(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電気メッキ装置および電気メッキ方法
(51)【国際特許分類】
C25D 17/00 20060101AFI20241212BHJP
C25D 21/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
C25D17/00 K
C25D21/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538161
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2022134116
(87)【国際公開番号】W WO2023116337
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111572890.X
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ユィ ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ジャオウェイ
(57)【要約】
本発明は液体貯蔵装置とメッキ装置を開示する。液体貯蔵装置は、複数の作業室に溶液を供給するための複数の作業サイクル排水口と、加熱された溶液をタンク本体に導入するための熱サイクル液注入口を含むタンク本体からなる。タンク本体の対向する側壁には、作業サイクル排水口がある。2つの側壁を接続する側壁には、側壁の長さの中央付近または中央に熱サイクル液注入口が配置されている。タンク本体内に配置されたガイド要素を含む液体貯蔵装置がさらに提供される。ガイド要素は、熱サイクル液注入口に接続されており、熱サイクル液注入口から入る溶液がガイド要素を通ってタンク本体に流れ、各作業サイクル排水口に向かう。この発明は、単一の液体貯蔵装置を通じて異なる作業室に入る溶液の温度と流量を均等化する利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯蔵装置であって、タンク本体を備え、前記タンク本体は、複数の作業室に溶液を供給するための複数の作業サイクル排水口と、前記タンク本体内に加熱された溶液を導入するための熱サイクル液注入口とを含み、前記複数の作業サイクル排水口は、前記タンク本体の対向する側壁に配置され、2つの側壁を接続する側壁には、前記熱サイクル液注入口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、1つの側壁の長さの中央付近または中央に配置され、
更に、前記タンク本体に配置されたガイド要素を備え、前記ガイド要素は前記熱サイクル液注入口に接続され、前記熱サイクル液注入口から入る溶液は、前記ガイド要素を経由して前記タンク本体に流れ、各作業サイクル排水口に流れる、液体貯蔵装置。
【請求項2】
前記タンク本体は上部と下部とを有し、前記上部と前記下部を接続し、前記タンク本体の周囲に沿って順次接続される第1、第2、第3、および第4の側壁を備え、第1の側壁は第3の側壁と対向し、第2の側壁は第4の側壁と対向しており、
更に、前記タンク本体内部に位置し、底部に固定された冷却コイルを備えており、前記タンク本体内の溶液との熱交換を容易にする、請求項1に記載の液体貯蔵装置。
【請求項3】
前記第1の側壁および前記第3の側壁は、前記作業サイクル排水口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の、前記第2の側壁の長さの中央付近または中央に配置される、請求項2に記載の液体貯蔵装置。
【請求項4】
前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央付近にあり、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部が、前記第4の側壁に向かって延び、溶液が流れ出るための出口を形成している、請求項3に記載された液体貯蔵装置。
【請求項5】
前記ガイド要素の側壁には、少なくとも1つの分流口があり、当該分流口を介して前記ガイド要素内の溶液が前記タンク本体に入る、請求項4に記載された液体貯蔵装置。
【請求項6】
前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央に位置し、前記冷却コイルは、前記底部の中央位置に固定されており、
前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方に延びて、上側吹出口を形成し、当該上側吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置するか、
或いは、前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方と下方に延び、上側吹出口と下側吹出口を形成し、当該上下の吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置する、請求項3に記載された液体貯蔵装置。
【請求項7】
前記第1の側壁および前記第3の側壁には、前記作業サイクル排水口があり、前記熱サイクル液注入口は前記上部の中央に配置され、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部は下方に延びて前記下部の出口を形成し、
前記冷却コイルが前記底部の中央位置に固定され、前記ガイド要素の端は、前記熱サイクル液注入口から離れた位置で前記冷却コイルの内側に配置されている、請求項2に記載された液体貯蔵装置。
【請求項8】
前記冷却コイルは、コイル本体、ベース、および前記ベース上に垂直に配置された複数の支持体を有し、前記支持体は前記ベースの周囲に分離して配置され、前記支持体は高さ方向に間隔を空けた複数の取り付け穴を備え、前記コイル本体は螺旋状であり、前記複数の取り付け穴に固定されている、請求項2から7のいずれかに記載の液体貯蔵装置。
【請求項9】
各支持体は複数のセットのマウンティングホールを備えている、請求項8に記載の液体貯蔵装置。
【請求項10】
前記タンク本体は、第1の排水口、第2の排水口、および第3の排水口という3つの前記作業サイクル排水口を備えており、前記第1の排水口と前記第2の排水口は間隔を隔てて、前記第1の側壁に配置され、一方、前記第3の排水口は前記第3の側壁に配置されている、請求項3から7のいずれかに記載された液体貯蔵装置。
【請求項11】
前記タンク本体はさらに作業サイクル注入口と熱サイクル排水口を備えており、前記作業サイクル注入口は、複数の作業室から流れ出る溶液が前記タンク本体に入ることを可能にするために使用され、前記熱サイクル排水口は前記タンク本体内の溶液が加熱のために流れ出ることを可能にするために使用され、
前記作業サイクル注入口が前記タンク本体の上部に位置し、前記熱サイクル排水口が前記タンク本体の底部に位置する、請求項10に記載された液体貯蔵装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の液体貯蔵装置を備えた、電気メッキ装置。
【請求項13】
基板の表面に金属層を堆積するための複数の作業室と、複数の作業ポンプをさらに備えており、前記複数の作業室は対応する前記複数の作業ポンプに接続され、前記複数の作業ポンプは前記複数の作業サイクル排水口に接続されており、前記タンク本体内の溶液を対応する作業室に導入することができる、請求項12に記載の電気メッキ装置。
【請求項14】
前記タンク本体が前記第1の排水口、前記第2の排水口、および前記第3の排水口という3つの前記作業サイクル排水口を含み、さらに前記タンク本体が前記作業サイクル注入口と前記熱サイクル排水口を含む場合、
前記複数の作業室は、第1の作業室、第2の作業室、および第3の作業室で構成されており、前記複数の作業ポンプは、第1の作業ポンプ、第2の作業ポンプ、および第3の作業ポンプで構成されており、
前記第1の作業ポンプと前記第1の作業室は、前記第1の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第1の作業サイクルループを形成し、
前記第2の作業ポンプと前記第2の作業室は、前記第2の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第2の作業サイクルループを形成し、
前記第3の作業ポンプと前記第3の作業室は、前記第3の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第3の作業サイクルループを形成する、請求項13に記載された電気メッキ装置。
【請求項15】
熱サイクルポンプおよび加熱装置を更に備え、前記熱サイクルポンプおよび前記加熱装置は、前記熱サイクル液注入口と前記熱サイクル排水口との間に順次接続され、熱サイクルループを形成する、請求項14に記載の電気メッキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の分野に関し、より詳細には電気メッキ装置及び電気メッキ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気メッキ装置において、液体貯蔵タンクは最も基本的なデバイスの一つであり、亜鉛メッキ、銅メッキ、ニッケルメッキ、金メッキなどの溶液を貯蔵するために主に使用される。電気メッキ中、溶液の流量と温度は、メッキの品質に影響を与える重要な要素である。
【0003】
既存のシングルチャンバ―ウェハ電気メッキ装置では、コストを節約するために、しばしば1つの液体貯蔵タンクが異なる電気メッキ作業室に溶液を供給する。液体貯蔵タンクは、異なる作業サイクルの排水口を通して、異なる電気メッキ作業室に溶液を供給する。
【0004】
液体貯蔵タンクの本体に複数の作業サイクル排水口が含まれ、作業サイクル排水口が液体貯蔵タンクの本体の異なる位置に配置されている場合、液体貯蔵タンクの本体内の温度分布の不均一性により、各作業サイクル排水口の溶液温度が異なる可能性があり、異なる作業室に入る溶液の温度に影響を与え、ウェハのメッキに影響を及ぼすことがある。さらに、作業室に入る溶液の温度が低すぎると、結晶化が起こり、作業室やウェハに汚染が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
現在の技術における問題を解決するため、本発明の目的は、単一の液体貯蔵タンクが異なる作業室に異なる温度の溶液を供給するという問題を解決することである。したがって、この発明は、単一の液体貯蔵タンクから異なる作業室にほぼ同じ温度の溶液を供給する利点を持つ液体貯蔵装置および電気メッキ装置を提供する。
【0006】
前述の問題を解決するため、本発明の一実施例は、液体貯蔵装置であって、タンク本体を備え、前記タンク本体は、複数の作業室に溶液を供給するための複数の作業サイクル排水口と、前記タンク本体内に加熱された溶液を導入するための熱サイクル液注入口とを含み、前記複数の作業サイクル排水口は、前記タンク本体の対向する側壁に配置され、2つの側壁を接続する側壁には、前記熱サイクル液注入口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、1つの側壁の長さの中央付近または中央に配置され、
更に、前記タンク本体に配置されたガイド要素を備え、前記ガイド要素は前記熱サイクル液注入口に接続され、前記熱サイクル液注入口から入る溶液は、前記ガイド要素を経由して前記タンク本体に流れ、各作業サイクル排水口に流れている。
【0007】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記タンク本体は上部と下部とを有し、前記上部と前記下部を接続し、前記タンク本体の周囲に沿って順次接続される第1、第2、第3、および第4の側壁を備え、第1の側壁は第3の側壁と対向し、第2の側壁は第4の側壁と対向しており、
更に、前記タンク本体内部に位置し、底部に固定された冷却コイルを備えており、前記タンク本体内の溶液との熱交換を容易にしている。
【0008】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記第1の側壁および前記第3の側壁は、前記作業サイクル排水口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の、前記第2の側壁の長さの中央付近または中央に配置されている。
【0009】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央付近にあり、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部が、前記第4の側壁に向かって延び、溶液が流れ出るための出口を形成している。
【0010】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記ガイド要素の側壁には、少なくとも1つの分流口があり、当該分流口を介して前記ガイド要素内の溶液が前記タンク本体に入っている。
【0011】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央に位置し、前記冷却コイルは、前記底部の中央位置に固定されており、
前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方に延びて、上側吹出口を形成し、当該上側吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置するか、
或いは、前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方と下方に延び、上側吹出口と下側吹出口を形成し、当該上下の吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置している。
【0012】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記第1の側壁および前記第3の側壁には、前記作業サイクル排水口があり、前記熱サイクル液注入口は上部の中央に配置され、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部は下方に延びて下部の出口を形成し、
前記冷却コイルが前記底部の中央位置に固定され、前記ガイド要素の端は、前記熱サイクル液注入口から離れた位置で前記冷却コイルの内側に配置されている。
【0013】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記冷却コイルは、コイル本体、ベース、および前記ベース上に垂直に配置された複数の支持体を有し、前記支持体は前記ベースの周囲に分離して配置され、前記支持体は高さ方向に間隔を空けた複数の取り付け穴を備え、前記コイル本体は螺旋状であり、前記複数の取り付け穴に固定されている。
【0014】
さらに、この発明の別の実施形態では、各支持体は複数のセットのマウンティングホールを備えている。
【0015】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記タンク本体は、第1の排水口、第2の排水口、および第3の排水口という3つの作業サイクル排水口を備えており、前記第1の排水口と前記第2の排水口は間隔を隔てて、前記第1の側壁に配置され、一方、前記第3の排水口は前記第3の側壁に配置されている。
【0016】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記タンク本体はさらに作業サイクル注入口と熱サイクル排水口を備えており、前記作業サイクル注入口は、複数の作業室から流れ出る溶液が前記タンク本体に入ることを可能にするために使用され、前記熱サイクル排水口は前記タンク本体内の溶液が加熱のために流れ出ることを可能にするために使用され、
前記作業サイクル注入口が前記タンク本体の上部に位置し、前記熱サイクル排水口が前記タンク本体の底部に位置している。
【0017】
この発明の別の実施形態は、上記液体貯蔵装置を備えた電気メッキ装置を提供している。
【0018】
さらに、この発明の別の実施形態は、基板の表面に金属層を堆積するための複数の作業室と、複数の作業ポンプをさらに備えており、前記複数の作業室は対応する前記複数の作業ポンプに接続され、前記複数の作業ポンプは前記複数の作業サイクル排水口に接続されており、前記タンク本体内の溶液を対応する作業室に導入することができる。
【0019】
さらに、この発明の別の実施形態では、前記タンク本体が第1の排水口、第2の排水口、および第3の排水口という3つの作業サイクル排水口を含み、さらに前記タンク本体が作業サイクル注入口と熱サイクル排水口を含む場合、
前記複数の作業室は、第1の作業室、第2の作業室、および第3の作業室で構成されており、前記複数の作業ポンプは、第1の作業ポンプ、第2の作業ポンプ、および第3の作業ポンプで構成されており、
前記第1の作業ポンプと前記第1の作業室は、前記第1の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第1の作業サイクルループを形成し、
前記第2の作業ポンプと前記第2の作業室は、前記第2の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第2の作業サイクルループを形成し、
前記第3の作業ポンプと前記第3の作業室は、前記第3の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第3の作業サイクルループを形成している。
【0020】
さらに、この発明の別の実施形態は、熱サイクルポンプおよび加熱装置を更に備え、前記熱サイクルポンプおよび前記加熱装置は、前記熱サイクル液注入口と前記熱サイクル排水口との間に順次接続され、熱サイクルループを形成している。
【0021】
上記のように、この発明の液体貯蔵装置および電気メッキ装置には以下の利点がある。
【0022】
タンク本体が複数の作業サイクル排水口を備えている場合、熱サイクル液注入口を1つの側壁の長さの中央付近又は中央に配置し、ガイド要素を熱サイクル液注入口に設置することにより、加熱された溶液が熱サイクル注入口から入り、ガイド要素を通って流れ出ることで、タンク本体内の溶液の温度と流量の分布を均一にすることができる。各作業サイクル排水口からの溶液の温度と流量は、等しくなる傾向がある。また、各作業サイクル排水口から対応する作業室への溶液の温度と流量も等しくなる傾向がある。これにより、作業室内の基板のメッキに対する影響を防ぐだけでなく、異なる作業室に入る溶液の温度の不一致も避けることができる。これにより、作業室うちの1つで過度に低い温度が生じることを防ぐことができる。
【0023】
本発明の他の特徴とそれに対応する利点は、明細書の後半で詳しく説明されており、少なくともいくつかの利点が本発明の明細書の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1は、本発明の実施例によって提供される液体貯蔵装置の透視図であり、液体貯蔵装置のタンク本体が透明な模式図で描かれ、タンク本体内のガイド要素の模式的な構造が示されている。
図2は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置の別の視点図である。
図3は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置のもう一つの視点図である。
図4は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置の上面図である。
図5は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置のガイド要素の一つの分流口を持つ部分的な概略図を示している。
図6は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置のガイド要素の4つの分流口を持つ部分的な概略図を示している。
図7は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置の別の透視図であり、タンク本体が透明な模式図で描かれており、タンク本体内のガイド要素と冷却コイルの模式的な構造を示している。
図8は、本発明の実施形態1によって提供される液体貯蔵装置の冷却コイルの斜視図である。
図9は、本発明の実施形態2によって提供される液体貯蔵装置の透視図であり、液体貯蔵装置のタンク本体が透明な模式図で描かれ、タンク本体内のガイド要素とコイル本体の模式的な構造が示されている。
図10は、本発明の実施形態2によって提供される液体貯蔵装置の上面図である。
図11は、本発明の実施形態3によって提供される液体貯蔵装置の透視図であり、液体貯蔵装置のタンク本体が透明な模式図で描かれ、タンク本体内のガイド要素とコイル本体の模式的な構造が示されている。
図12は、本発明の実施形態4によって提供される液体貯蔵装置の透視図であり、液体貯蔵装置のタンク本体が透明な模式図で描かれ、タンク本体内のガイド要素とコイル本体の模式的な構造が示されている。
図13は、本発明の実施形態5によって提供される電気メッキ装置の作動原理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態は、以下に具体的な例を通じて説明され、本明細書の開示に基づいて、本発明の他の利点や効果を容易に理解することができるようになっている。この発明の説明は、好ましい実施形態とともに示されるが、これは発明の特徴がこれらの実施形態に限定されることを意味するものではない。逆に、実施形態とともに発明を紹介する目的は、この発明の請求範囲から派生する他の代替案や変形例をカバーすることである。この発明の詳細な理解を提供するために、以下の説明には多くの具体的な詳細が含まれる。これらの詳細なしでこの発明を実施することも可能である。さらに、この発明の焦点を混乱させたり、曖昧にしたりすることを避けるために、説明から特定の詳細が省略されている。この発明の実施形態およびこれらの実施形態内の特徴は、矛盾がない限り、互いに組み合わせることができることに注意する必要がある。
【0026】
この明細書では、内側の図において、似たようなラベルや文字は似たようなアイテムを表している。したがって、一度アイテムが1つの図で定義されると、後続の図でさらに定義や説明はしない。
【0027】
本発明の技術的解決策は、添付の図面と併せて以下で明確かつ完全に説明される。明らかなことは、説明された実施形態はこの発明の一部であることであり、全てではない。この発明の実施形態に基づいて、創造的な努力を行わずに技術者によって得られる他の実施形態は、この発明の保護範囲に含まれる。
【0028】
この発明の説明において、「中央」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」などの位置や関係を示す「中央」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」などの用語は、図面に示された位置や関係に基づいている。これらの用語は、発明の説明を容易にし、説明を簡素化するために使用されるものであり、特定の方向性を持つ必要がある、特定の方向性で構築され、動作する必要があることを示すものではないことに注意が必要である。したがって、これらの用語は発明を制限するものとは見なされるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のために使用されるものであり、相対的な重要性を示すものではない。
【0029】
この発明の説明において、明示的に指定されていない限り、「装着された」、「接続された」、「リンクされた」といった用語は広義に理解されるべきであることにさらに注意すべきである。例えば、それらは固定的に接続されているか、取り外し可能に接続されているか、または一体的に接続されているかもしれません。それらは機械的に接続されているか、電気的に接続されているかもしれません。それらは直接接続されているか、または中間体を介して間接的に接続されているかもしれません。また、2つのコンポーネント間での相互通信を含むこともある。この発明において、技術者は具体的な状況に基づいて、これらの用語の具体的な意味を理解することができる。
【0030】
この発明の目的、技術的な解決策、利点をより明確にするために、本発明の実施形態について図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0031】
実施形態1
図1を参照すると、本発明の実施形態1は、液体貯蔵装置10を提供する。液体貯蔵装置10は、タンク本体100を含んでいる。タンク本体100には、作業サイクル注入口110と複数の作業サイクル排水口があります。複数の作業サイクル排水口は、複数の作業室(
図13に示すように、第1の作業室310、第2の作業室320、および第3の作業室330)に溶液を供給するために使用される。これらの作業室は通常、基板の電気メッキに使用される。複数の作業室から流れ出る溶液を、作業サイクル注入口110を通じてタンク本体100に再循環させることができる。この実施形態では、タンク本体100内の溶液は金メッキ、亜鉛メッキ、銅メッキ、またはニッケルメッキなどに使用することができる。
【0032】
タンク本体100には、さらに熱サイクル液注入口130と熱サイクル排水口140がある。タンク本体100内の溶液は、熱サイクル排水口140から流れ出し、加熱され、その後、熱サイクル液注入口130を通じて再びタンク本体100に注入される。
【0033】
タンク本体100の対向する2つの側壁には、作業サイクル排水口が設けられており、タンク本体100の空間的な配置を最大限に活用している。これらの2つの対向する側壁を接続する側壁には、熱サイクル液注入口130があり、熱サイクル液注入口130は、その側壁の長さの中央付近またはその中央に位置している。
【0034】
液体貯蔵装置10は、タンク本体100の内部に配置されたガイド要素200も備えている。ガイド要素200は、熱サイクル液注入口130に接続されている。熱サイクル液注入口130から入る溶液は、ガイド要素200を通ってタンク本体100に流れ、それから各作業サイクル排水口に流れる。ガイド要素200は中空であり、溶液が流れる経路を備えている。
【0035】
この実施形態では、タンク本体100が複数の作業サイクル排水口を備えている場合、加熱された溶液は熱サイクル液注入口130から入り、ガイド要素200を通ってタンク本体100に流れ込む。この構成により、タンク本体100内で均一な温度分布が実現され、各作業サイクル排水口における溶液の温度が等しくなる傾向がある。したがって、これらの排水口から異なる作業室に入る溶液の温度も同じになる傾向がある。これにより、溶液の温度の変動が基板上のメッキに影響を与えることを防ぐことができる。さらに、タンク本体内の溶液温度が均一に分布しているため、各作業サイクル排水口の温度が等しくなりやすく、特定の作業室に入る際に溶液温度が低すぎて結晶化し、作業室や基板を汚染するという問題を回避することができる。したがって、この液体貯蔵装置10は、異なる作業室に入る溶液の温度を均等にするという利点がある。
【0036】
さらに、熱サイクル液注入口130を、対向する側壁に接続された側壁の中央に配置することで、タンク本体100内の溶液の流量の均一な分布も確保される。この均一性により、各作業サイクル排水口での溶液の流量は均等になり、タンク本体100の片側の作業サイクル排水口の流量が他の側よりも高くなるという状況を避けることができる。これは電気メッキの品質に影響を与える可能性がある。したがって、この液体貯蔵装置10は、異なる作業室に入る溶液の温度を均等にするという利点だけでなく、異なる作業室に入る溶液の流量を均等にすることも保証している。
【0037】
図1から
図3と併せて、タンク本体100は、対向する上部105と底面、および第1の側壁101、第2の側壁102、第3の側壁103、および第4の側壁104を備えており、これらは上部105と底面を接続し、タンク本体100の周囲に沿って順次接続されている。第1の側壁101は第3の側壁103と反対側にあり、第2の側壁102は第4の側壁104と反対側にある。この実施形態では、タンク本体100の幅方向Wにおいて第1の側壁101と第3の側壁103が互いに対向し、一方、タンク本体100の長さ方向Lにおいて第2の側壁102と第4の側壁104が互いに対向している。
【0038】
タンク本体100の上部105には作業サイクル注入口110があり、底部には熱サイクル排水口140がある。
【0039】
タンク本体100には、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123がそれぞれ備わっている。第1の排水口121と第2の排水口122は、第1の側壁101上に間隔を空けて配置されており、第3の排水口123は第3の側壁103に配置されている。
【0040】
熱サイクル液注入口130は、その長さの中央付近に位置する第2の側壁102にあり、熱サイクル液注入口130から離れたガイド要素200の端部は、溶液が流れ出るための吹出口202を形成するために第4の側壁104に向かって延びている。第2の側壁102の長さ方向は、タンク本体100の長さ方向Lとも一致する。タンク本体100の底部には、第1の排水口121、第2の排水口122、第3の排水口123、および熱サイクル液注入口130がすべて配置されている。
【0041】
この実施形態では、3つの作業サイクル排水口からなるタンク本体100が、3つの作業室の要求に応えることができる。タンク本体100の空間要素を考慮すると、第3の排水口123は第1の排水口121および第2の排水口122と反対側に配置されている。つまり、第3の排水口123は第3の側壁103に配置されている。加熱された溶液は、熱サイクル液注入口130およびガイド要素200からタンク本体100に入り、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123に向かって流れる。この配置により、3つの作業サイクル排水口での溶液の温度と流量が等しくなるようになっている。このセットアップは、単一の液体貯蔵装置10を使用して、3つの作業室に溶液を供給するための安定した流れと温度制御を実現することを目指している。これにより、3つの作業室への安定した溶液供給の目的を達成することができる。
【0042】
さらに、中空のガイド要素200は円形の断面を持っている。代替実施形態では、中空ガイド要素200の断面は四角形、三角形、ダイヤモンド形、扇形、または四辺以上の多角形にすることもできる。
【0043】
図4を参照すると、この実施形態では、第1の側壁101の熱サイクル液注入口130から離れたガイド要素200の端部の突出部は、第1の排水口121と第2の排水口122との間に位置し、ガイド要素200の両側の溶液の温度および流量が同様であることを保証し、それにより、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123における溶液の温度および流量が等しくなる傾向がある。
【0044】
さらに、第2の側壁102から第4の側壁104への方向に沿って、第1の排水口121と第2の排水口122が順番に配置されている。第3の排水口123と第2の側壁102との距離は、第2の排水口122と第2の側壁102との距離以下である。これは、第1の排水口121が第2の側壁102に比べて第2の排水口122に近いことを意味する。
【0045】
加熱された溶液がガイド要素200から流出した後、第4の側壁104付近の溶液温度が第2の側壁102付近の溶液温度よりも高くなる可能性があるため、第3の排水口123と第2の側壁102との間の距離を、第2の排水口122と第2の側壁102との間の距離以下とすることにより、第3の排水口123と第2の排水口122における溶液温度の不整合を回避することができる。
【0046】
ガイド要素200の側壁に分流口210がない場合、熱サイクル液注入口130からのすべての溶液は、ガイド要素200の吹出口202を通じてタンク本体100に入る。
【0047】
ガイド要素200の側壁には、オプションで少なくとも1つの分流口210がある場合、ガイド要素200内の溶液がタンク本体100に入ることができる。これは、ガイド要素200内の溶液が、ガイド要素200の吹出口202および分流口210を通じてタンク本体100に入ることを意味する。
【0048】
オプションで、ガイド要素200の側壁には均等に配置された4つの分流口210がある。ガイド要素200内の溶液は、4つの分流口210を通じてタンク本体100に入る。ガイド要素200の同じ側に4つの分流口210を配置することも、ガイド要素200の異なる側に交互に配置することもできる。
【0049】
この発明によって提供される液体貯蔵装置10は、ガイド要素200の側壁に分流口210を設置するかどうか、および分流口210の数を実際のニーズに応じて選択することができる。分流口210のサイズは、実際の要件に応じて設定することができる。
【0050】
さらに、熱サイクル液注入口130から入る溶液は供給溶液として機能する。供給液の供給温度は可変である。例えば、初期加熱後の供給液の温度と安定運転中の熱サイクル温度は異なる場合がある。したがって、この実施形態では、供給温度の値は指定されず、実際のニーズに基づいて導出される。
【0051】
図4、
図7、および
図8との関連で、液体貯蔵装置10は、タンク本体100内に配置され、底部に固定された冷却コイル700も含まれている。冷却コイル700は、タンク本体100に入る溶液を冷却するために使用され、溶液の温度のバランスをとる役割を果たす。
【0052】
液体貯蔵装置10は、タンク本体100の上部105に設置された温度センサ800も含んでおり、タンク本体100内の溶液の温度を検出する。特定の実際の状況に基づいて、温度センサ800の設置場所、数、およびタイプを決定することができる。この実施形態では、特定の制限は指定されていない。冷却コイル700は、巻線体710、基材720、および基材720上に垂直に設定された複数の支持体730から構成されている。これらの支持体730は、基材720の周囲にスペースを空けて配置されており、支持体730の高さ方向Hに沿って、複数のマウンティングホール731が支持体730に設けられている。コイル本体710は螺旋状であり、これらの複数のマウンティングホール731内に固定されている。この実施形態では、コイル本体710は垂直に設定され、マウンティングホール731の数はコイル本体710のコイルの数に一致し、各支持体730上のマウンティングホール731の中心が直線上に整列している。
【0053】
図8に示すように、各支持体730には、異なる直径のコイル本体710を固定するために、横に並んだ複数のセットのマウンティングホール731が備わっている。この実施形態では、4つの支持体730があり、各支持体730には2組の複数のマウンティングホール731がある。
【0054】
さらに、隣接する2つの支持体730の間には、クロスビーム750があり、任意の2つのクロスビーム750の間には、支持梁が架けられて、すべての4つの支持体730が垂直に設置され、また補強もされるようになっている。
【0055】
実施形態2
図9および10と併せて、
図9および10はそれぞれ冷却コイルのコイル胴部710のみを示している(冷却コイル700については
図8を参照)。この発明の実施形態2によって提供される液体貯蔵装置10は、実施形態1によって提供される液体貯蔵装置10と比較して、熱サイクル液注入口130が第2の側壁102の長さの中央位置に配置され、冷却コイルが底部の中央位置に固定されている点が異なる。
【0056】
熱サイクル液注入口130から離れたガイド要素200Aの端部は上方に延びて上部出口203を形成し、これは冷却コイルのコイル本体710の内側に位置している。そのため、加熱された溶液はまず上部出口203から流出した後、コイル本体710の内側に入ることで溶液の温度をより均等に保つことができる。
【0057】
この実施形態では、熱サイクル液注入口130は第2の側壁102の長さの中央に位置し、冷却コイルは底部の中央位置に固定され、ガイド要素200Aの上部出口203はコイル本体710の内側に位置しており、ガイド要素200Aの上部出口203から第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123までの距離をほぼ等しくすることを目指している。この構成により、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123における溶液の温度と流量が等しくなる効果が得られる。
【0058】
実施形態3
図11に示すように、これは冷却コイルの巻線体710のみを示している(冷却コイル700については
図8を参照)。この発明の実施形態3によって提供される液体貯蔵装置10は、実施形態2によって提供される液体貯蔵装置10と比較して、熱サイクル液注入口130から離れたガイド要素200Bの端部がそれぞれ上方と下方に延びて上側吹出口204と下側吹出口205を形成し、ガイド要素200Bが「T」字型になる点で異なる。
【0059】
加熱された溶液は、熱サイクル液注入口130を介してガイド要素200Bに入り、上側吹出口204と下側吹出口205の両方から流れ出し、巻線体710と熱交換を行い、溶液の温度をより均等に保つために使用される。同時に、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123の溶液の温度と流量がほぼ等しくなるように確保している。
【0060】
実施形態4
図12に示すように、この図は冷却コイルの巻線の胴部710のみを示している(冷却コイル700については
図8を参照)。この発明の実施形態4によって提供される液体貯蔵装置10は、実施形態1によって提供される液体貯蔵装置10と比較して、熱サイクル液注入口130が上部105、具体的には上部105の中央に配置されている点が異なる。熱サイクル液注入口130から離れたガイド要素200Cの端部は、下側の底部に向かって延び、下側吹出口206を形成する。
【0061】
冷却コイルは底部の中央位置に固定されており、ガイド要素200Cの下側吹出口206は冷却コイルの巻線体710の内側に位置している。加熱された溶液は、上部105の中央にある熱サイクル液注入口130からガイド要素200Cに入り、下側吹出口206から流れ出し、巻線体710と熱交換を行いながら、第1の排水口121、第2の排水口122、第3の排水口123の溶液の温度と流量が均等になるように調整される。
【0062】
実施形態5
図13に示すように、本発明の実施形態5によって提供される電気メッキ装置1000は、実施形態1の液体貯蔵装置10を使用する。
図13に示されている熱サイクル液注入口130、第1の排水口121、第2の排水口122、および第3の排水口123の位置は、実際の位置を示すものではなく、参考として示されていることに注意が必要である。
【0063】
電気メッキ装置1000は、基板の表面に金属層を堆積するために使用される複数の作業室と、複数の作業ポンプも備えている。複数の作業室は対応する作業ポンプに接続され、複数の作業ポンプは複数の作業サイクル排水口に接続されている。これにより、タンク本体100内の溶液を対応する作業室に導入することができる。これらは基板の電気メッキに使用される。作業サイクル注入口110は、複数の作業室に接続されており、基板への電気メッキが完了した後、複数の作業室から排出された溶液が作業サイクル注入口110を介してタンク本体100に入ることができるようになっている。
【0064】
この実施形態では、実施形態1の液体貯蔵装置の熱サイクル液注入口130と複数の作業サイクル排水口の設計を最適化することにより、タンク本体100内の溶液の温度と流量のより均一な分布が実現される。したがって、対応する作業サイクルの排水口から対応する作業室に入る溶液の温度と流量は等しくなる傾向がある。これにより、液体貯蔵装置10を使用した電気メッキ装置1000は、単一の液体貯蔵装置10を使用して複数の作業室に安定した流量と温度の溶液を同時に提供することができる。さらに、タンク本体100内の溶液の均一な温度分布により、各作業サイクル排水口の温度が均等になり、電気メッキ装置1000の作業室に入る溶液の温度が極端に低くなることによる結晶化の発生を防ぐ場合がある。
【0065】
実施形態1では、液体貯蔵装置10のタンク本体100は、3つの作業サイクル排水口を備えている。対応して、電気メッキ装置1000の複数の作業室は、第1の作業室310、第2の作業室320、および第3の作業室330を含んでいる。複数の作業ポンプは、第1の作業ポンプ410、第2の作業ポンプ420、および第3の作業ポンプ430からなる。
【0066】
第1の作業ポンプ410と第1の作業室310は、第1の排水口121と作業サイクル注入口110の間に順次接続され、第1の作業サイクルループを形成する。液体貯蔵装置10は、第1の作業室310に溶液を第1の作業ポンプ410を通じて供給する。
【0067】
第2の作業ポンプ420と第2の作業室320は、第2の排水口122と作業サイクル注入口110の間に順次接続され、第2の作業サイクルループを形成する。液体貯蔵装置10は、第2の作業室320に溶液を第2の作業ポンプ420を通じて供給する。
【0068】
第3の作業ポンプ430と第3の作業室330は、第3の排水口123と作業サイクル注入口110の間に順次接続され、第3の作業サイクルループを形成する。液体貯蔵装置10は、第3の作業室330に溶液を第3の作業ポンプ430を通じて供給する。この実施形態では、作業サイクル注入口110が1つあり、作業サイクル注入口110に接続された主パイプラインには3つの分岐パイプラインがあり、それぞれ作業室に接続されている。
【0069】
この実施形態では、液体貯蔵装置10は、タンク本体100内の溶液の均一な温度分布を確保する。各作業サイクル排水口における溶液の温度と流量は等しくなる傾向がある。そのため、電気メッキ装置1000の複数の作業ポンプにおける溶液の温度と流量も等しくなる傾向がある。したがって、異なる作業室に入る溶液の温度と流量も等しくなる傾向がある。
【0070】
電気メッキ装置1000は、加熱デバイス500と熱サイクルポンプ600も含んでいる。熱サイクルポンプ600と加熱デバイス500は、熱サイクル液注入口130と熱サイクル排水口140の間に順次接続され、熱サイクルループを形成する。熱サイクルポンプ600は、熱サイクル排水口140を通じてタンク本体100から冷却液を抽出する。この冷却ソリューションは、外部の加熱デバイス500によって加熱された後、熱サイクル液注入口130を通じてタンク本体100にポンプで送り返される。
【0071】
上述の実施形態は、この発明の技術的な解決策を示すためにのみ意図されており、それらを制限するものではないことに注意する必要がある。上記の実施形態に基づいて、この発明は詳細に説明されているが、技術者は、記載された実施形態を変更したり、同等の交換によってその一部または全部の技術的特徴を代替することができる。これらの修正または交換は、本発明の実施形態の技術的な解決策の本質から逸脱しない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯蔵装置であって、タンク本体を備え、前記タンク本体は、複数の作業室に溶液を供給するための複数の作業サイクル排水口と、前記タンク本体内に加熱された溶液を導入するための熱サイクル液注入口とを含み、前記複数の作業サイクル排水口は、前記タンク本体の対向する側壁に配置され、2つの側壁を接続する側壁には、前記熱サイクル液注入口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、1つの側壁の長さの中央付近または中央に配置され、
更に、前記タンク本体に配置されたガイド要素を備え、前記ガイド要素は前記熱サイクル液注入口に接続され、前記熱サイクル液注入口から入る溶液は、前記ガイド要素を経由して前記タンク本体に流れ、各作業サイクル排水口に流れる、液体貯蔵装置。
【請求項2】
前記タンク本体は上部と下部とを有し、前記上部と前記下部を接続し、前記タンク本体の周囲に沿って順次接続される第1、第2、第3、および第4の側壁を備え、第1の側壁は第3の側壁と対向し、第2の側壁は第4の側壁と対向しており、
更に、前記タンク本体内部に位置し、底部に固定された冷却コイルを備えており、前記タンク本体内の溶液との熱交換を容易にする、請求項1に記載の液体貯蔵装置。
【請求項3】
前記第1の側壁および前記第3の側壁は、前記作業サイクル排水口が設けられ、前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の、前記第2の側壁の長さの中央付近または中央に配置される、請求項2に記載の液体貯蔵装置。
【請求項4】
前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央付近にあり、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部が、前記第4の側壁に向かって延び、溶液が流れ出るための出口を形成している、請求項3に記載された液体貯蔵装置。
【請求項5】
前記ガイド要素の側壁には、少なくとも1つの分流口があり、当該分流口を介して前記ガイド要素内の溶液が前記タンク本体に入る、請求項4に記載された液体貯蔵装置。
【請求項6】
前記熱サイクル液注入口は、前記第2の側壁の長さの中央に位置し、前記冷却コイルは、前記底部の中央位置に固定されており、
前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方に延びて、上側吹出口を形成し、当該上側吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置するか、
或いは、前記ガイド要素の端部は、前記熱サイクル液注入口から離れて上方と下方に延び、上側吹出口と下側吹出口を形成し、当該上下の吹出口は、前記冷却コイルの内側に位置する、請求項3に記載された液体貯蔵装置。
【請求項7】
前記第1の側壁および前記第3の側壁には、前記作業サイクル排水口があり、前記熱サイクル液注入口は前記上部の中央に配置され、前記熱サイクル液注入口から離れた前記ガイド要素の端部は下方に延びて前記下部の出口を形成し、
前記冷却コイルが前記底部の中央位置に固定され、前記ガイド要素の端は、前記熱サイクル液注入口から離れた位置で前記冷却コイルの内側に配置されている、請求項2に記載された液体貯蔵装置。
【請求項8】
前記冷却コイルは、コイル本体、ベース、および前記ベース上に垂直に配置された複数の支持体を有し、前記支持体は前記ベースの周囲に分離して配置され、前記支持体は高さ方向に間隔を空けた複数の取り付け穴を備え、前記コイル本体は螺旋状であり、前記複数の取り付け穴に固定されている、
請求項2に記載の液体貯蔵装置。
【請求項9】
各支持体は複数のセットのマウンティングホールを備えている、請求項8に記載の液体貯蔵装置。
【請求項10】
前記タンク本体は、第1の排水口、第2の排水口、および第3の排水口という3つの前記作業サイクル排水口を備えており、前記第1の排水口と前記第2の排水口は間隔を隔てて、前記第1の側壁に配置され、一方、前記第3の排水口は前記第3の側壁に配置されている、
請求項3に記載された液体貯蔵装置。
【請求項11】
前記タンク本体はさらに作業サイクル注入口と熱サイクル排水口を備えており、前記作業サイクル注入口は、複数の作業室から流れ出る溶液が前記タンク本体に入ることを可能にするために使用され、前記熱サイクル排水口は前記タンク本体内の溶液が加熱のために流れ出ることを可能にするために使用され、
前記作業サイクル注入口が前記タンク本体の上部に位置し、前記熱サイクル排水口が前記タンク本体の底部に位置する、請求項10に記載された液体貯蔵装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の液体貯蔵装置を備えた、電気メッキ装置。
【請求項13】
基板の表面に金属層を堆積するための複数の作業室と、複数の作業ポンプをさらに備えており、前記複数の作業室は対応する前記複数の作業ポンプに接続され、前記複数の作業ポンプは前記複数の作業サイクル排水口に接続されており、前記タンク本体内の溶液を対応する作業室に導入することができる、請求項12に記載の電気メッキ装置。
【請求項14】
前記タンク本体が前記第1の排水口、前記第2の排水口、および前記第3の排水口という3つの前記作業サイクル排水口を含み、さらに前記タンク本体が前記作業サイクル注入口と前記熱サイクル排水口を含む場合、
前記複数の作業室は、第1の作業室、第2の作業室、および第3の作業室で構成されており、前記複数の作業ポンプは、第1の作業ポンプ、第2の作業ポンプ、および第3の作業ポンプで構成されており、
前記第1の作業ポンプと前記第1の作業室は、前記第1の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第1の作業サイクルループを形成し、
前記第2の作業ポンプと前記第2の作業室は、前記第2の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第2の作業サイクルループを形成し、
前記第3の作業ポンプと前記第3の作業室は、前記第3の排水口と前記作業サイクル注入口との間に順次接続され、第3の作業サイクルループを形成する、請求項13に記載された電気メッキ装置。
【請求項15】
熱サイクルポンプおよび加熱装置を更に備え、前記熱サイクルポンプおよび前記加熱装置は、前記熱サイクル液注入口と前記熱サイクル排水口との間に順次接続され、熱サイクルループを形成する、請求項14に記載の電気メッキ装置。
【国際調査報告】