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特表2024-546459頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)におけるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(UPAR)-PET/CT
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)におけるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(UPAR)-PET/CT
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/08 20060101AFI20241217BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20241217BHJP
   G01T 1/161 20060101ALN20241217BHJP
【FI】
A61K51/08 200
C07K7/06
G01T1/161 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532174
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 EP2022083665
(87)【国際公開番号】W WO2023099472
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21211370.8
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】523204271
【氏名又は名称】キュラサイト・エー/エス
【氏名又は名称原語表記】CURASIGHT A/S
【住所又は居所原語表記】Ole Maaloes Vej 3,DK-2200 Copenhagen N,DENMARK
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケアー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4C085
4C188
4H045
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KA29
4C085KB02
4C085KB82
4C085LL18
4C188EE02
4C188FF04
4C188FF07
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA15
4H045BA71
4H045EA51
4H045FA33
(57)【要約】
本発明は、対象のがんをPET撮像することによる頭頸部がん(HNSCC)の予後予測に用いるための陽電子放出イメージング剤であって、前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTA又はDOTAを介して放射性核種である68Ga又は64Cuに結合されたuPAR結合性ペプチドを含む、イメージング剤に関する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト患者のがんをPET撮像することによる、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
前記uPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントであり、
前記uPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され、
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆している、
イメージング剤。
【請求項2】
請求項1に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)である、イメージング剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の使用のための前記イメージング剤であって、式:
【化1】
を有する、イメージング剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記予後は、無再発生存期間(RFS)である、イメージング剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記イメージング剤を100~500MBqの用量で投与した後、前記イメージング剤を投与してから10分間~24時間後にPETスキャニングが行われ、SUVmax及び/又はSUVmeanにより定量化される、イメージング剤。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記イメージング剤は、20~400MBq、例えば50~400MBq、例えば70~300MBq、例えば100~300MBq又は例えば100~300MBqの用量で投与される、イメージング剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記イメージング剤は、70~300MBqの用量で投与される、イメージング剤。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、
〇 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
〇 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であることを示唆している、
イメージング剤。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記SUVmax及び/又はSUVmeanの閾値は、1~4の範囲、例えば2~4の範囲、好ましくは2~3、例えば2.4~2.8の範囲にある、イメージング剤。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記閾値は、カプラン・マイヤープロット(ログランク検定)における分割点及び対応するハザード比(HR)を得るためのカットオフを発見する方法により決定される、イメージング剤。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記ヒト患者は、根治を目的とする放射線治療が指示されている、イメージング剤。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための前記イメージング剤であって、前記HNSCCは、咽頭、喉頭又は口腔に位置する、イメージング剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の腫瘍をPET撮像することによる頭頸部がん(HNSCC)の予後予測に使用するための陽電子放出核種標識ペプチド複合体に関する。特に本発明は、頭頸部がん(HNSCC)に罹患している対象のPET撮像を用いた無再発生存期間(RFS)の予後予測における、複合体68GA-NOTA-AE105の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)は飲酒及び喫煙に原因があるとされてきたが、近年の中咽頭がん(OPSCC)の発症率の上昇にはヒトパピローマウイルス(HPV)が関係している(1)。現在、HPV陽性腫瘍は、西欧におけるOPSCCの63%を占め、予後は非常に良好である(2,3)。HPV陽性及びHPV陰性OPSCCは異なる分子的及び臨床的特徴を示し、新しいステージ分類ガイドラインでは、HPV誘発性発がんの代理マーカーとしてのp16免疫組織化学検査に基づくHPV陽性腫瘍がダウンステージされた(3,4)。
【0003】
しかし、低リスクHPV陽性OPSCCの減弱治療レジメンについて調査した最近の臨床試験では、減弱群の生存率が低いという結果になった(5-8)。今のところ、減弱治療を受ける候補を識別する信頼性のある方法は存在せず、HPV陽性及び陰性OPSCCは同じように治療されている(3,9)。
【0004】
原発腫瘍の広がり(Tumor)、所属リンパ節への転移(Node)及び遠隔転移の有無(Metastasis)(TNM)のステージ並びにHPVは、HNSCCの最も重要な予後因子であるが、HPV以外に診療で利用できる予後バイオマーカーがない。18F-FDGの予後予測値に関し発表されている結果には一貫性がない(9-11)。
【0005】
ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPAR)は、細胞外マトリックスを分解することによってがん細胞の浸潤を促進し、増殖や遊走などの幾つかの発がんプロセスを促進する(12-14)。HNSCCを含む多くの種類のがんでuPARが高発現していることがPET以外の手段で報告されており、疾患の高悪性度、遠隔転移及び低い生存率と関連している(14)。uPARは細胞表面に位置し、周囲組織における発現は限られている(13)。68Ga-及び64Cu-標識AE105-放射性リガンドをuPAR-PETに使用した研究が様々ながん種の患者に対し行われているが(15-17)、HNSCCに関する研究が行われたことはない。
【0006】
国際公開第2014/086364A1号パンフレットには、ヒトがんのuPAR PET撮像に用いるための、68Ga-NOTA-AE105、68Ga-DOTA-AE105、64Cu-NOTA-AE105及び64Cu-DOTA-AE105を含む、陽電子放出核種で標識されたペプチドが開示されている。国際公開第2014/086364A1号パンフレットでは、HNSCCについては述べられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、HNSCC患者の予後予測方法を改善することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本研究の目的は、PET/CTを使用して、HNSCC患者におけるuPAR-PETトレーサー(AE105)(一例として68Ga-NOTA-AE105)の予後予測値を調査すること及びそれを18F-FDG-PETと比較することにあった。
【0009】
HNSCC患者において、原発腫瘍によるuPAR-PET-トレーサーの取り込みが高値であることが、無再発生存期間(RFS)が不良であることと関連しており、一方、原発腫瘍のuPAR-PET-トレーサーの取り込みが低値であることが、HNSCC患者の無再発生存期間(RFS)が良好であることと関連していることが見出された。驚くべきことに、特に無再発生存期間(RFS)を評価した場合、少量のuPARが18F-FDG-PETよりも良好な性能を示した(例えば、実施例5を参照し、図3A及び3Cを比較されたい)。
【0010】
したがって、uPAR-PET/CTは、不必要な毒性を回避するための減弱治療レジメンを行うこと及びリスク層別化されたフォローアップ計画を立てることを目的として臨床家が低リスクのHNSCC患者を選別するための有望なツールとなる。
【0011】
したがって本発明の目的は、HNSCC患者の改良された予後予測ツールを提供することに関する。
【0012】
特に本発明の目的は、HNSCC患者の無再発生存期間(RFS)を見極めるための改良された予後予測ツールを提供することにある。
【0013】
したがって、本発明の態様は、がんをPETで撮像することによる頭頸部がん(HNSCC)患者の予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤(positron-emitting imaging agent)であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTA又はDOTAを介して放射性核種である68Ga又は64Cuに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、イメージング剤を提供することにある。
【0014】
2種のuPAR-PETトレーサーである64Cu-DOTA-AE105及び68Ga-NOTA-AE105は、同じ結合性部分、即ちペプチドAE105が共通している。更に、これらはいずれもヒト及び動物の両方で試験されており(例えば、15、17及び国際公開第2014/086364A1号パンフレット)、乳がん、膀胱がん及び前立腺がんに同様に取り込まれることが実証されている。したがって、理論に束縛されるものではないが、
- 放射性核種としての64Cu又は68Gaと;
- キレート剤としてDOTA又はNOTAと;
- 本発明によるuPAR結合性ペプチドと;
を含むPETトレーサーが、HNSCC患者に対し類似の様式で作用するであろうと考えられている。
【0015】
本発明の他の態様は、がんをPET撮像することによる頭頸部がん(HNSCC)患者の予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)(AE105)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、イメージング剤に関する。
【0016】
更なる一態様は、がんをPET撮像することによる頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)のヒト患者の無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントであり、
このuPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され、
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆している、
イメージング剤に関する。
【0017】
本発明の更なる態様は、患者の頭頸部がん(HNSCC)の予後を評価するために、PET撮像によりin vivo撮像する方法であって、前記方法は:
a)本発明により定義したイメージング剤を事前に投与した対象を提供することと;
b)ステップa)で投与されたイメージング剤の68Ga放射性同位体からの放射能放出をin vivo PET撮像により検出することと;
c)前記放射能放出の位置及び/又は量を表す画像を生成することと;
d)前記対象におけるuPAR発現の分布及び程度を決定することであって、前記発現は、前記in vivoイメージング剤により放出される前記シグナルと相関している、ことと;
e)決定されたuPAR発現の分布及び程度を閾値と比較することと;
を含み、
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆している、
方法に関する。
【0018】
本発明の更なる他の態様は、uPARを発現している腫瘍をin vivo PET撮像することによる、頭頸部がん(HNSCC)患者の予後予測における、本発明による陽電子放出イメージング剤の使用であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、
使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】組み入れ手順のCONSORTフロー図である。
図2】68Ga-NOTA-AE105及び18F-FDG-PET/CTを用いたuPAR-PET/CTにおける、68Ga-uPAR高値/18F-FDG低値(A)及び68Ga-uPAR低値/18F-FDG高値(B)の2つの不一致症例に関する標的腫瘍体積を輪郭描出したものである。どちらの症例もステージ3の中咽頭がん(T3N0M0)である。高値及び低値とは、設定されたカットオフを上回る又は下回ることを指す。
図3A】(A)68Ga-uPARによるRFSを、対応する68Ga-uPAR-SUVmaxのカットオフ及び18F-FDG-SUVmaxのカットオフで層別化したカプラン・マイヤープロットである。
図3B】(B)68Ga-uPARによるOSを、対応する68Ga-uPAR-SUVmaxのカットオフ及び18F-FDG-SUVmaxのカットオフで層別化したカプラン・マイヤープロットである。
図3C】(C)18F-FDGによるRFSを、対応する68Ga-uPAR-SUVmaxのカットオフ及び18F-FDG-SUVmaxのカットオフで層別化したカプラン・マイヤープロットである。
図3D】(D)18F-FDGによるOSを、対応する68Ga-uPAR-SUVmaxのカットオフ及び18F-FDG-SUVmaxのカットオフで層別化したカプラン・マイヤープロットである。
図4A】一致群及び不一致群;68Ga-uPAR及び18F-FDGが両方低値である群(終点が一番上にある曲線);一方が低値/もう一方が高値である群(終点が真ん中にある曲線);両方が高値である群(終点が一番下にある曲線)の、(A)無再発生存期間(RFS)に対するカプラン・マイヤープロットである。
図4B】一致群及び不一致群;68Ga-uPAR及び18F-FDGが両方低値である群(終点が一番上にある曲線);一方が低値/もう一方が高値である群(終点が真ん中にある曲線);両方が高値である群(終点が一番下にある曲線)の、(B)全生存期間(OS)に対するカプラン・マイヤープロットである。
【0020】
ここで以下に本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
本発明を更に詳細に説明する前に、まず以下の用語及び慣例について定義する:
【0022】
HNSCC
頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)は、異質性を持つ悪性腫瘍の群であり、飲酒及び喫煙が原因となることが多いが、高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染を原因とするHNSCCの発生数も増加している。
【0023】
一実施形態において、本発明によるHNSCCは、咽頭、喉頭又は口腔に位置する。
【0024】
68Ga
ガリウム68。
【0025】
64Cu
銅64。
【0026】
AE105
Ac-Asp-Cha-Phe-(D)Ser-(D)Arg-Tyr-Leu-Trp-Ser。
【0027】
本発明によるペプチドは、例えば、標準的な固相ペプチド化学により合成することができる。
【0028】
NOTA
NOTA:2,2’,2”-(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリイル)三酢酸。
NOTAをAE105に結合させることにより、NOTA-AE105(NOTA-Asp-Cha-Phe-Ser-Arg-Tyr-Leu-Trp-Ser)とすることができる。これは以下の化学構造で表すことができる:
【0029】
一実施形態において、イメージング剤は68Ga-NOTA-AE105である。
【0030】
【化1】
【0031】
DOTA
DOTA(テトラキセタンとしても知られる)は、式(CHCHNCHCOH)を有する有機化合物である。この分子は中心の12員テトラアザ(即ち、4個の窒素原子を含む)環から構成される。DOTAは、特にランタノイドイオンの錯形成剤として使用されている。その錯体には造影剤及びがん治療薬としての医療用途がある。
【0032】
DOTAの好ましいIUPAC名
2,2’,2’’,2’’’-(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトライル)四酢酸
68Ga及び64CUと錯体を形成し、AE105に結合しているDOTAを更に後に示す。
【0033】
無再発生存期間(RFS)
「無再発生存期間」(RFS)という用語は、診断から局所領域での疾患の再発(TN部位)及び/又は遠隔転移(M部位)までの期間として定められた臨床的エンドポイントと定義される。他の原因による死亡は打ち切りとして記録される。無病生存期間(DFS)は、あらゆる原因による死亡もイベントとして含めたRFSと定義される。
【0034】
局所領域制御(LRC)
「局所領域制御」(LRC)という用語は、診断から局所領域再発までの期間として定義され、死亡及び遠隔転移は打ち切りとして記録される。
【0035】
全生存期間(OS)
「全生存期間」(OS)という用語は、診断からあらゆる原因による死亡までの期間として定義される。追跡期間は、放射線治療が指示されてから最初の再発、死亡又は追跡終了日である2021年1月1日までの期間から算出した。
【0036】
閾値
本発明の文脈における「閾値」、「基準値」又は「カットオフ」は、量に関する基準に関連し、他の値又は特徴をこれと比較することができる。
【0037】
本発明の一実施形態においては、健康な対象のPET/CTからuPAR量を調査することにより閾値を決定することができる。カットオフの発見、多変量解析などの異なる統計的手法を適用することにより、1つ又は複数の閾値を算出することができる。
【0038】
カットオフを決定する実施例5も参照されたい。
【0039】
これらの結果に基づき、検出された量とリスク集団との関係を示すカットオフを得ることができる。それにより、例えばこのカットオフを用いて、例えばRFS不良又はOS不良のリスクの上昇に対応するuPAR量を決定することができる。
【0040】
リスク評価
本発明者らは、対象の頭頸部がん(HNSCC)のRFS及び/又はOSなどの予後を予測するための新規な方法の開発に成功した。患者が予後不良となるリスクが高いか否かを判定するためには、カットオフ(基準値)を設定する必要がある。このカットオフは、研究所で、医師が、又は患者ごとに個別に設定することができる。
【0041】
カットオフ値は:多変量検定(multivariate statistical test)(部分的最小二乗判別分析(PLS-DA)、ランダムフォレスト、サポートベクターマシンなど)、パーセンタイル、平均値±標準偏差;中央値;倍率変化などの複数の方法を用いて設定することができる。
【0042】
多変量判別分析その他のリスク評価は、無料又は市販のコンピュータ用統計パッケージ(SAS、SPSS、Matlab、Rなど)又は当業者に知られている他の統計ソフトウェアパッケージ若しくはスクリーニングソフトウェアを用いて行うことができる。
【0043】
当業者には明らかであるが、上に述べたどの実施形態においても、各対象の判別分析の結果はリスクカットオフ値を変更することによって変化し得る。
【0044】
統計学を用いて各値の有意性を評価することができる。データセットに適用される慣用されている統計学的検定としては、t検定、f検定又はデータを比較する更に高度な検定及び方法が挙げられる。このような検定又は方法を用いることにより、2つ以上のサンプルが有意に異なるか否かを決定することができる。
【0045】
有意性は、当業者に知られている標準的な統計学方法論により決定することができる。
【0046】
選択した基準値は、試験を適用する哺乳動物/対象に応じて変更され得る。
【0047】
好ましくは、本発明による対象はヒトである。
【0048】
選択された基準値は、当該技術分野において知られているように、所望により、異なる特異度又は感度が得られるように変更することができる。感度及び特異度は、統計学において、バイオマーカー又は診断検査の優良性及び信頼性の高さを表すため及び定量化するために広く使用されている。感度は、バイオマーカー又は診断検査がどの程度疾患の検出に優れているかを評価するものであり、一方、特異度は、ある個体(即ち、対照、疾患のない患者)にリスクがないことをどの程度正しく判別できるかを推定するものである。
【0049】
感度及び特異度の説明に伴い、幾つかの用語;真陽性(TP)、真陰性(TN)、偽陰性(FN)及び偽陽性(FP)が使用される。具合の悪い患者にある疾患が存在することが証明された場合、診断検査の結果はTPと見做される。ある個体(即ち、対照、疾患のない患者)に疾患が存在せず、診断検査で疾患がないことが確認された場合、その検査結果はTNとなる。診断検査が、疾患のない個体にそのような疾患が存在すると示した場合、この検査結果はFPとなる。そして、診断検査が、疾患のある患者を疾患が存在しないと示した場合、この検査結果はFNである。
【0050】
感度
本明細書において使用される感度とは、実際の陽性のうち、陽性であると正しく識別される割合、即ち、標準よりも(above normal)予後不良であると識別される、予後不良となるリスクが標準よりも高い対象のパーセンテージの尺度を指す。
【0051】
通常、検査の感度は、標的の障害を有する、即ち、予後不良となるリスクが標準より高い者の総数のうちの、真陽性の割合と説明することができる。標的の障害を有する患者の総数は、(検出された)真陽性(TP)及び(検出されなかった)偽陰性(FN)の合計である。
【0052】
特異度
本明細書において使用される特異度とは、陰性のうち、陰性であると正しく識別された割合、即ち、予後不良となるリスクが標準よりも高くないと識別された、予後不良のリスクが高くない哺乳動物のパーセンテージの尺度を指す。理想的な診断検査は、特異度が100%である、即ち、予後不良となるリスクが標準より高い対象のみを検出し、したがって、偽陽性の結果が出ず、且つ感度が100%である、即ち、予後不良となるリスクが標準より高い対象を全て検出し、したがって、偽陰性の結果が出ない検査である。
【0053】
通常、どの検査も、各尺度の間にトレードオフが存在する。例えば、製造時に不良品を検査する設定で、ほぼ全ての不良部品を識別する可能性を高めるために(高感度)、機能している部品を廃棄する(低特異度)リスクを負っても構わない場合もある。このトレードオフはROC曲線を用いてグラフで表すことができる。
【0054】
特異度を選択することにより、所与の研究/集団において、及び所与の施設が許容できる偽陽性症例の割合が決まる。特異度を下げると感度が上昇する。
【0055】
当業者に一般に理解されているように、予後をスクリーニングするための方法は意思決定のプロセスであり、したがって、選択される特異度及び感度は、所与の施設/臨床担当者が何を最適な結果と考えるかに依存する。
【0056】
SUVmax
本文脈における「SUVmax」という用語は、悪性組織に取り込まれたuPAR及びFDGを測定するために広く用いられている、「正規化された取り込み値の最大値」(SUVmax)を意味する。取り込み値が高いことは、がん細胞に取り込まれた又は結合したトレーサーが多いことを表しており、これをPETを用いて画像化及び定量化することができる。
【0057】
SUVmean
本文脈における「SUVmean」という用語は、正規化された取り込み値の平均値を意味する。
【0058】
頭頸部がん(HNSCC)患者のPET撮像による予後判定に使用するためのイメージング剤
頭頸部がん(HNSCC)患者の予後判定を改善することは、例えば、不必要な毒性を回避するべく臨床家が減弱治療レジメンを選択できるようにするために重要である。したがって本発明の態様は、頭頸部がん(HNSCC)患者のがんをPET撮像することによる予後判定に使用するための、陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、
イメージング剤に関する。
【0059】
驚くべきことに、実施例項(実施例5)に概説するように、uPAR-PET及び慣用されている18F-FDG-PETスキャン、TNMステージ並びにp16の発現状態(status)を含めた多変量解析モデルにおいて、uPAR-PETのみが、RFSとして表される予後に関し有意なままであったことが判明した。
【0060】
uPAR結合性ペプチド(AE105を含む)の様々なuPAR結合性バリアントが国際公開第2014/086364A1号パンフレットに開示されている。したがって、一実施形態において、uPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される。
【0061】
イメージング剤のuPAR結合性部分は、好ましくは、AE105として知られているものである。したがって、一実施形態において、ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)である。
【0062】
他の実施形態において、C末端はカルボン酸又はアミドである。
【0063】
更なる実施形態において、イメージング剤は、式:
【0064】
【化2】
【0065】
を有する。
がんの位置特定を更に向上させるために、PETスキャンを他の種類のスキャニングと併用することもある。したがって、一実施形態において、予後判定は、PET/CTスキャニング及び/又はPET/MRスキャニングを含む。実施例項においては、PET/CTが使用されている。
【0066】
予後判定を更に定義することができる。したがって、一実施形態において、予後予測とは、無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後判定である。実施例項においては、RFS及びOSが評価されている。
【0067】
好ましい実施形態において、予後判定は、無再発生存期間(RFS)である。繰り返しになるが、例えば、実施例5における、uPAR-PET及び慣用されている18F-FDG-PETスキャン、TNMステージ並びにp16の発現状態を含めた多変量解析モデルにおいて、uPAR-PETのみがRFSとして表される予後に関し有意なままであったことが見出された。
【0068】
異なる量(MBq)のイメージングを使用することができる。イメージング剤を投与してからスキャニングを行うまでの時間も変化し得る。したがって、一実施形態において、イメージング剤を、20~500MBq、例えば100~500MBqの用量で投与した後、イメージング剤を投与してから10分間~24時間後にPETスキャニングを行い、SUVmax及び/又はSUVmeanにより定量化を行う。
【0069】
他の実施形態において、イメージング剤は、20~400MBq、例えば50~400MBq、例えば70~300MBq、例えば100~300MBq又は例えば100~300MBqの用量で、好ましくは150~250MBqなどの用量で、より好ましくは170~230MBqの用量で投与される。したがって、好ましい実施形態において、イメージング剤は、70~300MBqの用量で、好ましくは150~250MBqなどの用量で投与される。実施例項においては約200MBqを使用し、PET撮像はSiemens Biographm CT 64 sliceを用いて実施した。しかしながら、他の装置がより高感度である可能性もあり、それにより、イメージング剤の量をより少なく(MBq)することも可能である。
【0070】
一実施形態においては、撮像に十分な放射能でPET撮像することを可能にするのに十分な量のイメージングエージング(aging)が投与される。
【0071】
68Gaの半減期は約1時間(68分間)であるため、PETスキャニングまでの現実的な時間は10分間~5時間、好ましくは20分間~3時間である。64Cuの半減期は約12.7時間であるため、PETスキャニングまでの間隔を20分間~24時間とすることが現実的である。
【0072】
したがって、関連する実施形態において、PETスキャニングは、イメージング剤を投与してから20分間~10時間後、例えばイメージング剤を投与してから20分間~5時間後、例えば30分間~3時間後に行われる。
【0073】
更なる他の実施形態において、本発明によるイメージング剤は、イメージング剤を、1種又は複数種の医薬的に許容されるアジュバント、賦形剤及び/又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物中に含まれる。
【0074】
予後判定が可能になるように閾値(カットオフ/基準値)を含めることができる。つまり、一実施形態において、本発明による使用のためのイメージング剤に関し、
〇 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
〇 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆している。
【0075】
実施例5において、具体的な最適な閾値(カットオフ)を算出した(図3A~Dも参照されたい)。
【0076】
実施例5にも概説するが、本発明によるイメージング剤は、無再発生存期間(RFS)の予後に関し特に有効である。したがって、一実施形態において、
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であることを示唆している。
【0077】
更なる実施形態において、前記SUVmax及び/又はSUVmeanの閾値は、1~4の範囲、例えば2~4の範囲、好ましくは2~3、例えば2.4~2.8の範囲にある。SUVmax及び/又はSUVmeanの閾値は実施例5で算出されている。
【0078】
更なる実施形態において、前記閾値は、カプラン・マイヤープロット(ログランク検定)における分割点及び対応するハザード比(HR)を得るためのカットオフを発見する方法により決定される。
【0079】
更なる他の実施形態において、前記ヒト患者は、根治を目的とした放射線治療が指示されている。
【0080】
更なる実施形態において、HNSCCは、咽頭、喉頭又は口腔に位置する。
【0081】
一実施形態において、前記予後予測には、18F-FDG-PETスキャン、TNMステージ及びp16発現状態のうちの1つ又は複数が更に包含される。しかしながら、驚くべきことに、RFSとして表される予後に関しては、uPAR-PETのみが有意なままであったことが判明したことに留意されたい。
【0082】
好ましい態様において、本発明は、ヒト患者のがんをPET撮像することによる、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の無再発生存期間(RFS)及び/又は全生存期間(OS)の予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントであり、
このuPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択され、
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
- 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆しているイメージング剤に関する。
【0083】
患者の頭頸部がん(HNSCC)の予後を評価するためにPET撮像によりin vivo撮像する方法
本発明の他の態様は、患者の頭頸部がん(HNSCC)の予後を評価するためにPET撮像によりin vivo撮像する方法であって、前記方法は:
a)本発明によるイメージング剤を事前に投与した対象を提供することと;
b)ステップa)で投与されたイメージング剤の放射性同位体からの放射能放出をin vivo PET撮像することにより検出することと;
c)前記放射能放出の位置及び/又は量を表す画像を生成することと;
d)前記対象におけるuPAR発現の分布及び程度を決定することであって、前記発現は、前記in vivoイメージング剤により放出される前記シグナルと相関している、ことと;
e)決定されたuPAR発現の分布及び程度を閾値と比較することと;
を含み、
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値を超えることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が不良であることを示唆しており;並びに
・ 定量化されたSUVmax及び/又はSUVmeanの値が閾値以下であることは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であること及び/又は全生存期間(OS)に関する予後が良好であることを示唆している、方法に関する。
【0084】
本発明による予後判定は、臨床家が、患者の根治を目的とする放射線治療などの治療プロトコルを選択するために使用することができる。つまり、一実施形態において、無再発生存期間(RFS)に関する予後が良好であることが示唆された場合、前記対象には、不必要な毒性を回避するための減弱治療レジメンの計画及び/又はリスク層別化されたフォローアップ計画が立てられ得る。一実施形態において、前記治療は、根治を目的とする放射線治療である。
【0085】
本文脈における減弱治療プロトコルは、無再発生存期間(RFS)に関する予後が不良な患者と比較して、患者に対する毒性/有害性が低いと考えられるプロトコルである。
【0086】
一実施形態において、前記減弱治療では、放射線治療が回避されるか又は低減される。
【0087】
in vivo PET撮像による頭頸部がん(HNSCC)患者の予後予測における陽電子放出イメージング剤の使用
本発明の更なる態様は、uPARを発現している腫瘍をin vivo PET撮像することによる頭頸部がん(HNSCC)患者の予後予測における、本発明による陽電子放出イメージング剤の使用であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTAを介して放射性核種である68Gaに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、
使用に関する。
【0088】
この態様の代替的な部分においては、前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTA又はDOTAを介して放射性核種である68Ga又は64Cuに結合されたuPAR結合性ペプチドを含む。
【0089】
同様に、一実施形態において、そのuPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser),
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser),
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(N-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される。
【0090】
本発明の更なる態様は、頭頸部がん(HNSCC)患者のがんをPET撮像することによる予後判定に使用するための陽電子放出イメージング剤であって、
前記イメージング剤は、キレート剤であるNOTA又はDOTAを介して放射性核種である68Ga又は64Cuに結合されたuPAR結合性ペプチドを含み;
このuPAR結合性ペプチドは、(D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)であるか又はそのuPAR結合性バリアントである、イメージング剤に関する。
【0091】
同様に、一実施形態において、そのuPAR結合性バリアントは、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Ser)-(Leu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Gln)-(Tyr)(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Thr)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (D-Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)-(β-2-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Arg)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(Ser)、
・ (D-Glu)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(Tyr)-(Tyr)-(Leu)-(Trp)-(Ser)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Leu)-(Leu)-(Trp)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Leu)-(Trp)-(Ile)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(Tyr)-(Leu)(β-1-ナフチル-L-アラニン)-(D-His)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(3-インドリルエチル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-ベンジルグリシン)-(2βトキシエチル(2[beta]thoxyethyl))グリシン)、
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(メチルナフタリル)グリシン)-(N-(2-メトキシエチル)グリシン)及び
・ (Asp)-(β-シクロヘキシル-L-アラニン)-(Phe)-(D-Ser)-(D-Arg)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(D-Phe)-(N-(2,3-ジメトキシベンジル)グリシン)-(Ile);
からなる群から選択される。
【0092】
一実施形態において、イメージング剤は、68Ga-NOTA及び本発明に関し概説したuPAR結合性ペプチドを含む。
【0093】
一実施形態において、イメージング剤は、68Ga-DOTA及び本発明に関し概説したuPAR結合性ペプチドを含む。一実施形態において、イメージング剤は、式:
【0094】
【化3】
を有する。
【0095】
一実施形態において、イメージング剤は、64Cu-NOTA及び本発明に関し概説したuPAR結合性ペプチドを含む。一実施形態において、イメージング剤は、式:
【0096】
【化4】
を有する。
【0097】
一実施形態において、イメージング剤は、64Cu-DOTA及び本発明に関し概説したuPAR結合性ペプチドを含む。一実施形態において、イメージング剤は、式:
【0098】
【化5】
を有する。
【0099】
放射性核種-キレート剤-uPAR結合性ペプチド(AE105を含む)の様々な変形形態が国際公開第2014/086364A1号パンフレットにも開示されており、当該明細書を参照により本明細書に援用する。
【0100】
2種のuPAR-PETトレーサーである64Cu-DOTA-AE105及び68Ga-NOTA-AE105は、同じ結合性部分、即ちペプチドAE105が共通している。加えて、これらはいずれもヒト及び動物の両方で試験されており(例えば、15、17及び国際公開第WO2014/086364A1号パンフレット)、乳がん、膀胱がん及び前立腺がんに同様に取り込まれることが実証されている。したがって、理論に束縛されるものではないが、この2種のPETトレーサーはHNSCC患者に対しても類似の様式で作用するであろうと考えられている。
【0101】
本発明の態様のうちの一つに関連して記載された実施形態及び特徴は本発明の他の態様にも適用されることに留意すべきである。
【0102】
本出願に引用した全ての特許及び非特許参考文献全体を参照により本明細書に援用する。
【0103】
ここで以下の非限定的な実施例において本発明を更に詳細に説明する。
【実施例
【0104】
実施例1 - 材料及び方法
患者集団
組み入れ基準は、生検により確認された咽頭、喉頭又は口腔のがんと診断されている、根治を目的とする放射線治療が指示されている、提示された情報を理解している、同意取得が可能である、及び年齢18歳以上である、患者とした。
【0105】
除外基準は、妊娠、泌乳/授乳中、年齢85歳以上、肥満(体重140kg以上)、喉頭の小さいがん(1A、1B)、68Ga-NOTA-AE105に対するアレルギー、FDG-PET/CTで転移を認めた、並びに他のがん及び閉所恐怖症が事前に判明していることとした。同意取得後、適格患者を組み入れた。組み入れ前にHNSCCの診断及びp16の発現状態を組織学的に確認した。喫煙、飲酒、臨床検査、治療計画、検査結果及び組織学的結果、病歴並びにフォローアップ検査の情報を患者の記録から収集した。病期を国際対がん連合(Union for International Cancer Control)(UICC)による第8版に従いコード化した。
【0106】
68Ga-uPAR-PET/CTの取得
HNSCC治療に関する現行の国内ガイドラインによれば、放射線治療は治療決定から11日以内に開始することになっており、18F-FDG-PET/CT及び68Ga-uPAR-PET/CTを前向き研究の一部として、いずれもこの期間内に実施した。放射線治療後の骨壊死のリスクを最小限に抑えるために、患者は歯科検査を受け、抜歯する場合は放射線治療の開始を処置の2週間後まで延期した。その場合、18F-FDG-PET/CT及び68Ga-uPAR-PET/CTは処置の前又は少なくとも4日後に予定した。
【0107】
全患者に68Ga-NOTA-AE105を約200MBq(中央値191、範囲158~209MBq)を静脈内注射し、注射から20分後に並列型(sequential)全身PET/CTスキャンを開始した。全身68Ga-NOTA-AE105 PET及び診断目的の造影CT(頭蓋底~大腿近位部)を、一体型全身PET/CT(Siemens Biograph mCT 64 slice、独国エアランゲンのシーメンス(Siemens,Erlangen,Germany))を用いて同時に実施した。リガンドの合成は既報の通りに実施した(15)。
【0108】
患者を平坦な検査台上に仰臥位で固定し、腕を標準的な解剖学的位置に置き、頭部固定用マスクは装着しなかった。CTスキャンは、120kV、170MAS、ピッチ0.8で実施した。PETデータを、逐次近似再構成法により、飛行時間、点拡がり関数及び吸収補正を用いて、逐次近似回数2、サブセット数21、ガウシアンフィルタ2mmとして再構成した。
【0109】
画像解析
68Ga-uPAR-PET/CT及び18F-FDG-PET/CTの画像データを核医学の認定専門技術者2人が解析した。読影者は、関心領域(VOI)、他の読影者の結果及び患者情報に関し盲検化された。18F-FDG-PET/CT上の原発腫瘍部位に対応する関心領域を68Ga-uPAR-PET/CT上で目視で輪郭描出した。68Ga-uPARリガンド及び18F-FDGの関心領域における取り込みを68Ga-uPAR-PET/CT及び18F-FDG-PET/CT上のSUVmaxとして変数とし、両トレーサーに関し記録した後、再発及び生存に関する情報を取得した。
【0110】
患者が2つの同時性原発性HNSCCを発症していた場合は、SUVmaxが最も高い腫瘍を統計解析に含めた。独立した2人の読影者から得たSUVmaxの平均値を統計解析に含めた。
【0111】
治療及びフォローアップ
全ての患者は、国内ガイドラインに従い、化学療法を併用して又は非併用で強度変調放射線治療(IMRT)を受けた(18)。全ての患者に投与指示線量66~68Gyを33~34分割で週6回照射し、患者1名は陽子線照射を受けた。進行性疾患の患者は、適応すると評価された場合、毎週シスプラチン投与(40mg/m2)を併用し;肝機能及び腎機能検査が正常であり、中枢神経症状のない全ての患者には、低酸素放射線増感剤(ニモラゾール)を毎日投与した(1200mg/m2)。国内ガイドラインに従い、全てのHNSCC患者は5年間のフォローアッププログラムに参加した。試験期間中、全ての患者はフォローアッププログラムに参加し、併発症、他の診療科の受診及び死亡者をデンマーク国の個人識別番号で追跡した。
【0112】
統計解析
検出力70%(β:30%)、有意水準(α)5%、追跡期間2年間とし、2.5のHRを検出できるようにするために試験に必要なサンプルサイズは104例と算出された。しかしながら、COVID-19の世界的流行によって臨床試験の実施に遅れが生じ、そのため研究が遅延したものの、追跡期間を延ばすことにより必要なイベント数に到達した。
【0113】
臨床的エンドポイントは、診断から局所領域での疾患の再発(TN部位)及び/又は遠隔転移(M部位)までの期間として定義される無再発生存期間(RFS)であり、他の原因による死亡は打ち切りとして記録され、無病生存期間(DFS)は、あらゆる原因による死亡もイベントとして含むRFSと定義される。局所領域制御(LRC)は、診断から局所領域再発までの期間として定義し、死亡及び遠隔転移は打ち切りとして記録した。全生存期間(OS)は、診断からあらゆる原因による死亡までの期間として定義した。追跡期間は、放射線治療が指示されてから最初の再発、死亡又は追跡終了日である2021年1月1日までの期間から算出した。
【0114】
予後良好及び予後不良の判別に最適なカットオフ(閾値)の決定は、Budcziesら(19)により開発されたRパッケージであるCut-off finderを用いて行った。カットオフよりも低い又は高いバイオマーカー発現と生存転帰との間の関連を、差の有意性を評価するためにログランク検定を用いてカプラン・マイヤープロットで可視化した。PET変数を、RFS及びOSに関し定めたカットオフに応じて二値化した変数として含めて、単変量及び多変量Cox比例ハザードモデルでハザード比を推定した。
【0115】
生存解析に含めたイベント数は:RFSの解析に17イベント及びOSの解析に16イベントであった。このイベント数に基づくと、4つの予測因子が、最終的な多変量Coxモデルに合理的に含めることができる説明変数の最大数であった。68Ga-uPAR SUVmaxの予後予測値を評価し、それを18F-FDG SUVmaxと比較するという目的に加えて、画像以外の最も重要なHNSCC予後因子であるTNMステージ及びp16の発現状態(p16陽性OPSCC対他の全ての腫瘍)も多変量解析に含めた(9)。モデルの性能をHarrellのConcordance Index(C-index)を用いて推定した。
【0116】
SUV測定の評価者間信頼性を級内相関係数(ICC)を用いて評価した。
【0117】
p値が<0.05であれば統計的に有意と見做した。統計解析はIBM SPSS Statistics v.22(IBM Corp.Armonk,NY)及びR(http://www.Rproject.org)を用いて行った。
【0118】
実施例2 - 患者
咽頭、喉頭又は口腔のHNSCCと最近診断され、デンマーク国のRigshospitalet and Naestved Hospitalで根治を目的とする放射線治療が指示された計57名の患者を2017年12月~2019年11月の本前向き第II相試験に連続して組み入れた(図1)。68Ga-NOTA-AE105の投与に関連する反応又は有害事象を経験した患者はいなかった。1名は閉所恐怖症のため68Ga-NOTA-AE105-(uPAR)-PET/CTスキャンを中止し、2名はリンパ節生検で頭頸部の原発不明腫瘍(UPT)と診断されたため統計解析から除外した。患者の特徴を表1に示す。半数を超える患者(59.2%)が早期の病期(病期1~2)であり、38.9%は初発時の(primary)領域リンパ節病変を認めなかった。更に、61.1%は中咽頭に位置しており、うち78.7%がp16陽性であった。追跡期間の中央値は33.8ヵ月(範囲2.30~47.2)であった。
【0119】
【表1】
【0120】
実施例3 - 臨床的追跡調査
15/16例で局所領域再発が組織学的に確認され、研究結果の参考にした。1例は組織学的に局所領域再発が確認されなかったが、18F-FDG-PET/CT上の原発部位に活動性の腫瘍を有し、肺転移が組織学的に確認された。遠隔転移が疑われた全て(3名)の患者から生検又は手術により生物学的材料を入手した。その結果、再発に関するデータに欠損はなく、原発不明腫瘍(UPT)の2例については原発腫瘍のデータが欠損しているため除外した。追跡不能例はなく、組み入れ前に臨床病理学的情報を収集した。
【0121】
17例(31.5%)が再発と診断され、うち7例(13.0%)が原発部位(T部位)、5例(9.3%)が原発部位及びリンパ節(TN部位)、2例(3.7%)がリンパ節(N部位)、3例(5.6%)が肺への遠隔転移(M部位)と診断された。2例は2ヵ月後の経過観察時に残存腫瘍に分類された。再発17例のうち10例(58.8%)はp16陰性腫瘍であり、7例(41.2%)はp16陽性腫瘍であった。局所領域再発の30%(3/10)がp16陽性であり、遠隔転移の全例(3/3)がp16陽性と確認された。再発を経験した17名の患者は全員一次放射線治療の全分割を完了している。
【0122】
追跡期間中に16例(29.6%)が死亡し、うち8例(14.8%)がHNSCC、8例(14.8%)がHNSCC以外の原因による死亡であり、1例(1.9%)は治療から1ヵ月後に敗血症により死亡、1例は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の憎悪により死亡、1例は肺塞栓症により死亡(死亡前に再発と診断され、手術に成功)、1例はHIVのための定期的な治療を中止し、感染症により死亡、1例は直腸がんにより死亡、2例は肺がんにより死亡、1例は死因不明であったが、死亡2ヵ月前の経過観察時に再発の徴候は見られなかった。がん以外の死亡例で、その前の経過観察時に再発の徴候が認められた例はなかった。治療から1ヵ月後、最初の定期的な経過観察よりも前に敗血症により死亡した1名は、無イベントとして統計解析に含めた。敗血症及びCOPD憎悪時の急性期に実施した画像診断では再発の徴候は認められなかった。HNSCCが原因で死亡した6例のうち4例(66.7%)はp16陰性であり、2例(33.3%)はp16陽性であった。
【0123】
実施例4 - 68Ga-uPAR-及び18F-FDGの取り込み
原発腫瘍のSUVmaxの中央値は、68Ga-uPAR取り込みに関しては2.98(範囲1.94~5.24)であり、18F-FDGの取り込みに関しては15.7(範囲4.24~45.5)であった(図2)。68Ga-uPAR-及び18F-FDG-PET/CTを行うまでの期間の中央値は2.4日(範囲1~4)であった。
【0124】
実施例5 - カットオフ点及びカプラン・マイヤー曲線
研究の目的
カットオフポイント及びカプラン・マイヤー曲線を決定すること。
【0125】
結果
カプラン・マイヤープロット(ログランク検定)の最も有意な分割点として求められる最適なカットオフポイント(閾値)及び対応するハザード比(HR)を、95%信頼区間を含めて算出した(19)。
【0126】
68Ga-uPARに関するカットポイントは、RFSでは2.63であり、OSでは2.66であり、RFSの解析では、患者がカットオフを超える41人(75.6%)及びカットオフ未満の13人(24.1%)の群に分けられ、OSの解析では、カットオフを超える40人(74.1%)及びカットオフ未満の14人(25.9%)の群に分けられた。
【0127】
18F-FDG-PETに関するカットポイントは、RFSでは22.7であり、OSでは22.9であり、RFSの解析では、患者がカットオフ未満の42人(77.8%)及びカットオフを超える12人(22.2%)の群に分けられ、OSの解析では、患者がカットオフ未満の43人(79.6%)及びカットオフを超える11人(20.4%)の群に分けられた。
【0128】
結論
カプラン・マイヤー曲線と差に関するログランク解析とを組み合わせた結果、以下の間に有意な関連性が示された:
a)無再発生存期間(RFS)に関する不良(ログランクp=0.012)とカットオフを超える68Ga-uPAR SUVmaxとの間(図3A);及び
b)全生存期間(OS)に関する不良(ログランクp=0.02)とカットオフを超える68Ga-uPAR SUVmaxとの間(図3B)。
【0129】
同様に、カプラン・マイヤー曲線と差に関するログランク解析とを組み合わせた結果、以下の間にも有意な関連性が示された:
a)無再発生存期間(RFS)の短縮(p=0.012)とカットオフを超える18F-FDG SUVmaxとの間(図3C);及び
b)全生存期間(OS)に関する不良(p<0.001)とカットオフを超える18F-FDG SUVmaxとの間(図3D)。
【0130】
重要なことは、驚くべきことに、特定されたカットオフを下回る68Ga-uPAR SUVmaxは、18F-FDGと比較して、無再発生存期間(RFS)及び全生存期間の強力な予測因子であったことである(図3参照)。更に驚くべき(且つ重要な)ことは、特定されたカットオフを下回る68Ga-uPAR SUVmaxは、18F-FDGと比較して、無再発生存期間(RFS)の非常に強力な予測因子であったことである(図3A及び3Cを比較されたい)。
【0131】
つまり、68Ga-uPARはRFSの強力な予後マーカーであるため、68Ga-uPARが低値であった場合に臨床家が減弱治療レジメンを決定することが可能になる。
【0132】
要約すると、uPAR-PET及び慣用されている18F-FDG-PETスキャン、TNMステージ並びにp16の発現状態を含めた多変量解析モデルにおいて、RFSとして表される予後に関し、uPAR-PETのみが有意なままであることが判明した。
【0133】
実施例6 - 生存解析
研究の目的
生存解析を行うこと。
【0134】
結果
RFS及びOSに関するCox比例ハザードモデルを用いた単変量及び多変量解析をそれぞれ表2及び表3にまとめる。
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【0137】
単変量解析において、原発腫瘍の68Ga-uPAR取り込みが高値である(カットオフを超える)ことは、RFSの短縮と有意な関連性を示し(HR=8.53(95%信頼区間(CI)1.12~64.7)、p=0.038)、OSとは、有意ではないが弱い(borderline significant)関連性を示した(HR=7.44(95%CI 0.981~56.44)、p=0.052)。18F-FDGの取り込みが高値であることは、RFS及びOSの短縮と有意な関連性を示した(HR=3.27(95%CI 1.237~8.66)、p=0.017)及び(HR=7.10(95%CI 2.60~19.4)、p<0.001)。TNMステージの高さ(S3~4)は、RFS(HR=3.46(95%CI 1.216~9.88)、p=0.020)及びOS(HR=6.72(95%CI 2.12~21.4)、p=0.001)のどちらとも有意に関連していた。
【0138】
68Ga-uPAR SUVmax、18F-FDG SUVmax、TNMステージ及びp16を含めた多変量解析においては、68Ga-uPAR SUVmaxのみが依然としてRFSと有意な関連性を示した(HR8.50(95%CI 1.11~65.3)、p=0.040)が、OSに関しては有意な関連性を示さなかった(HR=4.58(95%CI 0.583~36.0)、p=0.148)。OSに関しては、18F-FDG SUVmaxが高値であること(HR=4.986(95%CI 1.658~14.990)、p=0.004)及びTNMステージが高いこと(HR=3.856(95%CI 1.114~13.343)、p=0.033)が依然として有意な関連性を示した。DFS解析の結果は、DFSはRFSイベント及びOSイベントの組合せであることを反映していた(データは示さず)。LRCに関しては、イベントが少な過ぎて、結論を導くだけの検出力がなかったが、RFSと同じ傾向を示していた。
【0139】
事後解析においては、多変量解析coxモデルに68Ga-uPAR SUVmaxを含めることにより、RFS解析の予測能力が向上し(C-index:0.74~0.78)、18F-FDGを含めた場合も向上した(C-index:0.76~0.78)。OS解析において、68Ga-uPAR SUVmaxを含めることにより予測性能が向上し(C-index:0.81~0.84)、18F-FDGを含めた場合も向上した(C-index:0.80~0.84)。TNMステージ及びp16のみを含めたモデルのC-indexは、RFSで0.70、OSで0.77であった。
【0140】
実施例7 - 68Ga-uPAR及び18F-FDGの一致
研究の目的
68Ga-uPARと18F-FDGとの一致を決定すること。
【0141】
結果
事後解析において、68Ga-uPAR-PET及び18F-FDGを組み合わせて、設定したカットオフに従い、1)両方のスキャンで低値、2)一方のスキャンが高値/もう一方のスキャンが低値、及び3)両方のスキャンが高値、の群に分けたところ、RFS及びOSに関する一致率は40%に近く、RFS及びOSに関する不一致率は60%に近いことが示された。
【0142】
各群の分布を表4及び図4A~Bのカプラン・マイヤー曲線に示す。
【0143】
【表4】
【0144】
全体として、RFS及びOS解析において群間に有意な差が認められた(ログランクp=0.001)。RFS及びOSに関し、両方が高値で一致している群のRFSは、両方が低値で一致している群と比較して有意に不良であった(p<0.0001)。一方の取り込みが低値/もう一方が高値である不一致の群は予後が中間であり、両方が高値であった群と比較して、RFS及びOSの両方に関し、予後が有意に良好であった(p=0.006及びp<0.0001)が、両方が低値の群と比較すると、有意に達しなかったものの(p=0.110及びp=0.069)、より不良であった。
【0145】
結論
非常に驚くべきことに、uPAR-PETに加えて、慣用されている18F-FDG-PETスキャン、TNMステージ及びp16の発現状態を含めた多変量モデルにおいて、uPAR-PETのみが、RFSとして表される予後に関し有意なままであった。
【0146】
実施例8 - 評価者間信頼性
腫瘍のSUVmax測定における評価者間信頼性は良好であり、ICCは0.835であった(95%CI 0.713~0.905)。
【0147】
データの考察
本前向き研究から得られた主な知見は、68Ga-NOTA-AE105を使用する68Ga-uPAR-PET/CTが、根治を目的とする放射線治療が指示されたHNSCC患者のRFSを予測できることであった。
【0148】
単変量解析においては、18F-FDG-SUVmaxもRFSを予測したが、68Ga-uPAR-SUVmax、18F-FDG-SUVmax、TNMステージ及びp16免疫組織化学的検査を含めた多変量解析においては、68Ga-uPAR-SUVmaxのみが有意なままであった。
【0149】
したがって本発明者らは、根治を目的とする放射線治療が指示されたHNSCC患者の高リスク群及び低リスク群を識別するために、原発腫瘍の68Ga-uPAR-PET SUVmaxカットオフを設定できたことを実証した。PETのパラメータであるSUVmaxは簡単に得られ、文献に最も多く報告されており、且つPETの取り込みに関し最も再現性の高い評価基準である(20)。
【0150】
68Ga-uPAR-PETでOSが予測できなかった理由は、本発明者らの研究では非HNC関連死が8/16(50%)と大きな割合を占めたことで説明できる可能性がある。多くのHNSCC患者は一般健康状態が不良であり、喫煙及び飲酒によるリスクが競合することによって、HNSCC以外での死亡が増えることが知られている(21)。しかしながら、本発明者らの研究は、HNSCC関連死の予測において68Ga-uPAR-PETを評価するための検出力を有していなかった。
【0151】
uPARの発現は腫瘍の浸潤及び転移過程に関与しているので(12,14)、uPAR-PETのレベルが高いことが再発と関係していることは驚くべきことではない。前段階の68Ga-uPAR-PETの第I相臨床試験(16,17,22)に加えて、一連の前臨床試験(13,23-26)においても、本発明者らによる68Ga-uPAR-PETで実際にuPAR発現が可視化されることが実証されている。
【0152】
18F-FDG-PET SUVmaxは最も一般的且つ十分に特徴付けられたPET取り込みの指標であり、様々ながんの予後マーカーとして提案されている。したがって、本発明者らの研究において、本発明者らは、比較を行うために18F-FDG-PET SUVmaxを予め定義した。HNSCCに関しては、幾つかの研究で、18F-FDG-PET SUVmaxは予後に関する情報を確実に保持していると結論付けられているが、その結果は一致していない。その研究の殆どは後向きコホート研究であり、その関心事は、単に18F-FDGが既知の臨床危険因子、特に腫瘍径の代用マーカーとなることにあった(10,11)。一方、本発明者らの結果は、単変量解析において68Ga-uPAR及び18F-FDGのSUVmaxがどちらも患者の転帰の有意な予測因子となるというエビデンスを支持している。
【0153】
18F-FDGは腫瘍特異的ではなく、画像読影においては、生理学的な取り込みや頭頸部の複雑な解剖学的組織構造に起因する様々な落とし穴が存在する(27)。本発明者らは、18F-FDG-PET SUVmaxは多変量モデルにおいてOSを予測することができるが、RFSは予測できないことを見出した。多変量モデルにおいて、68Ga-uPAR-PETはRFSに関し有意なままであったが、18F-FDG-PETは有意ではなく、これは、68Ga-uPARを用いて得られる予後情報が18F-FDG-PETとは異なることを示している。この2種のトレーサーは異なる目的で使用することができ、腫瘍全体の非侵襲的な詳細な特徴付けにおいて互いに補完し合うことができる(28-30)。68Ga-uPARと18F-FDGとが一致すれば、将来的に、個別化治療及びフォローアップ戦略を目的とする低(両方低値)、中(一方が低値/もう一方が高値)及び高リスク患者(両方高値)のリスク層別化のための追加情報となり得る。
【0154】
より最近では、18F-FDG-PETの取り込み指標である代謝腫瘍体積(MTV)及び総腫瘍代謝量(TLG)が有望な予後予測結果を示しており、将来的に、このようなパラメータをより後の段階の相試験に含めることは興味深いことである(31)。それでも尚、これらのパラメータには幾つかの制限があり、ボリュームセグメンテーション及び閾値に関する共通見解は確立されていない(31)。68Ga-uPAR-PETによる予後判定に関しては、本発明者らは、腫瘍内の最も攻撃的な表現型の特徴付けに、及び予後予測因子として、SUVmaxが体積の測定値よりも適切な指標であると考えている。
【0155】
本研究は、中程度の規模の研究対象集団における最初の概念実証研究である。集団の正確な構成にも依存し得るカットオフ値を正確に設定するためには、将来的により規模の大きい前向き(第III相)試験が必要である。それでも、本発明者らは、現段階のSUVmaxカットオフ点である2.63を用いて、再発リスクの低い25%の患者を識別した。化学放射線治療には相当な毒性が付随するため、選別された患者の治療を減弱化する計画が探し求められており、68Ga-uPARによって、そのような低リスク患者を高い信頼性で識別することが支援され得る(7)。
【0156】
更に、頭頸部がん治療後のサーベイランス戦略にはかなりの差がある(32)。定期的な画像診断は標準化されておらず、患者に要求される追跡来院の回数がより少ない場合も多い(33)。68Ga-uPAR-PETの結果が検証されれば、68Ga-uPAR-PETがリスク層別化されたフォローアップ計画の発展に寄与する可能性もある。
【0157】
過去数十年間、HNSCC患者の治療を最適化する研究は、放射線治療の幾何学的精度に焦点が当てられていたが、それが生物学的精度に移行し始めている。68Ga-uPAR-PETによる予後予測の長所は、取り込みが低く、殆ど取り込みがない腫瘍もあり得ることから、腫瘍病変を視覚的に輪郭描出するのではなく、定量的に読み取りを行うことにある。したがって、68Ga-uPAR-PETが診断ツールとして18F-FDG-PETと置き換わることはない。加えて、68Ga-uPAR-PET/CTは、uPARを標的とする光プローブを用いたuPARを標的とする光ガイド下(optical guided)手術に適格な患者を選別するため又はuPARを標的とする放射性核種療法に適格な患者を選別するため、及び腫瘍の取り込みが高値である患者のIMRTにおいて、uPARを標的とする線量投与を個別化した外部放射線治療の計画を立てるための、重要なコンパニオン診断となり得る(23,34-37)。
【0158】
結論
68Ga-NOTA-AE105を用いた68Ga-uPAR-PET/CTの予後予測の影響を評価する現在の第II相臨床試験において、68Ga-uPAR-PET SUVmaxが、根治を目的とする放射線治療が指示されたHNSCC患者のRFSを予測できることが示された。68Ga-uPAR SUVmax、18F-FDG SUVmax、TNMステージ及びp16の発現状態を含めた多変量解析において、68Ga-uPAR SUVmaxのみがRFSに関し有意なままであった。OSについては、TNMステージ及び18F-FDG SUVmaxが有意であった。
【0159】
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図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
【国際調査報告】