(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20241217BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241217BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241217BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20241217BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20241217BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20241217BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20241217BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20241217BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20241217BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01L29/78 619A
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/00 338
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 611H
H10K59/121 213
H10K50/84
H10K59/121 216
H10K71/60
H10K71/20
H01L29/78 618B
H01L29/78 619B
H01L29/78 612Z
G09G3/20 641D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534734
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 KR2022016571
(87)【国際公開番号】W WO2023113212
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0177412
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ソン,サンウ
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヨン コン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スンホ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジュン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒョンジュン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
表示装置が提供される。表示装置は、複数個の絶縁層と、発光素子と、前記発光素子に電気的に連結される画素回路とを含む。前記画素回路は第1トランジスタを含む。前記第1トランジスタは、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記金属酸化物半導体パターンの上に配置され、前記チャネル領域に重畳する第1ゲートと、前記第1ゲートの上に配置される金属酸化物パターンとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の絶縁層と、
発光素子と、
前記発光素子に電気的に連結される画素回路と、を含み、
前記画素回路は第1トランジスタを含むが、
前記第1トランジスタは、
ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、
前記金属酸化物半導体パターンの上に配置され、平面上で前記チャネル領域に重畳する第1ゲートと、
前記第1ゲートの上に配置される金属酸化物パターンと、を含む表示装置。
【請求項2】
前記複数個の絶縁層は、
前記チャネル領域と前記第1ゲートとの間に配置される第1絶縁層と、
第1部分が前記第1ゲートと前記金属酸化物パターンとの間に配置され、第2部分が前記ソース領域の上に配置され、第3部分が前記ドレイン領域の上に配置される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層及び前記金属酸化物パターンの上に配置され第3絶縁層とを含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1絶縁層は酸化シリコン層を含み、
前記第2絶縁層は酸化シリコン層または酸窒化シリコン層を含み、
前記第3絶縁層は酸窒化シリコン層と、前記酸窒化シリコン層の上に配置される窒化シリコン層とを含む請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2絶縁層は前記第1絶縁層の側面をカバーする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記金属酸化物パターンは前記第1ゲートに電気的に連結される請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素回路は前記金属酸化物パターンの上に配置される導電パターンを更に含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1ゲートと前記導電パターンとの間には前記複数個の絶縁層のうちの対応する絶縁層が配置され、
前記第1ゲートと前記導電パターンはキャパシタを画定(定義)する請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1トランジスタは前記キャパシタの充電容量に基づいて前記発光素子の駆動電流を制御する請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画素回路は第2トランジスタを更に含むが、
前記第2トランジスタは金属酸化物半導体パターンを含み、
前記第2トランジスタは前記キャパシタにデータ電圧を提供する請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記金属酸化物パターンの周縁は前記導電パターンの周縁に整列される請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
前記チャネル領域の長さは3μm以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1トランジスタは第2ゲートを更に含み、前記第2ゲートは、前記金属酸化物半導体パターンの下側に配置されて、前記第1ゲートと電気的に連結される請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記金属酸化物パターンは、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一つ以上を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記金属酸化物パターンの厚さは100Å乃至300Åである請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
ベース層の上に、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記チャネル領域の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置されるゲートとを含むトランジスタを形成するステップと、
前記ゲート、前記ソース領域、及び前記ドレイン領域をカバーする第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層の上に金属酸化物層を形成するステップと、
前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップと、
前記第2絶縁層の上に第3絶縁層を形成するステップと、を含む表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記金属酸化物層の上に前記ゲートに重畳する導電パターンを形成するステップを更に含む請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップにおいて、前記導電パターンはマスクとして利用され、
前記金属酸化物層から平面上で前記導電パターンに重畳する金属酸化物パターンが形成される請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記金属酸化物パターンの周縁は前記導電パターンの周縁に整列される請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
金属酸化物層を形成するステップにおいて、反応ガスに対する酸素ガスの分圧は50%乃至100%である請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
ベース層の上にソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記ベース層の上に配置され、前記金属酸化物層半導体パターンをカバーする第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置されるゲートとを含むトランジスタを形成するステップと、
前記第1絶縁層の上に前記ゲートをカバーする金属酸化物層を形成するステップと、
前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップと、
前記ベース層の上に第2絶縁層を形成するステップと、を含む表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及びその製造方法に関し、酸化物トランジスタを備えた表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、複数個の画素と、複数個の画素を制御する駆動回路(例えば、スキャン駆動回路及びデータ駆動回路)とを含む。複数個の画素のそれぞれは、表示素子と、表示素子を制御する画素回路とを含む。画素回路は有機的に連結される複数個のトランジスタを含む。
【0003】
複数個のトランジスタはシリコン半導体を含むか、金属酸化物半導体を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、駆動電圧の範囲が広くなった酸化物トランジスタを含む表示装置を提供することである。
【0005】
本発明の目的は、前記表示装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による表示装置は、複数個の絶縁層と、発光素子と、前記発光素子に電気的に連結される画素回路とを含む。前記画素回路は第1トランジスタを含む。前記第1トランジスタは、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記金属酸化物半導体パターンの上に配置され、前記チャネル領域に重畳する第1ゲートと、前記第1ゲートの上に配置される金属酸化物パターンとを含みうる。
【0007】
前記複数個の絶縁層は、前記チャネル領域と前記第1ゲートとの間に配置される第1絶縁層と、第1部分が前記第1ゲートと前記金属酸化物パターンとの間に配置され、第2部分が前記ソース領域の上に配置され、第3部分が前記ドレイン領域の上に配置される第2絶縁層と、前記第2絶縁層及び前記金属酸化物パターンの上に配置され第3絶縁層とを含みうる。
【0008】
前記第1絶縁層は酸化シリコン層を含み、前記第2絶縁層は酸化シリコン層または酸窒化シリコン層を含み、前記第3絶縁層は酸窒化シリコン層と、前記酸窒化シリコン層の上に配置される窒化シリコン層とを含みうる。
【0009】
前記第2絶縁層は前記第1絶縁層の側面をカバーしうる。
【0010】
前記金属酸化物パターンは前記第1ゲートに電気的に連結されうる。
【0011】
前記画素回路は、前記金属酸化物パターンの上に配置される導電パターンを更に含みうる。
【0012】
前記第1ゲートと前記導電パターンとの間には、前記複数個の絶縁層のうちの対応する絶縁層が配置され、前記第1ゲートと前記導電パターンはキャパシタを画定(定義)しうる。
【0013】
前記第1トランジスタは、前記キャパシタの充電容量に基づいて前記発光素子の駆動電流を制御しうる。
【0014】
前記画素回路は第2トランジスタを更に含みうる。前記第2トランジスタは金属酸化物半導体パターンを含みうる。前記第2トランジスタは前記キャパシタにデータ電圧を提供しうる。
【0015】
前記金属酸化物パターンの周縁(edge)は前記導電パターンの周縁に整列されうる。
【0016】
前記チャネル領域の長さは3μm以下である。
【0017】
前記第1トランジスタは第2ゲートを更に含むが、前記第2ゲートは前記金属酸化物半導体パターンの下側に配置されて前記第1ゲートと電気的に連結されうる。
【0018】
前記金属酸化物パターンは、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一つ以上を含みうる。
【0019】
前記金属酸化物パターンの厚さは100Å乃至300Åである。
【0020】
本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、ベース層の上にソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記チャネル領域の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置されるゲートとを含むトランジスタを形成するステップと、前記ゲート、前記ソース領域、及び前記ドレイン領域をカバーする第2絶縁層を形成するステップと、前記第2絶縁層の上に金属酸化物層を形成するステップと、前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップと、前記第2絶縁層の上に第3絶縁層を形成するステップと、を含みうる。
【0021】
前記金属酸化物層の上に前記ゲートに重畳する(重なり合う)導電パターンを形成するステップを更に含みうる。
【0022】
前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップにおいて、前記導電パターンはマスクとして利用され、前記金属酸化物層から平面上で前記導電パターンに重畳する金属酸化物パターンが形成されうる。
【0023】
前記金属酸化物パターンの周縁は前記導電パターンの周縁に整列されうる。
【0024】
金属酸化物層を形成するステップにおいて、反応ガスに対する酸素ガスの分圧は50%乃至100%でありうる。
【0025】
本発明の一実施例による表示装置の製造方法は、ベース層の上にソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に配置されるチャネル領域とを含む金属酸化物半導体パターンと、前記ベース層の上に配置され、前記金属酸化物層半導体パターンをカバーする第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置されるゲートとを含むトランジスタを形成するステップと、前記第1絶縁層の上に前記ゲートをカバーする金属酸化物層を形成するステップと、前記金属酸化物層の少なくとも一部分をエッチングするステップと、前記ベース層の上に第2絶縁層を形成するステップと、を含みうる。
【発明の効果】
【0026】
上述によると、金属酸化物のパターンを形成するステップにおいて、金属酸化物半導体パターンをカバーする絶縁層の上に酸素が注入される。酸素は金属酸化物半導体パターンのソース領域とドレイン領域に拡散され、ソース領域とドレイン領域のキャリアを減少させる。キャリアが減少されたソース領域とドレイン領域の抵抗が増加し、それによって酸化物トランジスタの電圧-電流特性が変化する。酸化物トランジスタの駆動電圧の範囲が広くなりうる。
【0027】
注入された酸素は、チャネル領域に拡散しうる。特に、ゲートによって露出されたチャネル領域の端領域に酸素が拡散しうる。拡散した酸素は、チャネル領域の端領域内の酸素欠乏を除去する。酸素欠乏が減少されて、それに結合する水素が減少されることで、チャネル領域の外側領域のキャリア濃度は増加しない。つまり、チャネル領域の周縁領域のチャネル特性が維持され、チャネル領域の有効長さがチャネル領域の長さと実質的に同じく維持されうる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例による表示装置のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例による画素の等価回路図である。
【
図3】
図2に示した画素を駆動するための駆動信号の波形図である。
【
図4】本発明の一実施例による表示パネルの断面図である。
【
図5】酸化物トランジスタとシリコントランジスタの電圧-電流特性を比較したグラフである。
【
図6】本発明の一実施例による第1トランジスタの拡大された断面図である。
【
図7】本発明の一実施例による酸化物トランジスタと比較例による酸化物トランジスタの電圧-電流特性を比べたグラフである。
【
図8a】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図8b】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図8c】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図8d】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図8e】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図8f】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施例による第1トランジスタの拡大された断面図である。
【
図10】本発明の一実施例による第1トランジスタの拡大された断面図である。
【
図11a】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図11b】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図11c】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図11d】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図11e】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【
図11f】本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、または「結合される」と言及されれば、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0030】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/または」は、関連する構成要素が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0031】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表面は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0032】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成要素の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0033】
「含む」または「有する」などの用語は、明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0034】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語と同じ用語は、関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、ここで明示的に定義されない限り、過度に理想的であるか形式的な意味に解釈してはならない。
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例による表示装置DDのブロック図である。表示装置DDは、タイミング制御部TCと、スキャン駆動回路SDCと、データ駆動回路DDCと、表示パネルDPとを含む。本実施例において、表示パネルDPは発光型示パネルと説明される。発光型表示パネルは、有機発光表示パネルまたは無機発光表示パネルを含みうる。
【0037】
タイミング制御部TCは、入力映像信号を受信し、スキャン駆動回路SDCとのインターフェースの仕様に合うように入力映像信号のタイミングフォーマットを変換して、映像データD-RGBを生成する。タイミング制御部TCは、映像データD-RGBと各種制御信号DCS、SCSを出力する。
【0038】
スキャン駆動回路SDCは、タイミング制御部TCからスキャン制御信号SCSを受信する。スキャン制御信号SCSは、スキャン駆動回路SDCの動作を開始する垂直開始信号と、信号の出力時期を決定するクロック信号などを含みうる。スキャン駆動回路SDCは、複数個のスキャン信号を生成し、対応するスキャン信号ラインSL11乃至SL1nに順次に出力する。また、スキャン駆動回路SDCは、スキャン制御信号SCSに応答して複数個の発光制御信号を生成し、対応する発光信号ラインEL1乃至ELnに、複数個の発光制御信号を出力する。
【0039】
図1では、複数個のスキャン信号と複数個の発光制御信号が一つのスキャン駆動回路SDCから出力されると示したが、本発明はこれに限らない。本発明の一実施例において、表示装置DDは複数個のスキャン駆動回路を含みうる。また、本発明の一実施例において、複数個のスキャン信号を生成して出力する駆動回路と、複数個の発光制御信号を生成して出力する駆動回路とは、別個に形成されうる。
【0040】
データ駆動回路DDCは、タイミング制御部TCからデータ制御信号DCS及び映像データD-RGBを受信する。データ駆動回路DDCは、映像データD-RGBをデータ信号に変換し、データ信号を、後述する複数個のデータラインDL1乃至DLmに出力する。データ信号は、映像データD-RGBの階調値に対応するアナログ電圧である。
【0041】
発光表示パネルDPは、複数個のグループのスキャンラインを含みうる。
図1には、第1グループのスキャン信号ラインSL11乃至SL1nを例示的に示している。発光表示パネルDPは、発光信号ラインEEL1乃至ELnと、データラインDL1乃至DLmと、第1電圧ラインVL1と、第2電圧ラインVL2と、第3電圧ラインVL3と、第4電圧ラインVL4と、複数個の画素PXとを含む。
【0042】
第1グループのスキャン信号ラインSL1乃至SLnは、第1方向DR1に延長され、第2方向DR2に配列されうる。データラインDL1乃至DLmは、第1グループのスキャン信号ラインSL11乃至SL1nと交差しうる。
【0043】
第1電圧ラインVL1は第1電源電圧ELVSSを受信する。第2電圧ラインVL2は第2電源電圧ELVDDを受信する。第2電源電圧ELVDDは第1電源電圧ELVSSより高いレベルを有する。第3電圧ラインVL3は基準電圧Vref(以下、第1電圧)を受信する。第4電圧ラインVL4は初期化電圧Vint(以下、第2電圧)を受信する。第1電圧Vrefは第2電源電圧ELVDDより低いレベルを有する。第2電圧Vintは第2電源電圧ELVDDより低いレベルを有する。本実施例において、第2電圧Vintは、第1電圧Vref及び第1電源電圧ELVSSより低いレベルを有しうる。
【0044】
第1電圧ラインVL1、第2電圧ラインVL2、第3電圧ラインVL3、及び第4電圧ラインVL4のうちの少なくともいずれか一つは、第1方向DR1に延長されるラインと第2方向DR2に延長されるラインのうちの少なくとも一つを含む。電圧ラインの第1方向DR1に延長されるラインと第2方向DR2に延長されるラインは、
図4に示した複数個の絶縁層10乃至40のうち互いに異なる層の上に配置されても互いに電気的に連結される。
【0045】
これまで
図1を参照して一実施例による表示装置DDを説明したが、本発明の表示装置DDはこれに限らない。画素駆動回路の構成によって信号ラインが更に追加されるか省略されてもよい。また、一つの画素PXと信号ラインの電気的連結関係も変更されてもよい。
【0046】
複数個の画素PXは互いに異なるカラーの光を生成する複数個のグループを含みうる。例えば、赤色光を生成する赤色画素と、緑色光を生成する緑色画素と、青色光を生成する青色画素とを含む。赤色画素の発光素子、緑色画素の発光素子、及び青色画素の発光素子は互いに異なる物質の発光層を含みうる。
【0047】
画素回路は複数個のトランジスタと少なくとも一つのキャパシタとを含む。スキャン駆動回路SDCとデータ駆動回路DDCのうと少なくともいずれか一つは、画素回路と同じ工程によって形成される複数個のトランジスタを含みうる。
【0048】
図2は、本発明の一実施例による画素PXijの等価回路図である。
図3は、
図2に示した画素PXijを駆動するための駆動信号の波形図である。
【0049】
図2には、第1グループのスキャンラインSL11乃至SL1n(
図1を参照)のうちのi番目のスキャンラインSL1iに連結され、複数のデータラインDL1乃至DLm(
図1を参照)のうちj番目のデータラインDLjに連結される画素PXijを代表的に示している。画素PXijは第2グループのスキャンラインのうちi番目のスキャンラインSL2iに連結され、第3グループのスキャンラインのうちi番目のスキャンラインSL3iに連結される。
【0050】
本実施例において、画素回路は、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5と、第1キャパシタC1乃至第3キャパシタC3と、発光素子OLEDとを含む。本実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5はN型と説明される。但し、これに限らず、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5のうち少なくとも一つ以上はP型のトランジスタであってもよい。また、本発明の一実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T4のうち少なくとも一つは省略されるか、追加のトランジスタが画素PXijに更に含まれてもよい。
【0051】
本実施例において、第1乃至第5トランジスタT1乃至T5それぞれはゲートを含むと示したが、少なくともいずれか一つのトランジスタは一つのゲートのみを含む。第2乃至第5トランジスタT2乃至T5のそれぞれにおける上部ゲートG2-1、G3-1、G4-1、G5-1と下部ゲートG2-2、G3-2、G4-2、G5-2とは互いに電気的に連結されていると示したが、これに限らない。第2乃至第5トランジスタT2乃至T5のそれぞれの下部ゲートG2-2、G3-2、G4-2、G5-2は、フローティング電極であってもよい。
【0052】
本実施例において、第1トランジスタT1は駆動トランジスタであり、第2トランジスタT2はスイッチングトランジスタである。第1トランジスタT1のゲートG1-1(以下、第1上部ゲート)が連結されるノードは第1ノードND1と定義され、第1トランジスタT1のソースS1が連結されるノードは第2ノードND2と定義されうる。
【0053】
発光素子OLEDは、第1ノードND1に電気的に接続される第1電極と、第1電源電圧ELVSSを受信する第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置される発光層とを含む。発光素子OLEDに関する具体的な説明は後述する。
【0054】
第1トランジスタT1は第2電源電圧ELVDDを受信する第2電源ラインVL2と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第1トランジスタT1は、第2ノードND2に接続されるソースS1(以下、第1ソース)と、ドレインD1(以下、第1ドレイン)と、チャネル領域(または半導体領域)と、第1上部ゲートG1-1とを含む。第1トランジスタT1は第2ノードND2に連結されるゲートG1-2(以下、第1下部ゲート)を更に含む。第1トランジスタT1は第1キャパシタC1の充電容量に基づいて発光素子OLEDの駆動電流を制御する。
【0055】
第2トランジスタT2第1データラインDLjと第1ノードND1との間に電気的に接続される。第2トランジスタT2は、第1ノードND1に接続されるソースS2(以下、第2ソース)と、第1データラインDLjに接続されるドレインD2(以下、第2ドレイン)と、チャネルと、第1グループのi番目のスキャンラインSL1iに連結されるゲートG2-1(以下、第2上部ゲート)とを含みうる。第2トランジスタT2は第2上部ゲートG2-1に電気的に連結されるゲートG2-2(以下、第2下部ゲート)を更に含みうる。後述する第3乃至第5トランジスタT3乃至T5は、第2上部ゲートG2-1と第2下部ゲートG2-2に対応する上部ゲートG3-1、G4-1、G5-1と下部ゲートG3-2、G4-2、G5-2とを含む。第2トランジスタT2は第1キャパシタC1にデータ電圧を提供する。
【0056】
第3トランジスタT3は、第1ノードND1と第1電圧Vrefを受信する第3電圧ラインVL3との間に電気的に接続される。第3トランジスタT3は、第1ノードND1に接続されるドレインD3(以下、第3ドレイン)と、第3電圧ラインVL3に接続されるソースS3(以下、第3ソース)と、チャネル領域と、第2グループのi番目のスキャンラインSL2iに連結される第3上部ゲートG3-1とを含みうる。
【0057】
第4トランジスタT4は、第2電圧Vintを受信する第1電圧ラインVL4と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第4トランジスタT4は、第2ノードND2に接続されるドレイン(以下、第4ドレイン)と、第4電圧ラインVL4に接続されるソースS4(以下、第4ソース)と、チャネル領域と、第3グループのi番目のスキャンラインSL3iに連結される第4上部ゲートG4-1とを含みうる。
【0058】
第5トランジスタT5は第2電圧ラインVL2と第1ドレインD1または第1ソースS1との間に電気的に接続される。本実施例において、第5トランジスタT5は、第2電源ラインVL2に接続されるソースS5(以下、第5ソース)と、第1ドレインD1に接続されるドレインD5(以下、第5ドレイン)と、チャネル領域と、i番目の発光信号ラインELiに連結される第5上部ゲートG5-1とを含みうる。
【0059】
第1キャパシタC1は、第1ノードND1と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第1キャパシタC1は、第1ノードND1に接続する第1電極E1-1と第2ノードND2に接続する第2電極E1-2とを含む。
【0060】
第2キャパシタC2は第2電圧ラインVL2と第2ノードND2との間に電気的に接続される。第2キャパシタC2は、第2電源ラインVL2に接続する第1電極E2-1と第2ノードND2に接続する第2電極E2-2とを含む。
【0061】
第3キャパシタC3は発光素子OLEDの第1電極と第2電極との間に電気的に接続される。第3キャパシタC3は、発光素子OLEDの第1電極に接続する第1電極E3-1と、発光素子OLEDの第2電極に接続する第2電極E3-2とを含む。
【0062】
図2及び
図3を参照して画素PXijの動作をより詳細に説明する。表示装置DD(
図1を参照)はフレー部区間ごとに映像を表示する。第1グループのスキャンライン、第2グループのスキャンライン、第3グループのスキャンライン、及び発光信号ラインそれぞれの信号ラインはフレーム区間の間に順次にスキャニングされる。
図3はフレーム区間のうち一部を示している。
【0063】
図3を参照すると、信号Ei、GRi、GWi、GIiのそれぞれは一部区間の間に高レベル(V-HIGH)を有し、一部区間の間に低レベルV-LOWを有する。上述したNタイプの第1乃至第5トランジスタT1乃至T5は対応する制御信号が高レベルV-HIGHを有する際にターンオンされる。
【0064】
非発光区間は初期化区間IPと、補償区間CPと、書き込み区間WPとを含む。初期化区間IPの間、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4がターンオンされる。第1ノードND1は第1電圧Vrefに初期化される。第2ノードND1は第2電圧Vintに初期化される。第1キャパシタC1が第1電圧Vrefと第2電圧Vintの差の値に初期化される。第2キャパシタC2が第2電源電圧ELVDDと第2電圧Vintとの差の値に初期化される。第3キャパシタC3が第1電源電圧ELVSSと第2電圧Vintとの差の値に初期化される。
【0065】
補償区間CPの間、第3トランジスタT3と第5トランジスタT5がターンオンされる。第1キャパシタC1には第1トランジスタT1の閾値に当たる電圧が補償される。
【0066】
書き込み区間WPの間、第2トランジスタT2がターンオンされる。第2トランジスタT2はデータ信号DSに対応する電圧(またはデータ電圧)を出力する。結果的に第1キャパシタC1にはデータ信号DSに対応する電圧レベルが充電される。第1キャパシタC1には第1トランジスタT1の閾値が補償されたデータ信号DSが充電される。画素PX(
図1を参照)ごとに駆動トランジスタの閾値が異なるが、
図2及び
図3に示した画素PXijは駆動トランジスタの閾値の偏差にかかわらずにデータ信号DSに比例する大きさの電流を発光素子OLEDに供給しうる。
【0067】
次に、発光区間の間、第5トランジスタT5がターンオンされる。第1トランジスタT1は第1キャパシタC1に保存されている充電容量に対応する電流を発光素子OLEDに提供する。発光素子OLEDはデータ信号DSに対応する輝度で発光されうる。
【0068】
図4は、本発明の一実施例による表示パネルDPの断面図である。
図4は
図2に示した画素PXijのうち一部構成に対応する部分の断面を示している。
【0069】
図4を参照すると、表示パネルDPは、ベース層BSと、ベース層BDの上に配置される回路素子層DP-CLと、表示素子層DP-OLEDと、封止層TFEとを含みうる。表示パネルDPは、反射防止層または屈折率調節層などといった機能層を更に含む。回路素子層DP-CLは、少なくとも複数個の絶縁層と回路素子を含みうる。以下で説明される絶縁層は、有機層及び/または無機層を含みうる。
【0070】
コーティング、蒸着などの工程によって、絶縁層、半導体層、及び導電層を形成する。次に、フォトリソグラフィ及びエッチング工程によって、絶縁層、半導体層、及び導電層を選択的にパターニングする。このような工程によって、半導体パターン、導電パターン、信号ラインなどを形成する。同じ層に配置されるパターンは、同じ工程によって形成される。
【0071】
ベース層BSは合成樹脂フィルムを含みうる。合成樹脂フィルムは熱硬化性樹脂を含む。特に、合成樹脂層は、ポリイミド系樹脂層であるが、その材料は特に限らない。合成樹脂層は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びフェリレン系樹脂のうち少なくともいずれか一つを含みうる。その他、ベース層は、ガラス基板、金属基板、または有機/無機複合材料基板などをみうる。ベース層は、第1ポリイミド層と、第2ポリイミド層と、これらの間に配置される無機層とを含みうる。
【0072】
ベース層BSの上面に少なくとも一つの無機層を形成する。無機層は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化シリコンド、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化ジルコニウム、及び酸化ハフニウムのうちの少なくとも一つを含みうる。無機層は多層(積層膜)に形成されうる。多層の無機層は、後述するバリア層BRL及び/またはバッファ層BFLを構成しうる。バリア層BRLとバッファ層BFLは選択的に配置されうる。
【0073】
バリア層BRLは、外部から異物が流入されることを防止する。バリア層BRLは、酸化シリコン層と窒化シリコン層とを含みうる。これらのそれぞれは複数個で提供され、酸化シリコン層と窒化シリコン層は交互に積層されうる。
【0074】
バリア層BRLの上に導電層(以下、第1導電層)が配置される。第1導電層は複数個の導電パターンを含みうる。
図4には、第1導電層の一部パターンが示されている。第1下部ゲートG1-2、第2下部ゲートG2-2、及び第1導電パターンP1を、導電パターンの一例として示している。
【0075】
第1導電パターンは、
図2に示した第2キャパシタC2の第2電極E2-2を定義する。
図4では、第1下部ゲートG1-2と第1導電パターンP1とは、離隔されて示されているが、これらは電気的に連結されうる。他の層の上に配置される導電パターンを介して互いに連結されるか、平面上で一体の形状を有してもよい。
【0076】
バッファ層BFLは、第1下部ゲートG1-2、第2下部ゲートP2、及び第1導電パターンP1をカバーするように、バリア層BRLの上に配置されうる。バッファ層BFLは、ベース層BSと、半導体パターン及び/または導電パターンとの間の結合力を向上させる。バッファ層BFLは、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む。酸化シリコン層と窒化シリコン層とは交互に積層される。
【0077】
バッファ層BFLの上に半導体層が配置される。半導体層は複数個の半導体パターンを含みうる。本実施例において、半導体パターンは金属酸化物パターンSPでありうる。金属酸化物半導体パターンSPは、結晶質または非晶質の酸化物半導体を含みうる。例えば、金属酸化物半導体パターンSPは、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属酸化物、または亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属とこれらの酸化物の混合物質を含む。酸化物半導体は、インジウム-錫酸化物(ITO)、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZnO)、亜鉛-インジウム酸化物(ZIO)、チタン酸化物(TiO)、インジウム-亜鉛-錫酸化物(IZTO)、亜鉛-錫酸化物(ZTO)などを含みうる。
【0078】
金属酸化物半導体パターンSPは、金属酸化物が還元されたのか否かによって区分される複数個の領域を含みうる。金属酸化物が還元された領域(以下、還元領域)は、そうではない領域(以下、非還元領域)に比べ大きい伝導性を有する。還元領域は、実質的に、トランジスタのソース領域、ドレイン領域、または信号伝達領域の役割を有する。非還元領域が実質的にトランジスタのチャネル領域(または半導体領域、または非還元領域)に当たる。言い換えれば、半導体パターンの一部分はトランジスタのチャネル領域であり、他の一部分はトランジスタのソース領域またはドレイン領域であり、また他の一部分は信号伝達領域でありうる。
【0079】
実質的に、後述する第1上部ゲートG1-1が第1トランジスタT1のチャネル領域A1を画定(定義;範囲を規定)し、後述する第2上部ゲートG2-1が第2トランジスタT2のチャネル領域A2を画定(定義)する。第1上部ゲートG1-1の幅に対応するように第1トランジスタT1のチャネル領域A1の長さが決定され、第2上部ゲートG2-1の幅に対応するように第2トランジスタT2のチャネル領域A2の長さが決定される。
【0080】
ソース領域またはドレイン領域は、それ自体で、
図2にて説明したトランジスタT1乃至T4のソースまたはドレインでありうる。トランジスタT1乃至T5のソースまたはドレインは、上述した半導体パターンのソース領域またはドレイン領域とそれに接続される導電パターンを含んでもよい。以下、説明の便宜上、金属酸化物半導体パターンSPのソース領域またはドレイン領域は、ソースまたはドレインと称される。
【0081】
図4に示したように、第1トランジスタT1はソースS1と、チャネル領域A1と、ドレインD1とを含む金属酸化物半導体パターンSPを含む。第1トランジスタT1のソースS1及びドレインD1は、チャネル領域A1から互いに反対方向に延長される。第2トランジスタT2のソースS2、チャネル領域A2、及びドレインD2も、半導体パターンから形成される。
【0082】
上述した第1下部ゲートG1-2及び第2下部ゲートG2-2は、遮光パターンの機能を有する。第1下部ゲートG1-2及び第2下部ゲートG2-2は、第1トランジスタT1のチャネル領域A1及び第2トランジスタT2のチャネル領域A2の下側に、それぞれ配置され、外部からこれらに入射する光をブロッキングする。第1下部ゲートG1-2及び第2下部ゲートG2-2は、外部の光が第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2のそれぞれの電圧-電流特性を変化させることを防止する。
【0083】
バッファ層BFLの上に第1絶縁層10が配置される。本実施例において、第1絶縁層10は表示パネルDPに全面的に形成されず、トランジスタのチャネル領域または後述する特定の導電パターンにのみ重畳する(重なり合う)。第1絶縁層10は複数個の絶縁パターンを含む。
図4には、第1絶縁パターン10-1、第2絶縁パターン10-2、及び第3絶縁パターン10-3が例示的に示されている。本発明の一実施例において、第1絶縁層10はパターニングされないのでありうる。ここで、第1絶縁層10は、金属酸化物半導体パターンSPをカバーする。
【0084】
第1絶縁パターン10-1と第2絶縁パターン10-2は、後述する第1上部ゲートG1-1と第2上部ゲートG2-1にそれぞれ重畳する。第3絶縁パターン10-3は、後述する第2導電パターンP2に重畳する。
【0085】
第1絶縁層10の上に導電層(以下、第2導電層)が配置される。第2導電層は、第1絶縁層10にそれぞれ重畳する複数個の導電パターンを含みうる。
図4には、第1上部ゲートG1-1、第2上部ゲートG2-1、及び第2導電パターンP2が第2導電層の導電パターンの一例として示されている。第2導電層と第1絶縁層10が同じ工程を通じてエッチングされるため、第2導電層の導電パターンと第1絶縁層10の絶縁パターンは実質的に同じ形状を有しうる。互いに重畳する第2導電層の導電パターンの周縁(edge)と、第1絶縁層10の絶縁パターンの周縁とは整列される。第1上部ゲートG1-1は、
図2に示した第1キャパシタC1の第1電極E1-1を画定(定義)する。平面上において、第1上部ゲートG1-1は、第1キャパシタC1の第1電極E1-1から延長されうるのであり、それに伴い、第1上部ゲートG1-1は、第1キャパシタC1の第1電極E1-1の一部分として定義されうる。
【0086】
第2導電パターンは、
図2に示した第2キャパシタC2の第1電極E2-1を画定(定義)する。図示していないが、第2導電パターンP2は、第2電圧ラインVL2と電気的に連結されうる。
【0087】
バッファ層BFLの上に第1上部ゲートG1-1、第2上部ゲートG2-1、及び第2導電パターンP2をカバーする第2絶縁層20が配置される。第2絶縁層20は、無機層及び/または有機層であり、単層または多層の構造を有しうる。第2絶縁層20は、第1トランジスタT1のソースS1及びドレインD1、及び第2トランジスタT2のソースS2及びドレインD2をカバーしうる。第2絶縁層20は、第1絶縁パターン10-1、第2絶縁パターン10-2、及び第3絶縁パターン10-3のそれぞれの側面をカバーしうる。
【0088】
第2絶縁層20の上に金属酸化物パターンMOPが配置される。それに関する詳細な説明は、
図6を参照して後述する。
【0089】
第2絶縁層20の上に導電層(以下、第3導電層)が配置される。第3導電層は、第2絶縁層20に重畳する複数個の導電パターンを含む。第3導電層は、第1上部ゲートG1-1に重畳する第3導電パターンP3を含む。第3導電パターンP3は、
図2に示した第1キャパシタC1の第2電極E1-2を定義する。平面上において、第3導電パターンP3は、第1キャパシタC1の第2電極E1-2から延長され、それによって第3導電パターンP3は第1キャパシタC1の第2電極E1-2の一部分として定義される。
【0090】
本発明の一実施例において、第3導電層が導電パターンを含むとしても、第1上部ゲートG1-1に重畳する第3導電パターンP2は省略されうる。つまり、第1キャパシタC1の第2電極E1-2は、第1上部ゲートG1-1に重畳しなくてもよい。
【0091】
第2絶縁層20の上に、第3導電層P3をカバーする第3絶縁層30が配置される。本実施例において、第3絶縁層30は、無機層及び/または有機層であり、単層または多層の構造を有しうる。
【0092】
第3絶縁層30の上に、導電層(以下、第4導電層)が配置される。第4導電層は複数個の導電パターンを含みうる。第4導電層は複数個の連結電極を含みうる。
図4には、第1乃至第3連結電極CNE1乃至CNE3が例示的に示されている。第1連結電極CNEは、バッファ層BFL、第2及び第3絶縁層20及び30を貫通するコンタクト孔113を介して第1導電パターンP1に連結され、第2及び第3絶縁層20及び30を貫通するコンタクト孔115を介して第1ソースS1に連結され、第3絶縁層30を貫通するコンタクト孔117を介して第3導電パターンP3に連結されうる。第2連結電極CNE2は、第2及び第3絶縁層20及び30を貫通するコンタクト孔106を介して第2ソースS2に連結され、第3連結電極CNE3は第2及び第3絶縁層20及び30を貫通するコンタクト孔107を介して第2ドレインD2に連結される。
【0093】
第3絶縁層30の上に第4導電層をカバーする第4絶縁層40が配置される。本実施例において、第4絶縁層40は、有機層でありうるのであり、単層構造を有しうるが、特に限らない。
【0094】
第4絶縁層40の上に導電層(以下、第5導電層)が配置される。第5導電層は複数個の導電パターンを含む。第5導電層は第4連結電極CNE4を含む。第4連結電極CNE4は、第4絶縁層40を貫通するコンタクト孔203を介して第1連結電極CNE1に連結される。
【0095】
第5導電層は、データラインDLjと第1電圧ラインVL1を更に含む。データラインDLjは、第4絶縁層40を貫通するコンタクト孔205を介して第3連結電極CNE3に連結される。後述する発光素子OLEDの第1電極AEに重畳する第1電圧ラインVL1の一部分は、
図2に示した第3キャパシタC3の第2電極E3-2を画定(定義)する。発光素子OLEDの第1電極AEの一部分は、
図2に示した第3キャパシタC3の第1電極E3-1を画定(定義)する。
【0096】
第4絶縁層40の上に第4導電層をカバーする第5絶縁層50が配置される。本実施例において、第5絶縁層50は有機層でありうるのであり、単層構造を有しうるが、特に限らない。
【0097】
発光素子OLEDの第1電極AEが、第5絶縁層50の上に配置される。第1電極AEはアノードである。第5絶縁層50の上に画素画定(定義)膜PDLが配置される。第1電極AEは、第5絶縁層50を貫通するコンタクト孔301を介して第4連結電極CNE4に連結される。
【0098】
画素画定(定義)膜PDLの開口部OPは、第1電極AEの少なくとも一部分を露出する。画素定義膜PDLの開口部OPは発光領域PXAを画定(定義)する。例えば、複数の画素PX(
図1を参照)は、表示パネルDP(
図1を参照)の平面上において一定規則で配置されうる。複数個の画素PXが配置される領域は画素領域と定義されるが、一つの画素領域PXAは、発光領域PXAと、発光領域PXAに隣接した非発光領域NPXAを含みうる。非発光領域NPXAは発光領域PXAを囲みうる。
【0099】
正孔制御層HCLは、発光領域PXAと発光素領域NPXAに共通に配置されうる。正孔制御層HCLといった共通層は複数個の画素PXに共通に形成されうる。正孔制御層HCLは、正孔輸送層及び正孔注入層を含みうる。
【0100】
正孔制御層HCLの上に発光層EMLが配置される。発光層EMLは、開口部OPに対応する領域にのみ配置されうる。発光層EMLは、複数個の画素PXのそれぞれに分離されて形成されうる。
【0101】
本実施例において、パターニングされた発光層EMLを例示的に示したが、発光層EMLは複数個の画素PXに共通に配置されうる共通に配置される発光層EMLは白色光または青色光を生成しうる。また、発光層EMLは多層構造を有しうる。
【0102】
発光層EMLの上に電子制御層ECLが配置される。電子制御層ECLは電子輸送層及び電子注入層を含みうる。電子制御層ECLの上に第2電極CEが配置されうる。電子制御層ECL及び第2電極CEは、複数個の画素PXに共通に配置されうる。
【0103】
第2電極CEの上に薄膜封止層TFEが配置される。薄膜封止層TFEは、複数個の画素PXに共通に配置される。本実施例において、薄膜封止層TFEは、第2電極CEを直接カバーする。本発明の一実施例において、第2電極CEを直接カバーするキャッピング層が更に配置されうる。本発明の一実施例において、発光素子OLEDの積層構造は、
図4に示した構造から上下反転された構造を有してもよい。
【0104】
薄膜封止層TFEは、少なくとも無機層または有機層を含む。本発明の一実施例において、薄膜封止層TFEは、2つの無機層と、その間に配置される有機層とを含みうる。本発明の一実施例において、薄膜封止層は、交互に積層される複数個の無機層と、複数個の有機層とを含みうる。
【0105】
図5は、酸化物トランジスタとシリコントランジスタとの電圧-電流特性を比較したグラフである。
図6は、本発明の一実施例による第1トランジスタT1の拡大された断面図である。
図7は、本発明の一実施例による酸化物トランジスタと、比較例による酸化物トランジスタの電圧-電流特性とを比べたグラフである。
【0106】
第5の第1グラフG1は、P型のシリコントランジスタの電圧-電流特性を示す。第2グラフG2は、N型の酸化物トランジスタの電圧-電流特性を示す。第1グラフG1及び第2グラフG2によると、1nA乃至500nAの駆動電流Idsを有する酸化物トランジスタのゲート電圧Vgの範囲DA2(以下、駆動電圧範囲)は、1nA乃至500nAの駆動電流Idsを有するシリコントランジスタのゲート電圧Vgの範囲DA1より狭いことが分かる。駆動電圧範囲が狭ければ複数個の階調を表現するために階調電圧を細密に制御しなければならないという制限が発生しうる。一方、酸化物トランジスタは、シリコントランジスタよりも漏洩電流が減少するという長所を有する。
【0107】
後述するところによると、第1トランジスタT1のソースS1とドレインD1の抵抗を制御することで、第1トランジスタT1の駆動電圧範囲を更に広げることができる。
図6及び7を参照して、より詳細に説明する。
【0108】
図6を参照すると、バッファ層BFLは窒化シリコン層BFL1と酸化シリコン層BFL2とを含む。第1絶縁パターン10-1は酸化シリコン層を含む。第1上部ゲートG1-1及び第3導電パターンP3はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、及び銅(Cu)のうちいずれか一つ、またはこれらの合金からなる単一層または多層(積層)の構造を有する。
【0109】
第2絶縁層20は、酸化シリコン層または酸窒化シリコン層を含みうる。第3絶縁層30は、酸窒化シリコン層31と、酸窒化シリコン層31の上に配置される窒化シリコン層32とを含みうる。
【0110】
本実施例によると、第3導電パターンP3と第2絶縁層20との間に金属酸化物パターンMOPが配置されうる。金属酸化物パターンMOPの厚さは100Å乃至300Åである。金属酸化物パターンMOPは、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)のうちいずれか一つの酸化物、またはインジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)のうちのいずれか一つの金属と、これらの酸化物との混合物を含みうる。
【0111】
金属酸化物パターンMOPは、スパッタリング法(Sputtering)またはMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によって形成されうるが、当該工程は酸素ガスを使用するのであり、その過程で、下側に配置される第2絶縁層20に酸素が供給される。このような意味で金属酸化物パターンMOPは、酸素供給パターンと定義されうる。第2絶縁層20に供給された酸素は、後続の熱処理工程中に第2絶縁層20の下側に拡散されて、酸化物半導体パターンに移動する。第1上部ゲートG1-1は、チャネル領域A1の上に配置されるため、チャネル領域A1に向かって拡散する酸素を遮断しうる。それに伴い、チャネル領域A1に提供された酸素は、ソースS1及びドレインD1に提供された酸素に比べて少ない。
【0112】
第2絶縁層20と第3絶縁層30を形成する工程中に、ソースS1及びドレインD1に水素が供給される。特に、窒化シリコン層32が形成される工程は高い水素分圧を維持するため、酸化物半導体パターンに多量の酸素が提供される。
【0113】
水素はキャリアに当たるため、金属酸化物パターン、特にソースS1及びドレインD1に抵抗を減少させる。第1上部ゲートG1-1はチャネル領域A1の上に配置されるため、チャネル領域A1に向かって拡散する水素を遮断する。それによってチャネル領域A1はソースS1及びドレインD1に比べ半導体特性を維持する。
【0114】
上述した工程中にソースS1及びドレインD1に供給された水素及び酸素の量によってソースS1及びドレインD1の抵抗が決定される。ソースS1及びドレインD1に供給された酸素はソースS1及びドレインD1の酸素欠乏を減少させ、酸素欠乏と水素の結合を抑制することで、ソースS1及びドレインD1の抵抗が減少することを防止する。
【0115】
金属酸化物パターンMOPを形成する工程中に、第1上部ゲートG1-1がチャネル領域A1をカバーしても、チャネル領域A1とソースS1またはチャネル領域A1とドレインD1との間の境界領域からチャネル領域A1の端領域に向かって酸素が拡散する。上述した第3絶縁層30の窒化シリコン層32が形成される工程中に、チャネル領域A1とソース領域S1との間、またはチャネル領域A1とドレインD1との間の境界領域から、チャネル領域A1の周縁領域に向かって水素が拡散しても、既に供給された酸素によって酸素欠乏が除去されているため、チャネル領域A1に水素が結合することを防止する。結果的にチャネル領域A1の有効長さがチャネル領域A1の長さより小さくなることを防止する。
【0116】
チャネル領域A1の長さは3μm以下であるが、この際、チャネル領域A1は短いチャネル特性を有する。上述した原理によって、チャネル領域A1の有効長さは第1上部ゲートG1-1の幅に対応するチャネル領域A1の長さと実質的に同じく維持される。
【0117】
図7の第1グラフG10は
図6の金属酸化物パターンMOPが形成されていないトランジスタの電圧-電流曲線を示し、
図7の第2グラフG20は
図6の第1トランジスタT1の電圧-電流曲線を示す。金属酸化物パターンMOPが形成されていないトランジスタのソースS1及びドレインD1の面抵抗は217.75Ω/□(またはΩ/sq)であり、
図6の第1トランジスタT1のソースS1及びドレインD1の面抵抗は513.32Ω/□と測定された。金属酸化物パターンMOPが形成されていないトランジスタの駆動電圧V
GSの範囲DA10は1.92Vであるに対し、
図6の第1トランジスタT1の駆動電圧V
GSの範囲DA20は2.1Vと測定された。
【0118】
図6を参照して説明したように、金属酸化物パターンMOPが形成される過程で酸素が注入されて、第1トランジスタT1のソースS1及びドレインD1の抵抗が増加し、第1トランジスタT1の駆動電圧範囲が広がったことにつき、
図7を介して確認することができる。
【0119】
図8a乃至
図8fは、本発明の一実施例による表示パネルDPの製造工程を示す断面図である。以下、
図4乃至
図7を参照して説明した構成と同じ構成に関する詳細な説明は省略する。
【0120】
図8aに示したように、ベース層BSの上に第1トランジスタT1を形成する。第1トランジスタT1は
図4を参照して説明したように、第1下部ゲートG1-2と、金属酸化物半導体パターンSPと、第1絶縁パターン10-1と、第1上部ゲートG1-1とを含む。第2トランジスタT2は、第1トランジスタT1を形成する工程と同じ工程によって形成されうる。第2キャパシタC2の第1導電パターンP1は、第1下部ゲートG1-2と同じ工程によって形成され、第2キャパシタC2の第2導電パターンP2は、第1上部ゲートG1-1と同じ工程によって形成されうる。
【0121】
ベース層BSの上に、第1上部ゲートG1-1、第1ソースS1、及び第1ドレインD1をカバーする第2絶縁層20を形成する。例えば、PECVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)を利用して無機物質を蒸着しうる。
【0122】
次に、
図8bに示したように、第2絶縁層20の上に金属酸化物層MOLを形成する。金属酸化物層MOLは、スパッタリング法またはMOCVD法を利用して形成されうる。金属酸化物層MOLを形成するステップにおいて、反応ガスに対する酸素ガスの分圧は50%乃至100%でありうる。反応ガスは、シランガス、フッ化シランガス、二酸化窒素などを更に含みうる。
【0123】
金属酸化物層MOLの蒸着工程において、酸素プラズマによって第2絶縁層20に酸素(例えば、酸素ラジカル、酸素原子、または酸素イオン)が供給され、次に、熱処理工程によって金属酸化物層半導体パターンSPに酸素が拡散しうる。
【0124】
次に、
図8cに示したように、金属酸化物層MOLの上に導電パターンP3を形成する。導電層を形成した後、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程によって導電層をパターニングする。本発明の一実施例において、第1上部ゲートG1-1に重畳する導電パターンP3を形成する工程は省略されてもよい。
【0125】
次に、
図8dに示したように、導電パターンP3をマスクとして利用して金属酸化物層MOLをパターニングする。ウェットエッチング工程を介して金属酸化物層MOLが、パターンとなりうる。金属酸化物層MOLから、導電パターンP3に整列された金属酸化物パターンMOPが形成されうる。導電パターンP3の周縁(edge)と金属酸化物パターンMOPの周縁とが整列されうる。
【0126】
導電パターンP3が形成されなければ、別途のマスクパターンを利用して金属酸化物層MOLをパターニングしうる。マスクパターンにはフォトレジストパターンが利用されうる。
【0127】
導電パターンP3が形成されなければ、金属酸化物層MOLは完全に除去されてもよい。金属酸化物層MOLを形成するステップにおいて、既に第2絶縁層20に酸素が供給されているため、金属酸化物層MOLを完全に除去しても、
図6を参照して説明したように、第1ソースS1及び第1ドレインD1の抵抗は制御されうる。一方、金属酸化物パターンMOPが残っていれば、後続の工程中に、酸素は金属酸化物パターンMOPから金属酸化物半導体パターンSPに更に拡散する。
【0128】
次に、
図8eに示したように、第2絶縁層20の上に、第3絶縁層30を形成する。PECVD法を利用して、
図6に示したように、酸窒化シリコン層及び窒化シリコン層を順次に形成する。
【0129】
次に、
図8fに示したように、第3絶縁層30の上に発光素子OLEDを形成する。フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によって、コンタクト孔106、107、113、115、117を形成する。次に、金属層を形成した後、パターニングによって第1乃至第3連結電極CNE1、CNE2、CNE3を形成する。
【0130】
次に、絶縁層の形成工程と導電パターンの形成工程を繰り返す。第4絶縁層40を形成し、データラインDLj、第1電圧ラインVL1、及び第4連結電極CNE4を形成する。第4絶縁層40の上に第5絶縁層50を形成する。次に、第5絶縁層50の上に発光素子OLEDを形成する。
【0131】
図9は、本発明の一実施例による第1トランジスタT1の拡大された断面図である。以下で、
図6を参照して説明した、第1トランジスタT1と同じ構成に関する詳細な説明は省略する。
【0132】
本実施例によると、
図6の図示とは異なって、第3導電パターンP3が省略されている。金属酸化物パターンMOPは、追加のマスクパターンを利用して金属酸化物層をパターニングすることで形成される。
【0133】
金属酸化物パターンMOPは、フローティングパターンであるか、第3導電パターンP3のように第1キャパシタC1の第2電極E1-2に該当しうる。金属酸化物パターンMOPは、第3絶縁層30を形成する過程で、還元されて抵抗が低くなるのであって、電極の機能を有してもよい。
【0134】
図10は、本発明の一実施例による第1トランジスタの拡大された断面図である。
図11a乃至
図11fは、本発明の一実施例による表示パネルの製造工程を示す断面図である。以下、
図1乃至
図9を参照して説明した第1トランジスタT1と同じ構成に関する詳細な説明は省略する。
【0135】
図10に示したように、金属酸化物パターンMOPは、第1上部ゲートG1-1の上面に配置されうる。金属酸化物パターンMOPは、第1上部ゲートG1-1の上面に接触しうる。第2絶縁層20は、第1上部ゲートG1-1に重畳する領域内で金属酸化物パターンMOPをカバーしうる。第2絶縁層20の上には、第3導電パターンP3が配置されうる。
【0136】
図11aに示したように、ベース層BSの上に、金属酸化物半導体パターンSPを形成する。次に、バッファ層BFLの上に第1絶縁層10及び金属層G1-Pを形成する。
【0137】
図11bに示したように、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によって、金属層G1-Pから第1上部ゲートG1-1を形成する。
【0138】
図11cに示したように、第1絶縁層10の上に第1上部ゲートG1-1をカバーする金属酸化物層MOLを形成する。金属酸化物層MOLを形成する過程で第1絶縁層10に酸素が供給され、熱処理工程によって金属酸化物半導体パターンSPの第1上部ゲートG1-1から露出された領域に酸素が注入されうる。
【0139】
図11dに示したように、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によって金属酸化物層層MOLから金属酸化物パターンMOPを形成する。本発明の一実施例によると、金属酸化物層MOLが全て除去されてもよい。
【0140】
図11eに示したように、エッチング工程によって第1絶縁層10から第1絶縁パターン10-1を形成する。
図11eのエッチング工程において、第1上部ゲートG1-1がマスクとして利用されうる。本発明の一実施例において、第1絶縁層10のパターニング工程は省略されてもよい。ここで、第1絶縁パターン10-1は金属酸化物半導体パターンSP全体をカバーしうる。
【0141】
図11fに示したように、第2絶縁層20の上に第3絶縁層30を形成する。PECVD法を利用して、酸窒化シリコン層31及び窒化シリコン層32を順次に形成する。
図11a乃至
図11fでは、第1トランジスタT1を中心に表示パネルの製造工程を説明したが、この後の工程が追加されて行われてもよい。この後の工程は、
図8e及び
図8fを参照して説明の内容と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0142】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者、または当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるである。
【0143】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0144】
表示装置は画素駆動回路として薄膜トランジスタを必須に含む。薄膜トランジスタの性能向上は表示装置の表示品質の向上に役に立つ。駆動電圧範囲が広くなった酸化物トランジスタは表示装置に適用される可能性が高い。
【国際調査報告】