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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】測量デバイス、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01C15/00 103Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024504191
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2022073604
(87)【国際公開番号】W WO2023009935
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】17/390,402
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】519336894
【氏名又は名称】クリアエッジ・スリー・ディー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CLEAREDGE3D, INC.
【住所又は居所原語表記】1000 S. McCaslin Blvd., Suite 303 Superior, Colorado 80027 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ケリー コーン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス マシュー ノリス
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン スコット ウィリアムス
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル ブレンコフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ハワード スーロン
(57)【要約】
システムは、測量デバイスおよび少なくとも1つのプロセッサを備える。測量デバイスは、支持体と、支持体に取り付けられているセンサとを含む。センサは、測定データを捕捉するように構成されている。少なくとも1つのプロセッサは、測定データを受信するためにセンサに結合されている。少なくとも1つのプロセッサは、支持体がシーンにおける初期位置に位置するときにセンサによって捕捉される測定データの初期セットに対応するシーンモデルを得、測定データの初期セットおよびシーンモデルに基づいてシーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを決定し、支持体が対応する後続の位置に位置するときにセンサによって捕捉される測定データの後続のセットに基づいて、シーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを更新するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
支持体と、前記支持体に取り付けられているセンサとを備え、前記センサは、測定データを捕捉するように構成されている測量デバイスと、
前記測定データを受信するために前記センサに結合されている少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記支持体が初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの初期セットに対応するシーンモデルを得、
前記測定データの前記初期セットおよび前記シーンモデルに基づいて前記シーンモデルに対する前記測量デバイスのロケーションを決定し、
前記支持体が対応する後続の位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの後続のセットに基づいて、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記シーンモデルを受信し、
前記測定データの(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方を前記シーンモデルに合致させるための変換を計算し、
前記変換を適用して、(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの前記少なくとも一方に対応する前記測量デバイスの前記シーンモデルに対する前記ロケーションを計算するように構成されている。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記変換は、非線形変換、並進、回転、スケーリング、またはせん断のうちの少なくとも1つを含む。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記支持体が前記初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの前記初期セットに基づいて前記シーンモデルを生成するように構成されている。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
(i)前記初期位置または(ii)前記後続の位置のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方は既知のロケーションを有する。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定データに基づいて前記シーンモデルを更新するように構成されている。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記支持体は、前記初期位置および前記後続の位置に配置されるように構成されているインジケータを備え、
前記センサおよび前記インジケータは、既知のまたは確定可能な空間関係を有し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定データおよび前記センサと前記インジケータとの間の前記空間関係に基づいて、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを決定するように構成されている。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記測量デバイスの前記ロケーションおよび前記センサと前記インジケータとの間の前記既知のまたは確定可能な空間関係に基づいて前記インジケータの現在の位置を決定し、
建設作業が実施されるレイアウト点のロケーションを得、
後に実施される前記建設作業のために前記レイアウト点をマークするように作業者を前記レイアウト点に誘導するために、前記インジケータの前記現在の位置と前記レイアウト点との間の空間関係を決定し、出力するように構成されている。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記支持体は、ロッドであり、
前記インジケータは、前記ロッドの端部にあり、
前記測量デバイスは、
前記ロッドによって支持されている前記少なくとも1つのプロセッサ、
前記ロッドによって支持されており、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを表示するように構成されているディスプレイ、
前記ロッドによって支持されており、推測航法を使用することによって前記前記測量デバイスの前記ロケーションを追跡するように構成されているさらなるセンサ、または
前記ロッドによって支持されており、トータルステーションと通信するように構成されているプリズムのうちの少なくとも1つを備える。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、
前記支持体は、ロッドであり、
前記インジケータは、前記ロッドの端部にあり、
前記センサは、光検出測距(LIDAR)スキャナを含み、
測量デバイスは、前記ロッドによって支持されており、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されており、推測航法を使用することによって前記前記測量デバイスの前記ロケーションを追跡するように構成されている慣性計測装置(IMU)をさらに備える。
【請求項11】
シーンを測量する方法であって、前記方法は、
測量デバイスの支持体の一部であるインジケータを初期位置に配置することと、
前記支持体に取り付けられているセンサによって、前記シーンの測定データを捕捉することと、
前記インジケータが前記初期位置にあるときに捕捉される前記測定データに対応するシーンモデルを得ることと、
前記測量デバイスが前記シーンにわたって動き回っているときに、前記シーンモデルに対して前記測量デバイスを位置特定することとを含む。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定データを前記捕捉することにおいて、前記測定データは、前記インジケータが静止している間に前記支持体および前記センサが動かされるときに捕捉される。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記初期位置は、前記シーン内で以前にマークされており、または
前記初期位置の前記ロケーションは、前記初期位置に配置されている前記インジケータを有する前記測量デバイスと相互作用するさらなる測量機器によって決定される。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記シーンモデルを前記得ることは、
前記シーンモデルを受信することと、
前記インジケータが前記初期位置にあるときに捕捉される前記測定データを、前記受信されているシーンモデルにマッピングすることとを含み、
前記位置特定することは、前記マッピングに基づいて前記シーンモデルに対する前記測量デバイスのロケーションを決定することを含む。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記シーンモデルを前記得ることは、前記支持体が前記初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの初期セットに基づいて前記シーンモデルを生成することを含む。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
建設作業が実施されるレイアウト点のロケーションを得ることと、
後に実施される前記建設作業のために前記レイアウト点をマークするように作業者を前記レイアウト点に誘導するために、前記インジケータの前記現在の位置と前記レイアウト点との間の空間関係を決定し、表示することとをさらに含む。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定データを前記捕捉することにおいて、前記測定データは、レーザ走査、画像捕捉、または反響定位のうちの少なくとも1つを使用して生成される。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
第1の間隔を置いて、かつ、前記支持体に取り付けられているさらなるセンサによって、前記測量デバイスが前記シーンにわたって動き回っているときに、前記測量デバイスのロケーションを示す情報を定期的に捕捉することと、
前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔を置いて、かつ、前記センサによって、前記測定データを定期的に捕捉することと、
前記センサによって定期的に捕捉される前記測定データを前記シーンモデルと照合することによって前記測量デバイスの前記ロケーションを更新することであって、前記照合は、前記さらなるセンサによって定期的に捕捉される前記情報を、前記測量デバイスの前記ロケーションの推定値として使用する、更新することとをさらに含む。
【請求項19】
測量デバイスであって、
物理インジケータを有するロッドと、
前記ロッドに剛直に取り付けられており、前記物理インジケータとの所定の空間関係を有する光検出測距(LIDAR)スキャナと、
前記ロッドによって支持されており、前記LIDARスキャナに結合されているプロセッサ、または
前記ロッドによって支持されており、前記LIDARスキャナを外部プロセッサに結合するように構成されているデータインターフェースのうちの少なくとも一方とを備え、
前記プロセッサまたは前記外部プロセッサのうちの少なくとも一方は、前記LIDARスキャナによって捕捉される測定データに対応するシーンモデルに対して前記測量デバイスを位置特定するように構成されている。
【請求項20】
請求項19に記載の測量デバイスであって、
前記ロッドによって支持されており、前記プロセッサまたは前記データインターフェースのうちの少なくとも一方に結合されている慣性計測装置(IMU)をさらに備え、
前記プロセッサまたは前記外部プロセッサのうちの少なくとも一方は、前記測量デバイスが動いているときに、
前記LIDARスキャナによって捕捉される前記測定データの前記シーンモデルとの照合を実施するために、前記IMUによって捕捉される情報を前記測量デバイスのロケーションの推定値として使用し、
前記照合に基づいて前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
最高級建造物建設計画は、適切な建設を保証するために、非常に精密な測定を必要とする。いくつかの構成要素は、4分の1インチ、8分の1インチ、またはさらには16分の1インチを下回る据付交差を有することが多く、これらの交差が満たされない場合、望ましくない結果になる可能性がある。
【0002】
建設現場での測定または調査のための様々な方法が存在する。単純な巻き尺が、最も一般的に利用されるツールであり、面積および高さとともに、かなり正確な測定値を提供することが可能である。しかしながら、巻き尺を使用するとき、特に、各次元において直交性を保証する必要がある場合に、2次元または3次元内の点を測定するとき、間違いが頻繁に発生する。加えて、巻き尺による測定が長引くと、直交からのわずかな角度のずれが他端においては大きい誤差になる可能性があるため、より誤差が発生しやすくなる。最終的に、測定が制御点から遠く離れて行われるほど、巻き尺からの測定誤差は互いに組み合わさって悪化する。これらの理由から、巻き尺は、ますます要求が厳しくなっている建築用途に必要な高い正確度かつ/または多次元測定制御については信頼できない。
【0003】
トータルステーションおよびロボティックトータルステーションは、2次元または3次元において点を正確に測定するためのより洗練された機器である。これらの機器は、大規模建設現場において3次元において点を正確に測定するための現在の代表的な標準を表す。トータルステーションを操作するには、2人の人間が必要である。すなわち、1人が三脚に取り付けられたトータルステーションを組み立て、水平をとり、操作して、もう1人が、測量ロッドを様々な測定点へとあちこちに動かす。ロボティックトータルステーションは、測量ロッドを持った人が遠隔制御することができ、これによって、測量を1人作業にすることができる。トータルステーションとロボティックトータルステーションとは両方とも、要求が厳しい建設計画に必要とされる高レベルの測定正確度を達成することが可能である。しかしながら、本発明者らは、いくつかの欠点に気付いた。
【0004】
トータルステーションは高価であり、ロボティックトータルステーションはさらにより高価である。トータルステーションの位置特定および操作は、三角法の豊富な教育背景および知識を有する訓練された測量技師を必要とする。加えて、測量ロッドを使用するには、測定を行うときにロッドが完璧に垂直であることを確実にするために豊富な実践経験が必要である。垂直を維持するのが困難であるのに加えて、この要件は、壁または天井などの垂直面ではなく、床または地面の上でのみ測定を行うことができることを意味している。さらに、トータルステーションと測量ロッドとの間には見通し線が必要であり、パレットおよび備品が高く積み重なった建設現場では明瞭な見通し線が得られないことが多い。最後に重要なことに、高価なロボティックトータルステーションは、位置特定を必要とし、建設活動が進行することにより、それらの三脚をどけられることによる影響を受けやすい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の態様は、添付の図面とともに読むと、以下の詳細な説明から最良に理解される。産業における標準的な実践に従って、様々な特徴は原寸に比例して描かれていないことに留意されたい。事実、様々な特徴の寸法は、論述を明瞭にするために任意裁量で増減され得る。
【0006】
図1Aは、いくつかの実施形態による、コンピュータシステムの概略ブロック図である。
【0007】
図1Bは、いくつかの実施形態による測量デバイスの概略図である。
図1Cは、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイスを概略的に示す図である。
【0008】
図2は、いくつかの実施形態による、測量デバイスを動作させる方法のフローチャートである。
【0009】
図3は、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイスを概略的に示す図である。
【0010】
図4は、いくつかの実施形態による、測量デバイスの様々な動作を概略的に示す図である。
図5は、いくつかの実施形態による、測量デバイスの様々な動作を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提供されている主題の異なる特徴を実装するための、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。構成要素、材料、値、ステップ、動作、材料、配置構成などの特定の例が、本開示を単純化するために下記に説明される。無論、これらは例に過ぎず、限定であるようには意図されていない。他の構成要素、値、動作、材料、配置構成などが企図される。加えて、本開示は、様々な例示的なにおいて参照番号および/または文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、単純化および明確性を目的としたものであり、それ自体が、論じられている様々な実施形態および/または構成の間の関係を指示するものではない。
【0012】
さらに、本明細書では、説明を容易にするために、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的な相対語を使用して、図面に示されるような、ある要素または特徴の別の要素または特徴との関係を説明している場合がある。そのような空間的な相対語は、図面に示されている向きに加えて、使用または動作時のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、他の様態で方向付けられてもよく(90度または他の向きに回転されてもよく)、本明細書において使用されている空間的な相対記述は、それに従って同様に解釈されてもよい。
【0013】
1つまたは複数の実施形態は、建設現場において点および座標を測定するための方法、システム、および/または測量デバイスを提供する。いくつかの実施形態と関連付けられる様々な特徴を、これより記載する。そのような記述の前に、少なくともいくつかの実施形態に適用可能な用語集を与える。
【0014】
シーン:いくつかの実施形態によれば、シーン(Scene)(本明細書においては「シーン(scene)」としても参照される)は、各物体のロケーションとともに、測量デバイス(いくつかの実施形態においては「測定ツール」としても参照される)が使用される領域内の物理的な目に見える物体のセットを含む、または指す。例えば、図書館の内部のシーンは、壁、窓、本棚、本、および机、すなわち、その図書館内に見える物理的物体を含む。
【0015】
仮想モデル:いくつかの実施形態によれば、仮想モデル(Virtual Model)(本明細書においては「仮想モデル(virtual model)としても参照される)は、1つまたは複数の物理的物体の、それらの物体の幾何学的形状を記述するデジタル表現である。いくつかの実施形態において、仮想モデルは、2D描画である。いくつかの実施形態において、仮想モデルは、1つまたは複数の物体のセットの境界または境界の一部分を記述する1つまたは複数の面の集合である。例えば、立方体の上面および底面を包含する仮想モデルは、立方体の境界の一部分を記述する仮想モデルである。同様に、例えば、立方体の6つすべての面を包含する仮想モデルは、立方体の境界全体を記述する3Dモデルである。少なくとも1つの実施形態において、仮想モデルは、コンピュータ支援設計(CAD)物体を含んでもよい。1つまたは複数の実施形態において、仮想モデルは、空間領域構成法(CSG)物体を含んでもよい。仮想モデルはまた、1つまたは複数の物体のすべてまたは一部分を表すために使用される三角形メッシュを含んでもよい。仮想モデルはまた、レーザスキャナなどのようなセンサからの点群などの、物体の表面上に入る点を含んでもよい。仮想モデルはまた、占有格子地図などの、1つまたは複数の物理的物体のデジタル体積表現であってもよい。幾何学的形状のデジタル表現が、仮想モデルを含んでもよい。
【0016】
シーンモデル:いくつかの実施形態によれば、シーンモデル(Scene Model)(本明細書においては「シーンモデル(scene model)としても参照される)は、シーンの幾何学的形状を記述する仮想モデルである。少なくとも1つの実施形態において、シーンモデルは、シーンの形状および物理的寸法を正確に反映し、そのシーン内に見える物体の位置を正確に反映する。
【0017】
位置特定(Localization)(または位置特定すること(Localizing)):いくつかの実施形態によれば、機器の位置特定(本明細書においては「位置特定(localization)」としても参照される)は、シーンモデルによって使用される作業座標系に従ってその機器の2Dまたは3Dロケーションを決定するプロセスを指す。いくつかの実施形態において、位置特定される機器は、本明細書に記載されているような測量デバイスである。作業座標系は、シーンモデル内の物体を記述するために使用可能な任意の座標系であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、作業座標系は、シーンモデルが生成および/またはロードされるときにシーンモデルが表現される所定の座標系とは異なる。例えば、所定の座標系は、デカルト座標系であり、一方、作業座標系は、球座標系、または、原点が所定のデカルト座標系の原点からシフトされているデカルト座標系である。少なくとも1つの実施形態において、2つ以上の作業座標系が使用されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、作業座標系は、所定の座標系と同じである。
【0018】
測定データ:いくつかの実施形態によれば、測定データ(Measurement Data)(本明細書においては「測定データ(measurement data)としても参照される)は、物体の相対空間配置を記述する任意のデータを指し、写真、レーザ走査データ、測量データ、または任意の他の空間測定値を含んでもよい。1つまたは複数の実施形態において、測定データは、(例えば、写真測量法のための)表面上の色パターンの測定データを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、測定データはまた、1つまたは複数のロケーションの識別情報を指す場合もある。
【0019】
点群:いくつかの実施形態によれば、点群は、は、シーンの被測定点(ロケーションとしても参照される)の集合である。これらの被測定点は、レーザスキャナ、写真測量法、または他の同様の3D測定技法を使用して取得されてもよい。いくつかの実施形態において、測定データは、被測定点を含む。
【0020】
要素:いくつかの実施形態によれば、要素(Element)(本明細書においては「要素(element)」としても参照される)は、建設中に設置または構築される物理的物体である。要素の例は、限定ではないが、I形梁、パイプ、壁、ダクトなどを含む。
【0021】
セルフロケートデバイス:いくつかの実施形態によれば、セルフロケートデバイス(Self-Locating Device)(本明細書においては「セルフロケートデバイス(self-locating device)」または「セルフロケート測定ツール」としても参照される)は、測定データを捕捉し、このデータを使用して、シーンモデルの作業座標系に対してそれ自体を位置特定するように構成されているツールまたは機器である。いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスは、は、位置特定された後にロケーションを測定または記録するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスは、は、位置特定された後にレイアウトするために使用されてもよい。この実施形態リストは、排他的なものでではなく、他のタイプのセルフロケートデバイスが、さらなる実施形態において可能である。少なくとも1つの実施形態において、本明細書に記載されている測量デバイスは、セルフロケートデバイスである。
【0022】
設計モデル:いくつかの実施形態によれば、設計モデル(Design Model)(本明細書においては「設計モデル(design model)としても参照される)は、構築または設置される物理的構造物または物体の幾何学的形状を記述する仮想モデルである。例えば、単純な正方形の部屋の設計モデルは、4つの壁、床、および天井のデジタル表現を含み得、これらはすべて、原寸に比例し、建造物がどのように構築されるべきかについての設計者の意図を正確に描写する。いくつかの実施形態によれば、設計モデルは、シーンモデルと同じ作業座標系内に存在する。
【0023】
設計ロケーション:いくつかの実施形態によれば、設計ロケーション(Design Location)(本明細書においては「設計ロケーション(design location)」としても参照される)は、要素が設置されることが意図されている空間ロケーションである。
【0024】
レイアウトすることまたはレイアウト:いくつかの実施形態によれば、レイアウトすること(Laying Out)(本明細書においては「レイアウトすること(laying out)」としても参照される)は、建設現場上の所定の座標を位置決定し、それをマークするプロセスである。例えば、設計モデルは、建造物の隅の10フィート西かつ22フィート北の点(すなわち、設計ロケーション)において穴が床に開けられることを必要とし得る。測量技師(またはユーザ)がこの点をレイアウトする場合、これは、測量技師がこの点(すなわち、設計ロケーション)を正確に見出すために建造物内で測定を実施し、次いで、この精密なロケーションにおいて床にマークを置くことを意味し、したがって、後に建設作業者が穴を開けることができる。
【0025】
インジケータ:いくつかの実施形態によれば、インジケータ(Indicator)(本明細書においては「インジケータ(indicator)としても参照される)は、ユーザが、シーン内の1つまたは複数のロケーションに物理的に触れるかまたはそれを指摘することを可能にする測定ツールの部品を表す。いくつかの実施形態において、インジケータは、ユーザが特定の被測定位置を指摘するため動かすことができる測定ツールの物理的先端である。例えば、インジケータは、測量技師が、梁の隅の位置を測定するためにその隅に触れることができる、測量ロッドの先端であってもよい。
【0026】
データインターフェース:いくつかの実施形態によれば、データインターフェース(Data Interface)(本明細書においては「データインターフェース(data interface)」としても参照される)は、データがコンピュータシステムへとおよび/またはコンピュータシステムからロードされることを可能にするコンピュータシステムの部分を含む。いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェースが、有線または無線ネットワークを介してデータがロードされることを可能にする、データインターフェースとして動作する。いくつかの実施形態において、入出力インターフェースまたはデバイスが、データインターフェースとして動作する。いくつかの実施形態において、取り外し可能メモリデバイスまたは取り外し可能メモリ媒体が、デバイスを取り付けることによって、または、媒体を装填することによってデータがロードされることを可能にする、データインターフェースとして動作する。いくつかの実施形態において、データは、コンピュータシステム内の、例えばハードウェアなどの記憶デバイスに予めロードされ、記憶デバイスが、データインターフェースとして動作する。この例示的実施形態リストは、排他的なものでではなく、他の形態のデータインターフェースが、さらなる実施形態に見られる。
【0027】
いくつかの実施形態において、測量デバイスは、測量デバイスが位置するシーンの測定データを捕捉するように構成されているセンサを備える。少なくとも1つのプロセッサが、測定データを受信するためにセンサに結合されている。少なくとも1つのプロセッサは、測量デバイスの内部プロセッサ、または外部プロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、測量デバイスの支持体がシーンにおける初期位置に位置するときにセンサによって捕捉される測定データの初期セットに対応するシーンモデルを得るように構成されている。いくつかの実施形態において、既存のシーンモデルが利用可能でないとき、少なくとも1つのプロセッサは、測定データの初期セットに基づいてシーンモデルを生成するように構成されている。1つまたは複数の実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは、測定データの初期セットを既存のシーンモデルと照合するように構成されている。シーンモデルの照合または生成の後、少なくとも1つのプロセッサは、測量デバイスが初期位置にあるとき、および、測量デバイスがシーンにおける1つまたは複数の後続の位置にあるとき、シーンモデルに対する測量デバイスのロケーション(および、いくつかの実施形態においては向き、例えば、測量デバイスがいずれの方向を向いているか)を決定するように構成されている。いくつかの実施形態において、シーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを決定することは、測量デバイスおよびシーンモデルが、例えば、シーンモデルの作業座標系、測量デバイスの作業座標系、または別の作業座標系などの、任意の作業座標系とすることができる共通の作業座標系内にあることを意味する。一例において、測量デバイスは、シーンモデルの作業座標系内で位置特定され、シーンモデルのこの作業座標系を、測量デバイスが測量、測定またはレイアウトのためにシーンにわたって動かされるときにそれ自体をそれに対して位置決定するためのベースマップとして使用する。別の例において、シーンモデルは、測量デバイスの作業座標系内で位置特定される。シーンモデルを測量デバイスの作業座標系内で位置特定するための変換は、単純に、測量デバイスをシーンモデルの作業座標系内で位置特定する位置特定するための変換の逆であるため、これら2つのシナリオは数学的に等価であることが、当業者には理解されよう。これは、デバイスがセンサによって捕捉されるデータの先行するフレームに対してそれ自体を位置決定する他の手法とは異なる。他の手法において、デバイスが動き回っているとき、位置決め誤差が1つのフレームから次のフレームへと累積され、場合によっては許容不可能な不正確さをもたらす。対照的に、1つまたは複数の実施形態において、測量デバイスのロケーションおよび向きは、常に同じシーンモデルを使用して決定される。結果として、少なくとも1つの実施形態において、要求が厳しい建設計画に特に適した高レベルの測定正確度を得ることができる。
【0028】
図1Aは、いくつかの実施形態に従って構成されているコンピュータシステム100の概略ブロック図である。1つまたは複数の実施形態において、コンピュータシステム100は、部分的にまたは全体的に、本明細書に記載されているような測量デバイス内に含まれる。少なくとも1つの実施形態において、コンピュータシステム100は、完全に、測量デバイスの外部にあり、有線または無線接続によって測量デバイスに結合されている。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、例えば、メモリに記憶されている命令セットを実行することによって、例えば、図2図4のうちの1つまたは複数に関連して説明されている方法および/または動作などの、本明細書に記載されている方法、プロセスまたは動作のうちの1つまたは複数を実施するように構成されている。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、3Dモデリングに使用するのに適した構成要素を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、バス110によって互いと結合されているメモリ102、記憶デバイス103、ハードウェア中央処理装置(CPU)もしくはプロセッサもしくはコントローラ104、ディスプレイ106、1つもしくは複数の入出力インターフェースもしくはデバイス108、および/またはネットワークインターフェース112などの、様々な構成要素のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、CPU104は、例えば、メモリ102および/または記憶デバイス103に記憶されている情報および/または命令を処理する。いくつかの実施形態において、CPU104は、1つまたは複数の個々の処理ユニットを含む。1つまたは複数の実施形態において、CPU104は、分散処理システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または適切な処理ユニットである。1つまたは複数の実施形態において、記載されているプロセスおよび/または方法および/または動作の一部分または全体は、2つ以上のコンピュータシステム100において、および/または、2つ以上のプロセッサもしくはCPU104によって実装される。
【0030】
いくつかの実施形態において、バス110または別の同様の通信メカニズムは、メモリ102、CPU104、ディスプレイ106、入出力インターフェースもしくはデバイス108、および/またはネットワークインターフェース112などの、コンピュータシステムの構成要素の間で情報を転送する。いくつかの実施形態において、情報は、例えば、インターネットによって確立される有線または無線通信経路などの通信ネットワークを介して、コンピュータシステム100の構成要素のうちのいくつかの間で、または、コンピュータシステム100の構成要素内で転送される。
【0031】
いくつかの実施形態において、メモリ102および/または記憶デバイス103は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施形態において、メモリ102および/または記憶デバイス103は、揮発性および/または不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を含む。メモリ102および/または記憶デバイス103の例は、限定ではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、および/もしくは、半導体もしくはソリッドステートメモリなどの半導体システム(または装置もしくはデバイス)、磁気テープ、着脱可能コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク(ハードディスクドライブまたはHDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびに/または光ディスクを含む。いくつかの実施形態において、メモリ102は、CPU104によって実行される命令セットを記憶する。いくつかの実施形態において、メモリ102はまた、CPU104によって実行される命令の実行中に一時変数または他の中間情報を記憶するためにも使用される。いくつかの実施形態において、CPU104および/またはコンピュータシステム100に、記載されているステップ、動作、方法、および/またはタスクのうちの1つまたは複数を実施させるための命令は、メモリ102内に位置してもよい。いくつかの実施形態において、これらの命令は、代替的に、ディスク(例えば、記憶デバイス103)からロードされてもよく、および/または、遠隔ネットワーク接続ロケーションから取り出されてもよい。いくつかの実施形態において、命令は、サーバ上に存在し、データインターフェースとのデータ接続を介してサーバからアクセス可能および/またはダウンロード可能である。いくつかの実施形態において、データ接続は、例えば、インターネットによって確立される有線または無線通信経路を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェース112は、コンピュータシステム100内に含まれる回路を含み、ネットワーク(図示せず)への接続を提供し、以て、コンピュータシステム100がネットワーク接続環境において動作することを可能にする。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、センサからネットワークインターフェースNIC112および/または入出力インターフェースもしくはデバイス108を通じてシーンの部分を記述する測定値などのデータを受信するように構成されている。いくつかの実施形態において、ネットワークインターフェース112は、BLUETOOTH、WIFI、WIMAX、GPRS、LTE、5G、もしくはWCDMAなどの1つもしくは複数の無線ネットワークインターフェース、および/または、ETHERNET、USB、もしくはIEEE-1364などの1つもしくは複数の有線ネットワークインターフェースを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、メモリ102は、本明細書に記載されている動作を実装するための1つまたは複数の実行可能モジュールを含む。いくつかの実施形態において、メモリ102は、分析モジュール114を含む。いくつかの実施形態において、分析モジュール114は、点群データセットを分析するためのソフトウェアを含み、そのようなソフトウェアの例は、コロラド州ブルームフィールド所在のClearEdge 3Dによって開発されているVerity(商標)を含む。いくつかの実施形態において、分析モジュール114はまた、測定データをシーンモデルと照合すること、必要な変換を計算すること、および、シーンモデルに対して測量デバイスを位置特定するための変換を測量デバイスのロケーションに適用することなどの、本明細書に記載されている1つまたは複数の動作、方法、および/またはタスクをCPU104に実施させるための実行可能命令も含む。そのような分析モジュール114によって実施される動作の例は、例えば、図2図4のうちの1つまたは複数に関連して、下記により詳細に論じられている。分析モジュール114は例として提供されていることに留意されたい。いくつかの実施形態において、オペレーティングシステムまたはグラフィカルユーザインターフェースなどの追加のモジュールも含まれる。モジュールの機能は組み合わされてもよいことは諒解されたい。加えて、モジュールの機能は、単一の測量デバイス上で実施される必要はない。代わりに、機能は、所望に応じて、ネットワークにわたって分散されてもよい。事実、本発明のいくつかの実施形態は、様々な構成要素がクライアント側および/またはサーバ側に実装されているクライアント-サーバ環境内で実装される。
【0034】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、情報をユーザに表示するための、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、タッチスクリーン、または他のディスプレイ技術などのディスプレイ106をさらに備える。いくつかの実施形態において、ディスプレイ106は、コンピュータシステム100の一部として含まれない。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、ディスプレイ106と取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0035】
いくつかの実施形態において、メモリ102および/または記憶デバイス103は、フラッシュドライブ、SSD、メモリカード、ハードドライブ、光学および/または磁気ドライブ、ならびに、情報および/または命令を記憶するための同様の記憶デバイスなどのスタティックおよび/またはダイナミックメモリ記憶デバイスを含む。いくつかの実施形態において、媒体を格納するスタティックおよび/もしくはダイナミックメモリ102ならびに/または記憶デバイス103は、コンピュータシステム100と取り外し可能に接続されるように構成されている。いくつかの実施形態において、シーンの部分を記述する測定値などのデータは、例えば、光学ディスクを光学ドライブ内に置くこと、磁気テープを磁気ドライブ内に置くこと、または同様のデータ転送動作など、取り外し可能媒体(記憶デバイス103など)をメモリ102にロードすることによって受信される。いくつかの実施形態において、シーンの部分を記述する測定値などのデータは、フラッシュドライブ、SSD、メモリカード、ハードドライブ、光学および/または磁気ドライブなどのような取り外し可能スタティックおよび/もしくはダイナミックメモリ102ならびに/または記憶デバイス103をコンピュータシステム100に取り付けることによって受信される。いくつかの実施形態において、シーンの部分を記述する測定値などのデータは、ネットワークインターフェース112または入出力インターフェースもしくはデバイス108を通じて受信される。入出力インターフェースまたはデバイス108の例は、限定ではないが、情報およびコマンドをCPU104に通信するためのキーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、トラックパッド、タッチスクリーン、および/またはカーソル方向キーを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、バス110によってコンピュータシステム100の他の構成要素に結合されている1つまたは複数のセンサ118をさらに備える。1つまたは複数の実施形態において、コンピュータシステム100は、例えば、ネットワークインターフェース112および/または入出力インターフェースもしくはデバイス108を通じて、外部センサ119と結合可能である。センサ118、119のうちの1つまたは複数は、本明細書に記載されているような測量デバイスの1つまたは複数のセンサに対応する。センサ118、119の例は、限定ではないが、レーザスキャナ、光検出測距(LIDAR)スキャナ、深度センサ、ビデオカメラ、静止画像カメラ、反響定位センサ(例えば、ソナーデバイス)、全地球測位システム(GPS)レシーバ、慣性計測装置(IMU)、コンパス、高度計、ジャイロスコープ、加速度計などを含む。
【0037】
図1Bは、いくつかの実施形態による、測量デバイス120の概略図である。いくつかの実施形態において、測量デバイス120は、測定とレイアウトの両方に使用されるように構成されているセルフロケートデバイスである。図1Bの例示的な構成において、測量デバイス120は、デバイス122と、センサ124と、支持体126と、インジケータ128とを備える。
【0038】
デバイス122は、支持体126によって指示される一個のハードウェアであり、本明細書に記載されているような1つもしくは複数の必要な計算を実施するか、または、必要な計算を実施する外部デバイスに(ワイヤを通じてまたは無線で)接続するように構成されている。少なくとも1つの実施形態において、デバイス122は、必要な計算のうちの1つまたは複数を実施するためのCPU104に対応するプロセッサを備える。1つまたは複数の実施形態において、デバイス122は、必要な計算を実施する外部プロセッサまたは外部コンピュータシステム(例えば、ラップトップ、スマートフォン、タブレットなど)に接続し、そこにおよび/またはそこからデータを転送するための、図1Aに関連して説明したようなデータインターフェースを備える。少なくとも1つの実施形態において、デバイス122は、コンピュータシステム100の1つまたは複数の構成要素を備える。例えば、いくつかの実施形態において、デバイス122は、ユーザに測定を報告し、結果を示すための、図1Aに関連して説明したディスプレイ106などのディスプレイを含む。いくつかの実施形態において、デバイス122は、測定報告および結果を外部ディスプレイに送信するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、デバイス122は、ねじ、バヨネットメカニズム、クリップ、ホルダ(電話機またはタブレットホルダなど)、磁石、面ファスナなどのような任意の適切な構造によって支持体126に取り外し可能に取り付けられるポータブルデバイスである。少なくとも1つの実施形態において、ポータブルデバイスは、コンピュータシステム100に対応するコンピュータアーキテクチャを有する。そのようなポータブルデバイスの例は、限定ではなく、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどを含む。いくつかの実施形態において、ポータブルデバイスは、センサ124を備える。例えば、ポータブルデバイスは、空間測定データを捕捉するように構成されている、例えばLIDARスキャナなどのセンサを装備したタブレットまたはスマートフォンである。デバイス122がセンサ124の上および/または支持体126の上端にある図示の配置構成は、一例である。他の構成が様々な実施形態の範囲内にある。
【0040】
センサ124は、測量デバイス120の位置特定、および/または、測定もしくはレイアウトのための測量デバイス120の使用において使用される周囲のシーンの測定データを捕捉するように構成されている。少なくとも1つの実施形態において、センサ124は、同じタイプまたは異なるタイプの2つ以上のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサ124は、SICK LIDARシステム、Velodyne LIDARシステム、Hokuyo LIDARシステム、またはいくつかのフラッシュLIDARシステムのいずれかなどの、点測定値を捕捉するように構成されているレーザ走査デバイスを含んでもよい。レーザ走査デバイスから収集される距離測定値の結果もたらされる「点群」は、図2に関連して説明するように、測量デバイス120のロケーションおよびポーズ(または向き)を決定するために、シーンモデルの3D幾何形状と照合することができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、センサ124は、レーザ走査デバイスの代わりに、構造光を使用して、距離測定値の点群を捕捉するように構成されている深度センサを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、センサ124は、高リフレッシュレートにおいて画像を捕捉するように構成されている1つまたは複数の較正済みビデオカメラおよび/または静止画像カメラから成るカメラシステムを含んでもよい。このカメラシステムから収集される結果もたらされる画像データは、図2に関連して説明するように、測量デバイス120のロケーションおよびポーズを決定するために、画像データの先行するフレームと、または、シーンモデルの3D幾何形状の投影された縁部と照合され得る。いくつかの実施形態において、カメラからのフレームは、写真測量再構成の使用を通じて距離測定値の点群を作成するために、例えば、デバイス122内のプロセッサおよび/または外部プロセッサによって使用され得る。この点群は、図2に関連して説明するように、測量デバイス120のロケーションおよびポーズを決定するために、シーンモデルの3D幾何形状と照合され得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120の位置の計算を助けるために、GPS衛星からデータを受信するための全地球測位システム(GPS)レシーバを含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120の位置および/または向きの計算を助けるための慣性計測装置(IMU)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120の向きの計算を助けるためのコンパスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120の高度の計算を助けるための高度計を含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120がトータルステーションによって位置決定されることを可能にするための1つまたは複数の測量プリズムを含んでもよい。例えば、トータルステーションは、測量デバイス120に向かって光ビームを放出し、測量デバイス120の1つまたは複数の測量プリズムから反射される光ビームを収集し、放出および反射された光ビームに基づいて、測量デバイス120のロケーションを算出する。測量デバイス120の算出されたロケーションは、トータルステーションから得られ、本明細書に記載されているように測量デバイス120を位置特定するために使用される。いくつかの実施形態において、センサ124は、測量デバイス120の位置および/または向きを計算するために複数の異なるセンサを含んでもよい。
【0044】
センサ124は、支持体126に取り付けられる。いくつかの実施形態において、センサ124は、支持体126に剛直に取り付けられる。本明細書において、「剛直に取り付けられる」ことは、センサ124が支持体126に永続的に取り付けられることだけではなく、支持体126とそれに剛直に取り付けられるセンサ124との間の相対位置または空間関係が測量またはレイアウトされるシーンにわたる測量デバイス120の動きによって、および、その動きの最中に変化しないままであることを条件として、センサ124が支持体126に取り外し可能に取り付けられることも含む。言い換えれば、センサ124とインジケータ128との間の空間関係は、既知であるかまたは予め定められている。センサ124を支持体126に取り外し可能に、ただし剛直に取り付けるための適切な構造の例は、限定ではないが、ねじ、バヨネットメカニズム、クリップ、ホルダ、磁石、面ファスナなどを含む。いくつかの実施形態において、センサ124は、センサ124とインジケータ128との間の空間関係が確定可能であることを条件として、支持体126に可動にまたは調整可能に取り付けられる。一例において、支持体126は、ピボットによって互いに可動に接続される第1の部分および第2の部分を有してもよく、第1の部分はセンサ124を有し、第2の部分はインジケータ128を有する。第1の部分と第2の部分との間の角度は、ピボットのために調整可能であるが、この角度は確定可能である。一例において、第1の部分と第2の部分との間の弧を通じて電流が流され、抵抗が測定されて角度が決定される。さらなる例において、支持体の第1の部分および第2の部分の各々は、別個の傾斜角センサを有し、2つの傾斜角センサの出力の間の差が、支持体の第1の部分と第2の部分との間の角度を示す。支持体の第1の部分および第2の部分の確定可能な角度および既知の寸法は、センサ124とインジケータ128との間の空間関係を決定することを可能にする。センサ124とインジケータ128との間の既知のまたは確定可能な空間関係は、本明細書に記載されているように測量デバイス120を位置特定するために使用される。
【0045】
センサ124が複数のセンサを含むいくつかの実施形態において、そのようなセンサの一部または全部は、ねじ、バヨネットメカニズム、クリップ、ホルダ、磁石、面ファスナなどのような任意の適切な構造によって互いに取り外し可能に取り付けられる。例えば、センサは、支持体126の上側部分の上に互いに重ねて、順次、取り外し可能に取り付けられる。少なくとも1つの実施形態において、この配置構成は、測量デバイス120に高いカスタマイズ性を与え、ユーザが、特定の測量作業および/または特定の建設計画のために測量デバイス120によって使用されるべき1つまたは複数の適切なセンサを選択することを可能にする。センサ124が支持体126の上端にある図示の配置構成は、一例である。他の構成が様々な実施形態の範囲内にある。
【0046】
いくつかの実施形態において、支持体126は、図1Bに示すように、細長い支持体またはロッドである。少なくとも1つの実施形態において、支持体126は、ユーザが測量デバイス120を保持して、シーン内で測量デバイス120を動かして位置決めし直すことができるハンドルとしての役割を果たす。ロッドとして図示および説明されている支持体126の構成は、一例である。他の構成が様々な実施形態の範囲内にある。例えば、人が測量デバイス120を動かすことを可能にする支持体126の任意の形状または構成が、1つまたは複数の実施形態において充足する。
【0047】
インジケータ128は、測定またはレイアウトされる点において測量デバイス120を位置決めするために使用される。いくつかの実施形態において、測量デバイス120のロケーションは、インジケータ128のロケーションである。センサ124とインジケータ128との間の空間関係は既知であるかまたは確定可能であるため、インジケータ128のロケーションは、センサ124のロケーションに明らかに関係しており、センサ124のロケーションから確定可能であり、逆も真である。したがって、1つまたは複数の実施形態において、測量デバイス120のロケーションは、センサ124のロケーションによっても表現可能である。測量デバイス120が1つの点に配置されているという本明細書における記述は、インジケータ128がその点に配置されていることを意味する。図1Bの例示的な構成において、インジケータ128は、支持体126の下端にある先端である。他のインジケータ構成が様々な実施形態の範囲内にある。例えば、1つまたは複数の実施形態において、インジケータ128は、十字線、または、ユーザが測定を所望する点に正確に配置することができる任意の他の物理インジケータである。支持体126の下端にあるインジケータ128の配置構成は、一例である。インジケータ128を配置することができる支持体126の他の部品が、様々な実施形態の範囲内にある。
【0048】
いくつかの実施形態において、インジケータ128は、センサ124との所定のまたは確定可能な空間関係を有する。例えば、センサ124とインジケータ128との間の距離または長さLは、予め定められるかまたは既知であり、少なくとも1つのプロセッサに入力されて、少なくとも1つのプロセッサが、所定の距離Lだけ離れて配置されたセンサ124によって捕捉される測定データに基づいて、インジケータ128のロケーションを正確に決定することを可能にする。
【0049】
図1Cは、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイス120を概略的に示す図である。
【0050】
本明細書において「高速移動」動作としても参照される図1Cの動作において、例えばLIDARスキャナなどのセンサ124は、例えばユーザによって、インジケータ128が静止したままで測量デバイス120が動かされるときに、測定データを捕捉するように構成されている。例えば、測量デバイス120は、矢印134、135によって概略的に示される動きによって、複数の異なる姿勢131、132、133の間で動かされる。図示されている姿勢および動きは例である。「高速移動」動作における他の姿勢および動きが、様々な実施形態の範囲内にある。測量デバイス120が動かされるとき、各姿勢と垂直姿勢131との間の傾斜角が、例えばジャイロスコープなどの適切なセンサによって決定される。例えば、姿勢132と垂直姿勢131との間の角度136が、図1Cに示されている。インジケータ128とセンサ124との間のこの測定された角度および所定の距離Lは、プロセッサが、測定データが捕捉されるときにセンサ124が異なるロケーションおよび/または高度にあるにもかかわらず、センサ124によって捕捉される測定データを正しく解釈および/または処理することを可能にする。いくつかの実施形態において、測量デバイス120の特定の姿勢と関連付けられる傾斜角は、その姿勢と関連付けられる測定データを、シーンモデルと比較することによって決定される。「高速移動」動作の結果として、例えば、センサ124の限定された視野のために測量デバイス120が静止したままであるときよりも多量の測定データを得ることが可能である。より多量の測定データは、1つまたは複数の実施形態において、測定値の正確度を増大させる。これは、測定を行うときに測量ロッドを垂直にしなければならない他の手法にまさる利点である。いくつかの実施形態において、限定ではないが、地面、床、壁、天井、ダクトなどを含む、測定されるべき任意の点にインジケータ128を配置することが可能である。これは、三脚に取り付けられたトータルステーションを用いて壁または天井の上で測定を実施することが、不可能ではないにしても困難である他の手法にまさるもう1つの利点である。
【0051】
図2は、いくつかの実施形態による、測量デバイスを動作させる方法200のフローチャートである。1つまたは複数の実施形態において、方法200に使用される測量デバイスは、図1A図1Cに関連して説明した1つまたは複数の測量デバイスに対応する。方法200は、1つまたは複数の実施形態に従って、測定データ(例えば、走査または撮像測定データ)を使用してシーン内で測量デバイスを位置決定または位置特定し、次いで、シーンの物理空間内でロケーションを示すための動作を含む。このプロセスを実施するための例示的な動作セット202~213が、下記に詳細に論じられる。いくつかの実施形態において、例示的な動作セット202~213の一部または全部が、CPU104によって実行するための、メモリ102および/または記憶デバイス103に記憶されているコンピュータ実行可能命令に対応する。少なくとも1つの実施形態において、別途指定されない限り、図2に関して説明される動作は、例えば、1つまたは複数のCPU104などの、少なくとも1つのプロセッサによって実施される。
【0052】
動作202において、シーンモデルがプロセッサまたはコンピュータシステムによって受信される。
【0053】
例えば、プロセッサは、図1Aに関連して説明したようなデータインターフェースを通じて、シーンモデルを記述するデータを受信する。いくつかの実施形態において、コンピュータシステムは、データインターフェースを通じて、シーン内の1つまたは複数の要素の測定値セットを記述するデータセットを受信する。例えば、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のレーザスキャンから成るセットを含むデータファイルが、ネットワークインターフェース112を通じてコンピュータシステム100にロードされ、図1Aに示すようなメモリ102および/または記憶デバイス103に記憶されてもよい。別の例として、いくつかの実施形態において、工場の写真測量測定値を含む光学記憶ディスクまたは別の取り外し可能媒体が、光学ディスクドライブまたは対応するリーダ内に配置される。いくつかの実施形態において、シーンの点測定値群(いくつかの実施形態においては「点群」と呼ばれる)が、図1Aに示すように、処理のためにコンピューティングデバイス100のメモリ102にロードされる。いくつかの実施形態において、シーンモデルは、CAD設計モデル、ビルディングインフォメーションモデリング(「BIM」)設計、または、建設現場の施工時状態(すなわち、シーン)を以前に示している、収集されたレーザ走査データセットであってもよい。いくつかの実施形態において、例えば、既存のシーンモデルが利用可能でない場合、動作202は省略される。この状況において、プロセッサは、動作207に関連して説明するように、測定データからシーンモデルを生成するように構成されている。
【0054】
動作203において、測量デバイスが、初期点に配置される。一例において、測量デバイスは、例えば、建設現場などの、測量されるシーンに運ばれる。測量デバイスの、例えばインジケータ128などのインジケータが、初期点(または初期位置)に配置される。既知のロケーションを有する点が、本明細書においては「制御点」として参照される。本明細書に記載されている少なくとも1つの実施形態において、初期点は、例えば、トータルステーションなど測量機器を使用することによって以前に決定され、そのシーンにおいてマークされた既知のロケーションの制御点である。1つまたは複数の実施形態において、インジケータが初期点に配置されると、本明細書に記載されているように、トータルステーションが、光ビームを介して、測量デバイスの支持体に剛直に取り付けられている1つまたは複数のプリズムと相互作用することによって、初期点のロケーションを決定するために使用される。初期点の既知のロケーションは、シーンモデルを生成(動作207)またはマッピング/照合(動作206)するための後続の動作に使用するために、プロセッサまたはコンピュータシステムに入力される。少なくとも1つの実施形態において、既知のロケーションは、地表に対する初期点の絶対ロケーションである。いくつかの実施形態において、測量デバイスを初期点に配置する動作203は、動作202の前に実施される。
【0055】
動作204において、測量デバイスを取り巻く、測量デバイスのセンサによって捕捉されるシーンの測定データは、プロセッサまたはコンピュータシステムによって受信される。
【0056】
例えば、インジケータが初期点に配置されているとき、測量デバイスの、例えばセンサ124などのセンサが、測量デバイスを取り巻くシーンの測定データを捕捉する。いくつかの実施形態において、センサが測定データを捕捉するとき、「高速移動」動作が実施される。例えば、コンピュータシステムは、例えばディスプレイ上の通知または可聴通知によって、測量デバイスのユーザに、「高速移動」動作を実施するように指示する。センサによって捕捉された測定データは、プロセッサまたはコンピュータシステムに転送される。
【0057】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステムは、例えば、レーザスキャナまたはLIDARスキャナなどの走査デバイスなどのセンサから、直接測定値を受信する。さらなる実施形態において、コンピュータシステムは、カメラなどの撮像デバイスから較正済み画像を受信し、これは、当業者には理解されるような写真測量法の科学的知識を通じて測定値を作成するために使用することができる。さらなる実施形態において、コンピュータシステムは、直接測定データと画像データの両方を受信する。コンピュータシステムは、測量デバイスとは物理的に別個のものであってもよく、または、測量デバイスに組み込まれてもよい。コンピュータシステムはまた、複数の構成要素に分散されることによって実装されてもよい。コンピュータシステムは、ネットワーククラウド内に実装されてもよい。
【0058】
動作205において、プロセッサが、シーンモデルが存在するか否かを決定する。シーンに対応するシーンモデルが存在するとき(動作205における「はい」)、プロセッサは、動作206に進む。シーンに対応するシーンモデルが存在しないとき(動作205における「いいえ」)、プロセッサは、動作207に進む。
【0059】
動作206において、プロセッサは、センサによって捕捉されている測定データを、本明細書に記載されているように動作202において受信されたかまたは動作207において生成された既存のシーンモデルと照合(またはマッピング)するように構成されている。例えば、プロセッサは、測定データをシーンモデルにマッピングする変換を見つけるかまたは算出するように構成されている。変換の例は、線形変換および非線形変換を含む。線形変換の例は、限定ではないが、回転、並進、せん断、スケーリングなどを含む。回転および/または並進のみを含む線形変換は、剛体変換として参照される。非線形変換の一例は、センサによって捕捉されている生データの歪みを補正するために適用されるデータ補正を含む。例えば、センサが、カメラなどの撮像デバイスであるとき、捕捉された画像は、カメラのレンズ構成に起因して歪んでいる場合があり、この画像歪みを補償するために、非線形変換が適用される。他の線形および非線形変換が様々な実施形態の範囲内にある。
【0060】
例示的な照合動作において、シーンの測定データをシーンモデルと照合するのに必要な線形変換が計算される。いくつかの実施形態において、シーンに対する測量デバイスのロケーションおよび角度ポーズ(例えば、向き)は最初は分からない場合がある。しかしながら、シーンの測定データと正確なシーンモデルとの間の対応を見出すことによって、位置および角度ポーズを決定することができる。測定データがかなり正確であり、かつ、シーンモデルがシーンのかなり正確な表現である場合、測定データを変換してシーンモデルの幾何学的形状を緊密に適合させることができる線形変換(回転、および/または並進、および/またはスケーリング)が存在すると仮定される。いくつかの実施形態において、測定データをシーンと照合するこの回転/並進/スケーリング変換が計算される。いくつかの実施形態において、この回転/並進/スケーリング変換は、当業者には理解されるように、まず、明確に異なる幾何学的特徴の間の大まかな対応を見出し、初期疎整合を得、次いで、反復最接近点(ICP)アルゴリズムを使用してこの整合を精緻化することによって計算される。
【0061】
いくつかの実施形態において、照合動作が既知のロケーションを有する初期点において捕捉された測定データに基づいて実施されるとき、シーンモデルはまた、初期点の既知のロケーションとも関連付けられる。結果として、シーンモデルおよびシーンモデルの作業座標系が決定され、測量デバイスをシーンのさらなる点において位置特定するために使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、ユーザは、ユーザインターフェースを通じて、この照合プロセスを案内することを助けるために、測量デバイスの概略のまたは推定されるロケーション(本明細書においては「シード位置」としても参照される)を提供することができる。いくつかの実施形態において、この初期概略ロケーションは、ユーザが、タッチスクリーンなどのディスプレイ上に示されているロケーションを選択することによって提供されてもよい。例えば、ホテルのシーンモデルは、多くのほぼ同一の部屋を有する場合があり、それらの各々は、任意の他の部屋からの測定データに対して良好に合致し得る。しかしながら、ユーザが概略ロケーション(例えば、「221号室」)を提供する場合、照合プロセスは、はるかにより信頼可能になり得る。線形変換を計算することによるこの照合プロセスのさらなる詳細は、図3に関連して記載されている。他の照合技法が様々な実施形態の範囲内にある。
【0063】
動作208において、プロセッサは、シーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを決定するように構成されている。少なくとも1つの実施形態において、シーンモデルに対する測量デバイスの向きも決定される。いくつかの実施形態において、測量デバイスは、シーンモデルの作業座標系に対して位置特定される。測量デバイスがシーンに運ばれたときに位置特定される初回は、本明細書においては「初期位置特定」として参照される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、動作206において計算される変換を使用して、測量デバイスの現在のロケーション、すなわち、シーン内のインジケータのロケーションを決定する。少なくとも1つの実施形態において、動作206において計算される変換によって、シーンモデルに対する測量デバイスの向きも決定される。この位置特定のプロセスの一例のさらなる詳細は、図3に関連して記載されている。他の位置特定技法が様々な実施形態の範囲内にある。
【0064】
動作207において、既存のシーンモデルが利用可能でないとき、シーンモデルが、プロセッサによって、捕捉されている測定データに基づいて生成される。少なくとも1つの実施形態において、動作207は、例えば、シーンモデルが動作202に関連して説明したように受信されたとき、または、シーンモデルが動作207の以前の実行によって生成されたときなど、そのシーンのシーンモデルが存在するときは省略される。シーンモデルが生成された後、プロセスは動作203に戻り、測量デバイスがシーンにおける後続のまたは新たな点に動かされ、次いで、プロセスは、本明細書に記載されているように動作204、206、208、210を通じて進行する。
【0065】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、(例えば、動作207によって)初期点において測量デバイスのセンサによって捕捉される測定データに基づいてシーンモデルを生成し、次いで、(例えば、動作203、204、206、208、213の1回または複数回の反復によって)1つまたは複数のさらなる点において測量デバイスのセンサによって捕捉される測定データに基づいてシーンモデルを更新または構築するように構成されている。例えば、既知のロケーションの初期点において測定データを捕捉した後、測量デバイスは、例えば、ユーザによって、さらなる点まで動かされ、センサは、そのさらなる点からシーンを記述する測定データを捕捉する。2つの点において捕捉される2つの測定データセットがともに融合されて、シーンのシーンモデルが構築される。記載されているプロセスが、本明細書に記載されている特定のホテルの例において適用されるとき、測量デバイスは、複数の対応する部屋において複数回の走査を実施して、そのホテルのシーンモデルを生成および構築する。
【0066】
動作210において、動作208において位置特定された測量デバイスが、1つまたは複数のさらなる動作に使用される。位置特定された測量デバイスの例示的な用途は、限定ではないが、測定、レイアウトなどを含む。図2の例において、動作210は、動作211、動作212、および動作213のうちの1つまたは複数を含む。
【0067】
動作211において、位置特定された測量デバイスが、測量デバイスのインジケータが現在位置する点において測定を行うために使用される。いくつかの実施形態において、動作208においてシーンモデルの作業座標系において計算されたインジケータの、例えば3Dロケーションなどのロケーションが、ユーザに出力、報告および/または表示される。いくつかの実施形態において、インジケータの3D座標が、測量デバイス自体の画面上に表示される。さらなる実施形態において、3D座標は、ワイヤによってまたは無線で測量デバイスに接続されているデバイスまたはコンピュータシステム上に表示される。さらなる実施形態において、3D座標は、後の時点での出力のために記憶され、表示される。
【0068】
動作212において、位置特定された測量デバイスが、レイアウトタスクを実施するために使用される。測量デバイスがレイアウトに使用されているとき、いくつかの実施形態において、測量デバイスは、レイアウトされるべきである設計モデルからの1つまたは複数のレイアウト点の1つまたは複数のレイアウト座標を受信する。レイアウト点の例は、ボルト位置、パイプ接続部、壁の隅、床上の点、壁上の点、天井上の点などのような、重要な構築点である。いくつかの実施形態において、レイアウト座標は、測量デバイスが位置特定されているシーンモデルの作業座標系内にある。レイアウト座標は、プロセッサまたはコンピュータシステムに、自動的にロードされるか、または、ユーザによって手動で入力される。次に、動作208によって決定されるようなインジケータの現在のロケーションから、レイアウト座標までの距離および方向を算出するための動作が実施される。いくつかの実施形態において、インジケータの現在の位置は、測量デバイスのロケーションおよびセンサとインジケータとの間の既知のまたは確定可能な空間関係に基づいて決定される。例えば、レイアウト座標がシーンモデルの作業座標系のXYZ座標内で(10m,10m,10m)にあり、かつ、動作208からのインジケータのロケーションが同じ作業座標系のXYZ座標内で(10.4m,10.3m,10m)にある場合、当業者には容易に理解されるように、(-0.4m,-0.3m,0m)のベクトルによって、距離は0.5m(すなわち、レイアウト座標とインジケータ座標との間のデカルト距離)として計算され、方向は、負のX方向および負のY方向にある。インジケータロケーションからレイアウト座標までの距離および方向が算出された後、算出された距離および方向が報告され、結果、ユーザは、インジケータをレイアウト点に動かすことができる。レイアウト点が負のXおよびY方向に0.5m離れていた上記の例において、算出された距離および方向は、ユーザがインジケータを正しい方向に動かして、最終的に、インジケータをレイアウト点に位置決めすることを容易にするように、ユーザに報告され、そこで、ユーザはその後、後続の構築タスクのために表面上にマークを配置することができる。いくつかの実施形態において、報告は、動く距離とともに画面上に表示される方向矢印であってもよい。いくつかの実施形態において、ユーザに表示される方向および距離は、インジケータをレイアウト点までどのように動かすかのリアルタイム命令を反映するために、測量デバイスが動かされると迅速に更新され得る。レイアウト点までの方向および距離の記載されている更新は、本明細書に記載されているような動作203、204、206、208を繰り返し実施することを含む。いくつかの実施形態において、報告は、インジケータをレイアウト点まで動かすようにユーザを誘導するための可聴指示および/または他のタイプの命令を含んでもよい。いくつかの実施形態において、インジケータがレイアウト点に達したとき、可視または可聴確認が生成される。インジケータロケーションからレイアウト座標までの記載されている方向および距離は、ユーザをレイアウト座標まで案内するためのインジケータロケーションとレイアウト座標との間の空間関係の出力の一例を構成する。別の例において、インジケータロケーションとレイアウト座標との間の空間関係は、シーンモデルの一区画の地図を表示し、表示された地図上でインジケータロケーションおよびレイアウト座標を示すことによって出力される。
【0069】
動作213において、動作202において受信された、または、動作207において生成されたシーンモデルが、現在の点において捕捉されている測定データに基づいて更新される。例えば、シーンモデルにまだ含まれていないシーンの要素または特徴を表す、現在の点において捕捉されている測定データの少なくとも一部が、シーンモデルに追加される。別の例として、シーンモデル内に現在含まれているが、現在捕捉されている測定データに照らして不正確に見えるシーンの要素または特徴が、シーンモデルから除去されるか、または、測定データと一致するように補正される。更新されたシーンモデルは、シーンの後続の点(または位置)における測量デバイスの照合(動作206)、位置特定(動作208)および使用(動作210)のために使用される。
【0070】
ユーザが、現在の点における位置特定された測量デバイスの使用を完了すると、プロセスは動作203に戻る、すなわち、ユーザが、測量デバイスをシーンの後続のまたは新たな点へと動かす。プロセスは、本明細書に記載されているように、次いで、新たな点において新たな測定データを捕捉する動作204、次いで、新たな測定データを初期点において以前にマッピングされたシーンモデルの同じ作業座標系と照合する動作206、次いで、新たな点における測量デバイスのロケーションを更新する動作208、次いで、新たな点において位置特定された測量デバイスをシーンモデルの測定および/またはレイアウトおよび/または更新に使用する動作210に進む。動作203、204、206、208、210は、測量デバイスのロケーションを繰り返し更新するために、すなわち、それらの点において測量デバイスを位置特定し、位置特定された測量デバイスをそれらの点におけるシーンモデルの測定および/またはレイアウトおよび/または更新に使用するために、そのシーンの様々な点において繰り返し実施される。いくつかの実施形態において、あるシーンにおいて使用されている間、測量デバイスは、そのシーンを記述する同じ対応するシーンモデル内で常に位置特定される。結果として、1つまたは複数の実施形態において、他の手法におけるような累積誤差が回避可能である。
【0071】
図3は、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイスを概略的に示す図である。図3の例示的な構成において、使用されている測量デバイスは、図1Bに関連して説明されている測量デバイス120である。他の測量デバイス構成が様々な実施形態の範囲内にある。単純にするために、図3は、測量デバイス120が、シーン内の測量デバイス120の現在のロケーションおよび向きを計算するために、そのデータセンサ124(図3には示されていない)が周囲のシーンから捕捉する測定値を既に存在するシーンモデルと整合させることによって、それ自体をどのように位置決定するかを、2次元(2D)において説明している。図3に関連して説明されている動作および/または算出は、2次元で示されているが、当業者には明らかになるように、3次元(3D)に容易に適合させることができる。
【0072】
図2の動作202に関連して説明したように、測量デバイス120に含まれるかまたは結合されているプロセッサまたはコンピュータシステムは、既に存在するシーンモデル300を受信する。図3の例示的な構成において、シーンモデル300は、部屋の間取図である。部屋は、測量デバイス120が測量タスクに使用されているシーンである。他のシーンモデル構成および/またはシーンのタイプが様々な実施形態の範囲内にある。いくつかの実施形態において、シーンモデル300は、作業座標系302(本明細書においては「座標系302」としても参照される)内の座標を含む。図3の例示的な構成において、座標系302は、X軸、Y軸、および座標(0,0)を有する原点303を有するデカルト座標系である。他のタイプの座標系が様々な実施形態の範囲内にある。座標系302は、シーンモデル300が生成されたとき(例えば、動作207において)またはロードされたとき(動作202)のシーンモデル300を記述する所定の座標系と同じであってもよく、または、異なってもよい。
【0073】
図2の動作204に関連して説明したように、プロセッサまたはコンピュータシステムは、部屋(すなわち、シーン)の内部の初期点304に位置する測量デバイス120のセンサ124によって捕捉される測定データをさらに受信する。図3においては、参照番号304は、センサ124が位置する測量デバイス120の上部を概略的に指しているが、初期点304は、実際には、シーン内で測量デバイス120のインジケータ128が位置する場所である。しかしながら、センサ124およびインジケータ128は図1Bに関連して説明したように、所定のまたは確定可能な空間関係を有するため、インジケータ128のロケーションは、センサ124のロケーションから算出することができ、逆も真である。したがって、インジケータ128およびセンサ124のうちの一方のロケーションが分かっているとき、インジケータ128およびセンサ124のうちの他方のロケーションも分かる。単純にするために、本明細書における記述において、センサ124のロケーションおよびインジケータ128のロケーションは、同じであると考えることができる。
【0074】
測量デバイス120が位置特定される前、点304は元々、シーンモデル300の座標系302に対して未知のロケーションおよび未知の向き(矢印306によって示される)を有している。一般的に、向きは、3次元(3D)であり、図1Cに関連して説明したような測量デバイス120の傾斜角136と、矢印306によって表されるような測量デバイス120が向いている方向との組合せによって規定される。図3の例示的な構成において、単純にするために、測量デバイス120は垂直姿勢131にあり、向きは2次元(2D)になり、矢印306によって表されると仮定される。図3において、点304のロケーションは、測量デバイス120の座標系X’-Y’内の(0,0)、すなわち座標原点と推定され、測量デバイス120の向きは、測量デバイス120の座標系X’-Y’内のX’軸の正の方向と推定される。初期点の他の推定ロケーションおよび/または向きが様々な実施形態の範囲内にある。座標系X’-Y’は、測定データの作業座標系の一例であり、かつ/または、点304における作業座標系の一例である。点304における測量デバイス120のロケーションおよび向きは元々、シーンモデル300の座標系302においては未知であるが、少なくとも1つの実施形態において、少なくとも点304のロケーションは、点304が既知のロケーションを有する制御点であるときは既知であることに留意されたい。測量デバイス120のセンサ124は、シーンを走査し、測定データ308を収集する。
【0075】
図2の動作206に関連して説明したように、プロセッサまたはコンピュータシステムは、測定データ308をシーンモデル300に対して照合する、すなわち、整合および適合させるように構成されている。言い換えれば、測定データ308の空間は、シーンモデル300の空間に対してマッピングまたは照合される。いくつかの実施形態において、そのようなマッピングまたは照合は、作業座標系のいかなる特定の選択またはタイプにも限定されることなく、測定データ308の作業座標系およびシーンモデル300の作業座標系を使用して実施される。したがって、少なくとも1つの実施形態において、測定データ308の、例えば座標系X’-Y’などの作業座標系は、測定データ308を記述するために使用可能な任意の座標系であってもよく、および/または、シーンモデル300の、例えば座標系302などの作業座標系は、シーンモデル300を記述するために使用可能な任意の座標系であってもよい。測定データ308をシーンモデル300と照合するための例示的なアルゴリズムは、限定ではないが、「クラウド-クラウド」(C2C)アルゴリズム、「クラウド-モデル」(C2M)アルゴリズムなどを含む。いくつかの実施形態において、この整合および適合は、反復最接近点(ICP)アルゴリズムなどの自動化アルゴリズムを使用して実施されてもよい。例示的なICPアルゴリズムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Object Modelling by Registration of Multiple Range Image」、Yang ChenおよびGerard Medioni著、Proceedings of the 1991 IEEE International Conference on Robotics and Automation、Sacramento、CA、April 1991に記載されている。いくつかの実施形態において、「特徴点」(すなわち、領域内の曲率が高い点)を、測定データ308から算出することができ、シーンモデル300内の「特徴点」と比較することができ、2つの特徴点セット間の重複を最適化する変換310を計算することができる。いくつかの実施形態において、変換310は、非線形変換、回転、並進、せん断またはスケーリングのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、測定データ308をシーンモデル300に対して整合および適合させるための最適な変換310を見出すための手法またはアルゴリズムの組合せが利用されてもよい。図3に関連して説明した特定の例において、変換310は、回転および/または並進を含む剛体変換である。図3の例示的な構成は、向き306が2Dであり、したがって、変換310も2Dである単純化された状況を含む。向きが3Dであるいくつかの実施形態において、変換310は3D変換である。
【0076】
図2の動作208に関連して説明したように、プロセッサまたはコンピュータシステムは、測定データ308に対して整合および適合されているシーンモデル300の座標系302内の測量デバイス120のロケーションおよび向きを決定するように構成されている。例えば、図3は、測定データ308をシーンモデル300に適合させるために使用されたものと同じ変換310を使用し、測量デバイス120の初期ロケーションおよび向きに変換310を適用することによって、測量デバイス120がシーン内で位置特定されることを示す。点304に配置されている位置特定された測量デバイス120は、シーンモデル300の座標系302内の座標(X,Y)のロケーションを有すると決定される。測定データ308を記述する作業座標系X’-Y’の向き306は、シーンモデル300の座標系302内の向き312にマッピングされる。測量デバイス120が位置特定されると、測量デバイス120によってとられる任意の測定値自体が位置特定され、設計モデルからの任意の特徴点が、同じ座標系302内にレイアウトされてもよい。いくつかの実施形態において、点304が既知のロケーションを有する制御点であるとき、点304と関連付けられる座標系302も、既知のロケーションおよび向きを有する。いくつかの実施形態において、座標系302は、変更されず、シーンにおける測量デバイス120の向き全体を通じて測量デバイス120を追跡および位置特定するためのベースマップを形成する。
【0077】
図2の動作203に関連して説明したように、いくつかの実施形態において、測量デバイス120がシーン内の新たな点に動かされるとき、上述した向きのうちの1つまたは複数が、新たな点において実施される。例えば、測定データ308に関連して説明したように、新たな測定データセットが、新たな点においてセンサ124によって捕捉される。変換310に関連して説明したように、新たな測定データセットをシーンモデル300に対して整合および適合させるための新たな変換が算出される。新たな点における測量デバイス120のロケーションおよび向きは、新たな点において測量デバイス120を位置特定するために、新たな変換に基づいて決定される。このプロセスは、測量デバイス120がシーンにわたって動かされるときに、後続の点において繰り返される。このプロセスの一例は、図4に関連して記載されている。
【0078】
図4は、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイスを概略的に示す図である。図4の例示的な構成において、使用されている測量デバイスは、図1Bに関連して説明されている測量デバイス120である。他の測量デバイス構成が様々な実施形態の範囲内にある。図4において、測量デバイス120は、物理インジケータ128が測量デバイス120の支持体126(図4には示されていない)の先端にある状態で、概略的に示されている。単純にするために、参照番号120、128は、タイミングT0においてのみ示されており、他のタイミングT1~T3においては省略されている。
【0079】
図4の例示的な構成において、測量デバイス120のセンサ124(図4には示されていない)は、LIDARスキャナを含む。図4に関連して以下に特定的に記載されている例示的な構成において、LIDARスキャナによって捕捉される測定データのシーンモデルへのマッピングは、「C2M照合」として参照される。しかしながら、他のマッピングまたは照合技法/アルゴリズムが様々な実施形態の範囲内にある。
【0080】
図4において、タイミングT0において、測量デバイス120は、インジケータ128によって示される初期位置にある。タイミングT0における測量デバイス120のロケーションは、既知である(初期値が制御点であるとき)か、または、図2図3に関連して説明したように、以前のLIDAR走査およびシーンモデルへのC2M照合によって決定される。次いで、測量デバイス120は、測定またはレイアウトされる次の点に動かされる。例えば、初期位置から経路401に沿って動いた後、タイミングT1において、測量デバイス120は、LIDAR測定データを捕捉し、捕捉されたLIDAR測定データのタイミングT0における同じシーンモデルに対するC2M照合を実施することによって、それ自体を位置特定する。結果として、測量デバイス120は、タイミングT1におけるそのロケーションがロケーション404であると決定する。同様に、ロケーション404から経路411に沿って動いた後、タイミングT2において、測量デバイス120は、LIDAR測定データを捕捉し、捕捉されたLIDAR測定データのタイミングT0における同じシーンモデルに対するC2M照合を実施することによって、それ自体を位置特定し、タイミングT2におけるそのロケーションがロケーション412であると決定する。記載されているプロセスは、さらに繰り返される。図4に関連して説明したC2M、LIDARなどの特定の照合技法および/またはセンサタイプは例である。他の照合技法および/またはセンサタイプが様々な実施形態の範囲内にある。図4に関連して説明したプロセス中の測量デバイス120のすべてのロケーションは、シーンモデルの座標系302内にある。しかしながら、本明細書に記載されているように、1つまたは複数の実施形態において、座標系302の代わりに、任意の他の作業座標系が使用可能である。
【0081】
図4に関連して説明した例示的なプロセスにおいて、測量デバイス120は、第1の点(例えば、404)においてそれ自体を位置特定し、次いで、経路(例えば、411)に沿って第2の点(例えば、412)において位置特定する。いくつかの実施形態において、測量デバイス120が第1の点から第2の点へと動いている間、測量デバイス120のロケーションおよび向きは、測量デバイス120の1つまたは複数のセンサ(IMUなど)によって追跡される。測量デバイス120が第2の点に達すると、測量デバイス120の追跡されたロケーションおよび/または向きが、第2の点における位置特定に使用される変換の算出を容易にし、および/または、加速させるための推定値またはシード位置として使用される。結果として、位置特定プロセスの正確度および/または速度が改善される。このプロセスの一例は、図5に関連して記載されている。
【0082】
図5は、いくつかの実施形態による、動作中の測量デバイスを概略的に示す図である。図5の例示的な構成において、使用されている測量デバイスは、図1Bに関連して説明されている測量デバイス120である。他の測量デバイス構成が様々な実施形態の範囲内にある。図5において、測量デバイス120は、物理インジケータ128が測量デバイス120の支持体126(図5には示されていない)の先端にある状態で、概略的に示されている。単純にするために、参照番号120、128は、タイミングT50においてのみ示されており、他のタイミングT51~T53においては省略されている。
【0083】
図5の例示的な構成において、測量デバイス120のセンサ124(図5には示されていない)は、LIDARスキャナおよび少なくとも1つのIMUデバイスを含む。いくつかの実施形態において、IMUデバイスによる推定値およびLIDARスキャナによって捕捉されている測定データのシーンモデルへのマッピングがともに使用されて、これらの技法が互いを補完するように、測量デバイス120が位置特定される。図5に関連して以下に特定的に記載されている例示的な構成において、LIDARスキャナによって捕捉される測定データのシーンモデルへのマッピングは、「C2M照合」として参照される。しかしながら、他のマッピングまたは照合技法/アルゴリズムが様々な実施形態の範囲内にある。
【0084】
具体的には、IMUデバイスは、機器に作用する力(または加速度)を非常に正確に測定することができる電子デバイスである。IMUデバイスは、3つの軸に沿った線形加速度および3つの主軸を中心とした回転加速度を測定することができる。これらの読み値を経時的に累積することによって、IMUデバイスは、推測航法を使用することによって、例えば測量デバイス120などの機器のロケーションおよび向きを追跡することができる。例示的な構成において、IMUデバイスは、迅速な測定値を出力し(多くの場合、毎秒最大1000個の測定値)、常に事実上瞬間的な追跡/位置決めを可能にする。3つの測定値からの推測航法は、通常、短い時間期間にわたって非常に正確である。IMUデバイスは、瞬間的誤差がほとんどない正確なものであり得るが、経時的には誤差が相当に累積される可能性がある。単純な例として、IMUデバイスが毎秒1/2インチずれると仮定すると、1分後、累積誤差(「ドリフト」としても参照される)は、30インチになり得る、すなわち、IMUデバイスからの推測航法が、機器の実際のロケーションから30インチ離れたロケーションを示す。
【0085】
LIDAR走査は、ベースマップまたはシーンモデルへの照合に成功したとき、非常に正確である。例えば、LIDARスキャナによって捕捉された測定データが、例えば、クラウド-モデル(C2M)照合技法を使用することによる既存のベースマップまたはシーンモデルへの照合に成功するとき、機器の実際のロケーションの1~3ミリメートル以内で機器を位置特定することが可能である。しかしながら、C2Mが一致を見出すのに失敗した場合、または、C2Mが走査データ(すなわち、測定データ)とベースマップとの間の不一致を見出した場合、誤差が許容不可能に大きくなる場合がある。別の考慮事項は、照合プロセスが、IMU推測航法よりも低速であり、状況によっては、合致を見出すのに数秒かかる場合があることである。
【0086】
いくつかの実施形態において、IMUデバイスおよびLIDARスキャナは、言及した考慮事項を取り除くように、ともに使用される。具体的には、LIDAR測定データのベースマップに対する不正確な合致によって引き起こされる非常に大きい誤差は、多くの場合、機器のロケーションの不良な初期推定値(またはシード位置)によって引き起こされることが指摘されている。比較的正確な初期推定値またはシード位置(例えば、少なくとも1つの実施形態においては1メートル以内)が利用可能である場合、不良な合致のリスクはほぼゼロである。いくつかの実施形態において、IMUデバイスによって提供される推測航法は、機器(すなわち、測量デバイス120)のロケーションおよび向きを継続的に追跡するために使用され、次いで、機器の追跡されたロケーションおよび向きは、LIDARスキャナからのはるかにより正確な読み値で定期的に更新される。IMUデバイスからの推測航法は、C2M照合算出のための近い初期推定値を提供し、LIDAR測定データのベースマップまたはシーンモデルに対する不正確な合致に起因する大きい誤差の可能性を妨げるかまたは大幅に低減する。LIDAR測定データおよびC2M照合による定期的な更新は、IMUデバイスからの誤差または「ドリフト」が大きく累積されることを妨げる。
【0087】
図5の例において、タイミングT50において、測量デバイス120は、インジケータ128によって示される初期位置にある。タイミングT50における測量デバイス120のロケーションは、既知である(初期位置が制御点であるとき)か、または、図2図3に関連して説明したように、以前のLIDAR走査およびシーンモデルへのC2M照合によって決定される。次いで、測量デバイス120は、測定またはレイアウトされる次の点に動かされる。測量デバイス120が動かされている間、IMUデバイスは、測量デバイス120の動きを追跡するために、測量デバイス120のロケーションおよび向きを迅速に更新する。IMUデバイスの推測航法によって報告されるものとしての、測量デバイス120の追跡されたロケーションは、経路501、511、521によって概略的に示されている。IMUデバイスが、測量デバイス120のロケーションおよび向きを更新する第1の間隔は短い。例えば、IMUデバイスは毎秒100~1000個の測定値を出力し、IMUデバイスが測量デバイス120のロケーションおよび向きを更新する第1の間隔は1~10msである。IMUデバイスによる更新の、第1の間隔よりも大きい第2の間隔ΔTを置いて、LIDARスキャナによって出力される測定データは、タイミングT50における同じベースマップまたはシーンモデルとのC2M照合に定期的に使用される。例えば、LIDARスキャナは、1秒あたり10~20回転を完了し、完了した各回転から「フレーム」が作成され、50ms~100msの第2の間隔を置いて軌道が更新される。図5の例示的な構成において、図5に関連して説明したプロセス中の測量デバイス120のすべてのロケーションは、シーンモデルの座標系302内にある。本明細書に記載されているように、1つまたは複数の実施形態において、座標系302の代わりに、任意の他の作業座標系が使用可能である。
【0088】
例えば、タイミングT51=T50+ΔTにおいて、IMUデバイスからの推測航法に基づいてタイミングT51において推定されたロケーション502が、タイミングT51において捕捉されたLIDAR測定データのタイミングT50における同じシーンモデルに対するC2M照合のためのシード位置として使用される。本明細書に記載されているように、IMUデバイスからの推測航法は、C2M照合のための十分に近いシード位置を提供する。結果として、合致が見出され、タイミングT51における測量デバイス120のより正確なロケーション504が示される。IMUデバイスによって推定されたロケーション502は、506において示されるように、LIDAR測定データのシーンモデルに対するC2M照合によって決定されるロケーション504になるように更新される。ロケーション504は、その後、ロケーション502の代わりに、IMUデバイスによって測量デバイス120のさらなる追跡に使用される。
【0089】
タイミングT52=T51+ΔTにおいて、IMUデバイスからの推測航法に基づいてタイミングT52において推定されたロケーション512が、タイミングT52において捕捉されたLIDAR測定データのタイミングT50における同じシーンモデルに対するC2M照合のためのシード位置として使用される。合致が見出され、タイミングT52における測量デバイス120のより正確なロケーション514が示される。IMUデバイスによって推定されたロケーション512は、516において示されるように、LIDAR測定データのシーンモデルに対するC2M照合によって決定されるロケーション514になるように更新される。ロケーション514は、その後、ロケーション512の代わりに、IMUデバイスによって測量デバイス120のさらなる追跡に使用される。
【0090】
タイミングT53=T2+ΔTにおいて、IMUデバイスからの推測航法に基づいてタイミングT53において推定されたロケーション522が、タイミングT53において捕捉されたLIDAR測定データのタイミングT50における同じシーンモデルに対するC2M照合のためのシード位置として使用される。合致が見出され、タイミングT53における測量デバイス120のより正確なロケーション524が示される。IMUデバイスによって推定されたロケーション522は、526において示されるように、LIDAR測定データのシーンモデルに対するC2M照合によって決定されるロケーション524になるように更新される。ロケーション524は、その後、ロケーション522の代わりに、IMUデバイスによって測量デバイス120のさらなる追跡に使用される。記載されているプロセスは、定期的にさらに繰り返される。図5に関連して説明したC2M、LIDAR、IMUなどの特定の照合技法および/またはセンサタイプは例である。他の照合技法および/またはセンサタイプが様々な実施形態の範囲内にある。
【0091】
測量デバイス、ならびに、特に建設現場内で、測量デバイスを位置特定し、位置特定された測量デバイスを使用して作業座標系内でシーンモデルの測定および/またはレイアウトおよび/または更新を行う方法の様々な実施形態が記載されている。測量デバイスは、周囲の環境(例えば、シーン)の寸法が正確な測定値を捕捉するセンサを含み、そのデータを環境のシーンモデルに対して比較して、それ自体をさらなる動作のために正確に位置決定する。位置特定された測量デバイスは、建設現場上の点の測定と設計点のレイアウト(すなわち、地面または他の表面上に設計点をマークすること)の両方に使用されてもよく、したがって、ボルト、パイプなどのようなアイテムを、それらの適切な設計ロケーションに設置することができる。少なくとも1つの実施形態において、方法は、レーザスキャナなどから測定データを受信することと、そのデータをシーンの仮想モデル(シーンモデル)と照合することと、シーンの測定データをシーンモデルに合致させるのに必要な線形変換を計算することと、セルフロケートデバイスのロケーションおよび向きを計算するために、この線形変換を使用することとを含む。方法は、測量デバイスのインジケータの3Dロケーションを報告することをさらに含む。システムがレイアウトに使用されており、かつ、インジケータが物理ポインタである場合、方法は、インジケータの現在のロケーションからレイアウト点座標までの距離および方向を算出することと、次いで、ユーザがインジケータを正しいロケーションへと動かすことを可能にするために、その距離および方向を報告することとをさらに含む。結果として、セルフロケート測量デバイス、建設現場上の3次元の点を容易かつ正確に測定するためにそのような測量デバイスを使用する方法およびシステムが得られる。セルフロケートデバイスは、測定機器、レイアウト機器などのような任意のタイプのデバイスであってもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスは、デバイスの支持体に剛直に取り付けられている1つまたは複数のプリズムを含み、したがって、デバイスは、トータルステーションを使用したデバイスの位置決定などの他の測量技法を通じて位置特定され得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、シーンモデルが、セルフロケートデバイスに取り付けられている走査または撮像センサを使用して作成される。このように作成されたシーンモデルは、セルフロケートデバイスを既知の点の上に設定することなどの標準的な測量技法を使用することによって、または、シーンモデルを作成するために測定データを捕捉するときにセルフロケートデバイスを位置特定するためにトータルステーションを使用することによって、作業座標系内に配置され得る。計画の開始時にこのように捕捉されたシーンモデルは、その後、デバイスが現場の異なる点に動かされるときにセルフロケートデバイスをそれに対して位置特定するためのベースマップまたはシーンモデルとして使用され得る。
【0094】
いくつかの実施形態は、セルフロケートデバイスに剛直に取り付けられている走査デバイスから周囲のシーンの測定データを受信することを含む。いくつかの実施形態は、セルフロケートデバイスに剛直に取り付けられている撮像デバイスから周囲のシーンの測定データを受信することを含む。いくつかの実施形態は、両方ともセルフロケートデバイスに剛直に取り付けられている走査デバイスおよび撮像デバイスの両方から周囲のシーンの測定データを受信することを含む。いくつかの実施形態は、データインターフェースを通じて測定データを受信する。いくつかの実施形態において、測定データは、視認可能でセルフロケートデバイスを取り囲むすべてのものの360度ビューを含む。これは、少なくとも1つの実施形態に従って、走査デバイスの限定された視野(例えば、限定された仰角および/または限定された方位角)にかかわらず、セルフロケートデバイスの「高速移動」動作によって達成可能である。測定データは、合致を見出し、シーンモデル内でセルフロケートデバイスを位置決定するために、シーンモデルと比較される。
【0095】
いくつかの実施形態は、シーンの測定データをシーンモデルに合致させるのに必要な線形変換を計算することを含む。シーンモデルがシーンを正確に表す場合、測定データのシーンモデルに対する合致は、3つのユークリッド距離のうちの1つまたは複数において測定データを並進させること、および/または、測定データを3つの直行する軸のうちの1つまたは複数を中心として回転させること、および/または、測定データを均質に線形スケーリングすることによって見出されることが可能であるはずである。いくつかの実施形態には、2次元(2D)においてこの線形変換を計算することを含む。いくつかの実施形態において、シーンの測定データをシーンモデルに合致させるための非線形変換が算出される。
【0096】
いくつかの実施形態は、セルフロケートデバイスのロケーションおよび向きを計算することを含む。測定データは、セルフロケートデバイスに剛直に固定されているかもしくは取り付けられているか、または、セルフロケートデバイスに対する既知のもしくは確定可能な空間関係を有する1つまたは複数のセンサに由来するため、セルフロケートデバイスの、その測定データに対するロケーションは既知である。したがって、測定データをシーンモデルに合致させる同じマッピングまたは変換が、セルフロケートデバイス自体のロケーションおよび向きをシーンモデルの作業座標系にマッピングまたは変換するために使用され得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスが測定に使用されているとき、セルフロケートデバイスのインジケータの3D(または2D)ロケーションが報告され得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、システムがレイアウトに使用されており、かつ、インジケータが物理ポインタである場合、インジケータの現在のロケーションからレイアウト点の座標までの距離および方向が算出および報告され得る(すなわち、ユーザ/作業者に表示または他の様態で伝達され得る)。報告される距離および方向は、ユーザが、インジケータをレイアウト点のロケーションまで動かすことを可能にする。このように、システムは、レイアウト点をマークするための正しいロケーションにインジケータを配置するようにユーザを案内することができる。例えば、特定の座標において床または壁に穴が開けられることを設計が必要とする場合、システムは、例えば、物理ポインタなどのインジケータをその座標に正確に配置するための誘導および案内をユーザに与え、そこで、ユーザは、その後、後に穴を開ける床または壁にマークを作成することができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスは、制御点および/またはシーンモデルが存在するか否かにかかわらず、使用可能である。具体的には、セルフロケートデバイスは、制御点およびシーンモデルが存在する第1の状況、制御点は存在するがシーンモデルは存在しない第2の状況、制御点は存在しないがシーンモデルは存在する第3の状況、および、制御点およびシーンモデルが存在しない第4の状況において使用可能である。制御点が存在する第1の状況および第2の状況において、制御点は、セルフロケートデバイスがシーンに運び込まれたときにセルフロケートデバイスが最初に配置される初期点であってもよい。シーンに対応する、既に存在するシーンモデル(第1の状況の)またはシーンについて生成されるシーンモデル(第2の状況の)は、制御点の既知のロケーションと関連付けられ、また、対応する既知のロケーションを有する。少なくとも1つの実施形態において、制御点の既知のロケーションは、地表に対する絶対ロケーションであり、また、既に存在するまたは生成されるシーンモデルは、地表に対する対応する絶対ロケーションを有する。いくつかの実施形態において、2つの異なる既知の絶対ロケーションの2つ又はより多い制御点がシーンにおいて提供され、より多い制御点のうちの2つに順次配置されるセルフロケートデバイスが、地表に対するシーンモデルの絶対的な向きを決定するための基準フレームを提供する。制御点が存在しない第3の状況および第4の状況においては、シーンモデルの位置特定、測定、レイアウト、および/または生成/更新に依然としてセルフロケートデバイスを使用することが可能であるが、シーンモデルは、絶対ロケーションおよび/または絶対的な向きを有しない場合がある。
【0100】
いくつかの実施形態において、記載されている方法の少なくとも1つ、または一部、または全部の動作が、コンピュータシステム、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せによって実行するための非一時的媒体に記憶されている命令セットとして実装される。いくつかの実施形態において、記載されている方法の少なくとも1つ、または一部、または全部の動作が、例えば、1つまたは複数のASICなどの、ハードワイヤード回路として実装される。
【0101】
建設現場上でロケーションを正確に測定し、ロケーションをレイアウトすることは、重要なタスクであるが、多くの場合、時間がかかり、および/または、誤差が発生しやすい。いくつかの実施形態において、時間と金銭の両方を節約することになる、それ自体を容易かつ正確に位置特定することができ、作業者がより容易に建設設計ロケーションの測定および/またはレイアウトを行うことを可能にすることができるセルフロケートデバイス。
【0102】
いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスを使用することによる位置特定ならびに後続の測定およびレイアウトのための記載されているプロセスは、完全に自動化される。結果として、プロセスは、従来の測量ベースの位置特定よりも高速である。1つまたは複数の実施形態において、Velodyne LIDARシステムなどのような迅速捕捉センサを用いて、位置特定をリアルタイムで実施することができる。
【0103】
少なくとも1つの実施形態において、例えば、トータルステーションによってセルフロケートデバイスが最初に位置特定され、ベースマップにマッピングされると、セルフロケートデバイスがそれ自体をベースマップに対して追跡することができるため、トータルステーションはもはや必要ない。いくつかの実施形態において、トータルステーションは、初期位置特定に対してさえ、まったく必要ない。結果として、トータルステーションを使用した他の測量技法に関係する様々な制限を取り除くことができる。
【0104】
例えば、初期位置特定の後、セルフロケートデバイスはもはや、トータルステーションの見通し線内にある必要はなく、これによって柔軟性および生産性が増大する。
【0105】
さらに、初期位置特定の後、同じ現場またはシーンを測量するために、複数のセルフロケートデバイスを、互いから独立して、かつ、トータルステーションから独立して、同時に使用することができる。これによって、測量時間が低減され、生産性が増大する。例えば、複数のセルフロケートデバイスがすべて、現場またはシーンに対応する同じシーンモデルを共有するか、または、すべて当該同じシーンモデル内で最初に位置特定される。初期位置特定の後、複数のセルフロケートデバイスがシーンモデルの測定、レイアウト、および/または更新を実施するために、同時に、かつ互いから独立して使用され得る。いくつかの実施形態において、複数のセルフロケートデバイスによって生成される測定値および/またはシーンモデル更新が、例えば、ネットワークもしくはクラウドサーバによって、および/または、複数のセルフロケートデバイスの間のピアツーピア接続によって、ともに融合され、および/または、複数のセルフロケートデバイスの間で共有される。
【0106】
少なくとも1つの実施形態において、図1Bに関連して説明したように、例えば、自動的に測定される傾斜角およびインジケータとセンサとの間の既知の距離を使用することによって、セルフロケートデバイスのロッドまたは支持体の傾斜を自動的に補償することが可能である。結果として、他の手法におけるような水平化が必要ない。自動化傾斜補償および/または自動化位置特定プロセスは、高度な技能を有する測量技師の必要性を排除する。いくつかの実施形態において、セルフロケートデバイスは、GPSデバイスまたはスマートフォンもしくはタブレット上のGPS機能を操作するのと同じくらい容易に操作することができる。
【0107】
トータルステーションは、屋内で操作するのが困難であり、不整地上では不安定であることが知られている。対照的に、いくつかの実施形態によるセルフロケートデバイスは、屋内、屋外のすべての環境において良好に機能し、壁または天井などの、トータルステーションによって測定またはレイアウトすることが困難であることが分かっている場所で測定および/またはレイアウトを行うことが可能である。
【0108】
いくつかの実施形態において、初期位置特定は、セルフロケートデバイスのインジケータを地表に対する既知の絶対ロケーションの制御点に配置することによって実施される。そのような実施形態において、初期位置特定後のシーンモデルのロケーションは、地表に対する絶対座標を有する。シーンモデルの作業座標系内でのセルフロケートデバイスの後続のロケーションまたは測定値もまた、地表に対する絶対座標を有し、これによって、追加の情報および/または正確度が提供される。
【0109】
少なくとも1つの実施形態において、セルフロケートデバイスは、すべてロッドなどの支持体に剛直に取り付けられている少なくとも1つのLIDARスキャナおよび1つまたは複数のIMUデバイスを備える。完全体系構成において、セルフロケートデバイスは、すべて支持体上で支持されている少なくとも1つのプロセッサおよびディスプレイをさらに備える。結果として、計算および報告は、外部コンピュータシステムを必要とすることなく、セルフロケートデバイス自体によって実施することができる。いくつかの実施形態において、例えば、スマートフォン、タブレットまたはラップトップなどのポータブルデバイスなどの外部コンピュータシステムが、計算および報告の一部または全部を実施するためにセルフロケートデバイスに結合されている。少なくとも1つの実施形態において、セルフロケートデバイスは、必要な測定データを捕捉するように構成されている1つまたは複数のセンサを装備したポータブルデバイスを含み、ポータブルデバイスは、ロッドの先端などの物理インジケータを有する、ロッドなどの支持体に取り外し可能に、ただし剛直に取り付けられている。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサ、ディスプレイ、1つまたは複数のプリズムなどの、セルフロケートデバイスの様々な構成要素は、互いに、および、支持体に取り外し可能に取り付け可能であり、これによって、システム全体のカスタマイズ可能性が増大する。
【0110】
この記述は、実施形態の排他的なリストではなく、さらなる実施形態が可能であることに留意されたい。例えば、本明細書に記載されている実施形態の組合せ、または、本明細書に記載されている実施形態の部分が、組み合わされて、追加の実施形態を生成してもよい。
【0111】
記載されている方法は、例示的な動作を含むが、それらは必ずしも、示されている順序で実施される必要はない。動作は、本開示の実施形態の趣旨および範囲に従って、必要に応じて追加、置換、順序変更、および/または排除されてもよい。異なる特徴および/または異なる実施形態を組み合わせた実施形態が、本開示の範囲内にあり、本開示を検討した後に、当業者には明らかになるであろう。
【0112】
いくつかの実施形態において、システムは、測量デバイスおよび少なくとも1つのプロセッサを備える。測量デバイスは、支持体と、支持体に取り付けられているセンサとを備える。センサは、測定データを捕捉するように構成されている。少なくとも1つのプロセッサは、測定データを受信するためにセンサに結合されている。少なくとも1つのプロセッサは、支持体がシーンにおける初期位置に位置するときにセンサによって捕捉される測定データの初期セットに対応するシーンモデルを得、測定データの初期セットおよびシーンモデルに基づいてシーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを決定し、支持体が対応する後続の位置に位置決定するときにセンサによって捕捉される測定データの後続のセットに基づいて、シーンモデルに対する測量デバイスのロケーションを更新するように構成されている。
【0113】
いくつかの実施形態において、シーンを測量する方法は、測量デバイスの支持体の一部であるインジケータを初期位置に配置することと、支持体に取り付けられているセンサによって、シーンの測定データを捕捉することと、インジケータが初期位置にあるときに捕捉される測定データに対応するシーンモデルを得ることと、測量デバイスがシーンにわたって動き回っているときに、シーンモデルに対して測量デバイスを位置特定することとを含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、測量デバイスは、物理インジケータを有するロッドと、ロッドに剛直に取り付けられており、物理インジケータとの所定の空間関係を有する光検出測距(LIDAR)スキャナと、プロセッサまたはデータインターフェースのうちの少なくとも一方とを備える。プロセッサは、ロッドによって支持され、LIDARスキャナに結合されている。データインターフェースは、ロッドによって支持され、LIDARスキャナを外部プロセッサに結合するように構成されている。プロセッサまたは外部プロセッサのうちの少なくとも一方は、LIDARスキャナによって捕捉される測定データに対応するシーンモデルに対して測量デバイスを位置特定するように構成されている。
【0115】
上記は、いくつかの実施形態の特徴を、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように概説している。当業者は、本明細書において紹介されている実施形態の同じ目的を実行し、および/または、同じ利点を達成するために他のプロセスおよび構造を設計または改変するための基礎として、本開示を容易に使用することができることが、当業者には諒解されよう。そのような均等な構築物は、本開示の趣旨および範囲から逸脱しないこと、および、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることも、当業者には認識されよう。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
支持体と、前記支持体に取り付けられているセンサとを備え、前記センサは、測定値の点群を含む測定データを捕捉するように構成されている測量デバイスと、
前記測定データを受信するために前記センサに結合されている少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記支持体が初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの初期セットに対応するシーンモデルを得、
前記測定データの前記初期セットおよび前記シーンモデルに基づいて前記シーンモデルに対する前記測量デバイスのロケーションを決定し、
前記支持体が対応する後続の位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの後続のセットに基づいて、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記シーンモデルを受信し、
前記測定データの(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方を前記シーンモデルに合致させるための変換を計算し、
前記変換を適用して、(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの前記少なくとも一方に対応する前記測量デバイスの前記シーンモデルに対する前記ロケーションを計算するように構成されている。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記変換は、非線形変換、並進、回転、スケーリング、またはせん断のうちの少なくとも1つを含む。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記支持体が前記初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの前記初期セットに基づいて前記シーンモデルを生成するように構成されている。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
(i)前記初期位置または(ii)前記後続の位置のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方は既知のロケーションを有する。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定データに基づいて前記シーンモデルを更新するように構成されている。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記支持体は、前記初期位置および前記後続の位置に配置されるように構成されているインジケータを備え、前記インジケータは、前記支持体の先端であり、
前記センサおよび前記インジケータは、既知のまたは確定可能な空間関係を有し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定データおよび前記センサと前記インジケータとの間の前記空間関係に基づいて、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを決定するように構成されている。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記測量デバイスの前記ロケーションおよび前記センサと前記インジケータとの間の前記既知のまたは確定可能な空間関係に基づいて前記インジケータの現在の位置を決定し、
建設作業が実施されるレイアウト点のロケーションを得、
後に実施される前記建設作業のために前記レイアウト点をマークするように作業者を前記レイアウト点に誘導するために、前記インジケータの前記現在の位置と前記レイアウト点との間の空間関係を決定し、出力するように構成されている。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記支持体は、ロッドであり
記測量デバイスは、
前記ロッドによって支持されている前記少なくとも1つのプロセッサ、
前記ロッドによって支持されており、前記シーンモデルに対する前記測量デバイスの前記ロケーションを表示するように構成されているディスプレイ、
前記ロッドによって支持されており、推測航法を使用することによって前記前記測量デバイスの前記ロケーションを追跡するように構成されているさらなるセンサ、または
前記ロッドによって支持されており、トータルステーションと通信するように構成されているプリズムのうちの少なくとも1つを備える。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、
前記支持体は、ロッドであり
記センサは、光検出測距(LIDAR)スキャナを含み、
測量デバイスは、前記ロッドによって支持されており、前記少なくとも1つのプロセッサに結合されており、推測航法を使用することによって前記前記測量デバイスの前記ロケーションを追跡するように構成されている慣性計測装置(IMU)をさらに備える。
【請求項11】
シーンを測量する方法であって、前記方法は、
測量デバイスの支持体の一部であるインジケータを初期位置に配置することと、
前記支持体に取り付けられているセンサによって、前記シーンの測定データを捕捉することと、
前記インジケータが前記初期位置にあるときに捕捉される前記測定データに対応するシーンモデルを得ることと、
前記測量デバイスが前記シーンにわたって動き回っているときに、前記シーンモデルに対して前記測量デバイスを位置特定することとを含む。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定データを前記捕捉することにおいて、前記測定データは、前記インジケータが静止している間に前記支持体および前記センサが動かされるときに捕捉される。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記初期位置は、前記シーン内で以前にマークされており、または
前記初期位置の前記ロケーションは、前記初期位置に配置されている前記インジケータを有する前記測量デバイスと相互作用するさらなる測量機器によって決定される。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記シーンモデルを前記得ることは、
前記シーンモデルを受信することと、
前記インジケータが前記初期位置にあるときに捕捉される前記測定データを、前記受信されているシーンモデルにマッピングすることとを含み、
前記位置特定することは、前記マッピングに基づいて前記シーンモデルに対する前記測量デバイスのロケーションを決定することを含む。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記シーンモデルを前記得ることは、前記支持体が前記初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの初期セットに基づいて前記シーンモデルを生成することを含む。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
建設作業が実施されるレイアウト点のロケーションを得ることと、
後に実施される前記建設作業のために前記レイアウト点をマークするように作業者を前記レイアウト点に誘導するために、前記インジケータの前記現在の位置と前記レイアウト点との間の空間関係を決定し、表示することとをさらに含む。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定データを前記捕捉することにおいて、前記測定データは、レーザ走査、画像捕捉、または反響定位のうちの少なくとも1つを使用して生成される。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
第1の間隔を置いて、かつ、前記支持体に取り付けられているさらなるセンサによって、前記測量デバイスが前記シーンにわたって動き回っているときに、前記測量デバイスのロケーションを示す情報を定期的に捕捉することと、
前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔を置いて、かつ、前記センサによって、前記測定データを定期的に捕捉することと、
前記センサによって定期的に捕捉される前記測定データを前記シーンモデルと照合することによって前記測量デバイスの前記ロケーションを更新することであって、前記照合は、前記さらなるセンサによって定期的に捕捉される前記情報を、前記測量デバイスの前記ロケーションの推定値として使用する、更新することとをさらに含む。
【請求項19】
測量デバイスであって、
物理インジケータを有するロッドと、
前記ロッドに剛直に取り付けられており、前記物理インジケータとの所定の空間関係を有する光検出測距(LIDAR)スキャナと、
前記ロッドによって支持されており、前記LIDARスキャナに結合されているプロセッサ、または
前記ロッドによって支持されており、前記LIDARスキャナを外部プロセッサに結合するように構成されているデータインターフェースのうちの少なくとも一方とを備え、
前記プロセッサまたは前記外部プロセッサのうちの少なくとも一方は、前記LIDARスキャナによって捕捉される測定データに対応するシーンモデルに対して前記測量デバイスを位置特定するように構成されている。
【請求項20】
請求項19に記載の測量デバイスであって、
前記ロッドによって支持されており、前記プロセッサまたは前記データインターフェースのうちの少なくとも一方に結合されている慣性計測装置(IMU)をさらに備え、
前記プロセッサまたは前記外部プロセッサのうちの少なくとも一方は、前記測量デバイスが動いているときに、
前記LIDARスキャナによって捕捉される前記測定データの前記シーンモデルとの照合を実施するために、前記IMUによって捕捉される情報を前記測量デバイスのロケーションの推定値として使用し、
前記照合に基づいて前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムであって、
前記シーンモデルは、少なくとも1つの物理的物体の幾何学的形状を含む。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記シーンモデルを受信し、
前記測定データの(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも一方を前記シーンモデルに合致させるための変換を計算し、
前記変換を適用して、(i)前記初期セットまたは(ii)前記後続のセットのうちの少なくとも1つ、のうちの前記少なくとも一方に対応する前記測量デバイスの前記シーンモデルに対する前記ロケーションを計算するように構成されている。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記支持体が前記初期位置に位置するときに前記センサによって捕捉される前記測定データの前記初期セットに基づいて前記シーンモデルを生成するように構成されている。
【請求項24】
請求項21に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定データに基づいて前記シーンモデルを更新するように構成されている。
【請求項25】
請求項1に記載のシステムであって、
前記センサは、レーザスキャナを含む。
【請求項26】
請求項1に記載のシステムであって、
前記センサは、反響定位センサを含む。
【請求項27】
請求項10に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測量デバイスが前記初期位置へと動いているときに、または、前記初期位置から前記後続の位置のうちの1つへと動いているときに、または、前記後続の位置のうちの2つの間で動いているときに、
前記LIDARスキャナによって捕捉される前記測定データの前記シーンモデルとの照合の実施において、前記IMUによって捕捉される情報を前記測量デバイスの前記ロケーションの推定値として使用し、
前記照合に基づいて前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【請求項28】
請求項10に記載のシステムであって、
前記IMUは、第1の間隔を置いて、前記測量デバイスが前記初期位置へと動いているときに、または、前記初期位置から前記後続の位置のうちの1つへと動いているときに、または、前記後続の位置のうちの2つの間で動いているときに、前記測量デバイスの前記ロケーションを示す情報を定期的に捕捉するように構成されており、
前記LIDARスキャナは、前記第1の間隔よりも大きい第2の間隔を置いて、前記測定データを定期的に捕捉するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記LIDARスキャナによって前記第2の間隔を置いて定期的に捕捉される前記測定データの前記シーンモデルとの照合の実施において、前記IMUによって前記第1の間隔を置いて定期的に捕捉される前記情報を前記測量デバイスの前記ロケーションの推定値として使用し、
前記照合に基づいて前記測量デバイスの前記ロケーションを更新するように構成されている。
【国際調査報告】