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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】光センサ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/26 20060101AFI20241212BHJP
   G01L 11/02 20060101ALI20241212BHJP
   G01K 11/00 20060101ALI20241212BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20241212BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20241212BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01D5/26 F
G01L11/02
G01K11/00 Z
G02B6/02 401
G02B6/036
G02B6/02 451
G02B6/02 Z
G02B6/44 341
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538283
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 GB2022053333
(87)【国際公開番号】W WO2023118859
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】2118943.6
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524236105
【氏名又は名称】ビカ・オプティカル・センシング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WIKA OPTICAL SENSING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッツフォード,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エルボーン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フラー,ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ラングトン,コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】ペヒシュテット,ラルフ-ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド,マーク
【テーマコード(参考)】
2F055
2F056
2F103
2H250
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC59
2F055DD20
2F055EE31
2F055FF01
2F055FF11
2F055GG11
2F056TZ07
2F103BA37
2F103CA08
2F103EB02
2F103EB06
2F103EB11
2F103EC08
2H250AB04
2H250AB05
2H250AD14
2H250AD32
2H250AD36
2H250AE24
2H250AE25
2H250AF02
2H250AF04
2H250AH38
2H250BA32
2H250BB26
2H250BC02
2H250BC03
2H250BC15
2H250BD03
2H250BD19
(57)【要約】
温度または圧力などの1つまたは複数の測定量を検出するための光センサであって、プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、プローブ光源からプローブ光を受信し、1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号をプローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドとを備える、光センサが開示される。次いで、センサはまた、センサヘッドからプローブ光を受信し、加えられた干渉信号を測定し、測定された干渉信号から1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、センサヘッドからインテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバとを備え、光ファイバは保護導管内に配設される。次いで、導管内の光ファイバの横方向の移動を制限または防止するように、粒状材料が導管内に充填されてもよい。光ファイバはまた、または代わりに、導管内の1つまたは複数の可撓性スリーブ内に配設されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の測定量を検出するための光センサであって、
プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、
前記プローブ光源から前記プローブ光を受信し、前記1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号を前記プローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドと、
前記センサヘッドから前記プローブ光を受信し、前記加えられた干渉信号を測定し、前記測定された干渉信号から前記1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、
前記センサヘッドから前記インテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、前記受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバであって、前記光ファイバは保護導管内に配設される、光ファイバと、
前記導管内の前記光ファイバの横方向の移動を制限または防止するように、前記導管内に充填された粒状材料と
を備える、光センサ。
【請求項2】
前記粒状材料は、前記導管内の前記光ファイバの長手方向の移動を可能にするように前記導管内に充填される、請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記導管の少なくとも一部は、細長いチューブまたは波形金属ホースを備える、請求項1または2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記導管は、2mm~10mmの内径を有する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項5】
前記光ファイバを収容する前記導管は、前記センサヘッドから100mm~3000mm延在する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項6】
前記導管は、前記センサヘッドから接合部まで延在し、前記接合部は、前記導管内に収容された前記光ファイバの第1の部分と、前記接合部から前記インテロゲータに向かってさらに延在する前記光ファイバの第2の部分との間に光コネクタを備え、前記接合部は、前記光ファイバと前記導管との間の熱的不整合を許容するように、前記導管に沿った前記光ファイバの前記第1の部分の移動に適応するように配置された前記光ファイバの前記第1の部分の弛緩セクションを備える、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項7】
前記粒状材料は、セラミック粒状物または粉末を含む、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項8】
前記粒状材料は、10μm~200μmの範囲、または30μm~80μmの範囲の中央粒径を有する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項9】
前記粒状材料の粒子の10%未満は、10μmより小さいサイズを有し、および/または前記粒子の90%超は、前記光ファイバの前記外径の50%より小さいサイズを有する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項10】
前記光ファイバは、前記導管内に配設された可撓性スリーブ内に配設される、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項11】
前記可撓性スリーブは、編み組みされた、織られた、または編まれた材料を含む、請求項10に記載の光センサ。
【請求項12】
前記可撓性スリーブは、シリカ材料を含む、請求項10または11に記載の光センサ。
【請求項13】
前記粒状材料は、前記可撓性スリーブ内および前記可撓性スリーブの外側の周りのうちの1つまたは複数に充填される、請求項10~12のいずれかに記載の光センサ。
【請求項14】
前記粒状材料は、前記可撓性スリーブ内および前記可撓性スリーブの前記外側の周りの両方に層状に充填され、前記可撓性スリーブ内の前記粒状材料は、前記可撓性スリーブの前記外側の周りの前記粒状材料とは異なる特性を有する、請求項13に記載の光センサ。
【請求項15】
前記光ファイバは、前記導管より低い熱膨張係数を有し、前記可撓性スリーブ内の前記粒状材料は、前記可撓性スリーブの前記外側の周りの前記粒状材料より低い熱膨張係数を有する、請求項14に記載の光センサ。
【請求項16】
前記光ファイバは、前記導管内に同軸に配設された少なくとも2つの前記可撓性スリーブ内に配設される、請求項10~15のいずれかに記載の光センサ。
【請求項17】
前記少なくとも2つの同軸可撓性スリーブの少なくとも2つは、例えば編み組みされた、織られた、または編まれた材料のうちの異なるものである、異なる織物構築技術を使用して形成された材料を含む、請求項16に記載の光センサ。
【請求項18】
前記光ファイバは、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの外径を有するクラッドを備える、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項19】
前記光ファイバは、前記プローブ光の中心波長において、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項20】
前記光ファイバは、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の開口数を有する、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項21】
前記光ファイバは、ホーリーファイバ、フォトニックバンドギャップファイバ、平均屈折率導波ファイバ、および上昇したステップインデックスのプロファイルを有する中央コアを囲む低下した屈折率の環状トレンチを備える多層コア領域を有する光ファイバのうちの1つまたは複数である、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項22】
1つまたは複数の測定量を検出するための光センサであって、
プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、
前記プローブ光源から前記プローブ光を受信し、前記1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号を前記プローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドと、
前記センサヘッドから前記プローブ光を受信し、前記加えられた干渉信号を測定し、前記測定された干渉信号から前記1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、
前記導管内に配設された1つまたは複数の可撓性スリーブと、
前記センサヘッドから前記インテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、前記受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバであって、前記光ファイバは前記1つまたは複数の可撓性スリーブ内に配設される、光ファイバと
を備える、光センサ。
【請求項23】
前記1つまたは複数の可撓性スリーブの各々は、編み組みされた、織られた、および編まれた材料のうちの1つを含む、請求項22に記載の光センサ。
【請求項24】
各可撓性スリーブは、シリカ材料を含む、請求項22または23に記載の光センサ。
【請求項25】
前記1つまたは複数の可撓性スリーブは、少なくとも2つの同軸可撓性スリーブを備える、請求項22~24のいずれかに記載の光センサ。
【請求項26】
前記2つの同軸可撓性スリーブの少なくとも2つは、織られた、編み組みされた、または編まれた織物構築タイプから任意選択的に選択された、異なる織物構築タイプを使用して形成される、請求項25に記載の光センサ。
【請求項27】
前記同軸可撓性スリーブのうちの内側のものは、織られた織物材料から形成され、前記同軸可撓性スリーブのうちの外側のものは、編み組みされた、もしくは編まれた織物材料から形成され、または、前記同軸可撓性スリーブのうちの内側のものは、編み組みされた織物材料から形成され、前記同軸可撓性スリーブのうちの外側のものは、織られた織物材料から形成される、請求項26に記載の光センサ。
【請求項28】
前記導管は、前記光ファイバが通過する複数の細長いセクションを備え、各細長いセクションについて、前記光ファイバは、前記導管内に配設された2つ以上の同軸可撓性スリーブの異なる組合せ内に配設され、各組合せの各スリーブは、特定の織物構築タイプのものであり、各異なる組合せは、2つ以上のそのような織物構築タイプの異なるシーケンスを備える、請求項22~27のいずれかに記載の光センサ。
【請求項29】
前記光ファイバは、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの外径を有するクラッドを備える、請求項22~28のいずれかに記載の光センサ。
【請求項30】
前記光ファイバは、前記プローブ光の中心波長において、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有し、および/または、
前記光ファイバは、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の開口数を有する、請求項22~29のいずれかに記載の光センサ。
【請求項31】
1つまたは複数の測定量を検出するための光センサであって、
プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、
前記プローブ光源から前記プローブ光を受信し、前記1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号を前記プローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドと、
前記センサヘッドから前記プローブ光を受信し、前記加えられた干渉信号を測定し、前記測定された干渉信号から前記1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、
前記センサヘッドから前記インテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、前記受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバであって、前記光ファイバは、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの外径を有するクラッドを備える、光ファイバと
を備える、光センサ。
【請求項32】
前記光ファイバは保護導管内に配設される、請求項31に記載の光センサ。
【請求項33】
前記光ファイバは、前記プローブ光の中心波長において、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有し、および/または、
前記光ファイバは、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の開口数を有する、請求項31または32に記載の光センサ。
【請求項34】
1つまたは複数の測定量を検出するための光センサであって、
プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、
前記プローブ光源から前記プローブ光を受信し、前記1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号を前記プローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドと、
前記センサヘッドから前記プローブ光を受信し、前記加えられた干渉信号を測定し、前記測定された干渉信号から前記1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、
前記センサヘッドから前記インテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、前記受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバであって、前記光ファイバは、前記プローブ光の中心波長において、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有する、光ファイバと
を備える、光センサ。
【請求項35】
前記光ファイバは、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の開口数を有する、請求項34に記載の光センサ。
【請求項36】
前記プローブ光源は、前記プローブ光を生成するように配置された1つもしくは複数のレーザ、または1つもしくは複数のスーパールミネッセントダイオードを備える、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項37】
前記センサヘッドは、前記1つまたは複数の測定量に応答して前記プローブ光に前記干渉信号を加えるように配置された1つまたは複数の光キャビティを備える、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項38】
前記1つまたは複数の光キャビティは、1つまたは複数のファブリペローキャビティを備える、請求項37に記載の光センサ。
【請求項39】
前記光ファイバは、シングルモード光ファイバである、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項40】
前記1つまたは複数の測定量は、前記センサヘッドにおける温度、圧力、および加速度のうちの1つまたは複数を含む、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項41】
前記インテロゲータは、前記センサヘッドから受信される前記プローブ光の2つの異なる波長の強度を別々に検出し、前記2つの波長の前記検出強度の間の関係に応答して前記1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するように配置される、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項42】
前記インテロゲータは、前記加えられた干渉信号を含む干渉スペクトルを測定するように配置されたスペクトルエンジンを備え、前記測定された干渉スペクトルから前記1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するように配置される、先行する請求項のいずれかに記載の光センサ。
【請求項43】
先行する請求項のいずれかに記載の光センサを備えるガスタービンエンジンであって、前記光センサは、前記ガスタービンエンジンにおける燃焼不安定性を検出するように配置される、ガスタービンエンジン。
【請求項44】
1つまたは複数の測定量を検出する方法であって、
プローブ光を生成することと、
前記プローブ光源から前記プローブ光を受信し、前記1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号を前記プローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドに前記プローブ光を導くことと、
光ファイバに沿って前記センサヘッドから前記加えられた干渉信号とともに前記プローブ光を受信し、前記加えられた干渉信号を測定することと
を含み、前記光ファイバは保護導管内に配設され、前記導管は、前記導管内の前記光ファイバの横方向の移動を制限するように配置された粒状材料を収容する、方法。
【請求項45】
前記測定された干渉信号から前記1つまたは複数の測定量を決定することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
1つまたは複数の測定量を検出するための光センサを提供する方法であって、
インテロゲータによって受信されるようにセンサヘッドからのプローブ光を結合するために光ファイバを提供することであって、前記インテロゲータは、前記1つまたは複数の測定量に応答して前記センサヘッドによって前記プローブ光に加えられた干渉信号を測定するように配置される、提供することと、
前記光ファイバの少なくとも一部を保護導管内に設置することと、
前記導管内の前記光ファイバの横方向の移動を制限または防止するように、前記保護導管内に粒状材料を設けることと
を含む、方法。
【請求項47】
前記光ファイバは、前記光ファイバに沿って前記センサヘッドから100mm~3000mmの範囲の距離にわたって前記導管内に収容される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記導管の少なくとも一部は、細長いチューブまたは波形金属ホースを備える、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記粒状材料は、セラミック粒状物または粉末を含み、および/または前記粒状材料は、10μm~200μmの範囲、または30μm~80μmの範囲の中央粒径を有する、請求項46~48のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ、例えば、センサヘッドが1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号をプローブ光に加え、インテロゲータによって受信されるように光ファイバがセンサヘッドからの干渉信号を搬送する光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
序論
光ファイバを使用するセンサシステムは、過酷な環境で従来の機器を交換または補完するための有望な候補である。例えば、遠隔で照会されるファブリペローキャビティに基づくセンサシステムを使用して、ガスタービン(Pechstedt and Hemsley,「Fiber optical sensors for monitoring industrial gas turbines」,Handbook of Optoelectronics、第3巻、第18章、CRC Press,Taylor&Francis Group、2018)およびレシプロエンジン(F.C.P.Leachら、「An optical method for measuring exhaust gas pressure from a internal combustion engine at high speed」、Review of Scientific Instruments 88,125004,2017)などの内燃エンジンの燃焼プロセスを監視することができる。
【0003】
これらの用途では、受動センサヘッドは、典型的には、極端な振動レベルおよび非常に高い温度にさらされる可能性がある燃焼ゾーン内またはその近くに取り付けられる。より一般的には、センサヘッドは、圧縮機、バーナー、およびタービンを備えるエンジンのコア、または排気システムに取り付けられてもよい。指針として、センサヘッドは、典型的には、400℃~600℃以上の温度にさらされ、振動レベルが数十gに達する場合があり、ここで、gは、標準的な重力加速度g=9.81m/sを表している。
【0004】
国際公開第2009/077727号に記載されているような光圧力センサは、光キャビティの境界を提供し、加えられた圧力に応答して変形する可撓性ダイアフラムを備えるトランスデューサ素子を使用し得る。トランスデューサ素子を備えるセンサヘッドは、典型的には、光ファイバを備える光ケーブルを介してインテロゲータ(または信号調整器)に接続される。光ファイバは、プローブ光をインテロゲータからセンサヘッドに伝送してインテロゲータに戻すための媒体として作用する。
【0005】
光キャビティ内のプローブ光によって生成される光干渉は、印加圧力に応じて変化する戻りプローブ光の光強度を生成する。インテロゲータにおいて、戻されたプローブ光の強度は、フォトダイオードなどの光検出器によって受信され、そこからの信号は、ダイアフラムにおける圧力を表す信号を決定して出力するように処理され、それは、通常、電圧または電流として出力され得る。異なるセンサヘッドおよびトランスデューサ配置を使用して、温度などのセンサヘッドにおける他の測定量を決定することができる。
【0006】
本発明者らは、そのようなセンサが典型的に配備される過酷な環境が、測定量自体から生じない望ましくないアーチファクトまたはバイアスを干渉信号に生じさせることが多いことを観察した。このような望ましくないアーチファクトまたはバイアスは、従来技術では、センサの交差感度に起因するものとして参照されることがある。そのようなセンサによって決定される測定量の決定の精度を向上させるために、そのようなアーチファクト、バイアス、および交差感度を低減または排除することが望ましいであろう。
【0007】
本発明は、従来技術のこれらおよび他の制限に対処しようとするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
光ファイバは、センサヘッドとインテロゲータとの間でプローブ光を搬送するために使用されてもよく、本発明者らは、そのような光ファイバの移動が、測定された干渉信号のアーチファクトおよびバイアス、したがって圧力および/または温度などの後に決定される測定量の誤差に大きく寄与することを特定した。したがって、本発明の実施形態は、ファイバ光センサにおけるそのような運動誘発のアーチファクトおよびバイアスを排除またはさらに抑制することを目的とし、そのようなセンサが、例えば典型的なガスタービンまたはレシプロエンジン用途に見られるような極端な振動レベルおよび/または高い動作温度などの過酷な環境でより効果的かつ正確に動作することを可能にする。
【0009】
したがって、本発明は、圧力および/または温度などの1つまたは複数の測定量を検出するための光センサを提供し、光センサは、プローブ光を生成するように配置されたプローブ光源と、プローブ光源からプローブ光を受信し、1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号をプローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドと、センサヘッドからプローブ光を受信し、加えられた干渉信号を測定し、測定された干渉信号から1つまたは複数の測定量を決定するように配置されたインテロゲータと、センサヘッドからインテロゲータまでの経路の少なくとも一部で、受信されたプローブ光を搬送するように配置された光ファイバであって、光ファイバの長さの少なくとも一部は保護導管内に配設される、光ファイバと、導管内の光ファイバの横方向の移動を制限または防止するように、導管内に充填され、または詰められた粒状材料とを備える。
【0010】
しかしながら、同時に、粒状材料は、好ましくは、導管内の光ファイバの長手方向の移動を可能にするように導管内に充填され、または詰められ、それによって光ファイバに過度の歪みを引き起こすことなく熱膨張差を可能にする。この目的のために、粒状材料は、あまりまたはいかなる圧縮もせずにかなり緩く充填され、または詰められ得るが、好ましくは、センサが配備されるときに導管内の光ファイバの不安定および移動をもたらし得る著しい空隙または隙間を回避する。
【0011】
典型的には、プローブ光源およびインテロゲータ(プローブ光源を備えてもよい)は、センサヘッドからかなりの距離、例えば数メートルまたは数十メートルの距離に配置されてもよく、2つの間の光結合の少なくとも一部は光ファイバによって提供される。
【0012】
導管は、細長いチューブまたは波形ホースを備えてもよく、または導管の一部は、1つまたは複数の細長いチューブおよび適切に接合された1つまたは複数の波形または可撓性ホースのいずれかまたは両方によって提供されてもよく、いずれかまたは両方は、典型的には金属製である。このようにして、用途領域および特定の据え付け制約に応じて所望に応じて、金属チューブ構成によってより剛性セクションが設けられてもよく、波形金属ホース構成によってより可撓性セクションが設けられる。
【0013】
導管は、典型的には、2mm~10mm、または1mm~20mmの内径を有してもよい。光ファイバを収容する導管の長さは、典型的には、センサヘッドから、またはセンサヘッドの近くまたは近位から100mm~3000mm延在してもよい。導管の異なる細長いセクションは、異なる内径を有してもよく、例えば、剛性セクションは、可撓性セクションとは異なる内径を有してもよい。
【0014】
導管は、センサヘッドから接合部まで延在してもよく、接合部は、導管内に収容された光ファイバの第1の部分と、接合部からインテロゲータに向かってさらに延在する光ファイバの第2の部分との間に光コネクタを備える。次いで、接合部は、導管に沿った光ファイバの第1の部分の移動に適応するように配置された光ファイバの第1の部分の弛緩セクションを備えてもよい。このようにして、導管内の光ファイバ、センサヘッド、または接合部にさらなる歪みを加えることなく、光ファイバと導管との間のいくらかの熱的不整合に適応することができる。
【0015】
粒状材料は、セラミック粒状物またはセラミック粉末、特にエンジニアリングセラミック粒状物または粉末を含んでもよい。導管への注入するため、または詰めるため、および光ファイバの安定した位置決めに適した特性を提供するために、粒状材料は、10μm~200μm、または30μm~80μmの範囲の平均または中央粒径を有してもよい。
【0016】
粒状材料が上述のように導管内に設けられているか否かにかかわらず、光ファイバは、導管内に配設された可撓性スリーブ内に、または導管内に配設された複数の同軸可撓性スリーブ内に配設されてもよく、各可撓性スリーブは、編み組みされた、編まれた、もしくは織られた材料、または他の何らかの織物構築の材料を含んでもよい。複数の同軸可撓性スリーブが使用される場合、同軸組合せの各スリーブは、異なるそのような織物構築を使用して形成されてもよい。同軸スリーブが参照される場合、これらは、正確に同じ中心点を有するという意味で同心である必要はなく、依然として互いに入れ子にされながらある程度オフセットされ得ることに留意されたい。粒状材料も提供される場合、これは導管、光ファイバ、およびスリーブ層のうちの1つまたは複数の間に充填されてもよい。
【0017】
2つの同軸可撓性スリーブが使用される場合、同軸可撓性スリーブのうちの内側のものは、織られた織物材料から形成されてもよく、同軸可撓性スリーブのうちの外側のものは、編まれた、または編み組みされた織物材料から形成されてもよく、その結果、内側の織られたスリーブは、光ファイバの移動をより良好に制限するように織られた層の外側の容積を満たすように働く外層による潜在的な変形から光ファイバをより良好に保護する。あるいは、同軸可撓性スリーブのうちの内側のものは、編み組みされた織物材料から形成されてもよく、同軸可撓性スリーブのうちの外側のものは、織られた織物材料から形成されてもよい。これにより、編み組み材料は、より滑らかな表面を通って光ファイバがファイバ軸の方向に長手方向に移動することをより良好に可能にし得る。
【0018】
導管が光ファイバが通過する複数の細長いセクションを備える場合、各々のそのような細長いセクションについて、光ファイバは、導管のそのセクション内に配設された2つ以上の同軸可撓性スリーブの異なる組合せ内に配設されてもよい。この場合、各組合せの各スリーブは、特定の織物構築タイプのものであってもよく、各異なる組合せは、2つ以上のそのような織物構築タイプの異なるシーケンスを備えてもよい。例えば、導管の小径部では、同軸の織られた、および編み組みされた可撓性スリーブを使用してもよく、大径部では、同軸の織られた、および編まれた可撓性スリーブを使用してもよい。
【0019】
シリカ材料は、典型的には、例えば少なくとも95%または少なくとも99%のシリカを含む可撓性スリーブまたは各可撓性スリーブに使用してもよい。粒状材料が使用されている場合、それは、特定の可撓性スリーブ内、特定の可撓性スリーブの外側の周り、またはその両方に充填され、または詰められてもよい。
【0020】
粒状材料が可撓性スリーブ内および可撓性スリーブの外側の周りの両方に層状に充填される場合、可撓性スリーブ内の粒状材料は、可撓性スリーブの外側の周りの粒状材料とは異なる種類であるか、または異なる特性を有するように、2種類の粒状材料を使用してもよい。そのような場合、可撓性スリーブ内の粒状材料は、導管よりも低い熱膨張係数を有する光ファイバを収容するのを助けるために、可撓性スリーブの外側の周りの粒状材料よりも低い熱膨張係数を有してもよい。
【0021】
同様のセンサのために従来技術において使用される典型的な光ファイバは、典型的には、125μmの直径またはクラッド外径を有する。上記の粒状材料が使用されるか否か、および上記の可撓性スリーブが使用されるか否かにかかわらず、光ファイバ、または光ファイバのクラッド層は、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの拡大された直径、または拡大された外径を有してもよい。このようにしてファイバ径またはクラッドの外径を増加させると、光ファイバのスチフネスが増加し、それによって導管内の曲げおよび移動をさらに低減するのに役立つ。拡大された外径の光ファイバは、特にシングルモード光ファイバであってもよい。
【0022】
上記の粒状材料が使用されるか否か、および上記の1つまたは複数の可撓性スリーブが使用されるか否か、および上記の光ファイバの拡大直径クラッド層が使用されるか否かにかかわらず、光ファイバは、導管内の光ファイバの曲げがセンサヘッドからインテロゲータに搬送される干渉信号に及ぼす影響が低減されるように、モードフィールド径が低減されたシングルモードファイバであってもよい。特に、光ファイバは、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有するように配置されてもよい。モードフィールド径はプローブ光の波長に応じて変化するので、モードフィールド径のこれらの値は、プローブ光の中心波長、例えばピーク波長または平均波長にあると定義されてもよい。
【0023】
典型的な赤外線プローブ光の場合、例えば約1300~1800nmまたは1400~1700nmの領域では、モードフィールド径の適切な範囲を達成するために、光ファイバは、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の開口数を有してもよい。
【0024】
曲げ損失または同様の効果を低減するために、低減されたモードフィールド径の代わりに、またはそれと同様に使用するために、特定の光ファイバ構造を使用してもよく、例えばフォトニックバンドギャップファイバまたは平均屈折率導波ファイバなどのホーリーファイバを使用してもよく、または上昇したステップインデックスのプロファイルを有する中央コアを囲む、低下した屈折率の環状トレンチを含む多層コア領域を有する光ファイバを使用してもよい。
【0025】
プローブ光源は、プローブ光を生成するように配置された1つもしくは複数のレーザ、または1つもしくは複数のスーパールミネッセントダイオードを備えてもよい。プローブ光の波長特性は、加えられた干渉信号を測定および使用するためにセンサがどのように配置されるかに依存し得る。例えば、インテロゲータは、センサヘッドから受信されるプローブ光の2つの異なる波長または波長帯域の強度を別々に検出し、2つの波長または波長帯域の検出強度の間の関係に応答して1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するように配置されてもよい。この場合、2つの別個の波長または波長帯域のプローブ光が必要であり、これは例えば、2つのレーザ、単一の波長可変または掃引レーザ、2つの波長で高い透過特性を有する2つの光フィルタと組み合わせた単一の広帯域光源、または2つの必要な波長または波長帯域と一致するように選択されたそれぞれの(ピークまたは平均などの)中心波長を有する2つのスーパールミネッセントダイオードによって提供され得る。
【0026】
あるいは、インテロゲータは、加えられた干渉信号を含む干渉スペクトルを測定するように配置されたスペクトルエンジンまたは分光計を備えてもよく、次いで、測定された干渉スペクトルから1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するように配置されてもよく、この場合、例えば、スーパールミネッセントダイオードまたは掃引レーザ源によって提供される広帯域プローブ光が必要とされる。
【0027】
センサヘッドは、1つまたは複数の測定量に応答してプローブ光に干渉信号を加えるように配置された1つまたは複数の光キャビティを備えてもよい。これらの光キャビティの1つもしくは複数またはすべては、ファブリペローキャビティであってもよい。1つまたは複数の測定量は、センサヘッドにおける温度、圧力(例えば、静圧、または音響周波数での圧力変化)、および加速度のうちの1つまたは複数を含んでもよく、次いで、光キャビティは、これらの測定量に適切に応答するように配置されて、これらの光キャビティにおける変化が干渉信号において検出可能であってもよい。
【0028】
センサは、内燃またはガスタービンエンジンなどの様々なタイプのエンジンにおける、その上の、またはその中の1つまたは複数の測定量を決定するために使用され得る。この目的のために、本発明はまた、任意の先行する請求項の光センサのうちの1つまたは複数を備えるガスタービンエンジンまたは内燃エンジンを提供する。その場合、光センサは、特に、ガスタービンまたは他のタイプのエンジンにおける燃焼不安定性を検出するように配置され得る。
【0029】
本発明はまた、上記の装置に対応する方法を提供し、方法は、そのような装置を動作させる方法およびそのような装置を構築または製造する方法を含む。
【0030】
したがって、本発明は、1つまたは複数の測定量を検出する方法を提供し、方法は、プローブ光を生成することと、プローブ光源からプローブ光を受信し、1つまたは複数の測定量に応答する干渉信号をプローブ光に加えるように配置されたセンサヘッドにプローブ光を導くことと、光ファイバに沿ってセンサヘッドから加えられた干渉信号とともにプローブ光を受信し、加えられた干渉信号を測定することとを含み、光ファイバは保護導管内に配設される。
【0031】
次いで、導管は、導管内の光ファイバの横方向の動きを制限するように上述の粒状材料を収容してもよく、および/または光ファイバは、導管内の上述の可撓性スリーブまたは複数の同軸可撓性スリーブ内に収容されてもよく、および/または光ファイバは、例えば上述したように、拡大された外径のクラッドを備えてもよく、および/または光ファイバは、例えば上述したように、低減されたモードフィールド径を有してもよく、光ファイバはシングルモード光ファイバであってもよいことに留意されたい。
【0032】
次いで、方法は、測定された干渉信号から1つまたは複数の測定量を決定することをさらに含んでもよい。
【0033】
本発明はまた、本明細書に記載の光センサを提供または作製または製造する方法を含み、方法は、インテロゲータによって受信されるようにセンサヘッドからのプローブ光を結合するために光ファイバを提供することであって、インテロゲータは、1つまたは複数の測定量に応答してセンサヘッドによってプローブ光に加えられた干渉信号を測定するように配置される、提供することと、光ファイバの少なくとも一部を保護導管内に設置することと、保護導管内に粒状材料を設けること、導管内の光ファイバの周りに同軸に1つまたは複数の可撓性スリーブを設けること、増大したクラッド径を光ファイバに設けること、および低減したモードフィールド径を光ファイバに設けることのうちの1つまたは複数とを含む方法を含む。
【0034】
図面の簡単な概要
次に、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】光ファイバを通す導管内で粒状材料を使用する本発明によるセンサの概略図である。
図2図1のセンサヘッドおよび光ファイバがどのように実装され得るかをより詳細に示す図である。
図3図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図4図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図5図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図6図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図7図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図8a図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図8b図1および図2の導管および通される光ファイバが実装され得る仕方を示す断面図である。
図9】センサが導管内に粒状材料を伴って(下側の曲線)、および伴わずに(上側の曲線)実装される場合の、付随的な振動に対する圧力を測定するように配置された、説明されたセンサの感度のグラフである。
図10】光ファイバのクラッド径を増加させるとスチフネスが増加し、導管内の光ファイバの振動または移動に対する感度がどのように低下するかを示す図である。
図11】導管内に粒状材料を使用せずに可撓性スリーブを用いて導管および通される光ファイバをどのように実装できるかを示す断面図である。
図12】他の図のような光ファイバのモードフィールド径がコア径および開口数(NA)とともにどのように変化するかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態の詳細な説明
ここで図1を参照すると、本発明の様々な態様を具体化することができる光センサ5が概略的に示されている。プローブ光源10は、光カプラ12を介して光ファイバ14(典型的にはシングルモード光ファイバ)に結合されるプローブ光を生成し、光ファイバはプローブ光をセンサヘッド16に導く。センサヘッド16は、過酷な環境、例えばガスタービンまたは他のエンジンの壁18に取り付けられてもよく、図1に示すように突出するのではなく壁の内側と面一になることが多い。過酷な環境は、例えば、おそらく摂氏数百度の高温を特徴とする可能性があり、高強度の振動などを受ける可能性がある。
【0037】
センサヘッド16は、センサヘッドにおける1つまたは複数の測定量、例えば、温度T、静圧または動圧P、加速度Aなどのうちの1つまたは複数に応答する干渉信号をプローブ光に加えるように配置される。図1に示すように、センサヘッドは、ガスタービンまたは他のエンジンのチャンバの壁18内などの空間内のそのような測定量に応答するように配置され得る。次いで、干渉信号を搬送するプローブ光は、センサヘッド16から光ファイバ14に沿って光カプラ12に戻され、そこから干渉信号が測定される光検出器20に導かれる。
【0038】
次いで、測定された干渉信号は、測定された干渉信号を使用して、次いで様々な方法で出力または使用される1つまたは複数の測定量の値またはそれを表す信号を決定する分析器22に渡される。そのような信号は、測定量を表す電圧または電流の形態、対応するデジタルデータ信号の形態、または他の形態であり得る。
【0039】
図1では、光源10、光カプラ12、光検出器20、および分析器22は、インテロゲータユニット24に収容されるか、またはその一部を形成するものとして示されているが、これらまたは関連する機能または要素は、異なる方法で収容または分散されてもよい。図1では、光源からセンサヘッド16に向かって、およびセンサヘッドから検出器20に向かってプローブ光を搬送するために単一の光ファイバ14が使用されているが、これらの目的のために2つの異なる光ファイバを使用することができる。1つまたは複数のプローブ光源、1つまたは複数のセンサヘッド26、および1つまたは複数の光検出器20の様々な他の構成も使用され得る。例えば、1つまたは複数のセンサヘッドは、例えばマッハツェンダまたはブラッググレーティング干渉法技術を使用して、反射モードではなく透過モードで動作するように配置することができる。複数のそのような透過または反射形状センサヘッドは、単一のインテロゲータユニットに結合するために互いにデイジーチェーン接続することができ、例えば、プローブ光はデイジーチェーンに沿って出入りし、センサヘッドは、両方向に対して単一の光ファイバを使用して、または各方向に対して異なる光ファイバを使用して、またはリング構成で結合される。
【0040】
センサヘッド16およびインテロゲータ24または関連要素がどのように実装され得るかのいくつかの例は、国際公開第2009/077727号、国際公開第2012/140411号、国際公開第2013/136071号および国際公開第2013/136072号に記載されている。センサヘッド自体がどのように実装され得るかのいくつかの他の特定の例は、国際公開第2013/024262号に提供されている。これらの文書の各々の内容は、これらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
プローブ光は、本質的に狭帯域であってもよく、例えばプローブ光源10に含まれるかまたはそれを形成する1つまたは複数のレーザ源を使用して生成されてもよく、または本質的に広帯域であってもよく、例えば1つまたは複数の掃引レーザ源を使用して生成されてもよく、または典型的にはプローブ光源に含まれるかまたはそれを形成する数十ナノメートルの帯域幅を有する1つまたは複数のスーパールミネッセントダイオードを使用して生成されてもよい。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、プローブ光は、例えば、波長帯域が重ならないように十分に離間された中心波長を有する2つのスーパールミネッセントダイオード、または各々が約10~20nmの帯域幅を有することができる2つの光学フィルタと組み合わせた単一のスーパールミネッセントダイオードを含むプローブ光源を使用して、2つ以上の異なる個別の周波数、波長または波長帯域を含んでもよい。
【0042】
干渉信号は、センサヘッド内の1つまたは複数の構造、例えば1つまたは複数の光キャビティ26によってプローブ光に加えられてもよい。そのような光キャビティは、例えば、ファブリペローキャビティであってもよい。そのような各光キャビティは、典型的には、センサヘッド内の2つの実質的に平行な屈折率境界、例えば固体材料とガスまたは真空との間の境界によって画定され、したがって、そのような各光キャビティは、固体材料、ガスまたは真空、またはその両方を含んでもよい。他の実施形態では、干渉信号は、1つまたは複数のマイケルソン型干渉計構造を使用してプローブ光に加えられてもよく、例えば、図8bおよび英国特許出願公開第2495518号の関連する本文を参照されたく、その内容は、これらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
そのような光キャビティ26および他の干渉構造は、例えば、センサヘッドの材料の膨張および/または屈折率変化によるセンサヘッドの温度、その境界がそのような光キャビティの境界を形成するダイアフラムの移動による圧力、プルーフマスの移動による加速、または他の様々な方法で応答してもよい。
【0044】
干渉信号は、インテロゲータによって測定され、様々な方法で1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するために使用され得る。本明細書の他の箇所でも言及されている「デュアル波長」技術によれば、プローブ光源10は、例えば適切に配置されたレーザまたはスーパールミネッセントダイオード光源を使用して、2つの異なる波長または波長帯域のプローブ光を提供するように配置される。次いで、センサヘッドは、各波長または波長帯域のプローブ光に効果的に分離した干渉信号を加える。プローブ光がセンサヘッドからインテロゲータで再び受信されると、2つの波長または波長帯域は、例えば光検出器20の2つの異なる光検出器構成要素によって別々に検出され、別々の検出信号を提供する。次いで、分析器22は、例えば、光検出器における2つの異なる波長または波長帯域の強度を表し得るこれらの検出信号を受信し、例えば、2つの波長または波長帯域の検出信号の比較による関係に応答して、1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定する。
【0045】
そのような技術は、英国特許出願公開第2202936号および国際公開第2013/136072号などの先行技術で議論されており、その内容は、これらおよびすべての他の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。この「デュアル波長」タイプの技術は、例えば光ファイバ14の曲げに起因して、測定信号として解釈され得る光システム内に存在し得る強度または電力損失の補償を提供する。しかしながら、本発明者らは、そのような補償が、光ファイバ14がさらされる可能性がある過酷な環境に起因するアーチファクトおよびバイアスを排除するのに一般に十分ではないことを見出した。
【0046】
干渉信号はまた、またはその代わりに、インテロゲータによって測定され、スペクトル方式を使用して1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するために使用されてもよい。例えば、光検出器20は、加えられた干渉信号を含む干渉スペクトルを測定するように配置されたスペクトルエンジンを備えてもよく、分析器22は、測定された干渉スペクトルから1つまたは複数の測定量のうちの1つまたは複数を決定するように配置されてもよい。そのような技術もまた、国際公開第2013/136072号などの先行技術で議論されており、その内容は、これらおよびすべての他の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、上述したデュアル波長技術に関しては、光ファイバ14がさらされ得る過酷な環境に起因するアーチファクトおよびバイアスを排除することは依然として困難であり得る。
【0047】
干渉信号の検出のためにセンサヘッド16から光検出器20に向かってプローブ光を搬送する光ファイバ14は、必要に応じて、単一の長さの光ファイバ、または互いに結合された2つ以上の長さから形成されてもよい。いくつかの例では、例えば、プローブ光をセンサヘッドに、およびセンサヘッドから離れる向きに搬送する異なる光ファイバを用いて、複数の光ファイバを使用することができる。
【0048】
図1に示すように、光ファイバ14の少なくとも一部は、光ファイバを損傷および有害な環境条件、特にセンサヘッド16に近い光ファイバ14が被り得る有害な条件から保護する保護導管30内に配設される。そのような不利な条件は、例えば、高温、過剰な振動などを含み得る。典型的には、導管は、センサヘッドから、またはセンサヘッドの近くから、光ファイバに沿って約0.1~3.0メートル、またはより好ましくは約0.2~2.0メートルの長さにわたって延在してもよいが、必要に応じてより長い延長部が使用されてもよい。
【0049】
センサヘッド16をインテロゲータ24に接続するために複数の光ファイバが使用される場合(例えば、他の目的のために光を各方向に搬送するために異なるファイバを使用する場合)、これらは同じ導管内に一緒に通されてもよく、または複数の光ファイバは他の目的のために単一の導管30内に通されてもよい。
【0050】
導管は、典型的には、例えば2~10mm、または1~20mmの内径を有するチューブ、パイプ、または同様の細長い構造体によって提供され、特に、センサの据え付けを支援するように、その長さの少なくとも一部に沿って可撓性であるように設計されてもよい。そのような可撓性は、可撓性金属ホース、例えば波形金属ホースを含む導管の1つまたは複数の部分または全体によって提供されてもよい。導管の一部またはすべてのセクションが剛性である場合、これらはより剛性の高い金属チューブ構成を含むことができる。導管に適した金属は、オーステナイト系ステンレス鋼およびニッケル-クロム合金を含み得るが、適切なセラミック材料などの非金属もまた、または代わりに使用され得る。導管がどのように実装され得るかについてのさらなる説明は、以下に提供される。
【0051】
本発明者らは、保護導管30内の光ファイバ14の横方向移動(すなわち、導管壁に向かって、および導管壁から離れて)が、測定された干渉信号に望ましくないアーチファクト、バイアス、または交差感度、したがって決定された測定量内の誤差を生じさせる可能性があることを見出した。より一般的には、光ファイバを伝搬するプローブ光の特性は、導管30に作用する外部刺激によって影響を受ける可能性がある。光検出器20で受信されたプローブ光の特性の結果として生じる変動、および/または干渉信号の結果として生じる変動は、測定量の変化によるものとして誤って解釈される可能性がある。例えば、静的または低速移動の意味で、または振動運動としての光ファイバの曲げ半径の変化は、光ファイバの伝搬損失の変動を誘発する可能性があり、それ自体も波長依存性であり得る。そのような伝搬損失の変化は、次いで、特定の波長または複数の波長でインテロゲータで受信される光強度の変化、および測定量の対応する知覚される変化をもたらし得る。本明細書の他の箇所で説明されているように、デュアル波長問い合わせ技術が使用される場合、2つの波長または波長帯域間の異なる伝搬損失は、決定された測定量に誤差を生じさせる。
【0052】
そのような影響を軽減するためのいくつかの戦略、例えば上述の「デュアル波長」戦略は従来技術で既に知られており、英国特許出願公開第2202936号に記載されており、その内容はこれらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。この文献は、少なくとも2つの波長成分を含むプローブ光をセンサヘッドに送信し、2つの波長の各々におけるセンサヘッドにおける圧力変化から生じる干渉信号を別々に測定し、補正された圧力応答に到達するように2つの信号の比をとることを提案している。これの背後にある理論的根拠は、光ファイバに沿って伝搬する2つの異なる波長成分が、ファイバが曲げられたときに同様の量だけ減衰されることであり、これは、応答の比が曲げに大きく依存せず、単に加えられる圧力の関数であることを意味する。
【0053】
2つの波長または波長帯域成分またはプローブ光を使用するそのような問い合わせ方式は、「デュアル波長問い合わせ」と呼ばれることがあり、これについては、A.Winterburnら、「Extension of an optical dynamic pressure sensor to measure temperature and absolute pressure in combustion applications」、The Future of Gas Turbine Technology、第6回国際会議、2012年10月17~18日、ベルギー、ブリュッセル、論文番号:15、でより詳細に説明されている。
【0054】
しかしながら、このようにして提供されるコモンモード除去は、干渉信号におけるアーチファクトおよびバイアスの完全な除去、または用途に応じて、十分な抑制を保証せず、望ましくない影響が残る。例えば、曲げ誘起損失などのファイバ内を伝搬するプローブ光への影響は、一般に波長の関数であり、使用されるプローブ光の2つの波長または波長帯域間に小さな差動損失を生じる。結果として、2つの異なる波長または波長帯域におけるプローブ光の間の強度比は、センサヘッドにおける測定量の関数であるだけでなく、振動によって引き起こされる曲げまたは光ファイバ14の移動などの外部刺激によっても影響を受け得る。
【0055】
図1に示すように、そのようなアーチファクトおよびバイアスを低減または排除するために、導管内の光ファイバの移動、特に導管の軸を横切る横方向の移動を制限または防止するように、粒状材料32を導管30内に充填してもよい。好ましくは、粒状材料は、光ファイバの本質的に制限されない長手方向の移動、すなわち導管の中心軸に沿った、および/または光ファイバ自体の方向に沿った移動を可能にし続けるように、十分に緩く導管内に設けられ、充填されていないポケットを回避しながら、導管内の光ファイバまたは他の安定性の低い構成の横方向の移動を可能にする可能性がある。このようにして、特に導管および/または光ファイバの熱膨張および収縮に起因する導管および光ファイバ自体の相対的な長手方向移動が依然として可能にされ、それにより、そのような影響に起因する光ファイバ内の歪みの過度の変化が回避される。
【0056】
粒状材料は、例えば注入技術によって導管内に充填されてもよく、任意選択的に、有意な意図しない空隙が粒状材料によって充填されないままにならないようにするのに役立つように導管のある程度の撹拌を含む。充填プロセス中に導管に沿って粒状材料を運ぶために、例えばガス流を使用することによって、適切な充填密度を確保するために他の技術を使用することが望ましい場合がある。
【0057】
粒状材料は、例えば、セラミック粒状物、または例えばアルミナ(AlO)もしくは酸化マグネシウム(MgO)を含むエンジニアリングセラミック粒状物であり得るか、またはそれを含み得る。材料の粒度は、10μm~200μm、または30μm~80μmの範囲の平均または中央粒径を有する粒状材料が使用され得るように、後述するようにスリーブ内に封入されているか否かにかかわらず、光ファイバの周りに充填するのに適切であるべきである。適切な粒状材料のさらなる議論は、以下に提供される。
【0058】
他の構造もまた、または代わりに、光ファイバの移動を保護および/または制限するために導管内で使用されてもよく、例えば、光ファイバは、導管内に同軸に配設されたスリーブ内または複数の同軸スリーブ内に配設されてもよい。典型的には可撓性スリーブおよび/または織物スリーブとして提供されるそのような同軸スリーブの各々は、いくつかの異なる種類の織物構築のうちの1つを使用して構築されてもよく、例えば、編み組みされた、織られた、または編まれたスリーブを提供する。そのようなスリーブは、例えば、光ファイバ充填粒状材料の間に配設されてもよく、および/または充填粒状材料と導管との間に配設されてもよく、および/または光ファイバを取り囲む充填粒状材料の第1の本体およびスリーブを取り囲む充填粒状材料の第2の本体などの充填粒状材料の2つの本体の間に配設されてもよい。そのようなスリーブは、例えば、編み組みされた、織られた、もしくは編まれたシリカ材料、または他のセラミックの編み組みされた、織られた、もしくは編まれた形態を備えてもよい。いくつかの実施形態では、そのような同軸スリーブの1つが光ファイバを取り囲むが、充填された粒状材料は使用されない。
【0059】
1つまたは複数のそのようなスリーブを提供することにより、各々がいくつかの異なる織物構築タイプのいずれかを使用して形成された層を含み、用途に最も適した対応する材料タイプを提供することにより、対応する1つまたは複数のスリーブ単独または組合せの異なる望ましい特性が得られ得る。
【0060】
例えば、編み組みスリーブは、典型的には、いくつかのストランドを非直角に絡み合わせることによって形成されてもよく、結果として生じる鋭角は、導管およびスリーブの軸に沿った方向に潜在的により滑らかな表面を提供するいくつかの好ましい方向を画定し、それによってスリーブと光ファイバなどの他の表面との間の摩擦を低減する。
【0061】
織られたスリーブは、典型的には、実質的に直角に交絡した2組の直線ストランドからなることができ、ストランド自体は、典型的には個々の平行に置かれたファイバの層からなる。このように、織られたスリーブは、典型的には編み組みスリーブよりも幾分剛性であり、光ファイバのより良好な機械的保護を提供しながら、導管およびスリーブの軸に沿った光ファイバの移動をさらに容易にし、導管内の光ファイバの横方向の移動を制限する。
【0062】
編まれたスリーブは、典型的には、ループに形成されたストランドによって形成されてもよく、ループは、構造体へとさらにループすることによって連動し、一般的により柔軟な材料をもたらす。編まれたスリーブでは、過度の可撓性を失うことなくより大きな直径のストランドを利用することができ、光ファイバと導管との間のより大きな容積をスリーブによって充填することを可能にする。
【0063】
織物構築またはスリーブ材料の種類にかかわらず、ストランド自体は、典型的には、例えば、それぞれヤーンまたは糸を形成するために撚られまたは平行に置かれたシリカ(例えば石英)ファイバからなり得る。異なる織物構築またはスリーブ材料タイプはまた、異なる機械的減衰特性を示すことができ、より緩くより柔軟な層は、典型的にはより強い減衰を可能にする。より強力な減衰は、導管内の光ファイバをさらに緩衝するために有益であり、したがって、スリーブ軸に沿った移動に影響を与えることなく光ファイバの横方向の移動を低減するのに役立つ。
【0064】
追加の減衰は、1つまたは複数の可撓性スリーブを鉱物ウール内に埋め込むことによって達成することができる。鉱物ウールは、典型的には、溶融鉱物材料を紡糸または線引きすることによって製造され、したがって、通常、非常に高い温度に耐性がある。
【0065】
いくつかの実施形態では、粒状材料は完全に省略されてもよいが、光ファイバの横方向移動のある程度の制限、ならびに導管自体によって提供されるものを超えるある程度の保護を提供するために、導管内で光ファイバを囲むために依然として使用される1つまたは複数の可撓性スリーブが使用されることに留意されたい。
【0066】
そのようなスリーブ、例えば編み組みシリカをどのように使用することができるかについてのさらなる議論が以下に提供される。
【0067】
導管内の光ファイバの移動、特に横方向の移動をさらに制限するために、光ファイバ自体のスチフネスを高めてもよい。これは様々な方法で達成することができるが、いくつかの実施形態では、外径が増大した光ファイバ14、または外径が増大したクラッドを使用してもよい。最も一般的に使用される光ファイバは、約125μmの外径を有するクラッドを有する。スチフネスをさらに高め、それによって干渉信号のアーチファクトおよびバイアスを低減し、したがって決定された1つまたは複数の測定量の誤差を低減するために、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの直径または外側クラッド径を有する光ファイバを使用してもよく、光ファイバはシングルモード光ファイバであってもよいことに留意されたい。
【0068】
導管内の光ファイバの特定の程度の移動、特に導管内の横方向の移動から生じるプローブ光および干渉信号における曲げ損失などのアーチファクトおよびバイアスの大きさを低減するために、光ファイバのモードフィールド径を低減してもよい。特定の光ファイバのモードフィールド径は、光ファイバ内の光の波長、この場合はプローブ光の波長に依存するが、プローブ光の約1550nmの適切な赤外波長の場合、典型的なステップインデックス型シングルモード光ファイバは、9μmのコア径、約10.6μmのモードフィールド径、および約0.12の開口数を有し得る。したがって、曲げ損失などのアーチファクトおよびバイアスを低減するために、光ファイバ14は、プローブ光の波長または中心波長(ピーク波長または平均波長であってもよい)において、10μm以下、より好ましくは8μm以下のモードフィールド径を有するように設けられてもよい。
【0069】
広帯域または多波長または波長帯域のプローブ光源が使用される場合、そのような中心波長は、例えば、プローブ光の原理または主ピークの波長、またはプローブ光のスペクトルにわたる光パワーに対する平均波長として定義され得る。広帯域光源は、典型的には、数十nmのスペクトル幅を有してもよい。
【0070】
図2は、センサヘッド16、および図1に示すようなインテロゲータ24と接続する光ファイバ14の少なくとも一部がどのように実装され得るかをより詳細に示す。図2において、光ファイバ14を含む導管30は、センサヘッド16から接合部36まで延在する。センサヘッドおよびセンサヘッドに最も近い導管の部分は、通常、最も極端な温度および/または振動にさらされる。
【0071】
図2に示すセンサヘッド16は、センサハウジング40と、任意選択的な剛性セクション42と、トランスデューサ素子44と、光ファイバ14とトランスデューサ素子44との間を光学的に結合する光結合配置46とを備える。センサハウジング40は、センサヘッド16の内部を保護し、例えばガスタービンのライナの開口部を介してセンサヘッドを取り付けることを可能にする。ハウジング40の好ましい材料は、高性能ニッケル-クロム合金であってもよい。例えば、インコネル625は、広範囲の動作温度にわたって維持される高い引張、破断およびクリープ強度などの優れた機械的特性のために好ましい選択であり得る。
【0072】
トランスデューサ素子44は、1つまたは複数の測定量がプローブ光上で符号化されるトランスデューサ機構を提供する。例えば、干渉法に基づく圧力センサでは、トランスデューサ素子44は、光キャビティの一部であり、加えられた圧力に応じて偏向する可撓性ダイアフラムを備えてもよい。可撓性ダイアフラムは、光キャビティの2つの平行な反射面のうちの一方を提供し、それによって、第2の反射面は、ダイアフラムの反対側のトランスデューサ素子44の剛性部材によって提供される。光キャビティに入射しているプローブ光は、光キャビティの2つの反射面で2つの戻りビームに分割され、再結合されると干渉パターンを生成する。圧力の印加は、2つの表面間の距離の変化を引き起こし、干渉パターンが変化し、結果として反射プローブ光の強度が変化する。
【0073】
したがって、反射されたプローブ光は、圧力情報を光強度として運ぶ。高温での意図された動作のために、トランスデューサ素子は、好ましくは、例えば国際公開第2009/077727号に教示されているように、全体がサファイアで形成されてもよく、その内容は、これらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
結合配置46は、光ファイバ14内のプローブ光とトランスデューサ素子44との間の光結合を提供する。例えば、光ファイバはレンズ(図示せず)に取り付けられてもよく、光ファイバ内をトランスデューサ素子44に向かって伝搬するプローブ光は、次いでレンズによってコリメートされ、トランスデューサ素子に向けられる。次いで、プローブ光は、トランスデューサ素子から反射されて戻り、レンズによって再捕捉され、光ファイバ14内に再発射され、そこでインテロゲータ24に伝搬して戻る。1000℃以上のセンサヘッド16における極端な温度での意図された動作のために、レンズおよび光ファイバの隣接または取り付けられた端部は、好ましくは、トランスデューサ素子44から特定の最小距離に位置してもよい。そのような距離は、例えば国際公開第2009/077727号に記載されているように、スペーサによって提供されてもよい。このようにして、サファイアベースのトランスデューサ素子44は、1000℃以上の極端な温度にさらされ得るが、好都合にはシリカで形成され得るレンズおよび光ファイバは、より低い温度に保たれ得る。通常、シリカファイバは、例えば、ファイバコーティングの損傷またはコア領域からクラッドへのドーパントの外方拡散のような性能の低下を回避するために、700℃程度を超える温度に長期間さらされるべきではない。しかしながら、いくつかの配置では、光ファイバは、スペーサなしでレンズなしで、またはレンズのみでセンサ素子に直接取り付けられてもよい。
【0075】
典型的には取り扱いおよび/または据え付け中の追加の機械的保護のために、ハウジング40から離れて光ファイバを囲むセンサヘッド16の一部として任意選択的な剛性セクション42を設けてもよい。剛性セクションの典型的な長さは、10mm~200mmであり得る。剛性セクションは、直線状または屈曲していてもよい。
【0076】
剛性セクションを超えて、または剛性セクションに結合されて、導管30は、光ファイバを保護し、典型的にはより良性の環境内に延在するのに十分な長さ、例えばセンサヘッドから100mm~3000mmにわたって光ファイバに沿って延在し、光ファイバを収容するのに十分な長さの外部外装として機能するように設けられる。通常、導管30は、例えば据え付け中に必要に応じて導管の引き回しを可能にするために、ある程度の大規模な機械的柔軟性を示す必要がある。この目的のために、導管の全体または一部は、可撓性であるように設計されてもよく、例えば波形金属ホースを含むかまたは波形金属ホースによって提供される。しかしながら、導管の1つまたは複数の部分、またはすべては、必要に応じて剛性であってもよく、例えば、金属チューブ構成の比較的剛性のセクションを含むか、またはそれによって提供されてもよい。
【0077】
オーステナイト系ステンレス鋼は、その良好な機械的特性および高い耐食性のために、導管または波形金属ホースに適した材料選択であり得る。あるいは、ニッケル-クロム合金ベースの導管またはインコネル製などの波形金属ホースを使用してもよい。
【0078】
いくつかの用途では、導管の全長または導管の1つまたは複数のセクションは剛性であってもよい。導管の1つまたは複数の剛性セクションは、直線状であってもよく、または所定の引き回しを可能にするために据え付け前に予め曲げられてもよい。導管の典型的な長さは、約100mm~3000mmであり得る。導管の1つまたは複数の部分、またはすべて、特に導管の任意の可撓性セクションは、導管の外側の金属編み組みによってさらに保護されてもよい。
【0079】
センサヘッド16とは反対側の導管30の端部の接合部36は、典型的には接合部の一部を形成する光コネクタを介して、光延長ケーブル48内に設けられた光ファイバの第2の部分に光ファイバ14の第1の部分を結合することを可能にする光インターフェースを提供する。次いで、光延長ケーブル48は、光ファイバ14の延長をインテロゲータ24に提供する。接合部36は、異なる幾何学的形状、例えば箱またはチューブの形状であってもよい。したがって、完全なセンサシステムは、インテロゲータ24と、センサヘッド16、導管30、接合部36、およびセンサアセンブリの各々をインテロゲータに接続する1つまたは複数の延長ケーブル48を各々備える1つまたは複数の光センサアセンブリとを備えてもよい。
【0080】
接合部36は、光ファイバと導管との間の熱膨張の不一致に対処するために、導管の軸内および軸に沿った光ファイバのいくらかの移動を可能にするように配置された光ファイバの追加の量または弛緩セクションを収容してもよい。例として、αss316~15×10-6/℃の熱膨張係数(CTE)を有するステンレス鋼316で作られた長さ1000mmの可撓性導管を考える。一方、光ファイバは、典型的には、CTEがαsilica~0.5×10-6/℃の溶融シリカで作られる。したがって、L=1mの長さの導管にわたる100℃の温度上昇ΔTは、ΔL=L(αss316-αsilica)ΔT=1m×(15-0.5)×10-6/℃×100℃=1.45mmの差分的な長さの増加を生じる。同様の熱的不整合は、光ファイバと、例えば約13×10-6/℃の同様に大きいCTEを有するインコネル625からなる剛性導管セクションとの間に生じ得る。
【0081】
弛緩セクションが設けられておらず、その軸に沿った導管内の光ファイバの移動が制限されている場合、不一致は、光ファイバ内の応力の蓄積をもたらし、その結果、ファイバの損傷または破損をもたらす可能性がある。例えば電力網の必要性によって指示される変化する負荷条件の下で動作しているガスタービンの場合のように、最初は明らかではない損傷であっても、経時的にまたは繰り返しの温度サイクル中にファイバの完全な故障につながる可能性がある。
【0082】
光ファイバ14のそれ自体の軸および収容導管の軸に沿った移動を可能にするための要件は、特に据え付け中の引き回し目的のために曲げられ、または屈曲されるような導管の場合、通常、導管の内径が光ファイバ直径よりも実質的に大きく、例えば2mm~10mmまたは1mm~20mmの内径または最大内部寸法を有することを必要とする。結果として、センサヘッドおよび導管が振動を受けると、光ファイバは導管内でその軸に垂直な横方向の移動を受け、それにより、偽の測定量信号として現れる可能性がある振動誘起曲げ損失が生じる。
【0083】
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、振動によって引き起こされる導管内の光ファイバの横方向の機械的移動を排除することを目的とした粉末フィラーまたは粒状材料を使用する一方で、センサの据え付け中の引き回し目的に十分に柔軟な導管のためのファイバと導管との間の熱膨張の不一致の補償を可能にするためのファイバの軸方向移動を可能にする。
【0084】
この目的のために、図2および前述の図1に示すように、適切な材料および粘稠度の粉末または他の粒状材料32を導入して、光ファイバ14と導管30との間の空間を満たしてもよい。適切な粉末フィラーまたは他の粒状材料32の使用は、空隙を残すことなく光ファイバと導管の壁との間の空間全体を完全に満たすことを可能にする。したがって、その軸に垂直な導管内のファイバの横方向の移動が効果的に排除され、導管内のファイバの曲げ効果によるプローブ光信号の振動誘発アーチファクトまたはバイアスが大幅に低減される。一方、光ファイバは、適切な粘稠度の粉末または粒状材料32に埋め込まれている間、その軸に沿って、および導管の軸に沿って依然として移動することができ、光ファイバと導管との間の熱膨張の不一致の補償を可能にする。
【0085】
図3は、図2の可撓性導管30の断面図を示す。光ファイバ14は、導管30内に充填された粒状フィラー材料32内に埋め込まれ、この場合はそれと接触する。有利には、そのような粒状材料32の追加は、例えば据え付け中に必要とされ得るように、粒状材料の充填が十分に緩く、例えば空隙および隙間を回避するように導管内に詰められているが、著しい圧縮または力を使用しない限り、可撓性導管30を屈曲させる能力を過度に制限すべきではないことに留意されたい。
【0086】
図3では、光ファイバは導管内の中央に位置決めされているので、導管、粒状材料の領域、および光ファイバは実質的に同心であるが、他の配置も可能である。例えば、光ファイバは、導管内では中心から外れているが、導管の中心軸から導管直径の例えば10%以内にあることができる。光ファイバが導管の中心に合理的に近いことを確実にすることは、例えば、据え付け中に導管が曲げられたときにファイバに加えられる応力を低減し、光ファイバに対する振動および他の環境の影響を低減するのに役立つ。
【0087】
図3では、導管は、導管30を取り囲む任意の外部金属編み組み34によってさらに保護されている。
【0088】
粒状材料32は、いくつかの条件のうちの1つまたは複数を満たすように選択され得る。第1に、粒状材料は、センサがさらされ得る動作環境条件および保管環境条件全体にわたってその構造または一貫性を変化させるべきではない。例えば、粒状材料は、センサの温度範囲にさらされたときに溶融してはならない。
【0089】
第2に、粒状材料は、光ファイバ14、特にその光ファイバのコーティングを含む、センサの動作温度範囲および保存温度範囲全体への曝露中に接触している材料のいずれとも反応または結合を形成すべきではない。例えば、シリカ光ファイバは、その長期的完全性を保証するために非シリカコーティングを必要とすることが一般に受け入れられている。従来のコーティング材料は、通常、約85℃の最大連続動作温度を有するアクリレートである。代替のコーティング材料は、より高温の用途に使用されてもよい。異なるコーティングの複数の層を使用することもできる。例えば、気密シールを提供するために炭素の薄層が最初に堆積され、続いてポリイミドコーティングが堆積されてもよい。
【0090】
表1は、光ファイバ用の既知のコーティング材料のいくつかを、それらの典型的な最大連続動作温度とともに列挙している。300℃を超える温度用途では、典型的には金属コーティングが必要であり、450℃を超える操作では金コーティングが好ましい選択肢である。したがって、図1または図2のような高温センサにおける用途のために、光ファイバ14の金属コーティングと反応しない粒状材料が選択されるべきである。同様に、粒状材料は、導管を形成するために使用される材料、特にインコネルまたはステンレス鋼材料などの導管の内面と反応すべきではない。
【0091】
【表1】
【0092】
第3に、粒状材料の熱膨張係数(CTE)は、好ましくは、光ファイバのCTEと導管材料のCTEとの間にあるべきである。このようにして、粒状材料の導入は、光ファイバと導管との間の熱的不整合を悪化させない。
【0093】
第4に、フィラー材料は、組み立て中の水分への曝露、または動作中に導管を密封する必要がない状況など、水分が存在し得る状況では非結合特性を有するべきである。このような状況では、粒状材料は、熱にさらされたときに固化することなく乾燥すべきである。
【0094】
上記の要件を満たす粉末または他の粒状材料フィラーは、適切な高温セラミック粒状物からなってもよい。例えば、好ましいセラミック粒状物は、約2072℃の融点を有するアルミナAlOを含むか、またはそれから作製されてもよい。MgO、HfOまたはSiOなどの他の適切な粒状材料も表2に列挙する。
【0095】
【表2】
【0096】
粒状フィラー材料の粒度は、特定の範囲内になるように選択され得る。例えば、光ファイバ外径のサイズと同等またはそれより大きい粒度を有する材料を使用すると、導管を曲げるときに望ましくない機械的変形およびファイバへの潜在的な損傷を引き起こす可能性がある。典型的なシングルモード光ファイバは、125μmのクラッド径を有し、したがって、粒度の好ましい上限は、50μm程度であり得る。以下に説明するいくつかの実施形態は、125μmより大きい直径のファイバを使用し得る。その場合、上限粒度はそれに応じて、125μm径のファイバに対する値とともにファイバ径の40%でスケールする。したがって、例えば、200μmまたは250μm径のファイバは、それぞれ最大約80μmまたは100μm、任意選択的に最大約200μmの適切な粒度をもたらすことができる。一方、非常に細かいまたは小さい粒度の材料を使用すると、組み立て中に長いセクションを充填する際に実用的な困難が生じる。粒径はまた、ファイバの軸方向の自由な移動および導管の自由な形成を容易にするべきである。したがって、材料の粒度の適切な下限は、10μmまたは30μmであり得る。下限は、ファイバ径とはほとんど無関係である。
【0097】
粉末の粒度を考慮する場合、市販の粉末は通常、ある範囲の粒径を含むという事実に対処する必要がある。したがって、粒度は、集団のx%が属する最大粒径または直径Dを指すパーセンタイルDxなどの統計的手段によって特徴付けてもよい。例えば、D50はメジアン粒径として一般に知られており、集団中の粒子の50%がD50より小さいサイズまたは直径を有することを意味する。その結果、集団の粒子の残りの50%は、D50より大きい(またはそれに等しい)サイズまたは直径を有することになる。したがって、集団の粒子の90%は、D90値未満の最大サイズまたは直径を有し、集団の粒子の90%は、少なくともD10値であるサイズまたは直径を有する。
【0098】
したがって、例えば直径125μm(または200μmまたは250μm)のファイバの場合の材料の適切な粒度は、D10=30μm(または少なくとも10μm)、およびD90=ファイバ径の40%(またはファイバ径の50%以下)によって都合よく特徴付けられてもよく、したがって、それぞれ直径125μmまたは200μmまたは250μmのファイバの場合、D90=50μmまたは80μmまたは100μmである。より厳しいサイズ制御のために、これをD5=30μmおよびD95=50μm(80μmまたは100μm)に設定することができる。
【0099】
上記に基づいて、材料の粒度の適切な範囲は、例えばD50またはメジアン粒径に関して、約30μm~80μm、またはより広義には約10μm~200μmであると言ってもよい。
【0100】
導管内に充填された粒状材料を使用する有効性を実証するために、図9は、可撓性金属導管30内で光ファイバ14を使用する圧力センサの出力に対する振動の影響を、図3に断面を示すように、粒状材料フィラーなし(上の曲線102)と導管内に充填された粒状材料あり(下の曲線104)の両方で示している。上述のようなデュアル波長型問い合わせ技術を使用した。
【0101】
これらの測定のために、局所圧力を測定するように配置されたセンサヘッド16を、選択された周波数帯域にわたって予め設定された加速度レベルをもたらす振動テーブルに取り付けた。センサヘッドにおける真の圧力変化を表すはずのインテロゲータ24からのAC出力を記録すると、感度は、印加された加速度に対する見かけの測定圧力の比として計算される。粒状材料フィラーなしの配置は、上の曲線102に見られる振動に対してかなりの残留感度を示し、低周波数範囲で特に顕著である。これは、所与の加速度レベルでは、対応する変位が振動周波数の2乗に反比例し、より低い周波数でのファイバの曲げおよび関連する光減衰効果の増加をもたらすという事実に起因する。
【0102】
導管に粒状材料フィラーを使用すると、導管内のファイバの横方向の移動を制限することによって、下の曲線104に示すように振動に対する感度が劇的に低下し、全周波数範囲にわたって実質的に0.5mbar/gのマークを下回るほぼ平坦な応答が得られる。
【0103】
図3は、光ファイバ14が、さもなければ導管の断面を満たす粒状フィラー材料に直接埋め込まれている導管30を断面で示す。しかしながら、この配置は、いくつかの可能な変形を受ける。例えば、図4の配置では、光ファイバは、最初にスリーブ40、特に高温に耐える織物または可撓性スリーブ内に配設され、次いでスリーブは、スリーブと導管の壁との間の導管内に充填された粒状材料によって取り囲まれる。本発明のこの態様は、単独で、さらには粒状材料を使用せずに、または粒状材料の使用、直径が拡大されたクラッドの使用、および曲げ損失を低減するための縮小したモードフィールド径または他のファイバタイプの使用などの本明細書に記載の他の態様の1つまたは複数で実施され得る。
【0104】
図4では、導管、粒状材料、スリーブ、および光ファイバは実質的に同心であり、図3に関して既に説明した利点を有するが、例えば、光ファイバが例えば導管の中心軸から導管直径の10%以内、または図示の構成を構築するために使用される技術の合理的に実用的な主題として中心軸に近い場合、この配置からのいくらかの逸脱が当然可能である。
【0105】
この目的のための様々な適切な可撓性高温タイプのスリーブは、例えば、約1000℃程度の高い使用温度を有する石英、溶融シリカまたはアルミナシリカに基づいて、異なるグレードの純度で利用可能である。しかしながら、溶融シリカの熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する可撓性スリーブ40を使用することは、光ファイバ14とスリーブ40との間の熱膨張の不一致を最小限に抑えるのに役立つことができる。
【0106】
適切な高温スリーブは、99.9%以上のオーダーの非常に高いSiO含有量を有する編み組みされた、または織られたスリーブを含み得る。このようなスリーブ構成は、例えば、Hitex Composites(中国、Ningbo)またはTextile Technologies Europe Ltd.(英国、Cheshire)から入手可能である。次いで、粉末または他の粒状材料フィラーを使用して、光ファイバ14を囲む可撓性スリーブ40と導管30の内壁との間の空間全体を完全に満たし、導管内の振動によって誘発される横方向のファイバの移動を排除する。そのため、スリーブ内での光ファイバの移動を回避するために、光ファイバの周りに可撓性スリーブ40を密着させることが望ましい場合がある。次いで、粒状材料フィラーは、可撓性スリーブ40がない場合と同じ方法で横方向のファイバの動きを制限するが、光ファイバが粒状材料と直接接触している図3の状況と比較して、光ファイバの追加の緩衝が可撓性スリーブによって提供される。
【0107】
編み組みされた、または織られた材料を含む可撓性スリーブが使用される場合、スリーブおよび光ファイバの軸に沿った方向においてより滑らかな表面を提供することができる編み組み材料が利用可能であり、それによって光ファイバとスリーブの内面との間の摩擦を低減することに留意されたい。これは、温度変動にさらされたときにファイバの軸方向のより滑らかな移動を促進し、光ファイバにおける経時的な応力変動のリスクをさらに最小限に抑える。
【0108】
しかしながら、図3および図4の配置の代替として、粒状材料は、代わりに、光ファイバの周りに直接に、しかし可撓性スリーブ40内に充填されてもよく、可撓性スリーブは、導管に隣接し、および/または導管と直接接触する。そのような配置を図5に示す。この配置では、導管と粒状材料との間の接触が回避される。しかしながら、この配置における可撓性スリーブは、例えばセンサの据え付け中に曲げが必要とされる場合、導管の可撓性を高めることを容易にし得る。
【0109】
図3図4および図5の配置の他の代替として、粒状材料は、図6に示すように可撓性スリーブ内および可撓性スリーブ40の外側の両方に充填されてもよい。可撓性スリーブ内の、したがって典型的には光ファイバ14と接触している内側粒状材料が、内側材料32’として図6に示されている。可撓性スリーブの外側にあり、したがって通常は導管30の内壁と接触している外側粒状材料は、外側材料32”として示されている。
【0110】
図3および図4と同様に、図5および図6では、光ファイバ、スリーブ、および粒状材料の1つまたは複数の領域は、導管内で実質的に同心であるが、この形状からのいくつかの変形が当然可能である。
【0111】
同じ特性を有する同じ粒状材料を内側粒状材料および外側粒状材料の両方に使用してもよいが、これらは代わりに、化学組成、粒状サイズ分布、熱特性などの1つまたは複数の点で異なっていてもよい。したがって、粒状材料の少なくとも2つの別個の、典型的には同心の領域の使用は、それぞれの被カプセル化またはカプセル化材料および構造によりよく適合する粒度および熱膨張係数(CTE)などの特性の選択を可能にする。
【0112】
例えば、内側粒状材料32’は、光ファイバ(典型的にはシリカ製)のCTEにより近いCTEを有するように選択され得る。一方、外側粒状材料32”は、導管(通常、インコネルまたはオーステナイト系ステンレス鋼などの金属で形成される)のCTEにより近いCTEを有するように選択することができる。この目的のために、内側材料は、典型的には、外側材料よりも低いCTEを有する。
【0113】
例えば、内側粒状材料32’は、約0.5×10-6/℃で光ファイバのCTEと本質的に同じまたは非常に類似したCTEを有するシリカ粒状物を含むか、またはそれであり得るが、外側粒状材料は、約15×10-6/℃のステンレス鋼316導管材料のCTEに近い約8.4×10-6/℃のCTEを有するアルミナ粒状物であるか、またはそれを含み得る。
【0114】
したがって、典型的には1つまたは複数の任意選択的に同心の可撓性スリーブによって分離された、導管内に充填された異なる粒状材料の複数の同心または少なくとも複数の層を使用して、導管の半径方向における熱膨張係数のより緩やかな変化を作り出すことができ、中央光ファイバ14と周囲の導管の材料との間のCTE不一致の影響を緩和する。
【0115】
代替的に、または異なるCTEの上記の複数の粒状材料に加えて、内側材料32’は、外側材料32”よりも、例えばより小さいメジアン粒径を有するより微細な粒状物からなることができる。より細かい粒状の内側材料の使用は、光ファイバ14の金属コーティングなどのコーティングへの押し込み損傷を最小限に抑えることができる一方で、例えば据え付け中に導管の改善された可撓性を提供するのを助けるために、より粗い粒状の外側材料を使用することを可能にする。
【0116】
図3図6は、導管内の光ファイバの周りの任意選択的な追加のスリーブを備えた1つまたは複数の粒状材料の充填を示すものとして説明されているが、本質的に同じまたは同様の構成が、センサの他の構造、例えば、図2に示されているセンサヘッドの剛性セクション42、および接合部36内で使用されるか、またはその中に延在してもよい。
【0117】
同様に、粒状材料を使用する上述の構成は、例えば可撓性セクションでのみ、または剛性セクションでのみ使用される導管のセクションの特定の部分に限定されてもよい。
【0118】
図4図5および図6では、導管内のスリーブ40の1つの層が示されているが、2つ以上のそのようなスリーブ層、例えば、導管内の光ファイバの長手方向移動に対する摩擦を減少させることができる互いに接触する2つのそのような層、または2つ以上のそのような層が使用されてもよく、各組の層は粒状材料の異なる領域によって離間される。
【0119】
スリーブの2つ以上のそのような同軸層が使用される場合、2つ以上の層はそれぞれ、織られた、編み組みされた、および編まれた織物材料の異なるものを使用するなど、異なる織物構築タイプを使用して形成されてもよく、その各々は、既に上述したように異なる特性および利点を有することができる。例えば、図7は、内側可撓性スリーブ42内で材料32’として、外側可撓性スリーブ44の外側で材料32”として、および内側可撓性スリーブと外側可撓性スリーブとの間で材料32”’として、のすべてに粒状材料が充填された、一方が他方の内側(および通常は他方のほぼ同心)の2つの同軸スリーブが使用される図6の構築の変形例を示す。
【0120】
あるいは、図7に示す粒状材料の層のいずれか1つ、2つ以上、またはすべては、必要に応じて省略されてもよい。例えば、図8aおよび図8bは、充填された粒状材料なしで、2つの同軸の(すなわち、一方が他方の内側にある)、典型的にはほぼ同心のスリーブ構成の層が使用される他の構築を示す。そのような配置では、各スリーブの織物構築または他の材料タイプは、特定の設計機能を満たすように異なって選択されてもよい。
【0121】
例として、図8aでは、外側スリーブ44は、光ファイバ14と導管30との間の直径の大部分を満たすように配置された、比較的大きな直径を有するストランドから形成された編み組みされた、または編まれたスリーブであってもよい。しかしながら、スリーブの層により大きな直径のストランドを使用すると、光ファイバを直接囲むために使用される場合、特に光ファイバの横方向の移動を回避するためにしっかりと充填される場合、光ファイバの過度の変形を引き起こす可能性がある。そのような過度の変形は、ファイバを弱めるか、またはファイバ内を伝搬する光の追加の減衰などのその光学特性の望ましくない変化を引き起こす可能性がある。
【0122】
この変形の問題は、光ファイバ14と外側スリーブとの間に図示の内側スリーブ42を設けることによって回避することができ、内側スリーブは、外側スリーブの織物構築とは異なる織物構築を有し、例えば織られた材料のスリーブであり、外側スリーブのものと比較して比較的小さい直径を有するストランドから形成される。そのような内側の織られたスリーブは、典型的には、外側の編み組みされた、または編まれたスリーブよりも幾分大きいスチフネスを有し、それによって、外側スリーブのより大きなストランドによって引き起こされる変形から光ファイバ14に十分な保護を提供することができ、一方、外側スリーブ44は、導管内の光ファイバの横方向の移動を制限または防止するために必要な機械的減衰を提供するのに十分な密度で光ファイバと導管30との間の空間の大部分を満たすために必要な体積を提供する。
【0123】
一方、編み組みスリーブ層が十分に柔らかいストランドで作られている場合、そのような層と接触した場合の光ファイバの変形のリスクは無視できる可能性があり、図8bに示すように、最初に光ファイバを内側の編み組みスリーブ層46内に封入し、続いて織られた外側スリーブ層48内に封入することが有益であり得る。そのような配置は、スリーブおよび光ファイバの軸に沿った方向においてより滑らかな表面を提供する編み組み材料が利用可能であり、それによって光ファイバとスリーブの内面との間の摩擦を低減するため、温度変動にさらされたときに光ファイバの軸方向におけるより滑らかな移動を容易にすることができる。外側の織られたスリーブ層48は、その場合、いくらかの追加のスチフネスを提供し、横方向の移動の所望の低減を助ける。
【0124】
図8aおよび図8bには、2つの同軸の可撓性スリーブ層のみが示されているが、これらの実施形態は、3つ以上のそのような層を含むように適合されてもよく、層は、同じまたは異なる織物構築タイプおよび他の特性の任意の適切な組合せから形成される。
【0125】
いくつかの実施形態では、導管の2つ以上の異なる細長いセクションのそれぞれに沿った光ファイバは、1つ、2つ以上の同軸スリーブの異なる組合せによって囲まれてもよい。そのような各同軸スリーブの組合せは、他のスリーブの組合せと同じまたは異なる数の同軸スリーブを使用してもよく、同軸スリーブの織物構築タイプのシーケンスは、スリーブの組合せ間で異なり得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、導管の異なる細長いセクションに使用される異なる同軸スリーブの組合せのすべては、少なくとも2つの同軸スリーブ層を含んでもよい。例えば、内側の織られたスリーブおよび外側の編まれたスリーブを、内径がより大きい導管の一部に一緒に使用することができ、内側の織られたスリーブおよび外側の編まれたスリーブを、内径がより小さい導管の一部に使用することができる。例えば、図2を参照すると、導管の剛性セクション42は、導管の可撓性セクションとは異なる内径を有してもよい。導管の異なる細長いセクションで異なる同軸スリーブの組合せを使用すると、導管内の空間が適切に満たされることを確実にするために(粒状充填材料がない場合でも)異なるセクションに実装される異なる充填率が提供され、導管の異なるセクション内での光ファイバの横方向の移動が適切に制限または防止されることを確実にする。
【0127】
本発明者らはまた、光ファイバ14のスチフネスの増加が、光ファイバの振動によって誘発される移動を減少させる傾向があり、干渉信号における振動および他の環境によって誘発されるアーチファクトおよびバイアスの抑制をもたらし、したがって、1つまたは複数の測定量のより正確な決定を提供し、そのような剛性の増加は、光ファイバクラッドの外径を増加させることによって達成することができることを観察した。例えば、導管30内の光ファイバ14は、少なくとも150μm、または少なくとも200μm、または少なくとも250μmの増加した外側クラッド径を有し得る。この外側クラッド径は、典型的には、非シリカコーティングなどのさらなる保護層を含まない。本発明のこの態様は、単独で、または粒状材料の使用、1つまたは複数の保護スリーブの使用、および曲げ損失を低減するためのモードフィールド径の縮小または他のファイバタイプの使用などの他の態様のうちの1つまたは複数で実施してもよい。
【0128】
従来技術で一般的に使用されるシングルモード光ファイバは、典型的には、直径125μmの純粋なシリカクラッドの中心にある直径9μmの酸化ゲルマニウム(GeO)ドープシリカコアからなる。酸化ゲルマニウムドーピングは、光コアの屈折率をわずかに上昇させるために使用され、ステップインデックスプロファイルを形成する。ファイバによってガイドされる光は、主にファイバのコア領域内に含まれ、クラッド領域内で指数関数的に減衰する。したがって、ファイバのクラッド径を大きくしても、ファイバの導光特性に影響を及ぼす傾向はない。
【0129】
機械的には、ファイバは、外側クラッド径に等しい直径Dを有するシリカで作られた均質な中実ロッドと考えることができる。曲げ変形に対するスチフネスまたは抵抗は、次式で与えられる面積慣性モーメントIに比例する。
【0130】
【数1】
【0131】
直径125μmの標準的なシングルモード光ファイバと比較して達成可能なスチフネス向上を説明するために、慣性モーメントは、直径125μmのファイバのものに正規化された、ファイバ外側クラッド径Dの関数として図10にプロットされている。
【0132】
適切な外側クラッド径に到達するために、望ましい増加したスチフネスと、所与の用途のための据え付け中の導管30の引き回し要件との間のトレードオフを考慮することができる。例えば、最大強化スチフネスは、引き回し目的に必要な導管30の最小曲げ半径を依然として保証するようなものでなければならない。多くの用途では、従来の125μmの光ファイバと比較して光ファイバのスチフネスの約15倍の増大が適切な上限であると考えられる。一方、標準的な125μmのファイバと比較してスチフネスが倍増することは、干渉信号における振動誘発アーチファクトおよびバイアスの顕著な低減を得るための最小要件と見なされ得る。
【0133】
したがって、図10に示す曲線によれば、少なくとも150μm、または少なくとも200μmの外側クラッド径が望ましい場合がある。しかしながら、適切な可撓性を保持するために、250μm以下の外側クラッド径も望ましい場合がある。
【0134】
標準的な125μmサイズよりも大きい外側クラッド径を有するシングルモード光ファイバは、通常の線引きプロセスによってであるが、線引きされるファイバの断面ファイバ形状およびドーピングプロファイルを複製するテーラーメードの光プリフォームを使用して、製造することができる。ファイバ線引きプロセス中、対応するコア-クラッド径比およびドーピングプロファイルは変化しないままである。したがって、例えば、9μmのコア径および200μmのクラッド径を有するシングルモードファイバが必要とされる場合、9μm/200μm=0.045の同じ等価コア対クラッド比を有するプリフォームが必要とされる。
【0135】
高温環境でのセンサの配備のために、それらの温度に耐えることができる適切なコーティングが、光ファイバ14の直径が拡張されたクラッドに適用されるべきである。上記の表1によれば、約300℃を超える温度では、好ましい選択は金属コーティングである。約450℃を超える用途では、好ましい選択は金コーティングである。有利には、例えば米国特許第6,600,863号およびV.A.Bogatyrev、S.Semjonov「Metal-Coated Fibers」、第15章、Specialty Optical Fibers Handbook、A.Mendez、T.F.Morse(編)、Elsevier、2007、に記載されている「液体凍結」などの方法は、150μm、または200μm~250μm以上の範囲のクラッド径を有するファイバに等しく適用可能であり、線引きプロセス中に金属コーティングを提供する。
【0136】
増加した外径のクラッドを有する光ファイバ14は、導管内に充填された粒状材料が導管内の光ファイバの横方向移動を制限または防止する、上記および図1図7に示された様々な配置の文脈で使用され得るが、増加したクラッド径は、例えば図8a、図8bおよび図11の構成において粒状材料が省略された配置でも使用され得る。
【0137】
図11は、導管30が依然として任意選択的に保護編み組み金属シース34によって囲まれており、光ファイバ14が既に上述したように導管内に収容されているそのような配置を示す。しかしながら、この配置では、光ファイバ14は、任意選択的に可撓性スリーブ40内に収容されるが、粒状材料は存在しない。スリーブ40は、上述した様々な特性および特性を有してもよく、例えば、編み組みされた、編まれた、または織られたシリカスリーブなどの可撓性スリーブである。次いで、スリーブ40は、導管内の光ファイバ14の支持を提供し、導管内の光ファイバの横方向の移動を制限または防止するのを助け、それによって、さもなければ1つまたは複数の測定量の誤差を生じさせる干渉信号のアーチファクトおよびバイアスを低減する。
【0138】
導管に充填され、または詰められる粒状材料がない配置では、例えば1mm~5mmの範囲の直径を有する、内径(および任意選択的に外径)が縮小した導管を使用してもよいことに留意されたい。選択された直径は、例えば、導管30内で光ファイバ14を支持するために使用される任意の1つまたは複数のスリーブ40の特性に依存し得る。
【0139】
本発明者らはまた、光伝搬に対するファイバ曲げの影響が低減された光ファイバ14を使用すると、干渉信号における振動および他のアーチファクトおよびバイアスの影響が低減される傾向があり、したがって、1つまたは複数の測定量のより正確な決定を提供することを観察した。本発明者らはまた、モードフィールド径が低減された光ファイバを使用することによって、そのような低減が達成され得ることにも留意した。これは、光ファイバ14がシングルモード光ファイバであるか、またはプローブ光に関してシングルモード光ファイバとして作用している場合に特に当てはまる。本発明のこの態様は、単独で、または粒状材料の使用、1つまたは複数の保護スリーブの使用、および拡大されたクラッド径の使用などの他の態様の1つまたは複数で実施され得る。
【0140】
約1550nmの波長の光を搬送する典型的なシングルモードファイバは約10.6μmのモードフィールド径を示すが、例えばプローブ光の中心(例えばピークまたは平均)波長において、10.0μm以下、または8.0μm以下、または6.0μm~8.0μmの範囲のモードフィールド径を有する導管30内の光ファイバの使用は、したがって、1つまたは複数の測定量の正確な決定を改善するのに有利であり得る。このようにして達成することができる曲げ損失の低減、したがってアーチファクトおよびバイアスの低減は、光ファイバ内のプローブ光の1つまたは複数の光学モードのより強い閉じ込めから生じると理解することができる。
【0141】
シングルモード、ステップインデックス光ファイバの場合、モードフィールド径(MFD)は、D.Marcuse、「Loss analysis of single-mode fiber splices」、Bell Sys.Tec.J.56(5):703-18(1977)、によって、次のように近似的に与えられる。
【0142】
【数2】
【0143】
式中、αおよびVはそれぞれファイバコアの半径および正規化周波数を表す。正規化周波数Vは、以下のように定義される。
【0144】
【数3】
【0145】
V<2.405の場合、ファイバはシングルモードである。上記の式において、NAは次の開口数を表す。
【0146】
【数4】
【0147】
ncおよびnclは、それぞれファイバコアおよびファイバクラッドの屈折率であり、Δn=nc-nclであり、λは、ファイバ内でガイドされる光の真空波長である。
【0148】
上記の式から、所与の動作波長において、MFDは、コア半径α、および開口数NAによって特徴付けられるコアとクラッドとの屈折率の差Δnに依存することになる。
【0149】
図12において、基本モードのMFDは、1550nmの典型的に適切なプローブ光波長におけるNAの異なる値について、コア径2αの関数としてプロットされている。点線は、V>2.405に従って光ファイバ14が複数の光モードを搬送する、すなわちシングルモードでなくなる領域を示す。典型的なステップインデックス型シングルモードファイバは、ドットで示すように、9μmのコア径、10.6μmのMFD、および0.12のNAを有し得る。
【0150】
NA=0.12を有するファイバのコア径を減少させることは、モードがコアから「絞り出され」、MFDの増加によって特徴付けられるように、急速にあまりガイドされなくなる前に、最初にMFDの適度な減少をもたらす。コア屈折率とクラッド屈折率との間の差を大きくすることによって、MFDのより大きな減少を達成することができ、より大きなNAを表す図10の下側の曲線によって示されている。干渉計ベースの光センサは、通常、プローブ光を運ぶためにシングルモードファイバを必要とする。したがって、図12から分かるように、NAの増加はまた、ファイバのシングルモードレジーム内に留まるためにコア径の縮小を必要とする。
【0151】
したがって、1つまたは複数の測定量の誤差を低減するために、本センサの光ファイバ14には、5μm~7μmのコア径および0.16~0.20の範囲のNAが設けられてもよく、約6μm~8μmの約1550nmのプローブ光のMFDが得られる。
【0152】
しかしながら、より一般的には、MFDがプローブ光波長にある程度依存することに留意すると、10μm未満、または8μm未満、または6μm~8μmのMFDが有利であると考えられてもよく、これらの値および範囲は、プローブ光の中心(例えば、ピークまたは平均)波長で指定されたものと解釈され得る。そのような中心波長は、例えば、プローブ光の強度もしくはパワーの主ピークもしくは主要ピーク、または2つ以上の主ピークもしくは主要ピークの平均として、または波長にわたる強度もしくはパワーに関する平均波長として、または他の適切な方法で解釈することができる。
【0153】
NA=0.16の値はまた、またはその代わりに、曲げによる振動誘起効果の顕著な低減を提供するための最小値と見なされ得る。
【0154】
図10の例では約1550nmのプローブ光が使用されているが、プローブ光が約1300~1800nmまたは約1400~1700nmの近赤外範囲の波長を有する場合、モードフィールド径の提案された値および範囲は等しく適用可能であり得ることに留意されたい。
【0155】
5μm~7μmのコア径および0.16~0.20のNA値を有するか、または低減されたモードフィールド径を提供するための他の範囲の特性を有する光ファイバ14は、ファイバをプリフォームから線引きするプロセス中にこの比が維持されるので、ファイバと同じ所望の低減されたコア対クラッド径比を有するプリフォームを調製することによって製造され得る。例えば、コア径およびクラッド径がそれぞれ9μmおよび125μmである標準的なシングルモード光ファイバの場合、必要なプリフォーム比は、9μm/125μm=0.072に等しい。それぞれ6μmおよび125μmのコア径およびクラッド径を有するファイバを線引きするためには、6μm/125μm=0.048の比を有するプリフォームが必要である。
【0156】
より小さいモードフィールド径を達成するように光ファイバ14のNAを増加させることは、ドーピング濃度を増加させることによって、および/またはプリフォームのドーピングプロファイルを変更することによって達成することができる。標準的なシングルモードファイバでは、シリカコアは通常、酸化ゲルマニウム(GeO)でドープされ、コアの屈折率をわずかに上昇させ、ステップインデックスのプロファイルを作成する。クラッド材料は、典型的には、ncl=1.46を有するドープされていない純粋なシリカである。例えば、NA=0.12のファイバの場合、屈折率差はΔn=(NA)/2ncl≒0.005に等しい。
【0157】
コアとクラッドとの間のより高い屈折率差、したがってより大きなNAは、コア内のゲルマニウムドーパントの濃度を増加させることによって達成することができる。例えば、0.16のNAを達成するためには、屈折率の差を約Δn≒0.009まで上げなければならない。代替的に、または追加的に、クラッドは、シリカの屈折率を低下させ、コアとクラッドの屈折率との間のより大きな屈折率差をもたらす適切なドーピング材料でドープすることができる。そのような適切なドーパントの例は、フッ素であり得る。
【0158】
振動に起因する曲げ損失ならびに関連する望ましくないアーチファクトおよびバイアスを低減するための代替方法として、より複雑なドーピングプロファイルを使用することができる。例えば、これらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,901,196号は、上昇したステップインデックスのプロファイルを有する第1のコアを囲む、低下した屈折率の環状トレンチを含む多層コア領域を有する適切な光ファイバを記載している。同様の効果を達成するための他の適切な光ファイバの種類は、フォトニックバンドギャップファイバおよび平均屈折率導波ファイバを含み、それらの各々は、異なる導光機構を使用し、必ずしもモードフィールド径を減少させることなくより低い曲げ損失を達成するために使用することができる。
【0159】
導管内に充填された粒状材料および/または1つもしくは複数の可撓性スリーブが導管内の光ファイバの横方向移動を制限または防止し、および/または光ファイバのスチフネスを高めるためにクラッド径が増大された、モードフィールド径が低減された光ファイバ14が、上述および図1図11に示された様々な構成の文脈で使用され得るが、モードフィールド径が低減された態様は、粒状材料が省略され、クラッド径が増大されない配置でも使用され得る。粒状材料なしで配置が使用される場合、増加したファイバスチフネスが使用されるか否かにかかわらず、導管30は依然として任意選択的に保護編み組み金属シース34によって囲まれてもよく、光ファイバ14は既に上述したように導管内に収容され、また上述したように導管内の1つまたは複数のスリーブ40内に収容されてもよい。
【0160】
導管に充填され、または詰められる粒状材料がない配置では、例えば1mm~10mmの範囲の直径を有する、内径(および外径)が縮小した導管を使用してもよいことに留意されたい。選択された直径は、例えば、導管30内で光ファイバ14を支持するために使用される任意のスリーブ40の特性に依存し得る。
【0161】
上述のセンサは、ガスタービンにおける燃焼不安定性を検出または監視するためにしばしば使用される、時間変化する、または「動的」圧力の検知を実施するために使用することができる。燃焼不安定の発生は、典型的には、約10kHzまでの周波数範囲での自己増幅圧力振動として現れ、約20kHzまでの周波数成分がしばしば重要である。
【0162】
典型的には、分析器22は、動的圧力測定値信号の時系列に高速フーリエ変換を適用することができ、燃焼不安定性は周波数領域の圧力ピークとして検出可能である。サンプリング理論によれば、20kHzの信号周波数は、40kHzの最小更新レートを必要とする。したがって、好ましくは、十分に高い更新レートを達成するために、例えば、A.Winterburnら、「Extension of an optical dynamic pressure sensor to measure temperature and absolute pressure in combustion applications」、The Future of Gas Turbine Technology、第6回国際会議、2012年10月17日~18日、ベルギー、ブリュッセル、論文ID番号:15、に記載されているデュアル波長問い合わせ方式などの高速問い合わせ技術がインテロゲータ24によって使用されてもよい。この文書の内容は、これらおよび他のすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
導管30内の光ファイバ14の振動によるアーチファクトは、その後、周波数領域における追加のピークとして現れることがあり、十分に抑制されない場合、燃焼不安定性に関連する圧力振動と誤解されることがある。記載された技術は、そのような振動誘起アーチファクトを適切に抑制するために使用することができ、信頼性の高い燃焼不安定性の検出を可能にする。好ましくは、このような振動誘起アーチファクトは、動圧測定信号において0.5mbar/g未満のレベルに抑制される。
【0164】
より一般的には、記載されたセンサは、圧縮機、バーナー、およびタービンを備えるガスタービンエンジンのコア、またはそのようなエンジンの排気部に取り付けることができ、温度および/または動圧および/または静圧または準静圧を測定するように配置することができる。
【0165】
上述の線に沿ったデュアル波長問い合わせ方式がインテロゲータ24によって使用されてもよいが、記載されたセンサは、例えばプローブ光の位相または偏光を変更することによって測定量がセンサヘッド16でプローブ光上に符号化される他の方式を使用して配備することもできることが理解されよう。
【0166】
上記のデュアル波長問い合わせ方式は、インテロゲータ24によって使用することができるより一般的な多波長問い合わせ技術の特殊な場合と見なすことができることがさらに理解されよう。例えば、スペクトル問い合わせ技術は、例えばスーパールミネッセント発光ダイオード(SLED)などの波長範囲にわたって光を放射する広帯域プローブ光源10を使用してもよい。次いで、干渉信号は、センサヘッド16から反射して戻ってくるプローブ光のスペクトルに符号化される。国際公開第2013/136071号に記載されているような方法を使用して、戻されたスペクトルから1つまたは複数の測定量を抽出してもよい。典型的には、分散素子を含むスペクトル分析器を使用して、個々の波長成分を識別してもよい。あるいは、光検出器20のフォトダイオードとともに、個々の波長成分を時間的に掃引する波長可変レーザを使用してプローブ光源10を実装することができる。
【0167】
スペクトル問い合わせ技術の場合、プローブ光の適切な波長範囲は、1550nmなどの近赤外中心波長を中心とする約40nm~80nmであり得る。次いで、適切なスペクトル分析器は、広帯域プローブ光源が使用されている場合、または波長可変レーザが使用されている場合、検出のための波長範囲を提供するために512または1024ピクセルを使用することができ、レーザの調整に関する適切な検出タイミングによって数百または数千の波長点を定義することができる。
【0168】
本発明の特定の詳細な実施形態を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、これらに対する修正および変形を実行できることを理解するであろう。
【0169】
例えば、センサヘッド内の光キャビティを使用して圧力を検知することに関していくつかの実施形態を説明したが、実施形態は、圧力センサにも、単一の光キャビティのみを含むトランスデューサ素子44にも限定されない。むしろ、トランスデューサ素子は、異なる測定量に応答する、または同じ測定量に応答する、複数の、空間的に分離された、または空間的に重なり合う光キャビティを含んでもよい。例えば、国際公開第2013/136071号に記載されているようなデュアルキャビティトランスデューサ素子を使用して温度および加速度を測定するための、またはトランスデューサ内の空間的に分離された2つの位置で温度を測定するための技術を使用してもよい。
【0170】
記載された実施形態は、センサヘッド16から接合部36まで単一の光ファイバ14を通す単一の導管30を実装し、同じ光ファイバ14は、インテロゲータからセンサヘッドまでプローブ光を搬送し、反射形状で再び戻ってもよいが、他の形状が使用されてもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、透過モードで動作するセンサを提供することができ、それにより、センサヘッドに到達するプローブ光は、センサヘッドを通って、同じまたは異なる導管30内に通された異なる光ファイバ14内に干渉信号を搬送するように出現する。このようにして、複数のセンサヘッドを直列に接続するために上述したような複数の導管を実装することができ、直列センサヘッドのすべてからのプローブ光の選択肢は、分析のために同じインテロゲータに戻される。
【0171】
記載された実施形態は、主に1つの光ファイバのみが導管内に通されることに言及しているが、2つ以上の光ファイバを単一の導管内に通すことができる。例えば、プローブ光をセンサヘッドに搬送し、インテロゲータに戻すために異なる光ファイバを使用することができ、または2つの光ファイバがそれぞれ単一のセンサヘッドとの間で、または他の目的のために光を搬送することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】