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特表2024-546450マイクロ流体デバイスおよびマイクロ流体検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】マイクロ流体デバイスおよびマイクロ流体検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20241217BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20241217BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20241217BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
B81B1/00
B01J19/00 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529121
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021137127
(87)【国際公開番号】W WO2023102900
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517110612
【氏名又は名称】ビージーアイ シェンチェン
【住所又は居所原語表記】Main building, Beishan Industrial Zone, Yantian Street, Yantian District, Shenzhen, Guangdong 518083, China
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】趙 振涛
(72)【発明者】
【氏名】張 宇▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】黎 宇翔
(72)【発明者】
【氏名】云 全新
(72)【発明者】
【氏名】董 宇亮
(72)【発明者】
【氏名】章 文蔚
(72)【発明者】
【氏名】徐 訊
【テーマコード(参考)】
2G058
3C081
4G075
【Fターム(参考)】
2G058CC05
2G058CC19
2G058DA07
2G058GA11
3C081AA01
3C081AA11
3C081BA03
3C081BA22
3C081BA23
3C081BA25
3C081BA30
3C081BA74
3C081DA27
3C081EA27
3C081EA29
4G075AA13
4G075AA39
4G075AA65
4G075BA10
4G075DA02
4G075EB50
4G075EC09
4G075FA01
4G075FA12
4G075FA14
4G075FC01
4G075FC04
4G075FC11
(57)【要約】
本体(100)と、本体(100)内に設けられた液体流路(201)とを含み、本体(100)にはまた、液体流路(201)と連通する流体入力ポート(103)が設けられ、流体入力ポート(103)の配置位置には感知領域(301)が含まれていない、マイクロ流体デバイスおよびマイクロ流体検出装置。前記マイクロ流体デバイスおよび前記マイクロ流体検出装置は操作が容易であり、感知領域(301)上に液体注入孔を直接開けることに起因する気泡の導入という課題を効果的に解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に設けられた液体流路とを含み、
前記本体には、感知領域が設けられ、
前記本体にはまた、前記液体流路と連通する流体入力ポートが設けられ、前記流体入力ポートの配置位置には前記感知領域が含まれていない、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記本体にはまた、オンオフ装置が設けられ、前記オンオフ装置を使用して前記液体流路内の液体の流れおよび遮断を制御する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
前記オンオフ装置内には、前記液体流路と連通可能な流路が設けられ、前記オンオフ装置は前記本体に対して移動することにより、前記流路と前記液体流路とを連通するか否かを制御する、請求項2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記本体内にはまた、少なくとも1つの中空の封止チャンバが設けられ、少なくとも1つの封止チャンバの上部には流通膜が設けられ、前記封止チャンバと前記液体流路は前記流通膜を共有する、請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記本体には、少なくとも1つの液体通過ポートが設けられ、前記液体通過ポートは前記封止チャンバと連通する、請求項4に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記封止チャンバの底部には、封止部材または導電性部材が設けられ、前記導電性部材を使用して電気信号を伝達する、請求項5に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記封止チャンバは、互いに連通するキャビティAとキャビティBとを少なくとも含み、前記キャビティAおよび前記キャビティBの上方にはそれぞれ液体を供給または排出するための少なくとも1つの液体通過ポートが設けられている、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記キャビティAの底部には、前記導電性部材が設けられている、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記キャビティBの上部には、前記流通膜が設けられ、前記キャビティBの底部には、前記封止部材が設けられている、請求項8に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
前記キャビティAは紡錘状の構造を有し、前記液体流路の一方の側に配置され、前記キャビティBは前記液体流路の下方に配置され、前記液体流路とは反対側の前記キャビティAの先端は前記キャビティBと連通する、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記流体入力ポートには、流体貯蔵装置が協働および連通するように設けられ、前記流体貯蔵装置の上端が開口を開き、前記流体貯蔵装置の下端が前記流体入力ポートと連通する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
前記流体貯蔵装置は前記本体に着脱可能に設けられ、前記流体貯蔵装置の内部は漏斗型構造を有する、請求項11に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
前記感知領域の位置に対応する前記本体の部分が透明である、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
前記本体はまた、内部に収集領域が設けられ、前記収集領域は前記液体流路の後端と連通し、前記収集領域の上方には液体排出ポートが開口する、請求項13に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項15】
前記収集領域は、螺旋構造または蛇行構造を有する、請求項14に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項16】
前記本体は互いに接続された上プレートと下プレートとを含み、前記液体流路は前記上プレートと前記下プレートとの間に形成された空洞であり、前記液体流路の底部は前記下プレートの上面の一部であり、
前記液体流路の上部は前記上プレートの下面の一部である、請求項1~15のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項17】
前記感知領域の位置に対応する前記上プレートの部分は前記下プレートに向かって凹んでおり、前記感知領域の位置に対応する前記下プレートの部分はくり抜かれている、請求項16に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項18】
前記収集領域の上方にはまた、通気孔が設けられている、請求項16に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項19】
前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置との間に制御弁が設けられ、前記制御弁を使用して、前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置とを連通するか否かを制御する、請求項17に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイスと、
さらに、前記本体に接続され、前記感知領域に対応する感知装置とを含み、
前記感知装置は前記液体流路と重なり合う部分を有し、前記液体流路内の前記液体がそれを通って流れることができる、マイクロ流体検出装置。
【請求項21】
前記感知装置と前記本体との間に封止要素が設けられている、請求項20に記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項22】
前記感知装置は前記下プレートに着脱可能に接続され、前記封止要素は前記感知装置に着脱可能に接続される、請求項20に記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項23】
前記感知装置がキャリアプレートと前記キャリアプレートの上方に設けられた感知チップとを含み、前記感知チップは前記感知領域内の前記液体流路に対応する、請求項20~22のいずれか一項に記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項24】
前記封止要素は封止シートであり、前記封止シートには貫通孔が開けられており、前記液体流路と前記感知チップとは、前記貫通孔を介して連通する、請求項23に記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項25】
前記貫通孔の断面積は前記感知チップの上面面積よりも小さく、前記貫通孔の縁部は前記感知チップの上方に位置する、請求項24に記載のマイクロ流体検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ流体の技術分野に関し、特に、マイクロ流体デバイスおよびマイクロ流体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体技術は複雑な流体を微細な次元で制御、操作、検出する技術であり、マイクロエレクトロニクス、マイクロマシン、バイオエンジニアリング、およびナノテクノロジーに基づいて開発された新たな学際的分野である。生物学、化学、および材料などの科学的実験では、多くの場合、流体を操作する必要があり、サンプルDNAの調製、液体クロマトグラフィー、PCR反応、電気泳動検出などの操作がすべて液相環境で実行される。
【0003】
サンプル調製、生化学反応、および結果検出などの工程がバイオチップ上に統合される場合、実験で使用される流体の量は、通常、ミリリットルレベルからマイクロリットルレベルに低減されるため、操作上のニーズを満たすために特殊化されたマイクロ流体デバイスを必要とする。マイクロ流体デバイスは、軽量で、サンプル/試薬の使用量が少なく、反応速度が速いなどの利点を有し、バイオテクノロジー研究において広く使用されている。
【0004】
しかしながら、従来技術のマイクロ流体デバイスは通常、試薬またはサンプルを添加するために感知領域上に液体注入孔(すなわち、図1aおよび図1bの33)を開ける必要があり、これにより感知領域内に気泡が簡単に導入され、操作が容易ではなくなる。
【0005】
そこで、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術のマイクロ流体デバイスにおける感知領域に液体注入孔を開けることに起因する気泡の導入という課題を解決するためのマイクロ流体デバイスおよびマイクロ流体検出装置を提供する。
【0007】
上記課題を解決し、生体分子検出装置の集積化を向上させ、検出装置の小型化を図るために、本発明は以下のような解決策を採った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
マイクロ流体デバイスは、本体と、前記本体内に設けられた液体流路とを含み、
前記本体には、感知領域が設けられ、
前記本体にはまた、前記液体流路と連通する流体入力ポートが設けられ、前記流体入力ポートの配置位置には前記感知領域が含まれていない。
【0009】
この解決策では、マイクロ流体デバイスは、本体と、前記本体内に設けられた液体流路とを含み、前記本体には、感知領域が設けられ、前記感知領域内の液体を必要に応じて感知することができ、前記本体にはまた、前記液体流路と連通する流体入力ポートが設けられ、前記流体入力ポートの配置位置には前記感知領域が含まれていない、すなわち、前記流体入力ポートは前記感知領域上に直接設けられておらず、被検出液体は前記流体入力ポートから前記液体流路に入り、前記感知領域に流入して感知されるため、操作が容易であり、感知領域上に直接液体注入孔を開けることに起因する気泡の導入という課題を効果的に解決することができる。
【0010】
さらに好ましい解決策では、前記本体にはまた、オンオフ装置が設けられ、前記オンオフ装置を使用して前記液体流路内の液体の流れおよび遮断を制御する。前記オンオフ装置を使用して前記液体流路内の液体を遮断して前記液体の流れを停止させることによって、前記感知領域内の前記液体を確実に連続的かつ安定的に感知することができ、感知効率が向上する。
【0011】
さらに好ましい解決策では、前記オンオフ装置内には、前記液体流路と連通可能な流路が設けられ、前記オンオフ装置は前記本体に対して移動することにより、前記流路と前記液体流路とを連通するか否かを制御する。前記オンオフ装置内の前記流路の両端が前記液体流路と連通するように前記オンオフ装置を調整すると、前記液体は正常に流れ、前記オンオフ装置内の前記流路の両端が前記液体流路と連通しないと、前記オンオフ装置は、前記液体流路内の液体を遮断する。
【0012】
さらに好ましい解決策では、前記本体内にはまた、少なくとも1つの中空の封止チャンバが設けられ、少なくとも1つの封止チャンバの上部には流通膜が設けられ、前記封止チャンバと前記液体流路は前記流通膜を共有する。前記封止チャンバ内の液体と前記液体流路内の液体とは互いに独立しており、2つの液体間のイオン透過または他の形態での信号伝達は、前記流通膜を介して実現することができる。
【0013】
さらに好ましい解決策では、前記本体には、少なくとも1つの液体通過ポートが設けられ、前記液体通過ポートは前記封止チャンバと連通する。前記封止チャンバには、前記液体通過ポートを介して液体を充填することができ、前記液体通過ポートの数は、必要に応じて調整することができる。
【0014】
さらに好ましい解決策では、前記封止チャンバの底部には、封止部材または導電性部材が設けられ、前記導電性部材は電気信号を伝達するために使用され、前記封止部材は主に、前記封止チャンバの底部を封止するために使用される。
【0015】
さらに好ましい解決策では、前記封止チャンバは、互いに連通するキャビティAとキャビティBとを少なくとも含み、前記キャビティAおよび前記キャビティBの上方にはそれぞれ液体を供給または排出するための少なくとも1つの液体通過ポートが設けられ、2つの液体通過ポートは互いに協働し、互いに干渉しない。
【0016】
さらに好ましい解決策では、電気信号を外部に伝達するために、前記キャビティAの底部には、前記導電性部材が設けられている。
【0017】
さらに好ましい解決策では、前記キャビティBの上部には、前記流通膜が設けられ、前記キャビティBの底部には、前記封止部材が設けられている。前記流通膜を使用して前記キャビティB内の液体と前記液体流路内の液体との間のイオン透過または他の形態での信号伝達を実現し、前記封止部材を使用して前記キャビティBの前記底部を封止して液体が浸出するのを防ぐ。
【0018】
さらに好ましい解決策では、前記キャビティAは紡錘状の構造を有し、前記液体流路の一方の側に配置され、前記キャビティBは前記液体流路の下方に配置され、前記液体流路とは反対側の前記キャビティAの先端は前記キャビティBと連通する。前記キャビティBは前記液体流路の下方に配置され、前記キャビティBはその上部に設けられた前記流通膜を介して前記液体流路との信号伝達を実現することができ、前記キャビティAの先端は前記キャビティBと連通し、全体として封止領域を形成し、前記封止領域の液体貯蔵容量をある程度拡張することができる。
【0019】
さらに好ましい解決策では、前記流体入力ポートには、流体貯蔵装置が協働および連通するように設けられ、前記流体貯蔵装置の上端が開口を開き、前記流体貯蔵装置の下端が前記流体入力ポートと連通する。マイクロ流体デバイスの流体入力ポートは通常サイズが小さいため、前記流体入力ポートを通して直接液体を添加することが不便であるが、この解決策では、流体貯蔵装置をより大きな上端開口を有する液体添加デバイスとして使用することができるため、液体の添加が容易になる。
【0020】
さらに好ましい解決策では、前記流体貯蔵装置は前記本体に着脱可能に設けられ、前記流体貯蔵装置の内部は漏斗型構造を有する。前記流体貯蔵装置は、設置、分解および交換を容易にするために前記本体に着脱可能に設けられ、前記流体貯蔵装置の内部は、より広い上部とより狭い底部を有する漏斗型構造になっており、液体の充填が容易になる。
【0021】
さらに好ましい解決策では、前記感知領域の位置に対応する前記本体の部分は透明であるため、感知領域内の液体の状態の観察が容易になる。
【0022】
さらに好ましい解決策では、前記本体にはまた、内部に収集領域が設けられ、前記収集領域は前記液体流路の後端と連通し、前記収集領域の上方には液体排出ポートが開口する。前記液体流路内の液体を感知した後、前記収集領域に入れて収集することができるが、前記収集領域内の前記液体の体積が前記収集領域の容積よりも大きい場合は、前記液体を前記液体排出ポートを通して前記収集領域から排出して環状収集の機能を達成することができる。
【0023】
さらに好ましい解決策では、前記収集領域は、螺旋構造または蛇行構造を有する。前記螺旋構造または前記蛇行構造は前記収集領域の容積を効果的に増加させることができ、より多くの液体の収集が容易になる。
【0024】
さらに好ましい解決策では、前記本体は互いに接続された上プレートと下プレートとを含み、前記液体流路は前記上プレートと前記下プレートとの間に形成された空洞である。
【0025】
前記液体流路の底部は前記下プレートの上面の一部であり、前記液体流路の上部は前記上プレートの下面の一部である。前記液体流路は、リソースを最大限に活用して、前記上プレートと前記下プレートの特殊な構造によって形成され、前記上プレートと前記下プレートの構造もまた、前記マイクロ流体デバイス全体において重要な役割を果たす。
【0026】
さらに好ましい解決策では、前記感知領域の位置に対応する前記上プレートの部分は前記下プレートに向かって凹んでおり、前記感知領域内の液体の状態を観察することが容易になり、前記感知領域の位置に対応する前記下プレートの部分はくり抜かれており、前記くり抜かれた部分を使用して感知装置との外部接続を行う。
【0027】
さらに好ましい解決策では、前記収集領域の上方にはまた、通気孔が設けられている。前記通気孔において負圧装置を外部から接続して負圧を印加することによって、前記流体貯蔵装置内の液体を前記液体流路内および前記感知領域内に引き込むことができる。
【0028】
さらに好ましい解決策では、前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置との間に制御弁が設けられ、前記制御弁を使用して、前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置とを連通するか否かを制御する。前記制御弁が開いているとき、前記流体入力ポートは前記流体貯蔵装置と連通し、このとき、前記流体貯蔵装置を介して液体を直接充填することができる。
【0029】
この解決策はまた、上記のマイクロ流体デバイスを含むマイクロ流体検出装置を提供し、前記マイクロ流体検出装置は、さらに以下を含む。
【0030】
前記本体に接続され、前記感知領域に対応する感知装置であって、
前記感知装置は前記液体流路と重なり合う部分を有し、前記液体流路内の前記液体はそれを通って流れることができる。
【0031】
この解決策では、前記感知装置は前記感知領域のくり抜き位置に対応し、前記感知装置は前記液体流路と重なり合う部分を有するので、前記感知装置によって前記感知領域内に位置する液体を感知することができる。
【0032】
さらに好ましい解決策では、前記感知装置と前記本体との間に封止要素が設けられる。前記封止要素を配置することによって、前記感知装置と前記本体との間の接続部における液体漏れを効果的に回避することができる。
【0033】
さらに好ましい解決策では、前記感知装置は前記下プレートに着脱可能に接続され、前記封止要素は前記感知装置に着脱可能に接続される。着脱可能な接続方法を採用することにより、前記感知装置の設置および分解が容易になる。
【0034】
さらに好ましい解決策では、前記感知装置は、キャリアプレートを含み、
前記感知装置はまた、前記キャリアプレートの上方に設けられた感知チップを含み、前記感知チップは、前記感知領域内の前記液体流路に対応する。使用中、前記液体流路内の液体は前記感知チップの上面を通って流れて前記感知チップによって感知され、前記キャリアプレートは主に、前記感知チップを支持および固定する役割を果たし、前記キャリアプレートと前記感知チップが組み合わさって、前記感知装置全体が形成される。
【0035】
さらに好ましい解決策では、前記封止要素は封止シートであり、前記封止シートには貫通孔が開けられており、前記液体流路と前記感知チップとは、前記貫通孔を介して連通する。前記封止シートには貫通孔が開けられており、液体は前記貫通孔に流入し、前記感知チップの表面に到達して感知され、前記感知領域は前記封止シートによって効果的に封止されることができる。
【0036】
さらに好ましい解決策では、前記貫通孔の断面積は前記感知チップの上面面積よりも小さく、前記貫通孔の縁部は前記感知チップの上方に位置する。前記貫通孔は確実に前記感知チップの上に完全に位置し、すなわち、前記貫通孔内の液体は確実に前記感知チップの上面のみに接触し、完全に検出される。
【発明の効果】
【0037】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0038】
本発明により提供されるマイクロ流体デバイスは、本体と、前記本体内に設けられた液体流路とを含み、前記本体には、感知領域が設けられ、前記流体入力ポートは前記感知領域上に直接設けられておらず、必要に応じて前記感知領域内の液体を感知することができ、被検出液体は前記流体入力ポートから前記液体流路に入り、前記感知領域に流入して感知されるため、操作が容易であり、感知領域上に液体注入孔を直接開けることに起因する気泡の導入という課題を効果的に解決することができる。
【0039】
また、本発明は、被検出液体を直接的に感知することができ、操作が容易であり、実用性が高い、上記マイクロ流体デバイスを含むマイクロ流体検出装置を提供する。
【0040】
本発明の実施形態または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態または従来技術を説明するために必要な図面を簡単に説明する。以下で説明する図面は本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は創造的な努力なしに、これらの図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1aおよび図1bは、[背景技術]に記載された既存のマイクロ流体デバイスの概略構造図である。
図2図2は、本発明のマイクロ流体デバイスの具体的な概略構造図である。
図3図3は、図2の線A-Aに沿った概略断面図である。
図4図4は、本発明のマイクロ流体検出装置の具体的な構造分解図である。
図5図5は、本発明のマイクロ流体検出装置の別の視点からの構造分解図である。
図6図6は、本発明のマイクロ流体デバイスの別の具体的な概略構造図である。
図7図7は、図6の線B-Bに沿った概略断面図である。
図8図8は、遮断状態にある、本発明のオンオフ装置の流路および液体流路の概略構造図である。
図9図9は、図8の線C-Cに沿った概略断面図である。
図10図10は、図9のオンオフ装置の概略構造拡大図である。
図11図11は、連通状態にある本発明のオンオフ装置の流路と液体流路の概略構造図である。
図12図12は、図11の線D-Dに沿った概略断面図である。
図13図13は、図11のオンオフ装置の概略構造拡大図である。
図14図14は、本発明の収集領域の概略構造図である。
図15図15は、本発明の収集領域の別の概略構造図である。
【0042】
上記図面において、各符号で表される構成要素は、以下の通りである。
【0043】
100:本体、101:上プレート、102:下プレート、103:流体入力ポート、104:オンオフ装置、105:流体貯蔵装置、106:収集領域。
201:液体流路。
301:感知領域。
400:封止チャンバ、4001:キャビティA、4002:キャビティB、401:液体通過ポート、402:流通膜、403:封止部材、404:導電性部材。
500:感知装置、501:キャリアプレート、502:感知チップ、503:封止要素。
601:液体排出ポート、602:通気孔。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の上記および他の特徴および利点をより明確にするために、本発明を図面と併せて以下にさらに説明する。本明細書の特定の実施形態は当業者に説明するためのものであり、例示的なものに過ぎず、限定的なものではないことを理解されたい。
【0045】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向の」、「横方向の」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「より上の」、「より下の」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直の」、「水平の」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語によって示される向きまたは位置関係は図面に基づいて示される向きまたは位置関係であり、参照する装置または要素が特定の向きでなければならない、または特定の向きで構築および動作されなければならないことを示す、または暗示することを意図しておらず、本発明を説明し、説明を単純化する便宜上の目的のみであり、したがって、そのような向きまたは位置関係は、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0046】
また、「第1」および「第2」という用語は、説明の目的のためにのみ採用され、示された技術的特徴の相対的な重要性を示す、または暗示する、または示された技術的特徴の数を暗示的に示すと理解してはいけない。したがって、「第1」または「第2」によって限定される特徴は、少なくとも1つのそのような特徴を明示的または暗示的に含んでもよい。本発明の説明において、別途明示的かつ具体的に限定されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0047】
本発明では別途明示的かつ具体的に限定されない限り、「取り付ける」、「接続する」、「接続」、および「固定する」などの用語は広く理解されるべきであり、例えば、それらは別途明示的かつ具体的に限定されない限り、固定接続でもよく、着脱可能な接続でもよく、または一体化されてもよく、機械的接続でもよく、または電気的接続でもよく、直接接続でもよく、または中間体を介した間接的接続でもよく、2つの要素の内部の通信または2つの要素の相互作用関係でもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味は、実際の条件に従って理解され得る。
【0048】
本発明では別途明示的かつ具体的に限定されない限り、第1の特徴は第2の特徴の「上」または「下」にあり、第1の特徴と第2の特徴とは直接接触でもよく、または第1の特徴と第2の特徴とは中間体を介した間接接触でもよい。第1の特徴は第2の特徴の「上」、「上方」、または「上部」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあること、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴の水平高さよりも高いことのみ、を表すことができる。第1の特徴は第2の特徴の「下」、「下方」、または「下側」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真下または斜め下にあること、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴の水平高さよりも低いことのみ、を表すことができる。
【0049】
本明細書の記載において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの用語に関連する記載は、実施形態または例に関連して記載された特定の特徴、構造、材料、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態または例に含まれることを意味する。なお、本明細書において、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同一の実施形態や実施例に関するものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の1つまたは複数の実施形態または実施例において適宜組み合わせることができる。さらに、当業者は互いに矛盾しない限り、本明細書に記載される異なる実施形態/実施例または異なる実施形態/実施例の特徴を組み合わせたり援用したりすることができる。
【0050】
図2図7を参照されたい。本発明はマイクロ流体デバイスを提供し、前記マイクロ流体デバイスは、本体100と、本体100内に設けられた液体流路201とを含み、本体100には、感知領域301が設けられ、本体100にはまた、液体流路201と連通する流体入力ポート103が設けられ、流体入力ポート103の配置位置には感知領域301が含まれていない。
【0051】
この解決策では、前記マイクロ流体デバイスは、本体100と、本体100の内部に設けられた液体流路201とを含み、本体100には、感知領域301が設けられ、液体流路201内の液体は感知領域301を通って流れることができ、感知領域301内の液体を必要に応じて感知することができ、本体100にはまた、液体流路201と連通する流体入力ポート103が設けられ、流体入力ポート103の配置位置には感知領域301が含まれていない、すなわち、流体入力ポート103は感知領域301上に直接設けられておらず、感知領域上に直接液体注入孔を開けることに起因する気泡の導入という課題を効果的に解決することができる。
【0052】
さらに、本体100にはまた、オンオフ装置104が設けられ、オンオフ装置104を使用して液体流路201内の液体の流れおよび遮断を制御するために使用される。オンオフ装置104を使用して液体流路201内の液体を遮断して液体の流れを停止することによって、感知領域301内の液体を確実に連続的かつ安定的に感知することができ、感知効率が向上する。
【0053】
オンオフ装置104は主に、液体流路201内の液体の流れおよび遮断を制御するために使用され、その特定の構造および動作原理は、ここでは限定されないことに留意されたい。
【0054】
また、オンオフ装置104内には、液体流路201と連通可能な流路が設けられ、オンオフ装置104は本体100に対して移動することにより、前記流路と液体流路201とを連通するか否かを制御する。オンオフ装置104内の前記流路の両端が液体流路201と連通するようにオンオフ装置104を調整すると、液体は正常に流れ、オンオフ装置104内の流路の両端が液体流路201と連通しないと、オンオフ装置104は、液体流路201内の液体の流れを遮断する。この解決策では、オンオフ装置104が本体100に対して移動する方法は特に限定されず、例えば、並進運動または回転運動であり得る。
【0055】
別の好ましい実施形態では、オンオフ装置104は回転弁であり、前記回転弁内には、液体流路201と連通可能な流路が設けられ、前記流路と液体流路201とを連通するか否かを、前記回転弁を回転させることによって制御する。図8図10に示すように、前記回転弁が「オフ」状態にあるとき、前記流路および液体流路201は切断状態となり、このとき、感知領域301内の液体を連続的かつ安定して感知することができ、図11図13に示すように、前記回転弁が「オン」状態にあるとき、前記流路と液体流路201とは連通状態となり、このとき、液体流路201内の液体は前記流路をスムーズに流れて収集領域106に入ることができる。
【0056】
また、図6および図7に示すように、本体100内にはまた、少なくとも1つの中空の封止チャンバ400が設けられ、少なくとも1つの封止チャンバ400の上部には流通膜402が設けられ、封止チャンバ400と液体流路201とは流通膜402を共有している、すなわち、封止チャンバ400と液体流路201とは流通膜402によって2つの独立した空間に分離されている。封止チャンバ400内の液体と液体流路201内の液体とは互いに独立しており、封止チャンバ400内の液体と液体流路201内の液体との間のイオン透過または他の形態での信号伝達は、流通膜402を介して実現することができる。流通膜402の具体的な構造および材料はここでは限定されず、流通膜402は実際の機能的ニーズに従って作製することができる。例えば、場合によっては、流通膜402は半透膜を採用することができる。
【0057】
この解決策における封止チャンバ400は、オンオフ装置104と流体入力ポート103との間に配置される必要があるだけであり、感知領域301の上流または下流に配置され得ることを理解されたい。
【0058】
また、本体100には、少なくとも1つの液体通過ポート401が設けられ、液体通過ポート401は封止チャンバ400と連通する。封止チャンバ400には、液体通過ポート401を介して液体を充填することができ、液体通過ポート401の数は、必要に応じて調整することができる。この解決策における液体通過ポート401は、封止チャンバ400に液体を充填するために使用することができ、封止チャンバ400内の液体用の排出チャネルとしても使用することができる。
【0059】
また、図7に示すように、封止チャンバ400の底部には、封止部材403または導電性部材404が設けられ、導電性部材404は電気信号を伝達するために使用され、本実施形態ではその具体的な形状や配置位置は限定されず、封止部材403は主に、封止チャンバ400の底部を封止して液体の漏出を防止するために使用される。
【0060】
また、図4に示すように、封止チャンバ400は、互いに連通するキャビティA 4001とキャビティB 4002とを少なくとも含み、キャビティA 4001およびキャビティB 4002の上方にはそれぞれ液体を供給または排出するための少なくとも1つの液体通過ポート401が設けられている。キャビティA 4001の上方の液体通過ポート401を液体の供給に用いる場合はキャビティB 4002の上方の液体通過ポート401を液体の排出に用い、同様に、キャビティB 4002の上方の液体通過ポート401を液体の供給に用いる場合はキャビティA 4001の上方の液体通過ポート401を液体の排出に用い、2つの液体通過ポート401は互いに干渉しない。検出の必要性に応じて、キャビティA 4001およびキャビティB 4002の位置および形態を調整および提供することができる。
【0061】
また、キャビティA 4001の底部には、外部に電気信号を伝達するための導電性部材404が設けられている。別の実施形態では、導電性部材404は金属シートまたは電極を採用することができる。
【0062】
また、キャビティB 4002の上部には、流通膜402が設けられ、キャビティB 4002の底部には封止部材403が設けられている。流通膜402を使用してキャビティB 4002内の液体と液体流路201内の液体との間のイオン透過または他の形態での信号伝達を実現し、封止部材403を使用してキャビティB 4002の底部を封止して液体が浸出するのを防ぐ。別の実施形態では、封止部材403はシート状物体を採用することができる。
【0063】
キャビティA 4001とキャビティB 4002とは連通しており、間隔が狭く、キャビティA 4001の底部には導電性部材404が設けられ、キャビティB 4002の上部には流通膜402が設けられているため、導電性部材404と流通膜402とを同一箇所において液体で濡らすことができる。
【0064】
また、キャビティA 4001は紡錘状の構造を有し、液体流路201の一方の側に位置し、キャビティB 4002は液体流路201の下方に配置され、液体流路201とは反対側のキャビティA 4001の先端はキャビティB 4002と連通する。キャビティB 4002は液体流路201の下方に配置され、キャビティB 4002はその上部に設けられた流通膜402を介して液体流路201との信号伝達を実現することができる、すなわち、キャビティB 4002内の液体と液体流路201内の液体との間のイオン透過または他の形態での信号伝達を、流通膜402を介して実現することができ、キャビティA 4001はキャビティB 4002と連通し、全体として封止領域を形成する。
【0065】
キャビティA 4001およびキャビティB 4002の構造は、必要に応じて調整することができることを理解されたい。この解決策では、紡錘状の構造として提供されるキャビティA 4001は一実施形態に過ぎず、他の実施形態では、キャビティA 4001は楕円形または他の形態であってもよい。キャビティA 4001およびキャビティB 4002は、本体100内に着脱可能に配置され、キャビティA 4001およびキャビティB 4002を設置するかどうか、またはそれらのうちの1つのみを設置することを考慮するかどうかは、必要に応じて選択することができる。
【0066】
また、流体入力ポート103には、流体貯蔵装置105が協働および連通するように設けられ、流体貯蔵装置105の上端が開口を開き、流体貯蔵装置105の下端が流体入力ポート103と連通する。マイクロ流体デバイスの流体入力ポート103は通常、サイズが小さいため、流体入力ポート103を通して直接液体を添加することが不便であるが、この解決策では、流体貯蔵装置105をより大きな上端開口を有する液体添加デバイスとして使用することができるため、液体の添加が容易になり、液体が容易に流出しなくなる。
【0067】
また、流体貯蔵装置105は本体100に着脱可能に設けられ、流体貯蔵装置105の内部は漏斗型構造を有する。流体貯蔵装置105は、設置、分解および交換を容易にするために本体100に着脱可能に設けられ、液体が液体流路201に完全に入ることを容易にするために、この解決策では、流体貯蔵装置105の内部は、より広い上部とより狭い底部を有する漏斗型構造になっており、液体の充填が容易になり、流体貯蔵装置105の内壁上の液体残留物を可能な限り回避することができる。
【0068】
なお、流体貯蔵装置105は必要に応じて異なる形状にすることができ、上述した漏斗型構造は、好ましい実施形態のうちの1つに過ぎない。流体入力ポート103の形状も、円形ポート、正方形ポート、またはトランペットポートなど実際の必要性に応じて調整することができる。
【0069】
また、感知領域301の位置に対応する本体100の部分は透明であるため、感知領域301内の液体の状態の観察が容易になる。図2の円は感知領域301のおおよその範囲のみを指し、本体100のこの部分は、感知領域301内の液体の状態を視覚的に観察し、感知効率を向上するように、透明材料から作製することができ、感知領域301の形状は限定されず、実際の必要に応じて調整することができる。
【0070】
さらに、本体100にはまた、内部に収集領域106が設けられ、収集領域106は液体流路201の後端と連通し、収集領域106の上方には液体排出ポート601が開口する。液体流路201内の液体を感知した後、オンオフ装置104を開けて、液体流路201内の液体を収集領域106に入れて収集することができるが、収集領域106内の液体の体積が収集領域106の容積よりも大きい場合は、シリンジを使用して液体排出ポート601から液体を吸い出すことによって、液体排出ポート601を通して液体を収集領域106から排出することができ、その結果、収集領域106は、液体を収集し続けて環状収集の機能を達成することができる。
【0071】
さらに、図14および図15に示すように、収集領域106は、螺旋構造または蛇行構造を有する。螺旋構造または蛇行構造は収集領域106の容積を効果的に増加させることができ、より多くの液体の収集が容易になる。
【0072】
前記液体の収集領域106は様々な形態とすることができ、液体貯蔵プールまたは脱脂綿などの他の貯蔵媒体とすることができることに留意されたい。収集領域106は、キャビティ構造に限定されない。
【0073】
また、図4に示すように、本体100は互いに接続された上プレート101と下プレート102とを含み、液体流路201は上プレート101と下プレート102との間に形成された空洞である。
【0074】
液体流路201の底部は下プレート102の上面の一部であり、液体流路201の上部は上プレート101の下面の一部である。特定の使用中、上プレート101および下プレート102は溶接、接着、接合などによって恒久的に結合され、液体流路201は、リソースを最大限に活用して、上プレート101および下プレート102の特殊構造によって形成されており、上プレート101および下プレート102の構造もまた、マイクロ流体デバイス全体において重要な役割を果たす。
【0075】
この解決策では、感知領域301内の上プレート101の一部が透明材料で作られることを理解されたい。
【0076】
さらに、感知領域301の位置に対応する上プレート101の部分は下プレート102に向かって凹んでいる、すなわち、感知領域301における上プレート101の厚さは薄くなっているため、感知領域301内の液体の状態を観察することが容易になる。感知領域301の位置に対応する下プレート102の部分はくり抜かれており、くり抜かれた部分の形態およびサイズは必要に応じて調節することができ、くり抜かれた部分を使用して感知装置500との外部接続を行う。
【0077】
さらに、収集領域106の上方にはまた、通気孔602が設けられている。通気孔602において負圧装置を外部から接続して、負圧を印加することによって流体貯蔵装置105内の液体を液体流路201内および感知領域301内に引き込むことができる。
【0078】
なお、液体を流体入力ポート103から液体流路201に入れる方法は、下流側に負圧をかけて吸入する方法、外圧をかけて入れる方法、予め液体流路201内の空気を排気して真空チャンバを形成することで自己吸入する方法であってもよい。
【0079】
また、流体入力ポート103と流体貯蔵装置105との間には制御弁が設けられ、前記制御弁を使用して、流体入力ポート103と流体貯蔵装置105とを連通するか否かを制御する。前記制御弁が開いているとき、流体入力ポート103は流体貯蔵装置105と連通し、このとき、流体貯蔵装置105を介して液体を直接充填することができ、制御弁が閉じているとき、流体入力ポート103は流体貯蔵装置105から隔離され、液体は流体入力ポート103に流入することができない。
【0080】
図5に示すように、本発明はまた、マイクロ流体デバイスを含むマイクロ流体検出装置を提供し、前記マイクロ流体検出装置は、さらに以下を含む。
感知装置500は、本体100に接続され、感知領域301に対応し、
感知装置500は液体流路201と重なり合う部分を有し、液体流路201内の液体がそれを通って流れるようにすることができる。
【0081】
この解決策では、感知装置500は感知領域301のくり抜き位置に対応し、感知装置500は液体流路201と重なり合う部分を有するので、感知装置500によって感知領域301内に位置する液体を感知することができる。
【0082】
使用中、感知装置500を封止して感知領域301のくり抜き位置に設置することにより、液体流路201は封止状態になり、感知装置500は液体流路201の一部として機能し、液体が感知装置500の表面を通って流れるとき、液体を効果的に感知することができる。
【0083】
さらに、感知装置500と本体100との間に封止要素503が設けられる。封止要素503を配置することによって、感知領域301が封止状態を維持することができるため、感知装置500と本体100との間の接続部における液体漏れを効果的に回避するだけでなく、気泡の導入も回避し、感知効率を向上することができる。
【0084】
さらに、感知装置500は下プレート102に着脱可能に接続され、封止要素503は感知装置500に着脱可能に接続される。ねじまたはバックルなどによる着脱可能な接続方法を採用することにより、感知装置500の設置および分解が容易になる。
【0085】
具体的な設置において、まず封止要素503および感知装置500を一緒に接続してから全体として下プレート102に設置してもよく、または封止要素503および下プレート102をまず一緒に接続した後に、感知装置500を封止要素503に接続させてもよい。
【0086】
さらに、感知装置500はキャリアプレート501と、キャリアプレート501の上方に設けられた感知チップ502とを含み、感知チップ502は感知領域301内の液体流路201に対応する。使用中、液体流路201内の液体は、感知チップ502の上面を通って流れて感知チップ502によって感知される。感知チップ502には金属プローブが設けられ、前記金属プローブは導電性部材404に電気的に接続し、導電性部材404は感知チップ502によって感知された信号を外部に送信する。前記金属プローブは導電性部材404に電気的に接続され得る限り、様々な形態であってよく、例えば、電極であってもよい。キャリアプレート501は主に、感知チップ502を保護および固定する役割を果たし、キャリアプレート501はPCBプレートを採用することができ、キャリアプレート501と感知チップ502とが組み合わさって、感知装置500全体が形成される。
【0087】
また、封止要素503は封止シートであり、前記封止シートには貫通孔が開けられており、液体流路201と感知チップ502とは、前記貫通孔を介して連通する。前記封止シートには貫通孔が開けられており、液体は前記貫通孔に流入して感知チップ502の表面に到達して感知されることができ、感知領域301は前記封止シートによって効果的に封止されて漏れや気泡の導入を回避することができる。
【0088】
また、前記貫通孔の断面積は感知チップ502の上面面積よりも小さく、前記貫通孔の縁部は感知チップ502の上方に位置する。前記貫通孔は確実に感知チップ502の上に完全に位置し、すなわち、前記貫通孔内の液体は確実に感知チップ502の上面のみに接触し、完全に検出されることが保証される。
【0089】
別の好ましい実施形態では、まず前記封止シートおよび感知装置500をボルト1041を用いて封止領域のくり抜かれた位置で下プレート102に設置し、前記回転弁を液体流路201と流路が遮断状態になるように調整した後、流体入力ポート103において前記制御弁を開き、液体を流体貯蔵装置105を介して充填して前記液体を液体流路201に入れ、感知領域301内の液体を感知装置500の感知チップ502で連続的かつ安定的に感知し、感知が完了した後に回転弁を液体流路201と流路が連通状態にするように調整し、感知された液体を収集領域106に直ちに流入させ、収集領域106内の液体が多すぎる場合は、液体排出ポート601を介してタイミングよく排出することができる。
【0090】
図5に示すように、さらに別の好ましい実施形態では、流体貯蔵装置105は円筒構造を有し、オンオフ装置500は回転弁を採用し、前記回転弁は収集領域106の入口近くで液体流路の一方の側に位置するように上プレート101の上面に設けられ、収集領域106は蛇行流路である。感知領域301内の上プレート101の一部は紡錘状の溝または矩形の溝を形成するように、内側に凹んでいる。封止要素503は蝶形の封止シートであり、封止シートの2つの翼はボルトによってキャリアプレート501に接続され、封止シートの材質はここでは特に限定されず、封止シートの材質を選択する際は、その封止性能が主に考慮されるべきである。感知チップ502およびキャリアプレート501は共に矩形のシートプレート状構造であり、キャリアプレート501はキャリアプレート501の中央に固定され、キャリアプレート501上の感知チップ502の縁部の周りには3対のねじ穴が対称的に配置され、中央の1対のねじ穴を使用して封止要素503を固定し、残りのねじ穴を使用して下プレート102にボルト接続してキャリアプレート501を固定する。
【0091】
上プレート101および下プレート102には、残りの2対のねじ穴に対応する位置にねじ孔が開口されている。具体的な設置において、ボルトは上プレート101および下プレート102のねじ孔を順に通過した後、キャリアプレート501上の残りの2対のねじ穴にしっかりとねじ込まれ、感知装置500の設置および固定が完了する。
【0092】
図8図13に示すように、別の好ましい実施形態では、前記回転弁が矩形構造を有し、ボルトによって上プレート101の上面に固定され、2つの開口孔が前記回転弁の下方の上プレート101を貫通して設けられ、前記流路の開口は上プレート101と接触する前記回転弁の表面に位置し、図中の矢印で示される方向は液体の流れる方向である。前記回転弁が「オフ」状態にあるとき、前記回転弁の底部が2つの開口孔を閉じることによって、液体流路201が流路から遮断される、すなわち、液体流路201が収集領域106と連通しないが、このとき、連続的かつ安定的な感知を行うことができる。前記回転弁が「オン」状態にあるとき、前記回転弁の底部の流路が2つの開口孔と対応して連通することによって、液体流路201が流路と連通するようになる、すなわち、液体流路201が収集領域106と連通するが、このとき、液体を収集領域106に入れて、収集することができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を図示し説明したが、上記実施形態は例示であって本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施形態に変更、修正、置換および変形を加えることができる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に設けられた液体流路とを含み、
前記本体には、感知領域が設けられ、
前記本体にはまた、前記液体流路と連通する流体入力ポートが設けられ、前記流体入力ポートの配置位置には前記感知領域が含まれていない、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記本体にはまた、オンオフ装置が設けられ、前記オンオフ装置を使用して前記液体流路内の液体の流れおよび遮断を制御する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
前記オンオフ装置内には、前記液体流路と連通可能な流路が設けられ、前記オンオフ装置は前記本体に対して移動することにより、前記流路と前記液体流路とを連通するか否かを制御する、請求項2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記本体内にはまた、少なくとも1つの中空の封止チャンバが設けられ、少なくとも1つの封止チャンバの上部には流通膜が設けられ、前記封止チャンバと前記液体流路は前記流通膜を共有する、請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記本体には、少なくとも1つの液体通過ポートが設けられ、前記液体通過ポートは前記封止チャンバと連通する、請求項4に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記封止チャンバの底部には、封止部材または導電性部材が設けられ、前記導電性部材を使用して電気信号を伝達する、請求項5に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記封止チャンバは、互いに連通するキャビティAとキャビティBとを少なくとも含み、前記キャビティAおよび前記キャビティBの上方にはそれぞれ液体を供給または排出するための少なくとも1つの液体通過ポートが設けられている、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記キャビティAの底部には、前記導電性部材が設けられている、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記キャビティBの上部には、前記流通膜が設けられ、前記キャビティBの底部には、前記封止部材が設けられている、請求項8に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
前記キャビティAは紡錘状の構造を有し、前記液体流路の一方の側に配置され、前記キャビティBは前記液体流路の下方に配置され、前記液体流路とは反対側の前記キャビティAの先端は前記キャビティBと連通する、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記流体入力ポートには、流体貯蔵装置が協働および連通するように設けられ、前記流体貯蔵装置の上端が開口を開き、前記流体貯蔵装置の下端が前記流体入力ポートと連通する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
前記本体はまた、内部に収集領域が設けられ、前記収集領域は前記液体流路の後端と連通し、前記収集領域の上方には液体排出ポートが開口する、請求項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
前記本体は互いに接続された上プレートと下プレートとを含み、前記液体流路は前記上プレートと前記下プレートとの間に形成された空洞であり、前記液体流路の底部は前記下プレートの上面の一部であり、
前記液体流路の上部は前記上プレートの下面の一部である、請求項1~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
前記感知領域の位置に対応する前記上プレートの部分は前記下プレートに向かって凹んでおり、前記感知領域の位置に対応する前記下プレートの部分はくり抜かれている、請求項13に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項15】
前記収集領域の上方にはまた、通気孔が設けられている、請求項12に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項16】
前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置との間に制御弁が設けられ、前記制御弁を使用して、前記流体入力ポートと前記流体貯蔵装置とを連通するか否かを制御する、請求項11に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイスと、
さらに、前記本体に接続され、前記感知領域に対応する感知装置とを含み、
前記感知装置は前記液体流路と重なり合う部分を有し、前記液体流路内の前記液体がそれを通って流れることができる、マイクロ流体検出装置。
【請求項18】
前記感知装置と前記本体との間に封止要素が設けられ
前記本体は、下プレートを含み、
前記感知装置は前記下プレートに着脱可能に接続され、前記封止要素は前記感知装置に着脱可能に接続される、請求項17に記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項19】
前記感知装置がキャリアプレートと前記キャリアプレートの上方に設けられた感知チップとを含み、前記感知チップは前記感知領域内の前記液体流路に対応する、請求項18記載のマイクロ流体検出装置。
【請求項20】
前記封止要素は封止シートであり、前記封止シートには貫通孔が開けられており、前記液体流路と前記感知チップとは、前記貫通孔を介して連通する、請求項19に記載のマイクロ流体検出装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
別の好ましい実施形態では、まず前記封止シートおよび感知装置500をボルト1041を用いて感知領域のくり抜かれた位置で下プレート102に設置し、前記回転弁を液体流路201と流路が遮断状態になるように調整した後、流体入力ポート103において前記制御弁を開き、液体を流体貯蔵装置105を介して充填して前記液体を液体流路201に入れ、感知領域301内の液体を感知装置500の感知チップ502で連続的かつ安定的に感知し、感知が完了した後に回転弁を液体流路201と流路が連通状態にするように調整し、感知された液体を収集領域106に直ちに流入させ、収集領域106内の液体が多すぎる場合は、液体排出ポート601を介してタイミングよく排出することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
図5に示すように、さらに別の好ましい実施形態では、流体貯蔵装置105は円筒構造を有し、オンオフ装置104は回転弁を採用し、前記回転弁は収集領域106の入口近くで液体流路の一方の側に位置するように上プレート101の上面に設けられ、収集領域106は蛇行流路である。感知領域301内の上プレート101の一部は紡錘状の溝または矩形の溝を形成するように、内側に凹んでいる。封止要素503は蝶形の封止シートであり、封止シートの2つの翼はボルトによってキャリアプレート501に接続され、封止シートの材質はここでは特に限定されず、封止シートの材質を選択する際は、その封止性能が主に考慮されるべきである。感知チップ502およびキャリアプレート501は共に矩形のシートプレート状構造であり、感知チップ502はキャリアプレート501の中央に固定され、キャリアプレート501上の感知チップ502の縁部の周りには3対のねじ穴が対称的に配置され、中央の1対のねじ穴を使用して封止要素503を固定し、残りのねじ穴を使用して下プレート102にボルト接続してキャリアプレート501を固定する。
【国際調査報告】