(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-20
(54)【発明の名称】マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置
(51)【国際特許分類】
A01G 25/00 20060101AFI20241213BHJP
E02B 13/02 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
A01G25/00 501B
A01G25/00 501E
E02B13/02 B
E02B13/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542855
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022124591
(87)【国際公開番号】W WO2024077474
(87)【国際公開日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】202211234127.0
(32)【優先日】2022-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522320925
【氏名又は名称】中国農業科学院農田灌漑研究所
【氏名又は名称原語表記】Institute of Farmland Irrigation of CAAS
【住所又は居所原語表記】No. 380, Hongli Avenue (East), Muye District, Xinxiang City, Henan 453000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 平
(72)【発明者】
【氏名】周 新国
(72)【発明者】
【氏名】杜 臻杰
(72)【発明者】
【氏名】張 彦
(72)【発明者】
【氏名】李 桐
(72)【発明者】
【氏名】梁 志杰
(72)【発明者】
【氏名】張 祖麟
(57)【要約】
本発明は、マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置を開示し、前記給水管路の一端は、集水井の内壁に嵌め込まれ、前記集水井の底部にポンププールが固定して接続され、前記ポンププール内にウォーターポンプが取り付けられ、前記ウォーターポンプの出口に灌漑、排水管網が接続され、前記灌漑、排水管網に排水制御弁と灌漑制御弁がそれぞれ取り付けられ、前記灌漑制御弁の接続管路は、圃場灌漑システムに連通し、前記集水井の内壁にステンレス鋼フロート水位制御スイッチが取り付けられ、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチは、フロートスイッチ水位制御ボックスに接続される。当該マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置は、マルチ水源循環利用、灌漑自動制御及び圃場排水知的制御機能を融合し、圃場灌漑排水機能一体化稼動を実現し、技術が成熟で確実であり、省エネルギーで省コストで消費を低減させ、圃場管理が容易である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管路(1)と、集水井(6)と、を含むマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置であって、前記給水管路(1)の一端は、集水井(6)の内壁に嵌め込まれ、前記集水井(6)の底部にポンププール(3)が固定して接続され、前記ポンププール(3)内にウォーターポンプ(4)が取り付けられ、前記ウォーターポンプ(4)の出口に灌漑、排水管網が接続され、前記灌漑、排水管網に排水制御弁(10)と灌漑制御弁(11)がそれぞれ取り付けられ、前記灌漑制御弁(11)の接続管路は、圃場灌漑システム(13)に連通し、
前記集水井(6)の内壁にステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)が取り付けられ、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)は、フロートスイッチ水位制御ボックス(7)に接続され、前記フロートスイッチ水位制御ボックス(7)は、支持コラム(8)に固定され、且つフロートスイッチ水位制御ボックス(7)は、電線を介してウォーターポンプ(4)に接続される、ことを特徴とするマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項2】
前記集水井(6)の内壁は、さらに圃場暗管排水入口(2)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項3】
前記フロートスイッチ水位制御ボックス(7)に外部電源(9)が電線を介して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項4】
前記フロートスイッチ水位制御ボックス(7)は、さらにウォーターポンプ(4)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項5】
前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)にさらに固定ネジ(14)、調整可能な係合スプリング(15)及びターミナル(16)が接続され、前記固定ネジ(14)は、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)における取り付けラブを貫通して集水井(6)の内壁に接続され、前記調整可能な係合スプリング(15)は、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)の表面に取り付けられ、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ(5)には、フロートスイッチ水位制御ボックス(7)に電線を介して接続されるターミナル(16)が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項6】
前記フロートスイッチ水位制御ボックス(7)には、電線を介してウォーターポンプ(4)に接続されるターミナルが設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【請求項7】
前記支持コラム(19)は、セグメント化されるように設計され、各セグメントの前記支持コラム(19)の間には、差込み回転式継ぎ目(18)を介して接続され、前記支持コラム(19)の底部に拡張ペグ(17)が取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業灌漑排水工事技術の分野に関し、具体的にはマルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置である。
【背景技術】
【0002】
農業水資源循環の利用率及び効率を向上させ、灌漑排水条件を改善し、持続可能な塩性とアルカリ性灌漑農業を発展することは、中国の食糧安全、農業の持続的な効力増強、及び生態環境保全を実現することに必要な前提条件の1つである。しかし、農業水資源の利用効率が低く、圃場排水の利用率が低く、灌水排水一体化の程度が高くないなどの要因に影響され、耕地の生産能力と耕地の品質の低下を引き起こし、農業水管理及び生態環境保全に新たな灌漑排水技術のサポートが切望されている。
【0003】
国内外の従来技術では、主に農業高効率用水技術及び装備、暗管脱塩工事技術に関し、農業マルチ水源循環利用及び灌漑排水一体化の研究に用いられる装置が少ない。圃場の灌漑排水工事試験を展開することにより、異なる灌漑排水工事対策、異なる水源利用方式及びその組み合わせモードの水塩輸送規則を研究し、大量の人力、物力及び財力を必要とし、且つ増水期の極端な降水は、試験結果に深刻に影響する。これに基づき、本発明は、マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置を提供し、マルチ水源循環利用及び圃場暗管排水技術研究における灌漑、排水過程の自動制御及び自由な切り替えに用いられることができ、灌漑排水一体化設計を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記背景技術における問題を解決するために、マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を実現するために、以下の技術的解決手段を提供する。マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置は、給水管路と、集水井と、を含み、前記給水管路の一端は、集水井の内壁に嵌め込まれ、前記集水井の底部にポンププールが固定して接続され、前記ポンププール内にウォーターポンプが取り付けられ、前記ウォーターポンプの出口に灌漑、排水管網が接続され、前記灌漑、排水管網に排水制御弁と灌漑制御弁がそれぞれ取り付けられ、前記灌漑制御弁の接続管路は、圃場灌漑システムに連通し、
前記集水井の内壁にステンレス鋼フロート水位制御スイッチが取り付けられ、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチは、フロートスイッチ水位制御ボックスに接続され、前記フロートスイッチ水位制御ボックスは、支持コラムに固定され、且つフロートスイッチ水位制御ボックスは、電線を介してウォーターポンプに接続される。
【0006】
好ましくは、前記圃場暗管排水入口は、集水井の内壁に嵌め込まれる。
【0007】
好ましくは、前記フロートスイッチ水位制御ボックスに外部電源が電線を介して接続される。
【0008】
好ましくは、前記フロートスイッチ水位制御ボックスは、さらにウォーターポンプに接続される。
【0009】
好ましくは、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチにさらに固定ネジ、調整可能な係合スプリング及びターミナルが接続され、前記固定ネジは、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチにおける取り付けラブを貫通して集水井の内壁に接続され、前記調整可能な係合スプリングは、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチの表面に取り付けられ、前記ステンレス鋼フロート水位制御スイッチには、フロートスイッチ水位制御ボックスに電線を介して接続されるターミナルが設置される。
【0010】
好ましくは、前記フロートスイッチ水位制御ボックスには、電線を介してウォーターポンプに接続されるターミナルが設置される。
【0011】
好ましくは、前記支持コラムは、セグメント化されるように設計され、各セグメントの前記支持コラムの間には、差込み回転式継ぎ目を介して接続され、前記支持コラムの底部に拡張ペグが取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
従来技術に比べ、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。当該マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置は、マルチ水源循環利用、灌漑自動制御及び圃場排水知的制御機能を融合し、塩性とアルカリ性耕地農業マルチ水源循環利用及び圃場暗管排水技術研究が容易で、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチは、集水井の内壁に固定され、フロートスイッチ水位制御ボックスは、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ及びウォーターポンプに接続され、圃場灌漑排水機能一体化稼動を実現し、技術が成熟で確実であり、省エネルギーで消費を低減させ、圃場管理が容易で、ウォーターポンプは、灌漑排水管網に接続され、灌漑排水管網に集水井排水制御弁と灌漑制御弁が設置され、灌漑、排水の自由な切り替えを実現し、実施しやすく、構造が簡単で、汎用性が強く、拡張しやすく、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチに調整可能な係合スプリングが取り付けられ、集水井における水位調整を実現することができ、簡単で実行可能であり、支持コラムは、セグメント化されるように設計され、各セグメントは、差込み回転式継ぎ目を介して接続され、底部は、支持コラムの固定に用いられる拡張ペグであり、取り付けやすく、輸送しやすく、取り外しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図1におけるステンレス鋼フロート水位制御スイッチの構造概略図である。
【
図3】
図1における支持コラム及びフロートスイッチ水位制御ボックスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例における図面と併せて、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を行わずに得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0015】
図1~3を参照すると、本発明は、技術的解決手段を提供する。マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置は、給水管路1と、集水井6と、を含み、給水管路1の一端は、集水井6の内壁に嵌め込まれ、集水井6の底部にポンププール3が固定して接続され、ポンププール3内にウォーターポンプ4が取り付けられ、ウォーターポンプ4の出口に灌漑、排水管網が接続され、灌漑、排水管網に排水制御弁10と灌漑制御弁11がそれぞれ取り付けられ、灌漑制御弁11の接続管路は、圃場灌漑システム13に連通し、
集水井6の内壁にステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5が取り付けられ、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5は、フロートスイッチ水位制御ボックス7に接続され、フロートスイッチ水位制御ボックス7は、支持コラム8に固定され、且つフロートスイッチ水位制御ボックス7は、電線を介してウォーターポンプ4に接続される。
【0016】
図1を参照すると、集水井6の内壁は、さらに圃場暗管排水入口2に接続され、圃場の余分な水を暗管排水入口2から集水井6の内部に排出して収集し、利用することができる。
【0017】
図3を参照すると、フロートスイッチ水位制御ボックス7に外部電源9が電線を介して接続され、外部電源9によりフロートスイッチ水位制御ボックス7に給電する。
【0018】
図2を参照すると、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5にさらに固定ネジ14、調整可能な係合スプリング15及びターミナル16が接続され、固定ネジ14は、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5における取り付けラブを貫通して集水井6の内壁に接続され、調整可能な係合スプリング15は、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5の表面に取り付けられ、調整可能な係合スプリング15によりステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5におけるステンレス鋼フロートの調整範囲を調整する作用を達成することができ、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5には、フロートスイッチ水位制御ボックス7に電線を介して接続されるターミナル16が設置される。
【0019】
図1を参照すると、フロートスイッチ水位制御ボックス7には、ウォーターポンプ4に電線を介して接続されるターミナルが設置される。
【0020】
図3を参照すると、支持コラム19は、セグメント化されるように設計され、各セグメントの支持コラム19の間には、差込み回転式継ぎ目18を介して接続され、支持コラム19の底部に拡張ペグ17が取り付けられ、支持コラム19を地面に取り付け、且つ拡張ペグ17を介して支持コラム8を支持して固定し、且つ組み立てられた支持コラム19に1つのフロートスイッチ水位制御ボックス7を取り付け、且つウォーターポンプ4及びステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5の稼動のためにフロートスイッチ水位制御ボックス7を制御する。
【0021】
以上説明したように、
図1~3に示すように、当該マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置を使用する時に、まず排水する時に、給水管路1の弁を閉じ、灌漑制御弁11を閉じ、集水井排水制御弁10を開き、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5により集水井6の水位を感知し、フロートスイッチ水位制御ボックス7は、ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ5及びウォーターポンプ4に接続され、集水井6の水位によりウォーターポンプ4の起動及び停止を感知して制御し、さらに集水井6の水位を調整し、灌漑する時に、給水管路1の弁を開き、外部水源は、集水井6に入り、灌漑制御弁11を開き、集水井排水制御弁10を閉じ、またフロートスイッチ水位制御ボックス7におけるスイッチを手動モードに回転させ、灌漑制御を実現し、灌漑排水管網に灌漑制御弁11と集水井排水制御弁10が設置され、灌漑、排水の自由な切り替え及び灌漑排水一体化設計を実現し、これは、当該マルチ水源循環利用及び排水知的制御に用いられる灌漑排水一体化装置の特徴である。
【0022】
本発明の実施例を示して記述したが、当業者にとって、本発明の原理及び精神から逸脱することなくこれらの実施例に対して様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物により限定される。
【符号の説明】
【0023】
1…給水管路、2…暗管排水入口、3…ポンププール、4…ウォーターポンプ、5…ステンレス鋼フロート水位制御スイッチ、6…集水井、7…フロートスイッチ水位制御ボックス、9…外部電源、10…集水井排水制御弁、11…灌漑制御弁、13…圃場灌漑システム、14…固定ネジ、15…調整可能な係合スプリング、16…ターミナル、17…拡張ペグ、18…差込み回転式継ぎ目、19…支持コラム。
【国際調査報告】