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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】クラスタリニアカップオプティクス
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/04 20060101AFI20241212BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241212BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241212BHJP
【FI】
F21V5/04
F21S2/00 230
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538708
(86)(22)【出願日】2022-12-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2022087160
(87)【国際公開番号】W WO2023131526
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/296,948
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】22151926.7
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ゲイツ ライアン
(72)【発明者】
【氏名】マン クウォン フン
(57)【要約】
照明モジュール及びこのようなモジュールを組み込んだ照明システムが提供される。照明システムは、照明モジュールの1つ以上のアレイを固定するハウジングボディを含み、照明モジュールの各アレイは、1つ以上の個別照明モジュールを含む。具体的には、各照明モジュールは、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部まで延びる側壁を有する保持カップであって、保持カップの第2の端部は、照明モジュールの出口開口を画定する、保持カップと、光源基板の第1の表面の一部上に配される光源であって、光源基板の第1の表面の一部は、保持カップの第1の端部を覆う、光源と、光学フィルムを有する全内部反射(TIR)光学デバイスであって、TIR光学デバイスは、保持カップ内に配され、光源と突き合わされる、全内部反射(TIR)光学デバイスとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明モジュールであって、
第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる側壁を有する保持カップであって、前記保持カップの前記第2の端部は、当該照明モジュールの出口開口を画定する、保持カップと、
光源基板の一部上に配される複数の光源であって、前記光源基板の前記一部は、前記保持カップの前記第1の端部を覆う、複数の光源と、
光学フィルムを有する全内部反射(TIR)光学デバイスであって、前記TIR光学デバイスは、複数の一体化TIRレンズを含み、前記TIR光学デバイスは、前記保持カップ内に配され、前記光源と突き合わされ、各TIRレンズは、それぞれの光源に対応する、全内部反射(TIR)光学デバイスと、
を含む、照明モジュール。
【請求項2】
前記光源は、発光ダイオード(LED)を含む、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項3】
前記光源は、2つ以上のLEDを含む、請求項2に記載の照明モジュール。
【請求項4】
前記光学フィルムは、前記TIR光学デバイス上に直接配される、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項5】
前記TIR光学デバイスは、TIRレンズを含む、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項6】
前記TIR光学デバイスは、少なくとも2つのTIRレンズの配列を含む、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項7】
前記光学フィルムは、前記少なくとも2つのTIRレンズの配列上に直接配される、請求項6に記載の照明モジュール。
【請求項8】
前記TIR光学デバイスは、前記光源からの光ビームを受けるように構成され、前記光学フィルムは、前記光ビームから、グレーズパターン、ナローパターン、ミディアムパターン、スタックパターン、バットウィングパターン、及び非対称パターンのうちの1つ以上のビームパターンを作るように構成される、請求項1に記載の照明モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に照明システム、とりわけ構成可能なビームアレンジメントを有する照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDライティングの進歩にもかかわらず、多くの消費者は、可視LEDレンズが明るい(bright)、まぶしい(glaring)、又は好ましくない(objectionable)と感じ続けている。このような問題を解決するための現在のアプローチは、典型的には、作業面に影を付ける強烈で不快な可視光ビームをもたらす、複数の非常に小さな全内部反射(TIR:total internal reflection)レンズの使用、又は高価で丸い形状の大きな、単一の光学デバイスの使用を伴っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、多くの光ビームパターンに対する光学精度(optical precision)を維持する一方、視覚的快適性のための大きな発光面及び非常に低いUGR(unified glare rating)を有する照明システム及び照明モジュールを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の実施形態によれば、照明モジュール(illumination module)が述べられる。照明モジュールは、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部まで延びる側壁を有する保持カップ(retaining cup)であって、保持カップの第2の端部は、照明モジュールの出口開口(exit aperture)を画定する、保持カップと、光源基板(light source board)の一部上に配される光源であって、光源基板の一部は、保持カップの第1の端部を覆う、光源と、光学フィルム(optical film)を有する全内部反射(TIR)光学デバイス(optical device)であって、TIR光学デバイスは、保持カップ内に配され、光源と突き合わされる(abutting)、全内部反射(TIR)光学デバイスとを含んでもよい。
【0005】
一態様において、照明モジュールの光源は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含んでもよい。
【0006】
一態様において、照明モジュールの光源は、2つ以上のLEDを含んでもよい。
【0007】
一態様において、照明モジュールのTIR光学デバイスは、TIRレンズを含んでもよい。
【0008】
一態様において、照明モジュールのTIR光学デバイスは、少なくとも2つのTIRレンズの配列(arrangement of at least two TIR lenses)を含んでもよい。
【0009】
一態様において、TIR光学デバイスの光学フィルムは、TIR光学デバイス上に直接配されてもよい。
【0010】
一態様において、TIR光学デバイスの光学フィルムは、少なくとも2つのTIRレンズの配列上に直接配されてもよい。
【0011】
一態様において、照明モジュールのTIR光学デバイスは、光源からの光ビームを受けるように構成されてもよく、TIR光学デバイスの光学フィルムは、光ビームから、グレーズパターン(graze pattern)、ナローパターン(narrow pattern)、ミディアムパターン(medium pattern)、スタックパターン(stack pattern)、バットウィングパターン(batwing pattern)、及び非対称パターン(asymmetric pattern)のうちの1つ以上のビームパターンを作るように構成されてもよい。
【0012】
本開示の第2の実施形態によれば、照明システム(illumination system)が述べられる。照明システムは、照明モジュールの1つ以上のアレイ(one or more arrays of illumination modules)を固定するハウジングボディを含み、照明モジュールの各アレイは、1つ以上の照明モジュールを含んでもよい。照明モジュールのアレイの各照明モジュールは、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部まで延びる側壁を有する保持カップであって、保持カップの第2の端部は、照明モジュールの出口開口を画定する、保持カップと、光源基板の第1の表面の一部上に配される光源であって、光源基板の第1の表面の一部は、保持カップの第1の端部を覆う、光源と、光学フィルムを有する全内部反射(TIR)光学デバイスであって、TIR光学デバイスは、保持カップ内に配され、光源と突き合わされる、全内部反射(TIR)光学デバイスとを含んでもよい。
【0013】
一態様において、照明システムはさらに、光源基板の第2の表面に固定される光源基板ブラケット(light board bracket)と、照明モジュールの1つ以上のアレイの1つ以上の保持カップの第2の端部に配されるハウジングカバーと、ハウジングボディの端部に取り付けられる1つ以上のサイドカバーパネルとを含んでもよい。
【0014】
一態様において、照明モジュールの各アレイは、2~6つの照明モジュールを含んでもよい。
【0015】
一態様において、照明モジュールの1つ以上のアレイは、照明モジュールの2~6つのアレイを含んでもよい。
【0016】
一態様において、各照明モジュールの光源は、発光ダイオード(LED)を含んでもよい。
【0017】
一態様において、各照明モジュールの光源は、2つ以上のLEDを含んでもよい。
【0018】
一態様において、各照明モジュールの光学フィルムは、TIR光学デバイス上に直接配されてもよい。
【0019】
一態様において、各照明モジュールのTIR光学デバイスは、TIRレンズを含んでもよい。
【0020】
一態様において、各照明モジュールのTIR光学デバイスは、少なくとも2つのTIRレンズの配列を含んでもよい。
【0021】
一態様において、各照明モジュールの光学フィルムは、少なくとも2つのTIRレンズの配列上に直接配されてもよい。
【0022】
一態様において、少なくとも2つのTIRレンズの配列は、少なくとも4つのTIRレンズの配列を含んでもよい。
【0023】
一態様において、各照明モジュールのTIR光学デバイスは、光源からの光ビームを受けるように構成されてもよく、各TIR光学デバイスの光学フィルムは、光ビームから、グレーズパターン、ナローパターン、ミディアムパターン、スタックパターン、バットウィングパターン、及び非対称パターンのうちの1つ以上のビームパターンを作るように構成されてもよい。
【0024】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる(1つ以上の)実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
図1図1は、本開示による照明システムの正面斜視分解図である。
図2図2は、本開示のある態様による個別照明モジュールの保持カップの第1の斜視図である。
図3図3は、本開示のさらなる態様による個別照明モジュールの保持カップの第2の斜視図である。
図4図4は、本開示による照明システムのTIR光学デバイスのない光源基板の一部の上面図である。
図5図5は、本開示による照明システムのTIR光学デバイスを備える光源基板の一部の上面図である。
図6図6は、本開示のある態様による照明モジュールのアレイの一部の斜視図である。
図7図7A図7Fは、本開示による照明モジュールを使用して作られ得る光ビームパターンである。
図8図8は、本開示による部分的に組み立てられた照明システムの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、1つ以上の光のパターンを作るように構成される照明モジュール及びこのようなモジュールを含む照明システムを提供する。本明細書で述べられる照明モジュールは、高精度の光学制御(precise optical control)を維持する一方、拡張可能(scalable)であり、視覚的快適性のための大きな発光面を有し、非常に低いUGR(unified glare rating)を有する。
【0027】
図1に目を向けると、本開示による照明システム100の一実施形態が分解斜視図で示されている。照明システム100は、照明モジュール106の1つ以上のアレイ104を固定するハウジングボディ102を含む。いくつかの実施形態では、ハウジングボディ102は、アルミニウム等、軽量金属又は合金を含む押出部品である。他の実施形態では、ハウジングボディ102は、ステンレス鋼等、より重い金属又は合金を含む押出部品であることができる。
【0028】
照明システム100はさらに、1つ以上のカバーパネル108、1つ以上のハウジングカバー110、及び1つ以上の光源基板ブラケット112を含むことができる。具体的な実施形態において、1つ以上のカバーパネル108は、照明システム100に魅力的な外面を提供する及びハウジングボディ102内での照明モジュール106のアレイ104の移動を防止するために、ハウジングボディの対応する端部114に固定される。さらなる実施形態において、1つ以上のハウジングカバー110は、照明モジュール106の下方に(すなわち、生成された光パターンの方向に沿って)配され、魅力的な底面を提供する及びハウジングボディ102内での照明モジュール106のアレイ104の移動を防止するためにハウジングボディ102と係合する可撓性クリップ等の固定フィーチャ(securing feature)を含む。さらにさらなる実施形態において、1つ以上の光源基板ブラケット112は、照明モジュール106のアレイ104の光源基板118の裏面116(すなわち、第2の表面116)に配され、ハウジングボディ102内で照明モジュール106のアレイをさらに固定するように構成される。
【0029】
本開示のある態様によれば、照明モジュール106のアレイ104の各照明モジュール106は、保持カップ120と、光源基板118の第1の表面の一部に配される光源と、光学フィルムを有する全内部反射(TIR)光学デバイス122とを含むことができる。図2及び図3に示されるように、各保持カップ120、220、320は、第1の端部222、322、第2の端部224、324、及び第1の端部222、322から第2の端部224、324まで延びる(複数の)側壁226、326を含むことができ、保持カップ120、220、320の第2の端部224、324は、照明モジュール106の出口開口328を画定する。特定の実施形態において、出口開口328は、照明モジュール106によって生成される光ビームパターンが発せられる保持カップ120、220、320の端部224、324における開口部である。特定の実施形態において、第1の端部から第2の端部まで延びる(複数の)側壁226、326は、第2の端部224、324が第1の端部222、322よりも広くなるように角度が付けられてもよい。特定のジオメトリに限定されるものではないが、図示されている保持カップ120、220、320は、正方形内側カップ326の外観を作り出す、切り落とされた(filleted)角を有する正方形断面を有する。
【0030】
図1に戻ると、照明モジュール106のアレイ104の各照明モジュール106は、光源基板118の第1の表面の一部に配される光源を含むことができる。特定の実施形態において、光源基板118は、照明モジュール106の1つ以上のアレイ104間で共有されてもよく、照明モジュール106の各アレイ104は、1つ以上の照明モジュール106を含むことができる。例えば、図1に示されるように、照明システム100は、2つの光源基板118間で共有される、6つの個別照明モジュール106を各アレイ104が含む、照明モジュール106の4つのアレイ104を含む。光源基板118の各々は、各照明モジュール106の光源が対応する照明モジュール106の出口開口328の上方に位置付けられるように、対応する保持カップ120、220、320の第1端部222、322を覆うよう構成される。
【0031】
図4を参照すると、本開示のある態様による光源基板400の1つのセクション401が示されている。図示されるように、セクション401は、光源404のクラスタが配される光源基板400の第1の表面403の一部402を含む。本開示によれば、光源基板400の第1の表面403の各部分402は、各照明モジュール106の光源404が保持カップ120、220、320の第1の端部222、322に近接するように、対応する保持カップ120、220、320の第1の端部222、322を覆うよう構成される。
【0032】
ある実施形態によれば、光源404は、光源基板400の第1の表面403の第1の部分402内に配される発光ダイオード(LED)を含むことができる。さらなる実施形態では、光源404は、光源基板400の第1の表面403の第1の部分402内に配される2つ以上のLEDのクラスタ(cluster of two or more LEDs)を含む。LEDのうちの1つ以上は、例えば、超低電力LED、低電力LED、中電力LED、及び/又は高電力LEDであることができる。
【0033】
図1に戻ると、照明モジュールのアレイ104の各照明モジュール106はさらに、TIR光学デバイス122を含むことができる。言い換えると、照明モジュール106のアレイ104は、複数のTIR光学デバイス122を含むことができ、各TIR光学デバイス122は、1つの光源404(又は光源404のクラスタ)及び1つの保持カップ120、220、320に対応する。TIR光学デバイス122又はその一部は、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネート等のポリマーを含むことができる。
【0034】
本開示によれば、TIR光学デバイス122の各々は、対応する保持カップ120、220、320内に配され、対応する光源404と突き合わされることができる。例えば、図5に示されるように、TIR光学デバイス522は、TIR光学デバイスが光源に近接し、光源と突き合わされるように、光源が配されている光源基板の第1の表面の一部502に固定される。TIR光学デバイスは、各TIR光学デバイス522が対応する保持カップ120、220、320内に収まる(sit)ように、光源基板500の第1の表面503の一部502に固定されることができる。図6に示されるように、各照明モジュール606が、保持カップ620と、対応する保持カップ620内に配されているTIR光学デバイス622とを含む、2つの照明モジュール606の下方からの斜視図が示されている。
【0035】
本開示によれば、TIR光学デバイス122、522、622の各々は、対応する光源404からの光ビームを受けるように構成されることができる。特定の実施形態において、TIR光学デバイス122、522、622は、光源404からの光を照明モジュール106の出口開口328に向けてコリメートするTIRレンズ630を含むことができる。さらなる実施形態では、TIR光学デバイス122、522、622は、光源404からの光を照明モジュール106の出口開口328に向けてコリメートする、単一のオプティクスに一体化される(integrated)又はクラスタ化される(clustered)、少なくとも2つのTIRレンズ630の配列534(arrangement 534 of at least two TIR lenses 630)を含む。例えば、具体的な実施形態において、光源404は、4つのLEDを含むことができ、TIR光学デバイス122、522、622は、TIR光学デバイス122、522、622の各TIRレンズ630が光源404の対応するLEDと隣り合って位置する2×2のパターン534に配置される4つのTIRレンズ630のクラスタ(cluster of four TIR lenses 630)を含むことができる。
【0036】
さらにさらなる実施形態において、各照明モジュール106のTIR光学デバイス122、522、622の各々は、MesoOptic(登録商標)フィルム等、光学フィルムを含むことができる。光学フィルムは、光を所望の配光にリダイレクトする(redirect)ことによって、制御された光のパターンを作るために利用されてもよい。言い換えると、照明モジュール106の光源404からの光ビームは、TIR光学デバイス122、522、622のTIRレンズ630を通過し、これにより、タイト/ナロー(tight/narrow)光ビーム(すなわち、15°×15°の光ビーム)を生成し、その後、1つ以上の光ビームパターンを生成し、高精度に制御するためにTIR光学デバイス122、522、622の表面上に直接配される対応する光学フィルムを通過させることができる。特定の実施形態において、光学フィルムを有する各TIR光学デバイス122、522、622は、光ビームから、グレーズパターン、ナローパターン、ミディアムパターン、スタックパターン、バットウィングパターン、非対称パターン、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上のビームパターンを作るように構成される。しかしながら、他の光ビームパターンも考えられる。
【0037】
図7A図7Fを参照すると、図7Aに示されるグレーズパターン701、図7Bに示されるナローパターン702、図7Cに示されるミディアムパターン703、図7Dに示されるスタックパターン704、図7Eに示されるバットウィングパターン705、及び図7Fに示される非対称パターン706を含む、これらのビームパターンの各々が示されている。本開示の様々な態様によれば、グレーズパターン701は、16.6°×55°のおおよその寸法を有することができ、ナローパターン702は、23.7°×24.4°のおおよその寸法を有することができ、ミディアムパターン703は、42.6°×45.1°のおおよその寸法を有することができ、スタックパターン704は、60.7°×72.2°のおおよその寸法を有することができ、バットウィングパターン705は、58.1°×36.1°のおおよその寸法を有することができ、非対称パターンは、17.5°のおおよその寸法を有することができる。
【0038】
図8を参照すると、本開示の様々な態様による部分的に組み立てられた照明システム800が斜視図から示されている。本明細書で論じられるように、照明システム800は、照明モジュール804の1つ以上のアレイを固定するハウジングボディ802を含み、照明モジュール804の各アレイは、1つ以上の照明モジュール804を含む。照明モジュール804のアレイの各照明モジュール804は、(i)第1の端部、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部まで延びる側壁を有する保持カップであって、保持カップの第2の端部は、照明モジュール804の出口開口806を画定する、保持カップと、(ii)光源基板808の第1の表面の一部上に配される光源(見えない)であって、光源基板808の第1の表面の一部は、保持カップの第1の端部を覆う、光源と、(iii)光学フィルム(見えない)を有する全内部反射(TIR)光学デバイス810であって、TIR光学デバイス810は、保持カップに又は保持カップ内に配され、光源と突き合わされる、全内部反射(TIR)光学デバイス810とを含むことができる。
【0039】
このような照明システム及び照明モジュールを設けることにより、多くの光ビームパターンに対する光学精度を維持する一方、非常に低いUGR(unified glare rating)を有しながら、視覚的快適性のための大きな発光面が達成可能である。さらに、異なる高精度のビームパターンが、保持カップの形状又はサイズを変更する必要なく、開示された照明システム及び照明モジュールを使用して生成されることができる。最後に、光源(例えば、LED)を単一のTIRレンズの下にクラスタ化させるのではなく広く離間させることにより、開示された照明システム及びモジュールは、離散的な点を有することによる影を実質的に排除し、特定のLEDチップによるカラーオーバーアングル(color-over-angle)効果を低減する。
【0040】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0041】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0042】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0043】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0044】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0045】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0046】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されない(including but not limited to)ことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0047】
いくつかの発明実施形態が、本明細書で説明及び図示されてきたが、当業者は、本明細書で説明される機能を実行するための、並びに/あるいは、その結果及び/又は利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段及び/又は構造体を、容易に構想することとなり、そのような変形態様及び/又は修正態様は、本明細書で説明される発明実施形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に応じて変化することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で説明される特定の発明実施形態に対する、多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明実施形態が実践されてもよい点を理解されたい。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される、それぞれの個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更には、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合であれば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
【国際調査報告】