IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 厦▲門▼宏▲発▼信号▲電▼子有限公司の特許一覧

特表2024-546390優れたシールド性能を有する高周波リレー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-20
(54)【発明の名称】優れたシールド性能を有する高周波リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/10 20060101AFI20241213BHJP
   H01H 50/16 20060101ALI20241213BHJP
   H01H 50/04 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H01H50/10 G
H01H50/16 S
H01H50/04 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539579
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022142050
(87)【国際公開番号】W WO2023125445
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111665355.9
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111665354.4
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519048160
【氏名又は名称】厦▲門▼宏▲発▼信号▲電▼子有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN HONGFA SIGNAL ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 83 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】リアン,シンピン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジアビン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,シンシャン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジュンチン
(57)【要約】
磁路部と、ベース部と、可動接触部とを含む優れたシールド性能を有する高周波リレーであって、ベース部は、1つの上接地シールド片と、1つの下接地シールド片と、少なくとも2つの固定接触子と、1つの下接地シールド片と少なくとも2つの固定接触子とを射出成形により一体化したプラスチックボディと、を含み、固定接触子は、プラスチックボディの表面に露出する固定接触子露出部を有し、且つ、固定接触子露出部には、可動バネに接触するための接点が設けられ、接点の上面は、高さ方向に前記下接地シールド片の上面よりも高くなり、上接地シールド片は、前記プラスチックボディに取り付けられ、高さ方向に前記接点の上面よりも高くなり、且つ下接地シールド片により接地される。本発明は、リレーの内部において信号伝送に対応する部分に上下に接地されたシールド空間を形成することができ、これにより、シールド効果がよく、且つ成形プロセスが簡単であり、実現が容易であり、加工精度がよく、組立効率及び製造効率が高いという特徴を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁路部と、ベース部と、可動接触部と、を含み、前記磁路部と前記可動接触部とは、それぞれ前記ベース部に取り付けられ、且つ互いに連動する高周波リレーであって、
前記ベース部は、1つの上接地シールド片と、1つの下接地シールド片と、少なくとも2つの固定接触子と、前記1つの下接地シールド片と前記少なくとも2つの固定接触子とを射出成形により一体化したプラスチックボディと、を含み、前記固定接触子は、プラスチックボディの表面に露出する固定接触子露出部を有し、且つ、固定接触子露出部には、可動バネに接触するための接点が設けられ、接点の上面は、高さ方向に前記下接地シールド片の上面よりも高くなり、前記上接地シールド片は、前記プラスチックボディに取り付けられ、高さ方向に前記接点の上面よりも高くなり、且つ前記下接地シールド片により接地されることにより、前記ベース部において、前記上接地シールド片と前記下接地シールド片との間の隙間から構成された、前記可動接触部におけるブリッジ式の可動接触子を収容可能なシールド空間を形成する
ことを特徴とする優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項2】
前記プラスチックボディには凹溝が設けられ、前記固定接触子の固定接触子露出部は、凹溝の溝底に位置し、且つ前記プラスチックボディの凹溝の溝底面に露出し、前記上接地シールド片は、前記プラスチックボディの凹溝に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項3】
前記1つの下接地シールド片と少なくとも2つの固定接触子とは、1つのテープ材を利用してプレスで形成され、且つ、前記下接地シールド片及び前記固定接触子を面一となるように射出成形により前記プラスチックボディに組み合わせることにより、前記下接地シールド片と前記固定接触子とは、同一の平面領域において位置が相補的になる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項4】
前記プラスチックボディは、直方体形状のブロック体であり、前記プラスチックボディの周縁は、辺壁を上へ突出延長させ、且つ辺壁により囲まれて前記凹溝が形成され、前記1つの下接地シールド片と前記少なくとも2つの固定接触子とは、同一の平面で前記プラスチックボディの凹溝の溝底面に露出する
ことを特徴とする請求項3に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項5】
前記プラスチックボディの凹溝において、前記下接地シールド片に対応するカバー領域には、前記プラスチックボディに一体的に接続される複数の支持ブロックがさらに設けられ、前記複数の支持ブロックは、下方の前記下接地シールド片に対応する領域をそれぞれカバーし、前記上接地シールド片は、前記複数の支持ブロックに掛けられ、前記辺壁の上面は、前記上接地シールド片の上面よりも高い
ことを特徴とする請求項4に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項6】
前記複数の支持ブロックは、前記プラスチックボディの凹溝の4つの角部にそれぞれ位置する第1支持ブロックと、前記プラスチックボディの長方形の2本の長辺にそれぞれ位置する第2支持ブロックと、を含み、前記下接地シールド片には両側に向かって溶接片がそれぞれ延設され、前記溶接片は、上へ折り曲げて前記溶接片の上面を第2支持ブロックの上面に露出させ、前記上接地シールド片は、対応する位置で前記溶接片に溶接により固定される
ことを特徴とする請求項5に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項7】
前記プラスチックボディの長方形状に対応する長辺壁において、前記第2支持ブロックに対応する位置には切欠がさらに設けられ、前記下接地シールド片の溶接片は、前記切欠まで延びており、且つ前記切欠における前記溶接片の上面の高さと前記第2支持ブロックの上面の高さとが一致するようにし、前記上接地シールド片において、前記プラスチックボディの前記切欠に対応する位置には、位置決め突片がさらに一体的に延設され、前記上接地シールド片の位置決め突片は、前記プラスチックボディの前記切欠に配置され、且つ前記溶接片に溶接により固定される
ことを特徴とする請求項6に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項8】
前記1つの下接地シールド片及び前記少なくとも2つの固定接触子には、前記プラスチックボディの側面から外側へ延出する接地ピン又はリードピンがそれぞれ設けられ、前記下接地シールド片の前記接地ピンは、少なくとも前記プラスチックボディの長方形の4つの角部に分布する4つの接地ピンを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項9】
前記可動接触部は、前記磁路部に連動する少なくとも1つのブリッジ式の可動接触子と、前記ブリッジ式の可動接触子を復帰させるための弾性復帰部材と、を含み、前記ブリッジ式の可動接触子は、前記上接地シールド片と前記下接地シールド片との間の隙間に設けられ、前記ブリッジ式の可動接触子の両端は、それぞれ前記少なくとも2つの固定接触子のうちの2つの固定接触子の接点位置に対応し、前記弾性復帰部材の下端は、前記下接地シールド片に当接することにより、前記弾性復帰部材の上端は、復帰時に前記ブリッジ式の可動接触子を前記上接地シールド片に押し付ける
ことを特徴とする請求項4に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項10】
前記磁路部は、互いに嵌合するコイル部とアーマチュア部とを含み、前記コイル部は、前記プラスチックボディに取り付けられ、前記アーマチュア部は、前記上接地シールド片により支持され、前記上接地シールド片は、射出成形によりアーマチュア部支持座に一体的に接続され、前記アーマチュア部支持座は2つであり、前記上接地シールド片の2つの長辺の中間位置にそれぞれ位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項11】
前記少なくとも2つの固定接触子は、前記プラスチックボディの長方形の長手方向の両側にそれぞれ位置する2つの常開端固定接触子、2つの共通端固定接触子及び2つの常閉端固定接触子を含み、2つの共通端固定接触子は、前記プラスチックボディの長辺の中間に位置し、2つの常開端固定接触子及び2つの常閉端固定接触子は、前記プラスチックボディの長辺の両端にそれぞれ位置し、前記複数の支持ブロックは、長手方向の両側の2つの固定接触子を隔離させる第3支持ブロックをさらに含み、前記ブリッジ式の可動接触子は、常閉端固定接触子の接点と共通端固定接触子の接点との間又は常開端固定接触子の接点と共通端固定接触子の接点との間に設けられ、且つ前記ブリッジ式の可動接触子の両端は、対応する2つの接点の範囲を超えている
ことを特徴とする請求項6に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項12】
前記可動接触部は、アーマチュア部の両側に嵌合する2つの単体を含み、各単体は、それぞれ、2つのブリッジ式の可動接触子と、1つの弾性復帰部材と、前記2つのブリッジ式の可動接触子と前記1つの弾性復帰部材とを射出成形により一体化した射出成形部材と、を含み、前記弾性復帰部材と前記射出成形部材とは、十字型構造を形成し、前記第3支持ブロックも、前記弾性復帰部材と前記射出成形部材とにより形成された十字型構造に合わせて上下に移動するように対応する十字状溝を囲んで形成する
ことを特徴とする請求項9に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【請求項13】
前記コイル部は、コイルリードピンと、射出成形によりコイルホルダと一体的に成形した支持ピンと、をさらに含み、前記プラスチックボディにはスロットがさらに設けられ、前記コイル部のコイルリードピンは、前記プラスチックボディのスロットに挿嵌され、前記コイル部の支持ピンは、前記上接地シールド片に掛けられて接着剤で固定され、前記支持ピンと前記上接地シールド片との接着剤に合わせる位置に対応する前記プラスチックボディには、凹溝の辺壁と接着剤隔離板と支持ブロックとで共に囲まれる接着剤溜まり溝がさらに設けられる
ことを特徴とする請求項9に記載の優れたシールド性能を有する高周波リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年12月30日に出願された、出願番号が202111665355.9である中国特許出願及び出願番号が202111665354.4である中国特許出願の優先権を主張するものであり、当該中国特許出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
【0002】
本発明は、リレーの技術分野に係り、特に、優れたシールド性能を有する高周波リレーに関する。
【背景技術】
【0003】
高周波リレーは、高周波回路を切り替えるためのリレーであり、高周波信号を伝送する必要があるので、リレーの内部又は外部にシールド構造を設ける必要がある。従来技術に係る高周波リレーは、全金属ベースの方式を採用しており、ベースは、上ベースと下ベースとの2部分に分けられ、上ベースと下ベースは、両方とも金属材料を使用し、リードは、下ベースに組み合わせて射出成形され、上ベースと下ベースとが溶接されてベース部が組み立てられ、ベース部は、また金属ケースに溶接されて一体化され、さらにケースの接地ピンにより接地される。このような高周波リレーの上ベースと下ベースは、それぞれ接地シールドを形成し、高周波信号は、接地シールド空間において伝送され、シールド効果が良好であるが、以下の問題点が存在している。第1に、金属上ベース、金属下ベース及び金属ケースの成形プロセスが複雑であり難易度が高いので、二次加工が必要である。第2に、金属上ベースと金属下ベースは、加工完了後、さらに固定接触子と組み合わせて射出成形する必要があり、これにより、固定接触子と金属ベースとの間に一定の絶縁能力を有し、製品の絶縁能力が低く、ベース部材単体と固定接触子とを組み合わせて射出成形するプロセスは、難易度が高く、寸法精度が低い。第3に、金属ベースは、接地ピンを直接に成形することができないので、金属ベースは、さらに金属ケースとの溶接により接地する必要があり、接着剤を注入してケース及びベースをモールドするプロセスの要求の制限によって、ケースとベースとの間の嵌合隙間が小さくなり、金属ケースとベースとの溶接信頼性が悪い。第4に、プロセスの流れが複雑であり、製造効率が低く、金属上ベース及び金属下ベースの成形→金属下ベース及び固定接触子の組合せ射出成形→上ベースと下ベースとの溶接組立→ベースとケースとの組立溶接→接着剤を注入してモールドするという製造過程が必要となる。第5に、金属とモールド用接着剤との接着力が弱く、リレーのリフロー後のシール性能が著しく低下しやすい。従来技術のもう一つの高周波リレーは、ベースのプラスチック射出成形の方式を採用しており、固定接触子とプラスチックとを組み合わせてベース部を射出成形し、ベース部又はその上方に接地シールドテープを片側に設けて、テープ状の伝送構造を形成する。このような高周波リレーのベースを成形するプロセスが簡単であり、実現が容易であり、加工精度がよく、材料コストが低く、また、プラスチックは、従来の金属ベースに比べて、モールド用接着剤との接着力がよく、リレー全体の完成品のシール性能がよい。しかし、このような高周波リレーに存在する最大の問題は、以下の通りである。上ベース及び下ベースには、リレーの内部において信号伝送に対応する部分にシールド空間が形成されておらず、シールド効果が悪く、高周波リレーへの使用要求を満たすことができず、リレーの外部に金属シールド部品を追加することによりシールド効果をさらに高める必要もある。また、クライアントで適用される場合、PCBボードに接地構造全体を設けて嵌合させる場合のみに、上下層のシールド構造をある程度形成することができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、リレーの内部において信号伝送に対応する部分に上下に接地されたシールド空間を形成することにより、シールド効果がよく、且つ成形プロセスが簡単であり、実現が容易であり、加工精度がよく、組立効率及び製造効率が高いという特徴を有する優れたシールド性能を有する高周波リレーを提供することである。
【0005】
本発明がその技術問題を解決する技術案は、優れたシールド性能を有する高周波リレーであって、前記高周波リレーは、磁路部と、ベース部と、可動接触部と、を含み、前記磁路部と前記可動接触部とは、それぞれ前記ベース部に取り付けられ、且つ互いに連動し、前記ベース部は、1つの上接地シールド片と、1つの下接地シールド片と、少なくとも2つの固定接触子と、前記1つの下接地シールド片と前記少なくとも2つの固定接触子とを射出成形により一体化したプラスチックボディと、を含み、前記固定接触子は、プラスチックボディの表面に露出する固定接触子露出部を有し、且つ、固定接触子露出部には、可動バネに接触するための接点が設けられ、接点の上面は、高さ方向に前記下接地シールド片の上面よりも高くなり、前記上接地シールド片は、前記プラスチックボディに取り付けられ、高さ方向に前記接点の上面よりも高くなり、且つ下接地シールド片により接地されることにより、ベース部において、上接地シールド片と下接地シールド片との間の隙間から構成された、可動接触部におけるブリッジ式の可動接触子を収容可能なシールド空間を形成する。
【0006】
前記プラスチックボディには凹溝が設けられ、前記固定接触子の固定接触子露出部は、凹溝の溝底に位置し、且つプラスチックボディの凹溝の溝底面に露出し、前記上接地シールド片は、前記プラスチックボディの凹溝に取り付けられる。
前記1つの下接地シールド片と少なくとも2つの固定接触子とは、1つのテープ材を利用してプレスで形成され、且つ、前記下接地シールド片及び前記固定接触子を面一となるように射出成形により前記プラスチックボディに組み合わせることにより、下接地シールド片と固定接触子とは、同一の平面領域において位置が相補的になる。
【0007】
前記プラスチックボディは、直方体形状のブロック体であり、前記プラスチックボディの周縁は、辺壁を上へ突出延長させ、且つ辺壁により囲まれて前記凹溝が形成され、前記1つの下接地シールド片と少なくとも2つの固定接触子とは、同一の平面で前記プラスチックボディの凹溝の溝底面に露出する。
【0008】
前記プラスチックボディの凹溝において、前記下接地シールド片に対応するカバー領域には、前記プラスチックボディに一体的に接続される複数の支持ブロックがさらに設けられ、前記複数の支持ブロックは、下方の前記下接地シールド片に対応する領域をそれぞれカバーし、前記上接地シールド片は、前記複数の支持ブロックに掛けられ、前記辺壁の上面は、前記上接地シールド片の上面よりも高い。
【0009】
前記複数の支持ブロックは、前記プラスチックボディの凹溝の4つの角部にそれぞれ位置する第1支持ブロックと、前記プラスチックボディの長方形の2本の長辺にそれぞれ位置する第2支持ブロックと、を含み、前記下接地シールド片には両側に向かって溶接片がそれぞれ延設され、前記溶接片は、上へ折り曲げて溶接片の上面を第2支持ブロックの上面に露出させ、前記上接地シールド片は、対応する位置で前記溶接片に溶接により固定される。
【0010】
前記プラスチックボディの長方形状に対応する長辺壁において、前記第2支持ブロックに対応する位置には切欠がさらに設けられ、前記下接地シールド片の溶接片は、前記切欠まで延びており、且つ切欠における溶接片の上面の高さと前記第2支持ブロックの上面の高さとが一致するようにし、前記上接地シールド片において、前記プラスチックボディの切欠に対応する位置には、位置決め突片がさらに一体的に延設され、前記上接地シールド片の位置決め突片は、前記プラスチックボディの切欠に配置され、且つ前記溶接片に溶接により固定される。
【0011】
前記1つの下接地シールド片及び前記少なくとも2つの固定接触子には、前記プラスチックボディの側面から外側へ延出する接地ピン又はリードピンがそれぞれ設けられ、ここで、下接地シールド片の接地ピンは、少なくとも前記プラスチックボディの長方形の4つの角部に分布する4つの接地ピンを含む。
【0012】
前記可動接触部は、前記磁路部に連動する少なくとも1つのブリッジ式の可動接触子と、ブリッジ式の可動接触子を復帰させるための弾性復帰部材と、を含み、前記ブリッジ式の可動接触子は、前記上接地シールド片と下接地シールド片との間の隙間に設けられ、ブリッジ式の可動接触子の両端は、それぞれ前記少なくとも2つの固定接触子のうちの2つの固定接触子の接点位置に対応し、前記弾性復帰部材の下端は、下接地シールド片に当接することにより、前記弾性復帰部材の上端は、復帰時に前記ブリッジ式の可動接触子を前記上接地シールド片に押し付ける。
【0013】
前記磁路部は、互いに嵌合するコイル部とアーマチュア部とを含み、前記コイル部は、前記プラスチックボディに取り付けられ、前記アーマチュア部は、前記上接地シールド片により支持され、前記上接地シールド片は、射出成形によりアーマチュア部支持座に一体的に接続され、前記アーマチュア部支持座は2つであり、上接地シールド片の2つの長辺の中間位置にそれぞれ位置する。
【0014】
前記少なくとも2つの固定接触子は、プラスチックボディの長方形の長手方向の両側にそれぞれ位置する2つの常開端固定接触子、2つの共通端固定接触子及び2つの常閉端固定接触子を含み、ここで、2つの共通端固定接触子は、プラスチックボディの長辺の中間に位置し、2つの常開端固定接触子及び2つの常閉端固定接触子は、プラスチックボディの長辺の両端にそれぞれ位置し、前記複数の支持ブロックは、長手方向の両側の2つの固定接触子を隔離させる第3支持ブロックをさらに含み、前記ブリッジ式の可動接触子は、常閉端固定接触子の接点と共通端固定接触子の接点との間又は常開端固定接触子の接点と共通端固定接触子の接点との間に設けられ、且つブリッジ式の可動接触子の両端は、対応する2つの接点の範囲を超えている。
【0015】
前記可動接触部は、アーマチュア部の両側に嵌合する2つの単体を含み、各単体は、それぞれ、2つのブリッジ式の可動接触子と、1つの弾性復帰部材と、2つのブリッジ式の可動接触子と1つの弾性復帰部材とを射出成形により一体化した射出成形部材と、を含み、前記弾性復帰部材と射出成形部材とは、十字型構造を形成し、前記第3支持ブロックも、弾性復帰部材と射出成形部材とにより形成された十字型構造に合わせて上下に移動するように対応する十字状溝を形成する。
【0016】
前記コイル部は、コイルリードピンと、射出成形によりコイルホルダと一体的に成形した支持ピンと、をさらに含み、前記プラスチックボディにはスロットがさらに設けられ、前記コイル部のコイルリードピンは、前記プラスチックボディのスロットに挿嵌され、前記コイル部の支持ピンは、上接地シールド片に掛けられて接着剤で固定され、前記支持ピンと前記上接地シールド片との接着剤に合わせる位置に対応するプラスチックボディには、凹溝の辺壁と接着剤隔離板と支持ブロックとで共に囲まれる接着剤溜まり溝がさらに設けられる。
【0017】
従来の技術と比べ、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0018】
本発明において、前記ベース部は、1つの上接地シールド片と、1つの下接地シールド片と、少なくとも2つの固定接触子と、前記1つの下接地シールド片と前記少なくとも2つの固定接触子とを射出成形により一体化したプラスチックボディと、を含み、且つ、固定接触子は、プラスチックボディの表面に露出する固定接触子露出部を有し、且つ、固定接触子露出部には、可動バネに接触するための接点が設けられ、接点の上面は、高さ方向に前記下接地シールド片の上面よりも高くなり、前記上接地シールド片は、前記プラスチックボディに取り付けられ、高さ方向に前記接点の上面よりも高くなり、且つ下接地シールド片により接地されることにより、ベース部において、上接地シールド片と下接地シールド片との間の隙間から構成された、可動接触部におけるブリッジ式の可動接触子を収容可能なシールド空間を形成する。本発明のこのような構造によれば、リレーの内部において信号伝送に対応する部分に上下に接地されたシールド空間を形成することができ、これにより、シールド効果がよく、且つ成形プロセスが簡単であり、実現が容易であり、加工精度がよく、組立効率及び製造効率が高いという特徴を有する。
【0019】
さらに、本発明において、1つの下接地シールド片と少なくとも2つの固定接触子とは、1つのテープ材を利用してプレスで形成され、且つ、前記下接地シールド片及び前記固定接触子を面一となるように射出成形により前記プラスチックボディに組み合わせることにより、下接地シールド片と固定接触子とは、同一の平面領域において位置が相補的になる。本発明のこのような構造によれば、信号伝送部(即ち、固定接触子における接点を含む部分)が下接地シールド片と面一となるように設計し、下接地シールド片と信号伝送部との間隔を設けることにより、信号伝送部と下接地シールド片とのインピーダンスマッチングを実現し、歪みなしに高周波信号を伝送することを実現する。
【0020】
さらに、本発明において、前記プラスチックボディの凹溝において、前記下接地シールド片に対応するカバー領域には、前記プラスチックボディに一体的に接続される複数の支持ブロックがさらに設けられ、前記複数の支持ブロックは、下方の前記下接地シールド片に対応する領域をそれぞれカバーし、前記上接地シールド片は、前記複数の支持ブロックに掛けられ、前記辺壁の上面は、前記上接地シールド片の上面よりも高い。本発明のこのような構造によれば、複数の支持ブロックによって、上接地シールド片が組み立てられた後の平面度の向上に寄与し、特性インピーダンスの整合性を確保し、高周波信号の伝送性能を向上させるとともに、コイル部が組み立てられた後のアーマチュア部と鉄心の水平方向の平面度の向上に寄与し、リレーの動作の信頼性を確保し、辺壁を上接地シールド片よりも高くして、リレーのシール性能を向上させることができる。
【0021】
さらに、本発明において、前記弾性復帰部材の下端は、下接地シールド片に当接することにより、前記弾性復帰部材の上端は、復帰時に前記ブリッジ式の可動接触子を前記上接地シールド片に押し付ける。本発明のこのような構造によれば、可動接触部の反力機構(即ち、弾性復帰部材)と下接地シールド片とを常時オンにして、不規則な形状による高周波性能への影響を回避するとともに、リレーの機械的寿命と信頼性を向上させることができる。
【0022】
以下、図面及び実施例を結合して本発明を更に詳細に説明するが、本発明の優れたシールド性能を有する高周波リレーは、実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例1の立体構造の模式図(ケースを含まない)である。
図2】本発明の実施例1の立体構造の分解模式図である。
図3】本発明の実施例1の構造断面図(ケースを含まない)である。
図4】本発明の実施例1のベース部と可動接触部とを組み合わせた立体構造の模式図である。
図5】本発明の実施例1のベース部及び可動接触部の部分分解の模式図である。
図6】本発明の実施例1のベース部と可動接触部とを組み合わせた平面図である。
図7図6のA-A線に沿う断面図である。
図8】本発明の実施例1のベース部(上接地シールド片を含まない)と可動接触部とを互いに嵌合した立体構造の模式図である。
図9図8のB部分の拡大図である。
図10】本発明の実施例1のベース部(上接地シールド片を含まない)の立体構造の模式図である。
図11】本発明の実施例1の上接地シールド片、下接地シールド片及び固定接触子を嵌合した模式図である。
図12図11のC部分の拡大図である。
図13】本発明の実施例1の下接地シールド片と固定接触子とからなるテープ材の模式図である。
図14】本発明の実施例2の可動接触部の立体構造の模式図である。
図15】本発明の実施例2の可動接触部の立体構造の模式図(プラスチックボディを除く)である。
図16】本発明の実施例2の可動接触部のテープ材の模式図である。
図17】本発明の実施例2の可動接触部のテープ材を射出成形した後の構造の模式図である。
図18】本発明の実施例2の可動接触部のテープ材を射出成形してから弾性復帰部材を打ち抜いた構造の模式図である。
図19】本発明の実施例2の高周波リレーの外形の模式図(ケースを含まない)である。
図20】本発明の実施例2の高周波リレーの断面図(ケースを含まない)である。
図21】本発明の実施例2の高周波リレーの立体構造の分解模式図である。
図22】本発明の実施例2の高周波リレーの一部の構造の模式図である。
図23】本発明の実施例2の高周波リレーの一部の構造の分解模式図である。
図24】本発明の実施例2の高周波リレーのベースと可動接触部とを嵌合した模式図である。
図25】本発明の実施例3の可動接触部の立体構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、例示的な実施形態をより完全に説明する。ただし、例示的な実施形態は複数種類の形態で実施することができ、ここに記述する実施形態に限定されない。本明細書において、例えば「上」や「下」などの相対的な用語は、図面に示された一つのアセンブリと他のアセンブリとの間の相対的な関係を説明するために使用されるが、これらの用語は、単に便宜上のものであり、例えば、図面に示す例示の方向によるものである。図面に示す装置を反転させてその上下が逆になる場合、前記「上」に位置するアセンブリが「下」に位置するアセンブリになることを理解できる。他の相対的な用語、例えば「頂」、「底」なども同様の意味を持つとしている。ある一つの構造が他の構造の「上」に位置する場合、ある一つの構造が他の構造の上に一体的に形成されたり、ある一つの構造が他の構造の上に「直接的」に配置されたり、別の構造により他の構造に「間接的」に配置されたりすることを意味する可能性がある。
【0025】
用語「1個」、「1つ」、「その」、「前記」は、1つ又は複数の要素/構成要素/などが存在することを表すために使用される、用語「含む」及び「有する」は、開放的な包含を意味するために使用され、列挙された要素/構成要素/等の他に存在することができる要素/構成要素/等を意味する、用語「第1」、「第2」などはマークとしてのみ使用され、その対象の数量限定ではない。
【0026】
実施例1
図1図13を参照すると、本発明に係る優れたシールド性能を有する高周波リレーは、磁路部1と、ベース部2と、可動接触部3と、を含み、前記磁路部1と前記可動接触部3とは、それぞれ前記ベース部2に取り付けられ、且つ互いに連動し、前記ベース部2は、1つの上接地シールド片4と、1つの下接地シールド片5と、少なくとも2つの固定接触子6と、前記1つの下接地シールド片5と前記少なくとも2つの固定接触子6とを射出成形により一体化したプラスチックボディ7と、を含む。前記固定接触子6は、プラスチックボディ7の表面に露出する固定接触子露出部61を有し、且つ、固定接触子露出部61には可動バネに接触するための接点62が設けられ、接点62の上面は、高さ方向に前記下接地シールド片5の上面よりも高くなる。前記上接地シールド片4は、前記プラスチックボディ7に取り付けられ、高さ方向に前記接点62の上面よりも高くなり、且つ下接地シールド片5により接地されることにより、ベース部2において、上接地シールド片4と下接地シールド片5との間の隙間から構成された、可動接触部3におけるブリッジ式の可動接触子31を収容可能なシールド空間30を形成する(図3を参照する)。
【0027】
本実施例において、前記プラスチックボディ7には凹溝71が設けられ、前記固定接触子6の固定接触子露出部61は、凹溝71の溝底に位置し、且つプラスチックボディ7の凹溝71の溝底面に露出し、前記上接地シールド片4は、前記プラスチックボディ7の凹溝71に取り付けられる。
【0028】
本実施例において、図13に示すように、前記1つの下接地シールド片5と少なくとも2つの固定接触子6とは、1つのテープ材を利用してプレスで形成され、且つ、前記下接地シールド片5及び前記固定接触子6を面一となるように射出成形により前記プラスチックボディ7に組み合わせることにより(図10に示すように)、下接地シールド片と固定接触子とは、同一の平面領域において位置が相補的になる。
【0029】
本実施例において、前記プラスチックボディ7は、直方体形状のブロック体であり、前記プラスチックボディ7の周縁は、辺壁72を上へ突出延長させ、且つ辺壁72により囲まれて前記凹溝71が形成され、前記1つの下接地シールド片5と少なくとも2つの固定接触子6とは、同一の平面で前記プラスチックボディ7の凹溝71の溝底面に露出する。
【0030】
本実施例において、前記プラスチックボディ7の凹溝71において、前記下接地シールド片5に対応するカバー領域には、前記プラスチックボディ7に一体的に接続される複数の支持ブロック73がさらに設けられ、前記複数の支持ブロック73は、それぞれ下方の前記下接地シールド片5の対応する領域をカバーし、前記上接地シールド片4は、前記複数の支持ブロック73に掛けられ、前記辺壁72の上面は、前記上接地シールド片4の上面よりも高い。
【0031】
本実施例において、前記複数の支持ブロック73は、前記プラスチックボディ7の凹溝71の4つの角部にそれぞれ位置する第1支持ブロック731と、前記プラスチックボディの長方形の2本の長辺にそれぞれ位置する第2支持ブロック732と、を含み、前記下接地シールド片5には両側に向かって溶接片51がそれぞれ延設され、前記溶接片51は、上へ折り曲げて溶接片51の上面を第2支持ブロック732の上面に露出させ、前記上接地シールド片4は、対応する位置で前記溶接片51に溶接により固定されて接地シールド片5を介して接地される。
【0032】
本実施例において、前記プラスチックボディ7の長方形状に対応する長辺壁において、前記第2支持ブロック732に対応する位置には切欠74がさらに設けられ、前記下接地シールド片5の溶接片51は、前記切欠74まで延びており、且つ切欠74における溶接片51の上面の高さと前記第2支持ブロック732の上面の高さとが一致するようにし、前記上接地シールド片4において、前記プラスチックボディ7の切欠に対応する位置には位置決め突片41がさらに一体的に延設され、前記上接地シールド片4の位置決め突片41は、前記プラスチックボディ7の切欠74に配置され、且つ前記溶接片51に溶接により固定される。
【0033】
本実施例において、前記1つの下接地シールド片5及び前記少なくとも2つの固定接触子6には、前記プラスチックボディの側面から外側へ延出する接地ピン又はリードピンがそれぞれ設けられ、即ち、下接地シールド片5には接地ピン52が設けられ、固定接触子6にはリードピン63が設けられる。ここで、下接地シールド片5の接地ピン52は、少なくとも前記プラスチックボディ7の長方形の4つの角部に分布する4つの接地ピン52を含む。
【0034】
本実施例において、前記可動接触部3は、前記磁路部1に連動する少なくとも1つのブリッジ式の可動接触子31と、ブリッジ式の可動接触子を復帰させるための弾性復帰部材32と、を含む。前記ブリッジ式の可動接触子31は、前記上接地シールド片4と下接地シールド片5との間の隙間に設けられ、ブリッジ式の可動接触子31の両端は、それぞれ前記少なくとも2つの固定接触子のうちの2つの固定接触子6の接点位置に対応し、前記弾性復帰部材32の下端は、下接地シールド片5に当接することにより、前記弾性復帰部材32の上端は、復帰時に前記ブリッジ式の可動接触子31を前記上接地シールド片4に押し付ける。
【0035】
本実施例において、前記磁路部1は、互いに嵌合するコイル部11とアーマチュア部12とを含み、前記コイル部11は、前記プラスチックボディ7に取り付けられ、前記アーマチュア部12は、前記上接地シールド片4により支持される。前記上接地シールド片4は、射出成形によりプラスチック材料で製造されたアーマチュア部支持座42に一体的に接続され、前記アーマチュア部支持座42は2つであり、上接地シールド片4の2つの長辺の中間位置にそれぞれ位置する。
【0036】
本実施例において、前記少なくとも2つの固定接触子は、プラスチックボディの長方形の長手方向の両側にそれぞれ位置する2つの常開端固定接触子64、2つの共通端固定接触子65、及び2つの常閉端固定接触子66を含む。ここで、2つの共通端固定接触子65は、プラスチックボディ7の長辺の中間に位置し、2つの常開端固定接触子64及び2つの常閉端固定接触子66は、プラスチックボディの長辺の両端にそれぞれ位置する。前記複数の支持ブロック73は、長手方向の両側の2つの固定接触子を隔離させる第3支持ブロック733をさらに含む。前記ブリッジ式の可動接触子31は、常閉端固定接触子66の接点と共通端固定接触子65の接点との間又は常開端固定接触子64の接点と共通端固定接触子65の接点との間に設けられ、且つブリッジ式の可動接触子31の両端は、対応する2つの接点の範囲を超えている。
【0037】
本実施例において、前記可動接触部3は、アーマチュア部12の両側に嵌合する2つの単体を含み、各単体は、それぞれ、2つのブリッジ式の可動接触子31と、1つの弾性復帰部材32と、2つのブリッジ式の可動接触子と1つの弾性復帰部材とを射出成形により一体化した射出成形部材33と、を含み、前記弾性復帰部材32と射出成形部材33とは、十字型構造を形成し、前記第3支持ブロック733も、弾性復帰部材32と射出成形部材33とにより形成された十字型構造に合わせて上下に移動するように対応する十字状溝を形成する。上接地シールド片4には、弾性復帰部材32と射出成形部材33とにより形成された十字型構造を上下に移動させる貫通孔43がさらに設けられる。
【0038】
本実施例において、前記コイル部は、コイルリードピン13と、射出成形によりコイルホルダ14と一体的に成形した支持ピン15と、をさらに含み、前記プラスチックボディ7にはスロット75がさらに設けられ、前記コイル部11のコイルリードピン13は、前記プラスチックボディ7のスロット75に挿嵌され、前記コイル部11の支持ピン15は、上接地シールド片4に掛けられて接着剤で固定される。前記支持ピン15と前記上接地シールド片4との接着剤に合わせる位置に対応するプラスチックボディ7には、凹溝の辺壁72と接着剤隔離板77と支持ブロック(即ち、第1支持ブロック731、第2支持ブロック732)とで共に囲まれる接着剤溜まり溝76がさらに設けられる。
【0039】
本発明に係る優れたシールド性能を有する高周波リレーによれば、前記ベース部2は、1つの上接地シールド片4と、1つの下接地シールド片5と、少なくとも2つの固定接触子6と、前記1つの下接地シールド片と前記少なくとも2つの固定接触子とを射出成形により一体化したプラスチックボディ7と、を含む。固定接触子6は、プラスチックボディ7の表面に露出する固定接触子露出部61を有し、且つ、固定接触子露出部61には、可動バネに接触するための接点62が設けられ、接点62の上面は、前記下接地シールド片5の上面よりも高さ方向に高くなる。前記上接地シールド片4は、前記プラスチックボディ7に取り付けられ、前記接点62の上面よりも高さ方向に高くなり、且つ下接地シールド片5により接地されることにより、ベース部2において、上接地シールド片4と下接地シールド片5との間の隙間から構成された、可動接触部におけるブリッジ式の可動接触子31を収容可能なシールド空間30を形成する。本発明のこのような構造によれば、リレーの内部において信号伝送に対応する部分(図3中のD経路に示すように)に上下に接地されたシールド空間を形成することができ、これにより、シールド効果がよく、且つ成形プロセスが簡単であり、実現が容易であり、加工精度がよく、組立効率及び製造効率が高いという特徴を有する。
【0040】
本発明に係る優れたシールド性能を有する高周波リレーによれば、1つの下接地シールド片5と少なくとも2つの固定接触子6とは、1つのテープ材を利用してプレスで形成され、且つ、前記下接地シールド片5及び前記固定接触子6を面一となるように射出成形により前記プラスチックボディ7に組み合わせることにより、下接地シールド片5と固定接触子6とは、同一の平面領域において位置が相補的になる。本発明のこのような構造によれば、信号伝送部の固定接触子(即ち、固定接触子における接点を含む部分)が下接地シールド片と面一となるように設計し、下接地シールド片と信号伝送部との間隔を設けることにより、信号伝送部と下接地シールド片とのインピーダンスマッチングを実現し、歪みなしに高周波信号を伝送することを実現する。
【0041】
本発明に係る優れたシールド性能を有する高周波リレーによれば、前記プラスチックボディ7の凹溝71において、前記下接地シールド片5に対応するカバー領域には、前記プラスチックボディ7に一体的に接続される複数の支持ブロック73がさらに設けられ、前記複数の支持ブロック73は、それぞれ下方の前記下接地シールド片5の対応する領域をカバーし、前記上接地シールド片4は、前記複数の支持ブロック73に掛けられ、前記辺壁72の上面は、前記上接地シールド片4の上面よりも高い。本発明のこのような構造によれば、複数の支持ブロックによって、上接地シールド片が組み立てられた後の平面度の向上に寄与し、特性インピーダンスの整合性を確保し、高周波信号の伝送性能を向上させるとともに、コイル部が組み立てられた後のアーマチュア部と鉄心の水平方向の平面度の向上に寄与し、リレーの動作の信頼性を確保し、辺壁を上接地シールド片よりも高くして、リレーのシール性能を向上させることができる。
【0042】
本発明に係る優れたシールド性能を有する高周波リレーによれば、前記弾性復帰部材32の下端は、下接地シールド片5に当接することにより、前記弾性復帰部材32の上端は、復帰時に前記ブリッジ式の可動接触子31を前記上接地シールド片4に押し付ける。本発明のこのような構造によれば、可動接触部の反力機構(即ち、弾性復帰部材)と下接地シールド片とを常時オンにして、不規則な形状による高周波性能への影響を回避するとともに、リレーの機械的寿命と信頼性を向上させることができる。
【0043】
また、高周波リレーは、高周波回路を切り替えるためのリレーであり、従来技術における高周波リレーは、通常、磁路部、ベース部及び可動接触部を含み、このような高周波リレーの固定バネ部は、ベースに集積されてベース部を共に形成し、磁路部は、ベース部の上面に取り付けられ、磁路部におけるアーマチュアは、シーソー構造をなし、且つベースに組み込まれた可動接触部に嵌合し、ベースには凹溝が設けられ、可動接触部は、可動バネの組み合わせ及び反力バネを含み、可動バネの組み合わせは、反力バネを介してベースに取り付けられ、アーマチュアの一端が動作して可動バネの組み合わせを下方に押し下げる場合、可動バネの組み合わせは、反力バネの弾性力に抗して可動バネの組み合わせにおけるブリッジ式の可動接触子を凹溝内で下方に移動させ、ブリッジ式の可動接触子の両端を2つの固定接触子での接点に接触させると、2つの固定接触子により接続された回路を導通させ、アーマチュアの一端が上へ動作する場合、可動バネの組み合わせは、反力バネの弾性力を受けて可動バネの組み合わせにおけるブリッジ式の可動接触子を凹溝内で上方に移動させ、ブリッジ式の可動接触子の両端を2つの固定接触子での接点から離間させると、2つの固定接触子により接続された回路が遮断される。従来技術における可動接触部の可動バネの組み合わせと反力バネは、2つの単独の部品であるので、可動接触部の部品が多くなり、組立安定性が悪くなり、材料利用率が低く、製作コストが高いという弊害をもたらす。
【0044】
本発明は、部品が少なく、構造強度がよく、組立安定性がよく、材料利用率が高く、製作コストが低いという特徴を有する高周波信号を伝送するための可動接触部及びその高周波リレーをさらに提供する。
【0045】
本発明がその技術問題を解決する技術案は、第1シート体と、第2シート体と、射出成形により第1シート体及び第2シート体の中間部分を互いに連結せずに被覆して全体構造を形成したプラスチックボディとを含む高周波信号を伝送するための可動接触部であって、前記第1シート体は、可動接触部のブリッジ式の可動接触子として設けられ、前記第2シート体は、両端が下向きの突出を有するように折り曲げられて可動接触部の弾性復帰部材を構成する。
【0046】
前記第1シート体と第2シート体とは、プレスにより同一の帯材に成形され、前記第1シート体は、両端がプレスされて前記ブリッジ式の可動接触子を構成し、前記第2シート体は、プレスにより両端が下向きの突出を有するように折り曲げられて前記弾性復帰部材を構成する。
【0047】
前記プラスチックボディは、長尺形状であり、且つ前記第1シート体と同一水平面上に互いに垂直に分布している。
【0048】
前記プラスチックボディの上面には、リレーのアーマチュア部に嵌合するための突起が設けられている。
【0049】
前記テープ材は、矩形状であり、前記第1シート体と第2シート体は、テープ材の長手方向又は幅方向に沿って同方向に並列に配列されている。
【0050】
前記第1シート体は2つであり、前記第2シート体は1つであり、前記並列配列において、前記1つの第2シート体は、中間に位置し、前記2つの第1シート体は、前記第2シート体の両側に位置し、前記1つの第2シート体と前記プラスチックボディとは十字状構造を構成する。
【0051】
前記第1シート体は1つであり、前記第2シート体は2つであり、前記並列配列において、前記1つの第1シート体は、中間に位置し、前記2つの第2シート体は、前記第1シート体の両側に位置し、前記2つの第2シート体と前記プラスチックボディとはエ字状構造を構成する。
【0052】
前記第2シート体は枠形であり、前記プラスチックボディは、第2シート体の枠形の中間貫通孔の一部に充填されている。
【0053】
磁路部と、ベース部と、上記の可動接触部とを含む高周波リレーであって、前記磁路部は、前記ベース部の上面に取り付けられ、前記ベース部には、可動接触部が組み込まれるための凹溝が設けられ、前記可動接触部は、弾性復帰部材の弾性特性によって前記凹溝内に組み込まれ、且つ、可動接触部のブリッジ式の可動接触子は、ベース部の固定バネの接点と上ストッパ片との間に位置するように制限され、前記磁路部のアーマチュア部を前記可動接触部のプラスチックボディに嵌合させる。
【0054】
前記ベース部の凹溝には複数の支持ブロックが設けられ、前記複数の支持ブロックは、可動接触部のプラスチックボディ及び第2シート体が組み込まれるための十字状溝又はエ字状溝を形成する。
【0055】
前記磁路部は、アーマチュア部に嵌合するコイル部をさらに含み、前記コイル部は、前記ベース部に取り付けられ、前記アーマチュア部は、前記コイル部にシーソー状に嵌合する。
【0056】
従来の技術と比べ、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0057】
本発明において、第1シート体、第2シート体、及び射出成形により第1シート体及び第2シート体の中間部分を互いに連結せずに被覆して全体構造を形成したプラスチックボディは、高周波信号を伝送するための可動接触部を構成し、且つ、前記第1シート体は、可動接触部のブリッジ式の可動接触子として設けられ、前記第2シート体は、両端が下向きの突出を有するように折り曲げられて可動接触部の弾性復帰部材を構成する。本発明のこのような構造によれば、部品が少なく、構造強度がよく、組立安定性がよく、材料利用率が高く、製作コストが低いという特徴を有する。
【0058】
実施例2
図14図18を参照すると、本発明に係る高周波信号を伝送するための可動接触部は、プレスにより同一のテープ材1Aに成形された第1シート体11A及び第2シート体12Aと、射出成形により第1シート体11A及び第2シート体12Aの中間部分を互いに連結せずに被覆して全体構造を形成したプラスチックボディ2Aと、を含み、前記第1シート体11Aは、両端がプレスされて可動接触部3Aのブリッジ式の可動接触子4Aを構成し、前記第2シート体12Aは、プレスにより両端が下向きの突出部51Aを有するように折り曲げられて可動接触部3Aの弾性復帰部材5Aを構成する。
【0059】
本実施例において、前記プラスチックボディ2Aは、長尺形状であり、且つ前記第1シート体11Aと同一水平面上に互いに垂直に分布している。
【0060】
本実施例において、前記プラスチックボディ2Aの上面には、リレーのアーマチュア部に嵌合するための突起21Aが設けられている。
【0061】
本実施例において、前記テープ材1Aは、矩形状であり、前記第1シート体11Aと第2シート体12Aは、テープ材の矩形の長手方向に沿って同方向に並列に配列されている。
【0062】
本実施例において、前記第1シート体11Aは2つであり、前記第2シート体12Aは1つである。前記並列配列において、前記1つの第2シート体12Aは、中間に位置し、前記2つの第1シート体11Aは、前記第2シート体12Aの両側に位置し、前記1つの第2シート体12Aと前記プラスチックボディ2Aとは、十字状構造を構成する。プレスを完了させた後、可動接触部3Aは、2つのブリッジ式の可動接触子4Aと、1つの弾性復帰部材5Aと、2つのブリッジ式の可動接触子4A及び1つの弾性復帰部材5Aを全体構造に射出成形したプラスチックボディ2Aと、を含み、プラスチックボディ2Aには、リレーのアーマチュア部に嵌合するための2つの突起21Aが設けられている。
【0063】
本実施例において、前記第2シート体12Aは枠形であり、前記プラスチックボディ2Aは、第2シート体12Aの枠形の中間貫通孔121Aの一部に充填されている。
【0064】
図14図24を参照すると、本発明に係る高周波リレーは、磁路部6Aと、ベース部7Aと、上記の可動接触部3Aと、を含む。ベース部7Aは、ベース71Aと、固定接点721Aを含む固定接触子72Aと、上ストッパ片73Aと、を含む。ここで、固定接触子72Aは、射出成形によりベース71Aに嵌合され、前記磁路部6Aは、前記ベース部7Aの上面に取り付けられ、前記ベース部7Aには、可動接触部3Aが組み込まれるための凹溝711Aが設けられ、即ち、ベース71Aには、可動接触部3Aが組み込まれるための凹溝711Aが設けられ、前記可動接触部3Aは、弾性復帰部材5Aの弾性特性によって前記凹溝711Aに組み込まれ、且つ、可動接触部3Aのブリッジ式の可動接触子4Aは、ベース部の固定バネの接点721Aと上ストッパ片73Aとの間に位置するように制限され、前記磁路部6Aのアーマチュア部61Aは、前記可動接触部3Aのプラスチックボディ2Aに嵌合する。
【0065】
本実施例において、前記ベース部7Aの凹溝711Aには複数の支持ブロック712Aが設けられ、即ち、ベース71Aの凹溝711Aには複数の支持ブロック712Aが設けられ、前記複数の支持ブロック712Aは、可動接触部3Aのプラスチックボディ2A及び弾性復帰部材5Aが組み込まれるための十字状溝713Aを形成する。
【0066】
本実施例において、上ストッパ片73Aは、一体化した接地シールド片であり、上ストッパ片73Aは、ベース71Aの凹溝711A内に取り付けられ、上ストッパ片73Aには十字状の退避孔731Aが設けられ、前記退避孔731Aは、可動接触部3Aのプラスチックボディ2A及び弾性復帰部材5Aが上下に移動することから退避するためのものである。
【0067】
本実施例において、前記磁路部6Aは、アーマチュア部61Aに嵌合するコイル部62Aをさらに含み、前記コイル部62Aは、前記ベース部7Aに取り付けられ、前記アーマチュア部61Aは、シーソー状をなし、且つ前記コイル部62Aに嵌合する。
【0068】
本発明に係る高周波信号を伝送するための可動接触部及びその高周波リレーは、プレスにより同一のテープ材1Aに成形された第1シート体11A及び第2シート体12A、及び射出成形により第1シート体11A及び第2シート体12Aの中間部分を互いに連結せずに被覆して全体構造を形成したプラスチックボディ2Aを使用して高周波信号を伝送するための可動接触部3Aを構成する。また、前記第1シート体11Aは、両端がプレスされて可動接触部3Aのブリッジ式の可動接触子4Aを構成する。前記第2シート体12Aは、プレスにより両端が下向きの突出部51Aを有するように折り曲げられて可動接触部3Aの弾性復帰部材5Aを構成する。本発明のこのような構造によれば、可動接触子(即ちブリッジ式の可動接触子4A)及び反発機構(即ち弾性復帰部材5A)が同一のテープ材に設けられ、可動接触子と反発機構の方向が同じであり、可動接触子からの廃材が活用されて反力バネ構造に打ち抜かれ、前記反力バネ構造が可動接触子と組み合わせて一体的に射出成形されるので、組み立てられる部品を減らし、材料の利用率を向上させることができる。ここで、可動接触子と反発機構の方向が同じであるので、テープ材を打ち抜いて射出成形した後の反発機構は、平面状となり、射出成形部材(即ちプラスチックボディ2A)の両側の空間が利用されて反発力を有する反発機構に折り曲げられ、これにより、本発明は、部品が少なく、構造強度がよく、組立安定性がよく、材料利用率が高く、製作コストが低いという特徴を有する。
【0069】
実施例3
図25を参照すると、本発明に係る高周波信号を伝送するための可動接触部及びその高周波リレーと実施例2との相違点として、本実施例において、前記第1シート体11Aは1つであり、前記第2シート体12Aは2つであり、前記並列配列において、前記1つの第1シート体11Aは、中間に位置し、前記2つの第2シート体12Aは、前記第1シート体11Aの両側に位置し、前記2つの第2シート体12Aと前記プラスチックボディ2Aとはエ字状構造を構成する。プレスを完了させた後、可動接触部3Aは、1つのブリッジ式の可動接触子4Aと、2つの弾性復帰部材5Aと、1つのブリッジ式の可動接触子4A及び2つの弾性復帰部材5Aを全体構造に射出成形したプラスチックボディ2Aと、を含み、プラスチックボディ2Aには、リレーのアーマチュア部に嵌合するための2つの突起21Aが設けられている。
【0070】
本発明は、本明細書で提案された構成要素の詳細な構造及び配置方法に適用を限定しないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態を有することができ、様々な方法で実現し、実行することができる。上記の変形形態及び修正形態は、本発明の範囲に含まれる。なお、本明細書に開示及び限定される本発明は、本明細書及び/又は図面で言及又は明示された2つ以上の別個の特徴の代替可能な組み合わせのすべてに及ぶ。これらの異なるすべての組み合わせは、本発明の複数の代替可能な態様を構成する。本明細書に記載される実施形態は、本発明を実現するための知られている最も好ましい形態を説明し、且つ当業者が本発明を利用することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】