(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】カプラ装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20241212BHJP
F16L 37/08 20060101ALI20241212BHJP
F16L 37/38 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B67D1/04 F
F16L37/08
F16L37/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538246
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 NL2022050753
(87)【国際公開番号】W WO2023121461
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591211799
【氏名又は名称】ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】Tweede Weteringplantsoen21 1017 ZD Amsterdam The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】パウイ、アリー マールテン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィフマン、 ペーテル ヘンリ サミュエル
【テーマコード(参考)】
3E082
3J106
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB03
3E082CC01
3E082DD01
3E082EE02
3E082FF05
3J106AA10
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB02
3J106BC04
3J106BD02
3J106BE24
3J106BE29
3J106CA01
3J106EA03
3J106EC02
3J106EC06
3J106ED50
3J106EE01
3J106EF01
3J106GA01
3J106GA14
3J106GB02
(57)【要約】
カプラ装置は、飲料容器の飲料チャンバと飲料注出ラインとを流体連通させるために構成されている。カプラ装置は、ハウジングであって、ハウジングを飲料容器に取り外し可能に結合するために配置された結合器を備えたハウジングを備える。飲料チャネルは、飲料入口と飲料出口との間でハウジングを通って延び、飲料入口は、飲料注出ラインの第1の注出ライン部分を接続するために構成されており、飲料出口は、飲料注出ラインの第2の注出ライン部分を接続するために構成されている。口開け要素は、飲料容器の口を開けて、飲料チャンバを第1の注出ライン部分と流体連通させるために、ハウジングに対して移動可能に配置されている。カプラハウジングは、カバーであって、カバーが第1の注出ライン部分を接続するための飲料入口へのアクセスを可能にする開位置と、カバーが第1の注出ライン部分の飲料入口への接続を防止する閉位置との間を移動するように、移動可能に配置された、カバーを備える。カプラ装置は、カバーを閉位置に固定するために構成された固定手段を更に備える。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の飲料チャンバと飲料注出ラインとを流体連通させるために構成されたカプラ装置であって、
ハウジングであって、前記ハウジングを前記飲料容器に取り外し可能に結合するために配置された結合器を備えた、ハウジングと、
前記ハウジングの飲料入口側の飲料入口と前記ハウジングの飲料出口側の飲料出口との間で前記ハウジングを通って延びる飲料チャネルであって、前記飲料入口が、前記飲料注出ラインの第1の注出ライン部分を接続するために構成されており、前記飲料出口が、前記飲料注出ラインの第2の注出ライン部分を接続するために構成されている、飲料チャネルと、
前記飲料容器の口を開けて、前記飲料チャンバを前記第1の注出ライン部分と流体連通させるために、前記ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、
を備え、
前記カプラハウジングが、カバーであって、前記カバーが前記第1の注出ライン部分を接続するための前記飲料入口へのアクセスを可能にする開位置と、前記カバーが記第1の注出ライン部分の前記飲料入口への接続を防止する閉位置との間を移動するように、移動可能に配置された、カバーを備え、前記カプラが、前記カバーを前記閉位置に固定するために構成された固定手段を備える、
カプラ装置。
【請求項2】
前記カバーが、前記カプラハウジングの前記入口側に枢動可能に接続されたドアを含む、請求項1に記載のカプラ装置。
【請求項3】
前記閉位置にある前記カバー及び前記ハウジングの前記入口側が、前記第1の注出ライン部分の少なくとも端部を受け入れるために配置されたチャンバを画定する、請求項1又は2に記載のカプラ装置。
【請求項4】
前記固定手段が、前記口開け要素に動作可能に結合されており、前記口開け要素の位置に依存して前記カバーを前記閉位置に固定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプラ装置。
【請求項5】
前記固定手段が、前記カバーが前記閉位置に固定されるロック位置と、前記カバーが前記閉位置と前記開位置との間を自由に移動することができる解放位置との間で、前記閉位置にある前記カバーに対して移動可能に配置されたラッチを備える、請求項4に記載のカプラ装置。
【請求項6】
前記ラッチが、前記ラッチを前記解放位置に付勢するように構成された付勢手段によって前記カプラハウジングに結合されている、請求項5に記載のカプラ装置。
【請求項7】
前記付勢手段が、前記口開け要素に動作可能に結合されており、前記口開け要素の位置に依存して前記カバーを前記閉位置に固定するように構成されている、請求項6に記載のカプラ装置。
【請求項8】
前記口開け要素が、前記ハウジング内の口開けピストンを含み、前記口開けピストンが、前記飲料容器の口を開けるための前記結合器に対する下降位置と、前記結合器に対する上昇位置との間で前記口開けピストンを軸方向に移動させるための前記カプラ装置の口開けレバーに結合されている、請求項7に記載のカプラ装置。
【請求項9】
前記固定手段が、可動ブロックプレートであって、前記ブロックプレートがブロック解除位置にあるときに前記ブロックプレートを通る前記口開けピストンの前記下降位置と上昇位置との間の軸方向移動を可能にし、かつ前記ブロックプレートがブロック位置にあるときに前記口開けピストンの軸方向移動を防止するように配置された貫通開口部を有する、可動ブロックプレートを備える、請求項8に記載のカプラ装置。
【請求項10】
前記ブロックプレートが、前記ラッチに結合されており、前記カプラハウジングに対して付勢手段によって付勢されており、前記ブロックプレートが前記ブロック解除位置にあり、かつ前記口開けピストンが前記下降位置にあるときに、前記カプラハウジングに対して前記ドアを固定するように構成されている、請求項9に記載のカプラ装置。
【請求項11】
前記固定手段が、レバーを備え、前記レバーは、前記カプラハウジングに枢動可能に結合され、かつ前記レバーが前記ハウジングに対して前記カバーをクランプするカバー固定位置と、前記カバーが前記開位置で移動されることを前記レバーが可能にするカバー解放位置との間で枢動するように配置されている、請求項4に記載のカプラ装置。
【請求項12】
前記レバーが、前記口開け要素を作動させるように配置された口開けレバーであり、前記口開け要素が、前記レバーが前記カバー固定位置にあるときに前記飲料容器の口を開ける口開け位置にあり、前記口開け要素が、前記レバーが前記カバー解放位置にあるときに非口開け位置にある、請求項11に記載のカプラ装置。
【請求項13】
前記レバーが、前記カバー固定位置にある前記カバーに対して作用するように配置されたレバーアームを備える、請求項11又は12に記載のカプラ装置。
【請求項14】
前記レバーアームが、ロック溝を備え、前記カバーが、突起要素を備え、前記ロック溝が、前記レバーアームに沿った前記溝の長さにわたる前記突起要素の移動を可能にするように配置されている、請求項13に記載のカプラ装置。
【請求項15】
飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器であって、前記容器が、容器出口であって、前記容器出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた、容器出口を有する、飲料容器と、請求項1~14のいずれか一項に記載のカプラ装置であって、前記カプラ装置の口開け要素が、前記容器に結合されたときに、前記口開け要素の移動によって前記容器出口を開放するように構成されている、カプラ装置と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器を飲料注出ラインに、特にビール注出システムのために結合するためのカプラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カプラ装置は、ビール樽などの飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するために配置される。従来のカプラ装置は、典型的には、飲料入口と飲料出口との間を通って延びる飲料チャネルを備えたハウジングを含み、カプラ入口は、飲料容器出口に接続可能であり、出口は、注出ラインの下流端に配置されている給水栓などの注出器に接続可能である。接続されると、容器からの飲料の注出は、注出器によって制御することができる。この目的のために、カプラ装置は、飲料容器の口を開けて、すなわち飲料容器出口を開放して、飲料チャンバを注出ラインと流体連通させるために、ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素を備えることが多い。口が開けられると、飲料は、飲料容器から飲料チャネルを通って注出器に向かって流れることができる。一部のカプラ装置は、飲料容器と飲料入口との間に延びる第1の注出ライン部分に接続された飲料入口と、飲料出口と注出器との間に延びる第2の注出ライン部分に接続された飲料出口と、を有する。第1の注出ライン部分は、例えば、飲料ラインを通って移動する微生物を伴って飲料容器内の飲料の汚染率を低減する長さを有する及び/又は流路を提供する導管である。第1の注出ライン部分は、通常、流体が飲料入口にしっかりとスナップ又はクランプする取り付け手段を有する端部を備えるカプラ装置に取り付けられている。これは、飲料容器から飲料チャネルに飲料を流すための第1の注出ライン部分とカプラ装置との間の適切な接続を提供する一方で、カプラ装置からの第1の注出ライン部分の意図的な取り外しを可能にし、例えば、飲料容器を変更して、空のコピーを満杯のコピーに置き換えるが、第1の注出ライン部分が意図せずにカプラ装置から取り外されるリスクがある。これは、飲料のこぼれ、飲料の汚染、及びユーザの不快感を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カプラ装置であって、それに取り付けられた飲料注出ラインが意図せずに取り外されるリスクが低減されたカプラ装置を提供することが目的である。ユーザによって使いやすいカプラ装置を提供することは、更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、カプラ装置は、飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するために提供される。カプラ装置は、ハウジングであって、ハウジングを飲料容器に取り外し可能に結合するために配置された結合器を備えたハウジングと、ハウジングの飲料入口側の飲料入口と、ハウジングの飲料出口側の飲料出口との間でハウジングを通って延びる飲料チャネルであって、飲料入口が、飲料注出ラインの第1の注出ライン部分を接続するために構成されており、飲料出口が、飲料注出ラインの第2の注出ライン部分を接続するために構成されている、飲料チャネルと、飲料容器の口を開けて、飲料チャンバを第1の注出ライン部分と流体連通させるために、ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、を備え、カプラハウジングが、カバーであって、カバーが第1の注出ライン部分を接続するための飲料入口へのアクセスを可能にする開位置と、カバーが第1の注出ライン部分の飲料入口からの切断を防止する閉位置との間を移動するように、移動可能に配置されたカバーを備え、カプラが、カバーを閉位置に固定するために構成された固定手段を備える。カプラ装置の使用中に、ハウジングは、飲料容器の表面に設けられた外部ねじ山に嵌合する内部ねじ山を備えた台座などの結合器によって飲料容器に結合されている。第1の注出ライン部分は、飲料チャンバから、飲料容器が口開け要素によって開放されたときに、飲料チャンバから飲料チャネルに飲料流体を供給するためのカプラ装置の飲料入口まで延びる。カプラ装置からの第1の注出ライン部分の望ましくない切り離し又は取り外しを防止するために、特に飲料流体が飲料ラインを通って流れるとき、カバーは、第1の注出ライン部分を飲料入口から切り離すことができないように閉位置にもたらされ、固定される。例えば、カバーは、第1の注出ライン部分をカプラハウジングに対してクランプするか、又はそうでなければ機械的に押し付け得る。
【0005】
任意選択的に、カバーは、カプラハウジングに、好ましくはカプラハウジングの入口側に枢動可能に接続されたドアを含む。
【0006】
カプラ装置の一実施形態では、閉位置にあるカバー及びハウジングの入口側が一緒になって、第1の注出ライン部分の少なくとも端部を受け入れるために配置されたチャンバを画定する。例えば、可撓性導管などの第1の注出ライン部分は、第1の注出ライン部分の端部を備えた飲料入口に取り付けられ得、この端部はチャンバに嵌合する。好ましくは、第1の注出ライン部分の端部及びチャンバは、好ましくは比較的密着して、端部がチャンバに嵌合するように、互いに対して形状及び/又はサイズ及び/又は他の方法で設計又は適合されており、すなわち、カプラ装置の通常の取り扱い状況下で、端部がチャンバに嵌合され、飲料入口に結合されたときに、第1の注出ライン部分とカプラ装置との間の接続が維持される。第1の注出ライン部分がカプラ装置から予期せぬか、又は望ましくない形で外れるリスクが本明細書で低減される。
【0007】
カプラ装置の好ましい実施形態では、冷却本体は、飲料入口に接続されたとき及び/又はチャンバに嵌合されたときに、チャンバ及び/又は第1の注出ライン部分の端部を冷却するように提供及び配置されている。冷却は、第1の注出ライン部分を通って飲料チャンバに移動する微生物の移動速度を低減する効果的な手段である。任意選択的に、冷却本体は、チャンバの近く、又はチャンバに隣接する、カプラハウジングの一部、例えば、その表面である。例えば、冷却本体は、カバーによって画定されるチャンバの外側側面と対向するチャンバの内側側面を画定するプレート状本体を備える。冷却本体は、任意選択的に、冷却流体で冷却され、例えば、水などの冷たい液体を冷却本体の表面に沿って流して、冷却本体を所望の冷却温度に維持し得る。
【0008】
カプラ装置の特定の実施形態では、カバーを閉位置に固定するための固定手段は、口開け要素に動作可能に結合されており、かつ口開け要素の位置に依存してカバーを閉位置に固定するように構成されている。したがって、固定手段は、飲料容器が口が開けられるときにカバーを閉位置に特に固定して、飲料が注出ラインを通って流れるときに第1の注出ライン部分が取り外されるのを防止し得る。口開け要素の非口開け位置では、固定手段は、カバーを解放して、カバーの移動を可能にし、例えば、カバーを開位置にもたらして、第1の注出ライン部分をカプラ装置から意図的に取り外すことを可能にし得る。
【0009】
任意選択的に、固定手段は、カバーが閉位置に固定されるロック位置と、カバーが閉位置と開位置との間を自由に移動することができる解放位置との間で、閉位置にあるカバーに対して移動可能に配置されたラッチを備える。ラッチは、例えば、カバーが開位置で移動することを物理的にブロックし得る。任意選択的に、ラッチ及びカバーは、この目的のために協働する表面を有する。例えば、ラッチは、カバー上の対応する面取りされた表面と協働する面取りされた端部を有して、ラッチ及び肩部又は他のブロック縁部に対して一方向のカバーの移動を可能にし、カバーの反対方向への移動を防止し得る。
【0010】
カプラ装置の好ましい実施形態は、ラッチを解放位置に付勢するように構成された付勢手段によってカプラハウジングに結合されたラッチを有する。好ましくは、ラッチは、カバーを閉位置にのみ固定し、ユーザによる作動時に、例えば、この目的で設けられた手動レバーを作動させることによって、カバーを解放する。
【0011】
任意選択的に、付勢手段は、ばね又はばね状の本体を備える。好ましくは、付勢手段は、ラッチと一端に接続されたリーフスプリング又は板ばねを備える。
【0012】
カプラ装置の好ましい実施形態では、付勢手段は、口開け要素に動作可能に結合されており、口開け要素の位置に依存してカバーを閉位置に固定するように構成されている。特に、口開け要素は、口開け位置にもたらされたときに、ラッチに接続されたリーフスプリングなどの付勢手段に対して作用して、ラッチを、閉位置にあるカバーの固定位置に維持することができる。好ましくは、付勢手段は、口開け要素が非口開け位置にあるときに、ラッチを解放位置に付勢させる。
【0013】
任意選択的に、口開け要素は、ハウジング内の口開けピストンを含み、口開けピストンが、飲料容器の口を開けるための結合器に対する下降位置と、結合器に対する上昇位置との間で口開けピストンを軸方向に移動させるためのカプラ装置の口開けレバーに結合されている。好ましくは、口開けピストンは、口開けピストンが下降位置にあるときにカバーを閉位置に固定するために固定手段に作用し、口開けピストンが上昇位置にあるときにカバーを解放して、開位置への移動を可能にするように配置されている。
【0014】
カプラ装置の好ましい実施形態では、固定手段は、可動ブロックプレートであって、ブロックプレートがブロック解除位置にあるときにブロックプレートを通る口開けピストンの下降位置と上昇位置との間の軸方向移動を可能にし、かつブロックプレートがブロック位置にあるときに口開けピストンの軸方向移動を防止するように配置された貫通開口部を有する、可動ブロックプレートを備える。カプラ装置の使用中に、口開けピストンに対するブロックプレートの位置は、口開けピストンを移動させることができるかどうかを決定する。例えば、ブロックプレートは、ユーザが望むように、飲料容器の後続の口開け加工を可能にするか、又は後続の口開けを防止するために、ユーザによって作動されて移動するように、カプラハウジング内に配置され得る。
【0015】
カプラ装置の特定の実施形態は、ラッチに結合されており、カプラハウジングに対して付勢手段によって付勢されており、ブロックプレートがブロック解除位置にあり、かつ口開けピストンが下降位置にあるときに、カプラハウジングに対してドアを固定するように構成されたブロックプレートを有する。
【0016】
任意選択的に、固定手段は、レバーを備え、レバーは、カプラハウジングに枢動可能に結合され、かつレバーがハウジングに対してカバーをクランプするカバー固定位置と、カバーが開位置で移動されることをレバーが可能にするカバー解放位置との間で枢動するように配置されている。
【0017】
好ましくは、レバーは、口開け要素を作動させるように配置された口開けレバーであり、口開け要素が、レバーがカバー固定位置にあるときに飲料容器の口を開ける口開け位置にあり、口開け要素が、レバーがカバー解放位置にあるときに非口開け位置にある。
【0018】
カプラ装置の特定の実施形態では、レバーは、カバー固定位置にあるカバーに対して作用するように配置されたレバーアームを備える。例えば、レバーアームは、カプラハウジングに対するレバーの枢動運動に応じてカバーに対して回転させることができる。
【0019】
カプラ装置の好ましい実施形態は、ロック溝を備えるレバーアームを有し、カバーが、突起要素を備え、ロック溝が、レバーアームに沿った溝の長さにわたる突起要素の移動を可能にするように配置されている。例えば、突起要素は、カバーから延びるタブ又はノブなどの突起であり得、その突起は、カバーを閉じるとロック溝に適合し、カバーの固定位置に到達するまでレバーがカプラハウジングに対して閉方向に枢動するときにそこを通って移動され得る。レバーを閉位置と反対の開放方向に枢動させると、突起が固定位置から固定溝から移動して、カバーの開放を可能にする。
【0020】
別の態様では、飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器であって、容器が、容器出口であって、容器出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた、容器出口を有する、飲料容器と、本明細書に記載のカプラ装置であって、カプラ装置の口開け要素が、容器に結合されたときに、口開け要素の移動によって容器出口を開放するように構成されている、カプラ装置と、を備えるシステムが提供される。
【0021】
任意選択的に、システムは、第1の注出ライン部分を形成する第1のチューブであって、第1のチューブの上流端で飲料容器出口に取り付けられている、第1のチューブと、第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブであって、第2のチューブの下流端で注出器に取り付けられている、第2のチューブと、を備え、カプラ装置は、その入口を第1のチューブの下流端に結合し、その出口を第2のチューブの上流端に結合するために構成されている。
【0022】
本明細書に記載される態様、特徴、及びオプションのいずれかを組み合わせることができることが理解され、特に、カプラ装置を考慮して記載される態様、特徴、及びオプションのいずれかがシステムに等しく適用され、その逆も同様に適用されることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
【
図1】本発明によるカプラ装置の一実施形態の一例を示す。
【
図2a】それぞれ、
図1のカプラ装置を、それぞれ別々に、及び互いに結合された第1の注出ライン部分とともに示す斜視図、別の斜視分解図、及び側面図である。
【
図2b】それぞれ、
図1のカプラ装置を、それぞれ別々に、及び互いに結合された第1の注出ライン部分とともに示す斜視図、別の斜視分解図、及び側面図である。
【
図2c】それぞれ、
図1のカプラ装置を、それぞれ別々に、及び互いに結合された第1の注出ライン部分とともに示す斜視図、別の斜視分解図、及び側面図である。
【
図3a】本発明によるカプラ装置の別の実施形態の一例を、異なる図で示す。
【
図3b】本発明によるカプラ装置の別の実施形態の一例を、異なる図で示す。
【
図3c】本発明によるカプラ装置の別の実施形態の一例を、異なる図で示す。
【
図3d】本発明によるカプラ装置の別の実施形態の一例を、異なる図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、例示的なカプラ装置100を示す。カプラ装置は、ハウジング10をビール樽などの飲料容器に結合するための結合器20を備えたハウジング10を備える。飲料容器は、飲料を保持するための飲料チャンバを区切る容器本体を含む。口開け要素30、例えば、口開けピストンは、飲料容器の口を開けるためにハウジング20内に設けられる。口開け要素30は、例えば、飲料容器の容器シールを開放するように配置され得る。口開け要素30は、結合器20に対する上昇位置と結合器20に対する下降位置との間で、ハウジング10に対して垂直方向に移動可能である。口開け要素30は、口開けレバー40を使用して作動させることができ、口開け要素30を上昇位置から下降位置に下向きに移動させて、カプラ装置の使用中に飲料容器の口開けを可能にし、上向きに移動させて、口開け要素30を容器から解放する。口開けレバー40は、この目的のために、ピボット軸によってハウジング10に枢動可能に接続されており、口開け要素30に結合されている。口開けレバーは、手動で操作可能なロック45を備え、口開け要素の望ましくない作動を防止するために、口開けレバーをピボット位置にロックすることを可能にする。
【0026】
本実施例では、カプラ装置100は、ガスチューブをそこに接続するためのガス入口ポート50を有するガス導管を備える。ガス導管は、本実施例では、ガス入口ポート50と飲料容器のガス入口に接続可能なガス出口ポートとの間でカプラハウジング10を通って延びる。
【0027】
カプラ装置100は、ハウジング10の入口側60に設けられた飲料入口81と、ハウジング10の出口側70に設けられた出口82との間でハウジング10を通って延びる飲料チャネル80を備える。飲料チャネル80は、特に、口開け要素の移動方向を横切って水平方向に延びるセクションを備える。
【0028】
カプラ装置100は、枢動軸220でカプラハウジング10に枢動可能に接続されたドアによって形成されたカバー200を更に備える。ドア200は、
図1に示される閉位置と
図2aに示される開位置との間を移動するように枢動させることができる。開位置では、ドアは、飲料入口81へのアクセスを可能にする。閉位置では、
図2aに最もよく見られるように、カプラハウジング10のドア200及び入口側60は、チャンバを画定する。カプラ装置は、カプラハウジング内の冷却本体を備え、この冷却本体は、飲料入口に接続されたときにチャンバ及び/又は注出ライン部分の端部を冷却するように配置されている。冷却本体は、冷却導管、例えば、飲料チャネルと同軸に設けられた冷却導管を通ってカプラ装置に供給される冷却流体で冷却され得る。
【0029】
図2a、2b、及び2cは、
図1に示されるようなカプラ装置100を、それぞれ互いに非結合及び結合された第1の注出ライン部分300とともに示す図である。示されるように、飲料入口81は、第1の注出ライン部分300を形成する第1のチューブと解放可能に接続されるために構成されている。この目的のために、第1のチューブは、カバー200が閉位置にあるときに、カバー200と飲料入口81との間のチャンバに収まる接続本体310を備えている。第1のチューブ300の反対側の端部は、飲料容器出口に取り付けられるように構成及び配置されているアダプタ本体320を備えている。
【0030】
接続本体310は、カバー200が開位置にあるときに、第1の注出ライン部分300を飲料入口81に接続するためにチャンバ内に挿入することができる。カバー200の閉位置では、チャンバは閉鎖されているため、接続本体310の挿入又は除去は不可能である。カプラ装置を飲料容器とともに使用する場合、まず、チューブ300は、カバーが閉鎖される前に飲料入口81に接続され、それによって、接続本体310が冷却されるように、冷却本体に隣接するカプラハウジングの入口側60に対して接続本体310をクランプする。カプラ装置は、カバーを閉位置に固定するための固定手段230を備える。カプラ装置の本実施例における固定手段230は、ドアが閉位置に固定されているロック位置と、ドアが閉位置と開位置との間を自由に移動することができる解放位置との間で、閉位置にあるドア200に対して移動可能に配置されたラッチ230を含む。ラッチ230は、ラッチを解放位置に付勢するように構成された付勢手段によってカプラハウジングに結合されている。ラッチ230は、口開け要素30に動作可能に結合されており、口開け要素の位置に依存してドアを閉位置に固定するように構成されている。特に、板ばねによって形成された付勢手段250は、口開け要素及びラッチ230に動作可能に結合されており、口開け要素30の口開け下降位置において、ラッチによってドア200を閉位置に固定し、かつ口開け要素が非口開け上昇位置にあるときに、ラッチ230をドア解放位置に付勢することによってドア200を解放するように構成されている。口開け要素30は、口開けピストンを下降位置と上昇位置との間で軸方向に移動させるために、ピストンが口開けレバー40に結合されたハウジング内の口開けピストンを含む。固定手段230は、ブロックプレートがブロック解除位置にあるときにブロックプレートを通る口開けピストンの下降位置と上昇位置との間の軸方向移動を可能にし、かつブロックプレートがブロック位置にあるときに口開けピストンの軸方向移動を防止するように配置された貫通開口部を有する可動ブロックプレート240を更に備える。ブロックプレート240は、ラッチに結合されており、カプラハウジングに対してばね手段260によって付勢されており、ブロックプレートがブロック解除位置にあり、かつ口開けピストンが下降位置にあるときに、カプラハウジングに対してドアを固定するように構成されている。
【0031】
飲料チャネル80の飲料出口82は、第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブに接続されるように構成されている。第2のチューブは、第2のチューブの下流端で、注出器、例えば、蛇口に取り付けられ得る。第2のチューブは、例えば、カプラ装置の飲料出口82に恒久的に接続され得る。飲料容器の口を開ける前に、第1のチューブの下流端を入口に接続して、カプラ装置100の飲料チャネル80を介する第1のチューブと第2のチューブとの間の流体接続を作成することができる。したがって、飲料チャンバと注出器との間に注出ラインが形成される。
【0032】
図3a~3dは、枢動ドアとして形成された可動カバー200を有するカプラ装置100の別の、例えば、代替的な例を示す。ここで、固定手段は、ピボット軸42でカプラハウジングに枢動可能に連結された一対のレバーアーム41を有する口開けレバー40を備える。口開け要素が口開け位置にあるときに、口開けレバー40は、
図3a、3cに示されるドア200を固定して、飲料容器の口を開ける。口開け要素が非口開け位置にあるとき、口開けレバー40は、
図3b、3dに示されるドア解放位置にある。ドア200は、口開けレバーアーム41の各々に設けられたそれぞれのロック溝43と協働する、ドア200の反対側にノッチ又はタブとして形成された一対の突起要素220を備える。各ロック溝43は、対応する突起220が溝の長さに沿って移動することを可能にし、突起が、溝内にガイドされて、レバーアームが枢動することができるようにする。
図3a、3cに示されるように、口開けレバー40を閉鎖すると、レバーアームはドア200に対して作用し、口開けレバーの閉位置に到達すると、ドア200をしっかりと確実に閉鎖する。
【0033】
本明細書において、本発明は、本発明の実施形態の具体的な例を参照して記載される。しかしながら、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得ることは明らかであろう。明確化及び簡潔な説明の目的のために、特徴は、同一又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、これらの別個の実施形態で記載される特徴の全て又はいくつかの組み合わせを有する代替の実施形態も想定される。
【0034】
しかしながら、他の修正、変形、及び代替も可能である。したがって、明細書、図面、及び実施例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。
【0035】
明確化及び簡潔な説明の目的のために、特徴は、同一又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本発明の範囲は、記載される特徴の全て又はいくつかの組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。
【0036】
特許請求の範囲において、括弧内に配置された任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されてはならない。「含む(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に記載されているもの以外の他の特徴又はステップの存在を排除するものではない。更に、「a」及び「an」という単語は、「1つだけ」に限定されるものではなく、「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を除外するものではない。ある特定の手段が相互に異なる特許請求の範囲に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0037】
(付記)
(付記1)
飲料容器の飲料チャンバと飲料注出ラインとを流体連通させるために構成されたカプラ装置であって、
ハウジングであって、前記ハウジングを前記飲料容器に取り外し可能に結合するために配置された結合器を備えた、ハウジングと、
前記ハウジングの飲料入口側の飲料入口と前記ハウジングの飲料出口側の飲料出口との間で前記ハウジングを通って延びる飲料チャネルであって、前記飲料入口が、前記飲料注出ラインの第1の注出ライン部分を接続するために構成されており、前記飲料出口が、前記飲料注出ラインの第2の注出ライン部分を接続するために構成されている、飲料チャネルと、
前記飲料容器の口を開けて、前記飲料チャンバを前記第1の注出ライン部分と流体連通させるために、前記ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、
を備え、
前記カプラハウジングが、カバーであって、前記カバーが前記第1の注出ライン部分を接続するための前記飲料入口へのアクセスを可能にする開位置と、前記カバーが記第1の注出ライン部分の前記飲料入口への接続を防止する閉位置との間を移動するように、移動可能に配置された、カバーを備え、前記カプラが、前記カバーを前記閉位置に固定するために構成された固定手段を備える、
カプラ装置。
【0038】
(付記2)
前記カバーが、前記カプラハウジングの前記入口側に枢動可能に接続されたドアを含む、付記1に記載のカプラ装置。
【0039】
(付記3)
前記閉位置にある前記カバー及び前記ハウジングの前記入口側が、前記第1の注出ライン部分の少なくとも端部を受け入れるために配置されたチャンバを画定する、付記1又は2に記載のカプラ装置。
【0040】
(付記4)
前記固定手段が、前記口開け要素に動作可能に結合されており、前記口開け要素の位置に依存して前記カバーを前記閉位置に固定するように構成されている、付記1~3のいずれか一つに記載のカプラ装置。
【0041】
(付記5)
前記固定手段が、前記カバーが前記閉位置に固定されるロック位置と、前記カバーが前記閉位置と前記開位置との間を自由に移動することができる解放位置との間で、前記閉位置にある前記カバーに対して移動可能に配置されたラッチを備える、付記4に記載のカプラ装置。
【0042】
(付記6)
前記ラッチが、前記ラッチを前記解放位置に付勢するように構成された付勢手段によって前記カプラハウジングに結合されている、付記5に記載のカプラ装置。
【0043】
(付記7)
前記付勢手段が、前記口開け要素に動作可能に結合されており、前記口開け要素の位置に依存して前記カバーを前記閉位置に固定するように構成されている、付記6に記載のカプラ装置。
【0044】
(付記8)
前記口開け要素が、前記ハウジング内の口開けピストンを含み、前記口開けピストンが、前記飲料容器の口を開けるための前記結合器に対する下降位置と、前記結合器に対する上昇位置との間で前記口開けピストンを軸方向に移動させるための前記カプラ装置の口開けレバーに結合されている、付記7に記載のカプラ装置。
【0045】
(付記9)
前記固定手段が、可動ブロックプレートであって、前記ブロックプレートがブロック解除位置にあるときに前記ブロックプレートを通る前記口開けピストンの前記下降位置と上昇位置との間の軸方向移動を可能にし、かつ前記ブロックプレートがブロック位置にあるときに前記口開けピストンの軸方向移動を防止するように配置された貫通開口部を有する、可動ブロックプレートを備える、付記8に記載のカプラ装置。
【0046】
(付記10)
前記ブロックプレートが、前記ラッチに結合されており、前記カプラハウジングに対して付勢手段によって付勢されており、前記ブロックプレートが前記ブロック解除位置にあり、かつ前記口開けピストンが前記下降位置にあるときに、前記カプラハウジングに対して前記ドアを固定するように構成されている、付記9に記載のカプラ装置。
【0047】
(付記11)
前記固定手段が、レバーを備え、前記レバーは、前記カプラハウジングに枢動可能に結合され、かつ前記レバーが前記ハウジングに対して前記カバーをクランプするカバー固定位置と、前記カバーが前記開位置で移動されることを前記レバーが可能にするカバー解放位置との間で枢動するように配置されている、付記4に記載のカプラ装置。
【0048】
(付記12)
前記レバーが、前記口開け要素を作動させるように配置された口開けレバーであり、前記口開け要素が、前記レバーが前記カバー固定位置にあるときに前記飲料容器の口を開ける口開け位置にあり、前記口開け要素が、前記レバーが前記カバー解放位置にあるときに非口開け位置にある、付記11に記載のカプラ装置。
【0049】
(付記13)
前記レバーが、前記カバー固定位置にある前記カバーに対して作用するように配置されたレバーアームを備える、付記11又は12に記載のカプラ装置。
【0050】
(付記14)
前記レバーアームが、ロック溝を備え、前記カバーが、突起要素を備え、前記ロック溝が、前記レバーアームに沿った前記溝の長さにわたる前記突起要素の移動を可能にするように配置されている、付記13に記載のカプラ装置。
【0051】
(付記15)
飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器であって、前記容器が、容器出口であって、前記容器出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた、容器出口を有する、飲料容器と、付記1~14のいずれか1つに記載のカプラ装置であって、前記カプラ装置の口開け要素が、前記容器に結合されたときに、前記口開け要素の移動によって前記容器出口を開放するように構成されている、カプラ装置と、を備える、システム。
【国際調査報告】