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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】多次元分光計の較正
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/73 20060101AFI20241217BHJP
   G01J 3/24 20060101ALI20241217BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20241217BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
G01N21/73
G01J3/24
G01N21/27 F
G01N27/62 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534518
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022085105
(87)【国際公開番号】W WO2023105020
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21213576.8
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】508306565
【氏名又は名称】サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】グッツォナト アントネッラ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューベナー イザベル フェルナンダ
【テーマコード(参考)】
2G020
2G041
2G043
2G059
【Fターム(参考)】
2G020CA01
2G020CC08
2G020CD04
2G020CD14
2G020CD37
2G020CD38
2G041AA06
2G041CA01
2G041LA09
2G043AA01
2G043EA08
2G043FA06
2G043LA01
2G043NA11
2G059AA01
2G059EE06
2G059EE12
2G059JJ05
2G059KK01
2G059MM02
2G059MM09
2G059MM10
2G059MM12
2G059MM20
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、分光計支援システム、並びに関連する方法、コンピューティングデバイス、及びコンピュータ可読媒体である。例えば、いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を受信してもよく、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータに関連付けられており、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、機械学習計算モデルを訓練して、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて対象サンプル中の分析物の濃度を出力してもよく、訓練された機械学習計算モデルを、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして使用してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光計支援装置であって、
サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、前記配列内の前記分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、
訓練された機械学習計算モデルに、分光計出力強度の受信された配列と、1つの偏向量に関連付けられた分光計出力強度と異なる偏向量に関連付けられた分光計出力強度との間の少なくとも1つの比と、を提供するための第2のロジックであって、前記訓練された機械学習計算モデルは、前記サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものである、第2のロジックと、
前記サンプル中の前記分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含む、分光計支援装置。
【請求項2】
分光計は、光学分光計であり、前記異なる偏向量を表すデータは、放射の異なる波長を表すデータである、請求項1に記載の分光計支援装置。
【請求項3】
分光計は、質量分析計であり、前記異なる偏向量を表すデータは、異なる質量電荷比を表すデータである、請求項1に記載の分光計支援装置。
【請求項4】
前記分析物は、単一元素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の分光計支援装置。
【請求項5】
前記サンプルの分光計出力強度の前記配列は、3つ以上の出力強度を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の分光計支援装置。
【請求項6】
分光計出力強度から分析物濃度を決定する方法であって、
サンプルの分光計出力強度の配列を生成することであって、前記配列内の前記分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータに関連付けられる、生成することと、
訓練された機械学習計算モデルに、分光計出力強度の受信された配列のうちの少なくともいくつかを表すデータを提供することであって、前記訓練された機械学習計算モデルは、前記サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものであり、前記訓練された機械学習計算モデルに提供される前記データは、1つの偏向量に関連付けられた分光計出力強度と、異なる偏向量に関連付けられた分光計出力強度との間の少なくとも1つの比を含む、提供することと、
前記サンプル中の前記分析物の濃度を出力することと、を含む、方法。
【請求項7】
前記訓練された機械学習計算モデルの前記出力に基づいて、前記分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータを生成することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
分光計出力強度に関連付けられた前記特徴関連性インジケータは、前記分光計出力強度が、前記サンプル中の前記分析物の濃度の決定に対して、前記分光計出力強度の他のものよりも重要であったことを示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2つの分光計出力強度に関連付けられた前記特徴関連性インジケータは、前記2つの分光計出力強度の組み合わせが、前記サンプル中の前記分析物の濃度の決定に対して、分光計出力強度の他の組み合わせよりも重要であったことを示す、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記2つの分光計出力強度に関連付けられた前記特徴関連性インジケータは、前記2つの分光計出力強度の比が、前記サンプル中の前記分析物の濃度の決定に対して、分光計出力強度の他の比よりも重要であったことを示す、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記特徴関連性インジケータを生成することは、線形回帰特徴関連性、ロジスティック回帰特徴関連性、又は決定木特徴関連性を実行することを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記特徴関連性インジケータは、前記サンプル中の前記分析物の濃度の決定に他の波長よりも重要な波長のリストを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記特徴関連性インジケータは、前記サンプル中の前記分析物の濃度の決定に他の質量電荷比よりも重要な質量電荷比のリストを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
分光計システムであって、
分光計支援モジュールを備え、前記分光計支援モジュールが、
サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、前記配列内の前記分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、
訓練された機械学習計算モデルに、少なくとも、異なる偏向量に関連付けられた分光計出力強度の比を提供するための第2のロジックであって、前記訓練された機械学習計算モデルは、前記サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものである、第2のロジックと、
前記サンプル中の前記分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含む、分光計システム。
【請求項15】
前記第3のロジックは、前記サンプル中の前記分析物の濃度を表示デバイスに出力するためのものである、請求項14に記載の分光計システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの科学的機器は、較正、すなわち、科学的機器の出力と既知の状態又は特性との間の関連付けを必要とする。分光計は、例えば、サンプルの特性の関数である強度を出力することができ、そのような分光計の較正は、出力強度とサンプルの特性との間の関係を規定し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書に開示されるのは、分光計支援システム、並びに関連する方法、コンピューティングデバイス、及びコンピュータ可読媒体である。例えば、いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成してもよく、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータに関連付けられ、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、機械学習計算モデルを訓練して、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて対象サンプル中の分析物の濃度を出力してもよく、訓練された機械学習計算モデルを、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして使用してもよい。
【0003】
本明細書に開示される分光計支援の実施形態は、従来のアプローチと比較して改善された性能を達成し得る。従来の分光測定では、ユーザは、単一の偏向量(光学分光測定における回折次数及び波長、又は質量分析測定における質量電荷比を表す)を識別し、その単一の偏向量を使用して、サンプル中の分析物の濃度を決定することを要求される。例えば、光学分光測定のユーザは、分光計を使用して未知のサンプルを分析し、異なる回折次数及び波長でピークを有する出力強度信号を得てもよく、次いで、回折次数及び波長に関連付けられた分析物の濃度を決定する際に使用するために、出力強度がピークを有する単一の回折次数及び波長を選択するように要求されてもよい。しかしながら、分析物(例えば、単一元素)は、典型的には、出力強度信号内の複数のピークと関連付けられ、これらの付加的ピークによって提供される任意の情報は、従来、破棄される。分析物濃度を決定するためにどの個々のピークを利用すべきかに関するルールベースのアルゴリズムは、全ての分析条件及びサンプルを説明することができないために失敗することが多い。関連する分析物の濃度を決定するために、異なる偏向量(例えば、回折次数/波長又は質量電荷比)における出力強度の平均又は合計を利用するいくつかの試みがなされてきたが、これらの試みは、「単一」偏向量アプローチに対して有意な改善を達成することに失敗している。
【0004】
本明細書に開示される実施形態は、分光計支援装置が、分析物濃度を決定する際に以前利用されていたものよりもはるかに多くの分光計の出力強度信号に関する情報を利用することを可能にし、したがって、分光計技術に向上した精度(例えば、他の改良の中でも特に、そのような分光計を支援するコンピュータ技術における改良)を提供する。更に、特定の濃度決定のために依存する特定の偏向量を選択的に識別することができる専門家ユーザの必要性を低減することによって、本明細書に開示される実施形態は、非専門家ユーザが、サンプル中の分析物濃度を問題なく決定することを可能にし、精度、ダイナミックレンジ、及びスループットを増加させ、コストを減少させる。
【0005】
本明細書に開示される実施形態のうちの様々なものは、濃度決定においてより多くの出力強度信号を使用する較正モデルを構築することによって、サンプル中の分析物濃度のより正確な決定の技術的利点を達成するために、従来のアプローチを改善し得る。そのような技術的利点は、日常的な従来のアプローチでは達成できず、そのような実施形態を含むシステムの全てのユーザは、これらの利点から利益を得る(例えば、ガイドされたヒューマンマシン相互作用プロセスによって、サンプル中の分析物濃度の決定など、技術的タスクの実行においてユーザを支援することによって)。例えば、本明細書に開示される実施形態のうちの種々のものは、従来のアプローチとは異なる較正レスな半定量分析の実施を可能にし得る。したがって、本明細書に開示される実施形態の技術的特徴は、本明細書に開示される実施形態の特徴の組み合わせと同様に、分光測定の分野では明らかに非慣用的である。本明細書で開示される計算及びユーザインターフェイスの特徴は、情報の収集及び比較を伴うだけでなく、分光測定支援システムの動作を変更するために新しい分析技法及び技術的技法を適用する。したがって、本開示は、従来のコンピューティングデバイスも人間も実施することができなかった機能を導入する。
【0006】
したがって、本開示の実施形態は、特定の技術システム又はプロセス(例えば、分光測定システム又はプロセス)における分析物濃度決定を制御すること、及び分光測定センサから得られたデータを処理することによってサンプルの特性を決定することなど、いくつかの技術目的のうちのいずれかに役立ち得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、機械学習計算モデルを訓練し、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて、対象サンプル中の分析物の濃度を出力するための第2のロジックと、後続の分光計動作のために、分析物のための較正モデルとして訓練された機械学習計算モデルを使用するための第3のロジックと、を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、訓練された機械学習計算モデルに、分光計出力強度の受信された配列を提供するための第2のロジックであって、訓練された機械学習計算モデルは、サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものである、第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、分光計出力強度の受信された配列に基づいて、サンプル中の分析物の濃度を生成するための第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度と、分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータと、を出力するための第3のロジックと、を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、分光計出力装置は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、サンプル中の分析物の濃度の生成に先行して、ユーザが偏向量を表すデータのうちの1つ以上を選択する必要なく、受信された分光計出力強度の配列に基づいて、サンプル中の分析物の濃度を生成するための第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、分光計支援装置は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、あらかじめ訓練された機械学習計算モードを再訓練するか、又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに使用するための前処理方法を生成して、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて対象サンプル中の分析物の濃度を出力する第2のロジックと、再訓練された機械学習計算モデルを使用するか、又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに前処理方法を、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして実行する第3のロジックと、を含んでもよい。
【0012】
本明細書に開示されるこれら及び他の実施形態は、濃度決定において従来のアプローチよりも多くの出力強度信号を使用する較正モデルを構築し、使用し、転送することによって、実際の動作中に分析物濃度を適切に特定することができず、実行するには専門のオペレータを必要する不十分な較正の技術的問題などの、従来の分光測定の技術的問題のうちの1つ以上を解決し得る。
【0013】
実施形態は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。この説明を容易にするために、同様の参照番号は同様の構造要素を指している。実施形態は、限定としてではなく例として、添付の図面の図に例解されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】様々な実施形態による、本明細書に開示される支援動作を実施するか又は容易にするように構成された、分光測定システムのブロック図である。
図2】様々な実施形態による、分光測定システムにおいてエシェルスペクトルの画像が形成された検出器アレイの図である。
図3】様々な実施形態による、支援動作を実施するための例示的な分光計支援モジュールのブロック図である。
図4】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図5】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図6】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図7】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図8】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図9】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図10】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援モジュールによって使用され得る分光計出力強度の例示的配列の図である。
図11】様々な実施形態による、分光計支援モジュールに含まれ得る機械学習計算モデルの図である。
図12】様々な実施形態による、分光計支援モジュールに含まれる機械学習計算モデルを訓練するために使用され得る訓練データのセットの図である。
図13】様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する例示的な方法のフロー図である。
図14】様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する例示的な方法のフロー図である。
図15】様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する例示的な方法のフロー図である。
図16】様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する例示的な方法のフロー図である。
図17】様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する例示的な方法のフロー図である。
図18】様々な実施形態による、本明細書で開示される支援方法のいくつか又は全ての実施に使用され得る、グラフィカルユーザインターフェイスの一例の図である。
図19】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援方法のいくつか又は全てを実行し得る、例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
図20】様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援方法のいくつか又は全てを実行し得る、例示的な分光計支援システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、同様の数字は全体を通して同様の部分を指定し、例解として、実施され得る実施形態が示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的又は論理的変更が行われ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0016】
様々な動作は、本明細書に開示される主題を理解するのに最も役立つように、複数の別個のアクション又は動作として順に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。具体的には、これらの動作は、提示の順序で実施されない場合がある。説明される動作は、説明される実施形態とは異なる順序で実施され得る。様々な追加の動作が実施され得、及び/又は説明された動作が追加の実施形態において省略され得る。
【0017】
図1は、様々な実施形態による、本明細書に開示される支援動作を実行するか又は容易にするように構成された、分光測定システム10のブロック図である。特に、図1は、光学分光測定システム10を示すが、本明細書に開示される実施形態はまた、質量分析測定システムなどの他のタイプの分光測定システムとともに使用されてもよい。図1の光学分光測定システム10は、光源11、光学装置12、検出器アレイ13、プロセッサ14、メモリ15、及び入力/出力(I/O)ユニット16を含んでもよい。光源11は、誘導結合プラズマ(ICP)源などのプラズマ源であり得る。光学装置12は、光源11によって生成された光のエシェルスペクトルを生成するために、エシェル回折格子及びプリズム(及び/又は更なる回折格子)を含み得る。二次元エシェルスペクトルの画像は、検出器アレイ13上に形成されてもよい。そのような画像は、図2を参照して以下で更に説明される。検出器アレイ13は、例えば、電荷結合デバイス(charge-coupled device、CCD)アレイであり得る。検出器アレイ13は、検出されたスペクトル値を表す出力信号を生成する検出器要素又は画素のアレイを含み、いくつかの実施形態では、検出器アレイ13は、少なくとも約1024×1024画素(1メガ画素)を有してもよい。矩形検出器アレイ13は、正方形であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0018】
検出器アレイ13は、エシェルスペクトルの検出された光量に対応するスペクトル値を生成し、スペクトル値をプロセッサ14に転送するように構成されてもよい。プロセッサ14は、1つ以上の市販のマイクロプロセッサなどの1つ以上の市販の処理デバイス(例えば、図19を参照して以下で議論される処理デバイス4002のうちのいずれか1つ以上)を含んでもよい。メモリ15は、1つ以上の好適な半導体メモリデバイスなどの任意の1つ以上の好適な記憶デバイス(例えば、図19を参照して以下で議論される記憶デバイス4004のうちのいずれか)を含んでもよく、プロセッサ14によって実行されると、分光測定システム10に本明細書に開示される方法の1つ以上の実施形態を実行させる、非一過性コンピュータ可読命令を記憶するために使用されてもよい。I/Oユニット16は、任意の好適な回路(例えば、インターフェイスデバイス4006、表示デバイス4010、又は図19を参照して以下で議論される他のI/Oデバイス4012のうちのいずれか1つ以上)を含んでもよく、分光測定システム10にデータ又はコマンドを入力し、分光測定システム10からデータを出力し、かつ/又は分光測定システム10と他の機器若しくはコンピューティングデバイスとの間の通信を可能にするように構成されてもよい。分光測定システム10の構成要素のうちのいくつか又は全ては、(例えば、図3を参照して以下に議論されるように)本明細書に開示される分光計支援モジュール1000を一緒に実装してもよいか、あるいは分光計支援モジュール1000は、ハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素の別のセットによって実装されてもよく、I/Oユニット16を介して分光測定システム10と通信してもよい。
【0019】
図2は、様々な実施形態による、分光測定システム10においてエシェルスペクトル20の画像が形成された検出器アレイ13を示す。エシェルスペクトル20は、図2においてほぼ水平に個々に延在する回折次数7を含むように示されている。すなわち、回折次数7は、検出器アレイ13のほぼ第1の方向に延在し、この第1の方向は、図2の例ではx方向と呼ばれ得る。したがって、回折次数7は、第1の方向に垂直な、検出器アレイ13の第2の方向にほぼ垂直に延在し、この第2の方向は、y方向と呼ばれ得る。エシェルスペクトル20の回折次数7は、通常、わずかに湾曲しているため、回折次数7が第1の方向及び第2の方向に平行又は垂直である度合いは、エシェルスペクトル全体で変化し得る。
【0020】
図2に示されている例では、第1の方向(x方向)は、長方形の検出器アレイ13の長辺に平行であり、一方、第2の方向(y方向)は、短辺に平行である。検出器アレイの向きは、二次元スペクトルに最もよく適合するように選択され、第1の方向と第2の方向という用語は、交換可能であることが理解されよう。
【0021】
回折次数7は、光強度が高く、その結果、スペクトル値が高い領域である。回折次数7は、低い光強度、したがって低いスペクトル値の谷又は谷部8によって、分離されている。エシェルスペクトル20は通常、特定の物質の特徴である1つ以上のスペクトル値ピークを有する。例えば、エシェルスペクトル20を生成するために光源11としてICPを使用する場合、典型的には二酸化炭素の存在を表すピークが存在する。図2には、第1のピーク1及び第2のピーク2が概略的に表されている。実際のエシェルスペクトル20では、通常、3つ以上のピークが存在することになる。それぞれのピークは、回折次数7で配置され、少なくとも局所的には、その回折次数7の最大値を構成する。それぞれのピークは、第1の方向(図2のx方向)と第2の方向(図2のy方向)の両方に延在していることがわかり得る。典型的な実施形態では、ピークは、わずか数画素、例えば、3~5画素の長さ及び幅を有し得ることに留意されたい。
【0022】
異なる物質が、光学スペクトルの様々な位置にピークを生成することになる。上述したように、分光測定システム10によって試験されるサンプル中の分析物(例えば、単一元素)を識別するために、光学スペクトル中の単一ピークが従来使用されている。しかしながら、分析物は、典型的には、出力強度信号における複数のピークと関連付けられ、これらの付加的なピークによって提供される任意の情報は、従来、破棄される。以下で更に論じられるように、本明細書に開示される実施形態は、分光計支援装置(分光測定システム10によって、又は分光測定システム10と通信する別のシステムによって実装されてもよい)が、分析物濃度を判定する際に以前利用されたものよりもはるかに多くの分光計の出力強度信号に関する情報を利用することを可能にし、したがって、分光計技術に向上した精度(例えば、他の改良の中でも特に、そのような分光計を支援するコンピュータ技術における改良)を提供する。
【0023】
図3は、様々な実施形態による、支援動作を実行するための分光計支援モジュール1000のブロック図である。分光計支援モジュール1000は、プログラムされたコンピューティングデバイスなどの回路(例えば、電気的構成要素及び/又は光学的構成要素を含む)によって実装され得る。分光計支援モジュール1000のロジックは、単一のコンピューティングデバイスに含まれ得るか、又は必要に応じて互いに通信している複数のコンピューティングデバイスに分散され得る。単独で又は組み合わせて、分光計支援モジュール1000を実装し得るコンピューティングデバイスの実施例は、図19のコンピューティングデバイス4000を参照して考察され、分光計支援モジュール1000がコンピューティングデバイスのうちの1つ以上にわたって実装され得る相互接続されたコンピューティングデバイスのシステムの実施例は、本明細書では、図20の分光計支援システム5000を参照して考察される。分光計支援モジュール1000は、例えば、図1の分光測定システム10によって(例えば、プロセッサ14、メモリ15、及びI/Oユニット16のうちのいくつか又は全てを併せて)、別の分光測定システム10によって、又は図1の分光測定システム10のような分光測定システムと通信するコンピューティングシステムによって実装されてもよい。
【0024】
分光計支援モジュール1000は、分光計強度ロジック1002、訓練ロジック1004、分析物濃度ロジック1006、及び出力ロジック1008を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「ロジック」という用語は、ロジックと関連付けられた動作のセットを実施する装置を含み得る。例えば、分光計支援モジュール1000に含まれるロジック要素のいずれかは、コンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスに関連する一連の動作を実行させる命令でプログラムされた1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。特定の実施形態では、ロジック要素は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含み得、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上の処理デバイスによって実行されるときに、1つ以上のコンピューティングデバイスに、関連付けられた動作のセットを実施させる命令を有する。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、一緒にモジュールと関連する機能を実施する、1つ以上のロジック要素の集合を指し得る。モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、同じ形態をとり得るか、又は異なる形態をとり得る。例えば、モジュール内のいくつかのロジックは、プログラムされた汎用処理デバイスによって実装され得、モジュール内の他のロジックは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)によって実装され得る。別の実施例では、モジュール内のロジック要素のうちの異なるものは、1つ以上の処理デバイスによって実行される、異なる命令のセットと関連付けられ得る。モジュールは、関連する図面に示されたロジック要素の全てを含まない場合があり、例えば、モジュールは、そのモジュールが、そのモジュールを参照して本明細書で考察される動作のサブセットを実施するとき、関連する図面に示されるロジック要素のサブセットを含み得る。
【0025】
分光計強度ロジック1002は、分光計がサンプルを分析しているときに分光計によって出力されるデータに基づいて分光計出力強度の配列を生成してもよい。分析中、分光計は、サンプル中に存在する分析物(例えば、サンプルの元素組成)に関連付けられたスペクトル成分を、これらのスペクトル成分を検出器上に異なるように偏向させることによって分離してもよく、異なる偏向量について検出器で測定された強度は、サンプル中に存在する1つ以上の分析物のシグネチャを提供してもよい。例えば、図1及び図2を参照して上述したように、光学分光計は、検出器上の位置における入射放射の強度が放射の特定の波長に関連付けられた強度を表すように、検出器上の1つ以上の位置に異なる波長の放射を異なるように偏向させる回折格子又は他の光学素子を含んでもよい。別の例では、質量分析計は、検出器上の位置における入射イオンの強度が特定の質量電荷比に関連付けられた強度を表すように、異なる質量電荷比のイオンを検出器上の位置に異なるように偏向させる電場及び/又は磁場を含んでもよい。したがって、分光計によって分析される任意のサンプルに対して、分光計強度ロジック1002は、サンプルと関連付けられる分光計出力強度の配列を生成してもよく、配列内の分光計出力強度のうちの異なるもの、又は異なる偏向量(例えば、回折次数/波長又は質量電荷比)を表すデータと関連付けられる。本明細書で使用される場合、「偏向量」は、ある分光測定システムにおいて適切であるように、分散量を含む。本明細書に開示される実施形態は、偏向量と同様に、サンプル内の分析物の同一性に対するプロキシとして作用する複数の特徴的な観察可能物を表す、分光計の出力の任意の特性とともに使用されてもよい。
【0026】
図4図10は、様々な実施形態による、分光計支援モジュール1000によって使用され得る分光計出力強度の例示的な配列を示す。特に、図4図10に示される分光計出力強度の配列のいずれも、分光計によって分光計強度ロジック1002に提供される強度データに基づいて、分光計強度ロジック1002によって生成され得る。分光計強度ロジック1002によって生成される分光計出力強度の配列は、バックグラウンド補正された強度であってもよく、バックグラウンド補正は、任意の好適な技術(例えば、当該技術分野において既知の任意の好適なバックグラウンド補正技術)に従って実行される。図4図10及び他の添付図面は、分光計出力強度を回折次数/波長(光学分光測定に適切なものとして)の関数として説明し得るが、これは単に説明を容易にするためであり、分光計出力強度はまた、偏向量を表す他のパラメータ(例えば、質量分析測定に適切な質量電荷比など)の関数であってもよい。
【0027】
図4は、分光計出力強度102の配列を、波長の関数としての強度のプロットの形態で示す。図4に示される分光計出力強度102の配列は、特定の波長(例えば、WL1、WL2、...、WL8と標示された波長)におけるいくつかのピークを含んでもよい。分光計出力強度102の配列においてピークが生じる波長は、分光計による分析下のサンプル中に存在する分析物(例えば、元素)の関数であり得、これらのピークにおける関連付けられた強度の大きさは、サンプル中の分析物の濃度を示し得る。単一元素サンプルの場合、これらのピークの波長位置(本明細書では「ピーク波長」と呼ぶ)は、その元素に特徴的であり得る(例えば、発光分光分析では、アルミニウムに関連付けられたピーク波長は、185.580ナノメートル、220.462ナノメートルなどを含み得る)。図5は、図4に示される分光計出力強度102の同じ配列を示すが、図4の分光計出力強度102の配列内のピークが、示されるように、波長WL1、WL2、...、WL8に関連付けられた位置に「より明るい」グレースケール値を有するものとして表される「ヒートマップ」形式である。
【0028】
分光計強度ロジック1002は、複数の異なるサンプルのそれぞれについて分光計出力強度102の配列を生成してもよい。特に、較正中、分光計強度ロジック1002は、複数の較正サンプルのそれぞれについて分光計出力強度102の配列を生成してもよく、異なる較正サンプルは、関心対象の分析物(例えば、関心対象の元素)の異なる既知の濃度を有する。例えば、較正中、分光計には、モリブデン又は別の関心対象の元素の異なる既知の濃度を有する異なる単一元素溶液較正サンプルが提供されてもよく、分光計強度ロジック1002は、これらの較正サンプルのそれぞれについて分光計出力強度102の異なる配列を生成してもよい。図6は、対応する較正サンプル中の関心対象の分析物の(C1、C2、...、C5と標示される)5つの異なる濃度に関連付けられた(102-1、102-2、...、102-5と標示される)分光計出力強度102の5つのそのような配列の集合を示す。図6の特定の例では、関心対象の分析物の濃度は、C1からC5まで増加し得、関心対象の分析物の濃度が増加するにつれて、分光計出力強度102の対応する配列における強度の大きさが増加することに留意されたい。
【0029】
図4及び図5に示すように、分光計出力強度102の配列は、多くの方法のいずれかで表してもよい。例えば、図7は、強度ピークが生じる(W1、W2、...、W5と標示される)5つの波長を含む、対応する較正サンプル中の関心対象の分析物の(C1、C2、...、C5と標示される)5つの異なる濃度に関連付けられた(102-1、102-2、...、102-5と標示される)分光計出力強度102の5つの配列の集合を示す。図8は、対応する較正サンプル中の関心対象の分析物の(C1、C2、...、C5と標示される)5つの異なる濃度に関連付けられた(102-1、102-2、...、102-5と標示される)分光計出力強度102の5つの配列の同じ集合を示すが、ここでは、ピークの大きさのみが関心対象であり、(W1、W2、...、W5と標示される)5つの波長のそれぞれにおけるピークの強度の大きさの集合として表される。例えば、図8の分光計出力強度102-5の配列は、波長WL1に関連付けられたピークに対して約50単位の大きさを示し、波長WL2に関連付けられたピークに対して約80単位の大きさを示す、などである。したがって、図8は、分光計出力強度102の配列が指定され得る1つの方法を示す(すなわち、関連付けられたピーク波長のそれぞれに対するピークの大きさによって)。
【0030】
図9図10は、分光計出力強度102の配列を表し得る別の方法を示す。図9は、強度ピークが生じる(W1、W2、...、W5と標示される)5つの波長を含む、対応する較正サンプル中の関心対象の分析物の(C1、C2、...、C5と標示される)5つの異なる濃度に関連付けられる(102-1、102-2、...、102-5と標示される)分光計出力強度102の5つの配列の集合を含む、(説明を明確にするための)図7の複製である。図10は、対応する較正サンプル中の関心対象の分析物の(C1、C2、...、C5と標示される)5つの異なる濃度に関連付けられた(102-1、102-2、...、102-5と標示される)分光計出力強度102の5つの配列の同じ集合を示すが、ここでは、相対ピークの大きさのみが関心のあるものであり、(W1、W2、...、W5と標示される)5つの波長のそれぞれにおけるピークの相対強度の大きさの集約として表される。例えば、図10の分光計出力強度102-5の配列は、波長WL1、WL2、...、WL5に関連付けられたピークの合計集約強度の大きさの約25%が、WL1に関連付けられたピークの強度の大きさによって提供され、波長WL1、WL2、...、WL5に関連付けられたピークの合計集約強度の大きさの約72%が、波長WL2に関連付けられたピークの強度の大きさによって提供されることなどを示す。したがって、図10は、分光計出力強度102の配列を(すなわち、関連するピーク波長のそれぞれに対する相対的なピークの大きさによって)指定することができる別の方法を示す。
【0031】
訓練ロジック1004は、較正サンプルの分光計出力強度102の配列を、較正サンプル中の関心対象の分析物の既知の濃度とともに使用して、機械学習計算モデルを訓練して、対象サンプルの分光計出力強度102の入力配列に基づいて対象サンプル中の関心対象の分析物の濃度を出力してもよい。特に、訓練ロジック1004は、既知の濃度の較正サンプルに関連付けられた分光計出力強度102の配列が機械学習計算モデルに入力されるとき、機械学習計算モデルの出力が既知の濃度の値に等しいか又は近いように、訓練されていない又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデルのパラメータを既知の訓練技術に従って調整してもよい。したがって、そのような訓練された機械学習計算モデルは、分光計強度出力を分析物濃度に関連させる、後続の分光計動作のための関心対象の分析物の較正モデルとして使用されてもよい。
【0032】
図11は、較正データを使用して訓練ロジック1004によって訓練され得る機械学習計算モデル110の図である。機械学習計算モデル110の入力層におけるノードの数は、機械学習計算モデル110に与えられるテンソルの次元に等しくてもよく、機械学習計算モデル110に提供され得る例示的なテンソルの数は、図12を参照して以下で説明される。機械学習計算モデル110内の隠れ層の数、それぞれの隠れ層内のノードの数、及び層間の接続性は、任意の好適な値をとってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、機械学習計算モデル110は、8つの隠れ層、それぞれの隠れ層内の12~128個のノード、及び層間の完全な(「高密度」とも呼ばれる)接続性を含んでもよい。いくつかの特定の実施形態では、特定の層内のノードの数は、最初の層に対して増加し(例えば、最初の6つの層において12から128の間で増加する)、最後の層に対して減少する(例えば、出力層に対して128から1に減少する)。層間で使用される活性化関数、機械学習計算モデル110を訓練するために使用される誤差関数、及び訓練技法自体は、好適なものとして選択され得る。例えば、いくつかの実施形態では、層間で使用される活性化関数は、正規化線形(ReLu)であってもよく、機械学習計算モデルを訓練するために使用される誤差関数は、平均標準誤差(mean standard error、MSE)であってもよく、機械学習計算モデル110を訓練するために使用される訓練技法は、勾配ベースであってもよい。いくつかの実施形態では、機械学習計算モデル110内の出力ノードの数は、1であってもよい(上記で議論されるように、対象サンプル内の関心対象の分析物の濃度に対応する)。当該技術分野で知られているように、訓練データ(すなわち、較正サンプル中の関心対象の分析物の既知の濃度とともに、較正サンプルの分光計出力強度102の配列)は、機械学習計算モデル110を訓練及び使用することの一部として、正規化され、符号化/復号され、又は他の方法で処理され得る。
【0033】
上述したように、機械学習計算モデル110に入力される分光計出力強度102の配列は、多数の形態のいずれかをとってもよい。例えば、図12は、様々な実施形態による、分光計強度ロジック1002によって生成され得、機械学習計算モデル110を訓練するために訓練ロジック1004によって使用され得る、訓練データ112のセットを示す。訓練データ112は、(102-1、102-2、...、102-Nと標示される)分光計出力強度102の配列のセットと、(C1、C2、...、CN)と標示されるそれらの関連付けられた濃度と、を含み得る。分光計出力強度102の個々の配列は、関心対象の分析物に関連付けられる(WL1、WL2、...、WLMと標識される)複数のピーク波長のそれぞれにおける分光計出力強度の大きさを含む、第1のサブ配列102Aを含んでもよい。いくつかの実施形態では、分光計出力強度102の個々の配列はまた、異なるピーク波長における分光計出力強度の大きさのペアワイズ比(例えば、ピーク波長WL1に関連付けられた強度の大きさを、ピーク波長WL2に関連付けられた強度の大きさに関連付けられた強度の大きさで除算したものであり、WL1/WL2などと標示される)を含む第2のサブ配列102Bを含んでもよい。(図10を参照して上述したように)ピーク波長に関連付けられた相対的大きさが関心対象の分析物の異なる濃度にわたって一貫している分析物について、機械学習計算モデル110へのテンソル入力におけるピークの大きさの異なるものの比を含むことは、サンプル中の関心対象の分析物の濃度を決定する際にこの情報の関連性をより迅速に認識する際に機械学習計算モデル110の訓練を支援し得る。いくつかの実施形態では、機械学習計算モデル110に入力される分光計出力強度102の配列は、第1のサブ配列102Aのみを含んでもよく、第2のサブ配列102Bを含まなくてもよいか、又は分光計出力強度102の配列の他の表現(例えば、他の関数又は異なるピーク波長における強度及び/若しくは非ピーク波長における強度データの大きさの組み合わせ)を含んでもよい。更に、機械学習計算モデル110に入力される分光計出力強度102の配列は、関心対象の分析物に関連付けられる全てのピーク波長における強度の大きさを表さなくてもよいが、ピーク波長のサブセットにおける強度の大きさを表してもよい。
【0034】
訓練ロジック1004は、異なる関心対象の分析物ごとに異なる機械学習計算モデル110を訓練してもよい。例えば、訓練ロジック1004は、複数の単一元素サンプルのそれぞれについて較正データを使用して、それぞれが異なる特定の元素に関連付けられた、複数の関連付けられた機械学習計算モデル110を生成してもよい。他の実施形態では、単一の機械学習計算モデル110は、分光計出力強度102の配列に基づいて、複数の関心対象の分析物の濃度を生成するように訓練されてもよく、そのような実施形態では、機械学習計算モデル110の出力ノードの数は、その濃度が機械学習計算モデル110によって決定され得る分析物の数に等しくてもよい。本明細書に開示される実施形態のうちの種々のものは、単一の機械学習計算モデル110に関連付けられた単一の関心対象の分析物を参照して説明され得るが、これは、単に例示を容易にするためであり、本明細書に開示される技法のいずれも、単一の機械学習計算モデル110を使用して、複数の関心対象の分析物の濃度を生成し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、訓練ロジック1004は、機械学習計算モデル110を訓練するために、1つ以上の飽和分光計出力強度を含む訓練データを使用してもよい。従来、分光計出力強度が飽和する(すなわち、検出器によって分離することができる強度の上限に達する)ピーク波長は、後続の分析中に破棄される。しかしながら、本明細書に開示される技法は、複数のピーク波長に関連付けられた強度データが、分析物濃度を決定するために一緒に使用されることを可能にし、したがって、訓練ロジック1004に、飽和強度を含むいくつかの訓練データを使用させることは、機械学習計算モデル110が、そのようなデータをコンテキスト化し、入力されると、適切な濃度決定を行うために、非飽和強度により大きく依存するのに役立ち得る。本明細書に開示される分析物濃度決定技法は、飽和が生じたとき(また、低濃度サンプルを表す強度信号から低感度ピークが存在しないとき)であっても、濃度を適切に決定することができるので、本明細書に開示される分光計支援モジュール1000は、従来のアプローチに対して分光計のダイナミックレンジを大幅に増加させることができる。いくつかの実施形態では、訓練データは、機械学習計算モデルを訓練するために使用される前に、訓練ロジック1004によって前処理され、飽和又は別様に異常な分光計出力強度の一部又は全部を除去してもよい。例えば、訓練ロジック1004は、初期線形性チェックを実行することによって訓練データを前処理してもよく、その間、異なるサンプルに関連付けられたピークの大きさを比較して、物理法則に基づいて予想されるように、ピークの大きさの比がサンプル中の関連付けられた分析物の濃度の比にほぼ等しいかどうかを決定してもよい。1つ以上のピークが(例えば、飽和、不十分な強度、又は干渉に起因して)この線形性チェックに不合格である場合、そのピークは、機械学習計算モデルを訓練するために使用されるデータのセットから破棄され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、訓練ロジック1004は、機械学習計算モデル110を再訓練してもよい。例えば、分光計の較正が特定の分析物に対して再実行されると、訓練ロジック1004は、新しい較正データを使用して、(例えば、以前の較正以降のドリフト若しくは他の変化を補正するために、かつ/又はより多くのデータを使用することによって較正の品質を改善するために)あらかじめ訓練された機械学習計算モデル110を再訓練してもよい。別の例では、特定の分光計での1つ以上の特定の分析物の濃度を出力するように訓練された機械学習計算モデル110は、異なる分光計での分析物の濃度を出力するように訓練ロジック1004によって再訓練されてもよい。異なる分光計について機械学習計算モデル110を再訓練するとき、訓練ロジック1004は、他のパラメータが固定されたまま、あらかじめ訓練された機械学習計算モデル110の最後の完全結合層(又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデル110のパラメータの別のサブセット)のみが再訓練される、転移学習技法を使用してもよい。そのような技法を利用することは、手元にある特定の分光計のための機械学習計算モデル110のカスタマイズを依然として達成しながら、他の分光計のための機械学習計算モデル110を構築することに関連付けられる訓練負担を低減し得る。転移学習アプローチはまた、異なる機器の動作条件(例えば、取得設定)を考慮に入れてもよく、これらの動作条件は、第1の機器の挙動の完全なモデルを構築するために、上述の訓練データ(機器のダイナミックレンジをカバーする濃度範囲にわたって関心対象の全ての元素をカバーし得る)と組み合わせて使用されてもよく、次いで、モデルは、第1の機器からの完全なモデルの線形変換のセットを行うことによって、第2の機器上に容易に展開されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、訓練ロジック1004は、機械学習計算モデル110の再訓練を必要としない転移学習技法を実行してもよい。訓練ロジック1004は、例えば、機器の内部又は動作条件が変化したとき(所与の分析物の同じ濃度に対する強度の測定値の変化をもたらし得る)、又は機械学習計算モデル110を異なる動作条件を伴う第2の機器に展開するとき、そのような技法を行うように構成されてもよい。そのような両方の場合において、訓練ロジック1004は、機械学習計算モデル110が濃度データを出力するために使用される前に、強度を再正規化してもよい。強度を再正規化するために、訓練ロジック1004は、機器によって測定された、選択された分析物の少なくとも1つの既知の濃度を表す、強度の新しい配列を利用してもよい。これらの濃度は、あらかじめ規定される必要はなく、例えば、機器の使用者又はサービス技術者が選択することができる。いくつかの実施形態では、濃度は、選択された分析物についての較正曲線の線形レジーム内に入るように選択されてもよいが、他の実施形態では、濃度は、(例えば、機械学習計算モデル110がより多くのデータで再訓練されるにつれて線形レジームが変化するとき)そのような線形レジーム内に入る必要はない。訓練ロジック1004は、既存の訓練された機械学習計算モデル110を使用して、以下の形式の関数を生成することによって、正規化パラメータのセットを生成してもよく、
I[I1,I2,I3,...,In]=f(濃度)、
これは、機械学習計算モデル110を訓練するために使用された同じ正規化された強度-濃度空間内の所与の濃度値に関連付けられた、特定の元素の観察されたスペクトル放射ごとに1つの、強度(I1,I2,I3,...,In)の配列を返す。この関数は、多数の形態のいずれかをとってもよく、例えば、関数は、(機器の全ダイナミックレンジをカバーし得る)濃度スパンにわたって評価された(強度、濃度)のタプル値を含むルックアップテーブルとして、又は他の形態の中でも特に、濃度値を強度の配列に戻してマッピングするように訓練される機械学習ベースの関数として表され得る。この関数を使用して、訓練ロジック1004は、強度の測定された配列を機械学習計算モデル110の正規化された強度-濃度空間に変換してもよい。次いで、分析物濃度ロジック1004は、変換された強度配列を既存の機械学習計算モデル110とともに使用して、サンプル中の所与の分析物の濃度を予測してもよい。
【0038】
分析物濃度ロジック1006は、後続の分光計動作中に、訓練された機械学習計算モデル110を較正モデルとして使用してもよい。特に、分析物の濃度が未知であるサンプルを分析するために分光計が使用されるとき、分光計強度ロジック1002は、サンプルに関連付けられた分光計出力強度102の配列を生成してもよく、分光計出力強度102の配列を訓練された機械学習計算モデル110に提供してもよく、訓練された機械学習計算モデル110は、サンプル中の分析物の濃度を出力する。したがって、従来のアプローチとは対照的に、分光計支援モジュール1000は、分析物の濃度の生成に先行して、回折次数/波長、質量電荷比、又は偏向量を表す他の特定のデータをユーザが選択する必要なく、分析物濃度を生成し得、ユーザへの負担を低減し、非専門家ユーザによって達成可能な分光計の問題のない動作を行う。
【0039】
いくつかの実施形態では、分析物濃度ロジック1006はまた、機械学習計算モデルによって出力された分析物濃度に関連付けられた1つ以上の特徴関連性インジケータを生成してもよい。特徴関連性インジケータは、分光計出力強度の配列102内の要素のうちのどれが、他の分光計出力強度よりも分析物濃度の決定に重要であったかを示し得る。いくつかの実施形態では、特徴関連性インジケータは、ピーク波長(及びそれらの関連付けられた強度の大きさ)のうちのどれが、分析物濃度を最も予測したか(例えば、分光計出力強度102の配列が、図12の第1のサブ配列102Aを含むとき)、及び/又はピーク波長(及びそれらの関連付けられた強度の大きさ)のうちのどれが、分析物濃度を最も予測したか(例えば、分光計出力強度102の配列が、図12の第2のサブ配列102B又は強度データの他の組み合わせを含むとき)を含み得る。例えば、分析物濃度ロジック1006は、粒子状分析物濃度決定のために、最も関連する回折次数、ピーク波長、又はピーク波長の組み合わせのリストを生成してもよい。分析物濃度ロジック1006は、線形回帰特徴関連性、ロジスティック回帰特徴関連性、又は決定木特徴関連性などの、当該技術分野で知られている任意の特徴関連性スコアリング方法を実装してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、分析物濃度ロジック1006は、訓練された機械学習計算モデルの出力に対して更なる処理を実行して、サンプル中の分析物の濃度を特定してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、分析物濃度ロジック1006は、特徴関連性インジケータを利用して、どのピーク波長が機械学習計算モデルの出力にとって最も重要であったかを識別してもよく、これらのピーク波長の強度の大きさを使用して分析物濃度を決定してもよい。いくつかの特定の実施形態では、分析物濃度ロジック1006は、これらの「最も重要な」ピーク波長の強度の大きさによって示される分析物濃度を概数で表してもよく、分析物濃度を決定するために、概数で表された強度の大きさのモードを使用してもよい。いくつかの他の特定の実施形態では、分析物濃度ロジック1006は、「最も重要な」ピーク波長の強度の大きさによって示される分析物濃度の加重平均を計算してもよく、重みは、特徴関連性インジケータ(例えば、ピーク波長のうちの異なるピーク波長に関連付けられた出力強度の相対的影響を表す)に従ってそれぞれのピーク波長に割り当てられる。他の特定の実施形態では、分析物濃度ロジック1006は、全てのピーク波長の強度の大きさによって示される分析物濃度を概数で表し、頻度を減少させることによって分析物濃度をソートし、最大頻度で現れる分析物濃度のセットの加重平均を計算してもよい。
【0041】
出力ロジック1008は、(訓練された機械学習計算モデル110を使用して)分析物濃度ロジック1006によって決定されたサンプル中の分析物の濃度を出力してもよい。いくつかの実施形態では、出力ロジック1008はまた、(例えば、どのピーク波長が分析物濃度決定にとって最も重要なものとして選択されたかをユーザが検証できるように)分析物濃度ロジック1006によって生成された1つ以上の特徴関連性インジケータを出力してもよい。いくつかの実施形態では、出力ロジック1008は、(例えば、図18のGUI3000のようなグラフィカルユーザインターフェイス(graphical user interface、GUI)を介して)分析物濃度及び/又は特徴関連性インジケータを表示デバイスに出力してもよい。いくつかの実施形態では、出力ロジック1008は、分析物濃度及び/又は特徴関連性インジケータを記憶装置(例えば、図19のコンピューティングデバイス4000の記憶デバイス4004)に出力してもよい。いくつかの実施形態では、出力ロジック1008は、ローカル又はリモートコンピューティングデバイスへの送信のために、分析物濃度及び/又は特徴関連性インジケータをインターフェイスデバイス(例えば、図19のコンピューティングデバイス4000のインターフェイスデバイス4006)に出力してもよい。
【0042】
図13図17は、様々な実施形態による、分光計支援動作を実行する方法のフロー図である。図13図17の方法の動作は、本明細書に開示される特定の実施形態(例えば、図3を参照して本明細書で考察される分光計支援モジュール1000、図18を参照して本明細書で考察されるGUI3000、図19を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000、及び/又は図20を参照して本明細書で考察される分光計支援システム5000)を参照して例解され得るが、図13図17の方法は、任意の好適な支援動作を実行するために任意の好適な設定で使用され得る。動作は、図13図17においてそれぞれ1度ずつ特定の順序で示されているが、動作は、所望に応じてかつ適切に並べ替えられ、かつ/又は、繰り返して実行できる(例えば、実行される様々な動作は、適宜、並行して実行されてもよい)。
【0043】
図13の方法2000を参照すると、2002において、較正サンプルの分光計出力強度の配列は、異なる既知の濃度での分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて生成されてもよい。配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分光計強度ロジック1002は、2002の動作を実施してもよい。
【0044】
2004において、機械学習計算モデルは、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて対象サンプル中の分析物の濃度を出力するように訓練されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の訓練ロジック1004は、2004の動作を実施してもよい。
【0045】
2006において、訓練された機械学習計算モデルは、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして使用され得る。例えば、分光計支援モジュール1000の分析物濃度ロジック1006は、2006の動作を実施してもよい。
【0046】
図14の方法2100を参照すると、2102において、サンプルの分光計出力強度の配列が生成されてもよい。配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分光計強度ロジック1002は、2102の動作を実施してもよい。
【0047】
2104において、分光計出力強度の受信された配列は、訓練された機械学習計算モデルに提供されてもよい。訓練された機械学習計算モデルは、サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものである。例えば、分光計支援モジュール1000の分析物濃度ロジック1006は、2104の動作を実施してもよい。
【0048】
2106において、サンプル中の分析物の濃度が出力され得る。例えば、分光計支援モジュール1000の出力ロジック1008は、2106の動作を実施してもよい。
【0049】
図15の方法2200を参照すると、2202においてサンプルの分光計出力強度の配列が生成されてもよい。配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分光計強度ロジック1002は、2202の動作を実施してもよい。
【0050】
2204において、サンプル中の分析物の濃度は、分光計出力強度の受信された配列に基づいて生成されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分析物濃度ロジック1006は、2204の動作を実施してもよい。
【0051】
2206において、サンプル中の分析物の濃度、及び分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータが出力されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の出力ロジック1008は、2206の動作を実施してもよい。
【0052】
図16の方法2300を参照すると、2302において、サンプルの分光計出力強度の配列が生成されてもよい。配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分光計強度ロジック1002は、2302の動作を実施してもよい。
【0053】
2304において、サンプル中の分析物の濃度は、分析物の濃度の生成に先行して、偏向量を表すデータのうちの1つ以上をユーザが選択する必要なく、分光計出力強度の受信された配列に基づいて生成されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分析物濃度ロジック1006は、2304の動作を実施してもよい。
【0054】
2306において、サンプル中の分析物の濃度が出力されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の出力ロジック1008は、2306の動作を実施してもよい。
【0055】
図17の方法2400を参照すると、2402において、較正サンプルの分光計出力強度の配列が、異なる既知の濃度での分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて生成されてもよい。配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータと関連付けられてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分光計強度ロジック1002は、2402の動作を実施してもよい。
【0056】
2404において、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルは、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して再訓練され、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて、対象サンプル中の分析物の濃度を出力してもよい。あるいは、2404において、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに使用するために(例えば、上述したように正規化を実行するために)前処理方法を生成してもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の訓練ロジック1004は、2404の動作を実施してもよい。
【0057】
2406において、再訓練された機械学習計算モデルは、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして使用され得る。あるいは、2406において、2404で生成された前処理方法は、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに実行されてもよい。例えば、分光計支援モジュール1000の分析物濃度ロジック1006は、2406の動作を実施してもよい。
【0058】
本明細書に開示される分光計支援方法は、(例えば、図20を参照して本明細書で考察されるユーザローカルコンピューティングデバイス5020を介して)人間のユーザとの対話を含み得る。これらの対話は、ユーザに情報を提供すること(例えば、図20の分光計5010などの分光計の動作に関する情報、分析されているサンプルに関する情報、又は分光計によって実行される他の試験若しくは測定に関する情報、ローカル若しくはリモートデータベースから検索された情報、又は他の情報)、あるいは(例えば、図20の分光計5010などの分光計の動作を制御するため、若しくは分光計によって生成されるデータの分析を制御するための)コマンド、(例えば、ローカル若しくはリモートデータベースへの)クエリ、又は他の情報を入力するためのオプションをユーザに提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、これらの対話は、ユーザに出力を提供する、かつ/又は入力を提供するようにユーザに指示する(例えば、図19を参照しながら、本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる、キーボード、マウス、トラックパッド、又はタッチスクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを介して)表示デバイス(例えば、図19を参照しながら、本明細書で考察される表示デバイス4010)上の視覚的表示を含むグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を通じて、実施されてもよい。本明細書に開示される分光計支援システムは、ユーザとの対話のための任意の好適なGUIを含み得る。いくつかの実施形態では、出力ロジック1008は、本明細書に開示されるGUIのいずれかを提供し得る。
【0059】
図18は、様々な実施形態に係る、本明細書に開示される支援法の一部、又は全ての実施において使用され得る、例示的なGUI3000を示す。上記のように、GUI3000は、分光計支援システム(例えば、図20を参照して本明細書で考察される分光計支援システム5000)のコンピューティングデバイス(例えば、図19を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000)の表示デバイス(例えば、図19を参照して本明細書で考察される表示デバイス4010)上に提供され得、ユーザは、任意の好適な入力デバイス(例えば、図19を参照して本明細書で考察される他のI/Oデバイス4012に含まれる入力デバイスのいずれか)、及び入力技術(例えば、カーソルの移動、モーションキャプチャ、顔認識、ジェスチャ検出、音声認識、ボタンの作動など)を使用してGUI3000と対話してもよい。
【0060】
GUI3000は、データ表示領域3002、データ分析領域3004、分光計制御領域3006、及び設定領域3008を含み得る。図18で示す領域の特定の数及び配置は、例解的なものに過ぎず、任意の所望の特徴を含む、任意の数及び配置の領域がGUI3000に含まれ得る。
【0061】
データ表示領域3002は、分光計(例えば、図20を参照して本明細書で考察される分光計5010)によって生成されたデータを表示し得る。例えば、データ表示領域3002は、(分光計強度ロジック1002によってバックグラウンド補正され得るか、又は他の方法で処理され得る)分光計からの出力強度信号を表示し得る。
【0062】
データ分析領域3004は、データ分析の結果(例えば、データ表示領域3002に例解されるデータ及び/又は他のデータを分析した結果)を表示し得る。例えば、データ分析領域3004は、(例えば、本明細書に開示される実施形態のいずれかに従って分析物濃度ロジック1006によって決定される)サンプル中の関心対象の分析物の濃度、(例えば、本明細書に開示される実施形態のいずれかに従って分析物濃度ロジック1006によって決定される)1つ以上の特徴関連性インジケータ、又は任意の他の好適な情報を表示し得る。いくつかの実施形態では、データ表示領域3002及びデータ分析領域3004は、(例えば、分光計からのデータ出力、及びデータのいくつかの分析を、共通のグラフ又は領域に含めるために)GUI3000内で組み合わされ得る。
【0063】
分光計制御領域3006は、ユーザが分光計(例えば、図20を参照して本明細書で考察される分光計5010)を制御することを可能にする選択肢を含んでもよい。例えば、分光計制御領域3006は、分光計によるサンプルの分析を開始するか、又は別様に制御するための選択肢を含んでもよい。
【0064】
設定領域3008は、ユーザが、GUI3000(及び/又は他のGUI)の特徴及び機能を制御し、かつ/又はデータ表示領域3002及びデータ分析領域3004に関する共通のコンピューティング動作を実施可能にする選択肢を含み得る(例えば、図19を参照しながら、本明細書で検討されるような記憶デバイス4004などの記憶デバイス上に分析物濃度及び/又は特徴関連性インジケータなどのデータを保存すること、別のユーザに分析物濃度及び/又は特徴関連性インジケータなどのデータを送信すること、データを標示することなど)。
【0065】
上記のように、分光計支援モジュール1000は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装され得る。図19は、様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援方法のいくつか又は全てを実行し得るコンピューティングデバイス4000のブロック図である。いくつかの実施形態では、分光計支援モジュール1000は、単一のコンピューティングデバイス4000又は複数のコンピューティングデバイス4000によって実装され得る。更に、以下で考察されるように、分光計支援モジュール1000を実装するコンピューティングデバイス4000(又は複数のコンピューティングデバイス4000)は、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又は図20のリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上の一部であり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ14、メモリ15、及びI/Oユニット16は、コンピューティングデバイス4000の一部であってもよい。
【0066】
図19のコンピューティングデバイス4000は、いくつかの構成要素を有するものとして例解されているが、これらの構成要素のいずれか1つ以上は、用途及び設定に好適となるように、省略又は複製され得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス4000に含まれる構成要素の一部、又は全ては、1つ以上のマザーボードに取り付けられ、ハウジング(例えば、プラスチック、金属、及び/又は他の材料を含む)に封入されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの構成要素の一部は、単一のシステムオンチップ(system-on-a-chip、SoC)上に製造可能である(例えば、SoCは、1つ以上の処理デバイス4002及び1つ以上の記憶デバイス4004を含み得る)。追加的に、様々な実施形態では、コンピューティングデバイス4000は、図19に例解される構成要素の1つ以上を含まない場合があるが、任意の好適なインターフェイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェイス、高精細マルチメディアユインターフェイス(High-Definition Multimedia Interface、HDMI)、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)インターフェイス、シリアル・ペリフェラル・インターフェイス(Serial Peripheral Interface、SPI)インターフェイス、イーサネットインターフェイス、無線インターフェイス、又は任意の他の好適なインターフェイス)を使用して、1つ以上の構成要素に結合するためのインターフェイス回路(図示せず)を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010を含まない場合があるが、表示デバイス4010を結合可能とする、表示デバイスインターフェイス回路(例えば、コネクタ及びドライバ回路)を含み得る。
【0067】
コンピューティングデバイス4000は、処理デバイス4002(例えば、1つ以上の処理デバイス)を含み得る。本明細書で使用される場合、「処理デバイス」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換する、任意のデバイス又はデバイスの一部分を指し得る。処理デバイス4002は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内で暗号アルゴリズムを実行する専用プロセッサ)、サーバプロセッサ、又は任意の他の好適な処理デバイスを含み得る。
【0068】
コンピューティングデバイス4000は、記憶デバイス4004(例えば、1つ以上の記憶デバイス)を含み得る。記憶デバイス4004は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)(例えば、静的RAM(static RAM、SRAM)デバイス、磁気RAM(magnetic RAM、MRAM)デバイス、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)デバイス、抵抗性RAM(resistive RAM、RRAM)デバイス、又は導電性ブリッジRAM(conductive-bridging RAM、CBRAM)デバイス)、ハードドライブベースのメモリデバイス、ソリッドステートメモリデバイス、ネットワークドライブ、クラウドドライブ、又はメモリデバイスの任意の組み合わせなどの1つ以上のメモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、処理デバイス4002とダイを共有するメモリを含み得る。そのような実施形態では、メモリは、キャッシュメモリとして使用され得、例えば、埋め込み型ダイナミックランダムアクセスメモリ(embedded dynamic random-access memory、eDRAM)又はスピントランスファートルク磁気ランダムアクセスメモリ(spin transfer torque magnetic random-access memory、STT-MRAM)を含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス4004は、1つ以上の処理デバイス(例えば、処理デバイス4002)によって実行される際、コンピューティングデバイス4000に、本明細書に開示される方法の任意の適切な方法、又はその一部を実施させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0069】
コンピューティングデバイス4000は、インターフェイスデバイス4006(例えば、1つ以上のインターフェイスデバイス4006)を含み得る。インターフェイスデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000と他のコンピューティングデバイスとの間の通信を管理するために、1つ以上の通信チップ、コネクタ、及び/又は他のハードウェアとソフトウェアを含み得る。例えば、インターフェイスデバイス4006は、コンピューティングデバイス4000との間でデータを転送するための無線通信を管理する回路を含み得る。「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体を介して変調された電磁放射の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用され得る。この用語は、関連するデバイスがいかなる配線を含まないことを示唆するものではないが、いくつかの実施形態では、含まない場合もある。無線通信を管理するためのインターフェイスデバイス4006に含まれる回路は、限定されないが、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16-2005 Amendment)を含む、米国電気電子学会(Institute for Electrical and Electronic Engineers、IEEE)規格、何らかの修正、更新、及び/又は改訂を伴う、ロングタームエボリューション(Long-Term Evolution、LTE)プロジェクト(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(ultra-mobile broadband、UMB)プロジェクト(「3GPP2」とも称される)など)を含む、複数の無線規格、又はプロトコルのいずれかを実装可能である。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェイスデバイス4006に含まれる回路は、モバイル通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communication、GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ユニバーサルモバイル電気通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)、高速パケットアクセス(High Speed Packet Access、HSPA)、進化型HSPA(Evolved HSPA、E-HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためにインターフェイスデバイス4006に含まれる回路は、GSM進化型高速データ(Enhanced Data for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GSM EDGE Radio Access Network、GERAN)、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network、UTRAN)、又は進化型UTRAN(Evolved UTRAN、E-UTRAN)に従って動作し得る。いくつかの実施形態では、無線通信を管理するためのインターフェイスデバイス4006に含まれる回路は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、デジタル拡張コードレス電気通信(Digital Enhanced Cordless Telecommunications、DECT)、エボリューションデータ最適化(Evolution-Data Optimized、EV-DO)、及びそれらの派生物、並びに3G、4G、5G、及びそれ以降として指定される任意の他の無線プロトコルに従って動作し得る。いくつかの実施形態では、インターフェイスデバイス4006は、無線通信の受信、かつ/又は送信用の1つ以上のアンテナ(例えば、1つ以上のアンテナアレイ)を含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、インターフェイスデバイス4006は、電気的、光学的、又は任意の他の好適な通信プロトコルなどの有線通信を管理するための回路を含み得る。例えば、インターフェイスデバイス4006は、イーサネット技術に従って通信を支援する回路を含み得る。いくつかの実施形態では、インターフェイスデバイス4006は、無線通信及び有線通信の双方を支援し得、かつ/又は複数の有線通信プロトコル及び/若しくは複数の無線通信プロトコルを支援し得る。例えば、インターフェイスデバイス4006の回路の第1のセットは、Wi-Fi又はBluetoothなどの短距離無線通信専用であり得、更に、インターフェイスデバイス4006の回路の第2のセットは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、EV-DO、又は他などの長距離無線通信専用であり得る。いくつかの実施形態では、インターフェイスデバイス4006の回路の第1のセットは、無線通信専用でよく、インターフェイスデバイス4006の回路の第2のセットは、有線通信専用でよい。
【0071】
コンピューティングデバイス4000は、バッテリ/電力回路4008を含み得る。バッテリ/電力回路4008は、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ若しくはキャパシタ)、及び/又はコンピューティングデバイス4000の構成要素をコンピューティングデバイス4000とは別個のエネルギー源(例えば、ACライン電力)に結合するための回路を含み得る。
【0072】
コンピューティングデバイス4000は、表示デバイス4010(例えば、複数の表示デバイス)を含み得る。表示デバイス4010は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオードディスプレイ、又はフラットパネルディスプレイなどの任意の視覚インジケータを含み得る。
【0073】
コンピューティングデバイス4000は、他の入力/出力(I/O)デバイス4012を含み得る。他のI/Oデバイス4012は、例えば、1つ以上のオーディオ出力デバイス(例えば、スピーカ、ヘッドセット、イヤホン、アラームなど)、1つ以上のオーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン又はマイクロフォンアレイ)、位置デバイス(例えば、当該技術分野で既知であるように、コンピューティングデバイス4000の位置を受信するために衛星ベースのシステムと通信するGPSデバイス)、オーディオコーデック、ビデオコーデック、プリンタ、センサ(例えば、熱電対若しくは他の温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、振動センサ、加速度計、ジャイロスコープなど)、カメラなどの画像キャプチャデバイス、キーボード、マウス、スタイラス、トラックボール、又はタッチパッドなどのカーソル制御デバイス、バーコードリーダ、クイックレスポンス(Quick Response、QR)コードリーダ、又は無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)リーダを含み得る。
【0074】
コンピューティングデバイス4000は、ハンドヘルド又はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、セルフォン、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータなど)、デスクトップコンピューティングデバイス、若しくはサーバコンピューティングデバイス、又は他のネットワークコンピューティング構成要素など、当該用途及び設定のための任意の好適なフォームファクタを有してもよい。
【0075】
本明細書に開示される分光計支援モジュール又は方法のうちのいずれかを実装する1つ以上のコンピューティングデバイスは、分光計支援システムの一部であり得る。図20は、様々な実施形態による、本明細書に開示される分光計支援方法の一部又は全部が実行され得る例示的な分光計支援システム5000のブロック図である。本明細書に開示される分光計支援モジュール及び方法(例えば、図3の分光計支援モジュール1000及び図13図17の方法)は、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又は分光計支援システム5000のリモートコンピューティングデバイス5040のうちの1つ以上によって実装され得る。いくつかの実施形態では、図1の分光測定システム10は、分光計支援システム5000の一部であってもよい。
【0076】
分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちのいずれかは、図19を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかを含み得、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040のうちのいずれかは、図19を参照して本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態の任意の適切なものの形態をとり得る。
【0077】
分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040は、それぞれ、処理デバイス5002、記憶デバイス5004、及びインターフェイスデバイス5006を含み得る。処理デバイス5002は、図6を参照して本明細書で考察される処理デバイス4002のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれる処理デバイス5002は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。記憶デバイス5004は、図6を参照して本明細書で考察される記憶デバイス5004のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれる記憶デバイス5004は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。インターフェイスデバイス5006は、図6を参照して本明細書で考察されるインターフェイスデバイス4006のうちのいずれかの形態を含む任意の好適な形態をとり得、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、又はリモートコンピューティングデバイス5040の異なるものに含まれるインターフェイスデバイス5006は、同じ形態又は異なる形態をとり得る。
【0078】
分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040は、通信経路5008を介して、分光計支援システム5000の他の要素と通信し得る。通信経路5008は、示されるように、(例えば、図19のコンピューティングデバイス4000のインターフェイスデバイス4006を参照して本明細書で考察される通信技術のいずれかに従って)分光計支援システム5000の要素の異なるもののインターフェイスデバイス5006を通信可能に結合し得、有線又はワイヤレス通信経路であり得る。図20に描写される特定の分光計支援システム5000は、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、サービスローカルコンピューティングデバイス5030、及びリモートコンピューティングデバイス5040の各ペア間の通信経路を含むが、この「完全結合」実装は単に例解的なものであり、様々な実施形態では、通信経路5008の様々なものが存在しない可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、そのインターフェイスデバイス5006と分光計5010のインターフェイスデバイス5006との間に直接通信経路5008を持たない場合があり、代わりに、サービスローカルコンピューティングデバイス5030とユーザローカルコンピューティングデバイス5020との間の通信経路5008、及びユーザローカルコンピューティングデバイス5020と分光計5010との間の通信経路5008を介して分光計5010と通信し得る。
【0079】
分光計5010は、誘導結合プラズマ発光分光計(inductively coupled plasma optical emission spectrometer、ICP-OES)、質量分析計、又は任意の他の好適な分光計などの任意の適切な分光計を含んでもよい。
【0080】
ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、分光計5010のユーザにローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020はまた、分光計5010に対してローカルであり得るが、そうである必要はなく、例えば、ユーザの自宅又はオフィスにあるユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、分光計5010からリモートにあるが、ユーザがユーザローカルコンピューティングデバイス5020を使用して分光計5010からのデータを制御し、かつ/又はアクセスし得るように、分光計5010と通信し得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ラップトップ、スマートフォン、又はタブレットデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、ポータブルコンピューティングデバイスであり得る。
【0081】
サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、分光計5010にサービスするエンティティにローカルであるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかによる)であり得る。例えば、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、分光計5010の製造元又はサードパーティのサービス会社に対してローカルであり得る。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信し得(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008を介して、又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040の動作に関するデータを受信する(例えば、分光計5010のセルフテストの結果、分光計5010によって使用される較正係数、分光計5010に関連するセンサの測定値など)。いくつかの実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と通信し得(例えば、上で考察されるように、直接通信経路5008を介して、又は複数の「間接」通信経路5008を介して)、データを分光計5010、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020、及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040に送信する(例えば、分光計5010内のファームウェアなどのプログラムされた命令を更新する、分光計5010のテスト又は較正シーケンスの実行を開始する、ユーザのローカルコンピューティングデバイス5020又はリモートコンピューティングデバイス5040などにおいて、ソフトウェアなどのプログラムされた命令を更新するなど)。分光計5010のユーザは、サービスローカルコンピューティングデバイス5030と通信して分光計5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020の問題を報告するために、分光計5010の動作を改善するために技術者に訪問を要求し、分光計5010に関連する消耗品又は交換部品を注文し、又は他の目的のために、分光計5010又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020を利用してもよい。
【0082】
リモートコンピューティングデバイス5040は、分光計5010及び/又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020からリモートにあるコンピューティングデバイス(例えば、本明細書で考察されるコンピューティングデバイス4000の実施形態のうちのいずれかによる)であり得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、データセンター又は他の大規模サーバ環境に含まれ得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040は、ネットワーク接続ストレージを含み得る(例えば、記憶デバイス5004の一部として)。リモートコンピューティングデバイス5040は、分光計5010によって生成されたデータを記憶し、分光計5010によって生成されたデータの分析を実行し(例えば、プログラムされた命令に従って)、ユーザローカルコンピューティングデバイス5020と分光計5010との間の通信を容易にし、かつ/又はサービスローカルコンピューティングデバイス5030と分光計5010との間の通信を容易にし得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、図20に例解される分光計支援システム5000の要素のうちの1つ以上が存在しない場合がある。更に、いくつかの実施形態では、図20の分光計支援システム5000の要素の様々なもののうちの複数のものが存在し得る。例えば、分光計支援システム5000は、複数のユーザローカルコンピューティングデバイス5020(例えば、異なるユーザと関連付けられた又は異なる位置における異なるユーザローカルコンピューティングデバイス5020)を含み得る。別の例では、分光計支援システム5000は、サービスローカルコンピューティングデバイス5030及び/又はリモートコンピューティングデバイス5040と全て通信する複数の分光計5010を含み得、そのような実施形態では、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、これらの複数の分光計5010を監視し得るか、サービスローカルコンピューティングデバイス5030は、更新を引き起こし得るか、又は他の情報が複数の分光計5010に同時に「ブロードキャスト」され得る。分光計支援システム5000内の分光計5010の異なるものは、互いに近くに(例えば、同じ部屋に)又は互いに遠くに(例えば、建物の異なる階、異なる建物、異なる都市になど)配置され得る。いくつかの実施形態では、分光計5010は、ウェブベースの用途、仮想又は拡張現実用途、モバイル用途、及び/又はデスクトップ用途を介して分光計5010のコマンド及び制御を可能にするモノのインターネット(Internet-of-Things、IoT)スタックに結合され得る。これらの用途のうちのいずれも、介在するリモートコンピューティングデバイス5040によって、分光計5010と通信してユーザローカルコンピューティングデバイス5020を動作するユーザによってアクセスされ得る。いくつかの実施形態では、分光計5010は、ローカル分光計コンピューティングユニット5012の一部として、1つ以上の関連するユーザローカルコンピューティングデバイス5020とともに製造業者によって販売され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、分光計支援システム5000に含まれる分光計5010のうちの異なるものは、異なるタイプの分光計5010であってもよく、例えば、1つの分光計5010は、質量分析計であってもよく、別の分光計5010は、光学分光計であってもよい。いくつかのそのような実施形態では、リモートコンピューティングデバイス5040及び/又はユーザローカルコンピューティングデバイス5020は、分光計支援システム5000に含まれる異なるタイプの分光計5010からのデータを組み合わせてもよい。
【0085】
以下の段落は、本明細書に開示される実施形態の様々な例を提供する。
【0086】
実施例A1は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成する第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータに関連付けられている、第1のロジックと、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、機械学習計算モデルを訓練し、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて、対象サンプル中の分析物の濃度を出力するための第2のロジックと、後続の分光計動作のために、分析物のための較正モデルとして訓練された機械学習計算モデルを使用するための第3のロジックと、を含む、分光計支援装置である。
【0087】
実施例A2は、実施例A1の主題を含み、分光計が光学分光計であり、異なる偏向量を表すデータが放射の異なる波長を表すデータであることを、更に明示する。
【0088】
実施例A3は、実施例A1の主題を含み、分光計が質量分析計であり、異なる偏向量を表すデータが異なる質量電荷比を表すデータであることを、更に明示する。
【0089】
実施例A4は、実施例A1~3のいずれかの主題を含み、分析物が単一元素であることを、更に明示する。
【0090】
実施例A5は、実施例A1~4のいずれかの主題を含み、機械学習計算モデルに入力されたテンソルが異なる偏向量における分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0091】
実施例A6は、実施例A1~5のいずれかの主題を含み、機械学習計算モデルに入力されたテンソルが異なる偏向量における分光計出力強度のうちの異なるものの比を含むことを、更に明示する。
【0092】
実施例A7は、実施例A1~6のいずれかの主題を含み、較正サンプルの分光計出力強度の配列がバックグラウンド補正された出力強度の配列であることを、更に明示する。
【0093】
実施例A8は、実施例A1~7のいずれかの主題を含み、較正サンプルが第1の較正サンプルであり、分析物が第1の分析物であり、機械学習計算モデルが第1の機械学習計算モデルであり、第1のロジックが異なる既知の濃度の第2の分析物の複数の第2の較正サンプルのそれぞれについて、第2の較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成するためのものであり、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものが異なる偏向量を表すデータに関連付けられ、第2の分析物が第1の分析物とは異なり、第2のロジックが第2の較正サンプル中の第2の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、第2の機械学習計算モデルを訓練し、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて、対象サンプル中の第2の分析物の濃度を出力し、第3のロジックが後続の分光計動作のために、訓練された第2の機械学習計算モデルを第2の分析物の較正モデルとして使用することを、更に明示する。
【0094】
実施例A9は、実施例A1~8の主題を含み、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列が3つ以上の出力強度を含むことを、更に明示する。
【0095】
実施例A10は、実施例A1~9のいずれかの主題を含み、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのうちの1つ以上について、較正サンプルの分光計出力強度の配列が少なくとも1つの飽和分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0096】
実施例BI1は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものが、異なる偏向量を表すデータに関連付けられる、第1のロジックと、訓練された機械学習計算モデルに、分光計出力強度の受信された配列を提供するための第2のロジックであって、訓練された機械学習計算モデルは、サンプル中の分析物の濃度を出力するためのものである、第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含む、分光計支援装置である。
【0097】
実施例BI2は、実施例BI1の主題を含み、分光計が光学分光計であり、異なる偏向量を表すデータが放射の異なる波長を表すデータであることを、更に明示する。
【0098】
実施例BI3は、実施例BI1の主題を含み、分光計が質量分析計であり、異なる偏向量を表すデータが異なる質量電荷比を表すデータであることを、更に明示する。
【0099】
実施例BI4は、実施例BI1~3のいずれかの主題を含み、分析物が単一元素であることを、更に明示する。
【0100】
実施例BI5は、実施例BI1~4のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列がバックグラウンド補正された出力強度の配列であることを、更に明示する。
【0101】
実施例BI6は、実施例BI1~5のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が3つ以上の出力強度を含むことを、更に明示する。
【0102】
実施例BI7は、実施例BI1~6のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が少なくとも1つの飽和分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0103】
実施例BI8は、実施例BI1~7のいずれかの主題を含み、第3のロジックが分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータを表示デバイスに出力することを、更に明示する。
【0104】
実施例BI9は、実施例BI8の主題を含み、分光計出力強度がサンプル中の分析物の濃度の決定に対して分光計出力強度の他のものよりも重要であったことを、分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0105】
実施例BI10は、実施例BI8~9のいずれかの主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の組み合わせが分光計出力強度の他の組み合わせよりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0106】
実施例BI11は、実施例BI10の主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の比が分光計出力強度の他の比よりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0107】
実施例BI12は、実施例BI8~11のいずれかの主題を含み、特徴関連性インジケータが特定の分光計出力強度に関連付けられた異なる偏向量を表す特定のデータのリストを含むことを、更に明示する。
【0108】
実施例BI13は、実施例BI12の主題を含み、特徴関連性インジケータがサンプル中の分析物の濃度の決定に対して他の波長よりも重要な波長のリストを含むことを、更に明示する。
【0109】
実施例BI14は、実施例BI12の主題を含み、特徴関連性インジケータがサンプル中の分析物の濃度の決定に対して他の質量電荷比よりも重要な質量電荷比のリストを含むことを、更に明示する。
【0110】
実施例BI15は、実施例BI1~14のいずれかの主題を含み、第3のロジックがサンプル中の分析物の濃度を表示デバイスに出力することを、更に明示する。
【0111】
実施例BII1は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものが、異なる偏向量を表すデータに関連付けられる、第1のロジックと、分光計出力強度の受信された配列に基づいて、サンプル中の分析物の濃度を生成するための第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度と、分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータと、を出力するための第3のロジックと、を含む、分光計支援装置である。
【0112】
実施例BII2は、実施例BII1の主題を含み、分光計が光学分光計であり、異なる偏向量を表すデータが放射の異なる波長を表すデータであることを、更に明示する。
【0113】
実施例BII3は、実施例BII1の主題を含み、分光計が質量分析計であり、異なる偏向量を表すデータが異なる質量電荷比を表すデータであることを、更に明示する。
【0114】
実施例BII4は、実施例BII1~3のいずれかの主題を含み、分析物が単一元素であることを、更に明示する。
【0115】
実施例BII5は、実施例BII1~4のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列がバックグラウンド補正された出力強度の配列であることを、更に明示する。
【0116】
実施例BII6は、実施例BII1~5のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が3つ以上の出力強度を含むことを、更に明示する。
【0117】
実施例BII7は、実施例BII1~6のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が少なくとも1つの飽和分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0118】
実施例BII8は、実施例BII1~7のいずれかの主題を含み、分光計出力強度がサンプル中の分析物の濃度の決定に対して分光計出力強度の他のものよりも重要であったことを、分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0119】
実施例BII9は、実施例BII1~8のいずれかの主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の組み合わせが分光計出力強度の他の組み合わせよりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0120】
実施例BII10は、実施例BII9の主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の比が分光計出力強度の他の比よりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0121】
実施例BII11は、実施例BII1~10のいずれかの主題を含み、特徴関連性インジケータが特定の分光計出力強度に関連付けられた異なる偏向量を表す特定のデータのリストを含むことを、更に明示する。
【0122】
実施例BII12は、実施例BII11の主題を含み、特徴関連性インジケータがサンプル中の分析物の濃度の決定に対して他の波長よりも重要な波長のリストを含むことを、更に明示する。
【0123】
実施例BII13は、実施例BII11の主題を含み、特徴関連性インジケータがサンプル中の分析物の濃度の決定に対して他の質量電荷比よりも重要な質量電荷比のリストを含むことを、更に明示する。
【0124】
実施例BII14は、実施例BII1~13のいずれかの主題を含み、第3のロジックがサンプル中の分析物の濃度を表示デバイスに出力することを、更に明示する。
【0125】
実施例BIII1は、サンプルの分光計出力強度の配列を生成するための第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものが、異なる偏向量を表すデータと関連付けられる、第1のロジックと、サンプル中の分析物の濃度の生成に先行して、ユーザが偏向量を表すデータのうちの1つ以上を選択する必要なく、受信された分光計出力強度の配列に基づいて、サンプル中の分析物の濃度を生成するための第2のロジックと、サンプル中の分析物の濃度を出力するための第3のロジックと、を含む、分光計出力装置である。
【0126】
実施例BIII2は、実施例BIII1の主題を含み、分光計が光学分光計であり、異なる偏向量を表すデータが放射の異なる波長を表すデータであることを、更に明示する。
【0127】
実施例BIII3は、実施例BIII1の主題を含み、分光計が質量分析計であり、異なる偏向量を表すデータが異なる質量電荷比を表すデータであることを、更に明示する。
【0128】
実施例BIII4は、実施例BIII1~3のいずれかの主題を含み、分析物が単一元素であることを、更に明示する。
【0129】
実施例BIII5は、実施例BIII1~4のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列がバックグラウンド補正された出力強度の配列であることを、更に明示する。
【0130】
実施例BIII6は、実施例BIII1~5のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が3つ以上の出力強度を含むことを、更に明示する。
【0131】
実施例BIII7は、実施例BIII1~6のいずれかの主題を含み、サンプルの分光計出力強度の配列が少なくとも1つの飽和分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0132】
実施例BIII8は、実施例BIII1~7のいずれかの主題を含み、第3のロジックが分光計出力強度のうちの1つ以上に関連付けられた特徴関連性インジケータを表示デバイスに出力することを、更に明示する。
【0133】
実施例BIII9は、実施例BIII8の主題を含み、分光計出力強度がサンプル中の分析物の濃度の決定に対して分光計出力強度の他のものよりも重要であったことを、分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0134】
実施例BIII10は、実施例BIII8~9のいずれかの主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の組み合わせが分光計出力強度の他の組み合わせよりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0135】
実施例BIII11は、実施例BIII10の主題を含み、サンプル中の分析物の濃度の決定に対して2つの分光計出力強度の比が分光計出力強度の他の比よりも重要であったことを、2つの分光計出力強度に関連付けられた特徴関連性インジケータが示すことを、更に明示する。
【0136】
実施例BIII12は、実施例BIII8~11のいずれかの主題を含み、特徴関連性インジケータが特定の分光計出力強度に関連付けられた異なる偏向量を表す特定のデータのリストを含むことを、更に明示する。
【0137】
実施例BIII13は、実施例BIII12の主題を含み、特徴関連性インジケータが、他の波長よりもサンプル中の分析物の濃度の決定に対してより重要な波長のリストを含むことを更に明示する。
【0138】
実施例BIII14は、実施例BIII12の主題を含み、特徴関連性インジケータがサンプル中の分析物の濃度の決定に対して他の質量電荷比よりも重要な質量電荷比のリストを含むことを、更に明示する。
【0139】
実施例BIII15は、実施例BIII1~14のいずれかの主題を含み、第3のロジックがサンプル中の分析物の濃度を表示デバイスに出力することを、更に明示する。
【0140】
実施例C1は、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列を生成する第1のロジックであって、配列内の分光計出力強度のうちの異なるものは、異なる偏向量を表すデータに関連付けられている、第1のロジックと、較正サンプル中の分析物の複数の既知の濃度及び分光計出力強度の関連付けられた複数の配列を使用して、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルを再訓練するか、又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに使用するための前処理方法を生成して、対象サンプルの分光計出力強度の入力配列に基づいて対象サンプル中の分析物の濃度を出力する第2のロジックと、再訓練された機械学習計算モデルを使用するか、又はあらかじめ訓練された機械学習計算モデルとともに前処理方法を、後続の分光計動作のための分析物の較正モデルとして実行する第3のロジックと、を含む、分光計支援装置である。
【0141】
実施例C2は、実施例C1の主題を含み、分光計が光学分光計であり、異なる偏向量を表すデータが放射の異なる波長を表すデータであることを、更に明示する。
【0142】
実施例C3は、実施例C1の主題を含み、分光計が質量分析計であり、異なる偏向量を表すデータが異なる質量電荷比を表すデータであることを、更に明示する。
【0143】
実施例C4は、実施例C1~3のいずれかの主題を含み、分析物が単一元素であることを、更に明示する。
【0144】
実施例C5は、実施例C1~4のいずれかの主題を含み、機械学習計算モデルに入力されたテンソルが異なる偏向量における分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0145】
実施例C6は、実施例C1~5のいずれかの主題を含み、機械学習計算モデルに入力されたテンソルが異なる偏向量における分光計出力強度のうちの異なるものの比を含むことを、更に明示する。
【0146】
実施例C7は、実施例C1~6のいずれかの主題を含み、較正サンプルの分光計出力強度の配列がバックグラウンド補正された出力強度の配列であることを、更に明示する。
【0147】
実施例C8は、実施例C1~7のいずれかの主題を含み、分光計が第1の分光計であり、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルが第1の分光計とは異なる第2の分光計によって生成されたデータを使用して訓練されたことを、更に明示する。
【0148】
実施例C9は、実施例C8の主題を含み、あらかじめ訓練された機械学習計算モデルを再訓練するために使用される第1の分光計からのデータの量が、機械学習計算モデルをあらかじめ訓練するために使用される第2の分光計からのデータの量よりも少ないことを、更に明示する。
【0149】
実施例C10は、実施例C1~9のいずれかの主題を含み、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのそれぞれについて、較正サンプルの分光計出力強度の配列が3つ以上の出力強度を含むことを、更に明示する。
【0150】
実施例C11は、実施例C1~10のいずれかの主題を含み、異なる既知の濃度の分析物の複数の較正サンプルのうちの1つ以上について、較正サンプルの分光計出力強度の配列が少なくとも1つの飽和分光計出力強度を含むことを、更に明示する。
【0151】
実施例C12は、実施例C1~11のいずれかの主題を含み、第2のロジックがあらかじめ訓練された機械学習計算モデルのパラメータのサブセットを再訓練するためのものであることを、更に明示する。
【0152】
実施例C13は、実施例C1~12のいずれかの主題を含み、第2のロジックがあらかじめ訓練された機械学習計算モデルの最終層のみを再訓練するためのものであることを、更に明示する。
【0153】
実施例Dは、本明細書に開示される分光計支援モジュールのいずれかを含む。
【0154】
実施例Eは、本明細書に開示される分光計支援方法のいずれかを含む。
【0155】
実施例Fは、本明細書に開示されるGUIのいずれかを含む。
【0156】
実施例Gは、本明細書に開示される分光計支援コンピューティングデバイス及びシステムのいずれかを含む。
【0157】
実施例Hは、本明細書に開示される分光計支援モジュール又は装置のいずれかを含む、分光計システムを含む。
【0158】
実施例Iは、本明細書に開示される分光計支援方法のいずれかを実行するように構成された分光計システムを含む。
【0159】
本開示の目的のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」という句は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的のために、「A、B、及び/又はC」及び「A、B、又はC」という句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。いくつかの要素は単数形(例えば、「処理デバイス」)で言及され得るが、任意の適切な要素は、その要素の複数のインスタンスによって表され得、逆もまた同様である。例えば、処理デバイスによって実施されるものとして説明された動作のセットは、異なる処理デバイスによって実施される動作のうちの異なるものを用いて実装され得る。
【0160】
本説明は、「一実施形態」、「様々な実施形態」、及び「いくつかの実施形態」という句を使用し、それらの各々は、同一又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指し得る。更に、本開示の実施形態に関して使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同義である。寸法の範囲を説明するために使用される場合、「XとYとの間」という句は、X及びYを含む範囲を表す。本明細書で使用されるように、「装置」は、任意の個々のデバイス、デバイスの集合、デバイスの一部、又はデバイスの一部の集合を指し得る。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】