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特表2024-546388不正開封防止保護のための分離可能な支持構造を有する封止フィルム
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  • 特表-不正開封防止保護のための分離可能な支持構造を有する封止フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-20
(54)【発明の名称】不正開封防止保護のための分離可能な支持構造を有する封止フィルム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/50 20060101AFI20241213BHJP
   A61B 50/00 20160101ALI20241213BHJP
   A61M 39/02 20060101ALN20241213BHJP
【FI】
A61M5/50 530
A61B50/00
A61M39/02 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539271
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 IB2022062821
(87)【国際公開番号】W WO2023126841
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062087
【氏名又は名称】ソルベンタム インテレクチュアル プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】アラン アール.ドムブロースキー
(72)【発明者】
【氏名】アダム エス.トロネス
(72)【発明者】
【氏名】アニルッダ エー.ウパディ
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン エム.レニツェク
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル エー.エフ.ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アール.コリガン
(72)【発明者】
【氏名】レイシー エム.ストランド
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066CC01
4C066JJ06
(57)【要約】
開示される封止フィルムは、収容されたデバイスの不正開封防止保護のためにデバイスを取り囲むためのものである。封止フィルムは、中央領域を取り囲む周辺部を有するバッキングと、少なくともバッキングの周辺部においてバッキング上の接着剤とを有する。不正開封防止層は、バッキングの周辺部の実質的な部分に沿ってバッキングに分離可能に接続される。したがって、封止フィルムを剥がし、引っ張り、開封しようとすると、不正開封防止層がバッキングから除去されて不正開封を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを取り囲むための封止フィルムであって、
第1の主表面と、前記第1の主表面の反対側の第2の主表面とを有し、中央領域を取り囲む周辺部を有するバッキングであって、第1のバッキング部分及び第2のバッキング部分を形成するバッキングと、
前記バッキングの前記第1の主表面上の、少なくとも前記周辺部における接着剤と、
前記バッキングの前記第2の主表面に分離可能に接続され、前記周辺部の実質的な部分に沿って延在する不正開封防止層と、
を備える封止フィルム。
【請求項2】
前記第1のバッキング部分における前記接着剤は、前記第2のバッキング部分と接触して接着結合を形成し、
前記接着結合を破壊する力は、前記不正開封防止層を前記バッキングから分離するための力よりも大きい、請求項1に記載の封止フィルム。
【請求項3】
第1のバッキング部分を前記第2のバッキング部分から分離する開封帯を更に備え、前記開封帯は、前記第1のバッキング部分及び前記第2のバッキング部分に分離可能に接続される、請求項1に記載の封止フィルム。
【請求項4】
前記第1のバッキング部分と前記第2のバッキング部分とが対称である、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項5】
前記接着剤が、永久感圧接着剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項6】
前記接着剤がコンタクト接着剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項7】
前記接着剤が、実質的に前記バッキングの前記第1の主表面の全体にある、請求項1~6のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項8】
前記中央領域が接着剤を実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項9】
前記不正開封防止層は、前記バッキングの前記周辺部全体に隣接し、かつ沿って延在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項10】
前記不正開封防止層は、前記バッキングの上の連続フィルムである、請求項1~9のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項11】
前記不正開封防止層が、前記周辺部に隣接するフレームであり、前記中央領域を覆わない、請求項1~8のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項12】
前記不正開封防止層が、前記バッキングの前記第2の主表面上にある、請求項1~11のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項13】
前記不正開封防止層が、接着剤によって前記バッキングに剥離可能に固定されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項14】
前記不正開封防止層が、前記バッキングと視覚的に区別される、請求項1~13のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項15】
前記視覚的区別が、色又は不透明度のうちの1つである、請求項13に記載の封止フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不正開封を示すための分離可能な不正開封防止層を有する封止フィルムに関する。特に、本開示は、デバイスを取り囲むための封止フィルムであって、封止フィルムを剥がし、引っ張り、開封しようとすると、分離可能な不正開封防止層が分離して不正開封を示すように、分離可能な不正開封防止層を有する、封止フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療を受ける患者は、一般に、医療サービス提供者が患者に薬剤を送達するのを支援するために挿入される血管アクセスデバイスなどの、医療用アクセスデバイスを有する。いくつかの医療用アクセスデバイスは、尿道カテーテル又は外科用ドレインラインのように、液体が患者から除去されることを可能にするためのものである。ヒトが医療サービス提供者のケアを受けているとき、患者に送達される薬剤を制御することが重要である。精神医学的状態を伴う患者、知的に遅延した患者、小児患者、又は静脈内薬物使用者は、静脈内アクセスポイントを改ざん若しくは、血管アクセスデバイスに薬物又は薬剤を意図的に送達する場合がある。処方されていない薬物が血管アクセスデバイスに入ると、医学的問題、薬物相互作用、血流感染を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
不正開封防止デバイスは、医療用アクセスデバイスなどのデバイスを包むために使用することができ、包まれたデバイスにアクセスしようとすると、不正開封防止デバイスに破壊的な影響を与える。例えば、PCT公報国際公開第2021/024139号には、様々な不正開封防止クロージャ及び接着剤コーティングフィルムを含むものが記載されている。接着剤コーティングフィルムを分離しようとするときに、より良い視覚的表示が依然として必要とされている。開示された封止フィルムは、バッキング層及び分離可能な不正開封防止層を含み、封止フィルムがデバイスを取り囲むとき、封止フィルムを剥がし、引っ張り、開封しようとすると、不正開封防止層がバッキングから分離して不正開封を示す。
【0004】
一実施形態では、デバイスを取り囲むための封止フィルムは、第1の主表面と、第1の主表面の反対側の第2の主表面とを有し、中央領域を囲む周辺部を有するバッキングであって、第1のバッキング部分及び第2のバッキング部分を形成するバッキングを備える。封止フィルムは、バッキングの第1の主表面上の少なくとも周辺部に接着剤を有する。封止フィルムは、バッキングの第2の主表面に分離可能に接続され、周辺部の実質的な部分に沿って延在する不正開封防止層を更に有する。一実施形態では、第1のバッキング部分の接着剤は、第2のバッキング部分に接触して接着結合を形成し、接着結合を破壊する力は、不正開封防止層をバッキングから分離する力よりも大きい。
【0005】
封止フィルムを使用するために、デバイスは、バッキングの中央領域内に配置され、次いで、封止フィルムは、第1のバッキング部分における接着剤が、同様に接着剤を有し得る第2のバッキング部分に接触するように、デバイスの周りに巻き付けられる。不正開封防止層は、封止フィルムの最外層を形成する。接着結合を破壊する力は、不正開封防止層をバッキング層から分離する力よりも大きい。不正開封防止層が下にあるバッキングから除去されるので、不正開封は明白になる。典型的には、不正開封防止層は、除去された不正開封防止層の視覚的影響を高めるために、下にあるバッキングとは異なる色又は透明度である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】デバイスの不正開封防止保護のための封止フィルムの一実施形態の斜視図である。
図2】デバイスの周りで閉鎖された図1の封止フィルムの斜視図である。
図3】デバイスを取り囲む図2の封止フィルムの側断面図である。
図4】デバイスの不正開封防止保護のための封止フィルムの第2の実施形態の図である。
図5】封止フィルムの側断面図である。
【0007】
上記で特定された図面及び図は、本発明の実施形態を説明するが、議論において言及されるように、他の実施形態もまた企図される。全ての場合において、本開示は、限定ではなく代表として本発明を提示する。多くの他の変形例及び実施形態は、当業者によって考案されることが可能であり、それらは本発明の範囲及び趣旨に含まれる。図面は縮尺通りに描かれていない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
患者への液体アクセスラインを有する医療デバイス200などのデバイス200の周囲で使用するための封止フィルム100の種々の設計が、開示される。開示された封止フィルム100は、バッキング110及び不正開封防止層180を有する。接着剤130はバッキング110上にあり、使用時に封止フィルム100がデバイス200の周囲を封止することを可能にする。不正開封防止層180は、封止フィルム100のバッキング110から分離可能であり、使用時に、接着剤130によって形成された接着結合を破壊する力が、周辺部112においてバッキング110から不正開封防止層180を分離する力よりも大きい。不正開封防止層180がバッキング100から分離されると、不正開封が明らかになる。
【0009】
図1は、デバイス200の不正開封防止保護のための封止フィルム100の一実施形態を示す。図2は、デバイス200の周りで閉鎖された図1の封止フィルム100を示す。図3は、図2のデバイス200の周囲の封止フィルム100の断面を示す。
【0010】
バッキング110は、中央領域114を取り囲む周辺部112を有する。バッキング110は、第1の主表面116と、第1の表面116の反対側の第2の主表面118と、を有する。バッキング110は、全体として、第1のバッキング部分120及び第2のバッキング部分122を有する。典型的には、バッキング110は、第1のバッキング部分120及び第2のバッキング部分122にわたって対称であり、図2に示されるように、バッキング110がデバイス200の上に折り畳まれると、周辺部112は、第1のバッキング部分120及び第2のバッキング部分122において実質的に整列することが可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれるPCT公報国際公開第2021/024139号に記載されているものと同様、バッキングは、開封帯170を含むことができる。開封帯170は、封止フィルム100がデバイス200の周りに包まれた後に封止フィルム100を内部で開封するために使用される、封止ラベル100の部分である。本実施形態では、開封帯170がバッキング110から容易に分離できるように、開封帯170とバッキング110との間にミシン目が存在する。開封帯170を使用するために、封止フィルム100が図2のようにデバイス200の周りに包まれてデバイス200へのアクセスを得るとき、開封帯170はバッキング110から不可逆的に除去され、封止フィルム100はデバイス200の上で再び閉鎖されることができない。いくつかの実施形態では、バッキング110が非常に薄い可撓性材である場合、開封帯170を突出させ、取り外し時により容易に把持されることを可能にするために、開封帯170は補強層を含むことができる。
【0012】
バッキング110は、概して、薄く、可撓性があり、形状適合性があり、ドレープ性がある。バッキング110は、多くの異なる材料から形成されてもよい。典型的には、バッキング110は容易に穿刺されないか、又は穿刺された場合、穿刺が明らかになる。典型的には、バッキング110は、容易に破かれたり裂けたりしないように構造的一体性を有する。バッキング110は、ポリマーフィルム、発泡体、紙、不織布及び織布繊維ウェブ、編物から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、バッキング110は、液体及び他の汚染物質がバッキング110内に吸収されるのを防止する、疎水性及び耐水性がある。いくつかの実施形態では、バッキング110は、デバイス200の視認を可能にするために透明である。
【0013】
ポリマーフィルムバッキング110は、その靭性及び弾性のために、バッキングに非常に適している。例えば、ポリマーバッキングは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、LDPE、メタロセンポリオレフィン、並びにSBS及びSISブロックコポリマー材料から形成することができる。
【0014】
比較的薄くエラストマーであるバッキング110を有することにより、図2に見られるように、バッキング110がデバイス200の様々な形状の周りにぴったりとフィットした状態で、バッキングをデバイス200の周りに巻き付けることが可能になる。バッキング110がわずかにエラストマーである場合、バッキング110は、デバイス200を取り囲んでいる間、バッキング110を破いたり、引き裂いたり、又は穿刺したりすることなく、ぴったりとフィットするように、伸張したり、引っ張ったり、拡張したりすることができる。ぴったりとフィットすることは、挿入されたデバイス200が、取り囲む封止フィルム100から落下すること又は引き抜かれることを防止する。
【0015】
弾性は、材料の伸び及び回復を評価するために一般的に使用されるいくつもの数の手段で測定することができる。一実施形態において、バッキング110は、少なくとも200%の破断点伸びを有する。一実施形態では、バッキング110は、500%未満の破断点伸びを有する。一実施形態では、バッキング110は、20%を超える100%未満の破断点伸びを有する。弾性は、特定量の延伸を加えるのに必要な力である、初期弾性率によって測定することができる。一実施形態では、バッキング層110は、10%伸長時に5ニュートン未満の弾性率を有する。一実施形態では、バッキング層110は、10%伸長時に2ニュートンを超える弾性率を有する。
【0016】
より薄い材料は、より形状適合性がある傾向がある。一実施形態では、バッキング110は、100マイクロメートル未満の厚さを有する。一実施形態では、バッキング110は、10マイクロメートル未満の厚さを有する。一実施形態では、バッキング110は、1マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0017】
接着剤130は、バッキング110の第1の主表面116上にある。使用時に、バッキング110は、デバイス200の周りに折り畳まれ、第1のバッキング部分120における第1の主表面116上の接着剤130は、第2のバッキング部分122に接触する。第1の主表面における第2のバッキング部分122はまた、任意選択的に接着剤130を有してもよい。封止フィルム100がデバイス200の周りに巻き付けられるとき、接着剤130は、第1のバッキング部分120を第2のバッキング部分122に接合する。
【0018】
接着剤130は、典型的には永久接着剤である。永久接着剤は強力であり、接着剤が接触する表面に触れると、結合は容易に壊れない。本実施形態では、下にある材料の一体性は、接着結合が破壊する前に破壊する。
【0019】
一実施形態では、接着剤130は感圧接着剤であってもよく、この場合、接着剤130は、触れると濡れているか粘着性があるように感じ、接触時に対象表面に固定することができる。3M Companyから入手可能な3M VHB(商標)テープは、永久感圧接着剤を有する。感圧接着剤が使用される場合、接着剤130が、包まれたデバイス200に強く粘着することを防止するために、第1の主表面116の中央領域114は、接着剤130を有さないか、接着剤130が粘着除去されているか、又は接着剤130が覆われている。図5は、接着剤130のない中央領域114を示す。
【0020】
一実施形態では、接着剤130はコンタクト接着剤である。コンタクト接着剤は、それ自体に強く粘着するが、典型的には他の材料には十分に粘着しない接着剤であるため、封止フィルムと共に使用するのに特に適している。時として、コンタクト接着剤は、結合が、下にある材料の一体性よりも強い場合、粘着剤と呼ばれる。コンタクト接着剤は、デバイス200、ユーザの手、医師の手袋、又は管類に強く接着しないため、良好に機能する。コンタクト接着剤は、典型的には、接触時に迅速に固定され、即時結合を形成する。更に、コンタクト接着剤が使用される実施形態では、接着剤130はデバイス200に強く粘着しないので、第1の主表面116全体を接着剤130で覆うことができる。第1の主表面116を接着剤130で完全にコーティングすることは、封止フィルム100の製造を簡略化する。
【0021】
粘着特性を提供するのに好適な材料は、エラストマー又は非エラストマーポリマーバインダのいずれかであってよい。エラストマーポリマーバインダは、典型的には、長期の可撓性、伸展性及び/又は弾性を提供する。好適なエラストマーポリマーバインダは、天然ゴムラテックス、例えばアクリル、ブタジエン、スチレン/ブタジエンゴム、クロロプレン、エチレン(例えば、酢酸ビニル/エチレン)、イソプレン、ニトリル及びウレタンの、ホモポリマー及びコポリマーラテックスなどの合成ラテックス、又はそれらの混合物を含んでもよい。好適なポリマーエラストマーバインダの例は、例えば、米国特許第3,575,782号、同4,984,585号及び同6,156,424号、並びに、例えば、Neoprene Latex:Principles of Compounding and Processing、J.C.Carl,1962,Delaware,E.I:DuPont de Nemours(例えば、Contact Bond Adhesivesと題された章の100頁)及びHandbook of Adhesives第3版、Ed.I.Skeist,1990,New York,Van Nostrand Reinhold(例えば、305頁)などの教科書に開示されている。外側包帯は、天然ゴムラテックスを含まないことが望ましい場合がある。3M Companyから入手可能な3Mスコッチフレックス&シール梱包ロールは、好適なコンタクト接着剤の一例である。
【0022】
図5は、中央領域114が接着剤130を含まない実施形態における封止フィルム100の側断面図である。本実施形態では、バッキング110は、第1の主表面116上の第1のバッキング部分及び第1の主表面116上の第2のバッキング部分に接着剤130を有し、中央領域114には接着剤がない。
【0023】
使用時、デバイス200は、バッキング110の中央領域114に配置される。次に、第1のバッキング部分120における第1の主表面116上の接着剤130を、第2のバッキング部分122における第1主表面116上の接着剤130と接触させる。バッキング110は、図2及び3に示されるように、デバイス200を実質的に取り囲む。また、示されるように、折り畳まれると、第1のバッキング部分120における周辺部112及び第2のバッキング部分122における周辺部112は、典型的には、整列する。周辺部112が折り畳まれた位置に整列されるとき、接着剤130は、周囲との接触のため露出されない。
【0024】
バッキング110は、図2に示されるように、デバイス200の周りに緊密に包まれ得る。バッキング110が、デバイス200が除去され得る間隙又は開口部を可能にすることなく、デバイス200の周りを可能な限り閉鎖して包むことは、特に有用である。例えば、図2において、封止フィルム100は、封止フィルム100から出ているデバイス200の部分の周りで狭くなっている閉鎖によって、デバイス200の全ての側面で完全に閉鎖する。
【0025】
封止フィルム100内に収容されるデバイス200は、デバイス200へのアクセスを得るための不正開封の試みが望ましい、任意のデバイスであり得る。例えば、デバイス200が患者への血管アクセスのためのデバイスである場合、患者の血管系に望ましくない薬物を導入するために患者がデバイス200にアクセスすることを制限することが望ましい。場合によっては、ユーザがデバイスにアクセスすることを望むことがある。ユーザは、バッキング110を破断して又は引き裂いて、デバイス200へのアクセスを得ようと試みる。バッキング110が完全に引き裂かれた場合、ユーザがデバイス200へのアクセスを得たことが視覚的に明らかになる。破かれた開封帯170が存在する場合、ユーザがデバイス200へのアクセスを得たことが視覚的に明らかになる。別の可能性は、接着剤130が医療デバイス200を包んだバッキング110を、ユーザが分離しようと試みる場合である。そのような例では、ユーザが、第1のバッキング部分120と第2のバッキング部分122との間の接着剤130を分離して、封止フィルム100を開き、デバイス200へのアクセスを得て、その後、接着剤130を再閉鎖することが可能であり得る。
【0026】
第1のバッキング部分120と第2のバッキング部分122との間の接着剤130を分離して、封止フィルム100を開き、デバイス200へのアクセスを得て、その後、接着剤130を再閉鎖しようとする試みの問題に対処するために、封止フィルム100は更に不正開封防止層180を有する。不正開封防止層180は、バッキング110の第2の主表面118に第1の主表面186を有する。バッキング110と不正開封防止層180との間に介在層が存在し得ることが理解される。不正開封防止層180は、典型的には第1のバッキング部分120及び第2のバッキング部分122の両方において、周辺部112の実質的な部分に隣接し、かつ沿っている。第1のバッキング部分120における接着剤130は、第2のバッキング部分122に接触して、接着結合を形成する。接着結合を破壊する力は、不正開封防止層180をバッキング110から分離する力よりも大きい。したがって、ユーザが、バッキング110を摘まんだり、引っ張ったり、又は接着剤130から引き離したりすることによって、周辺部112において接着剤130を剥がそうとすると、不正開封防止層180は、接着剤130がバッキング110から分離する前にバッキング110から分離する。不正開封防止層180の部分的又は完全な除去は、ユーザが不正開封を試みていたことを明らかにする。
【0027】
不正開封防止層180は、比較的弱い結合力によってバッキング110に保持される。不正開封防止層180は、接着結合、熱結合、静電結合、又は他の結合機構によってバッキング110に固定することができる。この固定は、典型的には、不正開封防止層180が分離された場合に、不正開封防止層180をバッキング110に再固定することを可能にしない。つまり、いったん除去されると、不正開封防止層180を再適用することは困難である。
【0028】
また、典型的には、不正開封防止層180と下にあるバッキング層100との間に視覚的なコントラストが存在する。例えば、1つは透明であってもよく、1つは不透明であってもよい。1つは第1の色であってもよく、1つは第2の色であってもよい。1つは第1のテクスチャを有してもよく、1つは第2のテクスチャを有してもよい。不正開封防止層180は、概して、薄く、可撓性があり、形状適合性があり、ドレープ性がある。不正開封防止層180は、バッキング110に使用することができるものと同様のいくつかの異なる材料から形成することができる。典型的には、不正開封防止層180は容易に穿刺されないか、又は穿刺された場合に穿刺が明らかになる。典型的には、不正開封防止層180は、容易に破れたり裂けたりしないような構造的一体性を有する。不正開封防止層180は、ポリマーフィルム、発泡体、紙、不織布及び織布繊維ウェブ、編物から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス200の視認を可能にするために透明基板が望ましい。
【0029】
任意選択的に、封止フィルム100は、脆弱領域150を更に含む。脆弱領域150は、第1のバッキング部分120及び第2のバッキング部分122の両方において、周辺部112の実質的な部分に隣接し、かつ沿っている。第1のバッキング部分120における接着剤130は、第2のバッキング部分122に接触して、接着結合を形成する。接着剤結合を破壊する力は、バッキング110の脆弱領域150においてバッキング110を破壊する力よりも大きい。したがって、不正開封防止層180がバッキング110から分離すること、バッキング110を摘まんだり、引っ張ったり、又は接着剤130から引き離したりすることに加えて、ユーザが接着剤130を剥がそうとすると、接着剤130がバッキング110から分離する前に、脆弱領域150がバッキング110に裂け目、破れ目、又は破断を生じさせる。バッキング110の裂け目、破れ目、又は破断は、ユーザが不正開封を試みていたことを明らかにする。
【0030】
図1~3に示される実施形態は、バッキング110及び不正開封防止層180を示す。(図2は、バッキング110内の複数のスリット150である任意の脆弱領域150を示す)。本実施形態では、不正開封防止層180はバッキング110全体にわたって延在する。したがって、図2及び図3に示すように、使用時に第1のバッキング部分120が第2のバッキング部分122に重なる場合、第1のバッキング部分120をバッキングの第2の部分122から分離しようとすると、接着剤120が第1のバッキング部分120又は第2のバッキング部分122のいずれかから分離する前に、不正開封防止層180がバッキング110から分離することになる。
【0031】
図4は、デバイス(デバイスは図示せず)の不正開封防止保護のための封止フィルム100の第2の実施形態である。本実施形態は、図1~3で説明した実施形態と実質的に同様であるが、本実施形態では、不正開封防止層180は、封止フィルム100の周辺部112に隣接して配置されているだけであり、中央領域114の上に重なっていない。不正開封防止層180が中央領域114の上にない場合のこの構造の利点は、封止フィルム100全体がより可撓性があり形状適合性があることである。
【0032】
典型的には、封止フィルム100は、デバイスへの封止フィルム100の適用前に接着剤130を覆う剥離ライナー190を更に有してもよい。剥離ライナー190は、接着剤130を汚染物質から保護する。
【0033】
封止フィルム100は、着色されていてもよいし、透明であってもよいし、不透明であってもよい。封止フィルム100は、延伸又は引張時にフィルムが透明から不透明に変化して、不正開封を示すのを更に助けるように、充填剤を含むことができる。封止フィルム100は、挿入されたデバイス100の適切な位置又は配置を示すために、第1の主表面116上に印刷された印を含むことができる。
【0034】
本明細書において特定の実施形態が示され、説明されてきたが、これらの実施形態は、本発明の原理の適用において考案され得る多くの可能な特定の構成の単なる例示であることが理解される。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これらの原理に従って多数の様々な他の構成を考案することができる。本発明の範囲は、本出願に記載された構造に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言によって記載された構造及びそれらの構造の均等物によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】