッドをさらに含み、前記処理ヘッドは、前記堆積部に配置されたプリントヘッドアセンブリと、前記供給部に配置された供給ユニットと、前記プリントヘッドアセンブリを供給アセンブリに接続する導管支持体とを有する、インクジェットプリンタ。
【請求項12】
堆積部換気構造体、供給部換気構造体、および処理ヘッド換気構造体のうちの1つ以上をさらに備える、請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記処理ヘッドは、前記プリントヘッドアセンブリへの振動の伝達を最小限に抑えるように選択された剛性を有する、請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項14】
前記処理ヘッドは、
前記堆積部用の第1移動システムと、
前記供給部用の第2移動システムと、
前記第1移動システムおよび前記第2移動システムに動作可能に結合され、前記第1移動システムによる移動と前記第2移動システムによる移動とを連動させる制御部とを備える、請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項15】
前記制御部は、前記プリントヘッドアセンブリと前記供給ユニットとの間の距離が所定の許容範囲内となるように、前記プリントヘッドアセンブリの位置および前記供給ユニットの位置を維持するように構成される、請求項14に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項16】
前記支持構造体に搭載された撮像部品をさらに備える、請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項17】
前記処理ヘッドは、前記プリントヘッドアセンブリを振動から遮断する可撓性接続部を備える、請求項13に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項18】
基材支持体と、
前記基材支持体をまたいで配置された印刷アセンブリと、
前記印刷アセンブリから離隔して配置された供給アセンブリであって、前記印刷アセンブリとともに、前記供給アセンブリと前記印刷アセンブリとの間の高低差を最小限に抑えるように構成された供給アセンブリと、
前記印刷アセンブリと前記供給アセンブリとの間の導管支持体と
を備える、インクジェットプリンタ。
【請求項19】
前記導管支持体上に配置された複数の導管であって、前記供給アセンブリから前記印刷アセンブリへの力の伝達を減衰させる可撓性接続部を用いて前記印刷アセンブリに接続された複数の導管をさらに備える、請求項18に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項20】
前記複数の導管は、印刷材料供給導管および印刷材料戻り導管を含む、請求項19 に記載のインクジェットプリンタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月22日出願の米国仮特許出願第63/265,866号の利益を主張し、その内容の全体を参照により組み込む。
【背景技術】
【0002】
産業用インクジェットプリンタは、大型基材に材料を塗布して各種デバイスを形成するために使用される。基材は、硬質や軟質、厚板、薄板のいずれも可能であり、種々の材質からなるものが可能である。このように使用される基材の最も代表的な種類として、各種ガラスからなる基材が挙げられ、これらの基材は、テレビ等の電子ディスプレイやスマートフォン用のディスプレイを製造するために処理される。
【0003】
産業用インクジェット印刷を用いた製造には多くの利点があるが、特に柔軟性、速度、および精度の面で有利である。精度および規模の向上に対する要求が高まるにつれ、こうした要求に応えることのできる新しいプリンタの設計が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書に記載の実施形態によれば、基材支持体と、基材支持体をまたいで配置された印刷アセンブリと、印刷アセンブリから離隔して配置され、印刷アセンブリに接続され、第2高さに配置された供給アセンブリとを備え、第2高さは、第1高さと同じか、または供給アセンブリのポンプ性能に合うように選択された差分だけ第1高さと異なる、インクジェットプリンタが提供される。
【0005】
本明細書に記載の他の実施形態によれば、投入区画および印刷区画を有する基材支持体と、処理ユニットとを備えるインクジェットプリンタが提供される。処理ユニットは、支持構造体と、基材支持体の印刷区画に近接して配置された堆積部と、基材支持体の投入区画に向かう方向に堆積部から離隔して配置された供給部とを備える。処理ユニットは、堆積部から供給部まで延在する処理ヘッドをさらに含み、処理ヘッドは、堆積部に配置されたプリントヘッドアセンブリと、供給部に配置された供給ユニットと、プリントヘッドアセンブリを供給アセンブリに接続する導管支持体とを有する。
【0006】
本明細書に記載の他の実施形態によれば、基材支持体と、基材支持体をまたいで配置された印刷アセンブリと、印刷アセンブリから離隔して配置された供給アセンブリであって、印刷アセンブリとともに、供給アセンブリと印刷アセンブリとの間の高低差を最小限に抑えるように構成された供給アセンブリと、印刷アセンブリと供給アセンブリとの間の導管支持体とを備えるインクジェットプリンタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】一実施形態に係るインクジェットプリンタの平面図である。
【0008】
図1B図1Aのインクジェットプリンタの立面図である。
【0009】
図2A】一実施形態に係る供給アセンブリの一部分の側面図である。
【0010】
図2B】一実施形態に係る支圧板の平面図である。
【0011】
図3】別の実施形態に係るインクジェットプリンタの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aは、一実施形態に係るインクジェットプリンタ100の平面図である。インクジェットプリンタ100は、インクジェットプリンタ100によって処理される基材を支持する基材支持体102を有する。基材支持体102をまたいで、印刷アセンブリ104が配置される。印刷アセンブリ104は、印刷支持体106と、印刷支持体106に移動可能に結合されたプリントヘッドアセンブリ108とを備える。基材支持体102は、プリントヘッドアセンブリが1種以上の印刷材料の液滴を基材上に吐出できるように基材を支持する。基材支持体102は、基材をガスクッション上に浮動させるガス支持体であってもよい。基材ホルダアセンブリ109が基材支持体102の側方に配置され、基材支持体102上に配置された基材の縁部と係合する。基材ホルダアセンブリ109は、基材ホルダ支持体112上に移動可能に配置された基材ホルダ110を備える。基材ホルダ110は、基材支持体102上に浮動した基材を吸着させ、基材ホルダ支持体112に沿って移動し、基材を移動させて基材の印刷対象領域を位置決めすることが可能である。基材支持体102は、略第1方向に延びる長手軸を有する。第1方向は、処理中に基材が基材ホルダ110によって搬送される方向である。基材ホルダ110が基材ホルダ支持体112に沿って基材支持体102の長手軸方向に略無摩擦で移動するように、基材ホルダ110は、ガスクッションを用いて基材ホルダ支持体112に支持されていてもよい。
【0013】
印刷支持体106は、基材支持体102の両側部にそれぞれ設けられた2つのスタンド114と、基材支持体102の横軸に沿って、2つのスタンド114の間で一方のスタンド114から他方のスタンド114まで長手軸に対して略垂直に延在するビーム116とを有する。プリントヘッドアセンブリ108はビーム116に沿って横軸方向に移動し、基材は長手軸方向に移動する。この「2軸」システムを用いることで、プリントヘッドアセンブリ108と基材とを相対的に位置決めし、基材上の任意の所望位置に印刷材料を堆積させることができる。
【0014】
基材支持体102および2つのスタンド114は、周囲の振動を吸収し、基材またはプリントヘッドアセンブリ108へのこうした振動の伝達を防止するように、重量のある材料で作製された基部118上に支持されている。基部118は、基部118を支持するガスクッションを形成する1つ以上のアイソレータ120上に支持して、基材およびプリントヘッドアセンブリ108を周囲の振動からさらに遮断することができる。スタンド114およびビーム116もまた、振動を吸収するように重量のある材料で作製することができる。プリントヘッドアセンブリ108は、キャリッジ119によってビーム116に結合される。キャリッジ119は、プリントヘッドアセンブリ108を略無摩擦でビーム116に沿って移動させるガスクッションキャリッジとすることができる。
【0015】
上述のように、基材およびプリントヘッドアセンブリ108が周囲の振動および/またはその他の望ましくない動きを受けないように構成することは、インクジェットプリンタ100の印刷精度を最大に高めるために有効である。望ましくない動きがプリントヘッドアセンブリ108に伝達されるのをさらに低減させるために、供給アセンブリ122を印刷アセンブリ104から離隔して配置する。これにより、供給アセンブリ122内の機器によってプリントヘッドアセンブリ108に望ましくない動きが加わらないようにすることができる。供給アセンブリ122は、振動を最小限に抑えるように選択された不規則多面体形状の支持構造体126を有する供給支持体124を備える。本例では、支持構造体126は、基部118上ではなく、床面上に置かれた複数のスタンド128を有する。供給アセンブリ122は印刷アセンブリ104から離隔して配置されているため、供給アセンブリ122では振動に対して許容度がより高く、供給アセンブリ122内の機器(例えば、ポンプや圧縮機)によって振動が加わってもよい。供給アセンブリ122に伝達される周囲の振動を最小限に抑えるように、スタンド128の多面体形状およびスタンド128の数を選択すると、支持構造体126を介して伝達される周囲の振動の影響を低減させるのにさらに有効である。
【0016】
支持構造体126は、印刷アセンブリ104のビーム116と略平行に延在するビーム130を有する。供給アセンブリ122は、流体ユニット133および電気ユニット135を備える供給ユニット132を有する。供給ユニット132はビーム130に移動可能に結合され、プリントヘッドアセンブリ108の方向と略平行な方向に移動可能である。プリントヘッドアセンブリ108と供給ユニット132とは固定接続されておらず、3次元において互いに移動可能である。プリントヘッドアセンブリ108と供給ユニット132との間の距離が所定の許容範囲内に維持されるように、制御部134が、プリントヘッドアセンブリ108および供給ユニット132の位置を監視し、移動を制御するように構成される。したがって、プリントヘッドアセンブリ108と供給ユニット132との間の距離の変動は、所定の許容範囲内に維持される。制御部134はまた、プリントヘッドアセンブリ108の動きと供給ユニット132の動きを同期させて、プリントヘッドアセンブリ108に急激な力が加わるのを最小限に抑えるように構成することができる。例えば、プリントヘッドアセンブリ108(すなわち、キャリッジ119)および供給ユニット132(図2Aおよび図2Bを参照しながら詳細に後述する)の移動システムの構成要素の制御ループの既知のタイミングを制御部134に供給し、プリントヘッドアセンブリ108の加速と供給ユニット132の加速とが可能な限り同時に近づくように、移動システムに制御信号を発するタイミングを調節することができる。
【0017】
供給ユニット132は、ブリッジ138によって支持された複数の導管136によってプリントヘッドアセンブリ108に接続されている。ブリッジ138は供給アセンブリ122に接続されており、さらに供給ユニット132に接続されていてもよい。あるいは、ブリッジ138は、プリントヘッドアセンブリ108に接続されていてもよい。ブリッジ138は、プリントヘッドアセンブリ108に対する導管136の移動が最小限に抑えられるように、供給ユニット132をプリントヘッドアセンブリ108に接続する導管136を支持する。このため、導管136が移動しても、プリントヘッドの位置決め精度を低下させる望ましくない力がプリントヘッドアセンブリ108に生じることがない。
【0018】
上述のように、供給アセンブリ122は、印刷アセンブリ104に対して離隔した位置関係に配置されている。図1Bは、図1Aのインクジェットプリンタ100の立面図である。プリントヘッドアセンブリ108は、ビーム116の側面のうち、基材支持体102の投入端150側の側面に設けられる。基材ホルダ110は、基材支持体102の投入端150まで移動可能であり、基材ハンドラ(図示せず)によって、投入端150に配置された基材と係合する。供給アセンブリ122は、ブリッジ138が供給アセンブリ122からプリントヘッドアセンブリ108までまたがるように、基材支持体102の投入側に位置決めされる。上述のように、スタンド128は、周囲の振動が供給ユニット132に伝達されるのを抑制するように不規則多面体形状を有する。供給ユニット132は、2つの供給ユニット間の距離が最小限となるように、ビーム130の側面のうち、プリントヘッドアセンブリ108側の側面に設けられる。概して、供給ユニット132は、インクジェットプリンタ100の他の構成の位置によって制限されるが、プリントヘッドアセンブリ108に対して可能な限り近接させることによって、2つの供給ユニットの連動の複雑度および2つの供給ユニット間での流体流動の複雑度を最小限に抑えることができる。
【0019】
ブリッジ138は、ビーム130を越えて基材支持体102の投入端150に向かって延在し、サービスバンドル支持体154に配置された1つ以上のサービスバンドル152と連動する。サービスバンドル支持体154は、ビーム130の側面のうち、基材支持体102の投入端150側の側面に位置し、印刷アセンブリ104から離れる方向に面している。サービスバンドル支持体154はビーム130に取り付けられ、ビーム130から離れる方向に投入端150に向かって延在し、1つ以上のサービスバンドル152の支持面となっている。サービスバンドル152は、供給ユニット132および導管136を、インクジェットプリンタ100を動作させる流体システムおよび電気システムに結合している。
【0020】
可撓性導管142を用いて導管136をプリントヘッドアセンブリ108および/またはキャリッジ119に接続することができる。第1可撓性導管142Aによって導管136(適宜、特定の導管)がプリントヘッドアセンブリ108に流体接続され、第2可撓性導管142Bによって導管136がキャリッジ119に流体接続されている状態が示されている。第1可撓性導管142Aは、可撓性導管バンドル(すなわち、複数の可撓性導管の群)とすることができ、第2可撓性導管142Bも同様に、可撓性導管バンドルとすることができる。図を簡略化するために、図1Aの平面図では可撓性導管142が省略されているが、こうした可撓性導管は、図1Aおよび図1Bの実施形態において使用しても使用しなくてもよい。可撓性導管142は、供給ユニット132、導管支持体318、および導管136の移動がプリントヘッドアセンブリ108の移動と完全には同期しない範囲において、このような移動から生じる望ましくない力から、プリントヘッドアセンブリ108および/またはキャリッジ119をさらに遮断することができる。
【0021】
上述のように、基部118は、アイソレータ120等の浮動式アイソレータ上に配置することができる。本例では、基材支持体102は、投入区画102A、印刷区画102B、および載置区画102Cの3つの区画に分かれている。印刷区画102Bは、投入区画102Aと載置区画102Cとの間にある。載置区画102Cは、基材がインクジェットプリンタ100から回収される取出ゾーンとすることができ、またはある実施形態では、載置区画102Cは、基材の向きを変えるための基材回転台とすることもできる。印刷区画102Bは、印刷材料をプリントヘッドアセンブリ108から基材上に堆積させる間、基材を支持する。したがって、印刷区画102Bは基部118によって直接支持されるので、基材の浮動および堆積工程における外乱を最小限に抑えることができる。側方支持体158、例えば鋼製ビームが、基部118から基材支持体102の長手方向に延在し、投入区画102Aおよび載置区画102Cを支持する。端部支柱160が側方支持体158の端部に配置され、基材支持体102の支持を補助している。端部支柱160は床面上に置き、基部118はアイソレータ120によって生成された薄いガスクッション上に置くことができる。端部支柱160から側方支持体158、投入区画102A、および載置区画102Cを介して基部118および印刷区画102Bに伝達され得る周囲の振動は、アイソレータ120上の基部118を支持するガスクッション、および印刷区画102Bにおいて基材を支持するガスクッションによって実質的に減衰される。なお、ガスクッション機能はまた、基材支持体102の全体にわたって基材を連続して支持するガスクッションが設けられるように、投入区画102Aおよび載置区画102Cに結合させてもよい。
【0022】
供給アセンブリ122は、供給ユニット132とプリントヘッドアセンブリ108との間の高さの変動が最小限に抑えられるように、または低く保たれるように構成されるので、供給ユニット132とプリントヘッドアセンブリ108との間で移送される高密度流体のヘッド圧力が低減する。流体のヘッド圧力をこのように低く保つことで、流体移送に必要となるポンプ性能を抑えることができる。一般的に、供給アセンブリと印刷アセンブリとの間に、供給アセンブリのポンプ性能に合った高低差を設けると有効である。供給アセンブリから印刷アセンブリに移送され、任意選択でループ状に供給アセンブリに戻る印刷材料は、高密度で粘性が高く、移送に比較的高いポンプ力が必要となることがある。このため、供給アセンブリと印刷アセンブリとの間の印刷材料回路におけるヘッド圧力を最小限に抑えるか、または過度に増幅させないことが有効となる。したがって、印刷アセンブリ、すなわちプリントヘッドアセンブリは第1高さに位置し、供給アセンブリは第2高さに位置する。第2高さは、第1高さと同じであってもよいし、供給アセンブリのポンプ性能に合うように選択された差分だけ第1高さと異なっていてもよい。このように、印刷材料をプリントヘッドアセンブリに移送し、任意選択でループ状に供給アセンブリに戻すために必要な供給アセンブリのポンプ性能が過剰になることがなく、また、供給アセンブリ内に配置されるポンプのサイズおよびエネルギー使用量が最小限に抑えられるか、または有効に選択することができる。大幅な高低差があっても動作可能ではあるが、大幅な高低差で流体を移送するには、より高いポンプ性能とエネルギー消費が必要になる。また、大幅な高低差があると、インクジェットプリンタ100の上下方向の寸法が大きくなり、プリンタの動作に、より広い空間が必要になる。高低差は、供給アセンブリおよび印刷アセンブリの任意の特徴部またはマーカを便宜的に用いて測定することができる。例えば、高低差は、供給アセンブリおよび印刷アセンブリの印刷材料貯留部の頂部または底部を基準とすることができる。あるいは、高低差は、供給アセンブリの1つ以上のポンプの高さと、供給アセンブリの1つ以上のポンプに流体結合された印刷アセンブリの印刷材料貯留部の頂部または底部とを基準としてもよい。供給アセンブリおよび印刷アセンブリの他の任意の高さを便宜的に使用してもよい。
【0023】
図2Aは、供給アセンブリ122の一部分の側面図である。供給ユニット132は、ビーム130の側面のうち、プリントヘッドアセンブリ108(図2Aには図示せず)側の側面においてビーム130に取り付けられた直線運動システム202に結合されている。したがって、供給ユニット132は、ビーム130の側面のうち、プリントヘッドアセンブリ108側の側面に取り付けられている。ビーム130のこの側面にはトラック206が取り付けられ、供給ユニット132はキャリッジユニット204によってこのトラック206に結合されている。キャリッジユニット204は、トラック206に結合された支圧板208と、支圧板208および/またはトラック206に結合されたアクチュエータ210(図2B参照)とを備える。図2Bは、支圧板208の平面図である。本例では、アクチュエータ210は誘導アクチュエータであり、アクチュエータ210は、トラック206に機械的に結合された磁石構造体212(図2A参照)に誘導結合されている。トラック206は、トラック206の長さに沿って延在する2本のレール214を有し、磁石構造体212は、2本のレール214の間に配置され、トラック206に取り付けられている。
【0024】
支圧板208は、レール214に結合された少なくとも2つの支圧ブロック216を有し、各レール214に対して少なくとも1つの支圧ブロック216が結合されている。本例では、各レール214に対して3つの支圧ブロック216が結合され、合計6つの支圧ブロック216が結合されている。適切な任意の数の支圧ブロック216を使用することができる。各支圧ブロック216は、支圧ブロック216がレール214に対して移動することによって発生する粒子を制御するハウジング218内に配置されている。支圧板208は、支圧板208がトラック206に装着されたときにトラック206に面する第1側面220と、第1側面220とは反対側の第2側面222とを有し、第2側面222には供給ユニット132が装着される。支圧ブロック216およびハウジング218は支圧板208の第1側面220に配置され、支圧板208の第2側面222が図2Aに示されている。したがって、支圧ブロック216およびハウジング218は、図2Bにおいて破線で示されている。支圧板208は、各ハウジング218の位置において支圧板208の第1側面220から第2側面222に至る開口部221を有する。これらの開口部221は、支圧板208の移動によって各ハウジング218内で発生した粒子の排出経路となる。開口部221は、第2側面222の表面に形成された溝223に形成される。溝223にはカバー(図示せず)が被せられ、排気プレナム224が形成されている。排気導管226が、支圧板208の第2側面222上の排気プレナム224に取り付けられている。支圧ブロック216がレール214上を移動する際に発生した粒子は、ハウジング218内に捕捉される。これらの粒子は、開口部221から、すなわち支圧板208を通って排気プレナム224に排気され、排気導管226によって除去される。排気ハンドラ(図示せず)が排気導管226に流体結合され、キャリッジユニット204から粒子を流出させる。排気ハンドラは、供給アセンブリ122上、またはインクジェットプリンタ100に隣接したサービスユニット内に配置してもよい。支圧ブロック216がレール214に沿って移動することによって発生した粒子は、ハウジング218によって捕捉され、支圧板208を通って排気導管226に排出される。
【0025】
排気プレナム224は、支圧板208の周囲を囲むように延在する。アクチュエータ210は、支圧板208の略中心位置に配置されるので、トラック206と適宜結合することができる。支圧板208の第2側面222上に供給ユニット132が取り付け可能となるように支圧板208の第2側面222を平坦にするために、アクチュエータ210を支圧板208に形成された凹部、すなわち開口部に配置してもよい。本例では、アクチュエータ210は、トラック206のレール214間に取り付けられた磁石構造体212と磁気結合するように配置されている。本例では、排気プレナム224は、長方形の誘導アクチュエータ210の3辺を取り囲むように延在する。
【0026】
直線運動システム202は、キャリッジユニット204の位置を感知する1つ以上の位置センサ230を有してもよい。本例では、位置センサ230は、支圧板208に取り付けられる。本明細書では、位置センサ230はエンコーダであり、トラック206上に配置されたエンコーダ片232がエンコーダ230に結合され、キャリッジユニット204がトラック206に沿って移動する際に位置が信号出力される。エンコーダに加えて、またはエンコーダの代わりに、光学式位置センサ等の他の位置センサを使用することもできる。直線運動システム202はまた、トラック206に沿ったキャリッジユニット204の運動を制限する1つ以上の制止部234を有し得る。本明細書では、トラック206の端部に端部停止制止部が使用される。
【0027】
図1Aを再度参照すると、流体ユニット133は、概ね供給ユニット132の第1端部161に位置し、電気ユニット135は、概ねビーム130に沿って第1端部161から横方向にずれた第2端部162に位置する。一般に、供給ユニット132は、流体ユニット133がプリントヘッドアセンブリ108の流体ユニット(図示せず)に隣接して配置され、電気ユニット135がプリントヘッドアセンブリ108の電気ユニット(図示せず)に隣接して配置されるように構成される。プリントヘッドアセンブリ108の流体ユニットは、プリントヘッドアセンブリ108の第1端部に配置され、プリントヘッドアセンブリ108の電気ユニットは、プリントヘッドアセンブリ108の第2端部として、プリントヘッドアセンブリ108の第1端部とは反対側に配置される。プリントヘッドアセンブリ108の流体ユニットおよび電気ユニットと供給ユニット132とは、各種ユニットの保守を簡易にするように隣接している。例えば、2つの流体ユニットの保守では、プリントヘッドアセンブリ108をビーム116の端部に移動させ、供給ユニット132をビーム130の端部に移動させることで、各流体ユニットをインクジェットプリンタ100の一方側に配置することができ、保守作業員がアクセスしやすくなる。同様に、電気ユニットの保守では、プリントヘッドアセンブリ108をビーム116の反対側の端部に移動させ、供給ユニット132をビーム130の反対側の端部に移動させることで、電気ユニットをインクジェットプリンタ100の反対側に配置することができ、アクセスしやすくなる。
【0028】
印刷アセンブリ104は、プリントヘッドアセンブリを排気するために、印刷支持体106に結合された換気ユニット170を含んでもよい。換気ユニット170は、印刷支持体106に取り付けられ、プリントヘッドアセンブリ108の内部に流体接続されたプレナム172を備える。換気ユニット170はまた、プレナム172に流体結合された排気ハンドラ174を備え、プリントヘッドアセンブリ108の移動、およびプリントヘッドアセンブリ108内の機器の動作によって発生した粒子を除去するように、プレナム172およびプリントヘッドアセンブリ108にガスを流す。インクジェットプリンタ100では、供給ユニット132とプリントヘッドアセンブリ108とは別々に換気される。
【0029】
インクジェットプリンタ100は、保守台180を含むことができる。保守台180は基材支持体102の側方に位置し、プリントヘッドアセンブリ108を印刷支持体106に沿って基材支持体102の側部まで移動させることによって、プリントヘッドアセンブリ108にアクセス可能である。本例では、保守台180は、基材ホルダアセンブリ109の動作と干渉しないように、基材支持体102の側面のうち、基材ホルダアセンブリ109とは反対側の側面に配置される。保守台180は、プリントヘッドアセンブリ108が最適にアクセスできるように保守台180を位置決めする運動システム182と、プリントヘッドアセンブリ108の保守作業および/または較正作業を実施するための1つ以上の器材184とを含むことができる。このような作業には、診断作業および洗浄作業が含まれてもよい。
【0030】
図3は、別の実施形態に係るインクジェットプリンタ300の立面図である。図1Aのインクジェットプリンタ100は、インクジェットプリンタ300の一例であり、2つのプリンタ間において同一の要素には、図3においても図1Aと同一の参照符号が付されている。インクジェットプリンタ300は、基材支持体102をまたいで配置された処理アセンブリ302を有する。処理アセンブリ302は、基材支持体102の両側部において、支持構造体306によって支持された処理ユニット304を備える。支持構造体306は、印刷区画102Bに概ね隣接し、支持構造体306の寸法によっては投入区画102Aにも隣接する。
【0031】
処理ユニット304は、堆積部308および供給部310を有する。供給部310に伴う振動を堆積部308から遠ざけるために、供給部310は堆積部308から離隔して配置される。支持構造体306は、基部118上に配置されても、基部118に隣接した別のガスクッションアイソレータ上に配置されても、ガスクッションアイソレータによって支持された土台の上に配置されてもよい。本例では、図示の支持構造体306は、一方の構成要素が基部118上に配置され、他方の構成要素が床面上に配置されている。プリントヘッドアセンブリ108または堆積部308に近接した支持構造体306の構成要素、またはそれらをほぼ直接的に支持する支持構造体306の構成要素を、基部上に置くか、または別個のガスクッションもしくは他の遮断支持体を設けることによって、周囲の振動および力からさらに遮断することができる。場合によっては、支持構造体全体を基部上に置くか、またはガスクッション支持体等の別個の遮断支持体上に部分的もしくは完全に置くことによって、処理ユニット304全体を周囲の振動から遮断することも有効となり得る。
【0032】
処理ユニット304は、導管支持体318によって結合されたプリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316を備える処理ヘッド312を有する。処理ヘッド312は、独立した移動システム、すなわち堆積部308用の第1移動システム320Aと供給部310用の第2移動システム320Bとによって、支持構造体306の構成要素上に移動可能に支持される。制御部322が、第1移動システム320Aおよび第2移動システム320Bに動作可能に接続され、第1移動システム320Aによる移動と第2移動システム320Bによる移動とを連動させる。制御部322は、プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316の位置を監視し、プリントヘッドアセンブリ314と供給ユニット316との間の距離が所定の許容範囲内となるように、プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316の位置を維持するように構成される。制御部322はまた、プリントヘッドアセンブリ314の速度と供給ユニット316の速度との差が所定の許容範囲内となるように、プリントヘッドアセンブリ314の速度および供給ユニット316の速度を維持するように構成されてもよい。
【0033】
導管支持体318は、支持構造体306の供給部310から堆積部308までまたがり、供給ユニット316をプリントヘッドアセンブリ314に接続する各種導管を支持する。これらの導管は、適切な接続部、例えば、供給ユニット316または導管支持体318からプリントヘッドアセンブリ314に振動や動きが伝達するのを緩和する接続部を使用して、供給ユニット316およびプリントヘッドアセンブリ314に接続され得る。
【0034】
処理ヘッド312は、任意の程度の機械的剛性を有するように構成することができる。処理ヘッド312の各種ユニットの運動量特性に応じて、プリントヘッドアセンブリ314に対する動きや振動の影響を最適化するように、処理ヘッド312に多少の剛性を持たせることができる。供給ユニット316は1つ以上のポンプおよび1つ以上の圧縮機を含み、プリントヘッドアセンブリ314に流体およびガスを供給する。処理ヘッド312、例えば導管支持体318は、ポンプおよび圧縮機によって発生した振動を減衰するように構成することができる。供給ユニット316または供給部310からプリントヘッドアセンブリ314または堆積部308への振動伝達を減衰させる一手法として、図1Bを参照しながら上述した可撓性接続部の使用が挙げられる。
【0035】
場合によっては、プリントヘッドアセンブリ314を支持構造体306の一構成要素に隣接して配置し、適切な任意の種類の可動支持体、例えばガスクッション支持体によって、支持構造体306の一構成要素上に配置されたレール上に移動可能に支持し、リニアアクチュエータ(物理的アクチュエータまたは誘導アクチュエータ)によって、レールに沿って移動させてもよい。供給ユニット316も同様に、支持構造体306の構成要素に隣接して配置し、処理ヘッド312の一端部のみを作動させることから生じるモーメントおよび振動を回避するように、別途作動させることができる。あるいは、処理ヘッド312全体を両レールに沿って同時に移動させるデュアルアクチュエータを使用することも可能である。別の代替例では、第3レールを2つのレール320間に配置して、例えばねじ駆動、リニア誘導駆動、または他の高精度なリニア位置決め駆動とともに使用する駆動レールとして機能させ、プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316の処理ヘッド312の端部を、ガスクッション支持体等の摺動支持体によってレール上に受動的に支持してもよい。処理ヘッド312の構成要素であるプリントヘッドアセンブリ314または堆積部308と、供給ユニット316または供給部310とを個別に作動させる場合、プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316に位置センサを設けることができる。プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316の位置を監視し、プリントヘッドアセンブリ314および供給ユニット316の位置を動的に調整して、移動方向において位置センサ間の距離を所定の許容範囲内に維持するように制御部を構成することができる。また、プリントヘッドアセンブリ314の速度および供給ユニット316の速度を監視し、プリントヘッドアセンブリ314の速度および供給ユニット316の速度を動的に調整し、2つの速度間の差を所定の許容範囲内となるように制御部を構成することも可能である。
【0036】
高精度のリニアアクチュエータ、位置センサ、およびリニアアクチュエータを上述のように制御するように構成された制御部を用いて、プリントヘッドアセンブリ314と供給ユニット316とを個々に作動させることにより、分散配置したユニットを一点荷重によって作動させる場合に生じ得る慣性効果やモーメント効果を排除できるという利点が得られる。また、上述のように駆動レールを設けることにより、処理ヘッド312のほぼ平衡点における一点荷重によって処理ヘッド312を作動させても同様の結果を得ることができる。このような処理ヘッド312を剛性構造とすることによって、供給ユニット316およびプリントヘッドアセンブリ314が取り付けられた処理ヘッド312の端部に伝達される振動を低減させることができ、また、処理ヘッド312の平衡点付近に力を加えることにより、処理ヘッド312にかかるトルクを最小限に抑えることができる。
【0037】
処理ヘッド312は、概して、供給部310内の印刷材料と堆積部308内の印刷材料との間で、所定の許容範囲内の高低差が生じるように構成される。高低差を管理することで、印刷材料の液位の変動から生じるヘッド圧力が最大値以下に保たれるため、過剰なポンプ性能を回避することができる。供給部310内の印刷材料と堆積部308内の印刷材料との間で、これら2つのユニットにおける残存材料の差に起因する液位差以外の高低差が実質的に見られない場合、ヘッド圧力は最小になり得る。
【0038】
供給ユニット316、プリントヘッドアセンブリ314、および導管支持体318を連続して換気することができる。堆積部308の堆積換気構造体330を、支持構造体306の構成要素の堆積部308に隣接して配置することができる。堆積換気構造体330は、排気ガスを堆積部308から除去する経路となるように支持構造体306に全体を固定してもよいし、堆積部308とともに部分的または完全に移動可能としてもよい。例えば、換気構造体330の第1部分は堆積部308を囲んで堆積部308とともに移動することができ、換気構造体330の第2部分は支持構造体306に固定され排気ガスを搬送除去する。場合によっては、プリントヘッドアセンブリ314は、プリントヘッドアセンブリ314におけるプリントヘッドや他の装置(例えば、印刷材料を局所的に供給し回収する装置、およびプリントヘッドアクチュエータ等)の周囲の空間を換気する排気システムを有することができる。この排気システムは、堆積換気構造体330に排気する。換気構造体330の一部はまた、堆積部308に供給する導管、導管バンドル、および/またはサービスバンドルを収容し、それらの要素の動作によって発生した粒子を収容することができる。例えば、サービスバンドルを換気構造体330またはその一部の内部に配置することができ、換気構造体330を介した排気ガスの流れによってサービスバンドルから発生した粒子を除去するように、排気ガスの経路が設けられる。
【0039】
換気構造体330と同様の供給換気構造体332を供給部310にも設けることができ、供給換気構造体332は、供給部310に供給する導管、導管バンドル、および/またはサービスバンドルを収容することができる。
【0040】
処理ヘッド312もまた、処理ヘッド換気構造体334を有してもよい。処理ヘッド換気構造体334は、処理ヘッド312の筐体を含み得る。導管支持体318内の導管の移動によって発生した粒子は、導管支持体318を介してガス流を連続して送ることにより捕捉し換気することができる。1つ以上の換気構造体330および332が使用される場合、処理ヘッド換気構造体334は、換気構造体330および332のうちの一方から排気することができる。あるいは、処理ヘッド換気構造体334は、他の換気構造体とは別の経路から排気することもできる。
【0041】
支持構造体306はまた、撮像部品340を支持するために使用することもできる。本明細書では、2つの撮像部品340が示されている。撮像部品340は、光源、運動システムまたは位置決めシステム、合焦機構およびフィルタ機構等の光学システム、ならびにカメラまたはフォトダイオードアレイ等の画像取得部品の任意の組み合わせであってもよい。撮像部品340は、基材または特徴部の位置決め、基材ホルダの位置決めまたは性能、および処理ヘッドの位置決めまたは性能のうちの一部または全部を決定および補正するために使用される検査装置もしくは較正装置、またはその両方とすることができる。撮像部品340はまた、保守台180によって実施された保守作業の結果を監視するために使用することができる。1つの撮像部品340、または全ての撮像部品340は、プリントヘッドアセンブリ314を支持するレールの底部等、支持構造体306のうちの利用可能な場所に搭載することができ、また、撮像部品340を支持構造体306に沿って必要な位置に移動させる移動システムを撮像部品340に設けることができる。2つ以上の撮像部品340が設けられる場合、スペースが許す限り、撮像部品340の個々の位置決めを可能にするように、搭載部および移動システムを個別に設けることができる。
【0042】
本発明の1つ以上の態様に係る実施形態に関して上述したが、本開示に具体的に記載されていない他の実施形態を本開示の基本範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
【国際調査報告】