(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】端末装置、通信装置及び端末装置の方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/232 20230101AFI20241217BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20241217BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20241217BHJP
H04W 72/50 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W48/08
H04W76/10
H04W72/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534325
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2021137221
(87)【国際公開番号】W WO2023102922
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K067JJ22
(57)【要約】
本開示の実施形態は、通信の方法、装置及びコンピュータ可読媒体に関する。端末装置は、無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置から、前記端末装置についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを受信し、前記端末装置についてランダムアクセスベースのMT-SDT又は設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定する。こうして、MT-SDT手続きを実行することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
端末装置において、無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置から、前記端末装置について移動体着信スモールデータ通信(MT-SDT:mobile-terminated small data transmission)が実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを受信することと、
前記端末装置についてランダムアクセスベースのMT-SDT又は設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記決定することは、
前記端末装置の無線リソース制御層により、前記端末装置のメディアアクセス制御層に、前記MT-SDTがトリガされたことを示すことと、
前記メディアアクセス制御層により、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDT又は前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定することは、
設定グラントリソースがスモールデータ通信(SDT:small data transmission)に利用可能であるか否か決定することと、
前記設定グラントリソースがSDTに利用可能であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定することと、
SDTに利用可能な設定グラントリソースがないとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定することは、
前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次の設定グラントリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定することと、
前記第1の時間間隔が第1の閾値間隔以下であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定することと、
前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワーク装置から、前記第1の閾値間隔を示す第1の設定を受信すること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記端末装置について実行されていない前記設定グラントベースのMT-SDTに関する情報を記憶することと、
前記情報を前記ネットワーク装置に報告することと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記情報は、
前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は
前記第1の時間間隔
のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記決定することは、
前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次の設定グラントリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定することと、
前記MT-SDTの前記トリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第2の時間間隔を決定することと、
前記第1の時間間隔が前記第2の時間間隔以下であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定することと、
前記第1の時間間隔が前記第2の時間間隔よりも大きいとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定することと、
前記第3の時間間隔が第2の閾値間隔以下であるとの決定に応じて、SDTについての第1のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行することと、
前記第3の時間間隔が前記第2の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、非SDTについての第2のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワーク装置から、前記第2の閾値間隔を示す第2の設定を受信すること
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定することと、
前記MT-SDTの前記トリガの時間と非SDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第4の時間間隔を決定することと、
前記第3の時間間隔が前記第4の時間間隔以下であるとの決定に応じて、SDTについての第1のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行することと、
前記第3の時間間隔が前記第4の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、非SDTについての第2のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記決定することは、
MT-SDTに専用の設定グラントリソースが利用可能であるか否か決定することと、
前記専用の設定グラントリソースが利用可能であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定することと、
利用可能な専用の設定グラントリソースがないとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワーク装置から、前記専用の設定グラントリソースを示す第3の設定を受信すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記設定グラントベースのMT-SDTについての1組の送信設定から、1つの送信設定を決定することと、
決定された前記送信設定に基づいて、前記設定グラントベースのMT-SDTを実行することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はトランスポートブロックサイズ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ネットワーク装置から、無線リソース制御リリースメッセージ内で前記1組の送信設定を受信すること
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、MT-SDTに専用のランダムアクセスリソースが利用可能であるか否か決定することと、
前記専用のランダムアクセスリソースが利用可能であるとの決定に応じて、前記専用のランダムアクセスリソースに基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ネットワーク装置から、前記専用のランダムアクセスリソースを示す第4の設定を受信すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、ランダムアクセスリソースを介して、前記ネットワーク装置への前記MT-SDTの初期アップリンク送信を実行すること、又は
前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、設定グラントリソースを介して、前記ネットワーク装置への前記初期アップリンク送信を実行すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ネットワーク装置から、無線リソース制御リリースメッセージをダウンリンクデータとともに受信すること、
前記ネットワーク装置から、無線リソース制御再開メッセージを受信すること、
前記ネットワーク装置から、無線リソース制御拒否メッセージを受信すること、
前記ネットワーク装置から、無線リソース制御セットアップメッセージを受信すること、又は
前記ネットワーク装置と後続の送信を実行しながら、ダウンリンクデータを前記ネットワーク装置から受信すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記初期アップリンク送信を実行することは、
前記端末装置のメディアアクセス制御層により、無線リソース制御再開要求メッセージの送信を含む前記初期アップリンク送信のためのシグナリング無線ベアラのためにアップリンクリソースを割り当てること
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記無線リソース制御再開要求メッセージは、前記MT-SDTを示す第2の指示を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記メディアアクセス制御層により、前記MT-SDTの後続の送信のための前記シグナリング無線ベアラ以外の無線ベアラのためにリソースを割り当てること
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記初期アップリンク送信の実行が成功したか否か決定することと、
前記初期アップリンク送信の実行が成功した旨の決定に応じて、
SDTを有するように設定された1組の無線ベアラを再開し、
前記1組の無線ベアラについてパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)及び無線リンク制御(RLC:radio link control)再確立を実行することと、
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
通信の方法であって、
無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置において、端末装置に、前記端末装置について移動体着信スモールデータ通信(MT-SDT:mobile-terminated small data transmission)が実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを送信することと、
前記端末装置から、ランダムアクセスリソース又は設定グラントリソースを介して、前記MT-SDTの初期アップリンク送信を受信することと、
を含む方法。
【請求項26】
前記初期アップリンク送信を受信することは、
前記端末装置から、前記MT-SDTを示す第2の指示を含む無線リソース制御再開要求メッセージを受信すること
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記端末装置に、無線リソース制御リリースメッセージをダウンリンクデータとともに送信すること、
前記端末装置に、無線リソース制御再開メッセージを送信すること、
前記端末装置に、無線リソース制御拒否メッセージを送信すること、
前記端末装置に、無線リソース制御セットアップメッセージを送信すること、又は
前記端末装置と後続の送信を実行しながら、ダウンリンクデータを前記端末装置に送信すること
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記端末装置に、設定グラントベースのMT-SDTの決定についての第1の閾値間隔を示す第1の設定を送信すること、又は
前記端末装置に、ランダムアクセスベースのMT-SDTの決定についての第2の閾値間隔を示す第2の設定を送信すること、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記端末装置から、前記端末装置について実行されていない前記設定グラントベースのMT-SDTに関する情報を受信すること
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記情報は、
前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は
前記第1の時間間隔
のうちの少なくとも1つを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
無線リソース制御リリースメッセージ内で前記端末装置に、設定グラントベースのMT-SDTについての1組の送信設定を送信すること
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はトランスポートブロックサイズ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記端末装置に、前記MT-SDTに専用の設定グラントリソースを示す第3の設定を送信すること、又は
前記端末装置に、前記MT-SDTに専用のランダムアクセスリソースを示す第4の設定を送信すること、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
別のネットワーク装置に、前記端末装置について前記MT-SDTが実行されたことを示す第3の指示を含む、前記端末装置のコンテキストを取得するための要求を送信すること
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
請求項1~24の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
端末装置。
【請求項36】
請求項25~34の何れか一項に記載の方法を実行するように設定されたプロセッサを備える
ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として電気通信の分野に関するものであり、特にスモールデータ通信(SDT)のための通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、非アクティブ状態にある端末装置は依然として、送信対象の少量で頻繁ではないデータトラフィックを有する場合がある。第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)リリース16までは、非アクティブ状態はデータ通信をサポートしておらず、端末装置はダウンリンクデータとアップリンクデータのいずれについても接続を再開しなければならない(即ち、接続状態に入らなければならない)。これは、不必要な電力消費とシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0003】
この場合、3GPPリリース17では、非アクティブ状態におけるスモールデータ通信(SDT)が承認されている。SDTは、非アクティブ状態のまま(即ち、接続状態に移行せずに)データ通信を可能にする手続きである。したがって、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。3GPPリリース17において、移動体発信SDT(MO-SDT:mobile originated SDT)のみが規定されている。MO-SDTとは、非アクティブ状態におけるSDTのトリガがアップリンク(UL:uplink)データの到着に起因することを意味する。3GPPリリース18において、可能性のある拡張の側面の1つが、移動体着信SDT(MT-SDT:mobile terminated SDT)である。MT-SDTとは、非アクティブ状態におけるSDTのトリガがダウンリンク(DL:downlink)データの到着に起因することを意味する。今のところ、MT-SDT関連技術は未だ未整備であり、さらなる発展が待たれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、MT-SDTのための通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、端末装置において、無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置から、前記端末装置についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを受信することと、前記端末装置についてランダムアクセスベースのMT-SDT又は設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信の方法が提供される。前記方法は、無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置において、端末装置に、前記端末装置についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを送信することと、前記端末装置から、ランダムアクセスリソース又は設定グラントリソースを介して、前記MT-SDTの初期アップリンク送信を受信することと、を含む。
【0007】
第3の態様において、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、前記端末装置に本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0008】
第4の態様において、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行された場合、前記ネットワーク装置に対して本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0009】
第5の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、命令を記憶しているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0013】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0014】
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なユーザプレーン(UP:user plane)プロトコルスタックを示す概略図である。
【0015】
【
図1C】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な制御プレーン(CP:control plane)プロトコルスタックを示す概略図である。
【0016】
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態を実施可能なラジオアクセスネットワーク(RAN:radio access network)ページング手続きを示す概略図である。
【0017】
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な1回限りのSDT手続きを示す概略図である。
【0018】
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な、最初の送信と後続の送信とを含むSDT手続きを示す概略図である。
【0019】
【
図3】本開示の実施形態にかかる、MT-SDTのための通信プロセスの概略図である。
【0020】
【
図4A】本開示の実施形態1にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0021】
【
図4B】
図4Aのプロセスにかかる、第1の時間間隔の例示的な決定を示す概略図である。
【0022】
【
図5A】本開示の実施形態2にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0023】
【
図5B】
図5Aのプロセスにかかる、第1の時間間隔と第2の時間間隔との例示的な決定を示す概略図である。
【0024】
【
図6A】本開示の実施形態3にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0025】
【
図6B】本開示の実施形態4にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0026】
【
図7A】本開示の実施形態5にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0027】
【
図7B】本開示の実施形態6にかかる、設定グラント(CG:Configured Grant)ベースのMT-SDT手続きを実行するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0028】
【
図7C】本開示の実施形態7にかかる、ランダムアクセス(RA:random access)ベースのMT-SDT手続きを実行するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0029】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実行される例示的な通信方法を示す図である。
【0030】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実行される例示的な通信方法を示す図である。
【0031】
【
図10】本開示の実施形態を実現するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0032】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0034】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0035】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を指す。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されず、V2Xの「X」は、歩行者、車両若しくはインフラストラクチャ/ネットワーク、又はデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、又は無線若しくは有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。用語「端末装置」は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、又は無線装置と互換的に使用されてもよい。また、用語「ネットワーク装置」は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることのできる装置を指す。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0036】
一実施形態において、端末装置は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続することができる。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態において、第1のネットワーク装置は第1のRAT装置であってもよく、第2のネットワーク装置は第2のRAT装置であってもよい。一実施形態において、第1のRAT装置はeNBであり、第2のRAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置又は第2のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1の情報は、第1のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして、第2の情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から第1のネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0037】
本明細書で使用される単数形「1つ」及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。用語「含む」及びその変形は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味する非限定的な用語として理解されるべきである。用語「に基づく」は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「一実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0038】
いくつかの例において、値、手続き、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと称される。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことが、理解できるはずである。
【0039】
従来では、少量且つ頻繁でないデータ交換を行うさまざまなアプリケーションが存在する。例えば、モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、インスタントメッセージ(IM)サービスからのトラフィック、例えばIM又は電子メールクライアント及び他のサービスからのハートビート又はキープアライブトラフィック、様々なアプリケーションにおけるプッシュ通知、ウェアラブル装置からのトラフィック(例えば、周期的な位置情報を含む)などを含んでもよい。非モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、センサデータ(例えば、IoTネットワーク内で定期的に又はイベントトリガ方式で伝送される温度、圧力測定値)、スマートメーターから送信される計測及び警報情報などを含んでもよい。
【0040】
最近では、ページングによりトリガされるSDT(MT-SDT)をサポートすることが提案されている。具体的には、MT-SDTトリガメカニズムはRRC_INACTIVEにあるUEについてサポートされ、RAベースのSDTとCGベースのSDTはアップリンク(UL:uplink)応答としてサポートされる。さらに、RRC_INACTIVEにおける初期ダウンリンク(DL)データ受信及びその後のUL/DLデータ通信のためのMT-SDT手続きもサポートされる。しかしながら、MT-SDT関連技術は未だ未整備であり、さらなる発展が待たれる。
【0041】
これに鑑み、本開示の実施形態は、上記及び他の潜在的な問題を克服するための、MT-SDTのための通信の解決策を提供する。以下、添付図面を参照して、本開示の原理及び実施態様について詳細に説明する。
【0042】
通信環境の例
図1Aは、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。
図1Aに示すように、通信ネットワーク100は、端末装置110と複数のネットワーク装置とを含んでもよい。図示のために、ネットワーク装置120と別のネットワーク装置130とは、複数のネットワーク装置として示されている。ネットワーク装置120及び130は、それぞれのセル121及び131を提供して端末装置をサービングする。
図1Aの例において、端末装置110はネットワーク装置120のセル121内にあり、端末装置110は、ネットワーク装置120と通信してもよい。セル121は、端末装置110のサービングセルと称され得る。
【0043】
本願の背景において、ネットワーク装置130が端末装置110のための最後のサービングネットワーク装置であると仮定する。換言すれば、ネットワーク装置130は、非アクティブ状態に入るように端末装置110に指示する。最後のサービングネットワーク装置は、端末装置110のコンテキストと、コアネットワーク(CN:core network)(図示せず)内のサービングする認証管理機能(AMF:authentication management function)及びユーザプレーン機能(UPF)とのNG接続を維持する。ネットワーク装置120は、ネットワーク装置130の隣接ネットワーク装置であり、ネットワーク装置120のセル121は、端末装置110のRANベースの通知エリア(RNA:RAN-based notification area)内に含まれる。端末装置110のRNAは、最後のサービングネットワーク装置、即ちネットワーク装置130により設定される。RNAは、単一セル又は複数のセルをカバーしてもよく、CN登録エリア内に含まれてもよく、RNA内でXn接続を利用することができる。端末装置110は、ネットワークに通知することなくRNA内を移動してもよい。
【0044】
図1Aにおける装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる限定も暗示していないことを理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含んでもよい。さらに、ネットワーク装置120及び130のそれぞれは、端末装置110により多くのセルを提供してもよい。
【0045】
図1Aに示すように、端末装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介してネットワーク装置120及び130と通信してもよい。通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠してもよい。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0046】
端末装置110からネットワーク装置120又は130に向かう方向の通信はUL通信と称され、ネットワーク装置120又は130から端末装置110に向かう方向の通信はDL通信と称される。端末装置110は、ネットワーク装置120又は130、そして場合によっては他のネットワーク装置のセルの間を移動することができる。UL通信において、端末装置110は、ULチャネルを介して、ULデータ及び制御情報をネットワーク装置120又は130に送信してもよい。DL通信において、ネットワーク装置120又は130は、DLチャネルを介して、DLデータ及び制御情報を端末装置110に送信することができる。
【0047】
通信ネットワーク100における通信は、UP及びCPプロトコルスタックに従って実行されてもよい。一般的に言うと、通信装置(例えば、端末装置又はネットワーク装置)の場合、プロトコルスタック内の複数のネットワークプロトコル層の複数のエンティティが存在し、これらのエンティティは、通信装置から送信され、通信装置により受信されるデータ又はシグナリングに、対応するプロセスを実施するように設定されてもよい。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてUPプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式
図100Bである。
【0048】
図1Bに示すように、UPにおいて、端末装置110、ネットワーク装置120及びネットワーク装置130のそれぞれは、L1層のエンティティ、つまり、物理(PHY)層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、媒体アクセス制御(MAC)層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、無線リンク制御(RLC)層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及びサービスデータアプリケーションプロトコル(SDAP)層のエンティティ(SDAPエンティティとも称され、5G及びその後の世代のネットワークで確立される)を含む、上位層(L2層及びL3層、つまり上位層)の1つ又は複数のエンティティとを含んでもよい。場合によっては、PHY、MAC、RLC、PDCP、及びSDAPエンティティは、スタック構造になっている。
【0049】
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態にかかる装置においてCPプロトコルスタックのために確立されてもよいネットワークプロトコル層エンティティを示す模式
図100Cである。
図1Cに示すように、CPにおいて、端末装置110、ネットワーク装置120及びネットワーク装置130の各々は、L1層のエンティティ、つまり、PHY層のエンティティ(PHYエンティティとも称される)と、MAC層のエンティティ(MACエンティティとも称される)、RLC層のエンティティ(RLCエンティティとも称される)、PDCP層のエンティティ(PDCPエンティティとも称される)、及び無線リソース制御(RRC)層のエンティティ(RRCエンティティとも称される)を含む、上位層(L2層及びL3層)の1つ又は複数のエンティティを含んでもよい。RRC層はさらにアクセスストラタム(AS:access stratum)層と称することができ、そのために、RRCエンティティはさらにASエンティティと称され得る。
図1Cに示すように、端末装置110はさらに、非アクセスストラタム(NAS)層のエンティティ(NASエンティティとも称される)を含んでもよい。ネットワーク側のNAS層は、ネットワーク装置内ではなく、コアネットワーク(CN:core network、図示せず)内に配置される。いくつかのケースにおいては、これらのエンティティはスタック構造になる。
【0050】
一般的には、通信チャネルは、論理チャネルと、送信チャネルと、物理チャネルとに分けられる。物理チャネルは、PHY層が実際に情報を送信するチャネルである。例えば、物理チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)と、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)と、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random-access channel)と、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)と、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)と、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)とを含んでもよい。
【0051】
送信チャネルは、PHY層とMAC層との間のチャネルである。例えば、送信チャネルは、ブロードキャストチャネル(BCH:broadcast channel)と、ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH:downlink shared channel)と、ページングチャネル(PCH:paging channel)と、アップリンク共有チャネル(UL-SCH:uplink shared channel)と、ランダムアクセスチャネル(RACH)とを含んでもよい。
【0052】
論理チャネルは、MAC層とRLC層との間のチャネルである。例えば、論理チャネルは、専用制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)と、共通制御チャネル(CCCH:common control channel)と、ページング制御チャネル(PCCH:paging control channel)と、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)と、専用トラフィックチャネル(DTCH:dedicated traffic channel)とを含んでもよい。
【0053】
一般的には、RRC層とPDCP層との間のチャネルは、無線ベアラと称される。端末装置110は、データプレーンデータを運搬するための少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB:data radio bearer)と、制御プレーンデータを運搬するための少なくとも1つのシグナリング無線ベアラ(SRB:signaling radio bearer)とを有するように設定されてもよい。本開示の背景では、DRBは、非アクティブ状態における送信をサポートする(即ち、SDTをサポートする)ように設定されてもよい。もちろん、DRBは、非アクティブ状態における送信をサポートしないように設定されてもよい。SRBは、非アクティブ状態における送信をサポートするように設定されてもよい。もちろん、SRBは、非アクティブ状態における送信をサポートしないように設定されてもよい。
【0054】
RRC層においては、SRB0、SRB1及びSRB2の3種類のSRBが定義されている。SRB0はRRC接続の確立又は再確立にCCCHを使用する。SRB1はDCCHを使用し、RRC接続が確立されたときに確立される。SRB2はDCCHを使用し、RRC再設定中及び最初のセキュリティアクティブ化の後に確立される。
【0055】
さらに、端末装置110のNAS層にプロトコルデータユニット(PDU)セッションを確立して、CNへデータを送信したり、CNからデータを受信したりしてもよい。PDUセッションは、SDAPエンティティに対応してもよく、複数のサービス品質(QoS)フローを含んでもよい。本開示の背景では、QoSフローは、非アクティブ状態における送信をサポートするように設定されてもよい。もちろん、QoSフローは、非アクティブ状態における送信をサポートしないように設定されてもよい。
【0056】
いくつかのシナリオにおいて、端末装置110が非アクティブ状態にある場合に、最後のサービングネットワーク装置としてのネットワーク装置130が、UPFからDLデータを受信したとき、又はAMFから端末装置110に関連付けられるDLシグナリング(UEコンテキストリリースコマンドメッセージを除く)を受信したとき、ネットワーク装置130は、RNAに対応するセル内でページングしてもよい。この手続きは、RANページングと称され得る。RANページング中に、RNAが1つ又は複数の隣接ネットワーク装置のセルを含む場合、ネットワーク装置130は、XnAP RANページングメッセージを当該1つ又は複数の隣接ネットワーク装置に送信してもよい。
【0057】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能なRANページング手続き200Aを示す概略図である。説明のために、
図1を参照してプロセス200Aを説明する。プロセス200Aには、
図1に示すような端末装置110と、ネットワーク装置120と、ネットワーク装置130とが関与してもよい。
【0058】
図2Aに示すように、端末装置110は非アクティブ状態にある。ネットワーク装置130は、RANページングトリガイベントが発生したか否か決定してもよい(201)。例えば、ネットワーク装置130が、UPFからDLデータを受信したとき、又はAMFから端末装置110に関連付けられるDLシグナリング(UEコンテキストリリースコマンドメッセージを除く)を受信したとき、ネットワーク装置130は、RANページングトリガイベントが発生したと決定してもよい。もちろん、RANページングトリガイベントは、この例に限定されるものではなく、任意の他の適切な形態であってもよい。
【0059】
RANページングトリガイベントが発生したと決定された場合、ネットワーク装置130は、RNAに対応するセル内でページングしてもよい。便宜上、ネットワーク装置120がRNAに対応するセル内にあると決定し、ネットワーク装置120を例として以下の説明を行う。この場合、ネットワーク装置130は、ネットワーク装置120とRNA内の他のネットワーク装置とにXnAP RANページングメッセージを送信してもよい(202)。ネットワーク装置130はまた、ページングメッセージを端末装置110に送信してもよい(202’)。
【0060】
XnAP RANページングメッセージを受信すると、ネットワーク装置120は、ページングメッセージを端末装置110に送信してもよい(203)。いくつかの実施形態において、ページングメッセージは、非アクティブ無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI:inactive radio network temporary identifier)を含んでもよい。もちろん、ページングメッセージはまた、任意の他の適切な情報を含んでもよい。端末装置110に成功裏に到着した場合、端末装置110は、非アクティブ状態から再開する(204)ように試みてもよい。これまで、RANページング手続きが完了した。RANページング手続き200Aは、より多くの又はより少ないステップを含んでもよく、上述の例に限定されないことを、理解すべきである。
【0061】
いくつかのシナリオにおいて、非アクティブ状態にある端末装置110は、送信対象の少量で頻繁ではないデータトラフィックを有するとき、端末装置110は、SDT手続き、即ちMO-SDTを開始してもよい。上述したように、SDTは、非アクティブ状態に残ったまま(即ち、接続状態に移行せずに)データ通信を可能にする手続きである。いくつかの実施形態において、SDTは、無線ベアラに基づいて有効化され、設定された量よりも少ないULデータが、SDTが有効化された全ての無線ベアラにわたって送信されることを待ち、且つセル内の測定された参照信号受信電力(RSRP)が設定された閾値を上回った場合にのみ、端末装置により開始される。
【0062】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な1回限りのSDT手続き200Bを示す模式図である。説明のために、
図1を参照してプロセス200Bを説明する。プロセス200Bには、
図1に示すような端末装置110と、端末装置110をサービングするネットワーク装置120とが関与してもよい。これは一例にすぎず、プロセス200Bが端末装置110とネットワーク装置130との間でも実行されてもよいことを、理解すべきである。
【0063】
図2Bに示すように、非アクティブ状態にある端末装置110は、RRC再開要求をデータトラフィックに関連付けられるULデータとともにネットワーク装置120に送信してもよい(211)。例えば、端末装置110は、2ステップRACH手続きのMsgA又は4ステップRACH手続きのMsg3内で、RRC再開要求をULデータとともに送信してもよい。もちろん、端末装置110はさらに、設定グラント(CG)リソースにおいてRRC再開要求をULデータとともに送信してもよい。RRC再開要求及びULデータを受信すると、ネットワーク装置120は、RRCリリースメッセージをULデータに対応するDLデータとともに端末装置110に送信してもよい(212)。例えば、ネットワーク装置120は、2ステップRACH手続きのMsg B又は4ステップRACH手続きのMsg4内で、RRCリリースメッセージをDLデータとともに送信してもよい。また、ネットワーク装置120は、CGリソースでの送信の応答として、RRCリリースメッセージをDLデータとともに送信してもよい。この時点で、SDT手続き200Bが終了する。
【0064】
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な、最初の送信と後続の送信とを含むSDT手続き200Cを示す概略図である。
図2Cに示すように、非アクティブ状態にある端末装置110は、RRC再開要求をULデータ及びBSRとともにネットワーク装置120に送信してもよい(221)。例えば、端末装置110は、2ステップRACH手続きのMsgA又は4ステップRACH手続きのMsg3内で、RRC再開要求をULデータ及びBSRとともに送信してもよい。もちろん、端末装置110はさらに、設定グラント(CG)リソースにおいてRRC再開要求をULデータとともに送信してもよい。RRC再開要求は、再開原因を含んでもよい。RRC再開要求をULデータ及びBSRとともに受信すると、ネットワーク装置120は、端末装置110に後続の送信の指示を送信してもよい(222)。例えば、ネットワーク装置120は、後続の送信を示す明示的なRRCメッセージを送信してもよい。別の例として、ネットワーク装置120は、別の送信についてのUL許可を送信して、後続の送信を暗黙的に示してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、DLデータを指示とともに端末装置110に送信してもよい。この時点で、最初の送信が完了する。
【0065】
この指示に基づいて、端末装置110は、例えば、動的な許可又は設定された許可に基づいて、別のULデータ及びBSRをネットワーク装置120に送信してもよい(223)。そして、ネットワーク装置120は、動的な許可についてのUL許可を端末装置110に送信してもよい(224)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、DLデータをUL許可とともに端末装置110に送信してもよい。ネットワーク装置120からのUL許可に基づいて、端末装置110は、残りのULデータをネットワーク装置120に送信してもよい(225)。したがって、ネットワーク装置120は、RRCリリースメッセージを端末装置110に送信してもよい(226)。この時点で、後続の送信が完了した。即ち、SDT手続き200Cが終了する。SDT手続き200Cは、後続の送信においてより多くのステップ又はより少ないステップを含んでもよいことを、理解すべきである。
【0066】
MT-SDT手続きの決定の実現例
本開示の実施形態は、MT-SDT手続きを決定及び実行するため解決策を提供する。以下では、
図3~
図7Cに関連して詳細に説明する。
【0067】
図3は、本開示の実施形態にかかる、MT-SDTのための通信プロセス300の概略図である。説明のために、
図1を参照してプロセス300を説明する。プロセス300には、
図1に示すような端末装置110と、ネットワーク装置120と、ネットワーク装置130とが関与してもよい。ネットワーク装置120が端末装置110のための現在の(即ち、サービングセルを提供する)サービングネットワーク装置であり、ネットワーク装置130が端末装置110のための最後のサービングネットワーク装置であり、端末装置110が最後の(即ち、最後のサービングセルを提供する)サービングネットワーク装置の指示の下で既に非アクティブ状態に入ったと仮定する。さらに、ネットワーク装置130がRNAに対応するセル内でRANページングを開始し、ネットワーク装置120がネットワーク装置130からRANページングを受信すると仮定する。端末装置110がセル121内にあると仮定する。
【0068】
図3に示すように、ネットワーク装置120は、MT-SDTが端末装置110について実行されることを示す指示(便宜上、本明細書では第1の指示とも称される)を含むページングメッセージを、端末装置110に送信する(310)。ネットワーク装置130はまた、ページングメッセージを端末装置110に送信してもよい(310’)。例えば、RANページングは、端末装置110についてのMT-SDTに関する情報を含んでもよい。RANページングを受信すると、ネットワーク装置120は、第1の指示をページングメッセージ内で端末装置110に送信してもよい。第1の指示の送信が任意の他の適切なトリガイベントによりトリガされてもよく、本開示がこの側面を限定しないことを、理解すべきである。
【0069】
端末装置110がセル121内にあるため、端末装置110は、ネットワーク装置120からのページングメッセージのみに応答してもよい。ページングメッセージをネットワーク装置120から受信すると、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されたか決定する(320)。RAベースのMT-SDTの場合、MT-SDTの初期UL送信がMsg 3又はMsg A内で送信される。CGベースのMT-SDTの場合、MT-SDTの初期UL送信がCGリソース内で送信される。
【0070】
いくつかの実施形態において、MT-SDTを示すページングメッセージを受信すると、端末装置110のRRC層は、MT-SDT手続きがトリガされたと決定し、端末装置110のRRC層は、端末装置110のMAC層に、MT-SDTがトリガされたことを示し、MAC層は、端末装置110についてRAベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されたか決定してもよい。いくつかの実施形態において、MAC層は、MT-SDTについてサービングセルRSRPチェック及び/又はデータ量チェックをスキップし、そして、RAベースのMT-SDTとCGベースのMT-SDTとの間で選択を実行してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、SDT用に設定されたCGリソースの情報、SDT用に設定されたRAリソースの情報、MT-SDTに専用のCGリソースの情報、又はMT-SDTに専用のRAリソースの情報、のうちの少なくとも1つに基づいて決定320を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、SDT用に設定されたCGリソースの情報、SDT用に設定されたRAリソースの情報、MT-SDTに専用のCGリソースの情報、又はMT-SDTに専用のRAリソースの情報、のうちの少なくとも1つを示す1つ又は複数の設定を受信してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、CGベースのMT-SDTは、RAベースのMT-SDTよりも高い優先度を有してもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、CGリソースがSDTに利用可能であるか否か、即ち、有効なCGリソースがあるか否か決定してもよい。SDTに利用可能なCGリソースがある場合、端末装置110は、CGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。SDTに利用可能なCGリソースがない場合、端末装置110は、RAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0073】
例示のために、実施形態1~7に関連して、決定320のためのいくつかの例示的な実施形態について以下に詳細に説明する。
【0074】
実施形態1
現在のCG-SDT設定はMO-SDT用に設計されているため、サービス要件を考慮すると、CG-SDT設定の周期は長くなってしまう。MT-SDTの初期UL送信を送信するためにCG-SDT設定が使用される場合、大きな遅延を持ち込む可能性がある。さらに、端末装置がRANページングメッセージに長時間応答しない場合、ネットワーク装置は、端末装置をより広いエリア内でページングし、ひいてはコアネットワーク(CN)ページングを開始する。これに鑑み、実施形態1は、上記及び他の潜在的な問題を解決するために、MT-SDTを決定するための解決策を提供する。この実施形態については、
図4A及び
図4Bを参照して説明する。
【0075】
図4Aは、本開示の実施形態1にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス400Aを示すフローチャートである。例えば、方法400Aは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法400Aを説明する。方法400Aは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0076】
図4Aに示すように、ブロック410において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間(即ち、ページングメッセージの受信時間)とSDTに利用可能な次のCGリソースの時間との間の時間間隔(便宜上、本明細書では第1の時間間隔とも称される)を決定してもよい。
図4Bは、
図4Aのプロセスにかかる、第1の時間間隔の例示的な決定を示す概略
図400Bである。
図4Bに示すように、MT-SDTのトリガから始めて、SDTに利用可能な次のCGリソースは、CG機会401上にある。そして、MT-SDTのトリガからCG機会401までの時間間隔402が決定されてもよい。
【0077】
図4Aに戻り、ブロック420において、端末装置110は、第1の時間間隔が第1の閾値間隔以下であるか否か決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、第1の閾値間隔を示す設定(便宜上、本明細書では第1の設定とも称される)を受信してもよい。例えば、端末装置110は、ネットワーク装置120からのシステム情報内で当該第1の設定を受信してもよい。別の例として、端末装置110は、ネットワーク装置120からのRRCメッセージ(例えば、RRCリリースメッセージ又は任意の他の適切なメッセージ)内で第1の設定を受信してもよい。もちろん、任意の他の適切な方法も可能である。
【0078】
第1の時間間隔が第1の閾値間隔以下である場合、プロセス400Aは、ブロック430に進む。ブロック430において、端末装置110は、CGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0079】
第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きい場合、プロセス400Aは、ブロック440に進む。ブロック440において、端末装置110は、RAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。RAベースのMT-SDTが実行されるいくつかの実施形態において、端末装置110は、端末装置110について実行されていないCGベースのMT-SDTに関する情報を記憶し、記憶された情報をネットワーク装置120に通知してもよい。いくつかの実施形態において、記憶された情報は、第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きいこと、即ち、長い遅延の原因を含んでもよい。いくつかの実施形態において、記憶された情報は、第1の時間間隔、即ち、実際の遅延の長さを含んでもよい。
【0080】
実施形態1の解決策により、CGベースのMT-SDTの遅延を保証することが可能である。
【0081】
実施形態2
本実施形態は、実施形態1の代替例である。この実施形態については、
図5A及び
図5Bを参照して説明する。
【0082】
図5Aは、本開示の実施形態2にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス500Aを示すフローチャートである。例えば、方法500Aは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法500Aを説明する。方法500Aは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0083】
図5Aに示すように、ブロック510において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間(即ち、ページングメッセージの受信時間)とSDTに利用可能な次のCGリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定してもよい。例えば、次のCGリソースは、利用可能な次のCG機会であってもよい。
【0084】
ブロック520において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間(即ち、ページングメッセージの受信時間)とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の時間間隔(便宜上、本明細書では第2の時間間隔とも称される)を決定してもよい。例えば、次のRAリソースは、利用可能な次のPRACH機会、又は2ステップRACHに利用可能な次のPUSCHリソースであってもよい。
【0085】
図5Bは、
図5Aのプロセスにかかる、第1の時間間隔と第2の時間間隔との例示的な決定を示す概略
図500Bである。
図5Bに示すように、MT-SDTのトリガから始めて、SDTに利用可能な次のCGリソースは、CG機会501上にある。そして、MT-SDTのトリガからCG機会501までの時間間隔502が決定されてもよい。MT-SDTのトリガから始めて、SDTに利用可能な次のRAリソースは、PRACH機会又はPUSCH機会503上にある。そして、MT-SDTのトリガからPRACH機会又はPUSCH機会503までの時間間隔504も決定されてもよい。
【0086】
図5Aに戻り、ブロック530において、端末装置110は、第1の時間間隔が第2の時間間隔以下であるか否か決定してもよい。第1の時間間隔が第2の時間間隔以下である場合、プロセス500Aは、ブロック540に進む。ブロック540において、端末装置110は、CGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0087】
第1の時間間隔が第2の時間間隔よりも大きい場合、プロセス500Aは、ブロック550に進む。ブロック550において、端末装置110は、RAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0088】
実施形態2の解決策によりも、CGベースのMT-SDTの遅延を保証することが可能である。さらに、第1の閾値間隔を設定する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを削減することが可能である。
【0089】
実施形態3
現在では、SDTについてのRA設定又は非SDTについてのRA設定又はその両方がMT-SDTに使用可能であるか否かは不明である。RAベースのMT-SDTの場合、次のような可能性が存在する。第一に、非SDTについてのRA設定のみがRAベースのMT-SDTに使用可能である。第二に、SDTについてのRA設定のみがRAベースのMT-SDTに使用可能である。第三に、非SDTについてのRA設定とSDTについてのRA設定との両方がRAベースのMT-SDTに使用可能である。
【0090】
本開示の背景において、RA設定は、RA手続きに使用されるRAリソース及びパラメータを含んでもよい。RAリソースは、プリアンブル、PRACH機会、及び/又はPUSCH機会を含んでもよい。SDTについてのRA設定は、SDT手続きに使用されるRA設定を指す。非SDTについてのRA設定は、SDT手続きに使用されないRA設定を指す。
【0091】
SDTについてのRA設定がMT-SDTに使用される場合、長い遅延が引き起こされる可能性がある。非SDTについてのRA設定を使用する場合と比べて、遅延が長くなる。これに鑑み、実施形態3は、上記及び他の潜在的な問題を解決するために、MT-SDTを決定するための解決策を提供する。この解決策において、非SDTについてのRA設定とSDTについてのRA設定との両方がRAベースのMT-SDTに使用可能であると仮定する。この実施形態については、
図6Aを参照して説明する。
【0092】
図6Aは、本開示の実施形態3にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス600Aを示すフローチャートである。例えば、方法600Aは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法600Aを説明する。方法600Aは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。RAベースのMT-SDTが端末装置110について実行されるように決定されたと仮定する。
【0093】
図6Aに示すように、ブロック610において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間(即ち、ページングメッセージの受信時間)とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の時間間隔(便宜上、本明細書では第3の時間間隔とも称される)を決定してもよい。例えば、SDTに利用可能な次のRAリソースは、利用可能な次のPRACH機会、又は利用可能な次のPUSCH機会であってもよい。
【0094】
ブロック611において、端末装置110は、第3の時間間隔が第2の閾値間隔以下であるか否か決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、第2の閾値間隔を示す設定(便宜上、本明細書では第2の設定とも称される)を受信してもよい。例えば、端末装置110は、ネットワーク装置120からのシステム情報内で当該第2の設定を受信してもよい。別の例として、端末装置110は、ネットワーク装置120からのRRCメッセージ(例えば、RRCリリースメッセージ又は任意の他の適切なメッセージ)内で第2の設定を受信してもよい。もちろん、任意の他の適切な方法も可能である。
【0095】
第3の時間間隔が第2の閾値間隔以下である場合、プロセス600Aは、ブロック612に進む。ブロック612において、端末装置110は、SDTについてのRA設定(便宜上、本明細書では第1のRA設定とも称される)に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。
【0096】
第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きい場合、プロセス600Aは、ブロック613に進む。ブロック613において、端末装置110は、非SDTについてのRA設定(便宜上、本明細書では第2のRA設定とも称される)に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。
【0097】
実施形態3の解決策により、RAベースのMT-SDTの遅延を保証することが可能である。
【0098】
実施形態4
本実施形態は、実施形態3の代替案である。この実施形態については、
図6Bを参照して説明する。
【0099】
図6Bは、本開示の実施形態4にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス600Bを示すフローチャートである。例えば、方法600Bは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法600Bを説明する。方法600Bは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。RAベースのMT-SDTが端末装置110について実行されるように決定されたと仮定する。
【0100】
図6Bに示すように、ブロック620において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定してもよい。例えば、SDTに利用可能な次のRAリソースは、利用可能な次のPRACH機会、又は利用可能な次のPUSCHリソースであってもよい。
【0101】
ブロック621において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間と非SDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の時間間隔(便宜上、本明細書では第4の時間間隔とも称される)を決定してもよい。
【0102】
ブロック622において、端末装置110は、第3の時間間隔が第4の時間間隔以下であるか否か決定してもよい。第3の時間間隔が第4の時間間隔以下である場合、プロセス600Bは、ブロック623に進む。ブロック623において、端末装置110は、SDTについての第1のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。
【0103】
第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きい場合、プロセス600Bは、ブロック624に進む。ブロック624において、端末装置110は、非SDTについての第2のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。
【0104】
実施形態4の解決策によりも、RAベースのMT-SDTの遅延を保証することが可能である。さらに、第2の閾値間隔を設定する必要がないため、シグナリングオーバーヘッドを削減することが可能である。
【0105】
実施形態5
現在では、設定されるCGリソースのサイズは、通常MO-SDT用に設計されているため、大きなUL許可サイズを持っている。CGリソースのUL許可サイズは数千ビットであってもよいが、MT-SDTの初期UL送信には100ビットだけでも十分である。そのため、多くのパディングビットを挿入する必要があり、UL許可の無駄も引き起こされる可能性があるため、設定されるCGリソースはMT-SDTに適していない可能性がある。
【0106】
これに鑑み、実施形態5は、上記及び他の潜在的な問題を解決するために、MT-SDTを決定するための解決策を提供する。この実施形態については、
図7Aを参照して説明する。
【0107】
図7Aは、本開示の実施形態5にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス700Aを示すフローチャートである。例えば、方法700Aは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法700Aを説明する。方法700Aは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0108】
図7Aに示すように、ブロック710において、端末装置110は、MT-SDTに専用のCGリソースが利用可能であるか否か決定してもよい。いくつかの実施形態において、MT-SDTに専用のCGリソースは、MO-SDT用に設定されたCGリソースよりも小さいUL許可及び/又は短い遅延を有してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、MT-SDTに専用のCGリソースを示す設定(便宜上、本明細書では第3の設定とも称される)を受信してもよい。
【0109】
MT-SDTに専用のCGリソースが利用可能である場合、プロセス700Aはブロック711に進む。ブロック711において、端末装置110は、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0110】
利用可能なMT-SDTに専用のCGリソースがない場合、プロセス700Aはブロック712に進む。ブロック712において、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0111】
実施形態5の解決策により、UL許可の無駄を回避し、送信が成功する可能性を向上させることができる。
【0112】
実施形態6
本実施形態は、実施形態5の代替案である。この実施形態については、
図7Bを参照して説明する。
【0113】
図7Bは、本開示の実施形態6にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス700Bを示すフローチャートである。例えば、方法700Bは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法700Bを説明する。方法700Bは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。CGベースのMT-SDTが端末装置110について実行されるように決定されたと仮定する。
【0114】
図7Bに示すように、ブロック720において、端末装置110は、CGベースのMT-SDTについての1組の送信設定から、1つの送信設定を決定してもよい。いくつかの実施形態において、当該送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はトランスポートブロック(TB:transport block)サイズ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。例えば、当該送信設定は、TBSandMCS設定又は任意の他の適切な形態であってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRCリリースメッセージ内で当該1組の送信設定を受信してもよい。端末装置110は、CGベースのMT-SDTをトリガする際に、当該1組の送信設定から適切な1つの送信設定を選択してもよい。例えば、端末装置110は、MT-SDTの初期UL送信のデータのサイズに基づいて選択を実行してもよい。もちろん、選択のために、任意の他の適切な方法も可能である。当該1組の送信設定のセットがMT-SDTについての単一の送信設定を含むいくつかの実施形態において、端末装置110は、当該単一の送信設定をCGベースのMT-SDTについて用いてもよい。
【0116】
ブロック721において、端末装置110は、決定された送信設定に基づいて、CGベースのMT-SDTを実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、CGベースのMT-SDTの初期UL送信にピギーバックされるUCIにより、決定された送信設定をネットワーク装置120に示してもよい。
【0117】
実施形態6の解決策によりも、UL許可の無駄を回避し、送信が成功する可能性を向上させることができる。
【0118】
実施形態7
本実施形態も、実施形態5の代替案である。この実施形態については、
図7Cを参照して説明する。
【0119】
図7Cは、本開示の実施形態7にかかる、MT-SDT手続きを決定する例示的なプロセス700Cを示すフローチャートである。例えば、方法700Cは、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法700Cを説明する。方法700Cは、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。RAベースのMT-SDTが端末装置110について実行されるように決定されたと仮定する。
【0120】
図7Cに示すように、ブロック730において、端末装置110は、MT-SDTに専用のRAリソースが利用可能であるか否か決定してもよい。いくつかの実施形態において、MT-SDTに専用のRAリソースは、MO-SDT用に設定されたRAリソースよりも小さいUL許可及び/又は短い遅延を有してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、MT-SDTに専用のRAリソースを示す設定(便宜上、本明細書では第4の設定とも称される)を受信してもよい。
【0121】
MT-SDTに専用のRAリソースが利用可能である場合、プロセス700Cはブロック731に進む。ブロック731において、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。即ち、端末装置110は、MT-SDTに専用のRAリソースのみを選択してもよい。いくつかの実施形態において、利用可能なMT-SDTに専用のRAリソースがない場合、端末装置110は、端末装置110についてMO-SDT又は非SDT手続きが実行されたと決定してもよい。
【0122】
実施形態7の解決策によりも、UL許可の無駄を回避し、送信が成功する可能性を向上させることができる。
【0123】
ここまでは、MT-SDT手続きの決定320のいくつかの例示的な実施形態について説明してきた。
図3に戻り、決定320に基づいて、端末装置110は、RA又はCGリソースを介してMT-SDT手続きを実行する(330)。いくつかの実施形態において、RAベースのMT-SDTが実行されたと端末装置110が決定した場合、端末装置110は、RAリソースを介してMT-SDTの初期UL送信を実行してもよい。CGベースのMT-SDTが実行されたと端末装置110が決定した場合、端末装置110は、CGリソースを介してMT-SDTの初期UL送信を実行してもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、RRC再開要求メッセージをネットワーク装置120に送信することにより初期UL送信を実行してもよい。いくつかの実施形態において、RRC再開要求メッセージは、MT-SDTを示す指示(便宜上、本明細書では第2の指示とも称される)を含んでもよい。いくつかの代替の実施形態において、RRC再開要求メッセージは、第2の指示を含まなくてもよい。
【0125】
いくつかのシナリオにおいて、一時停止された設定でRRCリリースメッセージを受信した後に端末装置110が非アクティブ状態になったときに、ネットワーク装置120に正常に送信されなかった、端末装置110にバッファされたULパケット(即ち、バッファされたデータ)が存在す可能性がある。このため、バッファされたデータがMT-SDTの初期UL送信とともに送信されるか否かが問題となる。
【0126】
いくつかの実施形態において、MT-SDTのトリガ時に、端末装置110は、SDTを有するように設定された無線ベアラを再開し、SDTを有するように設定された無線ベアラのPDCPエンティティ及びRLCエンティティについてPDCP再確立及びRLC再確立を実行し、バッファされたデータがMT-SDTの初期UL送信とともに送信されるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、端末装置110のMAC層により、初期UL送信のためのSRB(例えばSRB0)のためにULリソースを割り当ててもよい(331)。換言すれば、端末装置110は、MT-SDTの初期UL送信のためのSRB0以外の無線ベアラにULリソースを割り当てなくてもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、MAC層により、MT-SDTの後続の送信のためのSRB0以外の無線ベアラのためにリソースを割り当ててもよい。これらの無線ベアラは、SDTを有するように設定されており、一時停止されない。
【0127】
いくつかの代替の実施形態において、端末装置110、初期アップリンク送信の実行が成功したか否か決定してもよい(332)。初期アップリンク送信の実行が成功した場合、端末装置110は、SDTを有するように設定された1組の無線ベアラを再開し(333)、当該1組の無線ベアラのPDCPエンティティ及びRLCエンティティについてPDCP再確立及びRLC再確立を実行してもよい。例えば、MT-SDTについてのRA手続きが成功裏に完了したことをMAC層が示す後に、又は成功したCG送信をMAC層が示す後に、端末装置110は、SDTを有するように設定された当該1組の無線ベアラを再開し、当該1組の無線ベアラのPDCPエンティティ及びRLCエンティティについてPDCP再確立及びRLC再確立を実行してもよい。
【0128】
こうして、MT-SDTの初期UL送信において、バッファされたデータは送信されない。このため、送信されるデータのビットが保存されてもよく、端末装置110がネットワーク装置120とのRRC接続を正常に再開することがより容易になる。
【0129】
代替として、バッファデータを、MT-SDTの初期UL送信とともに送信させてもよい。これらの実施形態において、端末装置110は、MAC層により、MT-SDTの初期UL送信のためにSRB0と他の(SDTを有するように設定され、一時停止されていない)無線ベアラのためにリソースを割り当ててもよい。端末装置110はまた、MT-SDTの後続の送信中に、MAC層により、(SDTを有するように設定され、一時停止されていない)無線ベアラのためにリソースを割り当ててもよい。こうして、バッファされたデータは、MT-SDTの初期UL送信とともに送信されてもよい。
【0130】
引き続き
図3を参照し、初期UL送信を受信すると、ネットワーク装置120は、ネットワーク装置130に、端末装置110のコンテキストを取得するための要求を送信してもよい(335)。この要求は、端末装置110についてMT-SDTが実行されたことを示す指示(便宜上、本明細書では第3の指示とも称される)を含む。例えば、ネットワーク装置120は、この要求をretrieve UE context requestメッセージ内で送信してもよい。もちろん、任意の他の適切な方法も可能である。
【0131】
第3の指示の有無に基づいて、ネットワーク装置130は、要求がMT-SDT目的であるか否かを認識し、そして、アンカリロケーションを実行するか否か決定してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置130は、端末装置110のコンテキストをネットワーク装置120に送信してもよい(335’)。
【0132】
初期UL送信、例えば、MT-SDTを示すRRC再開要求メッセージを受信すると、ネットワーク装置120は、端末装置110に任意の適切な方法で応答してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRCリリースメッセージをDLデータとともに送信してもよい(340)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRC再開メッセージを端末装置110に送信してもよい(350)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRC拒否メッセージを端末装置110に送信してもよい(360)。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRCセットアップメッセージを端末装置110に送信してもよい(370)。
【0133】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110と後続の送信を実行しながら、DLデータを端末装置110に送信してもよい(380)。例えば、ネットワーク装置120は、DLデータを端末装置110に送信してもよい(381)。端末装置110は、ULデータをネットワーク装置120に送信してもよい(382)。ネットワーク装置120は、RRCリリースメッセージをDLデータとともに端末装置110に送信してもよい(383)。そして、MT-SDT手続きが終了する。
【0134】
方法の実現例
したがって、本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。
図8~9を参照し、以下にこれらの方法を説明する。
【0135】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法800を示す図である。例えば、方法800は、
図1に示すような端末装置110において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法800を説明する。方法800は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0136】
ブロック810において、端末装置110は、RAN内のネットワーク装置120から、端末装置110についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを受信する。
【0137】
ブロック820において、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されたか決定する。いくつかの実施形態において、端末装置110は、MT-SDT手続きがトリガされたことを、端末装置110のRRC層により端末装置110のMAC層に示し、MAC層により、端末装置110についてRAベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されたか決定してもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、CGリソースがSDTに利用可能であるか否か決定してもよい。CGリソースがSDTに利用可能である場合、端末装置110は、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。SDTに利用可能なCGリソースがない場合、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のCGリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定してもよい。第1の時間間隔が第1の閾値間隔以下である場合、端末装置110は、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きい場合、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、第1の閾値間隔を示す第1の設定を受信してもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、RAベースのMT-SDTが端末装置110について実行された場合、端末装置110は、端末装置110について実行されていないCGベースのMT-SDTに関する情報を記憶し、記憶された情報をネットワーク装置120に通知してもよい。いくつかの実施形態において、当該情報は、第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は第1の時間間隔、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のCGリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定し、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の第2の時間間隔を決定してもよい。第1の時間間隔が第2の時間間隔以下である場合、端末装置110は、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。第1の時間間隔が第2の時間間隔よりも大きい場合、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定してもよい。第3の時間間隔が第2の閾値間隔以下である場合、端末装置110は、SDTについての第1のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。第1のRA設定は、SDTに利用可能な次のRAリソースを含んでもよい。第3の時間間隔が第2の閾値間隔よりも大きい場合、端末装置110は、非SDTについての第2のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、第2の閾値間隔を示す第2の設定を受信してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定し、MT-SDTのトリガの時間と非SDTに利用可能な次のRAリソースの時間との間の第4の時間間隔を決定してもよい。第3の時間間隔が第4の時間間隔以下である場合、端末装置110は、SDTについての第1のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。第1のRA設定は、SDTに利用可能な次のRAリソースを含んでもよい。第3の時間間隔が第4の閾値間隔よりも大きい場合、端末装置110は、非SDTについての第2のRA設定に基づいてRAベースのMT-SDTを実行してもよい。第2のRA設定は、非SDTに利用可能な次のRAリソースを含んでもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、MT-SDTに専用のCGリソースが利用可能であるか否か決定してもよい。当該専用のCGリソースが利用可能である場合、端末装置110は、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。利用可能な専用のCGリソースがない場合、端末装置110は、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行されたと決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、専用CGリソースを示す第3の設定を受信してもよい。
【0145】
いくつかの実施形態において、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、CGベースのMT-SDTについての1組の送信設定から1つの送信設定を決定し、決定された送信設定に基づいてCGベースのMT-SDTを実行してもよい。いくつかの実施形態において、当該送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はTBサイズ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRCリリースメッセージ内で当該1組の送信設定を受信してもよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、MT-SDTに専用のRAリソースが利用可能であるか否か決定してもよい。専用のRAリソースが利用可能であれば、端末装置110は、当該専用のRAリソースに基づいて、RAベースのMT-SDTを実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、専用RAリソースを示す第4の設定を受信してもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、端末装置110についてRAベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、RAリソースを介して、ネットワーク装置120へのMT-SDTの初期アップリンク送信を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110についてCGベースのMT-SDTが実行された場合、端末装置110は、CGリソースを介して、ネットワーク装置120への初期アップリンク送信を実行してもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRCリリースメッセージをDLデータとともに受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRC再開メッセージを受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRC拒否メッセージを受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120から、RRCセットアップメッセージを受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ネットワーク装置120と後続の送信を実行しながら、DLデータをネットワーク装置120から受信してもよい。
【0149】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、端末装置110のMAC層により、RRC再開要求メッセージの送信を含む初期アップリンク送信のためのSRBのためにULリソースを割り当てることにより、初期アップリンク送信を実行してもよい。いくつかの実施形態において、RRC再開要求メッセージは、MT-SDTを示す第2の指示を含む。いくつかの実施形態において、端末装置110はまた、MAC層により、MT-SDTの後続の送信のためのSRB以外の無線ベアラのためにリソースを割り当ててもよい。
【0150】
いくつかの実施形態において、端末装置110、初期UL送信の実行が成功したか否か決定してもよい。初期UL送信の実行が成功した場合、端末装置110は、SDTを有するように設定された1組の無線ベアラを再開し、当該1組の無線ベアラについてPDCP及びRLC再確立を実行してもよい。
【0151】
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置をサービングするネットワーク装置において実現される例示的な通信方法900を示す図である。例えば、方法900は、
図1に示すようなネットワーク装置120において実行されてもよい。以下、説明のために、
図1を参照して方法900を説明する。方法900は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。
【0152】
ブロック910において、ネットワーク装置120は、ページングメッセージを端末装置110に送信する。ページングメッセージは、端末装置110のためにMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含む。
【0153】
ブロック920において、ネットワーク装置120は、端末装置110から、RAリソース又はCGリソースを介して、MT-SDTの初期UL送信を受信する。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110から、MT-SDTを示す第2の指示を含むRRC再開要求メッセージを受信してもよい。
【0154】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRCリリースメッセージをDLデータとともに送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRC再開メッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRC拒否メッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RRCセットアップメッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110と後続の送信を実行しながら、DLデータを端末装置110に送信してもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、CGベースのMT-SDTの決定についての第1の閾値間隔を示す第1の設定を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、RAベースのMT-SDTの決定についての第2の閾値間隔を示す第2の設定を送信してもよい。
【0156】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110から、端末装置110について実行されていないCGベースのMT-SDTに関する情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、当該情報は、第1の時間間隔が第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は第1の時間間隔、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0157】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、RRCリリースメッセージ内で端末装置110に、CGベースのMT-SDTについての1組の送信設定を送信してもよい。いくつかの実施形態において、当該送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はTBサイズ、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0158】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、MT-SDTに専用のCGリソースを示す第3の設定を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、端末装置110に、MT-SDTに専用のRAリソースを示す第4の設定を送信してもよい。
【0159】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置120は、別のネットワーク装置(例えば、ネットワーク装置130)に、端末装置110についてMT-SDTが実行されたことを示す第3の指示を含む、端末装置110のコンテキストを取得するための要求を送信してもよい。
【0160】
こうして、MT-SDT手続きが実行される。
図8及び9に記載の方法の実現は、
図3~
図7Cに関連して説明された実現と実質的に対応するため、本明細書では他の詳細について繰り返した説明を省く。
【0161】
装置及び機器の実現例
図10は本開示の実施形態を実現するのに適した装置1000の概略ブロック図である。装置1000は、
図1に示す端末装置110又はネットワーク装置120の別の例示的な実施態様として考えられる。したがって、装置1000は、端末装置110又はネットワーク装置120において、又はそれらの少なくとも一部として実現されてもよい。
【0162】
図示されるように、装置1000は、プロセッサ1010と、プロセッサ1010に接続されたメモリ1020と、プロセッサ1010に接続された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1040と、TX/RX1040に接続された通信インターフェースとを備える。メモリ1010は、プログラム1030の少なくとも一部を記憶する。TX/RX1040は双方向通信に用いられる。TX/RX1040は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBとリレーノード(RN:relay node)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0163】
プログラム1030は、
図1~
図9を参照して本明細書で説明したように、関連付けられるプロセッサ1010により実行された場合、装置1000が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定される。本明細書の実施形態は、装置1000のプロセッサ1010により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。プロセッサ1010は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定されてもよい。さらに、プロセッサ1010とメモリ1020との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段1050を形成してもよい。
【0164】
メモリ1020は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体ベースのメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよい。装置1000内には1つのメモリ1020のみが示されているが、装置1000内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ1010は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャベースのプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。装置1000は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0165】
いくつかの実施形態において、端末装置は回路を備え、前記回路は、無線アクセスネットワーク内のネットワーク装置から、前記端末装置についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを受信するように設定されている。前記端末装置についてランダムアクセスベースのMT-SDT又は設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定するように設定されている。
【0166】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記端末装置の無線リソース制御層により、前記端末装置のメディアアクセス制御層に、前記MT-SDTがトリガされたことを示し、前記メディアアクセス制御層により、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDT又は前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたか決定するように設定されてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態において、前記回路は、設定グラントリソースがSDTに利用可能であるか否か決定し、前記設定グラントリソースがSDTに利用可能であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定し、SDTに利用可能な設定グラントリソースがないとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定するように設定されてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次の設定グラントリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定し、前記第1の時間間隔が第1の閾値間隔以下であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定し、前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、前記第1の閾値間隔を示す第1の設定を受信するように設定されてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記端末装置について実行されていない前記設定グラントベースのMT-SDTに関する情報を記憶し、前記情報を前記ネットワーク装置に報告するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記情報は、前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は前記第1の時間間隔、のうちの少なくとも1つを含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次の設定グラントリソースの時間との間の第1の時間間隔を決定し、前記MT-SDTの前記トリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第2の時間間隔を決定し、前記第1の時間間隔が前記第2の時間間隔以下であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定し、前記第1の時間間隔が前記第2の時間間隔よりも大きいとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定するように設定されてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定し、前記第3の時間間隔が第2の閾値間隔以下であるとの決定に応じて、SDTについての第1のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行し、前記第3の時間間隔が前記第2の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、非SDTについての第2のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、前記第2の閾値間隔を示す第2の設定を受信するように設定されてもよい。
【0172】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記MT-SDTのトリガの時間とSDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第3の時間間隔を決定し、前記MT-SDTの前記トリガの時間と非SDTに利用可能な次のランダムアクセスリソースの時間との間の第4の時間間隔を決定し、前記第3の時間間隔が前記第4の時間間隔以下であるとの決定に応じて、SDTについての第1のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行し、前記第3の時間間隔が前記第4の閾値間隔よりも大きいとの決定に応じて、非SDTについての第2のランダムアクセス設定に基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行するように設定されてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、前記回路は、MT-SDTに専用の設定グラントリソースが利用可能であるか否か決定し、前記専用の設定グラントリソースが利用可能であるとの決定に応じて、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行されたと決定し、利用可能な専用の設定グラントリソースがないとの決定に応じて、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されたと決定するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、前記専用の設定グラントリソースを示す第3の設定を受信するように設定されてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、前記設定グラントベースのMT-SDTについての1組の送信設定から、1つの送信設定を決定し、決定された設定に基づいて、前記設定グラントベースのMT-SDTを実行するように設定されている。いくつかの実施形態において、前記送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はトランスポートブロックサイズ、のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、無線リソース制御リリースメッセージ内で前記1組の送信設定を受信するように設定されてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、MT-SDTに専用のランダムアクセスリソースが利用可能であるか否か決定し、前記専用のランダムアクセスリソースが利用可能であるとの決定に応じて、前記専用のランダムアクセスリソースに基づいて前記ランダムアクセスベースのMT-SDTを実行するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、前記専用のランダムアクセスリソースを示す第4の設定を受信するように設定されてもよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置について前記ランダムアクセスベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、ランダムアクセスリソースを介して、前記ネットワーク装置への前記MT-SDTの初期アップリンク送信を実行するか、又は、前記端末装置について前記設定グラントベースのMT-SDTが実行された旨の決定に応じて、設定グラントリソースを介して、前記ネットワーク装置への前記初期アップリンク送信を実行するように設定されてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、無線リソース制御リリースメッセージをダウンリンクデータとともに受信し、前記ネットワーク装置から、無線リソース制御再開メッセージを受信し、前記ネットワーク装置から、無線リソース制御拒否メッセージを受信し、前記ネットワーク装置から、無線リソース制御セットアップメッセージを受信し、又は前記ネットワーク装置と後続の送信を実行しながら、ダウンリンクデータを前記ネットワーク装置から受信するように設定されてもよい。
【0178】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記端末装置のメディアアクセス制御層により、無線リソース制御再開要求メッセージの送信を含む前記初期アップリンク送信のためのシグナリング無線ベアラのためにアップリンクリソースを割り当てることにより、前記初期アップリンク送信を実行するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、無線リソース制御再開要求メッセージは、前記MT-SDTを示す第2の指示を含む。いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記メディアアクセス制御層により、前記MT-SDTの後続の送信のための前記シグナリング無線ベアラ以外の無線ベアラのためにリソースを割り当てるように設定されてもよい。
【0179】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記初期アップリンク送信の実行が成功したか否か決定し、前記初期アップリンク送信の実行が成功した旨の決定に応じて、SDTを有するように設定された1組の無線ベアラを再開し、前記1組の無線ベアラについてPDCP及びRLC再確立を実行するように設定されてもよい。
【0180】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置は回路を備え、前記回路は、端末装置に、前記端末装置についてMT-SDTが実行されることを示す第1の指示を含むページングメッセージを送信し、前記端末装置から、ランダムアクセスリソース又は設定グラントリソースを介して、前記MT-SDTの初期アップリンク送信を受信するように設定されている。
【0181】
いくつかの実施形態において、前記回路は、前記端末装置から、前記MT-SDTを示す第2の指示を含む無線リソース制御再開要求メッセージを受信することにより、前記初期アップリンク送信の受信するように設定されてもよい。
【0182】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、無線リソース制御リリースメッセージをダウンリンクデータとともに送信し、前記端末装置に、無線リソース制御再開メッセージを送信し、前記端末装置に、無線リソース制御拒否メッセージを送信し、前記端末装置に、無線リソース制御セットアップメッセージを送信し、前記端末装置と後続の送信を実行しながら、ダウンリンクデータを前記端末装置に送信するように設定されてもよい。
【0183】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、設定グラントベースのMT-SDTの決定についての第1の閾値間隔を示す第1の設定を送信すること、又は、前記端末装置に、ランダムアクセスベースのMT-SDTの決定についての第2の閾値間隔を示す第2の設定を送信すること、のうちの少なくとも1つを実行するように設定されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置から、前記端末装置について実行されていない前記設定グラントベースのMT-SDTに関する情報を受信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記情報は、前記第1の時間間隔が前記第1の閾値間隔よりも大きいこと、又は前記第1の時間間隔、のうちの少なくとも1つを含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、無線リソース制御リリースメッセージ内で前記端末装置に、設定グラントベースのMT-SDTについての1組の送信設定を送信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態において、前記送信設定は、変調次数、ターゲットコードレート、又はトランスポートブロックサイズ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、前記MT-SDTに専用の設定グラントリソースを示す第3の設定を送信すること、又は前記端末装置に、前記MT-SDTに専用のランダムアクセスリソースを示す第4の設定を送信すること、のうちの少なくとも1つを実行するように設定されてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、別のネットワーク装置に、前記端末装置についてMT-SDTが実行されたことを示す第3の指示を含む、前記端末装置のコンテキストを取得するための要求を送信するように設定されてもよい。
【0188】
本明細書で使用される用語「回路」は、ハードウェア回路及び/又はハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせを意味してもよい。例えば、回路は、アナログ及び/又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせであってもよい。さらに別の例として、回路は、端末装置又はネットワーク装置のような装置に様々な機能を実行させるために協働する、デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア及び1つ又は複数のメモリを含むソフトウェアを有するハードウェアプロセッサの任意の部分であってもよい。さらに別の例において、回路は、オペレーションのためにソフトウェア/ファームウェアを必要とするハードウェア回路及び/又はマイクロプロセッサ又はその一部のようなプロセッサであってもよいが、オペレーションのために必要でない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい。本明細書で使用されるように、用語「回路」は、ハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサのみ、又はハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサの一部及びその(又はそれらの)付随するソフトウェア及び/又はファームウェアの実現も含む。
【0189】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装されてもよいことを理解すべきである。
【0190】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図1~
図9を参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の現実のプロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的には、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で接続又は分割されてもよい。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行されてもよい。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0191】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0192】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装されてもよく、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により利用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組み合わせを含んでもよい。
【0193】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続する順序で実行し、又は、説明された全ての動作を実行することが求められる、と理解すべきではない。場合によっては、マルチタスク及び並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈すべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0194】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
通信装置と通信する通信手段と、
前記通信装置からMT-SDT(Mobile-terminated small data transmission)であることを示す第1の情報を含む第1のメッセージを受信する受信手段と、を備え、
前記通信手段は、前記MT-SDT手続きの開始と前記SDTへの設定グラント(CG:configured grant)機会との時間間隔を示す第1の時間間隔が第1の閾値以下である場合、設定グラントSDT(CG-SDT)手続きを実行する、
端末装置。
【請求項2】
前記受信手段は、
前記通信装置から前記第1の閾値を示す情報を含む第2のメッセージを受信する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記端末装置のRRC(radio resource control)層からMAC(medium access control)層へ、前記MT-SDTがトリガされたことを示し、
前記MAC層により、ランダムアクセスベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されると判断する、
請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記通信手段は、SDTのためのCGリソースが使用可能か否かを判断し、
前記CGリソースが使用可能であると判断した場合、前記CGベースのMT-SDTが実行されると判断し、
前記CGリソースが使用可能ではないと判断した場合、前記端末装置に対してランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されると判断する、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
通信装置であって、
端末装置と通信する通信手段と、
前記端末装置へ、MT-SDT(Mobile-terminated small data transmission)であることを示す第1の情報を含む第1のメッセージを送信する送信手段と、
前記通信手段は、前記MT-SDT手続きの開始と前記SDTへの設定グラント(CG:configured grant)機会との時間間隔を示す第1の時間間隔が第1の閾値以下である場合、設定グラントSDT(CG-SDT)を実行する、
通信装置。
【請求項6】
前記送信手段は、
前記端末装置へ、前記第1の閾値を示す情報を含む第2のメッセージを送信する、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
端末装置の方法であって、
通信装置と通信し、
前記通信装置からMT-SDT(Mobile-terminated small data transmission)であることを示す第1の情報を含む第1のメッセージを受信し、
前記MT-SDT手続きの開始と前記SDTへの設定グラント(CG:configured grant)の機会との時間間隔を示す第1の時間間隔が第1の閾値以下である場合、CG-SDTを実行することを含む、
端末装置の方法。
【請求項8】
前記通信装置から前記第1の閾値を示す情報を含む第2のメッセージを受信する、ことを含む、
請求項7に記載の端末装置の方法。
【請求項9】
前記端末装置のRRC(radio resource control)層からMAC(medium access control)層へ、前記MT-SDTがトリガされたことを示し、
前記MAC層により、ランダムアクセスベースのMT-SDT又はCGベースのMT-SDTが実行されると判断する、
請求項7又は8に記載の端末装置の方法。
【請求項10】
SDTのためのCGリソースが使用可能か否かを判断し、
前記CGリソースが使用可能であると判断した場合、前記CGベースのMT-SDTが実行されると判断し、
前記CGリソースが使用可能ではないと判断した場合、前記端末装置に対してランダムアクセスベースのMT-SDTが実行されると判断する、
請求項9に記載の端末装置の方法。
【国際調査報告】