(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534540
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2022126616
(87)【国際公開番号】W WO2023103609
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111489187.2
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524218318
【氏名又は名称】図湃(北京)医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】TOWARDPI(BEIJING)MEDICAL TECHNOLOGY LTD.
【住所又は居所原語表記】4th Floor,Building 3,Yard 9,Shengmingyuan Road,Life Science Park,Changping District Beijing 102206 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尚学森
(72)【発明者】
【氏名】汪霄
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA06
4C316AB02
4C316AB11
4C316FA19
4C316FB23
(57)【要約】
本開示は、前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法は、連続する2フレームの瞳孔図を取得することと、2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得ることと、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定することと、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似することに応答し、2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する2フレームの瞳孔図を取得することと、
前記2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得ることと、
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定することと、
前記2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似することに応答し、前記2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算することと、を含む、
前眼部光干渉断層血管撮影OCTAに使用されるアイトラッキング方法。
【請求項2】
1フレームの瞳孔図に対して輪郭の抽出を行うことは、
前記瞳孔図に対して極座標変換を行い、変換後の瞳孔図を得ることと、
最短経路アルゴリズムに基づいて、前記変換後の瞳孔図における瞳孔の境界を抽出することと、
前記境界に対して極座標逆変換を行い、対応する瞳孔輪郭を得ることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似するか否かを確定することは、
前記瞳孔輪郭と前記基準輪郭との間の距離を計算することと、
予め設定された距離範囲及び前記距離に応じて、前記瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似するか否かを確定することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した、前記2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算することは、
各瞳孔輪郭に応じて、瞳孔輪郭の質量中心を取得することと、
2つの質量中心に応じて、前記中心位置のずれを計算することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似しないことに応答し、前記連続する2フレームの瞳孔図に隣り合う画像である2フレームの連続する瞳孔図を再取得して、前記2フレームの連続する瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る操作、及び該2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似するか否かを確定する操作を実行することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準輪郭は、
瞳孔が遮られていない場合に撮影された基準図である瞳孔基準図を取得する操作と、
前記瞳孔基準図に対して極座標変換を行い、変換後の瞳孔基準図を得る操作と、
最短経路アルゴリズムに基づいて、前記変換後の瞳孔基準図における瞳孔の境界を抽出する操作と、
前記境界に対して極座標逆変換を行い、瞳孔の基準輪郭を得る操作と、により取得される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
連続する2フレームの瞳孔図を取得するように構成される取得モジュールと、
前記2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得るように構成される抽出モジュールと、
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定するように構成される確定モジュールと、
前記2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似することに応答し、前記2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算するように構成される計算モジュールと、を備える、
前眼部光干渉断層血管撮影OCTAに使用されるアイトラッキング装置。
【請求項8】
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似しないことに応答し、前記連続する2フレームの瞳孔図に隣り合う画像である2フレームの連続する瞳孔図を再取得して、前記2フレームの連続する瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る操作、及び前記2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似するか否かを確定する操作を実行するように構成される再取得モジュールをさらに備える、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されたメモリ及びプロセッサを備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~6のいずれか1項に記載の前眼部光干渉断層血管撮影OCTAに使用されるアイトラッキング方法を実現する、
電子機器。
【請求項10】
プロセッサにより実行されると、請求項1~6のいずれか1項に記載の前眼部光干渉断層血管撮影OCTAに使用されるアイトラッキング方法を実現する、コンピュータプログラムが記憶されている、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月07日に中国専利局に出願された、出願番号が202111489187.2である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、アイトラッキングの技術分野に関し、例えば前眼部光干渉断層血管撮影(Optical Coherence Tomography Angiography、OCTA)に使用されるアイトラッキング方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
OCTAは、最初に後眼部、即ち眼底に応用され、非侵襲性の新型の眼底画像検査技術であり、網膜脈絡膜の血流の運動情報を高分解能で認識し、生体組織に対して網膜脈絡膜の微小血管の循環の撮影を行うことができる。OCTAは、正常な網膜脈絡膜の血管の改変、並びに疾患の管理やフォローアップ及び治療効果の検出等の面で独特の優勢を有する。前眼部では、同一の横断面を複数回走査する光干渉断層撮影(OCT、Optical Coherence Tomography)の信号変化により走査領域の血流信号を得て、複数の横断面を連続的に走査すれば、前眼部の走査される領域のOCTA画像を得ることができる。
【0004】
現在のOCTAが全ての患者に適しているわけではなく、患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする場合、OCTA画像が不正確になる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、OCTAが全ての患者に適しているわけではなく、特に患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする場合、OCTA画像が不正確になる問題を改善可能な前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本開示の第1側面では、
連続する2フレームの瞳孔図を取得することと、
前記2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得ることと、
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定することと、
前記2つの瞳孔輪郭が前記基準輪郭と類似することに応答し、前記2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算することと、を含む、前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法を提供する。
【0007】
本開示の第2側面では、
連続する2フレームの瞳孔図を取得するように構成される取得モジュールと、
前記2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得るように構成される抽出モジュールと、
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定するように構成される確定モジュールと、
前記2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似することに応答し、前記2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算するように構成される計算モジュールと、を備える、前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング装置を提供する。
【0008】
本開示の第3側面では、電子機器を提供する。該電子機器は、メモリ及びプロセッサを備え、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、本開示の実施例に記載の前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法を実現する。
【0009】
本開示の第4側面では、プロセッサにより実行されると、本開示の実施例に記載の前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施例に係る正常に撮影された瞳孔図である。
【
図2】本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法のフロー図である。
【
図3】本開示の実施例に係る瞳孔輪郭の抽出過程の模式図である。
【
図4】本開示の実施例に係る瞳孔輪郭と基準輪郭とが類似しない模式図である。
【
図5】本開示の実施例に係る瞳孔輪郭と基準輪郭とが類似する模式図である。
【
図6】本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング装置の構造模式図である。
【
図7】本開示の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を説明する。
【0012】
本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法は、アイトラッキングの技術分野に応用可能である。
【0013】
OCTAは、同一の横断面を複数回走査して得られたOCTの信号変化を測定することにより血管腔における赤血球の運動を探知し、連続する横断面の(en face)OCT画像の情報を統合した後、完全な網膜脈絡膜の3次元血管画像を得るものである。そのうち、en face OCTは、従来の高密度のB走査(B-scan)画像を踏まえてソフトウエアの演算により処理してなる横方向断層画像技術である。
【0014】
OCTAは全ての患者に適しているわけではなく、患者の固視が良好で、中間透光体が透明である場合のみ、血流の連続性がよく、走査信号の品質が高いOCTA画像が得られる。OCTAの単一回の血流の撮影の走査に必要な時間は、走査範囲及び光源周波数によって決まる。走査範囲が大きく且つ光源周波数に対する要求が高い場合、OCTAの撮影時間も長くなり、その結果、患者には、固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする状況が発生し、OCTAの走査信号の強度が悪くなり、得られる画像品質が悪くなる。
【0015】
従って、走査過程において、アイトラッキングの導入は非常に必要である。アイトラッキングを導入することで、患者の瞳孔の自動位置測定を実現して瞬き及び眼球の移動の状況を認識して排除し、前後2つの連続位置の高品質の瞳孔図の間の移動方向及び大きさを得て、後続のOCTAの撮影をより正確にすることができる。
【0016】
図1は、本開示の実施例に係る正常に撮影された瞳孔図である。
図1を参照し、関連技術において、通常の、瞳孔を認識する策略には、画像フィルタリング、画像二値化、エッジ検出及び楕円フィッティング等のステップが含まれる。一方、瞬きし、即ち一部又は全部の瞳孔がまぶた又はまつげにより遮られた場合、一般的に、遮られた部分を排除し、有効領域のみを使用して楕円フィッティングを行う。
【0017】
楕円フィッティング方法の過程に関しては、まず画像に対してマスク(Mask)により関心領域を抽出し、次にヒストグラムにより1つの閾値を得て画像を二値化し、そして、エッジ追従アルゴリズムを使用して二値化画像に対して輪郭を抽出し、最後に抽出した輪郭に対して楕円フィッティングを行う。フィッティングした楕円と元の輪郭との誤差が1つの閾値よりも大きければ、ランダムコンセンサスアルゴリズムを使用して外れ値を捨てる。
【0018】
関連技術に関しては、多くの技術案において画像を二値化する必要があるが、二値化に必要な閾値の確定が容易ではない。一旦、画像品質が悪く、又は閾値の選出が適切ではないと、二値化画像により標識された領域は、瞳孔であるとは限らない。
【0019】
また、多くの技術案において、瞳孔の位置の認識は、楕円のフィッティングにより得られる。しかし、このようにすると、いくつかの欠点が存在する。例えば、眼科検査において、患者の瞳孔が既に変形している可能性があり、この場合、1つの予め設定された形状(例えば楕円)でフィッティングすると、大きな誤差を招く。且つ、楕円のフィッティング自体も誤差を招く。
【0020】
前眼部OCTAを専門的に対象としたアイトラッキング案はまだない。これについて案をカスタマイズするには、さらに患者が瞬きしているか否かを認識する必要があるが、多くの技術案はいずれもこれに言及したことがない。
【0021】
以上の技術問題を解決するために、本開示の実施例は前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法を提供する。いくつかの実施例において、該前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法は電子機器により実行可能である。
【0022】
図2は、本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法のフロー図である。
図2を参照し、本実施例における前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法は以下を含む。
【0023】
操作201において、連続する2フレームの瞳孔図を取得する。
【0024】
本開示の実施例において、連続する2フレームの瞳孔図は、患者に対してOCTA画像認識を行う時、正常に撮影された瞳孔図から任意に選出した前後連続する2フレームの瞳孔図である。光学原理で診断撮影を行う機器により、前後連続する2フレームの瞳孔図を取得することができる。
【0025】
本開示の実施例において、取得する画像フレーム数は、光学原理で診断撮影を行う機器の分解能に応じて確定され、一般的に、1秒以内に取得する画像フレーム数は、30フレーム、60フレーム又は120フレームである。一定時間内に、光学原理で診断撮影を行う機器は、複数フレームの画像を取得可能である。
【0026】
本開示の実施例において、光学原理で診断撮影を行う機器は、OCT撮影機器及び瞳孔カメラ撮影機器を含む。
【0027】
該前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法の説明を容易にするために、複数フレームの画像の中の各グループの前後連続する2フレームの瞳孔図のうちの任意の1グループを具体的な実施例における前後連続する2フレームの瞳孔図として選出し、それについて説明する。
【0028】
本開示の実施例において、連続する2フレームの瞳孔図は、後続の輪郭の抽出に使用され、患者が瞬きしているか否か等を判断する正確性を向上させる。
【0029】
操作202において、2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る。
【0030】
本開示の実施例において、極座標変換及び最短経路アルゴリズムにより、2フレームの瞳孔図における瞳孔に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、2つの瞳孔輪郭を得る。
【0031】
図3は、本開示の実施例に係る瞳孔輪郭の抽出過程の模式図である。
図3を参照し、2フレームの瞳孔図のうちの1フレームの瞳孔図に対して輪郭の抽出を行う方式は、正常に撮影された瞳孔図(a)に対して極座標変換を行うことにより、変換後の瞳孔図(b)を取得し、最短経路アルゴリズムに基づいて、変換後の瞳孔図(b)における瞳孔の境界に対して抽出を行い、境界が抽出された後の瞳孔図(c)を得てから、境界が抽出された後の瞳孔図(c)における境界に対して極座標逆変換を行い、瞳孔輪郭を含む瞳孔図(d)を得ることである。
【0032】
瞳孔輪郭を含む瞳孔図(d)で表示された瞳孔輪郭は、瞳孔において画像の中心から一定距離離れ且つ囲んで閉ループになる輪郭である。
【0033】
本開示の実施例において、極座標変換及び最短経路アルゴリズムにより、2フレームの瞳孔図における瞳孔に対してそれぞれ輪郭の抽出を行うことで、関連技術における、画像二値化の方法を採用すると、二値化に必要な閾値の確定が容易ではない問題に起因して、二値化画像で標識された領域が瞳孔であるとは限らないという問題を回避することができる。
【0034】
いくつかの実施例において、操作202において1フレームの瞳孔図に対して輪郭の抽出を行うことは、操作A1から操作A3を含む。
【0035】
操作A1において、瞳孔図に対して極座標変換を行い、変換後の瞳孔図を得る。
【0036】
操作A2において、最短経路アルゴリズムに基づいて、変換後の瞳孔図における瞳孔の境界を抽出する。
【0037】
操作A3において、境界に対して極座標逆変換を行い、瞳孔輪郭を得る。
【0038】
本開示の実施例において、1フレームの瞳孔図に対して輪郭の抽出を行う方法の説明は、以下の通りである。
【0039】
本開示の実施例において、極座標変換は、画像における閉じた輪郭を検出するために使用される。
図3を参照し、瞳孔図においてデカルト座標系xoyを作り、一般的に画像の中心(x
0,y
0)を変換中心として選出する。デカルト座標系xoyの平面における任意の一点(x,y)は、(x
0,y
0)を中心とし、以下の計算数式により極座標系における極座標(θ,r)に対応させ、
【数1】
図3における正常に撮影された瞳孔図(a)から変換後の瞳孔図(b)への過程の通りである。
【0040】
本開示の実施例において、最短経路アルゴリズムに基づいて、極座標での瞳孔の境界を見つける。最短経路アルゴリズムは、深さ又は幅優先探索アルゴリズム、フロイドアルゴリズム、ダイクストラアルゴリズム及びBellman-Fordアルゴリズムを含む。
【0041】
一実施例において、ダイクストラアルゴリズムを採用して極座標での瞳孔の境界を見つける。ダイクストラアルゴリズムを採用して極座標での瞳孔の境界を見つけるステップは、以下に示す通りである。
【0042】
操作1において、変換後の瞳孔図において1つの配列N及び2つの集合P、Qを維持し、配列Nは、始点から各頂点までの最短距離を格納するために使用され、集合Pは、トラバースされていない点を記憶するために使用され、集合Qは、既にトラバースされた点を記憶する。
【0043】
操作2において、集合Pから始点を選択し、該始点を集合Qに追加するとともに、集合Pから削除し、そして、該始点に隣り合う点までの距離を配列Nに追加し、隣接しない点までの距離を無限大で表す。
【0044】
操作3において、集合Qに最も近い1つの点M(即ち、全ての既にトラバースされた点に繋がるトラバースされていない点のうち、辺の重み値が最も小さい点)を選択し、該点を集合Qに加えるとともに、集合Pから削除する。
【0045】
操作4において、点Mに隣り合う点Cを見つけ、配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離よりも小さいか否かを判断する。配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離よりも小さければ、配列Nを更新し、配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離以上であれば、引き続き次の点Mに隣り合う点を探し、点Mの全ての隣り合う点のトラバースが済むまで操作4を繰り返す。
【0046】
トラバースする集合Pが空になり、即ち配列Nが極座標での瞳孔の境界を構成するまで、「集合Qに最も近い1つの点M(即ち、全ての既にトラバースされた点に繋がるトラバースされていない点のうち、辺の重み値が最も小さい点)を選択し、該点を集合Qに加えるとともに、集合Pから削除する」こと、及び「点Mに隣り合う点Cを見つけ、配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離よりも小さいか否かを判断する。配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離よりも小さければ、配列Nを更新し、配列Nに記憶されたC点に到達する距離が始点からMを経由してC点に到達する距離以上であれば、引き続き次の点Mに隣り合う点を探し、点Mの全ての隣り合う点のトラバースが済むまで操作4を繰り返す」ことを繰り返す。
【0047】
図3における変換後の瞳孔図(b)から境界が抽出された後の瞳孔図(c)への過程の通りである。
【0048】
本開示の実施例において、見つけた瞳孔の境界を極座標からデカルト座標に変換し、以下の計算数式によりデカルト座標系における座標に対応させ、
【数2】
そうすると、
図3における瞳孔輪郭を含む瞳孔図(d)におけるデカルト座標系での瞳孔輪郭は、以下の数式で表され、
【数3】
そのうち、nは輪郭内の点の個数である。
【0049】
操作203において、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定する。
【0050】
本開示の実施例において、基準輪郭は、瞳孔基準図から抽出された瞳孔輪郭である。瞳孔基準図及び取得しようとする連続する2フレームの瞳孔図は、患者が同一の患者であり、且ついずれも患者の同じ目に対して撮影されたものであり、瞳孔基準図は即ち、撮影される同一の患者の瞳孔が遮られていない正常に撮影された瞳孔図である。
【0051】
本開示の実施例において、瞳孔輪郭と基準輪郭との類似性を比較することにより、目の状態を判断して、追跡をよりよく実現することができる。同時に、類似性の比較は、輪郭の大きさの影響を受けず、形態のみに関係している。これにより、瞳孔の、入射光線のムラ等による大きくなったり小さくなったりするサイズの変化を無視してもよい。
【0052】
いくつかの実施例において、操作203における基準輪郭は、以下の操作(操作B1から操作B4)により取得することができる。
【0053】
操作B1において、瞳孔が遮られていない基準図である瞳孔基準図を取得する。
【0054】
操作B2において、瞳孔基準図に対して極座標変換を行い、変換後の瞳孔基準図を得る。
【0055】
操作B3において、最短経路アルゴリズムに基づいて、変換後の瞳孔基準図における瞳孔の境界を抽出する。
【0056】
操作B4において、境界に対して極座標逆変換を行い、瞳孔の基準輪郭を得る。
【0057】
本開示の実施例において、瞳孔基準図の基準輪郭の抽出の操作は、上記操作202における1フレームの瞳孔図に対して輪郭の抽出を行う過程と一致しており、操作202における操作A1から操作A3を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0058】
図4は、本開示の実施例に係る瞳孔輪郭と基準輪郭とが類似しない模式図である。
図4を参照し、瞳孔基準図(D)における基準輪郭は、2つの瞳孔輪郭(d1)、(d2)のいずれとも類似していない。言い換えれば、連続する2フレームの瞳孔図を取得する時、患者には瞬きしたり、まぶた又はまつげが瞳孔を遮ったりする状況が現れ、即ち患者の瞳孔は遮られている。
【0059】
図5は、本開示の実施例に係る瞳孔輪郭と基準輪郭とが類似する模式図である。
図5を参照し、そのうちの1つの瞳孔図(d3)に関して、瞳孔基準図(D)における基準輪郭と瞳孔図(d3)における瞳孔輪郭とが類似している。言い換えれば、連続する2フレームの瞳孔図を取得する時、患者には瞬きしたり、まぶた又はまつげが瞳孔を遮ったりする状況が現れず、即ち患者の瞳孔は遮られていない。そのうち、瞳孔基準図(D)における基準輪郭と瞳孔図における瞳孔輪郭との間の距離が予め設定された範囲内にあれば、該瞳孔輪郭が該基準輪郭と類似すると認められ、さらに、該瞳孔図を採取する時に患者の瞳孔が遮られていないと確定できる。
【0060】
いくつかの実施例において、操作203は、操作C1から操作C2を含む。
【0061】
操作C1において、瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を計算する。
【0062】
操作C2において、予め設定された距離範囲及び距離(即ち、操作C1を実行することで得られた距離の計算結果)に応じて、瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを判断する。
【0063】
開示の瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離は画像モーメント(Huモーメント)である。画像のHuモーメントは、平行移動、回転及びスケールの不変性を有する画像特徴であり、Huモーメントの計算は、素モーメントの計算、中心モーメントの計算及び正規化された中心モーメントの計算を含む。
【0064】
一実施例において、正規化された中心モーメントの計算を採用して瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を計算する。正規化された中心モーメントは、正規化されたモーメントの線型結合であり、画像の回転、平行移動、縮小拡大等の操作の後でも、依然として不変性を保持することができ、従って、常に正規化された中心モーメントを使用して画像の特徴を認識している。
【0065】
下式により瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を計算し、
【数4】
そのうち、Aは、瞳孔輪郭を表し、Bは、基準輪郭を表し、D(A,B)は、瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を表し、m
i
A及びm
i
Bは、2つの輪郭のlog変換されたHuモーメントを表し、h
i
A及びh
i
Bは、輪郭A及びBのHuモーメントである。
【0066】
本開示の実施例において、さらに、下式により瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を計算してもよく、
【数5】
そのうち、Aは、瞳孔輪郭を表し、Bは、基準輪郭を表し、D(A,B)は、瞳孔輪郭と基準輪郭との間の距離を表し、m
i
A及びm
i
Bは、2つの輪郭のlog変換されたHuモーメントを表し、h
i
A及びh
i
Bは、輪郭A及びBのHuモーメントである。
【0067】
本開示の実施例において、予め設定された距離範囲は、人為により規定された距離の取り値の範囲であり、研究のニーズに応じて自ら設定することができる。計算された距離が予め設定された距離範囲内にある場合、瞳孔輪郭は基準輪郭と類似する。
【0068】
操作204において、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似することに応答し、これらの2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算する。
【0069】
本開示の実施例において、前後連続する2フレームの瞳孔図の2つの瞳孔輪郭がいずれも基準輪郭と類似すると確定した場合、即ち、前後連続する2フレームの瞳孔図がいずれも正常である場合、これらの2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算する。
【0070】
下式により1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算し、
【数6】
そのうち、(x
A,y
A)及び(x
B,y
B)は、それぞれ2つの瞳孔の中心位置を表し、(Δx,Δy)は、1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを表す。
【0071】
いくつかの実施例において、操作204は、操作D1から操作D2を含む。
【0072】
操作D1において、各瞳孔輪郭に応じて、瞳孔輪郭の質量中心を取得する。
【0073】
操作D2において、2つの質量中心に応じて、中心位置のずれを計算する。
【0074】
本開示の実施例において、瞳孔の中心位置は、輪郭の質量中心を計算することにより取得する。
【0075】
本開示の実施例において、瞳孔の中心位置(即ち瞳孔輪郭の質量中心)は、輪郭における点を計算することにより取得することができる。瞳孔の中心位置のうちの(x
A,y
A)の取得方法を例にとると、下式により瞳孔の中心位置を計算し、
【数7】
そのうち、(x
A,y
A)は、瞳孔の中心位置(即ち瞳孔輪郭の質量中心)の座標を表し、(x
i,y
i)は、輪郭におけるi個目の点の座標を表す。
【0076】
本開示の実施例において、楕円フィッティングアルゴリズムで瞳孔の中心位置をフィッティングすることを採用する代わりに、瞳孔の中心位置を直接計算することを採用することで、楕円フィッティングの方法の採用で導入された楕円フィッティングアルゴリズム自身による誤差を回避することができ、且つ患者の瞳孔が既に変形している可能性があっても、1つの予め設定された形状(例えば楕円)を採用してフィッティングすることに起因して大きな誤差を導入することを回避することができ、さらに、これによる瞳孔の標識が不正確になるという問題を回避することができる。
【0077】
本開示の実施例において、操作201から操作204の概説は以下の通りである。
【0078】
瞳孔図を取得する撮影方式は、連続撮影であり、毎回の撮影で1枚の瞳孔図、即ち複数フレームの画像の中の各グループの前後連続する2フレームの瞳孔図のうちの任意の1グループにおける1枚目の瞳孔図を取得し、1枚目の瞳孔図に対して輪郭の抽出を行った後、1枚目の瞳孔図の輪郭を、基準輪郭と類似性を比較する。1枚目の瞳孔図の輪郭が基準輪郭と類似すれば、撮影し続け、次の1枚の瞳孔図、即ち複数フレームの画像の中の各グループの前後連続する2フレームの瞳孔図のうちの任意の1グループにおける2枚目の瞳孔図を取得し、2枚目の瞳孔図に対して輪郭の抽出を行った後、2枚目の瞳孔図の輪郭を、基準輪郭と類似性を比較する。これらの2枚の瞳孔図に対応する瞳孔輪郭がいずれも基準輪郭と類似すれば、該2枚の瞳孔図が有効であると確認され、対応する2つの瞳孔輪郭の中心のずれを計算することができる。
【0079】
いくつかの実施例において、前記方法は、操作205をさらに含む。
【0080】
操作205において、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似しないことに応答し、2フレームの連続する瞳孔図を再取得して、「該2フレームの連続する瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る」操作及び「該2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定する」操作を実行し、そのうち、再取得された2フレームの連続する瞳孔図は、操作201で得られた連続する2フレームの瞳孔図に隣り合う画像である。
【0081】
本開示の実施例において、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似しなければ、患者に瞬きしたり、まぶた又はまつげが瞳孔を遮ったりする状況が現れ、即ち患者の瞳孔が遮られていることを示す。患者の瞳孔が遮られている場合、後続でOCTAアルゴリズムを使用して取得した結果も不正確になる。
【0082】
本開示の実施例において、正確なOCTA画像を取得するために、正確なOCTA画像が取得されるまで、操作201で得られた連続する2フレームの瞳孔図に隣り合う2フレームの連続する瞳孔図を再取得して、「再取得された該2フレームの連続する瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る」こと及び「これらの2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定する」ことを実行する。
【0083】
本開示の実施例において、研究のニーズに応じて、OCTA画像の正確度を向上させるように、後続で撮影される各画像はいずれも該方法により実行する必要がある。
【0084】
以上の技術案を採用することにより、本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング方法では、連続する2フレームの瞳孔図を取得してから、これらの2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得て、さらにこれらの2つの瞳孔輪郭をいずれも基準輪郭と比較し、これらの2つの瞳孔輪郭がいずれも基準輪郭と類似すれば、これらの2フレームの瞳孔図を採取する時に患者の瞳孔が遮られていないと判定し、この時、これらの2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを後続でOCTAアルゴリズムに使用されるように計算することで、より正確なOCTA画像を得ることができ、これにより、関連技術におけるOCTAが全ての患者に適しているわけではなく、特に患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする場合、OCTA画像が不正確になる問題を改善して、OCTAの適合性の向上、及び、患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする状況において採取された瞳孔画像の使用の排除を達成することができ、従って、OCTA画像の正確度を向上させる効果を実現することができる。
【0085】
前述した複数の方法の実施例に関しては、簡単に説明するために、それらをいずれも一連の動作の組合せとして説明したが、当業者であれば、本開示が説明された動作の順に限定されるものではなく、これは、本開示に基づき、いくつかの操作を他の順で行ったり、同時に行ったりしてもよいためであることを知っているべきである。そして、当業者であれば、明細書に説明された実施例がいずれも好ましい実施例に属し、係る動作及びモジュールが必ずしも本開示に必要なものではないことも知っているべきである。
【0086】
以上は方法の実施例に関する紹介であり、以下、装置の実施例により、本開示に記載の案について説明する。
【0087】
図6は、本開示の実施例に係る前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング装置の構造模式図である。
図6を参照し、該前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング装置は、取得モジュール601、抽出モジュール602、確定モジュール603及び計算モジュール604を備える。
【0088】
取得モジュール601は、連続する2フレームの瞳孔図を取得するように構成され、抽出モジュール602は、これらの2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得るように構成され、確定モジュール603は、これらの2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定するように構成され、計算モジュール604は、2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似することに応答し、これらの2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを計算するように構成される。
【0089】
いくつかの実施例において、該前眼部OCTAに使用されるアイトラッキング装置は、
これらの2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似しないことに応答し、2フレームの連続する瞳孔図を再取得して、「再取得された2フレームの連続する瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得る」操作、及び「これらの2つの瞳孔輪郭が基準輪郭と類似するか否かを確定する」操作を実行するように構成される再取得モジュール605をさらに備え、そのうち、再取得されたこれらの2フレームの連続する瞳孔図は、前回で取得された連続する2フレームの瞳孔図に隣り合う画像である。
【0090】
説明の便宜及び簡潔さのために、上記に記載のモジュールの動作過程は、前述した方法の実施例における対応する過程を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0091】
図7は、本開示の実施例に係る電子機器の構造模式図である。
図7に示すように、
図7に示す電子機器700は、プロセッサ701及びメモリ703を備える。そのうち、プロセッサ701とメモリ703とは繋がっている。一実施例において、電子機器700は、トランシーバ704をさらに備えてもよい。実際の応用において、トランシーバ704は1つに限らず、該電子機器700の構造は、本開示の実施例を限定するものではない。
【0092】
プロセッサ701は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)或いは他のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウエア部品又はそれらの任意の組合せであってもよい。それは、本開示に開示された内容と結び付けて説明された様々な例示的なロジックブロック、モジュール及び回路を実現又は実行することができる。プロセッサ701は、計算機能を実現する組合せであってもよく、例えば1つ又は複数のマイクロプロセッサの組合せ、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ等を含む。
【0093】
バス702は、上記コンポーネントの間で情報を伝送するパスを備えてもよい。バス702は、周辺機器相互接続規格(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バス等であってもよい。バス702は、アドレスバス、データバス、コントロールバス等に分けることができる。表現を容易にするために、バスは、
図7において1本の太線のみで表されているが、1本又は1種類しかないことを示しているわけではない。
【0094】
メモリ703は、リードオンリーメモリ(Read Only Memory、ROM)又は静的情報及び命令を記憶可能な他のタイプの静的記憶装置、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)又は情報及び命令を記憶可能な他のタイプの動的記憶装置であってもよいし、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、EEPROM)、リードオンリー光ディスク(Compact Disc Read Only Memory、CD-ROM)又は他の光ディスク記憶、光学ディスク記憶(圧縮光学ディスク、レーザディスク、光学ディスク、デジタル汎用光学ディスク、ブルーレイディスク等を含む)、磁気ディスク記憶媒体又は他の磁気記憶機器、或いは命令又はデータ構造形式を有する所望のプログラムコードを搬送又は記憶するように構成可能でコンピュータによりアクセス可能な任意の他の媒体であってもよいが、これらに限定されない。
【0095】
メモリ703は、本開示の案を実行して実行がプロセッサ701により制御されるアプリケーションのコードを記憶するように構成される。プロセッサ701は、前述した方法の実施例に示す内容を実現するために、メモリ703に記憶されるアプリケーションのコードを実行するように構成される。
【0096】
電子機器700は、携帯電話、ノートパソコン、デジタル放送受信機、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、タブレットコンピュータ(Portable Android Device、PAD)、ポータブルマルチメディアプレイヤー(Portable Media Player、PMP)、車載端末(例えば車載ナビゲーション端末)等のようなモバイル端末及びデジタルテレビ(Television、TV)、デスクトップ型コンピュータ等々のような固定端末を含むが、これらに限定されない。
図7に示す電子機器700は一例に過ぎず、本開示の実施例の機能及び使用範囲に何らかの制限を与えるべきではない。
【0097】
本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータで運行すると、コンピュータが前述した方法の実施例における相応の内容を実行することを可能にするコンピュータプログラムが記憶されている。関連技術と比べ、本開示の実施例において、連続する2フレームの瞳孔図を取得してから、これらの2フレームの瞳孔図に対してそれぞれ輪郭の抽出を行い、対応する2つの瞳孔輪郭を得て、さらにこれらの2つの瞳孔輪郭をいずれも基準輪郭と比較し、これらの2つの瞳孔輪郭がいずれも基準輪郭と類似すれば、これらの2フレームの瞳孔図を採取する時に患者の瞳孔が遮られていないと判定し、この時、これらの2つの瞳孔輪郭のうちの1つの瞳孔輪郭のもう1つの瞳孔輪郭に対する中心位置のずれを後続でOCTAアルゴリズムに使用されるように計算することで、より正確なOCTA画像を得ることができ、これにより、関連技術におけるOCTAが全ての患者に適しているわけではなく、特に患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする場合、OCTA画像が不正確になる問題を改善して、OCTAの適合性の向上、及び、患者の固視が不良になったり瞬きが頻繁になったり眼球が移動したりする状況において採取された瞳孔画像の使用の排除を達成することができ、従って、OCTA画像の正確度を向上させる効果を実現することができる。
【0098】
図面のフロー図における複数のステップは矢印の指示に従って順次示されているが、これらのステップは、必ずしも矢印で示された順に従って順次実行されるとは限らない。本稿で明確な説明がない限り、これらのステップは、実行に厳格な順の制限がなく、他の順で実行されてもよい。さらに、図面のフロー図における少なくとも一部のステップは、複数のサブステップ又は複数の段階を含んでもよく、これらのサブステップ又は段階は、必ずしも同一の時刻で実行が完成するとは限らず、異なる時刻で実行されてもよく、その実行の順も必ずしも順次進むとは限らず、他のステップ或いは他のステップのサブステップ又は段階の少なくとも一部と交代し、又は交互に実行されてもよい。
【国際調査報告】