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特表2024-546468光学二重ファブリペロー干渉計フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】光学二重ファブリペロー干渉計フィルム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20241217BHJP
   G01J 3/26 20060101ALI20241217BHJP
   G02B 1/11 20150101ALI20241217BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20241217BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241217BHJP
   H10K 50/852 20230101ALI20241217BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20241217BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20241217BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241217BHJP
   H10K 50/115 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
G02B5/28
G01J3/26
G02B1/11
G02B5/08 A
H10K59/10
H10K50/852
H10K59/38
H05B33/14 Z
G09F9/30 349D
H10K50/115
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533119
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 KR2022019324
(87)【国際公開番号】W WO2023101456
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0171090
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517354917
【氏名又は名称】キョンブク ナショナル ユニバーシティ インダストリー-アカデミック コーオペレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ド ユン セオン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュン ヨン
【テーマコード(参考)】
2G020
2H042
2H148
2K009
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2G020CB27
2G020CC23
2G020CC26
2H042DA02
2H042DA04
2H042DA05
2H042DE09
2H148GA07
2H148GA09
2H148GA15
2H148GA23
2H148GA32
2H148GA52
2H148GA61
2K009AA03
2K009BB01
2K009BB02
2K009BB11
2K009FF02
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC07
3K107CC42
3K107CC45
3K107DD57
3K107EE21
3K107FF06
3K107FF15
5C094AA08
5C094AA43
5C094AA44
5C094BA27
5C094DA06
5C094DA12
5C094EB02
5C094EB05
5C094ED01
5C094ED11
5C094ED12
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB16
5C094JA08
(57)【要約】
本発明は、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムに関し、具体的には、二重のキャビティ層を用いて色純度を高める技術に関する。本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムは、第1反射防止層と、第1反射防止層の上部に形成される第2反射防止層と、第1反射防止層と第2反射防止層との間に形成される第1及び第2キャビティ領域とを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反射防止層と、
前記第1反射防止層の上部に形成される第2反射防止層と、
前記第1反射防止層と前記第2反射防止層との間に形成される第1及び第2キャビティ領域とを含む、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項2】
前記第1反射防止層の上部に形成される第1反射層と、
前記第1反射層の上部に形成される第2反射層と、
前記第2反射層と前記第2反射防止層との間に形成される第3反射層とを含み、
前記第1キャビティ領域は、
前記第1反射層と前記第2反射層との間に形成される第1キャビティ層であり、
前記第2キャビティ領域は、
前記第2反射層と前記第3反射層との間に形成される第2キャビティ層である、請求項1に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項3】
前記第1キャビティ領域は、
前記第1キャビティ領域に入射される光の第1予め設定された波長帯域で1次共振を発生させ、
前記第2キャビティ領域は、
前記第2キャビティ領域に入射される光の第2予め設定された波長帯域で高次共振を発生させる、請求項1に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項4】
前記第2キャビティ領域における前記高次共振の共振次数は、前記第2キャビティ領域の厚さによって決定される、請求項3に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項5】
前記第1キャビティ領域の厚さによって、前記光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光のスペクトル分布が決定される、請求項1に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項6】
前記第1キャビティ層の厚さは20nm~250nmである、請求項2に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項7】
前記光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光の赤色(Red)、緑色(Green)及び青色(Blue)の共振波長のピーク位置及びそれぞれにおける色純度は、前記第2キャビティ領域の厚さによって決定される、請求項1に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項8】
前記第2キャビティ層の厚さは200nm~1000nmである、請求項2に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項9】
前記第1反射防止層、前記第2反射防止層、前記第1キャビティ領域及び前記第2キャビティ領域のうちの少なくとも1つは、誘電体物質を含む、請求項3に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項10】
前記誘電体物質は、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPVP、PVC、PI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物である、請求項7に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項11】
前記誘電体物質は透明である、請求項7に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項12】
前記第1反射層、前記第2反射層及び前記第3反射層のうちの少なくとも1つは、半透明反射体で形成される、請求項2に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項13】
前記反射体は金属薄膜で形成される、請求項12に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項14】
前記第1反射層、第2反射層及び第3反射層のうちの少なくとも1つの前記金属薄膜の厚さが1nm~35nmである、請求項13に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項15】
前記金属薄膜は、
金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項16】
前記金属薄膜は、前記金、銀及びアルミニウムの合金物質のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項17】
前記第2反射防止層の上部に形成される基板をさらに含む、請求項1に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項18】
前記基板は、ガラス基板、絶縁性高分子基板、半導体基板及び透明な基板のうちの少なくとも1つである、請求項17に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項19】
前記基板は、透明なフレキシブル基板である、請求項15に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項20】
第1反射防止層と、
前記第1反射防止層の上部に形成される第1反射層と、
前記第1反射層の上部に形成される第2反射層と、
前記第1反射層と前記第2反射層との間に形成される第1キャビティ層と、
前記第2反射層の上部に形成される第3反射層と、
前記第2反射層と前記第3反射層との間に形成される第2キャビティ層と、
前記第3反射層の上部に形成される第2反射防止層とを含む、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項21】
前記第1キャビティ層は、
前記第1キャビティ層に入射される光の第1予め設定された波長帯域で1次共振を発生させ、
前記第2キャビティ層は、
前記第2キャビティ層に入射される光の第2予め設定された波長帯域で高次共振を発生させる、請求項20に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項22】
前記第2キャビティ層における前記高次共振の共振次数は、前記第2キャビティ領域の厚さによって決定される、請求項21に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項23】
前記第1キャビティ層の厚さによって、前記光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光のスペクトル分布が決定される、請求項20に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項24】
前記第1キャビティ層の厚さは20nm~250nmである、請求項20に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項25】
前記光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光の赤色(Red)、緑色(Green)及び青色(Blue)の共振波長のピーク位置及びそれぞれにおける色純度は、前記第2キャビティ領域の厚さによって決定される、請求項20に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【請求項26】
前記第2キャビティ層の厚さは200nm~1000nmである、請求項20に記載の光学二重ファブリペロー干渉計フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムに関し、具体的には、二重のキャビティ層を用いて色純度を高める技術に関する。
【0002】
また、本発明は、下記の電子部品産業技術開発(R&D)事業の一環として行った研究から導き出されたものである。
【0003】
本特許と関連する国の研究開発課題の情報は、次の通りである。
課題固有番号:1415173989
課題番号:20016350
事業主務省庁名:産業通商資源部
課題管理(専門)機関名:韓国産業技術評価管理院
研究事業名:電子部品産業技術開発(R&D)
研究課題名:超大型マイクロLEDディスプレイの作製のための超高画質・長寿命の色変換素材、工程及び核心モジュールの開発
課題実行機関名:(株)ファインラブ
This work was supported by the Technology Innovation Program (20016350, Development of ultra high quality with long lifetime of color converting material, process and module for extremely large-area micro LED display) funded By the Ministry of Trade, Industry & Energy(MOTIE, Korea).
【背景技術】
【0004】
自発光素子(OLED、QLED、uLED)や液晶ディスプレイのような光電子装置から外部に抽出される光の色純度を向上させるために、様々な技術が研究されている。光電子装置を活用したディスプレイは、三原色(RGB)を介して様々な色を表現することができる。三原色の色純度が向上するほど、ディスプレイの色再現率が高くなり、これは、現実で表現された全ての色を具現するのに重要な役割をする。光電子装置から外部に抽出された光の三原色の純度を向上させるために、光結晶、ファブリペロー干渉計、量子ドット、穴/点配列パターンで構成された表面プラズモンなど、様々な光学フィルム及びフィルターが存在する。三原色の色純度を向上させるために、光学フィルムの構造が三原色毎にそれぞれ異なって構成される。ファブリペロー干渉計の場合、キャビティの厚さが三原色毎に異なるため、パターニング作業が要求され、工程及びコストの面で改善しなければならない多くの課題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、色純度の高い光学フィルムを提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、二重のキャビティ層を備えた光学フィルムを提供することである。
【0007】
また、本発明の目的は、三原色の色純度を同時に高めることができる光学フィルムを提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、製造工程が容易な光学フィルムを提供することである。
【0009】
また、本発明の目的は、製造時にパターニング作業が要求されない光学フィルムを提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、製造コストを低減することができる光学フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、第1反射防止層と、第1反射防止層の上部に形成される第2反射防止層と、第1反射防止層と第2反射防止層との間に形成される第1及び第2キャビティ領域とを含む光学二重ファブリペロー干渉計フィルムが開示される。
【0012】
一実施例において、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムは、第1反射防止層の上部に形成される第1反射層と、第1反射層の上部に形成される第2反射層と、第2反射層と第2反射防止層との間に形成される第3反射層とを含み、第1キャビティ領域は、第1反射層と第2反射層との間に形成される第1キャビティ層であり、第2キャビティ領域は、第2反射層と第3反射層との間に形成される第2キャビティ層であってもよい。
【0013】
一実施例において、第1キャビティ領域は、第1キャビティ領域に入射される光の特定の波長帯域で1次共振を発生させることができる。
【0014】
一実施例において、第2キャビティ領域は、第2キャビティ領域に入射される光の特定の波長帯域で高次共振を発生させることができる。
【0015】
一実施例において、第2キャビティ領域における高次共振の共振次数は、第2キャビティ領域の厚さによって決定されてもよい。
【0016】
一実施例において、第1キャビティ領域の厚さによって、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光のスペクトル分布が決定されてもよい。
【0017】
一実施例において、第1キャビティ領域の厚さは20nm~250nmであってもよい。
【0018】
一実施例において、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムを透過した光の赤色(Red)、緑色(Green)及び青色(Blue)の共振波長のピーク位置及びそれぞれにおける色純度は、第2キャビティ領域の厚さによって決定されてもよい。
【0019】
一実施例において、第2キャビティ領域の厚さは200nm~1000nmであってもよい。
【0020】
一実施例において、第1反射防止層、第2反射防止層、第1キャビティ領域及び第2キャビティ領域のうちの少なくとも1つは、誘電体物質を含むことができる。
【0021】
一実施例において、誘電体物質は、透明であり、かつ光損失が低い無機物または有機物を含むことができる。例えば、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPVP、PVC、PI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物であってもよく、前記誘電体物質に限定されない。
【0022】
一実施例において、第1反射層、第2反射層及び第3反射層のうちの少なくとも1つは、半透明反射体で形成されてもよい。
【0023】
一実施例において、反射体は金属薄膜で形成されてもよい。
【0024】
一実施例において、第1反射層、第2反射層及び第3反射層は、金属薄膜の厚さが1nm~35nmであってもよい。
【0025】
一実施例において、金属薄膜は、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0026】
一実施例において、金属薄膜は、金、銀及びアルミニウムの合金物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
一実施例において、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムは、第2反射防止層の上部に形成される基板をさらに含むことができる。
【0028】
一実施例において、基板は、ガラス基板、絶縁性高分子基板、及び半導体基板などの透明な特性を有する基板のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0029】
一実施例において、基板は、透明なフレキシブル基板であってもよい。
【0030】
本発明の他の態様によれば、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムは、第1反射防止層と、第1反射防止層の上部に形成される第1反射層と、第1反射層の上部に形成される第2反射層と、第1反射層と第2反射層との間に形成される第1キャビティ層と、第2反射層の上部に形成される第3反射層と、第2反射層と第3反射層との間に形成される第2キャビティ層と、第3反射層の上部に形成される第2反射防止層とを含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様によれば、光学フィルムの色純度を高めることが可能となる。
【0032】
また、本発明の他の態様によれば、二重のキャビティ層を備えた光学フィルムが提供される。
【0033】
また、本発明の更に他の態様によれば、一つのフィルム構造を通じて、光学フィルムの三原色の色純度を同時に高めることが可能となる。
【0034】
また、本発明の更に他の態様によれば、容易な製造工程を通じて光学フィルムを生産することが可能となる。
【0035】
また、本発明の更に他の態様によれば、製造時にパターニング作業が要求されない光学フィルムが可能となる。
【0036】
また、本発明の更に他の態様によれば、光学フィルムの製造コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの構造を示した図である。
図2】本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムのパラメータを示した図である。
図3】本発明の一実施例に係る計算された第1反射層を介して第1キャビティ層に透過された光の透過度を示した図である。
図4】本発明の一実施例に係る計算された第1キャビティ層のファブリペロー因子、及び第2反射層を介して第2キャビティ層に透過された光の透過度を示した図である。
図5】本発明の一実施例に係る計算された第2キャビティ層のファブリペロー因子、及び第3反射層を介して外部に透過された光の透過度を示した図である。
図6】本発明の一実施例に係る光学シミュレーションを用いて光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの透過度を示した図である。
図7】本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムが適用された例を示した図である。
図8】本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムが適用された他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書に開示されている本発明の概念による実施例についての特定の構造的又は機能的な説明は、単に本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に説明された実施例に限定されない。
【0039】
本発明の概念による実施例は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、実施例を図面に例示し、本明細書で詳しく説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施例を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、または代替物を含む。
【0040】
「第1」又は「第2」などの用語を様々な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱しないまま、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0041】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及された際には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあるが、その構成要素間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか、「直接接続されて」いると言及された際には、その構成要素間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。構成要素間の関係を説明する表現、例えば、「~間に」と「すぐ~間に」又は「~に直接隣接する」なども同様に解釈されなければならない。
【0042】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0043】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0044】
以下、実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、特許出願の範囲がこのような実施例によって制限又は限定されるものではない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0045】
図1は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの構造を示した図である。
【0046】
図1を参照すると、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000(optical dual Fabry-Perot interferometer film)は、第1反射防止層1100、第1反射層1200、第1キャビティ層1300、第2反射層1400、第2キャビティ層1500、第3反射層1600、第2反射防止層1700及び基板1800を含むことができる。
【0047】
第1反射防止層1100(反射防止膜(anti-reflection film)1)は、透明であり、かつ光損失が低い誘電体物質を含むことができる。例えば、誘電体物質は、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物を含むことができ、前記誘電体物質に限定されない。
【0048】
一実施例において、第1反射防止層1100の厚さによって、第1反射防止層1100を介して第1キャビティ層1300に透過される光量が異なるように制御され得る。
【0049】
第1反射層1200(リフレクタ(reflector)1)は、第1反射防止層1100の上部、すなわち、第1反射防止層1100と第1キャビティ層1300との間に形成される半透明な金属薄膜であり得る。
【0050】
一実施例において、第1反射層は、金属薄膜の厚さが1nm~35nmであってもよい。
【0051】
一実施例において、金属薄膜は、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
一実施例において、金属薄膜は、金、銀及びアルミニウムの合金物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
第1キャビティ層1300(活性キャビティ、active cavity)は、第1反射層1200の上部、すなわち、第1反射層1200と第2反射層1400との間に形成され得る。
【0054】
一実施例において、第1キャビティ層1300は、第1予め設定された波長帯域で1次共振現象を起こすことができる。すなわち、第1キャビティ層1300では、第1反射防止層1100を介して第1キャビティ層1300に透過される光が、第1反射層1200及び第2反射層1400によって多重反射されることによって、1次共振が発生することができる。また、1次共振が起こった光は、第2反射層1400を介して第2キャビティ層1500に透過され得る。このとき、第1キャビティ層1300は、1次共振が起こるように、厚さが調節され得る。
【0055】
一実施例において、第1予め設定された波長帯域は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の使用目的に応じて決定され得、第1キャビティ層1300の厚さによって制御され得る。具体例として、図6は、1次共振の第1予め設定された波長が700nmとなるように第1キャビティ層1300の厚さを設定した場合に、第1キャビティ層1300を透過した光のスペクトル分布は、第1予め設定された波長である700nmの近くで最大透過性を有することを確認することができる。
【0056】
一実施例において、第1キャビティ領域の厚さは20nm~250nmであってもよい。
【0057】
一実施例において、第1キャビティ層1300の厚さによって、第2キャビティ層1500に透過される光のスペクトル分布が制御され得る。
【0058】
一実施例において、第1キャビティ層1300は、透明であり、かつ光損失が低い誘電体物質を含むことができる。例えば、誘電体物質は、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPVP、PVC、PI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物を含むことができ、前記誘電体物質に限定されない。
【0059】
第2反射層1400(リフレクタ(reflector)2)は、第1キャビティ層1300の上部、すなわち、第1キャビティ層1300と第2キャビティ層1500との間に形成される半透明な金属薄膜であり得る。
【0060】
一実施例において、第2反射層は、金属薄膜の厚さが1nm~35nmであってもよい。
【0061】
一実施例において、金属薄膜は、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
一実施例において、金属薄膜は、金、銀及びアルミニウムの合金物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0063】
第2キャビティ層1500(外部キャビティ、external cavity)は、第2反射層1400の上部、すなわち、第2反射層1400と第3反射層1600との間に形成され得る。
【0064】
一実施例において、第2キャビティ層1500は、透明であり、かつ光損失が低い誘電体物質を含むことができる。例えば、誘電体物質は、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPVP、PVC、PI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物を含むことができ、前記誘電体物質に限定されない。
【0065】
一実施例において、第2キャビティ層1500は、第2予め設定された波長帯域で高次(2、3、4..次)共振現象を起こすことができる。すなわち、第2キャビティ層1500では、第2反射防止層1700を介して第2キャビティ層1500に透過される光が、第2反射層1400及び第3反射層1600によって多重反射されることによって、高次共振が発生することができる。このとき、第2キャビティ層1500で起こる高次共振現象の共振次数は、第2キャビティ層1500の厚さによって調節され得る。例えば、第2キャビティ層1500の厚さが厚いほど、共振次数が増加することができる。すなわち、第1キャビティ層1300で1次共振が起こった光は、第2キャビティ層1500で2次以上の高次共振を経るようになる。
【0066】
一実施例において、第2予め設定された波長帯域は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の使用目的に応じて決定され得、第2キャビティ層1500の厚さによって制御され得る。具体例として、図6では、高次共振の第2予め設定された波長が630nmとなるように第2キャビティ層1500の厚さを設定した場合に、第2キャビティ層1500を透過した光は630nmの波長、540nmの波長、460nmなどの波長帯域でピークを有する透光スペクトルを確認することができる。
【0067】
一実施例において、第2キャビティ領域の厚さは200nm~1000nmであってもよい。
【0068】
一実施例において、第2キャビティ層1500の厚さによって、第2キャビティ層1500に透過される光の特定の共振波長のピーク位置及び色純度を調節することができる。すなわち、第2キャビティ層1500の厚さによって各RGBカラーのスペクトル幅を狭めることができるので、色純度を高めることが可能となる。すなわち、RGBカラーの全てに対して第1キャビティ層1300及び第2キャビティ層1500の厚さを同一にすることが可能であるので、光学フィルムの製造時に各RGBカラー別に異なる厚さのキャビティ層を有するようにするためのパターニング作業が必要でなくなる。したがって、本発明に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の製造時にはパターニング作業が必要でないので、製造時間及び製造コストを低減することが可能となる。また、このような特性は、大面積のディスプレイ、照明などの装置を具現するのに有利であり得る。
【0069】
第3反射層1600(リフレクタ(reflector)3)は、第2キャビティ層1500の上部、すなわち、第2キャビティ層1500と第2反射防止層1700との間に形成される半透明な金属薄膜であり得る。
【0070】
一実施例において、第3反射層は、金属薄膜の厚さが1nm~35nmであってもよい。
【0071】
一実施例において、金属薄膜は、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0072】
一実施例において、金属薄膜は、金、銀及びアルミニウムの合金物質のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0073】
第2反射防止層1700(反射防止膜(anti-reflection film)2)は、第3反射層1600の上部、すなわち、第3反射層1600と基板1800との間に形成され得る。このとき、第2反射防止層1700は、第2キャビティ層1500と第3反射層1600との境界面で発生する反射率、及び光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を透過して外部に出る光のスペクトルに影響を及ぼすことができる。
【0074】
一実施例において、第2反射防止層1700は、透明であり、かつ光損失が低い誘電体物質を含むことができる。例えば、誘電体物質は、SiN、Al、SiO、HfO、WO、TiO、MoO、ZnO、Ta、V、LiF及びZnSのうちの少なくとも1つの無機物、またはPVP、PVC、PI、PMMA、NPB、TCTA及びTPBiのうちの少なくとも1つの有機物を含むことができ、前記誘電体物質に限定されない。
【0075】
基板1800(substrate)は、第2反射防止層の上部に形成され、ガラス基板、絶縁性高分子基板、及び半導体基板などの透明な特性を有する基板のうちの少なくとも1つであり得る。
【0076】
一実施例において、基板1800は、透明なフレキシブル(flexible)基板であってもよい。
【0077】
また、第1キャビティ層1300及び第2キャビティ層1500の共振現象は、第1キャビティ層1300及び第2キャビティ層1500の有効光学距離を調節して制御され得る。
【0078】
図2は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムのパラメータを示した図である。
【0079】
図2を参照すると、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの透過度を設計するための重要なパラメータが示されている。ここで、光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの透過度は、下記の数式1を通じて導出することができる。
【0080】
【数1】
【0081】
数式1において、n0、n12、n34及びn4は、各層の屈折率、t1は、第1反射防止層1100及び第1反射層1200を透過した透過係数、t2は、第2反射層1400を透過した透過係数、t4は、第3反射層1600及び第2反射防止層1700を透過した透過係数、r1は、第1キャビティ層1300と第1反射層1200との間の反射係数、r2は、第1キャビティ層1300と第2反射層1400との間の反射係数、r3は、第2キャビティ層1500と第2反射層1400との間の反射係数、r4は、第2キャビティ層1500と第3反射層1600との間の反射係数、R12は|r12|、R34は|r34|、Δφ12は、第1キャビティ層1300の内部で発生する位相変化、Δφ34は、第2キャビティ層1500の内部で発生する位相変化を示すことができる。数式1は、第1反射層1200を介して第1キャビティ層1300の内部に透過した光の透過度と、第1キャビティ層1300のファブリペロー因子と第2キャビティ層1500のファブリペロー因子との積で示すことができる。
【0082】
Δφ12の補強干渉条件を満たす数式は、下記の数式2で表現することができる。
【0083】
Δφ12=-φ1-φ2+2n12120=2mπ(m=0) (数式2)
【0084】
数式2は、第1キャビティ層1300内で補強干渉が起こるようになることを示し、m=0である場合、特定の波長帯域で1次共振モードを示すことができる。φ1は、第1キャビティ層1300と第1反射層1200との間で発生した位相変化、φ2は、第1キャビティ層1300と第2反射層1400との間で発生した位相変化を示すことができ、第1キャビティ層1300の厚さ(d12)を調節して共振波長を現すことができる。これは、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を介して外部に透過された光のスペクトル分布と関連することができる。
【0085】
Δφ34の補強干渉条件を満たす数式は、下記の数式3で表現することができる。
【0086】
Δφ34=-φ3-φ4+2n34340=2mπ(m=1,2,3,…) (数式3)
【0087】
数式3は、第2キャビティ層1500内で補強干渉が起こるようになることを示し、特定の波長帯域で高次共振モード(m=1,2,3,...)を示すことができる。φ3は、第2キャビティ層1500と第2反射層1400との間で発生した位相変化、φ4は、第2キャビティ層1500と第3反射層1600との間で発生した位相変化を示すことができ、第2キャビティ層1500の厚さ(d34)を調節して複数の共振波長を現すことができる。これは、二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を介して外部に透過された光の複数の共振波長帯域のピーク位置、及びそれぞれの波長帯域における色純度の向上と関連することができる。
【0088】
図3は、本発明の一実施例に係る計算された第1反射層1200を介して第1キャビティ層に透過した光の透過度を示した図である。
【0089】
図3に示された光の透過度は、下記の数式4で示すことができる。
【0090】
【数2】
【0091】
図3の数式4で計算された光のスペクトルは、第1反射防止層1100の、透明であり、かつ光損失が低い誘電体物質の厚さによって調節され得、第1反射層1200の半透明な金属薄膜及び厚さによって調節され得る。また、各層の屈折率によって調節され得る。ここで、計算された透過度は、第1透過度(First transmittance)と定義することができる。これは、第1反射防止層1100を介して第1キャビティ層1300に透過される光量が異なるように制御され得る。
【0092】
図4は、本発明の一実施例に係る計算された第1キャビティ層1300のファブリペロー因子、及び第2反射層1400を介して第2キャビティ層1500に透過された光の透過度を示した図である。
【0093】
図4に示された第1キャビティ層1300のファブリペロー因子、及び第2反射層1400を介して第2キャビティ層1500に透過された光の透過度は、下記の数式5で示すことができる。
【0094】
【数3】
【0095】
図4の数式5で計算された第2反射層1400を介して第2キャビティ層1500に透過された光の透過度である第2透過度(Second transmittance)は、第1透過度(First transmittance)と第1キャビティ層1300のファブリペロー因子(Fabry-Perot factor_active cavity)との積で示すことができる。第1キャビティ層1300内で発生した共振現象により、特定の波長帯域にピークを示すことができる。このピークは、数式2で第1キャビティ層1300の厚さを調節して、1次共振モードを満たす共振波長帯域に現れることができる。これは、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を透過した光のスペクトル分布を決定することができる。
【0096】
図5は、本発明の一実施例に係る計算された第2キャビティ層1500のファブリペロー因子、及び第3反射層1600を介して外部に透過された光の透過度を示した図である。
【0097】
図5に示された第2キャビティ層1500のファブリペロー因子、及び第3反射層1600を介して外部に透過された光の透過度は、前記数式1で示すことができる。
【0098】
図5において、数式1で計算された第3反射層1600を介して外部に透過された光の透過度である最終透過度(Final transmittance)は、第1透過度(First transmittance)と、第2透過度(Second transmittance)と第2キャビティ層1500のファブリペロー因子(Fabry-Perot factor_external cavity)との積で示すことができる。第2キャビティ層1500内で発生した共振現象により、特定の波長帯域に複数のピークを示すことができる。このピークは、数式2で第2キャビティ層1500の厚さを調節して、高次共振モードを満たす共振波長帯域に現れることができる。これは、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を透過した光の特定の共振波長の位置及び色純度を調節することができる。数式1を通じて、最終透過度(Final transmittance)は、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000を透過した光の透過度を示すことができる。
【0099】
図6は、本発明の一実施例に係る光学シミュレーションを用いて光学二重ファブリペロー干渉計フィルムの透過度を示した図である。
【0100】
図6を参照すると、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第1キャビティ層1300(active cavity)を透過した光、及び第1キャビティ層1300(active cavity)を透過した光が光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第2キャビティ層1500(external cavity)を透過した光のスペクトル分布が示されている。この透過した光のスペクトル分布は、先に計算された透過度と一致した。図6に示された光のスペクトル分布は、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第1キャビティ層1300の厚さによって決定され得る。第1キャビティ層1300を透過した光が第2キャビティ層1500を透過するようになると、特定の波長で複数のピーク値を有するスペクトル分布を得ることができる。図6では、赤色(R、red)、緑色(G、green)及び青色(B、blue)の3つのピークが発生することを確認することができる。このとき、赤色の透過度は0.65、緑色の透過度は0.48、青色の透過度は0.25を有する。赤色のピーク位置は630nm、緑色のピーク位置は532nm、青色のピーク位置は460nmで発生する。半値全幅は、赤色は18nm、緑色は11nm、青色は10nmを有する。したがって、本発明の一実施例において、光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000によって赤色、緑色及び青色波長帯で同時に3つのピークを示し、狭い半値全幅(FWHM)により色純度が向上したことを確認することができる。
【0101】
図7は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムが適用された例を示した図である。
【0102】
図7を参照すると、前面発光する自発光素子に適用された光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000が示されている。前面発光する自発光素子の上面に配置される光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000は、前面発光する自発光素子から放出される赤色、緑色及び青色の光が光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第1反射防止層1100を介して第1キャビティ層1300に透過され、特定の波長帯域で1次共振が起こる。第1キャビティ層1300を透過した光は、第2キャビティ層1500を透過して高次共振が起こることによって、色の純度が高くなった赤色、緑色及び青色の光を外部に透過させることができる。
【0103】
一実施例において、前面発光する自発光素子は、OLED、QLED、uLEDなどであってもよい。
【0104】
一実施例において、光学粘着剤(Optical clear adhesive、OCA)を用いて光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第1反射防止層1100の下部に接着され得る。
【0105】
図8は、本発明の一実施例に係る光学二重ファブリペロー干渉計フィルムが適用された他の例を示した図である。
【0106】
図8を参照すると、背面発光する自発光素子に適用した光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000が示されている。背面発光する自発光素子の下部面に配置される光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000は、背面発光する素子から放出される赤色、緑色及び青色の光が光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第1反射防止層1100を介して第1キャビティ層1300に透過され、特定の波長帯域で1次共振が起こる。第1キャビティ層1300を透過した光は、第2キャビティ層1500を透過して高次共振が起こることによって、色の純度が高くなった赤色、緑色及び青色の光を外部に透過させることができる。
【0107】
一実施例において、背面発光する自発光素子は、OLED、QLED、uLEDなどであってもよい。
【0108】
一実施例において、光学粘着剤(Optical clear adhesive、OCA)を用いて光学二重ファブリペロー干渉計フィルム1000の第2反射防止層1700の上部に接着され得る。
【0109】
以上のように、実施例をたとえ限定された図面によって説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されたりしても適切な結果が達成され得る。
【0110】
したがって、他の具現、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、添付の特許請求の範囲の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】