(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】電極リード整列マスキング装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/516 20210101AFI20241212BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20241212BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20241212BHJP
【FI】
H01M50/516
H01M50/505
H01M50/557
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539989
(86)(22)【出願日】2023-02-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 KR2023002396
(87)【国際公開番号】W WO2023163469
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2022-0022936
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】テ・ウク・キム
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043CA08
5H043DA02
5H043FA04
5H043FA40
5H043HA02D
5H043HA06F
5H043HA17F
5H043HA18F
5H043HA40F
5H043JA03F
5H043JA09F
5H043KA33F
5H043LA02F
5H043LA22F
(57)【要約】
本発明は、電極リード整列マスキング装置を開示する。本発明の電極リード整列マスキング装置は、電極リードの溶接工程におけるバスバーにベントされた電極リードを整列する、電極リード整列マスキング装置において、前記バスバーの間のスロットに挿入されて、前記電極リードの位置を整列する一対の整列ジグと、上記一対の整列ジグの間に配置されて、前記電極リードの溶接部位を取り囲むマスキングジグとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードの溶接工程においてバスバーにベントされた電極リードを整列する、電極リード整列マスキング装置において、
前記バスバーの間のスロットに挿入されて、前記電極リードの位置を整列する一対の整列ジグ、及び
前記一対の整列ジグの間に配置されて、前記電極リードの溶接部位を取り囲むマスキングジグ、
を含む、
電極リード整列マスキング装置。
【請求項2】
前記一対の整列ジグは、前記マスキングジグの幅方向両側に結合される、
請求項1に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項3】
前記整列ジグは、前記スロットから前記電極リードの外側に挿入されつつ、前記電極リードを前記バスバー側にまとめる、
請求項1に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項4】
前記整列ジグは、
前記マスキングジグの両側に対向する整列ボディ部、及び
前記整列ボディ部に延びて、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成され、前記スロットに挿入されつつ、前記電極リードを整列する整列リブ、
を含む、
請求項3に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項5】
前記整列リブの厚さ方向内側には、前記電極リードをバスバー側にまとめるように、整列テーパ部が形成される、
請求項4に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項6】
前記整列ボディ部の下側には、前記電極リードのベンディング部と離隔するように段差部が形成され、
前記マスキングジグの加圧面部は、前記段差部よりも低い位置に配置される、
請求項5に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項7】
前記整列ジグは、四角パネル状に形成される、
請求項1に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項8】
前記マスキングジグの内部には、上下方向に貫通する溶接空間部が形成される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項9】
前記マスキングジグは、前記バスバーの長さ方向と並ぶ四角筒状に形成され、
前記溶接空間部は、前記バスバーの長さ方向に沿って並んで形成される、
請求項8に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項10】
前記マスキングジグは、前記電極リードを前記バスバーに圧着させる、
請求項1に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項11】
電極リードの溶接工程においてバスバーにベントされた電極リードを整列する、電極リード整列マスキング装置において、
前記バスバーの間のスロットに挿入されて、前記電極リードの位置を整列する一対の整列ジグ、
前記一対の整列ジグの間に配置され、前記電極リードの溶接部位を取り囲むように設置され、前記整列ジグが移動可能に結合されるマスキングジグ、及び
前記一対の整列ジグを弾性支持するように、前記マスキングジグの両側にそれぞれ設置される、少なくとも2個以上の弾性部材、
を含む、
電極リード整列マスキング装置。
【請求項12】
前記マスキングジグは、
上下方向に貫通する溶接空間部が形成されるマスキングボディ部、及び
前記マスキングボディ部の両側に配置されて、前記整列ジグがそれぞれスライディング可能に結合される、スライド溝部が形成されるスライドガイド部、
を含む、
請求項11に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項13】
前記整列ジグは、
前記マスキングジグの両側に対向する整列ボディ部、
前記整列ボディ部から下側に延びて、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成され、前記スロットに挿入されることによって、前記電極リードを整列する整列リブ、
前記整列ボディ部から上側に延びて、前記スライド溝部にスライド可能に結合されるスライダー、
を含む、
請求項12に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項14】
前記整列リブは、前記スロットから前記電極リードの外側に挿入されつつ、前記電極リードを前記バスバー側にまとめる、
請求項13に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項15】
前記整列リブの厚さ方向内側には、前記電極リードをバスバー側にまとめるように、整列テーパ部が形成される、
請求項13に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項16】
前記スライダーの厚さは、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成される、
請求項15に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項17】
前記整列ボディ部の上側には、前記スライドガイド部の下側端部に引っかかって、前記整列ジグの移動距離を制限する、移動制限部が形成される、
請求項13に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項18】
前記弾性部材は、前記整列ボディ部の上端部と、前記スライド溝部の上端部に支持される、
請求項13~17のいずれか一項に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項19】
前記弾性部材は、前記整列ボディ部の長さ方向両側にそれぞれ配置される、
請求項18に記載の電極リード整列マスキング装置。
【請求項20】
前記整列ボディ部の下側には、前記電極リードのベンディング部と離隔するように段差部が形成され、
前記マスキングジグの加圧面部は、前記段差部よりも低い位置に配置される、
請求項13に記載の電極リード整列マスキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年2月22日付韓国特許出願第10-2022-0022936号に基づく優先権の利益を主張し、同韓国特許出願の文献で開示のすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極リード整列マスキング装置に関し、より詳細は、バスバーにベントされた電極リードを正確な位置に整列して、溶接不良率を顕著に減少させ、電極リブの損傷を防止することができる、電極リード整列マスキング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、二次電池は、正極、負極及び電解質を含み、化学反応を利用して電気エネルギーを発生させる。二次電池は、充放電可能であるという長所により、徐々に使用が増えつつある。これら二次電池の中でも、リチウム二次電池は、単位重量当たりエネルギー密度が高いため、電子通信機器の電源として使用されるか、高出力のハイブリッド自動車、電気自動車などの駆動源として広く使用されている。
【0004】
これら二次電池の形状面からは、薄厚であり、携帯電話などのような製品に適用し得る、角型二次電池とパウチ型二次電池に対する需要が増加している。二次電池の材料面からは、高いエネルギー密度、放電電圧、出力が安定的なリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が増加している。
【0005】
二次電池の電池ケースの内部には、複数の電池セルが積層される。複数の電池セルには、電極タブがそれぞれ突出して形成され、各電極タブには、電極リードが溶接される。負極リードと正極リードは、ベンディング工程において、ベンディングツール(bending tool)によってバスバーに重なるようにベントされる。ベンディング工程の後続工程である溶接工程において、ベントされた負極リードと正極リードは、溶接ツールによってバスバーに重なった状態で溶接される。
【0006】
しかし、従来より、電極リードのベンディング工程後、溶接工程を行うとき、ベントされた電極リードが整列されていない状態でバスバーに溶接される。これによって、複数の電極リードの長さを同一に一元化しても、電極リードの溶接長さが異なってきて、溶接不良率が増加し得る。
【0007】
また、一対の電極リードは、バスバーの幅方向外側に開いた状態でベントされると、一対の電極リードの重なった長さが短くなる。この場合、マスキングジグにより、重なった部分を加圧した状態で溶接すると、実際の溶接区間が設計の溶接区間よりも短くなるにつれて、溶接部の接合力は、顕著に低下する。
【0008】
また、一対の電極リードは、バスバーの幅方向両側の面側にまとめた状態でベントされると、一対の電極リードの重なった長さが過度に長くなる。この場合、一対の電極リードの端部は、ラウンドに曲がった部分と重なるため、一対の電極リードの重なった部分は、局所的に浮き上がるか隙間が開く可能性がある。これによって、溶接部の接合力が弱くなり得る。また、溶接スパーク(welding spark)やスパッタ(spatter)が周辺に飛び、溶接不良率が増加し得る。
【0009】
また、各々のバスバーにおける一対の電極リードの溶接長さ(welding lenght)は、互いに異なり得るため、実際の溶接長さが設計要求寸法を外れるようになり、溶接不良率は、増加し得る。
【0010】
本発明の背景技術は、韓国公開特許公報第2019-0097614号(2019年8月21日付公開、発明の名称:スポット溶接用ジグ)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、バスバーにベントされた電極リードを正確な位置に整列して、溶接不良率を顕著に減少させることができる、電極リード整列マスキング装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、電極リードの実際の溶接長さが設計の溶接長さと一致できる、電極リード整列マスキング装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、電極リードがバスバーの幅方向外側に開けることを防止することで、溶接部の接合面積と接合力が減少することを防止することができる、電極リード整列マスキング装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、一対の電極リードの重なった部分が局所的に浮き上がるか隙間が開けることを防止することができる、電極リード整列マスキング装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、電極リードと整列ジグが損傷することを防止することができる、電極リード整列マスキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本発明による電極リード整列マスキング装置は、電極リードの溶接工程においてバスバーにベントされた電極リードを整列する電極リード整列マスキング装置において、前記バスバーの間のスロットに挿入されて、前記電極リードの位置を整列する一対の整列ジグと、前記一対の整列ジグの間に配置されて、前記電極リードの溶接部位を取り囲むマスキングジグとを含む。
【0017】
前記一対の整列ジグは、前記マスキングジグの幅方向両側に結合していてもよい。
【0018】
前記整列ジグは、前記スロットから前記電極リードの外側に挿入されつつ、前記電極リードを前記バスバー側にまとめることができる。
【0019】
前記整列ジグは、前記マスキングジグの両側に対向する整列ボディ部と、前記整列ボディ部から延びて、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成され、前記スロットに挿入されつつ、前記電極リードを整列する整列リブと、を含むことができる。
【0020】
前記整列リブの厚さ方向内側には、前記電極リードをバスバー側にまとめるように、整列テーパ部を形成することができる。
【0021】
前記整列ボディ部の下側には、前記電極リードのベンディング部と離隔するように段差部が形成され、前記マスキングジグの加圧面部は、前記段差部よりも低い位置に配置されていてもよい。
【0022】
前記整列ジグは、四角パネル状に形成することができる。
【0023】
前記マスキングジグの内部には、上下方向に貫通する溶接空間部を形成することができる。
【0024】
前記マスキングジグは、前記バスバーの長さ方向と並ぶ四角筒状に形成され、前記溶接空間部は、前記バスバーの長さ方向に沿って並んで形成することができる。
【0025】
前記マスキングジグは、前記電極リードを前記バスバーに圧着させることができる。
【0026】
本発明による電極リード整列マスキング装置は、電極リードの溶接工程においてバスバーにベントされた電極リードを整列する電極リード整列マスキング装置において、前記バスバーの間のスロットに挿入されて、前記電極リードの位置を整列する一対の整列ジグ;前記一対の整列ジグの間に配置されて、前記電極リードの溶接部位を取り囲むように設置され、前記整列ジグが移動可能に結合されるマスキングジグ;及び前記一対の整列ジグを弾性支持するように、前記マスキングジグの両側にそれぞれ設置される少なくとも2個以上の弾性部材;を含む。
【0027】
前記マスキングジグは、上下方向に貫通する溶接空間部が形成されるマスキングボディ部;及び前記マスキングボディ部の両側に配置されて、前記整列ジグがそれぞれスライド可能に結合されるスライド溝部を形成するスライドガイド部;を含むことができる。
【0028】
前記整列ジグは、前記マスキングジグの両側に対向する整列ボディ部;前記整列ボディ部から下側に延びて、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成され、前記スロットに挿入されることによって、前記電極リードを整列する整列リブ;及び前記整列ボディ部から上側に延びて、前記スライド溝部にスライド可能に結合されるスライダー;を含むことができる。
【0029】
前記整列リブは、前記スロットから前記電極リードの外側に挿入されつつ、前記電極リードを前記バスバー側にまとめることができる。
【0030】
前記整列リブの厚さ方向内側には、前記電極リードをバスバー側にまとめるように、整列テーパ部を形成することができる。
【0031】
前記スライダーの厚さは、前記整列ボディ部の厚さよりも薄く形成することができる。
【0032】
前記整列ボディ部の上側には、前記スライドガイド部の下側端部に引っかかって、前記整列ジグの移動距離を制限する移動制限部を形成することができる。
【0033】
前記弾性部材は、前記整列ボディ部の上端部と、前記スライド溝部の上端部に支持されていてもよい。
【0034】
前記弾性部材は、前記整列ボディ部の長さ方向両側にそれぞれ配置することができる。
【0035】
前記整列ボディ部の下側には、前記電極リードのベンディング部と離隔するように段差部が形成され、前記マスキングジグの加圧面部は、前記段差部よりも低い位置に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、一対の整列ジグがベントされた電極リードの位置を整列し、マスキングジグがベントされた電極リードを圧着した状態で、溶接ツールが電極リードを溶接するため、ベントされた電極リードをバスバーの正確な位置に溶接することができる。
【0037】
本発明によれば、電極リードがバスバーの正確な位置に溶接されるため、電極リードの実際の溶接長さは、設計の溶接長さと一致できる。また、各々のバスバーにおける電極リードの溶接長さは、均一になり得る。
【0038】
本発明によれば、電極リードは、バスバーにまとめた状態で溶接されるため、溶接部の接合面積と接合力が減少することを防止することができる。
【0039】
本発明によれば、ベントされた電極リードの端部は、対向する電極リードにおけるラウンドに曲がったベンディング部と重ならないため、一対の電極リードの重なった部分が、局所的に浮き上がるか隙間が開くことを防止することができる。これによって、溶接部の接合力は、増大し得る。
【0040】
本発明によれば、整列ジグがマスキングジグに移動可能に結合されて、弾性部材によって弾性支持されるため、整列ジグと電極リードの衝撃を緩衝することができる。これによって、整列ジグと電極リードが損傷することを防止することができる。
【0041】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明による二次電池モジュールを概略的に示した平面図である。
【
図2】本発明による二次電池モジュールにおける電極リード整列マスキング装置が、バスバーの上側に配置された状態を概略的に示した断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した正面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置が、電極リードの上側に位置した状態を概略的に示した図面である。
【
図7】本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置の整列リーグが、スロットに挿入されて、電極リードを整列した状態を概略的に示した図面である。
【
図8】本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した分解斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した正面図である。
【
図11】
図10の電極リード整列マスキング装置における11-11ラインを切開した状態を概略的に示した断面図である。
【
図12】
図11の電極リード整列マスキング装置が、電極リードにおける12-12ラインを切開した状態を概略的に示した断面図である。
【
図13】
図11の電極リード整列マスキング装置が、電極リードにおける13-13ラインを切開した状態を概略的に示した断面図である。
【
図14】本発明による二次電池モジュールにおける電池セルの電極リードが、バスバーのスロットに挟まれた状態を概略的に示した断面図である。
【
図15】本発明による二次電池モジュールにおける電池セルの電極リードが、バスバーにベントされた状態を概略的に示した断面図である。
【
図16】本発明による整列マスキング装置が、バスバーの上側に位置された状態を概略的に示した断面図である。
【
図17】本発明による整列マスキング装置の整列ジグが、バスバーの間のスロットに挟まれる状態を概略的に示した断面図である。
【
図18】本発明による整列マスキング装置の整列ジグの段差部が、電極リードのベントされた部分を加圧する状態を概略的に示した断面図である。
【
図19】本発明による整列マスキング装置のマスキングジグの加圧面部が、電極リードを加圧する状態を概略的に示した断面図である。
【
図20】本発明によるマスキングジグの溶接空間部を介して電極リードをバスバーに溶接する状態を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳説する。
【0044】
本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができ、相異する様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにして、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。よって、本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、いずれか実施形態の構成と、他の実施形態の構成とを互いに置換するか付加することはもちろん、本発明の技術思想と範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。
【0045】
添付の図面は、本明細書で開示の実施形態を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって、本明細書で開示の技術思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。図面における構成要素は、理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さを誇張して大きく或いは小さく表現することができるものの、これにより、本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0046】
本明細書で使った用語は、単に特定の具現例や実施形態を説明するために使われるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。そして、単数の表現は、文脈上、明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。明細書における~含む、~なる等の用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものである。すなわち、明細書における~含む、~なる等の用語は、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在或いは付加可能性を予め排除するものではないと理解しなければならない。
【0047】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使われてもよいものの、上記構成要素は、上記用語によって限定されない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけ使われる。
【0048】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されている場合は、その他の構成要素に直接連結されているか或いは接続されていてもよいものの、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0049】
ある構成要素が他の構成要素の「上部にある」か「下部にある」と言及されている場合は、その他の構成要素の真上に配されているだけでなく、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。
【0050】
他に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、ここで使われるあらゆる用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解するのと同様の意味を有する。一般に使われる、辞書に定義されているのと同様の用語は、関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならず、本出願において、明らかに定義しない限り、理想的或いは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0051】
以下、本発明の実施形態による電極リード整列マスキング装置について説明することとする。
【0052】
図1は、本発明による二次電池モジュールを概略的に示した平面図であり、
図2は、本発明による二次電池モジュールにおける電極リード整列マスキング装置が、バスバーの上側に配置された状態を概略的に示した断面図である。
【0053】
図1及び
図2を参照すると、二次電池モジュール1は、ケース10の内部に複数の電池セル30が積層される。各電池セル30には、電極タブ31が突出して延びて、電極タブ31は、電極リード33に溶接される。電池セル積層体(不図示)には、バスバーフレーム20が組み立てられる。バスバーフレーム20には、複数のバスバー21(bus bar)が並んで配列される。バスバーフレーム20における複数のバスバー21の間には、スロット23がそれぞれ形成される。スロット23の幅は、電極リード33の厚さの5-7倍程の大きさに形成することができる。電池セル積層体にバスバーフレーム20を組み立てると、複数の電極リード33は、当該スロット23を通過して、バスバーフレーム20の外側に垂直であるか、ほぼ垂直に突出する。
【0054】
これら電池セル積層体は、ベンディング工程(bending process)において、ベンディングツール(不図示)を用いて電極リード33をバスバー21に密着するようにベントさせる。各バスバー21には、一対の電極リード33がバスバー21の幅方向にベントされて、互いに重なる。バスバー21に電極リード33のベンディングを完了すると、溶接工程が行われる。溶接工程では、電極リード整列マスキング装置100が、ベントされた電極リード33をバスバー21に整列した状態でバスバー21に溶接する。これについては、下記で詳説することとする。
【0055】
本発明の実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、電極リード33の溶接工程において、二次電池モジュール1のバスバー21にベントされた電極リード33を整列及びマスキング(masking)する装置である。このとき、バスバー21には、同一極性の電極リード33がベントされるか、逆極性の電極リード33がベントされていてもよい。また、一部のバスバー21には、同一極性の電極リード33がベントされて、他のバスバー21には、逆極性の電極リード33がベントされていてもよい。
【0056】
図3は、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した斜視図であり、
図4は、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した分解斜視図であり、
図5は、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した正面図であり、
図6は、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置が、電極リードの上側に位置された状態を概略的に示した図面であり、
図7は、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置の整列リーグが、スロットに挿入されて、電極リードを整列した状態を概略的に示した図面である。
【0057】
本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置について説明することとする。
【0058】
図3~
図7を参照すると、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、一対の整列ジグ110(aligning jig)及びマスキングジグ120(masking jig)を含む。
【0059】
一対の整列ジグ110は、バスバー21の両側のスロット23に挿入されて、一対の電極リード33の位置を整列する。一対の整列ジグ110は、スロット23に挿入されつつベントされた電極リード33をバスバー21の幅方向両側面にまとめる。このとき、一対の電極リード33は、バスバー21の幅方向両側面に密着するか、若干離隔して整列することができる。また、一対の電極リード33は、バスバー21にベントされたとき、一側電極リード33の端部が、他側電極リード33のベンディング部34から一定距離離隔する長さを有する。
【0060】
マスキングジグ120は、整列ジグ110に結合されて、電極リード33の溶接部位を取り囲むように形成される。マスキングジグ120は、電極リード33をバスバー21に溶接するとき、火花やスパッタ(spatter)が溶接部位を外れないように、溶接部位まわりを遮蔽する。これによって、溶接時に発生するスパッタや火花が周辺構造物に飛ぶことを防止して、溶接不良率を顕著に減少させることができる。
【0061】
上記のように、一対の整列ジグ110がベントされた電極リード33の位置を整列して、マスキングジグ120がベントされた電極リード33を圧着した状態で、溶接ツール(welding tool:不図示)が電極リード33を溶接するため、ベントされた電極リード33をバスバー21の正確な位置に溶接することができる。また、電極リード33の実際の溶接長さは、設計した溶接長さと一致し得る。溶接長さは、バスバー21の幅方向長さに並んで溶接される長さを意味する。また、電極リード33がバスバー21の幅方向外側に開くことを防止することができる。これによって、溶接部の接合面積と接合力が減少することを防止して、溶接不良率を減少させることができる。
【0062】
また、ベントされた電極リード33の端部は、対向する電極リード33におけるラウンドに曲がったベンディング部34と重ならないため、一対の電極リード33の重なった部分が、局所的に浮き上がるか隙間が開けることを防止することができる。これによって、溶接部の接合力が増大し得る。
【0063】
また、各々のバスバー21における一対の電極リード33の溶接長さ(welding lenght)が均一になるため、実際の溶接長さは、設計要求寸法に一致して、溶接不良率が減少し得る。
【0064】
一対の整列ジグ110は、マスキングジグ120の幅方向両側に結合される。このとき、一対の整列ジグ110は、マスキングジグ120の幅方向両側に溶接又は接着されるか、スクリューやリベットのような締結部材によって結合することができる。これによって、整列ジグ110とマスキングジグ120は、1つの移動装置(不図示)によって昇降及び移動されつつ、電極リード33を整列及び溶接することができる。
【0065】
整列ジグ110は、スロット23における電極リード33の外側に挿入されつつ、電極リード33をバスバー21側にまとめる。このとき、一対の整列ジグ110の厚さ方向外側は、スロット23の外側面と接触するか離隔していてもよい。また、一対の整列ジグ110の厚さ方向内側は、電極リード33の外側面に接触していてもよい。これによって、整列ジグ110が下降するとき、一対の電極リード33をバスバー21側にまとめながら整列することができる。
【0066】
整列ジグ110は、整列ボディ部111と整列リブ113とを含む。
【0067】
整列ボディ部111は、マスキングジグ120の両側に対向する。整列ボディ部111は、溶接や接着剤によって、マスキングジグ120の幅方向両側に固定されるか、スクリューやリベットのような締結部材によって、マスキングジグ120が幅方向両側に固定されていてもよい。
【0068】
整列リブ113は、整列ボディ部111から下側に延びて、整列ボディ部111の厚さよりも薄く形成される。整列リブ113は、スロット23に挿入されつつ電極リード33を整列する。整列リブ113は、電極リード33の外側面をバスバー21側に加圧して、電極リード33をバスバー21に密着させるか、微細に離隔して整列することができる。電極リード33とバスバー21が接触するか否かは、整列ジグの厚さによって決定することができる。
【0069】
整列リブ113の厚さ方向内側には、電極リード33をバスバー21側にまとめるように、整列テーパ部114が形成される。このとき、整列リブ113は、整列テーパ部114によって下側に行くほど、徐々に厚さが薄く形成される。これによって、整列リブ113の下端部は、電極リード33の外側面とスロット23の外側面との間に容易に挿入されて、整列リブ113が下降するほど、電極リード33をバスバー21側に加圧しつつ整列することができる。また、整列リブ113がスロット23に挿入されるとき、整列リブ113の端部が電極リード33のベンディング部34に引っかかって、整列リブ113や電極リード33が損傷又は破損することを防止することができる。
【0070】
整列ボディ部111の下側には、電極リード33のベンディング部34と離隔するように、段差部115を形成することができる。このとき、マスキングジグ120の加圧面部123は、段差部115よりも低い位置に配置される。段差部115は、加圧面部123と水平であるか若干斜めに形成することができる。これによって、マスキングジグ120の加圧面部123が電極リード33を加圧するとき、電極リード33のベンディング部34は、段差部115と一定距離離隔するため、整列ボディ部111が電極リード33のベンディング部34を加圧することを防止することができる。さらに、電極リード33や電極タブ31が、整列ボディ部111の加圧力によって曲がるか破損することを防止することができる。
【0071】
整列ジグ110は、四角パネル状に形成される。整列ジグ110の長さは、スロット23の長さよりも少し短く形成することができる。また、整列ジグ110の長さは、電極リード33の長さと同一であるか若干長く形成することができる。もちろん、整列ジグ110は、スロット23に挿入されて、電極リード33を整列する限り、鋸歯状、一列に配列された複数のバー状など、様々な形態に形成することもできる。
【0072】
マスキングジグ120の内部には、上下方向に貫通する溶接空間部121が形成される。溶接ツールは、溶接空間部121を通過して、ベントされた電極リード33をバスバー21に溶接することができる。溶接ツールは、電極リード33にレーザを照射して溶接するレーザ溶接ツール、又は電極リード33に電流を印加して溶接するスポット溶接ツールであってもよい。これら溶接タイプは、電極リード33とバスバー21の素材の種類によって様々なタイプを適用することができる。上記のように、溶接ツールが溶接空間部121の内部に進入して、電極リード33を溶接するため、スパッタや溶接火花が電極リード33の周辺に飛ぶことを防止することができる。
【0073】
マスキングジグ120は、バスバー21の長さ方向と並ぶ四角筒状に形成することができる。溶接空間部121は、バスバー21の長さ方向に沿って並んで形成される。マスキングジグ120の幅は、バスバー21の幅よりも狭く形成することができる。溶接空間部121の幅は、バスバー21の幅よりも狭く形成することができる。溶接空間部121の長さは、電極リード33の長さよりも若干短く形成することができる。溶接空間部121の断面は、バスバー21の長さ方向と並ぶ長方形状に形成することができる。マスキングジグ120が四角筒状に形成されるため、電極リード33の重なった部分を長さ方向に溶接することができる。
【0074】
マスキングジグ120は、ベントされた電極リード33をバスバー21に圧着させる。これによって、溶接ツールが電極リード33を溶接するとき、電極リード33の重なった部分が浮き上がるか離隔することを防止することができる。さらに、電極リード33の重なった部分の溶接接合力が低下することを防止することができる。また、電極リード33の浮き上がりや離隔によって、電極リード33の局所的な温度偏差が発生することを抑制して、溶接不良が発生することを防止することができる。
【0075】
上記した本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、1つのバスバー21に一対の電極リード33を整列するように、一対の整列ジグ110と、1つのマスキングジグ120とを含むことができる。これら電極リード整列マスキング装置100は、一回下降する度に、1つのバスバー21に電極リード33を整列及びマスキングする。
【0076】
また、本発明の第1実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、少なくとも2個以上のバスバー21に一対ずつ電極リード33を整列するように、4個以上の整列ジグ110と、2個以上のマスキングジグ120が配列された形態に製作することができる。これら電極リード整列マスキング装置100は、一回下降する度に、2個以上のバスバー21に電極リード33を同時に整列することができる。
【0077】
次に、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置について説明することとする。
【0078】
図8は、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した分解斜視図であり、
図9は、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した斜視図であり、
図10は、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置を概略的に示した正面図であり、
図11は、
図10の電極リード整列マスキング装置における11-11ラインを切開した状態を概略的に示した断面図であり、
図12は、
図11の電極リード整列マスキング装置が、電極リードにおける12-12ラインを切開した状態を概略的に示した断面図であり、
図13は、
図11の電極リード整列マスキング装置が、電極リードにおける13-13ラインを切開した状態を概略的に示した断面図である。
【0079】
図8~
図13を参照すると、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、一対の整列ジグ110(aligning jig)、マスキングジグ120(masking jig)、及び少なくとも2個以上の弾性部材130を含む。
【0080】
一対の整列ジグ110は、バスバー21の両側スロット23に挿入されて、一対の電極リード33の位置を整列する。一対の整列ジグ110は、スロット23に挿入されつつベントされた電極リード33をバスバー21の幅方向両側面にまとめる。このとき、一対の電極リード33は、バスバー21の幅方向両側面に密着するか、若干離隔して整列することができる。また、一対の電極リード33は、バスバー21にベントされたとき、一側電極リード33の端部が他側電極リード33のベンディング部34から一定距離離隔する長さを有することができる。
【0081】
マスキングジグ120は、一対の整列ジグ110に間に配置されて、電極リード33の溶接部位を取り囲むように形成される。マスキングジグ120には、整列ジグ110が移動可能に結合される。マスキングジグ120は、電極リード33をバスバー21に溶接するとき、火花やスパッタ(spatter)が溶接部位を外れないように、溶接部位まわりを遮蔽(マスキング)する。これによって、溶接時に発生するスパッタや火花が周辺構造物に飛ぶことを防止して、溶接不良率を顕著に減少させることができる。
【0082】
弾性部材130は、一対の整列ジグ110を弾性支持するように、マスキングジグ120の両側に少なくとも2個以上設置される。弾性部材130は、マスキングジグ120と整列ジグ110を連結するコイルバネであってもよい。これら弾性部材130は、整列ジグ110を弾性支持する限り、様々な形態及び様々な位置に適用することができる。
【0083】
上記のように、整列ジグ110は、マスキングジグ120に移動可能に結合されて、弾性部材130によって弾性支持される。これによって、整列ジグ110は、上下に移動されつつ電極リード33を整列するため、電極リード33の変形を最小化することができる。また、整列ジグ110は、電極リード33を加圧する瞬間、整列ジグ110と電極リード33との衝撃を緩衝するため、整列ジグ110と電極リード33の損傷を防止することができる。また、電極リード33の表面に傷が生じることを防止することができ、電極リード33の過熱及び発火可能性を顕著に減少させることができる。
【0084】
また、一対の整列ジグ110がベントされた電極リード33の位置を整列し、マスキングジグ120は、ベントされた電極リード33を圧着した状態で、溶接ツール(welding tool:不図示)が電極リード33を溶接するため、ベントされた電極リード33をバスバー21の正確な位置に溶接することができる。また、電極リード33の実際の溶接長さは、設計の溶接長さと一致し得る。溶接長さは、バスバー21の幅方向長さに並んで溶接される長さを意味する。また、電極リード33が、バスバー21の幅方向外側に開けることを防止することができる。これによって、溶接部の接合面積と接合力が減少することを防止して、溶接不良率を減少させることができる。
【0085】
また、ベントされた電極リード33の端部は、対向する電極リード33におけるラウンドに曲がったベンディング部34と重ならないため、一対の電極リード33の重なった部分が、局所的に浮き上がるか、隙間が開けることを防止することができる。これによって、溶接部の接合力が増大し得る。
【0086】
また、各々のバスバー21における一対の電極リード33の溶接長さ(welding lenght)が均一になるため、実際の溶接長さは、設計要求寸法と一致して、溶接不良率が減少し得る。
【0087】
マスキングジグ120は、マスキングボディ部122及びスライドガイド部125を含む。
【0088】
マスキングボディ部122には、上下方向に貫通する溶接空間部121が形成される。溶接空間部121は、マスキングボディ部122の長さ方向と並ぶ長孔状に形成することができる。これによって、溶接ツールは、溶接空間部121を介して電極リード33に近づいて溶接することができる。
【0089】
溶接ツールは、電極リード33にレーザを照射して溶接するレーザ溶接ツール、又は電極リード33に電流を印加して溶接するスポット溶接ツールであってもよい。これら溶接タイプは、電極リード33とバスバー21の素材の種類によって、様々なタイプを適用することができる。上記のように、溶接ツールが溶接空間部121の内部に進入して、電極リード33を溶接するため、スパッタや溶接火花が電極リード33の周辺に飛ぶことを防止することができる。
【0090】
スライドガイド部125は、マスキングボディ部122の両側に配置される。スライドガイド部125には、整列ジグ110がそれぞれスライディング可能に結合されるように、スライド溝部126が形成される。スライド溝部126は、マスキングボディ部122の側面と、スライドガイド部125の内側面で取り囲まれた空間である。スライド溝部126は、マスキングボディ部122の長さ方向に沿って長孔状に形成される。また、スライド溝部126の下側は、開放される。前記スライドガイド部125は、整列ジグ110が搖れないように、整列ジグ110を支持する。
【0091】
整列ジグ110は、スロット23における電極リード33の外側に挿入されつつ、電極リード33をバスバー21側にまとめる。このとき、一対の整列ジグ110の厚さ方向外側は、スロット23の外側面と接触するか離隔していてもよい。また、一対の整列ジグ110の厚さ方向内側は、電極リード33の外側面に接触していてもよい。これによって、整列ジグ110が下降するとき、一対の電極リード33をバスバー21側にまとめながら整列することができる。
【0092】
整列ジグ110は、整列ボディ部111、整列リブ113、及びスライダー116を含む。整列ジグ110は、全体的に四角パネル状に形成することができる。
【0093】
整列ボディ部111は、マスキングジグ120の両側に対向する。整列ジグ110が上下方向に移動されるとき、整列ボディ部111の内側面は、マスキングジグ120の側面と面接触するように平板状に形成される。
【0094】
整列リブ113は、整列ボディ部111から下側に延びて、整列ボディ部111の厚さよりも薄く形成される。整列リブ113は、バスバー21の間のスロット23に挿入されることによって、電極リード33を整列する。整列リブ113は、整列ボディ部111と同じ長さに形成されるか、若干異なる長さに形成することができる。
【0095】
スライダー116は、整列ボディ部111から上側に延びて、スライド溝部126にスライド可能に結合される。スライダー116は、スライド溝部126に挟まれるように、板状に形成することができる。スライダー116の長さは、スライド溝部126の長さよりも若干短く形成することができる。
【0096】
スライダー116の厚さは、整列ボディ部111の厚さよりも薄く形成することができる。これによって、スライダー116の下端部と整列ボディ部111の上端部は、段差を有して形成されていてもよい。また、スライダー116の厚さは、薄く形成されるため、スライドガイド部125の幅とスライド溝部126の幅が不要に増加することを防止することができる。
【0097】
整列リブ113の厚さ方向内側には、電極リード33をバスバー21側にまとめるように、整列テーパ部114が形成される。このとき、整列リブ113は、整列テーパ部114によって下側に行くほど、徐々に厚さが薄く形成される。これによって、整列リブ113の下端部は、電極リード33の外側面とスロット23の外側面との間に容易に挿入されて、整列リブ113が下降するほど、電極リード33をバスバー21側に加圧しながら整列することができる。また、整列リブ113がスロット23に挿入されるとき、整列リブ113の端部は、電極リード33のベンディング部34に引っかかって、整列リブ113や電極リード33が損傷又は破損することを防止することができる。
【0098】
整列ボディ部111の上側には、スライドガイド部125の下側端部に引っかかって、整列ジグ110の移動距離を制限する移動制限部112が形成される。移動制限部112は、整列ボディ部111の上端部と、スライダー116の下端部との間の境界に形成される段差であってもよい。これら移動制限部112は、整列ボディ部111又はスライダー116に様々な構造に形成することができる。
【0099】
整列ボディ部111の下側には、電極リード33のベンディング部34と離隔するように、段差部115を形成することができる。このとき、マスキングジグ120の加圧面部123は、段差部115よりも低い位置に配置される。段差部115は、加圧面部123と水平であるか、若干斜めに形成することができる。これによって、マスキングジグ120の加圧面部123が電極リード33を加圧するとき、電極リード33のベンディング部34は、段差部115と一定距離離隔するため、整列ボディ部111が電極リード33のベンディング部34を加圧することを防止することができる。さらに、電極リード33や電極タブ31が、整列ボディ部111の加圧力によって曲がるか破損することを防止することができる。
【0100】
整列ジグ110の長さは、スロット23の長さよりも若干短く形成することができる。また、整列ジグ110の長さは、電極リード33の長さと同一であるか、若干長く形成することができる。もちろん、整列ジグ110は、スロット23に挿入されて、電極リード33を整列する限り、鋸歯状、一列に配列された複数のバー状など、様々な形態に形成することもできる。
【0101】
マスキングジグ120は、バスバー21の長さ方向と並ぶ四角筒状に形成することができる。マスキングジグ120の幅は、バスバー21の幅よりも狭く形成することができる。溶接空間部121の幅は、バスバー21の幅よりも狭く形成することができる。溶接空間部121の長さは、電極リード33の長さよりも若干短く形成することができる。溶接空間部121の断面は、バスバー21の長さ方向と並ぶ長方形状に形成することができる。マスキングジグ120は、四角筒状に形成されるため、電極リード33の重なった部分を長さ方向に溶接することができる。
【0102】
マスキングジグ120は、ベントされた電極リード33をバスバー21に圧着させる。これによって、溶接ツールが電極リード33を溶接するとき、電極リード33の重なった部分が浮き上がるか離隔することを防止することができる。さらに、電極リード33の重なった部分の溶接接合力が低下することを防止することができる。また、電極リード33の浮き上がりや離隔によって、電極リード33の局所的な温度偏差が発生することを抑制して、溶接不良が発生することを防止することができる。
【0103】
弾性部材130は、整列ボディ部111の上端部と、スライド溝部126の上端部に支持されていてもよい。弾性部材130は、整列ボディ部111の長さ方向両側にそれぞれ配置することができる。弾性部材130は、整列ボディ部111の長さ方向両側に配置されるため、整列ジグ110は、長さ方向一側に微細に傾いていてもよい。これによって、電極リード33又はバスバー21が若干傾いても、整列ジグ110は、長さ方向一側に微細に斜めつつ、電極リード33を整列することができる。
【0104】
上記した本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、1つのバスバー21に一対の電極リード33を整列するように、一対の整列ジグ110と、1つのマスキングジグ120とを含むことができる。これら電極リード整列マスキング装置100は、一回下降する度に、1つのバスバー21に電極リード33を整列及びマスキングする。
【0105】
また、本発明の第2実施形態による電極リード整列マスキング装置100は、少なくとも2個以上のバスバー21に一対ずつ電極リード33を整列するように、4個以上の整列ジグ110と、2個以上のマスキングジグ120が配列された形態に製作することができる。これら電極リード整列マスキング装置100は、一回下降する度に、2個以上のバスバー21に電極リード33を同時に整列することができる。
【0106】
上記のように構成された、本発明の第2実施形態による整列マスク装置の作動について説明することとする。
【0107】
図14は、本発明による二次電池モジュールにおける電池セルの電極リードが、バスバーのスロットに挟まれた状態を概略的に示した断面図であり、
図15は、本発明による二次電池モジュールにおける電池セルの電極リードが、バスバーにベントされた状態を概略的に示した断面図であり、
図16は、本発明による整列マスキング装置が、バスバーの上側に位置した状態を概略的に示した断面図であり、
図17は、本発明による整列マスキング装置の整列ジグが、バスバーの間のスロットに挟まれる状態を概略的に示した断面図であり、
図18は、本発明による整列マスキング装置の整列ジグの段差部が、電極リードのベントされた部分を加圧する状態を概略的に示した断面図であり、
図19は、本発明による整列マスキング装置のマスキングジグの加圧面部が、電極リードを加圧する状態を概略的に示した断面図であり、
図20は、本発明によるマスキングジグの溶接空間部を介して電極リードをバスバーに溶接する状態を概略的に示した図面である。
【0108】
図14~
図20を参照すると、バスバー21の両側スロット23に電池セル30の電極リード33が挿入される。このとき、電極リード33は、バスバー21の両側に垂直に挿入することができる。
【0109】
ベンディング装置(不図示)は、電極リード33をバスバー21側に加圧してベントさせる。このとき、一対の電極リード33は、バスバー21の両側に開くか、バスバー21の両側面で離隔していてもよい(
図15参照)。
【0110】
整列マスキング装置100は、バスバー21の上側に移動される。このとき、整列ジグ110は、弾性部材130の弾性力によって、スライドガイド部25において最も下降した状態を維持する。
【0111】
整列マスキング装置100が下降すると、整列ジグ110は、バスバー21の両側スロット23に挿入される。このとき、整列ジグ110の整列テーパ部114は、電極リード33のベンディング部34に衝撃を加える場合、弾性部材130が若干収縮することによって、電極リード33に加わる衝撃を緩衝する。
【0112】
整列ジグ110の整列テーパ部114は、電極リード33のベンディング部34に沿ってスライドしつつスムーズに下降する。整列テーパ部114は、電極リード33の外側を加圧しつつ、電極リード33をバスバー21側にまとめる。
【0113】
整列ジグ110がさらに下降することによって、電極リード33は、バスバー21の両側面に密着する(
図17参照)。このとき、電極リード33は、バスバー21の上面で浮き上がるか離隔していてもよい。
【0114】
整列ジグ110がスロット23に完全に挿入されると、整列ジグ110の段差部115は、電極リード33のベンディング部34に密着する(
図18)。このとき、整列マスキング装置100の加圧力は、電極リード33のベンディング部34に加わる。
【0115】
整列ジグ110の段差部115は、電極リード33のベンディング部34に引っかかった状態で、マスキングジグ120が下降する。整列ジグ110が停止した状態で、マスキングジグ120が下降すると、弾性部材130は、長さ方向に収縮する。マスキングジグ120の下側加圧面部123が電極リード33を加圧すると、電極リード33は、バスバー21の上面部に緊密に密着する。次いで、溶接ツールは、マスキングジグ120の溶接空間部121を介して電極リード33をバスバー21の上面部に溶接する(
図20参照)。これによって、電極リード33は、バスバー21の両側面と上面部に緊密に密着した状態で、バスバー21に溶接することができる。
【0116】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。なお、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0117】
1 二次電池モジュール
10 ケース
20 バスバーフレーム
21 バスバー
23 スロット
30 電池セル
31 電極タブ
31a 第1電極タブ
31b 第2電極タブ
33 電極リード
33a 第1電極リード
33b 第2電極リード
34 ベンディング部
100 電極リード整列マスキング装置
110 整列ジグ
111 整列ボディ部
112 移動制限部
113 整列リブ
114 整列テーパ部
115 段差部
116 スライダー
120 マスキングジグ
121 溶接空間部
122 マスキングボディ部
123 加圧面部
125 スライドガイド部
126 スライド溝部
130 弾性部材
【国際調査報告】