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特表2024-546358磁場を発生させるための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-19
(54)【発明の名称】磁場を発生させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/04 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
A61N2/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024558332
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2022086819
(87)【国際公開番号】W WO2023118023
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】17/555,805
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/846,724
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/067,052
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/083,371
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/083,190
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/083,439
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524232923
【氏名又は名称】ツィマー・メディツィンジュステーメ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・レオン・グリース
【テーマコード(参考)】
4C106
【Fターム(参考)】
4C106AA06
4C106BB25
4C106CC03
(57)【要約】
身体組織に印加するための磁場は、インダクタを介して発生する。キャパシタとインダクタの間に、少なくとも第1および第2の分岐を含む接続回路が設けられている。また、キャパシタを電気的に充電するための充電回路も設けられている。第1の分岐の一部を形成するスイッチは、キャパシタをインダクタに電気的に接続し、電流が第1の分岐およびインダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こす。第1の分岐を流れる電流は、キャパシタに関する流れの第1の方向を表す。第2の分岐の一部を形成する電気部品は、キャパシタをインダクタに電気的に接続し、電流が第2の分岐を介してキャパシタとインダクタとの間を流れることを可能にする。第2の分岐を流れる電流は、キャパシタに関する流れの第2の方向を表す。実施形態は、a)身体組織に印加するための磁場を発生させるための(第1の)インダクタに加わる、第1または第2の分岐における追加のインダクタ、b)(第1の)インダクタと直列の、可変インダクタンスを有するか、または追加のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路を設けられた追加のインダクタ、c)キャパシタが可変キャパシタンスを有すること、d)第1の分岐のスイッチングデバイスが自由に選択できる時点において導通状態と非導通状態との間で切り替えられ得ること、e)第1の分岐が第1のインダクタにつながり、第2の分岐が第2のインダクタにつながること、f)充電回路が第1の極性または第1の極性と反対の第2の極性で選択的にキャパシタを充電することができること、g)キャパシタの代わりとなるDC電源およびHブリッジ、のうちの1つまたは複数を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第1のインダクタに電気的に接続して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた前記電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電流が前記第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、
前記第1の分岐または前記第2の分岐のいずれかの一部を形成する第2のインダクタと、を備える装置。
【請求項2】
前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させて、前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させる回路をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のインダクタのインダクタンスは、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のインダクタが一部を形成する分岐の一部を形成する1つまたは複数の追加インダクタをさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させるために、前記第2のインダクタおよび/または前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つ以上を選択的にバイパスまたは短絡させる回路をさらに備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のインダクタのインダクタンスおよび/または前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの少なくとも1つのインダクタのインダクタンスは、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方である、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のインダクタのインダクタンスおよび/または前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの少なくとも1つのインダクタのインダクタンスは、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のインダクタのインダクタンスおよび前記1つまたは複数の追加インダクタのインダクタンスは、前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスが、最小値から最大値まで、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
前記最小値は、前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタがバイパスされるかまたは短絡されるときの前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスに対応し、
前記最大値は、前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタがバイパスされることも短絡されることもなく、前記第2のインダクタのインダクタンスおよび/または前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの少なくとも1つのインダクタのインダクタンスが最大であるときの前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスに対応する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のインダクタは、少なくとも一組の巻き、好ましくは少なくとも一組の略円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
前記少なくとも一組の巻きのうちの複数の巻きは、好ましくは、前記電流が前記第1のインダクタを通って流れるときに各巻きが前記磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる寄与は、正の方式で重ね合わされ、
前記第1のインダクタは、前記少なくとも一組の巻きに電力を供給するための少なくとも1本のケーブルが通るコンジット管に接続されたケーシング内に配設され、
前記第2のインダクタは、前記ケーシング内に配設されない、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記蓄電デバイスは、充電回路によって充電されるパルスキャパシタを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記蓄電デバイスは、電池を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第1のインダクタに電気的に接続して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電流が前記第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記第1の分岐の総インダクタンスは、前記第2の分岐の総インダクタンスと、
少なくとも1.5倍、
少なくとも2倍、
少なくとも5倍、
少なくとも10倍、
少なくとも50倍、
少なくとも100倍、
少なくとも500倍、
少なくとも1000倍、
少なくとも2000倍、
少なくとも5000倍、
少なくとも10000倍
のうちの1つの倍数だけ異なる、装置。
【請求項13】
磁場を発生させる方法であって、
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
電気エネルギーを蓄電デバイスに蓄えることと、
前記蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続するようにスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させることと、
電流が電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間に流れるようにすることと、を含む方法。
【請求項14】
前記装置は、パルス方式で作動され、前記第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、前記第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、前記第2の半パルスの持続時間は前記第1の半パルスの持続時間とは異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを変化させることによって前記第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させることをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを、
前記第1の半パルスの間、
前記第2の半パルスの間、および
前記第1の半パルスと前記第2の半パルスとの間
のうちの1つにおいて変化させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記第1のインダクタに近づけて、前記磁場が前記身体組織内に存在するようにすることをさらに含む請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記身体組織内に電圧を発生させるように、または前記身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、前記身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電圧または前記電荷の移動は、前記身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、前記電圧または前記電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
身体組織に印加する磁場を発生させるために第1のインダクタとともに使用する装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるために前記第1のインダクタに接続するための端子と、
前記蓄電デバイスと前記端子との間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記端子に電気的に接続して、前記第1のインダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスと前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記第1のインダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して電流が前記第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間を流れるようにする前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、
前記第1の分岐または前記第2の分岐のいずれかの一部を形成する第2のインダクタと、を備える装置。
【請求項21】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第1のインダクタに電気的に接続して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電流が前記第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記接続回路は、前記第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタをさらに備え、
前記第2のインダクタが、可変インダクタンスを有すること、または
前記接続回路が、前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるためのバイパス回路をさらに備えること、または
前記第2のインダクタが、可変インダクタンスを有し、前記接続回路が、前記第2のインダクタをバイパスまたは短絡させるためのバイパス回路をさらに備えることによって、
前記第1のインダクタを通り、前記接続回路を通って流れる電流は、該電流が前記第1の分岐または前記第2の分岐を通って流れるかどうかにかかわらず、前記第2のインダクタまたは前記バイパス回路を通っても流れる、装置。
【請求項22】
前記第2のインダクタのインダクタンスは、離散的に可変である、および実質的に連続的に可変である、のうちの一方である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第2のインダクタと直列に接続された1つまたは複数の追加インダクタをさらに備える請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つ以上は、可変インダクタンスを有する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記接続回路は、前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つ以上を選択的にバイパスまたは短絡させるための追加バイパス回路をさらに備える、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記追加バイパス回路は、前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つ以上を個別に選択的にバイパスまたは短絡させるための個別の回路部分を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つ以上は、可変インダクタンスを有し、および/または前記1つまたは複数の追加インダクタのうちのそれぞれ1つを選択的にバイパスまたは短絡させるための追加バイパス回路が設けられている、請求項23から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のインダクタのインダクタンスおよび前記1つまたは複数の追加インダクタのインダクタンスは、前記接続回路の総インダクタンスが、最小値から最大値まで、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
前記最小値は、追加バイパス回路を備える前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタのうちのすべてのインダクタがバイパスまたは短絡されるときの前記接続回路の総インダクタンスに対応し、インダクタンスが可変である前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタのうちのすべてのインダクタのインダクタンスは、前記最小値に合わせて調整され、
前記最大値は、追加バイパス回路を備える前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタのうちのすべてのインダクタがバイパスされることも、短絡されることもないときの前記接続回路の総インダクタンスに対応し、インダクタンスが可変である前記第2のインダクタおよび前記追加インダクタのうちのすべてのインダクタのインダクタンスは、前記最大値に合わせて調整される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記第2のインダクタは、最大インダクタンスがL2である可変インダクタンスを有し、
前記1つまたは複数の追加インダクタは、値Lmのインダクタンスを有し、m=3、4、5、…n+2であり、nは追加キャパシタの個数であり、
LmはL2×2(m-3)に実質的に等しい、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のインダクタは、少なくとも一組の略円形の巻きを含み、前記一組の一略円形の巻きに電力を供給するための少なくとも1本のケーブルが通るコンジット管に接続されたケーシング内に配設され、
前記第2のインダクタは、前記ケーシング内に配設されない、請求項21から29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記蓄電デバイスは、充電回路によって充電されるパルスキャパシタを備える、請求項21から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
磁場を発生させる方法であって、
請求項21から31のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
電気エネルギーを蓄電デバイスに蓄えることと、
前記蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続するようにスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が
第1の分岐、および
前記第1のインダクタ、および
第2のインダクタまたはバイパス回路
を通って流れるようにするによって前記第1のインダクタに磁場を発生させることと、
電流が電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り、前記第2のインダクタまたは前記バイパス回路を通り、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間に流れるようにすることと、を含む方法。
【請求項33】
前記装置は、パルス方式で作動され、前記第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、前記第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、前記第1の半パルスおよび前記第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを変化させることによって接続回路のインダクタンスを選択的に変化させることをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるか、または前記第2のインダクタのインダクタンスを、
前記第1の半パルスの間、
前記第2の半パルスの間、
前記第1の半パルスと前記第2の半パルスとの間、および
前記パルスの後
のうちの1つにおいて変化させることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記第1のインダクタに近づけて、前記磁場が前記身体組織内に存在するようにすることをさらに含む請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記身体組織内に電圧を発生させるように、または前記身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、前記身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記身体組織内に発生した電圧または前記電荷の移動は、前記身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、前記電圧または前記電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
身体組織に印加する磁場を発生させるために第1のインダクタとともに使用する装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるために前記第1のインダクタに接続するための端子と、
前記蓄電デバイスと前記端子との間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記端子に電気的に接続して、前記第1のインダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスと前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記第1のインダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して電流が前記第2の分岐を通り前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記接続回路は、前記第1のインダクタが前記端子を介して前記装置に接続されるときに前記第1のインダクタと直列に接続される第2のインダクタをさらに備え、
前記第2のインダクタが、可変インダクタンスを有すること、または
前記接続回路が、前記第2のインダクタを選択的にバイパスまたは短絡させるためのバイパス回路をさらに備えること、または
前記第2のインダクタが、可変インダクタンスを有し、前記接続回路が、前記第2のインダクタをバイパスまたは短絡させるためのバイパス回路をさらに備えること、によって、前記第1のインダクタを通り、前記接続回路を通って流れる電流は、該電流が前記第1の分岐または前記第2の分岐を通って流れるかどうかにかかわらず、前記第2のインダクタまたは前記バイパス回路を通っても流れる、装置。
【請求項40】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも第1のキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、を備え、
前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成する第1のスイッチングデバイスであって、前記キャパシタ配置構成部を前記インダクタに電気的に接続し、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、電流が前記第2の分岐を通り前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記第1のキャパシタは、可変キャパシタンスを有する、装置。
【請求項41】
前記キャパシタ配置構成部は、前記第1のキャパシタに並列に接続された1つまたは複数の追加キャパシタを含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記1つまたは複数のキャパシタのうちの少なくとも1つは、
可変、
離散的に可変、および
実質的に連続的に可変、
のうちの1つであるキャパシタンスを有する、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のキャパシタのキャパシタンスおよび前記1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスは、前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが、最小値から最大値まで、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方でありように選択され、
前記最小値は、前記第1のキャパシタのキャパシタンスおよび前記1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスが最小値に合わせて調整されたときの前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応し、
前記最大値は、前記第1のキャパシタのキャパシタンスおよび前記1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスが最大値に合わせて調整されたときの前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応する、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
1つまたは複数の追加スイッチングデバイスを、前記1つまたは複数の追加キャパシタの各々について1つずつさらに含み、前記1つまたは複数の追加スイッチングデバイスは、前記1つまたは複数の追加キャパシタのそれぞれと前記接続回路との間の電気的接続を選択的に遮断するように構成される、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のキャパシタのキャパシタンスおよび前記1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスは、前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが、最小値から最大値まで、
離散的に可変である、および
実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
前記最小値は、前記1つまたは複数の追加キャパシタと前記接続回路との間の前記電気的接続が前記追加スイッチングデバイスによって遮断され、かつ、前記第1のキャパシタのキャパシタンスが最小値に合わせて調整されたときの前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応し、
前記最大値は、前記1つまたは複数の追加キャパシタと前記接続回路との間の電気的接続が遮断されず、かつ、前記第1のキャパシタのキャパシタンスが最大値に合わせて調整されたときの前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応する、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記第1のキャパシタは、値C1の最大キャパシタンスを有し、
n個の追加キャパシタは、値Cmのキャパシタンスを有し、nは追加キャパシタの個数であり、m=2、3、4、…n+1であり、
CmはC1×2(m-2)に実質的に等しい、請求項41から45のいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つのキャパシタを充電するための充電回路をさらに備える請求項40から46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
磁場を発生させる方法であって、
請求項40から47のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
電気エネルギーをキャパシタ配置構成部に蓄えることと、
前記キャパシタ配置構成部を第1のインダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに磁場を発生させることと、
電流が電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り前記キャパシタ配置構成部と前記第1のインダクタとの間に流れるようにすることと、を含む方法。
【請求項49】
前記装置は、パルス方式で作動され、前記第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、前記第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表す、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを変化させることを
前記第1の半パルスの間、
前記第2の半パルスの間、
前記第1の半パルスと前記第2の半パルスとの間、および
前記第2の半パルスと後続のパルスとの間
のうちの1つの時点において行うことをさらに含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、前記第2の半パルスの持続時間が前記第1の半パルスの持続時間よりも長くなるように変化させられる、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記第1のインダクタに近づけて、前記磁場が前記身体組織内に存在するようにすることをさらに含む請求項48から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記身体組織内に電圧を発生させるように、または前記身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、前記身体組織内の前記磁場を変化させることをさらに含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記身体組織内に発生した電圧または前記電荷の移動は、前記身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、前記電圧または前記電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるために前記インダクタに接続するための端子と、
前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記キャパシタ配置構成部を前記端子に電気的に接続して、前記インダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置構成される電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記インダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して電流が前記第2の分岐を通り前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間を流れるように前記第2の分岐の一部を形成し、前記順方向の電流の流れは、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記キャパシタは、可変キャパシタンスを有する、装置。
【請求項56】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、
前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記スイッチングデバイスは第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の第1の電気的接続を形成し、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記スイッチングデバイスは第2の時点において前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の前記第1の電気的接続を遮断するように構成される、スイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する少なくとも1つの電気回路素子であって、前記電気回路素子は実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の第2の電気的接続を形成し、電流が前記第2の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるように構成される、少なくとも1つの電気回路素子と、を備え、
前記第1の時点および前記第2の時点は自由選択可能である、装置。
【請求項57】
前記スイッチングデバイスが前記第1の時点に前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替わるようにする、および/または前記スイッチングデバイスが前記第2の時点に前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替わるようにするための第1のコントローラをさらに備える請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記少なくとも1つの電気回路素子は、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の第2の電気的接続を遮断するために前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えられるように構成される、請求項56または57に記載の装置。
【請求項59】
前記少なくとも1つの電気回路素子が第3の時点に前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替わるように、および/または前記少なくとも1つの電気回路素子が第4の時点に前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替わるようにするための第2のコントローラをさらに備える請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記スイッチングデバイスは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、またはゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)を含む、請求項56から59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記少なくとも1つの電気回路素子は、受動電気回路素子を含み、特に、
スパークギャップ、
過渡電圧抑制ダイオード、
ツェナーダイオード、
ショックレーダイオード、
交流用三極管(TRIAC)、または
サイリスタを含み、特に、前記サイリスタをトリガーするために前記第2の分岐に接続されるか、もしくは前記第2の分岐の一部を形成するトリガー回路と組み合わせて使用される、請求項56から60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記少なくとも1つの電気回路素子は、能動電気回路素子または能動電気回路素子配置構成部、特にアナログ回路またはマイクロコントローラによって制御されるスイッチング素子を含む、請求項56から60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記少なくとも1つの電気回路素子は、第3の時点において前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替えられるように構成され、前記第3の時点は、前記第2の時点と一致するか、または前記第2の時点の後、特に前記第2の時点の後の所定のもしくは予め決定可能な時間間隔である、請求項56から62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
磁場を発生させる方法であって、
請求項56から63のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
電気エネルギーをキャパシタ配置構成部に蓄えることと、
スイッチングデバイスを第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替え、前記キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の第1の電気的接続を形成することによって前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させることと、
前記スイッチングデバイスを第2の時点において前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えることによって前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の第1の電気的接続を遮断することと、
少なくとも1つの電気回路素子が前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替わるようにすることによって電流が前記少なくとも1つの電気回路素子を介して前記第2の分岐を通り前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間を流れるようにすることと、を含む方法。
【請求項65】
前記スイッチングデバイスを前記第1の時点において前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替えることは、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間に流れる電流の発振をトリガーし、前記第2の時点は、前記発振の第1の半波と第2の半波との間の遷移と一致することのないように選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第2の時点は、前記発振の前記第1の半波の間、好ましくは前記発振の第1の1/4波の間に選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記インダクタを身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記インダクタに近づけて、前記磁場が前記身体組織内に存在するようにすることをさらに含む請求項64から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記身体組織内に電圧を発生させるように、または前記身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、前記身体組織内の前記磁場を変化させることをさらに含む請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記身体組織内に発生した電圧または前記電荷の移動は、前記身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、前記電圧または前記電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記身体組織内に磁場を発生させるように前記インダクタを前記身体組織に近づけることをさらに含み、前記第1の時点と前記第2の時点との間の持続時間が時間間隔を定め、前記方法は、
前記時間間隔を変化させることと、
前記スイッチングデバイスを前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替えることと、
前記時間間隔が変化した後、前記スイッチングデバイスを前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えることと、を1回または複数の回数だけ実行する、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記身体組織において筋肉反応が引き起こされたかどうかを検出して、検出結果を提供することと、
前記検出結果に基づき、前記身体組織において筋肉反応が引き起こされる前記時間間隔または変化した時間間隔に対応する最小持続時間を決定することと、をさらに含む請求項70に記載の方法。
【請求項72】
身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるための前記インダクタに接続するための端子と、
前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記スイッチングデバイスは第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の第1の電気的接続を形成し、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記端子を介して前記インダクタが前記装置に接続されたときに前記端子を介して前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記スイッチングデバイスは第2の時点において前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の第1の電気的接続を遮断するように構成される、スイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する少なくとも1つの電気回路素子であって、前記電気回路素子は実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の第2の電気的接続を形成し、電流が前記端子を介して前記インダクタが前記装置に接続されたときに前記端子を介して前記第2の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるように構成される、少なくとも1つの電気回路素子と、を備え、
前記第1の時点および前記第2の時点は自由選択可能である、装置。
【請求項73】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する第1の磁場を発生させるための第1のインダクタと、
第2の磁場を発生させるための第2のインダクタと、
前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタとの間の接続回路であって、前記蓄電デバイスと前記第1のインダクタとの間の第1の分岐と、前記蓄電デバイスと前記第2のインダクタとの間の第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成する第1のスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第1のインダクタに電気的に接続して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに前記第1の磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスの電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する第2のスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第2のインダクタに電気的に接続して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第2の分岐を通り、前記第2のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第2のインダクタに前記第2の磁場を発生させるように構成され、前記第2の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスの電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向とは反対である、第2のスイッチングデバイスと、を備える装置。
【請求項74】
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタは、直列に接続されない、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記第1のスイッチングデバイスは、電流が前記第1の電流方向にのみ前記蓄電デバイスを流れるように構成され、
前記第2のスイッチングデバイスは、電流が前記第2の電流方向にのみ前記蓄電デバイスを流れるように構成される、請求項73または74に記載の装置。
【請求項76】
前記第2のインダクタは、前記第2の磁場も身体組織に印加されるように構成される、請求項73から75のいずれか一項に記載の装置。
【請求項77】
前記第1のインダクタは、少なくとも第1の一組の巻き、好ましくは少なくとも第1の一組の略円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
前記第1の一組の巻きのうちの複数の巻きは、好ましくは、電流が前記第1のインダクタを通って流れるときに各巻きが前記第1の磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる前記寄与は、正の方式で重ね合わされ、
前記第1のインダクタは、前記第1の一組の巻きに電力を供給するための少なくとも第1のケーブルが通る第1のコンジット管に接続された第1のケーシング内に配設され、
前記第2のインダクタは、前記第1のケーシング内に配設されない、請求項73から76のいずれか一項に記載の装置。
【請求項78】
前記第2のインダクタは、少なくとも第2の一組の巻き、好ましくは少なくとも第2の一組の略円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
前記第2の一組の巻きのうちの複数の巻きは、好ましくは、電流が前記第2のインダクタを通って流れるときに各巻きが前記第2の磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる前記寄与は、正の方式で重ね合わされ、
前記第2のインダクタは、前記第2の一組の巻きに電力を供給するための少なくとも第2のケーブルが通る第2のコンジット管に接続された第2のケーシング内に配設され、
前記第1のインダクタは、前記第2のケーシング内に配設されない、請求項77に記載の装置。
【請求項79】
前記第1のインダクタは第1の芯に巻かれ、前記第2のインダクタは前記第1の芯とは異なる第2の芯に巻かれる、請求項73から78のいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタは、互いに独立して移動可能である請求項73から79のいずれか一項に記載の装置。
【請求項81】
前記第1のインダクタの第1のインダクタンスおよび/または前記第2のインダクタの第2のインダクタンスは、離散的に可変である、および実質的に連続的に可変である、のうちの一方である、請求項73から80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記蓄電デバイスは、充電回路によって充電されるパルスキャパシタを備える、請求項73から81のいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
磁場を発生させる方法であって、
請求項73から82のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
電気エネルギーを前記蓄電デバイスに蓄えることと、
前記蓄電デバイスを前記第1のインダクタに電気的に接続するように前記第1のスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記蓄電デバイスの電流の流れの第1の電流方向で前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに前記第1の磁場を発生させることと、
前記蓄電デバイスを前記第2のインダクタに電気的に接続するように前記第2のスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記蓄電デバイスの電流の流れの第2の電流方向で前記第2の分岐を通り、前記第2のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第2のインダクタに前記第2の磁場を発生させることと、を含む方法。
【請求項84】
前記装置は、パルス方式で作動され、前記第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、前記第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、前記第1の半パルスおよび前記第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第2のスイッチングデバイスをスイッチングすることは、前記第1の半パルスの終わりの後の遅延の後に前記第2のスイッチングデバイスをスイッチングすることを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の半パルスは、第1の持続時間を有し、前記遅延は、前記第1の持続時間よりも長い、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記第1のインダクタに近づけて、前記第1の磁場が前記身体組織内に存在するようにすることをさらに含む請求項83から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記身体組織内に電圧を発生させるように、または前記身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、前記身体組織内の前記第1の磁場を変化させることをさらに含む請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記身体組織内に発生した電圧または前記電荷の移動は、前記身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、前記電圧または前記電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記第2のインダクタを前記身体組織に近づけるか、または前記身体組織を前記第2のインダクタに近づけることを、前記第2の磁場が前記身体組織内に存在するように行うことをさらに含む請求項87から89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
第1のインダクタおよび第2のインダクタとともに使用する装置であって、前記第1のインダクタは身体組織に印加する磁場を発生させるためのものであり、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する第1の磁場を発生させるための前記第1のインダクタに接続するための第1の端子と、
第2の磁場を発生させるための前記第2のインダクタに接続するための第2の端子と、
前記蓄電デバイスと前記第1の端子および前記第2の端子との間の接続回路であって、前記第1の端子につながる第1の分岐と、前記第2の端子につながる第2の分岐とを少なくとも備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成する第1のスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第1の端子に電気的に接続して、前記第1のインダクタが前記第1の端子を介して前記装置に接続されているときに前記第1の端子を介して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記第1のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第1のインダクタに前記第1の磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスの電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する第2のスイッチングデバイスであって、前記蓄電デバイスを前記第2の端子に電気的に接続して、前記第2のインダクタが前記第2の端子を介して前記装置に接続されているときに前記第2の端子を介して、前記蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第2の分岐を通り、前記第2のインダクタを通って流れるようにすることによって前記第2のインダクタに前記第2の磁場を発生させるように構成され、前記第2の分岐を流れる電流は、前記蓄電デバイスの電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向とは反対である、第2のスイッチングデバイスと、を備える装置。
【請求項92】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
前記少なくとも1つのキャパシタを充電するための充電回路と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、
前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成する第1のスイッチングデバイスであって、前記キャパシタ配置構成部を前記インダクタに電気的に接続して、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記キャパシタ配置構成部を前記インダクタに電気的に接続して、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第2の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第2の分岐を通って流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記充電回路は第1の電圧源を含み、
a)前記充電回路は第2の電圧源を備え、前記第1の電圧源は、第1の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、前記第2の電圧源は、前記第1の極性とは反対の第2の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成される構成、
b)前記充電回路はスイッチング配置構成部、特にHブリッジを含むスイッチング配置構成部を備え、前記スイッチング配置構成部は、前記少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電するように前記第1の電圧源を第1の方式で前記キャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成され、前記スイッチング配置構成部は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性とは反対の第2の極性で充電するように前記第1の電圧源を第2の方式で前記キャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成される構成、
c)前記充電回路は、補助キャパシタを含み、前記第1の電圧源は、第1の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、前記補助キャパシタは、前記第1の極性とは反対の第2の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成される構成、
のうちの少なくとも1つの構成を含む装置。
【請求項93】
前記装置は、第1の半パルスと第2の半パルスとを有する前記インダクタの少なくとも1つの電流パルスをもたらすパルス方式で作動されるように配置構成され、前記充電回路は、前記第1の半パルスの前、または前記第1の半パルスの始まりで、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性で充電するように配置構成され、前記充電回路は、前記第2の半パルスの前、または前記第2の半パルスの始まりで、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第2の極性で充電するように配置構成される、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記充電回路は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性で第1の電圧に達するまで充電するように配置構成され、前記充電回路は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第2の極性で第2の電圧に達するまで充電するように配置構成され、前記第1の電圧の絶対値および前記第2の電圧の絶対値は、最大で10%、特に最大で5%、特に最大で3%、特に最大で2%、特に最大で1%だけ互いに異なる、請求項92または93に記載の装置。
【請求項95】
前記インダクタが前記身体組織に近づけられたときに、または前記身体組織が前記インダクタに近づけられたときに、第1の磁場が前記第1の半パルスの間に前記身体組織中に存在する結果として、前記身体組織中の電荷の第1の変位が生じ、第2の磁場が前記第2の半パルスの間に前記身体組織中に存在する結果として、前記身体組織中の電荷の第2の変位が生じ、前記電荷の第1の変位および前記電荷の第2の変位は実質的に反対の方向に配向され、
前記充電回路は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性で第1の電圧に達するまで充電するように配置構成され、前記充電回路は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第2の極性で第2の電圧に達するまで充電するように配置構成され、前記第1の電圧の絶対値および前記第2の電圧の絶対値は、前記電荷の第1の変位および前記電荷の第2の変位の絶対値が最大で10%、特に最大で5%、特に最大で3%、特に最大で2%、特に最大で1%だけ互いに異なるような値であり、特に前記第1の半パルスおよび前記第2の半パルスに起因する前記身体組織における正味の電荷変位は実質的にゼロである、請求項93に記載の装置。
【請求項96】
前記少なくとも1つのキャパシタを選択的に前記第1の極性および前記第2の極性で充電することを制御するように配置構成された少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路をさらに備える請求項92から95のいずれか一項に記載の装置。
【請求項97】
前記電気部品または電気部品アセンブリは、特に、少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路の制御下で、選択的方式で、前記キャパシタ配置構成部を前記インダクタに電気的に接続するための第2のスイッチングデバイスを備えるか、または
前記電気部品または電気部品アセンブリは、主に順方向に電流を流すように配置構成され、前記順方向は、前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間の電流の流れの前記第2の電流方向に対応する、請求項92から96のいずれか一項に記載の装置。
【請求項98】
磁場を発生させる方法であって、特に順に、
請求項92から97のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電することと、
キャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングすることによって、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させることと、
前記少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で充電することと、
電流が電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り前記キャパシタ配置構成部と前記インダクタとの間に流れるようにすることと、を含む方法。
【請求項99】
パルス方式で前記装置を作動させることをさらに含み、前記第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、前記第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、前記第1の半パルスおよび前記第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記電流が前記電気部品または電気部品アセンブリを介して前記少なくとも1つのキャパシタと前記インダクタとの間に流れ、前記第2の分岐を通るようにすることは、前記第1の半パルスの終わりの後の遅延後に前記電流が前記第2の分岐を通って流れるようにすることを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性で充電すること、
前記キャパシタ配置構成部を前記インダクタに電気的に接続するように前記第1のスイッチングデバイスをスイッチングすること、
前記少なくとも1つのキャパシタを前記第2の極性で充電すること、および
少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路を使用して電流が前記第2の分岐を通って流れるようにすること、
のうちの1つ以上、特にすべてを制御することをさらに含む請求項99または100に記載の方法。
【請求項102】
少なくとも前記c)の構成を含む場合に、前記方法は、前記第1の半パルスの終わりの前、特に、前記第1の半パルスの前および前記第1の半パルスの間の一方または両方において前記補助キャパシタを充電することと、前記第1の半パルスの後に前記補助キャパシタが前記少なくとも1つのキャパシタを充電することを引き起こすことと、をさらに含む、請求項99から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記補助キャパシタを充電することは、第2の電圧源で前記補助キャパシタを充電することを含み、特に、前記第2の電圧源は、前記第1の電圧源よりも小さい出力電力を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置であって、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
前記少なくとも1つのキャパシタを充電するための充電回路と、
身体組織に印加する磁場を発生させるための前記インダクタに接続するための端子と、
前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の接続回路であって、少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える接続回路と、
前記第1の分岐の一部を形成するスイッチングデバイスであって、前記キャパシタ配置構成部を前記端子に電気的に接続して、前記インダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第1の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第1の分岐を流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
前記第2の分岐の一部を形成する電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記キャパシタ配置構成部を前記端子に電気的に接続し、前記インダクタが前記端子を介して前記装置に接続されているときに前記端子を介して、前記キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記第2の分岐を通り、前記インダクタを通って流れるようにすることによって前記インダクタに磁場を発生させるように構成され、前記第2の分岐を流れる電流は、前記キャパシタ配置構成部と前記端子との間の電流の流れの第2の電流方向を表し、前記第2の電流方向は前記第1の電流方向とは反対である、電気部品または電気部品アセンブリと、を備え、
前記充電回路は第1の電圧源を含み、
a)前記充電回路は第2の電圧源を備え、前記第1の電圧源は、第1の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、前記第2の電圧源は、前記第1の極性とは反対の第2の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成される構成、
b)前記充電回路はスイッチング配置構成部、特にHブリッジを含むスイッチング配置構成部を備え、前記スイッチング配置構成部は、前記少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電するように前記第1の電圧源を第1の方式で前記キャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成され、前記スイッチング配置構成部は、前記少なくとも1つのキャパシタを前記第1の極性とは反対の第2の極性で充電するように前記第1の電圧源を第2の方式で前記キャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成される構成、
c)前記充電回路は、補助キャパシタを含み、前記第1の電圧源は、第1の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、前記補助キャパシタは、前記第1の極性とは反対の第2の極性で前記少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成される構成、
のうちの少なくとも1つの構成を含む装置。
【請求項105】
身体組織に印加する磁場を発生させるための装置であって、
第1のスイッチングデバイスおよび第2のスイッチングデバイスの第1の直列組合せであって、前記第1のスイッチングデバイスは第1の接続点で前記第2のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第1の直列組合せと、
第3のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第2の直列組合せであって、前記第3のスイッチングデバイスは第2の接続点で前記第4のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第2の直列組合せと、
電気エネルギーを供給するための少なくとも1つの直流(DC)電源を含むDC電源配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、を備え、
前記第1の直列組合せは、第3の接続点および第4の接続点で、前記第2の直列組合せと電気的に並列に接続され、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、前記第3の接続点で電気的に接続され、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、前記第4の接続点で電気的に接続され、
前記インダクタの第1の端子は前記第3の接続点に電気的に接続され、前記インダクタの第2の端子は前記第4の接続点に電気的に接続され、
前記DC電源配置構成部は、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続され、
前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスが、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成されることによって、第1の時点から、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記導通状態にあり、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えられるように構成されることによって、前記第1の時点の後の第2の時点から、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記実質的な非導通状態にあり、
前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、前記実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、前記第2の時点または前記第2の時点の後の第3の時点から、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、両方とも、前記導通状態にあり、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記実質的な非導通状態にあり、
前記第1の時点から前記第2の時点の間で、前記DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスを通り、前記インダクタを通って前記インダクタの電流の流れの第1の電流方向に流れるように配置構成されることによって、前記インダクタに磁場を発生させて、
前記第3の時点の後に、前記DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流が前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスを通り、前記インダクタを通って前記第1の電流方向とは反対の前記インダクタの電流の流れの第2の電流方向に流れるように配置構成されることによって、前記インダクタに磁場を発生させる装置。
【請求項106】
前記実質的な非導通状態と前記導通状態との間で切り替わるように前記第1のスイッチングデバイス、前記第2のスイッチングデバイス、前記第3のスイッチングデバイス、および前記第4のスイッチングデバイスのうちの1つまたは複数を制御するための少なくとも1つのコントローラをさらに備える請求項105に記載の装置。
【請求項107】
前記少なくとも1つのコントローラは、ダイヤルまたはタッチスクリーンなどのインターフェースを備え、前記インターフェースを介して、使用者または製造者は、第1の時点から第4の時点のいずれか1つもしくは複数を指定する、請求項106に記載の装置。
【請求項108】
前記実質的な非導通状態と前記導通状態との間で切り替わるように前記第1のスイッチングデバイス、前記第2のスイッチングデバイス、前記第3のスイッチングデバイス、および前記第4のスイッチングデバイスのうちの1つまたは複数を制御するためのアナログ回路をさらに備える請求項105から107のいずれか一項に記載の装置。
【請求項109】
少なくとも1つの追加電気回路素子をさらに備え、前記少なくとも1つの追加電気回路素子は、特に前記装置内のいくつかの点の間の電圧が選択されたまたは所定の電圧値を超えるときに、特に前記第1のスイッチングデバイスから前記第4のスイッチングデバイスのうちのいずれか1つもしくは複数における電圧および/または前記インダクタにおける電圧が選択されたもしくは所定の電圧値を超えるときに、実質的な非導通状態から導通状態に切り替わるように、または切り替えられるように構成される、請求項105から108のいずれか一項に記載の装置。
【請求項110】
前記少なくとも1つの追加電気回路素子は、1つまたは複数の受動電気回路素子、特に、
スパークギャップと、
過渡電圧抑制ダイオードと、
ツェナーダイオードと、
ショックレーダイオードと、
交流用三極管(TRIAC)と、
サイリスタと
のうちの1つまたは複数を含む、請求項109に記載の装置。
【請求項111】
前記少なくとも1つの追加電気回路素子は、前記第1のスイッチングデバイスから前記第4のスイッチングデバイスおよび/または前記インダクタのうちの1つ以上に並列に接続される、請求項109または110に記載の装置。
【請求項112】
1つまたは複数の追加インダクタをさらに備え、特に、前記1つまたは複数の追加インダクタは、前記インダクタに並列に、または前記インダクタに直列に接続される、請求項105から111のいずれか一項に記載の装置。
【請求項113】
前記少なくとも1つの直流(DC)電源は、
電池と、
ソーラーパネルまたはソーラーモジュールと、
燃料電池と
のうちの少なくとも1つを含む、請求項105から112のいずれか一項に記載の装置。
【請求項114】
磁場を発生させる方法であって、
請求項105から113のいずれか一項に記載の装置を提供することと、
第2のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスが両方とも実質的な非導通状態にある間に、第1の時点において、第1のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスを前記実質的な非導通状態から導通状態に切り替えることと、
前記第1の時点の後の第2の時点において、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスを前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えることと、
前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスが両方とも前記実質的な非導通状態にある間に、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスを、前記第2の時点以降の第3の時点において前記実質的な非導通状態から前記導通状態に切り替えることと、を含む方法。
【請求項115】
身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置であって、
第1のスイッチングデバイスおよび第2のスイッチングデバイスの第1の直列組合せであって、前記第1のスイッチングデバイスは第1の接続点で前記第2のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第1の直列組合せと、
第3のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第2の直列組合せであって、前記第3のスイッチングデバイスは第2の接続点で前記第4のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第2の直列組合せと、
電気エネルギーを供給するための少なくとも1つの直流(DC)電源を含むDC電源配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタに接続するための第1の端子および第2の端子と、を備え、
前記第1の直列組合せは、第3の接続点および第4の接続点で、前記第2の直列組合せと電気的に並列に接続され、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、前記第3の接続点で電気的に接続され、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、前記第4の接続点で電気的に接続され、
前記第1の端子は前記第3の接続点に電気的に接続され、前記第2の端子は前記第4の接続点に電気的に接続され、
前記DC電源配置構成部は、前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電気的に接続され、
前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成されることによって、第1の時点から、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記導通状態にあり、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、前記導通状態から前記実質的な非導通状態に切り替えられるように構成されることによって、前記第1の時点の後の第2の時点から、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記実質的な非導通状態にあり、
前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、前記実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、前記第2の時点または前記第2の時点の後の第3の時点から、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスは、両方とも、前記導通状態にあり、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスは、両方とも、前記実質的な非導通状態にあり、
前記第1の時点から第2の時点の間で、前記DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、前記インダクタが前記第1の端子および前記第2の端子を介して前記装置に接続されたときに前記第1の端子および前記第2の端子を介して前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスを通り、前記インダクタを通って流れるように配置構成されることによって前記インダクタに磁場を発生させ、前記第1のスイッチングデバイスおよび前記第4のスイッチングデバイスを流れる電流は、前記インダクタの電流の流れの第1の電流方向を表し、
前記第3の時点の後で、前記DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、前記インダクタが前記第1の端子および前記第2の端子を介して前記装置に接続されたときに前記第1の端子および前記第2の端子を介して前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスを通り、前記インダクタを通って流れるように配置構成されることによって、前記インダクタに磁場を発生させて、前記第2のスイッチングデバイスおよび前記第3のスイッチングデバイスを流れる電流は、前記第1の電流方向と反対の前記インダクタの電流の流れの第2の電流方向を表す、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に(ヒトまたは動物の)身体組織に印加する磁場を発生させるための装置および方法に関するものである。
【0002】
本発明は特に、交番磁場、すなわち磁場強度が時間とともに変化する磁場、および特に磁場強度が時間とともに向きを反転する磁場を発生させるために使用され得る。このような交番磁場は、特に、身体組織において神経反応または細胞生理学的反応を引き起こすように、特に、身体組織において筋肉反応を引き起こすように、身体組織内に電圧を発生させるために使用され得る。いくつかの場合において、電圧は、治療効果、または身体組織内のなんらかの他の(望ましい)効果、すなわち必ずしも治療効果でなくてもよく、たとえば筋肉組織の強化を引き起こすのに十分なものとすることができる。
【背景技術】
【0003】
身体組織に印加する交番磁場を発生させるための様々なデバイスが当技術分野で知られている。図1は、本発明者が知っている(が先行技術として認めるものではない)交番磁場を発生させるためのデバイスの回路図を概略として示している。図1に示されている回路は、接続回路の2つの分岐105および106を介して、インダクタ102に電気的に接続されているキャパシタ101を含む。キャパシタ101は、また、スイッチ108を介して、電圧源107などの電気エネルギー源に接続されている。キャパシタ101、インダクタ102、および電圧源107の各々の一方の端子は、グランド(図1の底部に向かう三角形で示されている)に接続されている。スイッチ108は、図1において別個の回路素子として示されているが、これは代替的に電圧源107に一体化されるか、または電圧源107の一部を形成することもできる。
【0004】
サイリスタ103が、第1の分岐105の一部を構成する、すなわち、サイリスタ103の一方の端子(図1では、左側の端子、すなわちアノード)がキャパシタ101に電気的に接続される。サイリスタ103の第2の端子(図1では右側の端子、すなわちカソード)が、インダクタ102に電気的に接続される。第3の端子、すなわち、サイリスタのゲート端子は、サイリスタ103を「点弧」するための適切な回路に電気的に接続される。サイリスタ103を点弧するための回路は、図1には示されていないが、当業者には知られている。
【0005】
同様に、ダイオード104が、第2の分岐106の一部を構成する、すなわち、ダイオード104の一方の端子(図1では、左側の端子、すなわちカソード)がキャパシタ101に電気的に接続される。ダイオード104の第2の端子(図1では右側の端子、すなわちアノード)が、インダクタ102に電気的に接続される。
【0006】
したがって、サイリスタ103またはダイオード104が導通状態または「オン」状態であるかどうかに応じて、第1の分岐105または第2の分岐106のいずれかを介して、キャパシタ101とインダクタ102との間に電流が流れ得る。特に、サイリスタ103およびダイオード104の極性は、これらの部品の一方のみがどの時点においても導通状態にあるような極性である。サイリスタ103またはダイオード104が非導通状態にあるときであっても、わずかな電流が、それでもなお、これらの部品を通って流れ得ることは理解されるであろう。本出願の目的のために、「導通(状態)」および「非導通(状態)」および同様の用語は、それに応じて解釈されることが好ましい。
【0007】
電気回路における従来の電流の方向は、正の電荷が流れる方向として定義される。したがって、電子などの、負に帯電したキャリアは、電気回路における従来の電流の流れの反対方向に流れる。この慣例に従えば、キャパシタ101からインダクタ102に流れる電流は、(サイリスタ103が導通状態にあると仮定すると)第1の分岐105を通って(のみ)流れるが、インダクタ102からキャパシタ101に流れる電流は(ダイオード104が導通状態にあると仮定すると)第2の分岐106を通って(のみ)流れる。
【0008】
インダクタ102は、インダクタ102によって発生する磁場が身体組織に印加されるように身体組織に近づけられ得る。
【0009】
典型的には、図1に示されているデバイスの動作は以下の通りである。キャパシタ101は、電圧源107によって充電される。このために、スイッチ108は、電圧源107をキャパシタ101に電気的に接続するように適当なタイミングで閉じられる。スイッチ108は、再び図1に示されてはいないが、当業者によく知られている適当な回路によって動作させられ得る。キャパシタ101が一定時間または一定電圧まで充電された後、スイッチ108が開かれる。図1に示されている例では、キャパシタ101は、(図1では)上側端子が正となり、下側端子が負となるように充電される。これは、また、電圧源107の隣にある記号「+」および「-」によっても示されている。
【0010】
最初に、キャパシタ101に蓄えられた電荷は、ダイオード104が非導通状態にあるのでキャパシタ101に留まる。また、電流が(最初に)キャパシタ101から第1の分岐105を介してインダクタ102に流れることは、サイリスタ103がそのゲート端子を介して点弧するまで生じない。
【0011】
次に、サイリスタ103がゲート端子を介して点弧される。次に、電流がキャパシタ101からインダクタ102に流れ、インダクタ102が磁場を発生させることを可能にし得る。当技術分野で知られているように、サイリスタ103を点弧した信号(ゲート電流)がゲート端子にもはや存在しなくなってもサイリスタ103は導通状態のままである。
【0012】
キャパシタ101から第1の分岐105を通り、インダクタ102を通って電流が流れる間、キャパシタ101に蓄えられた電荷(したがってキャパシタ101の両端子間の電圧)は減少する。この電圧の減少は、サイリスタ103が点弧した時点の初期最大値から始まる、余弦波形状に近似的に従う。
【0013】
図1の回路におけるエネルギー損失に起因して、キャパシタ101の2つの端子の間の電圧は時間とともに正確な余弦波形状に従うようになるということはない。その代わり、電圧は、振幅が減衰するとともに余弦波形状に近くなるが、これでも近似に過ぎない場合がある。同じことが、本明細書において(近似的に)正弦波または余弦波形状に従うと説明されている他の電圧、電流、または他の変数にも当てはまる。これは、図1の回路にも、本発明の実施形態にも当てはまる。したがって、本明細書において使用されているように、「余弦波形状」、「正弦波形状」、および類似の用語は、振幅の減衰を伴う余弦波形状または正弦波形状(の近似)を含むものと理解される。
【0014】
キャパシタ101の2つの端子の間の電圧が減少する一方で、インダクタ102を通る電流は、ゼロの値から始まり、正弦波形状に近似的に従い、最大値まで増大する。インダクタ102を流れる電流は、キャパシタ101に蓄えられた電荷がゼロに下がるのと実質的に同時に最大値に達する。サイリスタ103の初期点弧からインダクタ102を通る電流が最大値に達するまでの期間は、1/4波、すなわちπ/2とみなされ得る。
【0015】
π/2の時点では、インダクタ102を通る電流によって発生する磁場も最大値を取り、キャパシタ101に蓄えられた電気エネルギーはゼロになる。言い換えると、キャパシタ101に最初に蓄えられた電気エネルギーは、次に、磁気エネルギー、すなわちインダクタ102を通る電流によって発生する磁場に変換されている。エネルギーは、今や磁場に蓄えられている。磁場は、その減少に抵抗するので、電流は、インダクタ102を通り、第1の分岐105を通って流れ続ける。ダイオード104は、依然として非導通状態にある。したがって、この継続的な電流の流れは、キャパシタ101を充電するが、今度は、初期状態と比較して逆極性となる。キャパシタ101が負の最大値(初期最大電荷量に近似的に対応するが、極性は逆)まで充電されると、インダクタ102を通る電流が減少し、それに伴って磁場も、サイリスタ103の初期点弧から半波の後で、すなわちπの時点で、ゼロになってしまうまで減少する。この時点で、キャパシタ101の電荷(または電圧)は、反対の極性の最大値に達している。π/2とπとの間で、キャパシタ101の電圧およびインダクタ102を通る電流は、それぞれ近似された余弦波および正弦波形状に従い続ける。
【0016】
この第1の半波のおおよそ終わりのところで、サイリスタ103は非導通状態になり、ダイオード104は、順方向で、導通状態になる。図1の例では、この順方向は、インダクタ102からキャパシタ101への電流方向に対応する。次いで、第1の半波に関して上で説明されているプロセスは、第2の半波の間に効果的に繰り返されるが、ただし、πの時点(すなわち、第1の半波の終わりまたは第2の半波の始まりの時点)において、キャパシタ101の電圧の極性は初期極性の反対の極性であり、同様に、第2の半波の間のインダクタ102を通る電流方向は、第1の半波の間のインダクタ102を通る電流方向と反対であることを除く。さらに、インダクタ102とキャパシタ101との間の電流は、第1の分岐105ではなくむしろ第2の分岐106を通って流れる。キャパシタ101の電圧およびインダクタ102を流れる電流は、それぞれ、第1の半波の間に始まった(近似された)余弦波および正弦波形状に従い続ける。
【0017】
結局、第2の半波の後、すなわち2πの時点で、図1に示されている回路によって表されるシステムは、初期状態に戻っている、すなわち、キャパシタ101は最大値まで充電され、初期極性になり、インダクタ102を通る電流はゼロに戻っている。ダイオード104は、この段階で非導通状態になる。完全なサイクルが実行されている(2つの半波)。次いで、このプロセスは繰り返され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、図1に関して上で説明されている回路よりも高い柔軟性をもたらす装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明は、独立請求項に従う装置および方法を提供する。さらなる実施形態は従属請求項に記載されている。
【0020】
本開示の第1の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続し、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、電流が第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、
第2のインダクタであって、第2のインダクタは、第1の分岐または第2の分岐のいずれかの一部を形成する、第2のインダクタと、を備える。
【0021】
したがって、たとえば、第2のインダクタが第2の分岐の一部を形成する場合、第2の電流方向に流れる電流も、第2のインダクタを流れることになる(ただし、第2のインダクタがバイパスされるかまたは短絡されることのない限りにおいてであり、これについては以下で説明する)。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、第1の分岐または第2の分岐に第2のインダクタを追加すると、以下に説明されるように、装置の構造だけでなく、装置の動作に関しても、著しい違いが生じる。
【0023】
蓄電デバイス、特にキャパシタが蓄電デバイスとして使用される場合、第1のインダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)と実質的にみなされ得る。しかしながら、典型的な共振回路であれば、電流は、通常、共振回路を通る同じ経路を取り、どの時点でも電流が流れる方向に関係しないが、第1の態様による実施形態では、電流は、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れ方向に応じて、第1の分岐または第2の分岐のいずれかを流れる。さらに、1つの完全なサイクル(2つの半波)の後、スイッチングデバイスが第1の半波の後に非導通状態になったと仮定すると、電流の流れは、スイッチングデバイスが再び作動されて(たとえば、点弧して)電流が第1の分岐を流れることを許すまで停止する。それでもなお、この挙動は、共振回路の挙動にやや似ているとみなすことができる。
【0024】
理想部品を仮定すると、共振回路の共振周波数ω(以下では単に「周波数」)は、ω=1/(√(LC))に従って、回路のインダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって決定される。実際の(非理想)回路では、当業者に知られている他の要因が、わずかに異なる結果をもたらすが、上記の式は、本発明の実施形態の目的も含め、依然として近似値として使用され得る。第1の態様による装置において蓄電デバイスとしてキャパシタが使用されると再び仮定すると、回路のキャパシタンスCは、電流が第1の分岐または第2の分岐のいずれを通って流れようと同じである。しかしながら、第1の分岐または第2の分岐のいずれかにおける追加の第2のインダクタに起因して、回路の適用可能なインダクタンスは、電流が第1の分岐または第2の分岐のいずれを通って流れるかに依存する。これを典型的な共振回路に適用する場合、このことは、共振回路の周波数ωが、電流が第1の分岐を通って流れるのかまたは第2の分岐を通って流れるのかに依存するであろう。言い換えると、完全なサイクルの2つの半波のそれぞれの持続時間は異なることになるであろう。第1の態様の実施形態において、2つの半波のそれぞれの持続時間は、第1の分岐または第2の分岐のいずれかに第2の導体が追加されることに起因して、異なることになる。
【0025】
簡単のため、蓄電デバイス、第1のインダクタ、および接続回路の第1および/または第2の分岐(そのうちの1つは第2のインダクタを含む)を備えるシステムは、共振回路と称されるが、厳密に言えば必ずしも共振回路を構成しない。同様に、共振回路の周波数への言及は、実際の発振(特にいくつかの連続的に生じる発振)だけでなく、半波の持続時間に対する言及、またはさらに一般的には、共振回路内の電流の変化率(経時的な)、その部品の1つにおける電圧の変化率(経時的な)、または共振回路の他の電気的特性の変化率(経時的な)への言及であると理解されることを意図している。
【0026】
第1のインダクタおよび/または第2のインダクタとして使用するのに適したインダクタは、当技術分野で知られている。これらは、特に、一般的に円形、六角形、または長方形の巻きなど、任意の適切な形状の(ワイヤの)少なくとも一組の巻きを含み得る。これらの巻きは、芯に巻かれていても巻かれていなくてもよい。
【0027】
第1の態様による装置のスイッチングデバイスは、サイリスタを含み得る。サイリスタを使用することは、他のスイッチングデバイスよりも好ましい場合があるが、それは、点弧されると、サイリスタは、ゲート信号が取り除かれた後でも導通状態のままであるからである。さらに、サイリスタは、サイリスタの端子(アノードおよびカソード)の極性が反転されると、非導通状態に切り替わる。
【0028】
しかしながら、(「通常の」)サイリスタの代わりに、他のタイプのスイッチングデバイスが使用されてもよい。たとえば、ゲートターンオフ(GTOサイリスタ)が使用され得る。これは、本質的に、「通常の」サイリスタと同じ特性を有するが、それに加えて、GTOサイリスタを点弧するための初期ゲート信号と比較して反対の極性のゲート信号を印加することによって非導通状態にされ得る。
【0029】
さらなる代替的スイッチングデバイスは、限定はしないが、IGBT、FET、または適切なタイミングでオン/オフできる、特に第1の半波の後にオフできる、スイッチングデバイスを含む。
【0030】
非導通状態または「OFF」状態に戻すためにスイッチオフされることを能動的に必要とするスイッチングデバイスが使用される場合、好適なスイッチング回路が設けられ得る。これは、たとえば、(マイクロ)コントローラを含むことができ、所望の時点にスイッチングデバイスをオンおよび/またはオフにするようにプログラムされ得る。代替的に、またはそれに加えて、追加の(アナログ)回路が、第1の分岐のある点のところに存在する電圧、特に、第1の分岐の一部として、第1のインダクタに接続されるスイッチングデバイスの端子のところに存在する電圧に応じて、スイッチングデバイスをオフにするために設けられ得る。
【0031】
本発明の意味において、「電気的接続」という用語は、好ましくは、電流、特に実質的な大きさの電流が流れることを可能にする接続を意味すると理解されることを意図されている。このような電気接続は、金属線などの導体によって達成され得るが、ON状態の半導体部品も伴い得る。対照的に、「電気的接続」という用語は、好ましくは、OFF状態の半導体部品を、電流(ダイオードまたはサイリスタ内の逆漏れ電流など)がOFF状態のときにそのような半導体部品を通って流れ得るとしても、対象とすることを意図されない。このような逆漏れ電流は、典型的には、半導体部品がON状態のときに流れることができる電流よりも著しく小さくなる。「電気的に接続する」という言い回しは、これに対応して理解されるべきである。
【0032】
第1の態様の実施形態において、様々な部品が、電気(または電子)部品として、または第2の分岐における電気(または電子)部品アセンブリの一部として使用され得る。これは、ダイオード、特にpn接合または金属-半導体接合(ショットキーコンタクト)を有するダイオードを含む。より一般的には、これは、電解整流器、水銀整流器、プレート整流器(金属整流器、特にセレン整流器)、および真空管整流器(真空管ダイオード)などの整流器を含む、ダイオードと同様の機能を有する部品を含む。
【0033】
前の段落に列挙された部品は、受動整流器、すなわち整流器の挙動に影響を及ぼす追加の回路を必要としない整流器とみなされ得る。代替的に、またはそれに加えて、能動的なスイッチングデバイスが使用されてもよく、これは追加の回路(この追加の回路は電気または電子部品アセンブリの一部としてみなされ得る)によって能動的にスイッチングを行うことができる。そのような回路は、アナログ回路および/またはマイクロコントローラを含むことができる。そのような(能動的)スイッチングデバイスは、本発明の任意の実施形態において、たとえば、第2の分岐におけるダイオードの代わりに使用され得る。
【0034】
一実施形態において、装置は、第2のインダクタを選択的にバイパスするか、または短絡する回路をさらに備え、第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させる。第2のインダクタを選択的にバイパスするかまたは短絡するためのそのような回路は、第2のインダクタの2つの端子間の電気的接続を含むものとしてよく、それによって、この電気的接続は、この電気的接続を選択的に中断するかまたは閉じるように追加スイッチングデバイスを備える。第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡するために比較的低オームである電気的接続が使用されると仮定すると、第2のインダクタが一部を形成する分岐を通る電流は、(このバイパス回路の一部としての追加スイッチングデバイスが閉じられるときに)第2のインダクタを通るよりもむしろこのバイパス回路を通って(ほとんど)排他的に流れる。したがって、バイパス回路が閉じられた場合、バイパス回路が遮断されている状況と比較したときに、第2のインダクタが一部を構成する分岐のインダクタンスは、減少する。インダクタンスのこの変化は、また、共振回路の周波数を変化させる効果も有する。特に、電流が第2のインダクタを流れるときに、共振回路の周波数は、第2のインダクタがバイパスされているときよりも低くなる(すなわち、それぞれの半波が次いでより長い持続時間を有する)。さらに、電流が第2のインダクタを流れるときに、共振回路を通る電流の大きさは、第2のインダクタがバイパスされるときよりも低くなる。
【0035】
一実施形態において、第2のインダクタのインダクタンスは、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方である。
【0036】
離散的に可変のまたは実質的に連続的に可変のインダクタンスを有するインダクタは、当技術分野においてよく知られている。第2のインダクタが一組の巻きを有するコイルからなる場合、インダクタンスは、1つまたは複数の(全)巻きをバイパスすることによって、または巻きの一部(たとえば4分の3または5.375巻き)をバイパスすることによって離散的に変化させられ得る。第2のインダクタとしてバリオメータ(variometer)を使用することによって、インダクタンスは実質的に連続的に変化させられ得る。(連続的に)可変なインダクタンスを有するインダクタの他の可能な実装形態は、芯を有するインダクタ、たとえば、芯の周りに巻かれた一組の巻きを有するコイルを含み、それによって、芯は、(部分的に)コイルに導入されるか、またはコイルから引き抜かれる。
【0037】
一実施形態において、装置は、第2のインダクタがその一部を形成する分岐の一部を形成する1つまたは複数の追加インダクタをさらに含む。
【0038】
追加インダクタは、第2のインダクタと直列に接続されることが企図されるが、第2のインダクタと並列に接続することも可能であろう。2つまたはそれ以上の追加インダクタを使用することで、第2のインダクタおよび追加インダクタに対して直列接続と並列接続の組合せを使用することも可能である。
【0039】
一実施形態において、装置は、第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させるために、第2のインダクタおよび/または1つもしくは複数の追加インダクタのうちの1つもしくは複数を選択的にバイパスするか、または短絡する回路をさらに備える。
【0040】
第2のインダクタをバイパスするか、または短絡する効果は、すでに上で説明されている。第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡する代替として、またはそれに加えて、1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つまたは複数をバイパスするかまたは短絡することは、共振回路の周波数を変化させる効果、および第2のインダクタが一部を形成する分岐を通る電流の大きさを変化させる効果を含む、対応する効果を有する。
【0041】
一実施形態において、第2のインダクタの、および/または1つもしくは複数の追加インダクタのうちの少なくとも1つのインダクタのインダクタンスは、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方である。
【0042】
ここでもまた、離散的に可変なインダクタンスまたは実質的に連続的に可変なインダクタンスを有するインダクタは、第2のインダクタに関してすでに上で説明されている。これは、1つまたは複数の追加インダクタにも同様に適用することができる。
【0043】
離散的にもしくは実質的に連続的に可変なインダクタンスを有するインダクタを使用することは、第2のインダクタおよび/または1つもしくは複数の追加インダクタをバイパスするかまたは短絡するための回路と併用され得るが、そのようなバイパス回路なしでも使用できる。可変インダクタンスを有するインダクタをバイパス回路と組み合わせて使用することによって、装置(共振回路)は、潜在的に多種多様な異なる周波数をカバーすることが可能であり、これは離散的または実質的に連続的な方式で可変であり得る。
【0044】
一実施形態において、第2のインダクタの、および1つまたは複数の追加インダクタのインダクタンスは、第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスが、最小値から最大値まで、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
最小値は、第2のインダクタおよび追加インダクタがバイパスされるかまたは短絡されるときに第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスに対応し、
最大値は、第2のインダクタおよび追加インダクタがバイパスされることも短絡されることもなく、第2のインダクタのおよび/または1つもしくは複数の追加インダクタのうちの少なくとも1つのインダクタのインダクタンスが最大であるときに第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスに対応する。
【0045】
たとえば、第2のインダクタおよび1つまたは複数の追加インダクタが直列に接続されている場合、それらのインダクタンスは、結果として第2のインダクタが一部を形成する分岐の(総)インダクタンスをたらすように加算される。第2のインダクタおよび/もしくは追加インダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡することによって、またはそれらの個別のインダクタンスを変化させることによって、それぞれの分岐の(総)インダクタンスは広い範囲にわたって変化し得る。
【0046】
一実施形態において、第1のインダクタは、少なくとも一組の巻き、好ましくは少なくとも一組の一般的に円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
少なくとも一組の巻きうちのいくつかの巻きは、好ましくは、電流が第1のインダクタを通って流れるときに各巻きが磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる寄与は、正の方式で重ね合わされ、
第1のインダクタは、少なくとも一組の巻きに電力を供給するための少なくとも1本のケーブルが通るコンジット管に接続されたケーシング内に配設され、
第2のインダクタは、前記ケーシング内に配設されない。
【0047】
この実施形態によれば、第1のインダクタは、たとえば、プラスチック材料製のケーシング内に配設されてもよく、このケーシングは、蓄電デバイス、スイッチングデバイス、および電気部品または電気部品アセンブリ、さらには接続回路の第1および第2の分岐を収容するハウジングまたはキャビネットなどのユニットから分離しており、これらに関して別々に移動可能であり得る。第1のインダクタを収納するケーシングは、第1のインダクタに電力を供給するためのケーブルを収容するコンジット管によってキャビネットに接続され得る。第1のインダクタおよび第1のインダクタを収納するケーシングが、第1のインダクタがそのような他の部品に関して相対的に移動され得るようにコンジット管を用いて装置の他の部品に接続される配置構成は、有利には、これらの他の部品(たとえば、これらの他の部品を収納し、第1のインダクタおよび第1のインダクタを収容するケーシングよりもかなり大きく重くなり得るキャビネット)を移動することなく、第1のインダクタを身体組織に近づけるために使用され得る。
【0048】
一実施形態において、蓄電デバイスは、充電回路によって充電され得るパルスキャパシタを備える。
【0049】
充電回路は、装置の一部を形成し得るか、または第1の態様の装置に接続するための別個のデバイスとして設けられ得る。充電回路は、特に、電圧源と、電圧源をキャパシタに選択的に接続するためのスイッチとを備え得る。
【0050】
本開示の第2の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続し、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、電流が第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
第1の分岐の総インダクタンスは、第2の分岐の総インダクタンスと、
少なくとも1.5倍、
少なくとも2倍、
少なくとも5倍、
少なくとも10倍、
少なくとも50倍、
少なくとも100倍、
少なくとも500倍、
少なくとも1000倍、
少なくとも2000倍、
少なくとも5000倍、
少なくとも10000倍
のうちの1つの倍数だけ異なる。
【0051】
第2の態様に従って、本発明者は、装置の様々な部品が電気的な意味で「理想」部品ではないことを認識している。たとえば、蓄電デバイス、第1のインダクタ、スイッチングデバイス、第2の分岐の一部を形成する電気部品または電気部品アセンブリなどの個別の部品は、さらには接続回路は、典型的には、寄生抵抗、キャパシタンス、およびインダクタンスのうちの1つまたは複数を有する。特に、第1の分岐および第2の分岐は両方とも、非ゼロのインダクタンスを有することになる。しかしながら、第1の分岐のインダクタンスが第2の分岐のインダクタンスと(少なくとも)上記の倍数のうちの1つの倍数だけ異なることを確実にすることによって、第1の分岐と第2の分岐(各々蓄電デバイスおよび第1のインダクタと組み合わせて)にそれぞれ関連付けられる周波数も異なり、特に著しく異なる。
【0052】
第1の分岐と第2の分岐との間のインダクタンスの差は、特に、第1の態様に関して説明されているように、第2のインダクタ(および潜在的に追加インダクタ)を分岐の1つに含めることによって達成され得る。
【0053】
本開示の第3の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第1の態様による装置を提供することと、
電気エネルギーを蓄電デバイスに蓄えることと、
蓄電デバイスを、第1のインダクタに電気的に接続するようにスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすことと、
電流が前記電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間に流れることを可能にすることとを含む。
【0054】
一実施形態において、第3の態様で使用される装置はパルス方式で作動され、第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、第2の半パルスの持続時間は第1の半パルスの持続時間とは異なる。
【0055】
2つの半パルスの持続時間の差は、第1の分岐と第2の分岐とのインダクタンスの差に起因し、特に、第2のインダクタ(および任意の追加インダクタ)が分岐の一部を形成することに起因する。
【0056】
一実施形態において、この方法は、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するか、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させ、それによって第2のインダクタが一部を形成する分岐のインダクタンスを選択的に変化させることをさらに含む。
【0057】
第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡すること、および第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、第1の態様に関してすでに説明されている。
【0058】
一実施形態において、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡すること、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡すること、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させることを、
‐ 第1の半パルスの間、
‐ 第2の半パルスの間、
‐ 第1の半パルスと第2の半パルスとの間、および
‐ 第2の半パルスと後続のパルスとの間
のうちの1つにおいて行うことを含む。
【0059】
好適な(スイッチング)回路は、第2のインダクタを能動的にバイパスするか、または短絡するか、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させるために使用され得る。このバイパスすること、短絡すること、または変化させることがいつ行われるかに応じて、異なる効果が達成され得る。第1の半パルスの間に行われた場合(そして第2のインダクタが第1の分岐の一部を形成していると仮定した場合)、共振回路の周波数は、第1の半パルスの間に変更され、それに応じて第1の半パルスの持続時間は、第1の半パルスの途中で変更される。同様に、第2の半パルスの間に行われた場合(そして第2のインダクタが第2の分岐の一部を形成していると仮定した場合)、共振回路の周波数は、第2の半パルスの間に変更され、それに応じて第2の半パルスの持続時間は、第2の半パルスの途中で変更される。両方の場合において、信号(たとえば、第1のインダクタを流れる電流)は、第2のインダクタがバイパスされるか、または短絡するか、またはそのインダクタンスが変化した時点においてその形状を変える。すなわち、最初に辿った(近似された)正弦波の半パルスの同じ形状を辿り続けないが、その代わりに、(異なるパルス持続時間の)異なる(近似された)正弦波の形状に沿って継続する。第2のインダクタがバイパスされるかもしくは短絡するか、またはそのインダクタンスが第1の半パルスと第2の半パルスとの間で変化した場合、各半パルスの形状は、(近似的に)正弦波の半パルスに類似する。しかしながら、2つの半パルスの持続時間および振幅は異なる。同じことが、必要な変更を加えて、第2のインダクタがバイパスされるかもしくは短絡されるか、またはそのインダクタンスが1つの(完全)パルスとその次の(完全)パルスとの間で変化する場合に、言える。
【0060】
対応する効果は、最初に第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡させ、第1の半パルスの間、第2の半パルスの間、2つの半パルスの間、または1つの(完全)パルスと次の(完全)パルスと間のいずれかにおいてバイパスまたは短絡を中断することによって達成され得る。
【0061】
一実施形態において、この方法は、第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または身体組織を第1のインダクタに近づけることを、磁場が前記身体組織内に存在するように行うことをさらに含む。
【0062】
これは、特に、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。
【0063】
第2のインダクタは、共振回路の周波数および第1のインダクタを通る電流の大きさに影響を及ぼすので、第2のインダクタは、第1のインダクタによって発生する磁場にも影響を及ぼし、この磁場は身体組織中で特定の効果を達成するために使用され得る。
【0064】
この実施形態によれば、第1のインダクタを身体組織に近づけることは、たとえば、ときにはアプリケータコイルとも呼ばれる第1のインダクタを身体組織に向かって移動させることによって、または人や動物の身体表面に沿って移動させることによって達成され得る。身体組織を第1のインダクタに近づける一例は、第1のインダクタを(一時的に)固定位置で使用すること、および人または動物が第1のインダクタに接近することを伴うことができる。そのような固定位置にある第1のインダクタは、たとえば、椅子または類似のものに取り付けられるか、または一体化され得る。
【0065】
また、最初に第1のインダクタを身体組織に近づけ(または身体組織を第1のインダクタに近づけ)、次いで磁場を発生させるか、またはその逆を行うことも可能である。
【0066】
第1のインダクタと身体組織との間の距離は、たとえば、数ミリメートルまたは数センチメートルであってよいが、より大きな距離(数十センチメートルなど)も考慮され得る。
【0067】
一実施形態において、この方法は、身体組織内に電圧を発生させるように、または身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む。
【0068】
身体組織内の磁場が第1のインダクタを通る電流とともに変化すると、磁場を通る身体組織内に電圧が発生する(または電荷の移動が引き起こされる)。
【0069】
一実施形態において、身体組織内に発生した電圧(または電荷の移動)は、身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、好ましくは、電圧(または電荷の移動)は、治療効果を引き起こすのに十分である。
【0070】
第1の態様の装置または第3の態様の方法を、特に第2のインダクタの適切な選択により、使用し、および該当する場合に、第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡するかまたはインダクタンスを変化させることで、様々な効果が標的とする方式で達成され得る。
【0071】
本開示の第4の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるために第1のインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタに接続するための端子と、
蓄電デバイスと前記端子との間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは蓄電デバイスを前記端子に電気的に接続し、第1のインダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスと前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、第1のインダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して電流が第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、
第2のインダクタであって、第2のインダクタは、第1の分岐または第2の分岐のいずれかの一部を形成する、第2のインダクタと、を備える。
【0072】
第4の態様の装置は、第1の態様の装置に類似している。しかしながら、第1の態様とは対照的に、第4の態様に関して言及された第1のインダクタは、第4の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第4の態様の装置は、第1のインダクタに接続するための端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第4の態様の装置に接続され、第1のインダクタとして使用され得る。
【0073】
本開示の第5の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタと、
蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続し、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、電流が第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
接続回路は、第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタをさらに備え、
‐ 第2のインダクタは、可変インダクタンスを有するか、または
‐ 接続回路は、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路をさらに備えるか、または
‐ 第2のインダクタは、可変インダクタンスを有し、接続回路は、第2のインダクタをバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路をさらに備え、
それにより、第1のインダクタを通り、接続回路を通って流れる電流は、前記電流が第1または第2の分岐を通って流れるかどうかにかかわらず、第2のインダクタまたはバイパス回路を通っても流れる。
【0074】
いくつかの実施形態において、第5の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、第1のインダクタと直列に第2のインダクタを追加すると、以下に説明されるように、装置の構造だけでなく、装置の動作に関しても、著しい違いが生じる。
【0075】
第1の態様に関して上で提示された説明は、また、第5の態様に関して同様に、特に、
‐ 蓄電デバイスが、第1のインダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)(に類似する)とみなされ得ること、
‐ 共振回路の周波数ωは、ω=1/(√(LC))により、回路の(適用可能な)インダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって(近似的に)決定され、これにより適用可能なインダクタンスは、特に、第1および第2のインダクタのインダクタンスを含むこと、
‐ 第1のインダクタおよび/または第2のインダクタとして使用するインダクタの種類、
‐ スイッチングデバイスの種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
‐ 電気(または電子)部品として、または第2の分岐における電気(または電子)部品アセンブリの一部として使用され得る部品の種類
に関して、適用される。
【0076】
同様に、インダクタを選択的にバイパスするかまたは短絡するためのバイパス回路の構造および動作に関する詳細は、本開示の第1の態様の実施形態に関して上ですでに提示されている。これらの詳細は、第5の態様のバイパス回路にも同様に適用される。
【0077】
本開示の実施形態によれば、第1のインダクタは、身体組織に適用する磁場を発生させることを意図されているが、第2のインダクタは、この目的を意図されていない。もちろん、磁場は、原理上、無限大の広がりを有することができるので、第1のインダクタによって発生する磁場を受ける身体組織は、第2のインダクタによって発生する磁場も受けることになる。しかしながら、本開示の実施形態では、これの効果は、たとえば、第2のインダクタを第1のインダクタから(したがって、第1のインダクタによって発生する磁場が印加されるべき任意の身体組織から)好適な距離のところに留置することによって小さく抑えられ得る。その代わりに、第2のインダクタの主な目的は、第1および第2のインダクタが一部を形成する共振回路の周波数を変化させることである。このようにして、第1のインダクタのインダクタンスを変化させることができなくても、この共振回路の周波数は変化させられ得る。周波数の変化は、第1のインダクタを通る電流、特に第1のインダクタを通る電流パルスの形状、持続時間、または大きさの少なくとも1つに影響を及ぼすために使用され得る。
【0078】
一実施形態において、第2のインダクタのインダクタンスは、離散的に可変であることおよび実質的に連続的に可変であること一方である。
【0079】
離散的に可変のまたは実質的に連続的に可変のインダクタンスを有するインダクタの構造詳細については、本開示の第1の態様に関してすでに説明されている。
【0080】
一実施形態において、装置は、第2のインダクタと直列に接続された1つまたは複数の追加インダクタをさらに備える。
【0081】
1つまたは複数の追加インダクタもまた、第1のインダクタと直列に接続される。それらのインダクタンスもまた、第1および第2のインダクタ(および1つまたは複数の追加インダクタ)が一部を形成する共振回路の周波数に影響を及ぼす。
【0082】
第2のインダクタと同様に、1つまたは複数の追加インダクタは、身体組織に印加するための磁場を発生させることを意図されておらず、第2のインダクタに関して上で提示されている説明は、1つまたは複数の追加インダクタにも同様に適用される。
【0083】
一実施形態において、1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つまたは複数は可変インダクタンスを有する。
【0084】
第2のインダクタの可変インダクタンスに関して上で提示された説明は、1つまたは複数の追加インダクタにも同様に適用される。
【0085】
一実施形態において、接続回路は、1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つまたは複数を選択的にバイパスするかまたは短絡するための追加バイパス回路をさらに備える。
【0086】
インダクタを選択的にバイパスするかまたは短絡するためのバイパス回路の構造および動作に関する詳細は、本開示の第1の態様の実施形態に関して上ですでに提示されている。これらの詳細は、第5の態様の実施形態の1つまたは複数の追加インダクタを選択的にバイパスするかまたは短絡するための追加バイパス回路にも同様に適用される。
【0087】
一実施形態において、追加バイパス回路は、1つまたは複数の追加インダクタのうちの1つまたは複数を個別に選択的にバイパスするかまたは短絡するための個別の回路部分を備える。
【0088】
そのような個別の回路部分により、追加インダクタのうちの1つまたは複数の特定のインダクタは個別にバイパスされるかまたは短絡され得るが、追加インダクタのうちの1つまたは複数の他のインダクタはバイパスされることもまたは短絡されることもない。この方式で、第1、第2および追加インダクタが一部を形成する回路の総インダクタンスは、様々な異なる値を取ることができる。
【0089】
一実施形態において、1つもしくは複数の追加インダクタのうちの1つもしくは複数が可変インダクタンスを有し、および/または1つもしくは複数の追加インダクタのうちのそれぞれの1つを選択的にバイパスするかまたは短絡するための追加バイパス回路を備える。
【0090】
この方式で、第1、第2および追加インダクタが一部を形成する回路の総インダクタンスは、広い範囲で変化させられ得る。
【0091】
一実施形態において、第2のインダクタの、および1つまたは複数の追加インダクタのインダクタンスは、接続回路の総インダクタンスが、最小値から最大値まで、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
最小値は、追加バイパス回路を備える第2および追加インダクタのうちのすべてのインダクタがバイパスされるかまたは短絡されるときに接続回路の総インダクタンスに対応し、インダクタンスが可変である第2および追加インダクタのうちのすべてのインダクタのインダクタンスは最小値に合わせて調整され、
最大値は、追加バイパス回路を備える第2および追加インダクタのうちのすべてのインダクタがバイパスされることも、短絡されることもないときに接続回路の総インダクタンスに対応し、インダクタンスが可変である第2および追加インダクタのうちのすべてのインダクタのインダクタンスは、最大値に合わせて調整される。
【0092】
これは、回路の総インダクタンス、したがって回路の周波数が特に広い範囲にわたって変化することを可能にし、これを通じて、第1のインダクタを流れる電流もそれに応じて変化することができる。特に、第1のインダクタを通る電流パルスの形状、大きさ、および/または持続時間は、対応する広い範囲にわたって変化させられ得る。
【0093】
一実施形態において、第2のインダクタは、L2の最大インダクタンスを有する可変インダクタンスを有し、1つまたは複数の追加インダクタは、値Lmのインダクタンスを有し、ここで、m=3、4、5、…n+2であり、nは追加キャパシタの個数であり、LmはL2×2(m-3)に実質的に等しい。
【0094】
この実施形態では、L2:L3:Lmの比は、実質的に1:1:2:4:8:16などである。値のこの選択を通して、接続回路の総インダクタンスは、比較的少ない総数のインダクタにより、最小値から最大値まで変化させられ得る。インダクタの少なくとも1つ、たとえば第2のインダクタが実質的に連続的に可変であるインダクタンスを有する場合、接続回路の総インダクタンスもその最小値から最大値まで実質的に連続的に変化させられ得る。
【0095】
一実施形態において、第1のインダクタは、少なくとも一組の巻き、好ましくは少なくとも一組の一般的に円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
少なくとも一組の巻きうちのいくつかの巻きは、好ましくは、電流が第1のインダクタを通って流れるときに各巻きが磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる寄与は、正の方式で重ね合わされ、
第1のインダクタは、少なくとも一組の巻きに電力を供給するための少なくとも1本のケーブルが通るコンジット管に接続されたケーシング内に配設され、
第2のインダクタは、前記ケーシング内に配設されない。
【0096】
この実施形態において、第1の態様の対応する実施形態と同様に、第1のインダクタは、たとえば、プラスチック材料製のケーシング内に配設されてもよく、このケーシングは、蓄電デバイス、スイッチングデバイス、および電気部品または電気部品アセンブリ、接続回路の第1および第2の分岐、および第2のインダクタ(および提供されている場合には、追加インダクタも)を収容するハウジングまたはキャビネットなどのユニットから分離しており、これらに関して別々に移動可能であり得る。第1のインダクタを収納するケーシングは、第1のインダクタに電力を供給するためのケーブルを収容するコンジット管によってキャビネットに接続され得る。第1のインダクタおよび第1のインダクタを収納するケーシングが、第1のインダクタがそのような他の部品に関して相対的に移動され得るようにコンジット管を用いて装置の他の部品に接続される配置構成は、有利には、これらの他の部品(たとえば、これらの他の部品を収納し、第1のインダクタおよび第1のインダクタを収容するケーシングよりもかなり大きく重くなり得るキャビネット)を移動することなく、第1のインダクタを身体組織に近づけるために使用され得る。
【0097】
一実施形態において、蓄電デバイスは、充電回路によって充電され得るパルスキャパシタを備える。
【0098】
充電回路は、装置の一部を形成し得るか、または第5の態様の装置に接続するための別個のデバイスとして設けられ得る。充電回路は、特に、電圧源と、電圧源をキャパシタに選択的に接続するためのスイッチとを備え得る。
【0099】
本開示の第6の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第5の態様による装置を提供することと、
電気エネルギーを蓄電デバイスに蓄えることと、
蓄電デバイスを、第1のインダクタに電気的に接続するようにスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が
‐ 第1の分岐、および
‐ 第1のインダクタ、および
‐ 第2のインダクタまたはバイパス回路
を通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすことと、
電流が
‐ 前記電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通り、
‐ 第2のインダクタまたはバイパス回路を通り、
蓄電デバイスと第1のインダクタとの間に流れることを可能にすることとを含む。
【0100】
一実施形態において、装置は、パルス方式で作動され、第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、第1の半パルスおよび第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する。
【0101】
第1の分岐および第2の分岐のインダクタンスが(少なくとも近似的に)同じであると仮定すると、第1の半パルスおよび第2の半パルスの持続時間および大きさは(少なくとも近似的に)同じになるが、上で説明されているように、第2の半パルスの大きさは、回路内のエネルギー損失に起因して第1の半パルスの大きさよりもいくぶん小さくなり得る。しかしながら、第1の分岐および第2の分岐のインダクタンスが同じでない場合(特に実質的に異なる場合)、第1の半パルスの持続時間および大きさは、第2の半パルスの持続時間および大きさとは(著しく)異なる。これは、追加のインダクタがスイッチングデバイスまたは電気部品もしくは電気部品アセンブリのいずれかと直列に接続されて、電流は第1の半パルスの間に追加のインダクタに流れるが、第2の半パルスの間に追加のインダクタに電流が流れないか、またはその逆であるような場合であり得る。
【0102】
一実施形態において、この方法は、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するか、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させ、それによって接続回路のインダクタンスを選択的に変化させることをさらに含む。
【0103】
第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡すること、および第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、第5の態様に関してすでに説明されている。
【0104】
一実施形態において、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡すること、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させることは、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡すること、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させることを、
‐ 第1の半パルスの間、
‐ 第2の半パルスの間、
‐ 第1の半パルスと第2の半パルスとの間、および
‐ パルスの後
のうちの1つにおいて行うことを含む。
【0105】
好適な(スイッチング)回路は、第2のインダクタを能動的にバイパスするか、または短絡するか、または第2のインダクタのインダクタンスを変化させるために使用され得る。このバイパスすること、短絡すること、または変化させることがいつ行われるかに応じて、異なる効果が達成され得る。第1の半パルスの間に行われた場合、共振回路の周波数は、第1の半パルスの間に変更され、それに応じて第1の半パルスの持続時間は、第1の半パルスの途中で変更される。同様に、第2の半パルスの間に行われた場合、共振回路の周波数は、第2の半パルスの間に変更され、それに応じて第2の半パルスの持続時間は、第2の半パルスの途中で変更される。両方の場合において、信号(たとえば、第1のインダクタを流れる電流)は、第2のインダクタがバイパスされるか、または短絡するか、またはそのインダクタンスが変化した時点においてその形状を変える。すなわち、最初に辿った(近似された)正弦波の半パルスの同じ形状を辿り続けないが、その代わりに、(異なるパルス持続時間の)異なる(近似された)正弦波の形状に沿って継続する。第2のインダクタがバイパスされるかもしくは短絡するか、またはそのインダクタンスが第1の半パルスと第2の半パルスとの間で変化した場合、各半パルスの形状は、(近似的に)正弦波の半パルスに類似する。しかしながら、2つの半パルスの持続時間および振幅は異なる。同じことが、必要な変更を加えて、第2のインダクタがバイパスされるかもしくは短絡されるか、またはそのインダクタンスが1つの(完全)パルスとその次の(完全)パルスとの間で変化する場合に、言える。
【0106】
対応する効果は、最初に第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡させ、第1の半パルスの間、第2の半パルスの間、2つの半パルスの間、または1つの(完全)パルスと次の(完全)パルスと間のいずれかにおいてバイパスまたは短絡を中断することによって達成され得る。
【0107】
一実施形態において、この方法は、第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または身体組織を第1のインダクタに近づけることを、磁場が前記身体組織内に存在するように行うことをさらに含む。
【0108】
第3の態様と同様に、これは、特に、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。
【0109】
第3の態様の対応する実施形態に関して提示されるさらなる説明は、第6の態様のこの実施形態にも適用される。
【0110】
一実施形態において、この方法は、身体組織内に電圧を発生させるように、または身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む。
【0111】
身体組織内の磁場が第1のインダクタを通る電流とともに変化すると、磁場を通る身体組織内に電圧が発生する(または電荷の移動が引き起こされる)。
【0112】
一実施形態において、身体組織内に発生した電圧(または電荷の移動)は、身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、電圧(または電荷の移動)は、治療効果を引き起こすのに十分である。
【0113】
第5の態様の装置または第6の態様の方法を、特に第2のインダクタの適切な選択により、使用し、および該当する場合に、第2のインダクタをバイパスするかまたは短絡するかまたはインダクタンスを変化させることで、様々な効果が標的とする方式で達成され得る。
【0114】
本開示の第7の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるために第1のインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する磁場を発生させるための第1のインダクタに接続するための端子と、
蓄電デバイスと前記端子との間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは蓄電デバイスを前記端子に電気的に接続し、第1のインダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスと前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、第1のインダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して電流が第2の分岐を通り蓄電デバイスと第1のインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
接続回路は、第1のインダクタと直列に接続された第2のインダクタをさらに備え、
‐ 第2のインダクタは、可変インダクタンスを有するか、または
‐ 接続回路は、第2のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路をさらに備えるか、または
‐ 第2のインダクタは、可変インダクタンスを有し、接続回路は、第2のインダクタをバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路をさらに備え、
それにより、第1のインダクタを通り、接続回路を通って流れる電流は、前記電流が第1または第2の分岐を通って流れるかどうかにかかわらず、第2のインダクタまたはバイパス回路を通っても流れる。
【0115】
第7の態様の装置は、第5の態様の装置に類似している。しかしながら、第5の態様とは対照的に、第7の態様に関して言及された第1のインダクタは、第4の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第7の態様の装置は、第1のインダクタに接続するための端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第7の態様の装置に接続され、第1のインダクタとして使用され得る。
【0116】
本開示の第8の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、
キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
第1のスイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、第1のスイッチングデバイスはキャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続し、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、電流が第2の分岐を通りキャパシタ配置構成部とインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
キャパシタは、可変キャパシタンスを有する。
【0117】
いくつかの実施形態において、第8の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、可変キャパシタンスを有するキャパシタを使用すると、以下に説明されるように、装置の構造だけでなく、装置の動作に関しても、著しい違いが生じる。
【0118】
第1および第5の態様に関して上で提示された説明は、また、第8の態様に関して同様に、特に、
‐ 蓄電デバイスの一形態(第1および第5の態様)である、第8の態様のキャパシタ配置構成部(少なくとも1つのキャパシタを含む)は、インダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)(に類似する)とみなされ得ること、
‐ 共振回路の周波数ωは、ω=1/(√(LC))により、回路の(適用可能な)インダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって(近似的に)決定され、これにより適用可能なインダクタンスは、特に、第1のインダクタ(および任意の第2のインダクタまたは追加インダクタ)のインダクタンスを含むこと、
‐ インダクタとして使用するためのインダクタの種類、
‐ スイッチングデバイスの種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
‐ 電気(または電子)部品として、または第2の分岐における電気(または電子)部品アセンブリの一部として使用され得る部品の種類
に関して、適用される。
【0119】
原理上、機械的に制御される可変キャパシタおよび電気的に制御される可変キャパシタを含め、任意のタイプの可変キャパシタ(または可変キャパシタンスを有するキャパシタ)は、第8の態様のキャパシタとして使用され得る。少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスは、キャパシタが一部を形成する共振回路の周波数に影響を及ぼす、すなわち、少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスを変化させることにより、上で説明されているように、共振回路の周波数も変化する。
【0120】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスは(実質的に)連続的に可変である。このように、共振回路の周波数も(実質的に)連続的に可変である。代替的に、少なくとも1つのキャパシタのキャパシタンスは、離散的に可変であり、好ましくは、しかしながら、小さなステップで可変である。このように、共振回路の周波数はほとんど連続的に可変であり得る。
【0121】
一実施形態において、キャパシタ配置構成部は、前記キャパシタに並列に接続された1つまたは複数の追加キャパシタを含む。それらのキャパシタンスは、キャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタが一部を形成する共振回路の周波数に影響を及ぼす。
【0122】
一実施形態において、1つまたは複数の追加キャパシタのうちの少なくとも1つ、特に追加キャパシタのうちのすべては、
‐ 可変である、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちのいずれかであるキャパシタンスを有する。
【0123】
これは、また、キャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタが一部を形成する共振回路の周波数が調整され得ることを確実にするのを助ける。キャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスの調整可能な範囲が広ければ広いほど、共振回路の周波数の調整可能な範囲は広がり、それによって、パルスのパルス持続時間、振幅および/または形状など、装置によって発生する磁場に関して柔軟性を高める。
【0124】
一実施形態において、第1のキャパシタのキャパシタンスおよび1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが、最小値から最大値まで、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
最小値は、第1のキャパシタのキャパシタンスおよび1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスが最小値に合わせて調整されたときのキャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応し、
最大値は、第1のキャパシタのキャパシタンスおよび1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスが最大値に合わせて調整されたときのキャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに対応する。
【0125】
キャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタは並列に接続されているので、それらのキャパシタンスは加算され、その結果キャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタが一部を形成する共振回路の総キャパシタンスとなる(ここでもまた理想部品を仮定している)。特に、第1のキャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタのすべてのキャパシタのキャパシタンスが(実質的に)連続的に可変である場合、総キャパシタンスも(実質的に)上述の最小値から最大値まで連続的に可変となる。しかし、1つのキャパシタのキャパシタンスのみが(実質的に)連続的に可変であり、追加キャパシタのキャパシタンスが離散的に可変であるだけの場合でも、総キャパシタンスは上述の最小値から最大値まで依然として(実質的に)連続的に可変であり得る。これは、特に、そのような追加キャパシタのキャパシタンスが可変である離散的ステップが、(第1の)キャパシタのキャパシタンスが(実質的に)連続的に可変である範囲よりも広くない場合である。一例として、第1のキャパシタのキャパシタンスが0μFから100μFの間で(実質的に)連続的に調整され、1つの追加キャパシタのキャパシタンスが離散的なステップで、2つの値、0μFおよび100μFのみを取るように調整され得ると仮定しよう。この場合、追加キャパシタが0μFに調整されたときに、第1のキャパシタのキャパシタンスを変化させることによって、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは0μFと100μFとの間で(実質的に)連続的に調整され得る。追加キャパシタが100μFに調整されたときに、第1のキャパシタのキャパシタンスを変化させることによって、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは100μFと200μFとの間で(実質的に)連続的に調整され得る。したがって、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、0μFと200μFとの間で(実質的に)連続的に調整され得る。同様に、別の例では、追加キャパシタが200μF、300μF、および400μFの値を取るように離散的なステップで調整され、第1のキャパシタのキャパシタンスが0μFと100μFとの間で(実質的に)連続的に調整され得る場合、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、200μFと500μFとの間で(実質的に)連続的に調整され得る。
【0126】
一実施形態において、装置は、1つまたは複数の追加キャパシタの各々について1つずつ、1つまたは複数の追加スイッチングデバイスをさらに備え、1つまたは複数の追加スイッチングデバイスは、1つまたは複数の追加キャパシタのそれぞれの1つと接続回路との間の電気的接続を選択的に遮断するように構成される。
【0127】
この方式で、第1のキャパシタおよび1つまたは複数の追加キャパシタが一部を形成する回路の総キャパシタンスは、様々な異なる値を取ることができる。
【0128】
また、追加キャパシタのうちのいくつかのキャパシタにそれぞれの追加スイッチングデバイスとともに提供し、追加キャパシタのうちの他のキャパシタを可変キャパシタンスを有するキャパシタとして提供することも可能であり、この場合、回路の総キャパシタンスも、様々な異なる値を取ることができ、特に、選択された範囲にわたって(実質的に連続的に)調整可能であり得る。
【0129】
一実施形態において、第1のキャパシタのキャパシタンスおよび1つまたは複数の追加キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが、最小値から最大値まで、
‐ 離散的に可変である、および
‐ 実質的に連続的に可変である、
のうちの一方であるように選択され、
最小値は、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに
‐ 1つまたは複数の追加キャパシタと接続回路との間の電気的接続が、追加スイッチングデバイスによって遮断され、
‐ 第1のキャパシタのキャパシタンスが、最小値に合わせて調整されたときに、
対応し、
最大値は、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスに
‐ 1つまたは複数の追加キャパシタと接続回路との間の電気的接続が、遮断されず、
‐ 第1のキャパシタのキャパシタンスが、最大値に合わせて調整されたときに、
対応する。
【0130】
キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスの調整可能性に関する上記の記載は、必要な変更を加えて、この実施形態にも適用される。
【0131】
一実施形態において、装置は、キャパシタ配置構成部を充電するための充電回路をさらに備える。
【0132】
充電回路は、特に、電圧源と、電圧源をキャパシタ配置構成部に選択的に接続するためのスイッチとを備え得る。
【0133】
代替的実施形態において、充電回路は、第8の態様の装置に接続するための別個のデバイスとして提供され得る、すなわち、第8の態様の装置の一部を形成しなくてもよい。
【0134】
一実施形態において、
‐ 第1のキャパシタは、値C1の最大キャパシタンスを有し、
‐ n個の追加キャパシタは、値Cmのキャパシタンスを有し、nは追加キャパシタの個数であり、m=2、3、4、…n+1であり、
‐ CmはC1×2(m-2)に実質的に等しい。
【0135】
この実施形態では、C1:C2:Cmの比は、実質的に1:1:2:4:8:16などである。値のこの選択を通して、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、比較的少ない総数のキャパシタにより比較的広い範囲にわたって最小値から最大値まで変化させられ得る。キャパシタの少なくとも1つ、たとえば第1のキャパシタが(実質的に)連続的に可変であるキャパシタンスを有する場合、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスもその最小値から最大値まで(実質的に)連続的に変化させられ得る。
【0136】
本開示の第9の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第8の態様による装置を提供することと、
電気エネルギーをキャパシタ配置構成部に蓄えることと、
キャパシタ配置構成部を、インダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすことと、
電流が前記電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通りキャパシタ配置構成部とインダクタとの間に流れることを可能にすることと、を含む。
【0137】
一実施形態において、装置は、パルス方式で作動され、第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表す。
【0138】
上述したように、パルス、特にその持続時間、振幅、および/または形状は、キャパシタ配置構成部のキャパシタンスを変化させることによって影響を受け得る。
【0139】
一実施形態において、この方法は、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを変化させることを
‐ 第1の半パルスの間、
‐ 第2の半パルスの間、
‐ 第1の半パルスと第2の半パルスとの間、および
‐ 第2の半パルスと後続のパルスとの間
のうちのいずれかの時点において行うことをさらに含む。
【0140】
キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを変化させるための好適な配置構成は、上ですでに説明されており、特に、キャパシタ配置構成部の個別のキャパシタのキャパシタンスを変化させること、および/または1つもしくは複数の追加キャパシタのうちのそれぞれのキャパシタに対して1つもしくは複数の追加スイッチングデバイスを使用して1つもしくは複数の追加キャパシタのうちのそれぞれのキャパシタと接続回路との間の電気的接続を選択的に確立するかまたは遮断することを含む。
【0141】
キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを変化させるがいつ行われるかに応じて、異なる効果を達成されるものとしてよく、第1の半パルスの間に行われた場合、共振回路の周波数は、第1の半パルスの間に変更され、それに応じて第1の半パルスの持続時間は、第1の半パルスの途中で変更される。同様に、第2の半パルスの間に行われた場合、共振回路の周波数は、第2の半パルスの間に変更され、それに応じて第2の半パルスの持続時間は、第2の半パルスの途中で変更される。両方の場合において、信号(たとえば、インダクタを流れる電流)は、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが変化する時点においてその形状を変える。すなわち、信号は、最初に辿った(近似された)正弦波の半パルスの同じ形状を辿り続けないが、その代わりに、(異なるパルス持続時間の)異なる(近似された)正弦波の形状に沿って継続する。キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスの変化が第1の半パルスと第2の半パルスとの間で生じる場合、各半パルスの形状は、(近似的に)正弦波の半パルスに類似する。しかしながら、2つの半パルスの持続時間および振幅は異なる。同じことが、必要な変更を加えて、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスの変化が1つの(完全)パルスとその次の(完全)パルスとの間で生じる場合に、言える。
【0142】
一実施形態において、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、第2の半パルスの持続時間が第1の半パルスの持続時間よりも長くなるように変化させられる。これは、第1の半パルスと第2の半パルスとの間、または第1の半パルスの始まりの後から第2の半パルスの終わりの前までの任意の時点においてキャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを大きくすることによって達成され得る。
【0143】
キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスが増大するかまたは減少するかによって、異なる効果が達成され得る。これは、キャパシタ配置構成部の個別のキャパシタのキャパシタンスを増大させるか、または1つもしくは複数の追加キャパシタのそれぞれの1つのキャパシタと接続回路との間に電気的接続を確立するように1つまたは複数の追加スイッチングデバイスを作動させることによって高められ得る。逆に、これは、キャパシタ配置構成部の個別のキャパシタのキャパシタンスを減少させるか、または1つもしくは複数の追加キャパシタのそれぞれの1つのキャパシタと接続回路との間の電気的接続を遮断するように1つまたは複数の追加スイッチングデバイスを作動させることによって減少されられ得る。キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを大きくすると、その結果、パルス持続時間が長くなる。キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスを小さくすると、その結果、パルス持続時間が短くなる。
【0144】
一実施形態において、この方法は、前記身体組織内に磁場を発生させるようにインダクタを身体組織に近づけること、または前記身体組織内に磁場が存在するように、身体組織をインダクタと近づけることをさらに含む。
【0145】
これは、特に、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。
【0146】
キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスは、共振回路の周波数およびインダクタを通る電流の大きさに影響を及ぼすので、総キャパシタンスは、インダクタによって発生する磁場にも影響を及ぼし、この磁場は身体組織中で特定の効果を達成するために使用され得る。
【0147】
この実施形態によれば、インダクタを身体組織に近づけることは、たとえば、ときにはアプリケータコイルとも呼ばれるインダクタを身体組織に向かって移動させることによって、または人や動物の身体表面に沿って移動させることによって達成され得る。身体組織をインダクタに近づける一例は、インダクタを(一時的に)固定位置で使用すること、および人または動物がインダクタに接近することを伴うことができる。そのような固定位置にあるインダクタは、たとえば、椅子または類似のものに取り付けられるか、または一体化され得る。
【0148】
また、最初にインダクタを身体組織に近づけ(または身体組織をインダクタに近づけ)、次いで磁場を発生させるか、またはその逆を行うことも可能である。
【0149】
インダクタと身体組織との間の距離は、たとえば、数ミリメートルまたは数センチメートルであってよいが、より大きな距離(数十センチメートルなど)も考慮され得る。
【0150】
一実施形態において、この方法は、身体組織内に電圧を発生させるように、または身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む。
【0151】
身体組織内の磁場がインダクタを通る電流とともに変化すると、磁場を通る身体組織内に電圧が発生する(または電荷の移動が引き起こされる)。
【0152】
一実施形態において、身体組織内に発生した電圧(または電荷の移動)は、身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、電圧(または電荷の移動)は、治療効果を引き起こすのに十分である。
【0153】
第8の態様の装置または第9の態様の方法を使用して、特に、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンスの好適な選択によって、特に、キャパシタ配置構成部の個別のキャパシタのキャパシタンスの好適な選択によって、および/または、該当する場合に、1つまたは複数の追加キャパシタのうちのそれぞれのキャパシタと接続回路との間の電気的接続を確立するかまたは遮断するように1つまたは複数の追加スイッチングデバイスを作動させることによって、様々な効果が標的方式において達成され得る。
【0154】
本開示の第10の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタに接続するための端子と、
キャパシタ配置構成部と前記端子との間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスはキャパシタ配置構成部を前記端子に電気的に接続し、インダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、キャパシタ配置構成部と前記端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電流を主に順方向に伝導するか、または伝導するように配置される、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、前記電気部品または電気部品アセンブリは、インダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して電流が第2の分岐を通りキャパシタ配置構成部とインダクタとの間を流れることを可能にするように第2の分岐の一部を形成し、順方向の電流の流れは、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
キャパシタは、可変キャパシタンスを有する。
【0155】
第10の態様の装置は、第8の態様の装置に類似している。しかしながら、第8の態様とは対照的に、第8の態様に関して言及されたインダクタは、第10の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第10の態様の装置は、インダクタに接続するための端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第10の態様の装置に接続され、インダクタとして使用され得る。
【0156】
本開示の一態様である、第11の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、
キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の第1の電気的接続を形成し、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、スイッチングデバイスは第2の時点において導通状態から実質的な非導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の前記第1の電気的接続を遮断するように構成される、スイッチングデバイスと、
少なくとも1つの電気回路素子であって、電気回路素子は、第2の分岐の一部を形成し、電気回路素子は実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の第2の電気的接続を形成し、電流が第2の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にするように構成される、少なくとも1つの電気回路素子と、を備え、
第1および第2の時点は、自由に選択できる。
【0157】
いくつかの実施形態において、第11の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、自由に選択され得る第1および第2の時点においてそれぞれスイッチングデバイスが実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられ、実質的な非導通状態に戻され得るような装置の製作は、以下に説明されるように、装置の構造だけでなく、装置の動作に関しても、著しい違いを示す。
【0158】
第1、第5、および第8の態様に関して上で提示された説明は、また、第11の態様と同様に、特に
‐ 蓄電デバイスの一形態(第1および第5の態様)である、第11の態様のキャパシタ配置構成部(少なくとも1つのキャパシタを含む)は、インダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)(に類似する)とみなされ得ること、
‐ 第11の態様のキャパシタ配置構成部は第8の態様のキャパシタ配置構成部と同様に構成され得ること、
‐ 共振回路の周波数ωは、ω=1/(√(LC))により、回路の(適用可能な)インダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって(近似的に)決定され、これにより適用可能なインダクタンスは、特に、(第1のインダクタおよび任意の第2のインダクタまたは追加インダクタ)のインダクタンスを含むこと、
‐ インダクタとして使用するためのインダクタの種類、
‐ 以下で説明されるさらなる詳細を条件とする、スイッチングデバイスの種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
に関して適用される。
【0159】
第11の態様によれば、「自由に選択される」という言い回しは、全く制限がないことを必ずしも意味せず、少なくとも特に装置の使用者によって第1および第2の時点が選択され得る有意な(時間)範囲がある。特に、第2の時点が、装置がパルス方式で動作すると仮定して--第1の半パルスの後、または半パルスの終わりなどの、第1の時点の後の特定の固定された時間遅延にある必要はない。その代わりに、第2の時点は、第1の時点から独立して選択され得る。
【0160】
本発明者によって企図される典型的な一実施形態において、使用者は、第1および第2の時点を、特定の(または絶対的な)時点として、または別の事象に関してのいずれかで、事前選択することになるであろう。特に、使用者は、第2の時点を、第1の時点から選択された時間間隔が経過した後の時点として選択してよい。この目的のために、装置は、ダイヤルまたはタッチスクリーンなどの好適なインターフェースを有するものとしてよく、これを介して使用者は選択された時間間隔を指定することができる。
【0161】
一実施形態において、装置は、スイッチングデバイスが第1の時点に実質的な非導通状態から導通状態に切り替わることを引き起こす、および/またはスイッチングデバイスが第2の時点に導通状態から実質的な非導通状態に切り替わることを引き起こすための第1のコントローラをさらに備える。第1のコントローラは、たとえば、上述のインターフェースを介して、使用者から好適な入力を受け取るものとしてよい。第1のコントローラは、たとえば、マイクロコントローラを備える。代替的に、第1のコントローラは、アナログ回路の形態で、たとえば、上述のインターフェース(たとえば、ダイヤル)をスイッチングデバイスに接続する回路の形態で提供され得る。
【0162】
一実施形態において、少なくとも1つの電気回路素子は、蓄電デバイスとインダクタとの間の前記第2の電気的接続を遮断するために、導通状態から実質的な非導通状態に切り替えられるように構成される。
【0163】
一実施形態において、装置は、少なくとも1つの電気回路素子が第3の時点に実質的な非導通状態から導通状態に切り替わることを引き起こす、および/または少なくとも1つの電気回路素子が第4の時点に導通状態から実質的な非導通状態に切り替わることを引き起こすための第2のコントローラをさらに備える。第2のコントローラは、たとえば、上述のインターフェースなどのインターフェースを介して、使用者から好適な入力を受け取るものとしてよい。第2のコントローラは、たとえば、マイクロコントローラを備える。代替的に、第2のコントローラは、アナログ回路の形態で、たとえば、上述のインターフェース(たとえば、ダイヤル)を少なくとも1つの電気回路素子に接続する回路の形態で提供され得る。第2のコントローラは、スイッチングデバイスと少なくとも1つの電気回路素子の両方を制御するコントローラが1つしかないという意味で、第1のコントローラと同一であり得る。代替的に、第1および第2のコントローラを別個のユニットとして設けられ得る。
【0164】
一実施形態において、スイッチングデバイスは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、またはゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)を含む。任意の他の好適なスイッチングデバイス、特に所望の時点においてスイッチオフされ得るデバイスが代わりに使用されてもよい。
【0165】
一実施形態において、少なくとも1つの電気回路素子は、受動電気回路素子を含み、特に、
‐ スパークギャップ、
‐ 過渡電圧抑制ダイオード、
‐ ツェナーダイオード、
‐ ショックレーダイオード、
または
‐ 交流用三極管(TRIAC)、もしくは
‐ サイリスタを含み、特に、サイリスタをトリガーするために第2の分岐に接続されるか、もしくは第2の分岐の一部を形成するトリガー回路と組み合わせて使用する。
【0166】
スパークギャップの場合、関わる電圧(の絶対値)に対する設定が好ましくは順守される。キャパシタ配置構成部は、電圧U1まで充電されるか、または充電され得るか、または充電されるように配置構成される。スパークギャップは、電圧U2を定格とする、すなわち電圧U2で導通状態になる。スイッチングデバイスは、電圧U3以上で(著しい)損傷を被るか、または破壊され、ここでU1<U2<U3である。この設定に従うことで、キャパシタ配置構成部が充電されているときにスパークギャップがすでに導通状態になっていることがないことを確実にし得る。それと同時に、スパークギャップが導通状態になることを引き起こすように取り決められた電圧がスイッチングデバイスにも(逆バイアスで)印加され得るので(第1の分岐の)スイッチングデバイスが損傷するまたは破壊されることのないことを確実にし得る。
【0167】
一実施形態において、少なくとも1つの電気回路素子は、能動電気回路素子または回路素子の配置構成、特にアナログ回路またはマイクロコントローラによって制御されるスイッチング素子を含む。これは、電気回路素子が第2の分岐内の2つの端子に印加される電圧に応じて単に導通状態になるかまたは非導通状態になることを許されるのではなくむしろ、使用者が電気回路素子を能動的に制御することを可能にする。
【0168】
抵抗器も、第2の分岐内に設けられ得る。
【0169】
一実施形態において、少なくとも1つの電気回路素子は、第3の時点で実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、第3の時点は、第2の時点と一致するか、または第2の時点の後、特に第2の時点の後の所定のもしくは予め決定可能な時間間隔である。ここでもまた、使用者は、たとえば上述のインターフェースを介して第3の時点を指定してもよく、特に、第2の時点と第3の時点との間の時間間隔を指定してもよい。代替的に、第3の時点は固定され得るか、または第2の時点と第3の時点との間の間隔は固定され得る。
【0170】
本開示の一態様である、第12の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第11の態様による装置を提供することと、
電気エネルギーをキャパシタ配置構成部に蓄えることと、
スイッチングデバイスを第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替え、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の前記第1の電気的接続を形成し、それによってキャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすことと、
スイッチングデバイスを第2の時点において導通状態から実質的な非導通状態に切り替え、それによってキャパシタ配置構成部とインダクタとの間の前記第1の電気的接続を遮断することと、
少なくとも1つの電気回路素子が実質的な非導通状態から導通状態に切り替わることを引き起こし、それによって電流が前記少なくとも1つの電気回路素子を介して第2の分岐を通りキャパシタ配置構成部とインダクタとの間を流れることを可能にすることと、を含む。
【0171】
第11の態様に関して説明されている実施形態は、第12の態様に同様に適用され、またその逆も同様に適用される。
【0172】
一実施形態において、スイッチングデバイスを第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替えることは、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間に流れる電流の発振をトリガーし、第2の時点は、前記発振の第1の半波と第2の半波との間の遷移と一致することのないように選択される。このようにして、発振は、特定の効果を得るために、選択された時点で中断され得る。
【0173】
一実施形態において、第2の時点は、前記発振の第1の半波の間、好ましくは前記発振の第1の1/4波の間に選択される。
【0174】
一実施形態において、この方法は、インダクタを身体組織に近づけるか、または身体組織をインダクタに近づけることを、磁場が前記身体組織内に存在するように行うことをさらに含む。これは、特に、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。
【0175】
インダクタを身体組織に近づけることは、たとえば、ときにはアプリケータコイルとも呼ばれるインダクタを身体組織に向かって移動させることによって、または人や動物の身体表面に沿って移動させることによって達成され得る。身体組織をインダクタに近づける一例は、インダクタを(一時的に)固定位置で使用すること、および人または動物がインダクタに接近することを伴うことができる。そのような固定位置にあるインダクタは、たとえば、椅子または類似のものに取り付けられるか、または一体化され得る。
【0176】
また、最初にインダクタを身体組織に近づけ(または身体組織をインダクタに近づけ)、次いで磁場を発生させるか、またはその逆を行うことも可能である。
【0177】
インダクタと身体組織との間の距離は、たとえば、数ミリメートルまたは数センチメートルであってよいが、より大きな距離(数十センチメートルなど)も考慮され得る。
【0178】
一実施形態において、この方法は、身体組織内に電圧を発生させるように、または身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、身体組織内の磁場を変化させることをさらに含む。身体組織内の磁場がインダクタを通る電流とともに変化すると、磁場を通る身体組織内に電圧が発生する(または電荷の移動が引き起こされる)。
【0179】
一実施形態において、身体組織内に発生した電圧(または電荷の移動)は、身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、電圧(または電荷の移動)は、治療効果を引き起こすのに十分である。
【0180】
第11の態様の装置または第12の態様の方法を、特に第1および/または第2の時点、特に第1の時点と第2の時点との間の時間間隔の好適な選択により、使用し、様々な効果が標的とする方式で達成され得る。
【0181】
一実施形態において、この方法は、前記身体組織内に磁場を発生させるようにインダクタを身体組織に近づけることをさらに含み、第1の時点と第2の時点との間の持続時間は、時間間隔を定め、この方法は、1つまたは複数の回数だけ、
時間間隔を変化させるステップと、
スイッチングデバイスを実質的な非導通状態から導通状態に切り替えるステップと、
時間間隔が変化した後、スイッチングデバイスを導通状態から実質的な非導通状態に切り替えるステップとを実行することを含む。
【0182】
時間間隔を変化させ、時間間隔が変化した後にスイッチングデバイスを導通状態から実質的な非導通状態に切り替えることによって、発振は、変化した時間間隔に基づき様々な時刻において中断される。様々な測定、特に身体組織内の任意の反応に関する測定が実行され、特に時間間隔の変化の関数として記録されおよび/または分析され得る。
【0183】
一実施形態において、この方法は、検出結果を提供するために、身体組織において筋肉反応が引き起こされたかどうかを検出することと、
検出結果に基づき、身体組織における筋反応が引き起こされる、時間間隔または変化した時間間隔に対応する、最小持続時間を決定することとをさらに含む。
【0184】
本開示の一態様である、第13の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタに接続するための端子と、
キャパシタ配置構成部と前記端子との間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスは第1の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部と前記端子との間の第1の電気的接続を形成し、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が前記端子を介してインダクタが装置に接続されたときに前記端子を介して第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、スイッチングデバイスは第2の時点において導通状態から実質的な非導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部と前記端子との間の前記第1の電気的接続を遮断するように構成される、スイッチングデバイスと、
少なくとも1つの電気回路素子であって、電気回路素子は、第2の分岐の一部を形成し、電気回路素子は実質的な非導通状態から導通状態に切り替わって、キャパシタ配置構成部と前記端子との間の第2の電気的接続を形成し、電流が前記端子を介してインダクタが装置に接続されたときに前記端子を介して第2の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にするように構成される、少なくとも1つの電気回路素子と、を備え、
第1および第2の時点は、自由に選択できる。
【0185】
第13の態様の装置は、第11の態様の装置に類似している。しかしながら、第11の態様とは対照的に、第13の態様に関して言及されたインダクタは、第13の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第13の態様の装置は、インダクタに接続するための端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第13の態様の装置に接続され、インダクタとして使用され得る。
【0186】
第11から第13の態様またはその実施形態のいずれかにおいて、第1および第2の時点(またはこれらの間の時間間隔)は、また、予め決定され得る、すなわち、使用者もしくは製造業者によって予め選択され、装置のメモリデバイス内に記憶され得るか、または装置の電気的設計(アナログ回路設計)によって予め決定され得る--が、ここでもまた、これにより第1および第2の時点は、第1の半パルスの終わりと一致しない(ここでもまた、装置がパルス方式で作動されると仮定する)。第11または第13の態様の装置が使用されるか、または第12の態様による方法が実行されるときに、第1および/もしくは第2の時点、またはこれらの間の時間間隔に関する情報は、(たとえばメモリデバイスから)取り出され、それに応じて装置は制御され得る。第1および第2の時点(またはこれらの間の時間間隔)が装置の電気的設計(アナログ回路設計)によって予め決定されている実施形態では、第11または第13の態様の装置を使用するか、または第12の態様による方法を実行すると、結果として、第1の時点と第2の時点との間の対応する時間間隔も得られる。
【0187】
本開示の一態様である、第14の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する第1の磁場を発生させるための第1のインダクタと、
第2の磁場を発生させるための第2のインダクタと、
蓄電デバイスと第1および第2のインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は、蓄電デバイスと第1のインダクタとの間の第1の分岐と、蓄電デバイスと第2のインダクタとの間の第2の分岐とを備える、接続回路と、
第1のスイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、第1のスイッチングデバイスは蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続し、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが第1の磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスに関する電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
第2のスイッチングデバイスであって、第2のスイッチングデバイスは、第2の分岐の一部を形成し、第2のスイッチングデバイスは蓄電デバイスを第2のインダクタに電気的に接続し、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第2の分岐を通り、第2のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第2のインダクタが第2の磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第2の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスに関する電流の流れの第2の電流方向を表し、電流の流れの第2の電流方向は電流の流れの第1の電流方向とは反対である、第2のスイッチングデバイスとを備える。
【0188】
いくつかの実施形態において、第14の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、a)第2のインダクタを設けること、
b)蓄電デバイスと第1のインダクタとの間に第1の分岐を設け、蓄電デバイスと第2のインダクタとの間に第2の分岐を設けること、
c)第1および第2のスイッチングデバイスを設けること、および
d)蓄電デバイスに関して、第2の分岐を通る電流の流れの第2の電流方向が第1の分岐を通る電流の流れの第1の電流方向と反対であることは、以下で説明されているように、装置の構造だけでなく、装置の動作に関しても、著しい違いとなっている。
【0189】
第1、第5、第8、および第11の態様に関して上で提示された説明は、また、第14の態様と同様に、特に
‐ 蓄電デバイスが、第1のインダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)(に類似する)とみなされ得ること、
‐ 蓄電デバイスが、第2のインダクタおよび接続回路とともに、共振回路(またはLC回路)(に類似する)とみなされ得ること、
‐ 共振回路の周波数ωは、ω=1/(√(LC))により、回路の(適用可能な)インダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって(近似的に)決定され、これにより適用可能なインダクタンスは、特に、第1または第2のインダクタのインダクタンスを含むこと、
‐ 第1のインダクタおよび/または第2のインダクタとして使用するインダクタの種類、
‐ スイッチングデバイス(第1および第2のスイッチングデバイスとして使用するための)の種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
に関して適用される。
【0190】
第14の態様による回路は、第1および第2のインダクタが様々な方式で、特に実質的に互いに独立して、または協働して使用されることを可能にする。それにもかかわらず、原理上、第14の態様による回路をキャパシタなどの、1つの蓄電デバイスだけで作動させることも可能であるが、蓄電デバイスとして複数のキャパシタを含むキャパシタ配置構成部を提供することも等しく可能である。いずれにせよ、各インダクタに対して別個の蓄電デバイスを提供する必要はない。
【0191】
第1のインダクタは、たとえば、操作者によって移動することができ、人または動物の身体部分に留置され得る第1のケーシング内に収容され得る。
【0192】
一実施形態において、第1および第2のインダクタは直列に接続されていない。つまり、特に、第1のインダクタを通る電流は第2のインダクタに流れず、その逆も同様である。したがって、第1および第2の分岐は、両方とも蓄電デバイスに接続されていることを除けば、実質的に互いに独立しているとみなされ得る。
【0193】
一実施形態において、第1のスイッチングデバイスは、電流が第1の電流方向にのみ蓄電デバイスに関して流れることを可能にするように構成され、
第2のスイッチングデバイスは、電流が第2の電流方向にのみ蓄電デバイスに関して流れることを可能にするように構成される。好適なスイッチングデバイスは、限定はしないが、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)、IGBT、およびFETを含む。
【0194】
一実施形態において、第2のインダクタは、第2の磁場も身体組織に印加されるように構成される。たとえば、第2のインダクタは、操作者によって移動することができ、人または動物の身体部分に留置され得る第1のケーシング内に収容され得る。
【0195】
一変更形態によれば、第2のインダクタによって発生する第2の磁場は、必ずしも身体組織への印加を意図したものではない。もちろん、磁場は、原理上、無限大の広がりを有することができるので、第1のインダクタによって発生する磁場を受ける身体組織は、第2のインダクタによって発生する第2の磁場も受けることになる。しかしながらそのような一変更形態において、これの効果は、たとえば、第2のインダクタを第1のインダクタから(したがって、第1のインダクタによって発生する第1の磁場が印加されるべき任意の身体組織から)好適な距離のところに留置することによって小さく抑えられ得る。第2のインダクタは、たとえば、金属製ハウジング、特に、蓄電デバイスなどの第14の態様の回路の他の部分も収容する金属製ハウジング内に収容され得る。
【0196】
一実施形態において、第1のインダクタは、少なくとも第1の一組の巻き、好ましくは少なくとも第1の一組の一般的に円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
第1の一組の巻きのうちのいくつかの巻きは、好ましくは、電流が第1のインダクタを通って流れるときに各巻きが第1の磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる寄与は、正の方式で重ね合わされ、
第1のインダクタは、第1の一組の巻きに電力を供給するための少なくとも第1のケーブルが通る第1のコンジット管に接続された第1のケーシング内に配設され、
第2のインダクタは、前記第1のケーシング内に配設されない。
【0197】
この実施形態によれば、第1のインダクタは、たとえば、プラスチック材料製のケーシング内に配設されてもよく、このケーシングは、蓄電デバイス、第1および第2のスイッチングデバイス、ならびに接続回路の第1および第2の分岐の少なくとも一部を収容するハウジングまたはキャビネットなどのユニットから分離しており、これらに関して別々に移動可能であり得る。第1のインダクタを収納するケーシングは、第1のインダクタに電力を供給するためのケーブルを収容するコンジット管によってキャビネットに接続され得る。第1のインダクタおよび第1のインダクタを収納するケーシングが、第1のインダクタがそのような他の部品に関して相対的に移動され得るようにコンジット管を用いて装置の他の部品に接続される配置構成は、有利には、これらの他の部品(たとえば、これらの他の部品を収納し、第1のインダクタおよび第1のインダクタを収容するケーシングよりもかなり大きく重くなり得るキャビネット)を移動することなく、第1のインダクタを身体組織に近づけるために使用され得る。
【0198】
一実施形態において、第2のインダクタは、少なくとも第2の一組の巻き、好ましくは少なくとも第2の一組の一般的に円形、六角形、または長方形の巻きを備え、
第2の一組の巻きのうちのいくつかの巻きは、好ましくは、電流が第2のインダクタを通って流れるときに各巻きが第2の磁場に向かう寄与を生じるように配置構成され、各巻きによって生じる寄与は、正の方式で重ね合わされ、
第2のインダクタは、第2の一組の巻きに電力を供給するための少なくとも第2のケーブルが通る第2のコンジット管に接続された第2のケーシング内に配設され、
第1のインダクタは、前記第2のケーシング内に配設されない。
【0199】
この実施形態によれば、第2のインダクタは、たとえば、プラスチック材料製のケーシング内に配設されてもよく、このケーシングは、蓄電デバイス、第1および第2のスイッチングデバイス、ならびに接続回路の第1および第2の分岐の少なくとも一部を収容するハウジングまたはキャビネットなどのユニットから分離しており、これらに関して別々に移動可能であり得る。第2のインダクタを収納するケーシングは、第2のインダクタに電力を供給するためのケーブルを収容するコンジット管によってキャビネットに接続され得る。第2のインダクタおよび第2のインダクタを収納するケーシングが、第2のインダクタがそのような他の部品に関して相対的に移動され得るようにコンジット管を用いて装置の他の部品に接続される配置構成は、有利には、これらの他の部品(たとえば、これらの他の部品を収納し、第2のインダクタおよび第2のインダクタを収容するケーシングよりもかなり大きく重くなり得るキャビネット)を移動することなく、第2のインダクタを身体組織に近づけるために使用され得る。
【0200】
代替的に、第1および第2のインダクタは、同じハウジング内に収容されることも可能である。
【0201】
一実施形態において、第1のインダクタは第1の芯に巻かれ、第2のインダクタは第1の芯とは異なる第2の芯に巻かれる。したがって、第1のインダクタおよび第2のインダクタは、両方のインダクタに共通の芯を少なくとも介さずに、実質的に磁気的結合されていない。
【0202】
一実施形態において、第1のインダクタおよび第2のインダクタは、特に、装置の残りの部分に接続されたままである間、特に、通電中または使用中に、互いに独立して移動可能である。それにもかかわらず、装置の残りの部分への接続は、もちろん、第1および第2のインダクタが中で移動できる装置の残りの部分の周りの領域または半径に関して制限を課すことになる。
【0203】
一実施形態において、第1のインダクタの第1のインダクタンスおよび/または第2のインダクタの第2のインダクタンスは、離散的に可変である、および実質的に連続的に可変である、のいずれかである。これは、共振回路の共振周波数が離散的または実質的に連続的に変化することを可能にする。
【0204】
一実施形態において、蓄電デバイスは、充電回路によって充電され得るパルスキャパシタを備える。充電回路は、装置の一部を形成し得るか、または第14の態様の装置に接続するための別個のデバイスとして設けられ得る。充電回路は、特に、電圧源と、電圧源をキャパシタに選択的に接続するためのスイッチとを備え得る。
【0205】
本開示の一態様である、第15の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第14の態様による装置を提供することと、
電気エネルギーを蓄電デバイスに蓄えることと、
蓄電デバイスを第1のインダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が蓄電デバイスに関する電流の流れの第1の電流方向で第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが第1の磁場を発生させることを引き起こすことと、
蓄電デバイスを第2のインダクタに電気的に接続するように第2のスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が蓄電デバイスに関する電流の流れの第2の電流方向で第2の分岐を通り、第2のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第2のインダクタが第2の磁場を発生させることを引き起こすことと、を含む。
【0206】
第14の態様に関して説明されている実施形態は、第15の態様に同様に適用され、またその逆も同様に適用される。
【0207】
一実施形態において、装置は、パルス方式で作動され、第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、第1の半パルスおよび第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する。
【0208】
この実施形態による装置は、少なくとも1つの(完全)パルスが実行されるように作動されるが、各分岐ならびに第1および第2のインダクタの各々は、1つの半パルスのみを実行するために使用される。
【0209】
一実施形態において、第2のスイッチングデバイスをスイッチングすることは、第1の半パルスの終わりの後の遅延の後に第2のスイッチングデバイスをスイッチングすることを含む。この遅延は、特に可変であるか、または特に使用者によって選択可能であり得る。したがって、2つの半パルスは、実質的に互いに独立して実行することができる。遅延は、ユーザインターフェース、たとえば、装置のダイヤルまたはタッチスクリーンを介して使用者によって設定され得る。装置は、選択された遅延に従って第2のスイッチングデバイスを制御するためにアナログ回路および/またはマイクロコントローラを備え得る。
【0210】
一実施形態において、第1の半パルスは、第1の持続時間を有し、遅延は、第1の持続時間よりも長い。この実施形態によれば、第2の半パルスは、したがって、第1の半パルスの終わり直後に、または第1の半パルスのごく直後に行われることはない。代替的に、遅延は、第1の持続時間よりも短くなるように選択され得る。
【0211】
一実施形態において、この方法は、第1のインダクタを身体組織に近づけるか、または身体組織を第1のインダクタに近づけることを、第1の磁場が前記身体組織内に存在するように行うことを含む。これは、特に、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。
【0212】
一実施形態において、この方法は、身体組織内に電圧を発生させるように、または身体組織内の電荷の移動を引き起こすように、身体組織内の第1の磁場を変化させることをさらに含む。身体組織内の磁場が第1のインダクタを通る電流とともに変化すると、磁場を通る身体組織内に電圧が発生する(または電荷の移動が引き起こされる)。
【0213】
一実施形態において、身体組織内に発生した電圧(または電荷の移動)は、身体組織内に神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を引き起こすのに十分であり、
好ましくは、発生した電圧または電荷の移動は、治療効果を引き起こすのに十分である。
【0214】
様々な効果が、第14の態様の装置または第15の態様の方法を使用して、標的とする方法で達成され得る。特に、第1のインダクタのみが身体組織に近づけられる(第2のインダクタは身体組織に近づけられない)場合、身体組織内の発生する電圧または電荷の移動は一方向にのみ配向される。装置が、パルスを繰り返し印加することにより、パルス方式で作動される場合、これは、結果として、この効果を蓄積することになる。
【0215】
一実施形態において、この方法は、第2のインダクタを身体組織に近づけるか、または身体組織を第2のインダクタに近づけることを、第2の磁場が前記身体組織内に存在するように行うことをさらに含む。
【0216】
この文脈において、第2のインダクタは、第1のインダクタと同じ身体部分に、または代替的に、異なる身体部分に近づけられ得る。さらに、第2のインダクタによって引き起こされる身体組織内の発生した電圧または電荷の移動は、第1のインダクタによって引き起こされる身体組織内の発生した電圧または電荷の移動と同じ方向に、または異なる方向に、特に反対方向に配向され得る。第1および第2のインダクタによってそれぞれ引き起こされる身体組織内の、電圧、または電荷の移動が、反対方向に配向される場合、これは正味の電荷変位を減少させることが予想される(第1および第2のインダクタの効果を一緒に考慮したとき)。同じ方向に配向された場合、これは正味の電荷変位を増大させることが予想される(第1および第2のインダクタの効果を一緒に考慮したとき)。
【0217】
一例において、指、手、腕などの身体部分は、2つのインダクタの間に留置され、互いに対するインダクタの配向に応じて、第1および第2のインダクタによってそれぞれ引き起こされる身体組織内の電圧または電荷の移動は、同じ方向または反対方向または同じでも反対でもない方向に配向され得る。
【0218】
本開示の一態様である、第16の態様において、第1のインダクタおよび第2のインダクタとともに使用する装置が提供され、第1のインダクタは身体組織に印加する磁場を発生させるためのものであり、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための蓄電デバイスと、
身体組織に印加する第1の磁場を発生させるための第1のインダクタに接続するための第1の端子と、
第2の磁場を発生させるための第2のインダクタに接続するための第2の端子と、
蓄電デバイスと第1および第2の端子との間の接続回路であって、接続回路は、第1の端子につながる第1の分岐と、第2の端子につながる第2の分岐とを少なくとも備える、接続回路と、
第1のスイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、第1のスイッチングデバイスは蓄電デバイスを第1の端子に電気的に接続し、第1のインダクタが前記第1の端子を介して装置に接続されているときに前記第1の端子を介して、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが第1の磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスに関する電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
第2のスイッチングデバイスであって、第2のスイッチングデバイスは、第2の分岐の一部を形成し、第2のスイッチングデバイスは蓄電デバイスを第2の端子に電気的に接続し、第2のインダクタが前記第2の端子を介して装置に接続されているときに前記第2の端子を介して、蓄電デバイスを用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第2の分岐を通り、第2のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第2のインダクタが第2の磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第2の分岐を流れる電流は、蓄電デバイスに関する電流の流れの第2の電流方向を表し、電流の流れの第2の電流方向は電流の流れの第1の電流方向とは反対である、第2のスイッチングデバイスと、を備える。
【0219】
第16の態様の装置は、第14の態様の装置に類似している。しかしながら、第14の態様とは対照的に、第16の態様に関して言及された第1および第2のインダクタは、第16の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第16の態様の装置は、第1および第2のインダクタにそれぞれ接続するための第1および第2の端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第16の態様の装置に接続され、第1および第2のインダクタとして使用され得る。
【0220】
本開示の一態様である、第17の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
少なくとも1つのキャパシタを充電するための充電回路と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、
キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
第1のスイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、第1のスイッチングデバイスはキャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続し、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第1の電流方向を表す、第1のスイッチングデバイスと、
電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、電気部品または電気部品アセンブリは、第2の分岐の一部を形成し、電気部品または電気部品アセンブリは、キャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続し、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第2の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第2の分岐を通って流れる電流は、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向を表し、第2の電流方向は第1の電流方向と反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
充電回路は第1の電圧源を含み、
a)充電回路は第2の電圧源を備え、第1の電圧源は第1の極性を有する少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、第2の電圧源は第1の極性は反対の第2の極性を有する少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成されること、
b)充電回路はスイッチング配置構成部、特にHブリッジを含むスイッチング配置構成部を備え、スイッチング配置構成部は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電するように第1の電圧源を第1の方式でキャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成され、スイッチング配置構成部は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性とは反対の第2の極性で充電するように第1の電圧源を第2の方式でキャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成されること、
c)充電回路は、補助キャパシタを含み、第1の電圧源は、第1の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、補助キャパシタは、第1の極性とは反対の第2の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成されること、のうちの少なくとも1つが適用される。
【0221】
いくつかの実施形態において、第17の態様による装置は、図1に関して説明されている回路と同様に製作することができる。しかしながら、充電回路を設け、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性および第1の極性と反対の第2の極性で充電することができるように充電回路を製作することは、以下で説明されるように、装置の製作だけでなく、装置の動作に関しても著しい違いをもたらす。
【0222】
第1、第5、第8、第11、および第14の態様に関して上で提示された説明は、また、第17の態様に関して同様に、特に、
‐ 蓄電デバイス(第1、第5および第14の態様)の一形態である、第17の態様の少なくとも1つのキャパシタ(または少なくとも1つのキャパシタを含むキャパシタ配置構成部)は、インダクタおよび接続回路と一緒に、共振回路(またはLC回路)と(同様のものと)みなせること、
‐ 共振回路の周波数ωは、ω=1/(√(LC))により、回路の(適用可能な)インダクタンスLおよびキャパシタンスCの値によって(近似的に)決定され、これにより適用可能なインダクタンスは、特に、インダクタ(および提供される場合に任意の追加インダクタ)のインダクタンスを含むこと、
‐ インダクタとして使用するためのインダクタの種類、
‐ スイッチングデバイスの種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
‐ 電気(または電子)部品として、または第2の分岐における電気(または電子)部品アセンブリの一部として使用され得る部品の種類
に関して、適用される。
【0223】
第17の態様による装置の3つすべての選択肢a)、b)およびc)に共通するのは、少なくとも、充電回路が、第1の極性および第1の極性とは反対の第2の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電できるという事実であり、これによって、選択肢a)、b)、およびc)は、このための3つの異なる実装形態を提供する。しかしながら、これら3つの選択肢のうち少なくとも2つが組み合わせて使用され得る実施形態も可能であり、特に、以下で説明されるように選択肢c)は選択肢a)またはb)のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0224】
オプションb)の場合、第1の電圧源とスイッチング配置構成部は、別個のユニットとして設けることができる。しかしながら、選択肢b)は、可逆極性を有する電圧源が第1の電圧源として使用される実装形態、特にスイッチング配置構成部が一体化された電圧源、たとえば(一体化された)Hブリッジを有する電圧源をも包含するものと理解されることを意図されている。
【0225】
一実施形態において、装置は、第1の半パルスと第2の半パルスとを有するインダクタにおいて少なくとも1つの電流パルスを結果としてもたらすパルス方式で動作するように配置構成され、充電回路は、第1の半パルスの前、または第1の半パルスの始まりのところで、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電するように配置構成され、充電回路は、第2の半パルスの前、または第2の半パルスの始まりのところで、少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で充電するように配置構成される。
【0226】
磁場に蓄えられたエネルギーは、第1の半パルスの第2の半分(すなわち、第2の1/4パルス)の間に少なくとも1つのキャパシタに戻され、それによって、キャパシタを第2の極性で充電するが、発明者は、第1の半パルスの始まりの直前に少なくとも1つのキャパシタに蓄えられたエネルギーが第1の1/4パルスの間に磁場に完全には伝達されず、磁場に蓄えられたエネルギーが第2の1/4パルスの間に少なくとも1つのキャパシタに再び完全に戻されることのないように、装置内でいくつかのエネルギー損失が発生する傾向があることを理解している。言い換えると、充電回路によるキャパシタの再充電が、第2の半パルスの前、または第2の半パルスの始まりのところで行われない場合、第2の半パルスの始まりのところで少なくとも1つのキャパシタに蓄えられたエネルギーは、第1の1/4パルスの始まりのところで少なくとも1つのキャパシタに蓄えられるエネルギーよりも小さくなるであろう。本実施形態は、このエネルギーの損失が少なくとも一部だけ補償されるか、または完全に補償されることさえ可能にする。
【0227】
一実施形態において、充電回路は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で第1の電圧に達するまで充電するように配置構成され、充電回路は、少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で第2の電圧に達するまで充電するように配置構成され、第1および第2の電圧の絶対値は、最大で10%、特に最大で5%、特に最大で3%、特に最大で2%、特に最大で1%だけ互いに異なる。このようにして、第2の半パルスの始まりの少なくとも1つのキャパシタの電圧は--極性が反対になることを除き--第1の半パルスの始まりと実質的に同じにすることができる。
【0228】
一実施形態では、インダクタが身体組織に近づけられたときに、または身体組織が第2のインダクタに近づけられたときに、第1の磁場は、第1の半パルスの間に前記身体組織中に存在し、その結果、身体組織中の電荷の第1の変位が生じ、第2の磁場が第2の半パルスの間に前記身体組織中に存在し、その結果、身体組織中の電荷の第2の変位が生じ、電荷の第1の変位および電荷の第2の変位は実質的に反対の方向に配向され、
充電回路は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で第1の電圧に達するまで充電するように配置構成され、充電回路は、少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で第2の電圧に達するまで充電するように配置構成され、第1および第2の電圧の絶対値は、電荷の第1の変位および電荷の第2の変位の絶対値が最大で10%、特に最大で5%、特に最大で3%、特に最大で2%、特に最大で1%だけ互いに異なるような値であり、特に第1および第2の半パルスから結果として生じる身体組織内の正味の電荷変位は実質的にゼロである。
【0229】
身体組織内の正味の電荷変位が低く、特に(実質的に)ゼロに保たれることを確実にすることは、身体組織内の正味の電荷変位が低く保たれない結果としての処置と比較したときに身体組織(または処置を受ける人または動物)に対して有益な効果を有し得る。
【0230】
身体組織内の正味の電荷変位が低く、特に(実質的に)ゼロに保たれることを確実にすることは、第1の半パルスの始まりおよび第2の半パルスの始まりに少なくとも1つのキャパシタを同じ電圧になるまで充電することと、ときには同等であるが、必ずしも同等であるというわけではない。特に、多くのパラメータが第1および第2の半パルスの持続時間、大きさ、および/または形状に影響を及ぼす。そのようなパラメータは、第1および第2の分岐の電気的特性を含む。本発明は、特に、身体組織内の正味の電荷変位を低く、特に(実質的に)ゼロに保つために、第1の半パルスおよび第2の半パルスの前、または開始時に少なくとも1つのキャパシタを充電するときに、そのようなパラメータが考慮されることを可能にする。
【0231】
この実施形態の文脈において、身体組織内の電荷の変位は、通常、(実質的に)直線的な変位の形態を取らず、典型的には(実質的に)リングの形態を取り(または、典型的には、近似的にリング状の、特にドーナツ形状の、容積内で起こり)、特に近似的に円形の経路を辿るであろうことに留意されたい。したがって、「電荷の第1の変位および電荷の第2の変位が実質的に反対の方向に配向されている」という表現の意味は、第1の半パルスおよび第2の半パルスを比較したときに、そのようなリング状またはドーナツ状の電流の方向が逆になる場合を包含することを意図されている。
【0232】
一実施形態において、装置は、少なくとも1つのキャパシタを選択的に第1および第2の極性で充電することを制御するように配置構成された少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路をさらに備える。少なくとも1つのコントローラは、特に、マイクロコントローラを含み得る。特に、少なくとも1つのコントローラは、少なくとも1つのキャパシタの充電を制御するだけでなく、第1のスイッチングデバイスも制御し、特に、第1のスイッチングデバイスが非導通状態から導通状態に、および/またはその逆に、切り替わることを引き起こし得る。また、少なくとも1つのコントローラは、少なくとも1つのキャパシタの充電または第1のスイッチングデバイスの制御を、特に、第1のスイッチングデバイスの非導通状態から導通状態への、および/またはその逆への切り替わりのタイミングに応じて、少なくとも1つのキャパシタの充電が適切なタイミングで行われることを確実にするように制御し得る。
【0233】
一実施形態において、電気部品または電気部品アセンブリは、特に、少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路の制御下で、選択的方式で、キャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続するための第2のスイッチングデバイスを備えるか、または
電気部品または電気部品アセンブリは、主に順方向に電流を流すように配置構成され、順方向は、キャパシタ配置構成部とインダクタとの間の電流の流れの第2の電流方向に対応する。
【0234】
これらの選択肢のうちの第1の選択肢によれば、第2のスイッチングデバイスは、第1のスイッチングデバイスに関して説明されている部品を備えるものとしてよく、これにより、特定の実施形態において、第1および第2のスイッチングデバイスは、同じタイプである必要はない。これらの選択肢のうちの第2の選択肢によれば、様々な部品が、電気(もしおくは電子)部品として、または第2の分岐における電気(または電子)部品アセンブリの一部として使用され得る。これは、ダイオード、特にpn接合または金属-半導体接合(ショットキーコンタクト)を有するダイオードを含む。より一般的には、これは、電解整流器、水銀整流器、プレート整流器(金属整流器、特にセレン整流器)、および真空管整流器(真空管ダイオード)などの整流器を含む、ダイオードと同様の機能を有する部品を含む。これらの部品は、受動整流器、すなわち整流器の挙動に影響を及ぼす追加の回路を必要としない整流器とみなされ得る。いずれにせよ、両方の選択肢によれば、アナログ回路が、第1のスイッチングデバイス(および/または、設けられている場合に、第2のスイッチングデバイス)および/または少なくとも1つのキャパシタの充電を制御するために、コントローラの代わりに、もしくはコントローラに加えて使用され得る。
【0235】
本開示の一態様である、第18の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、特に規定された順序で、
第17の態様による装置を提供することと、
少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電することと、
キャパシタ配置構成部を、インダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングし、それによって、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、第1のインダクタを通って流れることを可能にし、それによって第1のインダクタが磁場を発生させることを引き起こすことと、
少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で充電することと、
電流が前記電気部品または電気部品アセンブリを介して第2の分岐を通りキャパシタ配置構成部とインダクタとの間に流れることを可能にすることとを含む。
【0236】
第17の態様に関して説明されている実施形態は、第18の態様に同様に適用され、またその逆も同様に適用される。
【0237】
一実施形態において、この方法は、パルス方式で装置を作動させることをさらに含み、第1の分岐を流れる電流は第1の半パルスを表し、第2の分岐を流れる電流は第2の半パルスを表し、第1の半パルスおよび第2の半パルスは一緒になって1つのパルスを形成する。
【0238】
一実施形態において、電流が前記電気部品または電気部品アセンブリを介して少なくとも1つのキャパシタとインダクタとの間に流れ、第2の分岐を通ることを可能にすることは、第1の半パルスの終わりの後の遅延後に電流が第2の分岐を通って流れることを可能にすることを含む。この遅延は、特に可変であるか、または特に使用者もしくは製造者によって選択可能であり得る。したがって、2つの半パルスは、実質的に互いに独立して実行することができる。遅延は、ユーザインターフェース、たとえば、装置のダイヤルまたはタッチスクリーンを介して使用者によって設定され得る。装置は、選択された遅延に従って第2のスイッチングデバイスを制御するためにアナログ回路および/またはマイクロコントローラを備え得る。第1の半パルスの終わりと第2の半パルスの始まりとの間に遅延を導入することは、この遅延の間に充電回路が少なくとも1つのキャパシタを充電することを可能にし得る。
【0239】
一実施形態において、この方法は、
少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電すること、
‐ キャパシタ配置構成部をインダクタに電気的に接続するように第1のスイッチングデバイスをスイッチングすること、
少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で充電すること、および
‐ 少なくとも1つのコントローラまたはアナログ回路を使用して電流が第2の分岐を通って流れることを可能にすること、のうちの1つまたは複数、特にすべてを制御することをさらに含む。
【0240】
一実施形態において、少なくともc)が適用されるときに、この方法は、第1の半パルスの終わりの前、特に、第1の半パルスの前および第1の半パルスの間の一方または両方において補助キャパシタを充電することと、
第1の半パルスの後に、補助キャパシタが少なくとも1つのキャパシタを充電することを引き起こすことと、をさらに含む。
【0241】
少なくとも1つのキャパシタを充電するために補助キャパシタを使用することは、特に有利な点を有し得る。第1の半パルスの終わりと第2の半パルスの始まりとの間の遅延を可能な限り短く保つ一方で、身体組織内の正味の電荷変位を低く保つことが望ましい場合がある--この目的のために、本開示のいくつかの実施形態により、特に回路内のエネルギー損失を補償するために、第2の半パルスの前または始まりのところで少なくとも1つのキャパシタを第2の極性で充電することが企図される。少なくとも1つのキャパシタが電圧源から直接的に第2の極性で充電される場合、この電圧源は、少なくとも1つのキャパシタを充電するのに要する時間を短縮するように比較的高い出力電力を有する必要があり得る。他方で、補助キャパシタは、少なくとも1つのキャパシタを非常に迅速に充電することができる場合がある。したがって、補助キャパシタは、第1の半パルスの前および/または半パルスの間の比較的長い時間期間にわたって充電され得、次いで、少なくとも1つのキャパシタは、第1の半パルスと第2の半パルスの間の比較的短い時間期間の間に充電され得る。
【0242】
一実施形態において、補助キャパシタを充電することは、第2の電圧源で補助キャパシタを充電することを含み、特に、第2の電圧源は、第1の電圧源よりも小さい出力電力を有する。
【0243】
上記で説明したように、補助キャパシタは比較的長い時間期間にわたって充電され得るので、第2の電圧源は特に高い出力電力を有することを必要としない。それでもなお、上で説明されているように、補助キャパシタによる少なくとも1つのキャパシタの充電は、比較的短時間のうちに行うことができる。
【0244】
一変更形態において、第1の電圧源は--選択肢b)として上で説明されているものなどの--スイッチング配置構成部と組み合わせて、補助キャパシタを充電するために使用され得る。この場合、第2の電圧源は必要とされない。
【0245】
本開示の一態様である、第19の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
電気エネルギーを蓄えるための少なくとも1つのキャパシタを備えるキャパシタ配置構成部と、
少なくとも1つのキャパシタを充電するための充電回路と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタに接続するための端子と、
キャパシタ配置構成部と端子との間の接続回路であって、接続回路は少なくとも第1の分岐と第2の分岐とを備える、接続回路と、
スイッチングデバイスであって、スイッチングデバイスは、第1の分岐の一部を形成し、スイッチングデバイスはキャパシタ配置構成部を端子に電気的に接続し、インダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第1の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第1の分岐を流れる電流は、キャパシタ配置構成部と端子との間の電流の流れの第1の電流方向を表す、スイッチングデバイスと、
電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリであって、電気部品または電気部品アセンブリは、第2の分岐の一部を形成し、電気部品または電気部品アセンブリは、キャパシタ配置構成部を端子に電気的に接続し、インダクタが前記端子を介して装置に接続されているときに前記端子を介して、キャパシタ配置構成部を用いて蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされた電流が第2の分岐を通り、インダクタを通って流れることを可能にし、それによってインダクタが磁場を発生させることを引き起こすように構成され、第2の分岐を流れる電流は、キャパシタ配置構成部と端子との間の電流の流れの第2の電流方向を表し、電流の流れの第2の電流方向は電流の流れの第1の電流方向とは反対である、電気部品または電気部品アセンブリ、好ましくは電子部品または電子部品アセンブリと、を備え、
充電回路は第1の電圧源を含み、
a)充電回路は第2の電圧源を備え、第1の電圧源は、第1の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、第2の電圧源は、第1の極性とは反対の第2の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成されること、
b)充電回路はスイッチング配置構成部、特にHブリッジを含むスイッチング配置構成部を備え、スイッチング配置構成部は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性で充電するように第1の電圧源を第1の方式でキャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成され、スイッチング配置構成部は、少なくとも1つのキャパシタを第1の極性とは反対の第2の極性で充電するように第1の電圧源を第2の方式でキャパシタ配置構成部に電気的に接続するように配置構成されること、
c)充電回路は、補助キャパシタを含み、第1の電圧源は、第1の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成され、補助キャパシタは、第1の極性とは反対の第2の極性で少なくとも1つのキャパシタを充電するように配置構成されること、のうちの少なくとも1つが適用される。
【0246】
第19の態様の装置は、第17の態様の装置に類似している。しかしながら、第17の態様とは対照的に、第19の態様に関して言及されたインダクタは、第19の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第19の態様の装置は、インダクタに接続するための端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第19の態様の装置に接続され、第19の態様のインダクタとして使用され得る。
【0247】
本開示の第20の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるための装置が提供され、この装置は、
第1のスイッチングデバイスおよび第2のスイッチングデバイスの第1の直列組合せであって、第1のスイッチングデバイスは第1の接続点で第2のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第1の直列組合せと、
第3のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第2の直列組合せであって、第3のスイッチングデバイスは第2の接続点で第4のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第2の直列組合せと、
電気エネルギーを供給するための少なくとも1つのDC電源を含むDC電源配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタと、を備え、
第1の直列組合せは、第3の接続点および第4の接続点で、第2の直列組合せと電気的に並列に接続され、第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスは、第3の接続点で電気的に接続され、第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスは、第4の接続点で電気的に接続され、
インダクタの第1の端子は第3の接続点に電気的に接続され、インダクタの第2の端子は第4の接続点に電気的に接続され、
DC電源配置構成部は、第1の接続点と第2の接続点との間に電気的に接続され、
第1および第4のスイッチングデバイスは、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、それにより第1の時点から、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、導通状態にあり、第2および第3のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第1および第4のスイッチングデバイスは、導通状態から実質的な非導通状態に切り替えられるように構成され、それにより第1の時点の後の第2の時点から、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第2および第3のスイッチングデバイスは、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、第2の時点または第2の時点の後の第3の時点から、第2および第3のスイッチングデバイスは、両方とも、導通状態にあり、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第1の時点から第2の時点の間で、DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は第1および第4のスイッチングデバイスを通り、インダクタを通ってインダクタに関する電流の流れの第1の電流方向に流れるように配置構成され、それによって、インダクタが磁場を発生させることを引き起こし、
第3の時点の後に、DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流が第2のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスを通り、インダクタを通って電流の流れの第1の電流方向とは反対のインダクタに関する電流の流れの第2の電流方向に流れるように配置構成され、それによって、インダクタが磁場を発生させることを引き起こす。
【0248】
第1、第5、第8、第11、第14、および第17の態様に関して上で提示されている説明の少なくともいくつかは、また、第20の態様に関して同様に、特に、
‐ インダクタとして使用するためのインダクタの種類、
‐ スイッチングデバイスの種類およびこれらを作動させる方法、
‐ 「電気的接続」および「電気的に接続する」という言い回し、
に関して適用される。
【0249】
第20の態様の実施形態は、共振回路(に類似した回路部分)を含むとはみなされ得ないが、それにもかかわらず、第20の態様の第1から第4のスイッチングデバイスを使用して、電流パルス、および特に反対の極性を有する電流パルスを発生して、インダクタが変化する磁場、特にパルス磁場を発生させることを引き起こすことも可能である。
【0250】
第20の態様では第1から第3の時点を定義しているが、第3の時点の後の第4の時点から、第2および第3のスイッチングデバイスが、両方とも、実質的な非導通状態になるように、第2および第3のスイッチングデバイスを導通状態から実質的な非導通状態に切り替えることも任意選択で可能である。第1および第4のスイッチングデバイスは、また(依然として)実質的な非導通状態にあると仮定すると、装置は、実質的に初期状態、すなわち第1の時点より前の状態に戻る。
【0251】
一実施形態において、装置は、実質的な非導通状態と導通状態との間で切り替わるように第1、第2、第3、および第4のスイッチングデバイスのうちの1つまたは複数を制御するための少なくとも1つのコントローラ、特にマイクロコントローラをさらに備える。
【0252】
1つのコントローラがスイッチングデバイスのうちの複数のスイッチングデバイス、特にすべてのスイッチングデバイスを制御する実施形態が可能である。代替的に、複数のコントローラが設けられてよく、各コントローラは、特に1対1で、第1のスイッチングデバイスのサブセットを制御する。
【0253】
一実施形態において、少なくとも1つのコントローラは、ダイヤルまたはタッチスクリーンなどの、インターフェースを備え、このインターフェースを介して、使用者または製造者は、第1から第3(および該当する場合には、第4)の時点のいずれか1つもしくは複数を指定するかまたは選択することができる。そのようなインターフェースは、本開示の他の態様に関して説明されており、本明細書のそれらの部分への参照がなされるべきである。
【0254】
一実施形態において、装置は、実質的な非導通状態と導通状態との間で切り替わるように第1、第2、第3、および第4のスイッチングデバイスのうちの1つまたは複数を制御するためのアナログ回路をさらに備える。
【0255】
第1から第4のスイッチングデバイスを制御するためにコントローラ(マイクロコントローラなど)またはアナログ回路が使用されるかどうかにかかわらず、制御は、第1から第4のスイッチングデバイスのうちの任意の1つまたは複数が、所定のまたは選択された時点において、実質的な非導通状態と導通状態との間で切り替えられるようにする制御とすることができる。代替的に、またはそれに加えて、回路内の特定の点(インダクタを通る電流など)または回路内の特定の点同士の間(回路内の2点の間の電圧など)で優勢なパラメータは、(マイクロ)コントローラまたはアナログ回路によって考慮され得、この目的のために、(マイクロ)コントローラまたはアナログ回路は、回路のいくつかの部分から好適な入力--事実上電流または電圧の測定値、または別のパラメータの測定値--を受信し得る。回路は、たとえば、回路のいくつかの部分からコントローラもしくはアナログ回路への入力を行うためのフィードバックループを含み、それにより、これらの入力は、コントローラまたはアナログ回路の挙動に影響を及ぼすことができるか、またはコントローラもしくはアナログ回路は、そのような入力/測定値に基づきそれの挙動を適応させることができる。これは、本明細書において開示されている任意の他のスイッチングデバイスの制御にも同様に適用され得る。
【0256】
一実施形態において、装置は、少なくとも1つの追加電気回路素子をさらに備え、少なくとも1つの追加電気回路素子は、特に装置内のいくつかの点の間の電圧が選択されたまたは所定の電圧値を超えるときに、特に第1から第4のスイッチングデバイスのうちのいずれか1つもしくは複数における電圧および/またはインダクタにおける電圧が選択されたもしくは所定の電圧値を超えるときに、実質的な非導通状態から導通状態に切り替わる(または、より一般的には、その導電性を変化させる)ように、または切り替えられるように構成される。
【0257】
少なくとも1つの追加電気回路素子は、第1から第4のスイッチング素子などの、回路の他の素子の損傷または破壊を防止するのに役立ち得る。一例として、保護されるべき回路素子に損傷を引き起こすか、または破壊することになるであろう電圧からの保護を使用することで、関わる電圧(の絶対値)に対して好ましくは、次に示す規範を順守する。回路設計は、通常の使用において、保護されるべき回路素子はU1までの電圧をかけられ得るような設計である。追加電気回路素子は、電圧U2を定格とする、すなわち電圧U2で、実質的な非導通状態から導通状態に切り替わるように構成される。保護されるべき回路素子は、電圧U3以上で(著しい)損傷を被るか、または破壊され、ここでU1<U2<U3である。この規定を順守することで、追加電気回路素子が、回路の通常動作で遭遇する電圧ですでに導通状態になっていないことを確実にし得る。それと同時に、これは保護されるべき回路素子が損傷を受けるかまたは破壊されないことを確実にし得る。
【0258】
一実施形態において、少なくとも1つの追加電気回路素子は、1つまたは複数の受動電気回路素子、特に、
‐ スパークギャップ、
‐ 過渡電圧抑制ダイオード、
‐ ツェナーダイオード、
‐ ショックレーダイオード、
または
‐ 交流用三極管(TRIAC)、もしくは
‐ サイリスタ、
のうちの1つまたは複数を含む。
【0259】
少なくとも1つの追加電気回路素子が受動電気回路素子を含む場合、それは単に回路内で優勢な条件、たとえば受動電気回路素子の端子に印加される電圧に「反応」するだけである。少なくとも1つの追加電気回路素子が、通常は受動電気回路素子とはみなされない回路素子(TRIACやサイリスタなど)を含む場合、能動的にスイッチングされる必要がある。このスイッチングは、ここでもまた、回路内で優勢な条件、回路内の特定の2つの点の間の電圧によってトリガーされ得る。
【0260】
一実施形態において、少なくとも1つの追加電気回路素子は、第1から第4のスイッチングデバイスおよび/またはインダクタの1つまたは複数に並列に接続される。
【0261】
これは、スイッチングデバイスおよび/またはインダクタを特に効果的に保護するのに役立ち得る。たとえば、スイッチングデバイスのうちの1つに印加された電圧が、スイッチングデバイスに対して損傷を引き起こすか、またはスイッチングデバイスを破壊するおそれのあるレベルを超えて高くなった場合、追加電気回路素子には、実質的に同じ電圧がかかる(他の回路素子に著しい電圧降下がないと仮定する)。追加電気回路素子は、次いで、導通状態になり、これはスイッチングデバイスにかかる電圧を著しく下げ得る。
【0262】
一実施形態において、装置は、1つまたは複数のインダクタを備え、特に、1つまたは複数の追加インダクタは、前記インダクタに並列に、または前記インダクタに直列に接続される。
【0263】
1つまたは複数の追加インダクタは、身体組織に印加するための磁場を発生させることを意図されても、意図されていなくてもよい。さらに、1つまたは複数の追加インダクタは、第1の言及されているインダクタが収容されるケーシングまたは類似のものの中に収容され得るか、または収容され得ない。特に、1つまたは複数の追加インダクタは、第1の言及されているインダクタから独立して移動可能であり得るか、移動可能であり得ない。
【0264】
一実施形態において、少なくとも1つのDC電源は、
‐ 電池、
‐ ソーラーパネルまたはソーラーモジュール、
‐ 燃料電池
のうちの少なくとも1つを含む。
【0265】
いくつかのDC電源が、同じタイプまたは異なるタイプのいずれかの組合せで使用され得る。さらに、複数のDC電源が使用される場合、これらは、意図された用途に応じて、並列または直列に接続され得る。理想的には、DC電源は低い内部抵抗を有する。さらに、理想的には、DC電源は、比較的大きな電流をサポートすることができる。
【0266】
本開示の第21の態様において、磁場を発生させる方法が提供され、この方法は、
第20の態様による装置を提供することと、
第2および第3のスイッチングデバイスが両方とも実質的な非導通状態にある間に、第1の時点において、第1および第4のスイッチングデバイスを実質的な非導通状態から導通状態に切り替えることと、
第1の時点の後の第2の時点において、第1および第4のスイッチングデバイスを導通状態から実質的な非導通状態に切り替えることと、
第1および第4のスイッチングデバイスが両方とも実質的な非導通状態にある間に、第2および第3のスイッチングデバイスを、第2の時点以降の第3の時点において実質的な非導通状態から導通状態に切り替えることと、を含む。
【0267】
任意選択で、この方法は、第3の時点の後の第4の時点において、第2および第3のスイッチングデバイスを導通状態から実質的な非導通状態に切り替えることをさらに含む。
【0268】
本開示の第22の態様において、身体組織に印加する磁場を発生させるためにインダクタとともに使用する装置が提供され、この装置は、
第1のスイッチングデバイスおよび第2のスイッチングデバイスの第1の直列組合せであって、第1のスイッチングデバイスは第1の接続点で第2のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第1の直列組合せと、
第3のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第2の直列組合せであって、第3のスイッチングデバイスは第2の接続点で第4のスイッチングデバイスに電気的に接続される、第2の直列組合せと、
電気エネルギーを供給するための少なくとも1つのDC電源を含むDC電源配置構成部と、
身体組織に印加する磁場を発生させるためのインダクタに接続するための第1の端子および第2の端子と、を備え、
第1の直列組合せは、第3の接続点および第4の接続点で、第2の直列組合せと電気的に並列に接続され、第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスは、第3の接続点で電気的に接続され、第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスは、第4の接続点で電気的に接続され、
第1の端子は第3の接続点に電気的に接続され、第2の端子は第4の接続点に電気的に接続され、
DC電源配置構成部は、第1の接続点と第2の接続点との間に電気的に接続され、
第1および第4のスイッチングデバイスは、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、それにより第1の時点から、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、導通状態にあり、第2および第3のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第1および第4のスイッチングデバイスは、導通状態から実質的な非導通状態に切り替えられるように構成され、それにより第1の時点の後の第2の時点から、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第2および第3のスイッチングデバイスは、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられるように構成され、第2の時点または第2の時点の後の第3の時点から、第2および第3のスイッチングデバイスは、両方とも、導通状態にあり、第1および第4のスイッチングデバイスは、両方とも、実質的な非導通状態にあり、
第1の時点から第2の時点の間で、DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、インダクタが第1および第2の端子を介して装置に接続されたときに第1および第2の端子を介して第1および第4のスイッチングデバイスを通り、インダクタを通って流れるように配置構成され、それによって、インダクタが磁場を発生させることを引き起こし、第1および第4のスイッチングデバイスを流れる電流は、インダクタに関する電流の流れの第1の電流方向を表し、
第3の時点の後で、DC電源配置構成部によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、インダクタが第1および第2の端子を介して装置に接続されたときに第1および第2の端子を介して第2および第3のスイッチングデバイスを通り、インダクタを通って流れるように配置構成され、それによって、インダクタが磁場を発生させることを引き起こし、第2および第3のスイッチングデバイスを流れる電流は、第1の電流方向と反対のインダクタに関する電流の流れの第2の電流方向を表す。
【0269】
第22の態様の装置は、第20の態様の装置に類似している。しかしながら、第20の態様とは対照的に、第20の態様に関して言及されたインダクタは、第22の態様の装置の一部を形成しない。その代わりに、第22の態様の装置は、インダクタに接続するための第1および第2の端子(電気ソケットまたは類似のものなど)を有する。したがって、多数の(異なる)インダクタ、たとえば、異なる形状、インダクタンス、または他の特性を有するインダクタが、選択的に、第22の態様の装置に接続され、インダクタとして使用され得る。
【0270】
本明細書において説明されている任意の実施形態において、(第1の)インダクタおよび/または(第1の)インダクタが収容されるアプリケータは、たとえば、(第1の)インダクタおよび/またはアプリケータが実質的に一方の側から身体部分に施され得るように一般的に平坦な構造のものであり得る。他の形状または構造タイプ、たとえば中空の円筒もしくは類似のものも可能であり、それにより、(第1の)インダクタの巻線は身体部分を取り囲むものとしてよく、すなわち、(第1の)インダクタまたはアプリケータは、身体部分の上に施されるか、または身体部分(たとえば、腕、脚、胴体)は、インダクタもしくはアプリケータ内に導入されるか、またはインダクタまたはアプリケータを通過するものとしてよい。
【0271】
さらに、本出願で説明されるインダクタのいずれか、いくつか、またはすべての、特に(第1の)インダクタの構造は、特定の設計に限定されない。特に、インダクタ、特に(第1の)インダクタのいずれか、いくつか、またはすべては、たとえば、それぞれのインダクタの各(360°)巻きまたは巻線は、並列に走る複数のストランドではなくむしろ、導電性材料(たとえば、銅)の1つの固体(および実質的に剛性のある)片を含むか、またはそれらからなるように製作され得る。代替的に、それぞれのインダクタの各(360°)巻きまたは巻線は、互いから絶縁された、少数の(2本以下、もしくは3本以下、もしくは4本以下、もしくは5本以下などの)導電性材料(たとえば銅)の固体(および実質的に剛性のある)片を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。他の実施形態では、インダクタ、特に第1のインダクタのいずれか、いくつか、またはすべては、たとえば、各線が別々に絶縁されたリッツ線から製作されてもよく、特にリッツ線コイルを含むものとしてよい。これは、インダクタ内の渦電流を低減し得る。
【0272】
本発明または本開示のいずれか1つの態様に関して上で説明されている様々な実施形態および利点は、本開示または本発明の他の態様にも同様に適用される。本明細書において開示されおよび/または例示されている各特徴は、そのような組合せが明示的に除外されているか、または技術的に不可能でない限り、単独であろうと、本明細書において開示されているかまたは例示されている任意の他の特徴との組合せであろうと、本発明に組み込まれ得る。特に、第1から第22の態様(の実施形態)は、互いに組み合わせることができる。
【0273】
特に、本発明に従って、以下の特徴(またはその任意のサブセット)、
‐ 第1および/または第2の態様より、身体組織に印加する磁場を発生させるための(第1の)インダクタに加える、第1もしくは第2の分岐内の追加のインダクタ、または第1の分岐の総インダクタンスが第2の分岐の総インダクタンスと(有意に)異なる回路、
‐ 第5の態様による、身体組織に印加する磁場を発生させるための(第1の)インダクタと直列の、可変インダクタンスを有するか、または追加のインダクタを選択的にバイパスするかもしくは短絡するためのバイパス回路を設けられた、追加のインダクタ、
‐ 第8の態様による、可変キャパシタンスを有する少なくとも1つのキャパシタを含むキャパシタ配置構成部、
‐ 第11の態様による、自由に選択できる時点において導通状態と実質的な非導通状態との間で切り替えられ得る第1の分岐のスイッチングデバイス、
‐ 第14の態様による、第1のインダクタにつながる第1の分岐および第2のインダクタにつながる第2の分岐、
‐ 第17の態様による充電回路を有する回路を備える装置を製作することが可能である。
【0274】
同じことが、必要な変更を加えて、第3、第6、第9、第12、第15、および第18の態様のいずれか1つまたは複数による方法に、同様に第4、第7、第10、第13、第16、および第19の態様のいずれか1つまたは複数による装置にも、適用される。
【0275】
第20の態様による装置は、第1、第2、第5、第8、第11、第14、および第17の態様による装置とは構造的にやや異なるものであり得るが、それにもかかわらず、第20の態様による、また本明細書において開示されている他の態様の少なくともいくつかによる特徴を有する装置を製作することが可能である。2つの例を挙げると、第20の態様による装置を提供し、これに
‐ スイッチングデバイスのいずれか1つまたは複数と直列の1つまたは複数の追加のインダクタ(第1の態様)、または
‐ 身体組織に印加する磁場を発生させるための(第1の)インダクタと直列の1つまたは複数の追加のインダクタ(第5の態様)
を設けることが可能であろう。
【0276】
述べられているように、本明細書において開示されている実施形態は、治療目的に使用され得るが、非治療目的に使用することもできる。そのような非治療目的は、限定はしないが、特に美容の目的で、ヒトまたは動物の身体の外観に影響を与える/変えることと、ヒトまたは動物の身体で装置を試験することと、ヒトまたは動物の身体が存在していない状態で装置を試験することとを含む。
【0277】
本発明のいくつかの実施形態は、添付図面を参照しつつ、例のみを用いて、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0278】
図1】本発明者が知っている(が先行技術として認めるものではない)交番磁場を発生させるためのデバイスの回路図を示す概略図である。
図2】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図3】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図4】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図5】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図6】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図7】本開示の一実施形態による、第1のインダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図8】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図9】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図10】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図11】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図12】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図13】本開示の一実施形態による、第1のインダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図14】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図15】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図16】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図17】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図18】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図19】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図20】本開示の一実施形態による、(第1の)インダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図21】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図22】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図23】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図24】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図25】本開示の一実施形態による、(第1の)インダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図26】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図27】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図28】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図29】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図30】本開示の一実施形態による、第1のインダクタおよび第2のインダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図31】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図32】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図33】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図34】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図35】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の充電回路の回路図を示す概略図である。
図36】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
図37】本開示の一実施形態による、第1のインダクタを通る電流およびキャパシタにかかる電圧が時間に関してプロットされた図である。
図38】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図39】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を示す概略図である。
図40】本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を示す概略図である。
図41】本開示の一実施形態による、インダクタを通る電流が時間に関してプロットされた図である。
図42】本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0279】
図2は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図2に示されている回路図は、図1に示されている回路図に類似している。したがって、図1に示されているデバイスに関する上記の説明は、図2に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図1に示されている素子に対応する図2に示されている素子は、100だけ減じた同じ参照符号を付けられている。しかしながら、様々な修正が可能であることに留意されたい。たとえば、多くの実施形態において、電気エネルギー源7(たとえば電圧源7)は商用電源であってもよいが、代替的に非商用電源とすることも可能であり、たとえば、電池または1つもしくは複数の電池を含む電池配置構成を含み得る。スイッチングデバイス3はサイリスタとして図示されているが、上で説明されているように、他のスイッチングデバイスも使用することもできる。第2の分岐6における電気部品4はダイオードとして図示されているが、上で説明されているように、他の電気部品または電気部品アセンブリ、特に電子部品または電子部品アセンブリが使用され得る。しかしながら、説明を間欠にするために、図2に示されている回路図の説明では、図1に関連して使用されているのと同じ用語を引き続き使用する。
【0280】
さらに、より良く理解するために、電気エネルギー源7およびスイッチングデバイス8を含む充電回路が図示されているが、本開示は、そのような充電回路を有しない(しかし、そのような充電回路とともに使用することができ、特に、そのような充電回路に電気的に接続することができる)実施形態も含む。
【0281】
図2に示されている第2の分岐6は、ダイオード4と直列に接続された第2のインダクタ9を含む。第2の分岐6を通って第1のインダクタ2とキャパシタ1との間に流れる電流は、第2のインダクタ9にも流れる。第1のインダクタ2および第2の分岐6およびキャパシタ1を流れる電流を考慮すると、第2のインダクタ9は、実質的に第1のインダクタ2と直列に接続されている。このような追加のインダクタは第1の分岐5の一部を形成せず、したがって第2の分岐6のインダクタンスは第1の分岐5のインダクタンスよりも高く、特に著しく高くい。したがって、キャパシタ1、第1のインダクタ2、および第1の分岐5または第2の分岐6のいずれかを共振回路として考えたときに、第2の分岐6を含む共振回路の周波数は、第1の分岐5を含む共振回路の周波数よりも(著しく)低いことがわかる。
【0282】
図3は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図3に示される実施形態は、図2に示されている実施形態に類似しており、図2に関連して提示される同じ説明は、図3に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図3は、それに加えて、第2のインダクタ9をバイパスするかまたは短絡するための回路を示している。このバイパス回路は、第2のインダクタ9の2つの端子に接続され、バイパス回路が第2のインダクタ9を選択的にバイパスすることを可能にするようにする追加スイッチングデバイス10を含む。追加スイッチングデバイス10が閉状態(または導通状態)であるときに、第2の分岐6を流れる任意の電流は、バイパス回路をもっぱらまたは(ほとんど)排他的に流れ、それによって電流が第2のインダクタ9を流れるのを実質的に妨げる。このようにして、第2の分岐6の総インダクタンスは、最大値(追加スイッチングデバイス10が開状態)と最小値(追加スイッチングデバイス10が閉状態)との間で変化し得る。追加スイッチングデバイス10が閉じられたときに、第2の分岐6のインダクタンスは、第1の分岐5のインダクタンスに類似するインダクタンスになり得る。
【0283】
図4は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図4に示される実施形態は、図3に示されている実施形態に類似しており、図3に関連して提示される同じ説明は、図4に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図4は、それに加えて、第2の分岐6の一部を形成し、第2のインダクタ9(およびダイオード4)と直列に接続された追加インダクタ11を示している。図4に示されている回路図は、それに加えて、追加インダクタ11をバイパスするかまたは短絡するための追加回路を含む。この追加バイパス回路は、追加インダクタ11の2つの端子に接続され、追加バイパス回路が追加インダクタ11を選択的にバイパスすることを可能にする追加スイッチングデバイス12を含む。追加スイッチングデバイス12が閉状態(または導通状態)であるときに、第2の分岐6を流れる任意の電流は、追加バイパス回路をもっぱらまたは(ほとんど)排他的に流れ、それによって電流が追加インダクタ11を流れるのを実質的に妨げる。このようにして、第2の分岐6の総インダクタンスが変化させられ得る。
【0284】
2つの追加スイッチングデバイス10および12を使用することで、第2の分岐6の総インダクタンスは、最大値(追加スイッチングデバイス10および12の両方が開状態であるかまたは非導通状態である)と最小値(追加スイッチングデバイス10および12の両方が閉状態であるかまたは導通状態である)の間で変化し得る。追加スイッチングデバイス10および12が両方とも閉じられたときに、第2の分岐6のインダクタンスは、第1の分岐5のインダクタンスに類似するインダクタンスになり得る。追加スイッチングデバイス10および12の一方のみが閉じられ、他方が開いているとき、第2のインダクタ9および追加インダクタ11の一方のみがバイパスされ、したがって、第2の分岐6の総インダクタンスは、最小値と最大値との間の中間値になる。
【0285】
図4に示されている実施形態の一変更形態によれば、第2のインダクタ9または追加インダクタ11のいずれかに関連付けられるバイパス回路は、省かれ得る。したがって、それぞれのインダクタは、ダイオード4と直列に永久的に接続されることになるが、第2のインダクタ9および追加インダクタ11の他方(そのバイパス回路は省かれない)は、その関連付けられたバイパス回路を使用して選択的にバイパスされ得る。
【0286】
図4に示されている実施形態のさらなる変更形態によれば、なおも追加インダクタが、ダイオード4、第2のインダクタ9、および追加インダクタ11と直列の第2の分岐6に追加され得る。これらのさらに別のインダクタの各々は、第2のインダクタ9および追加インダクタ11に関連付けられているバイパス回路に類似する関連付けられたバイパス回路を有する場合も有しない場合もある。
【0287】
図2図3、および図4を参照して説明した実施形態のいずれかの一変更形態(または、上ですでに説明されている変更形態のいずれか)によれば、第2のインダクタ9、追加インダクタ11、およびなおも追加インダクタ(設けられている場合)のうちのいずれか1つまたは複数が、可変インダクタンスを有するインダクタを含み得る。可変インダクタンスを有するインダクタの詳細については、すでに上で説明されている。
【0288】
この変更形態のさらなる展開において、第2の分岐6におけるインダクタのうちの1つのみが、可変インダクタンスを有するインダクタであり、たとえば第2のインダクタ9である。それにもかかわらず、第2のインダクタ9の(最大)インダクタンスおよび第2の分岐6における追加インダクタのインダクタンスを適切に選択することによって、第2の分岐6の総インダクタンスは、比較的広い範囲にわたって、特に小さなステップで、または(実質的に)連続的に調整可能であり得る。このさらなる展開において、追加インダクタの各々は、関連付けられたバイパス回路を設けられる。可変インダクタンスを有する第2のインダクタ9は、関連付けられたバイパス回路を設けられる場合も、設けられない場合もある。第2のインダクタのインダクタンス(L2)および追加インダクタのインダクタンス(L3、L4、L5、L6など)が、1:1:2:4:8などの比に従って選択される場合、第2の分岐6の総インダクタンスの最低値は、第3のインダクタ(インダクタンスL3を有する)および追加インダクタ(インダクタンスL4、L5、L6などを有する)がバイパスされ、第2のインダクタ9の可変インダクタンス(L2)が最小値L2minに調整された場合に達成され得る。第2のインダクタ9の可変インダクタンスL2をその調整可能範囲にわたって最大値L2maxまで調整することによって、第2の分岐6の総インダクタンスは、L2minからL2maxまで調整され得る。第3のインダクタ(のみ)がバイパスされない場合(および第4のインダクタおよび任意の追加インダクタがバイパスされる場合)、第2の分岐6の総インダクタンスは、その調整可能範囲にわたって第2のインダクタ9の可変インダクタンスL2を調整することによってL3+L2minからL3+L2maxまで調整され得る。第4のインダクタ(のみ)がバイパスされない場合(ならびに第3、第5、および任意の追加インダクタがバイパスされる場合)、第2の分岐6の総インダクタンスは、L4+L2minからL4+L2maxまで調整され得る。総インダクタンスの次の調整可能範囲は、第3および第4のインダクタをバイパスせず、第5および任意の追加インダクタをバイパスすること、などによって達成され得る。第2のインダクタおよび追加インダクタの相対的インダクタンスが上記の比に従って選択され、さらに、第2のインダクタ9の可変インダクタンスL2が実質的にゼロ(L2min=0)まで調整され得ると仮定した場合、第2の分岐6の総インダクタンスは、実質的に0から、第2の分岐6の一部を形成するインダクタのすべてのインダクタンスの和、すなわちL2max+L3+L4+L5などに対応する最大総インダクタンスまで(離散的ステップでまたは実質的に連続的に)調整され得る。
【0289】
上記の実施形態または変更形態のいずれかに基づくことができる、さらなる変更形態によれば、第2のおよび/または追加インダクタ(関連付けられたバイパス回路とともに)は、第2の分岐6ではなくむしろ、第1の分岐5に含まれる。
【0290】
図5は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図3に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図3に示されている充電回路は、図5には示されていない。その代わりに、図5は、ハウジングまたはキャビネット16(キャビネット16に収容される電気部品および回路から電気的に絶縁される)内に組み込まれたキャパシタ1ならびに第1および第2の分岐5および6を示している。外部の充電回路に接続するための端子19が、キャパシタ1を充電することを目的としてキャビネット16に設けられている。一変更形態において、たとえば、図3に示されているような充電回路は、キャビネット16にも組み込まれ得る。
【0291】
キャビネット16は、2つの追加端子17および18を設けられる。端子17は、第1の分岐5および第2の分岐6に接続され、端子18は、共通のグランド電位に接続される。図5に示されている実施形態において、端子18は、キャビネット16内を走る線を介してキャパシタ1に対するグランド接続に接続されている。
【0292】
図5は、キャビネット16およびその内容とは別個の実体としての第1のインダクタ2を示している。第1のインダクタ2は、ケーシング13内に収容され、ケーシング13はコンジット管14に取り付けられている。コンジット管14はケーブル15を収容し、このケーブル15は第1のインダクタ2、特にインダクタ2の少なくとも一組の巻きに電気的に接続され、破線で示されているように端子17に接続され得る。図5に示されている実施形態では、インダクタ2は、第2のケーブルを介して、キャビネット16のグランド端子18にも接続され得る。
【0293】
図5に示されている実施形態の一変更形態として、第1のインダクタ2は、別個の線を介して、すなわちキャビネット16を介さずに、グランド電位に接続されることも可能であろう。この場合、グランド端子18およびグランドへの内部接続は省かれ得る。
【0294】
さらなる変更形態では、図5に示されている実施形態の特徴は、図2および図4に示されている実施形態、または本明細書において説明されている任意の変更形態と組み合わされ得る。さらに、上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、グランドへの任意のまたはすべての接続が省かれ、回路の異なる部分の間の電気的接続によって置き換えられ得る。たとえば、図2において、グランドへの3つの接続(図の底部に向かう三角形)は、キャパシタ1(の図2における下側)、第1のインダクタ2、および電圧源7が電気的に接続されるように相互接続によって置き換えられ得る。
【0295】
上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、個別の部品の極性は反転されるものとしてよく、それにより、たとえば、電圧源7の負端子は、スイッチングデバイス8を介して、第1の分岐5、第2の分岐6、およびキャパシタ1に接続される。次いで、サイリスタ3およびダイオード4の極性も反転されるであろう。さらに、すでに述べたように、発明者は、本開示に関して説明されている部品および相互接続が、電気的な意味で「理想的」でないことを理解している。本開示により使用可能にされていれば、当業者は、これを可能にするために適切な調整を行うことができる。これは、1:1:2:4:8などの比によるインダクタンスを有するインダクタが使用され得る、上で説明されている変更形態に、特に、ただし排他的にではなく、適用される。たとえば、寄生インダクタンスを考慮するように適切な調整が行われ得る。
【0296】
図6は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。この方法の開始90の後、上で説明されている装置のいずれか1つが提供される(91)。次いで、電気エネルギーが蓄電デバイス、特にキャパシタ1に蓄えられる(92)。その後、スイッチングデバイス3、特にサイリスタ3は、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(93)、蓄電デバイス1を第1のインダクタ2に電気的に接続する。これは、蓄電デバイス1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、第1のインダクタ2を通って流れ、それによって第1のインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第1の半パルスまたは半波を表し得る。第1の半パルスまたは半波の終わりに、電流は、次いで、電気部品または電気部品アセンブリ4を介して第2の分岐6を通り蓄電デバイス1と第1のインダクタ2との間に流れることを可能にされる(94)。この電流の流れは、第2の半パルスまたは半波を表し得る。第2および任意の追加インダクタ9、11がバイパスされるまたは短絡されることがないと仮定すると、電流は、この第2の半パルスまたは半波の間、第2および任意の追加インダクタ9、11を通っても流れる。第2の半パルスまたは半波の終わりに、この方法は終了するものとしてよい(95)。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、スイッチングデバイスまたはサイリスタ3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(93)。電気エネルギーは、ここでもまた、蓄電デバイス1に蓄えられ得る(92)。特に、キャパシタ1は、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、その初期充電状態まで再充電され得る。
【0297】
図7は、本開示の一実施形態による、第1のインダクタ2を通る電流が時間に関してプロットされた図を示している。結果として図7の線図として示され得る回路は、第2のインダクタ9が第2の分岐6ではなくむしろ第1の分岐5(スイッチングデバイス3と直列)に配置されることを除き、図2に示されている回路であり得る。図7に示されている第1の半パルスは、第2の半パルスに比べて第1のインダクタ2を通る電流のより遅い立ち上がりおよび立ち下がりを示している。これは、第1の半パルスにおける総インダクタンス(総インダクタンス=第1のインダクタ2のインダクタンス+第2のインダクタ9のインダクタンス)が、第2の半パルスの総インダクタンス(総インダクタンス=第1のインダクタ2のインダクタンス)を比較したときに高いことに起因する。
【0298】
図8は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図8に示されている回路図は、図2に示されている回路図に類似している。したがって、図2に示されているデバイスに関する上記の説明は、図8に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図8に示されている素子が図2に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2と同じ参照符号を付けられる。図8に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、300だけ増やされる。
【0299】
図2に示されている実施形態とは対照的に、第2の分岐6は、第1の分岐5の一部を(も)形成しない追加のインダクタを含まない。代わりに、図8に示されている回路は、第1のインダクタ2と直列に接続された第2のインダクタ309を含む。第1のインダクタ2とキャパシタ1との間を流れる電流は、電流が第1の分岐5または第2の分岐6を流れるかどうかにかかわらず、第2のインダクタ309を通っても流れる。言い換えると、第2のインダクタ309は、第1のインダクタ2と直列に接続されているだけでなく、スイッチングデバイス3とダイオード4の各々とも直列に接続されている(またはより正確には、スイッチングデバイス3とダイオード4を含む並列接続と直列に接続されている)。また、第2のインダクタ309は、第1の分岐5および第2の分岐6の両方の一部を形成しているとも言える。
【0300】
キャパシタ1と第1のインダクタ2との間の(含む)(共振)回路の総インダクタンスは、第1のインダクタ2および第2のインダクタ309のインダクタンス(さらには回路内に存在し得る、図8には示されていない、寄生インダクタンスを含む、任意の他のインダクタンス)の和に対応する。したがって、この(共振)回路の周波数は、図1に示されている(共振)回路の周波数、すなわち第2のインダクタ309が存在しなかった場合の周波数とは異なる。したがって、図8に示されている(共振)回路の周波数は、第2のインダクタ309に対してインダクタンスの異なる値を選択する影響を受け得る。
【0301】
図9は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図9に示される実施形態は、図8に示されている実施形態に類似しており、図8に関連して提示される同じ説明は、図9に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図9は、それに加えて、第2のインダクタ309をバイパスするかまたは短絡するための回路を示している。このバイパス回路は、第2のインダクタ309の2つの端子に接続され、バイパス回路が第2のインダクタ309を選択的にバイパスすることを可能にするようにする追加スイッチングデバイス310を含む。追加スイッチングデバイス310が閉状態(または導通状態)であるときに、第1のインダクタ2を流れる任意の電流は、バイパス回路をもっぱらまたは(ほとんど)排他的に流れ、それによって電流が第2のインダクタ309を流れるのを実質的に妨げる。このようにして、キャパシタ1と第1のインダクタ2との間の(およびそれを含む)(共振)回路の総インダクタンスは、最大値(追加スイッチングデバイス310が開状態)と最小値(追加スイッチングデバイス310が閉状態)との間で変化し得る。追加スイッチングデバイス310が閉じられたときに、(共振)回路のインダクタンスは、図1の対応する回路部分のインダクタンスに類似したものになり得る(すなわち、第2のインダクタ309が存在しないかのように)。
【0302】
図10は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図10に示される実施形態は、図9に示されている実施形態に類似しており、図9に関連して提示される同じ説明は、図10に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図10は、それに加えて、第1のインダクタ2および第2のインダクタ309と直列に接続された追加インダクタ311を示している。第1のインダクタ2とキャパシタ1との間を流れる電流は、電流が第1の分岐5または第2の分岐6を流れるかどうかにかかわらず、追加インダクタ311を通っても流れる。言い換えると、追加インダクタ311は、第1および第2のインダクタ2、309に直列に接続されているだけでなく、スイッチングデバイス3とダイオード4の各々とも直列に接続されている(またはより正確には、スイッチングデバイス3とダイオード4を含む並列接続と直列に接続されている)。図10に示されている回路図は、それに加えて、追加インダクタ311をバイパスするかまたは短絡するための追加回路を含む。この追加バイパス回路は、追加インダクタ311の2つの端子に接続され、追加バイパス回路が追加インダクタ311を選択的にバイパスすることを可能にする追加スイッチングデバイス312を含む。追加スイッチングデバイス312が閉状態(または導通状態)であるときに、第1のインダクタ2を流れる任意の電流は、追加バイパス回路をもっぱらまたは(ほとんど)排他的に流れ、それによって電流が追加インダクタ311を流れるのを実質的に妨げる。このようにして、共振回路の総インダクタンスが変化させられ得る。
【0303】
2つの追加スイッチングデバイス310および312を使用することで、共振回路の総インダクタンスは、最大値(追加スイッチングデバイス310および312の両方が開状態であるかまたは非導通状態である)と最小値(追加スイッチングデバイス310および312の両方が閉状態であるかまたは導通状態である)の間で変化し得る。追加スイッチングデバイス310および312が両方とも閉じられたときに、共振回路の総インダクタンスは、図1の対応する回路部分のインダクタンスに類似したものになり得る(すなわち、第2のインダクタ309および追加インダクタ311が存在しないかのように)。追加スイッチングデバイス310および312の一方のみが閉じられ、他方が開いているとき、第2のインダクタ309および追加インダクタ311の一方のみがバイパスされ、したがって、共振回路の総インダクタンスは、最小値と最大値との間の中間値になる。
【0304】
図10に示されている実施形態の一変更形態によれば、第2のインダクタ309または追加インダクタ311のいずれかに関連付けられるバイパス回路は、省かれ得る。したがって、それぞれのインダクタは、第1のインダクタ2と直列に永久的に接続されることになるが、第2のインダクタ309および追加インダクタ311の他方(そのバイパス回路は省かれない)は、その関連付けられたバイパス回路を使用して選択的にバイパスされ得る。
【0305】
図10に示されている実施形態のさらなる一変更形態によれば、なおも追加インダクタが、第1および第2のインダクタ2、309、ならびに追加インダクタ311と直列に(そしてスイッチングデバイス3およびダイオード4を含む並列接続と直列に)追加され得る。これらのさらに別のインダクタの各々は、第2のインダクタ309および追加インダクタ311に関連付けられているバイパス回路に類似する関連付けられたバイパス回路を有する場合も有しない場合もある。
【0306】
図8図9、および図10を参照して説明した実施形態のいずれかの一変更形態(または、上ですでに説明されている変更形態のいずれか)によれば、第2のインダクタ309、追加インダクタ311、およびなおも追加インダクタ(設けられている場合)のうちのいずれか1つまたは複数が、可変インダクタンスを有するインダクタを含み得る。可変インダクタンスを有するインダクタの詳細については、すでに上で説明されている。
【0307】
この変更形態のさらなる展開において、インダクタ(第2のインダクタ309、追加インダクタ311、または(設けられている場合に)なおも追加インダクタ)のうちの1つのみが可変インダクタンスを有するインダクタ、たとえば第2のインダクタ309である。それにもかかわらず、第2のインダクタ309の(最大)インダクタンスならびに追加インダクタ311および設けられている場合になおも追加インダクタのインダクタンスを適切に選択することによって、共振回路の総インダクタンスは、比較的広い範囲にわたって、特に小さなステップで、または(実質的に)連続的に調整可能であり得る。このさらなる展開において、(なおも)追加インダクタの各々は、関連付けられたバイパス回路を設けられる。可変インダクタンスを有する第2のインダクタ309は、関連付けられたバイパス回路を設けられる場合も、設けられない場合もある。第2のインダクタのインダクタンス(L2)および追加インダクタのインダクタンス(L3、L4、L5、L6など)が、1:1:2:4:8などの比に従って選択される場合、共振回路の総インダクタンスの最低値は、第3のインダクタ(インダクタンスL3を有する)および追加インダクタ(インダクタンスL4、L5、L6などを有する)がバイパスされ、第2のインダクタ309の可変インダクタンス(L2)が最小値L2minに調整された場合に達成され得る。次いで、第2のインダクタ309の可変インダクタンスL2をその調整可能範囲にわたって最大値L2maxまで調整することによって、共振回路の総インダクタンスは、L1+L2minからL1+L2maxまで調整され得る(L1は第1のインダクタ2のインダクタンスである)。第3のインダクタ(のみ)がバイパスされない場合(および第4のインダクタおよび任意の追加インダクタがバイパスされる場合)、共振回路の総インダクタンスは、その調整可能範囲にわたって第2のインダクタ309の可変インダクタンスL2を調整することによってL1+L3+L2minからL1+L3+L2maxまで調整され得る。第4のインダクタ(のみ)がバイパスされない場合(ならびに第3、第5、および任意の追加インダクタがバイパスされる場合)、共振回路の総インダクタンスは、L1+L4+L2minからL1+L4+L2maxまで調整され得る。総インダクタンスの次の調整可能範囲は、第3および第4のインダクタをバイパスせず、第5および任意の追加インダクタをバイパスすること、などによって達成され得る。第2のインダクタ309および追加インダクタの相対的インダクタンスが上記の比に従って選択され、さらに、第2のインダクタ309の可変インダクタンスL2が実質的にゼロ(L2min=0)まで調整され得ると仮定した場合、共振回路の総インダクタンスは、実質的にL1から、共振回路のすべてのインダクタンスの和、すなわちL1+L2max+L3+L4+L5などに対応する最大総インダクタンスまで(離散的ステップでまたは実質的に連続的に)調整され得る。
【0308】
図8から図10を参照しつつ説明されている実施形態またはそれらの変更形態のいずれかに基づくことができる、さらなる変更形態によれば、追加インダクタ(該当する場合、関連付けられたバイパス回路とともに)、それに加えて、図2から図4またはそれらの変更形態を参照しつつ説明されているように、第1の分岐5または第2の分岐6に含まれ得る。
【0309】
図11は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図9に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図9に示されている充電回路は、図11には示されていない。その代わりに、図11は、ハウジングまたはキャビネット16(キャビネット16に収容される電気部品および回路から電気的に絶縁される)内に組み込まれたキャパシタ1ならびに第1および第2の分岐5および6を示している。外部の充電回路に接続するための端子19が、キャパシタ1を充電することを目的としてキャビネット16に設けられている。一変更形態において、たとえば、図9に示されているような充電回路は、キャビネット16にも組み込まれ得る。
【0310】
キャビネット16は、2つの追加端子17および18を設けられる。端子17は、第2のインダクタ309(およびそれに関連付けられたバイパス回路)に接続され、それを通して、第1の分岐5および第2の分岐6にも接続されるが、端子18は、共通のグランド電位に接続される。図11に示されている実施形態において、端子18は、キャビネット16内を走る線を介してキャパシタ1に対するグランド接続に接続されている。
【0311】
図11は、キャビネット16およびその内容とは別個の実体としての第1のインダクタ2を示している。第1のインダクタ2は、ケーシング13内に収容され、ケーシング13はコンジット管14に取り付けられている。コンジット管14はケーブル15を収容し、このケーブル15は第1のインダクタ2、特にインダクタ2の少なくとも一組の巻きに電気的に接続され、破線で示されているように端子17に接続され得る。図11に示されている実施形態では、インダクタ2は、第2のケーブルを介して、キャビネット16のグランド端子18にも接続され得る。
【0312】
図11に示されている実施形態の一変更形態として、第1のインダクタ2は、別個の線を介して、すなわちキャビネット16を介さずに、グランド電位に接続されることも可能であろう。この場合、グランド端子18およびグランドへの内部接続は省かれ得る。
【0313】
さらなる変更形態では、図11に示されている実施形態の特徴は、図8および図10に示されている実施形態、または本明細書において説明されている任意の変更形態の特徴と組み合わされ得る。さらに、上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、グランドへの任意のまたはすべての接続が省かれ、回路の異なる部分の間の電気的接続によって置き換えられ得る。たとえば、図8において、グランドへの3つの接続(図の底部に向かう三角形)は、キャパシタ1(の図8における下側)、第1のインダクタ2、および電圧源7が電気的に接続されるように相互接続によって置き換えられ得る。
【0314】
上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、個別の部品の極性は反転されるものとしてよく、それにより、たとえば、電圧源7の負端子は、スイッチングデバイス8を介して、第1の分岐5、第2の分岐6、およびキャパシタ1に接続される。次いで、サイリスタ3およびダイオード4の極性も反転されるであろう。さらに、すでに述べたように、発明者は、本発明に関して説明されている部品および相互接続が、電気的な意味で「理想的」でないことを理解している。本開示により使用可能にされていれば、当業者は、これを可能にするために適切な調整を行うことができる。これは、1:1:2:4:8などの比によるインダクタンスを有するインダクタが使用され得る上で説明されている変更形態に、特に、ただし排他的にではなく、適用される。たとえば、寄生インダクタンスを考慮するように適切な調整が行われ得る。
【0315】
図8から図11に示されている実施形態のさらなる変更形態または上で説明されているそれらの変更形態において、第2のインダクタ309(任意の関連付けられているバイパス回路310とともに)ならびに第1の分岐5および第2の分岐6を含む並列接続の(電気的な意味での)位置は、第2のインダクタ309がキャパシタ1と、第1の分岐5および第2の分岐6を含む並列接続との間に接続されるように反転され得る。これは、また、追加インダクタにも適用され得る。重要なのは、そのような変更形態により、キャパシタ1、第1の分岐5および第2の分岐6を含む並列接続、第1のインダクタ2、第2のインダクタ309、および任意の追加インダクタ(インダクタ311など)が直列に接続されることである。
【0316】
図12は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。この方法の開始390の後、図8から図11またはそれらの変更形態を参照しつつ上で説明されている装置のいずれか1つが提供される(391)。次いで、電気エネルギーが蓄電デバイス、特にキャパシタ1に蓄えられる(392)。その後、スイッチングデバイス3、特にサイリスタ3は、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(393)、蓄電デバイス1を第1のインダクタ2に電気的に接続する。これは、蓄電デバイス1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、第2のインダクタ309(バイパスされていない場合)を通って、第1のインダクタ2を通り、該当する場合に、追加インダクタ311(バイパスされていない場合)などの任意の追加インダクタを通って流れ、それによって第1のインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第1の半パルスまたは半波を表し得る。第1の半パルスまたは半波の終わりに、電流は、次いで、電気部品または電気部品アセンブリ4を介して第2の分岐6を通り蓄電デバイス1と第1のインダクタ2との間に流れることを可能にされる(394)(さらにはバイパスされていない場合に、第1および任意の追加インダクタ309、311を介して)。この電流の流れは、第2の半パルスまたは半波を表し得る。第2の半パルスまたは半波の終わりに、この方法は終了するものとしてよい(395)。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、スイッチングデバイスまたはサイリスタ3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(393)。電気エネルギーは、ここでもまた、蓄電デバイス1に蓄えられ得る(392)。特に、キャパシタ1は、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、その初期充電状態まで再充電され得る。
【0317】
図13は、本開示の一実施形態による、第1のインダクタ2を通る電流が時間に関してプロットされた図を示している。結果として図13の線図として示され得る回路は、図9に示されている回路であり得、それによって、追加スイッチングデバイス310は、最初に、すなわち、第1の半パルスの間(したがって第1のインダクタ2を流れる電流が第2のインダクタ309にも流れる)開いている。第1の半パルスの終わりに、追加スイッチングデバイス310は、第2のインダクタ309を短絡するかまたはバイパスするように閉じられる。図13に示されている第1の半パルスは、第2の半パルスに比べて第1のインダクタ2を通る電流のより遅い立ち上がりおよび立ち下がりを示している。これは、第1の半パルスにおける総インダクタンス(総インダクタンス=第1のインダクタ2のインダクタンス+第2のインダクタ309のインダクタンス)が、第2の半パルスの総インダクタンス(総インダクタンス=第1のインダクタ2のインダクタンス)を比較したときに高いことに起因する。
【0318】
図14は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図14に示されている回路図は、図2に示されている回路図に類似している。したがって、図2に示されているデバイスに関する上記の説明は、図14に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図14に示されている素子が図2に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2と同じ参照符号を付けられる。図14に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、400だけ増やされる。
【0319】
図2に示されている実施形態とは対照的に、第2の分岐6は、第1の分岐5の一部を(も)形成しない追加のインダクタを含まない。その代わりに、図14に示されている回路は、可変キャパシタンスを有するキャパシタ401を--図2がキャパシタ1(図2では、このキャパシタ1は可変キャパシタンスを有するものとして指定されていない)を有する回路内の同じ位置に--含む。
【0320】
キャパシタ401は、原理上、可変キャパシタンスを有する任意のタイプのキャパシタ(要するに、可変キャパシタ)であってよい。図14でキャパシタ401に使用されている記号は、典型的には、ある特定のタイプの可変キャパシタにのみ使用され得るが、この記号は、機械的に制御される可変キャパシタおよび電気的に制御される可変キャパシタを含む、任意のタイプの可変キャパシタを表すことを意図されていることは理解されるべきである。
【0321】
キャパシタ401は、単一のキャパシタであるが、それでもキャパシタ配置構成部420とみなされ得る。複数のキャパシタを含むキャパシタ配置構成部のさらなる例は、図15から図18を参照しつつ説明される。
【0322】
図14のキャパシタ401のキャパシタンスが変化するときに、これはキャパシタ401が一部を構成する共振回路、すなわち、キャパシタ401、(第1の)インダクタ2、およびこれらを接続する接続回路(分岐5および/または6)を含む共振回路の共振周波数を変化させる。したがって、図14の回路がパルス方式で作動される場合、パルス持続時間も同様に変化する。
【0323】
図15は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図15に示される実施形態は、図14に示されている実施形態に類似しており、図14に関連して提示される同じ説明は、図15に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図15は、それに加えて、キャパシタ401に並列に接続されている追加キャパシタ421を示している。したがって、図15のキャパシタ配置構成部420は、キャパシタ401および421を含む。図15のキャパシタ配置構成部420の(総)キャパシタンスは、キャパシタ401と421の(個別の)キャパシタンスの和に対応する(または類似している)。
【0324】
キャパシタ421は、可変キャパシタとして示されており、キャパシタ401に使用される記号に関する上記のコメントは、キャパシタ421にも適用される。しかしながら、追加キャパシタ421は、必ずしも可変キャパシタンスを有する必要はない--固定キャパシタンスを持つこともあり得る。
【0325】
キャパシタ401および/またはキャパシタ421のキャパシタンスを変化させると、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスが変化し、したがって、キャパシタ配置構成部420が一部を形成する共振回路の共振周波数も変化する。
【0326】
図15に示されている実施形態の変更形態において、追加キャパシタ、特に、可変キャパシタンスを有するキャパシタが、それに加えて設けられ、キャパシタ401に並列に接続され得る。
【0327】
図16は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図16に示される実施形態は、図15に示されている実施形態に類似しており、図15に関連して提示される同じ説明は、図16に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図16は、それに加えて、追加キャパシタ421と直列に接続された追加スイッチまたはスイッチングデバイス422を示している。追加スイッチングデバイス422は、追加キャパシタ421とキャパシタ401との間の電気的接続を選択的に確立するかまたは遮断する。追加スイッチングデバイス422が閉状態(または導通状態)であるときに、追加キャパシタ421は、キャパシタ401に並列に接続され、図16のキャパシタ配置構成部420の(総)キャパシタンスは、キャパシタ401および421の(個別の)キャパシタンスの和に対応する(または類似する)。追加スイッチングデバイス422が開状態(または非導通状態)であるときに、図16のキャパシタ配置構成部420の(総)キャパシタンスは、キャパシタ401の(個別の)キャパシタンスに対応する(または類似する)--追加キャパシタ421が存在しないかのように。このようにして、追加スイッチングデバイス422を開くかまたは閉じる(または選択的に非導通状態または導通状態にする)ことによって、キャパシタ配置構成部420が一部を形成する共振回路の共振周波数が変化させられ得る。
【0328】
この実施形態において、追加キャパシタ421は、(図示されているような)固定キャパシタンスを有し得るか、または代替的に可変キャパシタンスを有し得る。さらに、一変更形態において、回路内の追加キャパシタおよび追加スイッチングデバイス422の位置がスワップされ、それにより追加スイッチングデバイス422が追加キャパシタ421とグランドとの間に留置される。電気的には、これは有意な違いとはならず、したがって、この変更形態は図16に示す実施形態と同等であると考えられる。
【0329】
図16の実施形態において、キャパシタ401の(最大)キャパシタンスと追加キャパシタ421の(最大)キャパシタンスが同じになるように選択される場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、キャパシタ401の最小キャパシタンスからキャパシタ401および421の(最大)キャパシタンスの和までの範囲にわたって変化させることができる。たとえば、キャパシタ401が0μFから100μFの間で調整され得、キャパシタ421が100μFの(固定)キャパシタンスを有する場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、スイッチングデバイス422が開状態である(または非導通状態の)ときには0μFから100μFの間で、スイッチングデバイス422が閉状態である(または導通状態である)ときには100μFから200μFの間で変化することができる。キャパシタ401が0μFと100μFとの間で連続的に可変である場合、この例のキャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、0μFと200μFとの間で連続的に変化することができる。
【0330】
別の例では、キャパシタ401が0μFから100μFの間で調整され得、キャパシタ421が300μFの(固定)キャパシタンスを有する場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、スイッチングデバイス422が開状態である(または非導通状態の)ときには0μFから100μFの間で、スイッチングデバイス422が閉状態である(または導通状態である)ときには300μFから400μFの間で変化することができる。
【0331】
図17は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図17に示される実施形態は、図16に示されている実施形態に類似しており、図16に関連して提示される同じ説明は、図17に示されている実施形態にも当てはまる。類似の部品は、類似の参照符号を付けられている。図17は、それに加えて、キャパシタ401に並列に(および追加キャパシタ421に並列に)接続されている(なおも)追加キャパシタ423を示している。したがって、図17のキャパシタ配置構成部420は、キャパシタ401、421、および423を含む。図17は、また、追加キャパシタ423と直列に接続された(さらなる)追加スイッチまたはスイッチングデバイス424を示している。追加スイッチングデバイス424は、追加キャパシタ423とキャパシタ401(と追加キャパシタ421)との間の電気的接続を選択的に確立するかまたは遮断する。追加スイッチングデバイス422および424が閉状態(または導通状態)ときに、追加キャパシタ421および423は、キャパシタ401に並列に接続され、図17のキャパシタ配置構成部420の(総)キャパシタンスは、キャパシタ401、421、および423の(個別の)キャパシタンスの和に対応する(または類似する)。追加スイッチングデバイス422および424が開状態(または非導通状態)のときに、図17のキャパシタ配置構成部420の(総)キャパシタンスは、キャパシタ401の(個別の)キャパシタンスに対応(または類似)する(追加キャパシタ421および423が存在しないかのように)。同じことが、必要な変更を加えて、スイッチングデバイス422および424のうちの一方のみが閉状態(または導通状態)であり、他方が開状態(または非導通状態)である場合にも当てはまる。このようにして、追加スイッチングデバイス422および/または424を選択的に開くかまたは閉じる(または選択的に非導通状態または導通状態にする)ことによって、キャパシタ配置構成部420が一部を形成する共振回路の共振周波数が変化させられ得る。
【0332】
さらなる変更形態によれば、キャパシタ配置構成部420は、なおも追加キャパシタを追加し、これらをキャパシタ401に並列に接続することによって拡張され得る。これらのなおもさらに別のキャパシタは、可変キャパシタンスまたは固定キャパシタンスを有するものとしてよい。それに加えて、図17に示したものと同様に、なおも追加スイッチングデバイスが、なおも追加キャパシタと直列に接続され得る。
【0333】
この変更形態のさらなる展開において、キャパシタのうちの1つ(キャパシタ401)のみが可変キャパシタンスを有する(図17に示されているものと同様に)が、なおも追加キャパシタ(およびそれらの関連付けられたなおも追加スイッチングデバイス)がキャパシタ401に並列に接続されている。それにもかかわらず、キャパシタ401の(最大)キャパシタンスおよび追加キャパシタ421および423ならびに追加キャパシタのキャパシタンスを適切に選択することによって、キャパシタ配置構成部の総キャパシタンス、およびしたがって共振回路の総キャパシタンス(したがって共振回路の共振周波数も)を比較的広い範囲にわたって、特に小さなステップで、または(実質的に)連続的に調整可能であり得る。キャパシタ401の(最大)キャパシタンスC1ならびに追加キャパシタ421および423およびなおも追加キャパシタのキャパシタンスC2、C3(Cm、ここでm=4、5、6、…)が、1:1:2:4:8などの比に従って選択される場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスの最低値は、追加スイッチングデバイス422、424およびなおも追加スイッチングデバイスのすべてが開状態または非導通状態であり、キャパシタ401の可変キャパシタンスC1が最小値C1minに調整される場合に、達成され得る。次いで、キャパシタ401の可変キャパシタンスC1をその調整可能範囲にわたって最大値C1maxまで調整することによって、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、C1minからC1maxまで調整され得る。追加スイッチングデバイス422(のみ)が閉状態または導通状態である(すべての他の(なおも)追加スイッチングデバイス424などが開状態または非導通状態である)場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、キャパシタ401の可変キャパシタンスC1をその調整可能範囲にわたって調整することによってC2+C1minからC2+C1maxまで調整され得る。キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスの次の調整可能範囲は、追加スイッチングデバイス424が閉状態または導通状態であること、およびスイッチングデバイス422およびすべての他のなおも追加スイッチングデバイスが開状態または非導通状態であることによって達成され得る。相対的キャパシタンスが上記の比に従って選択され、さらに、キャパシタ401の可変キャパシタンスC1が実質的にゼロ(C1min=0μF)まで調整され得ると仮定した場合、キャパシタ配置構成部420の総キャパシタンスは、実質的に0μFから、キャパシタ配置構成部420のすべてのキャパシタンスの和、すなわちC1max+C2+C3+C4などに対応する最大総キャパシタンスまで(離散的なステップまたは実質的に連続的に)調整され得る。
【0334】
図14から図17を参照しつつ説明されている実施形態またはそれらの変更形態のいずれかに基づくことができる、さらなる変更形態によれば、追加インダクタ(該当する場合、関連付けられたバイパス回路とともに)、それに加えて、図2から図4またはそれらの変更形態を参照しつつ説明されているように、第1の分岐5または第2の分岐6に含まれ、および/または図8から図10またはそれらの変更形態を参照しつつ説明されているように、第1のインダクタ2と直列であり得る。
【0335】
図18は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図17に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図17に示されている充電回路は、図18には示されていない。その代わりに、図18は、ハウジングまたはキャビネット16(キャビネット16に収容される電気部品および回路から電気的に絶縁される)内に組み込まれたキャパシタ配置構成部420ならびに第1および第2の分岐5および6を示している。外部の充電回路に接続するための端子19が、キャパシタ配置構成部420を充電することを目的としてキャビネット16に設けられている。一変更形態において、たとえば、図17に示されているような充電回路は、キャビネット16にも組み込まれ得る。
【0336】
キャビネット16は、2つの追加端子17および18を設けられる。端子17は、第1の分岐5および第2の分岐6に接続され、端子18は、共通のグランド電位に接続される。図18に示されている実施形態において、端子18は、キャビネット16内を走る線を介してキャパシタ配置構成部420に対するグランド接続に接続されている。
【0337】
図18は、キャビネット16およびその内容とは別個の実体としての第1のインダクタ2を示している。第1のインダクタ2は、ケーシング13内に収容され、ケーシング13はコンジット管14に取り付けられている。コンジット管14はケーブル15を収容し、このケーブル15は第1のインダクタ2、特にインダクタ2の少なくとも一組の巻きに電気的に接続され、破線で示されているように端子17に接続され得る。図18に示されている実施形態では、インダクタ2は、第2のケーブルを介して、キャビネット16のグランド端子18にも接続され得る。
【0338】
図18に示されている実施形態の一変更形態として、第1のインダクタ2は、別個の線を介して、すなわちキャビネット16を介さずに、グランドに接続されることも可能であろう。この場合、グランド端子18およびグランドへの内部接続は省かれ得る。
【0339】
さらなる変更形態では、図18に示されている実施形態の特徴は、図14から図16に示されている実施形態、または本明細書において説明されている任意の変更形態の特徴と組み合わされ得る。さらに、上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、グランドへの任意のまたはすべての接続が省かれ、回路の異なる部分の間の電気的接続によって置き換えられ得る。たとえば、図14から図17において、グランドへの3つの接続(図の底部に向かう三角形)は、キャパシタ配置構成部420のキャパシタ(の図14から図17における下側)、第1のインダクタ2、および電圧源7が電気的に接続されるように相互接続によって置き換えられ得る。
【0340】
上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、個別の部品の極性は反転されるものとしてよく、それにより、たとえば、電圧源7の負端子は、スイッチングデバイス8を介して、第1の分岐5、第2の分岐6、およびキャパシタ配置構成部420に接続される。次いで、サイリスタ3およびダイオード4の極性も反転されるであろう。さらに、すでに述べたように、発明者は、本発明に関して説明されている部品および相互接続が、電気的な意味で「理想的」でないことを理解している。本開示により使用可能にされていれば、当業者は、これを可能にするために適切な調整を行うことができる。これは、1:1:2:4:8などの比によるキャパシタンスを有するキャパシタが使用され得る上で説明されている変更形態に、特に、ただし排他的にではなく、適用される。たとえば、寄生キャパシタンスを考慮するように適切な調整が行われ得る。
【0341】
図19は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。この方法の開始490の後、図14から図18またはそれらの変更形態を参照しつつ上で説明されている装置のいずれか1つが提供される(491)。次いで、電気エネルギーがキャパシタ配置構成部420、特にキャパシタ401に蓄えられる(492)。その後、スイッチングデバイス3、特にサイリスタ3は、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(493)、キャパシタ配置構成部420を第1のインダクタ2に電気的に接続する。これは、キャパシタ配置構成部420によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、第1のインダクタ2を通って流れ、それによって第1のインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第1の半パルスまたは半波を表し得る。第1の半パルスまたは半波の終わりに、電流は、次いで、電気部品または電気部品アセンブリ4を介して第2の分岐6を通りキャパシタ配置構成部420と第1のインダクタ2との間に流れることを可能にされる(494)。この電流の流れは、第2の半パルスまたは半波を表し得る。第2の半パルスまたは半波の終わりに、この方法は終了するものとしてよい(495)。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、スイッチングデバイスまたはサイリスタ3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(493)。電気エネルギーは、ここでもまた、キャパシタ配置構成部420に蓄えられ得る(492)。特に、キャパシタ配置構成部420は、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、その初期充電状態まで再充電され得る。
【0342】
任意選択の追加ステップ(図19には示されていない)として、キャパシタ配置構成部420のキャパシタンスは、上で説明されているように、第1もしくは第2の半パルスの間、または第1の半パルスと第2の半パルスとの間、または第1の(完全)パルスと次のパルスとの間のいずれかで変化することができる。
【0343】
図20は、本開示の一実施形態による、第1のインダクタ2を通る電流が時間に関してプロットされた図を示している。結果として図20の線図として示され得る回路は、図14に示されている回路であり得、それによって、キャパシタ401のキャパシタンスは、最初に、すなわち第1の半パルス430の間に、第1のキャパシタンス値を取り得る。第1の半パルス430は、対応する第1の持続時間を有する。第1の半パルス430の終わりに、キャパシタ401のキャパシタンスは、最初のキャパシタンス値よりも低い、第2のキャパシタンス値に変更される。これは、キャパシタ401が一部を構成する共振回路の共振周波数を高める。したがって、第2の半パルス431は、(第1の半パルス430の)第1の持続時間よりも短い、第2の持続時間を有する。
【0344】
図21は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図21に示されている回路図は、図2および他の図に示されている回路図に類似している。したがって、図2(および他の図)に示されているデバイスに関する上記の説明は、図21に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図21に示されている素子が図2および他の図に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2(および他の図)と同じ参照符号を付けられる。図21に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、500だけ増やされる。
【0345】
図2に示されている実施形態とは対照的に、図21の第2の分岐6は、第1の分岐5の一部を(も)形成しない追加のインダクタを含まない。さらに、図2の実施形態の第2の分岐6がダイオードなどの電気部品4を含んでいたが、図21の実施形態は、第2の分岐においてスパークギャップ542および抵抗器543(スパークギャップ542と直列に接続されている)を含んでいる。それに加えて、スイッチングデバイス3は、オンに切り替えられる(または非導通状態から導通状態に移行する)だけでなく、オフに切り替えられる(または導通状態から非導通状態に移行する)ことができるタイプのスイッチングデバイスである。このために、(第1の)コントローラ540が設けられる。スイッチングデバイス3は、スイッチングデバイス3が所望の時点でオンおよびオフに切り替えられるようにコントローラ540によって制御される。特に、スイッチングデバイス3は、(図21に示されている回路がパルス方式で作動されると仮定して)第1の半パルスの終わりと一致しない時点でオフに切り替えられ得る。スイッチングデバイス3は、たとえば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、またはゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)を含み得る。コントローラ540は、アナログ回路またはマイクロコントローラを含み得る。
【0346】
次に、本開示の一実施形態による方法を例示すフローチャートを示す、図24をさらに参照しつつ、図21に示す回路の動作が、例として説明される。この動作は次のようなものとしてよい。方法の開始590の後、図21(または本明細書において説明されている任意の変更形態)に示されている回路に対応する回路を有する装置が提示される(591)。次いで、電気エネルギーがキャパシタ配置構成部420(図21においてキャパシタ1によって表される)に蓄えられる(592)。その後、第1の時点において、スイッチングデバイス3は、コントローラ540の制御の下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(593)、キャパシタ配置構成部420をインダクタ2に電気的に接続する。これは、キャパシタ配置構成部420によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、インダクタ2を通って流れ、それによってインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第1の半パルスまたは半波を表し得る。しかしながら、電流の流れは、選択された第2の時点で中断され得る。このために、第1の時点において、スイッチングデバイス3は、コントローラ540の制御の下で、非導通状態または「OFF」状態に切り替えられ(594)、キャパシタ配置構成部420をインダクタ2から電気的に切断する。第2の時点は、たとえば、第1の半パルスの間にあるものとしてよい。
【0347】
スイッチングデバイス3が非導通状態である場合、電流は、スイッチングデバイス3を通って流れることがもはやなくなり得る。しかしながら、(インダクタ2によって)すでに発生した磁場は、その減衰に抵抗する、すなわち、電流はインダクタ2を通って流れ続け、その結果、第1および第2の分岐5、6に(比較的高い)電圧をかける。最終的に、この電圧は、スパークギャップ542が導通状態(595)になることを引き起こすのに十分に高く、それによって、電流が抵抗器543およびスパークギャップ542を介して第2の分岐6を通りキャパシタ配置構成部420とインダクタ2との間に流れることを可能にする。磁場に蓄えられたエネルギーは、次いで、少なくとも部分的に抵抗器543内に散逸される。この方法は、次いで、終了する(596)ものとしてよい。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、スイッチングデバイス3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(593)。電気エネルギーは、ここでもまた、キャパシタ配置構成部420に蓄えられ得る(592)。特に、キャパシタ配置構成部420は、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、その初期充電状態まで再充電され得る。
【0348】
図21および図24を参照する上記の説明により、スパークギャップ542は、特に、スイッチングデバイス3が損傷を受けるかまたは破壊されるであろう電圧U3よりも低い、電圧U2で導通状態になるように形成された場合、損傷または破壊からスイッチングデバイス3を保護し得る。他方で、スパークギャップ542は、キャパシタ配置構成部420が充電される(べきである)電圧U1ですでに導通状態になっているべきではない。
【0349】
(特に例示されていない)変更形態において、スパークギャップ542の代わりに、他の電気回路素子(そのいくつかは受動回路素子として通常分類される)、特に過渡電圧抑制ダイオード、ツェナーダイオード、ショックレーダイオード、交流用三極管(TRIAC)、またはサイリスタが、特にサイリスタをトリガーするために第2の分岐に接続された、または第2の分岐の一部を形成するトリガー回路と組み合わせて使用され得る。
【0350】
図22は、図21の実施形態の一変更形態を例示している。スパークギャップ542の代わりに、能動電気回路素子503または回路素子の配置構成が第2の分岐6に含まれ、特にアナログ回路またはマイクロコントローラによって制御される(またはアナログ回路またはマイクロコントローラを含む第2のコントローラ541によって制御される)スイッチング素子503が含まれる。コントローラ541を使用することで、電気回路素子503が第2の分岐6内の2つの端子に印加される電圧に応じて単に導通状態になるかまたは非導通状態になることを許されるのではなくむしろ、使用者が電気回路素子503を能動的に制御することができる。
【0351】
図23は、図22の実施形態のさらなる展開を例示している。図23の実施形態において、装置は、第1のコントローラ540および第2のコントローラ541を制御するための制御ユニット544を備える。このため、制御ユニット544は、第1および第2のコントローラ540、541に接続されている(破線で示されている)。このようにして、スイッチングデバイス3および/またはスイッチング素子503が非導通状態から導通状態に、またその逆に、切り替えられる任意の時点、いくつかの時点、またはすべての時点は、制御ユニット544を介して制御され得る。特に、スイッチングデバイス3をオンおよびオフに切り替えるための第1および/または第2の時点は、制御ユニット544を介して選択され得る。同様に、スイッチング素子503をオンおよびオフに切り替えるための第3および/または第4の時点は、制御ユニット544を介して選択され得る。
【0352】
使用者が第1から第4の時点のいずれかを選択することを可能にするために、制御ユニット544は、1つまたは複数のダイヤル545および/またはタッチスクリーン546などの任意の他の(ユーザ)インターフェースを有し得る。制御ユニット544は、プロセッサ/メモリ547をさらに備え得る。
【0353】
一変更形態(特に例示されず)では、制御ユニット544は、これらを制御するために、スイッチングデバイス3および/またはスイッチング素子503に直接接続され、この場合、コントローラ540および/または541は省かれ得る。
【0354】
さらなる変更形態(特に例示されていない)において、装置は、第1の分岐5におけるスイッチングデバイス3の端子間の電圧および/または第2の分岐6におけるスイッチング素子503の端子間の電圧などの、測定を図23に示されている回路内の1つまたは複数の場所で行うための1つまたは複数の検出器をさらに有し得る。これらの測定値は、制御ユニット544に伝達され得る。行われた測定に応じて、制御ユニット544は、たとえば、スイッチングデバイス3および/またはスイッチング素子503などの、回路の任意の素子を損傷または破壊から保護するために、第1から第4の時点のいずれかを設定することができる。
【0355】
図23は、回路のさらなる展開を示す。このさらなる展開は、検出器548を含む。検出器548は、身体組織--図23においてヒトの腕551で表されている--における神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を検出することを意図されているが、検出器548は、ヒトまたは動物の任意の他の身体部分に関して使用され得る。検出器548は、破線で示されているように、制御ユニット544にも接続される。このさらなる展開の動作は、図25をさらに参照しつつ説明される。
【0356】
図25は、インダクタ2を通る電流(I)が時間(t)にわたってプロットされた複数の曲線を示している。曲線549は、正弦関数の形状に従い、第1の半パルスの間に理想的条件下で図1のインダクタ102を通る電流を表している。したがって、これは、スイッチングデバイス3が第1の半パルスの間に非導通状態に切り替えられなかった場合(すなわち、第2の時点が第1の半パルスの終わりの前でなかった場合)、図23のインダクタ2を流れる電流も表している。
【0357】
インダクタ2が身体組織551に印加されたときに、上で説明されているように、インダクタ2によって発生した磁場は、身体組織内に電流を生じさせる。身体組織内のこの電流は、レベルが(著しく)低下し位相がずれているにもかかわらず、インダクタ2を通る電流と同じ形状を少なくとも近似的に従う。したがって、身体組織内の電流は、インダクタ2を通る電流に(近似的に)比例している(ただし位相はずれている)とみなされ得る。
【0358】
図25は、550aから550dの4つの追加の曲線を示している。これらは、それぞれ「第2の時点」t1からt4において、スイッチングデバイス3が第1の半パルスの終わりの前に非導通状態に切り替えられた場合のインダクタ2を通る電流を示している。「第1の時点」は、グラフの原点に対応する。各場合において、スイッチングデバイス3が非導通状態に切り替わる結果、電流は比較的急に低下する。すなわち、最初に、インダクタ2を通る電流は--第1の時点(すなわち原点)の後、スイッチングデバイス3が導通状態に切り替えられたとき--正弦波形状549に従う。「第2の時点」t1からt4の後、電流は、それぞれ、曲線550aから550dに沿って続く。これらのさらなる曲線550aから550dは、したがって、スイッチングデバイス3がいつ非導通状態に切り替えられるかに応じて、異なるシナリオを表している。
【0359】
曲線550aから550cの場合、電流は、それぞれ、I1からI3の最大値に達する。第2の時点を、特に第1の1/4パルス内(すなわち、正弦波形状549の最大値に対応する時間まで)で、変化させることによって、(インダクタ2を通り、また身体組織内でも)到達する最大電流も変化させることができる。
【0360】
すでに述べているように、検出器548は、神経反応または細胞生理学的反応、特に身体組織内の筋肉反応を検出することを意図されている。身体組織内の電流が十分に低い場合、検出器548は、任意の神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応を検出しない。図25に示されているグラフを見ると、これは、第1の時点(原点)と第2の時点(たとえばt1)との間の時間間隔が非常に短い状況に対応するであろう。時間間隔を長くすることによって、身体組織内の電流も増大し、最終的に、神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応が検出器548によって検出される。たとえば、時間間隔がt2で終了する場合に神経反応または細胞生理学的反応(筋肉反応ではない)が検出されることもあり得、時間間隔がt3で終了する場合に筋肉反応が検出されることになる。
【0361】
検出結果、すなわち検出器548によって神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応が検出されたかどうかは、検出器548から制御ユニット544、特にプロセッサ/メモリ547に伝送され得る。プロセッサ/メモリ547は、この情報、さらには神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応が検出され得る(最短の)時間間隔を決定するために、適用可能な時間間隔(または第2の時点)に関する情報を処理することができる。
【0362】
曲線550dは、t4が第2の1/4パルス内にある、すなわちt4の前に(正弦関数549による)最大電流にすでに到達してしまっているので、神経反応または細胞生理学的反応、特に筋肉反応が検出され得る(最短の)時間間隔を決定するためにはあまり有用ではない。
【0363】
さらなる変更形態では、図21から図23に示されている実施形態の特徴は、図2から図4図8から図10図14から図17に示されている実施形態、または本明細書において説明されている任意の変更形態の特徴と組み合わされ得る。さらに、上記の実施形態または変更形態のいずれも、図5図11および図18に示され、これらに関して説明されているものと同様の方式で適合され得て、特に、図21から図23による装置を提供するが、この装置に、それぞれインダクタ2および/または外部充電回路と接続するための端子17、18および/または19を設ける。
【0364】
上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、個別の部品の極性は反転されるものとしてよく、それにより、たとえば、電圧源7の負端子は、スイッチングデバイス8を介して、第1の分岐5、第2の分岐6、およびキャパシタ配置構成部420に接続される。
【0365】
図26は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図26に示されている回路図は、図2に示されている回路図に類似している。したがって、図2に示されているデバイスに関する上記の説明は、図26に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図26に示されている素子が図2に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2と同じ参照符号を付けられる。図26に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、600だけ増やされる。
【0366】
図2に示されている実施形態とは対照的に、第1のインダクタ2は、第1の分岐5に接続されるか、またはその一部を形成するが、第2の分岐6には接続されることも、その一部を形成することもない。同様に、第2のインダクタ609が設けられており、これは、第2の分岐6に接続されるか、またはその一部を形成するが、第1の分岐5には接続されることも、その一部を形成することもない。2つの分岐5、6は、両方とも蓄電デバイス1(ここでもまたキャパシタ1によって表される)に接続されること、および両方とも共通のグランド電位(図の下に向かう小さな三角形)に接続されていることを除き、実質的に分離している。
【0367】
第1の分岐5も、スイッチングデバイス3を含み、スイッチングデバイスの可能なタイプに関する上記の説明は、図26の実施形態にも適用される。第2の分岐6も、スイッチングデバイス603を含み、スイッチングデバイスの可能なタイプに関する上記の説明は、スイッチングデバイス603にも適用される。第1および第2のスイッチングデバイス3、603は、同じタイプであり得るか、または異なるタイプであり得る。図26において、一例として、第1のスイッチングデバイス3および第2のスイッチングデバイス603は、サイリスタとして示されている。第1のスイッチングデバイス3の極性は、電流が実質的に一方向のみに流れることを許すような極性であり、これは蓄電デバイス1に関する電流の流れの第1の電流方向を表している。第2のスイッチングデバイス603の極性は、電流が実質的に一方向のみに流れることを許すような極性であり、これは蓄電デバイス1に関する電流の流れの第2の電流方向を表している。蓄電デバイス1に関する電流の流れの第2の電流方向は、第1の電流方向と反対である。
【0368】
次に、図26に示されている回路の動作は、一例として、図30および図31をさらに参照しつつ説明される。図30は、第1のインダクタ2および第2のインダクタ609を通る電流(I)が時間(t)にわたってプロットされたグラフを示している。図30のグラフは、蓄電デバイス1と、第1および第2の分岐5、6が接続される地点との間の電流とみなされ得る。図31は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。この動作は次のようなものとしてよい。方法の開始690の後、図26(または本明細書において説明されている任意の変更形態)に示されている回路に対応する回路を有する装置が提示される(691)。電気エネルギーは、次いで、蓄電デバイス1に蓄えられる(692)。その後、第1の時点t1で、スイッチングデバイス3が、たとえば好適なコントローラ(他の実施形態に関して本明細書において説明されているコントローラなど)の制御下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(693)、蓄電デバイス1を第1のインダクタ2に電気的に接続する。これは、蓄電デバイス1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、第1のインダクタ2を通って流れ、それによって第1のインダクタ2が第1の磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第1の半パルスまたは半波620を表し得る。
【0369】
第1の半パルス620の終わりに、すなわち第2の時点t2において、第1のインダクタ2によって発生する第1の磁場は、実質的にゼロまで減少しており、蓄電デバイス1は、初期状態(t1の直前)と比較したときに反対極性であるが、最大の電荷に達している。t2におけるこの最大電荷の絶対値は、初期最大電荷の絶対値(t1の直前)よりもいくぶん低い場合がある。
【0370】
第3の時点t3で、スイッチングデバイス603は、たとえば好適なコントローラ(他の実施形態に関して本明細書において説明されているコントローラなど)の制御下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(694)、蓄電デバイス1を第2のインダクタ609に電気的に接続する。これは、蓄電デバイス1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第2の分岐6を通り、第2のインダクタ609を通って流れ、それによって第2のインダクタ609が第2の磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、第2の半パルスまたは半波630を表し得る。
【0371】
第2の半パルス630の終わりに、すなわち第4の時点t4において、第2のインダクタ2によって発生する第2の磁場は、実質的にゼロまで減少しており、蓄電デバイス1は、t1の直前の初期状態とときと同じ極性の最大の電荷に達している(t1とt4との間で装置内にエネルギーのある程度の損失が発生していると仮定して、いくぶん低下したレベルであっても)。この方法は、次いで、終了する(695)ものとしてよい。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、第1のスイッチングデバイス3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(693)。電気エネルギーは、ここでもまた、蓄電デバイス1に蓄えられ得る(692)。特に、キャパシタ1は、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、その初期充電状態まで再充電され得る。
【0372】
上記の説明から理解されるように、図30に示されている2つの半パルス620、630は、それぞれ、異なるインダクタ2、609に関係している。電流が第1のインダクタ2を通りt1とt2との間に流れる間、第2のインダクタ609には(実質的に)電流が流れない。電流が第2のインダクタ609を通りt3とt4との間に流れる間、第1のインダクタ2には(実質的に)電流が流れない。さらに、図30および上記の説明から、t2とt3との間の遅延は、特に実質的に自由に、特に使用者または製造者によって選択され得ることが理解されるであろう。特に、t2とt3との間の遅延は、t1とt2との間の時間間隔よりも長いか、または短いか、または同じ持続時間であってもよい。2つの時点t2およびt3は、また、(実質的に)一致するように選択され得る。
【0373】
また、理解されるように、第1および第2のインダクタ2、609のそれぞれの第1および第2のインダクタンスは、同じであるか、または同じでなくてもよい。図30の例において、第2のインダクタ609の第2のインダクタンスは、第1のインダクタ2の第1のインダクタンスより小さい。したがって、t3とt4との間の時間は、t1とt2との間の時間よりも短い。
【0374】
図27は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図26に示されている実施形態に密接に基づく。図27は、キャパシタ1、電気エネルギー源7およびスイッチングデバイス8を含む充電回路、さらには(キャビネット16によって収容される電気部品および回路から電気的に絶縁された)ハウジングまたはキャビネット16に組み込まれた第1および第2のスイッチングデバイス3、603を有する第1および第2の分岐5および6の(一部)を示す。第1のインダクタ2は、第1のケーシング13内に収容されている。第2のインダクタ609は、第2のケーシング613内に収容されている。第1のケーシング13は、第2のケーシング613から独立して移動可能である。両方とも、キャビネット16に関して移動可能であり、フレキシブルケーブルによって回路の残り部分に電気的に接続され得る。
【0375】
図28は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図27に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図27の実施形態とは対照的に、両方のインダクタ2、609は、同じケーシング13内に収容され、したがって互いに関して移動可能ではない。ケーシング13は、キャビネット16に関して移動可能であってよい。第1および第2のインダクタ2、609は、ここでもまた、フレキシブルケーブルによって回路の残り部分に電気的に接続され得る。ケーブルは、たとえば、単一のコンジット管(図示せず)内に配置構成され得る。
【0376】
図29は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図28に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図28の実施形態とは対照的に、第1および第2のインダクタ2、609、さらにはそれらが収容されるケーシング13は、キャビネット16に接続するための別個のユニットとして提供される。このために、キャビネット16は、多数の端子を設けられる。図29に示されている例では、そのような端子が4つあり、これらは第1のインダクタ2に電気的に接続するための端子17、18、および第2のインダクタ609に電気的に接続するための端子617、618である。第1および第2のインダクタ2、609ならびに第1および第2のインダクタ2、609を回路の残り部分に接続する任意のケーブル15の構造に応じて、異なる数の端子がキャビネット16上に設けられてもよい。図29は、また、ケーブル15が配置構成され得るコンジット管14を示している。
【0377】
キャビネット16内において、端子17が第1のスイッチングデバイス3に接続され、端子18がキャビネット16内を走る線を介してキャパシタ1のグランド接続に接続されている。同様に、端子617は第2のスイッチングデバイス603に接続され、端子618は、ここでもまた、キャパシタ1のグランド接続に接続される。
【0378】
図29は、同じケーシング13に収容された第1および第2のインダクタ2、609を示しているが、これらは、図27の実施形態と同様に、別個のケーシング内に収容され、互いに関して移動可能であってもよい。
【0379】
図27から図29の実施形態の変更形態において、充電回路(電気エネルギー源7およびスイッチングデバイス8を含む)またはその一部は、たとえば図5図11および図18に示されているように、別々に(すなわちキャビネット16内にではなく)設けられるものとしてよく、この場合、キャビネット16は、外部充電回路に接続するための追加端子19を設けられる。
【0380】
さらなる変更形態では、図26から図29に示されている実施形態の特徴は、図2から図5図8から図11図14から図18、および図21から図23に示されている実施形態、または本明細書において説明されている任意の変更形態の特徴と組み合わされ得る。
【0381】
図32は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図32に示されている回路図は、図2に示されている回路図に類似している。したがって、図2に示されているデバイスに関する上記の説明は、図32に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図32に示されている素子が図2に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2と同じ参照符号を付けられる。図32に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、700だけ増やされる。
【0382】
図2に示されている実施形態とは対照的に、図32の回路の第2の分岐6は、第1の分岐5の一部を(も)形成しない追加のインダクタを含まない。その代わりに、図32に示されている回路は、少なくとも1つのキャパシタ1を含むキャパシタ配置構成部420を充電するための充電回路765の一部として、第2の電圧源707と、関連付けられている、第2のスイッチまたはスイッチングデバイス708とを含む。図32において、キャパシタ配置構成部420は、ここでもまた、単一のキャパシタ1によって表されているが、他の実施形態に関して説明されているように、キャパシタ配置構成部420は、追加キャパシタを含み得る。充電回路765は、また、(第1の)電圧源7および関連付けられているスイッチまたはスイッチングデバイス8を含む。図32に示されている回路は、破線の矢印で示されているように、スイッチングデバイス3、8、703、および708を制御するための制御ユニット544をさらに備える。
【0383】
図32に例示されているように、第2の電圧源707は、その関連する第2のスイッチングデバイス708と共通のグランド接続(図の下部の小さな三角形)との間に接続されているが、第1の電圧源7と比較したときに極性は反対である。その結果、第1のスイッチングデバイス8が導通状態にあるとき(第2のスイッチングデバイス708が非導通状態にあるとき)に、第1の電圧源7は第1の極性でキャパシタ1を充電する。第2のスイッチングデバイス708が導通状態にある(および第1のスイッチングデバイス8が非導通状態にある)ときに、第2の電圧源707は、第1の極性とは反対の第2の極性でキャパシタ1を充電する。
【0384】
次に、図32に示されている回路の動作は、一例として、図36および図37をさらに参照しつつ説明される。図36は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。図37は、インダクタ2を通る電流(I)が時間(t)にわたってプロットされたグラフを示している。図37において、インダクタ2を通る電流は、第1の半パルス720および第2の半パルス730によって表される。インダクタ2を通る電流は、また、キャパシタ1に流れ/キャパシタ1から流れる。
【0385】
図37は、また、参照番号732を付けられた線によって表されるように、キャパシタ1にかかる電圧(U)を示している。
【0386】
図32の回路の動作は次のようなものとしてよい。方法の開始790の後に、図32に示されている回路に対応する回路を有する装置が提示されている(791)。次いで、第1の電圧源7は、キャパシタ1を第1の極性で充電する。このために、第1のスイッチングデバイス8は、第2のスイッチングデバイス708が非導通状態にある間に導通状態に切り替えられる。この初期充電プロセスは、図37には明示的に示されていないが、結果として、キャパシタ1にかかる電圧が図37の左端に示されるように+U1のレベルに達する。
【0387】
その後、第1の時点t1で、スイッチングデバイス3が、たとえば好適なコントローラ(他の実施形態に関して本明細書において説明されている制御ユニット544など)の制御下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(793)、蓄電デバイス1をインダクタ2に電気的に接続する。これは、キャパシタ1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第1の分岐5を通り、インダクタ2を通って流れ、それによってインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この電流の流れは、結果として第1の半パルスまたは半波720を引き起こす。このときに、第1および第2のスイッチングデバイス8、708は非導通状態にある。
【0388】
第1の半パルス720の終わりのところで、すなわち第2の時点t2において、インダクタ2によって発生した磁場は、実質的にゼロまで減少している。磁場に蓄えられたエネルギー(またはその大部分)は、キャパシタ1に戻されているので、キャパシタ1は、電圧U2に対応する一定レベルの電荷に達している。この電圧は、初期状態(t1の直前)と比較したときに反対極性の電圧である。それに加えて、t2における電圧の絶対値|-U2|は、回路内のエネルギー損失に起因して、初期最大電圧(t1の直前)の絶対値|+U1|よりもいくぶん低くなることが予想される。第2の半パルス730が、この段階で開始することを許された場合、これは、通常、第1の半パルス720よりも小さい大きさを有し、最終的に、磁場が印加される身体組織内で正味の電荷変位が生じることになる。
【0389】
この点を考慮して、本実施形態では、キャパシタ1を、第2の時点t2またはその前後から始めて、特に、初期電圧に対応する(が反対極性を有する)電圧まで(再)充電する(794)ことを企図している。このために、第2のスイッチングデバイス708は、第2の電圧源707をキャパシタ1に電気的に接続するように(第1のスイッチングデバイス8が非導通状態にある間に)導通状態に切り替えられる。この再充電プロセスは、図37の第2の時点t2と第3の時点t3との間に示されている。この時間間隔の間、キャパシタ1にかかる電圧の絶対値は、|-U2|から|-U1|に増大する。
【0390】
第3の時点t3で、スイッチングデバイス703が、たとえば好適なコントローラ(制御ユニット544など)の制御下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられ(795)、蓄電デバイス1をインダクタ2に電気的に接続する。これは、キャパシタ1によって蓄えられた電気エネルギーによって引き起こされる電流が、第2の分岐6を通ってインダクタ2に流れ、それによってインダクタ2が磁場を発生させることを引き起こす。この結果、第2の半パルスまたは半波730が得られる。このときに、第1および第2のスイッチングデバイス8、708は非導通状態にある。
【0391】
第2の半パルス730の終わりのところで、すなわち第4の時点t4において、インダクタ2によって発生した磁場は、実質的にゼロまで減少している。磁場に蓄えられたエネルギー(またはその大部分)は、キャパシタ1に戻されているので、キャパシタ1は、一定レベルの電荷または電圧に達している。この電圧は、t1直前の初期状態のときと同じ極性の電圧である(ここでもまた、t3とt4との間で装置内にエネルギーのある程度の損失が発生していると仮定して、いくぶん低下したレベルであっても)。この方法は、次いで、終了する(796)ものとしてよい。代替的に、この方法またはその一部は、繰り返され得る。特に、第1のスイッチングデバイス3は、ここでもまた、導通状態または「ON」状態などに切り替えられ得る(793)。キャパシタ1は、ここでもまた、たとえば装置内の電気エネルギーの散逸を補償するために、特にその初期充電状態まで再び充電され得る(792)。
【0392】
図37および上記の説明から理解されるように、t2とt3との間の遅延は、キャパシタ1が再充電されることを可能にするために、特に使用者または製造者によって選択され得る。この目的のために、制御ユニット544は、1つもしくは複数のダイヤル545、またはタッチスクリーン546などの他のユーザインターフェースを有し得る。
【0393】
図33は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図32に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、図33に示されている回路の第2の分岐6は、スイッチングデバイス703を含まず、代わりにダイオード4(または、主に順方向に電流を伝導する、または伝導するように配置構成された、他の電気部品または電気部品アセンブリ)を有する。特に図2の説明から理解されるように、ダイオード4は、制御ユニット544などのコントローラによって制御されるのではなくむしろ、第2の分岐6内でその2つの端子に印加される電圧に「反応」する。これは、第2の時点t2と第3の時点t3との間の遅延が非常に小さいか、またはこれら2つの時点が(実質的に)一致し得ることを意味する。これは、また、第1の半パルス720の終わりまたは第2の半パルス730の始まりもしくはその前後におけるキャパシタ1の(再)充電が、理想的には非常に短い間隔で行われることを意味する。これを達成するために、第2の電圧源707は、好ましくは、比較的高い出力電力を有する。
【0394】
図33は、制御ユニット544につながる実線の矢印を示している。この矢印は、制御ユニット544への入力を表すことを意図されている。たとえば、図33に示されている回路の一部分、たとえば第1のスイッチングデバイス8と第1の分岐5とを接続する線において優勢な電圧または他のパラメータは、制御ユニット544への入力として使用されるものとしてよく、これに基づき、制御ユニット544は、スイッチングデバイス3、8、708のいずれかが導通状態から非導通状態に、またはその逆方向に切り替えられるべき時点を決定し得る。
【0395】
図32または図33のいずれかの回路の変更形態において、制御ユニット544に加えるか、またはその代わりに、アナログ回路を使用して、スイッチングデバイス3、8、703、708の1つもしくは複数、特にすべてを、導通状態から非導通状態に、またはその逆に切り替えることが可能である。
【0396】
図34は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図32に示されている実施形態に類似している。しかしながら、図34の充電回路765は、第2の電圧源を含まない。その代わりに、単一の電圧源7を使用してキャパシタ1を第1および第2の極性で選択的に充電するためのスイッチング配置構成部760を有する。図示されている例では、ブリッジ回路、特にHブリッジ回路が使用され、これはスイッチングデバイス761から764を含む。スイッチングデバイス761および763が導通状態にあり、スイッチングデバイス762および764が非導通状態にあるときに、キャパシタ1は、電圧源7を使用して、第1の極性で充電され得る。スイッチングデバイス762および764が導通状態にあり、スイッチングデバイス761および763が非導通状態にあるときに、キャパシタ1は、電圧源7を使用して、第1の極性とは反対の第2の極性で充電され得る。
【0397】
スイッチングデバイス3、703および761から764は、ここでもまた、制御ユニット544などの好適なコントローラによって、および/またはアナログ回路(図34に図示されていない)によって、制御され得る。
【0398】
図34の充電回路765は、また、図33の実施形態に関して使用され得、それによって、ここでもまた、電圧源7は、第1の半パルス720の終わりまたは第2の半パルス730の始まりもしくはその前後における(再)充電時間を最小にするように比較的高い出力電力を有することが好ましいであろう。
【0399】
図35は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の充電回路765の回路図を概略として示している。図35の充電回路765は、図32および図33に示されている実施形態またはそれらの変更形態のいずれかの文脈においてこれらの図に示されている充電回路765に置き換えて使用することができる。図35では、充電回路765とキャパシタ1のみが示されており、第1および第2の分岐5、6は破線でのみ示されている。
【0400】
図35の充電回路765は、ここでもまた、第1および第2の電圧源7、707と、第1および第2のスイッチングデバイス8、708とを含む。それに加えて、充電回路765は、第2のスイッチングデバイス708と共通のグランド接続との間に直列に接続された補助キャパシタ701を含む。第2の電圧源707は、補助キャパシタ701を充電することができるように補助キャパシタ701の2つの端子に接続されている。図32および図33の充電回路765とは対照的に、図35の実施形態のキャパシタ1は、第2の電圧源707ではなくむしろ、補助キャパシタ701によって(主に)第1の半パルス720の終わりまたは第2の半パルス730の始めにもしくはその前後に(再)充電されることを意図されている。第2の電圧源707の極性(したがって、第2の電圧源707によって充電されたときの補助キャパシタ701の極性)は、補助キャパシタ701が第1の極性とは反対の第2の極性でキャパシタ1を(再)充電することができるような極性である(第1の電圧源7は第1の極性でキャパシタ1を充電するように配置構成されている)。
【0401】
図35のスイッチングデバイス8、708の動作は、ここでもまた、特に、好適なコントローラまたはアナログ回路(図35には図示せず)を使用して、図32および図33に関して説明されたように実装され得る。
【0402】
スイッチングデバイス708が導通状態に切り替えられたときに、補助キャパシタ701は、キャパシタ1を充電することができる。補助キャパシタ701の仕様および回路の他のパラメータ、特に回路内の(寄生)抵抗に応じて、補助キャパシタ701によるキャパシタ1の(再)充電は、キャパシタ1が(補助キャパシタ701の補助なしに)第2の電圧源701から直接的に充電された場合に可能であることと比べて潜在的に速くなり得る。このようにして、(再)充電時間は、短縮され得る。さらに、第2の電圧源707は、第1の半パルス720の間および/またはその前に、すなわち、第1の半パルス720と第2の半パルス730との間の時間期間よりも(著しく)長い場合のある時間期間において補助キャパシタ701を充電することができる。このことは、また、図35の実施形態の第2の電圧源707が特に高い出力電力を有する必要がなく、しかもキャパシタ1を(再)充電する時間が短縮され得ることを意味する。
【0403】
図35の実施形態の一変更形態において、図34に示されているブリッジ回路などのスイッチング配置構成部が使用され、それにより図35の補助キャパシタ701は第1の電圧源7によって充電され得る。この場合に、第2の電圧源707は不要である。
【0404】
図38は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置の回路図を概略として示している。図38に示されている回路図の少なくともいくつかの特徴は、図2に示されているものと同様である。したがって、図2に示されているデバイスに関する上記の説明は、必要な変更を加えて、図38に示されている回路図にも当てはまるので、ここで繰り返されない。図38に示されている素子が図2に示されている素子と実質的に同じ機能を有する場合、これらは、図2と同じ参照符号を付けられる。図38に示されている素子が図2に示されている素子と一般に類似しているが、たとえば機能または回路内の位置に関して異なる場合、これらは、図2のような参照符号を付けられるが、800だけ増やされる。
【0405】
図38に示されている回路は、第1のスイッチングデバイス861と第2のスイッチングデバイス862との第1の直列組合せ870を含み、第1のスイッチングデバイス861は第1の接続点881において第2のスイッチングデバイス862に電気的に接続されている。同様に、この回路は、第3のスイッチングデバイス863と第4のスイッチングデバイス864との第2の直列組合せ871を含み、第3のスイッチングデバイス863は第2の接続点882において第4のスイッチングデバイス864に電気的に接続されている。
【0406】
第1の直列組合せ870は、第3の接続点883および第4の接続点884で、第2の直列組合せ871と電気的に並列に接続され、第1のスイッチングデバイス861および第3のスイッチングデバイス863は、第3の接続点883で電気的に接続され、第2のスイッチングデバイス862および第4のスイッチングデバイス864は、第4の接続点884で電気的に接続される。それに加えて、(第1)インダクタ2の第1の端子888は第3の接続点883に電気的に接続され、インダクタ2の第2の端子889は第4の接続点884に電気的に接続される。インダクタ2は、身体組織に印加する磁場を発生させることを意図されている。
【0407】
この回路は、第1の接続点881と第2の接続点882との間に電気的に接続されたDC電源配置構成部807をさらに備える。DC電源配置構成部807は、1つまたは複数のDC電源、たとえば電池、太陽電池パネルまたは太陽電池モジュールまたは燃料電池を含み得る。そのような(個別の)DC電源は、DC電源配置構成部807を形成するために直列または並列に(またはそれらの任意の組合せで)接続されてもよい。さらに、異なるタイプのDC電源、たとえばソーラーパネルに並列につないだ電池が、組み合わされ得る。それに加えて、図38には示されていないが、追加スイッチングデバイスが、DC電源配置構成部807の個別のDC電源のいずれか1つまたはサブセットを選択的に接続するかまたは切断するために使用され、それにより個別のDC電源は、回路に対して電気エネルギーを供給することに向けて選択的に寄与することができる。
【0408】
第1から第4のスイッチングデバイス861から864は、たとえば、破線の矢印で示されているように、制御ユニット544の制御の下で、導通状態と実質的な非導通状態との間で切り替えられ得る。そのような制御ユニット544の具体的な実装形態は、本明細書の他の箇所ですでに説明されている。他の実施形態と同様に、第1から第4のスイッチングデバイス861から864の制御は、また、制御ユニット544((マイクロ)コントローラを含む)の代わりに、またはそれに加えて、アナログ回路によって実装され得る。
【0409】
次に、図38に示されている回路の動作は、一例として、図41および図42をさらに参照しつつ説明される。図42は、本開示の一実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。図41は、インダクタ2を通る電流(I)が時間(t)にわたってプロットされたグラフを示している。
【0410】
図38の回路の動作は次のようなものとしてよい。方法の開始890の後に、図38に示されている回路に対応する回路を有する装置が提示されている(891)。
【0411】
第1の時点t1において、第1および第4のスイッチングデバイス861、864は、たとえば好適なコントローラ(制御ユニット544など)の制御下で、導通状態または「ON」状態に切り替えられる(892)。このときに、第2および第3のスイッチングデバイス862、863は両方とも実質的な非導通状態にある。次いで、DC電源配置構成部807によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、インダクタ2に関する電流の流れの第1の電流方向に、第1および第4のスイッチングデバイス861、864を通り、インダクタ2を通って流れ始める。電流がインダクタ2を通って流れた結果、磁場がインダクタ2によって発生する。DC電源配置構成部807がDC電流を供給することから、インダクタ2を通る電流は、少なくとも最初は、実質的にランプ状に増加する。
【0412】
第1の時点t1の後の第2の時点t2において、第1および第4のスイッチングデバイス861、864は、導通状態から実質的な非導通状態に切り替えられる(893)(が、第2および第3のスイッチングデバイス862、863は両方とも実質的な非導通状態のままである)。したがって、インダクタ2を通る電流は実質的に瞬時に停止する。インダクタ2を通る電流は、共振特性を有しないが、それでも、第1の時点t1から第2の時点t2までの間にインダクタ2を通る電流は、(第1の)電流パルス820(本明細書では正の電流パルス820とも称される)とみなされ得る。
【0413】
第2の時点t2の後の第3の時点t3において、第2および第3のスイッチングデバイス862、863は、実質的な非導通状態から導通状態に切り替えられる(894)(が、第1および第4のスイッチングデバイス861、864は実質的な非導通状態にある)。次いで、電流が再び流れ始めるが、このときは、第2および第3のスイッチングデバイス862、863を通って流れる。したがって、DC電源配置構成部807によって供給される電気エネルギーによって引き起こされる電流は、(電流の流れの第1の電流方向とは反対である)インダクタ2に関する電流の流れの第2の電流方向でインダクタ2を通って流れる。電流がインダクタ2を通って流れた結果、磁場が再びインダクタ2によって発生する。電流は、再び、少なくとも最初は、実質的にランプ状に増加する。次いで、原則として、この方法は終了する(895)。
【0414】
しかしながら、任意選択のさらなるステップとして、第2および第3のスイッチングデバイス862、863は、第3の時点t3の後の第4の時点t4において(第1および第4のスイッチングデバイス861、864が両方ともまだ実質的な非導通状態にある間に)、導通状態から実質的な非導通状態に切り替えられ得る。したがって、インダクタ2を通る電流は実質的に瞬時に停止する。第3の時点t3から第4の時点t4までの間にインダクタ2を通る電流は、ここでもまた、(第1の)電流パルス820と比較されたときに反対極性の(第2の)電流パルス830(本明細書では負の電流パルス830とも称される)とみなされ得る。
【0415】
一変更形態において、第2の負の電流パルス830が第1の正の電流パルス820の(実質的)直後に続くように、第3の時点t3は第2の時点と(実質的に)一致する。
【0416】
第1から第4の時点t1からt4、またはこれらの時点のうちの連続する時点の間のそれぞれの遅延は、たとえば使用者または製造者によって(実質的に)自由に選択され得る。これは、たとえば、制御ユニット544を使用して行うことができる。代替的に、これらの時点の間の遅延は、アナログ回路で実装され得る。この方法がステップ892から繰り返される場合、負電流パルス830の終わり(t4)からそれに続く正電流パルス820の間の遅延についても当てはまる。いずれの場合も、これらの時点(t1-t2-t3-t4-t1など)のうちの連続する時点の間の遅延は同じである必要はない。さらに、図38による回路を使用することで、1つまたは複数の負電流パルス830を発生させる前に1つまたは複数の正電流パルス820を発生させることが可能である。
【0417】
図39は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図38に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、追加電気回路素子842が設けられている。追加電気回路素子842は、第1から第4のスイッチングデバイス861から864のいずれか1つもしくは複数またはインダクタ2を保護するために使用され得る。図示されている例では、これは、第4のスイッチングデバイス864に関してのみ例示されているが、対応する追加電気回路素子842は、他のスイッチングデバイスまたはインダクタ2のうちの1つもしくは複数に設けることが可能である。図示されている例では、追加電気回路素子842は、純粋に例として、スパークギャップ842として実装されている。スパークギャップ842は、第4のスイッチングデバイス864に並列に接続される。
【0418】
スパークギャップ842の機能は、以下の通りである。第2の時点t2以降および/または第4の時点t4以降、4つのスイッチングデバイス861から864はすべて実質的な非導通状態にある。しかしながら、インダクタ2によって発生する磁場は、その減衰に抵抗し、その結果、第3の接続点883と第4の接続点884との間に比較的高い電圧が生じ得る。この電圧の大きさおよびスイッチングデバイスの仕様に応じて、この比較的高い電圧は、スイッチングデバイスの1つまたは複数を損傷するか、または破壊し得る。スパークギャップ842が、スイッチングデバイスの1つまたは複数を損傷するかまたは破壊し得る電圧U3よりも低い電圧U2を定格とする(すなわち導通状態になる)場合、スパークギャップ842は、それぞれのスイッチングデバイス--図示されている例では第4のスイッチングデバイス864--を、U2よりも高い電圧(すなわち電圧U3以上を含む)から保護することができる。他方で、スパークギャップ842は、通常動作中に発生すると予想される電圧U1においてすでに導通状態になっているべきではない(これにより、U1<U2<U3)。
【0419】
スパークギャップの代わりに使用することができる追加電気回路素子842の他の例は、過渡電圧抑制ダイオード、ツェナーダイオードまたはショックレーダイオードなどの受動電気回路素子、または交流用三極管(TRIAC)またはサイリスタなどの能動電気回路素子を含む。能動電気回路素子が使用される場合、これらは、通常、本明細書の他の箇所で説明されているように、好適なトリガー回路を必要とする。
【0420】
第4のスイッチングデバイス864に並列に接続されたスパークギャップ842は、このスイッチングデバイスを高電圧から保護する目的で説明されているが、代替的に、またはそれに加えて、たとえば、保護されるべき回路素子と直列に追加電気回路素子を接続することによって、装置の回路素子の1つまたは複数を高電流から保護することも可能であり得る。
【0421】
図39は、コントローラ(制御ユニット544など)を示していないが、このようなコントローラまたはすでに説明されている好適な代替的形態も図39の回路に関して使用され得ることに留意されたい。
【0422】
図40は、本開示の一実施形態による磁場を発生させるための装置を概略として示している。これは、図38に示されている実施形態に密接に基づく。しかしながら、インダクタ2は、装置の(一体)部分として設けられていない。その代わりに、図38の回路は(インダクタ2とその回路の残り部分への電気的接続とは別に)、図5図11図18および図27から図29を参照しつつ説明されているのと同様の方法で、ハウジングまたはキャビネット16などに収容される。
【0423】
キャビネット16は、2つの端子17および18を設けられる。端子17は、キャビネット16内で、第4の接続点884に電気的に接続されているが、端子18は、キャビネット16内で、第3の接続点883に電気的に接続されている。図40は、キャビネット16およびその内容とは別個の実体としてのインダクタ2を示している。インダクタ2は、ここでもまた、ケーシング13内に収容されるものとしてよく、ケーシング13はコンジット管14(図5を参照)に取り付けられている。コンジット管14は2本のケーブル15(または2本のストランドを有するケーブル)を収容し、これらは第1のインダクタ2、特にインダクタ2の少なくとも一組の巻きに電気的に接続され、破線で示されているように、端子17、18に接続され得る。
【0424】
さらなる変更形態において、図2から図4図8から図10図14から図17図21から図23図26から図29図32から図35、および図38から図39に示されている実施形態の特徴、または本明細書において説明されている任意の変更形態が互いに組み合わされ得る。さらに、上記の実施形態または変更形態のいずれも、図5図11図18図27から図29、および図40に示され、これらに関して説明されているものと同様の方式で適合され得る--特に、図2から図4図8から図10図14から図17図21から図23図26から図29図32から図35、および図38から図39による装置を提供するが、この装置に、それぞれインダクタ2と接続するための端子(端子17および18)を設ける。
【0425】
上記の実施形態または変更形態のいずれにおいても、個別の部品の極性は反転されるものとしてよく、それにより、たとえば、電圧源7の負端子は、スイッチングデバイス8を介して、第1の分岐5、および第2の分岐6に接続される。次いで、スイッチングデバイス3、603の極性も、反転されることも可能である--または、同じ極性のままとすることも可能であり、その場合、2つの分岐5、6および2つのインダクタ2、609はそれらの機能をスワップする。
【0426】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態が上で説明されたが、多数の変更形態が存在することに留意されたい。さらに、説明されている例示的な実施形態は、本発明が実装され得る非限定的な例を例示しているに過ぎず、本明細書において説明されている装置および方法の範囲、適用、または構成を限定することを意図されていないことは理解されるであろう。むしろ、前の説明は、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態を実装するための指示を当業者に与えるものであり、それによって、例示的な実施形態の要素の機能および配置構成における様々な変更が、付属の請求項およびそれらの法的等価物によって定義される主題から逸脱することなく行われ得ることが理解されなければならない。
【符号の説明】
【0427】
1 蓄電デバイス、キャパシタ
2 第1のインダクタ、一組の巻き
3 スイッチングデバイス、サイリスタ
4 電気部品または電気部品アセンブリ、ダイオード
5 (接続回路の)第1の分岐
6 (接続回路の)第2の分岐
7 (第1の)電気エネルギー源、電圧源
8 スイッチ、スイッチングデバイス、スイッチング回路
9 第2のインダクタ
10 バイパス回路
11 追加インダクタ
12 追加バイパス回路
13 ケーシング
14 コンジット管
15 ケーブル
16 ハウジング、キャビネット
17~19 端子
90~95 方法ステップ
101 キャパシタ
102 インダクタ
103 サイリスタ
104 ダイオード
105 第1の分岐
106 第2の分岐
107 電圧源
108 スイッチ
200 第1の半パルス
210 第2の半パルス
309 第2のインダクタ
310 バイパス回路
311 追加インダクタ
312 追加バイパス回路
320 第1の半パルス
330 第2の半パルス
390~395 方法ステップ
401 (第1の)可変キャパシタ
420 キャパシタ配置構成部
421、423 追加キャパシタ(任意選択:可変)
422、424 追加スイッチングデバイス
430 第1の半パルス
431 第2の半パルス
490~495 方法ステップ
503 スイッチングデバイス
540 (第1の)コントローラ
541 (第2の)コントローラ
542 スパークギャップ
543 抵抗器
544 制御ユニット
545 ダイヤル/インターフェース
546 タッチスクリーン/インターフェース
547 プロセッサ/メモリデバイス
548 検出器
549 電流(半パルス)
550a~d 電流
551 身体部分
590~596 方法ステップ
603 スイッチングデバイス、サイリスタ
609 第2のインダクタ
613 ケーシング
617、618 端子
620 第1の半パルス
630 第2の半パルス
690~695 方法ステップ
701 補助キャパシタ
703 スイッチングデバイス、サイリスタ
707 第2の電圧源
708 スイッチ、スイッチングデバイス
720 第1の半パルス(電流)
730 第2の半パルス(電流)
732 電圧(キャパシタにおける)
760 スイッチング配置構成部、Hブリッジ
761~764 スイッチ、スイッチングデバイス(スイッチング配置構成部の)
765 充電回路
790~796 方法ステップ
807 DC電源配置構成部
820 第1のパルス(電流)
830 第2のパルス(電流)
842 追加電気回路素子、スパークギャップ
861~864 スイッチ、スイッチングデバイス
870 スイッチングデバイスの第1の直列組合せ
871 スイッチングデバイスの第2の直列組合せ
881~884 接続点
888、889 端子(インダクタの)
890~895 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
【国際調査報告】