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特表2024-546402コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備
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  • 特表-コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備 図1
  • 特表-コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備 図2
  • 特表-コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/531 20210101AFI20241217BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/566
H01M50/528
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571405
(86)(22)【出願日】2022-12-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2022142025
(87)【国際公開番号】W WO2024098529
(87)【国際公開日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】202211391375.6
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523370990
【氏名又は名称】シアメン ハイチウム エナジー ストレージ テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ハンチュアン
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043BA19
5H043DA20
5H043HA11D
5H043LA02D
5H043LA11D
(57)【要約】
本発明はコネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備を提供する。コネクタの設計方法は、次の内容を含む。コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域の面積Sを取得する。コネクタを第1有効領域と第2有効領域に区分する。第1有効領域はコネクタにおける規則的な形状を有する領域であり、第2有効領域はコネクタにおける、極柱と接続される領域であり、第1有効領域はN個あり、N≧1、且つ複数の第1有効領域は第2有効領域の同じ側と接続される。S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、第1有効領域の仕様寸法を確定する。S1は第1有効領域の面積である。これにより、コネクタにおける、タブと接続される溶接領域の大きさが過電流要求を満たすようにし、また、第1有効領域の仕様寸法をより合理的にすることにより、余計な設計を避け、設計過程における検証回数を減らすことができ、型の定められたコネクタの仕様寸法が合理的であることにより、検証コストを低減することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの設計方法であって、
前記コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域(11)の面積Sを取得することと、
前記コネクタを第1有効領域(10)と第2有効領域(20)に区分することと、前記第1有効領域(10)は前記コネクタにおける規則的な形状を有する領域であり、前記第2有効領域(20)は前記コネクタにおける、極柱と接続される領域であり、前記第1有効領域(10)はN個あり、N≧1、且つ複数の前記第1有効領域(10)は前記第2有効領域(20)の同じ側と接続される、区分することと、
S=aS1、aは0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することと、S1は前記第1有効領域(10)の面積である、確定することと、を含む、
ことを特徴とするコネクタの設計方法。
【請求項2】
前記コネクタにおける、前記タブと接続されるための前記溶接領域(11)の面積Sを取得することは、具体的には、前記タブに継続的に過電流を印加し、且つ温度上昇が設定閾値よりも小さいときの面積を取得することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項3】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が矩形である場合、前記第1有効領域(10)の長さをx1で表し、幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の長さをx2で表し、幅をy2で表し、
x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95の範囲内にあることにより、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項4】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が円形である場合、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の半径をr1で表し、
r1≦0.95y1により、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項5】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が楕円形である場合、前記溶接領域(11)の縦軸が前記第1有効領域(10)の幅方向に平行であり、前記溶接領域(11)の縦軸の長さをL1で表し、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、
L1:y1=(0.2~0.95):1により、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項6】
隣り合う前記第1有効領域(10)の間の間隔をwlで表し、前記第1有効領域(10)の幅をw2で表し、前記第2有効領域(20)の幅w3=w1+Nw2、Nは前記第1有効領域(10)の数である、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項7】
タブと極柱を含むバッテリーに用いられるコネクタであって、
前記コネクタは前記タブと前記極柱を接続し、前記コネクタは、N個の第1有効領域(10)と、第2有効領域(20)と、を含み、
N≧1、前記第1有効領域(10)には前記タブと接続されるための溶接領域(11)が設けられており、
前記第2有効領域(20)は前記第1有効領域(10)に接し、複数の前記第1有効領域(10)は前記第2有効領域(20)の同じ側に位置し、
前記溶接領域(11)の面積Sと前記第1有効領域(10)の面積S1は、S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることを満たし、
前記バッテリーに予め定められたサイクル回数の充放電サイクルを完了させる過程において、前記溶接領域(11)の充放電時の溶接マークの温度上昇が温度上昇閾値未満であり、容量維持率が85%以上であり、前記温度上昇閾値が10℃以下であり、前記予め定められたサイクル回数が[0,1500]である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
前記予め設定されたサイクル回数は[0,1000]であり、前記容量維持率は90%以上である、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記溶接領域(11)が矩形である場合、前記第1有効領域(10)の長さをx1で表し、幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の長さをx2で表し、幅をy2で表し、
x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記溶接領域(11)が円形である場合、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の半径をr1で表し、y1とr1はr1≦0.95y1を満たす、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記溶接領域(11)が楕円形である場合、前記溶接領域(11)の縦軸は、前記第1有効領域(10)の幅方向に平行であり、且つ前記縦軸の長さL1と前記第1有効領域(10)の幅y1との比は、(0.2~0.95):1である、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項12】
エネルギー貯蔵装置であって、
前記エネルギー貯蔵装置は、筐体と、前記筐体をカバーするように設けられたエンドカバーと、請求項7~11のいずれか一項に記載のコネクタと、を含み、
前記エンドカバー上には、前記コネクタと接続される極柱が設けられている、
ことを特徴とするエネルギー貯蔵装置。
【請求項13】
請求項12に記載のエネルギー貯蔵装置を含む、
ことを特徴とする電力使用設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、発明の名称を「コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備」とする、2022年11月8日に出願された中国特許出願第202211391375.6号の優先権を主張し、そのすべての内容が引用として本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタ技術分野に関し、特に、コネクタの設計方法、コネクタ、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備に関する。
【背景技術】
【0003】
ベアセルの電流を引き出す金属導電体とされるコネクタは、一端がベアセルのタブに接続され、他端が極柱に接続されている。従来技術では、コネクタのソフト接続領域の幾何学的寸法は、過電流能力不足又は余計な設計を避けるために複数回の検証が必要であり、検証回数が多くて検証コストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術にある技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そこで、本発明の目的の1つは、コネクタの設計過程における実験頻度を低減して、検証コストを低減することができるコネクタの設計方法を提供することである。
【0005】
本発明は、さらに、上記設計方法に基づいたコネクタを提供する。
【0006】
本発明は、さらに、上記コネクタを用いたエネルギー貯蔵装置を提供する。
【0007】
本発明は、さらに、上記エネルギー貯蔵装置を用いた電力使用設備を提供する。
【0008】
本発明の第一態様の実施例に係るコネクタの設計方法は、次の内容を含む。コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域の面積Sを取得する。コネクタを第1有効領域と第2有効領域に区分する。第1有効領域はコネクタにおける規則的な形状を有する領域であり、第2有効領域はコネクタにおける、極柱と接続される領域であり、第1有効領域(10)はN個あり、N≧1、且つ複数の第1有効領域(10)は第2有効領域(20)の同じ側と接続される。S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、第1有効領域の仕様寸法を確定する。S1は第1有効領域の面積である。
【0009】
本発明の実施例に係るコネクタの設計方法によれば、コネクタを2つの領域に区分し、また、S=aS1に基づいて、第1有効領域の仕様寸法を設定する。コネクタにおける、タブと接続される溶接領域の大きさが過電流要求を満たすようにし、また、第1有効領域の仕様寸法をより合理的にすることにより、余計な設計を避け、設計過程における検証回数を減らし、検証コストを低減することができる。型の定められたコネクタの仕様寸法が合理的であることにより、生産コストを低減し、溶接マークの温度上昇の要求を満たし、寿命を延ばすことを確保することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域の面積Sを取得することは、具体的には、タブに継続的に過電流を印加し、且つ温度上昇が設定閾値よりも小さいときの面積を取得することである。これにより、溶接領域の面積が過電流要求を満たすようにし、コネクタとタブの接続安定性を向上させることができる。
【0011】
さらに、第1有効領域の仕様寸法を確定することは、具体的には、溶接領域が矩形である場合、第1有効領域の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95にの範囲内にあることにより、第1有効領域の長さ及び幅を確定することである。
【0012】
さらに、第1有効領域の仕様寸法を確定することは、具体的には、溶接領域が円形である場合、第1有効領域の幅をy1で表し、溶接領域の半径をr1で表し、r1≦0.95y1により、第1有効領域の長さ及び幅を確定することである。
【0013】
さらに、第1有効領域の仕様寸法を確定することは、具体的には、溶接領域が楕円形である場合、溶接領域の縦軸が第1有効領域の幅方向に平行であり、溶接領域の縦軸の長さをL1で表し、第1有効領域の幅をy1で表し、L1:y1=(0.2~0.95):1により、第1有効領域の長さ及び幅を確定することである。
【0014】
さらに、隣り合う第1有効領域の間の間隔をwlで表し、第1有効領域の幅をw2で表し、第2有効領域の幅w3=w1+Nw2、Nは第1有効領域の数である。
【0015】
本発明の第二態様の実施例に係るコネクタは、タブと極柱を含むバッテリーに用いられる。コネクタはタブと極柱を接続し、コネクタは、N個の第1有効領域と、第2有効領域と、を含む。N≧1、第1有効領域にはタブと接続されるための溶接領域が設けられている。第2有効領域は第1有効領域に接し、複数の第1有効領域は第2有効領域の同じ側に位置する。溶接領域の面積Sと第1有効領域の面積S1は、S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることを満たす。バッテリーに予め定められたサイクル回数の充放電サイクルを完了させる過程において、溶接領域の充放電時の溶接マークの温度上昇が温度上昇閾値未満であり、容量維持率が85%以上であり、温度上昇閾値が10℃以下であり、予め定められたサイクル回数が[0,1500]である。さらに、予め設定されたサイクル回数は[0,1000]であり、容量維持率は90%以上である。
【0016】
いくつかの実施例において、溶接領域が矩形である場合、第1有効領域の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある。
【0017】
さらに、溶接領域が円形である場合、第1有効領域の幅をy1で表し、溶接領域の半径をr1で表し、y1とr1はr1≦0.95y1を満たす。
【0018】
さらに、溶接領域が楕円形である場合、溶接領域の縦軸は、第1有効領域の幅方向に平行であり、且つ縦軸の長さL1と第1有効領域の幅y1との比は、(0.2~0.95):1である。
【0019】
本発明の第三態様の実施例に係るエネルギー貯蔵装置は、エンドカバーと、コネクタと、を含む。エンドカバー上には、コネクタと接続される極柱が設けられている。
【0020】
本発明の第四態様の実施例に係る電力使用設備は、上記エネルギー貯蔵装置を含む。
【0021】
本発明の付加的態様及び利点は以下の内容に部分的に記載され、一部は以下の記載から明らかになり、又は本発明の実践を通じて理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の上記及び/又は付加的態様と利点は、以下の図面を参照する実施例の説明から明らかになり、且つ理解されやすくなる。
図1図1は、本発明の実施例に係る1つのコネクタを示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施例に係る別のコネクタを示す概略図である。
図3図3は、本発明の実施例に係る設計方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。実施例の例示は図面に示されている。同一又は類似の記号は、最初から最後まで同一又は類似の素子、或いは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的であり、本発明を説明するのみに用いられ、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0024】
以下、図1図3を参照して、本発明の実施例に係るコネクタ100の設計方法、コネクタ100、エネルギー貯蔵装置及び電力使用設備について説明する。
【0025】
図1図2及び図3に示すように、本発明の第一態様の実施例に係るコネクタ100の設計方法は、次の内容を含む。コネクタ100における、タブと接続されるための溶接領域11の面積Sを取得する。コネクタ100を第1有効領域10と第2有効領域20に区分する。第1有効領域10はコネクタ100における規則的な形状を有する領域であり、第2有効領域20はコネクタ100における、極柱と接続される領域であり、第1有効領域10はN個あり、N≧1、且つ複数の第1有効領域10は第2有効領域20の同じ側と接続される。S=aS1、aは0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、第1有効領域10の仕様寸法を確定する。S1は第1有効領域10の面積である。
【0026】
具体的には、コネクタ100は、ベアセルのタブと極柱を電気的に接続するように構成されたものである。コネクタ100はタブと溶接されており、溶接領域11の大きさは過電流能力に関連する。本発明の設計方法において、まず、コネクタ100における、タブと接続されるための溶接領域11の面積Sを取得する。さらに、コネクタ100を2つの有効領域に区分する。第1有効領域10が規則的な形状(例えば、矩形、正方形等)を呈していることで、コネクタ100とタブの接続に有利である。第2有効領域20は、極柱の形状に基づいて合理的に設計する必要があり、その具体的形状は本発明において具体的に限定されない。
【0027】
なお、コネクタ100の設計上の需要に応じて、1つ(図1参照)又は複数(図2参照)の第1有効領域10があってもよい。複数の第1有効領域10がある実施例において、第1有効領域10は第2有効領域20の同じ側に設けられることで、複数の第1有効領域10のそれぞれが対応するタブと接続されることに有利であり、且つ配置に有利であり、タブと第1有効領域10の接続過程における第2有効領域20の干渉を回避することができる。
【0028】
理解できるように、有効領域の面積と溶接領域11の面積S1がS=aS1を満たすように限定し、この比例関係に基づいて、第1有効領域10の仕様寸法を確定し、さらに、コネクタ100の設計を完了することができる。
【0029】
リチウムイオンバッテリーの製造プロセスは次の通りである。正極シート、セパレータ及び負極シートを順に放置し、セパレータが正極シートと負極シートとの間に位置して隔離の役目を果たすようにする。それらを巻いてベアセルを取得する。ベアセルの正極タブを正極接続シートと溶接し、ベアセルの負極タブを負極接続シートと溶接し、溶接した後のベアセルを筐体に入れ、乾燥後、エンドカバーの注液孔を介して電解液を注入し、封止、静置、フォーメーション(formation)を経てリチウムイオンバッテリーを取得する。
【0030】
実施例1:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、溶接領域11の面積S=5mm*12mm、好ましくはa=0.81、m=0.9、n=0.9、即ち第1有効領域の長さが10.8mmであり、第1有効領域の幅が4.5mmであり、第1有効領域10の面積S1が48.6mmである。
【0031】
実施例2:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、好ましくはa=0.81、m=0.95、n=0.842である。
【0032】
実施例3:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、好ましくはa=0.81、m=0.842、n=0.95である。
【0033】
実施例4:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、好ましくはa=0.49、m=0.7、n=0.7である。
【0034】
実施例5:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、好ましくはa=0.25、m=0.5、n=0.5である。
【0035】
実施例6:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、好ましくはa=0.09、m=0.3、n=0.3である。
【0036】
比較例1:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=1、m=1、n=1である。
【0037】
比較例2:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.01、m=0.1、n=0.1である。
【0038】
比較例3:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.97、m=0.985、n=0.985である。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から次の内容が分かる。比較例1は通常の技術的解決策である。溶接マークの面積が第1有効領域10の面積と一致しており、コストが低いが、過電流及び溶接マークの温度上昇の要求を満たすことができない。比較例2は通常の改良案である。過電流及び溶接マークの温度上昇の要求を満たすことができるが、コストアップが明らかである。比較例3はもう一つの通常の改良案である。コストが低いが、溶接の位置ずれ率が高い。本発明の設計方法(実施例1~実施例6)を分析すると、S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあるとすることにより、コネクタ100が過電流要求及び溶接マークの温度上昇の要求を満たし、使用安全性が高められるとともに、ソフト接続コストが比較例2に比べて著しく低下した。
【0041】
なお、組み立て難易度は生産リズムにより定められることができ、組み立てが難しければ、生産リズムが遅く、生産効率が低い。組み立て難易度が易であることは生産効率が20ppmより高いことを表し、ppmは(件/分)pcs/minである。組み立て難易度が中であることは生産効率が10~20ppmであることを表す。組み立て難易度が難であることは生産効率が0~10ppmであることを表す。タブと実際に溶接された溶接領域の面積が溶接マークの面積Sよりも小さいことは、溶接の位置ずれと記され、総生産数に対する、溶接の位置ずれが起こったコネクタ100の数の比は溶接の位置ずれ率である。充放電時の溶接マークの温度上昇とは、25℃を基準として、バッテリーが1つの充放電サイクルを行う過程における、溶接領域の最高温度と基準温度の差を意味する。ソフト接続コストとは、1つのコネクタ100の材料コストである。過電流要求を満たすことは、バッテリーの1つの充放電サイクルにおいて、溶接領域の最高温度が10℃以下であると定義される。導出過程は次の通りである。溶接領域が過電流面積を表し、過電流面積が大きいほど、導流能力が優れる。コネクタ100の溶接領域11が小さ過ぎると、コネクタ100の内部抵抗が増加するので、バッテリーサイクルの電圧の低下を招き、バッテリー容量の利用に影響する。また、コネクタ100の溶接領域が小さ過ぎると、バッテリー内部の温度が異常になるので、リチウムイオンバッテリー系内部での副反応の増加が進み、バッテリー内の活性物質の消耗を招き、バッテリーの減衰を招く。
【0042】
【表2】
【0043】
表2から次の内容が分かる。溶接マークの温度上昇が変わらない場合、充放電サイクル回数の増加につれて、バッテリーが次第に損耗し、容量維持率が徐々に低下する。同じ充放電サイクル回数の場合、溶接マークの温度上昇が温度閾値10℃を超え、且つサイクル回数が100回以上である場合の容量維持率は、溶接マークの温度上昇が温度閾値を超えていない場合の容量維持率と比べて、著しく低下する。本発明によれば、コネクタ100の溶接マークの温度上昇を温度閾値未満に確保することで、対応するバッテリーの容量維持率を安定させ、本発明のコネクタ100を用いたバッテリーの使用寿命を効果的に延ばすことができる。
【0044】
本発明の実施例に係るコネクタ100の設計方法によれば、コネクタ100を2つの領域に区分し、また、S=aS1に基づいて、第1有効領域10の仕様寸法を設定する。コネクタ100における、タブと接続される溶接領域11の大きさが過電流要求を満たすようにし、また、第1有効領域10の仕様寸法をより合理的にすることにより、余計な設計を避け、設計過程における検証回数を減らし、検証コストを低減することができる。型の定められたコネクタ100の仕様寸法が合理的であることにより、生産コストを低減し、溶接マークの温度上昇の要求を満たし、寿命を延ばすことを確保することができる。
【0045】
コネクタ100における、タブと接続されるための溶接領域11の面積Sを取得することは、具体的には、タブに継続的に過電流を印加し、且つ温度上昇が設定閾値よりも小さいときの面積を取得することである。
【0046】
例示的に、設定された、ベアセルの最大許容電流値が10Aであり、最大許容温度上昇ΔTが180℃であると、コネクタ100における、タブと接続されるための溶接領域11の面積Sを取得する過程は次の通りである。タブに10Aの電流を印加し、溶接領域11の温度変化を測定する。10Aの大電流を継続的に印加し、且つ、温度上昇がΔTよりも小さい場合、タブとコネクタ100との接続領域の面積は、即ち本発明で取得する溶接領域11の面積である。このように溶接領域11の面積は過電流要求を満たすことができ、継続的に過電流を印加する場合、温度変化が設定閾値を下回ることで、コネクタ100とタブの接続の切断を回避し、コネクタ100とタブの接続の安定性を向上させる。
【0047】
溶接領域11の面積は、タブとコネクタ100の接続領域の面積であり、溶接領域11の形状は、矩形、円形又は楕円形でありえることが理解できる。
【0048】
具体的には、
1.溶接領域11が矩形である場合、第1有効領域10の仕様寸法を確定することは具体的に次の通りである。第1有効領域10の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域11の長さをx2で表し、幅をy2で表す。x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95の範囲内にあることにより、第1有効領域10の長さ及び幅を確定する。
【0049】
2.溶接領域11が円形である場合、第1有効領域10の仕様寸法を確定することは具体的に次の通りである。第1有効領域10の幅をy1で表し、溶接領域11の半径をr1で表す。r1≦0.95y1により、第1有効領域10の長さ及び幅を確定する。
【0050】
3.溶接領域11が楕円形である場合、第1有効領域10の仕様寸法を確定することは具体的に次の通りである。溶接領域11の縦軸が第1有効領域10の幅方向に平行であり、溶接領域11の縦軸の長さをL1で表し、第1有効領域10の幅をy1で表す。L1:y1=(0.2~0.95):1により、第1有効領域10の長さ及び幅を確定することである。
【0051】
以上をまとめると、次の内容が分かる。溶接領域11の違う形状に基づいて、第1有効領域10の仕様寸法の確定に多少の相違がある。溶接領域11が矩形である場合、比例関係に基づいて、溶接領域11の長さに対応して第1有効領域10の長さを限定し、溶接領域11の幅に対応して第1有効領域10の幅を限定すればよい。溶接領域11が円形である場合、少なくとも、溶接領域11の最大直径が第1有効領域10の幅より小さいことが必要である。溶接領域11が楕円形である場合、溶接領域11の縦軸と第1有効領域10の幅が平行であり、且つ上記比例関係に合わせるように限定する。このように設ければ、溶接領域11の面積と第1有効領域10の面積が比例関係の要求を満たすように確保できるとともに、溶接領域11の周縁と第1有効領域10の周縁を離間させて、溶接の安定性と安全性を向上させ、溶接中に周辺部品に損傷を与えることを回避することもできる。
【0052】
図1及び図2に示すように、隣り合う第1有効領域10の間隔をwlで表し、第1有効領域10の幅をw2で表し、第2有効領域20の幅w3=w1+Nw2である。第1有効領域10が1つある場合、第1有効領域10の中心と第2有効領域20の中心が同軸であり、第2有効領域20の幅w3=w1+w2である。
【0053】
第1有効領域10の数は、巻きセルの数に対応している。複数の巻きセルがある場合、これに対応して複数の第1有効領域10を設ける。各々の第1有効領域10が1つの巻きセルに対応してマッチすることにより、複数の巻きセルとコネクタ100との接続をより安定させて確実にすることができるとともに、複数の巻きセルがコネクタ100の同じ側でコネクタ100と接続されることで、組み立ての効率を向上させ、第2有効領域20の干渉を回避することができる。
【0054】
図1及び図2に示すように、本発明の第二態様の実施例に係るコネクタ100は、タブと極柱を含むバッテリーに用いられる。コネクタ100はタブと極柱を接続し、コネクタ100は、N個の第1有効領域10と、第2有効領域20と、を含む。N≧1、第1有効領域10にはタブと接続されるための溶接領域11が設けられている。第2有効領域20は第1有効領域10に接し、複数の第1有効領域10は第2有効領域20の同じ側に位置する。溶接領域11の面積Sと第1有効領域10の面積S1は、S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることを満たす。
【0055】
バッテリーに予め定められたサイクル回数の充放電サイクルを完了させる過程において、溶接領域11の充放電時の溶接マークの温度上昇が温度上昇閾値未満であり、容量維持率が85%以上であり、温度上昇閾値が10℃以下であり、予め定められたサイクル回数が[0,1500]である。
【0056】
言い換えると、本発明の実施例における、上記設計方法を用いて設計されたコネクタ100は、溶接マークの温度上昇が常に温度上昇閾値10°C未満である。表2における、溶接マークの温度上昇が3℃、5℃、8℃及び10℃である実施例を参照すると、0~1500回のサイクル充放電過程において、1500回の充放電サイクルを終えた場合にも、バッテリーの容量維持率は86.3%以上となりえる、ということが分かる。これにより、バッテリーの容量維持率はより安定であり、バッテリーの寿命を効果的に延ばすことができる。
【0057】
複数の第1有効領域10を第2有効領域20の同じ側に位置させることで、複数の第1有効領域10のそれぞれと対応するタブとの溶接がより簡単で便利となり、第2有効領域20の干渉を避けることができる。
【0058】
本発明の実施例に係るコネクタ100は、本発明の上記設計方法を用いて取得されたものであり、第1有効領域10の面積がより合理的になる。過電流要求を満たし、使用安全性及び信頼性を向上させることを前提として、第1有効領域10の余計な設計を回避できる。より合理的な材料を用いることで、コネクタ100の生産コストを低減し、本発明のコネクタ100を用いたバッテリーの使用寿命を延ばすことができる。
【0059】
さらに、予め設定されたサイクル回数は[0,1000]であり、容量維持率は90%以上である。
【0060】
具体的には、本発明の実施例に係るコネクタ100によれば、充放電サイクル回数が1000回に達する場合、バッテリーの容量維持率が依然として90%を上回り、バッテリーの電気量の減衰速度をより低くし、使用寿命を延ばす。
【0061】
いくつかの実施例において、溶接領域11が矩形である場合、第1有効領域10の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域11の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x1=mx2、y1=ny2、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある。他のいくつかの実施例において、溶接領域11が円形である場合、第1有効領域10の幅をy1で表し、溶接領域11の半径をr1で表し、y1とr1はr1≦0.95y1を満たす。さらに別の実施例において、溶接領域11が楕円形である場合、溶接領域11の縦軸は、第1有効領域10の幅方向に平行であり、且つ縦軸の長さL1と第1有効領域10の幅y1との比は、(0.2~0.95):1である。
【0062】
言い換えると、溶接領域11は、矩形、円形又は楕円形であってもよく、溶接領域11が異なる形状に形成される場合、上記比例関係に基づいて、第1有効領域10の長さ及び幅の寸法を限定することにより、第1有効領域10の寸法がより合理的であり、コストを低減するとともに、溶接中に溶接マークが第1有効領域10にあるように確保して、溶接中の、周辺部品へのダメージを回避し、コネクタ100とタブと、コネクタ100と極柱との溶接加工過程の信頼性及び安全性を高めることができる。
【0063】
例示的に、実施例1~実施例6を参照すると、本発明の実施例における温度上昇閾値は10°Cであり、溶接領域11の面積Sと第1有効領域10の面積S1がS=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることを満たすようにし、充放電時の溶接マークの温度上昇を10°C未満にすることで、本発明の実施例に係るコネクタ100は、過電流要求を満たし、より高い使用安全性を有することができる。
【0064】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵装置は、筐体と、筐体をカバーするように設けられたエンドカバーと、上記コネクタと、を含む。エンドカバー上には、コネクタと接続される極柱が設けられている。
【0065】
即ち、筐体内に極芯が設けられ、エンドカバーが筐体をカバーするように設けられ、極芯がコネクタを介して極柱に電気的に接続される。
【0066】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵装置は、上記コネクタを用いて、エネルギー貯蔵装置の生産コストを低減し、使用安全性を高めることができる。
【0067】
本発明はさらに電力使用設備を提供する。電力使用設備は上記エネルギー貯蔵装置を含み、同じ技術的効果を果たし、ここで繰り返さない。
【0068】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものである。単に本発明を説明し、説明を簡略化するためのものであり、指される装置又は要素が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構成され又は動作することを示したり暗示したりするためのものではなく、従って本発明に対する制限と理解されることはできない。
【0069】
本発明の説明において、「第1特徴」、「第2特徴」は、1つ以上の当該特徴を含むことができる。
【0070】
本発明の説明において、「複数」は2つ以上を意味する。
【0071】
本発明の説明において、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴及び第2特徴が直接接触することを含むことができ、第1特徴及び第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触することを含むこともできる。
【0072】
本発明の説明において、第1特徴が第2特徴の「上」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は単に第1特徴の水平方向の高さが第2特徴の水平方向の高さよりも高いことのみを示す。
【0073】
本明細書の説明において、「一つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」等の参照用語の説明は、当該実施例又は例示を結びつけて説明される具体的な特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも一つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な記載は、必ずしも同じ実施例又は例示を示すとは限らない。また、記載された具体的な特徴、構造、材料、又は特性は、任意の一つ又は複数の実施例又は例示で適切に組み合わせることができる。
【0074】
以上、本発明の実施例は既に示されて説明されているが、本発明の原理及び要旨を逸脱しない範囲でこれらの実施例に様々の改変、修正、置換、変形を行うことができ、本出願の範囲は、特許請求とその均等物によって限定されることは、当業者に理解されることができる。
【符号の説明】
【0075】
100…コネクタ
10…第1有効領域
11…溶接領域
20…第2有効領域
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第一態様の実施例に係るコネクタの設計方法は、次の内容を含む。コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域の面積Sを取得する。コネクタを第1有効領域と第2有効領域に区分する。第1有効領域はコネクタにおける規則的な形状を有する領域であり、第2有効領域はコネクタにおける、極柱と接続される領域であり、第1有効領域はN個あり、N≧1、且つ複数の第1有効領域は第2有効領域の同じ側と接続される。S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、第1有効領域の仕様寸法を確定する。S1は第1有効領域の面積である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
さらに、第1有効領域の仕様寸法を確定することは、具体的には、溶接領域が矩形である場合、第1有効領域の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x2=mx1y2=ny1、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95範囲内にあることにより、第1有効領域の長さ及び幅を確定することである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
いくつかの実施例において、溶接領域が矩形である場合、第1有効領域の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x2=mx1y2=ny1、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の第三態様の実施例に係るエネルギー貯蔵装置は、筐体と、エンドカバーと、コネクタと、を含む。エンドカバー上には、コネクタと接続される極柱が設けられている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図1図2及び図3に示すように、本発明の第一態様の実施例に係るコネクタ100の設計方法は、次の内容を含む。コネクタ100における、タブと接続されるための溶接領域11の面積Sを取得する。コネクタ100を第1有効領域10と第2有効領域20に区分する。第1有効領域10はコネクタ100における規則的な形状を有する領域であり、第2有効領域20はコネクタ100における、極柱と接続される領域であり、第1有効領域10はN個あり、N≧1、且つ複数の第1有効領域10は第2有効領域20の同じ側と接続される。S=aS1、aは0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、第1有効領域10の仕様寸法を確定する。S1は第1有効領域10の面積である。具体的に、第1有効領域10の仕様寸法は第1有効領域10の長さと幅を指す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
理解できるように、第1有効領域10の面積S1と溶接領域11の面積SがS=aS1を満たすように限定し、この比例関係に基づいて、第1有効領域10の仕様寸法を確定し、さらに、コネクタ100の設計を完了することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
実施例1:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、溶接領域11の面積S=5mm*12mm、a=0.81、m=0.9、n=0.9、即ち第1有効領域の長さが10.8mmであり、第1有効領域の幅が4.5mmであり、第1有効領域10の面積S1が48.6mm である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
実施例2:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.81、m=0.95、n=0.842である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
実施例3:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.81、m=0.842、n=0.95である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
実施例4:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.49、m=0.7、n=0.7である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
実施例5:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.25、m=0.5、n=0.5である。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
実施例6:
280Ahのリチウムイオンバッテリーを製造し、S=5mm*12mm、a=0.09、m=0.3、n=0.3である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
具体的には、
1.溶接領域11が矩形である場合、第1有効領域10の仕様寸法を確定することは具体的に次の通りである。第1有効領域10の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域11の長さをx2で表し、幅をy2で表す。x2=mx1y2=ny1、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95の範囲内にあることにより、第1有効領域10の長さ及び幅を確定する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
いくつかの実施例において、溶接領域11が矩形である場合、第1有効領域10の長さをx1で表し、幅をy1で表し、溶接領域11の長さをx2で表し、幅をy2で表し、x2=mx1y2=ny1、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある。他のいくつかの実施例において、溶接領域11が円形である場合、第1有効領域10の幅をy1で表し、溶接領域11の半径をr1で表し、y1とr1はr1≦0.95y1を満たす。さらに別の実施例において、溶接領域11が楕円形である場合、溶接領域11の縦軸は、第1有効領域10の幅方向に平行であり、且つ縦軸の長さL1と第1有効領域10の幅y1との比は、(0.2~0.95):1である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
本発明の実施例に係るエネルギー貯蔵装置は、筐体と、筐体をカバーするように設けられたエンドカバーと、上記コネクタ100と、を含む。エンドカバー上には、コネクタ100と接続される極柱が設けられている。
【手続補正16】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの設計方法であって、
前記コネクタにおける、タブと接続されるための溶接領域(11)の面積Sを取得することと、
前記コネクタを第1有効領域(10)と第2有効領域(20)に区分することと、前記第1有効領域(10)は前記コネクタにおける規則的な形状を有する領域であり、前記第2有効領域(20)は前記コネクタにおける、極柱と接続される領域であり、前記第1有効領域(10)はN個あり、N≧1、且つ複数の前記第1有効領域(10)は前記第2有効領域(20)の同じ側と接続される、区分することと、
S=aS1、aは0.095~0.96の範囲内にあることに基づいて、前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することと、S1は前記第1有効領域(10)の面積である、確定することと、を含む、
ことを特徴とするコネクタの設計方法。
【請求項2】
前記コネクタにおける、前記タブと接続されるための前記溶接領域(11)の面積Sを取得することは、具体的には、前記タブに継続的に過電流を印加し、且つ温度上昇が設定閾値よりも小さいときの面積を取得することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項3】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が矩形である場合、前記第1有効領域(10)の長さをx1で表し、幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の長さをx2で表し、幅をy2で表し、
x2=mx1y2=ny1、a=mn、mが0.1~0.95の範囲内にあり、nが0.1~0.95の範囲内にあることにより、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項4】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が円形である場合、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の半径をr1で表し、
r1≦0.95y1により、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項5】
前記第1有効領域(10)の仕様寸法を確定することは、具体的には、
前記溶接領域(11)が楕円形である場合、前記溶接領域(11)の縦軸が前記第1有効領域(10)の幅方向に平行であり、前記溶接領域(11)の縦軸の長さをL1で表し、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、
L1:y1=(0.2~0.95):1により、前記第1有効領域(10)の長さ及び幅を確定することである、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項6】
隣り合う前記第1有効領域(10)の間の間隔をwlで表し、前記第1有効領域(10)の幅をw2で表し、前記第2有効領域(20)の幅w3=w1+Nw2、Nは前記第1有効領域(10)の数である、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタの設計方法。
【請求項7】
タブと極柱を含むバッテリーに用いられるコネクタであって、
前記コネクタは前記タブと前記極柱を接続し、前記コネクタは、N個の第1有効領域(10)と、第2有効領域(20)と、を含み、
N≧1、前記第1有効領域(10)には前記タブと接続されるための溶接領域(11)が設けられており、
前記第2有効領域(20)は前記第1有効領域(10)に接し、複数の前記第1有効領域(10)は前記第2有効領域(20)の同じ側に位置し、
前記溶接領域(11)の面積Sと前記第1有効領域(10)の面積S1は、S=aS1、aが0.095~0.96の範囲内にあることを満たし、
前記バッテリーに予め定められたサイクル回数の充放電サイクルを完了させる過程において、前記溶接領域(11)の充放電時の溶接マークの温度上昇が温度上昇閾値未満であり、容量維持率が85%以上であり、前記温度上昇閾値が10℃以下であり、前記予め定められたサイクル回数が[0,1500]である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
前記予め設定されたサイクル回数は[0,1000]であり、前記容量維持率は90%以上である、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記溶接領域(11)が矩形である場合、前記第1有効領域(10)の長さをx1で表し、幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の長さをx2で表し、幅をy2で表し、
x2=mx1y2=ny1、a=mn、mは0.1~0.95の範囲内にあり、nは0.1~0.95の範囲内にある、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記溶接領域(11)が円形である場合、前記第1有効領域(10)の幅をy1で表し、前記溶接領域(11)の半径をr1で表し、y1とr1はr1≦0.95y1を満たす、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記溶接領域(11)が楕円形である場合、前記溶接領域(11)の縦軸は、前記第1有効領域(10)の幅方向に平行であり、且つ前記縦軸の長さL1と前記第1有効領域(10)の幅y1との比は、(0.2~0.95):1である、
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項12】
エネルギー貯蔵装置であって、
前記エネルギー貯蔵装置は、筐体と、前記筐体をカバーするように設けられたエンドカバーと、請求項7~11のいずれか一項に記載のコネクタ(100)と、を含み、
前記エンドカバー上には、前記コネクタ(100)と接続される極柱が設けられている、
ことを特徴とするエネルギー貯蔵装置。
【請求項13】
請求項12に記載のエネルギー貯蔵装置を含む、
ことを特徴とする電力使用設備。
【国際調査報告】