(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】高周波インピーダンス整合エッジローンチRFコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01P 5/02 20060101AFI20241212BHJP
H01R 24/50 20110101ALI20241212BHJP
【FI】
H01P5/02 605Z
H01R24/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538975
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022077649
(87)【国際公開番号】W WO2023129765
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,ベンジャミン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】デウィット,ライアン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイラー,マイケル アール.
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB45
5E223AB65
5E223AC23
5E223BA17
5E223CA13
5E223CB01
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB11
5E223DB25
5E223GA08
5E223GA52
(57)【要約】
エッジローンチ高周波(RF)信号コネクタ(10)は、半径方向に延出するアーム(24)を有する接地接点タブ(22)を含む。アーム(24)は、回路基板(14)とコネクタ(10)との間のギャップを覆って、RF基準接地と、コネクタ(10)によって支持される信号ピン(20)との間のRF接地パスを減少させる。アーム(24)は、突出した接地接点タブ(22)から、信号ピン(20)を支持する中央支持アパーチャ(18)に向かい半径方向内向きに延出する。アーム(24)及び接地接点タブ(22)は、一体型として、メインコネクタ本体(16)と一体化して形成される。アーム(24)及び接地接点タブ(22)は、コネクタ(10)が回路基板(14)のエッジの上に配置される場合、アーム(24)及び接地接点タブ(22)が回路基板(14)上で同一平面にあるような平面の形状である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジローンチ高周波(RF)信号コネクタであって、
中央支持アパーチャを画定する主体、及び前記中央支持アパーチャから半径方向に離隔されて前記主体から突出する少なくとも1つの接地接点タブを有するコネクタ本体であって、前記少なくとも1つの接地接点タブは基板に接地するように構成され、前記中央支持アパーチャに向かい前記主体に沿って半径方向内向きに延出するアームを有する、前記コネクタ本体と、
前記コネクタ本体の前記中央支持アパーチャ内に支持された信号ピンと、
を含む、エッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームは、一体型として前記主体と一体化して形成される、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームは直線的な形状である、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームは平面であり、前記基板上に同一平面にあるように構成される、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項5】
前記アームは、前記主体の面に沿って半径方向距離に延出し、前記距離は前記面の半径よりも大きい、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項6】
前記アームは、前記少なくとも1つの接地接点タブに垂直方向に延出する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項7】
前記主体から突出する前記少なくとも1つの接地接点タブの長さは、前記主体から突出する前記アームの長さよりも長い、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームはL字形状を形成する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームは同じ厚さを有する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項10】
前記アームは、前記中央支持アパーチャの直径以下の厚さを有する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの接地接点タブは、前記中央支持アパーチャを画定する前記主体の面に垂直方向に突出する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの接地接点タブの外周面は、前記エッジローンチRF信号コネクタの最外面を画定する、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの接地接点タブの前記外周面、及び前記主体の外周面は、前記中央支持アパーチャから同じ半径方向距離を有する、請求項12に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの接地接点タブは、前記中央支持アパーチャの反対側の上に配置された2つの接地接点タブを含む、請求項1に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項15】
前記2つの接地接点タブは対称に配置される、請求項14に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項16】
前記2つの接地接点タブは、形状及びサイズが同一である、請求項14または15に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項17】
前記タブは、前記基板と前記主体との間のギャップの上に延在する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のエッジローンチRF信号コネクタ。
【請求項18】
電子デバイスを基板に接続する方法であって、
コネクタ本体を前記基板上に配置することであって、前記コネクタ本体は信号ピンを支持する中央支持アパーチャを画定する主体、及び前記中央支持アパーチャから半径方向に離隔されて前記主体から突出する少なくとも1つの接地接点タブを有する、前記配置することと、
前記少なくとも1つの接地接点タブを前記基板に対して接触させて、前記基板に接地させることと、
前記中央支持アパーチャに向かい前記主体に沿って半径方向内向きに延出する前記少なくとも1つの接地接点タブのアームによって、前記基板と前記コネクタ本体との間のギャップを覆うことと、
を含む、前記方法。
【請求項19】
前記アームによって高周波(RF)接地パスを減少させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの接地接点タブを前記基板に対して接触させることは、前記少なくとも1つの接地接点タブ及び前記アームを、前記基板の表面と同一平面にするように配置することを含む、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エッジローンチ高周波信号コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途において、電子部品を含み得る回路基板などの基板を有する電子デバイスが使用されている。例示的な用途は、高周波(RF)インタフェース用途を含む。RFインタフェースは、軍事用途及び5Gなどの商業的な高周波RF用途で利用され得る。回路基板の基板にはコネクタが含まれ、基板に取り付けられ、別の基板または別の電子デバイスからケーブルを受容するように構成される。ケーブルは、基板がRF信号を送受信することを可能にする。コネクタは基板にエッジマウントされてよく、すなわち、コネクタは回路基板のエッジの上に延在する。
【0003】
従来のエッジローンチRFコネクタは、エッジローンチコネクタを回路基板と同一平面に取り付ける際の課題により、不十分な場合がある。コネクタと回路基板との間にギャップを形成するミスアライメントなど、コネクタの取り付けが不適切であると、周波数が高いほどRF遷移が不十分になる場合がある。その結果、RFコネクタと回路基板との間の製造公差により、アセンブリの全体的なパフォーマンスが低下する。
【0004】
RFコネクタと回路基板との間の接続を改善する1つの従来の試みは、接地平面のギャップを覆うために、コネクタ接地を回路基板に手作業ではんだ付けすることを含む。しかしながら、RFコネクタ及び回路基板のアセンブリを製造する際の時間及びコストがかかることに加えて、手作業のはんだ付けプロセスは、回路基板を取り扱う時間を増加させる。回路基板の取り扱いが増加すると、アセンブリに不具合が起こり得る。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、アームが突出している接地接点タブを含むエッジローンチ高周波(RF)信号コネクタを提供する。アームは、接地接点タブから延出して、基板、例えば、回路基板と、エッジローンチRF信号コネクタのコネクタ本体との間のギャップを覆い、RF基準接地と、コネクタ本体によって支持された信号ピンとの間のRF接地パスを減少させる。アームは、突出した接地接点タブから、信号ピンを支持するコネクタ本体の中央支持アパーチャに向かい、半径方向内向きに延出する。アーム及び接地接点タブは、エッジローンチRF信号コネクタが基板のエッジに沿って接続される場合、アーム及び接地接点タブが基板に対して同一平面にあるように、平面形状であってよい。
【0006】
アームを有する接地接点タブを使用すると、手作業によるはんだ付けの必要がなくなり、基板とコネクタとの間の製造公差によって形成されるギャップの影響が最小になる。アームを有する接地接点タブは、RF遷移の不具合が伝送損失に特に悪影響を及ぼす高周波用途では、特に有利である。接地接点タブ及びアームは、コネクタ及び基板のあまり複雑ではない製造及び組み立ても可能にする一体型として、メインコネクタ本体と一体化して形成されてもよい。
【0007】
本開示の態様によれば、エッジローンチRF信号コネクタには、アームが含まれ得、接地接点タブから突出してRF基準接地と信号ピンとの間の接地パスを減少させる。
【0008】
本開示の態様によれば、エッジローンチRF信号コネクタには、コネクタ本体が含まれてもよく、一体に形成された接地接点タブ、及び基板とコネクタ本体との間のギャップを覆うアームを有してもよい。
【0009】
本開示の態様によれば、エッジローンチRF信号コネクタには、接地接点タブが含まれてもよく、エッジローンチRF信号コネクタによって支持された信号ピンに向かい半径方向内向きに延出する部分を有してもよい。
【0010】
本開示の態様によれば、電子デバイスを基板に接続する方法は、RF基準接地と信号ピンとの間の接地パスを減少させることを含み得る。
【0011】
本開示の態様によれば、エッジローンチRF信号コネクタには、コネクタ本体が含まれ、中央支持アパーチャを画定する主体、及び中央支持アパーチャから半径方向に離隔されて主体から突出する少なくとも1つの接地接点タブを有し、少なくとも1つの接地接点タブは、基板に接地するように構成され、中央支持アパーチャに向かい主体に沿って半径方向内向きに延出するアーム、及びコネクタ本体の中央支持アパーチャ内に支持された信号ピンを有する。
【0012】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームは、一体型として、主体と一体化して形成されてもよい。
【0013】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームは直線の形状であってよい。
【0014】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームは平面であり、基板上で同一平面にあるように構成されてもよい。
【0015】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、アームは、主体の面に沿って半径方向距離に延在してもよく、この距離は、面の半径よりも大きくてもよい。
【0016】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、アームは少なくとも1つの接地接点タブに垂直方向に延出してもよい。
【0017】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、主体から突出する少なくとも1つの接地接点タブの長さは、主体から突出するアームの長さよりも長くてよい。
【0018】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームはL字形状を形成してもよい。
【0019】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームは同じ厚さを有してもよい。
【0020】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、アームは、中央支持アパーチャの直径以下の厚さを有してもよい。
【0021】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブは、中央支持アパーチャを画定する主体の面に垂直方向に突出してもよい。
【0022】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブの外周面は、エッジローンチRF信号コネクタの最外面を画定してもよい。
【0023】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブの外周面、及び主体の外周面は、中央支持アパーチャから同じ半径方向距離を有してもよい。
【0024】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、少なくとも1つの接地接点タブは、中央支持アパーチャの反対側の上に配置された2つの接地接点タブを含んでもよい。
【0025】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、2つの接地接点タブは対称に配置されてもよい。
【0026】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、2つの接地接点タブは、形状及びサイズが同一であってもよい。
【0027】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、タブは、基板と主体との間のギャップの上に延在してもよい。
【0028】
本開示の別の態様によれば、電子デバイスを基板に接続する方法は、コネクタ本体を基板上に配置することであって、コネクタ本体は信号ピンを支持する中央支持アパーチャを画定する主体、及び中央支持アパーチャから半径方向に離隔されて主体から突出する少なくとも1つの接地接点タブを有する、配置することと、少なくとも1つの接地接点タブを基板に対して接触させて基板に接地させることと、中央支持アパーチャに向かい主体に沿って半径方向内向きに延出する少なくとも1つの接地接点タブのアームによって基板とコネクタ本体との間のギャップを覆うこととを含む。
【0029】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、方法は、アームによってRF接地パスを減少させることを含んでもよい。
【0030】
この概要のいずれかの段落(複数可)の実施形態によれば、方法は、少なくとも1つの接地接点タブを基板に対して接触させることを含んでもよく、少なくとも1つの接地接点タブ及びアームを基板の表面と同一平面にするように配置することを含む。
【0031】
本開示は、前述の目的及び関連する目的を達成するために、下記で完全に説明され、特許請求の範囲で具体的に指摘される特徴を含む。下記の説明及び添付の図面一式は、本開示の特定の例示的な実施形態を詳細に明らかにする。しかし、これらの実施形態は、本開示の原理を使用し得る様々な方法のうちのほんの数例を示すものである。本開示の他の目的、利点、及び新規の特徴は、本開示の下記の発明を実施するための形態を図面と併せて検討することにより、明らかになるであろう。
【0032】
添付の図面は、必ずしも縮尺通りではないが、本開示の様々な態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本出願の例示的な実施形態による、基板上に配置されたエッジローンチ高周波(RF)信号コネクタの上面図を示す。
【
図2】
図1のエッジローンチRF信号コネクタの斜視図を示す。
【
図3】
図1のエッジローンチRF信号コネクタを使用して電子デバイスを基板に接続する方法を図示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書で説明される原理は、信号接続を可能にするために、基板、例えば、回路カードアセンブリ(CCA)、プリント回路基板、またはプリントワイヤ基板と、他の高周波(RF)アセンブリとの間の接続を必要とする用途など、電子デバイス用途において特に用途を有する。例示的な用途は、任意の適切なRFインタフェース用途、軍事用途、及び5Gなどの商用高周波RF用途を含む。信号を回路基板に伝送するインタフェースを有する任意の用途が適切である場合がある。多くの他の用途が適切であってもよい。
【0035】
最初に
図1及び
図2を参照すると、本出願の実施形態による、エッジローンチRF信号コネクタ10が示される。エッジローンチRF信号コネクタ10は、任意の適切な電気コネクタであってもよく、基板14のエッジ12に取り付けられるように構成される。エッジローンチRF信号コネクタ10は、基板14に隣接して配置され、基板14の上面に接触するように構成される。基板14は、回路基板など、実質的に平面であってよい。
【0036】
例示的な用途では、基板14は、電子デバイスの一部であってもよく、基板14上に取り付けられた電子デバイスの電気部品を含んでもよい。エッジローンチRF信号コネクタ10は、別の基板または電子デバイスから嵌合コネクタを受容するように構成されるため、エッジローンチRF信号コネクタ10は、その他の基板または電子デバイスと、基板14に関連する電子デバイスとの間でRF電力またはデータ信号を送受信するために基板14に電気結合される。エッジローンチRF信号コネクタ10は、任意の適切な電子デバイスまたは基板との使用のために構成されてもよい。
【0037】
エッジローンチRF信号コネクタ10には、コネクタ本体15が含まれ、中央支持アパーチャ18を画定する主体16、及び中央支持アパーチャ18内で支持され、主体16を通って延在する信号ピン20を有する。中央支持アパーチャ18は、主体16の少なくとも一部を通って延在してもよい。信号ピン20は、コネクタ本体15によって支持されるワイヤまたは任意の他の適切な電気接続部に接続され得る。
【0038】
コネクタ本体15には、少なくとも1つの接地接点タブ22が含まれ、中央支持アパーチャ18から半径方向に離隔され、主体16から突出する。1つより多い接地接点タブ22が設けられてもよい。接地接点タブ22は、基板14の上に延在し、基板14に接触して基板14に接地するように構成される。接地接点タブ22は、基板14に接触するコネクタ本体15の唯一の部分であり得、そのため、部品を組み立てる場合、コネクタ本体15の主体16は、基板14から離れて配置される。
【0039】
接地接点タブ22は、中央支持アパーチャ18及び信号ピン20に向けて主体16に沿って半径方向内向きに延出するアーム24を有する。アーム24は、コネクタ本体15が基板14上に組み立てられる場合、基板14のエッジ12とコネクタ本体15との間に形成されたギャップ26の上に延在するように構成される。ギャップ26は、基板14及びエッジローンチRF信号コネクタ10のミスアライメントにより形成され得る。
【0040】
接地接点タブ22上に形成されたアーム24を使用すると、半径方向に延出するアームを有しない従来の接地タブと比較して、RF基準接地と信号ピン20との間のRF接地パス28が有利に短縮される。したがって、突出するアームを有する接地接点タブを使用することで、基板及びコネクタの配置の不完全性によって生じる伝送損失が最小になる。
【0041】
接地接点タブ22及びアーム24は、コネクタ本体15が1つの連続部品として形成されるような一体型として、主体15と一体化して形成される。コネクタ本体10を1つの連続部品として形成することにより、エッジローンチRF信号コネクタ10の製造及び組み立てがあまり複雑ではなくなることが可能になる。任意の適切な製造方法を使用して、エッジローンチRF信号コネクタ10を形成し得る。エッジローンチRF信号コネクタ10は、任意の適切な導電材料から形成されてもよい。例示的な材料は、銅または他の非鉄材料、及び誘電材料を含む。適切であり得る例示的な製造プロセスは、鋳造、スタンピング、成形、機械加工などを含む。任意の適切な付加製造方法も使用されてよい。
【0042】
接地接点タブ22及びアーム24は、任意の適切な形状を有してもよい。接地接点タブ22及びアーム24は平面であり、基板14に接触する平坦な表面を有する。接地接点タブ22及びアーム24は、基板14の表面と平行に延在するため、エッジローンチRF信号コネクタ10が基板14上に組み立てられる場合、接地接点タブ22及びアーム24は、基板14の表面上で同一平面にある。
【0043】
例示的な実施形態では、接地接点タブ22及びアーム24は直線の形状である。接地接点タブ22は、主体16から延出する直線形状を有してもよい。他の例示的な実施形態では、接地接点タブ22及び/またはアーム24は、中央支持アパーチャ18に向けて半径方向内向きにテーパ状になる先細り形状などの非直線形状を有してもよい。アームは、三角形または他の多角形の形状を有するように形成されてもよい。接地接点タブ22及びアーム24の形状は、接地接点タブ22及び基板14が共通平面内で係合するように、基板14と平行である平面内に延出する。接地接点タブ22及びアーム24には多くの他の形状が適していてもよく、これらの形状は用途に依存していてもよい。
【0044】
接地接点タブ22及びアーム24がL字形状を形成するように、アーム24は接地接点タブ22が延出する方向に垂直な方向に延出してもよい。アーム24は、接地接点タブ22と比較して、L字形状のより短い脚部を形成し得る。主体16から外向きに突出する接地接点タブ22の長さL1は、主体16から外向きに突出するアーム24の長さL2よりも長い。接地接点タブ22及びアーム24はそれぞれ主体16の面30に垂直方向に延出する。主体16の面30は、主体16の軸方向最端面である。エッジローンチRF信号コネクタ10が基板14に組み立てられる場合、面30は基板14のエッジ12に面することで、面30と基板14との間にギャップ26が画定され得る。
【0045】
接地接点タブ22及びアーム24は同じ厚さを有してもよく、厚さは均一であってもよい。他の例示的な実施形態では、接地接点タブ22及びアーム24は、互いに対して異なる厚さ及び/または様々な厚さを有してもよい。厚さは、中央支持アパーチャ18の直径以下であってもよい。厚さは主体16の直径より小さい。他の例示的な実施形態では、厚さは、中央支持アパーチャ18の直径よりも大きいが、主体16の直径よりも小さくてよい。
【0046】
アーム24は、主体16の面30に沿って半径方向距離Rに、面30内の中央に配置される中央支持アパーチャ18に向かい延出する。アーム24の基部は、アーム24及び接地接点タブ22が主体16に沿って連続して延在するように、面30に取り付けられる。半径方向距離Rは用途に応じて任意の適切な距離であってもよく、半径方向距離Rは中央支持アパーチャ18に達しなくてもよい。半径方向距離Rは、面30の半径より大きくてもよく、半径方向距離Rは、アーム24の半径方向内側エッジ32と中央支持アパーチャ18との間に所定の間隔を設けるように形成されてもよい。
【0047】
接地接点タブ22の外周面34及び主体16の外周面35は、中央支持アパーチャ18から同じ半径方向距離を有する。接地接点タブ22及び主体16は合わせてコネクタ本体15の半径方向最外面を画定し得る。コネクタ本体15は任意の適切な形状を有してもよく、この形状は用途に依存してもよい。適切な形状は円筒形であってよい。コネクタ本体15は、信号ピン20が配置されるコネクタ本体15の中心軸に沿って細長くてもよい。
【0048】
コネクタ本体15には、2つの接地接点タブ22、36が含まれてもよく、それぞれが対応するアーム24、38を含む。アーム24、38のそれぞれは、コネクタ本体15と基板14との間に形成されたギャップ26の上を延在する。2つの接地接点タブ22、36は中央支持アパーチャ18の反対側の上に配置され、対称に配置されてもよい。2つの接地接点タブ22、36は、形状及びサイズが同一である。2つの接地接点タブ22、36は互いから半径方向に離隔され、2つの接地接点タブ22、36のアーム24、38は、互いに、そして中央支持アパーチャ18に向けて半径方向に延出する。接地接点タブ22、36は、接地接点タブ22、36の両方が基板14に対して同一平面にあるように、同一平面内に延在するように形成される。
【0049】
ここで
図3を参照すると、電子デバイスを基板に接続する方法40を図示するフローチャートが示される。方法40は、
図1及び
図2に示されるエッジローンチRF信号コネクタ10を使用して基板14に接地することを含み得る。方法40のステップ42は、コネクタ本体15を基板14上に配置することを含む。コネクタ本体15は、信号ピン20を支持する中央支持アパーチャ18を画定する主体16、及び接地接点タブ22、36を含む。接地接点タブ22、36は、中央支持アパーチャ18から半径方向に離隔され、主体16から突出する。
【0050】
方法40のステップ44は、接地接点タブ22、36を基板14に対して接触させて、基板14に接地させることを含む。ステップ44は、接地接点タブ22、36及びアーム24、38を基板14の表面と同一平面にあるように配置することを含み得る。方法40のステップ46は、中央支持アパーチャに向かい主体に沿って半径方向内向きに延出する少なくとも1つの接地接点タブのアーム24、38によって、基板14とコネクタ本体15との間のギャップ26を覆うことを含む。方法40のステップ48は、アーム24、38によってRF基準接地と信号ピン20との間のRF接地パス28を減少させることを含む。
【0051】
本開示は特定の好ましい1つまたは複数の実施形態を含むが、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、同等の変更及び修正が当業者に想起されることは明らかである。詳細には、前述の要素(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、組成物など)によって実行される種々の機能に関して、このような要素を説明するために用いる用語(「手段」への言及を含む)は、特に断りのない限り、本明細書で例示した典型的な実施形態または実施形態(複数)における機能を実行する開示した構造と構造的に等価でなくても、説明した要素の特定の機能を実行する(すなわち、機能的に等価な)任意の要素に対応することが意図されている。さらに、本開示の特定の特徴は、いくつかの示される実施形態のうちの1つ以上に関してのみ前述され得たが、このような特徴は、いずれの所与または特定の用途でも望ましく有利であり得るように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
【国際調査報告】