(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ヨウ素含有炭素膜の堆積
(51)【国際特許分類】
C23C 16/30 20060101AFI20241217BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20241217BHJP
C23C 16/32 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C23C16/30
C23C16/34
C23C16/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535176
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022052709
(87)【国際公開番号】W WO2023114210
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ニュエン,フォン
(72)【発明者】
【氏名】マルケジアーニ,ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】スタッフォード,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,シャンユウ
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030AA04
4K030AA09
4K030AA14
4K030AA18
4K030BA27
4K030BA61
4K030FA01
4K030FA10
4K030LA17
(57)【要約】
【解決手段】 基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させる方法は、基板材料をC
aH
xI
yF
zの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり;ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくない)を有するヨウ素含有前駆体を含む膜形成組成物の蒸気に曝露させることと、蒸着法によって基板材料上にヨウ素含有前駆体によって形成されるヨウ素含有膜を堆積させることとを含む。方法は、基板材料を一般式C
xH
yF
zNH
a(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13、及びa=1~2である)又はC
xH
yF
zN-R
1(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13であり、R
1は、C
1~C
5炭化水素である)を有する共反応物窒素含有分子の蒸気に曝露させることをさらに含む。
【選択図】
図8a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させる方法であって、
a)C
aH
xI
yF
zの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり;ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくない)を有するヨウ素含有前駆体を含む膜形成組成物の蒸気に前記基板材料を曝露させることと;
b)蒸着法によって、前記基板材料上に前記ヨウ素含有前駆体によって形成される前記ヨウ素含有膜を堆積させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ステップb)が、前記基板材料を修飾するステップ、又は前記ヨウ素含有前駆体からのヨウ素を前記基板材料中にドープするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、a=0及びx=0であるとき、前記ヨウ素含有前駆体が、I
2、IF
3、IF
5、及びIF
7を含み;a=0、z=0であるとき、前記ヨウ素含有前駆体が、HIを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップa)と逐次的に又は同時に、前記基板材料を共反応物の蒸気に曝露させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記共反応物が、一般式C
xH
yF
zNH
a(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13、及びa=1~2である)又はC
xH
yF
zN-R
1(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13であり、R
1は、C
1~C
5炭化水素である)を有する窒素含有分子である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記窒素含有分子が、C
3HF
4Nである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記共反応物が、O
2、O
3、CO、CO
2、NO、N
2O、NO
2、H
2O、H
2O
2、COS、SO
2、圧縮空気又はこれらの組合せから選択される酸化剤である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記共反応物が、He、Ar、N
2、Xe、Kr、Ne、又はこれらの組合せから選択される不活性ガスである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記共反応物が、CF
4、CH
3F、C
2F
6、C
3F
8、C
2HF
5、C
5F
8、C
6F
6、C
4F
6、C
4F
8、C
1~C
10飽和若しくは不飽和の直鎖状、分岐状、環状ハイドロフルオロカーボン、例えば、C
4H
2F
6、C
3H
2F
6、CHF
3、CH
2F
2、又はこれらの組合せから選択される添加気体であり、C
aH
xI
yF
z以外のヨウ素含有添加物が、式C
bH
mI
nF
o(式中、b=1~10、m≧0、n≧1、o≧0、m+n+o=b、2b又は2b+2であり;ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくなく、ただし、b=0及びm=0であるとき、前記ヨウ素含有添加物は、I
2、IF
3、IF
5、及びIF
7を含み;b=0、o=0であるとき、前記ヨウ素含有添加物は、HIを含む)を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記ヨウ素含有前駆体が、CH
3I及びC
2H
2F
3Iからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね50%の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
基板材料上にヨウ素含有及び窒素含有膜を堆積させる方法であって、
a)膜形成組成物の蒸気及び窒素含有分子の蒸気に前記基板材料を逐次的に又は同時に曝露させることと
(ここで、前記膜形成組成物は、C
aH
xI
yF
zの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり、ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくない)を有するヨウ素含有前駆体を含み、
前記窒素含有分子は、一般式C
mH
nF
oNH
b又はC
xH
yF
zN-R
1(式中、m=1~6、n=0~13、o=0~13、b=1~2であり、R
1は、C
1~C
5炭化水素である)を有する);
b)熱又はプラズマ方法によって、前記基板材料上に前記ヨウ素含有前駆体によって形成されるヨウ素含有膜を堆積させることと
を含む、方法。
【請求項13】
前記ステップb)が、前記基板材料を修飾すること、又は前記基板材料中にヨウ素をドープすることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ヨウ素含有前駆体が、CH
3I及びC
2H
2F
3Iからなる群から選択される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記窒素含有分子が、C
3HF
4Nである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させる方法であって、
a)CH
3I又はC
2H
2F
3Iの蒸気及びC
3HF
4Nの蒸気に前記基板材料を逐次的に又は同時に曝露させることと;
b)熱又はプラズマ方法によって前記基板材料上にCH
3I又はC
2H
2F
3Iによって形成されるヨウ素含有ポリマーの層を堆積させることと
を含み、ここで、前記ステップb)は、前記基板材料を修飾すること、又は前記基板材料中にヨウ素をドープすることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照文献
本出願は、米国特許法第119条(a)及び(b)の元で、その内容全体が参照により本明細書中に組み込まれている2021年12月17日に出願された米国特許出願第17/555,140号明細書の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させる方法、特に、熱又はプラズマ方法によって基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させる、CaHxIyFzの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2である)を有するヨウ素含有前駆体、並びに一般式CxHyFzNHa(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13、a=1~2である)又はCxHyFzN-R1(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13であり、R1は、C1~C5炭化水素である)を有する窒素含有共反応物を使用する方法に関し、ここで、堆積ステップによって、基板材料を修飾するか、又は基板材料中にヨウ素をドープする。
【背景技術】
【0003】
極紫外線(EUV)リソグラフィー(13.5nm)は、<32nmのハーフピッチデバイス製作のための好まれる主要な方法となりつつある。新規なEUVレジスト設計についての重大な課題はEUV量子収率、フォトスピードなどを含み、これは<7nmのハーフピッチノードのための現在のヨウ化炭素層/化学増幅型レジスト(CAR)の利用を制限する(Li,et al.,Chem.Soc.Rev.,2017,2,4855-4866)。13.5nmの光リソグラフィにおける光子密度は、同じ線量を伴う通常の193nmのArFパターニングにおいて使用される密度より非常により低い。より薄い膜はまた、全光吸収における途方もない減少をもたらす。EUVパターニングのためのポリマーをベースとするCARのさらなる開発についての1つの重大な障害は、炭素及び酸素からの乏しいEUV吸光断面積によるそれらの低い光子吸収、並びに高い光子エネルギーからの高い光子ショット雑音である。5nm未満のパターニングを達成するためのこのようなEUV吸収を改善するための新規な非化学的に増幅されたレジスト材料/層を開発することが必要とされている。
【0004】
レジスト感度、又はフォトスピードは、光酸発生成分に強く依存しており、光酸発生成分は、EUV光子効率の高い元素、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、ヨウ素(I)、キセノン(Xe)、セシウム(Cs)(91.6eV(13.5nm)で高い光子吸収を有する)で修飾される。これらの元素の中で、ヨウ素元素は、EUV感度を改善させる有望な候補として示されてきた(Grzeskowiak,et al.,G.Proc.SPIE 9779,Advances in Patterning Materials and Processes XXXIII,97790C(21 March 2016))。ヨウ素元素は炭素マトリックス中にドープされ、パターニングプロセスの間に層のEUV吸収を強化することができる(例えば、レジストレスリソグラフィー)。このように形成されたヨウ素含有ポリマー及び/又はアモルファス炭素を利用して、半導体フィーチャの限界寸法を強化し得る。
【0005】
米国特許出願公開第2017/0178923号明細書は、式CaHxFyIz(式中、a=1~3、x=0~6、y=1~7、z=1~2であり、a=1であるとき、x+y+z=4であり、a=2であるとき、x+y+z=4又は6であり、a=3であるとき、x+y+z=6又は8である)を有するヨウ素含有エッチング化合物を使用した、ケイ素含有膜をエッチングする方法、及び側壁不動態化層としてのヨウ素含有ポリマーの堆積について開示している。
【0006】
米国特許出願公開第20170278709号明細書は、限界寸法及びラインエッジラフネスを減少させるためのフォトレジスト又はハードマスクにおいて形成されたフィーチャ上の共形有機材料の堆積について開示している。様々な実施形態では、超共形炭素をベースとする材料は、高解像度フォトレジストにおいて形成されたフィーチャ上に堆積される。炭素層は、ハロゲン化炭化水素、例えば、四塩化炭素(CCl4)、ジヨードメタン(CH2I2)、クロロフルオロカーボン(CFC)、ブロモトリクロロメタン(BrCCl3)、1,1-ジクロロエチレン、ブロモベンゼン、又はその誘導体を含めた炭化水素ガスによって合成される。炭化水素化合物は、炭化水素化合物のフッ素含有、酸素含有、ヒドロキシル基含有、及びホウ素含有誘導体を含めた炭化水素化合物の部分的若しくは完全にドープされた誘導体であり得る。炭素層は、PECVD方法によってCxHyNz分子を介して窒素元素をドープすることができる。
【0007】
米国特許第10074534号明細書は、共形炭素をベースとする材料の堆積について開示している。堆積温度は約80℃~約550℃であり得る。炭素層は、ハロゲン化炭化水素、例えば、四塩化炭素(CCl4)、ジヨードメタン(CH2I2)、クロロフルオロカーボン(CFC)、ブロモトリクロロメタン(BrCCl3)、1,1-ジクロロエチレン、ブロモベンゼン、又はその誘導体を含めた炭化水素前駆体を介して形成することができる。炭素層は、PECVD方法によってCxHyNz分子を介して窒素元素をドープすることができる。
【0008】
Au et.al(“Filling Narrow Trenches by Iodine-Catalyzed CVD of Copper and Manganese on Manganese Nitride Barrier/Adhesion Layers”,J Electrochem Soc,158(5)D248-D253(2011))は、CVDによる銅又は銅-マンガン合金による100nm未満のトレンチの空隙を伴わない充填のためのプロセスについて開示している。共形的に堆積された窒化マンガンは、ヨウ素を最初に化学吸着する下層としての役割を果たす。銅又は銅-マンガン合金のCVDは窒化マンガンの表面から吸着されたヨウ素原子を放出し、ヨウ素が成長している銅層の表面上に浮遊している界面活性剤触媒として作用することを可能とする。開示されているヨウ素源はヨウ化エチルCH3CH2Iである。
【0009】
米国特許出願公開第20190390340号明細書は、ハロゲン化アルキル及び金属前駆体を含む熱ALDプロセスを利用し、誘電体表面上の金属表面上に高純度を有する金属膜を選択的に堆積し、金属表面上の誘電体表面上に高純度を有する金属膜を選択的に堆積し、原子ベースで99%超の金属原子を伴う金属膜を堆積する、高純度を有する金属膜を堆積させる方法について開示している。ハロゲン化アルキル源は、一般式R-X(式中、Rは、アルキル、アルケニル、アリール、又は他の炭素質の基である)を有する。一部の実施形態では、Rは、1~2個、1~4個、又は1~6個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、ハロゲン化アルキルは、ヨードエタン(H5C2I)又はジヨードメタン(CH2I2)を含むか、又はこれから本質的になる。
【0010】
米国特許出願公開第20210285102号明細書は、基板を堆積温度で維持する一方で、金属前駆体及びハロゲン化アルキル触媒を使用した、金属底部及び誘電体側壁を有するフィーチャの底部上に形成される金属膜を堆積させる方法について開示している。金属前駆体は、堆積温度を超える分解温度を有する。ハロゲン化アルキルは炭素及びハロゲンを含み、ハロゲンは臭素又はヨウ素を含む。
【0011】
米国特許第7041596号明細書は、界面活性剤前駆体気体中でプラズマ放電を生じさせることによって得られる励起した界面活性剤種について開示している。界面活性剤種は、ヨウ素、鉛、スズ、ガリウム、及びインジウムの少なくとも1つを含む。集積回路基板の表面は励起した界面活性剤種に曝露されて、プラズマ処理表面が形成される。ルテニウム薄膜は、CVD技術を使用してプラズマ処理表面上に堆積される。
【0012】
米国特許第5277750号明細書は、エッチング層を使用した、アルミニウム又はアルミニウム合金を含有する金属被覆層の異方性ドライエッチングのための方法を開示している。ヨウ素の化学的性質に基づいたアルミニウムエッチングプロセス、すなわち、ヨウ素は室温にて固体であるため、実用的な様式でのエッチング気体としてのヨウ素分子(I2)の経済的使用。さらに、ヨウ素、例えば、IF7をベースとするエッチング化学反応は有望でないようである。したがって、単に半導体基板上のケイ素層及びスズ層の反応性イオンエッチングのための、エッチング気体としてのヨウ化水素の使用は近年に至って提案されてきている。
【0013】
米国特許第10331033号明細書は、芳香族環含有モノマー、及び芳香族環含有モノマーを含む繰り返し単位を含有するポリマーの1つを含む第1の材料と、六方晶窒化ホウ素及びその前駆体、カルコゲニドをベースとする材料及びその前駆体、並びに二次元炭素ナノ構造及びその前駆体、約0.01原子パーセント~約40原子パーセントの酸素を含有する二次元炭素ナノ構造の少なくとも1つを含む第2の材料と、溶媒とを含む膜組成物について開示している。
【0014】
米国特許出願公開第2014084219号明細書は、1つ若しくは複数の繊維糸を含むカーボンナノチューブ繊維を開示している。繊維糸は、ドープされた多重壁カーボンナノチューブ、例えば、ドープされた二重壁カーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、1個若しくは複数の官能基で官能化されている。カーボンナノチューブ繊維は、様々なドーパント、例えば、ヨウ素及び五フッ化アンチモンでドープされている。
【0015】
米国特許出願公開第2011/0059617号明細書は、誘電材料、例えば、酸化ケイ素において高アスペクト比のフィーチャをエッチングする方法について開示している。これらの方法は、基板を収容している基板加工システムへのフルオロカーボン前駆体及びヨード-フルオロカーボン前駆体の併行的導入を含み得る。フルオロカーボン前駆体は、約2:1若しくはそれ未満のF:C原子比率を有してもよく、ヨード-フルオロカーボンは、約1.75:1~約1.5:1のF:C比を有してもよい。例示的な前駆体は、とりわけ、CF、CFs及びCFIを含み得る。基板は、曝露された酸化ケイ素の領域、及び酸化ケイ素の狭い領域を曝露する、覆っているパターン化されたヨウ化炭素層を有し得る。プラズマは、1種若しくは複数のエッチング種及び1種若しくは複数のポリマーの析出前駆体を生じさせる。ポリマーの析出前駆体は反応して、トレンチの側壁上にフッ化炭素層を形成し得る。CFIはCFフラグメントを生成すると考えられているが、それを含むことはまた、エッチプロセスにおいて補助するCF’’及びI’’フラグメントを生成するため、プロセスプラズマにおいてCFIを含むことは、ポリマーに寄与する。
【0016】
Surlaらへの米国特許第9659788B2号明細書は、有機フッ素化合物を少なくとも1個のC≡N又はC=N官能基を含有する前駆体として使用してケイ素含有膜をエッチングする方法を開示している。
【0017】
Falaise et al.(“Capture of iodine in highly stable metal-organic frameworks:a systematic study”,Chem.Commun.,2013,49,10320)は、誘電体エッチング用途におけるヨードフルオロカーボンファミリーに属する2つの新規なエッチング化学物質、ヨードトリフルオロエチレン及び1-ヨードヘプタフルオロプロパンの使用について開示している。エッチング方法(50G磁場、93mTorr圧力、600W RFパワー、及び25sccm IFCのエッチガス流)は、atm I%を示す:C2F5Iにより7.2%、C2F3Iにより10.74%、2-C3F7Iにより4.99%、1-C3F7Iにより4.42%。
【0018】
Karecki et al.(“Plasma etching of dielectric films with novel iodofluorocarbon chemistries:Iodotrifluoroethylene and 1-iodoheptafluoropropane”,J Vac Sci&Tech A 16,755(1998))は、誘電体エッチング用途におけるヨードフルオロカーボンファミリーに属する2つのエッチング化学物質、ヨードトリフルオロエチレン及び1-ヨードヘプタフルオロプロパンの使用について開示している。ヨードフルオロカーボン、例えば、開示されているものは、長期間の環境的な影響を有さないと現在考えられている。試験した条件下で、開示されている2つのヨードフルオロカーボンは両方とも二酸化ケイ素膜を容易にエッチングすることが見出されてきた。1-ヨードヘプタフルオロプロパンはまたこのような条件下において窒化ケイ素膜をエッチングすることができることが見出されてきた。
【0019】
Scottらへの米国特許第6508948号明細書は、ハロゲン化複素環式炭化水素の化学種を使用して、他の領域において基板が実質的に影響されないままである一方で、選択した領域から基板材料を除去することによって基板中にフィーチャをエッチングするための方法について開示している。
【0020】
Sunらへの米国特許第10410878号明細書は、フォトレジスト層及び/又はハードマスク層(例えば、アモルファス炭素層)に対してケイ素含有膜、例えば、誘電性反射防止コート(DARC)層(例えば、SiON)、交互のSiO/SiN層、交互のSiO/p-Si層を選択的にプラズマエッチングする2,2,2-トリフルオロエタンアミン(C2H4F3N)、1,1,2-トリフルオロエタン-1-アミン(イソ-C2H4F3N)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン(C3H4F5N)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロ-2-プロパンアミン(イソ-C3H4F5N)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロ-(2R)-2-プロパンアミン(イソ-2R-C3H4F5N)及び1,1,1,3,3-ペンタフルオロ-(2S)-2-プロパンアミン(イソ-2S-C3H4F5N)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアミン(C3H3F6N)及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロパンアミン(イソ-C3H3F6N)からなる群から選択されるハイドロフルオロカーボンエッチング化合物を使用する方法について開示しており、ここで、フォトレジスト層は強化されており、SiO/SiN及び/又はSiO/p-Siは非選択的にエッチングされる。
【0021】
Li et al.(“Extreme ultraviolet resist materials for sub-7nm patterning”,Chem.Soc.Rev.,2017,2,4855-4866)は、高密度集積回路の連続的な進行中の開発について開示しており、これはナノスケールパターニング技術におけるかなりの進歩を必要とする。新規なレジスト材料における進歩が概説されて、次世代レジストプラットフォームの確立のための設計基準が同定されている。次世代レジスト材料における開発戦略及び課題が要約及び考察されている。
【0022】
Yu et al.(“Positive tone oxide nanoparticle EUV(ONE) photoresists”,Proc.SPIE 9779,Advances in patterning materials and processes XXXIII,977905,21 March 2016)は、種々の有機/無機の組合せを伴うナノ粒子、及びEUV照射を使用したネガティブトーンパターニングについて開示している。メタクリル酸ジルコニウム(ZrMAA)ナノ粒子は、4.2mJ/cm2の高さのEUV曝露を伴う感度、22nmまでの解像度、及び5.6nmのLERを有した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させるための開示されている方法が存在し、この方法は、
a)CaHxIyFzの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり;ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくない)を有するヨウ素含有前駆体を含む膜形成組成物の蒸気に基板材料を曝露させることと、
b)蒸着法によって基板材料上にヨウ素含有前駆体によって形成されるヨウ素含有膜を堆積させることと
を含む。開示されている方法は、下記の態様の1つ若しくは複数を含み得る:
・ステップb)が、基板材料を修飾すること、及び/又は基板材料中にヨウ素をドープすることを含むこと;
・ステップb)が、基板材料を修飾することを含むこと;
・ステップb)が、基板材料中にヨウ素をドープすることを含むこと;
・さらに、a=0及びx=0であるとき、ヨウ素含有前駆体が、I2、IF3、IF5、及びIF7を含むこと;
・さらに、a=0、z=0であるとき、ヨウ素含有前駆体が、HIを含むこと;
・ヨウ素含有前駆体が、CH3I、ヨードメタンであること;
・ヨウ素含有前駆体が、C2H2F3I、2-ヨード-1,1,1-トリフルオロエタンであること;
・ステップa)と逐次的に又は同時に炭素含有材料を共反応物の蒸気に曝露させることをさらに含むこと;
・ステップa)と逐次的に、すなわち、ステップa)の後及びステップb)の前に、基板材料を共反応物の蒸気に曝露させることをさらに含むこと;
・ステップa)と同時に、基板材料を共反応物の蒸気に曝露させることをさらに含むこと;
・共反応物が、一般式CxHyFzNHa(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13、及びa=1~2である)又はCxHyFzN-R1(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13であり、R1は、C1~C5炭化水素である)を有する窒素含有分子であること;
・窒素含有分子が、N≡C-R1(式中、R1は、式HaFbCcを有し、a=1~11、b=1~11、及びc=1~5である)を含有すること;
・窒素含有分子が、(N≡C-)-(R2)-(-C≡N)(式中、R2は、式HmFnCoを有し、m=0、n=1~11、及びo=1~5である)を含有すること;
・窒素含有分子が、R3
x[-C=N(R4
z)]y(式中、x=1~2、y=1~2、z=0~1、x+z=1~3であり、R3及びR4は、それぞれ独立に、式HeFfCgを有し、e=0~11、f=0~11、g=0~5である)を含有すること;
・窒素含有分子が、2,3,3,3-テトラフルオロプロパンニトリル、C3HF4Nであること;
・窒素含有分子が、3-ペンタンアミン、1,1,1-トリフルオロ-4-メチル-、C6H12F3Nであること;
・窒素含有分子が、2-ブタンアミン、1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-、C4H4F7Nであること;
・窒素含有分子が、1-ブタンアミン、1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-、C4H2F9Nであること;
・窒素含有分子が、1-ブタンアミン、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-、C4H4F7Nであること;
・窒素含有分子が、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアミン、C3H3F6Nであること;
・窒素含有分子が、2,3,5,6-テトラフルオロピリジン、C5HF4Nであること;
・窒素含有分子が、2,3,4,5,6-ペンタフルオロピリジン、C5F5Nであること;
・窒素含有分子が、2,4,6-トリフルオロ-1,3,5-トリアジン、C3F3N3であること;
・窒素含有分子が、2,3,5,6-テトラフルオロピラジン、C4N2F4であること;
・窒素含有分子が、3,4,5,6-テトラフルオロピリダジン、C4N2F4であること;
・窒素含有分子が、2,4,5,6-テトラフルオロピリミジン、C4N2F4であること;
・窒素含有分子が、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)-1,3,5-トリアジン、C6F9N3であること;
・窒素含有分子が、2,3,6-トリフルオロピリジン、C5H2F3Nであること;
・窒素含有分子が、3,4,5-トリフルオロピリジン、C5H2F3Nであること;
・窒素含有分子が、2,3,5-トリフルオロピリジン、C5H2F3Nであること;
・窒素含有分子が、2,4,5-トリフルオロピリジン、C5F3H2Nであること;
・窒素含有分子が、2,4-ジフルオロ-1,3,5-トリアジン、C3HF2N3であること;
・窒素含有分子が、3,6-ジフルオロ-1,2,4-トリアジン、C3HF2N3であること;
・窒素含有分子が、2-フルオロ-1,3,5-トリアジン、C3H2FN3であること;
・窒素含有分子が、2,4-ジフルオロ-6-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-1,3,5-トリアジン、C5F7N3であること;
・窒素含有分子が、2-フルオロ-4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1,3,5-トリアジン、C5F7N3であること;
・窒素含有分子が、2,4-ジフルオロ-6-(トリフルオロメチル)-1,3,5-トリアジン、C4F5N3であること;
・窒素含有分子が、2-ヨードピリジン、C5H4NIであること;
・窒素含有分子が、3-ピリジルヨージド、C5H4NIであること;
・窒素含有分子が、4-ヨードピリジン、C5H4NIであること;
・窒素含有分子が、1,3,4,5-テトラフルオロ-1H-ピラゾール、C3F4N2であること;
・窒素含有分子が、1,2,4,5-テトラフルオロ-1H-イミダゾール、C3F4N2であること;
・窒素含有分子が、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-1H-ピロール、C4NF5であること;
・窒素含有分子が、3-フルオロピリジン、C5H4FNであること;
・窒素含有分子が、ピリジン、C5H5Nであること;
・共反応物が、N2、NH3、ヒドラジンN2H4、ジメチルヒドラジンC2H8N2、グアニジンCH5N3、第一級及び第二級アミン、例えば、エチレンジアミン又はイミノ、例えば、ジイミノピリジンなどから選択される窒素含有分子であること;
・窒素含有分子が、N2であること;
・窒素含有分子が、NH3であること;
・窒素含有分子が、ヒドラジンN2H4であること;
・窒素含有分子が、ジメチルヒドラジンC2H8N2であること;
・窒素含有分子が、グアニジンCH5N3であること;
・窒素含有分子が、第一級及び第二級アミン、例えば、エチレンジアミンであること;
・窒素含有分子が、エチレンジアミンであること;
・窒素含有分子が、イミノ、例えば、ジイミノピリジンなどであること;
・窒素含有分子が、ジイミノピリジンなどであること;
・共反応物が、酸化剤であること;
・酸化剤が、O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、H2O、H2O2、COS、SO2、圧縮空気又はこれらの組合せから選択されること;
・酸化剤が、O2であること;
・酸化剤が、O3であること;
・共反応物が、不活性ガスであること;
・不活性ガスが、He、Ar、N2、Xe、Kr、Ne、又はこれらの組合せから選択されること;
・不活性ガスが、Arであること;
・共反応物が、添加気体であること;
・添加気体が、CF4、CH3F、C2F6、C3F8、C2HF5、C5F8、C6F6、C4F6、又はC4F8から選択されること;
・添加気体が、C1~C10飽和若しくは不飽和の直鎖状、分岐状、環状ハイドロフルオロカーボンであること;
・添加気体が、C4H2F6、C3H2F6、CHF3、CH2F2、又はこれらの組合せであること;
・添加気体が、式CbHmInFo(式中、b=1~10、m≧0、n≧1、o≧0、m+n+o=2b+2、2b又はbであり;ただし、b=0及びm=0であるとき、ヨウ素含有添加物はI2、IF3、IF5、及びIF7を含み;b=0、o=0であるとき、ヨウ素含有添加物はHIを含む)を有する、ヨウ素含有前駆体CaHxIyFz以外のヨウ素含有添加物であること;
・基板材料をヨウ素含有前駆体及びヨウ素含有添加気体に曝露させるとき、ヨウ素含有添加物CbHmInFoが、ヨウ素含有前駆体CaHxIyFzと異なること;
・蒸着法が、熱又はプラズマ蒸着プロセスであること;
・蒸着法が、熱堆積プロセスであること;
・蒸着法が、プラズマ蒸着プロセスであること;
・蒸着法が、プラズマ設備であること;
・蒸着法が、エッチャーを使用することであること;
・蒸着法が、LAMツールエッチャーを使用することであること;
・蒸着法が、プラズマ強化ALDであること;
・蒸着法が、プラズマ強化CVDであること;
・蒸着法が、熱ALDであること;
・蒸着法が、熱CVDであること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね99.9%の範囲であること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね50%の範囲であること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね7%~概ね30%の範囲であること;
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね0.01%~概ね50%の範囲であること;
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね7%~概ね30%の範囲であること;
・堆積圧力が、約10-3torr~1000torrの範囲であること;
・堆積圧力が、約1mTorr~760Torrの範囲であること;
・堆積温度が、約-110℃~1100℃の範囲であること;
・プラズマパワーが、約25W~約100,000Wの範囲であること;
・プラズマパワーが、約100W~25000Wの範囲であること;
・ヨウ素含有気体の気体流が、概ね0.01%~概ね99.9%の範囲であること;
・基板材料が、下部層であること;
・基板材料が、ケイ素含有層であること;
・基板材料が、炭素含有層であること;並びに
・基板材料が、アモルファス炭素層であること。
【課題を解決するための手段】
【0024】
基板材料上にヨウ素含有及び窒素含有膜を堆積させるための開示されている方法が存在し、この方法は、
a)膜形成組成物の蒸気及び窒素含有分子の蒸気に基板材料を逐次的に又は同時に曝露させることと
(ここで、膜形成組成物は、CaHxIyFzの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり、ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくない)を有するヨウ素含有前駆体を含み、
窒素含有分子は、一般式CmHnFoNHb又はCxHyFzN-R1(式中、m=1~6、n=0~13、o=0~13、b=1~2であり、R1は、C1~C5炭化水素である)を有する);
b)熱又はプラズマ方法によって基板材料上にヨウ素含有前駆体によって形成されるヨウ素含有膜を堆積させることと
を含む。開示されている方法は、下記の態様の1つ若しくは複数を含み得る:
・ステップb)が、基板材料を修飾すること、及び/又は基板材料中にヨウ素をドープすることを含むこと;
・ステップb)が、基板材料を修飾することを含むこと;
・ステップb)が、基板材料中にヨウ素をドープすることを含むこと;
・ヨウ素含有前駆体が、CH3I、ヨードメタンであること;
・ヨウ素含有前駆体が、C2H2F3I、2-ヨード-1,1,1-トリフルオロエタンであること;
・窒素含有分子が、C3HF4Nであること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね99.9%の範囲であること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね50%の範囲であること;
・ヨウ素含有膜中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有膜による均一濃度を伴って概ね7%~概ね30%の範囲であること;
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね0.01%~概ね50%の範囲であること;並びに
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね7%~概ね30%の範囲であること。
【0025】
基板材料上にヨウ素含有膜を堆積させるための開示されている方法が存在し、この方法は、
a)CH3I又はC2H2F3Iの蒸気及びC3HF4Nの蒸気に基板材料を逐次的に又は同時に曝露させることと;
b)熱又はプラズマ方法によって基板材料上にCH3I又はC2H2F3Iによって形成されるヨウ素含有ポリマーの層を堆積させることとを含み、
ここで、ステップb)は、基板材料を修飾すること、及び/又は基板材料中にヨウ素をドープすることを含む。開示されている方法は、下記の態様の1つ若しくは複数を含み得る:
・ヨウ素含有ポリマー中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有ポリマーによる均一濃度を伴って概ね0.01%~概ね99.9%の範囲であること;
・ヨウ素含有ポリマー中のヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有ポリマーの層による均一濃度を伴って概ね0.011%~概ね50%の範囲であること;
・ヨウ素含有ポリマーにドープされたヨウ素原子濃度が、ヨウ素含有ポリマーの層による均一濃度を伴って概ね7%~概ね30%の範囲であること;
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね0.01%~概ね50%の範囲であること;並びに
・基板材料中のヨウ素原子濃度が、概ね7%~概ね30%の範囲であること。
【0026】
表記及び命名法
以下の詳細な説明及び特許請求の範囲では、当技術分野で一般に周知の多くの略語、記号、及び用語が利用され、以下が含まれる:
【0027】
本明細書において使用される場合、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ以上を意味する。
【0028】
本明細書において使用される場合、本文中又は特許請求の範囲中の「約」又は「ほぼ」又は「およそ」は、記載の値の±10%を意味する。
【0029】
本明細書において使用される場合、本文中又は特許請求の範囲中の「室温」は、約20℃~約25℃を意味する。
【0030】
用語「ウエハ」又は「パターン化されたウエハ」は、基板上にケイ素含有膜の積層を有するウエハ、及びパターンエッチのために形成されたケイ素含有膜の積層上のパターン化された膜を指す。
【0031】
「基板」という用語は、その上でプロセスが行われる1つ以上の材料を指す。基板は、その上でプロセスが行われる1つ以上の材料を有するウエハを指す場合がある。基板は、半導体、太陽電池、フラットパネル、又はLCD-TFTデバイスの製造に使用される任意の適切なウエハであってよい。基板は、その前の製造ステップからその上に既に堆積された異なる材料の1つ以上の層も有し得る。例えば、ウエハは、ケイ素層(これらに限定されないが、結晶性、アモルファス、多孔質などを含めた)、ケイ素含有層(これらに限定されないが、SiO2、SiN、SiON、SiCOHなどを含めた)、金属若しくは金属含有層(これらに限定されないが、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、白金、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、金などを含めた)又はこれらの組合せを含み得る。さらに、基板は、平坦であっても又はパターン化されていてもよい。基板は、パターン化された有機ヨウ化炭素層膜であり得る。基板は、電界効果トランジスタ(FET)、例えば、FinFET、MOFSET、GAAFET(全周ゲート型FET)、リボン-FET、ナノシート、フォークシートFET、コンプリメンタリFET(CFET)、MEMS、3D NAND、MIM、DRAM、若しくはFeRamデバイス用途(例えば、ZrO2をベースとする材料、HfO2をベースとする材料、TiO2をベースとする材料、希土類酸化物をベースとする材料、三元酸化物をベースとする材料など)又は電極として使用される窒化物をベースとする膜(例えば、TaN、スズ、NbN)における誘電材料について使用される酸化物の層を含み得る。本明細書において使用される用語「膜」又は「層」は、表面上に置かれるか、又は広がるいくつかの材料の厚さを指し、且つ表面はトレンチ又はラインであり得ることを当業者は認識する。明細書及び特許請求の範囲を通して、ウエハ及びその上の任意の関連する層は、基板と称される。基板は、その表面上にSAMの反応性ヘッドとの反応を起こす傾向がある官能基を有する任意の固体であり得、これらに限定されないが、3Dオブジェクト又はパウダーを含み得る。
【0032】
用語「ウエハ」又は「パターン化されたウエハ」は、基板上に膜の積層を有するウエハを指し、少なくとも最上膜は、インジウム含有膜の堆積の前のステップにおいて生じた局所的フィーチャを有する。
【0033】
用語「加工」は、本明細書において使用されるように、記載された構造を形成することにおいて必要とされるような、材料若しくはヨウ化炭素層の堆積、パターニング、曝露、現像、エッチング、洗浄、及び/又は材料若しくはヨウ化炭素層の除去を含む。
【0034】
「堆積する」又は「堆積」の用語は、原子又は分子レベルでの材料がウエハ表面又は基板上に気体状態(蒸気)から固体状態まで薄層として堆積される一連のプロセスを指す。化学反応はプロセスにおいて関与しており、これは反応気体のプラズマの生成又は熱による反応気体の活性化の後で起こる。プラズマは、2つの電極の間のラジオ周波数(RF)(交流(AC))周波数又は直流(DC)放電によって一般に生じる容量結合プラズマ(CCP)であり得、これらの間の空間は反応気体で充填される。プラズマはまたマイクロ波プラズマであり得る。さらに、EUVリソグラフィのための堆積プロセスはまた、エッチチャンバー内で行われる。適切な市販のプラズマエッチングチャンバーには、これらに限定されないが、商標eMAX(商標)で販売されているApplied Materials磁力的に強化された反応性イオンエッチャー、又は商標2300(登録商標)Flex(商標)で販売されているLam Research Dual CCP反応性イオンエッチャー誘電体エッチング製品群が含まれる。
【0035】
「アスペクト比」という用語は、トレンチ(又は開口部)の高さと、トレンチの幅(又は開口部の直径)との比を意味する。
【0036】
なお、本明細書においては、「膜」及び「層」という用語は交換可能に使用され得る。膜が層に対応するか、又は関連している場合があり、層が膜を指す場合があることが理解される。さらに、当業者は、本明細書で使用される「膜」又は「層」という用語が、表面上に配置されているか広がっている何らかの材料の厚さを指し、その表面はウエハ全体ほどの大きい大きさからトレンチ又はラインほどの小さい大きさであってよいことを認識するであろう。
【0037】
なお、本明細書では、「アパーチャ」、「ビア」、「ホール」及び「トレンチ」という用語は、半導体構造に形成される開口部を意味するように互換的に使用されてよい。
【0038】
用語「添加物」は、本明細書において使用されるように、他のエッチング化合物に加えられ、且つエッチのいくつかの改善された特徴を実現し、例えば、プロファイルの特徴、例えば、ボーイング、CD、楕円率などを改善する化合物又は気体を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「NAND」という略語は、「Negative AND」又は「Not AND」ゲートを指し;「2D」という略語は、平坦基板上の二次元ゲート構造を指し;「3D」という略語は、ゲート構造が垂直方向にスタックされた3次元又は垂直ゲート構造を指す。
【0040】
なお、本明細書においては、「堆積温度」及び「基板温度」という用語は交換可能に使用される場合がある。基板温度は、堆積温度に対応するか、又は関連付けることができ、堆積温度は基板温度を意味し得ることが理解される。
【0041】
なお、本明細書においては、「前駆体」、及び「堆積化合物」、及び「堆積ガス」という用語は、前駆体が室温及び周囲圧力で気体状態にある場合には交換可能に使用することができる。前駆体は、堆積化合物若しくは堆積ガスに対応するか、又は関連付けることができ、堆積化合物又は堆積ガスは、前駆体を意味し得ることが理解される。
【0042】
本明細書において、用語「ドープする」は、様々な方法による膜への1つ若しくは複数の元素の組込みのプロセスと互換的に使用され、その元素は化学的に結合又は物理的に結合し得ることに留意されたい。元素は膜内に侵入型又は置換型でドープし得る。
【0043】
元素周期表からの元素の標準的な略語が本明細書で使用される。元素がこれらの略語によって言及され得ることは理解されるべきである(例えば、Siはケイ素を指し、Nは窒素を指し、Oは酸素を指し、Cは炭素を指し、Hは水素を指し、Fはフッ素を指す、など)。
【0044】
開示された特定の分子を識別するために、Chemical Abstract Serviceによって割り当てられた固有のCAS登録番号(すなわち「CAS」)が示される。
【0045】
本明細書で使用される場合、「炭化水素」という用語は、炭素原子及び水素原子のみを含む飽和又は不飽和の官能基を意味する。本明細書で使用される場合、「アルキル基」という用語は、炭素原子及び水素原子のみを含む飽和官能基を意味する。アルキル基は、炭化水素の一種である。さらに、「アルキル基」という用語は、直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基を意味する。直鎖状アルキル基の例としては、限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。分岐状アルキル基の例としては、限定されないが、t-ブチルが挙げられる。環状アルキル基の例としては、限定されないが、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0046】
本明細書で使用される場合、略号「Me」はメチル基を意味し;略号「Et」はエチル基を意味し;略号「Pr」は任意のプロピル基(すなわち、n-プロピル又はイソプロピル)を意味し;略号「iPr」はイソプロピル基を意味し;略号「Bu」は任意のブチル基(n-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル)を意味し;略号「tBu」はtert-ブチル基を意味し;略号「sBu」はsec-ブチル基を意味し;略号「iBu」はiso-ブチル基を意味し;略号「Ph」はフェニル基を意味し;略号「Am」はアミル基(iso-アミル、sec-アミル、tert-アミル)を意味し;略号「Cy」は環状炭化水素基(シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)を意味し;略号「Ar」は芳香族炭化水素基(フェニル、キシリル、メシチルなど)を意味する。
【0047】
本明細書において使用する場合、用語「ドープすること」は、膜組成物中への異なる元素の原子を意図的に組み込むプロセスを指す。
【0048】
範囲は、本明細書において、約ある特定の値から、及び/又は約別の特定の値までとして表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、前記範囲内のすべての組み合わせと共に、ある特定の値から、及び/又は別の特定の値までのものであることが理解されるべきである。本明細書で列挙されているあらゆる範囲は、「すべてを含む」という用語が使用されるか否かにかかわらず、それらの終点を含む(すなわち、x=1~4又はxは1~4の範囲であるは、x=1、x=4、及びx=それらの間の任意の数を含む)。
【0049】
本明細書における「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、また別の又は代替の実施形態は、必ずしも他の実施形態と相互に排他的ではない。同じことが「実施」という用語にも当てはまる。
【0050】
本明細書で使用される場合、R基の記載に関連して使用される場合の「独立して」という用語は、対象のR基が、同じ又は異なる下付き文字又は上付き文字を有する別のR基に対して独立して選択されるだけでなく、その同じR基のあらゆる追加の種類に対しても独立して選択されることを示すものと理解されたい。例えば、式MR1
x(NR2R3)(4-x)(ここで、xは、2又は3である)中、2つ又は3つのR1基は、互いに又はR2若しくはR3と同じ場合があるが、同じである必要はない。さらに、別段の明記がない限り、R基の値は、異なる式で使用される場合、互いに独立していると理解すべきである。
【0051】
本出願で使用される「例示的」という用語は、本明細書では、実施例、実例、又は例示として機能することを意味するために使用される。本明細書で「例示的」と記載されている態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であるものとして解釈されるべきではない。むしろ、例示的という言葉の使用は、具体的な形式で概念を提示することが意図されている。
【0052】
さらに、「又は」という用語は、排他的「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図されている。すなわち、別段の明記がない限り、或いは文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを使用する」は、自然な包括的順列のいずれかを意味することが意図されている。つまり、XがAを使用する場合、XはBを使用する場合、或いはXがAとBの両方を使用する場合;前述した場合のいずれにおいても「XはA又はBを使用する」が満たされる。加えて、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、別段の明記がない限り、或いは文脈から単数形に関するものであることが明確でない限り、通常「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【0053】
請求項における「含む(comprising)」は、オープンな移行用語であり、その後に特定される請求項要素が非排他的なリストである(すなわち、他のものが追加的に含まれて、「comprising」の範囲内に留まり得る)ことを意味する。「含む(comprising)」は、本明細書中、より限定的な移行用語である「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」を必ず包含するものとして定義される。したがって、「含む(comprising)」は、「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」で置き換えられても、「含む(comprising)」の明示的に定義される範囲内に留まり得る。
【0054】
請求項における「提供する(Provifing)」は、何かを備え付ける、供給する、利用可能にする、又は準備することを意味すると定義される。このステップは、特許請求の範囲にこれに反する明示的な文言がない限り、いかなる行為者によっても実行され得る。
【0055】
本発明の性質及び目的のさらなる理解のために、同様の要素に同じ又は類似の参照番号が付与されている添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照されたい:
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1a】
図1aは、CH
3Iの堆積について27MHzのプラズマソースパワー(W)に対するa-C材料におけるヨウ素の原子XPS濃度を示す;
【
図1b】
図1bは、CH
3Iの堆積について2MHzのプラズマバイアスパワー(W)に対するa-C材料におけるヨウ素の原子XPS濃度を示す;
【
図2】
図2は、CH
3Iの堆積を伴うヨウ素及びヨウ素含有種の揮発性による炭素含有材料の表面上のヨウ素濃度を示す;
【
図3】
図3は、圧力が30mTorrから200mTorrへと増加するとき、CH
3Iの堆積についてヨウ素原子濃度の増加(14%)を示す;
【
図4】
図4は、ヨウ素原子濃度が、CH
3Iの堆積について70/150sccm条件で最適化されることを示す;
【
図5】
図5は、ヨウ素原子濃度が、CH
3Iの堆積について水分及び光試験の間の1週間の曝露の後で概ね一定に維持されることを示す;
【
図6a】
図6aは、CH
3Iの堆積を伴うヨウ素I3d5/2を示す;
【
図6b】
図6bは、CH
3Iの堆積を伴う炭素C1スペクトルを示す;
【
図7a】
図7aは、最適なヨウ素原子濃度は、C
2H
2F
3Iを使用してソースパワーを1000Wで調整することによって達成し得ることを示す;
【
図7b】
図7bは、最適なヨウ素原子濃度は、C
2H
2F
3Iを使用してバイアスパワーを1000Wで調整することによって達成し得ることを示す;
【
図8a】
図8aは、DRAMメモリを生成するためのDRAM積層における例示的な層の例示的な横断側面図を示す;
【
図8b】
図8bは、3D NANDゲートを生成するための3D NAND積層における例示的な層の例示的な横断側面図を示す;
【
図9】
図9は、a-C表面上のヨウ素原子濃度を示すXPS結果を示す;
【
図10】
図10は、ヨウ素I3d5/2がa-C表面上に3タイプの結合を有することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
開示されているのは、ヨウ素以外のハロゲンを含有し得るか、又は含有し得ないヨウ素含有前駆体を含むヨウ素含有膜形成組成物、及び基板材料、例えば、炭素含有材料(例えば、アモルファス炭素材料)上に薄膜を堆積させ、基板材料の表面を修飾し、且つ/又は蒸着法、例えば、熱又はプラズマ蒸着プロセス、プラズマ設備、例えば、エッチャー(例えば、LAMツールエッチャー)、プラズマ強化ALD又はCVD及び/又は熱ALD若しくはCVDによって基板材料中にヨウ素をドープするためのヨウ素含有膜形成組成物を使用する方法である。一部の実施形態では、窒素含有分子は、ヨウ素含有膜の堆積、基板材料の修飾及び基板材料中へのヨウ素のドーピングを増進させる共反応物として使用し得る。
【0058】
その上に堆積されたヨウ素含有薄膜を有する基板材料又は修飾及び/若しくはドープされた基板材料は、エッチングプロセスのためのヨウ化炭素膜として使用し得る。堆積されたヨウ素含有薄膜は、エッチングされる基板材料層上に配置し得る。例示的な基板材料は、炭素含有材料を含み得る。例示的な炭素含有材料は、アモルファス炭素(a-C)、又はホウ素及び金属ドープされたa-C又はシリコンドープされたa-Cなどを含み得る。
【0059】
開示されている方法は、炭素材料表面上にヨウ素含有膜を堆積させる新しい/新規な化学反応だけでなく、炭素材料中のヨウ素濃度を強化する方法を提供する。このようなヨウ素修飾層は、半導体製作装置における様々な用途において利用し得る。開示されているヨウ素含有前駆体及び開示されている膜形成組成物は、例えば、CMOSシステム、DARMメモリ、3D NANDチャネル又は光検出器における高速度高感度半導体膜を形成するために使用し得る。
【0060】
開示されているヨウ素含有前駆体及び開示されている膜形成組成物は、対応する元素含有膜を堆積させるのに、及び対応する元素含有膜を合成するそれらの堆積方法に適している。開示されている方法を使用した堆積された膜は、平坦なウエハ若しくはパターン化されたウエハ上に、又は「ギャップ充填」若しくは「ボトムアップギャップ充填」アプローチにおいて均一に堆積し得る。
【0061】
開示されている方法は、ヨウ素含有分子で炭素材料の表面を修飾するか、又はヨウ素分子と窒素含有分子との、ヨウ素分子と酸素含有分子との組合せを使用してヨウ素含有ポリマーの薄層を堆積させる新規な化学反応を提供する。
【0062】
開示されているヨウ素含有前駆体は、CaHxIyFzの式(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2であり;ただし、a=1、x=2及びz=0であるとき、yは、2と等しくなく;ただし、a=0及びx=0であるとき、ヨウ素含有前駆体は、I2、IF3、IF5、及びIF7を含み;ただし、a=0、z=0であるとき、ヨウ素含有前駆体は、HIを含む)を有する。開示されているヨウ素含有前駆体の2つの例は、表1において示すCH3I及びC2H2F3Iである。
【0063】
【0064】
開示されている膜形成組成物は、窒素含有分子、例えば、N含有ハイドロフルオロカーボン(HFC)及び/又はフルオロカーボンを含み得る。堆積プロセスにおける窒素の添加は、堆積された膜のヨウ素組成、及び下部層、例えば、炭素含有材料へとドープされたヨウ素濃度を増加させ、EUVプロセスにおいて有益な役割を果たし得る。窒素はN2、NH3の形態、又は炭化水素、ハイドロフルオロカーボン分子の形態であり得、ここで、窒素は炭素に結合しており、窒素官能基は、-C≡N、C=N、又は-C-N-Rであり、式中、Rは、炭素若しくは水素(-NH若しくは-NH2基)であるか、又は窒素は、炭素若しくは別の窒素分子に結合している環構造内である。これらの分子のいずれかの中で、ヨウ素は分子内に含有し得る。プラズマソースを使用して開示されている方法で堆積された薄膜中に含有される元素は、基板上のC、I、N又はC、I、Oに限定されず、ここで、基板は炭素又はケイ素含有材料である。薄膜は、これらに限定されないが、C、I、N又はC、I、Oを含有するいずれかの気体を使用して、又はヨウ素含有気体及び窒素又は酸素含有気体の組合せを使用して堆積し得る。
【0065】
開示されている方法において使用されている窒素含有分子は、一般式CxHyFzNHa(式中、x=1~6、y=0~13、z=0~13、及びa=1~2である)又はCxHyFzN-R1(式中、R1は、C1~C5炭化水素であり得る)を有し得る。開示されている方法において使用されている窒素含有分子は、N≡C-R1(式中、R1は、式HaFbCcを有し、a=1~11、b=1~11、及びc=1~5である);(N≡C-)-(R2)-(-C≡N)(式中、R2は、式HmFnCoを有し、m=0、n=1~11、及びo=1~5である);R3
x[-C=N(R4
z)]y(式中、x=1~2、y=1~2、z=0~1、x+z=1~3であり、R3及びR4は、それぞれ独立に、式HeFfCgを有し、e=0~11、f=0~11、及びg=0~5である)を含有し得る。開示されている窒素含有分子の例は、表2において列挙されている。開示されている方法において使用されている窒素含有分子は、2,3,3,3-テトラフルオロプロパンニトリル、C3HF4Nであり得る。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
さらに、開示されている方法において使用されている窒素含有分子は、N2、NH3、ヒドラジンN2H4、ジメチルヒドラジンC2H8N2、グアニジンCH5N3、第一級及び第二級アミン、例えば、エチレンジアミン及びイミノ、例えば、ジイミノピリジンなどであり得る。
【0070】
開示されている方法において使用されている酸素含有分子は、HpOC-R1(式中、pは、p=0又は1でよく、R1は、式HaFbCcOoを有し、a=1~11、b=1~11、o=1~2、及びc=1~5である);(R2-)-(O)-(-R3)(式中、R2は、式HeFfCgOhを有し、e=1~11、f=1~11、o=1~2及びg=1~5であり;R3は、式HmFnCoOpを有し、m=0、n=1~11、p=1~2及びo=1~5である);R4
x[-C=O(R5
z)]y(式中、x=1~2、y=1~2、z=0~1、x+z=1~3であり、R4及びR5は、それぞれ独立に、式HuFvCwOzを有し、u=0~11、v=0~11、z=1~2及びw=0~5である)を含む。開示されている酸素含有分子の例は、COF2、C2O2F2、(CF3)3COHなどを含む。
【0071】
一般に、集積回路半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの製造において、半導体ウエハ又はガラス基板上に所定の材料パターンを形成することが必要とされる。所定の材料パターンの形成は、半導体ウエハ又はガラス基板上に堆積された材料層上にヨウ化炭素層をコーティングすること、曝露によってヨウ化炭素層パターンを形成すること、及びエッチング層としてヨウ化炭素層パターンを使用して所定の材料パターンへと材料層をエッチングすることが関与する。
【0072】
一部の実施形態では、基板100は、
図8aに示されているようにその上に複数の層の積層を含み得るが、これはDRAMメモリを生じさせるDRAM積層における例示的な層の例示的な横断側面図である。示されるように、4つの層の積層は、シリコンウエハ基板102の上に配置されている。ハードマスク層106は、SiO層104の上に配置されている。SiO層104は、交互のSiO/SiN層又は交互のSiO/ポリSi層で置き換えることができる(
図8bを参照されたい)。層104は実際の実験において存在してもよいか、又は存在しなくてもよいことを留意されたい。ハードマスク層106は基板材料と称してよく、これはCVD、PECVD、ALD、PEALD又はスピンオン堆積(SOD)アモルファス炭素又はドープされたアモルファス炭素、CVD、PECVD、ALD、PEALD又はスピンオン堆積(SOD)アモルファス炭素又はドープされたアモルファスシリコン、ケイ素含有スピンオンマスク、又は炭素含有スピンオンマスクの層であり得る。ハードマスク層106は、C及びH、並びに他の元素、例えば、ケイ素、ホウ素、窒素、硫黄、塩素、フッ素又は金属(Al、Zr、Ti、W、Y)などを含有し得る。代わりに、ハードマスク層106は、ドープされたa-C層、例えば、ホウ素ドープされたa-C層、タングステンドープされたa-C層などである。さらに、ハードマスク層106はまた、SiCOH、SiC、SiCN、SiCONなどを含み得る。ヨウ化炭素層108は、ハードマスク層106の上に堆積される。
図8aにおける積層は例示的な目的のみのために提供され、且つ開示されているヨウ素含有膜形成組成物を使用して、ハードマスク層106の上にヨウ化炭素層108を堆積し、ハードマスク層106を修飾し、且つ/又はハードマスク層106中にヨウ素をドープし得ることを当業者は認識する。さらに、ハードマスク層106は、半導体製造プロセスに適用された104の任意の可能な層上、例えば、3D NANDゲートを生じさせる3D NAND積層における例示的な層の例示的な横断側面図である
図8bにおいて示す複数の層の積層上に堆積し得る。示されるように、7つの交互のSiO/SiN(すなわち、204a/204b)層204の積層は、シリコンウエハ202の上に堆積される(すなわち、ONON又はTCAT技術)。いくつかの技術は、SiN層204bをp-Si層(例えば、SiO/p-Si又はP-BICS技術)で置き換えることを当業者は認識する。ハードマスク層206は、7つのSiO/SiN層204の上に堆積される。ハードマスク層206は、ドーパントを有するか、若しくは有さないアモルファス炭素(a-C)ハードマスク層であり得る。ハードマスク層206は、CVD、PECVD、ALD、PEALD又はスピンオン堆積(SOD)アモルファス炭素又はドープされたアモルファス炭素、ケイ素含有スピンオンマスク、又は炭素含有スピンオンマスクの層であり得る。ハードマスク層206は、C及びH、並びに他の元素、例えば、ホウ素、窒素、硫黄、塩素、フッ素又は金属(Al、Zr、Ti、W、Y)などを含有し、SiO/SiN層エッチの間のエッチング耐性を改善し得る。この場合、ハードマスク層206は、a-C層又はドープされたa-C層、例えば、ホウ素ドープされたa-C層、タングステンドープされたa-C層などである。ヨウ化炭素層208は、ハードマスク層206の上に堆積される。
図8bにおける層の積層は例示的な目的のみのために提供され、且つ開示されているヨウ素含有膜形成組成物を使用して、ハードマスク層206の上にヨウ化炭素層208を形成させ、ハードマスク層206の上にヨウ化炭素層208を堆積させ、ハードマスク層206を修飾し、且つ/又はハードマスク層206中にヨウ素をドープし得ることを当業者は認識する。
【0073】
上記で考察するように、パターニングプロセスの間に開示されている方法を使用して堆積された膜又は層のEUV吸収を強化する(例えば、レジストレスリソグラフィー)ために、ヨウ素元素はa-C膜又は炭素材料又は炭素マトリックスに結合/ドープすることができる。このような形成されたヨウ素含有ポリマー及び/又はアモルファス炭素を使用して、半導体フィーチャの限界寸法を強化し得る。
【0074】
プラズマプロセスの間に、開示されているヨウ素含有気体又は前駆体は、下記の形態へと生成し得る:1)ヨウ素イオン(I+、I-);2)ヨウ素ラジカル(I・);3)ヨウ素含有ポリマーイオン(+CxHyIzFd、-CxHyIzFd);及び4)ヨウ素含有ポリマーラジカル(・CxHyIzFd)。ヨウ素の第1及び第3の形態は、バイアスパワーの制御によって炭素表面上へと堆積し得る。さらに、これらの化学形態は、パターニングプロセスの間の層のEUV吸収を増進し得るポリマー層として堆積する。さらに、これらの化学形態は、ヨウ素を炭素含有材料中に浸透させ、炭素含有材料を修飾するか、又は炭素含有材料の表面を修飾し、炭素含有材料中にヨウ素をドープすることができる。
【0075】
また開示されているのは、プラズマ蒸着プロセスを使用した炭素含有材料上にヨウ素含有ポリマーを形成するための方法である。開示されている膜形成組成物は、熱又はプラズマ蒸着プロセス、例えば、熱ALD及びPEALD、熱的CVD及びPECVD、プラズマ設備、例えば、LAMツールエッチャーに適していると出願人等は考える。開示されている方法は、半導体、太陽電池、LCD-TFT、フラットパネルタイプの装置の製造において有用であり得る。
【0076】
開示されている方法では、炭素含有材料又は炭素含有材料の表面上に堆積されたヨウ素含有ポリマー又は膜中のヨウ素原子濃度は、概ね0.01%~概ね99.9%、好ましくは、概ね0.01%~概ね50%、より好ましくは、概ね7%~概ね30%の範囲であり得る。さらに、開示されている方法による炭素含有材料上に堆積されたヨウ素含有ポリマー中のヨウ素原子濃度は、ヨウ素含有ポリマー又は膜によって均一濃度を維持する。開示されている方法では、炭素含有材料にドープされたヨウ素原子濃度は、概ね0.01%~概ね99.9%、好ましくは、概ね0.01%~概ね50%、より好ましくは、概ね7%~概ね30%の範囲であり得る。
【0077】
プラズマ方法は、その中に配置された基板を有するプラズマ反応チャンバーを提供することを含む。プラズマ反応チャンバーは、その中でエッチング方法が行われるデバイス内の任意のエンクロージャー又はチャンバー、例えば、これらに限定されないが、LAMツールエッチャー、反応性イオンエッチング(RIE)、単一若しくは複数周波数RFソースを伴うデュアル容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、又はマイクロ波プラズマ反応器、低温RIE、又はSi含有層の一部を選択的に除去するか、若しくは活性種を生じさせることができる他のタイプのエッチングシステムであり得る。エッチチャンバーはまた、温度制御されたステージを有してもよく、ここで、温度は-110℃から1100℃まで制御し得る。異なるプラズマ反応チャンバー設計は、異なる電子温度制御を実現することを当業者は認識する。
【0078】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物は、95v/v%超の純度で、好ましくは、99.99v/v%超の純度で、より好ましくは、99.999v/v%超の純度で提供される。開示されているヨウ素含有膜形成組成物は、5v/v%未満、好ましくは、1v/v%未満、より好ましくは、0.1v/v%未満、さらにより好ましくは、0.01v/v%未満のその類似体のいずれか又は他の反応生成物を含有する。この実施形態は、より良好なプロセス再現性を実現し得る。この実施形態は、ヨウ素含有膜形成組成物の精製(例えば、蒸留、昇華、クロマトグラフィーなど)によって生じさせ得る。開示されているヨウ素含有化合物は、5容量%未満の微量気体不純物を含有し、容量で150ppm未満の不純物気体、例えば、H2O及び/又はCO2が前記微量気体不純物中に含有される。好ましくは、プラズマエッチングガス中の含水量は、重量によって20ppm未満である。精製された生成物は、蒸留及び/又は気体若しくは液体を適切な吸着剤、例えば、4Å分子篩に通過させることによって生成し得る。
【0079】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物は、10v/v%未満、好ましくは、1v/v%未満、より好ましくは、0.1v/v%未満、さらにより好ましくは、0.01v/v%未満のその異性体のいずれかを含有し、これらは気体又は液体の蒸留によって精製して、異性体を除去し得、より良好なプロセス再現性を実現し得る。
【0080】
代わりに、特に、異性体混合物が改善されたプロセスパラメーターを実現するとき、又は標的異性体の単離が困難若しくは高価である場合、開示されているヨウ素含有膜形成組成物は、0.01v/v%~99.99v/v%のその異性体を含有し得る。異性体の混合物はまた、反応チャンバーへの2つ若しくはそれより多いガスラインの必要性を低減し得る。
【0081】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物のいくつかは、室温及び大気圧にて気体である。非気体(すなわち、液体又は固体)化合物について、それらの気体形態は、通常の気化ステップ、例えば、直接の気化によって化合物を気化することによって、又は不活性ガス(例えば、Ar、He、Kr、Xe、Ne)を泡立てることによって生成し得る。非気体化合物は液体状態で気化器へと供給してもよく、ここでこれは反応チャンバー中に導入される前に気化される。
【0082】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物は、無溶媒形態で、又は適切な溶媒、例えば、炭化水素、例えば、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、デカリン、デカン、ドデカン、アルコール、例えば、メタノール、エタノールなどとのブレンド中で供給し得る。開示されている前駆体は、溶媒中に様々な濃度で存在し得る。
【0083】
ニート又はブレンドヨウ素含有膜形成組成物は、配管及び/又は流量計などの従来手段によって蒸気形態で反応器中に導入される。蒸気形態は、直接気化、蒸留、バブリングによる従来の気化ステップによって、又は昇華器を使用することによって、ニート又はブレンド組成物を気化することによって製造されて得る。ニートブレンド組成物は、液体状態で、反応器に導入する前にそれを気化させる気化器に供給してもよい。代わりに、組成物を収容する容器中にキャリアガスを流すことにより、キャリアガスを組成物中にバブリングすることにより、ニート又はブレンド組成物を気化させることができる。キャリアガスとしては、Ar、He、Ne、Kr、Xe及びそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。キャリアガスのバブリングにより、ニート又はブレンド組成物溶液中に存在するあらゆる溶存酸素を除去することもできる。キャリアガスと組成物とは、次に蒸気として反応器中に導入される。
【0084】
必要に応じて、組成物が十分な蒸気圧を有することができる温度まで、開示される膜形成組成物を収容する容器を加熱することができる。容器は、例えば、約0℃~約250℃の範囲内の温度に維持することができる。当業者は、気化させる前駆体の量を制御するために周知の方法で容器の温度を調節できることを認識する。
【0085】
反応器は1つ若しくは複数の基板(これらに限定されないが、炭素層、Si又はSi含有層を含めた)を含有し、その上にヨウ素含有膜が堆積される。基板は一般に、その上でプロセスが行われる材料であると定義される。基板は、半導体、太陽電池、フラットパネル、LCD-TFTデバイス製造において使用される任意の適切な基板であり得る。適切な基板の例は、ウエハ、例えば、ケイ素、シリカ、ガラス、GaAsウエハを含む。ウエハは、
図8a及び
図8bに示されているように、その前の製造ステップからその上に堆積された異なる材料の1つ若しくは複数の層を有し得る。例えば、ウエハは、a-C(アモルファス、ドープされた、多孔質、スピンオン)層及び誘電体層を含み得る。さらに、ウエハは、ケイ素層(結晶性、アモルファス、ドープされた、多孔質など)、ゲルマニウム層、Si-Ge、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、シリコンオキシ窒化物層、炭素ドープされた酸化ケイ素(SiCOH)層、金属、金属酸化物、高k材料(例えば、Al
2O
3、HfO
2、ZrO
2など)、金属窒化物層(Ti、Ru、Taなど)、交互のSiO及びSiN層、並びにこれらの組合せの上にa-C層を含み得る。さらに、ウエハは、銅層、貴金属層(例えば、白金、パラジウム、ロジウム、金)の上にa-C層を含み得る。ウエハは、バリア層、例えば、マンガン、酸化マンガン、スズ、TaNなどの上にa-C層を含み得る。プラスチック層、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)[PEDOT:PSS]はまた、a-Cハード層の下に使用し得る。層は平坦であっても又はパターン化されていてもよい。開示されているプロセスは、パターン化された層が基板上に形成されるとき、ウエハ上に直接、又はウエハ上の1つ若しくは複数の層上に直接、ヨウ素含有層を堆積し得る。さらに、用語「膜」及び「層」は、本明細書において使用されるように、表面上に置かれるか、又は広がるいくつかの材料の厚さを指し、且つ表面はトレンチ、ホール、ライン、ビアであり得ることを当業者は認識する。明細書及び特許請求の範囲を通して、ウエハ及びその上の任意の関連する層は基板と称される。例えば、炭素含有材料の修飾のために、ヨウ素含有膜を炭素含有材料a-C層上へと堆積し得る。
【0086】
基板の最終用途は本発明に限定されないが、この技術は、以下のタイプの基板で特に利点を見出すことができる:シリコンウエハ、ガラスウエハ及びパネル、ビーズ、粉末及びナノ粉末、モノリシック多孔質媒体、プリント回路基板、プラスチックシートなど。例示的な粉末基板としては、充電式電池技術で使用される粉末が挙げられる。非限定的な数の粉末材料としては、NMC(リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物)、LCO(リチウムコバルト酸化物)、LFP(リン酸鉄リチウム)、及び他の電池カソード材料が挙げられる。
【0087】
反応チャンバー内の温度及び圧力は、ALD及びCVDなどの蒸着に適した条件に保持される。換言すると、気化した開示される膜形成組成物を反応チャンバー中に導入した後、反応チャンバー内の条件は、前駆体の一部が基板上に堆積して層を形成するような条件である。例えば、反応器内の圧力又は堆積圧力は、堆積パラメーターに準拠して必要に応じて約10-3torr~約1000torr、より好ましくは約10-2torr~760torrに維持することができる。同様に、反応器内の温度又は堆積温度は、約110℃~約1100℃、好ましくは約110℃~約500℃に維持することができる。当業者であれば、「前駆体の少なくとも一部が堆積する」とは、前駆体の一部又はすべてが基板と反応するか又は基板に付着することを意味することを認識するであろう。
【0088】
最適な膜成長を実現する温度は、基板ホルダーの温度の制御のいずれかによって制御することができる。基板の加熱又は冷却に使用される装置は、当技術分野において周知である。基板は、十分な堆積速度において、所望の物理的状態及び組成を有する所望の膜を得るのに十分な温度に加熱又は冷却される。基板を変化させ得る非限定的で代表的な温度範囲としては、約110℃~約1100℃を挙げることができる。
【0089】
代わりに、基板は十分な温度に加熱して、十分な堆積速度で及び望ましい物理的状態及び組成を伴って望ましいヨウ素含有膜を得ることができる。基板を加熱又は冷却し得る非限定的で例示的な温度範囲は、室温から概ね1100℃に加熱し、室温から概ね-110℃に冷却することを含む。
【0090】
特定のプロセスパラメーターによって、堆積は変動する期間の間起こり得る。一般に、必要とされる特性を有する膜を生成するのに必要とされるように堆積は望むだけ長く継続し得る。典型的な膜厚さは、特定の堆積プロセスによって、数オングストロームから数百ミクロンまで、好ましくは、0.1nmから数千nmまで、より好ましくは、単層(約0.1nm)から1nmまで、すなわち、0.1から1nmまで変動し得る。堆積プロセスはまた、膜の望ましい厚さを得るのに必要に応じて何度でも行い得る。
【0091】
炭素含有材料基板上にヨウ素含有層を堆積させるための開示されている方法は、基板を反応器中に配置することと、反応器中に開示されているヨウ素含有膜形成組成物の蒸気を送達することと、蒸気を基板の表面に接触/吸着させ(典型的には、蒸気を基板に向けさせ)、蒸着法によって基板の表面上にヨウ素含有層を形成することとを含み、ここで、接触/吸着のステップは、炭素含有材料を修飾し、且つ/又は炭素含有材料中にヨウ素をドープする。代わりに、炭素含有材料基板上にヨウ素含有層を堆積させるための開示されている方法は、基板を反応器中に配置することと、反応器中に開示されているヨウ素含有膜形成組成物の蒸気及び窒素含有分子の蒸気を逐次的に又は同時に送達することと、蒸気を基板の表面と接触/吸着させ(典型的には、蒸気を基板に向けさせ)、蒸着法によって基板の表面上にヨウ素含有層を形成することとを含み、ここで、接触/吸着のステップは、炭素含有材料基板を修飾し、且つ/又は炭素含有材料中にヨウ素をドープする。代わりに、炭素含有材料基板上にヨウ素含有層を堆積させるための開示されている方法は、基板を開示されているヨウ素含有膜形成組成物の蒸気に曝露させることと、蒸着法によって基板の表面上にヨウ素含有層を堆積/接触/吸着させることとを含み、ここで、接触/吸着のステップは、炭素含有材料基板を修飾し、且つ/又は炭素含有材料中にヨウ素をドープする。代わりに、炭素含有材料基板上にヨウ素含有層を堆積させるための開示されている方法:開示されているヨウ素含有膜形成組成物の蒸気及び窒素含有分子の蒸気に基板を逐次的に又は同時に曝露させること、並びに蒸着法によって基板の表面上のヨウ素含有層を堆積/接触/吸着させること、ここで、接触/吸着のステップは、炭素含有材料基板を修飾し、且つ/又は炭素含有材料中にヨウ素をドープする。
【0092】
ヨウ素含有膜形成組成物の蒸気を発生させ、次いで、基板を含む反応チャンバーに導入する。反応チャンバー内の温度及び圧力、並びに基板の温度は、開示されたヨウ素含有前駆体の少なくとも一部を基板上に蒸着させるのに適切な条件に保持される。言い換えれば、気化した組成物を反応チャンバー中に導入した後、反応チャンバー内の条件を、前駆体の少なくとも一部が基板上に堆積してヨウ素含有層を形成するように調整する。当業者であれば、「前駆体の少なくとも一部が堆積する」とは、前駆体の一部又は全部が基板と反応するか、又は基板に付着することを意味すると認識するであろう。
【0093】
本明細書において、共反応物をまた使用して、ヨウ素含有層の形成及びヨウ素のドーピングにおいて助け得る。
【0094】
共反応物は、上で述べ、表2において列挙した窒素含有分子であり得る。
【0095】
共反応物は、酸化剤、例えば、O2、O3、CO、CO2、NO、N2O、NO2、H2O、H2O2、COS、SO2及びこれらの組合せであり得る。開示されている膜形成組成物及び酸化剤は、反応チャンバーへの導入の前に一緒に混合し得る。代わりに、酸化剤はチャンバー中に連続的に導入してもよく、膜形成組成物はチャンバー中にパルスで導入してもよく、その反対でもよい。酸化剤は、チャンバー中に導入される概ね0.01v/v%~概ね99.99v/v%の混合物を含み得る(連続的導入代替案のために99.99v/v%は殆ど純粋な酸化剤の導入を表す)。
【0096】
共反応物は、添加気体又は添加化学物質であり得る。添加気体は、フルオロカーボン及び/又はハイドロフルオロカーボンであり得る。添加物のために使用される例示的な開示されているフルオロカーボン及び/又はハイドロフルオロカーボンは、CF4、CH3F、C2F6、C3F8、C2HF5、C5F8、C6F6、C4F6、C4F8、C1~C10飽和若しくは不飽和の直鎖状、分岐状、環状ハイドロフルオロカーボン、例えば、C4H2F6、CHF3、CH2F2、又はこれらの組合せを含む。添加気体はまた、式CaHxIyFz(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2である)を有するヨウ素含有前駆体と同じヨウ素含有分子であり得るが、反応チャンバーへと送達されるヨウ素含有添加気体は、反応チャンバーへと送達されるヨウ素含有前駆体と異なる。すなわち、式CaHxIyFz(式中、a=1~10、x≧0、y≧1、z≧0、x+y+z=a、2a若しくは2a+2である)を有するヨウ素含有分子は、前駆体及び添加気体として同時に使用されない。ヨウ素含有添加気体は、CH3I、C2H5I、CF3I、C2F5I、C2H2F3I、飽和若しくは不飽和の直鎖状、分岐状、環状、例えば、C6H5I、C6H4I2、C3F5I、C2F3Iなど又はこれらの組合せであり得る。CH3Iがヨウ素含有前駆体として使用されるとき、ヨウ素含有添加気体はCH3Iではない。同様に、C2H2F3Iがヨウ素含有前駆体として使用されるとき、ヨウ素含有添加気体はC2H2F3Iではない。すなわち、ヨウ素含有前駆体及びヨウ素含有添加気体は、これらが堆積プロセスにおいて使用されるとき、同じ分子ではない。
【0097】
共反応物は、上述の酸素含有分子であり得る。
【0098】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物及び共反応物は、同時に(CVD)、逐次的に(ALD)又はこれらの異なる組合せで反応器中に導入し得る。反応器は、膜形成組成物の導入及び共反応物の導入の間に不活性ガス(例えば、Ar、He、Kr、Xe、Ne)でパージし得る。代わりに、共反応物及び膜形成組成物は、一緒に混合して共反応物/化合物混合物を形成し、次いで、混合物形態で反応器に導入し得る。別の例は、共反応物を連続的に導入し、開示されている膜形成組成物をパルスで導入すること(パルスCVD)である。別の例は、膜形成組成物及び非活性化共反応物がチャンバー温度及び圧力条件では実質的に反応しないという条件で、共反応物をプラズマで逐次的に活性化させながら、共反応物を連続的に導入し、膜形成組成物をパルスで導入することである(CW PEALD)。
【0099】
不活性ガスはまた、プラズマを維持するために共反応物として反応チャンバー中に導入される。不活性ガスは、He、Ar、Xe、Kr、Ne、又はこれらの組合せであり得る。膜形成組成物及び不活性ガスはチャンバーへの導入の前に混合してもよく、不活性ガスは、概ね0.01v/v%~概ね99.9v/v%のこのように得られた混合物を含む。代わりに、不活性ガスはチャンバーへと連続的に導入し得、一方、膜形成組成物はチャンバーへとパルスで導入される。
【0100】
開示されている膜形成組成物及び共反応物は、反応チャンバー中にパルスで送達し得る。開示されている膜形成組成物のそれぞれのパルスは、適用される場合、約0.001秒~約30分、代わりに、約1秒~約120秒、代わりに、約5秒~約60秒の範囲の期間の間継続し得る。共反応物はまた反応器中にパルスで送ってもよく、そのような実施形態では、それぞれのパルスは、約0,01秒~約30分、代わりに、約1秒~約120秒、代わりに、約2秒~約60秒の範囲の期間の間継続し得る。別の代替形態では、気化した膜形成組成物及び共反応物は、数枚のウエハを保持するサセプターがその下で回転するシャワーヘッドの異なるセクターから(組成物及び反応物との混合なしに)同時に噴霧し得る(空間ALD)。
【0101】
開示されているヨウ素含有膜形成組成物及び共反応物は、反応チャンバー中への導入の前に、又は反応チャンバー内で他の気体と混合し得る。好ましくは、気体は、均一濃度の進入気体を提供するために、チャンバーへの導入の前に混合し得る。
【0102】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物及び共反応物の蒸気は、他の気体とは独立にチャンバー中に導入し得る(例えば、2つ若しくはそれより多い気体が反応するか、又は独立に送達することが容易であるとき)。
【0103】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物及び共反応物の蒸気は、堆積プロセスの間に使用される唯一の気体である。
【0104】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物及び窒素含有分子は、堆積プロセスの間に使用される僅かに2種の気体である。
【0105】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物、窒素含有分子及び不活性ガスは、堆積プロセスの間に使用される僅かに3種の気体である。
【0106】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物、窒素含有分子及び酸化剤は、堆積プロセスの間に使用される僅かに3種の気体である。
【0107】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物、窒素含有分子、添加気体及び酸化剤は、堆積プロセスの間に使用される唯一の気体である。
【0108】
別の代替形態では、開示されているヨウ素含有膜形成組成物、窒素含有分子、添加気体及び不活性ガスは、堆積プロセスの間に使用される唯一の気体である。
【0109】
開示されている膜形成組成物の蒸気は、プラズマによって活性化され、活性化膜形成組成物が生成される。プラズマは、膜形成組成物をラジカル形態(すなわち、活性化膜形成組成物)へと分解する。同じプラズマ処理プロセスは、不活性ガス、窒素含有分子、酸化剤及び添加気体を含めた共反応物に適応し得る。プラズマは、RF又はDC電源を適用することによって生じさせ得る。プラズマは、約25W~約100,000W、好ましくは、約100W~約25,000Wの範囲のRF電源で生じさせ得る。プラズマは、遠隔で又は反応器自体内で生じさせ得る。プラズマは、RFで両方の電極に適用してデュアルCCP又はICPモードで生成し得る。プラズマのRF周波数は、100KHz~1GHzの範囲であり得る。異なる周波数での異なるRFソースは、同じ電極においてカップリング及び適用し得る。プラズマRFパルシングをさらに使用して、基板における分子の断片化及び反応を制御し得る。このようなプラズマ処理に適した方法及び装置を当業者は認識している。
【0110】
四重極型質量分析計(QMS)、光学発光分光計(OES)、FTIR、XPS、又は他のラジカル/イオン測定ツールをチャンバー排気からの活性化膜形成組成物を測定して、生成された種のタイプ及び数を決定し得る。必要に応じて、膜形成組成物及び/又は不活性ガスの流量を調節して、生成されたラジカル種の数を増加又は減少し得る。
【0111】
望ましい膜厚さを得ることによって、膜をさらなる加工、例えば、熱アニーリング、ファーネスアニーリング、急熱アニーリング、フォトニック硬化、UV硬化、UV eビーム硬化、レーザー硬化、マイクロ波硬化、キャッピング層及び/又はプラズマガス曝露に供し得る。
【0112】
アニーリング後、開示されるプロセスのいずれかによって堆積された膜は、約1μohm.cm~約1Mohm.cmの室温でのバルク抵抗率を有し得る。室温は、季節に応じて約20℃~約25℃である。バルク抵抗率は、体積抵抗率としても知られる。当業者は、バルク抵抗率が典型的には約50nm厚さである膜に関して室温で測定されることを認めるであろう。バルク抵抗率は、典型的には、電子輸送メカニズムの変化のためにより薄い膜について増加する。バルク抵抗率は、より高い温度でも増加する。
【実施例】
【0113】
以下の非限定的な実施例は、本発明の実施形態をさらに例示するために提供される。しかし、これらの実施例は、すべてを含むことを意図するものではなく、本明細書において記載される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0114】
市販のLAMツール4520XLe200mmプラズマエッチツール(10のガスラインを伴うCCPデュアル周波数プラズマ)で実験を行った。
【0115】
試験した平坦なウエハは、
・Si基板上の350nmのPE-CVDアモルファス炭素(a-C)(Advantive Techから購入)。
・Si基板上の300nmのスピンオン炭素(SOC)(SKWから購入)
である。
【0116】
平面試験のために、原子ポリマー組成物を、LAMツールで調製した異なる条件でKratos Axis SupraX線光電子分光法(XPS)によって評価した(例えば、試験分子の分圧、チャック/底部温度、27MHzのソースパワー及び2MHzのバイアスパワー)。プロセスの間に使用した2種の気体は、試験分子及びArである。
【0117】
膜内の元素の原子濃度を計算するために、下記のXPS方法を用いる:単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、160の全帯域通過、0.5eVのステップサイズ。さらに、XPS高解像度スペクトルをまた使用して、異なる結合の存在を決定したが、このようなスペクトルを下記の方法によって収集した:単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、20の全帯域通過、0.1eVのステップサイズ。
【0118】
プラズマパワー、温度、流量、及び圧力を変動させることによってLam200mmエッチチャンバーを使用して種々のプラズマプロセス条件下で、2つの市販の分子、CH3I及びC2H2F3Iを試験した。さらに、本発明者らは、ベースラインプロセスとして2-C3F7I(CAS#677-69-0)を試験した。
【0119】
ベースライン参照データ:2-C3F7Iをベースラインエッチ化合物として評価し、a-C層中へのヨウ素濃度を定量化した。パターンのプラズマ処理エッチの間に上面上及び側壁上に出現するポリマー層形成をシミュレートするために、プロセス条件を調整した:a-C層クーポンを30mTorrで60秒間、ソースパワー750W(27MHz)、及びバイアスパワー0W(2MHz)で基板においてエッチングした。プロセス供給混合物は、250sccmのAr、15sccmの2-C3F7Iを含有し、O2を含有しない。表面に達した中性物及び活性種は表面に固着し、それらの固着係数に基づいて、薄いポリマー層を堆積させる。表3はXPS結果であり、アモルファス炭素表面上のヨウ素、炭素、フッ素及び酸素原子濃度を示す。ヨウ素の原子濃度は1.8%である。
【0120】
a-Cの表面においてXPSで検出される元素の原子濃度。XPSデータは、単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、160の全帯域通過、0.5eVのステップサイズによって収集する。このXPS方法を用いて、それに続くデータのための原子濃度の結果を収集する。
【0121】
【0122】
実施例1:CH3Iを使用したPECVD
プラズマプロセスの間に、ヨウ素含有気体は下記の形態へと生成し得る:1)ヨウ素イオン(I+、I-);2)ヨウ素ラジカル(I・);3)ヨウ素含有ポリマーイオン(+CxHyIzFd、-CxHyIzFd)、及び4)ヨウ素含有ポリマーラジカル(・CxHyIzFd)。ヨウ素の第1の形態は、バイアスパワーの制御によって炭素表面へと堆積し得る。さらに、それより後の形態は、ポリマー層として堆積される。この例示的な実験において、ヨウ素含有気体CH3Iを膜形成前駆体として使用して、平坦なウエハ(Si基板上の350nmのPE-CVD a-C(Advantive Techから購入)、又はSi基板上の300nmのスピンオン炭素(SOC)(SKWから購入))上でヨウ素含有ポリマー層を堆積させる。表4は、PE-CVDによるCH3Iの堆積のためのLAMツールの変動する底部電極パワーのプロセス条件を示す。
【0123】
【0124】
図1a及び
図1bは、それぞれ、CH
3Iの堆積を伴って様々なソースパワー及び様々なバイアスパワーでのa-C材料上のヨウ素の原子XPS濃度を示す。原子XPS濃度は、単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、160の全帯域通過、0.5eVのステップサイズによって収集する。XPS結果は、様々なバイアスパワーでのa-C表面上のヨウ素原子濃度を示し、一方、500Wでのトップパワー及びソースパワーを保持し、一方、500Wでのバイアスパワーを保持する。スクリーニングした条件について、バイアス及びソースパワーは、約15%の増加が示される500w/500wのソース/バイアスを除いてヨウ素濃度に対して軽微な効果を有するようである。
【0125】
基板温度はチャック/底部温度によって制御し得る。表5において示すこのようなプロセス条件、変動する底部電極温度のプロセス条件は、
図2に示されているようにヨウ素及びヨウ素含有種の揮発性によって炭素含有材料の表面上のヨウ素濃度を調節し得る。示されるように、チャック温度が上昇する一方で、ヨウ素原子濃度は低減する。温度効果は、少なくともバイアス0Wについて明確な傾向を示す。温度が上昇すると、ヨウ素原子%は減少する。約10%の最良の結果は5℃にて得られた。AFM結果は均一層(Rq=0.2~0.3nm)を示す。修飾プロセスは、滑らかな層ポストプロセス(Rq=0.2~0.3nm)を示す。
【0126】
【0127】
プロセス圧力並びにCH
3I及びArの流量比を調整して、ヨウ素濃度を改善し得る。このようなプロセス条件、すなわち、プロセス圧力調整を表6において示し、表7において示す流量比の調整は炭素含有材料の表面上のヨウ素濃度を調節し得る。
図3は、圧力が30mTorrから200mTorrに増加するときの、14%のヨウ素原子濃度の増加の結果を示す。
図4は、ヨウ素原子濃度の結果が150/70sccm条件で最適化されることを示す。
【0128】
【0129】
【0130】
実施例2:CH
3Iを使用した堆積されたヨウ素含有炭素膜の安定性試験
ヨウ素含有分子は光及び水分下で不安定であることが公知である。したがって、このような条件下において、形成された膜を試験することが重要である。試験したヨウ素含有炭素膜は下記の条件下で調製した:ソースパワー500W/バイアスパワー500W、ソース温度30℃、バイアス/チャック電極温度20℃、ギャップ1.35cm、変動する圧力、Ar/CH
3I、150/70sccm、反応時間15秒。これらの合成された膜に2つの安定性試験を行った:1)水分試験(試料を周囲条件[大気]において、室温にて、暗い箱中、1週間の曝露において静置させた)、及び光試験(試料をN
2条件において、室温にて、室内照明への1週間の曝露において静置させた)。ヨウ素濃度安定性の結果は
図5において見出し得るが、ヨウ素原子濃度が、CH
3Iについて水分及び光試験の間に1週間の曝露の後で概ね一定(概ね7%)に維持されることをこれは示す。この知見は合成された膜の安定性を示す。
【0131】
XPSデータ分析:堆積されたヨウ素含有炭素膜を、XPS(単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、20の全帯域通過、0.1eVのステップサイズ)によってさらに分析する。分析したヨウ素含有炭素膜は下記の条件下で調製した:ソースパワー500W/バイアスパワー500W、ソース温度30℃、バイアス/チャック電極温度20℃、ギャップ1.35cm、変動する圧力、Ar/CH
3I、150/70sccm、反応時間15秒。
図6aに示されているように、ヨウ素I3d5/2は、a-C表面上で3タイプの結合を有する:有機ヨウ素(I-C、I-C-O)及び非常に少量の吸収されたI
2分子。
図6bにおいて示す炭素C1スペクトルにおいて、C-I(285.1eV)結合がまたC1ピーク重畳において見出されたが、これは炭素マトリックスへのヨウ素結合を確実にする。この結合は膜安定性をさらに確実とし、すなわち、膜は均一であり、安定なヨウ素原子濃度を有する。
【0132】
実施例3:LamツールエッチャーによるC
2H
2F
3Iを使用したプラズマ蒸着
C
2H
2F
3Iを膜形成前駆体として使用して、a-C層上にヨウ素含有ポリマー膜を堆積させた。従前の実施例において考察したように、ヨウ素イオン、ヨウ素ラジカル及びヨウ素含有種は、ソースパワー及びバイアスパワーによって制御し得る。このプロセス制御(表8において示す)は、
図7a及び
図7bに示されているように炭素含有材料上のヨウ素濃度についての最適な条件をもたらし、最適なヨウ素原子濃度は、それぞれ、C
2H
2F
3Iを使用して、ソース及びバイアスパワーを1000W(27MHzのソースパワー)/1000W(2MHzのバイアスパワー)で調整することによって達成し得ることをこれは示す。
【0133】
【0134】
実施例4:LAMツールエッチャーによるCH3I及びC3HF4Nを使用したプラズマ蒸着
CH3I及びC3HF4Nを膜形成前駆体及びN含有共反応物として使用して、a-C層上にヨウ素含有ポリマー膜を堆積させた。比較のために、CH3I及びN2を膜形成前駆体及びN含有共反応物として使用して、a-C層上にヨウ素含有ポリマー膜を堆積させた。従前の実施例において考察したように、プラズマプロセスの間に、ヨウ素含有気体は、3つの形態:1)ヨウ素イオン(I+、I-);2)ヨウ素ラジカル(I・);3)ヨウ素含有ポリマーイオン(+CxHyIzFd、-CxHyIzFd)、及び4)ヨウ素含有ポリマーラジカル(・CxHyIzFd)へと生成し得る。ヨウ素の第1及び第3の形態は、バイアスパワーの制御によって炭素表面へと堆積し得る。さらに、これらの化学形態は、パターニングプロセスの間の層のEUV吸収を強化することができるポリマー層として堆積する。これらのヨウ素形態は、気相及び堆積したポリマーの表面においてC3HF4Nからの窒素種によってさらに捕獲し得、堆積されたヨウ素及び窒素含有炭素膜が形成される。LAMツールエッチャーのこのようなプロセス条件を表9において示す。
【0135】
【0136】
堆積されたヨウ素及び窒素含有炭素膜を、Kratos Axis Supra X線光電子分光法(XPS)によってさらに分析する。
図9は、様々なバイアスパワーでのa-C表面上のヨウ素の原子XPS濃度を示す。CH
3I及びC
3HF
4Nの混合物は、CH
3I単独及びCH
3I+N
2と比較してヨウ素原子%の改善(約25%の増加)を示す。堆積された膜内の元素の原子濃度を計算するために、下記のXPS方法を用いた:単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、160の全帯域通過、0.5eVのステップサイズ。さらに、XPS高解像度スペクトルをまた使用して異なる結合の存在を決定したが、このようなスペクトルは下記の方法によって収集した:単色Al Kα(1486.6eV)、10mAの放出電流、20の全帯域通過、0.1eVのステップサイズ。
【0137】
分析したヨウ素含有炭素膜を下記の条件下で調製した:ソースパワー500W/バイアスパワー500W、ソース温度30℃、バイアス/チャック電極温度20℃、ギャップ1.35cm、圧力200mTorr、Ar/CH
3I/C
3HF
4N、150/70/15sccm、又は反応時間15秒。
図10に示されているように、Ar/CH
3I/C
3HF
4NのN1ピークは、a-C表面上で3タイプの結合を有する:C-NH
2、C-NH
3、及びC-N。これらの結合は、ヨウ素濃度の増加に基づいたヨウ素種の捕獲を示唆する。窒素混合のケース(Ar/CH
3I/N
2、150/70/15sccm)において、窒素は炭素膜(
図9)中に良好に組み込まれず、したがって、ヨウ素濃度の増加はない。
【0138】
要約すれば、開示されている方法は、炭素表面上にヨウ素膜を堆積する新しい/新規な化学反応だけでなく、炭素表面にドープされたヨウ素濃度を強化する方法を提供する。このようなヨウ素修飾された層は、半導体製作装置における様々な用途において利用し得る。
【0139】
本明細書で説明される主題は、ユーザ対話型コンポーネントを有するコンピューティングアプリケーションのための1つ以上のコンピューティングアプリケーション機能/動作を処理するための例示的な実装との関係で説明され得るが、主題はこれらの特定の実施形態に限定されない。むしろ、本明細書に記載の技術は、任意の適切なタイプのユーザ対話型コンポーネント実行管理方法、システム、プラットフォーム、及び/又は装置に適用することができる。
【0140】
本発明の性質を説明するために本明細書に記載され例示された詳細、材料、ステップ及び部品の配置の多くのさらなる変更形態は、添付の請求項に示される本発明の原理及び範囲から逸脱せずに当業者によってなされ得ることを理解されたい。したがって、本発明は、前述の実施例及び/又は添付の図面中の特定の実施形態に限定されることを意図するものでない。
【0141】
本発明の実施形態を示し、記載してきた一方で、本発明の精神又は教示から逸脱することなしにその修正は当業者が行い得る。本明細書に記載されている実施形態は単に例示的なものであり、限定的ではない。組成物及び方法の多くの変形及び改変が可能であり、本発明の範囲内である。したがって、保護の範囲は本明細書に記載されている実施形態に限定されないが、その範囲が特許請求の範囲の主題のすべての同等物を含む下記の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【国際調査報告】