(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】セキュリティ検査システム及びセキュリティ検査方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241217BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20241217BHJP
G01V 8/10 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
B64F1/36
G01V8/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527748
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022081615
(87)【国際公開番号】W WO2023084019
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129504.1
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524176731
【氏名又は名称】ヘルマン クラット コンベヤーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HOERMANN KLATT CONVEYORS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クラット、ペーター
【テーマコード(参考)】
2G105
5L050
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB17
2G105EE01
2G105HH06
2G105JJ03
5L050CC35
(57)【要約】
本発明によるセキュリティ検査システムは、本質的に、
-人に属する荷物を積荷キャリア(2)に預け入れるための1つ以上の預け入れステーション(1a、1b、1c)を有する荷物預け入れ領域(1)と、
-荷物の撮像検査のための荷物検査ステーション(3)と、
-1つ以上の取り出しステーション(6a、6b、6c)を有する荷物受け取り領域(6)と、
-荷物を積載した積荷キャリア(2)を荷物預け入れ領域から、荷物検査ステーション(3)を介して、荷物受け取り領域(6)に搬送し、空の積荷キャリア(2)を荷物預け入れ領域に戻すための搬送システム(8)と、からなり、
少なくとも1つの第1の監視デバイス(15)が、積荷キャリア(2)の積載状態を検出するために、提供された預け入れステーション(1a、1b、1c)の各々に提供され、及び/又は少なくとも1つの第2の監視デバイス(25)が、積荷キャリアの積載状態を検出するために、提供された取り出しステーション(6a、6b、6c)の各々に提供されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティ検査システムであって、
-人に属する荷物を少なくとも1つの積荷キャリア(2)に預け入れるための1つ以上の預け入れステーション(1a、1b、1c)を有する荷物預け入れ領域(1)と、
-前記荷物の撮像検査のための荷物検査ステーション(3)と、
-1つ以上の取り出しステーション(6a、6b、6c)を有する荷物受け取り領域(6)と、
-荷物を積載した前記積荷キャリア(2)を前記荷物預け入れ領域(1)から、前記荷物検査ステーション(3)を介して、前記荷物受け取り領域(6)に搬送し、空の積荷キャリア(2)を前記荷物預け入れ領域(1)に戻すための搬送システム(8)と、を備え、
少なくとも1つの第1の監視デバイス(15)が、前記積荷キャリア(2)の積載状態を検出するために、提供された前記預け入れステーション(1a、1b、1c)の各々に提供されており、及び/又は少なくとも1つの第2の監視デバイス(25)が、前記積荷キャリア(2)の前記積載状態を検出するために、提供された前記取り出しステーション(6a、6b、6c)の各々に提供されていることを特徴とする、セキュリティ検査システム。
【請求項2】
前記預け入れステーション(1a、1b、1c)内の前記第1の監視デバイス(15)が、前記積荷キャリア(2)の特定の積載度の順守を検出するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項3】
前記第1及び/又は第2の監視デバイス(15、25)が、少なくとも1つの検出デバイス及び/又は少なくとも1つのカメラを有することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記第1及び/又は第2の監視デバイス(15、25)が、前記預け入れステーション(1a、1b、1c)における前記積荷キャリア(2)の望ましくない積載状態の事象において、及び/又は前記取り出しステーション(6a、6b、6c)における積荷キャリア(2)が完全に空になっていない事象において、指示を視覚的及び/又は聴覚的に再現するように設計されている情報デバイス(13)並びに/又は入力及び/若しくは出力ユニット(24)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項5】
前記第1の監視デバイス(15)が、前記搬送システム(8)及び/又は提供システム(16)に結合されており、前記荷物の預け入れ中及び/又は積荷キャリア(2)の望ましくない積載状態の事象中に、前記積荷キャリア(2)の取り出しをブロックするように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項6】
前記積荷キャリア(2)が箱状であり、少なくとも1つの開口部を有するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項7】
各預け入れステーション(1a、1b、1c)において、前記人の個人識別子を検出するために第1の識別デバイス(10)が提供され、これが、前記人の前記個人識別子を、前記人の荷物が位置している前記積荷キャリア(2)にリンクさせるためのデータ処理デバイス(11)と相互作用することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項8】
前記荷物受け取り領域(6)が、荷物を積載した複数の積荷キャリア(2)のための少なくとも1つのバッファ(22)を有し、各バッファ(22)が、複数の前記取り出しステーション(6a、6b、6c)を割り当てられ、荷物を積載した積荷キャリア(2)を前記バッファ(22)から前記取り出しステーション(6a、6b、6c)のうちの1つに移送するための提供システム(21)を提供することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項9】
各取り出しステーション(6a、6b、6c)が、前記取り出しステーション(6a、6b、6c)の前に立っている前記人の前記個人識別子を検出するための第2の識別ユニット(20)を備えており、前記第2の識別ユニット(20)が、前記人の前記個人識別子にリンクされた前記積荷キャリア(2)をこの取り出しステーション(6a、6b、6c)に移送するために、前記提供システム(21)にリンクされていることを特徴とする、請求項8に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項10】
前記搬送システム(8)が、完全に空になっていない及び/又は汚れている積荷キャリア(2)を排出するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項11】
入力及び/又は出力ユニット(24)が、提供された前記取り出しステーション(6a、6b、6c)に提供されており、ユニットが、前記人に情報を提供し、及び/又は前記人による前記積荷キャリア(2)の空にするプロセスを確認するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項12】
センサユニットが、提供された前記取り出しステーション(6a、6b、6c)に提供され、ユニットが、前記取り出しステーション(6a、6b、6c)の前に位置する前記人の存在を判定するように設計されており、前記センサユニットが前記取り出しステーション(6a、6b、6c)の前に人を検出せず、前記積荷キャリアが空である場合、空にされた前記積荷キャリア(2)を搬出することによって空にするプロセスが完了するように、前記第2の監視ユニット(25)及び前記提供システム(21)にリンクされていることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項13】
前記荷物預け入れ領域(1)又は各預け入れステーション(1a、1b、1c)が、人のためのブロック可能な出口を提供し、前記出口が、望ましくない積載状態の検出時にブロックされ得ることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ検査システム。
【請求項14】
セキュリティ検査方法であって、請求項1に記載のセキュリティ検査システムが使用されることを特徴とし、
-1つ以上の預け入れステーション(1a、1b、1c)を有する荷物預け入れ領域(1)内の人が、預け入れステーション(1a、1b、1c)に提供された少なくとも1つの積荷キャリア(2)内に自分の荷物を預け入れ、
-前記荷物が、荷物検査ステーション(3)において撮像調査を受け、
-前記人が、1つ以上の取り出しステーション(6a、6b、6c)を有する荷物受け取り領域(6)において自分の荷物を受け取り、
-荷物を積載した前記積荷キャリア(2)が、前記荷物預け入れ領域(1)から、前記荷物検査ステーション(3)を介して、前記荷物受け取り領域(6)に搬送され、空の前記積荷キャリア(2)が、前記荷物預け入れ領域(1)に戻るように搬送され、
提供された前記預け入れステーション(1a、1b、1c)の各々において、前記積荷キャリア(2)の前記積載状態が、少なくとも1つの第1の監視デバイス(15)によって監視され、及び/又は、提供された前記取り出しステーション(6a、6b、6c)の各々において、前記積荷キャリア(2)の前記積載状態が、少なくとも1つの第2の監視デバイス(25)によって監視されることを特徴とする、セキュリティ検査方法。
【請求項15】
各預け入れステーション(1a、1b、1c)において、前記人の個人識別子が、第1の識別デバイス(10)によって検出され、前記人の前記個人識別子が、データ処理デバイス(11)によって、前記人の荷物が位置する前記積荷キャリア(2)にリンクされることを特徴とする、請求項14に記載のセキュリティ検査方法。
【請求項16】
-前記人が、入力ユニットを介して、前記積荷キャリア(2)への前記荷物の積載の完了を確認し、次いで、前記積荷キャリア(2)が搬出されるか、又は
-前記人が、前記積荷キャリア(2)のカバーを閉じることによって前記荷物の前記積載の前記完了を合図し、その後、前記積荷キャリア(2)が搬出されるか、又は
-前記第1の監視デバイス(15)が、前記積荷キャリア(2)内の荷物を検出し、センサユニット(15)が、前記預け入れステーション(1a、1b、1c)に人がいないと判定し、その後、前記積荷キャリア(2)が、搬出されることを特徴とする、請求項14に記載のセキュリティ検査方法。
【請求項17】
-前記取り出しステーション(6a、6b、6c)において前記積荷キャリア(2)を空にした後、前記人が、入力ユニット(24)において入力を行うことによって空にするプロセスを完了し、前記積荷キャリア(2)が、その後、搬出され、及び/又は
-前記第2の監視ユニット(25)が空の積荷キャリア(2)を検出し、センサユニットが取り出しステーション(6a、6b、6c)に人がいないことを判定することによって、前記取り出しステーション(6a、6b、6c)における前記積荷キャリア(2)の前記空にするプロセスが自動的に終了し、前記積荷キャリア(2)が、搬出されることを特徴とする、請求項14に記載のセキュリティ検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の荷物を検査するためのセキュリティ検査システム及びセキュリティ検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人、具体的には、乗客及び乗客の手荷物のセキュリティ検査は、全てのフライトの不可欠な部分である。欧州内又は国際便であるかに関わらず、関連する設備の手順及び外観は、ここ数十年で更なる発展の実体がなく、これは、特に、使用される機器及び従うべき手順を指定する公式要件によるものである。しかし、近年、技術革新が検討されており、手荷物検査用の画像を生成するためのコンピュータ断層撮影の使用など、より近代的な技術の使用が次第に承認されてきている。
【0003】
航空乗客数の増加により、空港オペレータが、プロセスの自動化及び監視を通じて、セキュリティ検査の効率を増加させ、人件費を低減させることに関心が高まっている。
【0004】
欧州特許第2684166(B1)号は、この目的のための自動乗客検査システムを提案しており、このシステムでは、乗客は、荷物預け入れ領域において積荷キャリアに自分の荷物を預け、乗客の個人識別子が検出され、積荷キャリアにリンクされる。荷物が撮像荷物検査を受ける間、乗客は個人検査を受ける。次いで、乗客は、荷物受け取り領域に行き、そこで、乗客の個人識別子にリンクされた積荷キャリアが、空にするために利用可能になる。
【0005】
国際公開第2020/249192(A1)号はまた、積荷キャリアの積載状態及び汚れの程度を判定するように設計されている荷物受け取り領域の後に検査デバイスを提供する自動セキュリティ検査システムを開示する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、セキュリティ検査の効率を更に増加させる目的に基づく。
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1及び14の特徴によって達成される。
【0008】
本発明によるセキュリティ検査システムは、本質的に、
-人の荷物を少なくとも1つの積荷キャリアに預け入れるための1つ以上の預け入れステーションを有する荷物預け入れ領域と、
-荷物の撮像検査のための荷物検査ステーションと
-1つ以上の取り出しステーションを有する荷物受け取り領域と、
-荷物を積載した積荷キャリアを荷物預け入れ領域から、荷物検査ステーションを介して、荷物受け取り領域に搬送し、空の積荷キャリアを荷物預け入れ領域に戻すための搬送システムと、からなり、
積荷キャリアの積載状態を検出するための少なくとも1つの第1の監視デバイスが、提供された預け入れステーションの各々において提供され、及び/又は、積荷キャリアの積載状態を検出するための少なくとも1つの第2の監視デバイスが、提供された取り出しステーションの各々に提供されている。
【0009】
本発明によるセキュリティ検査方法は、以下の方法:
-1つ以上の預け入れステーションを有する荷物預け入れ領域にいる人が、自分の荷物を預け入れステーションに提供された少なくとも1つの積荷キャリアに預け入れるステップと、
-荷物が、荷物検査ステーションにおいて撮像調査を受けるステップと、
-人が、1つ以上の取り出しステーションを有する荷物受け取り領域において自分の荷物を受け取るステップと、
-荷物を積載した積荷キャリアが、荷物預け入れ領域から、荷物検査ステーションを介して、荷物受け取り領域に搬送され、空の積荷キャリアが、荷物預け入れ領域に戻るように搬送されるステップと、を特徴とする。
【0010】
加えて、提供された預け入れステーションの各々において、積荷キャリアの積載状態が、少なくとも1つの第1の監視デバイスによって監視され、及び/又は、提供された取り出しステーションの各々において、積荷キャリアの積載状態が、少なくとも1つの第2の監視デバイスによって監視される。
【0011】
従来のX線機械が、多くの場合依然として、荷物検査ステーションにおいて荷物を撮像するために使用されているが、これらはますます、はるかに効果的なコンピュータ断層撮影装置によって置き換えられつつある。両方の場合において、デバイスは、制限された入口開口部を有するので、積荷キャリア(搬送ボックス)の正確な積載状態が、荷物検査ステーションを通る荷物を積載した積荷キャリアの円滑な搬送を確実にするために観察されなければならない。したがって、本発明によれば、積載状態は、現在自分の荷物を預け入れている人に、不正確な積載を適時に認識させて、正確に荷物を積載するように促すために、各預け入れステーションで既に監視されている。
【0012】
対応する様式で、第2の監視デバイスもまた、取り出しステーションに立っている人に、例えば、全ての物体が積荷キャリアからまだ取り出されていないことを認識させるために、各取り出しステーションに提供される。積荷キャリアが第2の監視デバイスによって空であると検出された場合、積荷キャリアの搬出もまた自動的に開始することもできるので、乗客は、物品を取り出した後に取り出しプロセスを手動で終了する必要がない。
【0013】
本発明の更なる実施形態は、従属請求項の主題である。
【0014】
預け入れステーション内の第1の監視デバイスは、好ましくは、積荷キャリアの特定の積載度の順守を検出するために使用されるが、積荷キャリアの内容を記録するために使用することもできる。例えば、荷物が積荷キャリアの寸法を超えて延在していないことを確認することができる。しかし、最大積載限界を特定するマーキングを積荷キャリア内に提供することもでき、第1の監視デバイスは、最大積載限界を超えていないことを確認する。しかし、第1の監視デバイスは、預け入れた物品を認識するように設計することもでき、このため、預け入れ中に、携帯電話、鍵、ベルトなどの典型的な物品について、これらがまだ積荷キャリア内にない場合に尋ねることができる。
【0015】
また、第1の監視デバイスが積荷を認識し、可能な限り最も効率的な積み込みを可能にするために、個々の物品をどのように配置するかについて助言を与えることも考えられる。加えて、第1の監視デバイスは、液体又は武器などの禁制品を認識し、それらに注意を引くか、又は警備員への通知を開始するように設計することができる。加えて、動物又は乳児を識別し、報告することができる。
【0016】
第2の監視デバイスは、具体的には、積荷キャリア内に依然として物体が存在することを適時に示すために、取り出しプロセスを監視するために使用される。これは、例えば、適切な様式で聴覚的又は視覚的に示すことができる。
【0017】
任意の好適な検出デバイス、具体的には、カメラが、第1及び第2の監視デバイスのために考慮され得る。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1及び/又は第2の監視デバイスは、積荷キャリアの積載状態に関する指示を視覚的及び/又は聴覚的に表示するための情報デバイスを備える。このようにして、預け入れステーションにおける望ましくない積載状態、具体的には、所定のマーキングを越えて突出する荷物一式に注意を向けることができる。視覚的には、例えば、着色光を使用して、指示を行うことができる。例えば、預け入れステーションにおける積荷キャリアは、最初は緑に照明され、望ましくない積載状態に達するとすぐに照明が赤に変化する。加えて、又は代替的に、ディスプレイ上の好適な指示又は点滅アイコンもまた通信することができる。
【0019】
取り出しステーションでは、具体的に、まだ完全に空にされていない積荷キャリアに注意を向けることができる。ここでも、着色光による指示の視覚的表現が考えられ、取り出しステーションにおける積荷キャリアは、最初に赤に照明され、最後の物体が取り出されるとすぐに照明が緑に変化する。しかし、ディスプレイ上の好適な指示又は点滅アイコンも、それに加えて、又は代替的に考えられる。
【0020】
更に、第1の監視デバイスは、荷物の預け入れ中及び/又は積荷キャリアの望ましくない積載状態の事象において、積荷キャリアの取り出しをブロックするために、搬送システム及び/又は提供システムに結合され得る。
【0021】
人のためのブロック可能な出口は、任意選択的に、荷物預け入れ領域又は各預け入れステーションに提供することができ、この出口は、望ましくない積荷状態、例えば、積荷キャリアの寸法を超えて突出する荷物が検出された場合、ブロックすることができる。このようにして、人は、再度自分で積荷キャリアに正確に積載することができ、そうしなければ積荷キャリアが搬出されず、したがって、受け取りステーションが次の人に利用可能にならない。
【0022】
積荷キャリアは、好ましくは、箱形状であり、少なくとも1つの開口部を有し、積荷キャリアの寸法は、積荷キャリアが、一方では可能な限り大きく作られ、他方では困難なくコンピュータ断層撮影装置を通って搬送され得るように、荷物検査ステーション又はコンピュータ断層撮影装置の入口開口部に都合よく適合される。更に、積荷キャリアは、自動的に、又は積荷キャリア内に荷物を積み込んだ人によるいずれかで、カバーで閉じられるように任意選択的に提供され得る。
【0023】
荷物検査ステーションでは、好ましくは、コンピュータ断層撮影装置が、使用され、コンピュータ断層撮影装置は、従来のX線機械と比較して著しく大きい入口開口部によって特徴付けられ、その結果、積荷キャリアをより大きくすることができ、より多くの荷物を積載することができ、これは、通常、1人当たり1つの積荷キャリアが十分であることを意味する。加えて、荷物を調査するための視覚的表現が、著しく改善される。C3規格に従って認証されるコンピュータ断層撮影装置の場合、ラップトップ、タブレット、又はカメラなどのより大きい電子デバイス、並びに液体は、荷物検査中、手荷物内に留まることができ、荷物をキャリア内に収納することをより容易かつ迅速にする。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、人の個人識別子、具体的には、生体認証特徴を検出するための第1の識別デバイスが、各預け入れステーションに提供され、この第1の識別デバイスは、人の個人識別子を、その人の荷物が位置する積荷キャリアとリンクさせるためのデータ処理デバイスと協働する。このため、各預け入れステーションにおいて、人の個人識別子は、第1の識別デバイスによって検出することができ、人の個人識別子は、データ処理デバイスによって、人の荷物が位置する積荷キャリアにリンクされる。
【0025】
このようにして、荷物を積載した積荷キャリアは、荷物が属する人に明確に割り当てられる。第1の識別デバイスは、人の個人識別子を初めて検出するように設計され得るか、又は個人識別子が既にシステム内に記憶されている場合、人を識別するために使用することができる。例えば、人の個人識別子は、空港の建物に入るとき、又は大きい荷物を預け入れるときに検出され得る。また、人が、例えば、スマートフォンを使用して旅行に先立って自分の個人識別子を生成し、それを航空会社にアップロードすることも考えられる。個人の生体認証特性に加えて、搭乗券上のコードなどの他の個人識別子も考えられる。しかし、生体認証特徴は、それらがカメラで容易に捕捉され得るという利点を有し、人が搭乗券又は何らかの他のトークンをスキャンさせる必要性を排除する。
【0026】
人が提供された積荷キャリア内に自分の荷物を積み込んだ場合、プロセスを終了するための以下のオプションが、具体的に可能である。
【0027】
人は、入力ユニットを使用して、荷物が積荷キャリア内に収納されていることを確認することができ、その後、積荷キャリアは搬出される。しかし、人が積荷キャリアのカバーを閉じることによって荷物の預け入れの完了を合図し、その後、積荷キャリアが搬出されることも考えられる。最後に、第1の監視デバイスが積荷キャリア内の荷物を検出し、例えば、第1の識別ユニットによって形成されるセンサユニットが、所定の期間にわたって預け入れステーションにもはや人がいないことを判定し、その後、積荷キャリアが搬出されることも考えられる。
【0028】
更に、荷物を積載した複数の積荷キャリアのための少なくとも1つのバッファが、荷物受け取り領域に提供され得、複数の取り出しステーションが、各バッファに割り当てられ、荷物を積載した積荷キャリアをバッファから取り出しステーションのうちの1つに移送するための提供システムが、提供され得る。したがって、人々は特定の取り出しステーションに行く必要はなく、次に利用可能になる取り出しステーションを自由に選択することができる。しかし、利用可能な取り出しステーションの数に応じて、人は、荷物受け取り領域の特定のゾーンに行くように指示され得、各ゾーンにはいくつかの受け取りステーションが割り当てられている。
【0029】
正確な積荷キャリアが提供されることを確実にするために、各取り出しステーションは、好ましくは、取り出しステーションの前に立っている人の個人識別子を検出するための第2の識別ユニットを備え、第2の識別ユニットは、人の個人識別子にリンクされた積荷キャリアをこの取り出しステーションに移送するために提供システムにリンクされる。加えて、入力及び/又は出力ユニット、具体的には、モニタ及び拡声器が、提供された取り出しステーションに提供され、これらのユニットは、人に情報を提供するように、及び/又は人による積荷キャリアを空にするプロセスを確認するように設計される。入力及び/又は出力ユニットを介して、人は、具体的には、積荷キャリア内に荷物/物体一式がまだ存在することを認識することができる。適切な認識ソフトウェアを使用して、人々は、例えば、「あなたの携帯電話をお持ち帰り下さい」という警告がなされることによって、忘れた物品に対して具体的に警告され得る。完全に取り出した後、例えば、乗客は、良いフライトを祈願されることができ、及び/又は出発ゲートは、この情報が利用可能である場合、表示され得る。別のオプションは、追加の収入源を提供する広告を表示することである。
【0030】
有利な実施形態では、センサユニットが、提供された取り出しステーションにおいて提供され得、このユニットは、例えば、第2の識別ユニットによって形成され、これが取り出しステーションの前に位置する人の存在を判定するように設計され、センサユニットが取り出しステーションの前に人を検出せず、積荷キャリアが空である場合に、空になった積荷キャリアを搬出することによって空にするプロセスが完了するように、第2の監視ユニット及び提供システムにリンクされる。このようにして、取り出しステーションは、できるだけ迅速に次の人が利用可能にすることができる。
【0031】
もちろん、取り出しステーションにおいて積荷キャリアを空にした後、人が入力ユニットにおいて入力を行うことによって、又は蓋若しくはカバーを閉じることによって空にするプロセスを完了し、次いで積荷キャリアを搬出することも考えられる。
【0032】
本発明の文脈では、荷物受け取り領域はまた、荷物検査ステーション内で対象となる荷物のためのフォローアップ検査領域を有することができ、好ましくは、上で説明された取り出しステーションのうちの少なくとも1つが、フォローアップ検査領域内に提供される。しかし、フォローアップ検査ステーションでは、再識別を省くことが可能であり得る。
【0033】
更に、搬送システムは、完全に空になっていない及び/又は汚れている積荷キャリアを排出して、そのような積荷キャリアが預け入れステーションのうちの1つに到達することを防止するように設計され得る。次いで、かかる積荷キャリアは、サービスステーション又は遺失物ステーションに移送される。積荷キャリアは、関連する人の個人識別子にリンクされているので、その人は、具体的にページングされ、遺失物ステーションに行くように求められ得る。
【0034】
しかし、本発明の文脈では、汚れた及び/又は完全に空になっていない積荷キャリアが、空いているフォローアップ検査ステーションに搬送され、従業員によってそこで清掃され得るか、又は乗客がそこで忘れられた物品を受け取ることも考えられる。ここで、完全に空になっていない積荷キャリアがフォローアップ検査領域のバッファシステム内に残り、次いで、正確な乗客が現れたときに利用可能になる可能性もある。
【0035】
従来の預け入れ及び取り出しステーションでは、荷物は、保安要員の存在下で預け入れられ、かつ受け取られる。上で説明されたシステム/方法では、保安要員が各預け入れ又は取り出しステーションに存在する必要はもはやない。多くの場合、保安要員が各々複数の預け入れステーション又は取り出しステーションに責任を有することで十分である。したがって、本発明によるシステム/方法は、預け入れステーション及び取り出しステーションがほとんど人員を必要としないか、又は全く人員を必要としないので、多大な人員の節約によっても特徴付けられる。1人の検査者が2つのフォローアップ検査ステーションを操作することも考えられるが、手動フォローアップ検査であっても、各フォローアップ検査ステーションは、1人の検査者のみを必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の更なる実施形態及び利点は、以下の説明及び図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】セキュリティ検査システムのブロック図である。
【
図2】預け入れステーションを有する荷物預け入れ領域の詳細の概略図である。
【
図3】取り出しステーションを有する荷物受け取り領域の詳細の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、ブロック図として示される、本発明によるセキュリティ検査システムの例示的実施形態を示す。それは、積荷キャリア2に荷物を預け入れるための1つ以上の預け入れステーション1a、1b、1cを有する荷物預け入れ領域1を提供する。荷物を積載した積荷キャリア2は、荷物の撮像調査のために荷物検査ステーション3に供給され、そこではコンピュータ断層撮影装置が、好ましくは、使用される。
【0038】
荷物検査中、人は、人検査ステーション4に行く。例えば、金属検出器及び身体走査デバイス並びに他のデバイスをここで使用することができる。
【0039】
人検査ステーション4は、好ましくは、荷物の状態と人の検査との間の同期を、目標とする様式で制御することができる待ち行列システム及び経路システムを有する。このため、個人検査が完了した後、人は、自分に割り当てられた積荷キャリアを受容し、かつ空にするために1つ以上の取り出しステーション6a、6b、6cを有する荷物受け取り領域6に行くべきか、又は自分の荷物の手動フォローアップ検査のためにフォローアップ検査領域7に行くべきかに関する情報を情報デバイス5で受容する。人の経路は、実線矢印で例解されている。
【0040】
破線の矢印は、積荷キャリア2を荷物預け入れ領域1から荷物検査ステーション3を介して荷物受け取り領域6又はフォローアップ検査領域7に搬送し、空の積荷キャリアを荷物預け入れ領域1に戻すための搬送システム8を示す。荷物検査ステーション3の後、荷物検査ステーション3で対象とされた荷物をフォローアップ検査領域7に迂回させるためのスイッチ9が提供される。スイッチに達するまでに、荷物検査ステーション(CTデバイス)のオペレータは、フォローアップ検査が必要であるか否かについて決定しなければならない。時間内に決定がなされない場合、積荷キャリア2は、自動的にフォローアップ検査領域7に送られるので、荷物受け取り領域6への経路上でいくつかの対象荷物と非対象荷物とが混在することはない。
【0041】
戻り搬送経路の領域には、完全に空になっていない及び/又は汚れた積荷キャリア2’を排出するためにデバイス18が提供される。汚れた積荷キャリアはサービスステーション(詳細には図示せず)に送られるが、完全に空になっていない積荷キャリアは、遺失物ステーションに送られる。積荷キャリアは、それらが属する人の個人識別子にリンクされているので、その人は、具体的にページングされ、遺失物ステーションに行くように求められ得る。
【0042】
図2を参照して、荷物預け入れ領域1は、預け入れステーション1aの例を使用して以下により詳細に説明される。それにより、預け入れステーション1aは、人の個人識別子(具体的には、生体認証特徴)を検出するための第1の識別デバイス10を有し、これは、好ましくは、カメラとして設計される。人の個人識別子は、データ処理デバイス11によって、預け入れステーション1aに提供された積荷キャリア2にリンクされ、積荷キャリアに取り付けられた識別子が、読み取りデバイス(詳細には図示せず)で読み取られ、人の個人識別子にリンクされる。積荷キャリア上の識別子は、例えば、RFID、QRコード、又は同様のマーキングによって形成され得る。
【0043】
人の個人識別子が検出されるとすぐに、カバー12が開き、積載のために積荷キャリアを解放する。例解された実施形態では、積荷キャリアは、箱形状であり、上部が開く。次いで、人は積荷キャリアに自分の荷物を積み込むことができ、具体的には、モニタ及びスピーカを備える第1の情報デバイス13を介して、視覚的及び/又は聴覚的指示を人に与えることができる。具体的には、このようにして、指定された最大積載限界を超えてはならないことを指摘することができる。この目的のために、積荷キャリアは、対応するマーキングを有することができる。しかし、積荷キャリア2は、荷物14が積荷キャリア2の寸法を超えて突出しないように積載され得ることも考えられる。
【0044】
例えば、カメラによって形成される第1の監視デバイス15は、積荷キャリア2の積載状態を検出し、望ましくない積載状態の事象では、対応する指示が、第1の情報デバイス13を介して与えられる。示される例では、荷物14は積荷キャリア2の寸法を超えて突出しているので、人は荷物を正確に収納するか、又は第2の積荷キャリアを要求するように求められ得る。また、人がトラブルに対応している場合、従業員に援助を要求するオプションもある。
【0045】
荷物が積荷キャリア2に適切に積み込まれている場合、荷物の預け入れプロセスは、積荷キャリア2の自動搬出を開始することができるように、預け入れステーション1aにもはや人がいないことを示す検査によって、具体的には、指定された時間後に、自動的に完了することができる。しかし、人が積荷キャリアをカバー又は蓋で閉じるようにすることも提供され得、積荷キャリアの任意のかかるカバーはまた、自動的に持ち上げられ、定位置に置かれ得る。代替的に、閉鎖することは、ボタンを押圧することによって、又は同様の様式で完了することができる。人が確認なしに受け取りステーションを離れる場合、彼らは、第1の情報デバイス13を介して確認を行うように促されてもよい。それにも関わらず人が離れようとする場合、ブロック可能な出口によって場合によっては防止され得、指定された時間が経過した後に自動搬出を開始することができる。
【0046】
搬出に関して、まずカバー12が閉じられ、及び/又はゲート17が開いて、積荷キャリア2が搬出されることを可能にする。積荷キャリア2の搬送は、搬送システム8及び/又は搬送システム8に接続された提供システム16を介して行われ、第1の監視デバイス15は、積荷キャリア2の望ましくない積載状態が検出された場合、預け入れステーション1aからの積荷キャリア2の搬出がブロックされる(ゲート17が閉じたままである)ように、提供システム16及び/又は搬送システム8に結合される。荷物を積載した積荷キャリア2は、次いで荷物検査ステーション3に供給され、一方で人は、人検査ステーション4に行く。
【0047】
預け入れステーション1aには、戻された空の積荷キャリア2のためのバッファ領域19が割り当てられており、預け入れステーション1cでは、次の空の積荷キャリアが、搬送システム8又は提供システム16を介して提供される。
【0048】
以下において、荷物受け取り領域6は、
図3を参照して、取り出しステーション6aの例を使用してより詳細に説明される。
【0049】
取り出しステーション6aは、基本的に、預け入れステーション1aと同様に又は同一に構成することができる。それにより、取り出しステーション6aは、取り出しステーションの前に立っている人の個人識別子を検出するための第2の識別デバイス20を有し、第2の識別ユニット20は、人の個人識別子にリンクされた積荷キャリア2をこの取り出しステーション6aに移送するために、第2の提供システム21にリンクされる。この目的のために、荷物受け取り領域6は、荷物を積載した複数の積荷キャリア2のための少なくとも1つのバッファ22を有し、複数の取り出しステーション、例えば、取り出しステーション6a、6b、及び6cがバッファ22に割り当てられる。第2の提供システム21は、荷物を積載した積荷キャリア2をバッファ22から取り出しステーション6a、6b、6cのうちの1つに移送するように設計され、バッファ22は、積荷キャリア2がバッファ22に導入された順序に関わらず、積荷キャリア2を関連する受け取りステーションの各々に任意の順序で移送させることができる。したがって、荷物を受け取りたい人は、現在空いている任意の取り出しステーション6a、6b、6cに行くことができ、そこで第2の識別デバイス20によって識別され、その結果、自分の個人識別子にリンクされた積荷キャリア2が、バッファ22からこの取り出しステーションに移送される。
【0050】
関連する積荷キャリア2が取り出しステーション内に提供されるとすぐに、カバー23が開き、積荷キャリア2を荷物を降ろすためにアクセス可能にする。情報は、入力及び/又は出力ユニット24を介して人に提供され得る。例えば、カメラによって形成される第2の監視デバイス25は、積荷キャリア2の積載状態を検出する。入力及び/又は出力ユニット24を介して、人は、具体的には、積荷キャリア2内にいくつかの荷物/物体がまだあることを認識することができる。完全に取り出した後、例えば、乗客は、良いフライトを祈願されることができ、及び/又は出発ゲートが表示され得る。
【0051】
有利な実施形態では、センサユニットが、存在する取り出しステーションにおいて提供され得、このユニットは、例えば、第2の識別ユニット20によって形成され、これが取り出しステーションの前に位置する人の存在を判定するように設計され、センサユニットが取り出しステーション6aの前に人を検出せず、積荷キャリア2が空である場合に、空になった積荷キャリア2を取り出すことによって空にするプロセスが完了するように、第2の監視ユニット25及び第2の提供システム21にリンクされる。このようにして、取り出しステーションは、できるだけ迅速に次の人が利用可能にすることができる。
【0052】
取り出しプロセスが完了すると、カバー23が閉じ、及び/又はゲート26が開いて、積荷キャリア2が搬出されることを可能にする。積荷キャリア2の搬送は、第2の提供システム21及び/又は搬送システム8を介して行われ、第2の監視デバイス25は、積荷キャリア2内にまだ物体がある場合に、取り出しステーション1aからの積荷キャリア2の取り出しがブロックされる(ゲート26は閉じたままである)ように、第2の提供システム21及び/又は搬送システム8に結合される。積荷キャリア2が空である場合、荷物預け入れ領域1への戻り搬送が開始される。次の取り出しプロセスは、次いで、取り出しステーションの前に立っている次の人の第2の識別デバイス20による検出によって開始することができる。
【0053】
本発明の好ましい実施形態によれば、取り出しステーション6a、6b、6c内の第2の監視デバイス25はまた、例えば、漏出した液体による積荷キャリア2の汚れを検出することもできる。次いで、汚れた積荷キャリアをデバイス18(
図1)で排出することができる。排出はまた、空になることが完了する前に、人が取り出しステーション6a、6b、6cを離れると想定される場合、空になっていない、又は完全に空になっていない積荷キャリアの場合にも起こり得る。
【国際調査報告】