(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】高周波降圧コンバータのためのピーク電流制限管理
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
H02M3/155 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539808
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-29
(86)【国際出願番号】 US2022053513
(87)【国際公開番号】W WO2023129427
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジャンヌ マティアス パカラ
(72)【発明者】
【氏名】ジュッシ マッティ アレクシ サルッカ
(72)【発明者】
【氏名】ユハ オラヴィ ハウル
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA20
5H730AS05
5H730BB13
5H730CC01
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD51
5H730FF01
5H730FG05
5H730XX04
5H730XX15
5H730XX24
5H730XX35
(57)【要約】
降圧コンバータ(104)などの電圧コンバータのためのコントローラが、ハイサイド及びローサイドスイッチ(210、222)を有するスイッチングレギュレータ回路(112)と、出力回路(114)の電圧を基準電圧と比較するように構成されたコンパレータ(212、214、216、218)と、コンパレータに結合され、コンパレータから出力を受け取るように構成された制御回路(110)であって、ハイサイドスイッがオンであるときローサイドスイッチがオフであり、ローサイドスイッチがオンであるときハイサイドスイッチがオフであるように、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを交互に切り替えるための制御信号を生成するように構成された制御回路と、を含み、制御回路が、コンパレータからの出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするように構成されたラッチ回路を含む。確実に過電流検出する固定高周波数車載用レーダーシステムと関連して降圧コンバータを動作させる方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧コンバータのためのコントローラであって、前記コントローラが、
入力と出力とハイサイドスイッチとローサイドスイッチとを有するスイッチングレギュレータ回路であって、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが前記入力と前記出力との間に結合されている、前記スイッチングレギュレータ回路と、
前記スイッチングレギュレータ回路の前記出力に結合され、出力回路の入力に結合されるように適合された入力と、前記出力回路の電圧を基準電圧と比較するように構成されたコンパレータとを有する、電流比較回路と、
前記電流比較回路に結合され、前記コンパレータから出力を受け取るように構成された、スイッチングレギュレータ制御回路と、
を含み、
前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに前記ローサイドスイッチがオフであり、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記ハイサイドスイッチがオフであるように、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを交互にオフ及びオンにするための制御信号を生成するように構成され、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記コンパレータからの前記出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするように構成されたラッチ回路を含む、
コントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラであって、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが電界効果トランジスタを含む、コントローラ。
【請求項3】
請求項2に記載のコントローラであって、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが互いに直列に結合され、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに或る入力がインダクタの第1の端部に印加され、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記インダクタの前記第1の端部が接地に接続されるようになっている、コントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載のコントローラであって、前記出力回路を更に含み、
前記出力回路の前記入力が前記電流比較回路に結合され、
前記出力回路が、負荷に結合されるように適合される出力と、前記出力回路の前記入力と前記出力との間に結合されるインダクタとを含み、前記出力回路が、前記インダクタに結合されるコンデンサを含む、
コントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のコントローラであって、前記電流比較回路が、前記出力回路の感知電流を、上側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第1のセットと、下側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第2のセットと比較するように構成された、少なくとも4つのコンパレータを含む、コントローラ。
【請求項6】
請求項5に記載のコントローラであって、前記ラッチ回路が、前記電流制限レベルの第1のセットの下側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項7】
請求項6に記載のコントローラであって、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記コンパレータのうちの1つからの出力に対応する信号をラッチするように構成された第2のラッチ回路を含む、コントローラ。
【請求項8】
請求項7に記載のコントローラであって、前記第2のラッチ回路が、前記電流制限レベルの第2のセットの上側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項9】
請求項5に記載のコントローラであって、前記ラッチ回路が、前記電流制限レベルの第2のセットの上側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項10】
請求項9に記載のコントローラであって、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記コンパレータのうちの1つからの出力に対応する信号をラッチするように構成された第2のラッチ回路を含む、コントローラ。
【請求項11】
請求項10に記載のコントローラであって、前記第2のラッチ回路が、前記電流制限レベルの第1のセットの下側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項12】
入力電圧を出力電圧に変換するための降圧コンバータのためのコントローラであって、前記出力電圧が前記入力電圧より低く、前記コントローラが、
入力と出力とハイサイドスイッチとローサイドスイッチとを有するスイッチングレギュレータ回路であって、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが前記入力と前記出力との間で互いに直列に結合されている、前記スイッチングレギュレータ回路と、
前記スイッチングレギュレータ回路の前記出力に結合され、出力回路の入力に結合されるように適合された入力と、前記出力回路の電圧を基準電圧と比較するように構成されたコンパレータとを有する、電流比較回路と、
前記電流比較回路に結合され、前記コンパレータから出力を受け取るように構成された、スイッチングレギュレータ制御回路と、
を含み、
前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに前記ローサイドスイッチがオフであり、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記ハイサイドスイッチがオフであるように、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを交互にオフ及びオンにするための制御信号を生成するように構成され、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記出力回路における過電流状態が確実に検出されるように、前記コンパレータからの前記出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするように構成されたラッチ回路を含む、
コントローラ。
【請求項13】
請求項12に記載のコントローラであって、
前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが電界効果トランジスタを含み、
前記スイッチングレギュレータ回路が、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに或る入力がインダクタの第1の端部に印加されるように適合され、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記インダクタの前記第1の端部が接地に接続されるように、構成されている、
コントローラ。
【請求項14】
請求項13に記載のコントローラであって、前記電流比較回路が、前記出力回路の感知電流を、上側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第1のセットと、下側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第2のセットと比較するように構成された、少なくとも4つのコンパレータを含む、コントローラ。
【請求項15】
請求項14に記載のコントローラであって、前記ラッチ回路が、前記電流制限レベルの第1のセットの下側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項16】
請求項15に記載のコントローラであって、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記コンパレータのうちの1つからの出力に対応する信号をラッチするように構成された第2のラッチ回路を含む、コントローラ。
【請求項17】
請求項16に記載のコントローラであって、前記第2のラッチ回路が、前記電流制限レベルの第2のセットの上側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項18】
請求項14に記載のコントローラであって、前記ラッチ回路が、前記電流制限レベルの第2のセットの上側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項19】
請求項18に記載のコントローラであって、前記スイッチングレギュレータ制御回路が、前記コンパレータのうちの1つからの出力に対応する信号をラッチするように構成された第2のラッチ回路を含む、コントローラ。
【請求項20】
請求項19に記載のコントローラであって、前記第2のラッチ回路が、前記電流制限レベルの第2のセットの下側電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチするように構成されたラッチを含む、コントローラ。
【請求項21】
入力電圧を出力電圧に変換するための方法であって、前記出力電圧が前記入力電圧より低く、前記方法が、
ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとを提供し、前記入力電圧を前記ハイサイドスイッチに結合し、前記ローサイドスイッチを接地に結合し、前記入力電圧及び前記接地をインダクタに交互に結合することと、
前記インダクタにおける電流を表す電圧を、基準電圧と比較することと、
前記コンパレータからの出力をスイッチングレギュレータ制御回路に印加し、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに前記ローサイドスイッチがオフであり、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記ハイサイドスイッチがオフであるように、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを交互にオフ及びオンにするための制御信号を生成するために前記スイッチングレギュレータ制御回路を用い、前記インダクタにおける前記電流が確実に検出されるように、前記コンパレータからの前記出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするためにラッチ回路を用いることと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチが電界効果トランジスタを含み、前記電界効果トランジスタが、前記ハイサイドスイッチがオンであるときに或る入力がインダクタの第1の端部に印加されるように動作され、前記ローサイドスイッチがオンであるときに前記インダクタの前記第1の端部が接地に接続されている、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、感知電流を、上側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第1のセットと、下側電流制限範囲を規定する電流制限レベルの第2のセットと比較するように構成された、少なくとも4つのコンパレータを用いることを更に含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記ラッチ回路を用いることが、前記電流制限レベルの第1のセットの電流制限レベルに関連付けられた信号をラッチすることを含む、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、前記出力電圧を、高周波数車載用レーダーシステムの構成要素に印加することを更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電圧コンバータは、電子デバイスに適した出力電圧を生成するために、入力電圧を上げたり下げたりする。電圧コンバータの1つの種類はスイッチングコンバータであり、出力電圧を生成するためのターゲットのデューティサイクルにおいて1つ又は複数のトランジスタがオンにされたりオフにされたりする。降圧コンバータは、スイッチング電圧コンバータの一例である。降圧コンバータの出力電圧は、通常、入力電圧よりも低い電圧である。降圧コンバータの一例は、2020年7月31日に出願された、米国特許出願番号16/945,666(降圧コンバータのための電流制限技術(Current Limiting Technique for Buck Converters))に記載されている。米国特許出願番号16/945,666の記載全体が、本明細書において参照によって引用される。
【特許文献1】米国特許出願番号16/945,666
【発明の概要】
【0002】
本記載の一態様に従って、電圧コンバータのためのコントローラが、入力と出力との間に結合されたハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを有するスイッチングレギュレータ回路と、出力回路の電圧を基準電圧と比較するように構成されたコンパレータを有する電流比較回路と、電流比較回路に結合され、コンパレータからの出力を受け取るように構成されたスイッチングレギュレータ制御回路と、を含む。スイッチングレギュレータ制御回路は、ハイサイドスイッチがオンであるときにローサイドスイッチがオフであり、ローサイドスイッチがオンであるときにハイサイドスイッチがオフであるように、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを交互にスイッチングするための制御信号を生成するように構成される。スイッチングレギュレータ制御回路は、コンパレータからの出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするように構成されたラッチ回路を含む。
【0003】
本記載の別の態様に従って、降圧コンバータのためのコントローラが、入力電圧を出力電圧に変換するように構成される。出力電圧は入力電圧より低い。コントローラは、入力と、出力と、入力と出力との間に互いに直列に結合されるハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチと、を有するスイッチングレギュレータ回路と、スイッチングレギュレータ回路の出力に結合され、出力回路の入力に結合されるように適合された入力と、出力回路の電圧を基準電圧と比較するように構成されたコンパレータとを有する、電流比較回路と、電流比較回路に結合され、コンパレータからの出力を受け取るように構成されたスイッチングレギュレータ制御回路とを含む。スイッチングレギュレータ制御回路は、ハイサイドスイッチがオンであるときにローサイドスイッチがオフであり、ローサイドスイッチがオンであるときにハイサイドスイッチがオフであるように、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチを交互にスイッチングするための制御信号を生成するように構成され、スイッチングレギュレータ制御回路は、出力回路における電流が確実に検出されるように、コンパレータからの出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするように構成されたラッチ回路を含む。
【0004】
本記載の別の態様に従って、入力電圧が出力電圧に変換され、出力電圧は入力電圧よりも低く、この変換の方法は、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを提供し、入力電圧をハイサイドスイッチに結合し、ローサイドスイッチを接地に結合し、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとを交互にインダクタに結合することと、インダクタにおける電流を表す電圧を基準電圧と比較することと、ハイサイドスイッチがオンであるときにローサイドスイッチがオフになり、ローサイドスイッチがオンであるときにハイサイドスイッチがオフになるように、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチを交互にオフ及びオンに切り替えるための制御信号を生成するためにスイッチングレギュレータ制御回路を用いて、スイッチングが高周波数で行われたときでも、インダクタにおける過電流状態が確実に検出されるように、コンパレータからの出力のうちの少なくとも1つに対応する信号をラッチするためのラッチ回路を用いて、コンパレータからの出力をスイッチングレギュレータ制御回路に印加することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】電源と電圧コンバータと負荷とを含むシステムの一例のブロック図である。
【0006】
【0007】
【
図3】
図1の電圧コンバータのための制御回路の回路図である。
【0008】
【
図4】
図3の制御回路を動作させる方法のフローチャートである。
【0009】
【
図5】
図1の電圧コンバータを動作させる方法のためのタイミング図である。
【0010】
【
図6】
図1の電圧コンバータを動作させる方法の別のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記のように、スイッチング電圧コンバータは、コンバータの出力電圧を調整するためのスイッチとして動作される、1つ又は複数のトランジスタを含む。例えば、降圧コンバータが2つのスイッチングトランジスタを含み、ハイサイドトランジスタが、スイッチングノードにおいてローサイドトランジスタに結合される。トランジスタは、完全にオンであるか完全にオフであるときには、ごくわずかな電力しか消費しない。しかしながら、トランジスタは、オン又はオフにされている間に「スイッチング損失」と呼ばれる電力を消費する。また、トランジスタは、トランジスタと負荷との間に結合される出力回路のため、高リンギング電圧又は電圧スパイクの影響を受けやすい場合がある。出力回路は、例えば、第1のトランジスタ(例えば、ハイサイドトランジスタ)がオン状態を有し、第2のトランジスタ(例えば、ローサイドトランジスタ)がオフ状態を有することに応答してエネルギーを蓄積し始めるインダクタを含み得る。トランジスタの状態が切り替わることに応答して、インダクタに蓄積されたエネルギーが、負荷への電流を維持するために消散し始め得、それゆえ、トランジスタと出力回路とが結合されるスイッチングノードで、電圧スパイクが生じ得る。電圧スパイクによって、トランジスタ又は他の構成要素の欠陥が生じる場合があり、或いは、負荷への電流における対応するスパイクが引き起こされる場合があり、また、負荷を損傷させたり、負荷の動作に干渉したりする場合がある。
【0012】
一例において、電圧コンバータは、とりわけ、スパイクノイズが発生していないときなど、測定情報が信頼性の高いものであろうときにのみ測定に応答することによって、電圧スパイクの管理を助けるための電流比較回路を含む。電流比較回路は、出力回路の電流に関連付けられた電圧を、電流制限レベルに関連付けられた基準電圧と比較するためのコンパレータを含み得る。出力回路の電流に関連付けられた電圧が、スイッチングノードで測定され得、これは感知電圧と称され得る。出力回路の電流が増加すると、感知電圧は低下する。出力回路の電流が電流制限レベルを上回っているか否かを判定するために、電流比較回路は、感知電圧が基準電圧より低いか否かを判定し得る。電流制限レベルは、電圧コンバータに結合されるように適合される負荷に供給するのに必要な電流よりもわずかに高い値に設定され得る。
【0013】
電流比較回路はまた、感知電圧を、第2の電流制限レベルに関連付けられた第2の基準電圧と比較するための第2のコンパレータを含み得る。出力回路の電流が低下すると、感知電圧は増加する。出力回路の電流が電流制限レベルを下回っているか否かを判定するために、電流比較回路は、感知電圧が第2の基準電圧より大きいか否かを判定し得る。第2の電流制限レベルは、特定のシステム又はデバイスのための任意の適切な基準に従って選択された電流よりもわずかに低い値に設定され得る。
【0014】
本明細書において例として説明される電圧コンバータは、出力回路の電流が上側電流制限レベルと下側電流制限レベルとの間にとどまるように、出力回路の電流を制限する。電流制限レベルは、例えば、電流制限レベルの第1のセットと、電流制限レベルの第2のセットとを含み得る。電流制限レベルの第1のセットは、出力回路の電流が動作する上側電流制限範囲を規定し得、電流制限レベルの第2のセットは、出力回路の電流が動作する下側電流制限範囲を規定し得る。各電流制限範囲は、上側電流制限レベルと下側電流制限レベルとを含む。例えば、上側電流制限範囲は、5アンペア(A)の上側電流制限レベルと、4Aの下側電流制限レベルとを含み得、下側電流制限範囲は、-2Aの下側電流制限レベルと、-1Aの上側電流制限レベルとを含み得る。ただし、これらは例示である。本記載は、例示の目的で述べられた数値に限定されない。
【0015】
図1は、電圧コンバータ104を有するシステム100の一例のブロック図である。電圧コンバータ104は、例えば、車載用レーダー装置に電力を供給するための固定高周波数降圧コンバータとし得る。一例において、電圧コンバータのスイッチング周波数は、15MHzより大きいか又は20MHzより大きい。特定の例において、スイッチング周波数は21.12MHzである。しかしながら、繰り返しになるが、本記載は本明細書で述べられた数値に限定されない。特許請求される主題の範囲は、添付の請求項に従って定義される。システム100は、電圧コンバータを含む任意のシステム又はデバイス、特に、高周波数ステップダウンコンバータ(例えば、降圧コンバータ)を含む任意のシステム又はデバイス、を表し得る。従って、システム100は、出力電流が、適用可能な安全性及びその他の規格を順守するための許容範囲内にあるように、出力電流を制限することよって利点を得ることができる。
【0016】
図1に図示するシステム100は、電源102と、電圧コンバータ104と、負荷116とを含む。図示の構成では、電源102は電圧コンバータ104に結合される。電源102は、DC電圧を電圧コンバータ104に供給することができる任意のデバイスとし得る。例えば、電源102は、電力蓄積構成要素(例えば、バッテリ)、又はAC-DCコンバータとし得る。AC-DCコンバータとして、電源は、AC電圧をDC電圧に変換するように構成される整流回路(例えば、オルタネータ)を含み得る。電圧コンバータ104は、電源102から入力電圧VINを受け取り、調整された出力電圧VOUTを負荷116に供給する。
図1の例において、電圧コンバータ104は、電流比較回路108と、スイッチングレギュレータ制御回路110と、スイッチングレギュレータ回路112と、出力回路114とを含む。電流比較回路108、スイッチングレギュレータ制御回路110、及びスイッチングレギュレータ回路112は、電圧コンバータ104のためのコントローラの要素である。負荷116は、電圧コンバータ104からの出力電圧VOUTを受け取り、出力電圧VOUTにより電力供給されるように適合された、任意の適切な構成要素、回路、又はデバイスとし得る。例えば、負荷116は、車載用レーダー装置であってもよく、又はその構成要素であってもよい。
【0017】
動作において、電源102は、電圧コンバータ104による処理のために、入力電圧VINを電圧コンバータ104に出力する。電圧コンバータ104は、入力電圧VINを処理し、出力電圧VOUTを負荷116に出力する。電流比較回路108は、出力回路114の電流が電流制限レベルを越えたとの指示に応答して、電圧コンバータ104にトランジスタのスイッチをオンにさせることを可能とする。スイッチングレギュレータ制御回路110は、電流比較回路108からの1つ又は複数の信号に応答して、スイッチングレギュレータ回路112を駆動する。スイッチングレギュレータ制御回路110の出力信号に応答して、スイッチングレギュレータ回路112は、トランジスタの状態を、交互に切り替える様態で切り替える。出力回路114は、スイッチングレギュレータ回路112の電圧を調整及びフィルタリングして、電流制限レベル内の電流を有する出力電圧VOUTを生成する。負荷116は、少なくとも部分的に、出力電圧VOUTに従って動作する。電圧コンバータ104が、降圧コンバータなどのステップダウンコンバータである例において、出力電圧VOUTは入力電圧VINよりも低い。
【0018】
図2は、電圧コンバータ104の例示の回路図である。
図1に関して上記するように、電圧コンバータ104は、電流比較回路108と、スイッチングレギュレータ制御回路110と、スイッチングレギュレータ回路112と、出力回路114とを含む。電圧コンバータ104はまた、ループコンパレータ200を含み得る。
【0019】
動作において、電流比較回路108は、複数の基準電圧を受け取り、スイッチングレギュレータ制御回路110、スイッチングレギュレータ回路112、及び出力回路114に結合されている。各基準電圧は、それぞれの電流制限レベルに関連付けられている。異なる電流制限レベルは、特定用途向けであり、任意の適切な基準を用いて判定され得る。例えば、第1及び第2の電流制限レベルが、電圧コンバータ104の出力電流についての上側電流制限範囲を判定し得、第3及び第4の電流制限レベルが、電圧コンバータ104の出力電流についての下側電流制限範囲を判定し得る。基準電圧は、そのような電圧を供給するように構成された任意の適切な構成要素、回路、又はデバイスによって供給され得る。
【0020】
図示の電流比較回路108は、第1のコンパレータ212、第2のコンパレータ214、第3のコンパレータ216、及び第4のコンパレータ218を含む。第1のコンパレータ212の非反転端子が、基準電圧5A_ref_voltageを受け取る。基準電圧5A_ref_voltageは、例えば、5Aの電流制限レベルに関連付けられていてもよい。第1のコンパレータ212の反転端子が、スイッチングノード220、ハイサイド(HS)トランジスタ(HSスイッチの一例)210のソース、ローサイド(LS)トランジスタ(LSスイッチの一例)222のドレイン、及びインダクタ224の第1の端部に結合される。第1のコンパレータ212の出力端子が、第1のANDゲート213の入力に適用される。ハイサイドゲート信号HS_gateが、第1のANDゲート213の別の端子に適用される。第1のANDゲート213の出力端子が、スイッチングレギュレータ制御回路110の入力HS_pos_compに結合される。図示の例において、スイッチングノード220で感知された電流が5Aより大きく、ハイサイドゲート信号HS_gateがハイであるとき、スイッチングレギュレータ制御回路110の入力HS_pos_compはハイである。そうでない場合、入力HS_pos_compはローである。
【0021】
第2のコンパレータ214の非反転端子が、第2の基準電圧4A_ref_voltageを受け取る。第2の基準電圧4A_ref_voltageは、例えば、4Aの電流制限レベルに関連付けられていてもよい。第2のコンパレータ214の反転端子が、スイッチングノード220に結合される。第2のコンパレータ214の出力端子が、第2のANDゲート215の入力に適用される。ローサイドゲート信号LS_gateが、第2のANDゲート215の別の入力端子に適用される。第2のANDゲート215の出力端子が、スイッチングレギュレータ制御回路110の第2の入力LS_pos_compに結合される。図示の例において、スイッチングノード220で感知された電流が4Aより大きく、ローサイドゲート信号LS_gateがハイであるとき、スイッチングレギュレータ制御回路110の第2の入力LS_pos_compはハイである。そうでない場合、第2の入力LS_pos_compはローである。
【0022】
第3のコンパレータ216の反転端子が、第3の基準電圧-1A_ref_voltageを受け取る。第3の基準電圧-1A_ref_voltageは、例えば、-1Aの電流制限レベルに関連付けられていてもよい。第3のコンパレータ216の非反転端子が、スイッチングノード220に結合される。第3のコンパレータ216の出力端子が、第3のANDゲート217の入力に適用される。ハイサイドゲート信号HS_gateは、第3のANDゲート217の別の入力端子に適用される。第3のANDゲート217の出力端子が、スイッチングレギュレータ制御回路110の第3の入力HS_neg_compに結合される。図示の例において、スイッチングノード220で感知された電流が-1Aより低く、ハイサイドゲート信号HS_gateがハイであるとき、スイッチングレギュレータ制御回路110の第3の入力HS_neg_compはハイである。そうでない場合、第3の入力HS_neg_compはローである。
【0023】
第4のコンパレータ218の反転端子が、第4の基準電圧-2A_ref_voltageを受け取る。第4の基準電圧-2A_ref_voltageは、例えば、-2Aの電流制限レベルに関連付けられていてもよい。第4のコンパレータ218の非反転端子がスイッチングノード220に結合されており、第4のコンパレータ218の出力端子が、第4のANDゲート219の入力に適用される。ローサイドゲート信号LS_gateは、第4のANDゲート213の別の入力端子に適用される。第4のANDゲート213の出力端子が、スイッチングレギュレータ制御回路110の第4の入力LS_neg_compに結合される。図示の例において、スイッチングノード220で感知された電流が-2Aより低く、ローサイドゲート信号LS_gateがハイであるとき、スイッチングレギュレータ制御回路110の第4の入力LS_neg_compはハイである。そうでない場合、第4の入力LS_neg_compはローである。
【0024】
スイッチングレギュレータ制御回路110は、電流比較回路108と、スイッチングレギュレータ回路112とに結合されている。スイッチングレギュレータ制御回路110はまた、ループコンパレータ200の出力に結合されるループ入力Loop_compを含む。それゆえ、スイッチングレギュレータ制御回路110は、複数の入力と、スイッチングレギュレータ回路112の駆動回路226に結合される出力227とを含む。PWM信号Buck_PWMが、スイッチングレギュレータ制御回路110の出力227において提供され、駆動回路226に印加される。
【0025】
スイッチングレギュレータ回路112は、入力電圧VINを受け取り、スイッチングレギュレータ制御回路110、出力回路114、及び電流比較回路108に結合される。図示の構成において、スイッチングレギュレータ回路112は、駆動回路226と、ハイサイド(HS)トランジスタ210と、ローサイド(LS)トランジスタ222とを含む。図示の例において、トランジスタ210、222は、電界効果トランジスタ(FET)であり、好ましくは高電圧n型チャネルFET(NFET)である。駆動回路226は、スイッチングレギュレータ制御回路110の出力227と、HSトランジスタ210のゲート端子と、LSトランジスタ222のゲート端子とに結合される。駆動回路226は、ゲート信号HS_gate、LS_gateを、HS及びLSトランジスタ210、222のゲート端子に印加する。駆動回路226は、HSトランジスタ210がオンであるときにLSトランジスタがオフであり、HSトランジスタ210がオフであるときにLSトランジスタ222がオンであるように、トランジスタ210、222を交互に切り替えるように構成される、任意の適切な回路とし得る。
【0026】
HSトランジスタ210のドレイン端子が入力電圧VINを受け取る。HSトランジスタ210のソース端子は、LSトランジスタ222のドレイン端子、スイッチングノード220、インダクタ224の第1の端部、第1及び第2のコンパレータ212、214の反転端子、並びに第3及び第4のコンパレータ216、218の非反転端子に結合される。LSトランジスタ222のソース端子が接地端子に結合される。
【0027】
出力回路114は、負荷116(
図1)に結合されるように適合されており、電流比較回路108(
図2)とスイッチングレギュレータ回路112とに結合される。図示の構成では、出力回路114は、スイッチングノード220と、インダクタ224と、出力ノード211と、コンデンサ228とを含む。インダクタ224の第1の端部は、スイッチングノード220、第1及び第2のコンパレータ212、214の反転端子、第3及び第4のコンパレータ216、218の非反転端子、HSトランジスタ210のソース端子、及びLSトランジスタ222のドレイン端子に結合される。インダクタ224の第2の端部が、負荷116(
図1)に結合されるように適合されており、コンデンサ228の第1の端部、出力ノード211、及び適切な補償器201に結合される。コンデンサ228の第2の端子が接地端子に結合される。出力電圧VOUTは、出力ノード211において提供される。
【0028】
ループコンパレータ200は、スイッチングレギュレータ制御回路110及び補償器201に結合されている。動作において、基準電圧V_refが、ループコンパレータ200の非反転端子に印加される。基準電圧V_refは、補償器201によって供給され得る。図示の構成において、補償器201は、電圧コンバータ104のためのコントローラの要素である。基準電圧V_refは、帰還電圧閾値と称され得る。図示の構成において、ループコンパレータ200の反転端子は、補償器201からの帰還電圧V_fbに結合されている。帰還電圧V_fbは、出力ノード211における電圧に対応し、コンパレータ200の出力端子は、スイッチングレギュレータ制御回路110の対応する入力Loop_compに結合されている。ループ入力Loop_compは、出力電圧VOUTを表す帰還電圧V_fbが基準電圧V_refよりも低いときにハイである。そうでない場合、ループ入力Loop_compはローである。
【0029】
ここで、電流比較回路108の動作を、特定の例に関してより詳細に記載する。第1の基準電圧5A_ref_voltageは、例えば、5Aのターゲットのインダクタ電流に関連付けられ得る。インダクタ電流は、インダクタ224の電流であり、出力回路114の電流と称され得る。図示の構成において、第1の基準電圧5A_ref_voltageは、システム又はデバイスを動作させるのに必要な電流レベルよりわずかに大きい電流に対応する電流制限レベルに関連付けられている。例えば、基準電圧5A_ref_voltageは、システム又はデバイスを動作させるのに必要な電流よりも0.5A大きい電流制限レベルに関連付けられてもよい。図示の構成において、所望の最大インダクタ電流は4.5Aであり、これは上側電流制限範囲の2つの電流制限レベル(4A及び5A)間の中間である。しかしながら、本記載は、例示のために本明細書に記載される特定の数値に限定されない。いくつかの例において、基準電圧5A_ref_voltageは、特定用途向けであり、特定のシステム又はデバイスについての適切な基準に従って選択されてもよい。
【0030】
第1のコンパレータ212は、基準電圧5A_ref_voltageを、スイッチングノード220において提供された感知電圧と比較する。上記のように、感知電圧は、出力回路114の電流に関連付けられている。出力回路114の電流はスイッチングノード220で測定されるため(トランジスタ210、222は出力回路114に結合されている)、出力回路114の電流は、出力回路114の入力電流と称され得る。比較に基づいて、第1のコンパレータ212は、基準電圧5A_ref_voltageが感知電圧よりも大きいか小さいかを示す出力信号を生成する。ハイサイドゲート信号HS_gateがハイであるとき、第1のコンパレータ212の出力信号が、スイッチングレギュレータ制御回路110の第1の入力HS_pos_compに提供される。
【0031】
第2の基準電圧4A_ref_voltageは、例えば、4Aのターゲットのインダクタ電流に関連付けられてもよい。いくつかの例において、第2の基準電圧4A_ref_voltageは、HSトランジスタ210がオンに切り替わったことに応答して感知電圧が第1の基準電圧5A_ref_voltageよりも低くなることを防止するために信頼性の高い電流感知情報が利用可能であることを確実にするために必要な電流よりもわずかに低い電流制限レベルに関連付けられている。例えば、第2の基準電圧4A_ref_voltageは、HSトランジスタ210がオンに切り替わったことに応答して感知電圧が第1の基準電圧5A_ref_voltageよりも低くなることを防止するために信頼性の高い電流感知情報が利用可能であることを確実にするために必要な電流よりも0.2A低い電流制限レベルに関連付けられてもよい。
【0032】
いくつかの例において、第2の基準電圧4A_ref_voltageは特定用途向けであり、特定のシステム又はデバイスについての適切な基準に従って選択される。複数の例において、第1の基準電圧5A_ref_voltage及び第2の基準電圧4A_ref_voltageは、インダクタ電流が動作する上側電流制限範囲の上側電流制限レベル及び下側電流制限レベルにそれぞれ対応する。第2のコンパレータ214は、第2の基準電圧4A_ref_voltageを感知電圧と比較する。その比較に基づいて、第2のコンパレータ214は、第2の基準電圧4A_ref_voltageが感知電圧よりも大きいか小さいかを示す出力信号を生成する。ローサイドゲート信号LS_gateがハイであるとき、第2のコンパレータ214の出力信号は、スイッチングレギュレータ制御回路110の第2の入力LS_pos_compに提供される。
【0033】
図示の構成において、第3のコンパレータ216の反転端子に供給される、第3の基準電圧-1A_ref_voltageは、例えば、-1Aのターゲットのインダクタ電流に関連付けられている。いくつかの例において、第3の基準電圧-1A_ref_voltageは、LSトランジスタ222がオンに切り替わったことに応答して感知電圧が第4の基準電圧-2A_ref_voltageよりも大きい値を有することを防止するために信頼性の高い電流感知情報が利用可能であることを確実にするために必要な電流よりもわずかに高い電流制限レベルに関連付けられている。例えば、第3の基準電圧-1A_ref_voltageは、LSトランジスタ222がオンに切り替わったことに応答して感知電圧が第4の基準電圧-2A_ref_voltageを超えることを防止するために信頼性の高い電流感知情報が利用可能であることを確実にするために必要な電流よりも0.2A高い電流制限レベルに関連付けられている。いくつかの例において、第3の基準電圧-1A_ref_voltageは特定用途向けであり、特定のシステム又はデバイスについての適切な基準に従って選択される。第3のコンパレータ216は、第3の基準電圧-1A_ref_voltageを、感知電圧と比較する。その比較に基づいて、第3のコンパレータ216は、基準電圧-1A_ref_voltageが感知電圧よりも大きいか小さいかを示す出力信号を生成する。ハイサイドゲート信号HS_gateがハイであるとき、第3のコンパレータ216の出力信号は、スイッチングレギュレータ制御回路110の第3の入力HS_neg_compに提供される。
【0034】
第4の基準電圧-2A_ref_voltageは、例えば、-2Aの電流制限レベルに関連付けられ得る。いくつかの例において、第4の基準電圧-2A_ref_voltageは、システム又はデバイスが動作するために必要な最小電流よりわずかに低い電流制限レベルに関連付けられている。例えば、第4の基準電圧-2A_ref_voltageは、システム又はデバイスを動作させるのに必要な電流よりも0.5A低い電流制限レベルに関連付けられ得る。基準電圧-2A_ref_voltageは、特定のシステム又はデバイスについての適切な基準に従って選択され得る。第3の基準電圧-1A_ref_voltage及び第4の基準電圧-2A_ref_voltageは、例えば、その中でインダクタ電流が動作する下側電流制限範囲の上側電流制限制限レベル及び下側電流制限制限レベルであり得る。第4のコンパレータ218は、第4の基準電圧-2_ref_voltageを感知電圧と比較する。その比較に基づいて、第4のコンパレータ218は、第4の基準電圧-2A_ref_voltageが感知電圧よりも大きいか小さいかを示す出力信号を生成する。ローサイドゲート信号LS_gateがハイであるとき、第4のコンパレータ218によって生成された出力信号は、スイッチングレギュレータ制御回路110の第4の入力LS_neg_compに提供される。
【0035】
スイッチングレギュレータ回路112及び出力回路114の特定の動作を、これより説明する。駆動回路226は、スイッチングレギュレータ制御回路110からPWM信号Buck_PWMを入力として受け取る。PWM信号Buck_PWMが、ハイサイド(HS)トランジスタ210をイネーブルすべきと示していることに応答して、駆動回路226は、HSトランジスタ210のゲート端子をハイに駆動し、ローサイド(LS)トランジスタ222のゲート端子をローに駆動する。HSトランジスタ210のゲート端子がハイであることに応答して、HSトランジスタ210は、HSトランジスタ210のドレイン端子からHSトランジスタ210のソース端子へ電流が伝播することを可能とし、又は、HSトランジスタ210のソース端子からHSトランジスタ210のドレイン端子へ負のインダクタ電流が伝播することが可能とされ、HSトランジスタ210はオンとして説明する。
【0036】
LSトランジスタ222のゲート端子がローであることに応答して、LSトランジスタ222は、LSトランジスタ222のドレイン端子からLSトランジスタ222のソース端子へ電流が伝播することを防止し、LSトランジスタ222はオフとして記載される。動作において、HSトランジスタ210がオンであり、LSトランジスタ222がオフであることに応答して、電流が、HSトランジスタ210を介してスイッチングノード220に、インダクタ224を介して伝播する。電流がインダクタ224を介してコンデンサ228に伝播すると、エネルギーがインダクタ224内に蓄積され、コンデンサ228が電荷を蓄え、出力電圧VOUTが出力ノード211において提供される。出力回路114の入力電流がスイッチングノード220において提供され、対応する感知電圧はスイッチングノード220で測定され得る。
【0037】
PWM信号Buck_PWMが、HSトランジスタ210が無効とされるべきと指示していることに応じて、駆動回路226は、HSトランジスタ210のゲート端子をローに駆動し、LSトランジスタ222のゲート端子をハイに駆動する。HSトランジスタ210のゲート端子がローであることに応答して、HSトランジスタ210を介して伝播する電流はない。LSトランジスタ222のゲート端子がハイであることに応答して、電流は、LSトランジスタ222を介して伝播されることが許容される。それゆえ、LSトランジスタ222がオンに切り替わることに応答して、インダクタ224の蓄積されたエネルギーが消散し始め、インダクタ電流が低下する。低下するインダクタ電流はスイッチングノード220において提供され、対応する感知電圧がスイッチングノード220で測定され得る。
【0038】
ループコンパレータ200の動作が、これより説明される。ループコンパレータ200は、基準電圧V_refを帰還電圧V_fbと比較する。(基準電圧V_ref及び帰還電圧V_fbは、補償器201によって生成される。)その比較に基づいて、コンパレータ200は、帰還電圧V_fbが基準電圧V_refより大きいか小さいかを示す出力信号を生成する。コンパレータ200の出力信号は、スイッチングレギュレータ制御回路110の対応する入力Loop_compに提供される。それゆえ、ループ入力Loop_compは、帰還電圧V_fbが基準電圧V_refを下回るとトリガし、インダクタ電流ピーク値を規定する。
【0039】
これより
図3を参照すると、スイッチングレギュレータ制御回路110は、第1のORゲート302と、第2のORゲート304と、第3のORゲート306と、第1のANDゲート308と、第2のANDゲート310(適切な論理ゲートの例)とを有し得る。(電流比較回路108からの)第1の入力HS_pos_comp及び第2の入力LS_pos_compは、第1のORゲート302の入力に印加される。ブランキング信号HS_blank及びLS_blankは、第2のORゲート304の入力に印加される。(電流比較回路108からの)第3の入力HS_neg_comp及び第4の入力LS_neg_compは、第3のORゲート306の入力に印加される。
【0040】
それゆえ、スイッチングノード220(
図2)で感知された電流が、第1の基準電圧5A_ref_voltage及び第2の基準電圧4A_ref_voltageに関連付けられた電流のいずれかよりも大きい場合、対応するハイサイド動作又はローサイド動作の間、第1のORゲート302(
図3)の出力はハイである。そうでない場合、第1のORゲート302の出力はローである。ブランキング信号HS_blank、LS_blankのいずれか又は両方がハイであるとき、第2のORゲート304の出力OCP_blankはハイである。そうでない場合、第2のORゲート304の出力OCP_blankはローである。スイッチングノード220(
図2)で感知された電流が第3の基準電圧-1A_ref_voltage及び第4の基準電圧-2A_ref_voltageに関連付けられる電流のいずれかよりも低い場合、対応するハイサイド動作又はローサイド動作の間、第3のORゲート306の出力はハイである。そうでない場合、第3のORゲート306の出力はローである。
【0041】
第1のORゲート302の出力は、第1のANDゲート308の第1の入力に印加され、第2のORゲート304の出力OCP_blankは、第1のANDゲート308の反転入力に印加される。第3のORゲート306の出力が第2のANDゲート310の第1の入力に印加され、第2のORゲート304の出力OCP_blankが第2のANDゲート310の反転入力に適用される。結果として、第2のORゲート304の出力OCP_blankがハイである場合(ブランキング信号HS_blank、LS_blankのうちの少なくとも1つがハイであるため)、第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blanked及び第2のANDゲート310のNeg_ocp_blankedは両方ともローである。
【0042】
(1)スイッチングノード220(
図2)で感知された電流が、対応するハイサイド動作又はローサイド動作の間、第1の基準電圧5A_ref_voltage及び第2の基準電圧4A_ref_voltageに関連付けられる電流のうちの少なくとも1つより大きい、(2)ブランキング信号HS_blank、LS_blankのいずれもがハイでないとき、第1のORゲート302の出力がハイであり、第2のORゲート304の出力OCP_blankがローであるときに、それによって、第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedはハイである。同様に、(1)スイッチングノード220(
図2)で感知された電流が、対応するハイサイド動作又はローサイド動作の間第3の基準電圧-1A_ref_voltage及び第4の基準電圧-2A_ref_voltageに関連付けられる電流のうちの少なくとも1つより低い、(2)ブランキング信号HS_blank、LS_blankのいずれもがハイでないとき、第3のORゲート306の出力がハイであり、第2のORゲート304の出力OCP_blankがローであるときに、それによって、第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedはハイである。ANDゲート308の出力Pos_ocp_blanked、ANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedは、スイッチ制御論理回路312(これ以降により詳細に記載)に印加される。
【0043】
また、対応するトランジスタ210、222が、インダクタ電流を確実に感知するための充分に長いHS及びLS周期を提供するために導電している限り、スイッチングレギュレータ制御回路110は、制御論理がPWM信号Buck_PWMを変更した後にコンパレータの監視を可能にするための第1の回路314及び第2の回路316を有する。第1のそのような回路314(ラッチ回路の一例)は、第1のANDゲート318、第2のANDゲート320、及び第3のANDゲート322と、NORゲート324と、セット-リセットラッチ326と、ORゲート328(デジタル論理要素の例)とを有する。第2の入力LS_pos_compは、第1のANDゲート318の第1の入力に印加され、第2のブランキング信号LS_blankは、第1のANDゲート318の反転入力に印加される。(1)スイッチングノード220で感知された電流が第2の基準電圧4A_ref_voltageに関連付けられた電流よりも大きく、(2)(第2のコンパレータ関連のANDゲート215に印加される)ローサイドゲート信号LS_gateがハイであり、(3)第2のブランキング信号LS_blankがローであるとき、第1のANDゲート318の出力LS_pos_ocp_blankedはハイである。そうでない場合、第1のANDゲート318の出力LS_pos_ocp_blankedはローである。
【0044】
第1のANDゲート318の出力LS_pos_ocp_blankedはNORゲート324の第1の入力に印加され、PWM信号Buck_PWMはNORゲート324の別の入力に印加される。動作において、第1のANDゲート318の出力LS_pos_ocp_blankedがローであり、PWM信号Buck_PWMもまたローであるとき、NORゲート324の出力はハイである。そうでない場合、NORゲート324の出力はローである。
【0045】
第1のANDゲート318の出力LS_pos_ocp_blankedはまた、ラッチ326のセット端子Sにも印加される。NORゲート324の出力は、ラッチ326のリセット端子Rに印加される。ラッチ326は、第3のANDゲート322の第1の出力に印加される出力Pos_ocp_ls_late_latchを生成する。ローサイド最小時間信号LS_min_on(以下に更に記載)が、第3のANDゲート322の第2の入力に印加される。
【0046】
第1の入力HS_pos_compは、第2のANDゲート320の第1の入力に印加され、第1のブランキング信号HS_blankは第2のANDゲート320の反転入力に印加される。第1の入力HS_pos_compがハイであり、第1のブランキング信号HS_blankがローであるとき、第2のANDゲート320の出力HS_pos_ocp_blankedはハイである。そうでない場合、第2のANDゲート320の出力HP_pos_ocp_blankedはローである。第3のANDゲート322及び第2のANDゲート320の出力と、付加的なANDゲート329からの信号が、ORゲート328の入力に印加される。第1のANDゲート308からの出力Pos_ocp_blankedがハイであり、PWM信号Buck_PWMがハイであるとき、付加的なANDゲート329の出力はハイである。第3のANDゲート322の出力がハイであり、第2のANDゲート320の出力HS_pos_ocp_blankがハイであり、及び/又は付加的なANDゲート329の出力がハイであるとき、ORゲート328の出力POS_ocp_setはハイである。
【0047】
第2の有効化回路316(ラッチ回路の別の例)は、第1、第2、及び第3のANDゲート330、332、334と、第4のANDゲート336と、ラッチ338と、ORゲート340(デジタル論理回路の例)とを有する。第3の入力HS_neg_compは、第2のANDゲート332の第1の入力に印加され、第1のブランキング信号HS_blankは第2のANDゲート332の反転入力に印加される。(1)スイッチングノード220で感知された電流が第3の基準電圧-1A_ref_voltageに関連付けられた電流よりも低く、(2)(第3のコンパレータ関連のANDゲート217に印加される)HSゲート信号HS_gateがハイであり、(3)第1のブランキング信号HS_blankがローであるとき、第2のANDゲート332の出力HS_neg_ocp_blankedはハイである。そうでない場合、第2のANDゲート332の出力HS_neg_ocp_blankedはローである。
【0048】
第2のANDゲート332の出力HS_neg_ocp_blankedは第4のANDゲート336の反転入力に印加され、PWM信号Buck_PWMはANDゲート336の非反転入力に印加される。第2のANDゲート332の出力HS_neg_ocp_blankedがローであり、PWM信号Buck_PWMがハイであるとき、第4のANDゲート336の出力はハイである。そうでない場合、第4のANDゲート336の出力はローである。
【0049】
第2のANDゲート332の出力HS_neg_ocp_blankedは、ラッチ338のセット端子Sに印加される。第4のANDゲート336の出力は、ラッチ338のリセット端子Rに印加される。ラッチ338は、第3のANDゲート334の第1の入力に印加された出力Neg_ocp_hs_late_latchを生成する。ハイサイド最小時間信号HS_min_on(より詳細に後述する)が、第3のANDゲート334の第2の入力に印加される。
【0050】
同時に、第4の入力LS_neg_compが第1のANDゲート330の第1の入力に印加され、第2のブランキング信号LS_blankは第1のANDゲート330の反転入力に印加される。第4の入力LS_neg_compがハイであり、第2のブランキング信号LS_blankがローであるとき、第1のANDゲート330の出力LS_neg_ocp_blankedはハイである。そうでない場合、第1のANDゲート330の出力LS_neg_ocp_blankedはローである。第3のANDゲート334の出力、第1のANDゲート330の出力LS_neg_ocp_blanked、及び付加的なANDゲート335からの信号が、ORゲート340の入力に印加される。第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedがハイであり、PWM信号Buck_PWMがローであるとき、付加的なANDゲート335の出力はハイである。第3のANDゲート334の出力がハイであり、第1のANDゲート330の出力LS_neg_ocp_blankedがハイであり、及び/又は付加的なANDゲート335の出力がハイであるとき、ORゲート340の出力Neg_ocp_setはハイである。そうでない場合、ORゲート340の出力Neg_ocp_setはローである。
【0051】
レイトラッチング(326)が、第1の有効化回路314において、第2の入力LS_pos_compに関連付けられた信号に適用されるが、第1の入力HS_pos_compに関連付けられた信号には適用されない。第1の入力HS_pos_compに関連付けられた電流レベル制限は、第2の入力LS_pos_compに関連付けられた電流レベル制限よりも大きい。同様に、レイトラッチング(338)が、第2の有効化回路316において、第3の入力HS_neg_compに関連付けられた信号に適用されるが、第4の入力LS_neg_compに関連付けられた信号には適用されない。第4の入力LS_neg_compに関連付けられた電流レベル制限は、第3の入力HS_neg_compに関連付けられた電流レベル制限よりも小さい。
【0052】
第1及び第2の有効化回路314、316のORゲート328、340の出力Pos_ocp_set、Neg_ocp_setは、それぞれの付加的なラッチ360、362のセット端子Sに印加される。HSトリガ信号HS_trigger及びLSトリガ信号LS_trigger(より詳細に下に記載)は、付加的なラッチ360、362のそれぞれのリセット端子Rに印加される。付加的なラッチ360、362のラッチされた出力Pos_ocp_latched、Neg_ocp_latchedは、クロックタイミング信号Clk_sw及びループコンパレータ200(
図2)からの入力Loop_compと同様に、スイッチ制御論理回路312に印加される。
【0053】
第1及び第2の付加的なラッチ360、362のラッチされた出力Pos_ocp_latched、Neg_ocp_latchedは、それぞれHSトリガ信号HS_trigger及びLSトリガ信号LS_triggerによってリセットされる。HSトリガ信号HS_triggerがハイであるとき(従って、降圧コンバータ104がハイサイドスイッチ210のオン状態に切り替わるとき)、第1の付加的なラッチ360のラッチされた出力Pos_ocp_latchedはローである。LSトリガ信号LS_triggerがハイであるとき(従って、降圧コンバータ104がローサイドスイッチ222のオン状態に切り替わるとき)、第2の付加的なラッチ362のラッチされた出力Neg_ocp_latchedはローである。
【0054】
図4に関連してさらにこれ以降に記載するように、スイッチ制御論理回路312(
図3)は、少なくとも4つの入力Pos_ocp_latched、Pos_ocp_blanked、Neg_ocp_blanked、Neg_ocp_latchedに基づいて、インダクタ電流を(スイッチングノード220において)安全なレベルに駆動する。付加的なラッチ360、362のリセット端子Rに印加されるHSトリガ信号HS_trigger及びLSトリガ信号LS_triggerは、スイッチ制御論理回路312の出力として生成される。トリガ信号HS_trigger、LS_triggerはまた、それぞれHSシングルショットブロック364及びLSシングルショットブロック366に印加される。
【0055】
動作において、HSトリガ信号HS_triggerの立ち上がりエッジは、HSシングルショットブロック364に、第1のブランキング信号HS_blank及びハイサイド最小時間信号HS_min_onを生成させ、これらはいずれも所定の時間の期間ハイである。各事例において、第1のブランキング信号HS_blank及びハイサイド最小時間信号HS_min_onの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間期間は、所定の時間の期間である。LSトリガ信号LS_triggerの立ち上がりエッジは、LSシングルショットブロック366に、第2のブランキング信号LS_blank及びローサイド最小時間信号LS_min_onを生成させ、これらはいずれも所定の時間の期間ハイである。各事例において、第2のブランキング信号LS_blank及びローサイド最小時間信号LS_min_onの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでの時間期間は、所定の時間の期間である。
【0056】
上述のように、第1のブランキング信号HS_blankは、第1及び第2の有効化回路314、316のHS関連のANDゲート320、332の反転入力と、第2のORゲート304の入力に印加される。第2のブランキング信号LS_blankは、有効化回路314、316のLS関連のANDゲート318、330の反転入力と、第2のORゲート304の別の入力に印加される。ハイサイド最小時間信号HS_min_on及びローサイド最小時間信号LS_min_onは、第2の有効化回路316及び第1の有効化回路316、314において、それぞれANDゲート334、322を介して、レイトラッチング信号Neg_ocp_hs_late_latch、Pos_ocp_ls_late_latchの認識を可能にする。
【0057】
ハイサイド最小時間信号HS_min_on及びローサイド最小時間信号LS_min_onはまた、第5のラッチ368のセット端子S及びリセット端子Rにそれぞれ印加されて、PWM信号Buck_PWMが生成される。ハイサイド最小時間信号HS_min_onがハイであるとき(従って、HSトリガ信号HS_triggerの立ち上がりエッジからその後の所定の時間期間の終わりまで)、PWM信号Buck_PWMはハイにセット(ラッチ)される。ハイサイド最小時間信号HS_min_onがローであり、第5のラッチ368がローサイド最小時間信号LS_min_onによってリセットされたとき、PWM信号Buck_PWMはローである。ローサイド最小時間信号LS_min_onは、LSトリガ信号LS_triggerの立ち上がりエッジからその後の所定の時間期間の終わりまで、ハイである。
【0058】
本記載の一態様に従って、正電流制限レイト検出についての制御論理動作は、以下のとおりであり得る。降圧コンバータ104がハイサイド動作条件にあり、(スイッチングノード220における)インダクタ電流がHS正電流制限レベル(この例においては5A)よりも大きく、第1のブランキング信号HS_blankがローであるとき、第1の入力HS_pos_compが検出され得る。制御論理がローサイド動作状態に切り替わることを既に決定した後に第1の入力HS_pos_compが検出された場合、第1の付加的なラッチ360の出力Pos_ocp_latchedはハイに設定され、スイッチ制御論理は、インダクタ電流がLS正電流制限レベル(この例では4A)より低く低下するまで、降圧コンバータ104を(LSスイッチ222をオン状態に有して)ローサイド動作状態に保つ。
【0059】
コンバータ104がローサイド動作条件にあるとき、スイッチングノード220における電流がLS正電流制限レベル(この例においては4A)よりも大きく、第2のブランキング信号LS_blankがローであるときに、第2の入力LS_pos_compが検出される。制御論理がハイサイド動作条件に切り替わるように決定した後に第2の入力LS_pos_compが検出された場合、レイトラッチ信号Pos_ocp_ls_late_latchが設定され、降圧コンバータ104が次にローサイド動作状態になったときに、第1の付加的なラッチ360からの出力Pos_ocp_latchedが設定され、スイッチ制御論理は、インダクタ電流がLS正電流制限レベル(この例では4A)より低く低下するまで、降圧コンバータ104をローサイド動作条件に保つ。
【0060】
また、負電流制限レイト検出についての制御論理動作は、以下のとおりであり得る。降圧コンバータ104がローサイド動作条件にあるとき、スイッチングノード220における電流がLS負電流制限レベル(この例では-2A)よりも低く、第2のブランキング信号LS_blankがローであるときに、第4の入力LS_neg_compが検出される。制御論理がハイサイド動作状態に切り替わることを決定した後に第4の入力LS_neg_compが検出された場合、第2の付加的なラッチ362の出力Neg_ocp_latchedはハイに設定され、スイッチ制御論理は、インダクタ電流がHS負電流制限レベル(この例では-1A)より高く増加するまで、降圧コンバータ104をハイサイド動作状態に保つ。
【0061】
コンバータ104がハイサイド動作条件にあり、スイッチングノード220における電流がHS負電流制限レベル(この例では-1A)よりも低く、第1のブランキング信号HS_blankがローであるときに、第3の入力HS_neg_compが検出される。制御論理がローサイド動作条件に切り替わるように決定した後に第3の入力HS_neg_compが検出された場合、対応するレイトラッチ信号Neg_ocp_hs_late_latchが設定され、降圧コンバータ104が次にハイサイド動作状態になったときに、第2の付加的なラッチ362の出力信号Neg_ocp_latchedはハイに設定され、スイッチ制御論理は、(スイッチングノード220における)インダクタ電流がHS負電流制限レベル(この例では-1A)より高く増加するまで、降圧コンバータ104をハイサイド動作条件に保つ。
【0062】
それゆえ、本記載の一態様に従って、制御論理が電力FET210、222の状態を変更することを決定した後でも、過電流保護コンパレータ212、214、216、218を、FET210、222のゲート電圧が変化し始めるまで監視し得る。レイト検出のためのHSコンパレータ212、216は、第1のブランキング信号HS_blankでのみブランキングされ、レイト検出のためのLSコンパレータ214、218は、第2のブランキング信号LS_blankのみでブランキングされる。レイト過電流検出論理は、インダクタ電流が前のスイッチングサイクル中に高すぎる(又は低すぎる)場合に、キャプチャするために用いられ得る。レイト過電流が検出された場合、インダクタ電流を所望のレベル内に駆動するために、スイッチ制御論理が用いられる。
【0063】
スイッチ制御論理312(
図3)は、スイッチングレギュレータ制御回路110が
図4に示すように動作するように構成され得る。LSトリガ信号LS_triggerが生成された後(工程800の後)、スイッチ制御論理は、ローサイド最小時間信号LS_min_onがローになるまで待機する(工程802)。(ローサイド最小時間信号LS_min_onは、第1の有効化回路314においてレイトラッチ信号Pos_ocp_ls_late_latchの検出を有効にする。)次に、スイッチ制御論理は、第1の付加的なラッチ360の出力Pos_ocp_latchedが設定されているか否かを判定する(工程804)。第1の付加的なラッチ360の出力Pos_ocp_latchedが設定されていない場合(工程804で「いいえ」)、次に、スイッチ制御論理は、クロックスイッチング信号Clk_sw、又は有効化回路314、316の外部で生成された出力Neg_ocp_blanked、Pos_ocp_blankedのうちの1つを受け取ることを待つ。これら3つの信号Clk_sw、Neg_ocp_blanked、Pos_ocp_blankedのうちの1つがハイであるとき、次に、スイッチ制御論理は、第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedがハイであるかを判定する(工程808)。第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedがローであるとき(工程808で「いいえ」)、次に、降圧コンバータ104をハイサイド動作条件に切り替えるためにHSトリガ信号HS_triggerが生成される(工程818)。
【0064】
ローサイド最小時間信号がローになるときに第1の付加的なラッチ360の出力Pos_ocp_latchedが設定された場合(工程804で「はい」)、スイッチ制御論理は、LSブランキング信号が(LSブランキング時間の終わりに)ローになるのを待つ(工程812)。第2の入力LS_pos_comp(従って、ローサイド動作中の第2のコンパレータ214のゲーティングされた出力(215))は、スイッチングノード220におけるインダクタ電流が上側電流制限範囲の下側電流制限レベル(図示の例では4A)より大きいときに、そのブランキング時間中に立ち上がる。次に、インダクタ電流が上側電流制限範囲の下側電流制限レベルよりも下回り、第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedがローになるまで、ローサイド動作が続けられる(工程814)。工程808において、第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedがハイであるとの判定に応じて、インダクタ電流が上側電流制限範囲の下側電流制限レベルよりも下に降下するまで(工程814)も、ローサイド動作は続けられる(工程808における「はい」から工程814に続く)。
【0065】
いずれの事象においても、インダクタ電流が上側電流制限範囲の下側電流制限レベルを下回ると(工程814の結論において)、クロックスイッチング信号Clk_swがローサイド動作の間立ち上がったか否かの判定がなされる(工程816)。クロックスイッチング信号Clk_swが立ち上がるまでローサイド動作が充分に長く行われている場合(工程816で「はい」)、次に、スイッチ制御論理は、コンバータ104をハイサイド動作条件に切り替えるためにHSトリガ信号HS_triggerを生成する(工程818)。クロックスイッチング信号Clk_swが立ち上がるまでローサイド動作が充分に長く行われていない場合(工程816で「いいえ」)、次に、スイッチ制御論理は、クロックスイッチング信号Clk_sw又は第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankのうちの1つが立ち上がるまで待ち(工程810)、次にスイッチ制御論理は、HSトリガ信号HS_triggerを生成する。
【0066】
HSトリガ信号HS_triggerが生成された後(工程818の後)、スイッチ制御論理は、ハイサイド最小時間信号HS_min_onがローになるまで待機する(工程820)。(ハイサイド最小時間信号HS_min_onは、第2の有効化回路316においてレイトラッチ信号Neg_ocp_hs_late_latchの検出を有効にする。)スイッチ制御論理は次に、第2の付加的なラッチ362の出力Neg_ocp_latchedが設定されているか否かを判定する(工程822)。第2の付加的なラッチ362の出力Neg_ocp_latchedが設定されていない場合(工程822で「いいえ」)、スイッチ制御論理は、ループ信号Loop_comp信号(従って、ループコンパレータ200の出力)、又は有効化回路314、316の外部で生成された出力Neg_ocp_blanked、Pos_ocp_blankedのうちの1つを受け取ることを待つ。これら3つの信号Loop_comp、Neg_ocp_blanked、Pos_ocp_blankedのうちの1つがハイであるとき、スイッチ制御論理は、第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedがハイであるか否かを判定する(工程826)。出力Neg_ocp_blankedがローである場合(工程826で「いいえ」)、LSトリガ信号LS_triggerが再び生成される(工程800)。
【0067】
ハイサイド最小時間信号HS_min_onがローに向かうときに第2の付加的なラッチ362の出力Neg_ocp_latchedが設定された場合(工程822で「はい」)、スイッチ制御論理は、HSブランキング信号HS_blankが(HSブランキング時間の終わりに)ローに向かうのを待つ(工程830)。第3の入力HS_neg_comp(従って、ハイサイド動作中の第3のコンパレータ216のゲーティングされた出力(217))は、スイッチングノード220におけるインダクタ電流が下側電流制限範囲の上側電流制限レベル(図示の例では-1A)よりも小さいときに、そのブランキング時間中に立ち上がる。次に、第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedがローに向かう(インダクタ電流が下側電流制限範囲の上側電流制限レベル(図示の例では-1A)よりも大きいことを示す)ように、インダクタ電流が下側電流制限範囲の上側電流制限レベルを上回るまで、ハイサイド動作が続けられる(工程832)。その後、ループ信号Loop_comp又は第1のANDゲート308の出力Pos_ocp_blankedがハイになった後(従って、工程828の結論にて)、スイッチ制御論理は、コンバータ104をローサイド動作状態に戻すように切り替えるために、LSトリガ信号LS_triggerを生成する(工程800)。工程826における、第2のANDゲート310の出力Neg_ocp_blankedがハイであるとの判定に応答して、インダクタ電流が下側電流制限範囲の上側電流制限レベルより上に立ち上がる(工程832)までも、ハイサイド動作は続けられる(工程826における「はい」から工程832に続く)。
【0068】
上述と関連して、スイッチノード220における電圧は、インダクタ224を介する電流、及び、同じ電流が導電されるトランジスタ210、222の抵抗の関数である。ハイサイド動作の間、V_sw=VIN-l×R_HS_onであり、式中、V_swは、コンパレータ212、214、216、218に印加された感知電圧であり、VINは、電源102からの入力電圧であり、Iは、ハイサイドスイッチ210を介する電流であり、R_HS_onは、ハイサイドスイッチ210の抵抗であり、I×R_HS_onは、ハイサイドスイッチ210両端間の電圧降下である。ローサイド動作の間、V_sw=GND-l×R_LS_onであり、式中、V_swは、コンパレータ212、214、216、218に印加された感知電圧であり、GNDは、接地端子の電圧であり、Iは、ローサイドスイッチ222を介する電流であり、R_LS_onは、ローサイドスイッチ222の抵抗であり、I×R_LS_onは、ローサイドスイッチ222両端間の電圧降下である。各事例において、電流Iが増加すると感知電圧V_swは低下し、その逆もしかりである。
【0069】
しかしながら、動作において、スイッチ抵抗R_HS_on、R_LS_onは、製造プロセス、温度、及びそれぞれのゲート・ソース電圧vgsを含む、様々な要因に依存し得る。従って、所望の電圧感知又は基準電圧生成は、電力FET210、222の実際の抵抗に合致する抵抗を有するレプリカスイッチ(図面には図示せず)を用いて行われてもよい。また、電流感知回路220、108は、印加される電圧がVIN(HS_neg_ocp)を上回るか、或いは、GND(LS_pos_ocp)を下回るかしないように、コンパレータ212、214、216、218に印加される感知電圧及び基準電圧をレベルシフトするため、適切なレベルシフト回路(図面には図示せず)を有して構成されてもよい。
【0070】
図5は、
図1及び
図2に示す(
図2~
図4に示すスイッチングレギュレータ制御回路110を有する)電圧コンバータ104を動作させる方法についてのタイミング図である。動作において、HSゲート信号HS_gateが、HSトランジスタ210のゲート端子に印加され、PWM信号Buck_PWMがハイになったりローになったりすることに応答して、それぞれ、ハイになったりローになったりするが、PWM信号Buck_PWMの立ち上がり及び立ち下がりと、HSゲート信号HS_gateのそれぞれの立ち上がり及び立ち下がりと、の間に時間遅延502がある。同様に、PWM信号Buck_PWMがハイになったりローになったりすることに応答して、LSトランジスタ222のゲート端子に印加されるLSゲート信号LS_gateが、それぞれ、ハイになったりローになったりするが、同じく、PWM信号Buck_PWMの立ち上がり及び立ち下がりと、LSゲート信号LS_gateのそれぞれの立ち上がり及び立ち下がりと、の間に同じ時間遅延502がある。それぞれの場合において、遅延502は、スイッチ制御論理及びFETドライバの伝播遅延によって引き起こされ得る。
【0071】
HSブランキング信号HS_blank及びPWM信号Buck_PWMは、HSシングルショットブロック264が第3のラッチのセット端子Sを介して動作することによって確立されている。従って、HSブランキング信号HS_blank及びPWM信号Buck_PWMは共にハイに向かい、HSブランキング信号HS_blankがハイに向かう度、固定の時間の期間ハイのままとなるが、HSブランキング信号HS_blankとPWM信号Buck_PWMとは必ずしも共にローになるわけではない。
【0072】
第3のラッチ368のリセット端子Rを介して動作する、LSブランキング信号LS_blank及びPWM信号Buck_PWMは、それぞれ、共にハイ及びローに向かい、LSブランキング信号LS_blankがハイに向かう度、固定の時間の期間ハイのままになる。LSブランキング信号LS_blankとPWM信号Buck_PWMとは、必ずしもそれぞれ共にロー及びハイになるわけではない。重要なのは、PWM信号Buck_PWMの周波数が高いとき、HS及びLSブランキング信号HS_blank、LS_blankは、図示するように、例えば点線の楕円504内で、時間的に互いに重なり得る。
【0073】
第2のORゲート304によって生成される、組み合わされたブランキング信号OCP_blankは、HS及びLSブランキング信号HS_blank、LS_blankのうちの少なくとも1つがハイであるときはいつもハイである。組み合わされたブランキング信号OCP_blankは、例えば、時間506、508など、HS及びLSブランキング信号HS_blank、LS_blankの両方がローであるときにのみローである。
【0074】
第1の入力HS_pos_comp(電流最上限に関連付けられる)は、(1)インダクタ電流がHS_pos_compレベル(図示の例では5A)より大きく、(2)インダクタ電流が、例えば、時間510、512において、増加しているとき(従って、HSトランジスタ210がオンであるときのハイサイド動作の間)、ハイになる。第1の入力HS_pos_compは、例えば時間514、516にインダクタ電流が低下し始めるように、PWM信号Buck_PWMがトランジスタ210、222に状態を切り替えさせるときに、ローに向かう。
【0075】
第2の入力LS_pos_compは、(1)インダクタ電流がLS_pos_compレベル(図示の例では4A)より大きく、(2)インダクタ電流が低下している(従って、LSトランジスタ222がオンであるときのローサイド動作の間)が、遅延518の後にのみ、ハイに向かう。
図5に示す状況において、第2の入力LS_pos_compについての遅延518は明白であるが、第1の入力HS_pos_compではそのような遅延はない。これは、ローサイド動作の間のインダクタ電流は既に高い電流レベルで開始される一方、ハイサイド動作の間のインダクタ電流は一層低いレベルで開始され、増加して、第1のコンパレータ212に、インダクタ電流がHS_pos_compレベルを上回る前に、信頼性の高い比較を提供する時間を与えるためである。
【0076】
第2の入力LS_pos_compのレイトラッチングは、ラッチ326、360によって実装される。出力Pos_ocp_ls_late_latchは、例えば、時間520、521に、第2の入力LS_pos_compがハイであり第2のブランキング信号LS_blankがローであるときに、ハイに設定される。時間520において、PWM信号Buck_PWMが既にハイサイド動作に切り替わっているのにもかかわらず、LSブランキング信号LS_blankが降下した後にローサイド正過電流保護(LS OCP)がラッチされる。このラッチングは、高スイッチング周波数での電流制限動作を可能にする。ラッチ326の出力Pos_ocp_ls_late_latchは、例えば、時間522に、PWM信号Buck_PWMがローになるとき、又は、例えば時間523に、第2の入力LS_pos_compがローになるときに、ローにリセットされる。
【0077】
ラッチ360の出力Pos_ocp_latchedは、PWM信号Buck_PWMの次のLS期間の始めに(例えば、時間522に)設定される。出力Pos_ocp_latchedは、インダクタ電流をLS_pos_compレベルより下にするために用いてもよい。インダクタ電流は、Buck_PWM信号とHS及びLSゲート信号HS_gate、LS_gateとの間の遅延502によって、LS_pos_compレベルに到達した後、及びPWM信号Buck_PWMが切り替わった後も、降下し続ける。結果として、より高いHS_pos_compレベルを超えるインダクタ電流を確実に検出するための充分な時間が、その後に続くHS期間にある。
【0078】
図5は、PWM信号Buck_PWMの切り替えが高周波数で行われたときに起こり得ることを図示している。レイトLS過電流検出は、PWM信号Buck_PWM信号が既にHSに切り替わった後にラッチされるが、LSゲート222は、制御論理及びFETドライバの伝播遅延に起因して未だハイである。
【0079】
図6は、PWM信号Buck_PWMが既にローサイド動作に向かった後であるが、制御論理及びFETドライバの伝播遅延に起因してHSゲート210が未だオンであるときに、レイトハイサイド過電流検出がラッチされたときに起こり得ることを図示している。楕円724に関連して図示されるように、PWM信号Buck_PWMがハイサイド動作に既に切り替わっているのにもかかわらず第1のブランキング信号HS_blankが降下した後に、HS正過電流保護がラッチされる。HS OCPコンパレータデータは、HSゲート信号HS_gateが降下するまで利用可能である。これは、高スイッチング周波数での電流制限動作を可能にするため、重要である。また、
図5の事例でもそうであったように、例えば、第2の入力LS_pos_compが降下する(また、PWM信号Buck_PWMがHSに切り替わる)時間と、HSトランジスタ210が実際にオンになる時間と、の間に遅延502が生じる時間726において、Pos_ocp_latchedは、インダクタ電流を、LS_pos_compレベルより下にするために用いられてもよい。
【0080】
負荷116は、所望とされる場合、高スイッチング周波数及び正確なピーク電流制限動作を必要とする車載用レーダー応用例の構成要素であり得る。高周波数でスイッチングするとき、デューティ比に依って、HS期間及びLS期間の1つ又は複数が電流制限検出時間よりも短い場合がある。米国特許出願番号16/945,666に記載のシステムは、降圧コンバータの正ピークインダクタ電流を正確に制限するために、異なる基準レベルを有するHS期間及びLS期間用の2つのコンパレータを用いる。同様に、負のピークインダクタ電流は、2つのコンパレータを用いて制限される。本願に記載のシステムは、米国特許出願番号16/945,666に記載のシステムに比べて、特に高周波数動作に関連して利点を有する。
【0081】
HS FET210が導通している限り、スイッチ制御論理がLSに向かうことを決定した後にHS OSPコンパレータ212、216を監視し続けることによって、利点を得ることができる。これは、HSブランク信号がローになった後、電流感知情報が、HS FETゲート電圧が再び変化し始める時点まで確実だからである。同様に、LS FET222が導通している限り、スイッチ制御論理がHSに向かうことを決定した後にLS OSPコンパレータ212、216を監視し続けてもよい。スイッチ制御論理が切り替わった後に過電流が検出された場合、レイト検出がラッチされ、インダクタ電流は、LS正電流制限レベル(図示の例では4A)より低くされるか、又はHS負電流制限レベル(図示の例では-1A)より高くされる。結果として、過電流状態を確実に検出するための充分な電流感知時間が得られ得る。
【0082】
上記のようにコンバータ回路を実装することは、コンバータ回路が高周波数で動作する事例における電圧スパイクの発生数を排除する。高周波数で動作する用途のための出力回路の電流を制限する能力のため、上記の電圧コンバータは、固定の高周波数車載用レーダーシステムに用いられ得る。
【0083】
所望とされる場合、電流比較回路108、スイッチングレギュレータ制御回路110、スイッチングレギュレータ回路112、及び補償器201(合わせて、電圧コンバータ104のためのコントローラ108、110、112、201)などの、電圧コンバータ104の複数の部分を、集積回路(IC)に集積してもよく、並びに/若しくは、様々な半導体及び/又は他のプロセスに従って単一の半導体ダイ113(
図1及び
図2)上かその上方に形成されてもよい。ICの導電線は、半導体ダイ113の上方にある絶縁層の中又はその間に形成される金属構造、半導体ダイ113内に形成される(シリサイド化され得る)ドープされた領域、又は、半導体ダイ113の上方に形成される(シリサイド化され得る)ドープされた半導体構造であり得る。この例の回路構造を実装するのに用いられるトランジスタは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)であっても金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であってもよく、n型でもp型でもあり得る。集積デバイス及び要素はまた、抵抗器、コンデンサ、論理ゲート、及び明確にするために図面に示していない他の適切な電子デバイスも含んでもよい。本記載は、図面に示す例、並びにその他の方式で本明細書に記載される、詳細及び特定の特徴に限定されない。
【0084】
また、本記載において、「結合する」という用語は、本記載と一貫する機能的関係を可能とする、接続、通信、又は信号経路を網羅し得ることに留意されたい。例えば、デバイスAが、或る行為を行うためにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、(a)第1の例において、デバイスAはデバイスBに直接接続により結合され、又は(b)第2の例において、介在構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係性を変更しない場合に、デバイスAがデバイスBに介在構成要素Cを介して結合されて、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスBがデバイスAによって制御されるようになっている。また、本記載において、別の値に「関連付けられている」又は「対応する」値が、その値とその別の値との間の関係性を説明し得る。関係性は、例えば、計算、表、又は任意の他の適切な方式を用いて判定され得る。例えば、電流に関連付けられる電圧は、電圧が既知である場合に電流が推測され得る、またその逆であるように、電圧と電流との間の関係性を説明し得る。また、本記載において、或るタスク又は機能を行う「ように構成されている」デバイスが、その機能を実施するように製造業者によって製造時に構成され(例えば、プログラミングされ及び/又はハードウェアに組み込まれ)てもよく、並びに/又は、その機能及び/又は他の付加的な或いは代替的な機能を実施するように製造後にユーザによって構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/若しくはソフトウェアプログラミングを介するもの、ハードウェア構成要素及びデバイスの相互接続の構築並びに/若しくはレイアウトを介するもの、又はそれらの組み合わせであり得る。また、本明細書において、特定の構成要素を含む回路又はデバイスが、代わりに、記載された回路又はデバイスを形成するためにそれらの構成要素と結合されるように適合されてもよい。例えば、1つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、1つ又は複数の受動要素(抵抗器、コンデンサ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は、1つ又は複数の供給源(電圧及び/又は電流源)を含むように記載されている構造が、代わりに、単一の物理デバイス内に半導体要素(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)のみを含んでいてもよく、また、少なくとも受動要素及び/又は源の少なくともいくつかに結合されるように適合されて、製造時又は製造後に、エンドユーザ及び/又は第三者などによって、記載された構造を形成してもよい。
【0085】
本明細書において、或る構成要素が特定のプロセス技術のものとして記載され得るが、これらの構成要素は他のプロセス技術の構成要素について交換されてもよい。本明細書において記載される回路は、構成要素の置換前に利用可能であった機能と少なくとも部分的に類似する機能を提供するように置換された構成要素を含むように再構成可能である。抵抗器として示される構成要素は概して、別途記載されない限り、示された抵抗器によって表されるインピーダンスの量を提供するように直列及び/又は並列に結合される任意の1つ又は複数の要素を表す。例えば、単一の構成要素として示され記載される抵抗器又はコンデンサが、代わりに、単一の抵抗器又はコンデンサとして同じ2つのノード間に直列又は並列に結合される、それぞれ、複数の抵抗器又はコンデンサであってもよい。また、本記載における「接地電圧電位」という語句の使用は、シャーシ接地、アース接地、浮遊接地、仮想接地、デジタル接地、共通接地、及び/又は本記載の教示に適用可能であるか又は適切である任意のその他の形態の接地接続を含む。別途記載されない限り、或る値に先行する「約」、「およそ」、又は「実質的に」は、記載されている値の±10パーセントを意味する。
【0086】
記載された実施例における改変が可能であり、特許請求の範囲内で、その他の実施例が可能である。
【国際調査報告】