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特表2024-546485ランダムアクセス手順に対する帯域幅部分選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ランダムアクセス手順に対する帯域幅部分選択
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/0833 20240101AFI20241217BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
H04W74/0833
H04W72/0453
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534673
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2021138350
(87)【国際公開番号】W WO2023108482
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】トゥルティネン サムリ ヘイッキ
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ユッシ-ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ウー チュンリー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE61
5K067GG01
5K067JJ16
(57)【要約】
本開示の実施形態例は、ランダムアクセス手順の帯域幅部分選択に関する。本開示の実施形態によれば、端末デバイスはネットワークデバイスから構成情報を受信する。構成情報は、BWPの組及びBWPの組の構成をインディケートする。ランダムアクセス手順がある特定の特徴の組み合わせに対してトリガーされると、端末デバイスは、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定する。条件が満たされている場合、端末デバイスはターゲットBWPに切り替える。このようにして、リソース効率が向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第2のデバイスから受信することと、
前記第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、
前記RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記判定することと、
前記条件が満たされているという判定に従って、前記ターゲットBWP上で前記第2のデバイスとの前記ランダムアクセスを実行することと、を行わせるように構成されている、前記第1のデバイス。
【請求項2】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件をさらに含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスうちの1つを含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項4】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWP上でのRSRPの値を決定することと、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第1のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの値が前記第1のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項5】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートし、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
アクティブBWP上でのRSRPの値を決定すること、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第2のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの前記値が前記第2のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
アクティブBWPがスライスに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがRACH構成によって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記RACH構成によって構成されていないという判定に従って、初期BWPに切り替えることと、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記初期BWPが前記少なくとも1つの特徴をサポートしていないという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定すること、によって行わせるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行することと、
前記アクティブBWP上でのランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えたという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、によって行わせるように構成されている、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記構成情報の受信を、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して受信することによって、行わせるように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項11】
前記第1のデバイスは端末デバイスであり、前記第2のデバイスはネットワークデバイスである、請求項1~10のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項12】
第2のデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第1のデバイスに送信することと、
ターゲットBWP上で前記第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、前記ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記実行することと、を行わせるように構成されている、前記第2のデバイス。
【請求項13】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための条件をさらに含む、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスうちの1つを含む、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項15】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートする、請求項12~14のいずれかに記載の第2のデバイス。
【請求項16】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートする、請求項12~14のいずれかに記載の第2のデバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記構成情報の送信を、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して送信することによって、行わせるように構成されている、請求項12~16のいずれか1項に記載の第2のデバイス。
【請求項18】
前記第1のデバイスは端末デバイスであり、前記第2のデバイスはネットワークデバイスである、請求項12~17のいずれか1項に記載の第2のデバイス。
【請求項19】
方法であって、
第1のデバイスにおいて、第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を受信することと、
前記第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、
前記RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記判定することと、
前記条件が満たされているという判定に従って、前記ターゲットBWP上で前記第2のデバイスとの前記ランダムアクセスを実行することとを含む前記方法。
【請求項20】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスのうちの1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし、前記方法はさらに、
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWP上でのRSRPの値を決定することとを含み、
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第1のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの値が前記第1のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることとを含む、請求項19~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートし、前記方法はさらに、
アクティブBWP上でのRSRPの値を決定することを含み、
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第2のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの前記値が前記第2のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることとを含む、請求項19~21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることとを含む、請求項19~21のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
アクティブBWPがスライスに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることとを含む、請求項19~21のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがRACH構成によって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記RACH構成によって構成されていないという判定に従って、初期BWPに切り替えることと、をさらに含み、
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
前記初期BWPが前記少なくとも1つの特徴をサポートしていないという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することを含む、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定することは、
共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行することと、
前記アクティブBWP上でのランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えたという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記構成情報を受信することは、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して受信することを含む、請求項19~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のデバイスは端末デバイスであり、前記第2のデバイスはネットワークデバイスである、請求項19~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
方法であって、
第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信することと、
ターゲットBWP上で前記第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、前記ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記実行することを含む前記方法。
【請求項31】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスのうちの1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートする、請求項30~32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートする、請求項30~32のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記構成情報を送信することは、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して送信することを含む、請求項30~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のデバイスは端末デバイスであり、前記第2のデバイスはネットワークデバイスである、請求項30~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
装置であって、
第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を受信するための手段と、
ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定するための手段と、
前記RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段であって、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記手段と、
前記条件が満たされているという判定に従って、前記ターゲットBWP上で前記第2のデバイスとの前記ランダムアクセスを実行するための手段とを含む前記装置。
【請求項38】
装置であって、
第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信するための手段と、
ターゲットBWP上で前記第1のデバイスとのランダムアクセスを実行するための手段であって、前記ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記手段とを含む前記装置。
【請求項39】
装置に、請求項19~29のいずれか1項または請求項30~36のいずれか1項に記載の方法を行わせるためのプログラム命令を含むコンピューター可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全般的に、遠距離通信の分野に関し、詳細には、ランダムアクセス手順に対する帯域幅部分(BWP)を選択する方法、デバイス、装置、及びコンピューター可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムの発展に伴い、ますます多くの技術が提案されている。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、セルセットアップ及びバーストデータ伝送のためにモバイルネットワークにアクセスするために端末デバイスによって使用される共有チャネルである。PRACHにアクセスするために、端末デバイスはランダムアクセス手順を開始する場合がある。さらに、端末デバイスは、1つ以上の帯域幅部分(BWP)によって構成することができる。帯域幅部分(BWP)は、特定のキャリア上の物理リソースブロック(PRB)の連続した組である。これらのRBは、特定のヌメロロジーに対する共通リソースブロックの連続したサブ組から選択される。
【発明の概要】
【0003】
全般的に、本開示の実施形態例によって、ランダムアクセス手順に対するBWPを決定するための解決策が提供される。
【0004】
第1の態様において、第1のデバイスが提供される。第1のデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータープログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第2のデバイスから受信することと、第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、判定することと、条件が満たされているという判定に従って、ターゲットBWP上での第2のデバイスとのランダムアクセスを実行することと、を行わせるように構成されている。
【0005】
第2の態様において、第2のデバイスが提供される。第2のデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータープログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第2のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第1のデバイスに送信することと、ターゲットBWP上で第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、実行することと、を行わせるように構成されている。
【0006】
第3の態様において、方法が提供される。本方法は、第1のデバイスにおいて、第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を受信することと、第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、判定することと、条件が満たされているという判定に従って、ターゲットBWP上で第2のデバイスとのランダムアクセスを実行することとを含む。
【0007】
第4の態様において、方法が提供される。本方法は、第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信することと、ターゲットBWP上で第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、実行することとを含む。
【0008】
第5の態様において、装置が提供される。したがって、装置は、第1のデバイスにおいて、第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を受信するための手段と、第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定するための手段と、RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段であって、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、手段と、条件が満たされているという判定に従って、ターゲットBWP上で第2のデバイスとのランダムアクセスを実行するための手段とを含む。
【0009】
第6の態様において、装置が提供される。したがって、装置は、第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信するための手段と、ターゲットBWP上で第1のデバイスとのランダムアクセスを実行するための手段であって、ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、手段とを含む。
【0010】
第7の態様において、コンピューター可読媒体が提供される。コンピューター可読媒体は、装置に少なくとも上述の第3及び第4の態様のうちのいずれか1つよる方法を行わせるためのプログラム命令を含む。
【0011】
概要セクションは、本開示の実施形態の重要または本質的な特徴を特定することは意図しておらず、本開示の範囲を限定するために使用することも意図していないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解できるようになる。
【0012】
次に、いくつかの実施形態例について、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施形態例を実施することができる通信環境例を例示する図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態例による、ランダムアクセス手順に対する適切なリソースを選択するためのシグナリングフローを例示する図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態例による、BWPの概略図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態例による、第1の装置において実施される方法のフローチャートを例示する図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態例による、第1の装置において実施される方法のフローチャートを例示する図である。
図6】本開示の実施形態例を実施するのに適した装置の簡略化したブロック図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態例によるコンピューター可読媒体例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面の全体を通して、同一または類似の参照数字は、同一または類似の要素を表す。
【0015】
次に、本開示の原理について、いくつかの実施形態例を参照して説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明しており、当業者が本開示を理解して実施することを助けるものであるが、本開示の範囲に関する何らの限定も示唆するものではないことを理解されたい。本明細書で説明する実施形態は、以下に説明するもの以外の種々の方法で実施することができる。
【0016】
以下の説明及び特許請求の範囲では、別に定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野において当業者によって広く理解されているものと同じ意味を有する。
【0017】
本開示において「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」などへの言及は、記載した実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、あらゆる実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、このような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を実施形態と関連して説明する場合、明示的に説明されているかどうかに関係なく、他の実施形態に関連するこのような特徴、構造、または特性に影響することは、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0018】
本明細書では用語「第1の」及び「第2の」などを使用して種々の要素を記載する場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を他の要素と区別するためにのみ使用する。たとえば、実施形態例の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と言うことができ、同様に、第2の要素は第1の要素と言うことができる。本明細書で使用する場合、用語「及び/または」は、列挙した用語のうちの1つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0019】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を記述することのみを目的としており、実施形態例を限定することは意図していない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別の意味が示される場合を除き、複数形も含むことが意図されている。さらに用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「有する」、「有している」、「含む(includes)」、及び/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、要素、及び/またはコンポーネントなどの存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント、及び/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことが理解されよう。
【0020】
本出願で使用する場合、用語「回路」は、以下のうちの1つ以上またはすべてを指す場合がある。
(a)ハードウェア専用の回路実装(アナログ及び/またはデジタル回路のみでの実装など)及び
(b)ハードウェア回路及びソフトウェアの組み合わせ、たとえば(適用可能な場合)、
(i)アナログ及び/またはデジタルハードウェア回路(複数可)とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、及び
(ii)ソフトウェアを備えたハードウェアプロセッサ(複数可)(デジタル信号プロセッサ(複数可)を含む)、ソフトウェア、及びメモリ(複数可)のうちの、携帯電話またはサーバなどの装置に種々の機能を実行させるように共に動作する任意の部分、及び
(c)動作のためのソフトウェア(たとえば、ファームウェア)を必要とするハードウェア回路(複数可)及びまたはプロセッサ(複数可)(たとえば、マイクロプロセッサ(複数可)またはマイクロプロセッサ(複数可)の一部)、ただし、ソフトウェアは、動作に必要でないときには存在しない場合がある。
【0021】
回路のこの定義は、あらゆる請求項を含む、本出願におけるこの用語のすべての使用に適用される。さらなる例として、本出願で使用する場合、用語回路は、単なるハードウェア回路もしくはプロセッサ(もしくは複数のプロセッサ)、またはハードウェア回路またはプロセッサの一部、及びその(またはそれらの)付随するソフトウェア及び/またはファームウェアの実施態様も包含する。また用語回路は、たとえば、特定の請求項要素に該当する場合、モバイルデバイス用のベースバンド集積回路もしくはプロセッサ集積回路、またはサーバ、セルラーネットワークデバイス、もしくは他のコンピューティングもしくはネットワークデバイスにおける同様の集積回路も包含する。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「通信ネットワーク」は、New Radio(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、高速パケットアクセス(HSPA)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)など、任意の好適な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワーク内の端末デバイスとネットワークデバイスとの間の通信は、任意の好適な世代の通信プロトコルに従って実行してもよく、たとえば、限定することなく、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来の第5世代(5G)通信プロトコル、及び/または現時点で知られているかまたは今後開発される任意の他のプロトコルが挙げられる。本開示の実施形態は、種々の通信システムにおいて適用してもよい。通信における急速な発展を考えると、当然のことながら、本開示を具体化し得る未来型の通信技術及びシステムも存在する。本開示の範囲を前述のシステムのみに限定するものと考えるべきではない。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「ネットワークデバイス」は、端末デバイスがネットワークにアクセスし、そこからサービスを受ける際に通る通信ネットワーク内のノードを指す。ネットワークデバイスは、適用される専門用語及び技術に応じて、以下を参照してもよい。基地局(BS)またはアクセスポイント(AP)、たとえば、ノードB(NodeBまたはNB)、発展型NodeB(eNodeBまたはeNB)、NR NB(gNBとも言う)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、リレー、統合アクセスバックホール(IAB)ノード、低電力ノード、たとえば、フェムト、ピコ、非地上系ネットワーク(NTN)または非地上系ネットワークデバイス、たとえば、衛星ネットワークデバイス、低地球軌道(LEO)衛星及び対地同期軌道(GEO)衛星、航空機ネットワークデバイスなどである。いくつかの実施形態例では、gNBは、集中型ユニット(CU)と分散型ユニット(DU)とに分割することができる。CUは、無線リソース制御(RRC)及びパケットデータ収束プロトコル(PDCP)を含むプロトコルスタックの上位層をホストし、一方で、DUは、物理層、メディアアクセス制御(MAC)層及び無線リンク制御(RLC)層などの下位層をホストする。
【0024】
用語「端末デバイス」は、無線通信が可能であり得る任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく一例として、端末デバイスは、通信デバイス、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、携帯加入者局、移動局(MS)、またはアクセス端末(AT)と言ってもよい。端末デバイスとしては、限定することなく、以下を挙げてもよい。携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、ウェアラブル端末デバイス、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピューター、デスクトップコンピューター、画像キャプチャー端末デバイス、たとえば、デジタルカメラ、ゲーミング端末デバイス、音楽ストレージ及び再生器具、車載無線端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、ラップトップ組み込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、モノのインターネット(IoT)デバイス、腕時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療機器及びアプリケーション(たとえば、リモート外科手術)、産業用デバイス及びアプリケーション(たとえば、産業用及び/または自動処理チェーン状況において動作するロボット及び/または他の無線デバイス)、家庭用電子機器、商業用及び/または産業用無線ネットワーク上で動作するデバイスなど。以下の説明では、用語「端末デバイス」、「通信デバイス」、「端子」、「ユーザ機器」、及び「UE」は、交換可能に使用してもよい。
【0025】
前述したように、端末デバイスは、PRACHにアクセスするためにランダムアクセス手順を開始してもよい。ランダムアクセス手順(RACH)は、競合ベース(CBRA)または競合フリー(CFRA)とすることができる。「RACHパーティション」と呼ばれる技術が提案されている。RACHパーティション戦略を最適化して、ネットワークのアクセス性能を高め得る。たとえば、異なるタイプのサービスに基づいて、RACHパーティション戦略は、ランダムアクセスチャネル(RACH)リソースをパーティション分割して、各タイプのサービスに割り当ててもよい。本明細書で使用する用語「RACHリソース」は、RACHに使用される時間/周波数リソース(すなわち、いわゆるRACH機会-RO)またはRACHのプリアンブルを指すことができ、RACHの分割は、PRACHリソースを分割すること(すなわち、異なるRACH機会が異なる特徴にマッピングされる)によって、またはRACH機会に関連付けられたプリアンブルを分割すること(すなわち、ROの異なるプリアンブルが異なる特徴にマッピングされる)によって達成することができる。さらに、端末デバイスは、1つ以上のBWPによって構成することができる。端末デバイスは、ダウンリンク及びアップリンクに対して最大で4つのBWPによって構成することができるが、特定の時点において、ダウンリンクに対して1つのBWPのみがアクティブであり、アップリンクに対して1つのみがアクティブである。
【0026】
多くの異なるRACHパーティションの構成はネットワークデバイスにとって負担であるため、これらは、ほとんどの端末デバイスがRACHパーティションをたとえば初期BWPにおいて利用できるある特定のBWP上でのみ構成される可能性がある。したがって、端末デバイスが、RA手順をトリガーした特徴の組に利用できるRACHパーティションを有さない場合がある専用BWP上で動作するときはいつでも、共通RACH(BWP上で構成される場合)を使用するが、端末デバイスに最適な性能が提供されない場合がある。
【0027】
前述及び他の潜在的な問題の少なくとも一部を解決するためには、ランダムアクセス手順にとって適切なBWPを選択することに対する新しい解決策が必要である。本開示の実施形態によれば、端末デバイスが、ネットワークデバイスから構成情報を受信する。構成情報は、BWPの組及びBWPの組のRACH構成をインディケートする。ランダムアクセス手順がある特定の特徴の組み合わせに対してトリガーされると、端末デバイスは、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定する。条件が満たされている場合、端末デバイスはターゲットBWPに切り替える。このようにして、リソース効率が向上する。
【0028】
図1に、本開示の実施形態を実施することができる通信環境100の概略図を例示する。通信環境100は、通信ネットワークの一部であり、デバイス110-1、デバイス110-2、....、デバイス110-Nを含む。これらは一括して、「第1のデバイス(複数可)110」と言うことができる。通信環境100はさらに、第1のデバイス(複数可)110と通信することができる第2のデバイス120を含む。
【0029】
通信環境100は、任意の好適な数のデバイス及びセルを含んでもよい。通信環境100において、第1のデバイス110及び第2のデバイス120は、互いにデータ及び制御情報を通信することができる。第1のデバイス110が端末デバイスであり、第2のデバイス120がネットワークデバイスである場合、第2のデバイス120から第1のデバイス110へのリンクはダウンリンク(DL)と言い、一方で、第1のデバイス110から第2のデバイス120へのリンクはアップリンク(UL)と言う。第2のデバイス120及び第1のデバイス110は交換可能である。
【0030】
図1に示す第1のデバイス及びセルならびにそれらの接続の数は、何らの限定も示唆することなく、説明を目的として与えられていることを理解されたい。環境100は、本開示の実施形態を実施することに適応された任意の好適な数のデバイス及びネットワークを含んでもよい。
【0031】
通信環境100における通信は、任意の適切な通信プロトコル(複数可)に従って実施してもよい。たとえば、限定することなく、第1世代(1G)、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)及び第5世代(5G)などのセルラー通信プロトコル、Institute for Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11などの無線ローカルネットワーク通信プロトコル、及び/または現時点で知られているかまたは今後開発される任意の他のプロトコルである。さらに、通信は、任意の適切な無線通信技術を利用してもよい。たとえば、限定することなく、符号分割多重アクセス(CDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、多入力多出力(MIMO)、直交周波数分割多重(OFDM)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)及び/または現時点で知られているかまたは今後開発される任意の他の技術である。
【0032】
本開示の実施形態例について、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。次に図2を参照して、本開示の実施形態例による、ランダムアクセス手順に対するリソースを選択するためのシグナリングフロー200を例示する。説明を目的として、シグナリングフロー200を図1を参照して説明する。シグナリングフロー200は、第1のデバイス110-1及び第2のデバイス120を含んでもよい。
【0033】
第2のデバイス120は、構成情報を第1のデバイス110-1に送信する2010。構成情報は、BWPの組及びBWPの組のRACH構成の組をインディケートする。いくつかの実施形態例では、構成情報は、RRCシグナリングを介して送信することができる。代替的に、構成情報は、メディアアクセス制御(MAC)シグナリングを介して送信することができる。他の実施形態では、構成情報は、物理層(PHY)シグナリングを介して送信してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態例では、構成情報は、BWPのインデックスと、各BWPの対応するRACH構成とを含んでもよい。ヌメロロジーに対して規定された各BWPは、次の3つの異なるパラメータ、サブキャリア間隔、シンボル時間、及び巡回プレフィックス長を有することができる。RACH構成は、BWP帯域幅サイズ周波数位置、及び制御リソースセット(CORESET)のうちの1つ以上を含むことができる。各DL BWPには、UE固有の検索空間(USS)を有する少なくとも1つのCORESETが含まれ得るが、プライマリキャリアでは、構成されたDL BWPのうちの少なくとも1つには、共通の検索空間(CSS)を有する1つのCORESETが含まれる。アップリンクに関して、端末デバイスは、アクティブ帯域幅部分の外でPUSCHまたはPUCCHを送信してはならない。RRC接続の確立中または確立後に、端末デバイスがBWPによって明示的に構成されるまで、初期アクセス中は端末デバイスに対して初期アクティブBWPが存在する。本明細書で使用する用語「初期BWP」は、初期アクセスプロセスを実行するために使用するBWPを指すことができる。本明細書で使用する用語「アクティブBWP」は、アクセスプロセスを実行するために使用することができないUE固有/専用のBWPを指すことができる。アクティブBWPは、RRC接続が確立されたときに端末デバイスがデータ転送に使用するBWPである。本明細書で使用する用語「デフォルトBWP」は、RRC再構成中に構成されるUE固有のBWPを指すことができる。デフォルトBWPが構成されていない場合、初期BWPをデフォルトBWPとして参照することができる。たとえば、図3に示したように、構成情報は、BWP310、BWP320、BWP330、及びBWP340のRACH構成を含んでもよい。単に一例として、BWP310は初期BWPとすることができ、BWP320はアクティブBWPとすることができ、BWP340はデフォルトBWPとすることができる。図3は単なる例であり、限定ではないことに留意されたい。
【0035】
他の実施形態では、構成情報は、ランダムアクセス手順をトリガーする特徴の組を含んでもよい。本明細書で使用する用語「特徴」は、ランダムアクセス手順をトリガーすることができる原因を指すことができる。この場合、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていることをインディケートする場合もある。代替的に、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていないことをインディケートする場合もある。表1は、単なる一例であり、特徴及び優先順位の他の組み合わせも可能であり得ることに留意されたい。
【表1】
【0036】
第1のデバイス110-1は、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定する2020。たとえば、少なくとも1つの特徴は、RedCap、SDT、CovEnh、またはスライスのうちの1つ以上を含んでもよい。複数の特徴は他の特徴を含むことができることに留意されたい。
【0037】
第1のデバイス110-1は、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定する2030。いくつかの実施形態例では、条件は、第2のデバイス120から受信した構成情報内に含まれていてもよい。代替的に、条件は、第1のデバイス110-1において予め規定しておいてもよい。条件が満たされている場合、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWPに切り替える2040。このようにして、ランダムアクセスがRRC接続モードにおいてトリガーされると、第1のデバイス110-1は、アクティブBWPのRACH構成だけでなく、BWPの組のRACH構成も考慮し得るため、リソース効率が向上し、RACH負荷が分散される。本開示の実施形態は、RRCアイドル状態及びRRC非アクティブ状態にも適用可能とできることに留意されたい。
【0038】
いくつかの実施形態例では、第1のデバイス110-1は、最初に、アクティブBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は初期BWPに切り替えてもよい。この場合、第1のデバイス110-1はさらに、初期BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。たとえば、図3を参照して、BWP320が少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1はBWP310に切り替えてもよい。初期BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、初期BWPはターゲットBWPであると見なすことができる。初期BWPが、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、BWPの組における他のBWP(たとえば、BWP330及びBWP340)が、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。他のBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、初期BWPはターゲットBWPであると見なすことができる。このようにして、現在のメカニズムに対する影響も少なく、実装も容易である。いくつかの例では、ランダムアクセス手順が複数の特徴に基づいてトリガーされる場合には、第1のデバイス110-1は、複数の特徴の優先順位を決定し、最も優先順位が高い特徴を少なくとも1つの特徴であると決定してもよい。
【0039】
代替的に、第1のデバイス110-1は、最初に、BWPの組内のいずれかのBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、このようなBWPはターゲットBWPであると見なすことができる。他の実施形態では、BWPの組内のどのBWPも少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1はアクティブBWP上でランダムアクセスを実行してもよい。代替的に、BWPの組内のどのBWPも少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は初期BWPに切り替えてもよい。この場合、第1のデバイス110-1は、初期BWP上でランダムアクセスを実行してもよい。このようにして、適切なBWPを迅速に選択することができる。
【0040】
いくつかの実施形態例では、カバレッジ拡張に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、アクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されておらず、構成情報内の条件が、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし得る場合、第1のデバイス110-1は、アクティブBWP上でのRSRPの値を第1のRSRP閾値と比較してもよい。第1のデバイス110-1は、比較に基づいて、アクティブBWP上でのRSRPの値が第1のRSRP閾値を下回っているか否かを判定してもよい。RSRPの値が第1のRSRP閾値を下回っている場合、第1のデバイス110-1は、カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。たとえば、BWP320のRSRPの値が第1のRSRP閾値を下回り、構成情報が、BWP330がカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているとインディケートする場合、第1のデバイス110-1はBWP330に切り替えることができる。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0041】
他の実施形態では、能力低下に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されておらず、構成情報内の条件が、能力低下に対する第2のRSRP閾値をインディケートし得る場合、第1のデバイス110-1は、アクティブBWP上でのRSRPの値を第2のRSRP閾値と比較してもよい。第1のデバイス110-1は、比較に基づいて、アクティブBWP上でのRSRPの値が第2のRSRP閾値を下回っているか否かを判定してもよい。RSRPの値が第2のRSRP閾値を下回っている場合、第1のデバイス110-1は、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。たとえば、BWP320のRSRPの値が第2のRSRP閾値を下回り、構成情報が、BWP340が能力低下に対するRACHリソースによって構成されていることをインディケートする場合、第1のデバイス110-1はBWP340に切り替えることができる。第2のRSRP閾値は、1RX(受信機/受信機チェーン/受信機ブランチ)と2RX端末デバイスとで異なる可能性がある。一例では、第2のRSRP閾値は、IDLE/INACTIVE RedCap端末デバイスによっても適用されて、RedCap固有の初期BWPを介してアクセスするか、またはセルの初期BWPを介してアクセスするか(RedCap UEが、セルの初期BWPのBWもサポートできる場合)を決定することができる。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0042】
代替的に、能力低下に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。一実施形態例では、第1のデバイス110-1が1RX(受信機/受信機チェーン)のみをサポートする場合、第1のデバイス110-1は、このようなBWPが利用できるときはいつでも、常に、低下した能力に固有のRACHパーティションをサポートするBWPに切り替えてもよい。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0043】
いくつかの実施形態例では、スライス/スライスグループに対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPがスライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが、スライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、スライスに対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。たとえば、BWP320が、スライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されておらず、構成情報が、BWP330がスライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されていることをインディケートする場合、第1のデバイス110-1はBWP330に切り替えることができる。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができ、RACH負荷を分散することができる。
【0044】
実施形態例では、第2のデバイス120は、アクティブBWPに対して構成されているRACHリソースが存在する場合、アクティブBWP上でランダムアクセスを実行するように第1のデバイス110-1を明示的に構成してもよい。言い換えれば、ランダムアクセスに対するBWP切り替えを無効にすることができる。たとえば、第2のデバイス120は、BWP切り替えに対する無効化インディケーションを含むダウンリンク制御情報またはRRC構成を、第1のデバイス110-1に送信してもよい。
【0045】
図2を再び参照して、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWP上で第2のデバイス120とのランダムアクセスを実行する2050。いくつかの実施形態では、ランダムアクセスがトリガーされた後、第1のデバイス110-1は、共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行してもよい。ランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えた場合、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされていると判定してもよい。この場合、第1のデバイス110-1は、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えることができる。数閾値は、任意の適切なシグナリングを介して第2のデバイス120によって構成することができる。代替的に、数閾値は、第1のデバイス110-1において予め規定することができる。
【0046】
上述の実施形態によれば、たとえば、ネットワークデバイスが、1RX RedCap UEが共通RACH上で存続しないと予測する場合(たとえば、RARカバレッジ問題のため)、特徴に固有のRACHパーティションはCONNECTEDモードにおいても適用することができる。さらに、特徴固有のRAパーティショニングに基づくBWP切り替えが有効になり、リソース効率が向上する。なぜなら、専用BWPが利益を得るためにNWがRAパーティショニングを複製する必要がないからである。さらに、特徴に固有のRACHパーティションを異なるBWPに分散することによって、RACH負荷分散を実現することができる。
【0047】
図4に、本開示のいくつかの実施形態例による、第1のデバイス110-1において実施する方法例400のフローチャートを示す。
【0048】
ブロック410において、第1のデバイス110-1は、第2のデバイス120から構成情報を受信する。構成情報は、BWPの組及びBWPの組のRACH構成の組をインディケートする。いくつかの実施形態例では、構成情報は、RRCシグナリングを介して送信することができる。代替的に、構成情報は、MACシグナリングを介して送信することができる。他の実施形態では、構成情報は、PHYシグナリングを介して送信してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態例では、構成情報は、BWPのインデックスと、各BWPの対応するRACH構成とを含んでもよい。ヌメロロジーに対して規定された各BWPは、次の3つの異なるパラメータ、サブキャリア間隔、シンボル時間、及び巡回プレフィックス長を有することができる。RACH構成は、BWP帯域幅サイズ周波数位置、及び制御リソースセット(CORESET)のうちの1つ以上を含むことができる。各DL BWPには、UE固有の検索空間(USS)を有する少なくとも1つのCORESETが含まれ得るが、プライマリキャリアでは、構成されたDLBWPのうちの少なくとも1つには、共通の検索空間(CSS)を有する1つのCORESETが含まれる。アップリンクに関して、端末デバイスは、アクティブ帯域幅部分の外でPUSCHまたはPUCCHを送信してはならない。RRC接続の確立中または確立後に、端末デバイスがBWPによって明示的に構成されるまで、初期アクセス中は端末デバイスに対する初期アクティブBWPが存在する。
【0050】
他の実施形態では、構成情報は、ランダムアクセス手順をトリガーする特徴の組を含んでもよい。本明細書で使用する用語「特徴」は、ランダムアクセス手順をトリガーすることができる原因を指すことができる。この場合、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていることをインディケートする場合もある。代替的に、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていないことをインディケートする場合もある。
【0051】
ブロック420において、第1のデバイス110-1は、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定する。たとえば、少なくとも1つの特徴は、RedCap、SDT、CovEnh、またはスライスのうちの1つ以上を含んでもよい。複数の特徴は他の特徴を含むことができることに留意されたい。
【0052】
ブロック430において、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定する。いくつかの実施形態例では、条件は、第2のデバイス120から受信した構成情報内に含まれていてもよい。代替的に、条件は、第1のデバイス110-1において予め規定しておいてもよい。
【0053】
ブロック440において、条件が満たされている場合、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWP上で第2のデバイス120とのランダムアクセスを実行する。このようにして、ランダムアクセスがRRC接続モードにおいてトリガーされると、第1のデバイス110-1は、アクティブBWPのRACH構成だけでなく、BWPの組のRACH構成も考慮し得るため、リソース効率が向上し、RACH負荷が分散される。
【0054】
いくつかの実施形態例では、第1のデバイス110-1は、最初に、アクティブBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は初期BWPに切り替えてもよい。この場合、第1のデバイス110-1はさらに、初期BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。初期BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、初期BWPはターゲットBWPであると見なすことができる。初期BWPが、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、BWPの組における他のBWPが、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。他のBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、初期BWPはターゲットBWPであると見なすことができる。このようにして、現在のメカニズムに対する影響も少なく、実装も容易である。いくつかの例では、ランダムアクセス手順が複数の特徴に基づいてトリガーされる場合には、第1のデバイス110-1は、複数の特徴の優先順位を決定し、最も優先順位が高い特徴を少なくとも1つの特徴であると決定してもよい。
【0055】
代替的に、第1のデバイス110-1は、最初に、BWPの組内のいずれかのBWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、BWPが少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている場合、このようなBWPはターゲットBWPであると見なすことができる。他の実施形態では、BWPの組内のどのBWPも少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1はアクティブBWP上でランダムアクセスを実行してもよい。代替的に、BWPの組内のどのBWPも少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は初期BWPに切り替えてもよい。この場合、第1のデバイス110-1は、初期BWP上でランダムアクセスを実行してもよい。このようにして、適切なBWPを迅速に選択することができる。
【0056】
いくつかの実施形態例では、カバレッジ拡張に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、アクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されておらず、構成情報内の条件が、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし得る場合、第1のデバイス110-1は、アクティブBWP上でのRSRPの値を第1のRSRP閾値と比較してもよい。第1のデバイス110-1は、比較に基づいて、アクティブBWP上でのRSRPの値が第1のRSRP閾値を下回っているか否かを判定してもよい。RSRPの値が第1のRSRP閾値を下回っている場合、第1のデバイス110-1は、カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0057】
他の実施形態では、能力低下に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。この場合、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されておらず、構成情報内の条件が、能力低下に対する第2のRSRP閾値をインディケートし得る場合、第1のデバイス110-1は、アクティブBWP上でのRSRPの値を第2のRSRP閾値と比較してもよい。第1のデバイス110-1は、比較に基づいて、アクティブBWP上でのRSRPの値が第2のRSRP閾値を下回っているか否かを判定してもよい。RSRPの値が第2のRSRP閾値を下回っている場合、第1のデバイス110-1は、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。第2のRSRP閾値は、1RX端末デバイスと2RX端末デバイスとで異なる可能性がある。一例では、第2のRSRP閾値は、IDLE/INACTIVE RedCap端末デバイスによっても適用されて、RedCap固有の初期BWPを介してアクセスするか、またはセルの初期BWPを介してアクセスするか(RedCap UEが、セルの初期BWPのBWもサポートできる場合)を決定することができる。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0058】
代替的に、能力低下に対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。一実施形態例では、第1のデバイス110-1が1RX(受信機/受信機チェーン)のみをサポートする場合、第1のデバイス110-1は、このようなBWPが利用できるときはいつでも、常に、低下した能力に固有のRACHパーティションをサポートするBWPに切り替えてもよい。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができる。
【0059】
いくつかの実施形態例では、スライス/スライスグループに対するランダムアクセスがトリガーされた場合、第1のデバイス110-1は、RACH構成の組に基づいて、アクティブBWPがスライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定してもよい。アクティブBWPが、スライス/スライスグループに対するRACHリソースによって構成されていない場合、第1のデバイス110-1は、スライスに対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えてもよい。このようにして、ランダムアクセスに対するBWPを適切に選択することができ、RACH負荷を分散することができる。
【0060】
実施形態例では、第2のデバイス120は、アクティブBWPに対して構成されているRACHリソースが存在する場合、アクティブBWP上でランダムアクセスを実行するように第1のデバイス110-1を明示的に構成してもよい。言い換えれば、ランダムアクセスに対するBWP切り替え無効にすることができる。たとえば、第2のデバイス120は、BWP切り替えに対する無効化インディケーションを含むダウンリンク制御情報またはRRC構成を第1のデバイス110-1に送信してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、ランダムアクセスがトリガーされた後、第1のデバイス110-1は、共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行してもよい。ランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えた場合、第1のデバイス110-1は、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされていると判定してもよい。この場合、第1のデバイス110-1は、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えることができる。数閾値は、任意の適切なシグナリングを介して第2のデバイス120によって構成することができる。代替的に、数閾値は、第1のデバイス110-1において予め規定することができる。
【0062】
図5に、本開示のいくつかの実施形態例による、第2のデバイス120において実施する方法例500のフローチャートを示す。
【0063】
ブロック510において、第2のデバイス120は、構成情報を第1のデバイス110-1に送信する。構成情報は、BWPの組及びBWPの組のRACH構成の組をインディケートする。いくつかの実施形態例では、構成情報は、RRCシグナリングを介して送信することができる。代替的に、構成情報は、MACシグナリングを介して送信することができる。他の実施形態では、構成情報は、PHYシグナリングを介して送信してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態例では、構成情報は、BWPのインデックスと、各BWPの対応するRACH構成とを含んでもよい。ヌメロロジーに対して規定された各BWPは、次の3つの異なるパラメータ、サブキャリア間隔、シンボル時間、及び巡回プレフィックス長を有することができる。RACH構成は、BWP帯域幅サイズ周波数位置、及び制御リソースセット(CORESET)のうちの1つ以上を含むことができる。各DL BWPには、UE固有の検索空間(USS)を有する少なくとも1つのCORESETが含まれ得るが、プライマリキャリアでは、構成されたDL BWPのうちの少なくとも1つには、共通の検索空間(CSS)を有する1つのCORESETが含まれる。アップリンクに関して、端末デバイスは、アクティブ帯域幅部分の外でPUSCHまたはPUCCHを送信してはならない。RRC接続の確立中または確立後に、端末デバイスがBWPによって明示的に構成されるまで、初期アクセス中は端末デバイスに対する初期アクティブBWPが存在する。
【0065】
他の実施形態では、構成情報は、ランダムアクセス手順をトリガーする特徴の組を含んでもよい。本明細書で使用する用語「特徴」は、ランダムアクセス手順をトリガーすることができる原因を指すことができる。この場合、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていることをインディケートする場合もある。代替的に、構成情報は、BWPの組内の1つ以上のBWPが、1つ以上の特徴に対するRACHリソースによって構成されていないことをインディケートする場合もある。
【0066】
ブロック520において、第2のデバイス120は、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWP上で、第1のデバイス110-1とのランダムアクセスを実行する。
【0067】
いくつかの実施形態例では、方法400のうちのいずれかを実行することができる第1の装置(たとえば、第1のデバイス110)は、方法400の各動作を実行するための手段を含んでもよい。手段は、任意の好適な形態で実施してもよい。たとえば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールにおいて実施してもよい。第1の装置は、第1のデバイス110として実施してもよいし、またはそこに含まれてもよい。いくつかの実施形態例では、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含んでもよい。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータープログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置の実行を引き起こすように構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1の装置は、第1のデバイスにおいて、第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報とを受信するための手段と、第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定するための手段と、RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段であって、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、手段と、条件が満たされているという判定に従って、ターゲットBWP上で第2のデバイスとのランダムアクセスを実行するための手段とを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、RACH構成の組にはさらに、ターゲットBWPに切り替えるための条件が含まれる。
【0070】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴には、能力低下、スモールデータ送信、カバレッジ拡張、またはスライスのうちの1つが含まれる。
【0071】
いくつかの実施形態では、条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし、第1の装置はさらに、RACH構成の組に基づいて、第1のデバイスのアクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定するための手段と、アクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、アクティブBWP上でのRSRPの値を決定するための手段とを含み、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、アクティブBWPのRSRPの値を第1のRSRP閾値と比較するための手段と、RSRPの値が第1のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされていると判定するための手段と、アクティブBWPから、カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えるための手段とを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートし、第1の装置はさらに、アクティブBWP上でのRSRPの値を決定するための手段を含み、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、アクティブBWPのRSRPの値を第2のRSRP閾値と比較するための手段と、RSRPの値が第2のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされていると判定するための手段と、アクティブBWPから、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えるための手段とを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定するための手段と、アクティブBWPが能力低下に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、アクティブBWPから、能力低下に対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えるための手段とを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、アクティブBWPがスライスに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定するための手段と、アクティブBWPがスライスに対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、アクティブBWPから、スライスに対するRACHリソースによって構成されているターゲットBWPに切り替えるための手段とを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1の装置は、RACH構成の組に基づいて、第1のデバイスのアクティブBWPがRACH構成によって構成されているか否かを判定するための手段と、アクティブBWPがRACH構成によって構成されていないという判定に従って、初期BWPに切り替えるための手段とを含み、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、初期BWPが少なくとも1つの特徴をサポートしていないという判定に従って、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定するための手段は、共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行するための手段と、アクティブBWP上でのランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えたという判定に従って、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされていると判定するための手段とを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、構成情報を受信するための手段は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して構成情報を受信するための手段を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスは端末デバイスであり、第2のデバイスはネットワークデバイスである。
【0079】
いくつかの実施形態例では、方法500のうちのいずれかを実行することができる第2の装置(たとえば、第2のデバイス120)は、方法500の各動作を実行するための手段を含んでもよい。手段は、任意の好適な形態で実施してもよい。たとえば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールにおいて実施してもよい。第1の装置は、第2のデバイス120として実施してもよいし、またはそこに含まれてもよい。いくつかの実施形態例では、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含んでもよい。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータープログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置の実行を引き起こすように構成されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、第2の装置は、第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組とBWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信するための手段と、ターゲットBWP上で第1のデバイスとのランダムアクセスを実行するための手段であって、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、ターゲットBWPは、少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、手段とを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、RACH構成の組にはさらに、ターゲットBWPに切り替えるための条件が含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴には、能力低下、スモールデータ送信、カバレッジ拡張、またはスライスのうちの1つが含まれる。
【0083】
いくつかの実施形態では、条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートする。
【0084】
いくつかの実施形態では、条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートする。
【0085】
いくつかの実施形態では、構成情報を送信するための手段は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して構成情報を送信するための手段を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスは端末デバイスであり、第2のデバイスはネットワークデバイスである。
【0087】
図6は、本開示の実施形態例を実施するのに適したデバイス600の簡略化したブロック図である。デバイス600は、通信デバイス、たとえば、図1に示したような第1のデバイス110を実装するように提供してもよい。図示したように、デバイス600は、1つ以上のプロセッサ610、プロセッサ610に結合された1つ以上のメモリ620、及びプロセッサ610に結合された1つ以上の通信モジュール640を含む。
【0088】
通信モジュール640は、双方向通信用である。通信モジュール640は、1つ以上の他のモジュールまたはデバイスとの通信を容易にする1つ以上の通信インターフェースを有する。通信インターフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。いくつかの実施形態例では、通信モジュール640は、少なくとも1つのアンテナを含んでもよい。
【0089】
プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。非限定的な例として、汎用コンピューター、専用コンピューター、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサ。デバイス600は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間内にスレーブ接続される特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有していてもよい。
【0090】
メモリ620は、1つ以上の不揮発性メモリと1つ以上の揮発性メモリとを含んでもよい。不揮発性メモリの例としては、限定することなく、読み出し専用メモリ(ROM)624、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、光ディスク、レーザディスク、及び他の磁気記憶装置及び/または光記憶装置が挙げられる。揮発性メモリの例としては、限定することなく、ランダムアクセスメモリ(RAM)622、及び電源を落としている間は持続しない他の揮発性メモリが挙げられる。
【0091】
コンピュータープログラム630は、関連するプロセッサ610によって実行されるコンピューター実行可能命令を含む。プログラム630は、メモリ、たとえばROM624に記憶してもよい。プロセッサ610は、プログラム630をRAM622内にロードすることによって任意の好適な動作及び処理を実行してもよい。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態例は、デバイス600が、図2~5を参照して述べたような本開示の任意のプロセスを実行し得るように、プログラム630によって実施してもよい。また本開示の実施形態例は、ハードウェアによって、またはソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実施してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態例では、プログラム630は、デバイス600内(メモリ620内など)に含まれ得るコンピューター可読媒体内に、またはデバイス600によってアクセス可能な他の記憶デバイス内に有形に収容してもよい。デバイス600は、実行させるために、プログラム630をコンピューター可読媒体からRAM622にロードしてもよい。コンピューター可読媒体には、任意のタイプの有形の不揮発性記憶装置、たとえば、ROM、EPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD、DVD、ならびに他の磁気記憶装置及び/または光記憶装置が含まれていてもよい。図7に、光記憶ディスクの形態のコンピューター可読媒体700の例を示す。コンピューター可読媒体には、プログラム630が記憶されている。
【0094】
全般的に、本開示の種々の実施形態は、ハードウェアもしくは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実施してもよい。いくつかの態様は、ハードウェアにおいて実施してもよいが、一方で、他の態様を、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行し得るファームウェアまたはソフトウェアにおいて実施してもよい。本開示の実施形態の種々の態様を、ブロック図、フローチャートとして、またはいくつかの他の図的表現を使用して例示及び説明しているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技法、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラ、または他のコンピューティングデバイス、またはそれらのいくつかの組み合わせにおいて実施してもよいことを理解されたい。
【0095】
また本開示によって、非一時的なコンピューター可読記憶媒体上に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータープログラム製品も提供される。コンピュータープログラム製品としては、プログラムモジュール内に含まれるものなどのコンピューター実行可能命令が挙げられ、ターゲットの物理または仮想プロセッサ上のデバイス内で実行されて、図2~5を参照して前述した方法のいずれかを行う。一般的に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、種々の実施形態において要望に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせてもよいし、分割してもよい。プログラムモジュールに対する機械実行可能命令は、ローカルデバイスまたは分散型デバイス内で実行してもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体の両方内に配置してもよい。
【0096】
本開示の方法を行うためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述してもよい。これらのプログラムコードを、汎用コンピューター、専用コンピューター、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供してもよく、プログラムコードが、プロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャート及び/またはブロック図において規定された機能/動作が実施される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行してもよいし、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして部分的にマシン上で実行してもよいし、部分的にマシン上及び部分的にリモートマシン上で実行してもよいし、または完全にリモートマシンもしくはサーバ上で実行してもよい。
【0097】
本開示の文脈において、コンピュータープログラムコードまたは関連データは、デバイス、装置、またはプロセッサが前述の種々のプロセス及び動作を実行できるように、任意の好適なキャリアによって運んでもよい。キャリアの例としては、信号、コンピューター可読媒体などが挙げられる。
【0098】
コンピューター可読媒体は、コンピューター可読信号媒体またはコンピューター可読記憶媒体であってもよい。コンピューター可読媒体としては、限定することなく、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述の任意の好適な組み合わせを挙げてもよい。コンピューター可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピューターディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または前述の任意の好適な組み合わせが挙げられる。
【0099】
さらに、動作を特定の順番で示しているが、これは、望ましい結果を得るために、このような動作を、示した特定の順番でもしくは順次に実行すること、またはすべての例示した動作を実行することを要求するものと理解すべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。同様に、いくつかの具体的な実施態様の詳細が前述の説明に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定と解釈してはならず、むしろ特定の実施形態に固有であり得る特徴の説明として解釈すべきである。別個の実施形態の文脈において説明したある特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施してもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明した種々の特徴は、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な部分組み合わせで実施してもよい。
【0100】
本開示は、構造的特徴及び/または方法学的行為に特有の言語で説明しているが、添付の特許請求の範囲において規定される本開示は、必ずしも前述の具体的な特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、前述の具体的な特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する形態例として開示している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第2のデバイスから受信することと、
前記第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、
前記RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記判定することと、
前記条件が満たされているという判定に従って、前記ターゲットBWP上で前記第2のデバイスとの前記ランダムアクセスを実行することと、を行わせるように構成されている、前記第1のデバイス。
【請求項2】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件をさらに含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスうちの1つを含む、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項4】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートし、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがカバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWP上でのRSRPの値を決定することと、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第1のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの値が前記第1のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記カバレッジ拡張に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項5】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートし、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
アクティブBWP上でのRSRPの値を決定すること、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記アクティブBWPの前記RSRPの前記値を前記第2のRSRP閾値と比較することと、
前記RSRPの前記値が前記第2のRSRP閾値を下回っているという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、
前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記能力低下に対するRACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
アクティブBWPがスライスに対するRACHリソースによって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されていないという判定に従って、前記アクティブBWPから、前記スライスに対する前記RACHリソースによって構成されている前記ターゲットBWPに切り替えることと、によって行わせるように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載の第1のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、
前記RACH構成の組に基づいて、前記第1のデバイスのアクティブBWPがRACH構成によって構成されているか否かを判定することと、
前記アクティブBWPが前記RACH構成によって構成されていないという判定に従って、初期BWPに切り替えることと、を行わせるように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
前記初期BWPが前記少なくとも1つの特徴をサポートしていないという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かを判定すること、によって行わせるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされているか否かの判定を、
共通RACHリソースによって構成されているアクティブBWP上でランダムアクセスを実行することと、
前記アクティブBWP上でのランダムアクセス失敗の数が数閾値を超えたという判定に従って、前記ターゲットBWPに切り替えるための前記条件が満たされていると判定することと、によって行わせるように構成されている、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記構成情報の受信を、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して受信することによって、行わせるように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項11】
前記第1のデバイスは端末デバイスであり、前記第2のデバイスはネットワークデバイスである、請求項1~10のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項12】
第2のデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含み、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を第1のデバイスに送信することと、
ターゲットBWP上で前記第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、前記ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記実行することと、を行わせるように構成されている、前記第2のデバイス。
【請求項13】
前記RACH構成の組は、前記ターゲットBWPに切り替えるための条件をさらに含む、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの特徴は、
能力低下、
スモールデータ送信、
カバレッジ拡張、または
スライスうちの1つを含む、請求項12に記載の第2のデバイス。
【請求項15】
前記条件は、カバレッジ拡張に対する第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値をインディケートする、請求項12~14のいずれかに記載の第2のデバイス。
【請求項16】
前記条件は、能力低下に関連付けられる第2のRSRP閾値をインディケートする、請求項12~14のいずれかに記載の第2のデバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスにさらに、前記構成情報の送信を、
前記構成情報を、
無線リソース制御(RRC)シグナリング、
メディアアクセス制御(MAC)シグナリング、または
物理(PHY)シグナリングのうちの1つを介して送信することによって、行わせるように構成されている、請求項12~16のいずれか1項に記載の第2のデバイス。
【請求項18】
方法であって、
第1のデバイスにおいて、第2のデバイスから、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を受信することと、
前記第1のデバイスにおいて、ランダムアクセス手順が少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされたと決定することと、
前記RACH構成の組に基づいて、ターゲットBWPに切り替えるための条件が満たされているか否かを判定することであって、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記判定することと、
前記条件が満たされているという判定に従って、前記ターゲットBWP上で前記第2のデバイスとの前記ランダムアクセスを実行することとを含む前記方法。
【請求項19】
方法であって、
第2のデバイスにおいて、第1のデバイスに、帯域幅部分(BWP)の組と前記BWPの組のランダムアクセスチャネル(RACH)構成の組とをインディケートする構成情報を送信することと、
ターゲットBWP上で前記第1のデバイスとのランダムアクセスを実行することであって、前記ランダムアクセス手順は少なくとも1つの特徴に基づいてトリガーされ、前記ターゲットBWPは、前記少なくとも1つの特徴に対するRACHリソースによって構成されている、前記実行することを含む前記方法。
【請求項20】
装置に、請求項18~19のいずれか1項に記載の方法を行わせるためのプログラム命令を含むコンピューター可読媒体。
【国際調査報告】