IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

特表2024-546387望ましくない排出物を低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステム
<>
  • 特表-望ましくない排出物を低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステム 図1
  • 特表-望ましくない排出物を低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステム 図2
  • 特表-望ましくない排出物を低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-20
(54)【発明の名称】望ましくない排出物を低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステム
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/40 20060101AFI20241213BHJP
   F02C 3/22 20060101ALI20241213BHJP
   F02C 3/30 20060101ALI20241213BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20241213BHJP
   F23R 3/36 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
F02C9/40 A
F02C3/22
F02C3/30 A
F02C7/22 A
F23R3/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538991
(86)(22)【出願日】2023-01-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2023025035
(87)【国際公開番号】W WO2023138906
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】102022000001079
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルディーニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ミリアーニ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ズッカ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】パルミエリ,ロッセラ
(72)【発明者】
【氏名】ロンバルディー,ガエターノ
(57)【要約】
【解決手段】 酸化剤流を圧縮し、燃焼器セクション(20)において圧縮酸化剤流を提供するように構成された圧縮機セクション(10)を有するガスタービンシステム(1000、2000、3000)。燃焼器セクション(20)は、酸化剤と、少なくとも燃料ガスと不活性ガスとを含む燃料ガス混合気とを別々に受け入れ、燃焼室内で燃料及び酸化剤の拡散火炎燃焼を行い、煙道ガス流をタービンセクション(30)に供給するように構成され、タービンセクション(30)は、煙道ガス流を膨張させ、膨張煙道ガス流をタービン出口において排出するように構成されている。ガスタービンシステムはまた、少なくとも燃料ガス及び不活性ガスを混合し、燃焼器セクション(20)において、煙道ガスの含有量に応じた、例えば測定された又は予測された煙道ガスのNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量に応じた混合比で燃料ガス混合物を提供するように構成された混合ユニット(50)を有する。混合ユニット(50)は、ガスタービンシステムの動作を制御するように構成された制御ユニット(40)の制御下で少なくとも燃料ガスと不活性ガスとを混合するように構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンシステム(1000、2000、3000)であって、
-圧縮機入口(11)と圧縮機出口(12)とを有する圧縮機セクション(10)であって、前記圧縮機入口(11)において非圧縮酸化剤流を受け入れて、前記酸化剤を圧縮し、前記圧縮機出口(12)において圧縮酸化剤流を提供するように構成された圧縮機セクション(10)と、
-燃焼器入口(21)と燃焼器出口(22)と燃料供給導管(23)とを有する燃焼器セクション(20)であって、前記燃焼器入口(21)は前記圧縮機出口(12)に流体結合され、前記燃焼器セクション(20)は、前記燃焼器入口(21)と前記燃焼器出口(22)と前記燃料供給導管(23)とに流体結合された燃焼室を備え、前記燃焼室内で燃料及び酸化剤の拡散火炎燃焼を行うように構成され、前記燃焼器出口(22)において煙道ガス流を提供するように構成された燃焼器セクション(20)と、
-タービン入口(31)とタービン出口(32)とを有するタービンセクション(30)であって、前記タービン入口(31)は前記燃焼器出口(22)に流体結合され、前記タービンセクション(30)は、前記煙道ガス流を膨張させ、膨張煙道ガス流を前記タービン出口(32)において排出するように構成されたタービンセクションと(30)、
-前記ガスタービンシステム(1000)の動作を制御するように構成された制御ユニット(40)と、
を備え、
前記ガスタービンシステム(1000)は、燃料ガス入口(51)と不活性ガス入口(52)とガス混合物出口(54)とを有する混合ユニット(50)を更に備え、前記ガス混合物出口(54)は、前記燃焼器セクション(20)の前記燃料供給導管(23)に流体結合され、
前記ガスタービンシステム(1000)は、前記ガス混合物出口(54)における前記ガス混合物の含有量を決定し、前記含有量を前記制御ユニット(40)に提供するように構成された燃料ガス分析器(60)を更に備え、
前記混合ユニット(50)は、燃料ガスと不活性ガスとを混合し、前記制御ユニット(40)の制御下で前記ガス混合物出口(54)においてガス混合物を提供するように構成され、前記ガス混合物は、前記煙道ガスの含有量に依存する混合比を有する、ガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項2】
前記燃料ガスは、水素又は主に水素を含有するガス混合物である、請求項1に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項3】
前記不活性ガスは、窒素及び/又は二酸化炭素及び/又はアルゴン及び/又はヘリウム及び/又はHO及び/又はそれらの混合物を含有し、好ましくは前記不活性ガスは、窒素又は主に窒素を含むガス混合物である、請求項1に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項4】
前記混合ユニット(50、150、250)は、追加の燃料ガス入口(53、153、253)を更に備え、前記混合ユニット(50、150、250)は、前記燃料ガス、前記追加の燃料ガス及び前記不活性ガスを混合し、前記ガス混合物出口(54、154、254)において前記ガス混合物を提供するように構成されている、請求項1に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項5】
前記追加の燃料ガスは、天然ガス及び/又はアンモニア及び/又は液化石油ガス(LPG)及び/又はバイオ燃料及び/又は電気燃料及び/又は合成ガス及び/又はCOを含む、請求項4に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項6】
前記タービン出口(32、232)に流体結合され、前記膨張煙道ガス流の少なくとも1つのパラメータを測定し、前記少なくとも1つのパラメータを前記制御ユニット(40、240)に提供するように構成されている、連続排出監視システム(70、270)を更に備え、前記少なくとも1つのパラメータは、前記膨張煙道ガス流中のNOx量である、請求項1に記載のガスタービンシステム(1000、3000)。
【請求項7】
前記連続排出監視システム(70、270)は、前記膨張煙道ガス流の少なくとも別のパラメータを測定し、前記少なくとも別のパラメータを前記制御ユニット(40、240)に提供するように更に構成され、前記少なくとも別のパラメータが、前記膨張煙道ガス流中のCO及び/又はCO2の量である、請求項6に記載のガスタービンシステム(1000、3000)。
【請求項8】
前記制御ユニット(140、240)から前記ガス混合物出口(154、254)における前記ガス混合物の少なくとも前記混合比又は含有量を受け入れて、前記膨張煙道ガス流の少なくとも1つのパラメータを予測し、前記少なくとも1つのパラメータを前記制御ユニット(140、240)に提供するように構成された予測排出量監視システム(180、280)を更に備え、前記少なくとも1つのパラメータは、前記膨張煙道ガス流中のNOx量である、請求項1に記載のガスタービンシステム(2000、3000)。
【請求項9】
前記予測排出量監視システム(180、280)は、前記膨張煙道ガス流の少なくとも別のパラメータを予測し、前記少なくとも別のパラメータを前記制御ユニット(140、240)に提供するように更に構成され、前記少なくとも別のパラメータが、前記膨張煙道ガス流中のCO及び/又はCO2量である、請求項8に記載のガスタービンシステム(2000、3000)。
【請求項10】
前記制御ユニット(40、140、240)は、測定又は予測された前記少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ガスタービンシステム(1000、2000、3000)の動作を制御する、請求項6又は7又は8又は9に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項11】
前記制御ユニット(40、140、240)は、測定又は予測された前記少なくとも別のパラメータに基づいて、前記ガスタービンシステム(1000、2000、3000)の動作を制御する、請求項7又は9に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項12】
前記混合ユニット(50、150、250)は、燃料ガス調節弁と不活性ガス調節弁とを備え、前記制御ユニット(40、150、250)は、前記燃料ガス調節弁及び前記不活性ガス調節弁の開閉を調節するように構成されている、請求項1に記載のガスタービンシステム(1000、2000、3000)。
【請求項13】
前記混合ユニット(150、250)は、前記追加の燃料ガスの調整弁を更に備え、前記制御ユニット(140、240)は、前記追加の燃料ガスの前記調整弁の開閉を調整するように構成されている、請求項4に記載のガスタービンシステム(2000、3000)。
【請求項14】
前記予測排出量監視システム(280)は、人工知能に基づいて予測を行うように構成され、特に、前記予測に寄与するように構成された人工ニューラルネットワークを備える、請求項8又は9に記載のガスタービンシステム(3000)。
【請求項15】
-前記タービン出口(232)に流体結合され、前記予測排出量監視システム(280)に電気的に結合され、タービン排出量を測定するように構成された連続排出監視システム(270)と、
又は
-連続排出監視システム(270)に電気的に結合されるように構成された入力であって、前記連続排出監視システム(270)は前記タービン出口(232)に流体結合され、タービン排出量を測定するように構成された入力と、を更に備え、
前記予測排出量監視システム(280)は、工場及び/又は設置時にセットアップされるように構成され、設置時及び/又は初期動作中に訓練されるように構成され、訓練は、前記測定された排出量に基づく、請求項14に記載のガスタービンシステム(3000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、燃料混合を調整することによって、望ましくない排出物、特にNOx排出物、並びに場合によってはCO及び/又はCO2排出物を部分的に又は完全に低減するための拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステムに関する。燃料混合の調整は、有利には、ガスタービンシステムの煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2含有量に基づいて行われる。
【背景技術】
【0002】
従来のガスタービンエンジンは、酸化剤、典型的には空気を高圧に圧縮し、燃料を酸化剤と共に燃焼させて高圧高温の煙道ガス流を発生させ、次いで、膨張器を通して高圧高温の煙道ガス流を膨張させて仕事を生成し、場合によっては電気エネルギーを発生させることによって動作する。典型的には、ガスタービンエンジンは、エタン、プロパン及びブタンなどの、わずかに重い炭化水素をはるかに少量含む、多くの場合主にメタンである天然ガス、又は、微量の重い炭化水素を含む、プロパン及び/又はブタンである液化石油ガス、を燃料として使用する。
【0003】
ガスタービン燃焼システムには、拡散火炎又は予混合火炎の2つのタイプがある。拡散燃焼システムでは、燃料及び酸化剤(例えば、空気)が燃焼器の反応ゾーンに別々に噴射され、完全に又はほぼ化学量論的である燃焼を行う。しかしながら、拡散燃焼システムでは、燃焼が完全に又はほぼ化学量論的であるという事実により、NOx排出物を制御すること、特に、酸化剤(例えば、空気)又は燃料中の遊離窒素の酸化から形成される、「サーマルNOx」の形成を制御することは(不可能ではないにしても)困難である。サーマルNOxは、断熱容器内で燃料と酸化剤(例えば空気)の化学量論的混合物を燃焼させることによって到達する温度である、燃料の化学量論的断熱火炎温度に強く依存し、酸素と窒素の濃度にはより弱く依存する。
【0004】
ここ数十年で、環境被害を制限するために排出規制がより厳しくなってきている。火炎温度を低下させるために燃焼器の反応ゾーンに水又は蒸気を直接添加することによって、拡散火炎燃焼システムからのNOx排出物を制限する試みがなされた。煙道ガス流から直接NOx(場合によってはCO及び/又はCO2も)を除去する他の試みがなされた。例えば、NOx排出物は、ガスタービンシステムの膨張器の下流に選択的触媒還元システムを追加することによって低減することができる。
【0005】
しかしながら、近年の排出要件の更なる強化により、ドライ低NOx(DLN)又は乾式低排出(DLE)燃焼器などの予混合燃焼システムの導入及び普及がもたらされた。予混合燃焼器では、燃料及び酸化剤(例えば、空気)は、燃焼器の反応ゾーンの上流で混合され、したがって、典型的には、NOx低排出動作のために最適化される。例えば、DLNガスタービン燃焼器において、二次ガス、例えば、水素、エタン、ブタン、プロパン、LNGなどの代替ガス燃料、又は窒素及び二酸化炭素などの不活性ガスを、一次ガス燃料、特に天然ガスと混合するための、システム及び方法が欧州特許第2204561(A2)号から知られている。これらのタイプの燃焼器では、混合される水素の量は、火炎不安定性のリスクのために制限され、したがって、かなりの量の天然ガスが常に存在し、その結果、CO及び/又はCO2排出物がかなり多い。したがって、予混合燃焼は、システムの完全な脱炭に到達することを可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の拡散燃焼システムは、少なくとも絶えず増大する低排出要件を考慮してNOx排出問題を有する場合があるとしても、予混合燃焼器よりも高い燃料柔軟性、高い火炎安定性、及びより少量(又はゼロでさえある)CO及びCO2排出を依然として提供する。
【0007】
望ましくない排出物、特にNOx排出物及び場合によってはCO及び/又はCO2排出物を部分的又は全体的に低減した拡散火炎燃焼を有するガスタービンシステムを有することが望ましいであろう。
【0008】
特に、予混合燃焼器よりも高い燃料柔軟性、高い火炎安定性、並びにより少量のCO及び/又はCO2排出物を提供することができる解決策、例えば、100体積%までの水素(及び例えば0体積%までの天然ガス又は別の二次燃料)を有する燃料を燃焼させることができる解決策を提供することが望ましいであろう。水素は、例えば、50%、60%、70%、80%又は90%であってもよく、異なる理由で経時的に変化してもよい。
【0009】
特に、既に設置されて動作しているガスタービンシステムであっても、これらのシステムがより厳しい排出要件に準拠することができるように、容易に適用することができる解決策を提供することが望ましいであろう。
【0010】
一態様によれば、本明細書で開示される主題は、酸化剤流を圧縮し、燃焼器セクションで圧縮酸化剤流を提供するように構成された圧縮機セクションを有するガスタービンシステムに関し、燃焼器セクションでは、燃料ガスと不活性ガスとのガス混合物が酸化剤とは別に更に供給される。燃焼器セクションは、燃焼室内で燃料及び酸化剤の拡散火炎燃焼を実行し、煙道ガス流を膨張させ膨張煙道ガス流をタービン出口において排出するように構成されたタービンセクションに、煙道ガス流を提供するように構成されている。ガスタービンシステムはまた、少なくとも燃料ガス及び不活性ガスを混合し、燃焼器セクションにおいて、煙道ガスの含有量に応じた、例えば煙道ガスのNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量に応じた混合比でガス混合物を提供するように構成されている、混合ユニットを有する。混合ユニットは、ガスタービンシステムの動作を制御するように構成された制御ユニットの制御下で燃料ガスと不活性ガスとを混合するように構成されている。
【0011】
改造の可能性を考慮すると、このような革新的なガスタービンシステムは、水素又は水素を含むガス混合物で空気を燃焼させるのに特に適している。好ましくは、不活性ガスは、容易に入手可能であり低コストであるため、窒素であるか、又は主に窒素を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについて、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによってそれらがより良好に理解されるため、完全な理解が容易に得られるであろう。
図1図1は、燃料混合及び連続排出監視システム(Continuous Emissions Monitoring System、CEMS)を有するガスタービンシステムの一実施形態の簡略図である。
図2図2は、燃料混合及び予測排出量監視システム(Predictive Emissions Monitoring System、PEMS)を有するガスタービンシステムの別の実施形態の簡略図である。
図3図3は、連続排出監視システム(CEMS)と組み合わされた学習段階中の燃料混合及び予測排出量監視システム(PEMS)を有するガスタービンシステムの別の実施形態の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一態様によれば、本明細書で開示される主題は、燃料ガス、例えば水素を不活性ガス、例えば窒素と、場合によっては追加の燃料ガス、例えば天然ガスと混合することによって、望ましくない排出物、特にNOx排出物、場合によってはCO及び/又はCO2排出物を低減することを可能にする拡散火炎燃焼を有するガスタービンシステムに関する。ガス混合物中の燃料ガス、不活性ガス及び追加の燃料ガスの量は、ガスを混合ユニットに供給する入口弁の開閉を調整する制御ユニットによって制御される。混合ユニットは、ガスタービンの拡散火炎燃焼器内で酸化剤、例えば空気と共に燃焼されるガス混合物を生成して煙道ガスを生成し、煙道ガスはガスタービンの膨張器内で膨張され、典型的にはガスタービンに機械的に結合された機器、例えば圧縮機又は発電機を駆動する。その後、煙道ガスは大気中に排出されてもよい。望ましくない排出物(例えば、有害排出物)を低く維持するために、システムは、典型的にはセンサの配置からなる、連続排出監視システム、又は典型的にはハードウェア及び/又はソフトウェア分析器からなる、予測排出量監視システムが設けられ、それぞれは膨張煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2量を測定又は予測し、量を制御ユニットに提供し、制御ユニットは、測定又は予測された量に基づいてガス混合物の含有量を制御する。
【0014】
次に、本開示の実施形態を詳述し、その例が図面に例示される。実施例及び図面は、本開示の説明として提供され、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。以下の説明では、同様の参照番号が、同じ又は同様の機能を実行する要素を示すために実施形態の図の例示に使用される。更に、例示を明確にするために、いくつかの参照符号は、全ての図において繰り返されない場合がある。
【0015】
図1には、拡散火炎燃焼及び燃料混合を伴うガスタービンシステムの一実施形態の簡略図が示されており、このガスタービンシステム全体を参照番号1000で示す。ガスタービンシステム1000は、圧縮機セクション10と、燃焼器セクション20と、タービンセクション30と、を備える。典型的には、圧縮機セクション10及びタービンセクション30は、シャフト34によって機械的に結合される。有利には、シャフト34は更に、被駆動装置35、例えば圧縮機又は発電機に機械的に結合される。
【0016】
圧縮機セクション10は、圧縮機入口11と圧縮機出口12とを有し、圧縮機入口において非圧縮酸化剤流、好ましくは空気、より好ましくは周囲圧力の周囲空気を受け入れて、例えば1つ又は複数の圧縮機段を通して酸化剤を圧縮し、圧縮機出口12において圧縮酸化剤流を提供するように構成されている。以下から明らかになるように、圧縮された酸化剤流は、次に、ガスタービンシステム1000の燃焼器セクション20に供給される。
【0017】
燃焼器セクション20は、燃焼器入口21と燃焼器出口22とを有し、圧縮機セクション10から、特に圧縮機出口12から圧縮酸化剤流を受け入れるように構成されている。換言すれば、燃焼器入口21は、圧縮機出口12に流体結合される。燃焼器セクション20は、燃焼室内で燃料及び酸化剤の拡散火炎燃焼を行うように構成され、燃焼室は、圧縮された酸化剤を受け入れる燃焼器入口21と、燃料を受け入れる燃料供給導管23とに流体結合される。以下でより良く説明されるように、燃焼室内に受け入れられる燃料は、燃料ガスと不活性ガスとのガス混合物である。燃焼器セクション20内で行われる燃焼は、燃焼器出口22に提供される煙道ガス流を発生させる。
【0018】
燃焼器出口22は、タービンセクション30に流体結合される。タービンセクション30は、タービン入口31とタービン出口32とを有し、例えば1つ又は複数の膨張段を通して煙道ガス流を膨張させ、典型的には大気中に行き着く、膨張煙道ガス流を、タービン出口32において排出するように構成されている。
【0019】
既に上記に説明したように、燃焼器セクション20は、少なくとも燃料ガスと不活性ガスとのガス混合物を受け入れるように構成され、ガスタービンシステム1000は、燃料ガスと不活性ガスとを混合し、ガス混合物を燃焼器セクション20に供給するように構成されている、混合ユニット50を更に備える。混合ユニット50は、少なくとも燃料ガス入口51と、不活性ガス入口52と、ガス混合物出口54とを有し、ガス混合物出口54は、燃焼器セクション20にガス混合物を提供するために燃焼器セクション20の燃料供給導管23に流体結合される。特に、混合ユニット50は、燃焼器セクション20の上流に配置される。
【0020】
好ましい実施形態によれば、燃料ガスは、例えば、水素又は主に水素を含有する、例えば少なくとも90%の水素を含有する(例えば、混合ユニット50に供給される水素の純度に応じて)ガス混合物であってもよい。好ましい実施形態によれば、不活性ガスは、窒素及び/又は二酸化炭素及び/又はアルゴン及び/又はヘリウム及び/又はそれらの混合物を含有してもよい。HOは、「不活性」が低い場合であっても、好ましくは蒸気又は噴霧水又は霧化水の形態で、「不活性ガス」として(単独で又は1つ以上の他の不活性ガスと組み合わせてのいずれかで)使用され得ることを除外するものではない。好ましくは、不活性ガスは窒素又は主に窒素を含有し、例えば、少なくとも90%の窒素を(例えば、混合ユニット50に供給される窒素の純度に応じて)含有する。例えば、不活性ガスは、空気分離ユニット(Air Separation Unit=ASU)から来る窒素であってもよい。水素又は主に水素を含有するガス混合物を燃料ガスとして使用することにより、CO及びCO2排出物は極めて低い(ゼロではないとしても)。これは、天然ガス又はアンモニア又はLPG又はバイオ燃料又は電気燃料又は合成ガスが燃料として代わりに使用される場合には当てはまらない。
【0021】
燃料ガス混合物の組成には非常に多くの可能性がある。第1の可能性によれば、ある時間に燃焼器セクション20に供給されるガス混合物は、例えば実質的に例えば約60体積%の水素と例えば約40体積%の窒素とを含むことができる。有利には、ガス混合物のこの組成は、この燃焼の主生成物がH0であるので、煙道ガス中にCOもCO2も発生させない。また、一般に、ガス混合物中の不活性成分が増加すると、タービンセクション30内の膨張質量流量が増加し(不活性ガスは燃焼器セクション20内で加熱され、タービンセクション30内で膨張することができる)、一方、圧縮質量流量は変化しない(不活性ガスは燃焼反応に影響を及ぼさないので、圧縮セクション10によって圧縮される酸化剤の量は変化しない)ので、ガスタービンシステム1000の電力出力にプラスの効果があり得ることにも留意されたい。特定の動作条件によれば、水素が不十分である場合、ガス混合物中の水素含有量は、例えば60%未満とすることができ(例えば、水素が再生可能資源から、特に間欠的再生可能資源から得られる場合)、以下でより良く説明するように、追加の燃料ガスをガス混合物に加えることができる。他の特定の動作条件によれば、例えばタービンの始動時に、以下でより良く説明するように、追加の燃料ガスがガス混合物に加えられてもよい(又は水素を完全に置き換えてもよい)。一般に、燃料ガス混合物の組成は、異なる理由(組成が制御ユニットによって制御されることを含む)のために常に同じではない場合があり、実施形態ごとに異なり得ることに留意されたい。
【0022】
図1図3に示すように、混合ユニット50、150、250は、追加の燃料ガス入口53、153、253を更に備えることができる。例えば、追加の燃料ガスは、天然ガス及び/又はアンモニア及び/又は液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas、LPG)及び/又はバイオ燃料(すなわち、バイオマスから生産された燃料)及び/又は電気燃料(すなわち、化石を含まない電気、又は再生可能な供給源に由来する電気で生産された燃料)及び/又は合成ガス(すなわち、主に水素及び一酸化炭素からなるガス混合物)及び/又はCOを含有してもよい。追加の燃料ガスは、混合ユニット50、150、250によって燃料ガス及び不活性ガスと混合されてもよく、結果として生じるガス混合物は、混合ユニット50、150、250のガス混合物出口54、154、254で提供されてもよい。追加の燃料ガスの使用は、特にガスタービンシステム1000、2000、3000の始動中に有利であり得る。例えば、COは、以下の反応に従ってO2と反応する場合がある。
2CO+O2→2CO2
【0023】
図1~3を非限定的に参照すると、ガスタービンシステム1000及び2000及び3000は、ガスタービンシステムの動作を制御するように、特に、混合ユニット50、150、250の燃料ガス調整弁及び不活性ガス調整弁及び追加の燃料ガス調整弁(追加の燃料ガスが提供される場合)の開閉を制御するように構成された制御ユニット40、140、240を更に備える。混合ユニット50、150、250は、制御ユニット40、140、240の制御下でガス混合物を生成する。以下から明らかになるように、タービン出口32、132、232における煙道ガスの含有量、例えばNOxの含有量及び/又はCOの含有量及び/又はCO2の含有量が測定及び/又は予測され、制御ユニット40、140、240に提供される。有利なことに、制御ユニット40は、煙道ガスの測定された/予測された含有量に応じて調整弁の開閉を調整する。換言すれば、ガス混合物は、煙道ガスの測定された/予測された含有量に従う混合比を有する。
【0024】
図1は、タービン出口32に流体結合され、タービン出口32における膨張煙道ガス流の少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された連続排出監視システム(=CEMS)70を更に備える、ガスタービンシステム1000の実施形態を示す。典型的には、既に述べたように、連続排出監視システム70は、制御されるべき1つ又は複数のパラメータを測定することができるセンサの配置からなる。有利には、連続排出監視システム70は、膨張煙道ガス流中のNOx量、及び/又は膨張煙道ガス流中のCO量、及び/又は膨張煙道ガス流中のCO2量を測定することができる。連続排出監視システム70は、パラメータ(複数可)を制御ユニット40に提供することができ、制御ユニット40は、測定されるパラメータ(複数可)に基づいて、好ましくは少なくとも膨張煙道ガス流中のNOx量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO2量に基づいて、ガスタービンシステム1000の動作を制御する制御ユニット40に提供することができる。特に、既に述べたように、制御ユニット40は、連続排出監視システム70によって検出されるパラメータ(複数可)に基づいて調整弁の開閉を制御することができる。
【0025】
有利には、ガスタービンシステム1000は、以下のような他のパラメータを測定する機器、特にセンサを更に備えることができる(これらの機器はまた、混合ユニット及び/又は圧縮機セクション及び/又は燃焼器セクション及び/又はタービンセクションに全体的又は部分的に統合されてもよい)。
-周囲圧力及び温度、及び/又は
-膨張煙道ガス温度、及び/又は
-周囲相対湿度、及び/又は
-圧縮機入口11と周囲圧力との間の圧力降下、及び/又は
-タービン出口32と周囲圧力との間の圧力降下、及び/又は
-圧縮機出口12における酸化剤(例えば、空気)の圧力及び温度、及び/又は
-火炎温度、及び/又は
-火炎安定性及び動力学、及び/又は
-燃料組成及び特性(圧力、温度、低位発熱量(Lower Heating Value=LHV)、修正ウォッベ指数(Modified Wobbe Inde=MWI、燃焼比...)。
【0026】
有利には、これらの他のパラメータのうちの1つ又は複数を制御ユニット40に供給することができ、制御ユニット40は、それらを考慮に入れて、ガスタービンシステム1000の動作を制御し、特に、望ましくない排出物(例えば、NOx及び/又はCO及び/又はCO2)の量とガスタービン性能との間のトレードオフを実行することができる。有利には、制御ユニット40はまた、例えば予測及びガスタービン性能マップに基づいて、ガスタービンシステムの老朽化現象及び/又は高温ガス構成要素(すなわち、高温流に曝されるガスタービン構成要素)の機械的劣化/摩耗を考慮して、ガスタービンシステム1000の動作を制御することができる。制御ユニット40は、燃料ガス分析器60に更に接続され、ガス混合物出口54に流体結合されてもよく、これによってガス混合物出口54におけるガス混合物についての情報を提供することができる。例えば、燃料ガス分析器60は、上記で指定された組成及び特性を測定することができる。有利には、制御ユニット40は、燃料ガス分析器60によって提供される情報に更に基づいて、ガス混合物の含有量を制御する。
【0027】
図2は、図1の実施形態と同様であるが、少なくとも、タービン出口132における膨張煙道ガス流のパラメータ(複数可)が測定される代わりに予測されるという点で異なるガスタービンシステム2000の、別の実施形態を示す。ガスタービンシステムは、混合ユニット150のガス混合物出口154におけるガス混合物に関する情報を受信する予測排出量監視システム180を更に備える。特に、予測排出量監視システム180は、混合ユニット150のガス混合物出口154において、少なくとも(例えば、燃料及び不活性ガスの)混合比又は(例えば、燃料、不活性ガス及び追加燃料の)ガス混合物の含有量を受け入れるように構成することができる。有利には、ガス混合物(特にその含有量)に関する情報は、制御ユニット140によって予測排出量監視システム180ガスに提供され、制御ユニット140は、混合物出口154に流体結合された燃料ガス分析器160に接続されている。換言すれば、燃料ガス分析器160は、ガス混合物出口154におけるガス混合物(特にその実際の含有量)に関する情報を制御ユニット140に提供するように構成されている。有利には、予測排出量監視システム180は、ガス混合物出口154におけるガス混合物の温度及び/又は圧力に関する情報を受信するように構成されてもよく、温度及び/又は圧力は、燃料ガス分析器160によって測定され、制御ユニット140に供給されてもよい。
【0028】
予測排出量監視システム180は、特に、受け入れるガス混合物に関する情報に基づいて、タービン出口32における膨張煙道ガス流の少なくとも1つのパラメータを予測するように構成されている。有利には、予測排出量監視システム180は、膨張煙道ガス流中のNOx量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO2量を予測することができる。
【0029】
予測排出量監視システム180は、予測されたパラメータ(複数可)に基づいて、好ましくは少なくとも膨張煙道ガス流中のNOx量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO量及び/又は膨張煙道ガス流中のCO2量に基づいて、ガスタービンシステム2000の動作を制御する制御ユニット140にパラメータ(複数可)を提供することができる。特に、既に述べたように、制御ユニット140は、予測排出量監視システム180によって予測されたパラメータ(複数可)に基づいて調整弁の開閉を制御することができる。
【0030】
有利には、ガスタービンシステム2000は、以下のような、他のパラメータを測定する機器、特にセンサを更に備えることができる(これらの機器は、混合ユニット及び/又は圧縮機セクション及び/又は燃焼器セクション及び/又はタービンセクションに全体的に又は部分的に統合することもできる)。
-周囲圧力及び温度、及び/又は
-膨張煙道ガス温度、及び/又は
-周囲相対湿度、及び/又は
-圧縮機入口11と周囲圧力との間の圧力降下、及び/又は
-タービン出口32と周囲圧力との間の圧力降下、及び/又は
-圧縮機出口12における酸化剤(例えば、空気)の圧力及び温度、及び/又は
-火炎温度、及び/又は
-火炎安定性及び動力学、及び/又は
-燃料組成及び特性(圧力、温度、低位発熱量(Lower Heating Value=LHV)、修正ウォッベ指数(Modified Wobbe Inde=MWI、燃焼比...)。
【0031】
有利には、これらの他のパラメータのうちの1つ又は複数を制御ユニット140に供給することができ、制御ユニット140は、それらを考慮に入れて、ガスタービンシステム2000の動作を制御することができ、特に、望ましくない排出物(例えば、NOx及び/又はCO及び/又はCO2)の量とガスタービン性能との間のトレードオフを実行することができる。有利には、制御ユニット140はまた、例えば予測及びガスタービン性能マップに基づいて、ガスタービンシステムの老朽化現象及び/又は高温ガス構成要素(すなわち、高温流に曝されるガスタービン構成要素)の機械的劣化/摩耗を考慮に入れて、ガスタービンシステム2000の動作を制御することができる。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、図1に示すように1つ又は複数の排出量を測定することができ、図2に示すように1つ又は複数の排出量を予測することができることに留意されたい。
【0033】
図3のガスタービンシステム3000の実施形態は、図1の実施形態と同様であるが、少なくとも、予測排出量監視システムが、人工知能(Artificial Intelligence=AI)に基づいて予測を行うように構成され、特に、予測に寄与するように構成された人工ニューラルネットワークを備えるという点で異なる。
【0034】
予測排出量監視システムの実施形態280は、タービン出口232に流体結合されている連続排出監視システム270に電気的に結合されるように構成され、タービン排出量、特にNOx排出及び/又はCO2排出及び/又はCO排出を測定するように構成された入力を有する。典型的には、連続排出監視システム270は、センサの配置、特にNOxメータ及び/又はCO2メータ及び/又はCOメータからなる。システム270及び接続線は、連続排出監視システムがガスタービンシステムの恒久的な構成要素でなくてもよく、設置段階中(例えば、最初の例えば2~20時間の動作中)及び/又は初期動作段階中(例えば、最初の例えば200~2000時間の動作中)及び/又はシステム動作チェック中にのみ存在してもよいので、破線で描かれている。AIベース予測排出量監視システム280は、工場及び/又は設置時にセットアップ(例えば、較正)されるように構成することができ、設置時及び/又は初期動作中に訓練されるように構成することができ、訓練は、ガスタービンシステムの出口において実際に測定された排出量に基づく。
【0035】
図3の実施形態のいくつかの変形例によれば、連続排出監視システム270は、恒久的に存在してもよく、例えば、AIベースの予測排出量監視システム280を訓練するためだけでなく、他の目的のために使用されてもよい。
【0036】
図1図3に示すガスタービンシステム1000、2000、3000は、燃焼器セクション20、120、220に供給される燃料ガスと不活性ガスとのガス混合物の混合比(ひいては、燃料ガスと不活性ガスと追加燃料ガスとのガス混合物の含有量)を調整することによって、タービン出口32、132、232から排出される煙道ガス中の望ましくない排出物、例えば有害排出物、特にNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量を低減する方法を実施することができる。既に述べたように、煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量は、連続排出監視システム70、270によって測定されてもよく、及び/又は予測排出量監視システム180、280によって予測されてもよく、ガス混合物の混合比又は含有量は制御ユニット40、140、240によって(実質的にリアルタイムで)調整されるように、測定及び/又は予測された含有量は、制御ユニット40、140、240に提供される。しかしながら、制御ユニット40、140、240は、他のパラメータも最適化することによって、好ましくは、煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量(その最大値は規制され、国によって変動する)と、電力出力及び/又は効率などのガスタービンシステムの性能との間のトレードオフを実行することによって、ガスタービンシステムの動作を制御することができる。
【0037】
第1の可能性によれば、ガスタービンシステム動作条件が周囲空気の高温及び高相対湿度(例えば、T=40℃、RH=0.85)である場合、煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量は、ISO条件(T=15℃、RH=0.6)における煙道ガス中のNOx及び/又はCO及び/又はCO2の含有量よりも少ない。したがって、ガス混合物中の窒素の含有量を低減することができ、ガスタービンシステムの電力出力を有利に低減することができる。別の可能性によれば、煙道ガス中のCO及び/又はCO2の含有量が増加する場合、電力出力は、ガス混合物中の水素及び窒素含有量を増加させることによって実質的に一定に保つことができる。別の可能性によれば、不活性ガスの体積含有率は、システムの燃焼器セクションによって行われる拡散火炎燃焼の設計限界まで増加させることができる。
【0038】
本明細書で開示されるガスタービンシステム1000、2000、及び3000には、排気ガス中の汚染物質を低減又は除去するための他の解決策及び/又は装置、例えば燃焼室への蒸気噴射を設けることもできることに留意されたい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】