(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】心電図電極パッケージ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/321 20210101AFI20241212BHJP
A61B 5/28 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
A61B5/321
A61B5/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539983
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-08-27
(86)【国際出願番号】 US2022082487
(87)【国際公開番号】W WO2023129975
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524247097
【氏名又は名称】エルディーシー ビジネス コンサルティング エルエルシ―
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クロムウェル,ランス
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL02
4C127LL11
(57)【要約】
加温器および少なくとも1つのECG電極を有する心電図(ECG)電極加温システム。加温器は、発熱性加温組成物を有する。少なくとも1つのECG電極は、電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成され、加温器に熱的に接続される。少なくとも1つのECG電極と加温器との間に挿入部が配置され得る。少なくとも1つのECG電極は、挿入部に取外し可能に接続されてよく、加温器は、接着剤で挿入部に接着され得る。障壁は、発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成され得る。障壁は、反応組成物を発熱性加温組成物に接触させるためにユーザによって破壊可能である。反応組成物と発熱性加温組成物との接触により、発熱性加温組成物が熱を放出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱性加温組成物を備える加温器と、
電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成された少なくとも1つの心電図(ECG)電極と
を備えるECG電極加温システムであって、前記少なくとも1つのECG電極は、前記加温器に取外し可能かつ熱的に接続される、ECG電極加温システム。
【請求項2】
前記発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成された障壁をさらに備える、請求項1に記載のECG電極加温システム。
【請求項3】
前記障壁は、前記反応組成物を前記発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能である、請求項2に記載のECG電極加温システム。
【請求項4】
前記反応組成物と前記発熱性加温組成物との接触により、前記発熱性加温組成物が熱を放出する、請求項2および3のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項5】
前記障壁が破壊されると、前記加温器は、少なくとも1つのECG電極を加温するように構成される、請求項2~4のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項6】
前記反応組成物は、前記システムを取り巻く周囲空気である、請求項2~5のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項7】
前記障壁は封筒であり、前記加温器は前記封筒内に封入される、請求項2~6のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのECG電極は、前記封筒内に封入される、請求項7に記載のECG電極加温システム。
【請求項9】
前記発熱性加温組成物は空気で活性化される、請求項1~8のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項10】
前記発熱性加温組成物は、酸化して前記少なくとも1つのECG電極を加温する、請求項1~9のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのECG電極と前記加温器との間に配置された挿入部をさらに備え、前記少なくとも1つのECG電極は、前記挿入部に取外し可能に接続される、請求項1~10のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項12】
前記加温器は、前記挿入部に接着される、請求項11に記載のECG電極加温システム。
【請求項13】
前記加温器は、接着剤で前記挿入部に接着される、請求項11に記載のECG電極加温システム。
【請求項14】
前記接着剤はポリウレタン接着剤である、請求項13に記載のECG電極加温システム。
【請求項15】
前記発熱性加温組成物は鉄を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項16】
前記発熱性加温組成物は塩を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項17】
前記発熱性加温組成物は水を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項18】
前記発熱性加温組成物は活性炭を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項19】
前記発熱性加温組成物はバーミキュライトを含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項20】
前記発熱性加温組成物は鋸屑を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項21】
前記発熱性加温組成物は、ポリプロピレン布内にパッケージされる、請求項1~20のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項22】
前記発熱性加温組成物は、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージされる、請求項1~21のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項23】
前記加温器は、5分以内に前記少なくとも1つのECG電極を少なくとも選択された温度まで加温し、少なくとも45分間、前記少なくとも1つのECG電極を前記選択された温度以上に維持するように構成される、請求項1~22のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項24】
前記選択された温度は華氏120度である、請求項23に記載のECG電極加温システム。
【請求項25】
前記選択された温度は華氏130度である、請求項23に記載のECG電極加温システム。
【請求項26】
前記選択された温度は華氏140度である、請求項23に記載のECG電極加温システム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのECG電極は、複数のECG電極である、請求項1~26のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのECG電極は、少なくとも2つのECG電極である、請求項1~26のいずれか1項に記載のECG電極加温システム。
【請求項29】
発熱性加温組成物を備える加温器と、
電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成された少なくとも1つの心電図(ECG)電極と
を備えるECG電極加温キット。
【請求項30】
前記少なくとも1つのECG電極は、前記加温器に取外し可能かつ熱的に接続される、請求項29に記載のECG電極加温キット。
【請求項31】
前記発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成された障壁をさらに備える、請求項29および30のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項32】
前記障壁は、前記反応組成物を前記発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能である、請求項31に記載のECG電極加温キット。
【請求項33】
前記反応組成物と前記発熱性加温組成物との接触により、前記発熱性加温組成物が熱を放出する、請求項31および32のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項34】
前記障壁が破壊されると、前記加温器は、少なくとも1つのECG電極を加温するように構成される、請求項31~33のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項35】
前記反応組成物は、前記キットを取り巻く周囲空気である、請求項31~34のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項36】
前記障壁は封筒であり、前記加温器は前記封筒内に封入される、請求項31~35のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項37】
前記少なくとも1つのECG電極は、前記封筒内に封入される、請求項36に記載のECG電極加温キット。
【請求項38】
前記発熱性加温組成物は空気で活性化される、請求項29~37のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項39】
前記発熱性加温組成物は、酸化して前記少なくとも1つのECG電極を加温する、請求項29~38のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項40】
前記少なくとも1つのECG電極と前記加温器との間に配置されるように構成された挿入部をさらに備える、請求項29~39のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項41】
前記加温器は、前記挿入部に接着される、請求項40に記載のECG電極加温キット。
【請求項42】
前記加温器を前記挿入部に接着するように構成された接着剤をさらに備える、請求項40に記載のECG電極加温キット。
【請求項43】
前記接着剤はポリウレタン接着剤である、請求項42に記載のECG電極加温キット。
【請求項44】
前記発熱性加温組成物は鉄を含む、請求項29~43のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項45】
前記発熱性加温組成物は塩を含む、請求項29~44のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項46】
前記発熱性加温組成物は水を含む、請求項29~45のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項47】
前記発熱性加温組成物は活性炭を含む、請求項29~46のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項48】
前記発熱性加温組成物はバーミキュライトを含む、請求項29~47のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項49】
前記発熱性加温組成物は鋸屑を含む、請求項29~47のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項50】
前記発熱性加温組成物は、ポリプロピレン布内にパッケージされる、請求項29~49のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項51】
前記発熱性加温組成物は、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージされる、請求項29~50のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項52】
前記加温器は、5分以内に前記少なくとも1つのECG電極を少なくとも選択された温度まで加温し、少なくとも45分間、前記少なくとも1つのECG電極を前記選択された温度より上に維持するように構成される、請求項29~51のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項53】
前記選択された温度は華氏120度である、請求項52に記載のECG電極加温キット。
【請求項54】
前記選択された温度は華氏130度である、請求項52に記載のECG電極加温キット。
【請求項55】
前記選択された温度は華氏140度である、請求項52に記載のECG電極加温キット。
【請求項56】
前記少なくとも1つのECG電極は、複数のECG電極である、請求項29~55のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項57】
前記少なくとも1つのECG電極は、少なくとも2つのECG電極である、請求項29~55のいずれか1項に記載のECG電極加温キット。
【請求項58】
心電図(ECG)電極を加温する方法であって、
電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成された少なくとも1つのECG電極を提供することと、
前記少なくとも1つのECG電極を、発熱性加温組成物を備える加温器に熱的に接続することと
を備える方法。
【請求項59】
前記少なくとも1つのECG電極を加温することをさらに備える、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記少なくとも1つのECG電極を前記加温器から取り外すことをさらに備える、請求項58および59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記少なくとも1つのECG電極を前記患者の身体に装着することをさらに備える、請求項58~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記発熱性加温組成物を、前記発熱性加温組成物に熱を放出させるように構成された反応組成物に触れさせることをさらに備える、請求項58~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
障壁によって前記発熱性加温組成物を前記反応組成物から分離することをさらに備える、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記発熱性加温組成物および前記反応組成物を接触させるために前記障壁を破壊することをさらに備える、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記発熱性加温組成物と前記反応組成物との接触による熱を用いて、前記少なくとも1つのECG電極を加温することをさらに備える、請求項62~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記反応組成物は周囲空気である、請求項62~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記発熱性加温組成物は、空気で活性化される、請求項58~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記発熱性加温組成物を酸化させることをさらに備える、請求項58~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
封筒内に封入された前記加温器を提供することをさらに備える、請求項58~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記加温器とともに前記封筒内に封入された前記少なくとも1つのECG電極を提供することをさらに備える、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも1つのECG電極は、前記加温器に物理的に接続される、請求項58~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記少なくとも1つのECG電極と前記加温器との間に挿入部が配置される、請求項58~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記加温器は、前記挿入部に接着される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記加温器は、接着剤で前記挿入部に接着される、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記接着剤はポリウレタン接着剤である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記発熱性加温組成物は鉄を含む、請求項58~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記発熱性加温組成物は塩を含む、請求項58~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記発熱性加温組成物は水を含む、請求項58~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記発熱性加温組成物は活性炭を含む、請求項58~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記発熱性加温組成物はバーミキュライトを含む、請求項58~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記発熱性加温組成物は鋸屑を含む、請求項58~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記発熱性加温組成物は、ポリプロピレン布内にパッケージされる、請求項58~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記発熱性加温組成物は、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージされる、請求項58~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記少なくとも1つのECG電極を少なくとも選択された温度まで加温することをさらに備える、請求項58~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つのECG電極を前記選択された温度まで加温することは、5分未満で行われる、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記少なくとも1つのECG電極を前記選択された温度まで加温することは、10分未満で行われる、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記少なくとも1つの電極を選択された温度以上に維持することをさらに備える、請求項58~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持することは、少なくとも45分間行われる、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持することは、少なくとも90分間行われる、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持することは、少なくとも120分間行われる、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記選択された温度は華氏120度である、請求項84~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記選択された温度は華氏130度である、請求項84~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記選択された温度は華氏140度である、請求項84~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記少なくとも1つのECG電極は、複数のECG電極である、請求項58~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記少なくとも1つのECG電極は、少なくとも2つのECG電極である、請求項58~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
心電図(ECG)電極加温キットを組み立てる方法であって、
電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成された少なくとも1つのECG電極と、発熱性加温組成物を備える加温器とを提供することと、
前記少なくとも1つのECG電極および前記加温器を一体的にパッケージすることと
を備える方法。
【請求項97】
前記少なくとも1つのECG電極を前記加温器に取外し可能に接続することをさらに備える、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記発熱性加温組成物を反応組成物から分離することをさらに備える、請求項96および97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記発熱性加温組成物と反応組成物との間に障壁を配置することをさらに備える、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記障壁は、前記反応組成物を前記発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記障壁が破壊されると、前記加温器は、前記少なくとも1つのECG電極を加温するように構成される、請求項99および100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記反応組成物と前記発熱性加温組成物との接触により、前記発熱性加温組成物が熱を放出する、請求項98~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記反応組成物は周囲空気である、請求項98~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記加温器を周囲空気から分離するように構成された封筒に前記加温器を封入することをさらに備える、請求項96~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記加温器とともに前記少なくとも1つのECG電極を前記封筒に封入することをさらに備える、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記発熱性加温組成物は空気で活性化される、請求項96~105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記発熱性加温組成物を周囲空気から分離することによって、前記発熱性加温組成物の酸化を防止することをさらに備える、請求項96~106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記少なくとも1つのECG電極と前記加温器との間に挿入部を配置することをさらに備える、請求項96~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記加温器を前記挿入部に接着することをさらに備える、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記加温器を前記挿入部に接着することは、前記加温器または前記挿入部に接着剤を塗布することを備える、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記接着剤はポリウレタン接着剤である、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記接着剤を塗布することは、前記加温器または前記挿入部に前記接着剤を回転塗布することを備える、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記接着剤を塗布することは、前記加温器または前記挿入部に前記接着剤を噴霧することを備える、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
前記発熱性加温組成物は鉄を含む、請求項96~113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記発熱性加温組成物は塩を含む、請求項96~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記発熱性加温組成物は水を含む、請求項96~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記発熱性加温組成物は活性炭を含む、請求項96~116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
前記発熱性加温組成物はバーミキュライトを含む、請求項96~117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記発熱性加温組成物は鋸屑を含む、請求項96~118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記発熱性加温組成物をポリプロピレン布内にパッケージすることをさらに備える、請求項96~119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記発熱性加温組成物を、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージすることをさらに備える、請求項96~120のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記加温器は、前記少なくとも1つの電極を少なくとも選択された温度まで加温するように構成される、請求項96~121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記加温器は、前記少なくとも1つの電極を5分以内に少なくとも前記選択された温度まで加温するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記加温器は、前記少なくとも1つの電極を10分以内に少なくとも前記選択された温度まで加温するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記加温器は、前記少なくとも1つの電極を選択された温度以上に維持するように構成される、請求項96~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記加温器は、少なくとも45分間、前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持するように構成される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記加温器は、少なくとも90分間、前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持するように構成される、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
前記加温器は、少なくとも120分間、前記少なくとも1つの電極を前記選択された温度以上に維持するように構成される、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
前記選択された温度は華氏120度である、請求項96~128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記選択された温度は華氏130度である、請求項96~128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記選択された温度は華氏140度である、請求項96~128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記少なくとも1つのECG電極は、複数のECG電極である、請求項96~131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記少なくとも1つのECG電極は、少なくとも2つのECG電極である、請求項96~131のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2021年12月29日に出願されたLance Cromwellの“Electrocardiogram Electrodes Packaging”と題された米国仮特許出願63/294,739号の出願日の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の態様は、一般に心電図(ECG)電極に関し、より具体的には、ECG電極のパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
医療処置を受けることにより、患者は、処置前または処置中に不安および不快感を経験する場合が多い。この不安および不快感は、患者の身体に悪影響を及ぼす状況によって悪化する。たとえば、患者が冷たさを不快に感じる場合、患者の処置に対する感情に影響が及ぼされる。
【0004】
不快感およびショックの一般的な原因の1つは、医療従事者が患者に心電図(ECG)電極を装着する場合である。手術室および病院内の他の場所は68度前後に維持されているため、ECG電極は非常に冷たくなりがちで、接触時に予期せぬ温度変化によって患者を緊張させる。これにより、患者の不安、不快感、および心配が増す場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の態様は、発熱性加温組成物を有する加温器と、電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成され、加温器に熱的に接続された少なくとも1つのECG電極と、少なくとも1つのECG電極と加温器との間に配置され、少なくとも1つのECG電極が取外し可能に接続され、加温器が接着剤で接着された挿入部と、発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成された障壁であって、反応組成物を発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能であり、反応組成物と発熱性加温組成物との接触によって発熱性加温組成物が熱を放出する、障壁とを備える心電図(ECG)電極加温システムに関する。
【0006】
特定の実施形態は、以下の特徴の1または複数を備えてよい。加温器は、少なくとも1つのECG電極を5分以内に少なくとも選択された温度まで加温し、少なくとも45分間、少なくとも1つのECG電極を選択された温度以上に維持するように構成され得る。選択された温度は、華氏120度であってよい。発熱性加温組成物は、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージされ得る。
【0007】
本明細書の態様は、発熱性加温組成物を有する加温器と、電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成され、加温器に熱的に接続された少なくとも1つのECG電極と、発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成された障壁であって、反応組成物を発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能であり、反応組成物と発熱性加温組成物との接触によって発熱性加温組成物が熱を放出する、障壁とを備える心電図(ECG)電極加温システムに関する。
【0008】
特定の実施形態は、以下の特徴の1または複数を備えてよい。加温システムは、少なくとも1つのECG電極と加温器との間に配置された挿入部をさらに備えてよく、少なくとも1つのECG電極は、挿入部に取外し可能に接続される。加温器は、挿入部に接着され得る。加温器は、接着剤で挿入部に接着され得る。障壁は、加温器を封入するように構成された封筒であってよく、反応組成物は周囲空気であってよい。加温器は、少なくとも1つのECG電極を5分以内に少なくとも選択された温度まで加温し、少なくとも45分間、少なくとも1つのECG電極を選択された温度以上に維持するように構成され得る。選択された温度は、華氏120度であってよい。発熱性加温組成物は、1平方メートル当たり50グラム以上の重量を有する布地内にパッケージされ得る。
【0009】
本明細書の態様は、発熱性加温組成物を有する加温器と、電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成され、加温器に取外し可能かつ熱的に接続された少なくとも1つのECG電極とを備える心電図(ECG)電極加温システムに関する。
【0010】
特定の実施形態は、以下の特徴の1または複数を備えてよい。発熱性加温組成物は、空気で活性化され得る。ECG電極加温システムは、発熱性加温組成物を反応組成物から分離するように構成された障壁をさらに備えてよく、障壁は、反応組成物を発熱性加温組成物と接触させるためにユーザによって破壊可能である。障壁は、加温器を封入するように構成された封筒であってよく、反応組成物は周囲空気であってよい。反応組成物と発熱性加温組成物との接触により、発熱性加温組成物は熱を放出し得る。ECG電極加温システムは、少なくとも1つのECG電極と加温器との間に配置された挿入部をさらに備え、少なくとも1つのECG電極は挿入部に取外し可能に接続され、加温器は挿入部に接着される。加温器は、少なくとも1つのECG電極を5分以内に少なくとも選択された温度まで加温するように構成され得る。加温器は、少なくとも45分間、少なくとも1つのECG電極を選択された温度以上に維持するように構成され得る。
【0011】
上記および他の態様、特徴、応用、および利点は、本明細書、図面、および特許請求の範囲から当業者には明らかである。特に記載されない限り、本明細書および特許請求の範囲における語句は、適用可能な技術分野の当業者にとって平易かつ通常の慣用的意味が与えられることが意図されている。本発明者は、所望に応じて自分自身が辞書編集者となり得ることをよく理解している。本発明者は、自身の辞書編集者として、別段の記載が明示されない限り本明細書および特許請求の範囲において用語の平易かつ通常の意味を使用することを明確に選択し、さらに、その用語の「特別な」定義を明示し、平易かつ通常の意味とどのように異なるかを説明する。「特別な」定義を適用する明確な意図の表示がなければ、本明細書および特許請求の範囲の解釈には、用語に対する単純で平易かつ通常の意味が適用されるということが本発明者の意図および所望である。
【0012】
本発明者は、英文法の通常の規則も理解している。したがって、名詞、用語、または語句が、何らかの方法でさらなる特徴付け、特定、または制限を設けられることが意図される場合、そのような名詞、用語、または語句は、英文法の通常の規則に従って追加の形容詞、説明用語、または他の修飾語を明確に含む。そのような形容詞、説明用語、または修飾語がなければ、そのような名詞、用語、または語句は、上述した当業者にとって平易かつ通常の英語的意味を与えられることが意図されている。
【0013】
さらに、本発明者は、35U.S.C.112条(f)の特別規定の基準および適用を熟知している。したがって、発明を実施するための形態、図面の簡単な説明、および特許請求の範囲における「機能」、「手段」、または「ステップ」という語の使用は、本発明を定義するために、35U.S.C.112条(f)の特別規定を行使する意思を何らかの形で示すことを意図したものではない。逆に、35U.S.C.112条(f)の規定が本発明を定義するために行使されようとする場合、特許請求の範囲には、「~のための手段」または「~のためのステップ」という正確な語句が具体的かつ明確に記載され、そのような語句に機能をサポートする任意の構造、材料、または動作を記載せずとも、「機能」という語も記載される(すなわち、「[機能を挿入]の機能を行うための手段」が記載される)。したがって、特許請求の範囲に「・・・の機能を行うための手段」または「・・・の機能を行うためのステップ」が記載される場合でも、その手段またはステップをサポートする、または記載された機能を行う任意の構造、材料、または動作が特許請求の範囲に記載されていれば、35U.S.C.112条(f)の規定を行使しないことが発明者の明確な意図である。さらに、35U.S.C.112条(f)の規定が、特許請求対象である態様を定義するために行使される場合でも、これらの態様は、好適な実施形態において説明される特定の構造、材料、または動作のみに限定されるものではなく、追加として、本開示の代替の実施形態または態様において説明されるように特許請求対象の機能を行う任意かつ全ての構造、材料、または動作、または特許請求対象の機能を行うための周知の既存または今後開発される同等の構造、材料、または動作である任意かつ全ての構造、材料、または動作を含むことが意図される。
【0014】
上記および他の態様、特徴、および利点は、本明細書、図面、および特許請求の範囲から、当業者に明らかになる。
【0015】
以下、同様の符号が同様の要素を示す添付図面とともに、実装形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】心電図(ECG)電極加温システムの斜視図である。
【
図2】
図1に示すECG電極加温システムの加温器、挿入部、および電極の斜視図である。
【
図3】
図1に示すECG電極加温システムの分解図である。
【
図4】
図1に示すECG電極加温システムの電極の上面図である。
【
図5】
図4に示す電極の直線5-5に沿って示す断面図である。
【
図6】
図1~5に示すシステムを用いてECG電極を加温する方法を示すプロセス図である。
【
図7】
図1~5に示すECG電極加温システムを組み立てる方法を示すプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
当業者は、図内の要素が簡潔性および明確性のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを認識する。たとえば、図内の要素のいくつかの寸法は、実装形態の理解を向上させるために他の要素に対して誇張され得る。
【0018】
本開示、その態様、および実装形態は、本明細書に開示される特定の材料タイプ、構成要素、方法、または他の例に限定されるものではない。当技術分野において知られている多くの追加の材料タイプ、構成要素、方法、および手順が、本開示からの特定の実装形態とともに使用されることを考慮される。したがって、たとえば、特定の実装形態が開示されるが、そのような実装形態および実装構成要素は、意図された動作と一致する、そのようなシステムおよび実装構成要素について当技術分野で知られているような任意の構成要素、モデル、タイプ、材料、バージョン、量などを備えてよい。
【0019】
「典型的」、「例」、またはそれらの様々な形態は、本明細書において、例、実例、または例示として機能することを意味するために使用される。「典型的」または「例」として本明細書で説明される任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計に対して好適または有利であると解釈されるわけではない。さらに、例は、単に明確性および理解を目的として提供されており、本開示の開示される主題事項または関連部分をいかなるようにも限定または制限することを意味するものではない。様々な範囲の多数の追加または代替例を提示することが可能であったが、簡潔性のために省略されていることを認識すべきである。
【0020】
本開示は、多くの異なる形態で説明される多数の実装形態を含むが、本開示は、開示される方法およびシステムの原理の例示として考えるべきであり、開示される概念の広範な態様を例示された実装形態に限定することを意図するものではないという理解の上で、特定の実装形態が図面に示され、本明細書において詳細に説明される。
【0021】
以下の説明において、本明細書の一部を成し、可能な実装形態を例示的に示す添付図面が参照される。他の実装形態が用いられてよく、本明細書の範囲から逸脱することなく構造的変更ならびに手順的変更が行われ得ることを理解すべきである。便宜上、様々な構成要素は、典型的な材料、サイズ、形状、寸法などを用いて説明される。ただし、本明細書は、記載された例に限定されず、他の構成も可能であり、本開示の教示の範囲内である。明らかになるように、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、開示される典型的な実装形態において説明された要素のいずれかの機能および/または配置に変更が加えられ得る。
【0022】
本開示は、心電図(ECG)電極加温システム100に関する。加温システム100は、
図1~3に示すように、一体的にパッケージされた加温器102およびECG電極104を備える。任意の数のECG電極104がシステム100に含まれ得る。たとえば、加温システム100は、少なくとも1つのECG電極104、少なくとも2つのECG電極104、または複数のECG電極104を有してよい。特定の実装形態において、加温システム100は、6つのECG電極104を有する。ECG電極104は、電気信号を検出するために患者の身体に取り付けられるように構成される。たとえば、ECG電極104は、患者の心臓または脳によって生成される電気信号を検出するために用いられ得る。
【0023】
加温システム100は、ECG電極104を患者の身体に装着する前に加温するように設計および構成される。これにより、冷たい電極104で患者の身体にショックを与えることなく、患者の快適性を維持することによって患者の健康が促進される。これにより、医療処置の結果が改善される。たとえば、ECGは、たとえば震えなどのわずかな動きでも、患者の動きによって影響される。患者が静止しているほど、ECG結果は正確になる。患者をリラックスさせ、温めることにより、加温されたECG電極104は、ECG結果の精度を高める。
【0024】
ECG電極104は、加温器102に取外し可能および/または熱的に接続され得る。これにより、ECG電極104は、患者の身体に装着するために加温器102から容易に取り外すことが可能でありながら、加温器102がECG電極104を効果的に加温するようにECG電極104を加温器102の付近に維持することができる。各ECG電極104は、
図4~5に示すように、粘着パッド106、スポンジ108、およびスナップ110を有してよい。粘着パッド106は、中央に空洞を有してよく、スポンジ108は、粘着パッド106の空洞内に配置され、たとえば塩化銀ゲルなどの導電性ゲルに浸漬され得る。いくつかの実施形態において、ECG電極104は、スポンジ108を有さない場合があり、代わりに空洞がゲルで充填され得る。スナップ110は導電性であり、スポンジ108またはゲルと接触している。スナップ110は、空洞から離れる方向に延びる突起112も有する。たとえばワイヤ(不図示)の端部などにある外部スナップは、突起112と結合し、スポンジ108またはゲルを介して電極102に入る信号を、測定される電極104から離れる方向へ搬送してよい。
【0025】
図3に戻ると、加温器102は、発熱性加温組成物114を備える。発熱性加温組成物114は、熱を放出して周囲を温める発熱プロセスを経る任意の組成物であってよい。熱が放出されるタイミングを制御するために、加温組成物114は、発熱プロセスを開始し永続させるように構成された反応組成物116から分離または隔離され得る。たとえば、加温組成物114は空気で活性化されてよく、反応組成物116は周囲空気であってよい。空気活性化加温組成物114を周囲空気から分離することによって、加温組成物114が経る発熱プロセスは、所望されるまで停止され得る。
【0026】
加温システム100は、加温組成物114を反応組成物116から分離するための障壁118を備えてよい。いくつかの実施形態において、障壁118は、ユーザによって破壊可能である。破壊されると、障壁118は、加温組成物114を反応組成物116から分離しなくなり、反応組成物116と加温組成物114との接触が可能になる。上述したように、これによって発熱プロセスが起こり、加温組成物114から熱が放出される。
【0027】
障壁118は、任意の形状を有してよい。たとえば、加温組成物114および反応組成物116は一体的にパッケージされ、障壁118がそれらの間にシートとして延びてよい。このシートが破壊されると、加温組成物114および反応組成物116はパッケージ内で混合することができ、発熱プロセスが開始される。別の例として、
図1および
図3に示すように、障壁118は、加温器102および加温組成物114を封入する封筒のように、それ自体がパッケージであってよい。反応組成物116は、封筒が開かれると加温組成物114および反応組成物116が混合し得るように、障壁118の外側に配置され得る。加温組成物114が空気で活性化される実施形態において、封筒が開かれると周囲空気が加温組成物114に接触し、発熱プロセスが開始される。
【0028】
発熱プロセスは、酸化プロセスであってよい。したがって、加温組成物114は、酸化して熱を放出し、ECG電極104を加温してよい。加温構成物114は、たとえば鉄、塩、水、活性炭、バーミキュライト、および/または鋸屑などの材料を含んでよい。加温組成物114は、反応組成物116に対し透過可能な材料で形成された外側層に封入され得る。また、加温組成物114は、加温組成物114が外側層を通過することを防止する材料で形成された外側層に封入され得る。重い布地は、反応組成物116に対して透過性を維持しながら、加温組成物114が外側層を通過することを防止し得る。したがって、加温組成物114は、1平方メートル当たり50グラム(GSM)以上の重量を有する布地で形成された外側層内にパッケージされ得る。いくつかの実施形態において、布地は、少なくとも60GSM、70GSM、75GSM、または80GSMの重量を有してよい。特定の実施形態において、加温組成物114は、ポリプロピレン布内にパッケージされる。他の材料も実装され得る。
【0029】
加温システム100のいくつかの実施形態は、挿入部120を備える。挿入部120は、ECG電極104が取外し可能に取り付けられ得る表面を提供する。挿入部120は、透明なプラスティック材料で形成され、薄いシート状の材料であってよい。挿入部120は、第1の側面と、第1の側面と対向する第2の側面とを有する。ECG電極104は、第1の側面に取り付けられる。いくつかの実施形態において、加温器102は、挿入部120の第2の側面に接着され得る。これにより、加温器102のECG電極104との熱接触が維持され得る。いくつかの実施形態において、加温器102を挿入部120に接着するために接着剤が用いられる。接着剤は、当技術分野で知られている任意の接着剤であってよく、挿入部120に回転塗布され、または挿入部120に噴霧され得る。接着剤を塗布する他の方法も実施され得る。いくつかの実施形態において、接着剤は、ポリマ接着剤、アクリル接着剤、熱溶融性接着剤、または樹脂接着剤である。特定の実施形態において、接着剤は、ポリウレタン接着剤である。たとえばテープ、両面テープ、クリップ、リベット、ステープルの使用など、加温器102を挿入部120に接着する他の方法も実施され得る。
【0030】
加温システム100は、患者の身体に装着された場合にECG電極104が冷たくなく不快でないように、ECG電極104を快適な温度に加温するように構成される。加温器102は、第1の期間内にECG電極104を選択された温度まで加温するように構成され得る。また、加温器102は、第2の期間にわたりECG電極104を選択された温度以上に維持するように構成され得る。これら2つの期間により、ユーザは、ECG電極104が特定の期間中に十分に温まることを知り、電極104が装着される正確な瞬間が未知である場合の柔軟性がユーザに提供される。
【0031】
いくつかの実施形態に関して、第1の期間は5分であり、加温器102は、5分以内にECG電極104を選択された温度まで加温するように構成される。いくつかの実施形態に関して、第1の期間は10分であり、加温器102は、10分以内にECG電極104を選択された温度まで加温するように構成される。第1の期間に関して他の期間が選択されてもよい。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも45分であり、加温器102は、少なくとも45分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように構成される。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも90分であり、加温器102は、少なくとも90分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように構成される。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも120分であり、加温器102は、少なくとも120分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように構成される。第2の期間に関して他の期間が選択されてもよい。選択された温度は、華氏110度、華氏120度、華氏130度、華氏140度、または他の任意の温度であってよい。選択された温度は、ECG電極104が患者にとって触れて温かい程度に高いことが望ましい。
【0032】
加温システム100の特定の実施形態において、ECG電極104が華氏70度で開始する場合、加温器102は、ECG電極104を1分以内に華氏85度、2分以内に華氏100度、3分以内に華氏110度、4分以内に華氏120度、5分以内に華氏130度、6分以内に華氏135度、7分以内に華氏140度、8分以内に華氏145度、および/または9分以内に華氏150度まで加温するように構成される。加温器102は、ECG電極104を10分以内に華氏145度、11分以内に華氏150度、および/または12分以内に華氏155度まで加温するように構成され得る。
【0033】
加温システム100は、キットとして組み立てられてもよい。そのような実施形態において、加温システム100の個別の構成要素は一体的にパッケージされ得るが、上述したのと同じ程度に組み立てられていない。たとえば、キットは、上述したように少なくとも1つのECG電極104および加温器102を備えてよく、キットは、少なくとも1つのECG電極104、加温器102、および挿入部120を備えてよく、あるいはキットは、少なくとも1つのECG電極104、加温器102、挿入部120、および接着剤を備えてよいが、これらの構成要素は、キット内で互いに結合されていない場合がある。その代わり、キットの構成要素はまとめてユーザが入手可能であり、ユーザはその後、ECG電極を加温するために必要に応じて構成要素を使用することができる。たとえば、接着剤が加温器102を挿入部120に接着するために使用され、ECG電極104が挿入部120に取外し可能に接続され得ることにより、加温器102はECG電極104を加温することができる。
【0034】
本開示は、
図6に示す、心電図(ECG)電極104を加温する方法200にも関連する。方法200は、上述したようなECG電極104を提供することと、上述したようにECG電極104を加温器102に熱的に接続することとを備える。方法200は、提供されたECG電極104を加温することをさらに備えてよい。方法200は、提供されたECG電極104の数に依存して、少なくとも1つのECG電極104、少なくとも2つのECG電極104、複数のECG電極104、または6つのECG電極104を含む任意の数のECG電極を加温するために用いられ得る。方法200は、加温器102からECG電極104を取り外すこと、および/またはECG電極104を患者の身体に装着することをさらに備えてよい。したがって、方法200は、ECG電極104および加温器102を提供すること、ECG電極104を加温器102で加温すること、ECG電極104を加温器102から取り外すこと、および/またはECG電極104を患者に装着することを包含してよい。
【0035】
上述したように、加温器102は、発熱性加温組成物114を備える。方法200は、上述したように、加温組成物114を反応組成物116に触れされて熱を放出することをさらに備えてよく、加温組成物114と反応組成物116との接触による熱を用いてECG電極104を加温することも備えてよい。また方法200は、詳しく上述したように、障壁118によって加温組成物114を反応組成物116から分離することも備えてよい。また、方法200は、加温組成物114と反応組成物116との接触を可能にするために障壁118を破壊することを備えてよい。上述したように、いくつかの実施形態において、加温組成物114は空気で活性化され、反応組成物116は周囲空気である。そのような実施形態において、方法200は、加温組成物114を酸化させることも備えてよい。
【0036】
方法200は、封筒に封入された加温器102を提供すること、または封筒に封入された加温器102およびECG電極104の両方を提供することを備えてよい。ECG電極104は、直接、または上述したように挿入部120を介して、加温器102に物理的に接続され得る。方法200は、詳しく上述したように、ECG電極104を選択された温度まで加温することも備えてよい。ECG電極104を快適な温度まで加温することによって、ECG電極104は、患者の身体に装着された場合に冷たくなく、または不快でない。方法200は、第1の期間内にECG電極104を選択された温度まで加温することを備えてよく、第2の期間にわたりECG電極104を選択された温度以上に維持することを備えてよい。上述したように、第1の期間および第2の期間は、ユーザが、電極104が妥当な時間(第1の期間)内に温まることを知った上で必要な時にECG電極104を準備し、あるいは、電極104が特定の時間(第2の期間)温かく維持されることを知った上で必要になる前にECG電極104を準備することを可能にすることによって、ユーザに柔軟性を提供する。
【0037】
いくつかの実施形態に関して、第1の期間は5分であり、方法200は、5分以内にECG電極104を選択された温度まで加温することを備える。いくつかの実施形態に関して、第1の期間は10分であり、方法200は、10分以内にECG電極104を選択された温度まで加温することを備える。第1の期間に関して他の期間が選択されてもよい。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも45分であり、方法200は、少なくとも45分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持することを備える。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも90分であり、方法200は、少なくとも90分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持することを備える。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも120分であり、方法200は、少なくとも120分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持することを備える。第2の期間に関して他の期間が選択されてもよい。選択された温度は、華氏110度、華氏120度、華氏130度、華氏140度、または他の任意の温度であってよい。選択された温度は、ECG電極104が患者にとって触れて温かい程度に高いことが望ましい。
【0038】
本開示は、
図7に示すように、心電図(ECG)電極加温システムまたはキット100を組み立てる方法300にも関連する。方法300は、上記で開示したような少なくとも1つのECG電極104および上記で開示したような加温器102を提供することと、少なくとも1つのECG電極104および加温器102を一体的にパッケージすることとを備える。方法300は、提供されるECG電極104の数に依存して、少なくとも1つのECG電極104、少なくとも2つのECG電極104、複数のECG電極104、または6つのECG電極104を含む任意の数のECG電極104を含んでよい。方法300は、追加の構成要素を備えてよい。たとえば、方法300は、ECG電極104を加温器102に取外し可能に接続すること、加温器102の加温組成物114を反応組成物116から分離すること、および/または加温組成物114と反応組成物116との間に障壁118を配置することを備えてよい。上述したように、障壁118は、反応組成物116を加温組成物114に接触させるためにユーザによって破壊可能であってよく、反応組成物116と加温組成物114との接触により、加温組成物114は熱を放出し得る。加温組成物114は空気で活性化されてよく、反応組成物116は周囲空気であってよい。方法300は、障壁118が破壊されるとECG電極104を加温するように加温器102を構成すること、加温器102を周囲空気から分離するように構成された封筒に加温器102を封入すること、加温器102とともにECG電極104を封筒に封入すること、および/または加温組成物114を周囲空気から分離することによって加温組成物114の酸化を防止することも備えてよい。
【0039】
方法300は、ECG電極104と加温器102との間に挿入部120を配置すること、および/またはECG電極104を挿入部120に取外し可能に接続することも備えてよい。また、方法300は、加温器102を挿入部120に接着することも備えてよい。加温器102を挿入部120に接着することは、加温器102または挿入部120に接着剤を塗布することを備えてよく、加温器120または挿入部120に接着剤を塗布することは、加温器102または挿入部120に接着剤を回転塗布すること、または加温器102または挿入部120に接着剤を噴霧することを備えてよい。上述したように、接着剤はポリウレタン接着剤であってよい。
【0040】
方法300は、障壁118が除去または破壊されると加温組成物114と反応組成物116との接触を促進するために、反応組成物116に対して透過性の材料に加温組成物114をパッケージすることも備えてよい。使用される材料は、反応組成物116に対する透過性を維持しながら、加温組成物114が材料を通過することを防止するように選択されてもよい。この点に関して、重い布地が役立ち得るので、方法300は、1平方メートル当たり50グラム(GSM)以上、少なくとも60GSM、70GSM、75GSM、または80GSMの重量を有する布地に加温組成物114をパッケージすることを備えてよい。布地は、ポリプロピレン布であってよい。他の材料および重量も実装され得る。
【0041】
方法300は、詳しく上述したように、ECG電極104を選択された温度まで加温するように加温器102を構成することも備えてよい。ECG電極104を快適な温度に加温することによって、ECG電極104は、患者の身体に装着された場合に冷たくなく、または不快でない。方法300は、第1の期間内にECG電極104を選択された温度まで加温するように加温器102を構成することを備えてよく、第2の期間にわたりECG電極104を選択された温度以上に維持するように加温器102を構成することを備えてよい。上述したように、第1の期間および第2の期間は、ユーザが、電極104が妥当な時間(第1の期間)内に温まることを知った上で必要な時にECG電極104を準備し、あるいは、電極104が特定の時間(第2の期間)温かく維持されることを知った上で必要になる前にECG電極104を準備することを可能にすることによって、ユーザに柔軟性を提供する。選択された温度、第1の期間、および第2の期間は全て、加温組成物114および/または反応組成物116の処方に依存する。したがって、方法300は、加温組成物114および/または反応組成物116の成分の比および量を選択することも備えてよい。
【0042】
いくつかの実施形態に関して、第1の期間は5分であり、方法300は、5分以内にECG電極104を選択された温度まで加温するように加温器102を構成することを備える。いくつかの実施形態に関して、第1の期間は10分であり、方法300は、10分以内にECG電極104を選択された温度まで加温するように加温器102を構成することを備える。第1の期間に関して他の期間が選択されてもよい。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも45分であり、方法300は、少なくとも45分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように加温器102を構成することを備える。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも90分であり、方法300は、少なくとも90分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように加温器102を構成することを備える。いくつかの実施形態に関して、第2の期間は少なくとも120分であり、方法300は、少なくとも120分間、ECG電極104を選択された温度以上に維持するように加温器102を構成することを備える。第2の期間に関して他の期間が選択されてもよい。選択された温度は、華氏110度、華氏120度、華氏130度、華氏140度、または他の任意の温度であってよい。選択された温度は、ECG電極104が患者にとって触れて温かい程度に高いことが望ましい。
【0043】
ECG電極加温パッケージの実装形態は、本明細書に開示された特定のアセンブリ、デバイス、および構成要素に限定されず、ECG電極加温パッケージの意図された動作と一致する実質的に任意のアセンブリ、デバイス、および構成要素が使用され得ることが理解される。したがって、たとえば、特定のECG電極加温パッケージおよび他のアセンブリ、デバイス、および構成要素が開示されるが、それらは、ECG電極加温パッケージの意図された動作と一致する任意の形状、サイズ、スタイル、タイプ、モデル、バージョン、クラス、測定値、濃度、材料、重量、量などを含んでよい。選択されたアセンブリ、デバイス、および構成要素がECG電極加温パッケージの意図された動作と一致することを条件として、実装形態は、任意の特定のアセンブリ、デバイス、および構成要素の使用に限定されない。
【0044】
したがって、任意のECG電極加温パッケージを画定する構成要素は、選択された材料がECG電極加温パッケージの意図された動作と一致することを条件として、容易に成形物体に形成することが可能な多くの異なるタイプの材料のいずれかまたはそれらの組み合わせで形成され得る。たとえば、構成要素は、たとえば熱可塑性プラスティック(ABS、フッ素重合体、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスルホンなど)、熱硬化性樹脂(エポキシ、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、シリコンなど)、それらの任意の組み合わせ、および/または他の同種の材料などのポリマ、ガラス(石英ガラスなど)、炭素繊維、アラミド繊維、それらの任意の組み合わせ、および/または他の同種の材料、複合材料および/または他の同種の材料、たとえば亜鉛、マグネシウム、チタン、銅、鉛、鉄、鋼、炭素鋼、合金鋼、工具鋼、ステンレス鋼、真鍮、ニッケル、錫、アンチモン、純アルミニウム、1100アルミニウム、アルミニウム合金、それらの任意の組み合わせ、および/または他の同種の材料などの金属、たとえばアルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金、銅合金、それらの任意の組み合わせ、および/または他の同種の材料などの合金、他の任意の適切な材料、および/または上記の任意の組み合わせで形成され得る。部品、構成要素、特徴、または要素が規格、規則、コード、または他の要件によって統制される例では、部品は、そのような規格、規則、コード、または他の要件に従い、準拠するように製造され得る。
【0045】
本明細書で説明される手順によって追加および改善された従来の手順を用いて、様々なECG電極加温パッケージが製造され得る。ECG電極加温パッケージを画定するいくつかの構成要素は、同時に製造され、または互いに一体的に接合され得るが、他の構成要素は、製造前に購入または個別に製造され、その後、不可欠な構成要素と組み立てられ得る。本明細書で説明される手順によって追加および改善された従来の手順を用いて、様々な実装形態が製造され得る。
【0046】
したがって、これらの構成要素の個別または同時の製造は、押出し成形、引抜き成形、真空成形、射出成形、ブロー成型、樹脂トランスファー成形、鋳造、鍛造、冷間圧延、フライス加工、穴あけ、リーマ加工、旋削、研削、スタンピング、切断、曲げ、溶接、はんだ付け、硬化、リベット打ち、打ち抜き、メッキなどを含んでよい。構成要素のいずれかが別に製造される場合、それらはその後、たとえば特に構成要素を形成する特定の材料などの考慮事項に依存して、たとえば接着、溶接、固定具(たとえばボルト、ナット、ねじ、くぎ、リベット、ピンなど)、配線、それらの任意の組み合わせなどの任意の方法で互いに結合され得る。
【0047】
ECG電極加温パッケージを製造する、または組み立てるための方法は、本明細書に開示されるような特定の順序のステップに限定されないことが理解される。様々な組立てプロセスおよび一連のステップがECG電極加温パッケージを組み立てるために用いられ得るため、本明細書に示されるECG電極加温パッケージの組立ての任意のステップまたは一連のステップは、可能なステップまたは一連のステップの例として記載され、限定として記載されたものではない。
【0048】
ECG電極加温パッケージの実装形態は、例示または説明のためであり、限定のためのものではない。むしろ、上記に関連する説明はいずれも本開示の例となることを目的としており、実装態様は、ECG電極加温パッケージを利用する様々な他の用途に関して同様の結果で使用することもできる。
【国際調査報告】