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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-20
(54)【発明の名称】HVACシステム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
B60H1/22 651A
B60H1/22 651B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538748
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 JP2022047256
(87)【国際公開番号】W WO2023162444
(87)【国際公開日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】63/268,538
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/362,215
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/941,396
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】テーラー ドウェーン
(72)【発明者】
【氏名】フィリプコフスキー マット
(72)【発明者】
【氏名】五丁 美歌
(72)【発明者】
【氏名】コンプトン エロン
(72)【発明者】
【氏名】ベランガー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ノーアーナバーロー ジョナサン
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA01
3L211AA05
3L211AA06
3L211AA09
3L211AA10
3L211AA11
3L211BA01
3L211BA32
3L211BA42
3L211BA52
3L211CA04
3L211CA17
3L211CA18
3L211CA19
3L211DA05
3L211DA26
3L211DA28
(57)【要約】
二次媒体ループ式HVACシステムは、蒸発器(50)、凝縮器(52)、膨張弁(56)、および、圧縮機(54)を含む。冷媒ループ(70)は、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通している。HVACケース(12)は、第1熱交換器(20)と第2熱交換器(22)とを含む。第1冷却媒体ループ(80)は、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通している。バルブシステム(110、112、114)は、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されている。最大暖房モードでは、バルブシステムは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されている。最大冷房モードでは、バルブシステムは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されているHVACシステム。
【請求項2】
前記第1熱交換器は、第1高さと、前記第1高さに対して直角に延びる第1長さとを有し、
前記第2熱交換器は、第2高さと、前記第2高さに対して直角に延びる第2長さとを有し、
前記第1高さは前記第2高さと平行である請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項3】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とはサイズが同一である請求項2に記載のHVACシステム。
【請求項4】
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁と、前記圧縮機とは、前記HVACケースの外側に位置付けられている請求項1~3のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項5】
前記HVACケースは、デフロスト吹出口(36)と、フェイス吹出口(32)と、フット吹出口(34)とを区画している請求項1~4のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項6】
前記蒸発器は水冷式チラーであり、前記凝縮器は水冷式凝縮器である請求項1から5のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項7】
前記バルブシステムは、前記第1熱交換器の上流の前記第1冷却媒体ループに沿って第1バルブ(110)を含み、前記第1バルブは、前記最大暖房モードでは冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器に案内するように構成され、前記第1バルブは、前記最大冷房モードでは冷却媒体を前記蒸発器から前記第1熱交換器に案内するように構成されている請求項1~6のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項8】
前記バルブシステムは、前記第2熱交換器の下流の前記第1冷却媒体ループに沿って第2バルブ(112)をさらに含み、前記第2バルブは、前記最大暖房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記凝縮器に戻すように構成され、前記第2バルブは、前記最大冷房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記蒸発器に戻すように構成されている請求項7に記載のHVACシステム。
【請求項9】
前記バルブシステムは、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間の前記第1冷却媒体ループに沿って第3バルブ(114)をさらに含み、前記第3バルブは、前記最大暖房モード、および、前記最大冷房モードの両方において、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器へ冷却媒体を案内するように構成されている請求項8に記載のHVACシステム。
【請求項10】
前記最大暖房モード、または、前記最大冷房モードにおいて、前記第1バルブと、前記第2バルブと、前記第3バルブとを駆動制御するように構成されたHVAC制御装置(210)をさらに備える請求項9に記載のHVACシステム。
【請求項11】
暖房モードにおいて:
前記バルブシステムは、前記凝縮器からの暖かい冷却媒体を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、前記凝縮器に戻して、前記HVACケースのフット吹出口を通って車両の乗員室におよび、デフロスト吹出口を通ってフロントガラスに送られる空気の流れを加熱するように構成されており、
前記バルブシステムは、冷却された冷却媒体を前記蒸発器と放熱器とに案内するように構成されている請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項12】
冷房モードにおいて:
前記バルブシステムは、冷却された冷却媒体を前記蒸発器から前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、前記蒸発器に戻して、前記HVACケースのフェイス吹出口を通して車両の乗員室に送られる空気の流れを冷却するように構成されており、
前記バルブシステムは、前記凝縮器と放熱器との間に冷却媒体を案内するように構成されている請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項13】
さらに、放熱器(90)、および、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)を備え、
前記最大暖房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記蒸発器との間を流れ、
前記最大冷房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記凝縮器との間を流れる請求項1~12のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項14】
前記バルブシステムは、暖房、除湿、および、除曇モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器に戻すように構成されており、
前記バルブシステムは、冷房、除湿、および、温度制御モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器に戻すように構成されている請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項15】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とが単一のアセンブリとして結合されている請求項1~14のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項16】
前記第1熱交換器は、第1入口タンク(312A)、および、第1出口タンク(314A)と流体的に連通している複数の第1冷却媒体チューブを含み、
前記第2熱交換器は、第2入口タンク(312B)、および、第2出口タンク(314B)と流体的に連通している複数の第2冷却媒体チューブを含み、
さらに、複数の前記第1冷却媒体チューブと複数の前記第2冷却媒体チューブとを隣接するように固定する第1エンドプレート(340)、および、第2エンドプレート(342)を備える請求項1~15のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項17】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器、前記凝縮器、および、前記膨張弁のそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と第2熱交換器(22)とを備え、フェイス吹出口(32)と、フット吹出口(34)と、デフロスト吹出口(36)とを区画するHVACケース(12)、
放熱器(90)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)、および、
前記第1冷却媒体ループと、前記第2冷却媒体ループとを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114、116、118)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器と前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とを通過するように前記第1冷却媒体ループを構成し、前記放熱器と前記蒸発器とを通過するように前記第2冷却媒体ループを構成し、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器と前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とを通過するように前記第1冷却媒体ループを構成し、前記放熱器と前記凝縮器とを通過するように前記第2冷却媒体ループを構成するHVACシステム。
【請求項18】
前記第1熱交換器は、第1高さと、前記第1高さに対して直角に延びる第1長さとを有し、
前記第2熱交換器は、第2高さと、前記第2高さに対して直角に延びる第2長さとを有し、
前記第1高さは前記第2高さと平行である請求項17に記載のHVACシステム。
【請求項19】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器はサイズが同一である請求項18に記載のHVACシステム。
【請求項20】
前記蒸発器、前記凝縮器、前記膨張弁、および、前記圧縮機は、前記HVACケースの外側に位置付けられている請求項17から19のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項21】
前記バルブシステムは、暖房、除湿、および、除曇モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器と、前記放熱器、および、前記蒸発器の間とに戻すように構成されており、
前記バルブシステムは、冷房、除湿、および、温度制御モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器と、前記放熱器、および、前記凝縮器の間とに戻すように構成されている請求項17~20のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項22】
前記第1熱交換器は、第1入口タンク(312A)、および、第1出口タンク(314A)と流体的に連通している複数の第1冷却媒体チューブを含み、
前記第2熱交換器は、第2入口タンク(312B)、および、第2出口タンク(314B)と流体的に連通している複数の第2冷却媒体チューブを含み、
さらに、前記第1冷却媒体チューブと前記第2冷却媒体チューブとを隣接するように固定する第1エンドプレート(340)、および、第2エンドプレート(342)を備える請求項17~21のいずれかに記載のHVACシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2022年2月25日に提出された米国仮出願第63/268、538号、2022年3月31日に提出された米国仮出願第63/362、215号、および、2022年9月9日に提出された米国非仮出願第17/941、396号の利益を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
この開示は、二次媒体ループ式HVACシステムなどの暖房、換気、および、空調(HVAC)システムに関する。
【背景技術】
【0003】
この項は、開示に関連する背景技術を提供するが、それは必ずしも従来技術ではない。
【0004】
暖房、換気、空調(HVAC)システムは、車両の乗員室など、さまざまな環境の空気を調整するために広く使用されている。既存のHVACシステムはそれらの意図された用途には適しているが、それらは依然として改良の対象である。たとえば、既存のHVACシステムよりも効率的で複雑さが少ないHVACシステムが望まれている。この開示には、この明細書で詳細に説明されている改良されたHVACシステムが含まれている。
【発明の概要】
【0005】
この項は、開示の概要を提供し、開示の全範囲またはその全特徴の包括的な開示ではない。
【0006】
この開示は、蒸発器、凝縮器、膨張弁、および、圧縮機を備えた二次媒体ループ式HVACシステムを含む。冷媒ループは、蒸発器、凝縮器、膨張弁のそれぞれと流体的に連通している。HVACケースは、第1熱交換器と第2熱交換器とを含む。第1冷却媒体ループは、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通している。バルブシステムは、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されている。最大暖房モードでは、バルブシステムは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されている。最大冷房モードでは、バルブシステムは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されている。
【0007】
本開示にはさらに、蒸発器、凝縮器、膨張弁、および、圧縮機を備えた二次ループ式暖房、換気、および、空調(HVAC)システムが含まれる。冷媒ループは、蒸発器、凝縮器、膨張弁のそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる。HVACケースは、第1熱交換器と第2熱交換器とを含む。HVACケースは、フェイス吹出口、フット吹出口、および、デフロスト吹出口を区画している。第1冷却媒体ループは、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる。第2冷却媒体ループは、放熱器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、放熱器を通るように冷却媒体を案内する。バルブシステムは、第1冷却媒体ループ、および、第2冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されている。最大暖房モードでは、バルブシステムは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通過するように第1冷却媒体ループを構成し、放熱器、および、蒸発器を通過するように第2冷却媒体ループを構成する。最大冷房モードでは、バルブシステムは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通過するように第1冷却媒体ループを構成し、放熱器、および、凝縮器を通過するように第2冷却媒体ループを構成する。
【0008】
適用性のさらなる領域は、この明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要の説明、および、特定の例は、例示のみを目的とするものであり、この開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここに記載された図面は、選択された実施形態を図示するだけのものであって、すべての実用的な可能性を示すものではなく、この開示の範囲を限定するものではない。
図1図1は、最大暖房モードにおけるこの開示に従った例示的な二次媒体ループを含む暖房、換気、および空調(HVAC)システムを示す。
図2図2は、最大冷房モードにおける図1のシステムを示す。
図3図3は、暖房、除湿、および、除曇モードにおける図1のシステムを示す。
図4図4は、冷房、除湿、および温度制御モードにおける図1のシステムを示す。
図5図5は、最大暖房モードにおける冷却媒体側低圧力降下の態様を示す。
図6図6は、最大冷房モードにおける冷却媒体側低圧力降下の態様を示す。
図7A図7Aは、この開示に従った例示的なデュアルゾーン熱交換器の斜視図である。
図7B図7Bは、図7Aの線7B-7Bに沿った断面を示す断面図である。
【0010】
複数の図面の図示にわたって、対応する参照符号は、対応する部分を指している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0012】
この開示全体を通じて、「冷媒」という用語は、アメリカ暖房冷凍空調学会(「ASHRAE用語」)が発行した定義に従って使用され、同学会では「冷媒」は次のように定義されている:「冷媒システムにおいて熱伝達のために使用される流体であって、流体の低温および低圧において熱を吸収し、流体の高温および高圧において熱を放出し、通常、流体の状態の変化を伴う。」
【0013】
この開示全体を通じて、「冷却媒体」という用語は、アメリカ暖房冷凍空調学会(「ASHRAE用語」)が発行した定義に従って使用され、同学会では「冷却媒体」は次のように定義されている:「ある場所から別の場所へ熱を伝達するために使用される単相流体。」
【0014】
まず、図1図6を参照すると、この開示に従った二次媒体ループを含む暖房、換気、および空調(HVAC)システムが参照番号10により示されている。HVACシステム10にはHVACケース12が含まれる。HVACケース12は、任意の適切な環境の空気を調整するために任意の適切な場所に取り付けられるように構成されている。図示の例では、HVACケース12は、任意の適切な車両の乗員室の空気を調整するように特に構成されている。適切な車両には、乗用車、大量輸送車両、建設車両/設備、商用車両、軍用車両/設備、船舶、航空機などが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
HVACケース12内には、第1熱交換器20と第2熱交換器22が収納されている。空気の流れは、任意の適切な送風機30によって生成される。HVACケース12は、送風機30によって生成された空気の流れを第1および第2熱交換器20、22のそれぞれに案内するように構成されている。空気流は、HVACケース12によって区画されたフェイス吹出口32、フット吹出口34、および/または、デフロスト吹出口36の1つ以上を通ってHVACケース12から排出される。吹出口32、34、および36を通ってHVACケース12から出る空気の流れは、それぞれフェイス吹出口制御ドア40、フット吹出口制御ドア42、および、デフロスト吹出口制御ドア44によって制御される。
【0016】
第1熱交換器20は、第1熱交換器20の第1長さに対して垂直に延びる第1高さH1を有する。第2熱交換器22は、第2熱交換器22の第2長さに対して垂直に延びる第2高さH2を有する。第1および第2熱交換器20、22は、第1熱交換器20の第1高さH1が第2熱交換器22の第2高さH2と平行になるように、HVACケース12内に配置される。第1熱交換器20の第1長さは、第2熱交換器22の第2長さと平行に延びている。したがって、第1熱交換器20および第2熱交換器22は、HVACケース12内において同じ向きに取り付けられている。第1熱交換器20と第2熱交換器22は同じサイズである。したがって、第1熱交換器20の第1高さH1、第1長さ、および第1幅は、第2熱交換器22の第2高さH2、第2長さ、および第2幅と同じである。第1熱交換器20と第2熱交換器22の表面積も同じである。
【0017】
HVACシステム10は、さらに、蒸発器50、および、凝縮器52を含む。図示の例では、蒸発器50、および、凝縮器52はHVACケース12の外側に位置付けられている。蒸発器50は、水冷式チラーなどの任意の適切な蒸発器であってもよい。凝縮器52は、水冷式凝縮器などの任意の適切な凝縮器であってよい。蒸発器50、および、凝縮器52は、冷媒ループ70を介して圧縮機54、および、膨張弁56と流体的に連通している。冷媒ループ70には、蒸発器50、圧縮機54、凝縮器52、および膨張弁56のそれぞれを介して任意の適切な冷媒が輸送するように構成された任意の適切な配管、または、その他の管が含まれている。
【0018】
HVACシステム10には、第1冷却媒体ループ80がさらに含まれている。第1の冷却媒体ループ80には、冷却媒体を循環させるための配管などの適切な通路管が含まれる。第1冷却媒体ループ80は、第1熱交換器20と、第2熱交換器22と、蒸発器50、または、凝縮器52のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させるように構成されている。冷却媒体はポンプ82によって蒸発器50に送られ、冷却媒体はポンプ84によって凝縮器52に送られる。
【0019】
HVACシステム10には、放熱器90と、任意の適切なファン、または、その他の空気流循環装置92がさらに含まれている。放熱器90は、第2冷却媒体ループ94と流体的に連通している。第2冷却媒体ループ94には、この明細書で説明するように、放熱器90に冷却媒体を流し込み、流し出すように、同様に蒸発器50、または、凝縮器52を横切るように構成された、配管などの任意の適切な管が含まれている。
【0020】
HVACシステム10には、第1冷却媒体ループ80、および、第2冷却媒体ループ94を通る冷却媒体の流れを制御するように構成されたバルブシステムが含まれている。バルブシステムは、直列的に配置された複数のバルブなど、任意の適切な方法で冷却媒体の流れを制御するように構成することが可能である。図示の例では、バルブシステムには、第1バルブ110、第2バルブ112、第3バルブ114、第4バルブ116、および第5バルブ118が含まれている。第1バルブ110は第1熱交換器20の上流に位置し、蒸発器50、または、凝縮器52から第1熱交換器20に流れる冷却媒体が第1バルブ110を通過する。第2バルブ112は、第1バルブ110と第2熱交換器22の両方と直接に流体的に連通している。第3バルブ114は第1熱交換器20の下流に配置されており、第1熱交換器20から流れる冷却媒体は、第3バルブ114によって第2熱交換器22を通過するか、または、その周囲に案内される。
【0021】
第4バルブ116および第5バルブ118は、蒸発器50、または、凝縮器52から放熱器90への冷却媒体の流れを制御する。バルブ110、112、114、116、および118は、制御装置210などを介して、任意の適切な方法で制御される。HVACケース12の制御ドア40、42、および44も制御装置210によって制御される。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も制御装置210によって制御される。
【0022】
この出願では、「制御装置」という用語は「回路」という用語に置き換えられる場合がある。用語「制御装置」は、コードを実行するためのハードウェアのプロセッサ(共有、専用、または、グループでありうる)、および、ハードウェアのプロセッサによって実行されるコードを格納するハードウェアのメモリ(共有、専用、または、グループでありうる)を参照するか、それらの部分であるか、それらを含んでいる。コードは、この明細書に記載の制御装置210の機能、および、特徴を提供するように構成されている。
【0023】
用語「ハードウェアのメモリ」は、コンピュータ読み取り可能な媒体という用語の一部である。用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、搬送波上のような媒体を通って伝搬する一時的な電気的または電磁的信号を包含することはなく、したがって、用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実体的かつ非一時的(非遷移的)であると解釈される。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリデバイス(例えば、フラッシュメモリデバイス、消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリデバイス、または、マスク型の読み出し専用メモリデバイスなどが含まれる)、または、揮発性メモリデバイス(例えば、スタティックランダムアクセスメモリデバイス、または、ダイナミックランダムアクセスメモリデバイスなどが含まれる)、または、磁気記憶媒体(アナログ、または、デジタル磁気テープ、または、ハードディスクドライブなどが含まれる)、または光記憶媒体(CD、DVD、または、Blu-rayディスクなどが含まれる)である。
【0024】
制御装置210は、HVACシステム10を複数の異なるモードに駆動制御するように構成されている。例えば、制御装置210は、HVACシステム10を最大暖房モード(図1)、最大冷房モード(図2)、暖房、除湿、および、除曇モード(図3)、または、冷房、除湿、温度制御モード(図4)に駆動制御するように構成されている。冷却媒体側の圧力降下が問題とされている状況のために、拡張された暖房モード(図5)、および、拡張された冷房モード(図6)の代替実施形態が含まれる。
【0025】
図1の最大暖房モードのために、制御装置210は、図1に図示されるように複数のバルブ110、112、114、116、118を駆動制御するように構成されており、凝縮器52を横切って流れた結果として加熱された暖かい冷却媒体は、第1熱交換器20と第2熱交換器22との両方を直列的に横切って流れ、フット吹出口34を通して車両の乗員室へ向かい、デフロスト吹出口36を通してウインドシールドに向かう空気を加熱する。第2熱交換器22を通過した後、冷却媒体は凝縮器52に戻される。図1の最大暖房モードでは、バルブシステムは、冷却された冷却媒体を蒸発器50と放熱器90に案内するように構成されている。したがって、図1の最大暖房モードでは、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方が、そこを通過する空気流を加熱する。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、最大の加熱効果に寄与するように、制御装置210によって制御される。
【0026】
図2の最大冷房モードでは、制御装置210は、図2に示すように、バルブ110、112、114、116、および118を駆動制御するように構成されている。図2の最大冷房モードでは、蒸発器50を通過して冷却された冷却媒体は、第1バルブ110によって第1熱交換器20に送られ、第1熱交換器20を横切るように流れる。第1熱交換器20から、冷却された冷却媒体は、第3バルブ114によって熱交換器20に直列に、第2熱交換器22を横切るように案内される。第2バルブ112は、第2熱交換器22から冷却媒体を蒸発器50に戻すように案内する。第1、および、第2熱交換器20、22を流れる冷たい冷却媒体は、フェイス吹出口32を通して車両の乗員室へ供給される空気の流れを冷却する。第4および第5のバルブ116、118は、凝縮器52と放熱器90との間に冷却媒体を案内するように構成されている。したがって、図2の最大冷房モードでは、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方が、第1熱交換器20と第2熱交換器22を横切るように案内された空気の流れを冷却する。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、最大の冷却効果に寄与するように、制御装置210によって制御される。
【0027】
図3の暖房、除湿、および、除曇モードでは、制御装置210は、図3に示すように、バルブ110、112、114、116、および118を駆動制御するように構成されている。図3の暖房、除湿、および、除曇モードでは、第1バルブ110は、凝縮器52によって加熱された冷却媒体を第1熱交換器20に案内する。第1バルブ110は、蒸発器50によって冷却された冷却媒体を第2熱交換器22に案内する。第1熱交換器20からの冷却媒体は、第3バルブ114によって凝縮器52に戻るように案内される。第2熱交換器22からの冷却媒体は、第3バルブ114によって蒸発器50に戻るように案内される。バルブ116、118は、蒸発器50と放熱器90の間に冷却媒体を循環させるように構成されている。したがって、図3の暖房、除湿、および、除曇モードでは、第1熱交換器20は比較的暖かい温度であり、第2熱交換器22は比較的冷たい温度であり、放熱器90は車外の比較的冷たい空気にさらされる。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、制御装置210によって動作条件に応じて適切に制御される。
【0028】
制御装置210は、図4の例に示すように、HVACシステム10を冷房、除湿、および温度制御モードに駆動制御するように、さらに構成されている。冷房、除湿、および温度制御モードでは、制御装置210は、図4に示すように、バルブ110、112、114、116、および118を駆動制御するように構成されている。図4の冷房、除湿、および、温度制御モードでは、第1、第2、第3バルブ110、112、114は、図3の暖房、除湿、および、除曇モードと同じ状態に駆動制御される。しかし、図3のモードとは異なり、図4の冷房、除湿、および温度制御モードでは、第2冷却媒体ループ94は、冷却媒体が放熱器90と凝縮器52の間を流れるように構成されている。図4の空調モードでは、放熱器90は車外の比較的暖かい空気にさらされる。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、制御装置210によって動作条件に応じて適切に制御される。
【0029】
図5を参照すると、熱交換器20および22の両方に高温の冷却媒体を流すことで熱伝達面積が増加するという利点を得ながら、冷却媒体側の圧力降下を最小限に抑えることが望ましい、いくつかの状況がありえる。強化された暖房モードの代替実施形態では、制御装置210は、凝縮器52を横切って流れた結果として加熱された暖かい冷却媒体が、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方を横切って並列的に流れ、フット吹出口34を通って車両の乗員室へ、および、デフロスト吹出口36を通ってフロントガラスへ向かう空気流を加熱するように、バルブ110、112、114、116、118を図5に図示されるように駆動制御する。冷却媒体は、第1熱交換器20、および、第2熱交換器22を並行して流れた後、凝縮器52に戻される。図5の強化された暖房モードの代替実施形態では、バルブシステムは、冷却された冷却媒体を蒸発器50、および、放熱器90に導くように構成されている。したがって、図5の強化された暖房モードの代替実施形態では、冷却媒体は、図1の最大暖房モードに示されたような直列に代えて、並列にそれらの熱交換器を通過するが、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方が、そこを通過する空気流を加熱する。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、強化された加熱効果に寄与するように、制御装置210によって制御される。
【0030】
図6を参照すると、熱交換器20および22の両方に低温の冷却媒体を流すことで熱伝達面積が増加するという利点を得ながら、冷却媒体側の圧力降下を最小限に抑えることが望ましい、いくつかの状況がありえる。図6の強化された冷房モードのこの代替実施形態では、制御装置210は、図6に示すように、バルブ110、112、114、116、118を駆動制御するように構成されている。図6の強化された冷房モードの代替実施形態では、蒸発器50を通過して冷却された冷却媒体は、第1バルブ110によって第1熱交換器20に案内され、第1熱交換器20を横切るように流れる。第1熱交換器20を通る流れと並行して、冷却された冷却媒体は、第1バルブ110およびバルブ112によって第2熱交換器22を横切るように案内される。バルブ114は、第1熱交換器20および第2熱交換器22から、冷却媒体を蒸発器50に戻すように案内する。第1および第2熱交換器20、22を流れる冷たい冷却媒体は、フェイス吹出口32を通して車両の乗員室へ供給される空気の流れを冷却する。第4および第5のバルブ116、118は、凝縮器52と放熱器90との間に冷却媒体を案内するように構成されている。したがって、図6の強化された冷房モードの代替実施形態では、図2の最大冷房モードに示される直列よりも、どちらかというと、熱交換器20と22を通る冷却媒体の流れは並列に発生するが、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方が、第1熱交換器20と第2熱交換器22を横切る空気の流れを冷却する。圧縮機54の速度、および、ポンプ82、84の速度も、代替実施形態の冷却効果の向上に寄与するように、制御装置210によって制御される。
【0031】
図7A、および、図7Bにおいて、第1熱交換器20と第2熱交換器22は、熱交換器アセンブリ310として結合される場合がある。熱交換器アセンブリ310は、第1熱交換器20と第2熱交換器22の両方の機能を実行する。具体的には、熱交換器アセンブリ310は、第2入口タンク312Bに隣接して配置された第1入口タンク312Aを含む。第1出口タンク314Aは、第2出口タンク314Bに隣接して配置されている。第1入口管320Aは、第1入口タンク312Aと流体的に連通しており、第1入口タンク312Aに冷却媒体を送り込む。第2入口管320Bは、第2入口タンク312Bと流体的に連通しており、第2入口タンク312Bに冷却媒体を送り込む。第1出口管322Aは、第1出口タンク314Aと流体的に連通しており、第1出口タンク314Aから冷却媒体を流し出す。第2出口管322Bは、第2出口タンク314Bと流体的に連通しており、第2出口タンク314Bから冷却媒体を流し出す。
【0032】
第1入口タンク312Aから第1出口タンク314Aまで延びているのは、第1列の複数のチューブ330Aである。第2入口タンク312Bから第2出口タンク314Bまで延びているのは、第2列の複数のチューブ330Bである。第1列の複数のチューブ330Aは、第1入口タンク312Aから第1出口タンク314Aに冷却媒体を流し出す。第2列の複数のチューブ330Bは、第2入口タンク312Bから第2出口タンク314Bに冷却剤を流し出す。第1エンドプレート340と第2エンドプレート342は、第1列の複数のチューブ330Aと第2列の複数のチューブ330Bの反対側にあり、図に示すように、アセンブリ内で第1列、および、第2列の複数のチューブ330A、330B(同様に、タンク312A、312B、314A、314B)をすべて一緒に保持している。第1列の複数のチューブ330Aは、冷却媒体が通過する際に、上述の第1熱交換器20として効果的に機能する。第2列の複数のチューブ330Bは、冷却媒体が通過する際に、上述の第2熱交換器22として効果的に機能する。したがって、熱交換器アセンブリ310は、第1冷却媒体ループ80に沿って第1熱交換器20と第2熱交換器22とを置き換えることができる。
【0033】
上述の複数の実施形態の説明は、例示、および、説明のために提供されたものである。この開示は、網羅的であること、または、開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能であれば、交換可能であり、特に示されていないまたは記載されていない場合でも選択された実施形態で使用できる。同じことは、多様に変化することができる。そのような変形は、開示からの逸脱とみなされるべきではなく、そのような変更のすべては、この開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0034】
例示的な実施形態は、この開示が完全であるために提供されており、その範囲を当業者に完全に伝える。この開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成部品、デバイス、および、方法の例など、多くの具体的な詳細が示されている。特定の詳細を採用する必要はなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、いずれもこの開示の範囲を限定するものと解釈すべきでないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態において、周知のプロセス(方法における段階)、周知のデバイス構造、および、周知の技術は詳細には記載されていない。
【0035】
この明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図するものではない。この明細書で使用されるように、単数形(定冠詞、および、不定冠詞)は、文脈が他に明白に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「備える」、「有する」、「含む」、および、「持つ」は、包括的であり、従って、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または、構成部品の存在を特定するが、ひとつまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、および/または、それらのグループの追加を除外しない。この明細書に記載の方法のステップ、プロセス、および、動作は、特定の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序を必要とすると解釈されるべきではない。付加的、または、代替的なステップを用いることが可能であることも理解されるべきである。
【0036】
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された1つまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、および、すべての組み合わせを含む。
【0037】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成部品、領域、層、および/または、区画を説明するために、この明細書で使用することができるが、これらの要素、構成部品、領域、層、および/または、区画はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成部品、領域、層、または、区画を、他の要素、構成部品、領域、層または区画から区別するためにのみ使用されてもよい。「第1」、「第2」、および、他の数値的な用語は、ここで使用される場合、文脈によって明白に示されない限り、手順または順序を意味するものではない。したがって、以下に説明する第1の「要素、構成部品、領域、層、または、区画」は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の「要素、構成部品、領域、層、または、区画」と呼ぶことができる。
【0038】
空間的に相対的な用語「内」、「外」、「裏」、「下」、「低」、「上」、「高」などは、図示されているような、ひとつの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明する記載を容易にするためにここでは利用されている。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または操作中のデバイスのさまざまな向きを包含することを意図している場合がある。例えば、図中の装置がひっくり返されている場合、他の要素または機能の「下」、または、「裏」と記載された要素は、他の要素または機能の「上」に向けられる。したがって、例示された用語「下」は、上、および、下の両方の方向を含むことができる。この装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転されてもよい)、この明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、前記第1熱交換器の上流の前記第1冷却媒体ループに沿って第1バルブ(110)を含み、前記第1バルブは、前記最大暖房モードでは冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器に案内するように構成され、前記第1バルブは、前記最大冷房モードでは冷却媒体を前記蒸発器から前記第1熱交換器に案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、前記第2熱交換器の下流の前記第1冷却媒体ループに沿って第2バルブ(112)をさらに含み、前記第2バルブは、前記最大暖房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記凝縮器に戻すように構成され、前記第2バルブは、前記最大冷房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記蒸発器に戻すように構成されており、
前記バルブシステムは、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器との間の前記第1冷却媒体ループに沿って第3バルブ(114)をさらに含み、前記第3バルブは、前記最大暖房モード、および、前記最大冷房モードの両方において、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器へ冷却媒体を案内するように構成されているHVACシステム。
【請求項2】
前記最大暖房モード、または、前記最大冷房モードにおいて、前記第1バルブと、前記第2バルブと、前記第3バルブとを駆動制御するように構成されたHVAC制御装置(210)をさらに備える請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項3】
さらに、放熱器(90)、および、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)を備え、
前記最大暖房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記蒸発器との間を流れ、
前記最大冷房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記凝縮器との間を流れる請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項4】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
さらに、放熱器(90)、および、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)を備え、
前記最大暖房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記蒸発器との間を流れ、
前記最大冷房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記凝縮器との間を流れるHVACシステム。
【請求項5】
前記バルブシステムは、前記第1熱交換器の上流の前記第1冷却媒体ループに沿って第1バルブ(110)を含み、前記第1バルブは、前記最大暖房モードでは冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器に案内するように構成され、前記第1バルブは、前記最大冷房モードでは冷却媒体を前記蒸発器から前記第1熱交換器に案内するように構成されている請求項4に記載のHVACシステム。
【請求項6】
前記バルブシステムは、前記第2熱交換器の下流の前記第1冷却媒体ループに沿って第2バルブ(112)をさらに含み、前記第2バルブは、前記最大暖房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記凝縮器に戻すように構成され、前記第2バルブは、前記最大冷房モードでは前記第2熱交換器からの冷却媒体を前記蒸発器に戻すように構成されている請求項5に記載のHVACシステム。
【請求項7】
前記第1熱交換器は、第1高さと、前記第1高さに対して直角に延びる第1長さとを有し、
前記第2熱交換器は、第2高さと、前記第2高さに対して直角に延びる第2長さとを有し、
前記第1高さは前記第2高さと平行である請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項8】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とはサイズが同一である請求項7に記載のHVACシステム。
【請求項9】
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁と、前記圧縮機とは、前記HVACケースの外側に位置付けられている請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項10】
前記HVACケースは、デフロスト吹出口(36)と、フェイス吹出口(32)と、フット吹出口(34)とを区画している請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項11】
前記蒸発器は水冷式チラーであり、前記凝縮器は水冷式凝縮器である請求項1に記載のHVACシステム。
【請求項12】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
暖房モードにおいて:
前記バルブシステムは、前記凝縮器からの暖かい冷却媒体を前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、前記凝縮器に戻して、前記HVACケースのフット吹出口を通って車両の乗員室におよび、デフロスト吹出口を通ってフロントガラスに送られる空気の流れを加熱するように構成されており、
前記バルブシステムは、冷却された冷却媒体を前記蒸発器と放熱器とに案内するように構成されているHVACシステム。
【請求項13】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
冷房モードにおいて:
前記バルブシステムは、冷却された冷却媒体を前記蒸発器から前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、前記蒸発器に戻して、前記HVACケースのフェイス吹出口を通して車両の乗員室に送られる空気の流れを冷却するように構成されており、
前記バルブシステムは、前記凝縮器と放熱器との間に冷却媒体を案内するように構成されているHVACシステム。
【請求項14】
さらに、放熱器(90)、および、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)を備え、
前記最大暖房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記蒸発器との間を流れ、
前記最大冷房モードでは、冷却媒体は前記放熱器と前記凝縮器との間を流れる請求項12または請求項13に記載のHVACシステム。
【請求項15】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器と、前記凝縮器と、前記膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、
前記第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器、前記第1熱交換器、および、前記第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、
前記バルブシステムは、暖房、除湿、および、除曇モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器に戻すように構成されており、
前記バルブシステムは、冷房、除湿、および、温度制御モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器に戻すように構成されているHVACシステム。
【請求項16】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とが単一のアセンブリとして結合されている請求項1~13、および、15のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項17】
前記第1熱交換器は、第1入口タンク(312A)、および、第1出口タンク(314A)と流体的に連通している複数の第1冷却媒体チューブを含み、
前記第2熱交換器は、第2入口タンク(312B)、および、第2出口タンク(314B)と流体的に連通している複数の第2冷却媒体チューブを含み、
さらに、複数の前記第1冷却媒体チューブと複数の前記第2冷却媒体チューブとを隣接するように固定する第1エンドプレート(340)、および、第2エンドプレート(342)を備える請求項1~13、および、15のいずれかに記載のHVACシステム。
【請求項18】
蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、
前記蒸発器、前記凝縮器、および、前記膨張弁のそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、
第1熱交換器(20)と第2熱交換器(22)とを備え、フェイス吹出口(32)と、フット吹出口(34)と、デフロスト吹出口(36)とを区画するHVACケース(12)、
放熱器(90)、
前記第1熱交換器と、前記第2熱交換器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、
前記放熱器と、前記蒸発器、または、前記凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、前記放熱器を通るように前記冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)、および、
前記第1冷却媒体ループと、前記第2冷却媒体ループとを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114、116、118)を備え、
前記バルブシステムは、最大暖房モードでは、前記凝縮器と前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とを通過するように前記第1冷却媒体ループを構成し、前記放熱器と前記蒸発器とを通過するように前記第2冷却媒体ループを構成し、
前記バルブシステムは、最大冷房モードでは、前記蒸発器と前記第1熱交換器と前記第2熱交換器とを通過するように前記第1冷却媒体ループを構成し、前記放熱器と前記凝縮器とを通過するように前記第2冷却媒体ループを構成するHVACシステム。
【請求項19】
前記第1熱交換器は、第1高さと、前記第1高さに対して直角に延びる第1長さとを有し、
前記第2熱交換器は、第2高さと、前記第2高さに対して直角に延びる第2長さとを有し、
前記第1高さは前記第2高さと平行である請求項18に記載のHVACシステム。
【請求項20】
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器はサイズが同一である請求項19に記載のHVACシステム。
【請求項21】
前記蒸発器、前記凝縮器、前記膨張弁、および、前記圧縮機は、前記HVACケースの外側に位置付けられている請求項18に記載のHVACシステム。
【請求項22】
前記バルブシステムは、暖房、除湿、および、除曇モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器と、前記放熱器、および、前記蒸発器の間とに戻すように構成されており、
前記バルブシステムは、冷房、除湿、および、温度制御モードでは、冷却媒体を前記凝縮器から前記第1熱交換器を介して前記凝縮器に戻し、前記蒸発器から前記第2熱交換器を介して前記蒸発器と、前記放熱器、および、前記凝縮器の間とに戻すように構成されている請求項18に記載のHVACシステム。
【請求項23】
前記第1熱交換器は、第1入口タンク(312A)、および、第1出口タンク(314A)と流体的に連通している複数の第1冷却媒体チューブを含み、
前記第2熱交換器は、第2入口タンク(312B)、および、第2出口タンク(314B)と流体的に連通している複数の第2冷却媒体チューブを含み、
さらに、前記第1冷却媒体チューブと前記第2冷却媒体チューブとを隣接するように固定する第1エンドプレート(340)、および、第2エンドプレート(342)を備える請求項18~22のいずれかに記載のHVACシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、第1熱交換器の上流の第1冷却媒体ループに沿って第1バルブ(110)を含み、第1バルブは、最大暖房モードでは冷却媒体を凝縮器から第1熱交換器に案内するように構成され、第1バルブは、最大冷房モードでは冷却媒体を蒸発器から第1熱交換器に案内するように構成されており、バルブシステムは、第2熱交換器の下流の第1冷却媒体ループに沿って第2バルブ(112)をさらに含み、第2バルブは、最大暖房モードでは第2熱交換器からの冷却媒体を凝縮器に戻すように構成され、第2バルブは、最大冷房モードでは第2熱交換器からの冷却媒体を蒸発器に戻すように構成されており、バルブシステムは、第1熱交換器と第2熱交換器との間の第1冷却媒体ループに沿って第3バルブ(114)をさらに含み、第3バルブは、最大暖房モード、および、最大冷房モードの両方において、第1熱交換器から第2熱交換器へ冷却媒体を案内するように構成されているHVACシステムを提供する。
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、さらに、放熱器(90)、および、放熱器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、放熱器を通るように冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)を備え、最大暖房モードでは、冷却媒体は放熱器と蒸発器との間を流れ、最大冷房モードでは、冷却媒体は放熱器と凝縮器との間を流れるHVACシステムを提供する。
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、暖房モードにおいて:バルブシステムは、凝縮器からの暖かい冷却媒体を第1熱交換器と第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、凝縮器に戻して、HVACケースのフット吹出口を通って車両の乗員室におよび、デフロスト吹出口を通ってフロントガラスに送られる空気の流れを加熱するように構成されており、バルブシステムは、冷却された冷却媒体を蒸発器と放熱器とに案内するように構成されているHVACシステムを提供する。
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、冷房モードにおいて:バルブシステムは、冷却された冷却媒体を蒸発器から第1熱交換器と第2熱交換器の両方に並列的に送り、その後、蒸発器に戻して、HVACケースのフェイス吹出口を通して車両の乗員室に送られる空気の流れを冷却するように構成されており、バルブシステムは、凝縮器と放熱器との間に冷却媒体を案内するように構成されているHVACシステムを提供する。
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器と、凝縮器と、膨張弁とのそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と、第2熱交換器(22)とを含むHVACケース(12)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、および、第1冷却媒体ループを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器、第1熱交換器、および、第2熱交換器を通るように冷却媒体を案内するように構成されており、バルブシステムは、暖房、除湿、および、除曇モードでは、冷却媒体を凝縮器から第1熱交換器を介して凝縮器に戻し、蒸発器から第2熱交換器を介して蒸発器に戻すように構成されており、バルブシステムは、冷房、除湿、および、温度制御モードでは、冷却媒体を凝縮器から第1熱交換器を介して凝縮器に戻し、蒸発器から第2熱交換器を介して蒸発器に戻すように構成されているHVACシステムを提供する。
この開示は、蒸発器(50)と、凝縮器(52)と、膨張弁(56)と、圧縮機(54)、蒸発器、凝縮器、および、膨張弁のそれぞれと流体的に連通しており、それらを通して冷媒を循環させる冷媒ループ(70)、第1熱交換器(20)と第2熱交換器(22)とを備え、フェイス吹出口(32)と、フット吹出口(34)と、デフロスト吹出口(36)とを区画するHVACケース(12)、放熱器(90)、第1熱交換器と、第2熱交換器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、それらを通して冷却媒体を循環させる第1冷却媒体ループ(80)、放熱器と、蒸発器、または、凝縮器のいずれかと流体的に連通しており、放熱器を通るように冷却媒体を案内する第2冷却媒体ループ(94)、および、第1冷却媒体ループと、第2冷却媒体ループとを通る冷却媒体の流れを制御するように構成されているバルブシステム(110、112、114、116、118)を備え、バルブシステムは、最大暖房モードでは、凝縮器と第1熱交換器と第2熱交換器とを通過するように第1冷却媒体ループを構成し、放熱器と蒸発器とを通過するように第2冷却媒体ループを構成し、バルブシステムは、最大冷房モードでは、蒸発器と第1熱交換器と第2熱交換器とを通過するように第1冷却媒体ループを構成し、放熱器と凝縮器とを通過するように第2冷却媒体ループを構成するHVACシステムを提供する。
適用性のさらなる領域は、この明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要の説明、および、特定の例は、例示のみを目的とするものであり、この開示の範囲を限定するものではない。
【国際調査報告】