(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ターボ機械を組み立てるためのシステム
(51)【国際特許分類】
F01D 25/28 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
F01D25/28 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538645
(86)(22)【出願日】2023-01-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2023025025
(87)【国際公開番号】W WO2023138903
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】102022000001070
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リストルティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】クリニ ガレッティ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】カルチオフィ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】バルタルッチ,リカルド
(57)【要約】
【解決手段】 ターボ機械を組み立てるためのシステム(1000)は、異なる支持体、すなわち、第1のターボ機械モジュール(91)を支持するように構成された第1のスライド(10、100、200)及び第2のターボ機械モジュール(92)を支持するように構成されたベース(60)上に配置された少なくとも2つのターボ機械モジュールを組み立てることを可能にする。システム(1000)は、ガイド(50)、特に、好ましくは2つのレール(51、52)を備えるトラックを更に備える。第1のスライド(10、100、200)は、ガイド(50)によって規定される長手方向、典型的には水平方向(Y)に沿った移動を実行するように構成されている。第1のスライド(10、100、200)は、横方向(X)及び/または垂直方向(Z)及び/または長手方向(Y)に沿って第1のターボ機械モジュール(91)を並進させることによって、第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように更に構成されている。ターボ機械を組み立てるための第1のモジュール(91)と第2のモジュール(92)との機械的結合は、少なくとも、第1のモジュール(91)がガイド(50)上で第1の方向(Y)に第2のモジュール(92)に向かって移動することに由来する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械を組み立てるためのシステム(1000)であって、
地面に水平に配置され、長手方向である第1の方向(Y)と、前記第1の方向(Y)に垂直な横方向である第2の方向(X)と、前記第1の方向(Y)及び前記第2の方向(X)に垂直な垂直方向である第3の方向(Z)と、を規定するガイド(50)と、
第1のターボ機械モジュール(91)を支持するように構成され、前記ガイド(50)上での前記第1の方向(Y)に沿った移動を実行するように構成された第1のスライド(10、100、200)と、
第2のターボ機械モジュール(92)を支持するように構成され、前記第2のターボ機械モジュール(92)の軸が前記ターボ機械の前記軸(A)に対応するように位置決め及び構成された基部(60)と、を備え、
前記第1のスライド(10、100、200)は、前記第2の方向(X)及び/または前記第3の方向(Z)に沿って前記第1のターボ機械モジュール(91)を並進させることによって前記第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように構成されており、
前記ターボ機械を組み立てるための前記第1のターボ機械モジュール(91)と前記第2のターボ機械モジュール(92)との機械的結合は、少なくとも、前記第1のターボ機械モジュール(91)が前記ガイド(50)上で前記第1の方向(Y)に沿って前記第2のターボ機械モジュール(92)に向かって移動することに由来しており、
前記第1のスライド(10、100、200)は、ターボ機械モジュールの機械的結合中にターボ機械モジュール間に及ぼされる力を低減するための1つまたは複数のばね(102A、102B)、好ましくは予荷重ばね、及び/またはターボ機械モジュールの機械的結合中に前記第1のターボ機械モジュール(91)の反作用運動に適応するための1つまたは複数のボールジョイント(104A、104B)を更に備える、システム(1000)。
【請求項2】
前記ベース(60)は、前記ガイド(50)上での前記第1の方向(Y)に沿った移動を実行するように構成された第2のスライド(20)を備え、
前記ターボ機械を組み立てるための前記第1のターボ機械モジュール(91)と前記第2のターボ機械モジュール(92)との機械的結合は、少なくとも、前記第1のターボ機械モジュール(91)が前記ガイド(50)上で前記第1の方向(Y)に沿って前記第2のターボ機械モジュール(92)に向かって移動することと、前記第2のターボ機械モジュール(92)が前記ガイド上で前記第1の方向(Y)に沿って前記第1のターボ機械モジュール(91)に向かって移動することと、に由来している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガイド(50)は、好ましくは2つのレール(51、52)を含むトラックである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のスライド(10、100、200)は、前記第1のターボ機械モジュール(91)を前記第1の方向(Y)に沿って並進させることによって、前記第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のスライド(10、100、200)は、前記第1の方向(Y)として配向された軸の周りで前記第1のターボ機械モジュール(91)を回転させることによって前記第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のスライド(10、100、200)は、前記第2の方向(X)として配向された軸の周りで前記第1のターボ機械モジュール(91)を回転させることによって前記第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のスライド(10、100、200)は、前記第3の方向(Z)として配向された軸の周りで前記第1のターボ機械モジュール(91)を回転させることによって前記第1のターボ機械モジュール(91)の位置の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のスライド(200)は、
前記ガイド(50)によって支持される第1のフレーム(201)と、
前記第1のフレーム(201)によって支持される第2のフレーム(202)と、を備え、
前記第1のフレーム(201)及び/または前記第2のフレーム(202)は、前記第1のフレーム(201)に対して前記第2のフレーム(202)を並進及び/または回転させることによって、前記第1のフレーム(201)に対する前記第2のフレーム(202)の位置の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のスライド(200)は、前記第1のターボ機械モジュール(91)を回転可能に支持するための回転支持体(204)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のスライド(100)は、前記第1のターボ機械モジュール(91)が前記第1のスライド(100)によって支持されるときに前記第1のスライド(100)の重心の位置のバランスをとるためのカウンタウエイト(101)を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ターボ機械を組み立てる間に前記第1のターボ機械モジュール(91)と結合される支持シャフトを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
第3のターボ機械モジュールを支持するように構成され、前記ガイド(50)上での前記第1の方向(Y)に沿った移動を実行するように構成された第3のスライドを更に備え、
前記第3のスライドは、前記第1の方向(Y)及び/または前記第2の方向(X)及び/または前記第3の方向(Z)に沿って前記第3のターボ機械モジュールを並進させることによって、前記第3のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように構成されており、
前記ターボ機械を組み立てるための前記第3のターボ機械モジュールの機械的結合は、少なくとも、前記第3のターボ機械モジュールが前記ガイド(50)上で前記第1の方向(Y)に沿って移動することに由来している、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第4のターボ機械モジュールを支持するように構成され、前記第4のターボ機械モジュールの軸が前記ターボ機械の前記軸(A)に対応するように位置決め及び構成された別のベース(300)を更に備え、
前記別のベース(300)は、
前記第1の方向(Y)に沿った前記第4のターボ機械モジュールの調整または移動を可能にすることと、
前記第2の方向(X)及び/または前記第3の方向(Z)に沿って前記第4のターボ機械モジュールを並進させることによって前記第4のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にすることと、を行うように構成されており、
前記ターボ機械を組み立てるための前記第4のターボ機械モジュールの機械的結合は、少なくとも、前記第4のターボ機械モジュールが前記第1の方向(Y)に沿って移動することに由来している、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムの少なくとも1つのスライドを前記第1の方向(Y)に沿って移動させるために、前記ガイド(50)の端部に位置付けされた少なくとも1つのウィンチ(81)を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、主に、ターボ機械を組み立てるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、ターボ機械、例えばガスタービンは、顧客への配送前に最終組立ステーションで一緒に組み立てられる様々な(複雑な)モジュールから作製される。これらの機械の組み立てに必要な公差は非常に小さいことに留意されたい。最新技術では、ターボ機械の最終組み立てのための2つの異なる方法が知られている。第1の方法は、異なるターボ機械モジュールを水平に組み立てる(すなわち、モジュールの軸を水平に位置決めする)ことであり、モジュールは、吊り下げられ、一緒に結合されるように水平に移動され、水平配置のターボ機械を形成し、第2の方法は、異なるターボ機械モジュールを垂直に組み立てる(すなわち、モジュールの軸を垂直に位置決めする)ことであり、モジュールは、吊り下げられ、一緒に結合されるように垂直に移動され、地面に載置された垂直配置のターボ機械を形成する。
【0003】
しかしながら、これらの組み立て方法は両方とも、特に組立作業の安全性及び再現性に関して欠点を有する。特に、既知の水平組み立て方法は、2つの吊り下げられたモジュール間で実行され、したがって、正確な結合をより困難にする。他方で、既知の垂直の組み立て方法は、モジュールを重力に強くさらし、これは、例えばモジュール間の衝突または摩擦に起因してモジュール自体に損傷を引き起こす可能性があり、またモジュールを用いて作業しているオペレータを、例えばモジュール間に腕を置いてモジュールの結合を実行する場合に、安全リスクにさらす可能性がある。実際、これらの方法(水平または垂直吊り下げ)は両方とも、物体が落下した場合にオペレータを安全リスクにさらし、オペレータがモジュール間の正しい位置合わせを見つけるために少なくとも1つの本体を手動で駆動することを余儀なくされるので、オペレータは吊り下げられた物品の下または非常に近くに留まらなければならない。
【発明の概要】
【0004】
より安全であり、吊り下げられた部品がなく、モジュール間の結合を調整することを可能にするターボ機械を組み立てるためのシステムを有することが望ましく、それにより、例えば、同じターボ機械モデルの各部品に対して同じ方法で繰り返すことができる。
【0005】
一態様によれば、本明細書で開示される主題は、2つ以上のターボ機械モジュールを結合することができるターボ機械を組み立てるためのシステムに関し、少なくとも第1のターボ機械モジュールは、ガイド、例えば2つの平行レールを備えるトラック上を第1の方向に沿って移動することができ、少なくとも第2のターボ機械モジュールは、第1のターボ機械モジュールがガイド上を第2のターボ機械モジュールに向かって移動することによってターボ機械モジュール間の結合が実行されるようにベースによって支持される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについて、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによってそれらがより良好に理解されるため、完全な理解が容易に得られるであろう。
【
図1A】
図1Aは、ターボ機械を組み立てるためのシステムの実施形態の非常に簡略化された図である。
【
図1B】
図1Bは、ターボ機械を組み立てるためのシステムの実施形態の非常に簡略化された図である。
【
図2】
図2は、ターボ機械を組み立てるためのシステムの第1のスライドの実施形態の簡略図である。
【
図3A】
図3Aは、ターボ機械を組み立てるためのシステムの第1のスライドの別の実施形態の簡略図である。
【
図3B】
図3Bは、ターボ機械を組み立てるためのシステムの第1のスライドの別の実施形態の簡略図である。
【
図4A】
図4Aは、ターボ機械を組み立てるためのシステムのベースの一実施形態の簡略図である。
【
図4B】
図4Bは、ターボ機械を組み立てるためのシステムのベースの一実施形態の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一態様によれば、本明細書で開示される主題は、主に、異なるモジュールによって作られるターボ機械を組み立てるためのシステムに関し、特に航空転用ガスタービンに関する。本システムは、異なる支持体上に配置された少なくとも2つのターボ機械モジュールを水平に組み立てることを可能にし、支持体のうちの少なくとも1つは、長手方向、並びに横方向及び垂直方向を規定するガイドに沿って移動、特に摺動することができる。ターボ機械モジュールの機械的結合は、少なくとも1つのターボ機械モジュールを長手方向に沿って移動させることによって少なくとも実行される。更に、2つのターボ機械モジュールの位置合わせ、特に2つのターボ機械モジュールの軸の位置合わせは、少なくとも1つのターボ機械モジュール、好ましくは両方のターボ機械モジュールの位置を長手方向、横方向及び垂直方向に沿って調整することによって行うことができる。有利には、ターボ機械モジュールの調整は、長手方向、横方向、及び垂直方向に沿ってターボ機械モジュールを並進させるように、かつ/または軸の周りでターボ機械モジュールを回転させるように構成されたリニアアクチュエータを使用して行うことができる。
【0008】
次に、本開示の実施形態を詳細に参照し、その実施例が図面に例示される。各例及び図面は、本開示の説明のために提供されたものであり、本開示の限定として解釈されるべきではない。実際には、本開示の範囲または趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。以下の説明では、同様の参照番号が、同じまたは同様の機能を実行する要素を示すために実施形態の図の例示に使用される。更に、例示を明確にするために、いくつかの参照符号は、全ての図において繰り返されない場合がある。
【0009】
図1A及び
図1Bには、参照番号1000で全体的に示されるターボ機械を組み立てるためのシステムの実施形態の非常に簡略化された図の上面図及び側面図がそれぞれ示されている。システム1000は、典型的には地面、例えば建物の床に水平に配置されるガイド50を備える。詳細には、ガイドは、ターボ機械のモジュールがガイド上で摺動することによって組み立てられ得るように、地面上に載置されるが、これについては以下でより良く説明する。ガイド50は、
-第1の方向Yであって、長手方向(典型的には水平方向)であり、好ましくはガイド50の展開の主方向である、第1の方向Yと、
-第2の方向Xであって、第1の方向Yに垂直な横方向である第2の方向Xと、
-第3の方向Zであって、第1の方向Y及び第2の方向Xに垂直な鉛直方向である、第3の方向Zと、を規定する。
有利には、ガイド50は、好ましくは2つのレール51及び52を備えるトラックである。しかしながら、レールの数は異なっていてもよいことに留意されたい。好ましくは、レール51及び52は平行であり、場合によっては、レール51及び52は、長手方向Yに平行な第1及び第2の軸に沿って展開する。
【0010】
図1を非限定的に参照すると、システム1000は、
-第1のターボ機械モジュール91を好ましくは等方的に支持するように構成され、第1の方向Yに沿ってガイド50上で移動を実行するように構成された第1のスライド10、100、200(
図1の第1のスライド10は、例えば
図2のスライドの実施形態100または
図3のスライドの実施形態200として実現されてもよいことに留意されたい)と、
-第2のターボ機械モジュール92を好ましくは等方的に支持するように構成され、第2のターボ機械モジュール92の軸がターボ機械の軸Aに対応し、第1の方向Yに平行であるように位置決め及び構成されたベース60と、を更に備える。
【0011】
言い換えれば、以下でより良く説明されるように、システム1000は、第1のターボ機械モジュール91及び第2のターボ機械モジュール92が、ターボ機械モジュール91及び92のそれぞれの軸がターボ機械の軸Aと一致するように組み立てられ得るように構成される。ターボ機械を組み立てるための第1のターボ機械モジュール91と第2のターボ機械モジュール92との機械的結合は、少なくとも、第1のターボ機械モジュール91がガイド50上で第1の方向Yに沿って第2のターボ機械モジュール92に向かって移動することに由来する(
図1Aの太い黒矢印を参照)。代替的に、第2のターボ機械モジュール92の軸は、第1の方向Yに平行でなくてもよく(しかし、わずかに傾斜している)、第1のターボ機械モジュール91と第2のターボ機械モジュール92との機械的結合は依然として、例えば、組み立てられる第1のターボ機械モジュール91と第2のターボ機械モジュール92の結合表面が互いに同一平面上に配されるように、第1のターボ機械モジュール91がガイド50上で第1の方向Yに沿って第2のターボ機械モジュール92に向かって移動することに少なくとも由来する。例えば、第1のスライド10は、少なくとも4つの車輪を有するキャリッジであってもよいし、ガイド50上での第1の方向Yに沿った移動を実行するスレッジであってもよい。有利には、車輪のうちの1つまたは2つ以上の垂直位置は、車輪がレール及び/または地面から容易に係合解除され得るように、調節可能である。
【0012】
好ましくは、システム1000は、第1の方向Yに沿ってシステムの少なくとも1つのスライドを移動させるためにガイド50の端部に位置付けされたウィンチ81を更に備える。
図1A及び
図1Bに示すように、システム1000は、少なくとも1つのスライドを第1の方向Yに沿って第1の向きに移動させるためにガイド50の第1の端部に位置付けされた第1のウィンチ81と、少なくとも1つのスライドを第1の方向Yに沿って第2の向きに移動させるためにガイド50の第2の端部に位置付けされた第2のウィンチ82と、を備えてもよい。有利には、少なくとも1つのスライドは、フック、好ましくは2つのフック71及び72、すなわち、ガイド50の第1の端部に向かって配置された第1のフック71と、ガイド50の第2の端部に向かって配置された第2のフック72とを有し、それにより、第1のフック71は、第1のウィンチ81と、特に第1のウィンチ81の第1のロープの端部と結合することができ、第2のフック72は、第2のウィンチ81と、特に第2のウィンチ82の第2のロープの端部と結合することができる。
【0013】
第1のスライド10は、第1のターボ機械モジュール91を第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って並進させることによって、第1のターボ機械モジュール91の位置の調整を可能にするように構成される。好ましくは、第1のスライド10は更に、第1の方向Yに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させることによって第1のターボ機械モジュール91の位置の調整を可能にするように構成される。
【0014】
有利には、第1のスライド10は、少なくとも1つのリニアアクチュエータを備え、少なくとも1つのリニアアクチュエータは、第1の方向Yまたは第2の方向Xまたは第3の方向Zに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させるように構成される。好ましくは、以下から明らかになるように、第1のスライド10は、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させるように構成された2つ以上のリニアアクチュエータ、例えば複数のリニアアクチュエータを備える。有利には、1つまたは複数のリニアアクチュエータは更に、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zとして配向された軸の周りで第1のターボ機械モジュール91を(例えば数度)回転させるように構成される。好ましくは、リニアアクチュエータは、ウォームねじまたは空気圧シリンダ若しくは油圧シリンダである。
【0015】
図2及び
図3には、
図1に非常に簡略化して示されているだけである第1のスライドの実施形態100及び200の簡略図が示されている。
図2は、第1のスライド100が第1の方向Yに沿って並進することができるように、レール51及び52上で回転するように構成された、例えば4つの車輪153、154、155及び156(
図2ではそれらのうちの2つのみが見えることに留意されたい)を有する第1のスライド100の実施形態を示す。第1のスライド100は、好ましくは、第1の方向Yに沿って第1のスライド100を移動させるために第1のウィンチ81及び第2のウィンチ82とそれぞれ結合されるように構成された2つのフック171、172を有する。
【0016】
既に上で説明したように、第1のスライド100は、第1のターボ機械モジュール(
図2には図示せず)を支持するように構成される。特に、第1のスライド100によって支持された第1のターボ機械モジュール91は、第1の方向Yに従って延在するシャフトを有することができる。いくつかの実施形態では、シャフトは、ほぼ第1の方向Yに従って延在してもよい(シャフトは、一方の端部のみで支持される場合、すなわち片持ち支持される場合、曲げ変形を受ける可能性がある)。有利には、システム1000は、ターボ機械を組み立てる間に、例えばシャフトの自由端部と結合される支持シャフトを更に備える。有利には、システム1000は、レーザシステム、特に十字形に配置された4つのレーザを有するレーザシステム(それ自体は当業者に知られている)を更に備える。レーザは、第1の方向Yに従って第2のターボ機械モジュール92の内部を摺動しながら、第1のターボ機械モジュール91のシャフトの位置を検出することができる。以下から明らかになるように、シャフトの位置の検出は、第1のターボ機械モジュール91の位置を調整するのに役立つ。(ターボ機械モジュールの機械的結合の前及び/または間にターボ機械モジュールの1つまたは複数の位置を正確に調整するための)レーザ、特に十字形に配置された4つのレーザを有するレーザシステムの使用は、
図2に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、特に
図3及び
図4に示す実施形態に適用され得ることに留意されたい。
【0017】
第1のターボ機械モジュール91と第2のターボ機械モジュール92との機械的結合を容易にするために、第1のスライド100は、第1のスライド100のホイール153、154、155、156を少なくとも部分的に越えて延在する支持システム110を有することができる。有利には、支持システム110は、ベース120と、ロッド115、例えば、ベースがキャリッジを越えて突出するようにキャリッジに固定された長い傾斜アームと、を備える。支持システム110、特に支持システム10のベース120は、第1のターボ機械モジュール91を支持するように構成されている。第1のターボ機械モジュール91が第1のスライド100によって、特に支持システム110によって支持されるとき、第1のスライド100の重心の位置は、ホイール154及び156の位置を越えて変位されることが当業者には明らかであろう。有利なことに、第1のスライド100は、第1のスライド100の重心の位置が車輪に対して分散されているだけでなく、車輪153、154、155及び156によって規定される支持領域の外側にもあるという事実のために、第1のスライド100をバランスさせるためのカウンタウェイト101を更に備える。
【0018】
有利なことに、第1のスライド100のベース120は、第1の方向Y及び第2の方向Xに沿った第1のターボ機械モジュール91の移動を回避するように構成された少なくとも1つのガイド111、好ましくは4つのガイド111(
図2では2つのガイド111A及び111Bのみが示されていることに留意されたい)を更に備えることができる。有利なことに、第1のスライド100のベース120は、第3の方向Zに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させるように構成された少なくとも1つのリニアアクチュエータ112、好ましくは複数のリニアアクチュエータ112を更に備えることができる。有利には、リニアアクチュエータは、ベース120とロッド115との間に配置される。特に、リニアアクチュエータ112は、ベース120及びロッド115に機械的に結合される。好ましくは、リニアアクチュエータは、ウォームねじまたは空気圧シリンダ若しくは油圧シリンダである。
【0019】
図2を非限定的に参照すると、ベース120は、以下でより良く説明されるように、互いに機械的に結合された複数の支持プレート121、122、123及び124を備えることができる。第1の支持プレート121は、ロッド115に機械的に結合されてもよく、リニアアクチュエータ112によって並進されてもよい。有利なことに、ベース120は、ターボ機械モジュールの機械的結合中に第1のターボ機械モジュール91の反作用運動に適応するための少なくとも1つのボールジョイント104、好ましくは4つのボールジョイント104(
図2では2つのボールジョイント104A及び104Bのみが示されていることに留意されたい)を更に備えることができる。特に、ボールジョイント104は、第1の支持プレート121と第2の支持プレート122との間に配置されてもよい。より具体的には、ボールジョイント104は、第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿った力及び荷重の成分を相殺し、機械的結合中に第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿ったモジュール91の位置の自己調整、並びに第3の方向Zの周りの回転を可能にするように構成される。第2の支持プレート122は、第3の支持プレート123に機械的に結合することができる。有利には、ガイド111は、第2の支持プレート122と第3の支持プレート123との間に、場合によっては第1の支持プレート121と第3の支持プレート123との間に配置される。有利には、ベース120は、少なくとも1つのばね102、好ましくは4つのばね102を更に備えることができる(
図2では、2つのばね102A及び102Bのみが示されていることに留意されたい)。好ましくは、ばね102は、特にばね102の反力のおかげで、機械的結合中にターボ機械モジュール間に及ぼされる、典型的には第3の方向Zに沿った力を低減するように構成された予荷重ばねである。言い換えれば、ばね102A及び102Bは、組み立てられるターボ機械モジュール91を下から支持するのに役立つ。ターボ機械モジュール91は、第3の支持プレート123に機械的に結合された第4の支持プレート124上に配置されることができる。有利には、ターボ機械モジュールの組み立て中にターボ機械モジュール間に加えられる、第3の方向Zに沿った荷重及び力の変動に関する電気信号を生成するために、ロードセル105が第3の支持プレート123と第4の支持プレート124との間に配置される。有利には、ロードセル105によって生成された電気信号は、例えば有線接続を介してディスプレイ(図示せず)に供給され、このディスプレイ上で、オペレータは、負荷及び力の変動をリアルタイムでチェックすることができる。(ターボ機械モジュールの機械的結合中にターボ機械モジュール間に及ぼされる力を低減するための)ばね及び/または(ターボ機械モジュールの機械的結合中にターボ機械モジュールの反作用運動に適応するための)ボールジョイントの使用は、非常に有利であり、
図2に示す実施形態に限定されることは意図されず、他の実施形態、特に
図3及び
図4に示す実施形態に適用することができることに留意されたい。
【0020】
最新技術では、ターボ機械モジュールは吊り下げられて組み立てられることに留意されたい。特に、ターボ機械モジュールのうちの少なくとも1つは、水平配置または垂直配置されたターボ機械を形成するために、別のターボ機械モジュールに結合されるように水平または垂直に移動される。また、吊り下げられたターボ機械モジュールの支持ははるかに容易であることに留意されたい。実際、各モジュールごとに4つのタイロッドがあれば、ターボ機械モジュールの全ての自由度を保証するのに十分である。
【0021】
図3A及び
図3Bは、第1のスライド200が第1の方向Yに沿って並進することができるように、レール51及び52上で回転するように配置された4つの車輪253、254、255及び256(
図3Aではそのうちの2つのみが見えることに留意されたい)を有する第1のスライド200の別の実施形態の2つの図を示す。第1のスライド200は、好ましくは、第1の方向Yに沿って第1のスライド200を移動させるために第1のウィンチ81及び第2のウィンチ82とそれぞれ結合されるように構成された2つのフック271、272を有する。
【0022】
既に上で説明したように、第1のスライド200は、第1のターボ機械モジュール(
図3A及び
図3Bには図示せず)を支持するように構成配置される。有利には、第1のスライド200は、好ましくはホイール253、254、255、256を備え、ガイド50によって支持される第1のフレーム201と、第1のフレーム201によって支持され、第1のターボ機械モジュールを支持するように構成された第2のフレーム202と、を備える。有利には、第1のフレーム201及び/または第2のフレーム202は、第1のフレーム201に対して第2のフレーム202を並進及び/または回転させることによって、第1のフレーム201に対する第2のフレーム202の位置の調整を可能にするように構成される。第2のフレーム202の位置の調整は、第1のターボ機械モジュール91の位置の調整に対応し得ることに留意されたい。特に、第1のスライド200は、ターボ機械モジュールの機械的結合中に第1のターボ機械モジュールの反作用運動に適応するように構成された少なくとも1つのスライダ280、好ましくは4つのスライダ280(
図3Aでは2つのスライダ280A及び280Bのみが示されていることに留意されたい)を更に備えることができる。特に、スライダ280は、第1のフレーム201と第2のフレーム202との間に配置されてもよい。より詳細には、スライダ280は、第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿った力及び荷重の成分を相殺し、機械的結合中に第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿った第1のターボ機械モジュールの位置の自己調整並びに第3の方向Zの周りの回転を可能にするように構成される。
【0023】
有利には、第1のスライド200は、少なくとも1つのリニアアクチュエータ、例えば、第1のフレーム201に対して第2のフレーム202を並進させるように構成されたリニアアクチュエータ211A、211B、211C、211D、212A、212B(例えば、いくつかのリニアアクチュエータが示されている
図3B参照)のうちの1つを備える。好ましくは、リニアアクチュエータは、ウォームねじまたは空気圧シリンダ若しくは油圧シリンダである。例えば、リニアアクチュエータ212A、212Bは、第1のフレーム201に対して第1の方向Yに沿って第2のフレーム202を並進させることができ、リニアアクチュエータ211A、211B、211C、211Dは、例えば適切な協調動作を通じて、第1のフレーム201に対して第2の方向Xに沿って第2のフレーム202を並進させることができる。
【0024】
有利には、第1のスライド200は、少なくとも2つのリニアアクチュエータ、例えば、第1のフレーム201に対して第2のフレーム202を回転させるように構成されたリニアアクチュエータ211A、211B、211C、211D、212A、212B(例えば、いくつかのリニアアクチュエータが示されている
図3B参照)のうちの2つを備える。例えば、リニアアクチュエータ211A及び211D、211B及び211Cは、例えば適切な協調動作を通じて、第3の方向Zとして方向付けられた軸の周りで第2のフレーム202を回転させることができる。
【0025】
図3A及び
図3Bを非限定的に参照すると、有利には、第2のスライド200は、第1のターボ機械モジュール91を回転可能に支持するための、特にローラを有する回転支持体204を備える。特に、回転支持体204は、第1の方向Yに実質的に平行な軸の周りで第1のターボ機械モジュール91を回転させることを可能にする。有利には、回転支持体204はまた、例えば第3の方向Zに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させることによって、例えば第2のフレーム202に対する回転支持体204の位置を変更することによって、第1のターボ機械モジュール91の位置の調整を可能にするように構成される。
【0026】
図3A及び
図3Bを非限定的に参照すると、有利には、第2のスライド200は、機械式ジャッキ、好ましくは第1のターボ機械モジュール91を支持するように構成された2つの機械式ジャッキ206A及び206Bを更に備える。有利には、機械式ジャッキ206A及び206Bは、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って第1のターボ機械モジュール91を並進させることによって、第1のターボ機械モジュール91の位置の調整を可能にするように構成される。例えば、第2のフレーム202に対する回転支持体204の位置を変更しながら、機械式ジャッキ206Aと機械式ジャッキ206Bとの間で異なる並進を実行することによって、あるいは機械式ジャッキ206Aと機械式ジャッキ206Bとの間で異なる並進を実行することによって、機械式ジャッキ206A、206Bはまた、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zとして配向された軸の周りで第1のターボ機械モジュール91を回転させることによって、第1のターボ機械モジュール91の位置の調整を可能にするように構成されることに留意されたい。
【0027】
別の実施形態によれば、システム1000は、第3のターボ機械モジュールを好ましくは等方的に支持するように構成され、かつ、第1の方向Yに沿ってガイド50上で移動を実行するように構成された第3のスライドを更に備える。特に、ターボ機械を組み立てるための第3のターボ機械モジュールの機械的結合は、少なくとも、第3のターボ機械モジュールがガイド50上で第1の方向Yに沿って移動することに由来する。好ましくは、第3のスライドは、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って第3のターボ機械モジュールを並進させることによって、第3のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように構成される。第3のスライドは、スライド10または100または200と同一であっても同様であってもよいことに留意されたい。言い換えれば、革新的な組み立てシステムは、少なくとも1つのベース(固定または可動)に加えて、2つのスライドを備えることができ、ターボ機械は、3つまたは4つ以上のターボ機械モジュールを組み立てることによって作製することができる。例えば、システムは、例えば
図2に示されるような1つのスライド100と、例えば
図3A及び
図3Bに示されるような1つのスライド200との両方を備えてもよい。
【0028】
先に示したように、システム1000は、第1のターボ機械モジュール91に機械的に結合される第2のターボ機械モジュール92を支持するように構成されたベース60を備える。ベース60は、(典型的には水平な)地面、例えば建物の床に固定されてもよく、あるいは、いくつかの実施形態によれば、ガイド50に沿って摺動してもよいことに留意されたい。例えば、ベース60は、ガイド50上での第1の方向Yに沿った移動を実行するように構成された第2のスライド20(
図1B参照)を備えてもよい。例えば、第2のスライド20は、少なくとも4つの車輪を有するキャリッジであってもよいし、スレッジであってもよい。有利には、これらの車輪のうちの1つまたは2つ以上の車輪の垂直位置は、車輪がレール及び/または地面から容易に係合解除され得るように、調節可能である。有利なことに、第2のスライド20は、第2のターボ機械モジュール92を等方的に支持するように構成される。当業者には明らかであるように、ターボ機械を組み立てるための第1のターボ機械モジュール91と第2のターボ機械モジュール92との機械的結合は、第1のターボ機械モジュール91が(例えば、ガイド50上で)第1の方向Yに沿って第2のターボ機械モジュール92に向かって移動すること、または、第1のターボ機械モジュール91が(例えば、ガイド50上で)第1の方向Yに沿って第2のターボ機械モジュール92に向かって移動し、第2のターボ機械モジュール92が(例えば、ガイド50上で)第1の方向Yに沿って第1のターボ機械モジュール91に向かって移動することにのみ由来し得る。
【0029】
有利には、システム1000は、第4のターボ機械モジュールの軸がターボ機械の軸Aに対応するように位置決め及び構成された第4のターボ機械モジュールを、好ましくは等方的に支持するように構成された別のベース300(
図4参照)を更に備えることができる。
【0030】
有利には、
図4の実施形態によれば、ベース300は、第1の方向Yに沿った第4のターボ機械モジュールの調整または移動を可能にするように構成され、ターボ機械を組み立てるための第4のターボ機械モジュールの機械的結合は、第1の方向Yに沿った第4のターボ機械モジュールの調整から得ることができる。以下で明らかになるように、ベース300は、第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って第4のターボ機械モジュールを並進させることによって、第4のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように更に構成される。有利には、ベース300は、例えば建物の床上の(典型的には水平な)地面に固定された第3のフレーム301と、第3のフレーム301に機械的に結合され、第4のターボ機械モジュールを支持するように構成された第4のフレーム302と、を備える。有利には、第3のフレーム301及び/または第4のフレーム302は、第3のフレーム301に対して第4のフレーム302を並進及び/または回転させることによって、第3のフレーム301に対する第4のフレーム302の位置の調整を可能にするように構成される。第4のフレーム302の位置の調整または移動は、第4のターボ機械モジュールの位置の調整に対応し得ることに留意されたい。特に、ベース300は、ターボ機械モジュールの機械的結合中に第4のターボ機械モジュールの反作用運動に適応するように構成された少なくとも1つのスライダ380、好ましくは4つのスライダ380(
図4Aでは2つのスライダ380A及び380Bのみが示されていることに留意されたい)を更に備えることができる。特に、スライダ380は、第3フレーム301と第4フレーム302との間に配置されてもよい。より詳細には、スライダ380は、第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿った力及び荷重の成分を相殺し、機械的結合中に第1の方向Y及び/または第2の方向Xに沿った第1のターボ機械モジュールの位置の自己調整並びに第3の方向Zの周りの回転を可能にするように構成される。
【0031】
図4A及び
図4Bを非限定的に参照すると、ベース300は、少なくとも1つのリニアアクチュエータ、例えば、第3のフレーム301に対して第4のフレーム302を並進させるように構成されたリニアアクチュエータ311A、311B、311C、311D、312A、312B、312C、312D(例えば、いくつかのリニアアクチュエータが示されている
図4B参照)のうちの1つを備える。好ましくは、リニアアクチュエータは、ウォームねじまたは空気圧シリンダ若しくは油圧シリンダである。例えば、リニアアクチュエータ312A、312B、312C、312Dは、第3のフレーム301に対して第1の方向Yに沿って第4のフレーム302を並進させることができ、リニアアクチュエータ311A、311B、311C、311Dは、第3のフレーム301に対して第2の方向Xに沿って第4のフレーム302を並進させることができる。
【0032】
有利には、ベース300は、少なくとも2つのリニアアクチュエータ、例えば、第3のフレーム301に対して第4のフレーム302を回転させるように構成されたリニアアクチュエータ311A、311B、311C、311D、312A、312B、312C、312Dのうちの2つ(例えば、いくつかのリニアアクチュエータが示されている
図4B参照)を備える。例えば、リニアアクチュエータ312A及び312D、312B及び312Cは、第3の方向Zとして方向付けられた軸の周りに第4のフレーム302を回転させることができ、リニアアクチュエータ311A及び311D、311B及び311Cは、第3の方向Zとして方向付けられた軸の周りに第4のフレーム202を回転させることができる。
【0033】
図4A及び
図4Bを非限定的に参照すると、ベース300は、第4のターボ機械モジュールを回転可能に支持するための、特にローラを有する回転支持体304を備える。有利には、回転支持体304はまた、例えば第3の方向Zに沿って第4のターボ機械モジュールを並進させることによって、例えば第4のフレーム302に対する回転支持体304の位置を変更することによって、第4のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように構成される。
【0034】
図4A及び
図4Bを非限定的に参照すると、ベース300は、機械式ジャッキ、好ましくは第4のターボ機械モジュールを支持するように構成された2つの機械式ジャッキ306A、306Bを更に備える。有利には、機械式ジャッキ306A、306Bは、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zに沿って第4のターボ機械モジュールを並進させることによって、第4のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように構成される。例えば、機械式ジャッキ306Aと機械式ジャッキ306Bとの間で異なる並進を実行することによって、あるいは第4のフレーム302に対する回転支持体304の位置を変更しながら機械式ジャッキ306Aと機械式ジャッキ306Bとの間で異なる並進を実行することによって、機械式ジャッキ306A、306Bはまた、第1の方向Y及び/または第2の方向X及び/または第3の方向Zとして配向された軸の周りで第4のターボ機械モジュールを回転させることによって、第4のターボ機械モジュールの位置の調整を可能にするように構成されることに留意されたい。
【0035】
上述のシステムは、例えば、4つのターボ機械モジュール、すなわち、第1のターボ機械モジュール、例えば、
図3に示されるようなスライドまたは
図4に示されるようなベースによって支持される高圧(=HP)圧縮機及び燃焼器のモジュール(「コアモジュール」と呼ばれることがある)、第2のターボ機械モジュール、例えば、
図2に示されるようなスライドによって支持される高圧(=HP)タービン及びシャフトのモジュール、第3のターボ機械モジュール、例えば、
図3に示されるようなスライドによって支持される低圧(=LP)圧縮機、並びに第4のターボ機械モジュール、例えば、
図4に示されるようなベースによって支持される低圧(=LP)タービンを有するガスタービンエンジン(特に、航空転用型)を組み立てるために使用することができる。これらのターボ機械モジュールの1つまたは複数は、本明細書で説明するような最終組み立てが行われる同じ場所または異なる場所で組み立てられ得ることに留意されたい。
【0036】
本明細書で説明するような組み立てシステムは、例えばタービンエンジン製造業者の構内に配置することができる。更に、タービンエンジンが設置及び使用される場所またはその近くに、本明細書で説明されるような組み立てシステムを配置することが有用であり得る。このようにして、設備管理者は、例えば保守の目的でタービンエンジンを容易に分解する(次いで再組み立てする)ことが可能となる。
【0037】
ターボ機械、例えばガスタービンエンジンを組み立てる可能な方法によれば、第1のターボ機械モジュール及び第2のターボ機械モジュールは、ガイド、例えばスライドに関連付けられた第1のモジュール支持体と、例えばベース(実際には固定または可動であってよい)に関連付けられた第2のモジュール支持体と、によってそれぞれ支持されてよい。好ましくは、第1のモジュール支持体及び第2のモジュール支持体は、ガイドによって支持され、ガイドに沿って摺動することができる。例えば、第1のモジュール支持体及び第2のモジュール支持体は、
図1に示すシステムのスライド及びベースであってもよい。好ましくは、第1のモジュール支持体及び第2のモジュールは、ターボ機械モジュールに等方的な支持を提供する。第1のターボ機械モジュールは、第1のターボ機械モジュールの少なくとも一部分と第2のターボ機械モジュールの少なくとも一部分とが当接するまで、ガイドに沿ってベース(実際には固定または可動であってもよい)に向かってスライドを単に移動させることによって、第2のターボ機械モジュールに機械的に結合することができる。特に、ガイドは、1つ以上のレールを含むトラックであってもよい。第1のターボ機械モジュール及び/または第2のターボ機械モジュールの位置は、例えば、第1及び/または第2のターボ機械モジュールを並進及び/または回転させることによって、第1及び/または第2のターボ機械モジュールの移動の前及び/または間及び/または後に調整されてもよい。第1のターボ機械モジュールと第2のターボ機械モジュールが(例えばモジュール内のフランジを介して)互いに固定されて第1のアセンブリが生産されると、第3のターボ機械モジュールは、例えばガイド上に配置された別のスライドによって、好ましくは等方的に支持され、第3のターボ機械モジュールがガイドに沿って第1のアセンブリに向かって移動することが可能となる。第3のターボ機械モジュールは、第3のターボ機械モジュールの少なくとも一部分と第1のアセンブリの少なくとも一部分とが当接するまで第3のターボ機械モジュール及び/または第1のアセンブリをガイドに沿って単に移動させることによって第1のアセンブリに機械的に結合され、その後、第2のアセンブリを生産するように(例えばモジュール内のフランジを介して)互いに固定され得る。第3のターボ機械モジュールの位置は、例えば、第3のターボ機械モジュールを並進及び/または回転させることによって、第3のターボ機械モジュール及び/または第1のアセンブリの移動の前及び/または間及び/または後に調整されてもよいことに留意されたい。最後に、第2のアセンブリは、ガイドに沿って第2のアセンブリを摺動させ、第4のターボ機械モジュールに向かう第2のアセンブリの移動を可能にすることによって、例えばガイドの一方の端部に位置するベースによって支持された第4のターボ機械モジュールに機械的に結合することができる。第4のターボ機械モジュールの位置は、第2のアセンブリの移動の前及び/または間及び/または後に、例えば、第4のターボ機械モジュールを並進及び/または回転させることによって調整されてもよいことに留意されたい。モジュール支持体上のターボ機械モジュール及び/またはターボ機械モジュールのアセンブリの位置は、長手方向に沿った並進、及び/または垂直方向に沿った並進による横方向に沿った並進、及び/または長手方向の周りの回転、及び/または垂直方向の周りの回転による横方向の周りの回転によって調整されることに留意されたい。
【国際調査報告】